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孤空の月〜崩れゆく廃坑〜

99腐れ飯 /team-2:2011/03/29(火) 20:31:00


「まず…」




ユエはゆっくりと口を開く、グレイは驚いて目を丸くするばかりだ。
「謝ろう。僕は少し君を…すごく過小評価していた。すまなかった」
ユエは仰け反らせていた首を元にもどし正面を向く。額からは、ドロリと先ほどの弾丸とおぼしきものが
垂れていた。弾丸を極度に軟化させたのだろう。
「『すごく』は、とってあげても良いかもしれない…」
ニヤリと鋭い牙を見せてユエは笑みを浮かべる。そのまま、ゆっくりとグレイのほうへと歩み寄る。
「なんだよ…それで俺をびびらせてるつもりか?だったらまだまだ…」
グレイは違和感を感じる。
足が動かない?


「ちょっと!何が起きてるの!?グレイ!?」
返事はない。いや、聞こえないだけかもしれない。銃声が響いてから彼らの声はピタリと止まってしまった。
「っく…まだ見えない……そうだ、エゴ!?エゴ、何処にいるの!?」
未だ視界は悪く、右も左もわからない状況だ。アイリは慎重に歩みながらエゴを探す。
すると、何かに躓いた。よろめくが、転びはしない。何かと思ってふりむくと、見覚えのある人形が転がっていた。
「エゴ!大丈夫!?」
「オネエチャ…」
意識は大丈夫のようだ。しかし、何故倒れているのだろうか?ユエは既にエゴを攻撃してから自分に手を
かけたのか?だがそんな音はいっさいしなかった…・
耳をすますと、なにやら呟いている。
「………ない…」
「え?」
「ウゴ…ケナイ」
「…どういう…」
足元をみる。すると先ほどの瓦礫の山がグニャグニャになり、そこにエゴが埋もれている。
すると、アイリも足に違和感を感じ始めた。先ほどまで岩だったところがエゴと同じくスライムのように
やわらかくなっている。
「…………何…」


「……だこれは…!!」
「僕の能力さ、対象を変形させる。なんてことない術だよ」
そういうとユエはグレイの前に立ち、屈む。
「今は、地面を軟化させているんだ。君達が巨人を崩してくれたおかげで、源は増えた。そして…」
途端にドロドロの地面は元の地面にもどった。グレイの足を地面に埋もれさせたまま…
「これが硬化。……ニーハオハイエナ君。そして…」
グレイはただ、歯をくいしばることしか出来なかった。
「さよならだ」


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