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春が終わる時に

1 さすらいの物書き :2004/04/20(火) 16:44
何かを終わらせる、それは簡単な事なのに
何かを始まらせるそれはなんて難しいんだろう
幽々子は目の前にある妖怪桜を見てたまにそんな物思いにふける事がある

あの時妖怪桜は確かに満開になった気がする
だけどその結果何かが復活する事もなくただいつもどおりの春が訪れたに過ぎなかった
春・・・それは何かが始まるそんな季節であると同時に何かが終わる季節
桜に花が咲き始めそして散っていく
花が散る様は・・・綺麗だけど何処か儚げで寂しさを感じさせる・・・
ふと後ろに気配がして振り返る
妖夢だった、幽々子の物憂げな表情を見て心配をしているのだが中々話し掛けづらい
先に口を開いたのは幽々子の方だった
「ねぇ妖夢、終わらせてしまったものからは何も生まれないのかしら?
 私は今まで色々なものを終焉へと導いて着たけど・・・・それが悲しくって仕方が無い時があるの」
妖夢はちょっとだけ困った顔をして・・・でもしばらくして何かを思い出したように語り始める
「おじい様から昔聞いたお話しですけど、昔終わりが無い時代があったそうです
 終わりが無い世界・・・良い事もずっと続くけど悪い事や悲しい事も永遠に続いていく
 終わり無くよいことが続いていけばいつか何が良かったのかすら忘れてしまうし
 悪い事が続いて行けばそれにいつかは押しつぶされてしまう
 いつしか皆が終焉というものを望み始めたそうです」
幽々子は静かに聞いていたがちょっと口をはさんでみる
「でも、終わりがあったらあったでそれを嫌う人だって居るんじゃないの?」
妖夢は静かに笑って
「確かに何かが終わってしまうのは悲しい事かもしれませんね、でもあの桜の木を見てください」
幽々子は桜の木を見るが花が散っていく以外特に感じるところが無い
「何も変わったところは無いんじゃなくて?」
「今はまだ見えづらいかもしれないけど・・・花が咲き終えた場所を良く見てください、そこに答えがあるはずです」
と言い残し妖夢は庭掃除に出かけてしまった
一人残された幽々子は仕方なく桜を見ていることにした
1日たち2日たち・・・そして4日ほど過ぎた時に幽々子は桜の変化に気付き始めた
花はもうほとんどなくなっていた、でもその後から黄緑色に輝いた新緑が芽吹きはじめていた
その時妖夢がそっと戻ってきて優しく幽々子に語りかける
「花も良いですが新緑も中々良いものだとは思いませんか?」
幽々子は自分が得た答えを確認するように妖夢に話し掛ける
「何かが終わる・・・だけど終わらなければ始まらないものもあるのね
 そして始まりがある限りいつかは終わりがある、でもだからこそ新しいことが始められる」
妖夢が優しく微笑む、だけどちょっとだけ顔を厳しくして
「私の言いたい事がわかってくれてよかったです、でも忘れないで下さい
 取り返しのつかない終わりだってあるのです、だからこそあなたの力は本当に終わりを必要とするものにつかってあげてください」
幽々子はしっかりと頷いたそして妖夢へ・・・
「私は今まで桜は花が咲いている時にしか見てなかった、だけどこんな一面もあったのね
 まだまだ私の視野は狭いかもしれない、だけどあなたが居るから少しだけよく周りを見るように慣れると思うわ」
妖夢は 
「あ・・・まだ掃除し終えてないところがあるので私はこの辺で・・・」
と照れを隠すようにして慌ててその場を立ち去った
また一人残された幽々子に優しげな春風が吹きその頬を撫でる
気のせいか青い空と新緑の香りが当り一面を覆い、幽々子は明るく微笑んでいるのだった


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