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磯の潮目…ペタペタ第2倉庫

738アイナメ:2015/12/01(火) 07:56:03 ID:VWlETRAQ
人民元に関する米中協議で、ティモシー・ガイトナー米財務長官(48)に注目が集まっておりますので、今日はガイトナーに関する話題をとりあげたいと思います。

いまから1年強前の昨年2月10日、財務長官就任から間もないガイトナーが、金融機関から不良債権を買い取る「官民投資プログラム(PPIP)」や大手金融機関の健全性を審査する「ストレステスト」などからなる金融安定策を発表しましたが、当時のことを覚えていらっしゃる方は多いでしょうか。
この金融安定策の発表の直後、ダウは急落。その後の数週間で6500以下に下がったほか、銀行間取引の金利も上昇。ポール・クルーグマンやジョセフ・スティグリッツといった左派からアラン・グリーンスパンやリンゼイ・グラハムといった右派まで、多くの論客がガイトナー・プランを酷評しました(当時は「09年を通して経済は縮小していく」という見方が主流で、ガイトナーの案は「単なる先延ばしに過ぎず、問題の解決にはつながらない」という評価が大半でした)。

しかし、1年強経ったいま、ガイトナーの金融安定策は、実は期待を上回る成果を出したのではないかという見方が出てきています。代表例は米ニューヨーカー誌のジョン・キャシディの記事や米アトランティック誌のジョシュア・グリーンの記事です。ここでは、この二つの記事の内容を大雑把にご紹介いたします。

上述のキャシディの記事によれば、米国経済は、依然として失業率は高いものの、回復してきており、それは①オバマ政権の総額7870億ドルの景気刺激策、②FRBの量的緩和、そして③ガイトナーの金融安定化策(とくにその本格的なストレステスト)によるところが大きいとのこと。昨年2月時点の米国では、「金融機関の国有化」を主張する論者が多かったのですが、仮にそれを実施していれば、米国政府はいま頃「14〜15のAIG」を抱え込むような事態になっていたはず。ガイトナー・プランのおかげで、金融機関の救済の費用は、90年代初頭のS&L危機のときよりも少なくすんでいると指摘しています。

とはいえ、国有化が行われず、金融機関の責任者が「ギロチン台」に立つことにならなかったため、金融機関に不満を持つ米国庶民の間ではガイトナーの人気は高くありません。加えて彼自身の経歴がよく知られていないこともあり、左派からは「ウォール街のポチ」、右派からは「社会主義政府の職員」と蔑まれている始末です。

ガイトナーは1961年、ブルックリン生まれ。幼い頃から父親の仕事の関係でローデシア(現ジンバブエ)、インド、タイといった国で暮らし、ダートマス大学とジョンズ・ホプキンス大学では国際関係を専攻。大学院卒業後は、ヘンリー・キッシンジャーが創設したコンサルタント会社「キッシンジャー・アソシエイツ」に入り、中国や日本や東南アジアで情報を集め、それをニューヨークのキッシンジャーなどに報告する仕事をしており、キッシンジャーの労作『外交』(邦訳は日本経済新聞社より刊行)の一部は、ガイトナーが書いた長文の論考を土台にしているそうです。88年に米財務省に入り、90年からは在日米国大使館で勤務し、日本のバブル経済崩壊後を観察。クリントン政権時代にはローレンス・サマーズやロバート・ルービンに重用され、ブッシュ政権誕生後は財務省を離れ、IMFを経てニューヨーク連銀総裁を務めました。

財務省時代の元同僚のガイトナー評。
「『Xについてどう思うか』と訊くと、普通の人は考慮すべきポイントをいくつか列挙して答えるが、ガイトナーの場合は、一つの戦略を提示するのが特徴だった」

オバマ大統領は、就任後から、国家経済会議委員長のローレンス・サマーズの意見よりも、ガイトナーの意見を採り入れてきたといいます。人民元をめぐる米中協議に、ガイトナーがどのような「戦略」で臨んでいるのかが気になります。

(翻訳担当:阿部)
2010.04.09
人民元協議で注目を集めるガイトナー米財務長官の実績
http://courrier.jp/blog/?p=1991




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