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靖国神社
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:2014/04/27(日) 11:44:09
靖国を別施設?中韓に屈する愚論
「埋め火」のような靖国神社の別施設構想
2014.4.27 07:00
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140427/plc14042707000001-n1.htm
靖国神社の春季例大祭で複数の閣僚らが参拝したことで、いかにも見当違いな声が政界でまたぞろ、ちらほらと聞かれた。中韓両国の反発が強まっているとして、靖国神社とは別の、無宗教の国立追悼施設を建設しようという愚論である。日本の伝統をいささかも顧みないばかりか、中韓両国の内政干渉に屈するような、弱腰極まるざまである。 21日から23日にかけて執り行われた靖国神社の春季例大祭には、新藤義孝総務相をはじめ、超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・尾辻秀久元厚生労働相)のメンバー約150人らが参拝した。
現職閣僚なのだから、堂々と立場を表明すべきなのに、「個人としての私的行為」うんぬんと言い訳がましい説明をした新藤氏の姿勢は少しばかり残念だったが、自らの信念で参拝した振る舞いは多としたい。 昨年末に参拝に踏み切った安倍晋三首相は、このたびは参拝を見送り、就任後の春秋例大祭の対応と同様、供え物の「真榊」を「内閣総理大臣」の名前で奉納したのは、いささか寂しかった。
「靖国神社は負の財産」中韓両国は案の定、非難の声を
巷(こう)間(かん)伝えられている通り、参拝の際、米政府から「失望した」と批判されていたうえ、米国のオバマ大統領との首脳会談を控えていたため、これに配慮したのは明らかである。とはいえ、参拝時のように、英霊に尊崇の念を表すとともに、「不戦の誓い」を新たにするのだと説明し、詣でてほしかった。 中韓両国は案の定、非難の声をあげる。「靖国神社は負の財産」「参拝したのは嘆かわしい」…。福田赳夫内閣時の昭和53年に、いわゆる「A級戦犯」が靖国神社に合(ごう)祀(し)された際には、一言も抗議せず、中曽根内閣以降、急に声高に言い始めたのはなぜ…。 こんな疑問がつきまとい、どうも「ご都合主義」の色合いを感じさせるが、今となっては、両国が抗議しないことは政治的にあり得ないのだから、両国がこうした動きに出るのはやむを得まい。
むしろ、両国の対応を「追い風」に、国立の追悼施設の建設検討の意見が出ることに、日本人の矜(きょう)持(じ)もいよいよここまで低落したのかと、暗(あん)澹(たん)たる気持ちになってくる。 言うまでもなく、無宗教の国立追悼施設の構想は平成4年、国をあげて追悼・平和記念を行う必要があるとして、福田康夫官房長官の私的諮問機関が建設の必要性を提言した。
国のために尊い犠牲となった霊を裏切るようなもの
思うに、そもそも「無宗教」の概念が分からない。「この施設を訪れる個々人の宗教感情等」は否定されず、「各自がこの施設で自由な立場から、それぞれ望む形式で追悼・平和記念を行うこと」が保障されているという。 けれども、「追悼」する営みは宗教的な行為と言わず何と言おう。これではまるで、「無宗教」という宗教を国が後押ししているようなものである。 こんな疑問もある。「追悼」とは「死没者を悼み、死没者に思いを巡らせる」行為だそうだが、「追悼」だけを行う施設などあるのだろうか。「追悼」のほかにも、戦没者の功績などを表彰する「顕彰」や霊魂を慰める「慰霊」をして然るべきだろう。「顕彰」や「慰霊」をすると、中韓両国が批判してくるので「追悼」だけにしましょう−。こんな腰の引けた底意がうかがえる。
報告書をめぐっては、歴史認識問題をあえてあいまいにしているとの批判もある。同時に、戦前、日本がかかわった戦争は「侵略戦争」であり、いわゆる「A級戦犯」を祀(まつ)った靖国神社に首相らが参拝するのはよろしくない。平和を唱える憲法の理念にも反する−。こんな論旨に彩られているとの指摘も根強い。 よしんば、A級戦犯を神として祀らず、英霊として顕彰したりせず、国立施設の追悼対象とし、そこに時の首相らが訪れるならば、中韓両国の批判はやむのかもしれない。実際、全国戦没者追悼式の対象にはA級戦犯も含まれており、両国からの批判はない。ただ、これは対象が「亡きがら」だからであって、そんなありようでは、国のために尊い犠牲となった霊を裏切るようなものではないか。
安倍首相はかねて、国立追悼施設には否定的な姿勢を貫いている。17日にも都内で開かれたシンポジウムで、「国が今度はこちらの場所でと言って済む問題ではない」と述べ、靖国神社が「追悼の中心的な施設」だと明言した。 与野党にくすぶる国立追悼施設の建設構想が安倍政権で動き出す気配は、今のところさらさらない。けれども、灰の中にあってもなかなか消えない「埋め火」のようなもので、どうにも困ったものである。
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