したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

大規模イベントスレ

588とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 21:45:04 ID:xg2Ete1.
>>587
「やっぱり、あの体を構築してるのそもそも侵負なんだ……」
「体を覆っているのも、六本腕の正体も 体を拘束しているのも全部」

「鎧が無かったら、元々は普通のヒトだから……!」

エルンストが言っていた、鎧の多機能性
確かにナハト本人の応用性もあるだろうが、人の道に逸れたことをそう多くできるはずがない
今までの行動が侵負によるものだとしたら

「ビート君、魔力込めて当てた時放出すれば魔弾以外の攻撃もいけるよ!」
「こっちも出来る限りフォローするよ! ……というわけでもう一発!」

泥のおかげで怠慢な動きしかできなくなった蛇腹剣に、もう一発同じ魔法を発射した
続いてビートの方に気を取られているだろうと願いをこめ、蛇腹剣を持つ手に向かってフックショットを発射
武器を手から弾くよう目論んだ

589とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 21:54:25 ID:O52.Oaxc
「これは……効いてる、効いてるよな!」
自分の攻撃が当たれば、明らかに何らかの影響がありそうな様子。
確かな手応えを感じれば、右手に一度魔力を集めて構えなおして

「えーと、つまり魔力で泥とかそれを吹き飛ばせってことだな!
だったらどうにかできそうだ!なんとか!なんとかな!」
その言葉とともに再び魔力弾を放つ。
今度の狙いは確実に当てられる胴体や頭ではなく、足元。
地面にぶつけることで、砂煙を巻き起こさせる。

「―――どっせぇぇええい!!」
すぐに砂煙の中に突っ込み、右腕を振りかぶり、力強く右ストレートを放つ。

「これで、どうだぁぁぁあああああ!!!」
そして、右手に集中させた魔力を解き放つ!
収束させていない一撃は、威力としては強力なものではないが、近距離で収束させずに放ったそれは面で攻撃しており、避けるのは至難の業だろう。

590とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 22:10:13 ID:qN.dEvaM
>>588>>589
力任せに蛇腹剣を振るい、ディフの妨害を振り払う。
しかしビートへの対応が疎かとなりその一撃を右腕で防ぐしか術がない。

結果。

ビートの一撃を受けたナハトが地面を抉りながら大きく後退する。
ボコボコギュリュギュリュと攻撃を受けた右腕が不自然にのたうち膨張縮小を繰り返す。

「…っ」

忌々しそうに目を細めビートやディフを一度見やり踵を返した。
背に歪な羽を生やし、止める間もなく逃げ去っていく。

591とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 22:15:11 ID:xg2Ete1.
>>590
「待…… ア、グ!」

とっさに追いかけようとしたが、傷ついた足がそれを許すはずも無く
痛みでバランスを崩し、前のめりに倒れた。

飛び去ろうとするナハトに手を向け、苦し紛れに雷撃を放つ
どこか体の一部に、できれば歪な翼に当たれと 本当にやけっぱちでの、一撃

592とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 22:20:46 ID:O52.Oaxc
「……ふぅ、これならさすがに効いたよな………ッ!
って、まだ動けるのかあいつ!」
こちらも、長期間による戦闘、魔力を相当な料放出したことにより、相応に疲弊していた。
故に、ナハトが逃げ出してもそれに追いつこうと足を踏み出すまでが遅れてしまい、捕まえるのが不可能なくらいには引き離されて。

「アイツは倒れてるしあんにゃろうには逃げられるし………!
だぁ、さすがに放っておけないよなぁ!」
しかし、地面に倒れたディフを見て、深追いをせずにディフのところまで駆け寄って

593とある世界の冒険者:2014/07/04(金) 22:24:25 ID:qN.dEvaM
>>591>>592
周囲の風景も元へと戻り一難は去った。
しかし今後の課題も積もったような……
兎に角、この場は一件落着である。

キリ的な意味で今日はここまで!!

594とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 22:21:56 ID:S.Fhi8KA
フォンベル「おー、無事帰ってきやがったな」

周囲の風景が戻ったところで大魔術師がお出迎えである。

フォンベル
「竜関係のアイテムを探してたんだが…
 よくよく考えたら全部コイツが食っちまったんだった」

イワーム「わむわむ」

大魔術師の後ろで岩のワームがうねうねしていた。
相変わらずデカい。

595とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 22:25:11 ID:JpEK3IlU
>>592-593
「く、うう…… ここで何とかしたかったけれど……」

半身を起こし、空の彼方へと消えて行ったナハトを悔しそうに見上げる
戦闘が終わり緊張感が途絶えた今、攻撃を防いだ両手と足がひどく傷んだ

「体力的には問題ないんだけどちょっと足が、 肩を借りても………」
「………あ、やっぱりいいや、あの二人優先だよね……」

ナハトの攻撃を受けて倒れた銀の姫と、エルンストを見て、何とか体を起こす
骨が折れたわけではない、動ける事は動ける。 問題は素早くは動けない事

596とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 22:49:20 ID:3aKIUg.2
>>594
「……はぁ、終わった終わった。
俺一人じゃ無理だわ、アレは。」
おもいっきり苦戦して、やれることをやった結果はかろうじて退けただけというべきか。
みんながいなければどうにもできなかった戦いだろう。

「………とりあえず、治療とかは他の連中を頼む。
俺はまだ動けるしな。魔力かつかつだけど。」
そうなった原因は序盤に怖気づいていたのが原因であるのだが。

597とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 22:55:55 ID:S.Fhi8KA
>>595>>596
やいのやいのと騒ぎを聞きつけMob生徒やら教師やらも入り乱れ、
修繕やら治療やらで日が変わり…

フォンベル
「はい、つーわけで昨日の出来事はエルンストから聞いた。
 ナハトの奴が未だ敵対中ってのは戦力的に痛いが仕方がねえ。
 だったらこっちは使える戦力を強化するしかねえ訳だ」

現在空きとなっているプラーナ科講師ドゥクスの教室を借りて大魔術師が教壇に立っている。
アッテネやエルンスト、銀の姫の他、白衣を纏う死んだ魚の様な目をした茶髪の女も居る。
無論、当事者たるビートとディフも招かれているわけで…

598とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 23:03:29 ID:JpEK3IlU
>>596
「……いや、むしろ鎧引っぺがしたらかなりいい線いくんじゃないかな」
「利き腕奪えたんだしあのまま戦い続けてたら……」

炎の魔法覚えるか対ナハト用に爆弾もって置くのはどうだろうか、と
そしていろいろあって


>>597
「正直侵負の武器化した段階で対侵負の術式の限界感じ始めてるけど………」

そして呼ばれた私塾のとある一角、の教室
侵負の武器化で強力な武器を得た、その前に魔法の基礎からたたき直され強化された
問題なのはそれがあっさり弾かれた事

599とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 23:24:41 ID:3aKIUg.2
>>597
「………俺の攻撃が効いていたにしてもあの様子じゃあなぁ。」
攻撃まで持っていくのに相手の鎧やらなんやらを乗り越えなければいけない現実。
次はあれにも対策されるかもしれないと考えると気分書く開くなっていく。

「んーむ、戦力強化っつってもどうすんだ?」

>>598
「……鎧ひっぺ剥がすまでに結構大変な目にあってないか?俺たち。
正直、ディフが機転きかせてなかったらあのまま積んでたし。」

600とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 23:27:45 ID:S.Fhi8KA
>>598
フォンベル
「あとは錬度の問題だとは思うがなぁ?
 馬鹿正直に攻撃繰り出しても手練れには当たらんだろうし、
 戦い方を考えるべきかもしれん。
 つーか、単独でやりあって勝てる相手ならとっくにこの騒ぎも終わってるだろうな」

>>599
フォンベル
「正直竜の力の強化法なんか知らんからなあ…
 錬度を積んで何とかなるもんなんだろうかも疑問だな。
 そもそも竜ってのは初期値が異様に強くて伸びしろが少ない感じがするんだが個人的に」

601とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 23:33:55 ID:JpEK3IlU
>>599
「……………」

「あ、忘れてた そういえば雑魚侵負軍団……」

銀とエルンストが雑魚担当、単独で突っ込んで自分とビートと役割分担していたおかげで
何とか気にせず戦えていたが。 一人だと分散されてまず無理ゲー

「……単独行動の時に遭遇したら軽く詰むかな、1対1は絶対やらんだろうし」

>>600
「練度、練度…… 前も同じように歯が立たない相手がいたな、クロと会う前にドムスさんと戦った時」

結局あの問題解決せずにここまで来てしまったのだった
再浮上するだなんて思わなんだ

「あの剣のままで固定化されてないならやりようがある、かな 他の形態にも出来るんなら槌とかにした方が手っ取り早そうではあるけど」
「ついでに発動しなかった技の問題もあるし…… ……戦い方、戦い方…… 剣術……」

602とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 23:44:16 ID:3aKIUg.2
>>600
「でもさー、それって動かない理由にはなんないだろ?
ほら、なんか新たな力に目覚めるッ!……なんてことはないにしてもなんかあるかもしれんし。」

「別にまた違う力を探すのも手k真央しれないけど、市から探すとなると時間がかかるだろうしなー。」

>>601
「……となると俺の問題点は対軍団用の攻撃かね。
できれば、タイマンでも使えるような汎用性の高いの。正直思いつかねぇけど。」
単体で遭遇した時点で負けのようなものなのだろうが、それじゃない時の。
自分以上にナハトに対抗できる存在がいた時に雑魚を相手どれるような魔法があればいいかと考えてそう言っている。

603とある世界の冒険者:2014/07/06(日) 23:52:58 ID:S.Fhi8KA
>>601
フォンベル
「形状変化は便利だが…
 固定化しない分、一つ一つの形状の質が落ちることは念頭に入れとけよ?」

>>602
フォンベル
「ビート、ただの魔術じゃあ侵負には通用しないし、
 かといって負のチカラは竜のチカラを持つ今のお前が修得出来るはずもない。
 出来ることの幅を広げる事は推奨するが1のチカラを10集めるくらいなら
 1のチカラを10に上げるべきだ。
 このペースじゃ1のチカラを10集めてる途中で相手に出くわしてお終いってのが目に見える」

604とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 00:04:58 ID:jnU2uUn2
>>603
「浅く広くか深く狭くか ……どの程度落ちるかわからないのが」
「下手したら剣も槌もまともに使えないレベルに堕ちるかもしれないし…… う、うーん……」

「…………保留。 とりあえず剣の方の練度上げてから考えよう」

一先ずはさておき、剣で不足する事態が起きた場合の選択肢として考える
練度上げた状態で形状変化すれば、ある程度質が下がっても使えるはずだ
それにあの動きについて調べず新しく手を出すのも気がひける

>>602
「一つの魔法を一点集中か拡散型かに使い分けられるようにするのがいいんじゃないかな」
「まずタイマンでも使える魔法を習得、それを応用。 そうした方がタイマン相手の場合は対応できる」

範囲魔法は慣れない内は効果が薄いからタイマンにも対軍団にも使えないよ、と

605とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 00:14:21 ID:Ts3eeGgI
>>603
「なんだよ、伸びしろが少ないって言ったのそっちじゃないか。
それにそういう力を探してる時間がないのはわかってる。」
そこらへんは侵負に対抗できる力を探して色々動きまわったビートだからこそ実感できるのである。
あくまで渡り手でしかなかったり、それを使うためにものすごい回り道をせざるを得なかったり、騙されて痛い目を見たりと散々だった。
……それをまた繰り返すのはゴメンなのだ。

「だけどなぁ、竜の力を上げるとか鍛えるって、一体どうやりゃあいいんだ?
ただひたすらに魔力放出して休んで、なんて簡単な作業じゃないだろ。
誰かが知っ列かもしれんが、少なくとも俺も知らん。」

>>604
「一つの魔法を応用かぁ。ソッチのほうが楽そうだな。
俺はそっちと違って殴る蹴るの延長線上しかできねぇから汎用聞かねぇけど、それならできそうだ。」
と言うより、殴るける以外のことをしたがらないようにも見える。
わざわざ魔法弾飛ばすのにも殴る動作をしているし、詠唱も碌に行っていない。

「収束と拡散かぁ、ともなれば手から出す魔法弾、あれを拡散……させても意味ねぇや。それだと軍団っつうより拡散させて無理やり当てる方式になるだろうし。
ともなると………地面ぶん殴って、それで軍団なぎ払うとか………あ、これ空飛んでたら当たらねぇや。」
まぁ、純粋な魔法の知識も無いようにしか見えないが。

606とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 00:21:05 ID:CpLVqVMY
>>604>>605
フォンベル
「ディフの方は自力で何とかする余地があるがビートの方は専門家が必要なのは明白だ。
 なので特別講師を招いた、ほれ」

ガラ、と教室の引き戸を開け引っ張り込んだのは
両端を垂らした紅いマフラーとゴツいヒップバッグが目を惹くチビ女、
に引っ張られて両端を垂らした紅いマフラーと二本角の鉢金を身に付けたボサボサ黒長髪の長身男だった。

JD「なんか久々の出番だなー。オッス!!」
RR「…」
フォンベル「やっとこさ専門家が返ってきたんでな、俺様も竜の事は色々知りたい」
RR「……」
JD「にーちゃん、面倒そうな顔しないでみんなに教えてあげよう!な?」

607とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 00:30:08 ID:jnU2uUn2
>>605
「個人的にお奨めしたいのはビーム状の魔法、ほら、僕が良く使う雷属性の魔法の奴」
「直線状に伸びる一直線の物と地面に打ち下ろすようにして周りに拡散させるタイプ、収束する姿も拡散する姿も想像しやすくてやりやすい」

「それに雷とか炎の場合は、強い閃光を放つ事も出来るから目眩ましにもなるよ」

恐らく使い勝手がいい分ビートと共闘している時に何度か使っているだろう
何故かいつも防がれているか避けられているイメージがあるが気にしてはいけない

>>605-606
「ただ力を伸ばすとしたら、蛇の道は蛇だと思うな」
「知り合いに竜とかそんなの、は…… ……!」

「JDさん!そしてRRさん…… ひ、久しぶりです」

608とある世界の冒険者:2014/07/07(月) 00:37:01 ID:Ts3eeGgI
>>607
「ビームかぁ、炎に雷………手………足……ああ、なんか勝手にやけどとか痺れたりしちゃいそうだな。」
格闘戦の延長線上の魔法にこだわりがあるようで。

「けどまぁ、ビームを足から放って、こう……なぎ払うってのは良さそうだな!」
軽くその場でまわし蹴りを放って。
一瞬しか相手に当たらないから効果が見込めなさそうではある。

>>606
「おお、JDにRRじゃねぇか。久しぶりだなぁ。
竜の力はそっちのツテで手に入れたもんだしなぁ。色々教えてくれると助かる。」

「そんで、えーと………こう、俺にもわかるような次元で話をしてくれると助かる!」

609とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 21:33:32 ID:DiJLKtOU
>>607>>608
RR「…自身に宿る竜のチカラを高めるのは一朝一夕では無理だ」
JD「んだねー、ニーちゃんもトーちゃんもジーちゃんも日々鍛錬だーって言ってるもんねぇ」
RR「故にチカラを用いての術のバリエーションを増やすのが一般的と言える」
JD「そうなのかー…あれ?ニーちゃんって大きく言うと一つしか術使ってないよね?」
RR「…そうだな、よく気づいた」ナデナデ
JD「えへへー」

兄妹の微笑ましいコミュニケーションを挟みつつ、説明が始まる。

610とある世界の冒険者:2014/07/12(土) 21:45:54 ID:KgAcRGVk
>>608-609
「(竜の力の話が始まるなら、まず使えない。 無関係だよね……)」

RRとJDの和気藹々とした雰囲気の中、始まる竜の講座
しかしながら自分の対侵負の源は侵負であり、残念ながら乏しい才能の中に
竜の力を扱う才能なんて無論存在しない
この場で逃して後々使えるようになる、という事もまずないだろう

「(しかし始まってすぐは出にくいなぁ、より専門的な話になった所を見切って出るしか……)」

611とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:13:23 ID:avKazuSk
【王都/教会】

日中、休日という事もあり友人である金色の髪の可愛らしい少女にお呼ばれして、
彼女の住まう教会へと呼び出され、そこへとやって来たコートニーだが。


『――だから、私クレドくんの事はそういうふうには見れません、ごめんなさいっ』

「……そ――っ、かぁ……うん、解ってたよ。」
「……うん、言ってくれてありがとう、アリーナさん。」

……何か、ちょっとタイミングが悪い時に来てしまったキがする。
教会の外で、いつもの青年と友人の少女が何か話している所に来てしまったのだ。

612とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:34:42 ID:jA1iuZrI
「っと、この声は……」
いつものようにお話をしようとごきげんな様子で教会に向かったコートニー。
二人が話しているのを偶然耳にしてしまう。

(困りましたね、今扉を開けるのは失礼になるでしょうし、かといってこのまま帰るのもアリーナちゃんに失礼ですし……。
このまま会話を聞くのも出歯亀みたいじゃないですか……。)
わずかながらに聞こえた会話で、どんなことを話しているのか察してしまったのが運の尽き。
引くも押すもできず、困ったようにおろおろしている。

613とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:45:39 ID:avKazuSk

『えっと、それでクレドくん、そのぅ』
『……これからも――お友達ではいてくれますか?』

「――勿論。 だってそれって、今までと一緒だろ?」

何て、会話のやりとりが聞こえて少しした後、はっとしたような声が聞こえて。

『……あっ、やっぱり来てました、コートニーさんっ!』

きぃ、とドアが開けられ、少女が笑顔を浮かべコートニーを出迎える。

614とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:54:24 ID:jA1iuZrI
(……うん、やっぱりそういう場面真っ只中ですよね。クレドくんもそういう場を見られるのも嬉しくないでしょうから、
ここはあとで事情を説明するとして―――あれ、扉が開いて……!?)
「―――ひゃい!?」
いきなり扉が開いたことに驚いて一歩後ずさる。
その後、どういう状況下把握したように、

「ど、どうも………。」
引きつった笑みを浮かべながら、ものすごくきまずそうに二人に会釈をする。
………やらかしてしまったのだろうと自覚しており、冷や汗が止まらない。

615とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 00:59:11 ID:avKazuSk

『はいっ、こんにちわっ』

にこにこ、とお出迎えしてコートニーの手を取って教会に招く少女。
その評定は少し晴れ晴れとしているようにも見える。

「コートニー? ……もしかして、あー」
「……聞かれてたり、した?」

一方クレドの方はきょとん、とした表情の後にうわぁ、と言う感じの顔。
それは、まぁ、そうも、なるだろう。

616とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:11:01 ID:jA1iuZrI
「あっ、はい。こんにちわです。アリーナちゃん」
この気まずい状態でも変わらないアリーナちゃんに生返事で答える。
正直、すぐにでもこの場から逃げたいくらいには参っている

「その………ええっと。さっき来たばかりですけど、どんなことを話してたのかは聞いちゃいまして。
呼ばれた手前、黙って帰るわけにも行かずにどうしようかと考えていたところでして!ええ!」
こんな様子で誤魔化したり嘘をついても意味は無いと考え、素直に白状をする。

617とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:17:34 ID:avKazuSk
「……そっかぁ」
あははー、と苦笑いするクレド。
すっきりしているような、何処かちょっともやもや、しているような……?

と、そんなクレドを見ているとアリーナがくいくい、と袖を引っ張っては顔を近付けて。

『えっと、こんなタイミングでよんじゃってごめんなさい』
『けどその……私だけだと、クレドくん兵器平気、って言って無理しちゃいそうだったので……』


ので。
呼ばれた、という訳なのだろうか。 いや、一帯どうすれば?

618とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:27:06 ID:jA1iuZrI
「え、ええっと……ゴメンナサイ。」
いたたまれない気持ちで胸がいっぱいで頭を下げて謝りだす。
……こういう時に謝られるのも、複雑な気持ちだろう。

「……そ。そんなこと言われても………!
フラれた現場を見せられてもこっちだって気まずいだけです……!」
クレドくんのことをチラチラ見つつ、こそこそと会話をする。

619とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:31:02 ID:avKazuSk
「いや、こっちこそ、なんか、ごめん。」
「コートニーは色々してくれたのに、結局こんな感じだし。」

はは、と空笑いをする様子の少年。
らしくもなく少し、自虐が入っている。

『だからっ、ここでコートニーさんがクレドくんを励ましてあげてくださいっ!』
『私はちょっと、えっと……お、おそとにいますからっ!   それじゃあクレドくん、ちょっと私お買い物にいってきます!!』


なんて言いつつさささっ、とドアを開けて出て行ってしまう。
意外としたたかだぞ彼女! 歩くのは遅かったが。

620とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:46:21 ID:jA1iuZrI
「わ、私は大丈夫ですよ!
こんな風になっちゃったのは残念ですけど………。
でも、応援したこととかは全然後悔していませんもん!」
応援しようと頑張ったらからこそ、アリーナちゃんやクレドくんとも仲良くなれたのだ。
応援してもしなくても、変わらない結果なのかもしれないが少なくとも応援した事は間違っていなかったと思っている。
故に、励ましでもなくお世辞でもなく、本心からこういうのであった。

「そ、そうは言っても二人きりにされたらそれこそすっごい気まずいですって!
……むぅ、一人にさせるのが一番良くないってわかっててやってるでしょ……もう」
こんな状態のクレドくんを放置するのが一番良くないと思ったからか、出て行くアリーナちゃんを追いかけられず。
……それと、いつか仕返しをしてやろうと心に決めるのであった。

621とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 01:49:17 ID:avKazuSk
「……そう言ってもらえると、助かるけど」
「あはは、何かダメだなぁ、俺、空回りしちゃって」
「コートニーにも空回りさせちゃったし……」

はぁ、と溜息なんかを吐き出してしまい、
そのまま椅子に、少しだらしなく座り込んでしまう。
わかっていた事、諦めかけていた事とはいえ、な様子。


なお、ぴっぴこ走って行く姿はちょっとかわいかった。

622とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 02:01:20 ID:jA1iuZrI
「んー?私は空回りしただなんて思ってませんけど?
クレドくんがアリーナちゃんに好かれようって頑張ったこととか、邪気さんに起こったことが無駄だったとは思いませんよ。
雨降って地固まるってやつですよ。」
自分も適当な椅子に座って、そんなことを行っている。
……隣とか、対面に座るのは少し躊躇うものがあった。


(むぐぐ、そういうところも可愛いのがあざといですね……本当に)

623とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 02:06:54 ID:avKazuSk
「か、なぁ。 ……んー、なんかさ、何だろう」
「終わっちゃったんだなぁ、っていうのが、あってさ。」

「……あー、ダメだなぁ、俺。」

とぎれとぎれに言った後、溜息を吐いてうなだれる。
背が高く大きい背中が、今は何だか少し小さく見えてしまう……、

624とある世界の冒険者:2014/07/14(月) 02:27:51 ID:jA1iuZrI
(んー、私の家とかであれば紅茶の一杯でも出せるんですけど……。
さすがにアリーナちゃんに許可とらないでそういうのをするのはダメでしょうし。
……運の悪いことにお茶うけも持ってくるの忘れちゃったのがなぁ。
なにか気の紛れるものとか気分転換できるものが……、そうだ。)
なにか気が紛れるものとかがあればなぁと思案した後、何かを思いついた顔で

「そうだ、またあのお店行きましょうよ!
あのケーキ屋、気分転換に行ったところ!」
と、笑顔で総提案してみる。
もちろん、今は協会を空けるわけにも行かないだろうし、アリーナちゃんが戻ったあとになるだろうが。

625とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 21:52:39 ID:OO5yEpTs
とある村の富豪の住居が魔物に乗っ取られた、速やかに排除しろ
そんな依頼をちゃっちゃとこなし、住居の主からそれ相応の報酬を貰った冒険者一行
後は王都に戻るだけ、馬車に揺られ半分寝た状態で帰ればいいだけ……

だったはず、なのに

「………二連戦とはついてないわね」

御者が何を思ったのかゴーストタウンのすぐ近くを通ったのか行けなかった
ならず者の住処になっていたようで、爆発物を馬車に投げつけられ転倒
辛うじて抜け出し近くの廃屋に忍びこみ、出るに出られぬ現状に至る

626とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 21:57:38 ID:p6gKbtX6
>>625

「乱暴な人間もいたものだな。そもそも、吾輩に誘爆したらどうしてくれる」

武器の点検をしながら、悪態をつくのは無精髭を生やした金髪の男だ。
今の騒ぎで武器に異常が発生してないかを確認する。

「ライフル、ハンドガン共に使用に十分。頑丈なのはいいことだ」

続いて、腰から提げた剣を引き抜き、鍔と柄の辺りを確認した後に収める。

「こちらも異常は無し……概ね問題はないだろう。それで、奴さんはどこから現れるかな……と」

それとなく気配を探るが、相手はどれぐらいの距離にどれぐらいいるのだろうか。

627とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:02:00 ID:yI7Duv2w
「いやしかしどうしたものか、はっはっは。
 とりあえず一杯飲んでから考えるかね?」

栓の空いていない酒瓶片手に座り込んでいるのは、
黒ランニングと柄物半パンを不思議と着こなし襤褸外套を纏う白長髪のひょろ長体躯な爺さん。
尚、先のクエストでは目立った功績は残していない模様。

628とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:16:05 ID:OO5yEpTs
>>626
「……元々家の中の戦闘と聞いて爆弾を持ってきてなかったのが幸いしたかしら」
「こっちも問題無し、よ」

ベルトに取り付けられた爆弾をいれるためのホルダーは空だ 幸運な事に
鞘に納められたナイフと物理銃、さらにコートの袖の部分に仕込まれたスリーブガンを触り、異常がないか確認した

>>627
「……今酒飲んだら激しく動けなくなるわよ」

酒瓶を片手に持つ玄爺を窘めるように
というより酒瓶どこから出したのだろうか、まさかこの家の物ではあるまい

>>626-627
「……依頼として任されていない以上、相手を倒す義務はない」
「けれどもここから出る事を考えると、 ……必要性はあるわよね」

窓から燃え盛る馬車が見える。 使う事は無論不可能、馬も御者が乗ってどこぞへと消えてしまった
同じ爆発物をならず者が所持している可能性があるため一つの家屋に立ち籠り続けるのも危険であり、まず戦闘は避けられないだろう

ちなみに逃げ込んだ廃屋は二階建ての普通の一軒家、
今いる部屋は古ぼけた木製の机を残すのみの台所と思わしき部屋だ
風が家を揺らしているのかたまに軋む音が聞こえる

もしこの中に魔力的な感覚に優れている者がいるなら、二階から炎属性の微かな魔力を感じるだろう

629とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:22:53 ID:p6gKbtX6
>>628

「あるいはこっそり抜け出るといったところか」

「だが……足が必要であるな。奴らの馬を奪いたいところだが……」

うろうろ歩き回るのは当然危険である。
全員やっつけて安全を確保するなら、話は別だろうが……。

「とりあえず、場所を移した方がよかろう。ここに逃げ込んだのは奴らも知っているはずであるしな」

根からの魔術師でないため、彼はわずかな魔力の気配には気づけない。

630とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:23:08 ID:yI7Duv2w
>>628
「まあまあ、そう言わんと慌てず、騒がず、どっしり構えて急いで逃げる算段をせんとな?
 何やら廃屋だと言うに二階から妙な気配も感じるようであるし」

顎をさすりながら呑気な爺。
因みに酒瓶は…外套から取り出したようである。
一見モノが入りそうには見えないのだが…

「しかし皆色々と持っているのだなあ。
 俺はコイツと腰の剣くらいしか持っておらんよ」

因みにその剣は錆びてガタついているのを先のクエストで露呈している。

631とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:30:12 ID:OO5yEpTs
>>629-630
「ええ、気付かれてないなんて楽観視もできないもの」
「二階から気配を感じるらしいし近くの廃屋に…… !?」

立ち上り、ドアに手をかけて開けた所でサラッと言われた玄爺の言葉に気付く
その瞬間二階から何かが落ちる音が聞こえ、微かだった炎の魔力が急激に上昇した
既に開け放たれたドア、少女は既に部屋の外に出ている
今のまま部屋に居続けたら馬車の二の舞だろう

632とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:33:52 ID:p6gKbtX6
>>631

「……ッチィ! 腹いっぱいくらえ、水風船だ!」

リアラに追随する形で逃げる傍ら、置き土産とばかりに水魔法を発動させる。
咄嗟に組んだ術式で雑で荒っぽいが、巨大で不安定な水球を生み出した。
ソレは重力に一切逆らうことなく出現地点より落下、着地と同時に周囲に飛び散り、夥しい量の水ををまき散らすことになる。
あの部屋に多少の防炎性を持たせることぐらいはできただろう。

633とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:39:21 ID:yI7Duv2w
>>631
「いかんなあ、完全に炙り出される形になっておらんか?
 しっかり周囲を見んと、往々にして飛来する矢や待ち伏せにおうて怪我をする」

言いながら脱兎の如くドア、ではなく
窓ないしそれに準ずる開口部目掛け外套にくるまって突貫。
それをぶち破って外へと飛び出す。
開口部がない場合は壁をぶち抜くことになる。
この場合、少々逃げ遅れる形となるが。

634とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:48:26 ID:OO5yEpTs
>>632-633
最早灰と化し小さな火が残るのみとなった馬車が見える窓から無事脱出、
結果玄爺と二手に分かれる事になった冒険者たち
脱出した直後に、天井から爆発音が轟き崩壊する二階部分
ワーガの水の魔法のおかげで炎が拡散する事は防げたが家屋が完全に崩壊するのは時間の問題、
さらに二階の床等とは明らかに異なった、重い何かが水に落ちる音が台所から聞こえた

もしワーガがリアラの後を着いていくのなら、一緒に裏の出口に向かうだろう
そこには三人の、杖と銃を構えた男たちが待ち伏せていた
出口に出た途端冒険者たちをハチの巣にする…… かと思いきや玄爺が窓から脱出したため気がそちらに逸れた!

「―――!」

出口を出て相手三人に気付き、銃を抜く少女
裏出口にいた三人のうち二人が立ち直り、リアラとワーガに向け火球を
もう一人が玄爺に向け発砲した!

635とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:55:02 ID:p6gKbtX6
>>634

「――二人、やれるな、美女よ!」

攻撃はリアラに任せ、この場は防御を担当すると決める。
自分とリアラを包み込むように、水によるドームを形成させ、火球を防ぐ。
簡単な防御術式で、さらに言えば効果も火球を消せた程度で消すぐらいの省エネなものだ。

「――ッ」

火球が水のドームに着弾するのを確認すると同時に、腰のホルスターに手を伸ばす。
リアラがしくじっても、最低限のフォローはできるようにとの構えだが――。

636とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 22:56:40 ID:yI7Duv2w
>>634
「中々頭の回る連中だっとおぅ!?」

爺、弾丸に当たり思いっきり吹っ飛んだー!!
………いや、流石に宙に身体が浮くくらい吹っ飛ぶのはおかしい。

「まあ、俺はもっと回るがね?」

ポンッ!と小気味いい音と共に、
何かが目にも止まらぬ速さで銃を持った男に飛んでいく。
酒瓶のコルク栓だ!
風を切り裂き飛ぶそれは明らかに魔力を伴った凶弾に転じている。
爺が宙でのけ反り、尚且つ外套がはためく事で瓶を隠しているために、
急に栓が飛来してきたかのように見える可能性大。

637とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:06:56 ID:OO5yEpTs
>>635
「ええ、もちろんよ」
「(出し惜しみなんてしたら負ける……!)」

右手に、ホルダーから取り出した銃を
そして開いていたはずの左手に、小ぶりな物理銃を持ち二つ同時に発砲
コートに仕掛けておいた銃を隠し玉としてではなく単純に武器として使わないと負ける、そう判断した
水のドームに炎が着弾した直後に放たれるリアラからの凶弾、
それが火球を放った男の胸と、不意をつかれた男の足に直撃
地に伏した

そして、地面に倒れる直前にワーガの背後から足音が聞こえる
崩壊したキッチン、軽い物が水に落ちる音に混ざって何かが重い物が落ちる音が聞こえた
そこから考えるに

>>636
捕らえたと思わしき人物からの思わぬ攻撃に、ダメージこそは無かったかもしれないが額に喰らい
銃を持った男が怯んだ
その隙をもう一つの出口から出た冒険者の誰かが逃さなかったのか、他二人が倒れた直後に
銃を持った男も脇を抑えて倒れる

これで外にいる敵は退治した、かと思いきや自分達の出てきた廃屋の正面玄関から
続けざまに二人の男が現れた
表と裏ではっていたのだろう、玄爺に向け氷の矢と雷で形成された槍を放った!

638とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:13:10 ID:yI7Duv2w
>>637
「ふぬんっ!!」

吹っ飛びから、しゃがんだ状態で着地。
その間に飛来する二つの魔弾。
気づいた爺が羽織っていた外套を左手で引っ掴み振りぬく。

ピシガシィッ!と何かが固まったような妙な音がして
外套が形を固定し魔弾を撃ち払う。

「…さて、お次は何をしようかね?」

ぐびり、と空いた手で酒をあおりながら。

639とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:16:03 ID:p6gKbtX6
>>637

「ブルズアイ! 吾輩の次ぐらいには銃の名手であるな」

機嫌よさげに、同時に二人を始末したリアラを称える。
ひとまずの安全は確保できたか、と考えた矢先、先ほど聞こえた音の主が出てきたようだ。
彼は身体を捻りながらホルスターから拳銃を引き抜き、続けざまに二発、発砲する。
身体を捻らせながらの射撃のため、銃身は水平に移動し、二人の身体のどこかに当たるように弾丸は飛んでいく。

「――で、当たってくれたか?」

完全に背後を振り向いて、戦果確認。
この間に反撃があれば、何らかの防御術式を発動させる構えも忘れない。
彼が行った二連続射撃は、銃が特別というよりは曲撃ちの一種だ。素早いコッキングにより、連発しているように見えるだけのことである。

640とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:27:24 ID:OO5yEpTs
>>638
魔弾が外套で弾かれた事により少し茫然、だがすぐに気を取り直し、
玄爺に向け走り出す男二人
防がれたとは言え相手は一人、他にまだ残っている
そんな気持ちが見えるようだ

『―――――!』

氷の矢を発射した方の男が何やら呪文を唱え、水色の光線を地面に向け発射した
地面が凍りつき、玄爺に向け一直線の道ができる
それに雷の槍を発射した男が乗りスケートの要領で玄爺に向け滑り出す
勢いを付けて物理的な攻撃と共に、右手に溜めた雷の魔力を至近距離でぶっ放すつもりのようだ!

>>639
振り返ると、体に風穴があいた男が地に伏していた
手には馬車を爆発させた時に使われたと思われる炎属性の魔石
それをワーガとリアラに向け投げつけるつもりだったのだろう、未遂に終わったが

「―――フンッ」

振り返ったワーガの後ろで、少女の声とグシャッという嫌な音が聞こえた
銃尻でまだ意識を手放したわけではなかった男の頭を殴り気絶させたようで

641とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:30:32 ID:p6gKbtX6
>>640

「――む? 一人か?」

勘違いで曲撃ちしては情けない、とホルスターに銃を収めて、苦笑しながら顎を撫でる。
振り向いてみれば、銃の尻で男をひっぱたくリアラの姿があった。

「ひとまずは片付いた……と言ってよさそうか? 爺さんが下手を踏まねば、であるが」

ああいう手合いは得体のしれない強さがある。
軍人時代の経験をもとに、そんなことを笑いながら話して。

642とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:36:06 ID:yI7Duv2w
>>640
「おや、こう言う手合いは初めてか?
 こいつは襤褸だが魔力伝導率が高くてな。
 まあ、俺が使う魔術は付与強化に重きを置いて…聞けよ!!」

不機嫌そうに酒瓶を振るう。
勿論酒が飛び散るわけだが…
ピシ、ギシ、ガチリと宙で飛沫が固定される。

突如道の途中に障害物が出来たようなものだ。
無色の液体故に視認は難しい。
範囲は小さい、しかし立派な障壁。
態々進路を示してくれているのだ、これで十分。

643とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:44:43 ID:OO5yEpTs
>>641
「……恐らく上手くやっているとは、思うわよ」
「おかげで対応がしやすくなった。 ……けれども応援に向かうべきね」

そう言ってワーガに、倒れた男の近くで拾った瓶のコルクを見せる
コルクだけ持ち歩くような珍妙な奴はいないし酒瓶も無い
観察眼が正しければ先ほどの老人が持っていた酒と同じ銘柄だった、どうやら助けられたらしい

ワーガがこちら側の敵を駆除したのを確認すると、老人にいるであろう方向に向かう少女

>>642
障壁が貼られたと、知る由も無く突っ込んでくる男
手から紫電が漏れ、辺りを照らしている
後もう少しで玄爺に届く、そんなところで

響く衝突音、後ろに倒れる雷の男
さらに雷の魔法が暴発し辺りが雷で照らされた

644とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:48:24 ID:p6gKbtX6
>>643

「なるほど。理由もなく一人倒れたのは、君が三人やってのけたと思っていたが」

「面白いものだな」

コルクを超高速で発射すれば、それは武器にもなるだろうが、それは理屈だ。
実践するだけの力がなければ、真似しようとも思えない。

「うむ。そうだな」

リアラの後をついていく。
もうケリはついているだろうとの予感はあった。

645とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:49:58 ID:yI7Duv2w
>>643
「やれやれ、貯えもない老い先短い爺の楽しみを無駄に使わせおって」

バサリと外套を翻し纏う。
当然両手が隠れる。

「さて、お次は何をしようか?」

ニコリ、と笑みを浮かべるが…
まあ、今までやらかしている所から得体のしれなさしか感じられないだろう。
無論それが目的である。

646とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:55:00 ID:OO5yEpTs
>>644-645
「生憎そこまで力量は無いわよ。 ……連射も出来ないし」

飽くまで持てる銃はこの両手の二つだけ、それ以上は隠しても扱えない
片方の銃を再びコートの袖に隠し、玄爺の下へ向かった


「……ほとんど決着ついているようね」

そして予想通り、ケリが既についていた
何が起こったのか凍った地面の上で黒焦げで倒れる男、その向こう側には男一人を残すのみ
3vs1、それも冒険者側が多い

『――――――!』

舌打ちが聞こえた
こっちの不利になったと悟ったのか、倒れた仲間たちに背を向け走り出す男

647とある世界の冒険者:2014/07/19(土) 23:59:27 ID:p6gKbtX6
>>646

「逃げるか、逃がさん。聞きたいこともある」

水と土の混交魔法を発動させる。
とはいっても、仰々しいようなものではなく、つまるところ、泥団子の生成である。
水流や石礫を射出させる、「矢」のタイプの一般的な魔術と何ら変わることはない。
ただ、少し重たくて、湿っているだけだ。
それを三本程度、逃げる男の背中に向けて射出する。まともに直撃すれば、思わず倒れそうになるぐらいの衝撃だ。

648とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:03:16 ID:WZh9/Fmo
>>646
「…いい判断だ。しかし仲間を置いていくのは感心せんな?」

酒瓶を振りかぶり弧を描くようにしてブン投げる。
クルクルと回転しながら高く投げられたソレは、降下を始めた瞬間内から爆ぜる。

飛び散るのは又しても酒。
半分ほど残っていた酒の飛沫が雨あられと降り注ぐ。
広範囲に四散した飛沫の魔力塊は、さながら地面にぶちまけられたパチンコ玉。
走る人間が踏みつければ末路は一つしかない。

649とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:08:39 ID:OFRLqIuw
>>647-648
足に向けていた物理銃を下ろすと、そうつぶやいた
まず玄爺の酒に足を取られ、バランスを崩し
次にワーガの泥団子により完全に前のめりに倒れた男
其れでも逃げようと体を動かしている所に、頭に硬い何かを押し付けられた

「………動いたらどうなるか、わかるわね?」

男の頭に銃口を突きつけ、無表情で男を見下ろす少女
ちくしょうめ、と毒着くと無抵抗を示すため動きが止まった

650とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:10:33 ID:WZh9/Fmo
>>649
「ふーむ」

とりあえず周辺を見回す。
更に伏兵、と言う事も無い訳ではないから。

651とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:11:54 ID:87NGOuNU
>>649

「こんなところでずっとゲリラしてるわけでもあるまいし、移動手段は確保してるのであろう?」

「馬車かそれに類するものがどこかに隠しているはずだな。教えてもらおう?」

とりあえずは帰りの手段は確保しておきたい。
要求としてはまずそんなところ。

「あとは武装解除してお仲間共々どこかに消えろ……というのが普通だが、魔法使いは武装解除できんのだよなあ」

どうしたものか。リアラと玄爺を交互に見る。

652とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:15:48 ID:WZh9/Fmo
>>651
「ん?魔法使いの武装解除か?
 触媒か喉を潰すか両腕でも折れば大概の魔法使いは無力化するだろう。
 まあ俺は足で魔法を紡ぐからどれにも当てはまらんがな!


 ……分かっていると思うが嘘だぞ?
 いや、両腕折っておけばそうそう魔法詠唱に集中できんとは思うが」

653とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:20:20 ID:OFRLqIuw
>>650
少なくとも周りにはいない
最初の奇襲の時のように奇妙な気配を感じる事もなかった

>>651-652
ワーガの問いかけに、そんな物はないと、絞り出すような声で返事が返ってきた
そしてリアラの手に力がこもったのを感じて、こうとも
多人数でこういう廃墟に近寄る輩の情報を今まで聞いた事があるか、と

曰く、初犯だったらしい
仲間と共にギルドを立ち上げたがてんで業績が上がらず首が回らなくなり破産
そっから傭兵崩れ同様に強盗の道へと一直線
たまたま近くを通った馬車を行商人と勘違いして襲った、と

「……痛みで集中できないのなら、思いっきり胸とか撃ちぬいていたわよね、確か」

654とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:27:49 ID:87NGOuNU
>>652-653

「――となると、なんだ」

「吾輩たちは、こんなところから、徒歩で帰れと? ……クォーツ。吾輩、在りし日を思い出して泣いてしまいそうである」

よよよ、とわざとらしい泣き真似をしつつ妻の名を呟く。
しかし、彼女の性格としてはこんなことを放したら、労いはしても慰めることはしてくれなさそうだ。
男ならそれぐらいなんだ、と発破されるだろう。

「チンピラを護送する義務も心の余裕もあるわけでもなし、かといって後顧の憂いを断つとなると」

「始末してしまう方がいいのか。やはり」

腕を組んで、そんな物騒なことを言う。
脅迫も兼ねている。何か隠していることはないかのゆさぶりだ。

655とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:31:39 ID:WZh9/Fmo
>>653>>654
「くわばらくわばら。こりゃお前たち死んだな…」

まだ息のある襲ってきた連中を見、かぶりを振る。
爺は若い者に事の成り行きを任せるつもりだ「。

656とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:38:36 ID:OFRLqIuw
>>654-655
「残念ね、なるべくなら殺生は避ける主義なのだけれど」

男に見えるようにゆっくりと、引き金に手をかける
ぱくぱくと窒息間近の金魚のように口を開いては閉じたりを繰り返し、少女の手元から目を離せない男
隠し事の類はないようだ、憐れ、その命は儚く散った


……と、思われた

遠くから聞こえる、馬の蹄の音
そして現れたるは、冒険者ギルドの馬車と逃げ出した御者
後救助に駆り出されたと思われる眠そうな顔をした冒険者一名

馬に乗って逃げ出したが、ちゃんと役目を果たしてくれたらしい

657とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:42:46 ID:87NGOuNU
>>656

「ほほう。助かったな。色々と」

これは僥倖、と小さく伸びをする。
息があるこの盗人崩れはロープでぐるぐるに縛って荷台に放り込み、リアラとワーガが拳銃突き付けて監視していれば大人しくしているだろう。

「それでは――帰るとするか」

居眠りはいまいちできなさそうだが――。
歩いて帰るよりは、よっぽどマシだといえた。

//お先におちますー。おつありでした!

658とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:45:40 ID:WZh9/Fmo
「…やれやれ、また腰が痛くなったぞ」

爺は寄る年波には勝てないのであった。
若いのに後を任せてのんびりしたそうな

659とある世界の冒険者:2014/07/20(日) 00:48:03 ID:OFRLqIuw
>>657-658
眠そうな冒険者をこき使い、
荷台に放り込むと乗り込む一行
今回は多分きっとおそらく無事王都に着いた、らしい
少なくとも爆発物は投げつけられなかった

というわけで、FOである

660とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 21:43:42 ID:YvaFSgXE
>>609
>>610
「んーむ、つまりアレだな。同じ技を繰り返して鍛えるのと、新しい技を覚えつつ鍛えるのも変わんないと。
それなら確かに、バリエーション増やしたほうがいいだろうな。」
もし、それにさがあったとしても、その違いは僅かなんだろうな、と考えつつそう言って
ディフの気不味さに関しては一切気付いていない。

「……えっと、チカラの使い道か……魔力の放出、魔力による身体強化だろ……。
他になんか使い道とかあんのか?」
大方、この二種類にしかチカラを使ってこなかったビート。
魔術を使えるようになろうと四苦八苦していた時も使おうとする努力はしたけれど知る努力はしていなかった。
……要はコイツ、相変わらず魔術の知識は残念なままなのだ。
だから直接的な使い方しかしていなかったりする。

661とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 21:51:30 ID:peU9h10Q
>>660
RD
「こればかりは自身で思いつく戦闘法に則した使い方を模索するしかない。
 放出、強化の二種類もあればあとは使い方だと思うが」

JD
「あれー…後なんかあったような気がするんだけどなあ……?
 こう、ちゃっちゃとパワーアップ!みたいなやつ」

>>610
「…暇かい、少年」

ぬぅ、と背後から見知らぬ顔が這い寄ってきた。
死んだ魚の様な目をした茶髪の女だ。
自称大魔術師が凹んだ原因でもある。

662とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 21:59:20 ID:Rkiy8zi2
>>660-661
「(……僕も正直それぐらいしか思いつかないな、要は中で循環させるか外に放出するかのどっちかしか……)」

「わ、わぁ!?    がっ!?」

周りを集中せず思考の彼方へ、目を開けたまま寝ているような状態で話を聞いていただけあって
突如現れた死んだ目をした茶髪の女性に気付かず驚き、椅子ごと横に倒れ頭を隣の椅子にしこたまぶつける青年

663とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:17:38 ID:peU9h10Q
>>662

「くっくっく…予想以上のリアクションだ。
 君、芸人にでもなったほうがイイんじゃないかい?」

相変わらずの目でディフを見下ろしている。
手を差し伸べるとかそういうことはしてくれない様子。

664とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:17:53 ID:YvaFSgXE
>>661-662
「かと言って、俺みたいに弱い奴は手数は多いほうがいいらしいからなぁ。
使い方を増やすだけで、せめて一人で勝負になるくらい戦えるようになれるくらいに強く慣れればいいんだけど。」
エンスがいなければ殴ることもできなかった自分の弱さに内心、ため息を付いて。

「ちゃちゃっとパワーアップ……なぁんて出来たら苦労しないだろ。
出来るのならいくらでもするけどな。俺だって強くなりたいし。」

665とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:23:50 ID:Rkiy8zi2
>>663
「頭が、頭が割れた……! 今ので覚えた魔法の半分は忘れた……!!」

見下ろす女にいざしらず、頭を抑えてのたうち回った
傷はそこまで深くないが感覚的に何か忘れたような気がしてならない

「リアクション一つで芸人として食っていけるほど世の中甘くないよ……!」
「暇してるかと言われたら、少ししてるけど……」

頭にできたたんこぶを抑えつつ、起き上がる青年

666とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:24:20 ID:peU9h10Q
>>664
R
「格闘の基本は如何に相手の懐に潜り込むかだろう。
 そこに至るまでに必要と思う術、そして潜り込んだ時に放つべき必殺の一手。
 これ以外に何か求めるものがあるなら聞いてみたいものだが」

J
「んー…あ、そうだよ、にーちゃん!骨とか爪とか集めようよー!!」
R
「……故郷ならその手も有効だが
 …王都に質がよく手頃な値段の上位竜の一部は売ってないと思うが」

667とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:26:31 ID:peU9h10Q
>>665
「…それは大変だ」

全く心配そうではない。

「そうだろう、かくいう私も専門外の話は退屈で仕方がない。
 竜の話に興味がないわけではないが、何も対抗手段は竜のチカラだけではないのだし」

668とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:36:19 ID:Rkiy8zi2
>>667
「う、うん 確かにそれ以外にも対抗手段は間違いなくあるし、それを使っている……」
「………専門外の話、という事は竜のチカラ以外での方法での、対抗手段の研究を?」

それも自分にとっては、専門外だろうと聞きつつ
新しくクロ以外の力を得るよりもあの剣の術式を強化した方がより戦えるだろうと思ってはいるが、
自分達以外で新しく侵負に巻き込まれるかもしれない人物に会った時の事を考えて

669とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:44:07 ID:YvaFSgXE
>>666
「すんごくアバウトに分類すればその2つだろうがな、俺にはその2つがあっても足んないんだよ
「相手が槍やらなんやら持ってたりしたら間合い詰めるのも一苦労だ。
詰めれたとしても一撃で仕留めるなんて夢のまた夢。二発三発殴っても基本相手は倒れねぇし。
そんだけの力があるなら間合いを伸ばすために剣でも持って……」
……と、ここまで言ったところで首を振りつつ言葉を一旦止めて。

「とにかく、なんだ。色々出来たほうがいいだろ?
俺が殴り倒せる敵なんていないんだよ。なんか搦め手とか、とにかくそういうのが欲しいんだよ。」
実力がない自分に苛立ちを感じ、頭を掻き毟る。

「……んーと、なんだ。その話、嫌な予感がするんだが……。
爪とか骨を体に取り込むとかそんな感じか?」

670とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 22:54:51 ID:peU9h10Q
>>668
女「目には目を歯には歯を侵負には侵負だろう、やはり」

ゆらり、と女の背後で何かが陽炎のように揺れた気がした。

>>669
R
「既に拘りや自身のやり方もある程度は持っているのだろう。
 であれば尚更自分で補う点を見つけて術を作り出すしかない」

J「それやっちゃうと死んじゃうねえ」
R「万が一、運悪く生き延びると『竜喰』になるな…」

671とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:04:14 ID:Rkiy8zi2
>>670
「…………!」

「クロイツのと同じ系列の研究かと思ったら、侵負憑きの人だったんだね……」

正直に言おう、話の内容がが変わるだけで結局専門外の話で退屈するのではないかと思っていた
まさか自分と同じ立場とは思わなんだ

「だけど結構体の中に侵負…… 保守派の侵負がいる人多いんだね」
「ムゲン君にノイエさんに、ドムスさんにベルさんに……」

672とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:07:37 ID:YvaFSgXE
>>670
「ま、まぁ……それもそうか。
拘りがあるからな!うん、拘りがあるし、補わなきゃな!」
一つの言葉を繰り返し言っている様はまるで自分に言い聞かせているようで。

「『竜喰』ってのがよくわかんないが……要はそこまですると危険ってことか。
まぁ、アプローチとしてはそんなに違わないだろ?取り込んだら危険ってことは……アクセサリーとして身につけるとか、そんな感じか?」

673とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:14:01 ID:peU9h10Q
>>671

「ノイエのアレは正確には侵負ではない。
 両世界の存在が混ざり合わさってどちらからも干渉されにくい存在になっている。
 個としての戦闘力は高かろうが、対侵としては些か他の存在に劣るな。
 アレはもう少し改良を重ねてから使うつもりだったのだが…」

>>672

「言葉通りだ。竜を喰らうモノ。『竜喰』。竜人とは又異なる竜の一種だ。
 そうだな…竜種としては下位でありながら上位種とも渡り合える可能性がある存在だ」


「そうそう、ホントは友情パワーが貰えれば一番いいんだけどねー」

674とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:21:36 ID:Rkiy8zi2
>>673
「……『アレはもう少し改良を重ねてから』?」
「侵負をまるで改造できるように聞こえたけど…… 違う、よね?」

魔法を使うたびに侵負を生み出すことができる、つまり自分から作り出すことができるのは知っている
こっちから侵負に向けて、ある特殊な方法で干渉できることも知っている
だがしかしそれが改造となると また難易度が違う話ではなかろうか

675とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:22:26 ID:YvaFSgXE
>>673
「………それだけ聞くとそんなに悪かない存在のようにも聞こえるな。
大方、渡り合えても意識がすでになくなってたりチカラを持ってるやつをかたっぱしから遅いそうになってそうだが。」
運悪く、と言ってるのであればロクでも無い状態になるんだろうと目星をつける。

「……友情パワーねぇ。俺には無縁そうだ。」
「(……俺が恩義を感じる奴はいても、俺に友情やらなにやらを感じてる奴はいなさそうだしな。)」

676とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:25:58 ID:peU9h10Q
>>674
女「…ついてくるといい、此処は退屈だ」

返答を待たず教室を出る女。
不思議と誰もそれに気が付かない。
ゆらり、と又、女の周囲が揺れた。

>>675

「好戦的ではあるらしい、見たことはない。
 今、王都に来ているという話は聞いた」


「そーう?でも友情パワー貰うにはその竜と仲良くなんなきゃだしねー」

677とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:32:29 ID:Rkiy8zi2
>>676
講習中のビート達に視線を送ると、そのまま女の後を着いて教室から出て行った
周囲が揺れ、そして誰にも気付かれない?

「……侵界?」

678とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:34:51 ID:YvaFSgXE
>>676
「好戦的かぁ、出会ったら間違いなくやりあうことになりそうだ。
………一人で会ったら逃げることにするかねぇ。」
もちろん、逃げれればの話ではあるが。

「んぁ?竜と仲良く?
……ああ、アイツか。つーか友情パワーってそういうことか。」
友情パワーというものだからてっきり第三者から譲り受けるものかと勘違いしていたようだ。
いや、厳密には第三者だから友情パワーでもおかしくないが。

679とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:38:33 ID:peU9h10Q
>>677
女「に、特性は似ているな。ヒトの意識が向かないという点のみにおいてだが」

如何やら侵負のチカラの一端ではあるらしい。
今まで出会った面々とは一線を画している使い方であることは明白だ。

>>678
J「ん?ドイツ?」

首を傾げるJD

680とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:45:53 ID:Rkiy8zi2
>>679
「……今まで散々してやられてきたけど、そっか、僕達にも同じ事ができる……」
「いや、もっと違う事も出来るんだね」

侵剣を仕えるようになったあの時の、より深く目的意思を持たなければ辿り着けない侵界
あれと同じ事が、考えてみれば自分たちもできる…… かもしれないのだ
侵負を力の一部ではなく武器として使っている時点で土俵が違うかもしれないが

「教室から離れているって事は、ドンパチでもやるの?」

681とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:49:50 ID:YvaFSgXE
>>679
「いや、体内にいるっぽいなんか俺に語りかけてくるの。
なんかよくわかんない存在だけど、お前がそんなこと言うのならチカラ持ってる奴はみんないるんだろ?」
こちらも同様に首を傾げる。

682とある世界の冒険者:2014/07/27(日) 23:51:10 ID:peU9h10Q
>>680
>>681
そんなところで今日はここまで

683とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:13:39 ID:ZuMi3ErY
【王都/大学学生寮? ティティスの部屋】

「ふぇー……」

と、気だるげな声を出して転がるのは黒髪の少年。
恋人(?)の部屋でだらしない格好でじゅうたんに寝転がっている。

684とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:19:42 ID:i8EF.n4Q
「はぁー、さっぱり♪
 ……あれ、レビッツ君相変わらず元気ないなぁ……。」
浴室から出てくる、シャワーを浴びてきたばかりの猫娘。
しかもバスタオル一枚の挑発的な姿である。

685とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:26:11 ID:ZuMi3ErY
「んぃー……さすがにちょっとつかれたー……」

ごろん、と寝返りを打って、床に突っ伏したまま。
そちらの様子にはまだ気づいていないようであるが……。

686とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:28:16 ID:i8EF.n4Q
「……もぅ、せっかく挑発してるのに気づいてないし……!」
大胆な格好にも気づいた様子が無い少年に、頬を膨らませる娘。

「レビッツ君、ちょっと休んだらー?
 せっかく夏なんだし、休暇でもとろうよ、ね?」

687とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:29:28 ID:ZuMi3ErY
「ちょーはつー……?ティティスの紙そんな長くないだろー?」
ころーん、とだれたままで、そういう意味ではない。

「んー……そうだなぁ、休んで……
 ティティスと一緒に海とか行きたいなぁ」

688とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:41:05 ID:i8EF.n4Q
「……もう、レビッツ君のばーか……!」
そう言うと、ひらりとバスタオルが捲れて足元に……。
娘の裸体が露に……とはならず、下に水着を着込んでいたり。

「じゃーん、似合ってるかな?
 私も海とか行きたいなー、って思って、水着買ってきたんだよ。」

689とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:46:44 ID:ZuMi3ErY
「んー……?」
ここでまた寝返りを打って、ティティスの方を見て……、

「っ……! わ、ティティス、すっげーかわいい……!」
ばっ、と起き上がって眼を輝かせる。

690とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:52:19 ID:i8EF.n4Q
「ふふ、可愛い?
 流石私、似合ってるよねー?」
ちなみに水着は白のビキニ。
自信満々な発言だが、実際かなり魅力的な水着姿である。

691とある世界の冒険者:2014/08/03(日) 23:57:17 ID:ZuMi3ErY
「うんっ、すげー似合ってるっ……!」
なんて言って飛び上がってティティスを抱きしめたりして。

「っていうか、絶対海行こうっ、エイミィとかシィナも誘ってっ……!
 あ、でもティティスと二人だけで行くのもっ!」

疲れた様子はどこへやら、興奮した様子である。

692とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:05:18 ID:jGMOZm6g
「きゃっ♪」
急に抱きしめられて一瞬びっくりするものの、
尻尾を少年の身体に巻きつけてきたりしてまんざらでもない様子。

「んー、それじゃみんなでいこっか。
 ……あ、でも1日くらいは二人っきりで過すのもいいかもねー。」

693とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:06:37 ID:pHwSO9q.
「あー、もうティティス可愛いなぁーっ」
ぎゅー、と抱きしめてそのままベッドの方に倒れこむ。
ご満悦な様子だ。

「そーだなぁ……んー、でもどこの海が良いんだろ、
 俺結局まだチリ詳しくないしなぁ、この辺り」

694とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:19:22 ID:jGMOZm6g
「……きゃっ、レビッツ君ダメだって……♪」
悪戯っぽい笑みを浮かべたまま、ベッドに押し倒される。

「その辺は私に任せて。
 ……いい感じのビーチを抑えておくから!」

695とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:22:53 ID:pHwSO9q.
「んー、じゃあイチャイチャするだけー」
抱きついたままごろーん、とベッドに転がる……。

「おお……!
 じゃあティティスに任せるっ!」

696とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:26:13 ID:jGMOZm6g
「ほんとにそれだけー……?」
とか言いながら、少年に抱きつき返す。
……この蒸し暑い中、さらに暑苦しいことに。

「……じゃ、決まりだね。ちゃんと休暇とっておくように!」

697とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:28:03 ID:pHwSO9q.
「う……やーめーろーよー、
 そういう事すると襲っちゃうんだからなー」
むー、と顔を赤くしながら手を少しばたばた……

「ん、ジャキさんに相談してみるっ」

698とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:31:41 ID:jGMOZm6g
「……ふーん?
 やってみればー……?」
とか言いながら、ちょっと挑発的な笑みを浮かべる……。
そして、少年に抱きついたまま身体をすり合わせてきたり……。

699とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:32:37 ID:pHwSO9q.
「ぅ……むーっ……!」
「ていっ」

身体をすりあわせて来たティティスをベッドに組み敷いて覆い被さるように、
……逃げられなくなってしまった。

700とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:39:54 ID:jGMOZm6g
「んー、もう。しょうがないなぁレビッツ君は……。」
そういいながら、少年に身体を投げ出し……

〜数時間後〜
「……んー、一杯汗かいちゃった……。
 もう一回シャワー浴びてこないとなー。」
熱帯夜の中、いろいろと燃え上がっていたようである。

701とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:41:04 ID:pHwSO9q.
〜 すうじかんご 〜

「はふ……あー、……やっぱ海いきたーい……」

この熱さで少年も早めにダウン、くてー、と寝転がっている。

702とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:48:17 ID:jGMOZm6g
「でも、大分涼しくなってきたね。」
夜も更けてくれば、外も多少は涼しげになってくる。

「お腹もすいてきちゃったかも。
 シャワー浴びてる間に何か夜食でも作ってよ、レビッツ君。」
と、相変わらず少年をこき使う娘であった。

703とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:50:14 ID:pHwSO9q.
「風入ってきたからなー……はふ」
そう言えば、カーテンも窓も開けっ放しだ……、
隣の部屋や、寮監ちびっこ先生がまた聞いていたかもしれない……。

「んー……パスタとかでいいー?」
のそのそ、と起き上がりながら。
これでも料理は上手なのだ。

704とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:57:18 ID:jGMOZm6g
「ん、お任せするね♪」
と、言い残して再びシャワーを浴びに。

「あー……買ったばかりなのにドロドロになっちゃった……。」
新品のビキニがいろいろなもので汚れてしまった様子。
脱衣所から悲しげな声が聞こえてくるのであった。

705とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 00:59:14 ID:pHwSO9q.
「はーい……」
のそのそー、と立って厨房の方へ……。

「海行く前に、俺新しいもっとえっちで可愛いの買ってやるよー」
と、聞こえてきた声にパスタを茹でながらそんなふうに。

706とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:04:38 ID:jGMOZm6g
「……えー、あんまりえっちなのは恥ずかしいなぁ……。」
どの口が言うのやら……。

「……それに、派手すぎると他の男が寄ってくるかも。
 レビッツ君、ちゃんと守ってね♪」
とかなんとか調子の良い事を言いながら、再びシャワーを浴び始める。

707とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:07:05 ID:pHwSO9q.
「えー、なんかいったー、きこえなーい」
これである。

「ふーんだ、俺その辺の奴よりは強いもーんっ」
なんて言いながらパスタのソースをかる〜く作りつつ、シャワー室の方をちらちら……。

708とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:10:47 ID:jGMOZm6g
「パスタできたー?
 なんかもうお腹ぺこぺこ〜。」
しばらくすると、シャワーを浴び終えて娘が帰ってくる。
バスタオル一枚ではないが、今度はワイシャツ一枚である……。

709とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:11:44 ID:pHwSO9q.
「……ティティスってさー、絶対襲われたがってるよなー?」

ワイシャツ一枚を見て、テーブルにお皿を置きながら、
誘っているとしか思えない。

710とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:16:27 ID:jGMOZm6g
「ふふー……。
 ……一体何の話かな?
 わー、美味しそう、流石レビッツ君!」
少年の言葉をはぐらかすと、さっそくパスタに飛びつく。

711とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:17:38 ID:pHwSO9q.
「わーざとらしー」
むー、と表情をいじわるっぽくして。

「暑いとちゃんとしたの作るきなくなるよなー……」

712とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:26:34 ID:jGMOZm6g
「こうやってレビッツ君からかうの面白いんだもん。
 ……レビッツ君とアレするのも楽しいし……。」
と、淫乱な発言をするが、やはりちょっと恥ずかしいのか顔が赤い。

「んー、でも美味しいよ、レビッツ君!」
適当に作ったものでも、猫娘には好評の様だ。

713とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:28:01 ID:pHwSO9q.
「むー……からかうって……
 可愛いからいいけどさー。」
自分もパスタを食べながらちょびっと不満気。

「へへー、……あー、海行くときはお弁当とかかなー、……」

714とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:39:16 ID:jGMOZm6g
「可愛い?
 そうかなぁ照れるなぁ〜。」
そういう言葉には敏感に反応するのであった。

「お弁当!いいねー、楽しみ!」

715とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:41:38 ID:pHwSO9q.
「うん、可愛い可愛い、ティティスは可愛いっ」
こっちも何故かノリノリ、ご飯中なので抱きついたりはしないが。

「後はあっちで肉焼いてーとか……うんっ、
 楽しそうだなぁ、海……!」

と、その内行く場所に思いを馳せるのであった。

716とある世界の冒険者:2014/08/04(月) 01:46:34 ID:jGMOZm6g
「はいはい、分かってますよー♪」
と、少年がのってくると適当にはぐらかす。

「……さてと……そろそろ寝ようかな。
 ……レビッツ君、一緒に寝るー?」
そういいつつ、ベッドへと。

717とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 22:16:58 ID:AxgpjheY
【王国王都 避難所】

比較的被害の少なかった街中の一角にある公営の講堂。そこは現在、被害を免れた民間人が集う避難所となっていた。
被害を免れたとは言っても、運良く生き延びた、という意味だ。全くの無傷の者は少ない。軽重の差はあれど、ほとんどの人々が傷を負っていた。
そんな避難所の救護所にて、熱心に怪我人を世話する桜色の髪の女性がいた。

718とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 22:35:22 ID:4i4Yw.42
>>717
あたりの人に話しかける。
黒ずくめの服装は警戒されるに十分だった。それでもシャキンは入念に聞きまわった。

――「それなら、あの人だよ」

そのうちの一人の子供が桜色の髪の女性に指を指す

シャキンは少し驚いた。後姿が似ている様に見える。実はもしかした似ていないのかもしれない。
それでも、あの人だと思いゆっくりと近づく。

足取りは重い

この様な事は何度も行ったのに、何故こんなに重いのか

――受け入れたくないのだろう。

冷静な自分が呟く

――彼女が死んだ事を

――これは悪夢であり、彼女はあの時見た恋人と仲良く暮らしているのだろう

――だが、もしこれをトリッシュさんに伝えたら……

――恐らく、これが現実であると認識しなければならないのだろう

女性の前に立った

「すみません。貴方がトリッシュさんですか?」

中肉中背の、悲壮そうな、何処にでもいそうな顔付きの男性が話し掛けてきた。

「私はシャキンと言うものです。少しだけお話してもよろしいでしょうか?」

シャキンは声を出すのが辛そうにそう告げた

719とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 22:52:52 ID:AxgpjheY
>>718
「はい……?」
かけられた声に振り向いた顔は、“彼女”とはあまり似ていなかった。
髪と瞳の色こそ同じなものの、外見からはそれ以外に共通点を見出だせそうにない。
本当に彼女が“彼女”の実妹なのか疑わしくなってくる。

「ええ、私がトリッシュですが。お話とは?」
が、彼女は確かにトリッシュだと名乗った。
やや訝し気な表情は、避難所で見た覚えのない顔だからだろう。

720とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 23:19:36 ID:4i4Yw.42
>>717

髪と瞳の色こそ同じなものの、外見からはそれ以外に共通点を見出だせそうになかった。

当然と言えば当然だ。人それぞれである様に、家族もまた様々なのだ

「……騎士 リグレット・フォーマルハウトについてご存知でしょうか?」

確認の為の作業。割り切れない作業。

手には銃器。
その銃口は上を向き、弾が込められていない。
安全装置も掛けられている。
そしてピンとはった背筋。
服装こそ黒ずくめの私服だが、その雰囲気から彼が軍属であり、また発音の訛りから彼が帝国の方面から来たことが容易解る。
しかし、この事態のせいか、何処か疲れ切っている。

「知っていれば、如何いうご関係かを教えてください」
ゆっくりと丁寧に、そして紳士的に話そうとしている。しかし、所々で何処か悲しみを持っている
そんな話し方

訝しげな表情から目線を外し、そして頭を下げる

耐えれなかった。あの表情から。
そして恐らく告げればどうなるか、安易に予想が付いてしまう

見れなかったのだ、彼女の瞳を。

721とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 23:35:33 ID:AxgpjheY
>>720
シャキンの口からリグレットの名が出た瞬間、眼に僅かに動揺の色が見えた。

「…………私の姉です。姉さんに、何かあったんでしょうか?」
が、それも一瞬のこと。平静を保ち、逆に問い掛ける。
あかぎれのできた白い手は、何かを堪えるように固く組まれていた。

722とある世界の冒険者:2017/01/28(土) 23:56:50 ID:4i4Yw.42
>>717

「……騎士 リグレット・フォーマルハウトは……」

呼吸が乱れ、息が出来ないのではと感じれる。

服の内ポケットから大切そうに包みを取り出した。

堤は羊皮紙で大事そうに包装されている。
包みを渡すその手は震えており、まるで渡すのを拒絶しているよう――いや、怖がっているように見える。

其れを彼女の差しだすと同時に彼女の手首を握り、そしてそれを優しくそして力強く持たせようとしている。

ガチャリと銃が地面に倒れた

「……騎士 リグレット・フォーマルハウトは……この度の事件にて……獣と交戦し市民を守るために……し、全力を持って市民を護るも……て、敵の病にかかり……」
泣いていた。耐え切れなかったのだ、彼女がこの世に居ない事に
本当に言わなければならない事がある。本当は彼女は大型の獣になった事・そしてそれを打倒したのは我々である事

だが、それらは言えなかった。出来なかったのだ。

其処まで強くなれない、強くなる事が出来ない。

未熟だった

「戦死いたしました……」

声を殺して、只々泣いていた。辛く受け入れる事が出来なかった現実が押し寄せてきた。
それらは津波となってシャキンに押し寄せ、理性という名の感情が流され死んでしまった。

そうなれば、もう後は純粋な感情しかなかった。

723とある世界の冒険者:2017/01/29(日) 00:06:16 ID:MzsIcz/Q
>>722
「……………………そう、ですか」
長い沈黙の後、絞り出すような声を漏らし、包みを受け取った。
沈痛な表情だった。諦めかけていたものに改めて止めを刺されたかのような、寂寥感と悲哀に満ちた、そういう表情だ。

「……姉は……姉の最期は、立派でしたでしょうか?」
それでも、涙一つ見せることはなかった。半分しか血縁がないとはいえリグレットの実妹であり、王国が誇る騎士の名門の娘である。
彼女にもまた、フォーマルハウト家の“強さ”は息づいている。

724とある世界の冒険者:2017/01/29(日) 00:34:39 ID:89CK1S.g
>>723
其れとは対照的に、泣いていたシャキン。

袖で涙を拭い、そしてトリッシュの顔を見つめる

「彼女は……彼女は……」
二呼吸置いて、息を整える

――大型の獣となり、我々を襲いました。

言えない。いや、死体を見れば一目瞭然だろう。

リグレットの炎獣の死体をみれば、何が起きたか。どの様な事があったのか嫌でも分かる

でも言えなかった。

「立派でした」
ほんの少しだけ笑っていたのだと思う。なぜ笑っていたのか分からない

でもそれは多分、これから言う嘘への、自分自身への軽蔑等から来ているのだろう

「市民を護り、戦う姿は神々しく、最期まで勇猛果敢で、それでいて……それでいて」

再び呼吸を整え空気を飲む。

「最期は人として全うに戦い終えました」
もう一度裾で、涙を拭く

「この度の病は死体が変異し感染源となると判断したため、その場にて放棄しました」
申し訳ありませんと頭を下げる

全ては妄想と嘘である。彼女が如何にして獣になったのか、分からない。もしかしたら最初から獣となって市民を襲っていたのかもしれない

それでも、言えなかった。

これは真実への冒涜なのかもしれない。大罪なのかもしれない。

それでもシャキンはこの大罪を背負う事にした。騎士リグレットへの思いと尊敬をこめて

「すこしだけ、独り言を呟いてもよろしいでしょうか……」

725とある世界の冒険者:2017/01/30(月) 22:12:04 ID:khaO83lY
>>724
「そうですか……なら、悔いは無いでしょう」
騎士として民を守って生き、騎士として民を庇って死ぬ。そうできたなら、姉も本望であったろう、と彼女は思う。
残酷な真実を知り得ない彼女は、優しい嘘を鵜呑みにする。それが幸か不幸かは、今はまだわからない。

「これで、フォーマルハウト家は私だけになってしまいましたね……」
父トライシオンは数年前に現役を退き、騎士養成学校で教鞭をとり後進の育成に努めていたものの、此度の争乱の始まりに民を守って戦死した。
そんな父の後妻である彼女の実母は、彼女が幼い頃に流行り病で亡くなっている。そして今回、リグレットもまた彼岸へと旅立った。
王国の誉れとまで言われた名門の命脈は、途絶えようとしていた。

「えぇ……聞かせて下さい」
そう言って彼女は、独り言に聞かせて下さいって変ですね、とぎこちなく笑った。

726とある世界の冒険者:2017/01/30(月) 22:48:28 ID:gAsZrCrs
>>723

「私は彼女が、リグレット。リグレット・フォーマルハウトが好きでした」
告白だった

「騎士として人間として生き様として、好きでした」
それは嘘偽りのない言葉で

「それはただの一目ぼれでした」
そして純粋な気持ちだった

「私は、帝国の、帝国軍の人間です。卑しい身分の私は、幾ら友好国の、それも騎士に恋する資格などありません」
あの頃の自分は、若くて幼くて

「それでも私は、彼女が好きでした」
でも、それでも這い上がれると信じていた

「私と彼女の関係は親友でも友人でも有りません。知人、いや、ただただ面識があっただけなのかもしれません」
勝算の無い賭けであった

「それでも、それでも彼女が好きでした」
騎士と只の一兵卒は似合わない。おとぎ話のような奇跡を信じていた

「実は彼女に告白しようとしました。ですが日、隣に男と歩いている姿を目撃して、その男は眩しくて、お似合いだと感じて」
でも実際は違った。フィクションはフィクションだと

「彼女を幸せにする人間はあぁ言う人間だと思って」
でもそれで良かった。彼女が幸せならそれで

「それがこんな事になるだなんて」
悔しそうに、本当に悔しそうに唇をかみしめる。
それは、彼女を護れなかったという崇高な意思ではない
彼女が幸せな家庭を持てなかった事による悔しみだった。



「……以上です。すみません長々と……」
頭を下げてそう言う。
そしてゆっくりと頭をあげてトリッシュを見つめる

「……私には」

「私には、貴族の、いえ騎士の世界というのは解りません。ですが、ですがもしこの戦いが終わって、貴方さえよければ……」

「微力ながら、フォーマルハウト家の復興を手伝わさせてください」
声が震えていた
贖罪なのかもしれない。トリッシュに嘘を付いた事への
いや、自分自身への生きる目的が欲しかったのかもしれない。
それは自分自身分かっていない様々な複雑な感情。
でも、嘘では無い。何処か綺麗な気持ちだった


もしかしたら気持ち悪いと思われたかもしれない。でもそれでいい

悔いはもうないのだから

727とある世界の冒険者:2017/01/30(月) 23:16:32 ID:khaO83lY
>>726
「……姉は人気者ですね、本当に」
シャキンの“独り言”が終わると、そう言ってクスりと笑う。
老若男女問わず、リグレットを慕う人は多かった。にも関わらず、いつまでたっても独り身でいた姉を心配して父が頻りに見合いを勧めていたが、ついぞ誰かと結ばれることはなかった。
その理由を彼女は知らない。ただ、もしかするともう心に決めた人がいたのではないか、今はそう思う。

「シャキンさん……でしたか? お気持ちは、ありがたく受け取っておきます。そう言って頂けるのは私個人としても、フォーマルハウトの息女としても喜ばしいです」
自分一人となった今、フォーマルハウトを建て直すことは難しい。騎士の家に産まれた者としての最低限の教育は受けているが、実務には全く携わったことなかった。
王都がこの有り様では王家の支援を受けることも不可能だろうし、フォーマルハウト家も味方ばかりではないのだ。
余計な恨みもやっかみも買っている。フォーマルハウトが再興するとなれば、嬉々として妨害を行う者も多い。

「……ですが、今は身を守ることと、ここの人達を看病するのに精一杯で、落ち着いた後のことは考えていられません」
再興には、そういった数々の困難が予想される。現状では、そんな困難を切り開いてゆく戦いの未来を見据えることができない程度には、彼女も憔悴していた。

728とある世界の冒険者:2017/01/30(月) 23:42:35 ID:gAsZrCrs
>>727
「えぇ、本当に人気者ですよ……彼女は」

ふっと、悲しみからほんの少しだけ晴れた様な笑顔を見せる
それは安らかな笑みだった。本当に彼女の事が好きだったのだろう。

「えぇ、知っております。ゆっくり、ゆっくりと考えてください」
トリッシュは此れから、この場所で数多くの人間の生死を見てしまうだろう。
もしかしたらもう見ているのかもしれない。でも其れを支える人間はもういない。

「でも忘れないで下さい。貴方の為になる事を望む人間が最低でも一人、ここにいる事を」
騎士の精神は分からない。
でも、もし自分がトリッシュと同じ立場だったら、同じ境遇だったら……?
恐らく自殺してしまうだろう。現に何人もの家族がそう言った事が起きたのも知っている
トリッシュ――彼女は強い人だ

「決して一人では無い事を、孤独では無い事を……」
でもそんな人でも孤独は辛く、哀しい。そして時間は毒になる
その毒は日に日に強くなってしまう

「自棄にならないで下さい」
だから、これは願いだった。死んでほしくなかった。
一人では無い事を、知っていて欲しかった。


「希望を、希望を捨てないで下さい。決して絶望しないで下さい」
野戦病院で最後に聞いた言葉。それはシャキンにも言われた
だからだろうか、半身不随になって、離婚して、治療費の為に借金まみれになっても、生きていたのは

729とある世界の冒険者:2017/01/31(火) 00:05:10 ID:N/rU/UpE
>>728
「えぇ……大丈夫です。此処の人達もいますから。父や姉に世話になった、助けられた、そう言って率先して手伝って下さる方も多いんですよ」
誇らし気な微笑みを浮かべながら、それぞれの作業に精を出す避難民達を振り返る。
今でも家族は助けてくれている。父と姉が紡いできた縁が、守ってきた命が、彼女の救いとなって還ってきているのだ。
彼女は一人にはなってしまったが、独りではない。家族の、人々の優しさに包まれている。

「今はまだ……これからどうするのか、結論は出せません。けど、もしも必要になったなら、お力添えをお願いします」
シャキンに向き直り、そう言って深々と頭を下げた。

730とある世界の冒険者:2017/01/31(火) 00:27:33 ID:N7RUdWk2
>>729
「それは……よかった」
心からの笑顔だった。
如何やら杞憂だったようだ。流石は騎士――いや、フォーマルハウト家といったところだろうか

――トリッシュは今まさに、父と姉が紡いできた縁が、守ってきた命が、彼女の救いとなって還ってきているのだ。
――彼女は一人にはなってしまったが、独りではない。家族の、人々の優しさに包まれている。

心配はいらなかったようだ

「私で良ければ是非にもお使いください」
シャキンは自身が知っている最大限の敬意の言葉を告げた
敬語や尊敬語。上官への言葉でもなく、貴族へ向ける言葉を、単語を。
無学な自分が出せる言葉の限界でもあった

「では、私は此れで……ご無事を祈っております。貴方に幸運を」

そういって、地面に落とした銃を拾い上げ、土ぼこりを払いトリッシュに敬礼
そして元来た道に、フルークガストカンパニーに帰った。
全ての元凶を
この怪異を解決するべく
仲間をもう二度と失わない為にも


その時、もし誰かがシャキンの顔を見たらこういうかもしれない
――「まるで希望を持って死にに行く死兵のようだと」

731うさぎ:2017/11/06(月) 21:47:44 ID:a0l8AeZg
tp://ssks.jp/url/?id=1451

732とある世界の冒険者:2017/12/21(木) 23:52:59 ID:2j/MaYcI
【クラリーノの村 中央広場】
「……よし、これくらいでいいかな」
少女は住民名簿を書き上げ、それを衛兵に渡してから顔を上げた。

「生存者確認、か……それだけ被害が広がってる、ってことなんだろうな
わざわざこの村まで確認に来るくらいだもんね」
「ちょっとユリ、全然内容埋まってないじゃない! 今まであれだけしっかり書いてたのに」
住民名簿を見つめ、少女へと声をかける小さき姿……御伽噺で描かれるような「まさに妖精」といった姿の妖精。

「あはは、ほんとだ……でも、なんかさ……これくらいしか、書けなくって」
「……そうね、そうよね……」
「いやいや、リミルが気を落とす必要ないって」
「でも、あんたの友人だって、何人も……」
『世界が変わって』から、少女の学友達が何人も『居なくなった』ことは確認できている。
……いや、『居なくなった』だけならまだ良い、未だに見つかっていない友人も居るのだ。

「大丈夫大丈夫、こんなのが生きてるくらいだから、ミティも扇奈も……生きてるって」
住民名簿の隅まで確認をしたが、ミティーア・ミストナック、神宮司扇奈の名前は見つからなかった。
それ以外にも、心当たりのある友の名を探したが、見つかったのは数名のみ。

「(……アリス、メノウちゃん……きっと、どこかで元気にしてるよね……)」
いつの間にか出会えなくなってしまった友の顔を思い浮かべ、少女は空を見上げた。


「で、これからどうするのよ」
「誰かが解決してくれるかなー、なんて思ってたけど……どうしても、心が騒いで仕方がないんだ」
少女は『元凶』については一切情報を得ていない。
だが、彼女の心が何かを察知したのだろうか。
……ドクオ、ネームレス、ジャック……三人共、彼女の古い友人であった。

「(これだけの事が起きたら、きっとみんな駆けつけてくるはず……
それなのに噂すら聞かない、となると……)」
「……何考えてるか知らないけど、そろそろミレイユさんが心配だわ、先に家戻ってるわよ」
妖精がふわふわと空を舞い、少女から離れていく。
それを見送った少女は、もう一度空を見上げる……

「……もう一度あの酒場で、みんなで集まれる日は……来るのかな……」
記憶の奥底に眠る、酒場に集い騒ぎあった日々の光景。
思えばあの酒場が無ければ『今の自分』は居なかったのだから……

733とある世界の冒険者:2017/12/22(金) 00:19:23 ID:Vqu8JFjw
【クラリーノの村 入り口】
村の入口に金髪の少年が姿を見せる。
背中には大剣を背負い、体には少し傷も見える。

「……っと、ただいま戻りましたよ僕が」
「あ、ユピルおかえり、どうだった? 森の方とか」
「そもそもあの辺に暮らしてる人なんか居ましたかね……ってくらい、人の姿はなし」
「だよねー……ありがと、お姉ちゃんがご飯作ってくれてるよ」
少年は村の周囲を探索し、生存者を探しているようだが成果はなかったようだ。
少女が少年に声をかけつつ、右手をかざし少年の周りに癒しの風を吹かせる。
小さな傷はスッと回復し、疲れを見せていた少年の表情も少し明るくなる。



「で、ヴァンリー氏やテンペスタス氏は今日もまだヘタったまま、と」
「そうなんだよね、まぁ体調悪い割には趣味に没頭する体力はあるみたいだけど。
最近は供給がないから自家発電するしかないってさ」
少女と少年には共通の友人が居る。世界の力の具現化である存在、『精霊』。
しかし『世界が変わって』から調子を崩しているようであった。
……少女の言うとおり、寝込んでしまうというほどではないようだが。

少女が数枚の紙を取り出し、少年へと見せる。
描かれているのはまさに『幼女』と呼べるほどの幼い姿……
しかし、どこか紙を持つ少女の面影が見え隠れしている。

「……これ、ユリじゃないんすか」
「よく見てみればそうかも……初等部入ったくらいの頃かな」
「ヴァンリー氏が一番好きそうな時期ですね」
「……そうか、もうそんなに前になっちゃうんだね……」

自ら選んで『この姿』になり、二度目の人生を送り始めた。
友と出会い、自らの心の中の力と戦い、大切な人も見つけた。
流れた時間は大切な想い出になり、いつまでも心の中で輝いている。

「……もう一度、時間を巻き戻せれば……あの日に戻ることは出来るのかな」
「ダチに居るじゃないですか時の精霊、頼んでみたらどうっすか」
「いや、禁呪を犯したいってわけじゃないからね?……多分あの人も弱ってるだろうし」
「……それに、仮にユリの時を戻せたとしても、世界は巻き戻ったりは出来ないでしょうしね」
そんな事ができるのは『神』と呼ばれる存在のみであろう。少女もそれは分かっているつもりだった。


「はぁ……そろそろ決めないといけないかな……」
「ん、どうしたんすか、趣味のコスプレもう一回始めるんですか」
「それはしばらく封印、世界が直ったら衣装作成から頑張るよ」
「んじゃ、何か別のことでも決めるんです?」
少年がもう一度首をひねり少女の方を向く。
対して少女は遠くを見つめている……その方角は、王都の中央都市がある方向。


「またお姉ちゃんに心配かけさせちゃうけど、その言い訳を決めようかな、って」

734とある世界の冒険者:2017/12/22(金) 00:41:29 ID:Vqu8JFjw
【クラリーノの村 クレファーナ家】
「ただいまー、お姉ちゃん、ご飯できてる?」
「おかえりなさいユリ、ちょうど出来たところだよ」

少女が扉を開けると、そこには少女の姿をさらに成長させ
立ち振舞をたおやかにしたような女性が料理皿を運んでいた。
……やや、胸元が苦しそうなエプロン姿で。


「いただきまーす」
「ごめんね、あんまり大したものが作れなくて」
「いやいや、ご飯が食べられるだけで幸せなんだよ」
菜食を中心としたメニューではあるが、王都では難民が発生するほどの事態だ。
こうして家があり、落ち着いて食事を摂ることができる。
それだけで恵まれた環境にいるのだと少女はスプーンを口元に運びつつ考える。

「…………それでさ、お姉ちゃん」
「どうしたの?」
「……なんだかね、胸騒ぎが止まらなくてさ……そろそろ、行こうかなって思うんだ」
「……そっか、そろそろそう言うかなって思ってたよ」
「あれ、意外と驚いてない」
静かな食卓で会話を交わす二人。
少女の言葉に対して特に大きな反応もせず、ゆっくりと食事を口元へと運ぶ女性。

「ユリが私とゆっくり話す時、だいたいこんな感じだったよ?で、私が止めても夜に出てくもん」
「あ、あはは、おっしゃる通りで……」
バツが悪そうに苦笑いをする少女。今までも何か騒動があれば首を突っ込み、
そして大怪我をして帰ってくる。そんな破天荒な生活を数年間続けていた。

「……私も、何か感じるの、これをそのままにしたら大変なことになるって……
でも、私じゃ止めることは出来ない……私が行っても、力になれないかな、って
……ユリならきっと力になれる、だから、行っておいで」
「お姉ちゃん……」
「大丈夫、村はみんなで守るから……それにミルちゃんも居るしね」

「……ありがとう、それじゃ、そろそろ行ってくるよ」
「あ、待ってユリ、大切なおまじないっ」
少女の頭へ向けて魔術が放たれる。小さな光が少女の周囲をくるくると周り……

「……ツインテールか、最近してなかったかな」
髪が左右で2つに結われる。光はリボンへと形を変え結った髪を可愛らしく飾る。

「やっぱりユリはその髪型が一番だよ」
「ちょっと子供っぽくない?」
「『いつかのあの日』を取り戻しに行くんでしょ?」
「…………そっか、それもそうだね」
姉と妹の間にそれ以上の言葉は要らなかった。姉はとっくに妹の事を分かっていた。
妹は必要以上に姉の事を心配に思う必要もなかった。

735とある世界の冒険者:2017/12/22(金) 00:56:00 ID:Vqu8JFjw
【クラリーノの村 入り口】
「ん、ちょっと君、外に出るのかい」
憲兵が少女に声をかける。
少女は王都学校の制服を身にまとい、村の外へと出かけようとしていた

「あー、はい、ちょっと王都まで」
「おいおい、こんな状況で学校なんてやってないよ、危ないから帰ったほうが良い」
「いえ、授業を受けに行くわけじゃないんです、大切なものを取り戻しに」
「忘れ物かい?それなら王都の隊に連絡して取ってきてもらうよ」


「いえ、こればかりは自分で取り戻さないとダメなものなんです


……大切な友人との思い出を取り返すために『世界を救いに行く』ので」
両手を天にかざし、少女の周りに強風が吹き始める!
少女の体は風を纏い、空へと浮かび上がっていく!!

「うおぅ!?な、何者なんだ、君は!!」
吹き荒れる風の中、憲兵は少女に問いかけた。




「ボクは、ユリーム・クレファーナ、ユリって呼んでね!」

そのまま振り返らず、ユリは王都の中心部へと加速していく。
今、街がどうなっているのか、誰が生きているのか、何もかもが分からない。
だが、分からないことを分からないまま、逃げることだけは嫌だった。
自らの目で確かめ、自らの手でこの事態を終わらせる為に。

「……頼むよ、クロ、シロ」

両手に闇と光の魔力を握りしめ、ユリは飛ぶ。

先の見えない世界でも、きっと未来は明るくなると信じて。

そして……『いつかのあの日』を取り返すために。

736王都―姫乃―:2020/08/24(月) 00:00:37 ID:ZvCjY3JQ
―王都、とある一画―

連日賑わうこのジグザールの中心地である王都も、昼の顔からそろそろ夜の顔へと準備を始めようかという夕方の刻。
早々に仕事を切り上げ今宵の杯を交わす酒場を話し合う労働者、夕餉を作るべく食材の入った袋を提げた主婦、
今日の事を親に告げるのが楽しみなのか、喜色満面に通りを駆けてゆく子供、様々な人が行きかう大通り。
そんな沈みゆく太陽へ送るような今日最後の喧騒に混じって、独り通りを歩く少女がいた。


「〜……♪」
ハーフアップに纏めた美しいブロンドの髪と、派手さはないものの落ち着いた膝丈の水色のワンピースをひらひらと揺らし、
幾つかの食材が入った小さな手提げ鞄を後ろ手に、小柄な体でステップを踏むように歩く姿はまるでさながら童話の主人公のようで。
何が楽しいのか、鼻歌混じりのその表情は笑顔に溢れていた。
そんな少女が軽快な足取りで向かう先は、すれ違う多くの人々と変わりなく、自らの家であった。


―――

中心街から大通りを抜け、少しだけ剃れて後は真っ直ぐ行けば。彼女の目的地が待っている。
彼女と…そして、彼女が何より大切に思う彼が共に住む家だ。
鼻歌は途切れることなく、手提げかばんの底から鍵を取り出して錠前を開けて中に入る。
静まり返った我が家が彼女を迎える、彼はまだ仕事先から帰ってきてはいない。

「ただいまです」

返事をするものもいないのに尚楽しげにそう告げながら、鞄を一度テーブルに置き明かりを点ける。
出かける前に掃除も、調理具の点検も済ませた。後は夕食を作って彼の帰りを待つだけ。

「ふふっ、お魚をおまけしてもらえるなんてラッキーでした」

そんな独り言までこぼれ出す。
そのまま塩焼きにするのも美味しいけど芸がない、たまには魚のハンバーグにでもしてみようか。
ならば付け合せとスープは…―――。
笑みは絶えることなく、今日の献立が頭の中で組み上がっていく。
まだ料理が出来上がった訳でも、彼が帰ってきたわけでもないのに、楽しくて楽しくて仕方がない。

だってしょうがない。出来上がった料理を、彼と食卓を供にすることを想うだけで、こんなにも幸せなのだから。


少女……ではなく、名を姫乃と言ったその女性は、幸せだった。

737王都―姫乃―:2020/08/24(月) 00:01:27 ID:ZvCjY3JQ
―自宅―

お世話になっていた孤児院を出て、想い合う人と二人。
この家に住み始めて幾つかの季節が過ぎたが、姫乃はただただ幸せだった。
朝、王都の騎士である彼を見送り、家事をこなし、時にはご近所の先達の言葉に触れ。
又時には義兄の孤児院へと足を向けては手伝い、時には自身の鍛錬に付き合って貰ったりもする。
買い物をして、商店の店主とちょっとした世間話に花を咲かせ。
そうして一日を過ごして家に帰り、ご飯を作って旦那様を待つのだ。

ありふれているかもしれない、なんてことのない穏やかな日常なのだろう。
そのなんてことのない日々が、幸せで堪らなかった。
いつだって全てが全て上手くいくわけではないが、それでもよかった。

迎えた彼は「ただいま」といい、そして自分は笑顔で「おかえりなさい」と返す。
湯浴みを済ませて、2人でご飯を食べて、小さな会話を重ねて、そしてともにまた眠る。
この与えられだ今゙は、一体どれほどの奇跡を重ねてこれた結果なのだろうとたまに不思議にさえ思う。
考えれば考えるほど笑みがこぼれて、自然料理に掛かる手にも気持ちが籠った。

花嫁修業も含めれば、料理経験も結構な年数になる彼女の手つきに迷いはない。
主菜、副菜、スープと並行しながら進め、彼が帰ってきたときに冷めていない様にとタイミングも図る。
料理をしながら考えるのはいつだって彼の事で、今日は何を話そうか、彼の一日を聞いて、そして自分の一日を聞いてもらって。
そうしてると更に楽しくなって、更に笑顔が零れる。

「はやく、帰ってきてください…」

幸せを抑えきれないその声は、まだ料理が途中にも関わらず、今か今かと彼の帰りを心待ちにしていたのだった。


―――

738アルス:2020/08/24(月) 10:59:34 ID:BWt11At6

「ただいまぁー……!」

ドアの音と共によく通る声が響く。
待ち人来たり、陽の光で少し茶焦げた髪に腰に下げた幾つかの騎士剣と肩から提げた仕事用の鞄。

家では無用な剣を下ろして玄関の壁に立て掛けて。

「お、いい匂い……姫ちゃーん、今帰ったッスよ〜〜」

職場では立場に合わず威厳が無いから、と直した口癖は家では溢れて、
楽しげに、自身を待つ彼女――妻の名を呼んだ。

739王都―姫乃―:2020/08/25(火) 23:19:37 ID:f5e7zD5g
>>739

「はーい」

少し逸るような幼さの残る声が、アルスの声に呼応して家の中に響く。
パタパタと小走りに満たぬ程の速さの足音がだんだん玄関へと近づき、
彼の帰宅よりほんの数秒程で彼女は姿を見せた。

先ほどまで、独り今にも小躍りしだしそうな程に間の抜けた、そして恋する乙女のように赤らんでいた笑みは。
彼の声を聴くと共に、ほんの少しの朱を残した穏やかに綻びへと変わっていた。

「おかえりなさい、アルスさん」

―――ああ、好きだ。
自分を呼ぶ朗らかな間延びした声が好きだ。少しくたびれた彼の表情が好きだ。
迎えに来る自分を目にとめて、それが綻んでいくのが好きだ。そんな彼にこの言葉を贈るのが好きだ。
これから長い人生で、この気持ちが沸かなくなる時など、果たしてくるのだろうか―――

「お疲れ様でした、ご飯ももうすぐ出来ますよ」

そう言って愛おしむように目を細めた後、彼の手荷物を受け取る。
当初彼は気を遣わなくていいと言ってくれたが、これも彼女がさせてほしいとお願いした我儘。
こんな小さなお世話でも彼女には幸せの象徴の一つで、願うならばずっと続けていきたい日常の一コマだった。
そのまま抱き着く訳でなく、体を預ける程でもなく、ほんの少し小さく身を寄せるだけして、
幸せそうにはにかみながら、残った調理を片付けるべく廊下を先導していく。


まだ未成年だった頃の面影を残しながら、その姿勢、所作は立派な女性へと成長し。
そこにあるのは自他ともに認める、誰も疑うことなき「将来有望の若き騎士アルスの妻」だった。

740アルス:2020/08/29(土) 22:54:58 ID:cDNRg54k

「うん、ただいま姫ちゃん」
少女を迎えるのは穏やかで、どこか間の抜けたほにゃっとした顔の青年。
そこに普段騎士として振る舞うアルス=ストラグルの姿はない。

ただの人の良さそうで、どこか抜けてそうな――
「自分の姫」にだけ見せる姿と表情、彼女が独占してしまえるものだ。

「お、やったぁ!やー、今日はほんっと疲れて……未だに書類仕事苦手っすねー、やっぱ……」

少女が望むから、と自然に荷物を手渡して一緒に廊下を歩く。
いつもの日常。かけがえない光景だった。

741とある世界の冒険者:2020/08/31(月) 19:53:11 ID:dmy6iC.2
>>740

「ふふ、一日お勤めご苦労様なのです。
今日は食後にデザートも作りましたから、
頑張ったおでこさんにしっかり栄養補給ですよ」

今では滅多に見せることのなくなった口癖は、゙善き妻゙であらんとする彼女の最大限の信頼の証。
そう悪戯っぽく返しながらリビングへと戻ると、ポールハンガーへと預かった鞄を丁寧にかける。
そのまま忙しなく一度キッチンに引っ込んだかと思えば、手にカップを持って出てきた。

「座って休んでて下さい。直ぐに仕上げちゃいますからっ」

アイスティーの入ったそれをアルスの席へと置いて袖をまくり、
華奢な腕で気合いを入れたポーズを取りながら自信あり気に微笑む。
だが直ぐに照れたようにはにかんで、またキッチンへと戻っていった。


サラダは出来た、スープも温まっている、ハンバーグも後は数分蒸し焼きにすれば完了。
いつも成功するわけではないが、今日は上手く彼が帰ってくる時間に合わせることが出来たのがまた嬉しい。

(やりましたっ)

テーブルからは見えない様に小さくガッツポーズを決めながら、最後の調理へと取り掛かっていく。
自分が作る料理を彼が心待ちにしてくれる、これもまた彼女が好きな゙何気ない日常゙のだった。

742アルス:2020/09/02(水) 05:47:08 ID:K6Foay92

「おっ、いいっすねー!疲れた時には甘いものっすよ〜」

にへら、と締まりのない笑みを浮かべて椅子につけば、
夏の暑さに火照った身体にはありがたい紅茶が置かれて、
「ありがとっすー」と間延びした声で礼を返す。

「はー、いい匂い……やー……
 帰ってきて奥さんが居て美味しいご飯が出てくるとか
 改めて幸せだなぁーとか思っちゃうっすよ」

「や、っていうのも今日部隊の独り身の皆に絡まれて……
 改めて姫ちゃんのありがたさを実感したというかなんというか……」

カップに口を付けて一口飲めば、そんな事を言って職場での出来事を語りだす。
のんびりと、自分が過ごしてきた時間を彼女と共有することがアルスは好きだ。
忙しいのはわかっているが、話したいことが多くてついつい止まらなくなってしまう。

743とある世界の冒険者:2020/09/03(木) 19:18:42 ID:b1DZ7lnE
>>742

「ん〜?……ンフフフフフフ〜」

アルスの話に返答もないまま、妙な笑い声だけが返ってくる。
手際よく出来上がった料理を皿に盛り付け、配膳するべくキッチンから出てきた彼女は、
……顔を朱に染め、これ以上ない程だらしない笑顔を浮かべていた。

「今日は魚屋さんでおまけしてもらっちゃったので、せっかくだから魚介ハンバークにしてみたのです〜」

「ポテトサラダと卵スープも添えてぇ、バゲットに乗せてみるのもオススメなのですよぉ〜」

仄かな魚介と添えられたソースの香りが食欲を刺激する、それが軽く絡みついたポテトサラダもまた視覚から味を想起させた。
スパイスの香りが引き立つスープも、きっとバゲットを軽く浸して齧れば一際美味しく食べられるだろう。

……それはともかく、献立を説明する蕩けたような声、それに表情を見れば喜んでいるのは一目瞭然だろう。
゙奥さん゙、たったこれだけでも心躍ると言うのに。
彼が自分の手料理を食べてくれるだけでも心が満たされるのに。
こんなに褒められてしまっては、もうどうしようもない。
ふわふわと浮くような幸福感に身を任せるしかないというものだ。

「ありがとうございます〜……ふふっ、でもお互い様なのですよ」

配膳を終えるとエプロンを脱ぎ、自らもアルスの向かいに座る。

「旦那様が私の手料理を心待ちにしてくれる」

「それだけで、なんだか泣きたくなっちゃう位に……幸せですから」

744アルス:2020/09/05(土) 18:33:29 ID:hLxc5DWA

「幸せボケとかしてるつもりはないんすけどね〜
 どうも顔とかオーラに出てるとか言われて……というかあいつらも遊んでないとちゃんとしてればいいのになあ」

「や、姫ちゃんぐらい出来た奥さんが見つかるかどうかはまた別っすけどね〜」

ニコニコ笑顔の姫乃を見て、なんだか自分まで嬉しくなってしまってアルスは笑う。

「お互い幸せで言うこと無しッスね!……ってうおおっ、美味そうっ!」

向かい合って座れば並んだ料理たちに子供のような笑みを浮かべた。
――どこにでもある幸せな夫婦の、そんな日常であった。

745とある世界の冒険者:2020/09/08(火) 19:46:58 ID:AONps9cw
>>744

「ふふっ、今日も腕によりをかけましたから。どうぞ召し上がれ」

柔らかな笑みで彼の言葉に頷きながらも、料理に手を付けるよう促す。
彼の話しも勿論全て聴きたいが、今日も彼を想って作った料理だ。
出来立ての美味しいうちに食べて欲しい。

「私もよく言われちゃいますよ?惚気が滲み出てるーなんて。
気付けばいつも笑っちゃってるみたいです、えへへ……」

そんなことを溢しながら、その言葉通り絶えない笑みで自身も料理に手を付ける。
口に運ぶと同時、表情が更に綻ぶ。今日は制作者自身納得のいく仕上がりになったようだ。

「でも、皆さん悪態をついたりしますけど。祝福されてるってわかりますから。
感謝してもしきれないです……私は、果報者ですね」

噛み締めるよに呟いた後、照れるように大げさに笑って見せる。
元来自分はあまり強い人間じゃない。油断したら、また泣いてしまいそうだった。

―――彼と巡り合えた運命に感謝を。今この身を取り巻く全ての人達に感謝を。
全てが喜びに満ちた人生ではなかったけれど、少なくとも今彼女が生きる日々は。
祝福と感謝に満ちていた。

746アルス:2020/09/17(木) 09:03:17 ID:Vd43BQCM

「うんっ、いっただきまぁーすっ!!」

両手をぱん、と合わせてそう言って一つずつ料理を口に運んでいく
口に運ぶたびに笑みが漏れ、美味い、美味いと声も上がる。

「あはは、仕方ないっすよ、事実幸せっすし
 ……あ、こういうところか」

「まだまだまだまだっ。
これからずっとしあわせになってもらうんすから、果報者じゃすまさないっすよ〜〜」
 はー、美味いっ――おかわり!」

747とある世界の冒険者:2020/09/17(木) 19:46:57 ID:5dC9J0WI
>>746

「今より幸せになんて…ふふっ、どうにかなっちゃうかもです」

冗談めかして答えながら綺麗に平らげられたお皿を受け取り厨房に入っていく。

美味しく食べて貰えたのも然ることながら、一人前を平らげるのが随分早い。
これなら取り置きの分もまだ温かい、書類仕事と言っていたが本当に疲れていたんだろう。
湯浴みを済ましてもらったらマッサージでもしようか、そんなことを考えながらおかわりをよそう。

「でも私も負けないですよ。これ以上は勘弁してって思うぐらいに幸せでいてもらえるよう、
頑張っちゃいますから」

よそったお皿をアルスの前に戻して笑顔一つ。
こんな会話が出来るくらいには、二人は確かに夫婦となっていた。
姫乃が一端の女になったように、アルスは頼もしい男に。
想い合う少年少女から、愛を詠い確かめ合う男女に。

昔はこちらが好意を示せばすぐに真っ赤になっていたというに。
なんだかすっかりかっこよくなってしまった旦那様に、知らず小さな笑いが音になってが込み上げた。

748アルス:2020/09/26(土) 22:40:19 ID:raw1nUbo

「どうにかなるぐらい、幸せにできたらいいんすけどねえ」

なんて、冗談めかして言える程度には立派に成長したかつての少年。
盛り付けられた料理に「ありがとう」と言葉を返してなによりも美味そうに食を進める。

「あー、美味い〜〜……幸せだなー、ほんとー……」
「……あ〜書類仕事やりたくねぇっす〜、このまま風呂入って寝たい……」

……が、根のところはさほど変わってはいなさそうであったとさ。


//忙しくなってきてぽつぽつ返しきれなく鳴ってるのでこの辺でFOで!
久々に楽しかった〜おつ!

749すまん数日見てなかった:2020/10/02(金) 19:43:18 ID:/8OTCleY
>>748

「ふふっ、お背中流してあげますから、もうちょっとがんばりましょー」

愚痴を溢すかっこよくて可愛らしい夫に、そんな言葉と共に変わらず微笑むのだった。

//いやいや、こちらこそ楽しかったよ。ありがとう乙っ


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板