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第三汎用スレッド

1「鍵を持つ者」:2012/09/29(土) 00:27:21 ID:???
第三の眼なんて無かった

1854とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:10:30 ID:UBDIDTmI

「ふむ。中々にして夢のある答えだ。
近しいのは"丸く収まらない場合"であろうな。

私はただ、目的のための実験を行っていたに過ぎないのだがね。」

【彼の目的とは人の本質を知ることである。
何も無い真っ白な世界に人が置かれたときに、それはどんな性質を示すか。……途方も無いことだ。】

「小さな不確定な不安を与えれば、それはやがて増幅する。
それが膨れ上がった頃に"本物"を与えたとすれば……どうなると思うかね?

例えば……"最近、この村の近辺で盗賊団の姿が目撃されているらしい"、とか。」

1855とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:21:03 ID:97lixY.g
>>1854

「……」

言葉を失う。
今のは自白と考えていい。何も疑わぬ人間。それを培養するために、行ったのだと。
そうして、培養に成功したので、そろそろ実験の一つ二つも計画中だという話だ。

「その手伝いをすればよろしいので?」

呆れた王だった、と見限るか。
そんな発想が脳裏を過ったが、それは短絡的すぎる。
もう少し見ていたい。せっかくの底知れぬ王を見つけたのだから。

1856とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:29:03 ID:UBDIDTmI

「……ん?君は勘違いをしていないかね?

結果的に、その実験は失敗している。
私が見たかったのは、不安が破裂してパニックを起こす群衆とそれを蹂躙する力だ。

どちらの勢力も理性と言う箍が外れると思ったが……実際は欲に駆られた愚者が暴れるだけだった。」

【別に彼はトレアを作ることが目的だったのではない。
作りたかったのは小さいながらも理性が消え失せ、本質が露呈するであろう世界だ。
だが、それは失敗に終わっている。

そもそも、彼女はその戦渦が終わった後に、彼によって拾われている。
"奇跡的に生き残った少女"という言葉は嘘ではないのだ。】

「それらが全て息絶えた後、私は奇跡的に生き残っていたアレを見つけた。」

1857とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:33:33 ID:97lixY.g
>>1856

「――失礼。疲れているらしく」

口から出まかせというか、ごまかしだったというか。
トレアに聖職の教えを乞うたせいで、結構疲れ気味なのであった。
中身が眠いというのが最大の原因だが。

「……それで、これからどうするおつもりで」

あの娘をこれからどうしたいのか。
そこを尋ねることにする。

//では中身が限界なのでこんな感じで中断で!

1858とある世界の冒険者:2014/06/02(月) 00:51:08 ID:UBDIDTmI

「……アレについては――――。」

【一応、彼としてもトレアについてどうするかは考えているようだ。
確かに、もしもこれから様々なことが進むとすれば、色々と障害はあるだろう。

その時、善しか知らぬ彼女がどういう反応を見せるか。それは分からない。】

//了解です。ありがとうございました!中断!

1859とある世界の冒険者:2014/06/04(水) 21:22:33 ID:SncVXSaA
――森林奥地、とある廃墟

テレン村での少女蒸発事件が発生してから、早くも数週間が経過しようとしていた。
村の補佐役、ヴァローネ女史が探索隊を組織し、指揮したものの、森の脅威達の前に捜索は難航する。
冒険者に依頼をだしたものの、思うような成果はあがらずにいた。

――そして、村の人間や冒険者が易々と立ち入らないような、森の奥深くの、打ち捨てられた洋館の前にその少女はいた。
彼女の右目は赤く、煌々と光っていて、身体は返り血にまみれていた。
足取りも覚束なく、ふらふらと扉の前に立つ。目的があってこの廃墟にたどり着いたわけではない。
雨風が凌げるところを探していたところ、たまたま見つけたのだ。
植物によって浸食され、所々壊れているように見えるが、それでもまだ活用できそうだった。
彼女はそっと扉に触れて開こうとするが――鍵があるのか、開かなかったので、強引に蹴り飛ばして開ける。
廃墟は奇妙な魔力の残滓が残っており、少女はそれを感じ取って、休む前に探索をすることに決める。
やがて地下室を見つけ――下っていくと――。
幻想的な美しさの人形が二体、よりそうようにして、品の良さそうな棚に置かれていた。
彼女はそれに触れると、人形がかすかに彼女の魔力によって反応するのに気が付く。
この人形は魔法の人形で、即ち、使い魔になりうるものだと彼女は理解し、その人形に魔力を通すことで疑似的な契約を交わす。
そうすると、人形たちは物言わぬまでも彼女の思うがままに動き出した。
表情もなく、愛嬌もないが、彼女を満足させるには十分なものだった。
そして、人形に手紙が仕込まれているのに気が付くと、彼女はそれを読み、満足げな笑みを浮かべる。

「――素晴らしい。この私の、救われぬ旅の道連れというわけだ」

「素敵な演出だ。観客も胸を躍らせよう。私を待つ永遠の眠り姫! さあ、彼女を熱い接吻にて起こしにいこうではないか!」

歩き続けた疲れも何もかも忘れ、彼女は行動を開始した。
――彼女の名をエウノモス。そして、彼女が見つけた廃墟こそはかつて王都攻撃を目論んだグァルネリの人形たちの狂気の館。
彼女は、人形たちの忘れ物を回収しに、今旅立った。

【fo】

1860とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:16:40 ID:0J93V.tk
――王都郊外

薄手の黒いコートを羽織り、フードを目深く被った人物が、ふらふらとした足取りで歩く。
その傍らには、その人物の付き人というにはあまりにも浮いた、幼い少女二人がいた。
少女らは身体に似合わぬ大きさのクロスボウを手にしていて、異様な雰囲気を出していた。

「――まさか姫君が借金漬けだとは思わなかった」

「早急に資金を工面する必要があるが――さてどうしたものやら」

その人物は芝居がかった口調で独り言を言うが、傍らの少女は何も言うことはなく。

1861とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:27:23 ID:XvWxydyU

「……ここまで送り届けてくれたことに感謝だね。」

【少し前に馬車が通る音が聞こえたような。
すると、暗闇から規則正しい足音が聞こえてくる。

やがて、姿を現したのは黒髪にメガネを掛けたスーツ姿の男性だ。
こんな時間にこのような格好をした者が歩くのは逆に異様である。】

1862とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:34:17 ID:0J93V.tk
>>1861

「――おや?」

やってきた人影を見つけると、途端にフードに隠れた表情が険しくなる。
ナーブからは、妖しく光る赤い光が見えるだろう。これは彼女の右目の義眼の光だ。

「私は幸運らしい。ひょっとすれば金ぐらいは貸してくれるかもしれんな」

「君たちの姉上のためならば協力をしてくれるかもしれん」

コートの人物は少女らに楽しげに話しかける。
少女達の返事はないが、それを気にすることなく、ナーブに歩み寄ってくる。

「ごきげんよう! まずはこの出会いに感謝をしたい!」

「私の名前はエウノモス。古の王が如く断固としながら流麗なる響きであることは紳士たる君には伝わると信じる!」

「さて――突然だが、私は人探しをしている。彼女らの姉なのだ。一つ助けてほしいのだがね」

芝居がかった口調で愉快気に話しながら、フードを外す。
黒い髪の、凛とした少女の顔が露わになる。妙なのは、激しく発光する右目だ。

1863とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:47:20 ID:XvWxydyU

「…………僕かい?」

【歩み寄られて、立ち止まる。
こんな夜なのだから、少しは警戒しても良さそうだがまるでそんな様子は無い。

柔らかな微笑みを浮かべる青年は実に話しかけやすいだろう。
しかし、その瞳に輝きは無く、そちらを見ているようで見ていない。どこか虚空を見ているかのようだ。】

「ああ。ご丁寧に。僕はナーブ=ブランク。
……助けて欲しいって言うのはどういうことなのかな?」

【もしも、魔法を勉強することがあったのなら、その名前はどこかで見たことがあるかもしれない。
何せその名は多くの論文などに記されていたとある学者なのだから。

尤も、それは"はるかに昔"の話であるのだが。】

1864とある世界の冒険者:2014/06/05(木) 23:54:44 ID:0J93V.tk
>>1863

「彼女らの姉上、そして私の姫君となるべくその可憐なる乙女は、悲しいかな、借金という鎖に縛られて身動きが出来ずにいる!」

「所詮女の身。返せる金額ではとてもない――しかし、私は幸運だった。君に出会えることができた」

彼女は長い間を小さな寒村で過ごしていた。
それでも一定の学はあるが、魔法に関しては我流の部分が大きく、論文に目を通したことはない。
そのため、名前を聞いても特にリアクションはなかった。

「はっきり言おう。こういうのは単刀直入にやるものだ。金を貸していただけないかな」

「担保は何もないし、はっきりといついつまでに返すという算段も立てられん。卑劣なようだが、君の安全との引き換えなわけだ」

彼女が右手を挙げると、傍らの少女達がクロスボウをナーブにへと向ける。

「抵抗は君の権利だ! 私はいわば夜盗だ! 正義は君にあるだろう、しかし、私の胸は愛によって満ち、情熱で姫君を救出する責務がある!」

「君が選ぶのならば、ここで争うとしよう。好きな方を選びたまえ、選択は君の権利なのは神も覆せん真理なのだから!」

彼女は狂気に満ちた笑みを浮かべている。
ただの物盗りにしては、狂いすぎている。

1865とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:06:59 ID:zRp8FIlE

「夜盗……ああ、なるほどね。」

【向けられるクロスボウをいまいち輝きの無い瞳で見つめる。
そして、少しばかりの逡巡……考えているというより、困っているように見える。】

「でも……うーん、困ったな……今、持ち合わせが無くってね。
君たちのお姉さんを助けてあげたいのは山々、何だけどね。

良かったら、どうしてお金が必要なのか教えてもらえないかな?」

【怯えたり反射的に戦闘体勢をとったりしていいものだ。
だがしかし、彼はそういうことはせず、むしろ無防備だ。

そして、何事も無いかのように話を続ける。……主にその姫君とやらを助ける方法はないか、と。】

1866とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:13:26 ID:5qQ1hKP.
>>1865

「――なんという紳士であることか。実に素晴らしい演技だ、観客の紳士淑女からのため息が聞こえるようだ」

「紳士とはかくあるべきだな。不届きな盗人に恫喝されてなお、当人の事情を気にする、その器の大きさの素晴らしきことよ」

両手をあげて、しばし虚空を見つめる。
それと同時、右目の赤い発光が多少、穏やかなものになり。

「言っただろう。姫君には借金がある。この借金はそのまま売値というわけだ」

「勇者のように正面から激突して奪い取ることも考えた。しかし、それは国を相手取るという意味だ。当局からは追われる。私だけならまだしも、彼女と姫を連れて逃げるなど不可能だ」

「故に、如何なる手段をもってしても金が必要なのだ。ご理解いただけたかな?」

芝居がかった仕草で、一礼をする。
ナーブの態度は、彼女の好戦性を多少和らげたのは間違いない。
しかし、未だに傍らの少女たちはナーブにクロスボウを向けている。

1867とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:22:40 ID:zRp8FIlE

「なるほど。でも、僕はさっきも言ったけど持ち合わせは無いんだ。
……お金は持ち歩かないんだ。」

【どこまで信じられるかは分からない。
見たところ身なりはきちんとしているし、いわゆる貧困層と言うわけでもなさそうである。

また、カバンなどもあり、財布を収納する場所はそれなりにありそうだ。】

「それとも、荷物の中身を見てみるかい?
汚したり破ったりしないなら、見せてもいいんだけれど。」

【相も変わらず、警戒心という物が無い。

そして、普通に喋っている。少女達の琴線に触れることを一言でも喋れば
自分が蜂の巣になってしまう可能性だって、ゼロではないのに。】

1868とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:26:21 ID:5qQ1hKP.
>>1867

「――そんな身なりで、無一文だと言うのか?」

「嘘はもっと上手につくものだ。それとも、最後のささやかな抵抗というわけかね」

ぱちり、と指を鳴らす。
少女たちはクロスボウを油断なく構えたまま、じりじりと歩み寄り、やがて一人がカバンを奪うだろう。
もう一人はクロスボウを突き付けてナーブを冷たく見据え、もう一人がカバンの中を検分する。

1869とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:42:42 ID:zRp8FIlE

「身なりは……勘弁して欲しいかな。
流石にこれくらいはちゃんとしておかないと差し支えるから……っと。」

【困ったように笑う。少女の一人がカバンを奪い取る動作も見切れずにそのまま許してしまう。
やれやれ、と光の無い瞳のまま、苦笑する。まるで、幼子の悪戯に呆れているかのようなそんな素振りだ。

カバンを開けると出てきたのは良くわからない球体。
そして、あとは紙の束である。紙の束はいくつにも分けられており、どうやら意味があるらしい。

だが、文面は認識阻害の魔法がかけてあるらしく、内容を読み取ることは難しい。
そして、本当に財布とか封筒とかお金が収めてありそうな物は何一つとして、出てこなかった。】

1870とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 00:49:15 ID:5qQ1hKP.
>>1869

少女は検分を終えると、エウノモスに向けて首を横に振る。
そうしてから、少女はナーブにカバンを返し、クロスボウを持ち直しながら下がる。
もう一人の少女も同様にして下がって、エウノモスの傍らにへと戻る。

「これは驚いた。本当に素寒貧というわけだ」

「然らば、我らの腹の虫を抑えるために、その赤い血で支払っていただこう――それが台本であったが」

ため息とともに首を振る。
そうして、右手をあげて、それから下げる仕草をすると、少女たちがクロスボウを下げた。

「それでは観客たちからもブーイングがくるだろう」

「せめて君が見目麗しい淑女であるのなら、一つ略奪してみるのも面白いが――」

「あいにく私は男が嫌いなのだ。男は獣だ。獣は恐ろしい。私の四肢を食いちぎり、目玉を潰したのだから」

右目の光が、少しだけ強くなり、それから弱まる。

「だがその怒りを君にぶつけるのは聊か筋違いらしい。ああ結構結構。私共はこのやり場のない怒りをどこか適当なモノで済ませるとする」

「ではまた会う日までごきげんよう。次に出会う時には、金貨の詰まった革袋を持参願いたい。ではさらばだ」

最後まで彼女は芝居がかった口調と態度で、興味を失ったように背を向けて歩き出した。
目指す先は、さて――どこだろうか。

././ではこんな感じで! おつきあいありでした!

1871とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 01:36:42 ID:zRp8FIlE

「それは申し訳ないね。僕も流石に性別を変えることはしたくないかな。
いや、これは助かった、と安堵するべきなんだろうね。

女性であったのならば、支払いを強制されていたみたいだし。」

【どこか間の抜けている言葉だ。
まるで、今の自分のみに起こっている出来事が他人事であるかのようなそんな錯覚を覚える。

カバンも受け取り、律儀なまでに丁寧な態度である。】

「"覚えていたら"持っていくことにするよ。だから、君たちも覚えていて欲しい。」

【そういうと懐から手帳を取り出して、なにやらさらさらと書いたかと思うと、収めた、
彼女らが犠牲者を生みかねない行動をしていることについて気にする様子も無かったとか、FO】

//了解です。お疲れ様でした!

1872とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 21:45:56 ID:5qQ1hKP.
――森林

豊かなこの森は奥へ進めば進むほど光を拒むようになっている。
そのため、奥地に行けばいくほど、光を拒み、それだけ凶暴な生物が存在するが――。
入り口付近、浅い部分は比較的穏やかだ。
――迷い込んだ生物を狩る、蜘蛛のような狩人達が時折、あらわれるが。

「ふーむ。君たちを囮にしての金策は効果的だが長期的な成果は望めんな」

「噂が立ってしまえば意味がない。出来るだけ痕跡は残さんようにしているが……」

倒木の上に座り込んだ、黒いコートを羽織った人物がぶつくさと何事かを呟く。
月光に照らされているためか、あまりここは暗くない。
その人物の傍らには二人の少女がおり、コートの人物の両腕に取り付き、分担して、何事か行っている。

1873とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:08:32 ID:tbkFY8Xc
「参ったな……。
ここに来て痕跡を見失うとは、迂闊だった。」

夜の闇にほど近い紺色の髪を揺らし、利発そうに整った顔立ちの青年が歩む。
銀縁で出来た眼鏡のブリッジを押し上げ、辺りを見回しながら森を歩く。

なんびとかが行う何事かには、まだ気付いていない様子だった。

1874とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:15:12 ID:5qQ1hKP.
>>1873

「おや? ――ふむ。急いでくれ。足は平気だ」

少女らの作業を急がせて、ゆっくりと立ち上がる。
暗視機能を備えた、赤く光る右目でやってきた青年の姿を認めながら、フードを被りなおす。
青年の方も、この怪しい赤い光に気が付くだろう。

「また男か――あの手のは『女泣かせ』というのだ。勉強になったかね」

傍らの少女たちに話しかけながら、出方を伺う。
まだそちらに対して何のアクションもしかけないということだ。

1875とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:19:20 ID:jVqd.c4w
>>1874
「……赤い……光?」

眼鏡の奥の双眸が、鋭く細まる。
それと共に何気なかった足音が規律正しいリズムを刻み始めた。

すなわち、"何か"との距離を図るために歩んでいるのだ。

赤は人の本能に攻撃性を訴え掛ける光。
今青年は、明らかに警戒をしている事だろう。

「誰か、そこに居るんですか?」
独りごちていた時より少しトーンを落とし、光の先へ問う。

1876とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:26:54 ID:5qQ1hKP.
>>1875

「ああいるとも! 君のご期待に添えるかどうかわからないが、確かに私はここにいる!」

芝居がかった口調の、そんな声が返ってくる。
その声は男と断じるにはやや高いぐらいで、女と見るに妥当だろう。

「だが用心するよう。好奇心は猫をも殺す。私が善人たる確証は無く、恐ろしい悪党であるかもしれん」

愉快気に言葉は続く。
青年からこの人物の姿は認められないだろうが、もし見えたのなら、肩を揺らしてくつくつと笑う姿が見えたことだろう。

1877とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:36:15 ID:/Sl90J2U
>>1876
「すみませんがこちらは魔物を追う身ゆえ、ふざけないで頂きたい!
無為な冗談で人を傷付ける様な事になっては、困ります!」

遠間の芝居がかった口調にに声を張り、投げる。
このやり取りひとつもってしても、冗談は通じそうにないタイプだ。
良く言えば誠実、悪く言えば堅物。
その様な印象が声色からもひしひしと伝わってくる。

声は動いている。やはりそちらへ近付いている様だ。
向こうから飛んできた音のお陰か、足取りはきちんと一向へと向いた。

1878とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:40:58 ID:5qQ1hKP.
>>1877

「なるほど。狩人というわけだ。幕にはまだ少々遠そうだね」

傍らの少女に向けて話しかける。
少女からの返事は無く、また、この声掛けはスーノには聞こえないだろう。

「冗談といったか? 別に冗談を言っているつもりはないのだがね」

「まあいい。顔ぐらいは見せてもらおう」

少女らはクロスボウをいつでも構えられるようにして待機し、コートの人物はにやにやとした笑顔を浮かべながら、スーノがやってくるのを待つ。

1879とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:45:09 ID:KmPO0IWo
>>1878
そんなやり取りはいざ知らず、次第に闇が影となり
「ならば、悪党かもしれないなどと言う言葉は誤解の素です。」

輪郭となり、その輪郭が月明かりに剥がされてゆく。
そうして現れた青年は、法衣を身に纏い、太陽の意匠が凝らされた杖を左手に持っている。

1880とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:53:15 ID:5qQ1hKP.
>>1879

「それも誤解ではなかったとしたら、さてどうするかね?」

フードを外す。露わになった顔は、凛とした雰囲気の少女の顔だ。
しかしそれは、怪しく光る赤い右目と、狂気に満ちた笑みによってまるで別物になる。
彼女は芝居がかった態度で両手を高く掲げ、虚空を見つめる。

「たとえば、このように」

「有り金全てを出せと、まあ脅すわけだ」

傍らにいた少女たちが、クロスボウを油断なく構え、スーノに向ける。

1881とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 22:57:30 ID:ubpUE1OA
>>1880
「…………成程。」

ザ……と足音が止まり、狂気をくゆらせた少女と両脇の少女を眼だけで追う。
その爛々とした右目を見ても、無表情に近い表情は曇り一つ見せない。

「すみませんが、金銭は持ち歩きません。
金目の物もこの杖だけですが、これも家宝なので易々とお渡しする訳にもいきません。
大変お手数ですが、他を当たって下さい。」

あまつさえ、律儀に断わりを入れる始末。
危機管理という言葉を成長の過程で欠いたのか、それとも……

1882とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:04:50 ID:5qQ1hKP.
>>1881

「まあそんなところだろうと思ったよ。金がある風には見えんし」

「それを奪い取ったところで売り捌くツテもない。慌ててくれれば余興にはなったがそうもいかん。男という生物は退屈なものだ」

嘆かわしい、と彼女は大げさな仕草で首を横に振り、手を下す。
それを合図に、少女らはクロスボウを下げて。

「ステージの観客からは失望のため息が聞こえてきそうだ」

「役者としては背筋の凍る思いである。恐ろしい」

再びフードを被りなおす。
彼女の顔は隠れ、右目の光が殊更目立って。

1883とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:11:07 ID:7rGLUcro
>>1882
「退屈だとはよく言われますが、僕には理解に難い様です。」
男の中でも、殊更役者に向いていなさそうなタイプだ。彼女から言わせれば。

「……ですが、先程のは如何でしょう。
冗談にしては、少しやり過ぎの様に感じます。
それとも、もし本当に僕が金銭を持ち合わせていたら、奪ったのですか?」

尚も冷静沈着そこにありと言った態度で、フードを被り直す少女へ向いて問う。

1884とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:18:29 ID:5qQ1hKP.
>>1883

「私の姫君は借金で縛られた身。女の身で簡単に稼げる額ではない」

「彼女たちの姉上、そして私の姫君をこの手に抱くためには、手段を選んではいられない。そういう訳でね」

そのため、夜盗と化して金品を巻き上げている。
もうすでに何件かこなしていることだが、わざわざそこまでは言わない。

「つまるところ、金があるならば拾う。それだけのことだ」

「おっと。坊主だからと面倒なご説教は御免こうむりたい。正論には興味がないのでね」

肩を竦めながら、彼女はそう語る。

1885とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:26:10 ID:PjGZMxw2
>>1884
「……そこまで周到になれるのなら、賞金首を駆る方が早いんじゃないだろうか?」

思った事は口にしてしまう性分。
彼女なりの美学なり規律なりがあったりするのだろうが、その辺りは眼中の外である。

「一先ず君達は困っている。それだけは分かった。
説教をするつもりは無いが、誰かを襲う事に関しては見過ごしておけない。
それにそんな悪因を作っても、悪果が帰って来るだけだ。

……と言われる事をしてまででも、君達はやるんだろう?」

1886とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:33:58 ID:5qQ1hKP.
>>1885

「賞金稼ぎねぇ。なかなかいい着眼点だ。小銭を拾うのに飽きたら考えておこう」

「だが私は繰り返すが男が嫌いでね。悪党というのは大体がむさくるしい男だ。少しばかり、相性が悪い」

そうも言ってばかりはいられない。
それは彼女自身が言った通りである。彼女はため息をついた。

「因果応報か。誰も彼も因果の滑車を回してしまう!」

「ならばそれも良い。私は私の因果故に滅びるだろう」

「――だが、それはまだ先だ。私はすでに”前払い”している。悪果の前払いをしている。故に悪因をどれだけ重ねようが、それに届くまではこの身は焼かれぬというわけだ!」

「前世に遡られては理不尽という他にないがね。納得せんぞ」

愉快気に笑う。
彼女の言う前払いというのは、どういう意味なのだろうか。

1887とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:39:56 ID:5tnsCKlE
>>1886
「賞金首と言っても、人の限りではないからな……。
特に僕達一家は魔物退治を生業としている。その中のも居るんだ、云わば"札付き"が。」

彼もまたその魔物を追っていた途中だったのだが、取り逃がした訳で。
ある意味、お互いがハズレのクジを掴まされた様な結果になった。

「……先程も言ったが、それは君と因果との約束だ。
出来る限り、他人は巻き込むべき物じゃない。
……しかし、なりは若いのに随分と背負う物が多いんだな。
その子達も君の協力者みたいだが……厭くまで主体は君だろう?」

やはり気になった前払い、という言葉。
先程彼女が告げた"姫"と何か関係があるんだろうか……と考える。

1888とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:46:16 ID:5qQ1hKP.
>>1887

「見ればわかるだろう。私は怪物相手には少々分が悪い」

彼女自身の力は不明だが、彼女は恫喝するのに、少女の構えるクロスボウを使った。
クロスボウの一撃で死ぬ人間、それも、比較的軽装備の人間に限るのだ。

「ああ。私は私の意思で動いている。ほかの何者もそれには干渉しない」

「うん? 彼女たちかね? ああ――簡単なことだ。彼女たちは人形だよ。物言わぬ人形だ」

俄かには信じがたい話だが、彼女は傍らの少女を人形だと話す。
先ほどから一言も口を開かないのはそのためだとも。

1889とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:52:55 ID:KDsBzB9k
>>1888
「……早計だった。すまない。」
小さく首を横に振り

「だがそれでは、尚の事先の危険は増すんじゃないか?」
少し困った様な表情をして見せ、左手を顎に添えた。

「干渉もされたくない、と。
…………人形だったのか?」
素直に驚く青年。
その所作はどこを取っても少女を人形だと悟らせないほど、彼にとっては精巧に見えたからだ。

1890とある世界の冒険者:2014/06/06(金) 23:58:50 ID:5qQ1hKP.
>>1889

「良い出来だろう。いい拾い物であったが、あるいは彼女達は神からの贈り物だ」

「私の無謀を、神は助けてくれたものと確信している。故に、彼女らの姉上を助け出すことが急務であるともね」

少女らの頭を乱暴に撫でる。
少女は何のリアクションもしない。

「さて――すまないが、私は男と長々と話している気はあまりない」

「男はケダモノだ。私はケダモノが恐ろしくて仕方がない。私の四肢を食いちぎり、目玉を潰した野獣とはね」

「君が同類だと言いたいわけでは、ないがね……ふむ。観客はあまり納得いかないようだが、これも台本の内だ。失礼しよう」

「ではごきげんよう。次に会うとするならば、金貨の詰まった革袋をご持参願いたい」

大きく笑って踵を返す。
少女らもそれに続き、その内の一体は、スーノを監視するようにしばらく気にしながら歩いていた。
こんな仕草も、全て――あのコートの少女が操っていることなのだ。

//では、こんなところで。おつきあいありがとうございましたー

1891とある世界の冒険者:2014/06/07(土) 00:13:28 ID:sj5xn5S2
>>1890
「蜘蛛の糸……か。」
彼女の芝居じみた言い回しは、彼が理解するのを苦手とする言葉の類である。
故にあまりはっきりとした事は分からなかったが……

「すまないが、四肢を食う趣味は無いし金貨は余り持ち歩きたく無いな……」
しかし、はっきりと言えるのは、彼女らが根っからの悪人でないという事だった。

3人が完全に消えた後、突然何かを思い出した様にして彼もその場から去って行った。

//おつかれさーん!

1892とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:23:03 ID:TgAiaBCk
――王都 『永崎屋』

4月馬鹿も過ぎ、4月7日、細かな硝子工芸品の製作販売を行うこの小さな店も、いよいよこの日を迎えることになった。
丁稚奉公による子供の雇用である。彼らは能力的に何ら必要とされるわけではなく、給金も皆無の場合が殆どである。
彼らは住み込みでこまごまとした労働を行い、対価として衣食住と技術を得るのである。

この日、女主人、永崎鐘に対して、カバン一つで挨拶に来た少年の名はキャルヴィン・フィルポッツ。
まだ6歳ながら、その目や雰囲気には、幼くして親元を引き離されたという動揺が感じられず、それどころか
どうにかここまできた、と安心しているような様子でさえあった。

「これからお世話になります、キャルヴィン・フィルポッツです。どうかよろしくお願いいたします」
「ませた子供じゃな。私は永崎鐘――まぁ、頑張って働いてもらおうかの」
「はい、頑張ります」

これは何かのびっくりで、中に大人が入っていそうな落ち着きぶりだ。
鐘は平静を保っているが、内心は動揺している。
傍らにいるであろう刹忠のリアクションは、さて――

1893とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:32:43 ID:z/XDDwys

「おぉ、これまた落ち着いた少年、でござるなぁ。」

【そんな少年の立ち振る舞いに感心しているのは和装の青年だ。
ただし、下は通常のズボン、和服も腰の辺りで仕立ててあるという奇妙さである。】

「一時はどうしようかと相談していたでござるが、心配はなさそうでござるな。」

【こちらに来るキャルヴィンの年などを聞いて、どうしたものかと
相談したものだが、それは杞憂に終わったらしい。】

1894とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:43:27 ID:TgAiaBCk
>>1893

「そちらは……旦那様で」
「まぁ、そういうことになる。んむ。まだ色々あって内縁の、がつくんじゃが」
「なるほど。改めて、よろしくお願いいたします。

刹忠に向けても、彼は深く頭を下げた。
奇妙なほど手がかからない。それはそれで問題にもなりうる。

「とりあえず――2階の空き部屋が奉公人の部屋じゃ。お前しかいないから、ぜいたくにも個室になるんじゃがな」
「すぐにその過ぎた幸運も返上になると思います。奥様」
「くふ。プレッシャーをかけられてしまったんじゃよ。とりあえず、荷を置いてきなさい。戻ってきたら、適当な仕事を任せるから」
「はい。早速ですね」

クスクスと楽しげに彼女は笑う。
商家の三男坊。その立ち位置が、過酷だった故に彼という人間が出来上がったのだろう。
少年はもう一度頭を下げてから奥の階段を上り、入ってすぐの空き部屋を見つけるだろう。
丁寧にも、部屋の戸には【奉公人寝室】という張り紙を用意したのだから。

「……ふーむ。手がかからんというのは、拍子抜けじゃな」

1895とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 21:55:06 ID:z/XDDwys

「うむ。刹忠と申す者でござる。
以後、よろしくおねがいするでござるよ」

【こちらも軽く挨拶をして、二階へと上がってく少年を見送った。】

「吉と出るか凶と出るか楽しみでござるなぁ。
あ、いや、吉と出ないと困るんでござるな。」

【そのリアクションを楽しみかけてしまったようだ。
それではいかんと自身のデコを叩いて見せた。】

1896とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:05:00 ID:TgAiaBCk
>>1895

「私は、てっきり生意気なはなたれ小僧が来ると思っていたんじゃがな」

「まぁ、教えることは沢山あるじゃろうな。しっかりした風に見えるが、字は怪しいとみてよさそうじゃ」

「計算も指を使うと踏む。ふふ、”そろばん”の成果を見せるときがきたもんじゃな、旦那様」

その手の教育の担当は、以前話したように刹忠の役割となるわけだ。
しっかりしなければ、自身の威厳にかかわるというわけで、その威厳は、どうしてもなければならないのだ。
否応なく、鐘と刹忠の二人は、この6歳の少年の上に立つことになったのだから。

そんな話をしていると、少年が戻ってきた。
鐘は早速彼に仕事を与える。

「いきなり職人の技術を叩き込むわけにもいかんし、掃除も色々と注意しなければ割りたい放題になるのは目に見えておる」

「というわけだ。まずは2階の掃除。つまりは自分の暮らすことになるスペースを掃除してもらうぞ」
「はい。わかりました」
「道具はそこじゃからな」

彼がモップだの雑巾だのバケツだのをつかんで、早速再び二階に戻ったのを確認して、ため息をつく。

「仕事をどう割り振るかも、決めなきゃならんわけじゃなー……」

よろよろと店舗スペースのカウンターに。
刹忠にもついてくるように、手でくいくいと袖を引っ張って。

1897とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:17:25 ID:z/XDDwys

「むむ……拙者に威厳を求めるのは酷でござるよ。」

【そういう風に言われて、少々、臆している。
無論、教育は永崎によって施されていたが、自信が無いのは確かだ。

剣の腕ならば、これほど苦心する必要もあるまい、と。
剣をそろばんに持ち帰れば、彼も形無しと言ってもよい。】

「ん〜……まぁ、頑張るでござるよ。」

【袖を引かれると、それに応じた。

やはり、ここが今まで商売を行っていた永崎との違いか
いまいち、主人らしくは振舞えていない。

というよりも、いつもの刹忠だ。】

1898とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:21:33 ID:TgAiaBCk
>>1897

「日中を通して客がそう多くは入らないというのが、多少の救いじゃな」

客が少なければ、それだけ考え事に時間が回せる。
この店が多少忙しくなるのは、学校の始まる前と終わった後。
可愛い物好きの女学生が、こまごまとした物を求めてやってくる。
立派な皿や器が欲しいお金持ちなんかは、手紙のやり取りと代理人の派遣で済ませてしまう。

「この割れ物の要塞と化している売り場を、どう6歳児の小僧に任せるか」

「――小物程度なら大した損害にもならんのじゃが、皿なんかを割られると貧血を起こしてしまうじゃろうなあ」

人を使うというのは、何とも難しい話なのだ。

1899とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:30:18 ID:z/XDDwys

「うむむ、確かにそれは困るでござるな。
拙者も剣を持つ故にいくら、身の一部といえど緊張はしたでござる。」

【確かにそれでは大損害である。
剣士は己の得物も含めて、自身の体としているが、その刹忠でさえも
永崎の店を訪ねたときなどは人一倍、気を使って身体を運んでいた。

自分でさえこうなのだから、キャルビンにしても同じであると。
だが、いくら落ち着いているとはいえ、相手は子供だ。

やはり、不安が残ることにはまちがいはない。】

1900とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:42:52 ID:TgAiaBCk
>>1899

「……これは私がくっついて掃除を教えんといかんようじゃな」

普通の店ならば、それは先輩の奉公人が行うことである。
しかし、受け入れがこれで初めてとなるこの店では当然それは不可能なことだった。
一寸、刹忠に任せてみようとも思った鐘だが、より安全策をとったのだろう。

「んー……なんじゃな」

「順調に進めば、店を大きくすることも可能かもしれんわけじゃが」

「そうなればなるほど、二人の時間がなくなってしまうわけじゃな――」

困ったように笑って、それから刹忠を見上げる。

1901とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 22:52:18 ID:z/XDDwys

「その方がより安全でござろう。
拙者も、流石にここの全ては把握していないでござる、からな。」

【どうあっても今のところ彼は同居人である。
本分は剣を振るうことなのだから、クエストに出かけることもある。

とはいえ、最近はそろばんの教授などあり、減ってはいるのだが。】

「…………。」

【その目をじっと見つめて、少しばかり間が空く。
だが、その間は彼が浮かべた微笑によって、破られた。】

「今が、踏ん張り時やもしれんでござる。
この店が大きくなって、さらに安定すれば、時間は出来てくるでござるよ。」

1902とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:03:04 ID:TgAiaBCk
>>1901

「――そうか。そうじゃな」

ここが正念場。
確かにそうかもしれない。この一年は大きな意味を持つ。
また、近い将来、正しくこの店の後継者が誕生するかもしれないという期待もある。

「だが、その時は、お互いに年寄になってる、なんてこともあるんじゃな」

「老いての楽しみも素敵じゃが――若いうちに、出来る楽しみは、出来るだけ楽しんでおきたいものじゃな」

それは容易なことではない。
それをわかってはいるが、それでも、出来うる限りは――。
そんな、欲張りな彼女の願いであった。

1903とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:11:17 ID:z/XDDwys

「それは……無論、でござるな。」

【それも承知はしているようだ。
こうして丁稚を取ることも、後々にラクになるためのものでもあろう。

ずっと、彼からすれば主人としてずっと店を切り盛りしていた永崎に楽をさせ
年頃にするべきであった遊びをさせてやることも、ある種、責務だと考えているのかもしれない。

それに剣の修行に身を置いていた彼も例外ではないのだ。】

「若いうちに出来ることはしなければ、後悔しても遅い、でござるし。」

【その欲張りな願いも叶えようと努めるのもある種の甲斐性ではないか、と。】

1904とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:19:56 ID:TgAiaBCk
>>1903

「――んでは、一緒に考えてくれるじゃろな」

「今後の、かわいい丁稚君をどう扱うか……」

くふふ、と笑みを浮かべて。
彼のポテンシャルは高そうだが、それが花開くのは10年、彼が天才ならば5年の歳月が必要だろう。
それまでは、彼は単純労働のための人足でしかなく、だからといってずっとそれに従事させていては、ずっと単純労働者というだけ。
なかなか、難しいものなのだ。

「せいぜい頭脳労働をするんじゃよ」

店のカウンターで二人、うんうん悩まなければならない。
そんな事態に、鐘は刹忠を引き込んだのである――。

//ちょっと早いがこんなところで!

1905とある世界の冒険者:2014/06/08(日) 23:30:54 ID:z/XDDwys

「……心得た。
拙者も協力をするでござるよ。」

【二つ返事でそれを了承するが、彼の中では少し複雑な思いが渦巻く。
それは不満とかそういうものではない。

間違いなく、この先、この店は大きく動く。

それに永崎だけでは手に負えない部分が出てくるであろう。
そうなった場合、協力するのは彼が主となるであろう。

となれば……ますます、自分が欠ける訳にはいかない。
故に――――そろそろ、覚悟を決めるときが来ているのだ、と。

剣か……それとも。FO】

//了解です。お疲れ様でした!

1906とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:17:18 ID:7ofKJ1z6
−前回までのあらすじ−

半魔の身体を作らな、と胡散臭い男に言われて材料調達に奔走するモノ一人。
小さな島に隠された大きな秘密の先っちょ位に触れてなんだか妙なことになりつつある。
とりあえず目的の魔力結晶は手に入ったので建物の外に出るべきだと思うが…

しかし囚われの竜を開放するってどうやったものだろう。

1907とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:22:58 ID:YuCR4Oms
「…………後には引けないってこの事を言うのかしらね。
全く、これじゃ隷属みたいな物じゃない。」

首筋の左寄りを手で押さえながら、やれやれと言った風に呟く浅葱色の髪の女性。
押さえている場所の丁度下あたりには、例の契約の印が刻まれている。

「(…………痕が残ったらノルにどうやって説明したものかしら。)」
まず眼に咎められる機会も定かでは無いが、三白眼でよそを眺めながら考え事をしている風だ。

1908とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:28:27 ID:7ofKJ1z6
>>1907
とはいえ物理的にではなく魔術的に刻まれた刻印だ。
現状、魔術的視覚でしか見ることも叶わないので普段の生活に問題はない…だろう。
まあ、お供の半魔は現状魔術的な要素に傾いているので気づく可能性大だが。

何はともあれ材料はそろった。
あとは胡散臭い男がなんやかんやで身体を作るのだろう。

1909とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:30:12 ID:YuCR4Oms
>>1908
「…………"アレ"も何処まで信用して良い物やら。」

とはいえ、愚痴を零しても始まらない。
兎に角今は、レンの体を作る事……即ち、魔力結晶を届けるのが先決だ。

来た道を逆へと辿り、皆の下へと帰る路を進む。

1910とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:39:24 ID:7ofKJ1z6
>>1909
男「お、帰ってきたね」
半「おかえりなさいー」

野外で苦労も知らず外でのほほんと
背が高く面長でヒトの良さそうな青年と
なんか全体的に透けてる長髪の娘が迎える。

男「どうやら無事持ってこれたようだね。さて、次の段階に移ろうか」

1911とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:41:00 ID:YuCR4Oms
>>1910
「…………。」

何を思ってのジトっとした視線かは分からないが、それで全員を一瞥した後

「さっさとして頂戴。」
ぶっきらぼうに、男の胸元へと魔力結晶を押し付ける。

1912とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:53:09 ID:7ofKJ1z6
>>1911
男「了解了解。すぐに取り掛かろう」

そういうと男は風呂敷のようなものを広げ、
そこに結晶や毒々しい色の液体、粉末、乾燥した何かの葉や根を置いていく。

半「…」

何が起こるのかなー、と期待に満ちた感じで半魔がその様子を見ている。

1913とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 22:56:22 ID:YuCR4Oms
>>1912
「…………。」

フンと小さく鼻を鳴らし、服の肩口を少し上げてから岩へと組み足で腰掛ける。
腕も腰の辺りで組ませ、男の動向を監視に近い視線で眺めている。

1914とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:00:20 ID:7ofKJ1z6
>>1913
男「そしてこれを…」

並べた道具を風呂敷に包みこみ…

男「こうしてこうしてこう!」

ドカン、ガシャン、バリン、グシャ!!
と、風呂敷を振り回し地面や岩やらに叩き付ける!!

半「おぉぅ…」

コレには流石の半魔も苦笑…ドン引きである。

1915とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:05:49 ID:YuCR4Oms
>>1914
「……………」

人の苦労して取って来た道具に何て事を。
と言いたい所ではあったが、変に噛み付いて話が長くなっても面倒だ。

なんとも言えない表情で見守る事にする。

1916とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:07:38 ID:7ofKJ1z6
>>1915
男「よし、みんな離れて!」

といって風呂敷を投げ捨て駆け出す青年。

半「え?」

事態が呑み込めず棒立ちの半魔。
投げ捨てられた風呂敷から白煙があがり、妙な震え方をして輝きだした!!

1917とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:14:19 ID:YuCR4Oms
>>1916
「な………ッ!?」

あまりにも普通えないその風呂敷の反応にぎょっとし、それから背を向けずに大きく後ずさる……


「って、ちょっとレン!?」
が、約一名呆けているのに足が止まった。

1918とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:17:41 ID:7ofKJ1z6
>>1917
ずどーーーーん!!

船乗りA「ああ、また爆発だぁ」
船乗りB「おそろしやおそろしや…」

島から離れた海原で船乗り達が島から立ち上るきのこ雲を見たそうな…

半「ほぎゃー!?」

そして爆心地で半魔が被害をこうむっていた。

1919とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:23:30 ID:YuCR4Oms
>>1918
「………れ、レン!?
レーーーーーーーーン!!!!」

並大抵でない爆発。
咄嗟に爆心地へと空の手を伸ばし、名前を叫ぶ。

1920とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:29:27 ID:7ofKJ1z6
>>1919
男「いやあ、少し張り切りすぎたかな」

いつの間にか隣に立ち、
柔和な笑顔でいい汗かきながら青年が言う。
一切の罪悪感を感じられない!!

半「はらほろひれはれ…ほへぇ」

爆発が収まり視界が開けたあたりで、
目を回しよろめきながら半魔が現れ地面に突っ伏した。

1921とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:30:58 ID:YuCR4Oms
>>1920
「(コイツ…………いつか殴る。)」

八重歯を剥き出しにする程歯を噛み締め、恨みの籠った視線を送るメルフェ。

「ハッ………レン!」
爆煙の中から眼を回しているレンを発見するや、男をそっちのけで駆け寄る。

1922とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:35:56 ID:7ofKJ1z6
>>1921
半「か、身体が吹き飛んで…
男「いや、それはもうだいぶ前に起きたことだよ?」
半「そうでした……ぐふぅ」

ボケをかますあたり未だ余裕はあるようで。
周囲は爆発によって浅いクレーターとなっている。
そして爆発の中心には虹色に輝く砂の山が築かれていた。

男「うんうん、いい感じに出来上がったなあ」

1923とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:40:43 ID:YuCR4Oms
>>1922
「レン……ああ、なんて事……。」

「ちょっと、一人で納得してないで説明なさい!!」

とうとう耐えかねたのか、男へと噛み付く様な形相で胸ぐらを掴む。

1924とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:47:07 ID:7ofKJ1z6
>>1923
男「ん?説明?具体的には何が聞きたいんだい?」

胸ぐらを掴まれたまま余裕綽々で青年が問う。
悪気は一切ないのだろう…

半「…」

突っ伏したまま顔だけあげて成り行きを見守る半魔。

1925とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:49:57 ID:YuCR4Oms
>>1924
「貴方、わざとレンを巻き込む風に投げたんじゃないの?
先程からの行動の理由、一から十まで説明しなさい。
さもなくば……………もぐわよ。」

何を、とは言わない。
が、目元が陰って見えない程の凄み。良いチンピラである。

1926とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:54:15 ID:7ofKJ1z6
>>1925

「いや、一人暮らしが長いせいか周囲に気を使うといった事がどうにもおろそかになってしまってね。
 振り回しているあたりで、そういえばこれ最終的に爆発するんだったと思い出してね」

「えーっと、つまり?」

「すまない、注意を即すにはあまりに時間がなかったし、
 爆発も物理的な要素の方が強いからつい、雑な忠告になってしまった」

「まあ、油断していた私も悪いですし…お互いさまということで」

あっはっは、と笑う二人。

1927とある世界の冒険者:2014/06/17(火) 23:59:38 ID:YuCR4Oms
>>1926
「………………。」

頭を抱えて盛大な溜め息を吐く。
どうしてこうも、危機感に乏しいんだろうか。……今更か。

「頓馬。」

と思いつつも、とりあえずレンに軽くデコピンをしておいた。

1928とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:04:10 ID:x8e1pQaw
>>1927
スカっとデコピンが空しく宙を切る。

半「あー、早く身体欲しいですねー」
男「デコピン好きなのかい?」
半「いや、デコピンは好きじゃないですよー?」

あほな会話を続ける二人。

半「それでー、あれをどう使うんですかー?」
男「ああ、後は君次第だよ、レン」
半「…はい?」

1929とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:09:42 ID:HbeHlMpU
>>1928
「くっ………!」
行き場を失った手が虚しく宙に泳ぐ。

「だから説明を…………はぁ、もう良いわよ。
それで可能性としては戻せるの、戻せないの、どちら寄りなの?」

1930とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:19:38 ID:x8e1pQaw
>>1929
男「まあ、いうよりも実際に現象を見せた方が早いだろうから」
半「はいー?」

そういうと青年は虹砂をすくい上げ半魔へとばらまく。

半「わわっ……おぉう?」

意味のないことであるが、咄嗟に落ちてくる砂から目をかばおうと翳した
半魔の手に砂が触れて留まる。


「この砂は君の魔力に反応する。
 君が独自に作り上げていた身体と然程理屈は変わらない。
 しかし姿を維持するための魔力消費は遥かに少ない」

「成程〜…つまりこれを使っているうちは消える心配はない?」

「ああ。より使い方に磨きをかければ戦うことも負担にはならない」

1931とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:24:35 ID:HbeHlMpU
>>1930
「…………貴方を誤解してたみたいね。」

摩訶不思議な砂だが、レンの魔力に合わせて作った物。
つまり、彼女の魔力の何たるかを把握していないと出来ない芸当だ。
だとすれば。

「……余計に怪しいわ。
貴方、何者? ……たまたまここに居ただけなの?本当に。」

1932とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:29:43 ID:x8e1pQaw
>>1931

「勿論此処に居ただけだよ、僕は。
 訪ねてきたのは君達の方だろう?」

「そうですねー。メイに言われて来た訳ですから」

「まあ、前から色々と見させてはもらっていたけども」

謎がとかれるのかどうかは…次回に続く

1933とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 00:36:51 ID:HbeHlMpU
>>1932
「……………。」

言われての事とは言え、何とも納得がいかない。
思えばこの島に来てからそうだったが……兎に角次回につづくのであった。

1934とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:39:38 ID:khyoA9nc
――― (魔境である)ジグザール王都(の中でも治安が悪い事で有名な)森 ―――

「――――ユニコーンの毛、竜の血で穢れし短剣」

暗い暗い森の中、一人の少女の声が響く
ぽっかりと空いたとあるスペースに描かれた銀色の五芒星の魔法陣、4隅に置かれている柱の上には緑色の炎が置かれ
辺りを緑色に照らしている

そしてそんな魔法陣の中央で、一人怪しげなローブ姿の人物(小娘)が何やら怪しげの真っ最中
古い革表紙の本を片手に、呼応した物品を魔法陣の中央に置くと 不思議とその物品が消滅する

1935とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:44:26 ID:x8e1pQaw
「…」

赤い頭巾を目深に被り、編上げブーツを履き、
左手にバスケットを持ち歩く金髪碧眼の娘がふらり、とその場を訪れる。
その左手には艶の無い黒骨製手甲が装備されている。

1936とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:45:52 ID:wcbSBu1c
>>1934
そこに、何やら声がかかった。

「これは如何なる祭事かな――」

声の方を見れば、森の奥、赤い光が見える。時折緩やかに明滅するそれは、段々と近づいてくる。
光が近づいてくると、それはどうやら人型をとっていたことがわかる。光は人間でいうなら右目の位置に存在している。
さらに近づいてみれば、何のことはない、薄手の黒いコートに、フードを目深にかぶった人物であるというだけだ。
右目はおそらく、機械式の義眼ないしは魔術による光であるとわかる。

「なかなか愉快げだ。観客たちも期待に固唾を飲むことだろう」

「さて。私のアドリブでこの舞台はどうなることやら」

コートの人物は、自分のほかに三人の少女を連れている。
幼い双子らしい少女と、それの姉らしい、少しだけ大人びた少女。
双子の少女は表情がなく、姉らしき人物は、無表情であろうとしていることがわかる。

1937とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:50:11 ID:khyoA9nc
>>1935-1936

「―――若者の血を吸い続けた、血の苔……」

突如現れた5人の人物に意を介さず、重々しい雰囲気の中儀式を続ける
毒々しい黒色の苔を瓶から取り出し、魔法陣の中央に放り込むと
銀色の魔法陣が一点、どす黒い光を放った

見た限りで、普通の魔法を行使しようとしているわけではない
もっとどす黒い何かを呼び出す、そんな魔法陣だ
まだ若い少女だが恐らく、何かしらの闇を抱えているのだろう

「――――――老火竜の、逆鱗……」

「は、無かったので火トカゲの干物で代用」

そしてすぐにそれはぶち壊された

1938とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:55:37 ID:wcbSBu1c
>>1937

「――。」

ぽん、と手を打つ。
今まで無視されたことはなかった。「そういうこともあるのか」という新鮮な感動を得たのである。
とはいえ、「邪魔だ」というリアクションすらない。おそらく、この工程が終わって初めてアクションがあるとみていい。
となれば、これを見学している分には現状問題ないということだ。コートの人物はそう判断する。

「魔女の儀式をそっと待つ役割ということだな。結構結構」

うんうんと満足げに頷き、もう一人人物がいることに気が付く。
都合、興味の対象は一時的にそちらにシフトする。

>>1935

「おや、そこにいるのは赤頭巾ちゃんというわけだ」

くつくつと肩を揺らして笑う。

「お使いは終わりかな? 狼を退治したところだろう。寄り道はいかんな――それも、魔女の鍋を見に来たと?」

「まぁいい。好奇心は大事なものだ。赤頭巾。君はこの魔女の鍋をどう見るかな?」

さてこっちは何かリアクションしてくれるだろうか。

1939とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:57:14 ID:x8e1pQaw
>>1936>>1937
「っ…、……」

代用品が出てきたあたりで一人ズッコケそうになる。
しかし頭を振って、バスケットを右手に持ち替え左手を小娘へと翳す。
艶の無い黒骨製手甲に紫炎が灯り、ォォォオと地から響くような妙な音を出し始める。

この手甲、型が古く、それ故に特定の集団にはよく知られているモノでる。
正式名は不浄の左手、通称『魔女狩りの手』とも呼ばれている、ある人物が使っていた代物だ。

1940とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 21:58:09 ID:x8e1pQaw
>>1938
エウノモスを一瞥すると小娘へと向き直り左手をかざしている…

1941とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:05:35 ID:khyoA9nc
>>1938-1939
「覇王の名を持つ仙人の掌の持つ 可憐な紅色の花」

「……投入」

数人のギャラリーに相変わらず気にもとめず、もう一人は自分に危害を加えようとしているにも関わらず
覇王樹、そして仙人掌と呼ばれる植物に咲くという紅い花を、そっと魔法陣に乗せた
なおどちらも『サボテン』と詠むもよう

「―――――穢れ無き、少女の血……」

「必要な量が多い、 生理食塩水で充分であろう」

王都立病院の物と思われる瓶の中から透明な液体を魔法陣の中央に注ぎ込んだ
魔法にちょっとした心得があるものならわかるだろう 血とは魔法の材料として使ううえで特別な意味を持つ者だと
つまり下手なもんで代用しちゃ駄目だと言う事を

1942とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:11:24 ID:wcbSBu1c
>>1939

「待ちたまえ。ロクに言葉も交わさずにソレでは観客も興ざめというものだ」

「大体君に何の大義名分があるというのかね? ぜひお聞かせ願おう」

少女の肩を掴み、止めようとする。
伸ばした右手は義手によるもので、鋼が使われている。

>>1941

「……」

魔術には決して明るくない。
明るくないが「それはいいのか」という、理性の欠片がこの人物をつつく。
しかし、それをあえて口にすることもしない。そんなメタ的な視線からの発言は、まさしく役者がするべきことではないからだ。

「さて。何が起こるやら」

自分に危害が加えられそうな状況下なのに、この集中ぶり。
それほどまでに行いたい儀式なのだ。期待もする。

1943とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:16:54 ID:x8e1pQaw
>>1941
「……はぁ」

溜息と共に紫炎が掻き消える。
両腕をだらりと垂らしやる気なさげに様子を見守ることにした赤頭巾。

>>1942
「…」

肩に伸ばされた手を見た目とは裏腹に強い力で振りほどく。
エウノモスを見る其の目は冷めている…

魔女と称されるものの間でやっと3割程度のモノが知る話であるが…
かつて魔女狩りの手を使っていた人物は魔女であり、
三人の従者の裏切りによってその魔力を失い封印されたという。
当然その持ち物も何かしらの処分が行われたであろうが…

1944とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:20:38 ID:khyoA9nc
>>1942-1943
「そして最後の贄………」
「闇に堕ちた若人を、魔法陣に捧げよ…… ふむ……」


「……………」

魔法陣を描き、色々と捧げ
どうやら最終段階に辿り着いたようすの少女
今ようやく、本から顔を上げ、赤ずきんとエウノモスに向き直り 意味ありげに笑った

1945とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:24:25 ID:wcbSBu1c
>>1943

「おお、恐ろしい赤頭巾もいたものだ」

肩を竦めて、やれやれと手を広げる。
突っついていけば楽しめそうだが、今は大人しくしておく。
そんな打算が彼女にあった。あくまで興味の中心はそこの魔女だ。
二兎を追う者は一兎も得ずというわけである。

「おつかいの帰りというわけでもなく、後日談の存在というわけだ」

「グレてしまった赤ずきんというわけだ。さて何が足らなかったのか――」

とはいえ、そんな事を言って一人笑うことはするだが。

>>1944

「ほう。なるほど、ここで我々ということか。闇に堕ちた若人、その適任者がいるではないか!」

彼女が白手袋に包まれた右手で持って指し示すのは、赤頭巾だ。
自分より年下、赤ずきんなのにずいぶんと穏やかならぬ態度。”闇に堕ちた若人”として見るに相応しい。

「とはいえ、それに協力するような殊勝な輩ではあるまい」

「どうするのかね、魔女としては」

お手並み拝見といくというわけだ。

1946とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:32:48 ID:x8e1pQaw
>>1944>>1945
「…」

バスケットを無造作に手放すと、ゴシャァ!と重々しい音を立てて地面にめり込んだ。
それを軽く蹴り転がすと鉈やら斧やらナイフやらが転がり出てきた。
ガン、と手近な得物を蹴り上げ手にする。
先端がL字に折れ曲がった鉄の棒、バールである。

1947とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:36:26 ID:khyoA9nc
>>1945-1496
「フッ…… それもそうであろう、誰が好き好んで生贄などとなる?」
「見返りも無しに誰が命を投げ出す? 安心するがいい、我は懸命だ」

「我は悪の魔法使い、王都の月を破壊せんともくろむ者」
「さぁ魔法陣の上に膝着くがいい!今なら我が下僕の中でも高位の役職をくれてやろう!」


悪くない話だろう?とばかりににんまりと笑う魔法使い
要約すると 「生贄になってくれたら自分の家来にしてやろう」 こっちに対してメリットも糞も無い話だった

1948とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:41:27 ID:wcbSBu1c
>>1946-1947

「ほほう」

言っていることはスケールがでかいばかりで良くわからない。
が、それがメリットでも何でもない事ぐらいはわかった。
コートの人物は横目で赤ずきんの様子を見て、ため息をついて言う。

「しかし、赤頭巾は怒ってしまったようだが」

「刃物がいくらでもあるのに、結局取り出すのはただの鉄の棒。鈍器というわけだ。つまりそれぐらい頭に血が上っているのだろう」

「魔女よ。君の命の方が危ないのではないかな?」

行く末を見守ることにした。
あるいは漁夫の利狙いの鳥といったところか。

1949とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:44:59 ID:x8e1pQaw
>>1947>>1948
「…」

口は開かず、相手を射抜くような鋭い目だけがモノを言う。
曰く『ふざけてんじゃねえぞ、奥歯にバール突っ込んでガタガタ言わせたろうかぁっ!!』
両足を開き、腰を低くし、左手より再度紫炎が発せられる。
両手で構えるバールにも炎が纏わりついていく…

1950とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:50:19 ID:khyoA9nc
>>1948-1949
「どうも我の思考についていける事ができる知能の持ち主はこの場にいないようだ」
「わかりきったことだが何とも嘆かわしい、怒りとは最大の無知、無知は罪だというのに……」

頭に血が上っている赤ずきんに、それも今にもこっちを殺したくてうずうずしている赤ずきんに臆さず、
さらに馬鹿にしたような態度をとった
多分この少女も罪深き存在なのだろう。 怒っている相手にしちゃいけない事をしらないという意味での無知で

「ふっ…… こうなっては仕方があるまいな」



「最後の贄こそはと思ったがこちらも代用品を探すまでよ しばし待っているがいい」

ごーれっつごー と掛け声と共にスタコラサッサとこの場から去った
逃げた?

1951とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:52:39 ID:wcbSBu1c
>>1949

「これは、私も防衛を考えた方がいいということだろうか」

「気に入らないのならば立ち去ればいいだろうに。赤ずきんというのは偏屈な娘だったのだな。いやはや、勉強になったものだ」

赤い右目を激しく明滅させて、その場で両こぶしを握って構える。
それから、それまで何の行動もしていなかった双子の少女がクロスボウを取り出して、しっかりと構える。
もう一人の少女は、エウノモスの背に移動し、視線をコートの人物と少女、それから魔女の間を泳がせていた。

>>1950

あてにしていた一人がさっさと立ち去った。
何の儀式をしたいのかわからないが、代用品が多すぎやしないか。

「――なるほど。これはコメディだったか!」

何が面白いのか、構えた両こぶしを解いてぱんぱんと叩き、腹を抱えて笑う。

「いやあ、恥ずかしいやら気持ちがいいやら。真剣に舞台に躍り出た自分がバカバカしいな!」

余程面白かったのか、笑いはしばらく止まることがなかった。

1952とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:56:03 ID:x8e1pQaw
>>1950
「……」

ボウボウとバールが紫炎を纏って燃えている。
二度目の肩透かしに、イライラは募るばかり。
険しい目つきが更にきつくなった。

>>1951
「……」

取りあえずこっちに八つ当たりしようか、と半ば本気で考え始める。

1953とある世界の冒険者:2014/06/18(水) 22:59:27 ID:wcbSBu1c
>>1952

「いつまでも真剣に怒っていると、それだけ観客からは馬鹿に思われるぞ、赤ずきんちゃん」

もう本人にやる気はない。
それでも、双子の少女は油断なくクロスボウを構えて牽制しているが。

「演目が気に入らないのならば退場したまえ。君の好きな悲劇の海に消えるがいい」

指を立てて、ちっちっ、と振る。


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