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第三汎用スレッド
1
:
「鍵を持つ者」
:2012/09/29(土) 00:27:21 ID:???
第三の眼なんて無かった
112
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:15:32 ID:.vbWkxTA
-港への道中-
『……おい、良いのか?』
砂利を規則正しく踏み、小刻みに揺れる馬車。
ほどなく港に近付こうと言う所で、運転手が不意に声を投げる。
今まで一言も発しなかったが、声からして女性の様だ。
「何が。」
『この先は王国兵の検閲があっても十分おかしくない地帯だぞ。』
尤もだ。
そしてメルフェとエコーズ、共に身分が割れた場合は事態がややこしい事になるのも請け合いである。
113
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:18:01 ID:HN4ZxxX6
「……別に。」
御者の問に、僅かな間を置いて考え事をしていた青年が、
ぶっきら棒に答えを投げ返す。
「兵が何か言ったら、俺が顔を出しゃいいぜ。
最悪な事に一般兵より階級は上だし、ね」
114
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:26:46 ID:.vbWkxTA
『クク……良かったな碧雷。
見つかった所で搬送される犯罪者の体で通る様だぞ。』
その返答を受け、声の主が愉快そうに返す。
口ぶりからしてメルフェの知り合いの様だ。
なるべくリスクを抑えたルートを選択したのも彼女なのだろう。
「お黙り、石屋。
それを言ったら貴女もでしょう? ……いいから、さっさと馬車進めて。時間が美味しいわ。」
『フッ……相変わらず沸点の低い事だ。』
暫しの遣り取りを終えると、馬車は港まで5分程の距離まで近づいた。
115
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:30:00 ID:HN4ZxxX6
「冗談でもそんな上が喜ぶような事はしてやる気にならんぜ。」
そうだとしても何処ぞに逃してやる、と言わんばかりに
感情は全てにおいて優先される。
「……海、ソルビニア……――リィフちゃん……」
116
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:34:58 ID:.vbWkxTA
『大した騎士だ。
……着いたぞ。船は渡鳥が手配している。急げよ。』
「ええ。」
想い人を描くエコーズをよそに、馬車は停車する。
検閲に関しては杞憂に終えられた様だ。
見れば一面に広がる海。巨大な貨物船や客船には眼もくれず、メルフェは馬車を降りると歩き出した。
117
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:37:09 ID:HN4ZxxX6
「……皆が皆、
御伽話の騎士を好きな訳じゃねぇぜ。」
吐き捨てるように言って、続いて降り
「で、小舟か泥船か――どっちだぜ?」
118
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:46:24 ID:.vbWkxTA
「伝説級の泥船よ。」
冗談を返しつつ、停泊してあった小さな船に歩み寄る。
「四暗、この子。一緒に運んで頂戴。」
『――彼女曰く、是。虚ろな巨を凌ぐは綺の如き小。』
その主……恐らく渡鳥と呼ばれていた黒マントが船へと手で拱く。
119
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:48:41 ID:HN4ZxxX6
「そりゃ結構な事だぜ。」
肩を竦めて返し、船に乗り込み。
「他人から見ても虚ろでも、
俺にとっちゃそれだけが……あれだけが、ほんとうの事だぜ」
120
:
とある世界の冒険者
:2012/10/20(土) 23:59:51 ID:.vbWkxTA
『……何の事か分からないけど、頑張って。』
澄んだ声で小さく言う雰囲気は、先程の物とは少し違う。
二人が乗り込んだのを確認すると、停め綱を切って船を出航させた。
「あとは数日船に揺られるだけ……と言った所ね。」
潮風を鬱陶しそうに払いながら、メルフェが呟く。
121
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:01:21 ID:0m74CpqA
「……ふん。」
ふい、と視線を海に落とす。
別に、何が見える訳でもない、ただ、波間が揺れているのが見えるだけだ。
「長旅、だぜね
こういう時速いアシを持ってる連中が羨ましいぜ。」
122
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:13:51 ID:bIX/eNBk
『…………?』
意図が分からず、首を傾げる黒ローブ。
他の二人に比べて特段個性的だが、特段毒っ気が少ない。
「体調は整えておかないと話にならないわよ。
……私は先に寝ておくわ。船酔いになるから。」
と、素っ気なく言い放つと船室へ戻って行く。
勝手にも見えるが、体力を温存しておかなければならないのは彼女も同じだ。
寧ろ、手法を明かしていないが彼女の犠牲なくしてリィフへの邂逅は無いとも考えられなくない。
123
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:15:58 ID:0m74CpqA
「…………悪いけど俺も寝るぜ、
目的地までよろしく。」
四暗の毒気の無さに調子を狂わされ、
傍に置いたギターケースを枕にするように瞼を閉じる。
「(――……リィフちゃん……)」
出てから、考えるのは、――その少女の事ばかりだ。
124
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:19:25 ID:bIX/eNBk
『…………。』
甲板にて、独り。
『…………ひま。』
少しさみしそうな後ろ姿であった。
メルフェは謝ると言っていた。
だとしたら自分は何を話すべきなのか。
もとい、何処まで話すべきなのか。考えれば考える程、思考の泥沼に嵌まっていく感覚がエコーズを襲う。
125
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:22:06 ID:0m74CpqA
尚、この時その後姿の少女の伴侶は短時間の別行動だった、とか。
「(――……会って――……
……何、を話す? ……「好きだった」? ……違う、
確かに、伝えたいけど、一瞬しか会えない、リィフちゃんに、言うことじゃない。)」
この問を、何度も、何度も、何度も繰り返す。
「(謝る――守れなくて、ごめん?
違う、俺が、俺が伝えてーのは…・・)」
そうして、また振り出しに戻り、頭を抱える
126
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:31:39 ID:bIX/eNBk
「……私は狡い事をしようとしている……。
…………のでしょうね。」
青年の思いは浪間に揺れ、海の色は静かに藍を増していく。
まるでその、思いの深さの分だけ。
――ソルビニア到着まで、あと4日
【フェードアウト】
127
:
とある世界の冒険者
:2012/10/21(日) 00:33:12 ID:0m74CpqA
「……リィフ、ちゃん。」
記憶の中の彼女の姿を、描くように。
そう小さく呟いて、瞑目し――また、思考の汚泥へと。
【FO】
128
:
とある世界の冒険者
:2012/10/27(土) 22:30:14 ID:ZplIqQ3U
−王都付近の森−
木が立ち並ぶ森の中にいかにも怪しげな
入り口のようなぽっかりと空いた穴がある・・・
人間一人がギリギリ入れそうな大きさで穴の中は真っ暗である。
129
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 22:46:16 ID:J9k4jrOw
<王都近くの草原>
「……嗚呼、この悦楽。
蹄を探し回っていたときとは比べ物にならん。」
【恍惚とした様子で天を仰ぎながら、呟いているのは緑の鎧を着た騎士姿。
腰には鞘に収められた剣が下げられており、騎士であることは一目瞭然である。
しかし、奇妙なことに肝心の頭部はむき出しの状態である。
顔は青白く、その髪は瞳と同じく金色であるが、まるで色が抜けているかのように薄い。
さらに、この騎士姿が佇む周辺はやけに煙たく、そして焦げ臭い。】
130
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:19:07 ID:dqH.Qf5g
【王都/とある雑貨店】
「……こんばんわ。」
王都のとある雑貨店にやって来る、中学生か、高校生ぐらいの少年。
なぜこの時間に雑貨店か、と言うと単純に、恋人がここに住んでいるから、である。
131
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:24:42 ID:CGv3/NwI
「あら、いらっしゃい」
それを出迎えるのは、店主の魔女、ウクハである。
彼女は古めかしくも伝統的な魔女の衣装(即ち、ローブに三角帽子)といういでたちだ。
ここで売られている骨董品も、店主の衣装一つでたちまち魔法のアイテムに見えるというわけである。
実態は、ただのガラクタということもしばしばではあるものの。
「買い物……じゃないわよね。いいわね、若いって」
彼女は小さくため息をついた。
132
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:26:29 ID:dqH.Qf5g
「まぁ、ここで買う物もあんまり無いですし。」
此方の少年、以前は誰彼構わず毒を吐いていたが大分鳴りを潜めた。
……いや、潜めていないかもしれない、割とトゲトゲしている。
「……愛奈さんは、二階に?」
が、恋人の前では全くの別。
上に居るのかだけが気にかかる様子。
133
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:32:51 ID:CGv3/NwI
>>132
「……子供にはわからないだけよ。全く」
これでも税金を払ってもなお黒字を達成しているのである。
骨董品店の中では、そこそこ成功していると言えるだろう。
着実に利益をあげているのだから。
「呼んだ方がいいかしら。あんたら、部屋なんて何もないところにいたらえっちするしかないんだから」
トゲにはトゲで返してやるのが魔女流である。
134
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:36:03 ID:dqH.Qf5g
>>133
「魔法学に進もうと思ってる身から言うと……どれも実用性がんまり無いですよね。」
実用性では無く、浪漫とかこう、雰囲気を追い求める人も居るのだ。
骨董品とはそういう物なのである。 まぁ、解らないのだが。
「エッチ以外にもしますよ、色々。」
……色々、とはなんだろう。
何か妙なニュアンスがある気もするし、無い気もする。
135
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:40:19 ID:CGv3/NwI
>>134
「美術品でもあるのよ。ただの頑丈なナイフよりも、折れやすくて使いにくいけど、精巧な彫刻してある方が価値があんの」
「それが歴史上重要な物だったりすれば考古学上の価値もあるわ」
そこに目が向けられないから子供なんだ、と彼女は肩を竦める。
それに、実用性を突き詰めていけば、画家である愛奈なんて存在意義を否定されるだろうとも。
「ともかく、あの子なら上で絵書いてると思うわよ」
「締切が近いとかで。挿絵画家ってのも大変なのね」
大して興味もなさそうに、あくびをした。
かってに上がっていけ、ということだろう。
136
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:43:03 ID:dqH.Qf5g
>>135
「……美術品、の価値は良く解らないもので。」
それでも、愛奈の絵は「好き」だが。
理解はしてないが、こう……何か、解るものがあるのだ。
「締切……なら、余り邪魔しない方が良いかな。
多分、直ぐにお暇すると思いますけど、お邪魔します。」
一応、礼節として頭を下げてお邪魔する旨を伝えた後、二階へ。
137
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:51:08 ID:CGv3/NwI
>>136
愛奈は、部屋で用紙と格闘している様子だった。
煮詰まっているようですらあり、彼女は唸っている。(正確には、息が喉を鳴らす音だ)
それから、小さくあくびをした。
(今日はもうやめとこうかな……)
今だ、部屋に入ってきた恋人には気がつかないでいる。
彼女の使い魔である絵の兵士達は気づいているようだが、何もしないでやるのも主のためだ。
138
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:53:26 ID:dqH.Qf5g
>>137
「…………。」
少し、悪戯でも考え付いたか。
足音と気配を小さくして年上の恋人に後ろから近付く。
突然後ろから抱きすくめたら、どんな顔をするだろうか、とか
そんな程度の悪戯なのだが。
139
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:57:08 ID:CGv3/NwI
>>138
(もう遅いし……)
寸前にまで近づかれても気がつかない。
それもまた仕方なし――彼女は学生であり、画家である。
もう、クエストを受けて戦う必要はなくなっているため、戦いという機能を忘れている。
そうでなくとも、彼女は召喚に頼っているために脆弱なのだ。
そんなわけで、後ろから抱きしめるのは難なく成功しそうだが……。
140
:
とある世界の冒険者
:2012/10/28(日) 23:59:47 ID:dqH.Qf5g
>>139
「……。」
直ぐ抱きしめられる位置まで着いて、それでも気付かぬ様子に
ああ、かなり集中しているんだな、と思って。
「……お邪魔、かな?」
手を出す事はせずに小さく、そう問を賭ける。
141
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:07:54 ID:gEb4u/O.
>>140
「――ッ!?」
彼女はひどく驚いた様子で振り向いた。
明らかに同様の色が見て取れる。
『勝手に女の子の部屋に入るなんて、デリカシーがないよ?』
と、素早く、自分のスケッチブックに書いて見せる。
ノックぐらいしろ、という抗議の目線を、頬を軽くふくらませながら向けている……。
142
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:08:58 ID:GrbUWSZg
>>141
「……ごめんね、ちょっと驚かせてみたくて。」
頬をふくらませるその姿に自然と表情を綻ばせて。
慌てる姿も可愛いな、等と思っている事だろう。
143
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:16:27 ID:gEb4u/O.
>>142
『私は怒ってるんですよ?』
何で笑ってるんですか、とでも言いたげな様子である。
こういう状況だ。言葉を弄するよりも――行動で示したほうが良いこともあるだろう。
ご機嫌斜めの女の子を相手するときには、尚更だ。
144
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:20:52 ID:GrbUWSZg
>>143
「はは、ごめんね。
……ただ、集中してる愛奈さんが、後ろから見てて凄く可愛かったから。」
むくれ顔の侭の恋人の手を取って、頬にキスをして、そう言う。
「あんまり二人っきりの時に見せてくれない顔だったから、珍しくて。
……そんなに嫌だった、かな。」
145
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:26:17 ID:gEb4u/O.
>>144
手を取られたのでは、筆談はできない。
彼女はただ、首を横に振った。――嫌じゃない、ということか。
――それから、彼女は逆に抱きしめにかかった。
あくまでも歳上は自分。ならば、イニシアチブを取るのも自分。
――そういうことを、主張したいらしい。
146
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:28:01 ID:GrbUWSZg
>>145
「……可愛いなぁ、愛奈さん。」
自分からも抱きしめ返して、分かっているだろうにそんな事を言う。
別に譲ってもいいのだがこうやって主張している姿がまた、可愛く思えるのだ。
ちなみに読唇術、を学んだから、実は口の動きだけでも何となく解りはするのである。
147
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:34:41 ID:gEb4u/O.
>>146
ぎゅう、と彼女はより強く抱いた。
赤くなった自分の顔をごまかすためか――。
彼女の白い髪が、風で小さく揺れる。
彼女の力は弱く、振り払うのも――このままベッドに押し倒してやることも容易だ。
――どうする?
148
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:38:22 ID:GrbUWSZg
>>147
抱きしめに頬を綻ばせ、恋人の身体を軽く引っ張ってあげて、すぐ近くのベッドに倒す。
そうして、自分より少し背の高い彼女に覆いかぶさるようにして。
「……良い?」
分かっているのに、意地悪く、そう問いかけた。
149
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:41:19 ID:gEb4u/O.
>>148
――返答は、目を閉じることで返す。
絵の中の兵士達は、心中でため息を漏らすだろう。
”またか”と。彼と彼女の情事は、彼女の使い魔の兵士には筒抜けである。
あるが――もうどうしようもないので、放置しているのだ。
150
:
とある世界の冒険者
:2012/10/29(月) 00:45:07 ID:GrbUWSZg
>>149
「(……結局言われた通りになった気もするけど)」
この状況と、先程下で言われた言葉を思い出して重ねて、含み笑いをして。
「……今日は、優しくしてあげるね?」
そのまま彼女に唇を重ねた……
【FO】
151
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 21:44:47 ID:69qSthIM
-王都近くな廃棄された石切り場-
特撮で使われそうな廃棄された石切り場に、
大型シャベルを背負い魔石の嵌った胸甲を纏う左目に眼帯の短髪娘一人。
「てろりろ、てろりろ、てろりろ、てれりろ…」
何事かを呟き何かをしている。
「ごまだ―
チュドーン!!
石切り場で爆発が起こった。
152
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 21:59:26 ID:NJ9qBzK2
「えっ、爆発!?なんかあったのか!」
上着がタンクトップのみと寒そうな格好をした青年が、走ってくる。
どうやら事故があったと勘違いしているようだ。
153
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:01:36 ID:69qSthIM
>>152
「げっほげっほ!」
黒煙舞う石切り場で煤だらけの眼帯娘。
傷らしい傷はない。
「あー、吃驚したぁ、何で爆発したかなあ」
154
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:08:59 ID:NJ9qBzK2
>>153
「あ、あんた大丈夫か!どっか痛いところはないか!?」
眼帯をした女の子を見つけるなり、側まで走り、やけに大きい声で安否を心配する。
こういうのは後から響くときもあるのだ。大丈夫そうでも放置はできない。
155
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:11:38 ID:69qSthIM
>>154
「ん?あ、いやいや、大丈夫です、割と」
何だか賑やかな人が来たなーとか思っている。
「あ、問題は僕よりアッチかも知れない」
指差す先で何かが赤い光を放っている。
後、物凄く禍々しい気を。
156
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:17:28 ID:NJ9qBzK2
>>155
「ああ、なんかあったと思ったが、大丈夫だったならいいんだ。」
ホッとしてるかのように息を吐く。
指差す先を見るとなんかヤバ気な雰囲気を持つ何かがいるではないか!
さすがに予想外であり、「えっ?」っと声を漏らすことしかできない。
157
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:19:49 ID:69qSthIM
>>156
ぐぉんぐぉん…
変な音を響かせて赤い光と禍々しさを放つソレ。
赤い紋様が刻まれた怪物の腕の様な…何だろう。
とりあえず手の部分が動いて其処らを這いずっている。
158
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:23:22 ID:NJ9qBzK2
>>157
「えーと、何あれ?」
そもそもの形状が腕だけなのか、さっきの爆発に巻き込まれたかはわからないが、
うす気味が悪いので、とりあえず正体を訪ねてみる。
159
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:25:52 ID:69qSthIM
>>158
「最近村を襲って討伐対象になった熊型魔物が居てね。
それの腕が良い武器になるっているから取ってきたんだけど…
錬霊したら、なんか変な干渉を受けたらしくって、ああなった」
ずり…ずり…
這いまわる腕、怖い。
160
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:31:55 ID:NJ9qBzK2
>>159
「えーと、あの腕に指突っ込んでパンチンググローブにでもしようとしたのか?
…、錬霊ってなんだ?」
『錬霊』とわからない言葉が出てきたので、冗談を交えながら聞いてみる。
腕については話を聞いた上で、最悪踏み潰す気でいる。なんか乗っ取られそうで怖い。
161
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:38:26 ID:69qSthIM
>>160
「あれ?錬霊術って聞いたことない?…いや、聞いたことないか、マイナーだし」
一人勝手に納得する眼帯娘。
「エンチャントの一種だと思っていいよ。
で、武器作りの最中だったんだけど…アレを鎚矛にしようと思って」
ずり…ずり……かしゃかしゃかしゃ
遂に這いずりから指を小刻みに動かしてカニの様に動き始めた、キモい。
162
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:44:59 ID:NJ9qBzK2
>>161
「エンチャントねぇ…、動いてるのと関係あるのか?
…、と言うより踏みつぶしていいか?アレ。」
器用な歩き方(?)をしている腕を指さしながら言う。
あれじゃあ碌な武器は作れないだろう。寝ている間に襲われそうだ。
163
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:48:09 ID:69qSthIM
>>162
「えっ、駄目だよ、踏みつぶすなんてとんでもない!
…っていうか踏みつぶせるかな、アレ」
カサカサカサカサ…
腕が無暗矢鱈に周囲を徘徊する。
速度といい擬音といい黒いGを思わせる…
164
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:54:52 ID:NJ9qBzK2
>>163
「いや、だって、武器にしても生きてそうだぜアレ。」
そもそも捕まえられるのかと思いながらうでが動く様を観察する。
165
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 22:58:13 ID:69qSthIM
>>164
「いいじゃん、リビングウェポン!錬霊術の完成系は其処等辺だし!!」
カサカサ…カサササっ!
じっと見ていたせいかは不明だが腕が全速力でこっちに来た。
「うわ、こっち来たっ!」
166
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:05:08 ID:NJ9qBzK2
>>165
「あんな元気そうな腕じゃどっかに逃げちまいそうだ
って、他のリビングウェポンとやらもこんな感じなのか!?」
足だけの生物や羽だけの生物などを想像し、驚いている
「ウェッ!マジかっ!」
そう言いながらも中腰姿勢で構える
こっちにきたら怪我しないようにいなすか、隙あらば掴む気だ!
167
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:15:11 ID:69qSthIM
>>166
「いやまだ一個も持ってないしなー。
知り合いのリビングウェポンはヒトになったりするって言うし動くんじゃない?」
でもきっとこんなにキモくない。
カサカサカサッ!
腕が跳ねた!
手を広げバーンの顔面鷲掴もうと。
168
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:22:17 ID:NJ9qBzK2
>>167
「ヒトになる?合体するのか!かっけえ!」
腕や足だけの生き物たちが一つに集まるのを想像し、目を輝かせる。
脚や腹部を狙った一撃なら直撃していただろうが、顔面を狙ったものなら反応もしやすい!
「波ァ!」と叫び、掴もうとしている手に合わせるようにこちらも右手を広げ、その手を逆に掴みかえさんとする!
「」
169
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:24:09 ID:69qSthIM
>>168
「それはたぶん違う」
ガシィ!
なんか握手するような感じになった。
ただ相手は鋭い爪を持ち、握力も強く、
序に触っていると焼け爛れそうな瘴気を放っているが…
170
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:31:23 ID:NJ9qBzK2
>>169
「と、とりあえず動きを封じたから何とかしてくれ!
なんか触りたくない感じがプンプンする!」
爪によってオープンフィンガーグローブがあっさりと裂け、中から血が滲んでくる。
強い握力、鋭い爪に関してはともかく、なんか触ってる感触がヤバイので、さっさと救援を要請する!
魔力によって丈夫になった体だが、それでは瘴気は防げない!
171
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:33:16 ID:69qSthIM
>>170
「うーん…よし、術を続行してみようか」
集中し、目を閉じる眼帯娘。
魔法陣も足元に展開されなんだか大魔術っぽいぞ!
172
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:36:16 ID:NJ9qBzK2
>>171
「早くしてくれよ…!」
強い握力にまけんと腕だけの生き物を握り返しながら言う。
…、実は格闘家としての生命線がいつどうなるかわからないことに戦慄している。
173
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:38:41 ID:69qSthIM
>>172
「てろりろ、ごまだれええええええええええええええええ!!」
目を開き、思いっきり化け物の腕を殴りつける眼帯娘。
魔法どこ行った。
あまりの衝撃に腕がバーンの手をすっぽ抜けて飛んでいくかもしれない。
174
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:44:11 ID:NJ9qBzK2
>>173
「ぐわあああああああ!」
強く殴りつけられたことにより、爪が更に深く抉る形となり、握る力を弱めてしまう
その結果、腕はあさっての方向に飛んでいってしまう。
「ぐわーっ!ぐわーっ!」
右手を抑えながらのたうち回っている!
血は言うほど出てはいないが、グローブの一部が赤く染まるほどには出ている。
175
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:47:29 ID:69qSthIM
>>174
「アヒルか!って突っ込み入れてる場合でもないか」
腕の方へと急ぎ拾い上げる。
「…よし、こっちは安定している、問題はそっちかー」
如何したものかと駆け寄っていく。
とりあえず手を見て対処を考えようと。
176
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:55:10 ID:NJ9qBzK2
>>175
「いだだだ!」
浅いとは言えないが、大事でもないくらいの裂傷が数カ所あるぐらいで、後は皮膚が赤くなってる程度だ。
消毒すればそのうち治る類である。
「封印魔法じゃなくて殴るのかよ!そうならそうといってくれよ!」
涙目になりつつ、文句を言う!
じっさい、裂傷が深くなったのは腕を強く握っていたからだ。
177
:
とある世界の冒険者
:2012/10/30(火) 23:58:16 ID:69qSthIM
>>176
「いや、錬霊術だかんね、あれ」
キッパリ。
「まあ、ぱっと見傷は浅いぞ、だいじょーぶ」
笑顔で。
178
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:04:36 ID:tNRGRjyE
>>177
「錬霊術ってのが胡散臭く感じるんだが…」
不貞腐れたような表情で言う。
「え、何もしてくんねーの?」
出血を抑えるように右手首を抑えながら驚いたように言う。
応急処置ぐらいはしてくれるかと思ってたのだ。現金な奴である。
179
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:09:59 ID:qop0eyF6
>>178
「否定はしない、だからマイナーなのであって」
眩しい笑顔だ!
「頑張れオトコノコ!」
残念だが応急処置の類は門外漢だ。
加えて錬霊にチカラを使ったので元々乏しい魔力しかない眼帯娘は今、術が使えない。
180
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:16:25 ID:tNRGRjyE
>>179
「あー、うん。まぁ、胡散臭くても、威力は本物か。」
少女が持ってる腕を見ながら
「…、泣けるぜ」
ため息の後、右手のオープンフィンガーグローブを顔をしかめながらも外す。
そして布切れを傷口に当て、止血する。
181
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:20:31 ID:qop0eyF6
>>180
「ふっふっふ。しかしなんだろこれ、
持ってると破壊衝動に襲われそうな危険な感じがしないでもない」
不吉なことを言いながら両手で怪物の腕を振るう。
「よし、戦魂『拳』と名付けよう」
握りこぶしを固めた腕を掲げそんな事を。
いった矢先に手が開く。
「…やっぱり違う名にしようかなあ」
182
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:26:20 ID:tNRGRjyE
>>181
「えっ、そのまま振り回すのか?」
棒の先端にくっつけて振り回すものだと個人的なイメージだが、思っていた。
そのままでは扱いにくいにも程がある
「拳じゃなくて、掌(てのひら)でいいんじゃねーか?指使って歩いてるのが印象的なんだが。」
他人の物に向かって口出しをしだす。
183
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:31:36 ID:qop0eyF6
>>182
描写不足かもしれないが怪物の腕である手ではない。
つまりそれなりに長さはあるのだ。
「掌かあ、成程」
なぜか今度はチョキの形に。
「ある程度思うように動くのかなコレ、面白っ」
184
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:36:05 ID:tNRGRjyE
>>183
「俺に攻撃した時もアイアンクロー狙ってたしな」
ネーミングセンスを褒められたのが嬉しいのか、ちょっと顔が綻んでいる。
「うぉっ!本当か!ちょっと弄ってみせて!」
興味津々である。
185
:
とある世界の冒険者
:2012/10/31(水) 00:38:03 ID:qop0eyF6
>>184
「ふっふっふ…熊の手モード!」
くわっと手が開いて熊の手のように広がる。
「これで落ち葉も一掃だあああああ!!」
禍々しい熊の手を振りまわす、危ない。
そんな感じで日は過ぎていくのだった…お終い!!
186
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 20:50:23 ID:ctDi7G9Q
【ゼオ宅】
「ただいま帰りましたよー……っと」
少々長めの仕事を終え、稼ぎやモンスターの素材などを担ぎ帰宅するジャック
すっかりこの様な暮らしが定着しているせいか、不安定な冒険者職という意識があまり無いのが救いか
「もう夕食は終わりかね……? この仕事、ルーチンが曖昧で困るな」
187
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 20:58:33 ID:/UBRBnYI
>>186
「――あ、お帰りなさい、ジャックさんっ。」
帰って来たジャックに気付いてか、ぱたぱたと娘が走って来る。
艶やかな長い黒髪を、そのまま真っ直ぐに伸ばし、薄い藍色の着物を着て。
腰には、刀は無い。
188
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:05:51 ID:ctDi7G9Q
>>187
「ただいま、桜」
笑顔で迎えると、少し屈んで髪を軽くすくい、現れた頬にキスをする
やたらと荷物が多いが、いつものことなので預けたりという素振りはない
「黒桜は部屋かい?」
189
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:06:58 ID:/UBRBnYI
>>188
「ん……っ。 ……えへへ。」
頬へのキスに、嬉しそうに顔を赤くして。
「……はい、今は。
――けど、その……それについて今日、お話したいな、って思って。」
190
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:12:26 ID:ctDi7G9Q
>>189
「ん? あぁ、俺は構わないよ」
黒桜を置いてきたという話の延長ならば、部屋に帰るわけにはいかないと考えて
「ならそこの広間で話そうか。もう誰も居ないみたいだしさ」
適当な場所に荷物を纏めて置くと、静かな灯りに照らされた広間を指差して
191
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:15:55 ID:/UBRBnYI
>>190
「……はい。」
ジャックの手を取り、広間に行って、
椅子に座ると小さく息を吐き出す。
192
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:26:39 ID:ctDi7G9Q
>>191
「……さて、黒桜が立ち会えないんだから、大切な話なんだとは思うけども」
向かいの椅子に座ると、息を吐き緊張気味の桜に話しかけて
「俺と君の間だ、俺はどんなことでも受け止めるよ」
「分かりきったことかも知れないけど、一応、ね」
良いことか悪いことか、様子から察するに悪いこととは考えられないが
一応、聞く準備は出来ていると告げて
193
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:29:54 ID:/UBRBnYI
>>192
「……あ、ぇと……。」
ふぅ、と息を吸ったり吐いたりを繰り返して。
「その――……ジャックさんは、
け、っ……けっこ……結婚って……か、考えて、くれてます、か?」
……爆弾を投下。
194
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:43:37 ID:ctDi7G9Q
>>193
「………………」
「いや、当然だろう。此処まで来て別れて他の女性と結婚って、俺は考えられないね」
と、間を空けながらも当たり前だと力説するジャック
そもそも兄貴の影響で古風な考え方をしているという設定はちゃんとある男である
「その話が出るってことは……貯金が足らないって話かな?」
「いやでも、貯蓄は基本的に桜に任せていたしな……ゴニョゴニョ」
195
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 21:52:10 ID:/UBRBnYI
>>194
「で、ですよね……あ、いえその、そうじゃなくてっ!」
貯金、の話が出てきて、慌ててそれを否定して。
「貯金は、もう充分で、その――……
私は、その……」
慌てた様子で否定を重ねながら、息を、整えていって。
「……――もう、準備、出来ましたから。
ちゃんと、ジャックさんの……お嫁さんになる、準備。」
だから、――後は
ジャックさん次第、と・
196
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:16:17 ID:ctDi7G9Q
>>195
「……え〜っと……つまりその……そういうこと? だよな」
いろいろと考えてはいたのだが、向こうから切り出されては勿論言わざるを得まい
いや、いつも考えていたはずだ。いつ言ってもいいように、何処で言ってもいいように、と
ただ、いざ言うとなると、その言葉はなかなか出て来ない
「あ、あの……さくらん……その、さぁ」
「お、おおお……おれ、おれと……」
「………………」
「………………」
「……」
「桜、俺と一緒になってくれないか?」
197
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:18:55 ID:/UBRBnYI
>>196
「………っ。」
こくこくこく、と。
無言の儘真っ赤になって頷いて。
「――…………ふ、ふつつかものですがっ……よろしく、おねがいします。」
198
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:23:37 ID:ctDi7G9Q
>>197
「……はは、不束者はお互い様ってことで」
「今日から劇的に何か変わるとは思えないけど、いつも通り、二人三脚で行こうよ」
「改めて、よろしく。桜」
気恥ずかしげに笑みを浮かべたまま、頭を掻いて笑う
ここ一、二年、以前と変わらず飛び回ってばかりの毎日ではあったが
しばらくは腰を据えるのも悪くない。そんな風にも考えて
199
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:25:01 ID:/UBRBnYI
>>198
「……はいっ。」
真っ赤でうつむいた儘、嬉しそうにそう返す。
「これからはちゃんと、護ってください……ね。」
200
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:27:19 ID:ctDi7G9Q
>>199
「あぁ、これからずっと、護っていくよ」
節目として改めて誓い、はと目を見開いて
「えぇっと、そう言えば指輪……だいぶ前に渡してたよな? そのときが来たら、みたいな感じで……」
若干慌てながら、思い出したように話し出す
201
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:29:27 ID:/UBRBnYI
>>200
「あ、はいっ、…・・・その、持ってます。」
こそ、と箱を取り出して、ジャックに渡して。
「……つけて、くれますか?」
202
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:34:53 ID:ctDi7G9Q
>>201
「あぁ……左手、出して」
若干生じた震えを抑えながら、その白い手をそっと握って
指輪を取り出し、薬指にゆっくりと装着する
「サイズは……ピッタリか」
203
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:39:23 ID:/UBRBnYI
>>202
「……あ、……あれ?」
自分に指輪が付けられるのを見て、幸せそうにした後、
ぽろぽろ、と涙が流れて
「あ、あれ? お、おかしいなぁ……し、幸せなのに……。」
204
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:47:19 ID:ctDi7G9Q
>>203
「桜……?」
涙を流す桜を目にして、隣に寄り添うとその頭を抱き寄せて
大丈夫だ、と小さく呟きながら、安心させようと髪を撫でる
「嬉しいときに出る涙だってあるさ……人間なんだから」
「暖かいだろう? だから大丈夫……泣いても良いんだ」
205
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:50:56 ID:/UBRBnYI
>>204
「…………っ〜……!」
ぎゅぅっ、と自分からも強く、抱きついて。
そのまま小さく、泣き続ける。
――もう、彼女が刀を振るう事は、ない。
206
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 22:56:49 ID:ctDi7G9Q
>>205
「…………」
そのまま、抱きつく彼女が泣きやむまで、彼はずっと彼女を抱きしめていた……
『……さて、お前はどうするんだ?』
黒衣に身を纏う師は、同じく黒の名を冠する刀に問うた
『あいつが刀を捨てるのなら、お前も例外ではない。むしろお前からその話は告げたと俺は推測しているんだがな』
207
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 23:02:52 ID:/UBRBnYI
>>206
「じゃっく、さ、じゃっく……っ!」
――さて、所は変わる。
『……知れた事よ。
己は"斬る"物、魔を斬り、闇を斬り、人を斬り、黒染の血桜を咲かす妖が刀。』
『――美しく咲く桜の元には、不要だ。
振るうに相応しい物が所へ、流れるのみよ。』
彼女の振るった刃は、彼女の背負った咎は、
全て、化生刀が連れて行く。 ――彼女の持った、狂気とともに。
208
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 23:14:05 ID:ctDi7G9Q
>>207
『成る程、あの馬鹿弟子が敢えて問わぬところを見れば、察するだけの知恵くらいはついたということか』
『持ち主の当てがないなら探してやるぞ。お前ほどの刀だ、相応の使い手も、御するだけの力のある奴も見つかろうよ』
209
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 23:15:26 ID:/UBRBnYI
>>208
『口に出していれば乗り込んで腸掻っ捌いてやる所だ。』
『なに、幸い今代の主が想像以上の使い手だったものでな、妖力は有り余っている。
――暫くは、自身で自身を使うに値する物を見極めるとしよう』
210
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 23:17:50 ID:ctDi7G9Q
>>209
『そのくらいの空気は読めるということだ。お前と桜の絆を知らぬほど、脳天気でもないさ』
『……そうか。精々達者で暮らせ。欲しいモノがあれば好きに持って行けばいい、刀のお前のお眼鏡に適うモノがあるかは知らんが』
211
:
とある世界の冒険者
:2012/11/02(金) 23:23:58 ID:/UBRBnYI
>>210
『……アレと私は……そうだな、もう、親子の様なものかもしれん。
親を斬り殺させた私が言う事で無いが。』
『気遣いは感謝するが、必要も無いだろう。 ……ではな、黒衣の剣士。
未熟なそっちの弟子と……私の、主を頼む。』
ぼぅん、と黒煙を上げて。
黒い刀は黒い鎧武者の姿へと変異して。
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