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第三汎用スレッド
1
:
「鍵を持つ者」
:2012/09/29(土) 00:27:21 ID:???
第三の眼なんて無かった
2
:
とある世界の冒険者
:2012/09/29(土) 00:30:07 ID:agJbWJU.
「"狂気"、って奴だぜか。
……狂ってる、って理解してりゃー案外狂っても大丈夫だ、って聞いたぜ?
ま、そっちの事情は、知らんぜが……ね。」
吐き捨てる様に返して、自身も座席に座り込む。
どんな事情があっても……自分にとっては、意味が無いから。
3
:
とある世界の冒険者
:2012/09/29(土) 00:46:35 ID:8g752WW.
「……そうね。
序に、私も怨んでおくと良いわ。」
冗談なのか本気なのか分からない言葉を並べる女性。
馬車は説明も無しに動き出す。
地を滑る木輪の音が、やけに虚しく聴こえてくる。
「……貴方はリィフについて知る権利があるわ。
もう無為な物かも知れないけれど、聞きたい事はある?」
エコーズにおける恋人の仇の話をそれで切り、新たな問い掛け。
言葉通り、彼女亡きという真実の前では無為な物かもしれないが。
4
:
とある世界の冒険者
:2012/09/29(土) 00:50:27 ID:agJbWJU.
「……今は、恨む理由が無いぜ。
それに、何人も恨んでちゃ、……それこそ正気じゃいられない。」
いや、今でももう、狂っているのかもしれない。
「……リィフちゃんは――
昔は、どんな娘だったんだぜ?」
自身としても続けたい話題ではない。
追求する事も無く、折角の機会ならば、と質問を重ねる。
5
:
とある世界の冒険者
:2012/09/29(土) 01:01:20 ID:rg9s3qYE
「そう?私は恨まれ慣れてるけれど。」
小さく笑みを溢し、静かに眼を瞑る。
「昔は……随分と怖がりだったわね。
蜂が嫌いなせいで、花を摘みに行くにも駄々をこねていたわ……。」
自身でも久方ぶりに記憶の扉を開く。
爛漫な姿だと伝えられた今なら、昔の事をもっとはっきり思い出せるかもしれない。
そうした試みのもとに、話を紡いで行くのであった……。
6
:
とある世界の冒険者
:2012/09/29(土) 01:03:47 ID:agJbWJU.
「慣れるもんじゃ、ねーと思うぜ?」
乾いた笑いで返して、ため息を一つ。
「……あはは、
ちょっと、想像できないけど、可愛い気がするぜ――」
それを、忘れないように、聞き入る。
自分が知らない、自分が惹かれた女の子のことを、
少しでも知っておきたいから。
7
:
とある世界の冒険者
:2012/09/30(日) 20:50:54 ID:ZfIw3yBY
都市伝説、どこにでも流れる、嘘か本当かわからない噂
しかし、すべてが嘘とは限らない
ここはある都市伝説の流れる森の奥
この先に進むと、霧が出始める
さらに進めば、霧は濃くなっていく
そして霧に包まれて、まわりがなにも見えなくなったかと思うと、霧が晴れ、そして
あたり一面が銀世界になっているという、そんな噂
この都市伝説は、実を言えば本当の話であり、
今宵も王都から少し離れた場所に位置する森の奥の霧の深い場所から、この場所に行くことができるだろう
この噂には実は続きがあり、入ったときに最も望んだものが、この場所に現れるという
しかし、この続きはあくまでも噂。起きるかどうかは、目にしなければわからない……
8
:
とある世界の冒険者
:2012/09/30(日) 21:24:49 ID:dVZPFVwY
>>7
「発注書に書いてあったのはここだけど……依頼人はどこよ、依頼人はっ!」
【ダルマストーブのごとく着込んだドリルヘアの少女が、やってくるなり毒づいた】
9
:
とある世界の冒険者
:2012/09/30(日) 21:27:35 ID:tDBympYQ
>>8
//クエストは第5汎用ですよ
10
:
とある世界の冒険者
:2012/09/30(日) 21:28:15 ID:dVZPFVwY
>>8
「ここじゃないのかしら?」
【ブツブツいいながら去っていった】
11
:
とある世界の冒険者
:2012/10/01(月) 19:05:12 ID:M5Rnn/j2
【路地裏】
「涼しくなってきたな」
赤髪、学生服の青年が歩いている
通行を狭める麒麟を携えて
12
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 22:56:38 ID:pkRllRsw
【王都/路地裏近辺/何でも屋――Devil Must Die】
王都、噴水広場から路地裏、裏町に続く一本の路地がある。
その路地を曲がって直ぐの所にある、電飾で『Devil Must Die』と看板が提げられた、何でも屋。
最近、そこの主は多忙のようで人気が感じられなかったが……。
「――……一段落、と……。
やれやれ、だ。」
今日は店主が居るようで、作業机の傍にある肘置き付きの立派な椅子に体を預けて溜息を吐いていた。
……お疲れの様子だが、客が来たら仕事をしなくてはならないのである。
13
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:05:26 ID:b0xTc4Xw
一段落、と中々行き着き辛いのが人生の難しい所である。
往来で、甲高い割にドスの効いた……と言わざるを得ない何とも特徴的な声がする。
「どおおりゃああああああ!!!」
憤怒の塊の様な怒号が辺りに響いた瞬間、木造物のへし折れる音。
次いで、酒の匂いが強く漂ってくる。
「ミラナに手ぇ出したらアタシが容赦しないッ!!」
『ゆ、ユンヌ……その………やり過ぎ………』
外の景色を見やれば、橙色一色に近い女児と、銀髪に紫色の法衣を纏った娘が見えるだろう。
14
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:08:10 ID:pkRllRsw
「…………。」
のんびり、と仕事の礼に貰った紅茶でも淹れようか、と思った手が止まる。
思いっきり聞き覚えのある声に、大きく溜息を吐いて。
「……何でまた、家の店の近くで騒ぎを起こすんだ、お前らは。」
外に出て、その様を見て聞こえるように溜息を吐き出して。
絡んでぶっ飛ばされたであろう哀れな男に若干の道場の視線を飛ばした。
15
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:13:57 ID:b0xTc4Xw
「タコ!!アンタがこんな面倒くさい場所に店建てるからでしょうが!
さっさとぶっ壊して表通りに立て直しなさいよ!!!」
挨拶も無しに喰ってかかる女児。
裾の緩いローブと、後ろで束ねたウェーブの橙髪が特徴的である。
足蹴にしているのは、酔っ払いと思しき肥えた男。
『あ……あの、ごめんなさい……すみません……
わ、私が悪くて…………。』
と、その後ろで女児の肩に手を置いて隠れる銀髪の娘。
背格好からすれば完全に立場が逆転しているが、事実上の力関係はそうでもない。
臆病極まれる様子が、容姿という濾紙を経て可憐に見えてしまうのが今回の騒ぎの原因である。
16
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:18:00 ID:pkRllRsw
「生憎と、表通りで出来る仕事ばかりでも無くてな。
……と、言うか、来るなら魔法か何かで事前に連絡しろ。」
はいはい、と雑多な扱い。
念の為言っておくが嫌いな訳ではない、むしろこの二人は好きな相手に分類される。
「……ま、気にするな。
裏通りだからな、お前等みたいなのがこの時間に歩けばこうなるのも……まぁ、仕方ない。」
ふぅ、と一つ息を吐いてユンヌの足元で倒れてる酔っ払いを影の手で掴み、ぽーい、と表通りに放り投げて。
……まぁ、後は憲兵さんが連れて行くだろう、どこぞに。
「とりあえず、何かあるなら中に入れ。
もう、この時間になると流石にお前等は寒いだろう。」
17
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:29:39 ID:b0xTc4Xw
「……フンッ!!」
腕を組み、ひとしきり不機嫌そうな声を上げると横柄な態度で中へと入って行く。
何もジャキだから怒っている訳ではなく、相棒の怒りの感情から生まれた存在だから、そうなのだ。
人の理屈としては聊か理解の及ばない所だが、彼女らは人間ではない。
『お、お久しぶりなのに……すみません。
そん、そんなにお邪魔しませんから…………。』
小動物の様に怯えるこの娘とて、例外ではない。
しかしながら、人を超えて人でありたいと願う奇天烈極まりない存在である事もまた事実。
怯えと、もう一つ何かを加えた様子でおずおずと店の中へ足を運ぶ。
18
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:33:26 ID:pkRllRsw
「奥のドアを開けたら、応接室があるからそっちに行ってろ。
入って直ぐの所は仕事場だからな。」
その辺りは理解しており、彼女が"それ"だけの存在で無い事も、また理解している。
だからそんな様子も慣れた物で見て、適当にそう促しておく、
「別に、ゆっくりして行けば良いさ。
仕事の報酬の菓子やら茶が余ってた所だしな。」
そんな娘にも中に入るように促し、自分も中に入っていく。
……入って直ぐは仕事場、と言う事もあり、机と、椅子。
壁に魔具やら何やらが立て掛けてある程度で、後は資料棚等で埋め尽くされている。
19
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:44:14 ID:b0xTc4Xw
「はいはい。」
素っ気ない返答に手振りを添えると、部屋の散雑さに悪態を吐きながら言う事には従う。
久しぶりの一言ぐらいあっても良いものだが、それを口にしないから彼女は彼女たる。
『ユンヌ……じ、自分の家じゃないんだから……。
………お、お菓子ですか……。』
赤面症なのかと疑いたくなる程、対面から顔を赤くしていた娘。
お菓子に反応し、八の字にしていた眉を少し緩める。
『……お仕事……大変、なんですね…………。』
20
:
とある世界の冒険者
:2012/10/05(金) 23:52:02 ID:xJi5qXjc
「…………ふ。」
僅かに、そんな様子に笑みが漏れた。
――久し振りの日常を感じて。
尚、応接室は立派なソファと立派なガラス製の椅子が置いてある。
戸棚も幾つか置いてあり、報酬なのであろうお茶っ葉とお菓子が奇麗に整頓されていた。
「ああ、甘くて口に合わなくてな、せっかくだから持って帰ってくれ。」
赤面する理由は……冊子がつくが、敢えて触れはしない。
自分から墓穴を掘っていく理由も無し、だ。
「まぁ、な。 とは言え好きで始めた事だ、悪く無いさ。」
21
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:00:05 ID:wxAEXYQk
「……あに笑ってんのよ。」
不意の笑みに語気を緩めるユンヌ。
この状況で浮かぶ笑みが何かを察せぬ程の付き合いではない。
そう言った意味を理解してのこの所作は、紛れもなく照れから来るものである。
『……甘いもの……
お嫌いなんですか……?』
猫も杓子も若かりしは甘物に目が無いと言った認識でもあるのか、意外そうな表情をする。
「そう…………ですか。」
22
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:03:51 ID:gA5qa2yc
「騒がしいのも悪くない、と思っただけさ。」
柔らかい笑みを浮かべたまま、そう返して棚から茶葉と菓子箱を取り出す。
気心知れた、という感じで、傍目兄妹の様にも見える。
「余り、甘過ぎるのはな。
ビターチョコ程度なら良いんだが……。」
今年で十七、だか其処等の筈なのだが趣味嗜好が老人のソレである。
「……心配か?」
23
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:12:21 ID:wxAEXYQk
「そーね。こんなじゃ張り合い無いから。
胸は一段と張ったけどね。」
『むっ……!? あ、その…………』
と、三白眼でちょいちょいとミラナを指差しながら言う。
やはり不器用ながらも彼女のコミュニケーションなのである。
『……そうですか。
でも……疲れた時には、良いって……果物屋の……おばさんが。』
言っていました。という括りの言葉はごにょごにょと霧散した。
『…………ジャキさんがお強いのは……私もユンヌも、多分イルさんもミルダさんも……知っています。
でも、だから……って、危ない事が……無い訳でも、無い、ですし……。』
24
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:16:20 ID:gA5qa2yc
「余り虐めてやるなよ。
本人が気にしてる身体的特徴を弄るのは良くない。」
言いながら、口はくつくつと笑っている。
そうして影手を器用に動かし茶をカップに淹れて、テーブルの方に置いた。
「ま、ダメにするのも勿体無いから適度には食べてるがな……
濃い目の味はどうも好きになれん。」
薄味派。
「全く問題無い――とは言わないが、今の所は問題無いさ。
不味くなったら誰かに頼るさ、……頼りになる友人も居る事だし、な。」
友人、の部分を強調して、ミラナの頭を撫でる。
……頼りに、されているのだろうか?
25
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:20:55 ID:wxAEXYQk
「ばっか、別に胸の事なんか気にしてないわよコイツ。」
『…………お、重いん……だよ?』
かと言って、ユンヌの前で肩が凝るとも断じて言えない。
言ったら良い展開になるのは決まっている。
『……私は、どちらでも………。』
そもそも貧乏で庶民的を地で行く精霊であった。
『…………。』
頭を撫でられたら、恐らく赤面して卒倒しかねない勢いであろう。
『……でも、ジャキさん……そういう事は言うだけの事が多いです…………。』
しかし彼女の口から出たのは、珍しくも鋭い指摘だった。
26
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:24:16 ID:gA5qa2yc
「……ま、その辺の話題に突っ込むのは止めておこう。
どう応えても碌な事にはならなさそうだ。」
会話の中の地雷を察知する能力も上がったのか、
さらーっとその辺の話題は流す。 適応することを諦めたとも言う。
「今度また料理でも作るかな……最近は暇がなかったが。」
意外や意外、一人暮らしが長かったので割りと家庭的である。
「まぁ、な。」
自覚はあるのか、一つ息を吐いて。
「この間も、別の友人にそれで怒られた所だ。
どうも自分で自分の限界値が解らなくなってるらしい。」
ひらひら、と右手を振ってソファに腰掛けて。
……確か、痛覚が無いのだったか。
27
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:29:59 ID:wxAEXYQk
「ま、でもアタシのだかんね。」
『えぇ……ゆ、ユンヌのじゃないよ……。』
ここ一年で、ミラナに対するアピールが激しくなった気がしないでもない。
そしてそれに対する返しの言葉も達者になっている、という関係。
「アンタ料理作れんの?」
『意外です……。』
味覚が無いと聞いていたので、この辺りに関しては二人とも意外だと素直に口にする。
『…………。』
ジャキの言葉を聞き、益々と心配そうな表情になるミラナ。
28
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:34:54 ID:gA5qa2yc
「相変わらず仲の良い事だ、妬けるな。」
やれやれ、と言った様子でそう返すが、こちらも表情は笑み。
件のアレから、特に問題も無いようでこっちとしては申し分無い。
「ま、大分薄くはなったが少しは残ってるし、慣れもあるからな。
味わおう、と思ったら一々舌に魔力を通さないといけないのが面倒だから、滅多にやらんが。」
「通常の人間や精霊とは段違いに頑丈だから無茶は効く、と思うんだがな……
どうも、それが不味いらしい。」
本当に、解からん、と言った様子で。
が、言われて以降自制はしているようだが……。
29
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:44:42 ID:wxAEXYQk
「妬けてから良いなさいよ。」
せせら笑う様な表情で、腕を組みながら返す。
『……でも、美味しいものは美味しいと思うんです……。』
小麦のパン一つで幸せになれてしまう彼女が言った所で、説得力は薄いが。
『………………やっぱり……』
その言葉をしっかりと飲み込んだ後、頭を項垂れさせて小さく呟く。
銀色の小さなカーテンに隠れて、表情はうかがえないが。
30
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:47:31 ID:gA5qa2yc
「さて、な。」
肩を竦める動作で。
はぐらかすのは上手くなった。 ……卑怯になったとも言う。
「それは解るが、まぁ食わなくても……
と、こんな事を言うとまた怒られるか。」
以前それで身内にビンタを食らったのである。
「……ま、言われた以上は自重するさ。
丁度、仕事も一段落着いたし、そう心配するな。
お前は、ユンヌと一緒に日常を楽しめ。 折角手に入れたんだから、な。」
31
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:51:43 ID:wxAEXYQk
「全く、益々面倒くさくなったわねアンタ。」
やれやれ、と手を肩幅より外に広げて首を振る。
『…………。』
流石にこの返答には物寂しげな眼差しを向け
『……あの、や、やっぱり…………
誰かが近くに居れば……良いと、思います……!
そ、その…………わ、わ……私、とか……!!』
俯かせていた顔を勢いよく上げながら、思いの丈を再び口にする。
ユンヌは「仕方がない」と言わんばかりの表情を浮かべているが。
32
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 00:57:06 ID:gA5qa2yc
「こういう仕事をしていれば、少しは、な。」
面倒くさい手合いの相手もする、と言う物だ。
「ダメだ。」
ぴしゃり、と。
言い出した辺りで、容赦なく言い切る。
「助手、とか雇用として誰かを置くなら良いが、な。
……お前の"それ"は、違うだろ?」
紅茶を飲んで、ゆっくり、だがはっきりとそう問いかける。
――別に、自分の罪が罰がどうのこうの、で断っている訳では無い。
以前好きだった女性にも確り振られて、自分の気持ちにケリも着けてある。
が、そういう思いには答えられん、と。
33
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:02:39 ID:wxAEXYQk
「ま、ロクな仕事じゃないわね。」
そもそも働いているか怪しい彼女が言う事では無いが。
『……っ。』
心中は見事に言い当てられる。
尤も、こう言った形で分かり易くする風がミラナに取っての限界でもある。
『そう……ですよね。私なんかじゃ……
迷惑、ですね…………。』
彼の事を慮るならば、平然とした様子で返すべきだ。
しかし、そう言う事"まわりくどい"事は出来ない。
良くも悪くも正直なのだ。
34
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:07:02 ID:gA5qa2yc
「……言うな、少しは気にしてるんだ。」
巣箱の子供達に、胸を張って言える仕事でも無い。
……やっている事は、一応――正義の味方、のようなものなのだが。
「ミラナ、前も言ったが"それ"は止めろ。」
「気持ちは嬉しいし、お前は"なんか"じゃない。
……折角容姿も気立ても良いんだ、余り自分を卑下するな。」
落ち込むミラナを見て、瞑目してそう言う。
「……この場合は俺が"甲斐性無し"というだけだ。
笑えん話だがな。」
35
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:12:33 ID:wxAEXYQk
「……そういう風には見えないけど?」
ややこしい話だが、こう言った彼女の言い方は言葉の真逆を差す。
つまり、手の込んだ皮肉だ。実際の所で気にしていそうなのは理解している。
『……。』
首を小さく、二度横に振る。
『……や、やっぱり……まだ、駄目です……。
わ、私……まだ弱いから…………。隣に、居られないんです……。』
事実、強かな人間なら甲斐性程も打ち付ける程であろう。
事実、彼が慕っていた女性には互い無き強かさがあった。
しかし彼女は、まだ弱い彼女のままであった。
それが長所である事には、自身で未だ気付けていない様だが。
36
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:16:09 ID:gA5qa2yc
「さてな、嘘が上手くなったのかもしれん。」
分かっているのか居ないのか、曖昧に返してクッキーを一つ口に運ぶ。
「……お前はちゃんと強いよ。
何時だったか――お前はちゃんと、一人でそこのバカに向かって言ったろう?」
優しい声と、穏やかな笑みを浮かべて。
この娘は一度自分の力だけで立って、立ち向かっている。
だから、大丈夫だ、と子供をあやすように。
37
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:22:45 ID:wxAEXYQk
「誤魔化すのは元々得意でしょうけどね。」
と、へらりと意地の悪い笑みを浮かべて。
『……話を逸らされるの、嫌です……。
私は…………貴方の隣に立てるぐらいの強さが無い、んです……
そう、い、言ってるんです……。』
38
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:27:38 ID:gA5qa2yc
「逃げてるだけかもしれんぞ、その場その場でな。」
……言葉遊びが巧くなったもので、表情にはおくびも出さない。
「……。」
ふぅ、と息を吐き出して。
「そういう意味で"傍"は、誰かを置く気は、今は無いよ。
強い、弱いに関係無く――俺がおっかなくて、傍におけん。」
39
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:33:24 ID:wxAEXYQk
「あんたらしく無くて良いんじゃないの?」
彼ら彼女らを知らない人間にとっては、珍妙極まれる遣り取りである。
互いに互いの返す言葉へ、狙って焦点をずらしている辺り。
『…………はい。』
短い返事は、心の奥底で一つの事を悟ってからだ。
即ち、彼の"恐れ"を覆せる程の強さ……
彼の心変わりが無い限り、それを持ち合わせ無ければ共に歩む事は不可能だろう。
そう悟り、後に沈黙が追従する。
40
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:35:25 ID:gA5qa2yc
「どうかね、……こんな事ばかり巧くなる。」
溜息。一つ。
「――と、紅茶が覚めたな。
入れ直すか?」
この話題は終わり、とでも言うように。
冷めきった紅茶を見て、そんな事を。
41
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:38:35 ID:wxAEXYQk
「なに。ほんとにセンチメンタルな訳? 似合わないわよ。」
憂いに返す歯に衣着せぬ物言い。
『……。』
言葉が一度切れた後、首を横に振る。
そして、冷め切った紅茶を一気に飲み干して
『……おいしいです。』
ぎこちない笑みを浮かべた。
42
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:41:28 ID:gA5qa2yc
「解ってるさ、だからこの話は、これで終わりだ。」
いつもの調子で肩を竦め、一方的に終了の言葉をぶつける。
……逃げ上手。
「……これで良かったら何時でも出してやる。
俺が居るときに限る、がな。」
43
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:48:33 ID:wxAEXYQk
「……ふぅん。ま、良いわ。」
言うが早いか、少々行儀悪くクッキーを詰め込んで頬張る。
様子に違わず行動も乱暴である。
『……。』
一つ、小さく頷いて……
『あ……そうだ……。
ジャキさん……ミルダさんが何処に居るか…………分かりますか?』
この様な質問をぶつける。
居場所が把握出来ないのなら、直接契約を結んだ邪気に問うのが一番近い。
そう思って足を運んだのも、今日の理由にはある。
44
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:50:40 ID:gA5qa2yc
「少しは行儀よく……いや、良い。」
言っても無駄だろうなー、と思い、途中で止める。
そうしてミラナの言葉にそちらを向いて。
「ミルダ?
……ふむ、以前何処か村に行くとかどうとか言っていたが――」
と、言って。 髪を僅かにザワツカせ、契約しているミルダの魔力を辿る。
……契約、と言えばミルダとだけ契約しているのは、気分的に、どうなのだろうか。
45
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:53:58 ID:wxAEXYQk
「あによ、文句あんの?」
胡坐をかいてギロリ、と睨みつけながら。
両手にはしっかりクッキーを握り、口元は食べかすだらけである。
歳で見れば可愛らしいのだが、色々台無しである。
『…………。』
邪気からすれば微妙に複雑な心境ではあるが、ミラナとしてはイルとミルダの二人に関して
邪気よりよく知っている。だからこそ何も言わないのであろうが……
この近くに、反応は無い。
魔力を繋げた主従とはいえ、やはり距離に限界はある。
この近辺に居ない事は間違いないとも言い換えられるが。
46
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 01:56:26 ID:gA5qa2yc
「口元、食べ滓着いてるぞ。」
それだけ注意しておく。
触らぬユンヌにたたり無し、だ。
「……――この近くに、反応は無いな。
二人で何処か遠出でもしているのかもしれん。」
広範囲探知を掛ければ引っかかるかもしれないが、
アレならそうそう心配は無いだろう、と手早く撃ち切って、そう告げる
47
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 02:01:07 ID:wxAEXYQk
「非常食よ。」
この手の返しは元々上手かったものだが、磨きが掛かっている。
『……そうですか……。
……………。』
短く返答して、思案する様な表情。
何かを迷っている様にも見えるが……
『もう、三月も前になるんです……居ないの。』
思い切った様子で、打ち明ける。
48
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 02:02:53 ID:gA5qa2yc
「持って帰って良いから、行儀よく食え。」
すぱん、とそう言い切って。
「……――何……?」
その言葉を聞いて、表情を――固く、こわばらせた。
49
:
とある世界の冒険者
:2012/10/06(土) 02:08:15 ID:wxAEXYQk
「タコ。美味しい時ってのは食べたいと思った時なのよ。」
ああいえばこう言う屁理屈。
しかしミラナが本題を入れた所で、トーンだけは真剣な物に変わりつつある。
『……ま、まず、二人がどういう人なのか……
そういう所から……おはなし、します……。』
彼女の口から意外な事実を聞かされるのは、もう少し後の話である……。
【フェードアウト】
50
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 21:42:52 ID:XppZX/8c
王都スレの過去編
あらすじ
今だに妹に会えないでるた。懸命に探すも、手掛かりが見つからない様子
その時にセリオンと出会い、泣きつく。
そして謎の人物アル兄。彼女は彼の情報を聞き出していた
「ボードとかドミノとか色々わふ!」
しっぽを振っている。セリオンが疑っているという事を気がついてないようだ
「あと、お小遣いもくれるわふ!」
51
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 21:48:19 ID:RP/BEmzA
(人を疑うのは……、できれば避けたいのですけどね……)
散々人を疑いながらも、そう思いつつ、
「なるほど……、至って普通ですね……
お小遣いですか……、幾らほどいただくので……?」
関係ない気もするが、小さな声でそう尋ねてみる
52
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 21:53:50 ID:XppZX/8c
「わふ!だいたいこれぐらいわふ!」
そういってこそこそと耳打ちした。
それは子供二人へのお小遣いにしてはかなり多い金額と驚ける
王都に住んでいる大人一人が半月ほど慎ましく生きていける金額と頷ける。
53
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 21:58:49 ID:RP/BEmzA
>>52
「………………………………」
唖然とした少女。完全に硬直している
言葉では表せない表情となってしまっている
54
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:04:43 ID:XppZX/8c
>>52
「?」
わふっと鳴きながら、首をかしげている。
でるたには金額の多さが分かっていないようだ。そして、それを無駄使いしている形跡も見れない
普通の亜人種の子供。王都によくいる子供にしか見えない
55
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:11:56 ID:RP/BEmzA
>>54
「ご、ごほん」
長らくの硬直から我を取り戻し、
同時にアル兄という人物の強大さを垣間見る
「普通に生活する分には困らない額ですよそれ……
毎日氷菓子を売っても……、そこまで大金を手に入れるかと言われれば……」
と、一見ただの子供にしか見えないでるたに、その額の大きさを力説する
……もっとも、少女からすれば、普通の子供なのか疑問に思える場面に
多々遭遇したことがあるために……
56
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:22:09 ID:XppZX/8c
「わ、わふ?! そ、そうなの?!!」
力説するセリオンに如何に大金であるかと言われ驚きを隠せていない
「わふ……」
一気に萎んだ風船のようにガックリとし、落ち込んでいるように見える
57
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:28:42 ID:RP/BEmzA
>>56
「……まあ……、お金を持つことは悪いことじゃありませんけどね……」
と、落ち込んだでるたに、一応フォローはいれる
「そういえば……、アル兄とはいつ知り合ったので……?」
一介の王都の子供ごときに、そんな大金を友達だから等の理由で渡すなど、考えられない
だからもしかすれば、会った時などになにかあったのでは、などと勝手に思い込んだ少女が尋ねる
58
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:35:55 ID:XppZX/8c
>>57
「わふ……でもぉ……」
大金をもった子供とは思えない反応
大体は無駄使いするが、落ち込むという反応は一体……?
「わふ! ずっと一緒わふ!」
いつ知り合ったに対してずっと一緒。普通に考えれば兄と行っている時点で兄弟とも思える
それでも、ずっと一緒と言うだろうか?
59
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:41:53 ID:RP/BEmzA
>>58
「お金持ちではないが故によくわかりませんけど……、
なにが引っ掛かるので……?」
と不思議そうに尋ねつつも、
「ずっと一緒……?
生まれた時からそばにいた……、ということですか……?」
と、やはり不思議に思ったのか尋ねる
引っ掛かる要素がまた増えたのである
60
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:50:26 ID:XppZX/8c
「お金沢山って怖いわふ?」
なぜか少しだけ恐怖心があるように見える
「そんな感じわふ!」
元気よくそう答えた。
61
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 22:55:24 ID:RP/BEmzA
>>60
「なぜ……、そう思うので?」
自分の考えを述べるより先に、そう尋ねつつ、
「なるほどです……」
とりあえず、とりあえずのところそれで納得しつつ、
「それで……、どれぐらい歳が離れていそうなので……?」
と、ためしに尋ねてみる
62
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:02:37 ID:XppZX/8c
>>61
「わからないけど、何か怖いわふ! だから、余ったらアル兄に返してるわふ!」
何かの恐怖症なのか。手元には置きたくないのだろう
「わふ……わからないわふ! 多分、十くらいわふ!」
見た目でもでるたは九つ位に見える。大よそ19〜20暗いと考えるべきか
さっきからっぽを振っている。どうやら、セリオンとの会話は楽しようだ
63
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:12:16 ID:RP/BEmzA
>>62
「その口ぶりだと、トラウマ……、というわけでもなさそうですね……
なるほどです……」
(まさか、そういう風に仕組まれた……?
いえ……、それは……)
そんなことを考えつつも、そう返しつつ
「……なるほど、ありがとうございます……」
兄弟にしては、年が離れすぎているようになんとなく感じたらしい少女
なんとなくではあるが
もう少し、真実を見極めるためというのも含めて尋ねたいこともあったが……
「……私のような者と話して……、楽しいですか……?」
はっきり言って、少女の言動のほとんどが質問である
楽しませるようなことなど、言ったつもりもなかった
しかしでるたが楽しそうなのを見て、自虐を込めて尋ねるのである
64
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:15:25 ID:XppZX/8c
「トラーウマー?」
初めて聞くようで首をかしげている
「人と話すときは楽しいわふ!」
会話自体を楽しんでいるようだ。それが質問に対する回答であっても
彼にとっては楽しいことと分類しているようだ
「セリオンは何でお菓子くれるわふ?」
質問を返された
65
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:22:11 ID:RP/BEmzA
>>64
「過去の嫌な体験や経験により、忘れ去りたくなるような出来事の事です……」
かなり簡単に返しつつお、続けて
「なるほどです……、人生楽しめるタイプですね……」
と感心したように言いつつも、続けて
「対価を得るため……、でしょうか……?」
冗談か本音かはともかく、そう言う少女
66
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:33:08 ID:XppZX/8c
「わふ、そうなのかわふ! 勉強になったわふ!」
こくこくと頷く
「対価わふ? 何の対価わふ?」
首をかしげている。セリオンがいうたいかとはなんであろうか?
67
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:40:00 ID:RP/BEmzA
>>66
「私が今必要とする情報、物、お金……
そう言ったものです」
と言いつつも、続けて
「……というのは半分冗談で……
本音は……、少しでも元気を出していただければ、と……」
と、温かみある口調で言う。振り返れば、 悲しみに暮れていたでるたに、
彼女は氷菓子をあげたわけで
ただし冗談なのは半分であるが
68
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:47:18 ID:XppZX/8c
「わふ! ありがとうわふ!」
満面の笑みで返す
「セリオン、やさしいわふ!」
尻尾を振りながらそう答える。言葉通り受け取り、裏を見ないようだ。
69
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:50:21 ID:RP/BEmzA
「優しい……、ですか
ありがとうございます……」
笑みを浮かべつつも、そう返しつつ
「そういえば……、最近は一人で暮らしているので……?」
ふと思い出したように尋ねる
70
:
とある世界の冒険者
:2012/10/08(月) 23:59:04 ID:XppZX/8c
「そうわふ……」
一気に暗くなっていく表情
「友達も最近は見ないしさみしいわふ……」
しょぼくれて、少し泣きそうになっている
//切り上げるタイミングは任せるよ
71
:
とある世界の冒険者
:2012/10/09(火) 00:03:52 ID:wxetRLms
>>70
「……友達……、エルフっぽい子ですか……?」
前に会ったのを思い出しながら
「ではアル兄と言う人は……、
言わばあなたや妹さんの親代わりでも……」
と、解釈して尋ねる
//任されたのです、ではもう少しだけ
72
:
とある世界の冒険者
:2012/10/09(火) 00:07:18 ID:lnO15UZg
「アイルンも友達だけど、会ってないのは違う友達わふ……」
しょんぼりとしながらそう答える
違う友達もいるようだ
「わふわふ、そうとも言うわふ! でもアル兄はアル兄わふ!」
親代わりらしいが違うらしい。でるたの中では何か線引きされているようだ
73
:
とある世界の冒険者
:2012/10/09(火) 00:13:07 ID:wxetRLms
>>72
「……違う友達ですか……
その方は忙しいので……?」
と尋ねつつも、
「謎の線引きですね……
基準でもあるので……?」
と不思議に思い尋ねてみる
74
:
とある世界の冒険者
:2012/10/09(火) 00:21:27 ID:lnO15UZg
「わからないわふ……」
わからない。それだけ言うと、しょんぼりとしだした
「特にないわふ!」
綺麗に言い切った。
「ただただ、そういう感じわふ!」
感じでの線引きだったようだ
75
:
とある世界の冒険者
:2012/10/09(火) 00:26:31 ID:wxetRLms
>>74
「……深く踏み込むのはやめておきましょう……」
なにを思ったか、そう呟きつつ
「感覚によるものでしたか……」
少し見当違いだったな、なんて思いつつ
「では私はこれで……
いつの日かどこかで……」
と言い残して、去って行った
//区切りがいいのでこのあたりで
お疲れ様でした!
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