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第4汎用スレ

1「鍵を持つ者」:2011/10/15(土) 15:40:21 ID:???
空白は甘え

1601とある世界の冒険者:2018/01/03(水) 20:27:13 ID:WUpj8cWo
>>1599
>>1600
「大丈夫だ! お前の癖は判っている!退避の時は任せろ」
数時間の付き合いはシャキンという狙撃手の中ではかなり長い方である。
ラピュセルの癖はほぼ判っており、彼女の呼吸に合わせて獣の気をこちらに向くように目などを射撃する。

いかにこちらに向けて気を長く向かせるか、いかにこの獣の性格を把握できるか
この獣は賢い。下手を打てば囮であると気づかれる
そのためにはそれを悟られないために、全力の殺意をぶつけるのみである

(致命傷を与えるには)
露出した頭部に狙いをつけて、同じ場所に出来るだけ銃撃を加える。
早打ちは厳しいものの、今はそう言ってられないのだ

――「―ラピュセル!リロードするから時間稼いでくれ!その、ちっこい蛇のねーちゃんでもいい!」
レイヴンがそう叫んだのに合わせて腰にある拳銃を獣に連射する
できるだけレイヴンとラピュセルの負担にならないように

そして、こちらに目を向けるために

1602「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/01/05(金) 21:20:31 ID:PjV5sw/.
>>1600>>1601
「承知っ!!」

レイヴンの要求に吠え応える乙女。
ひょっとすると今周囲に存在する何よりも頑強と思われる己が槍。
その握り部分を獣へと横なぎに振るって叩き付けんと動いた。

だが獣へ集中しすぎた乙女の足元が文字通りすくわれる!

「はぁぁぁああっ!?」

全身のひねりを加え又とない勢いに乗った一撃が炸裂するはずだったのだが。
一歩踏み出した足の場が崩れる!
バランスを崩し転倒、頭に乗っていた半蛇が転げ落ち、槍も彼方にすっぽ抜ける。

「!!」

相手に背中を完全に晒す致命的なまでの隙が生まれた。

1603とある世界の冒険者:2018/01/15(月) 01:08:15 ID:X2jOLbBs
>>1602
>>1601

『シャアアアアアアアアア!』

足元を掬われた乙女に、食いつかんとする獣
黒曜石のアギトが、ラピュセルに迫る

「――――ラピュセル!!」

装填を終えた散弾銃を、躊躇なく放つ
獣の顔面に、二門のバレルから放たれた、散弾が炸裂する

発砲音と同時に、ラピュセルの頭上で火花が輝いた
視界の端に、赤熱したガラス片が散る。

「おらああああアアアアアアアァ!!!」

排莢しながら接敵、獣狩の刃を獣の顔面に叩き込んだ。
だが―――

『キィン!』

鈍い金属音、ラピュセルの剛槍すら防ぐ黒獣の頭蓋は
刃では太刀打ちしようがない。

その直後、シャキンから放たれる正確な援護射撃
現状では拳銃の発砲音はどこか頼りないが、獣の気を引くには十分だった。

『ギシャアアアアアアアア』

獣の目線が、足元のラピュセルとレイヴンからシャキンへと移った。
数秒後にも、その巨体を彼に雪崩込ませるだろう。

「ラピュセル!大丈夫か!?」

獣の腹の下で、ラピュセルに駆け寄るレイヴン

1604とある世界の冒険者:2018/01/15(月) 23:29:57 ID:hhRsFGyM
>>1602>>1603
ラピュセルが転倒しレイヴンが俺のフォローに当たる
その時間を稼ぐべく、銃撃し獣の気をこちらに向けることができた

シャキンは狙撃手である。狙撃手は常に相手の行動を読まなければ生きていけない
獣の目線がこちらを向けたと同時に、どういう攻撃を行うか予測。そして、その巨体をこちらに雪崩れ込ませてくる方向や角度も頭で考える

タイミングを狙って、この獣をラピュセルとレイヴンから遠ざけつつ、キルゾーンに誘導しなければならない
ではどうするべきか?至極簡単かつ無謀な賭けである。獣が攻撃したと同時にレイヴン達とは反対の方向かつ獣の懐に飛び込み反対方向に抜けるのだ

獣への呼吸を合わせてリボルバーライフルを抱え、賭けに出た

1605「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/01/19(金) 20:46:21 ID:09UewiK.
>>1603>>1604
「ぐぬぅ…」

しかめっ面の乙女が立ち上がる。
得物も相棒も何処へ行ったのやらである。

「……すまないっ!兎に角今は」

残っているのは腰にぶら下げていた幅広の飾り気のない剣だけ。
獣がどう動くにせよ、これで対応するしかない。
さて、どうなる。

16061/2:2018/01/22(月) 17:10:46 ID:XgM81tEs
>>1604
>>1605

シャキンの賭けは――――勝った。

正面に構えたマクシミリアン・リボルビング・ドラグーンが火を噴く。
2タウロスの弾丸によって、獣の針毛がまとめて弾き飛ぶ

『ジャアアアアアアアアアアアア!』

腹下のレイヴンとラピュセルを無視し、真正面から突っ込んでくる獣。
獣の走るリズムと呼吸のテンポをあわせる
ソルビニアの巨獣相手に散々繰り返した対処法だ。

突っ込んできた獣、脚に轢かれないギリギリの隙間をぬって飛び込む
真っ黒い図体が、シャキンの真上を駆け抜けていく

その様子を傍から見ると、シャキンが轢かれた様に見える訳で

「シャーーーーーークッ!!!!」

血相を変えたレイヴンが、シャキンに駆け寄ってきた。

『ジャアアアアア!!!!』

直後、獣の叫び声
勢い余って、キルゾーン内の建物に突っ込んでいる。
そう、必死に走っていたので気が付かなかったが、キルゾーンは目と鼻の先
我々は、獣を誘き出す事に成功した。

「…ま、何にせよこれからだな。ラピュセル!槍と蛇ねーちゃんあったか!?」
シャキンの無事を確認したレイヴンが、建物突っ込みもがいている獣を睨む。

…本番はこれからだ。

16072/2:2018/01/22(月) 17:11:00 ID:XgM81tEs
< 王都中央広場 >

ベルジニアの優れた工業技術と、ジグザールの魔法技術の融合…
とかなんとか、イエロージャーナルに書いてあった覚えがある。
良く判らねぇが…

とにかく、友好の証として中央広間に馬鹿でかいシャンデリアをぶっ立てた。
それだけの話しだ。

「…さて。」

脳内の回想を終え、もがいている獣を尻目に作戦会議の内容を思い出すレイヴン。

皆の目の前に広がる、巨大なシャンデリア。
真鍮とガラスがふんだんに使われ、王都のマナ灯技術も活用した
帝国と王都の友好の結晶…

今から、それを真下にいる獣に叩きつけるのだ。

「最ッ高に楽しいよなぁ、お前ら?」

背後にいる二人と1匹に、悪い笑顔をしながら振り向くレイヴン。
事前に調べた通り、周囲の鎖によって固定されている。

作戦では、シャキンが時間を稼ぎつつ
周囲の鎖をラピュセルとレイヴンが、臨機応変に切断
中央の鎖を、シャキンが最後に落とす手はずだ。

1608とある世界の冒険者:2018/01/23(火) 22:31:12 ID:h3SchC4I
>>1605>>1606>>1607

「……死ぬかと思った」
小声でぼそりつぶやく
ソルビニアの巨獣相手に散々繰り返した対処法……とはいえ、ブランクもある
体が全盛期並みとはいえ、感覚は別なのだ。
(何とか感も戻ってきたか)

「ここが」
シャンデリアを見上げてこの後の作戦を思い浮かべる
レイヴンとラピュセルが鎖を壊す。シャンデリアの構造上揺れ方で彼らの位置が分かり、後どれだけで破壊されるかもわかる

中央の鎖を破壊する瞬間は問題ない。SUS310の氷魔法で獣の足を狙い、凍らせてから撃ち落とす
想定される足止めは凡そ3秒。何とかなる時間だ


――「最ッ高に楽しいよなぁ、お前ら?」
レイヴンの楽しそうな声に
「さぁな……」
肯定も否定もできなかった。
狩りに血に酔うってはいないが……それでも体の高ぶりはある
戦争の時に感じたあの高ぶり。久しくも懐かしく、そして忌々しい高ぶりである

少し、深呼吸してこの後の作戦を考える
自分はあの獣とじゃれあえばいい。
「あとは頼んだぞ、レイヴンにラピュセル」
クシミリアン・リボルビング・ドラグーンにドラゴンブレス弾(火炎魔法による強化弾)と徹甲弾を装填し戦闘態勢にうつる

1609「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/01/27(土) 21:06:59 ID:ws001n7Y
>>1606>>1607>>1608
「……(楽しいか……楽しいだろうか)」

目の動きだけで知覚できる範囲に槍はない、半蛇も同様。
…そこまで派手にすっ転んだろうか?
何時までも探す訳にもいかない、今は時間が惜しい。

正直な所、レイヴンの高揚した様子は危険な兆候ではないかとも思える。
冷静に冷静に、相手は勢いだけで制する事が容易い存在ではない。

「先ずは手筈通りに斬ればいいのだろう!」

手にした幅広剣に魔力を這わせ飛ばす。
放たれた魔刃が一つ目の鎖を切断せんと行く。

16101/1:2018/01/31(水) 19:06:21 ID:c9snQdy6
>>1608
>>1609

「―――シャアッ!いくぞお前らッ!」
『ジャアアアアアアアアアアア!!!!』

レイヴンと獣の叫び声と同時に、3人は駆け出した…

――――バチン!バチン!
鈍い切断音と共に、鎖が1つまた1つと切断されていく
ラピュセルの魔刃によって、安々と切り裂かれていく鎖
同時に、ぐらぐらと揺れるシャンデリア、今のところ作戦に支障はない。

「オーケー、順調だ・・・この調子で頼むぜ。」

そう言っている間に、鎖の切断は4本目…残り半分
揺れるシャンデリアから、いくつものガス灯が滑り落ちる。

――――ガシャン!ガシャン!ガシャン!

シャキンが気を引いていた獣が、此方に気がついた
傍に落ちるぐらいなら、ライフルの射撃音で気がつく事は無かったものの…よりによって、獣の頭にヒットした。
首を此方へ向けて、その巨大な体躯を此方へ向ける

『シャアア…』
「―――ヤッベ!来るぞ!」

唸り声をあげて、巨体を揺らしながら此方へ走り始める獣…
周囲に障害物は少なく、身を隠すには少々厳しい状況だ
覚悟を決め、散弾銃と刃を構えるレイヴン。

1611とある世界の冒険者:2018/01/31(水) 21:37:09 ID:0NHmCEAM

>>1609>>1610
二人がシャンデリアの鎖を切っていたころ、シャキンは下で獣と戦闘していた
誤装填されたドラゴンファイヤー弾を取り出し、雷撃弾に切り替える
(………)
動きを見つめ、適度に攻撃しつつかわす
一打目、二打目と動きにつれて獣の動きを観察。その結果、大きな攻撃時にはわずかだが重心がブレている。
此処をつけば、もしかしたら転倒を誘えるのでは?

反撃のチャンスを伺っていた時だった

――――ガシャン!ガシャン!ガシャン!

シャキンが気を引いていた獣が、此方に気がついた
傍に落ちるぐらいなら、ライフルの射撃音で気がつく事は無かったものの…よりによって、獣の頭にヒットした。
首を此方へ向けて、その巨大な体躯を此方へ向ける

「クソ!!」
反撃を考えすぎて集中を怠ってしまったか、獣の頭にガス灯が当たってしまう
(まずいな)
獣の注意が他にそれてしまう、囮役としては最悪の状態である

案の定、獣の注意はシャキンから本命の二人に向けられそちらに向かう

「行かせるか!!」
右前足に向けて銃撃を続ける。少しでも彼らが避難できるように時間を稼ぐ必要がある
雷撃弾を装填している多少はマヒを狙えるだろうか?

1612とある世界の冒険者:2018/02/08(木) 22:52:33 ID:CI8XfOBo
>>1611

1613とある世界の冒険者:2018/02/08(木) 22:53:25 ID:CI8XfOBo
>>1611はシャキンの描写です

1614「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/02/10(土) 20:10:30 ID:ev4uqY9E
「二人とも、続けろ!!」

矛先を此方へと向けた獣へと駆ける乙女。
皆で逃げ回りながら作業を進めるのと、
己一人で時間を稼ぎ作業を続けるのを鑑みた結果、
乙女は自らが獣を引き付ける方を選んだ。

「さほど時間はかからないだろう?」

幅広剣を振りかざし交差するように獣へと斬りかかる。

16151/2:2018/02/12(月) 23:34:54 ID:Pn/UI0gA
>>1611
>>1614

「――ッ!ラピュセル!すまねぇ!」

心苦しくもレイヴンは、鎖の切断を続行する―――


獣の片脚から、まばゆい雷光が迸る
直前に発射した、シャキンの雷撃弾だ。

『――――――ッッ!!』

ガラスを引っ掻いて捻じ曲げた様な甲高い絶叫をあげ、獣の脚が縺れた直後

金属が削れるような、鈍い音が響く

シャキンの射撃の後、絶好のタイミングでラピュセルの刃の一撃が叩き込まれたのだ。

表面を傷つけたが、その手ごたえは浅い…
ラピュセルが何度も感じた、うんざりするような感触

だが…彼女の中に秘めたる英霊の感覚を伝って1つの違和感を得た。
黒曜石の頭蓋の手ざわりが、以前と違うのだ

前回対峙した時
その抗する力は、まるで岩肌を木の枝で撫でるような感覚だったのだ。

しかし、今の一太刀は違う。

岩肌に、しっかりとしたひと傷を刻みつけた感触だ。

シャキンの弾丸が何度も撃ち込まれたからか?
それとも、先程亡くした剛槍の一撃か?
もしくは、強い意思によるソウルの影響か?

どちらにせよ
君の斬撃は、確かな傷をこの黒曜石の獣に与えられるのだ!

16162/2:2018/02/12(月) 23:35:22 ID:Pn/UI0gA
―――――同じくして、鈍い金属音が響く

「チッ!やっぱ切れねぇか!」

鎖の切断を、獣狩の刃で試みたレイヴン
残念ながら、その一撃は鎖を撫でただけであった

「コイツの出番だ」

彼は英雄ではないが、やり方はいくらでもある
懐から取り出す、4足の靴下…ただし中にバターの様な固形物を仕込んである

それは、可燃性の鉱石とスライム、サラマンダーの脂、火竜の炎液線の分泌物等を混ぜ込み、固形化したもの
早い話が―――爆薬だ

靴下を鎖に巻きつけている最中、背中から甲高い絶叫が響く

これ以上、無理をさせられない
焦りを抑えて、もう1つの鎖へと走る…視界の端にいくつもの雷撃弾の閃光が走り
マスクに覆われたレイヴンの顔を照らす

1つ、また1つと、靴下を鎖に縛り付けていく…

煌めく閃光と、金属音の最中
ついに、残り全ての鎖を断つ準備が出来た。

刃を地面に刺し、腰のホルスターから取り出したるは、彼の愛銃『レインメーカー』
獣には力不足だが、爆薬を起爆するには十分だ――――

「ヤッベ…遠すぎる!」

だが、1つの誤算
最初に設置した爆薬があまりにも遠い
狙撃が出来ないわけではないが、この銃ではあまりにも厳しすぎる

「クソッ!狙うしかねぇか―――」

焦りと緊張からか、銃口が震える…タイミングを合わせないと、現在シャンデリアの真下に居る二人も下敷きだ

「ライフルの一挺でもありゃあ…」

そう呟いた矢先、彼の視界の端にライフルが移った。

そう、旧友の背中の一挺が――――――




「シャァ―――ッッック!!!!」




視界にライフルが移った時、すでに叫んでいた
己の散弾銃…水銀弾を装填した獣狩の散弾銃を、シャークへと投擲する

……硝煙狂いの彼が己の銃を手渡す時、いつも必ず相手の銃も受け取っていた
そう、今この瞬間でも、それは変わらない。

1617 シャキン:2018/02/13(火) 22:14:13 ID:fGfWwE0g
>>1614
獣がラピュセルの方に向かっていく
「ラピュセル!!」
焦りの表情をうかべ、彼女の方を見る。
――「さほど時間はかからないだろう?」
――幅広剣を振りかざし交差するように獣へと斬りかかる

「すまない、直ぐに終わらせる!」
背を任せてくれている以上、此方も最大の結果を上げなくてはいけない

暫く後に
「ラピュセル! 射線にはいるなよ!」
見たこともない銃を構えるシャキン。その照準は獣の足に向いており、そしてシャキンの雰囲気から何かの強力な魔法が撃たれると感じるだろう

>>1615>>1616
シャキンの居る位置では鎖の弱い場所が狙えない。
あの鎖はかなり頑丈にできており、この銃でも数発同じ場所に撃たなければ壊れないであろう

爆薬があれば別である。

次弾を装填し、どうすべきかと考えていたところに


――「シャァ―――ッッック!!!!」

――己の散弾銃…水銀弾を装填した獣狩の散弾銃を、投擲するレイヴン
――……硝煙狂いの彼が己の銃を手渡す時、いつも必ず相手の銃も受け取っていた
――そう、今この瞬間でも、それは変わらない。

呼ばれたとき、ほぼ条件反射に近い動きだった

「レイヴン!受け取れぇぇぇ!!」

レイヴンに向けて、リボルビングドラグーンを投げた。
もし、受け取った時に感じることがあればそれはただ一つ。この銃は曲がりも綺麗に直され、文字通りレイヴンの手足となって働いてくれると

獣狩りの散弾銃をキャッチした後、シャキンは本命の銃を取り出す。
MRC SUS310 それに青色の銃弾を装填し、照準を獣の足にむける
この時、バーゼラルドが何かを詠唱し、そしてシャキンの体にはあらゆる文字が青白く浮かび上がっている

その光景はまるで、高位の術者が強力な魔法を使う前段階に似ている

1618「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/02/17(土) 18:18:18 ID:.xIvKrtk
>>1615>>1617
「…?」

理由は分からない。
だが攻撃は通る。
どうやら決定打の一撃も放たれるようだ。

「ならばっ!!」

一歩踏み出した右足が地面を打ち鳴らし其処から青い炎が火花のように散った。
同時に獣へと振り下ろされる一撃。
獣を見定めたその右目からも炎が上がる。
己のソウルを燃やし、高め、チカラに変えて渾身の一撃を解き放つ!

16191/3:2018/02/27(火) 16:25:12 ID:7DZKtIBU
>>1617
>>1618

風切音と共に、レイヴンの手に収まるリボルビングドラグーン
元は珍品だった銃が、一流の製品の様にしっくりと手に馴染む

今までの、壮絶な戦いを経験したとは思えないほど スムーズな動作

「―――アイツらしいな」

彼の丁寧な、仕事ぶりに感嘆しつつ、2タウロスの射撃音が響いた―――――――

16202/3:2018/02/27(火) 16:25:25 ID:7DZKtIBU

―――――――魂の色とは、どんな色だろうか

無色透明、煙のようなグレー…人々によって千差万別に語り継がれるが
今この瞬間を見たものは、こう応えるだろう

青白い色だ、と

豊穣を体現した、黄金色の御髪が逆巻く
己のソウルを源にした、青白い闘争心…ペイルブレイズが燃え上がる。

刀身から発せられる鎂色(びいろ)の輝きが、コバルト色に満ちた

踏みしめた一撃は、目にも留まらぬ速さで黒曜石の頭蓋に撃ち込まれた時


ガラスの砕け散る音が、周囲に散らばった


破砕した黒曜石の頭蓋の持ち主は、点火したエーテルの一撃によって

その巨体を地面へと叩きつけられた―――――――

16213/3:2018/02/27(火) 16:25:41 ID:7DZKtIBU


―――――――英雄の背後より響く、爆音、砕け散る金属音、大きく揺れるシャンデリア

その1つ1つが、今となっては勝利のファンファーレ

合計4発の祝砲が、乙女の背を包み込んだ。

「ま、正直二発で十分だったんだけどな。」

リボルビングドラグーンの銃口から燻らす硝煙は、わずか2発分

あとの2つは、彼のレインメーカーからだ。

残る鎖は、中央の一本、あれは「彼」に任せるとしよう

「シャークッ!ラピュセルッ!こっちに戻ってこい!」

鴉の一声が、二人の耳を撃ち抜いた

その直後―――――

『ジャア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"』

頭蓋を砕かれ、地面にくず折れたはずの獣が起き上がり
その巨腕を目についたシャキンへと振り上げる…が、その動作はあまりにも緩やかだ

君が、もしライフルを持っていたのであれば、回避に徹するべきだろう…

しかし今、君の手にあるのは
至近距離で、威力を発揮する、獣狩の散弾銃だ。

「―――ぶっ放せシャーク。」

1622 シャキン:2018/02/27(火) 22:55:28 ID:odTPZifg
>>1618
>>1621

――『ジャア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"』

――頭蓋を砕かれ、地面にくず折れたはずの獣が起き上がり
――その巨腕を目についたシャキンへと振り上げる…が、その動作はあまりにも緩やかだ

そして今、シャキンはライフルから獣狩の散弾銃を片手で持ち

――「―――ぶっ放せシャーク。」

咄嗟に引き金を引いた。その瞬間、彼の体に浮かび上がっていた文字は這うように獣狩りの散弾銃に吸い込まれいく。

発砲と同時に、銃口を中心に中小様々な魔法陣が無数に展開。
さながら魔法陣の散弾のようにもみえ、実際に氷の魔法が散弾のごとく撃ち込まれていく
そして銃弾にもまた、氷属性が付与されており、その証拠か青白く冷たいマズルフラッシュが見える

撃った本人は反動でか、後方によろめきながら後退している



「――――――――!!」
声は出ていないが解る

ラピュセル!レイヴン!止めを頼むと

よろめきながらもMRC SUS310を構えてシャンデリアに照準を向けて発砲した

1623「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/03/01(木) 20:10:30 ID:KmNofWHI
>>1619>>1622
シャンデリアが落ちる。
下がらねばならない。

「…」

頭では分かっているのだが身体が思うように動かない。

(思うがままにチカラを使いすぎた!)

感情と勢いに任せ配分を誤ったせいである。
自身の身体がこうもあからさまに変調をきたすとは想定外だった。

(課題は多いな…いや、ここを切り抜けられるかが問題だけど)

ぐらり、と身体が後ろに倒れる。

「!?」
『げぅ』

行方不明だった半蛇が乙女の後ろ髪を文字通り引っ張っていた!
そのまま倒れる乙女、ギリギリの回避になる。

16241/2:2018/03/07(水) 23:21:28 ID:f9hXvCiQ
>>1622
>>1623

氷結晶が形成される音と共に、獣狩の散弾銃から撃ち出される氷結の弾丸
がら空きの胴体に撃ち込まれた氷の一射は、瞬く間に周囲へと広がり、冷たすぎる空気が体表を突き抜けていった。

みるみる内に、獣の四肢が氷に覆われ、その巨体の動きを完全に固定した
さながら氷の断頭台だ、状況を理解できない獣がもがき苦しむ中
SUS310の魔導弾により、最後につなぎとめていたシャンデリアが崩れ、断頭台の上に落下する


『ギョアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!』

幾多のガラスが砕け散る音と共に絶叫、砂埃が舞い上がった


「派手にやったなシャーク!ほら…返すぜ。」
よろめきながら近寄ってくるシャキンに、リボルビングドラグーンを手渡した
当然、君が持っていた散弾銃もレイヴンの手に

「ハッ、まるでネズミ捕りだな」

絢爛豪華なシャンデリアギロチンに潰されもがき倒す姿は、まさに罠にかかったネズミそのもの
アレだけの巨体でも、ああなっては駆除されるのを待つばかりだ。

「んじゃ――遠慮なく」

ガンナーが込める弾、先程の爆薬を応用して、増粘剤を混ぜて作った油脂焼夷弾
加えて、嫌がるレギオンにゴネにゴネて作らせた錬金術や魔術であれらこれやをして、さらに範囲と威力を高めたもの
コスト度外視の強烈な弾だ、この一発でおそらく一ヶ月は暮らせるだろう

「―――あばよバケモノ」

"すぽん"という間抜けな音の後、渡り鳥の鳴き声の様な甲高い音が響く
内燃現象と、特徴的な弾頭の関係から、飛翔時にあんな音がきこえるのだ。
死を運ぶ渡り鳥の弾は、吸い込まれる用に獣の元へと達し…

直後―――爆発、閃光、炸裂音

練度を高めきった上級火炎魔法はあんな感じなのだろう…
先ほどの冷たい空気を一掃され、灼熱の熱波が駆け抜けた

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

燃え盛る爆炎の最中、黒曜石の身が水飴のようにドロドロと溶けていく
そして、溶け切った部位から次々と発火
偽りの黒曜石を身にまとった恐るべき獣は、その身を火種にして、短き一生を終えたのだった。

「豪華な火葬だ、神に祈ってやるよ。」

銃口から出る硝煙を、ふっと吹いた

16252/2:2018/03/07(水) 23:21:56 ID:f9hXvCiQ
「おーラピュセルいきてたか、へびねーちゃんも無事なようだな」

二人の元へ駆け寄ってくるレイヴン
シャキンの氷結弾が炸裂した時、その冷気は皆にも降り注いだが
まったく影響が無かった…魔術もといトゥルパのなせる技だろう
熱波に関しても同様、少々暑かったぐらいで、影響を及ぼす事は無かった。

「無事でよかったよ…目の前焚き火もある事だ、あったまってからゼオのところへ向かおうぜ」

メラメラと燃える黒獣…だった物
もはや炭なのか脂なのか、名状しがたい亡骸となったそれを見て、ラピュセルは妙な記憶を思い出した

君が頭骨に一撃を決めた時、違和感を覚えたのは確かだった。
感触でも、手触りでもなく"違和感"をだ。

(あの頭骨は、あんな感触だったか?)

思わず記憶を読み返す、嫌なざわめきが己の胸中を支配する。

ひと傷を刻みつけた時の感触は覚えている、つい先程の事だが
今でも手には、その感触がハッキリと残っているのだ

だからこそ、判ってしまう

『私は以前にも、この手応えを感じた』と。

たしか…初めて出会った時の事だった
倒れ伏すレイヴンに飛びかかってくる獣に、ソウルを込めた剛槍の一撃を決めた時だ。

あの時も、似たような手応えを得た。
ソウルの力は今回ほどではなかったとはいえ、剣ではなく槍…それも祝福の付いた剛槍の一撃だった。
この作戦の、ヒット・アンド・アウェイの時とは違う、正面からのクリーンヒット。

結果として対面の建物まで吹き飛ばした…その際、穂先が頭蓋から離れた瞬間
たしかに、岩肌に傷を刻みつけた様な感触を柄から感じ取った。

加えて、シャキンのボウガンの一撃もある
あれは、ソウルによって強化された一射…火薬と鉛の力ではなく、魔術的干渉…それならば…


顔に1つや2つの傷が残っているはずなのだ。


(私は、前に一傷を刻んだはず)
(だが、今日対峙したのはまっさらな頭骨だった…)

嫌な予感が頭をよぎった、冷ややかな感触が背中を撫で回す
どす黒く染まった不安というヘドロが、胸中と喉元を覆い尽くしていく


――――――そもそも
――――――こんなに小さかったか?



「そういや、鳴き声前と違ったよなぁ…前はもっとこう、変な鳴き声だったよな」


『ギ ュ ル ギ ュ ル ギ ュ ル ギ ュ ル 』


「そうそう、こんなかん…じの…」

立ち込める炎の向こう側に張り付く、一際巨大な影
その頭骨には、ラピュセルの剛槍で刻みつけた一撃、そしてシャキンのボウガンで貫いた傷を残した…


 黒曜石の巨獣 が 此方を見ているのだ


「…よし、プランCで行こう…あーえっとプランCはなんだ?」
焦りに染まったレイヴンの顔が、救いを求めるように皆へ向く。

1626 シャキン:2018/03/12(月) 22:45:40 ID:FcInarL6
>>1623>>1624>>1625

プランC等無い、現実は非常である。

あの化け物に別個体が居るなど、考えすらしなかった。
いや、あえて考えなかったのかもしれない。出来るだけ、楽観視したかったのだと今になって気が付いた

考える、考える。ひたすらこの状況を考える。この状況における最善手

攻撃方法などない。なら単純である、逃げるしかない

しかし、果たして全員で逃げられるのだろうか?

いや、無理だ。どうあがいても誰かが犠牲になる。それならば……

その時、ふと合点がいった。そうか、そうだったのかと。自分が何故前の紛争で死ねなかったのかと。生き残ったのかと

つまり、この二人を生かす為であると

「―――」
声が出ない。何故か声が出せない

ハンドサインをレイヴンに送る。ラピュセルを連れて逃げろと

俺が囮になると

1627「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/03/14(水) 21:15:40 ID:tS.jbSiA
>>1624>>1626
「…道理であっさりと片付く訳だ。こちらが特別変わった訳ではない…迂闊だった」

獣を見つめながら乙女が呟く。
ゆらと立ち上がるが直ぐにでも倒れそうだ。

「プランCか、後方転身と行きたいところだが身体が思うように動かない」

いやはや参ったな…と力なく乙女が笑う。

16281/2:2018/03/17(土) 11:11:17 ID:l6B2S.i2
>>1626
>>1627

「―――バッカ野郎ッ!今更置いていけるか!」

シャキンのハンドサインに対し、思わず怒鳴りつけるレイヴン

どのみち、ラピュセルも魔力を燃やし尽くして、走るだなんて到底不可能だ

此処まで生き延びてきたのだ、誰ひとり置いていく事は出来ない。

では、どうする?

トゥルパ?

銃?

魔法?

否、今の3人の力では、目の前の巨獣を止めることは出来ない

レイヴンの叫びの後、瓦礫が砕ける音がした

巨獣が我々に飛びかかって来たのだろう

体感的に3人にその巨体がなだれ込むまで、残り数拍…ほんの一瞬だ

「(畜生終わったか)」

レイヴンの目の色が、諦めの一色で染まった時…

16292/2:2018/03/17(土) 11:12:18 ID:l6B2S.i2
『―――放てッ!』

重厚なバリトンボイスが響いた時
ラピュセルの肌を、濁流の様に練り上げられた、熱いマナが撫でた。
直後、宙を舞う巨獣に、幾多もの爆炎が降り注ぐ

『!!!!!!!!!!!』

燃え盛る炎に包まれた巨獣は、我々の背後に突っ込んでいく。
爆炎の魔法…それもかなり練度が高いそれが、背後の獣へと殺到している

ぼやける視界の恥に映る…王都騎士団の鎧に身を包んだ、浅黒い、年嵩の男
魔法の主は…ヴァラハッド・ヘーゲマンと、その部下達だった

『―――魔法の手を緩めるなッ!』

ローブに身を包んだ十数人の魔法騎士達が、魔法剣の先端より、幾多の爆炎魔法を放ち続ける。
軍用に最適化されたそれは、恐ろしい速度で詠唱され、背後の巨獣を焼き尽くしていく

『フレアI』…通称『対巨獣用爆炎魔術』

ソルビニアの巨獣兵の為に作られた無機質な名の軍用魔法に、一切の容赦はない。
それは、黒曜石に包まれていようと同じだ。

夢や不可思議を削ぎ落とした無慈悲な爆炎は、巨獣のみ的確に焼き尽くしていく。

「騎士団のオッサン――――」
『行けッ!――為すべき事が有るのだろうッ!?』

何か言いかけたレイヴンに対し、疾呼で返すヴァラハッド
自身も魔法剣を抜き、巨獣へと向かっていく

「―――ッ!!何はともあれラッキーだッ!行くぞ!神様だってそう何度もチャンスはくれないぜ!」

ラピュセルを担ぎ上げて、広場の先へ猛ダッシュ
あるはずのないプランC…これに乗らない手は無い。

1630 シャキン:2018/03/19(月) 22:10:37 ID:LYvtNXhE
>>1627>>1628>>1629
――「―――バッカ野郎ッ!今更置いていけるか!」
レイヴンが怒鳴りつけようとも、もはや意味は無かった。最善手が無いのだから

銃剣を構え、突撃を敢行しようとする。狙いはあの化け物がこちらに向かってきた一瞬
鼻先にでも指せば10秒は時間を稼げるだろうか

二人の戦友の為なら、この命惜しくはないと思う


死を覚悟していた。腹をくくっていたはずだった

突如としての爆炎に身を屈めた

その攻撃には見覚えがあった
(フレアⅠ!?)

騎士団からの援護

――「『行けッ!――為すべき事が有るのだろうッ!?』
その言葉に、まだ死ぬなと誰かに言われた気がした

レイヴンとラピュセルの後を追うように走り始める

1631「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/03/20(火) 21:42:29 ID:05c0gWLs
「…すまない、初手で違和感に気づいていたのに」

目先の敵に捕らわれ可能性を排除した結果がこの体たらく。
自らのチカラの使い方もなってはいない。
物語の存在の融合召喚なんて前代未聞の存在が生まれてから幾日が立ったというのか。
戦いの記憶はある、何をどうすればいいのかという基礎だって理解している。
けれど今の自分は記憶の自身とは似ても似つかぬ存在だったわけで…

『ぎゃっぐぇ』
「……ああ、私は私を理解しない事にはこの先がない」

今は屈辱に耐えるしかない。
一歩間違えれば屈辱に耐えることすら出来なかったかもしれないのだ。
自身に預けられた責任は思った以上のものであるかもしれないと乙女は拳を握った。

1632:2018/03/25(日) 20:28:15 ID:clVic0Rk
>>1630
>>1631

背中を突き刺す呻き声と、溶け落ちたガラスの焼ける臭いを背に走る
どうであれ、我々は勝利したのだ…あの恐ろしき獣に。

「…違和感に気づける才能はホンモンだ。
 そう気に病むなよ…お前が居なけりゃ俺達だって死んでたんだからさ。」

自然と呟いていた。
銃士二人を背負って、鉄火場の最前線に立ち続けていたのは他でもないラピュセルだ。
責任は俺にもある、そう言いたげな瞳が映る…

「――にしても重てぇなァ!畜生!シャキンあとで変わってくれ!」

が、このデリカシー皆無な発言
女子とはいえ、甲冑フル装備の人間を運ぶのは誰だって一苦労
それを、わざわざ大声に出すというこの気配りの無さ…
甲冑女子を運べるのは、装備と力の関係上、自分以外居ないという諦めから来るものだろう。

しかし、そんな軽口が叩けるという余裕が、我々が生き延びた事の証なのかもしれない

燃え盛る獣達を背に、3人と1匹はゼオ達の元へと向かう
全ては、この獣狩りの夜を終わらせる為に…




第14話 「血に飢えた獣」 ―――― 完

1633とある世界の冒険者:2018/03/25(日) 20:30:15 ID:clVic0Rk
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『"駆除"完了しました』
「――――ご苦労」

鷹のごとき瞳に映るのは、原型を留めない黒曜石の獣
その亡骸は、骨というよりもタールの塊である

「…奴らの後はつけているな?」
『ハッ―――密偵を5人』

「そうか…そうか、そうか」

凛々しい口元が、不屈に歪み始める
その表情はまさに、何かに魅せられた狂気の獣

「貴様ごときに、この夜の邪魔はさせんぞ…」

「ゼオ・ウッドフィールド」

不協なバリトンの笑い声が、夜に響いた。

1634 シャキン:2018/03/26(月) 23:09:48 ID:Ni91Cg/s
>>1631>>1632
「あ、あぁ分かった」
レイヴンの言葉にうなずきつつ後を追う
首筋の寒気にうなだれつつ、何かが変な感覚が体中を這いずっている
そんな奇妙な感覚をシャキンに襲う
バーゼラルドが心配そうに此方を見ている
「気にするな」
そう小声で言いつつ追いかけるのであった

163515話:2018/03/31(土) 21:17:40 ID:V8uM33Pc
 ━───第15話






 「 ゼオ・ウッドフィールド 」

16361/2:2018/03/31(土) 21:18:38 ID:V8uM33Pc

「―――帰れ」
『…なんだと?』

 ほんのちょっと前まで、こんな状況になるだろうとは誰が予測できただろうか。
 この一触即発の雰囲気をもたらしたのは、ほかでもない冷たい拒絶の言葉だ。
 レイヴンの怒りの炸薬に点火するきっかけとしては、それだけで十分だった。

 一触即発の雰囲気が皆を支配する。
 埃が積もったガラス器具から反射した不安げな光が、端正な乙女の顔を照らす。
 軍法会議を思い出す陰気な悪寒が、シャキンの首筋を撫でた。

 何故、ため息が出るような重々しい雰囲気に陥ったのか
 時は遡ること 此処 に到着するまでの話…

――――――――――――――――――――――――――――――

16372/2:2018/03/31(土) 21:20:23 ID:V8uM33Pc
 【魔剣士、魔人、異才の従者 が過ちを犯し  禁忌の獣が 解き放たれん 混沌たる血よ 狩りを全うせよ】
 胡散臭い吸血王達から渡された手紙が、脳裏に蘇る。


「…こいつは驚いたよ」


 商店街を抜けて下層へ続く道中の最中、手持ちの散弾銃を目の前の『イレギュラー』に向けた。
 鼻につく紫煙の香りと足元に散らばる灰は、銃口を向けられた『彼』が直前までパイプを嗜んでいた証拠だろう。

 天才と呼ばれるのが木原であるならば、対するゼオ・ウッドフィールドは異才。
 彼がゴシップに取り上げられた時、数々の研究者や学生達が助手や徒弟になるべく数々のアプローチが彼に殺到した。
 当然、その殆どが突っぱねられたのは周知の事実だ。

 そう…『目の前の男』を含めた極一部の者達を除いては。


『…噂は相変わらずってね ジグザールの乱射魔 とはよく言ったもんだよ』


 『彼』は黒と赤に塗られたローブを燻るように揺らめかせ、肩をすくめてみせた。
 身長を優に越す杖は、彼が高位な魔術師である事を示していた。
 そんな風貌の彼だが、外面に隠れた体躯は確かに鍛え抜かれている。
 フードに覆われた金髪の下にある碧眼は、まぎれもない戦士のそれだ。

 『異才の右腕』こと『ジャック・テイラー』が、我々の目の前に立っていた。


『えーっと…あのさ、まずその 物騒な筒 を下してくれないかな?』
「質問はこっちが先だ、お前ら何をやらかしやがった?」


 仰々しい異名とは裏腹に、年相応の口調で対応するジャック。
 対するレイヴンは、熱された炸薬の様な怒りを向ける。
 少しでも刺激すれば、雷管みたいに炸裂するだろう。
 その矛先ならぬ銃口は、まぎれもなくジャックに対してだ。

1638 シャキン:2018/04/02(月) 22:35:46 ID:RReHlbgU
 >>1636>>1637
「落ち着けレイヴン」
銃口を向けている友人を宥める
そして、目の前にいるジャック・テイラーに驚きつつこちら側が不利な状況にいる事を悟る
鼻につく紫煙の香りと足元に散らばるパイプの灰。どこかで進行方向を把握し、ここに来る事を計算していたのだ。
これは、簡単に見えて実は難しい。
もし、我々が私やラピュセルの為に休息を目的に寄り道をしたら?
あるいは物資の補給の為に反対方向に向かったとしたら?
そんな不確定要素を切り捨てられる理由はごくごく単純なのだ

此方の手の内を知っているのだ。

そして、我々が襲っても勝てると確信して目の前に現れたのだろう

(面倒な相手だ)

ラピュセルの方を見る。てぃあまとを見つめた後バーゼラルドを見て頷く
(今しかなさそうだな)

レギオンから貰ったマルチンガルを使用する
これで少なくともてぃあまととコミュニケーションが取れる
連絡を取る理由は単純だ。ラピュセルとてぃあまとの容態確認だ
最も確認するのはバーゼラルドではあるが

1639「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/04/10(火) 13:31:57 ID:otmcznB.
>>1636>>1637>>1638
『ぐぇ (奴の具合だと?見ての通り案山子の方がマシなレベルだ)』

乙女は自らのチカラの使いどころを見事に誤り現状立っているのがやっとの状態であった。
本来枯渇したエネルギーはティアマトによって供給されるのだが。

『ぎゃい (盲点だったのはその為の繋がりを作る上で微量の魔力が必要であった点だな。
 現状ではその繋がりを作る魔力すら惜しい訳だ)』

深爪して缶コーヒーのプルタブが開けられないくらいのもどかしさが其処にある。

『げぇ (加えて今の私は莫大な量の魔力を保有するもソレを己で使用する事が出来ない状態だ)』

これは元々のティアマトが危険極まりない存在であるが故の処置であった。
しかし今となってはその安全策が裏目に出ているのである。

『ぐぇっぷ (しかし事情は知らぬが剣呑だな?切羽詰まっているのが丸わかりだぞ。
 今の状況で戦いになったら確実に此方が潰れるというのに…
 もしもの場合は貴様らのことなど知らんからな、私は)』

と一気にまくしたてるティアマト。
しかし鳴き声と情報量の差が激しい輩である。

16401:2018/04/16(月) 22:19:58 ID:I32cExn.
>>1638>>1639

「うっせぇシャーク!こいつは…コイツは…!」
『落ち着きなってガンナー…アンタじゃ俺に勝つの無理だってば』
「野郎ッ!」

レイヴンの怒りの撃鉄が今にも落ちそうだ、熱せられた怒りは今にもコックオフ寸前
しかし、彼の怒りを収める他に道はない。

見栄えも含めた実力では、黒き英雄ドクオや無銘の人形師ネームレスに対し
ジャックは知性的な扱い…悪い言い方をすれば影に隠れがちだ。
しかし、上記二人が大概なだけで、ジャック本人の実力も並外れている。
彼の戦いぶりを見た者達は、口を揃えてこう言う

1.自然魔術かと思ったら、精霊操っていた
2.精霊術を使ったと思ったら、次の瞬間槍で岩を砕いていた
3.精霊魔術と自然魔術のヤベー奴

神は二物を与えず…どころか三物も四物をも、己の力でもぎ取っていくのが彼なのだ。

そのような強力な魔術士に「事前に準備」させるような時間を与えている
そうでなくとも、火薬と鉛玉だけで『解決』できる相手ではない事実。

この戦い、どうあがこうが勝ち目がないのだ。

『…誰が言ったかしらないけど、さ』
『"やらかした"って言い方は心外だよね、俺達がそんなことをするメリットはない』
『ていうか…ゼオがやらかしてるんなら、俺なんかとっくの昔に消されてるって』

そもそも、ジャック達が獣の騒動を起こしたという明確な証拠がある訳ではない。
ただあの胡散臭い吸血王達が、そう言っていただけに過ぎないのだ。

『そんな信憑性のないゴシップ信じて、俺とドンパチした所で意味ないって…弾だって貴重じゃん。』
「…。」

シャキンの静止もあってか、降ろされる散弾銃
レイヴンのやり場のない怒りは…無事暴発せずに済んだようだ

『…賢くて助かるよ、軍人さん。』

ジャックが指を鳴らすと、周囲に大量の蔦が発生する
否、これは生み出したのではない、不可視の状態で『待機』させておいた物だ
我々を取り囲むように生えていた蔦は、みるみるうちに萎んでいく

…つくづく戦わなくてよかったと胸をなでおろすことだろう

「…ちっ」
ただ一人の乱射魔を除いて。

『さて、乱射魔くんはご不満だけど…ちょっとケアしてる余裕はなくてさ』
レイヴンの様子を尻目に、一変して真剣な表情を見せるジャック

『皆に合わせたい人がいるんだ…ついてきてほしい』
『この"騒動"を終わらせる為にも』

その瞳に、嘘偽りはなかった。

1641 シャキン:2018/04/18(水) 21:44:50 ID:Io9dXvxE
>>1639
――『ぎゃい (盲点だったのはその為の繋がりを作る上で微量の魔力が必要であった点だな。
 現状ではその繋がりを作る魔力すら惜しい訳だ)』
「(その繋がりを作るための魔力を俺が融通することは可能か?)」
てぃあまとにそう返しながらバーゼラルドの方を見る。現状シャキンが魔力を使えるのはバーゼラルドのお陰である。
彼女が起点となって魔力をシャキンに送っているのだ。
彼女の作り出す魔力自体は基礎の錬金術の応用であり、魔力の量も物体の大きさに比例し、本来ならば日常生活においては漏れ出すようなレベルではある
しかし、シャキンは魔力が使えないせいか本来漏れ出すような魔力すら漏れないのだ
それはまるで、魔法による腐食加工された貯水用の樽のような性質を持っている

貯められる限界はあるとはいえ、それは今も溜まり続けている。
それをバーゼラルドで経由して送れるのであれば……そう考えたのだろう

――『ぐぇっぷ (しかし事情は知らぬが剣呑だな?切羽詰まっているのが丸わかりだぞ。
 今の状況で戦いになったら確実に此方が潰れるというのに…
 もしもの場合は貴様らのことなど知らんからな、私は)』
「(ははは……返す言葉が無いな……)」
実際問題、その通りなのだから仕方ない。この状況はどうあがこうとこちら側が詰んでいるのだから

「(……もしもの時はせめてラピュセルだけでも助けてくれないか?)」
確認する意味で聞いてみる。
貴様らの意味がシャキンとレイヴンなら良い。てぃあまとから見て見知らぬ他人なのだから見捨てても仕方はない

だが、もし主人も含まれているのなら……
それは避けたいのだ。理屈同行ではなく感情としての意味でだ

1642 シャキン:2018/04/18(水) 22:00:17 ID:Io9dXvxE
>>1640
――ジャックが指を鳴らすと、周囲に大量の蔦が発生する
否、これは生み出したのではない、不可視の状態で『待機』させておいた物だ
我々を取り囲むように生えていた蔦は、みるみるうちに萎んでいく

ほっと胸を撫でおろす

(見せ札は蔦か……)
その後で理性的な部分で現状を見ていく。様々な二つ名というべき物を持っているジャック
此方の揺さぶりとして不可視状態の蔦をわざわざ見せたのであろう

(恐らく本命は身体強化と魔法障壁に魔法よる中近距離戦闘だろうか……)
簡易的な戦力評価を行う。無論これは外れている事も想定されている
(何にせよ、こちら側が不利なのは決定的だな)
この様な場慣れしているであろう人間相手の最大級の戦法。それは戦わないである
戦わずに済む方法を模索し始める



――『皆に合わせたい人がいるんだ…ついてきてほしい』
――『この"騒動"を終わらせる為にも』

――その瞳に、嘘偽りはなかった。

「それは良いが、一先ず彼女に休息を与えたいのだが?」
そういってラピュセルの方を見る
ジャックが焦っているのも分かる。しかし、このまま先に進んでしまっては恐らく予期せぬ最悪の事態が起こるであろう
その目を潰すための休息である

1643「ラピュセル」『てぃあまと』:2018/04/20(金) 22:18:19 ID:rE8TmXLg
>>1640>>1641>>1642
「…いや、私の事はいい。ついて行こう。休息はその後だ」

シャキンの気遣いは有り難い。
しかし自身がどの位の休息をとることで万全に戻るかがハッキリとしていない。
それゆえの判断だった。

「時間が惜しいのは皆同じのようだしな」


『ぎゃ (さてな?トゥルパは自身のチカラの一部が発現したものだろう?
     はたして他人への融通が利くものか?
     仮に可能だとしても譲渡にはそれなりの魔術知識や経験がいる。
     一朝一夕に出来るものでもなかろうしなあ…)』

どうやら魔石を砕いて魔力を得たほうが未だ効率がよさそうである。

16441/2:2018/04/22(日) 23:24:38 ID:9XZSCnKM
>>1642
>>1643

「そう警戒しないでよ」
ピリピリとした『鮫』の目線は、ジャックにも感じ取れたようだ
「目的は同じだからさ」視線の返答と言わんばかりに、指輪をはめた己の手を見せる
魔術師らしくない筋肉質な指に収まる指輪は、我々が所持している指輪と同じモノだった

ぱちん、と指を鳴らすと魔力のパスが露わになる
魔法の線の行き先は、我々と全く同じ線を描いていた

ひょっとして…本当に敵ではない?

3人(と、1匹)に同じ直感が走る。
では、吸血王達が言っていた言葉は?この騒動は三人によってもたらされたのでは?

「立ち話も難だし休憩も兼ねて、さ…そこの女の人もフラフラだしね」
「そう、できれば時間は惜しい…けど、休憩は大切だよ」

我々が彼の後をついていくのに、そう時間はかからなかった

16452/2:2018/04/22(日) 23:25:42 ID:9XZSCnKM
いくつもの路地裏を抜ける
時には用水路、ときには樽の裏に隠れた隠し通路
まるで都市に作られた獣道、行く道を遮るのは草木ではないが…

全身が埃まみれになりながら潜り続けた先に広がっていたのは、洗練された広大な空間だった
足元や視界に入る石造りは、そのどれもが滑らかに磨き上げられ
支柱の部分には、細やかな装飾が刻まれており、様式からして古代都市のものである事が判る

「…王都の地下にこんなモンがあったのか」

不機嫌な表情をしていたレイヴンも、流石に唖然とする

「そもそも古代都市が積み重なった土地に王都は建ってるからね、さながら都市のミルフィーユだよ」

先導するジャックが、唖然とするレイヴンに解説をする

「っていっても、俺も此処までのモノがあるのは予想外だったけどね…ほら、ここだよ」

ファクトリーII…直後にジャックはそう付け加えた

我々の眼前に広がる、要塞のような建物
周囲に散らばる無機質なオブジェの様なモノには、いくつもの青白い光が走っている
それは、古代魔術都市の防衛機器…とのことらしい

あれよあれよという間に門をくぐり抜けた先
案内された室内では、まず奇妙な香りが鼻についた。
ガラスのビーカー、試験管、シャーレ…魔導探知機、棚に並べられた様々な薬
動物から魔獣までの剥製、所雑多に積まれた書物
…そのどれもが中々お目に書かれない高額な物ばかり
なんと、あのラピュセルですらうっすらと見覚えがある様な物まで存在するのだ

そして…見たこともない形をした金属の調度品…だろうか?
書物や薬品よりも、この奇妙な調度品が圧倒的に多く目についた。

要塞というよりも研究室…最初に臭ったのは試薬のアルコール臭であった事が判った。

その奥に背を向けて座る、白衣を着た一人の男
巨大な長机には、羊皮紙や書物に紛れて、先程の奇妙な金属調度品が大量に散乱している。

「おい、連れてきたぞ…ていうかさ短時間でこんなに散らかすなって!俺がさっき整理したばっかじゃんか!」

先程の我々の対応から打って変わって、まるで身内の様に雑な声をかけるジャック
だが、白衣の男は振り返らない…手元の作業に集中している様だ…

1646 シャキン:2018/04/24(火) 22:27:20 ID:/mhh//tc
>>1643
「そうか……無理はするなよ」
そう一言だけ告げる。

実際問題としてはラピュセルが精霊に存在である以上は人間の物差しで測ってよいのか
彼女自身が解っている範囲が何処までなのか分からない……というのがシャキンの理性での後付けである

彼の感情的な部分。心の奥にはこれ以上女子供が死ぬのを見たくないのであろう
フェミニスト等ではなく、彼自身が先の戦いでそのような部分を見すぎたのだ

本能的に忌避を感じているのであろう

「(なるほどな……そう上手くはいかないものだな……)」
残念ながらシャキンに魔術知識も経験もない。そしてバーゼラルド自体にもそのような経験があるわけでもない
無い状態で上手く行く事などよほどの幸運かさもなくば類い稀なる天才か
不幸にもシャキンはそのどちらでもない

1647 シャキン:2018/04/24(火) 22:27:51 ID:/mhh//tc
>>1644>>1655
「………そうだな」
同じ指輪をしており、直感的に敵ではないと感じる
それと同時に並列して心に棚を作る。敵ではないが呉越同舟といった状態とも思える
少なくとも今は信用しよう

王都に作られた空間
都市のミルフィーユ状態
(考古学者や諜報部泣いて喜びそうな場所だな)
最初の感想はこれだけだったで、ジャックについていくように進むにつれていく全貌


――我々の眼前に広がる、要塞のような建物
周囲に散らばる無機質なオブジェの様なモノには、いくつもの青白い光が走っている
それは、古代魔術都市の防衛機器…とのことらしい

あれよあれよという間に門をくぐり抜けた先
案内された室内では、まず奇妙な香りが鼻についた。
ガラスのビーカー、試験管、シャーレ…魔導探知機、棚に並べられた様々な薬
動物から魔獣までの剥製、所雑多に積まれた書物
…そのどれもが中々お目に書かれない高額な物ばかり
なんと、あのラピュセルですらうっすらと見覚えがある様な物まで存在するのだ

そして…見たこともない形をした金属の調度品…だろうか?
書物や薬品よりも、この奇妙な調度品が圧倒的に多く目についた。

「俺は夢でも見ているのか?」
唖然……そうするしかないほどに出来上がったその建物や容貌に言葉が出ないでいた

そして、白衣の男をみて戸惑う
ジャックとレイヴンの様子を見る。はたして彼は何者だろうか?

1648「ラピュセル」『てぃあまと』《???》:2018/05/01(火) 17:39:40 ID:nlanjEho
>>1644-1647
  《見覚えのあるものがあるぞ?
     《…はて?…我々にとって見覚えのあるものとは?
《そもそも我々は物語の存在であって…
 《いやつまり年代物ってことじゃあないのか
   《時空間に揺らぎが生じている可能性
     《それはないんじゃ…?

「…(又だ、意識が朦朧とすると直ぐにコレが始まる)」

     《何かやっているようだが
 《科学サイドからの事態解決へのアプローチ?
        《単純に趣味という可能性
《この状況でそれはないんじゃ
  《さっきから否定しかしていない件
《えー…

「……白衣の彼は、何をしているんだ?」

妙な幻聴に顔を歪め額を片手で抑えながら乙女は問うた。

16491/2:2018/11/21(水) 19:09:34 ID:ycWTL1h6
>>1647
>>1648

重たいため息と共に、白衣の男が振り向く

みずぼらしい体から伸びる、ひょろ長い手足
ボサボサの髭に禿げ頭、瓶底眼鏡を賭けた顔…

そういったステレオタイプとは真逆の姿が目に飛び込んできた


白衣をもってしても隠しきれない、筋肉を圧縮したような鋼のごとき肉体。
絵画に描かれた、歴戦の勇士のまさにそれ
そんな雄々しい手には似つかわしくない、奇妙な金属魔導具が
繊細な手付きで収められていた。

そして、カミソリのように鋭い東洋系の顔立ちは
繊細な技術にふさわしい、叡智に携わる者達の知性を秘めている
冷たいくらい怜悧(れいり)なその瞳の奥には、積み上げられてきた親愛の上に
真新しい深い悲しみが見て取れた。


『あのさぁ…普段から整理しておけって言ってんのお前だよな!?』

そんなプレッシャーをはねのけ、家族に愚痴を漏らすかのように叫ぶ、ジャック

それもそのはずだ
なぜなら、眼の前の彼こそが

王都の叡智を司る、稀代の天才"木原"
部下を取ることを許さなかった彼が選んだ、ただ一つの『例外』
『異才の右腕』こと『ジャック・テイラー』その師



異才 『 ゼオ・ウッドフィールド 』
その本人なのだから

16502/2:2018/11/21(水) 19:10:50 ID:ycWTL1h6
そして、舞台は最初に戻る…

『―――帰れ』
「は?」

「ッてめぇ!ふっざけんじゃねえぞ!わざわざお前に会いに来てやったのに何だその言いぐさは!」

『だいたい散らばったモノほったらかしにした上に、アレがないコレがないって探すのいつも俺なんだからな!?
 今日だって、この3人連れてこいって急に連絡しておいて、連れてきたらコレかよ!マジでいい加減にしろって!』

「誰が乱射魔だ豆の木!」

『言ってないからな!?』

ゼオから放たれた冷たい言葉が、
知性の欠片をも秘めていない、乱射魔の怒りの炸薬に点火し
それを皮切りにジャックに延焼したところまでだ。


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