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【個】Dominator of ARENA 〜感情烈赤〜【ミ】

1『戦うことを止められないどうしようもない奴らへ』:2012/03/22(木) 00:29:47
『黄金町』、『倉庫街』に存在する空き倉庫――
そこでは週に一度、『ファイトクラブ』が行われている。

深夜零時に開催されるロクデナシどもの饗宴。


「ルールは三つです!」

      「戦う人はスタンド使いッ!」

 「対戦はタイマン限定!」
                 「相手を殺しちゃダメ!」


「でも、ルールには例外が存在するみたい……?」

100『ARENA』:2014/05/02(金) 23:55:07
>>99

『キュウセイ』:
「あー、ないない。
 会いたければ白亜荘行けば?」

「今日あたり行ってるんじゃないの?」

らしい。

101太田垣良『ザ・サードマン』:2014/05/03(土) 00:02:40
>>100
「OK…白亜荘ッスね…」
「んじゃ、…サヨウナラ…またそのうち来ます…」

というわけで愛しの白亜荘に帰る。

102『ARENA』:2014/05/03(土) 00:05:29
>>101
君は慌ただしい、一日を終えて――家路についた。

太田垣
春上   ⇒ ともに『30万円』ゲット!

103『□□□□』:2015/05/09(土) 01:31:36



    ド

      ド


    ド


      ド



    ド


      ド

104    『    ・  』:2015/05/21(木) 22:59:24





























       .

105『NOW ON FIGHT』:2015/05/21(木) 23:07:06
>>104(尾藤)
メインストリートの奥手に位置する中規模の住宅街。
児童公園の向かい側にある三階建ての住居兼用オフィスの一階に、その事務所はあった。


           『宅配ウォーターサーバー ラクアクア』


入り口には配送用の『軽ワゴン』が駐車し、入り口のガラス戸には『広告』が貼ってある。
元気な子どものイラストも記載されており、『粉ミルク用』や『オフィスでの一服』に推奨している。


           ガチャッ


「あっ、どうもこんにちはー。
 尾藤さんでいらっしゃいますか?」


佇む尾藤の前に腰の低そうな中年男性が現れた。
焦げ茶色のセルロイド製メガネに安い背広、革靴風のズックを履いている。


  「すみませんねぇー、解りにくかったでしょう?
   表の顔を用意しておかないと、社会的に色々と不便なんですよ。
   それに、『ウォーターサーバー』なら『自宅』から『お店』、『学校』に『倉庫』、
   何処に置いてあっても不自然じゃあないでしょう?」


ニコニコと屈託の無い笑みを浮かべながら、男は尾藤を招き入れる。


   「あっ、申し遅れました。
    私、『吉田松太郎』と申します。
    どうぞ、詳しくは中でお話させて頂きますので」


ガラス戸を押し開けて、吉田は事務所の中へと案内する。
奥には事務机が二つ並び、左手には重厚なステンレス棚の中にウォーターボトルが整然と並んでいる。
右手にはパーテーションで区切られたスペースがあり、中には簡単な机椅子が並んでいる。

106『NOW ON FIGHT』:2015/05/21(木) 23:35:09
>>105




























.

107<ガオンッ>:<ガオンッ>
<ガオンッ>

108『NOW ON FIGHT』:2015/05/24(日) 22:16:35
>>106
応接スペースの椅子に座る尾藤。
向かい側に吉田が座ると、事務員がノートパソコンを持ってきた。
吉田はノートパソコンに挟まれたクリアファイルを取り出し、
中の書類を尾藤へと差し出す。


  ・ 『PC、NPC共にスタンド使いである』

  ・ 『対戦は一対一で行われる』

  ・ 『殺人は不可。決着は再起不能レベルまで』

  ・ 『会場は倉庫街アリーナ。Bランク以上はステージ選択化』

  ・ 『ランクは同位ランカーへの連勝で、上位ランカーへの挑戦を得られる』

  ・ 『危険物以外の物品は持ち込める』

  ・ 『刃物、銃器は有償で貸出。未使用での返却は、半額を返金する。(破損時は倍額弁償)』

  ・ 『倉庫街アリーナでの戦闘時、参加者は希望設備の設置を一つだけ行える』


「――――と、このようなルールになっております。
 解りにくい点とすれば、最後の『設備』についてでしょうか。

 例えば、人によっては『柱』や『壁』のような『障害物』だったり、
 『水場』や『送風機』が必要になるかも知れません。

 こうした『設備』がなければ『殴り合う』だけの単調な闘いになってしまいますので、
 それは観戦者も運営側も望んでいないのですからね、ハハハッ」

吉田は気軽に笑ってみせる。

109    『    ・  』:2015/05/24(日) 22:17:28
>>108




























        .

110『NOW ON FIGHT』:2015/05/24(日) 22:30:12
>>109
「なるほど。
 尾藤さんと同じく、人によっては『ヌルい』と感じるでしょうねー」

吉田は朗らかに笑っている。
かつても、尾藤と同じような感想を口にした者でもいたのだろう。

「ともあれ、尾藤さんは『Cランク』からのスタートです。
 本当は尾藤さんと同じように、新規の挑戦者を受け付けていたのですが、
 生憎……思ったより集まりが悪く、ちょっと『集客』を考え直さないといけませんね」


      「同位ランカーとの『連勝』が昇格の条件です。
       ……というのも、『Bランク』以上はステージ選択が可能でしょう?

       『廃ビル』や『学校』、『高速道路』に『温水プール』、
       色々と既存の施設を扱うには『手続き』が必要ですからね。
       通好みの方には、こうしたステージの方が好まれるのですが、
       流石に『見込み』のある方でないと、我々も『リターン』がありませんから」


多少はボカしているが、要するに魅せるファイターでない限りは、
『外部施設』をステージにするメリットが薄いと言っているようだ。


  「……と、『ルール』についてはこれくらいでしょうか?
   何か、ご質問などはございますか?」

111尾藤『一般人』:2015/05/24(日) 22:31:49
>>110



         「一つ、『重要』な確認をしておきたい」


腰に挿していた『刀』を抜き放ち、
吉田の首筋に押し当てる。



         「お前の用意する『スタンド使い』は、強いのか?」

112『NOW ON FIGHT』:2015/05/24(日) 22:41:14
>>111
刀を引き抜き、吉田の首筋に押し当てる。
吉田に戦意はない。刀を引き抜いても仕方がない。


    「あぁ、……ハ、ハハッ


     尾藤さん。貴方、『スタンド使い』じゃあないですね?」


        ジュルルルルル………・・


脂汗を吹き出しながら、吉田は言葉を紡ぐ。
そして、尾藤の刀を薄い『樹脂』が覆い始める。
切れ味を鈍らせようとしているのは明白だ。


     「質問に応える前に、一つ言っておきます。
      対戦者は常に『スタンド使い』、ここに例外はありません。

      『熊』であろうと、『馬』であろうと、『宇宙人』であろうと、
      ここに例外はありません。――――貴方に『参加資格』はありません」


     「スタンド使いにだけ見える『チラシ』をどうやって発見したか、
      その理由は解りませんが、『観戦』でしたらどーぞご自由に。

      私のスタンドは『樹脂』を出す能力。
      会場を薄い『ドーム』で覆い、一般人であっても『スタンド』を目視出来る。
      ですので、観戦はどうぞご自由に」

113    『    ・  』:2015/05/24(日) 22:45:53
>>112




























       .

114『NOW ON FIGHT』:2015/05/24(日) 22:57:42
>>113
「あぁ……なるほど。
 確かに、『武器』以外の持ち込みは自由ですが」


      「いや、しかし。
       ……どうでしょう、本部に確認してみないと」


尾藤の提案に渋面を作る吉田。
やがて、ポケットから携帯電話を取り出すと何処かに電話を掛ける。


      「あぁ、もしもし?
       えぇ、吉田です。お疲れ様です。

       実はちょっと相談したい件がありまして、
       ――――あ、えぇ、大丈夫ですか?  あぁ、なるほど。

       はい、解りました。本日中にはお送りします」


                  ピッ


       「尾藤さん、オッケー出ましたよ。
        いやぁ、私どももファイターが不足してまして、
        尾藤さんみたいな血気盛んな方が闘技場を盛り上げてくれると、

        ――――あ、あの、そろそろ下ろしてもらえると……」


何はともあれ『参加許可』は出たようだ。
後は、首筋に突きつけた『刀』を下ろせば、話が進むだろう。

115    『    ・  』:2015/05/24(日) 23:03:13
>>114




























          .

116『NOW ON FIGHT』:2015/05/24(日) 23:24:34
>>115

       スゥゥ...


   「ふぅぅ……。これで話は済みましたね」


刀が下ろされ、安堵の息を漏らす吉田。
樹脂の能力も解除され、そのまま尾藤は納刀する。


          「ああ、そうでした。先ほどの話でしたね。
           ……実は、我々の用意しているスタンド使い、
           いずれも『Bランク』なんですよ」


    「ですので、今回は『Cランク』を中心に募集を掛けまして。
     その実力の程ですが、まだ『リング』には上がってませんので、
     ちょっと別の方法で用意させて頂きました」


          カチッ

                       ブゥゥゥ〜〜〜〜〜ンッッ


スリープ状態のノートパソコンが立ち上がり、
Webカメラの再生ツールが軌道する。
複数のウィンドウは黄金町の様々なスポットを映り出しており、
いずれも『空撮』。――――今流行りの『ドローン』というヤツだろう。


     「この町には、多くの『スタンド使い』がいらっしゃる。
      中には『犯罪者』であったり、『好戦的』であったり、
      『決闘』に美学を感じていたり、守るべき者がいる方もいるでしょう。

      まず手始めに、彼らを『倒して』頂きました」


マルチウィンドウのそれぞれに、スタンド使いの闘いが映し出される。

117〜レイチェル・C・ホワイトウォーターの場合〜:2015/05/24(日) 23:49:28
>>116
右端に映るのは、『ガソリンスタンド』を改築した中古車販売センターだ。
軽自動車の並ぶ中、二人の女性が対峙している。
一人は黒いセーラー服を着用した少女。外ハネのショートカットが特徴的だ。


    「ハァ……ハァ……」

             「この女、尋常じゃあないわ――――」

数台の自動車を挟んで対峙するのは、金髪の女性だ。
長身に頬骨の目立つ顔立ちの美人。ミス・ユニバースに選ばれそうなタイプだ。


    「ダメじゃない。
     どんな理由があっても、悪を倒すのもまた『悪』よ」


                 「じゃあ、アンタも悪党でしょう?」


    「私はいいのよ。『テロリスト』には断固として闘う。
     だって私は、『アメリカン』だからッ!」


金髪の女性が再度、スタンドヴィジョンを発現させる。
その直後、


                ドッ
                      ゴオオオオォォォォォ――――z____ンンッ


付近の『自動車』が激しい爆発を起こした。
割れた窓からは燃え上がる『粉塵』が噴出し、その勢いを裏付ける。


      「勝った、これぞ粉じん爆発ッ!
       テロリストらしい、『自動車爆弾』にして―――――」


            グラァアァァ...
                                ドサッ


      「な、なんで、ここまで―――――」

                . . . . . . .  . .
             「この位置にまで、『爆風』がァァ〜〜〜〜ッッ」


自動車の影に身を隠していた少女を、己が放った『爆風』が襲う。
『安全地帯』であるとの確信が裏返る。――――黒い煙を吐き、少女は倒れこむ。


      「ゴメンなさいね、ちょっとやり過ぎたかも。
       ――――でも、少しは反省してね」


金髪の女性はウェーブの掛かった髪を掻き上げると、
空中に浮かぶドローンへとピースサインを見せる。

118【ニコン・イェラビッチ・カラシニコフの場合】:2015/05/25(月) 00:08:17
>>117
「お前、『プロ』相手でも『喧嘩』出来ると思ってたか?
 そーいう粋がった『チンピラ』相手にするのが、ちょっとした楽しみでな」


倉庫街に対峙するのは二人の男だ。
灰色の頭髪を五分刈りにした、筋骨逞しい中年男性。
もう一人、白髪を逆立てたニッカポッカの男。――――ブランコで宙に浮いている。


                    ギシィィ
                                   ギィィ


        「総合のワザがリアルで通じるって、ちょっと恥ずかしい思い込みだな。
         未だにグレイシー幻想とか信じてるクチ? 目ェ覚まさせてやるよォォ〜〜〜ッッ」


       ドバッ!         ニッカポッカが真正面から飛び込み、
                     加速を付けて五分刈りの男へとドロップキックを放つ。


                          ギュ       「ダボがッ、   後ろだよッ!」
                             ア
                            ア
                          ァ


       真正面から受け止めようとした五分刈りの男、その背後へと回る白髪の男。
       もう一組、ブランコを発現し、無理矢理軌道を変えていた。
       そのまま後頭部に痛烈な一撃を―――――

                                       ガ 
                                        ボ    「知ってるよ、素人が」
                                 ギッ/ 
                                  ・


       五分刈りの男は、ブランコの鎖を引き寄せる。
       その膂力を以って、白髪の男を無理矢理引き寄せると、その身体を抱えて転がる。


       「『フロントチョークスリーパー』、実戦でも使えるだろ?
        ――――と、ちょっと力加えすぎたか。……気絶してやがる」


足関節を極めながらの『フロントチョーク』、
更には突撃の勢いさえ完全に殺している。並の技量ではない。
ドローンの映し出す『神技』、これを破れるスタンド使いはいるのだろうか……。

119【マイケルの場合】:2015/05/25(月) 00:18:13
>>118
喫茶店の傍に白いスポーツカーが停車する。
運転席にいるのはアフロの黒人だ。その表情は暗い。


     「えーっ、いくらスタンド使いでもちょっとさー、
      『小学生』ってのはねー、ちょっとマイケル、乗り気じゃないケルー」


         「うーん、それじゃあ行ってみようかぁー。
          ライダーベルトと妖怪メダルは用意したしー、
          何とか説得出来ればねぇー、いいんだけどねぇー」


喫茶店の窓から顔を覗かせるマイケルだが、その表情は暗い。


      「ちょ、ちょ、ちょっとぉー、アレってスタンド使いじゃあん。
       何? 喋ってるのぉ? ちょっとぉー、聞いてないよぉー。
       マイケルいっつもこうじゃあん、タイミング悪いじゃあん。
       これが本当の『おしマイケル』だよー。何なのねぇー」


             バシュンッ!


      「あっ、あぁー、あぁー、消えたー。えっ、消えたぁー?
       うっそぉー、気付かれたぁー? もうこれマイケルの勝ちでいいでしょー?
       マイケルさぁー、これじゃあ闘えないじゃあん。だからさー、もういいでしょー?」


ドローンへと身振り手振りを交えて必死のアピールをするマイケル。
その表情は暗い。最後まで暗かった。

120【キム・クァンガンの場合】:2015/05/25(月) 00:32:34
>>119
「カムサハムニダ!
 素晴らしい闘いだったよ、ピエール君!」


商店街に併設されているイベント用のステージ。
人気はないが、二人の男が硬い握手を交わしていた。
既に闘いは終わっていたのだろう。


「ところで、互いのスタンドはもっと伸びる余地があるはずだ。
 どうだい、これから焼肉屋で『感想戦』っていうのは。

 良いトッポギとキムチを用意している店を知っていてね、
 ボクの友人がやってるんだが、濃い目のマッコリも勿論だとも!」


           「さぁ、何をしているんだい友よ!
            解った、汗が気持ち悪いんだね。
            これはボクが失念してた。だけどケンチャナヨ!

            まずは韓国式アカスリに行こうか、サウナでサッパリだ!
            やはり互いに遺恨が残るのは良くない、裸の付き合いと行こう!」


緩いマフラーに爽やかな白い歯、美丈夫の顔立ちは韓流スターにも見える。
ファッションセンスも抜群。弁舌も淀みなく、当然だが笑顔は百万ウォンだ。

一方のピエールと呼ばれたケツアゴの男。
先ほどから一言も話していないが、その理由は明らかだ。



                    ボロォ...




             『気絶』している。
             生傷と火傷だらけの顔はむごたらしい。
             今や片腕だけで引き上げられ、辛うじて体勢を保っている。

121【李の場合】:2015/05/25(月) 00:49:15
>>120
「うおおおおおおおおおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!

 授莉依エエエエェェェェェ〜〜〜〜〜〜ッッ
 待ってろよォォ、今助けるからなァァ〜〜〜〜〜ッッ」

ツナギを着た少年が不細工な面で絶叫する。
対峙する老人は醜悪な笑みを浮かべたままだ。


         「使え・・・!」

                          ドサッ


         「聞きとうないわ・・・! 恋だの・・・愛だの・・・J-POPの生み出した歪な幻想・・・!
          とどのつまり・・・金・・・・!  愛も・・・お前のスタンドも・・・とどのつまりは金・・・!

          使え・・・!  『1000万』・・・現ナマじゃあ・・・!
          それで引き出せ・・・! お前の使える・・・・最強のスタイル・・・・!」


         「ワシは多忙・・・買収・・・合併・・・アベノミクス・・・!
          1分じゃ・・・お前の全力を・・・1分で潰す・・・・!」



    「う、うおおおおおおおおおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」



迷いなく地べたに落ちた札束を手にし、叫ぶ少年。
瞬間、背後の『タワーマンション』が立ち上がり、瞬く間に『巨人』となる。


    「テメェ絶対に後悔するんじゃあねぇぞォォォ!!!!!!!!
     『タイタン=スタイル』ゥゥゥ―――――――z________ッッ!!!!!」


            バギュオオオオオオッッ!!!!


                  ―――――バッサァァァァ―――z_____


     「ところで・・・ソイツはワシのマンションじゃ・・・!」

           「節税が思わぬ功を成す・・・・結局は『金』じゃよ・・・・!!」


ドローンの映像が無数の『万札』に埋め尽くされる。



         「あああああああああああ!!!!!!

          授莉依絵ええええええ!!!!!!!!!!!!!」

122    『    ・  』:2015/05/26(火) 23:37:25
>>116-121




























             .

123『NOW ON FIGHT』:2015/05/31(日) 22:20:18
>>122(尾藤)

             ガダッ!


椅子から飛び上がり、周囲を確認する尾藤。
刀を抜き放って構えるも、窓の外に『ドローン』は見当たらない。
どうやら、ここでいきなり『強襲』されることはないらしい。


   「――――……あ、ああ、これはこれは、失礼しました。
    いえ、決してそういう意図での映像ではないんです。

    別に彼らはこの町で好き勝手やる気はありませんし、
    ほとんどが『表』の肩書の関係で、来日しています。

    唯、これにつきましては、私どもの考えている『新ルール』が関係してまして、
    ……失礼、まずは刀を納めて、こちらの紙を見ていただけませんか?」


>  ・ 『ランクは同位ランカーへの連勝で、上位ランカーへの挑戦を得られる』


    「つまり、最低でも『二連勝』しなければ、『Bランク』に挑戦出来ません。
     ところが、何分ファイターが不足しており、興業が行えないのも事実。

     そこで、私共は考えました。 ――――こうした、新ルールを」



        カリカリカリ


>  ・ 『ランクは同位ランカーへの連勝で、上位ランカーへの挑戦を得られる』

>  ・ 『但し、スタンドでの『戦闘行為』、『依頼業務』の完遂を『一勝』とし、
      同位ランカーへの『勝利』で、上位ランカーへの『挑戦』を得られる』


     「最も、『ランカー』への挑戦であって、『ランク』の上昇には繋がりません。
      この辺り、まだ『上』との確認がまだ取れていませんので、ハハハッ」


吉田は額の汗をハンカチで拭いながら、会話を続ける。
どうやら、これ以上の『話』は必要ないようだ。

124    『    ・  』:2015/05/31(日) 22:28:13
>>123




























           .

125『NOW ON FIGHT』:2015/05/31(日) 22:42:07
>>124(尾藤)
自ら話を打ち切り、立ち上がる尾藤。
再び納刀したところで、事務員が『ギターケース』を持ってきた。


    「尾藤さん、貴方にその『刀』が必要なのは解りましたが、
     流石に丸裸で持ち歩かれるのは、ちょっと……。

     せめて、帰りはこちらのケースに収めて頂けますか?」


吉田は引き攣った表情を浮かべ、ギターケースの蓋を開ける。
確かに色々と問題がありそうだ。このケースに入れた方が良いだろう。
半ば無理矢理ケースを押し付けられれ、『ラクアクア』の事務所を後にする尾藤。


―――――『NOW ON FIGHT』、既に勝負は始まっている。
梅雨の湿り気が空気を重くする中、二重に収められた『刃』は曇りない。
再び抜き放たれる時、その刀身に映すは何者か。


尾藤『一般人』 → 『選手登録の干渉』



            Next To Fight ―――― 『尾藤ブラック』

126『尾藤ブラック』:2015/06/03(水) 22:42:54
日曜日の昼下がり。
メインストリートから道一つ外れた住宅地の中、
建売住宅の中に混じった『ラクアクア』の事務所に、『東雲』はいた。


       「――――と、これで説明は以上となります」


にこやかな笑顔をした中年男性、『吉田松太郎』の説明が終わった。
夕暮れの倉庫街で行われる、密された『スタンドファイト』。
どのような目的で『東雲』がこの闘いに興味を持ったかは不明だが、
たった今、選手登録用の書類に『サイン』を記し、その『闘志』を露わにしたのだ。


【個】Dominator of ARENA 〜感情烈赤〜【ミ】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1332343787/104-125


以上の説明について、参加者は知っているものとする。
持ち物、能力詳細についての記載をお願いします。

127東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/03(水) 22:54:33
>>126

この街に潜む闇に触れる。そしていざという時に戦えるよう、己を鍛える。
そういった目的において、この『スタンドファイト』は一石二鳥だった。

「ありがとうございます」

深く一礼をして、説明をしてくれた吉田に対して感謝を示す。

「試合はいつ頃にできますか?」

早速だが、吉田に訊ねる。



持ち物:財布、スマホ、ロープ(ポリエステル製、9mm×1m)

スタンド能力:
全身から『塩』を噴くスタンド。纏うタイプ。
このスタンドの触れたものは『塩』を噴く。
その様は積雪のようで、
最初はうっすらと、次第に厚くなり、
最終的には『岩塩』と化し、対象を閉じ込める。
『塩』は水に弱く、『岩塩』でも瞬時に溶解する。
スタンド自身も『塩』に覆われるが、これは『鎧』として機能する。

『ザイオン・トレイン』
破壊力:B スピード:B 射程距離:E
持続力:B 精密動作性:C 成長性:B

能力詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311712763/540

128『尾藤ブラック』:2015/06/03(水) 23:16:24
>>127(東雲)
「おおっ、やる気十分ですね!
 いやいや、闘志ムンムンのファイターの方が来て頂けると、
 我々としても心強いところなんですよ」

『吉田』は心底嬉しそうに破顔する。
『チラシ』を見てやってきた『東雲』ではあるが、
集合場所である事務所の中には、二人以外誰もいない。
――――どうやら、『スタンド使い』の数は相当少ないようだ。


   「試合、試合ですか。
    ……実を言うと、十分なファイターの数が揃っておらず、
    私共の力不足で恥ずかしいばかりですが、まだ試合は」


           「ここにいるぞ」

ガラス戸を開けて入ってきたのは中年の男だ。
ドジョウヒゲに角刈、極めつけに着流しの、見るからに『胡散臭そう』な外見をしている。
背中には何故か『ギターケース』を背負っており、あまり近付きたくない様相だ。


    「俺の名前は『尾藤一騎』、強いスタンド使いを探している。
     ――――お前はどうだ?  お前は強いのか?」


得意顔で問いただす『尾藤』、それを見る『吉田』の顔は引き攣っている。
内輪で開いたパーティーに呼んでもいないお調子者が来たような、
あまり『歓迎』していない様子だ。

129東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/03(水) 23:43:12
プロフィール:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1311711936/248


>>128

>   「試合、試合ですか。
>    ……実を言うと、十分なファイターの数が揃っておらず、
>    私共の力不足で恥ずかしいばかりですが、まだ試合は」

(・・・なんじゃ、勇み足じゃったか。焦ってはいけん、今はまだーーー)

>           「ここにいるぞ」

ガラス戸の方へと首を向ける。そこには一人の男が立っていた。
なかなかセンスのいい格好である、背中のギターケースさえ除けば、だが。

「強いのか、ですか。正直に言ってしまえば、分かりません。『スタンド使い』と戦ったことはないもので」

「ところで、質問を質問で返すようで申し訳ないのですが、尾藤さんはお強いのでしょうか?」

「…もし腕に自信がお有りのようでしたら、そんな尾藤さんに俺が勝てたなら、『俺は強い』となりますね」

椅子を回し、己の巨躯を尾藤へと見せるようにして、彼の瞳をジロリと睨む。

130『尾藤ブラック』:2015/06/03(水) 23:59:41
>>129(東雲)
「自己評価を他人に依存するなよ。
 ……だがなるほど。良く鍛えてある」

日に焼けた肌、樹皮のように泰然とした筋肉、
良く引き締まった肉体を観察し、『尾藤』は不敵な笑みを浮かべた。


     「『吉田』、コイツとの『バトル』をセッティングしてくれ。
      日取りはそうだな。三日後がいい、『大安』だからな」


          「い、いやぁ、どうでしょうねぇ……。
           流石にちょっと、予定を確認しないと……。

           ほら、対戦表だってギッチギチでしょうし」


     「安いハッタリは止せよ、『吉田』。
      C級ランカー一人集めるのも手一杯なお前らが、
      先の予定まで満足にスケジューリング出来るわけないだろうが」


明らかに困っている『吉田』に対し、『尾藤』は見透かしたように言葉を続ける。
チラリと『東雲』に視線を送るも、その弁舌は止まらない。


     「質問に答えてやる、『俺は強くなる』。
      その為の『闘技場』だ。強者以外に用はない。

      お前の強さを測ってやる、コイツがその『物差し』だ」


『ギターケース』を軽く持ち上げ、『尾藤』はニヤリと笑った。
彼を尻目にした『吉田』は渋々とばかりに電話をしている。

131東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/04(木) 00:16:20
>>130

「…なるほど。強さとは相対的なものではなく、絶対的なものということですか」

微かに笑いながら、男の言葉を理解する。年長者の言葉には含蓄がある。
そしてそれを言ってのけるからには、この男は自分の腕に自信があるのだろう。
相手としては願ってもない。

ギターケースの中にあるであろう得物を示す尾藤に対し、椅子から立ち上がる。

「『同感』です。よろしくお願い申し上げます」

『ペコリ』

そうして一礼。
この後は命を懸けた殺し合いをするのだが、だからと言って礼を欠く理由にはならない。
ましてやこういった人種は、東雲忍の価値観において非常に好ましい。
もっともそれで手心を加えるつもりもないし、そんな余裕のある相手だとも思ってない。
全力でぶつかるだけだ。ーーー当日が楽しみである。

(…じゃが吉田サンはあがぁに尾藤サンとの戦いを嫌がっとったんじゃ?
 相手が不足しちょるなら、なおさら願ってもないじゃろうが)

132『尾藤ブラック』:2015/06/04(木) 00:29:09
>>131(東雲)

     スゥゥ

                      ペコリ


椅子から立ち上がり、一礼をする『東雲』。
それに倣うかのように『尾藤』もまた、一礼を返す。


        「え、えぇー、『東雲』さんの試合の日取りが決まりました。
         三日後の二十時より、『倉庫街アリーナ』で試合を行います。

         『Cランク同士』ですので、特殊ルールの適用はありません。
         各自、戦闘準備を整えてから『係員』の合図に従い、『入場』をお願いします」


         「ああ、『了承』した」  ニィィ


スマートフォン片手に難渋なシワを作ってみせる『吉田』に対し、
得意顔を晒したままの『尾藤』。踵を返し、ガラス戸を押し開ける。


         「愉しみにしているぞ、『東雲』。
          『初戦』は以後の道筋を決める、重要な闘いだ。
          くれぐれも、無粋な真似をして『汚して』くれるなよ――――」


捨て台詞を忘れること無く、その場を後にする『尾藤』。

133東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/04(木) 00:39:12
>>132

>        「え、えぇー、『東雲』さんの試合の日取りが決まりました。
>         三日後の二十時より、『倉庫街アリーナ』で試合を行います。

>         『Cランク同士』ですので、特殊ルールの適用はありません。
>         各自、戦闘準備を整えてから『係員』の合図に従い、『入場』をお願いします」

「了解しました」

吉田の言葉にはっきりと頷く。試合は三日後、入念にコンディションを整えておこう。

「胸をお借りします、尾藤サン」

尾藤の捨て台詞に対しては、年下として謙虚に。
だが、当然試合でも大人しくするつもりはない。
鮮やかには勝てない泥試合になるかもしれないが、負けるつもりは一切ない。
岩にかじりついてでも、打ちのめして、勝ってやる。

134『尾藤ブラック』:2015/06/05(金) 22:39:04
>>133(東雲)
静かなる闘志を内に秘める『東雲』。
二人を見守る『吉田』の目は、心配そうに伏せられていた。


===============================================================


三日後、夕日は完全に没した。
しかし、天井から吊り下がった投光照明が煌々と照り付け、
『アリーナ』の場内は眩いほどの熱光が迸っている。


   「紳士淑女の皆様、おまたせしましたァ!
    今夜、催されるはまさしく『刀拳乱舞』!
    かたや『古武道』の継承者、活殺自在のラスト・サムライ!
    かたや謎に包まれしルーキー、その拳はハガネを断ち割るか!?」


サングラスが特徴的なオールバックの中年男性は、
観客のボルテージを高めようと、マイクを片手に熱弁を振るう。
照明と共に天井から吊るされた『実況席』の上でテンションの高い前説をする男性、
その隣に鎮座するのは線の細い物憂げな美青年だ。


   「――――反らず曲がらず、そして何より『美しい』。
    花は桜木、人は武士。ならば『心』は『刀』なり」


       「実況は私、『森田三郎』!
        そして解説は『山本ユキト』がお送り致しますッ!」


   「さあ、『選手入場』です!
    赤コーナー、『東雲忍』ゥ!」    「出てこいやぁ!」


突如、照明器具達が一斉に光を消した。
周囲が闇に包まれる中、周囲の壁面に仕込まれた『LEDライト』に切り替わる。


             ブシュゥゥゥゥ――――z______


東雲の両サイドの地面から、赤い光を反射した『スモーク』が吹き出した。
『スモーク』の間に1mほどの『道』が生まれている。入場の開始だ。
ステージ内には『東雲』の所望した『ステージギミック』が確認出来る。
(『東雲』は希望する『ギミック』があれば選択可能。)

『東雲』の用意した音楽も鳴り響き始めた。否応にもテンションが高まる。

135東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/05(金) 23:37:52
>>134

(…よう作っとるわ)

倉庫街の一角にあるこの特設ステージを見て、思う。
さながらテレビなどで見る格闘技の舞台のようだ。
思えば小さい頃よりケンカは数え切れないほどしてきたが、こうして
人に見せる為のものとしてやるのは初めてだ。だからと言って緊張はしない。

「・・・・・・・・」

この解説者も言う通り、自分はルーキーであり『挑戦者(The contender)』だ。持てるベストを尽くし、相手を倒すことに集中する。
学ランの袖の中、右腕に巻きつけるようにしてあるロープを握りしめながら、入場しよう。(特に希望するステージギミックはなし)。


入場曲:Royal Crown Revue - The Contender
ttp://youtu.be/U6_XjrnPg9k

136『尾藤ブラック』:2015/06/06(土) 00:13:32
>>135(東雲)
掻き鳴らされるベースビート、けたたましいスウィング、
ロックのリズムを刻むが、ジャズの上品さを根底に秘めている。
――――『The Contender』。ゴキゲンなBGMと共に、『東雲』は入場する。


    「身長182cm、九州男児を連想させる精悍な目つき!
     船仕事で鍛えた肉体には、戦士の素質は十分ッ!

     今、未知の大海原へと、一歩を踏み出したッ!」


          「『戦闘経験』は皆無。外見に反して『新雪』のような男。
           雪解けに覗ける景色は果たして、荒野か野原か花園か――――」


解説席から飛び出す言葉からは、ルーキーの『東雲』をアピールする苦心が伺える。
煙の途切れた位置で足を留める。ここで後入場者を待つ形らしい。


   「さあ、『選手入場』です!
    青コーナー、『尾藤一騎』ィ!」    「出てこいやぁ!」


             ブシュゥゥゥゥ――――z______


『スモーク』の道を割って現れたのは、三日前に顔を合わせた『尾藤』その人。
格好も同じだが、けったいなギターケースの代わりに『日本刀』を帯刀している。
流れるようなラップのリズムさえ何処吹く風、泰然と歩を進めていく。


入場曲:Diggy-Mo 『サムライズム』
ttp://youtu.be/gZQYHvWEgK8


      「かの『宮本武蔵』も『五輪書』への記載を拒んだとされる、
       実践式剣術、『尾藤真正流』の継承者!

       刀は未だ抜かずッ  悠然と『ルーキー』を見定めます――――」

             「室内を想定した『居合』か、
              『刀』より鋭い『殺気』がまた『心地好い』――――」


照明が戻り、互いに顔を合わせる。その距離、『3m』。


       「おおおおおおおおおお!!!!!!!!」


           「尾藤ィー!」          「サムラァーイ!」


                 「ルーキー、やれぇぇ!!!」


      「ギミックを用意しなかったのか、アホが。
       お前が俺に勝つには、『小細工』以外に無いだろうにな」


              「さぁ、両者やる気十分!
               ノーレフェリー、時間制限なし!
               いざっ、尋常に――――」

                                   「――――『勝負』」


観客達の歓声が響き渡り、『尾藤』の挑発もそれに交じる。
『森田』の実況、『山本』の静かな言葉が試合の開始を告げる。


                       カァァァァ――――z_____ン!!



             『  G   O  N  G  !  !  』

137東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/06(土) 00:52:00
>>136
>   「さあ、『選手入場』です!
>    青コーナー、『尾藤一騎』ィ!」    「出てこいやぁ!」


>             ブシュゥゥゥゥ――――z______


あのギターケースの中に入っていた奴の得物は、日本刀か。
最悪の想定として軽機関銃などを考えていたが、少なくとも軍人ではないということか。
もっともこれだけの近距離で開始するなら、同じ手練れなら
大型の銃器よりも、日本刀の方が警戒すべきだろう。

しかし実況の通りの『居合』であるなら、必然的に片腕での斬撃となる。
力より速度で勝負するスタンドということか?
試合前の今の内に軽く周囲を眺め、尾藤が設置しさせたと思われるギミックがあるか確かめる。

>      「ギミックを用意しなかったのか、アホが。
>       お前が俺に勝つには、『小細工』以外に無いだろうにな」

「・・・・・」

最初から見える小細工を弄して、それに拘泥しあまつさえ敵に利用されることを恐れた。
『ルーキー』たる自分の判断だ、消極的と言われればそれまでだ。
だがまずはこの戦いで、『ザイオン・トレイン』をしっかりと理解する。

>              「さぁ、両者やる気十分!
>               ノーレフェリー、時間制限なし!
>               いざっ、尋常に――――」


                                   「勝負ッ!」


両拳を握りしめ、『ザイオン・トレイン』を発現。即座に能力を発動し、自身を『噴塩化』させる。
敵に対し半身の姿勢で、まずは待つ。このまま両拳と両足を『岩塩』で武装させたいところだが、
尾藤が攻めてくればそうはいくまい。敵が自ら踏み込んでくるタイプなのか、
それとも射程に入ってくるのを誘うタイプなのか、調べる。
すぐ攻めてくるのならば、またそれに応じて策はある。

138『尾藤ブラック』:2015/06/06(土) 01:16:06
>>137(尾藤)
周囲を確認するが、特殊な『ギミック』は存在しない。
実況も触れていない以上、何処かに『隠れている』こともないようだ。


           シュォォォォ.....


              「『東雲』選手、スタンドを発現しました。
               身に纏うスタンドではありますが、
               更に何かを『纏っている』様子です」


『ザイオン・トレイン』を身に纏い、その身に『岩塩』を吹き出していく。
そのスピードは『秒速5ミリ』、『岩塩』に変えて『武装』するには、
肉体と同程度の『厚さ』にまで『堆積』させなければならない。

しかし、『掌』や『足裏』であれば『数秒』程度で覆い尽くせる。
その間に『尾藤』の動きを待つ。『尾藤』は未だ、刀を抜か――――


       シュラッ

             「おっと、『尾藤』選手」


                     「『刀』を抜いたァァァ〜〜〜〜〜ッッ!!!」



                              スゥゥゥ――――


片手で刀を抜き放った瞬間、『尾藤』の姿は『消える』。
一拍遅れ、パネル床を踏む音と共に、風切り音が響き渡る。

                                         ビュオッ!


            「き、消えたァァァ〜〜〜〜〜ッッ!!

             『尾藤』選手、『刀』と共に姿を消したァ!」


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□?□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□東□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

□:闘技場内。床はコンクリートで、タイルの大きさは1x1m。
■:『2m』の高さの壁。その上は『金網』が張られ、会場と観客席を隔てる。
∴:観客席。会場を見下ろす形となる。
?:尾藤がいたであろう場所。

139東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/06(土) 01:36:10
>>138

ーーー刀を抜いた。つまりは仕掛けるということだ。
じっと尾藤の挙動に注目し、間合いを詰めてくるのに備え、迎撃を目論んだ瞬間。



>            「き、消えたァァァ〜〜〜〜〜ッッ!!


               「なっ・・・ッ?!」

これでは動作を注視するどころではない。本体のみならず、刀まで消えている。
これがヤツの『スタンド』か。
惚けている余裕はない、この床に踏み込む音、そして風切り音。既に攻撃は迫っている可能性が高い。

よっていまだ『岩塩化』していない両腕、それを利用する。
両手両足を即座に武装することは諦め、俊敏な動きでバックステップ。
同時に両腕を振り上げ、少しばかり積もった『塩』を前方に振りまく。
ただの目潰しの効果だけでなく、パラパラと砂のようなそれを当てることで、
尾藤は確かにそこにいるかどうか確認できるはずだ。なお自身の『噴塩』は継続する。

140『尾藤ブラック』:2015/06/06(土) 23:43:27
>>139(東雲)
『東雲』は両腕を即座に振り上げながら、バックステップを行う。


                   ゴガァッ!


『1m』ほど背後に飛び退いたが、その腕に確かな衝撃が伝わった。
これは『鞘』だ。投擲された『鞘』が両腕に命中し、『東雲』の両腕が痺れる。


    「『命中』ッ!  ファーストヒットは、『尾藤』選手が奪いました。
     鞘です! 鉄拵えの鞘を投擲しました、これは痛そうだッ!」


           「あッ、『尾藤』選手が姿を現しました。
            抜身の『刀』を手にし、『東雲』選手へ襲い掛かるゥゥ〜〜〜〜ッッ!!」



                ビュォォオオオ!!


『東雲』の視界の端に、横薙ぎに『刀』を振るう『尾藤』の姿が見える。
狙いは『脛』。確実に機動力を奪おうと―――――


                      フゥゥッ


またしても『消える』。
敵影を目指できないまま、『風切り音』だけが確実に迫るッ
『塩』のソナーもまるで無意味だ。ほんの数振りでは『乏しすぎる』。

141東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/07(日) 00:32:39
>>140

>                   ゴガァッ!

「ぐうっ…?!」

繰り出されたのは刃ではなく、投擲された鞘。いきなり初撃に賭けるのではなく、
まずは牽制として腕を潰す。鞘にこんな使い方があったとは。
実戦式剣術というのは、伊達ではないようだ。

そして本命の二の振り。狙いは脛。
姿の見えない相手に対して機動力を削られるのは非常にマズい。
逆に距離を詰めて威力を殺すリスキーな選択もあるが、危険過ぎる。
腕も使えない以上、ここは回避に全力を注ぐ。

尾藤が現れ、刀を振った側とは反対の斜め後ろへ、転がるように回避したい。
今度はただ後ろに下がるでは逃げ切れず、食らってしまう恐れがある。
それに上方向への跳躍を加え、斬撃を上手く飛び越えられれば上々だ。
できることなら背中側に手をついて転倒を防ぎたいが、腕が痺れてうまくいかない可能性もある。
その場合は、文字通り背中から着地し、床を転がって距離を取る。

少なくとも、尾藤は消え続けたまま攻撃はできないようだ。それなら打開策はあるはずだ。

142『尾藤ブラック』:2015/06/07(日) 23:29:54
>>141(東雲)

         バッ

                   ズザザザザザァァァ―――z____


      「『東雲』選手、危うく回避ィ!
       受け身を取りながら距離を保つゥ!」


壁際に埋め込まれた『スピーカー』から実況の声が響く。
『尾藤』の姿こそ見えないが、斬撃の回避には成功した。
床上をゴロゴロと転がる。全身に衝撃を散らし、辛うじて『怪我』だけはない。


          スゥゥ...
                         「地べたを這いつくばるか、『東雲』ェ!」

刀を構えたまま、姿を現した『尾藤』が吠える。
その刀身は『鏡面仕上』のように、曇り一つない。
刀匠の『執念』さえ伺える作りこみだ。


           「あ、あの刀は!?
            『鏡面仕上げ』です! 互いの顔がピッタリ映り込んでいます!
            実戦に耐え得るだけの『名刀』と思われますが、
            これは後々の加工でしょうか!? 何を思ってこんな作りにしたか!?
            やはり、『新潟』の職人が一生懸命磨き上げたのでしょうか!?」


           「『研鑽』を重ねた『人生』が『鑑』と称えられるように、
            『生涯』を費やした『傑作』もまた、『美しい』――――」


地面の上を這う視線、『東雲』の視界には『床板』に繰り抜かれた『穴』、
『一円玉』程度のサイズの穴にピッタリと設置された『ノズル』が映る。
これは『スモーク』を噴出させる『ギミック』だ。


                    フゥゥ...


またしても『尾藤』の姿が消える。

       


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□尾□□□□■∴
∴■□□□□□◎□□□□□■∴
∴■□□□□□□\□□□□■∴
∴∴■□□□□□□東□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

143東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/07(日) 23:34:21
>>142 質問

・鞘を受け止め痺れた腕は、現在どれほど回復したでしょうか?
・スモークの『ギミック』を起動させるスイッチは、ステージ内に設置されているでしょうか?

144『尾藤ブラック』:2015/06/07(日) 23:37:18
>>143
>・鞘を受け止め痺れた腕は、現在どれほど回復したでしょうか?
痺れはまだ残っている。

>・スモークの『ギミック』を起動させるスイッチは、ステージ内に設置されているでしょうか?
ない。

145東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/08(月) 00:20:49
>>142
>                         「地べたを這いつくばるか、『東雲』ェ!」

「…最後に立つためなら、何度だって膝をつく覚悟じゃ」

尾藤の言葉に返しつつ、立ち上がろうとする。腕が痺れていても、肘までが動けばそれくらいはできるはずだ。
そして、尾藤の携えた日本刀が見えた。まるで『鏡』のように美しい作りだ。

「………」

以前父親が言っていた、物体というのは光が当たるからこそ、目に見えるのだと。
例えばそこに物体があっても、光をねじ曲げられると、まるでないかのように認識してしまうらしい。
『蜃気楼』というのはそういう現象が関係しているらしい。
可能性の一つはそれだ。尾藤はあの刀を使い、光を反射させ自らの姿を隠している。

もしこの過程が事実だとするなら、一つ問題が生じる。
というのも、尾藤が自らの目に入るはずの光も反射させてしまっているのなら、
消えている最中は、敵はおろか全ての視覚に依存する情報を失ってしまうということだ。
適宜『透明化』を解除する理由として、敵の位置を確認するためとするなら、筋は通る。

が、あくまで予想であり、ここまで決め付けるのはまだ早い。
仮にAが事実だとしても、Bに繋がるとは限らない。それが『スタンド』だ。
いま確かめるべきは、『透明化』にあの刀が関与しているかどうかだろう。
両手はまだ満足には振るえない。この状態で行動を取る必要がある。


まずは人並み外れた膂力で、床を強く踏み抜き、左へとステップで移動。
衝撃による誤作動でスモークが起動すれば御の字だが、そうでなくとも
破壊が起きれば瓦礫や、砂煙が生じるはずだ。それに期待したい。
また仮に尾藤が直線的に、移動した先へと向かってきたなら、
そのコースはいまだ『噴塩』を続けている自分が転がったルートを通過する。
その際は、こちらへと移動する際に音が聞こえると思われる。

146『尾藤ブラック』:2015/06/08(月) 01:11:11
>>145(尾藤)
透明化の正体を『光学迷彩』の一種と推理する『東雲』。
両腕の『痺れ』を考慮し、まずは距離を取る。


            バスンッ!


地面を思いっきり蹴り飛ばし、『左』へステップ移動。
スモークは発生しない。もしも『誤作動』を狙うのであれば、
埋め込まれた機械を『殴りつける』くらいの『精度』は必要になるだろう。
板上からの衝撃は、流石に『アリーナ』も想定してセッティングをしている。
(『移動』が主体の為、『衝撃』が抜ける『踏抜き』は出来なかった。)


               「おのれェ!」

                    「ちょこまかと!」


透明になったまま、『尾藤』の悪態が聞こえてくる。
どうやら、『東雲』のスピードには追いつけないようだ。
そして、『足音』を消す程の『技術』は備えていないようだ。


                    ダダダダダダッ!


        「姿を消した『尾藤』が迫るッ!
         さぁ、『東雲』はどうするッ!?」


足音が接近してくる。
此方に迫ってくるのは解るが、正確な位置は掴み取れない。

ふと、『東雲』は二つの違和感を覚える。
一つは『尾藤』だ。先ほどの二回と異なり、『透明化』の時間が長い。
ほぼ一瞬だった前回と違い、既に『3秒』以上経過している。

もう一つ。
――――『会場』だ。何処か『トゲトゲしい』雰囲気を覚える。

147東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/08(月) 21:10:14
>>146

>               「おのれェ!」

>                    「ちょこまかと!」


ーーー見えている。『透明化』中もこちらを認識している。となると、光の屈折によるものではないようだ。
視覚以外の情報に頼っている可能性もあるが、ひとまずその線は外していいだろう。
そして『足音』は聞こえる、塩の仕掛けがなくとも敵の移動は近距離でなければ、察知できる。
距離を詰められてしまえば、走る必要などないため奇襲を受けるだろうが。

そしてこの違和感。もし『透明化』のままでも敵をずっと認識できるなら、
解除の必要はない。にも関わらず尾藤が姿を現したなら、呼吸を整える時間が必要だと考えられる。
しかし、今回は透明化の時間が長い。先ほどとは違う条件がある。

また、このどことなく嫌な雰囲気のする会場。学校で目をつけられ、上級生に呼び出され囲まれた時を思い出す。
あの透明化の仕掛けが会場にあるのか、それとも透明化に限らないスタンドの応用か。

「ちぃとばかし待っとれ!」

反撃の手はずは、両腕が完全に回復してからだ。右袖の中に隠したロープを、
スタンドは通常物質に干渉されないという特性を活かし、腕を振るって先端を少し『ザイオン・トレイン』より出す。
そして円を描くように、左方向へと走り出す。そのまま斜め上へと。
(MAPイメージ的には、左へ三マス移動してから斜め上へと二マス移動するように)。
速度で勝るという利点を使わない手はない。
時間を稼ぎつつ、会場の様子を確認し『違和感』の正体を探りたい。

148『尾藤ブラック』:2015/06/08(月) 22:51:44
>>147(東雲)
スピードという武器を活かし、フィールドを逃げ回る『東雲』。
姿を現す理由を『インターバルの必須』と推理しながら、
両腕の回復を待って逃げ続ける。


                シュルッ


袖に隠した『ロープ』を取り出し、走り続ける。
会場の様子を確認するが、目立った『変化』が見えない。
――――見えない『変化』が確実に起こりつつある。



           「……おい、どーいうことだよ」


                      「逃げてるだけじゃねぇか」


          「つまんねぇぞルーキー!」


                      「テメェ―、何がサムライだよ!」


          「さっさと殴れやヴォケェ!」



            ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャア!!!


痺れを切らした観客達が金網を掴んで揺すり始める。
尋常ではない『民度』の低さだ。思わず、実況も驚いたかマイクを取り落とす。


              ガガッ
                        ピィィ――――z____!!


     「か、観客の皆さん! ど、どうか落ち着いてください!

      し、しかし『尾藤』選手! 中々姿を現しません。
      一体どーしたのでしょうか? 『東雲』選手のスピードに恐れを成したか」


ビビった『森田』は実況席で早口を捲し立てる。

                                スゥゥ


            「誰がビビるか、貴様じゃああるまいし。
             我が愛刀、『鏡花水月』も血の花をお望みだ」


                          ガァァ
                                    ピィー!


                      「貴様の死に顔を、この『やいb ピィー!』に映してやるぞ」


                                             フゥゥ...


マイクからの異音が響く中、『尾藤』が消える。
会場のブーイングは止まらない。
罵詈雑言の響き渡る場内、『東雲』が唯一人そこにいる。
痺れは抜けた。……が、殴るべき『敵』の姿はなく、
遠巻きの大衆達に一方的な罵声を浴びせられる。


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□東□□□尾□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

149東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/08(月) 23:08:18
>>148

「じゃかあしいのう」

外野はどうでもいい。自分はプロレスラーのように、観客を楽しませに来ているのではない。
あくまで相手に打ち勝つため。そしてそれは相手の尾藤も同じことのはずだ。

(…仕込んどるんか?)

見えない変化を感じさせる場内を見て、思う。
隠すのは、自分の身体やその周りのものに限らないということか?
それを確かめてみよう。

即座に足を止め、左手でロープの端を掴みながら、尾藤がいた方向を確認する。
一気に引き抜き、右手でロープの中ほどを握って頭の上に掲げよう。
そしてあたかもカウボーイの投げ縄のごとく、残りの半分を右手で振り回しながら、『噴塩化』。
先ほどの両手に乗った塩をかけるだけでは探知としては使えなかったが、
約50cmの幅に秒速5mmで積もる『塩』。周囲へ振り回せば相当な範囲と量となるだろう。
これを用いて、敵や仕掛けの位置を確認できるか、否か。

ちなみに止まることで、自身の『岩塩化』も少しずつ、及びロープ残りの半分の『岩塩化』は即座に行われるだろう。

150『尾藤ブラック』:2015/06/08(月) 23:44:46
>>149(東雲)

               ヒュォンッ

                          ヒュォンッ


ビニールロープを振り回し、『塩』を降らせていく『東雲』。
『尾藤』との距離は『5m』前後。その位置までは『塩』が届かない。
無風の室内では『塩』を届ける術はなく、『東雲』の周囲に『塩』が降り積もるのみ。


         「か、替えのマイク! 早く!」


         ピッ
                   ピィー!


     「『東雲』選手、取り出したロープを振り回すゥ!
      何でしょうか、白い『結晶』が降り積もっています。

      『東雲』選手、ここで『名誉挽回』かァ!?」

                               ガッ
                                       ピィー!


                        「やらせねェよぉ!」


                  バビュォッ!


先ほどの『風切り音』、それを認識したのは遅かった。
振り回す『ロープ』の音に紛れてしまい、マトモに聞き取れなかった。
『尾藤』が足を止めた位置、それは先ほど『東雲』が初撃を受けた場所。


            ―――――バキィッ!


                             『鞘』の落ちていた場所だ。


       「直、撃ィィ〜〜〜〜〜ッッ!!

        アバラのへし折れた音です! クリーンヒットォ!
        これは手痛い一撃です!」


                   「不可視故に、人は恐れる。
                    骨の軋る音に初めて、人は理解する――――」


『塩板』を砕いて威力が減じていたのが幸いした。
『実況』と異なり、『骨』の砕けるほどのダメージは受けていない。
――――だが、『呼吸』は乱れ、『激痛』が駆ける。
膝を着いて崩れ落ちそうになるも、辛うじて堪える。


                    スゥゥッ...


距離『2m』。刀を上段に構えた『尾藤』が姿を現す。
『両足甲』、『左手甲』にのみ、『岩塩武装』が完成する――――

151東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/08(月) 23:49:25
>>150 質問

・落ちていた鞘は、いつの間にか透明になりましたか?
 それとも、拾ってすぐさま投げてきましたか?

152『尾藤ブラック』:2015/06/08(月) 23:52:36
>>151

>・落ちていた鞘は、いつの間にか透明になりましたか?
> それとも、拾ってすぐさま投げてきましたか?

見えていないので不明だが、恐らく『後者』と思われる。

153東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/09(火) 00:11:11
>>152 質問

回答感謝します。

・見えていない、というのは周囲や敵の姿を探していたが、
 いつの間にか透明化に気付けなかった、という認識でいいでしょうか?

154『尾藤ブラック』:2015/06/09(火) 00:14:30
>>153

>・見えていない、というのは周囲や敵の姿を探していたが、
> いつの間にか透明化に気付けなかった、という認識でいいでしょうか?


>マイクからの異音が響く中、『尾藤』が消える。
>会場のブーイングは止まらない。

>>148で既に『透明化』している。

155東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/09(火) 00:20:15
>>154 質問

誤解を招く質問で申し訳ありません。

>>140で『鞘』だ、とあったので投擲された鞘は可視化されていると思っていましたが、
 ひょっとして、ずっと『透明化』されていましたか?

156『尾藤ブラック』:2015/06/09(火) 00:23:46
>>155

>・>>140で『鞘』だ、とあったので投擲された鞘は可視化されていると思っていましたが、
> ひょっとして、ずっと『透明化』されていましたか?

別段、床に落ちている段階では『透明化』はされていない。
唯、『尾藤』が手にした瞬間(と思われる)、『透明化』した。

157東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/09(火) 00:34:38
>>150 質問

なるほど、理解しました。最後の質問です。

・『岩板』を砕いた、とありますが、まだロープは健在でしょうか?

158『尾藤ブラック』:2015/06/09(火) 00:38:32
>>157

>・『岩板』を砕いた、とありますが、まだロープは健在でしょうか?

健在。半分は『岩塩棒』と化している。

159東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/09(火) 22:15:32
>>150

>            ―――――バキィッ!

「〜〜〜〜〜があっ!」

走る激痛を、歯を食いしばって耐える。
『不可視』というのは想像以上に厄介だ。例え行動のタイミングが分かっても、反応が間に合わない。
だが少なくとも見える範囲内の『5m』、特に仕掛けはないようだ。
先ほど(>>146)尾藤は接近するように走ってきたようだが、
しばらく隠れた後、姿を表した時(>>148)はあまり移動していなかった。
その時点で何かをしていたなら、そこの周辺ということになる。
また同じ手を使ったことからしても、遠距離攻撃の手段は極めて少ないはずだ。
刀を投擲しなかったのは、やはり『透明化』が解除されるからか。

現在の彼我の距離、『2m』。姿を現した尾藤。
こちらを仕留めに来ているのか。だが、今ならこちらも敵が射程内に含まれる。
現在手にしている『1m』のロープ、そして腕の長さを含めれば一歩の間合いだ。

「ゥオラァッ!」

右手のロープに対する握りを逆にして、端までスライド。強く握りしめ、
前方に踏み込みつつ尾藤の胴体目掛けて横になぎ払う。
半分の『岩塩化』している部分を敵に叩きつけるのだ。
今までの相手の動作から、膂力も速度もあくまで人間の範疇を超えないことは分かっている。
回避するにせよ、防ぐにせよ、見てから反応するのでは十全とはいくまい。

が、何らかの手段で回避されることも想定しておく。その為に『左手甲』は反撃に備えて構えよう。

160『尾藤ブラック』:2015/06/10(水) 23:03:13
>>159(東雲)
透明化を解除し、一足飛びに間合いを詰める尾藤。
そのまま刀を振り下ろすが、その表情が変わる。


         ダッ

                「な、何故だ」
                                        l_/
                          「何故、『見えてい』 ク

                                      ボ
                                      ォ /
                                       ・


                  「強・烈ゥゥ〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!

                   硬化した『ロープ』が、『尾藤』選手の脇腹ァ!
                   クリーンヒット! 二遊間を抜ける勢いだァ!」


一瞬にして、浮かべる『焦燥』は『苦悶』へと燃え上がる。
互いに間合いを詰め、縦横に『得物』を振り抜く、刹那。

先制を仕掛けた『尾藤』だが、『ザイオン・トレイン』のスピードは常人を上回る。
何年も何十年も修行をして『剣術』を習得していようと、その速力は『凡人』程度でしかない。
つまり、この一戦においては全くの『無意味』だ。何の『優位』もあるわけがない。
全く当然のように、振るわれた『塩棒』は脇腹を穿ち、真っ二つにへし折れて役割を終える。


                     ドダッ

                                ゴロロロロロロロ―――ーz____


           「無様に転がる『尾藤』選手、しかし刀は離さない!
            ここで離せば勝機はない! 溺れる『尾藤』選手にとっては藁にも等し―――」


                                  スゥゥ...


またしても『消える』。
転がる音が遠ざかりながらも、その姿を確認することは出来ない。
――――『尾藤』の動揺。『何故見えたか』、と問うように嘆いた。
つまり、『ザイオン・トレイン』と違い、『尾藤』の意思一つで『発動』出来る能力ではない……。

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□↑□□□□□□■∴
∴■□□□□|□□□□□□■∴
∴■□□□□?□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□東□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

?:『尾藤』の消えた位置。矢印は直前の軌道から予想される『進行方向』。

161東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/11(木) 03:56:04
>>160

「・・・まずは一撃っちゅうとこか」

この打ち合いで判明したことは二つ。
やはり尾藤の身体能力は、人間の範疇に収まる。既に尾藤が構えていても、多少の不利ならば速度差で打ち勝てる。
そしてもう一つは、何より重要だ。尾藤は自由自在に消えられるわけではない。
更にに言うと、自身が消えているかどうかは自分では確認できない。
今この何らかの状況に、尾藤が予想外の何かがあったということだ。

刀による初撃(>>140)では、ヤツは攻撃しながら消えていた。刀の攻撃と同時に解除されるわけではない。
他に先ほどと違う環境と言えば、床に大量の塩が散乱していることか。

すぐ側に落ちているであろう、刀の鞘を左手で拾い上げつつ、人間並に速度を落として北側へと向かう。
(イメージとしては、MAP左方向に一つ分移動し、その後上方向に向かう)
速度を落とすことによる狙いは二つ。
一つは、自身の『岩塩化』を進めて装甲を纏う部分を増やすこと。
人間並の速度で動けば、関節を除いた全身が少しずつ『噴塩』した塩が重なっていく。
そしてもう一つは、集中して音に注意したい。床を転がっている以上、立ち上がる時に
何らかの音がする可能性がある。それなら現在の居場所が分かるはずだ。
這った状態で接近してくる可能性もあるが、それはそれで素早い動きが出来ない。
音がしなければ、また塩による探知を使える。





・ちなみに、ロープは『岩板』が砕けた時にその部分は千切れたでしょうか?
 それとも『岩板』は砕けたが、芯のロープはそのままでしょうか?
・スモークのギミックがある範囲は、MAP下側のみでしょうか?

162『尾藤ブラック』:2015/06/12(金) 02:47:07
>>161(東雲)

      「ウォォォォ―――z_____ッッ!!」


                    ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ!!!!


先ほどまで『ブーイング』の嵐だった観客達も、さらっと掌を返して歓声を上げる。
『東雲』の名を叫ぶ声が響く。しかし、その呼声は『東雲』にとって『逆効果』だ。
『実況』の声も相まって、『音』への注意が乱される。微かな物音は掻き消されてしまう。


      「『東雲』選手、一撃を    ザザァ   ヒットォ!
       人外の膂力で振るわれた『棒のようなもの』、- -ザザァ -ーだが威力は十分!
       『尾藤』選手のアバラは確実にへし折れたでしょう! さぁ、もう後がないか!?」


                   「――――否、身一つならば『守護』の配慮は必然。
                    『受身』、『廻受』、『消力』、いずれも『格技』の基礎基本」


ノイズ混じりのスピーカーから、実況が響き渡る。
その声を尻目に刀の鞘を拾い上げ、早歩きで北方向へと向かう。
一歩、二歩、三歩、『首周り』、『両脛〜足首』、『両前腕〜掌』に『岩塩武装』が完成する。



               スゥゥ...


                  「チッ、さっさと『マイク』を換えろッ!
                   雑音が耳障りだろうがッ!」


追い詰められての悪態か、実況席へ怒鳴りながら『尾藤』が姿を現す。
『尾藤』は既に立ち上がり、刀を構えている。大きな『負傷』の形跡はない。
『塩棒』の損壊によって撃力が吸収されたか、体力は『東雲』と同等といったところだ。


           「ここまで俺を追い詰めたのは、お前が初めてだ。
            褒めてやるが、――――ここからは『真髄』を見せてやろう!」


                              「テメェーこれが『初戦』だろうがッ!」


                              「イキってねェでとっとと攻めろや!」


距離にして『1m30cm』、互いの拳の間合い。
状況は身体能力に勝る『東雲』が有利。会場の心象も『東雲』に向いている。
しかし、刀の切っ先を突きつけ、『突き』を放とうとする『尾藤』は、不敵な笑みを浮かべる。


           「俺が、お前の『能力』を『理解』したとしたら、どうする?」


              ペロォ...


口角に舌先を這わせる『尾藤』。そこには『塩粒』が付着している……。



∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□尾□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□東□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

163東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/12(金) 20:59:46
>>162

(こうまで血の気があるんじゃけぇ、格闘技でもやっとったらええじゃろうに)

にわかに騒ぎ立てる観客の声を耳にして、思う。
もっとも、うるさいのは観客だけではなくて実況もだが。
それに関しては尾藤も同じようだ。能力に音が関係しているわけではないと思うが、
やや神経質にがなり立てている。自分の言葉が中断されるのが嫌いなタイプなのかもしれない。

(…っちゅうか、アンタも初戦じゃったんか)

尾藤の構えは『突き』。動作の前モーションを少なくして、速度差を補おうという考えなのか。
しかし今度は『透明化』を使わない。否、使えないのかもしれない。

>           「俺が、お前の『能力』を『理解』したとしたら、どうする?」

「…だとしても、それがどうしたんじゃ」

攻撃を食らった際に、破片の中の塩を文字通り食らったか。
だが、だからといって『ザイオン・トレイン』は簡単に対策が打てる能力ではない。
強いて挙げるなら、『水』だ。塩は水に弱い。しかしそれが分かったからと言って、
極度に不利になるわけではない。能力だけではない、この格闘性能もまた『ザイオン・トレイン』の強さなのだから。

「フッ!」

左を前にした半身になりつつ、左手に握った鞘を振るい、尾藤の刀身、その鍔近くを狙って横から叩く。
鉄製の鞘の重さは、このパワーでカバーできる。スピードの関してはそろそろ『岩塩鎧』による重さが影響してくる頃だが、
全身に纏わない限りはまだ一般人よりは速い動作ができる。
刀を手放せば上々だが、放さずとも衝撃は尾藤の手元に来る。そうすればスキができる。
尾藤がそのまま突いてくるにせよ、刀を引くにせよ、打撃は当てられるはずだ。
尾藤のここに立っている姿が幻覚でもなければ。

164『尾藤ブラック』:2015/06/13(土) 00:30:55
>>163(東雲)
「そう、これが『鏡花水月』のしんず――――」


                   ベゴォッ!


『突き』を放つ『尾藤』を牽制するように、
『東雲』の振り落とした『鉄鞘』が『尾藤』の『手首』を打ち据えた。
『東雲』の懸念通り、『岩塩武装』を施した肢体の『スピード』は低下しているものの、
それでもまだ常人よりは速い。『予想』しようと、『理解』しようと、『能力差』の前には無力だ。


            「ンガアアアアァァァァァァッッッ!!!!」


                  「最早、『東雲』選手の独壇場!
                   『鬼に金棒』とはまさにこのこと、
                   やはり『鞘』を捨てたのは『死亡フラグ』だァァ〜〜〜ッッ」


              「うおおおおおお!!!!」


                           「東雲!」
                                      「マッスルゥゥゥ――――」


『手甲』によって『握力』こそ減じたせいで、『鉄鞘』の勢いは減じている。
しかし、それでも『尾藤』の左手首をへし折り、絶叫を上げさせるには十分過ぎる。
『尾藤』の突きは『死に体』となり、『東雲』の右側を倒れこむように通り過ぎて行く。


              ゆらぁぁ...


揺れる身体、伸び切った腕、――――『東雲』は『刀身』を無意識に覗き込む。
さながら『湖面』のように嫋やかな『刃筋』、その根本に彫られた『銘』。


              『鏡花水月』


                               「お前、『見たな』」


                    グニャァァァァァァァ......


              「き、消えたァァァ〜〜〜〜〜〜ッッ!!

               『尾藤』、またしてもッ!」


一体、何度目だろうか。『尾藤』は再び姿を消す。
……だが、今度は勝手が違う。


                          シィィ〜〜〜〜ン


『無音』だ。『足音』も、『息遣い』も、『声』も聞こえてこない。
すぐ傍にいるはずの『尾藤』、その『存在』が感じられない――――

165東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/13(土) 01:13:01
>>164 質問

>>161の下部にある2つの質問に、ご返答頂けるとありがたいです。

166『尾藤ブラック』:2015/06/13(土) 01:16:21
>>165
ごめんなさい。

>・ちなみに、ロープは『岩板』が砕けた時にその部分は千切れたでしょうか?
>それとも『岩板』は砕けたが、芯のロープはそのままでしょうか?

ロープはそのままです。


・スモークのギミックがある範囲は、MAP下側のみでしょうか?

∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□煙□煙□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□煙□煙□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□煙□煙□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□煙□煙□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴∴■□□□煙□煙□□□■∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

この位置。

167東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/13(土) 20:48:48
>>164

「このケンカ、もらったァ!」

小手を放ち、尾藤の手首をへし折った。それでも刀を手放さない敵の姿勢は見事だが。
しかし自分の有利は揺るがない。
尾藤が倒れ込むのなら、自分は『ロープと鞘』を捨ててマウンティングの
体勢で、刀の間合いを潰し一気に勝負を決めるーーー。

が、その前に尾藤の刀、『鏡花水月』の銘を見てしまう。
途端に尾藤の姿のみならず、今まで尾藤の存在を感じさせていたものがなくなっていた。

(より深い術中にハマっちまったっちゅうことか…!)

この状況、足を止めるのはマズい。
先ほど(>>147)で確認した限り、自分の斜め後方に、またスモークのギミックがあったはずだ。
そちらへと飛び退き、『岩塩鎧』の重量をプラスしたパワーで床を踏み抜く。
誤作動を期待したい。自分だけでなく、敵も視界が利かない状態にすることで難を凌ぐ狙いだ。
またギミックが発動しようがしまいが、なるべくまたすぐに飛び退きたい。
発動した場所に止まっていては、煙幕の効果はないからだ。

168『尾藤ブラック』:2015/06/15(月) 00:44:32
>>167(東雲)


               ガボォッ!


                            ブシュゥゥ――――z____ッッ!!


飛び退いた『東雲』は地面を踏抜き、『スモークマシーン』を蹴り壊す。
蓄積された『二酸化炭素』は一気に噴出し、白煙を吹き上げる。


              「東雲ッ  ここで『スモークマシーン』を破壊ッ!」


         「                 」


                  「                   」



               「こ、ここでッ   『尾藤』の勝利宣言だァッ!
                『手首』を折られ、身体能力にも劣る中、
                確かに『ホームラン』のポーズを取ったァ!」


                        「『血染め』の刀を手に、未だ『闘志』は十分ッ!」



           「な、何言ってるんだコイツ」

                                 「でも、でもやるんじゃねェのか?」

実況と観客がどよめいている。
姿が見えず、物音が聞こえないのは『東雲』だけだ。
吹き上がった『スモーク』は二人の間を立つ『煙幕』となる、もう少しの間続きそうだ。


∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴
∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴■□□□□□□□□□■∴∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□煙□□□□□□■∴
∴■□□□煙煙煙□□□□□■∴
∴■□□□東煙□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
∴■□□□□□□□□□□□■∴
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∴∴∴■□□□□□□□■∴∴∴
∴∴∴∴■■□□□■■∴∴∴∴

169東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/15(月) 22:47:44
>>168

スモークで何とか時間稼ぎはできそうだ。この間に打つ手を考えなくては。
実況や観客の、尾藤の様子を伝える声が聞こえる。

(…わし以外の人間には、声は聞こえとる、姿も見えちょる)

先ほどまでの自分や、実況の人間の進行度を『第一段階』とするなら、
今の自分の、尾藤の姿も見えず音も聞こえない状況は、『第二段階』というわけか。

姿が見えない以上、ここは全身に『岩塩』を纏い刀を通じなくさせるーーーのは悪手。
尾藤が手にしているのは『血染めの刀』、つまりは『水』に濡れている。
やはり『ザイオン・トレイン』の特性は理解されている。
濡れた刀を前にしては、『岩塩鎧』もただのハリボテとなる。

しかし、自分は今に至るまで一度も刀傷を食らっていない。
つまりその血は、尾藤が自傷したものとなる。今回の『秘匿化』が
どこまで尾藤の存在を消してくれるのか?尾藤自身の身体から離れた血液まで消せるのか?
それが否なら、足跡代わりに見つけられる可能性もある。

ひとまず自身の『岩塩』を解除、スピードを得てとっさの対応力を上げる。
そして両手の『ロープと鞘』を『噴塩化』させ、岩塩を纏い次第、地面に叩きつけ破片を前方に撒き散らせる。
例え足音や姿を消せたとしても、そこに存在がある限り、物体をすり抜けることはできない。
破片を避けて回り込むなら、必然的に尾藤の進行は遅くなるはずだ。

170『尾藤ブラック』:2015/06/16(火) 00:09:13
>>169(東雲)
実況、観客にまで姿を見せない状況を『第一段階』、
自らにのみ『感覚』を与えない状況を『第二段階』と位置付ける。


                     ――――バシュンッ


自身の『岩塩武装』を解除し、スピードを向上。
両手の『ロープ』と『鞘』に『岩塩』を纏わせ、周囲に撒き散らす。
――――だが、『スモーク』の吹き出す音、互いを分かつ『白煙』、
床に落ちた『岩塩』の細かな状況を知る術は、『東雲』にはない。



               ブ   シュバッ!


       「         」

                       「           」


       「命中ッ!  血の花が咲く! 鉄の雨が振るッ!

        『尾藤』選手の猛攻に、為す術のない『東雲』選手ッ
        『赤い夢』は終わらないィィィ―――――ッッ!!」


『東雲』の右手首、右太腿が切り裂かれ、『出血』を放つ。
鼻先から『風』を感じる。血の滴が頬に付着する。真正面だ。
最短ルートを突っ走り、『真正面』から『東雲』を切り裂いている。
――――恐ろしい話だ。『痛み』を感じず、『痛覚反射』による回避さえ働かない。

だが、『流血』へと『着目』していた『東雲』の観察眼が活きた。
スモークと混じらぬ『赤色』、床に落ちる『血雫』は数を増している。
大まかな位置は、特定出来る。『真正面』だ。

171東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/16(火) 01:46:19
>>170

(『秘匿化』、ここまでかッ!痛みすら感じさせんとは…!)

煙が消えるまでは慎重に攻めてくるかと思ったが、完全に防御は捨てている。
もはや短期決戦ーーーそれも向こうは勝つつもりだがーーーに決め込んだようだ。
動ける内に、決めてやる。

左手の鞘を即座に捨て、右手のロープを奪い、そのまま『真正面』へと向けて横から振るう。
もし右手にまだ、まともに振れる感覚があればそのまま振るう。
同時にロープを『噴塩化』。このロープは『1秒』あれば『岩塩化』する。
敵に巻き付いた状態で止まった場合だ。ましてや、巻き付いたロープが
一周してロープの一部分に接触すれば、そこで完全に岩塩化して『固定』される。
一部分に血液が流れているくらいならば、捉えるのに支障はない。
また服は『血液』を吸い取って、服から絞り出しでもしない限り解除はされない。
全身に血液を纏っている可能性もあるが、どちらにせよ敵の詳細の位置が分かればいい。

固定されれば逃げようがない、数少ない敵を捉えるチャンスだが、
どちらにせよ手応えがあった時点でロープを握ったまま、そこの位置へと肩からタックルをする。
可能ならば、そのまま刀の間合いを潰して至近距離戦へと持ち込む。

172『尾藤ブラック』:2015/06/17(水) 00:03:45
>>171(東雲)

               ブシュッ

                         ブッ


右手からの出血は夥しいが、『筋』を斬られなかったのは幸いだ。
『東雲』の選択は早い。『鞘』を放り捨て、『ロープ』を振るい当てる。

           ギュ             「こ、これはァァ――――」
             ァ
           /
          ・                          「捕らえたァァ―――」


絡み付いたロープは即座に『岩塩化』し、『尾藤』の動きを留める。
その瞬間、

          「き、さまぁ!」
                            ズァァ!


噴出する『スモーク』も切れ、掻き消える煙から『尾藤』がその姿を現した。
先ほどへし折った『右手首』から『鮮血』を垂れ流しているが
胴体に纏わり付いた『ロープ』からは遠く、流れる血液が染み込まない。
動きを拘束したまま、『東雲』はタックルをぶちかます。


            「お、おごおおおおおお!!!!!」


                          バッグォォ―――z____ッッ!!


片足を負傷したタックルは出足こそ遅かったが、
それでも身動きの取れない『尾藤』を倒すには十分だった。
その場に尻餅を付いた『尾藤』。刀もまた、地面に転げ落ちている。


                            「貴様、見たな――――」


不敵な笑みを浮かべる『尾藤』の傍に、『鏡花水月』の銘が見える。
――――が、先ほどと異なり、『尾藤』の姿は消えない。

173東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/17(水) 00:28:55
>>172

               「もうあんたの言葉は聞かん」

捕縛は成功、ロープは固定された。これでもう尾藤は逃げることはできない。
万が一ここで逃がしてしまえば、こちらは負けてしまうだろう。
だから確実に仕留めるための、追い打ちだ。

タックルで転倒した尾藤に、自身に『噴塩化』を再度施しながら、左足で地面を蹴り胴体の上にのしかかる。
そして自分の重量を『噴塩化』で更に増やしながら、無事な左拳を握りしめ、
尾藤の顔を殴りつける。殴った後は、更に裏拳で殴る。それを可能な限り、奴が気絶するまで繰り返す。

     「お」

                         「ど」

               「りゃあああああああああーーーーーz______ッ!」

174東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/17(水) 01:27:51
>>173 追記

殴る前に邪魔になるロープは手放しておく。のし掛かりが成功すれば、どちらにせよ逃げられまい。
仮にのし掛かりの前に逃げられたとしても、ロープは目印になるはずだ。

175東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/17(水) 19:43:09
>>173->>174 追記

尾藤の身体にのし掛かりが成功した際は、尾藤にも同時に『噴塩化』を行使する。
『ザイオン・トレイン』と違って、尾藤は通常の人間だ。つまり生み出される塩も、実体化している。
全身から噴き出す塩は、また瞳からも発生する。倒れて動けない状態では、
積もる塩が尾藤の視界を塞ぐのに役に立ってくれるはずだ。

176『尾藤ブラック』:2015/06/18(木) 00:55:42
>>173(東雲)


            ニヤリ...


                      「もう一度、だ……。
                       『尾藤真正流』の『ヤワラ』、とくと」


姿が消えたと誤解した『尾藤』は倒れた身体を捻り、
そのまま『足関節』を取って地面へと引き倒そうとするが――――


                     ゴガァッ!


         「乱打、乱打が入る! パウンドによる『死刑執行』ッ!
          止まらない、『東雲』選手は止まらないッ!!」


           ボズッ
                                    ごギィッ


                 「あ、が、ぁんで、 見、 ぇ」


                             「ぇ  ぇ」


ドジョウひげを蓄えた口元が恐怖で歪む。
『岩塩』による武装を施さなくとも、『ザイオン・トレイン』の鉄拳は『凶器』に等しい。

     「お」

                         「ど」

               「りゃあああああああああーーーーーz______ッ!」


                   
                          ボゴォッ!!!


              「グげっ

                           ぐぅぉおおおおおお――z___」



              カンカンカンカァァァ――――z_____ンンッ!!



      「そこまで!」

                      「そこまで、勝者は『東雲』選手です!」


      「なんということでしょう、誰も注目していなかった『ルーキー』がッ!
       あわや『塩試合』になりかけたバトルを鮮やかに収めてくれたッ!」


                「うおおおおおおお!!!」


       「良くやったぞ、『東雲』ェェ――――」


                      「俺は最初から勝つって信じてたぜェ!」


       「私達は『過ち』を正さなければなりません!
        何が『刀』でしょう、何が『サムライ』でしょう!」


       「肩書や経歴など、真の闘いには無意味なのです!
        それは、己の『強さ』だけを信じてリングに飛び込んだ、
        この少年が証明してくれましたッ!」


実況席の『森田』が弁舌を捲し立て、観客達も惜しみない賛辞を送る。
そう、『東雲』は確かに『勝利』したのだ。

177東雲 忍『ザイオン・トレイン』:2015/06/18(木) 01:28:32
>>176

>      「そこまで!」

>                      「そこまで、勝者は『東雲』選手です!」


「・・・はぁっ・・はぁ・・・・!」

実況の声が耳に入り、拳の乱打を止め、立ち上がって尾藤の上から退く。右足が動き辛いかもしれないが、
なるべく早急にだ。死に体の相手にいつまでも乗っているなど、気分が良いものではない。

「・・・・・」

意識はないかもしれないが、尾藤へと小さく頭を下げる。試合中はそれこそ
全力でブチのめす事しか考えていなかったが、終わってしまえば同じ一人の男、怨恨などない。
己の能力に対しての過信が見受けられたが、それでも強敵ではあった。
自らにも反省すべき点は多々ある。彼と戦うことで、それも少しでも理解することができた。
そうして、観客席の方へと振り返る。

>       「良くやったぞ、『東雲』ェェ――――」


>                      「俺は最初から勝つって信じてたぜェ!」

「・・・はン」

調子の良い彼らのセリフに、思わず笑ってしまう。
最初こそブーイングの嵐を浴びせていたくせに、勝てば官軍というわけか、手放しの賞賛を送ってくる。
だが、今ならそれも悪くないと思える。未だ収まらぬ心臓の高鳴り、戦闘の終わったこの場所に立っている高揚感。
これからの行動は観客の為にではなく、自分に敗れた尾藤へ、そしてこの身体の中から湧き出てくる勝利の喜びのために。

                    「ーーーーーわしゃあ、『強い』ッ!!」


          「うおおおおぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーッ」


腹の底から、吠えた。

178『尾藤ブラック』:2015/06/18(木) 23:38:04
>>177

       「『東雲』ェ――――」

                       「『東雲』ェ――――」


大胆な手のひら返しを見せる観客達さえ、許せる余裕が『東雲』にはある。
勝利から沸き起こる『歓喜』のままに、一人立つ『アリーナ』の中心で、吠えた。


                    「――――――わしゃあ、『強い』ッ!!」


          「うおおおおぉぉぉぉぉ――――――――――――ッ」



               ヒュゥ――

                            ヒュゥ―――


その後、『東雲』は指定した口座に『30万円』の振込を確認した。


東雲『ザイオン・トレイン』 → 『右手首裂傷』、『右太腿裂傷』、『左脇腹に打撲』
                   『全治2週間』、『30万円ゲット』。

尾藤『一般人』 → 『右手首粉砕骨折』、『顔面に無数の殴打』。
             『敗北』、――――『再起可能』。

『鏡花水月』 → 『無傷』、『再起可能』。

179『尾藤ブラック』:2015/06/20(土) 12:48:13
『偽正宗』、史実にて実しやかに囁かれる『名刀殺し』。
『石田三成』が偽装した正宗を手土産に豊臣方への勧誘を行い、
対抗した『徳川家康』もまた大量の『偽正宗』をバラ撒いたとさえ言われている。
江戸時代にもまた刀の性能・評価を記載した『折り紙』を偽装し、
『銘』を潰してまで『名刀』の贋作を作り出した例は枚挙にいとまがない。

無論、どれだけ手を掛けても『凡作』に『偽物』が務まるわけがない。
石田三成は『中興の三傑』とも称された『堀川国広』を贋作者に起用し、
徳川家康もまた無名の刀匠に『正宗』の贋作造りを命じさせた。
擬物の乱舞する『正宗合戦』の勝敗はともかく、時代は『徳川』へと天秤を傾け、
太平の世は『刀』を武器から自身の格を示すための『装飾品』へと役割を変える。

その『刀匠』は自死する間際に一振りの刀を打ち据えた。
現代技術を以っても再現の難しい『鏡面加工』を刀身に施し、『鏡花水月』の銘を彫り残す。
腹を切らずに縊死を望んだ『刀匠』の執念は『遺作』へと宿り、奇怪な力を与える。
その刀を褒め称え、賞賛する度に『姿』を消し、決して見つかることはなかったとのことだ。
時代を越えて数多の持ち主を移り変わり、――――やがて一人の男の手に渡る。

『鏡花水月』、それは儚い幻の例え。
手に取ることは出来ず、例えることも出来ず、まさに『不可思議』。
その美しさを『物語る』度に真実から遠退き、決して本質を示すことはない。
その強さへの『賛美』は『蒙昧』、弁舌の後に『名誉』は残らず。
『語るに落ちる』とはまさにこのこと。

180『尾藤ブラック』:2015/06/20(土) 12:48:38
刀身を『鏡面』に磨き上げた『日本刀』、その銘は『鏡花水月』。
『刀剣』のスタンド使いであり、『尾藤』自身が『スタンド』を用いるわけではない。
鞘から抜かれている間、『発動条件』が満たされた瞬間に能力が発動する。

『言葉』で『表現』された時、その『姿』を消し去る能力。
『表現』の『字数』に『透過』の持続時間は比例し、
『刀』、程度であれば『数秒』が限界である。
この能力は『尾藤』自身の言葉でも発動が可能だが、それでも『十数秒』が限界である。

真の能力は『銘』を凝視させた際に発動する『五感消失』。
刀そのものである『銘』での『表現』は『透過能力』を最大限に発動し、
姿も音も消し去り、切られた感覚さえ察知出来ない『無拍子』を可能とする。

スタンド名は下記の通りであるが、専門学校を中退した『尾藤』自身が過剰に気にしており、
闘技場の登録名とは別に『鏡花水月』と名乗っている。


『ザ・カレッジ・ドロップアウト』
破壊力:B  スピード:C  射程距離:E(B)
持続力:C   精密動作性:B 成長性:B

181『尾藤ブラック』:2015/06/20(土) 22:42:45
ランカー名:『鏡花水月』
スタンド:『ザ・カレッジ・ドロップアウト』
ランク:C
ステージ:闘技場
賞金額:『30万円』
備考:
『透過』の能力を持つ『日本刀』。
『鏡面』に磨き上げられた刀身は重く鋭く、何よりも『美しい』。
昨今の『刀剣ブーム』によってにわかに注目を浴びており、『女性ファン』も急増中である。

その戦闘スタイルは『幽玄』。
『透過』と『五感消失』を併用し、神出鬼没の連撃を放つ。
尚、戦闘時には付属品である『尾藤一騎』によって使用される。

182『稲積誇生と笑う犬の冒険』:2015/09/05(土) 22:33:41
『稲積誇生と笑う犬の冒険』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1436269848/69-162

ランカー名:小久保花代
スタンド:『デカダンス・チルアウト・イビザ』
ランク:C
ステージ:闘技場
賞金額:『30万円』
備考:
『黄金原駅』に隣接する某百貨店に勤務するOL。
『スタームルガー・セキュリティ6』を所持し、乏しい戦闘力を補っている。
小柄な体格やボーっとした立ち姿と異なり、彼我を問わずに『徹底』した攻めを見せる。

その戦闘スタイルは『虚衰』。
『麻酔』によって自身の痛覚や恐怖を減衰させ、銃撃の命中率を増加。
同様の手段で対戦相手を『行動不能』にし、間合いを詰めさせず『標的』とする。

※吉田・注
一身上の都合により、『登録抹消』となりました。
現在は職業柄で培われた英語力を生かし、
マイナーなオーストラリア文学の『翻訳』を副業としているとのことです。
二足のわらじは大変そうですが、本人は『やる気』に満ち溢れています。

183『六道辻』:2015/09/05(土) 23:59:39


      ザァァァァ―――

                      ザァァァァ―――――z_______


                                  |
                                  |
    「まだ十七歳でしょう?」              ..| 摩訶般若波羅蜜多心経
                                  |
                                  | 観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五
          「どんな気持ちでしょうね。        .|
           ……息子さんの為に、       .....| 蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不
                                  |
           見てられませんよ、こんなの」     .| 異色色即是空空即是色受想行識亦復如
                                  |
                                  | 是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄
    「住職から言い出しのですよ。            |
     私では、とても止められませんよ」       ..| 不増不減是故空中無色無受想行識無眼
                                  |
                                  | 耳鼻舌身意無色声香味触法無眼界乃至
          「……ご立派でいらっしゃる。      |
           最後まで務めを果たされて――」  | 無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死


                               ポタッ...


                                           ポタッ...


                                   「世は、世は全て『空』」


.

184『六道辻』:2015/09/06(日) 00:11:27
「『サードマン』の『太田垣』だな?

 俺の名は『尾藤一騎』、アリーナのファイターだ」


放課後、夏休みが明けたばかりの気だるい空気。
『太田垣』が校門を出るとすぐさま、何者かに呼びかけられた。
着流しを纏った角刈りの中年男だ。背中にはギターケースを背負っている。
何処か人を喰ったような雰囲気を醸し出しながら、『尾藤』は近づいてくる。


「わざわざお前を呼び止めたのは他でもない。
 お前、アリーナでの戦績は『一戦一敗』ってところか。

 ――――クククッ、どうした? 戦績は公表されるんだ。
 俺が知っていて何の不思議がある? だが、そうじゃあない。
 『太田垣』、お前は『かませ犬』で終わるつもりか? そう聞いているんだ」


         「お、『太田垣』ぃぃ……。
          そのオッサン誰? まさか知り合い?」


鬼の首でも取ったかのように不遜な喋り方をする『尾藤』。
見るに見かねた『太田垣』のクラスメイトが、おっかなびっくりで話しかけてきた。

185太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/06(日) 00:34:33
>>184
「アー、ウンウン知り合い」
「知り合いダヨー」

クラスメイトには適当言っとく。
どうせ今からお知り合いになるんだ、嘘をついてる訳じゃない。


「アリーナの関係者ッスね?」
「用件は…いや、言わなくてもいい、だいたい察したッス」


「……リングに立て、とおっしゃる?」
「自分、これから『夏休みの宿題』やらなきゃで忙しいんッスけど」


「……先生が大目玉なんで早くやらなきゃなんッスけど…」

186『六道辻』:2015/09/06(日) 00:48:59
>>185
「ま、マジで?
 ……お、お達者でー」

クラスメイトは引き攣った笑いを浮かべ、足早に立ち去っていく。
『尾藤』はそれを一瞥するが、視線はすぐに『太田垣』へと戻る。


>「……リングに立て、とおっしゃる?」
>「自分、これから『夏休みの宿題』やらなきゃで忙しいんッスけど」


     「ハンッ、捨て置け」


     「そして、その答えじゃあ『半分』だ。
      『太田垣』、『勝利』において最も必要なものは何だ?

      ――――『情報』だろうが。
      かの『ゼロ戦』も墜落した機体を回収さえされなければ、
      装甲を犠牲にした機動力を、米軍に悟られることはなかったはずだ」


     「その『情報』を得られる手段がある。――――『観戦』だ。
      チケットを購入し、試合を観戦すれば対戦者の『能力』が解る。
      『対策』を立てれば自身の有利に戦闘を進められる、そういうことだ」


『観戦チケット』、『太田垣』の闘った頃には聞かされていない制度だ。
恐らく、近日になって新しく導入されたシステムなのだろう。


     「『白岡慧観』、C級ファイターが一人だ。
      『太田垣』、コイツのチケットを俺は所持している。
      コイツから情報を剥ぎとって、対戦者に『指名』する。

      このチケットは、お前の『勝利』への切符だ。
      さぁ、どうした?いつまでも『永遠の0』とはいかんだろう?」


                   「――――いつまでも、『永遠のゼロ勝』とはいかんだろう?」


双眸は引き締めたまま、確信的な言葉を次々に繰り出す『尾藤』。
懐から取り出された『封筒』。差し出されたそれこそが『チケット』んあのだろう。

187太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/06(日) 00:56:01
>>186
「…ふゥん……」

見るだけか。見るだけなら…



 《私は良い太田垣です…宿題をやりましょうッス…》
    《先生に、『キミほど提出物出さないやつは先生はじめて見たよ』って言われたでしょうッス…?》
    
   《俺は悪い太田垣だぜ…行っちまえよ…アリーナに行っちまえよッス…》
      《オッサンがわざわざ学校に来て勧誘してくるんだぜッス…?》

     《先生に失望されまッスよ…?》
       
     《お前は期待されてるんッスだぜ…?》


    《このまえ、『今度こそ課題ちゃんとやりまァす!』っていったじゃないですかッス…?》
    《このまえ、『次は勝ちてえ』って言ったろッス…?》


「………」
「先っちょだけ……」
「ちょっとだけだかんな…」

     「見に行ってやるッスよ、『闘技場』…」


終わってすぐに帰れば宿題できる。徹夜すればいいんだ。ヨユーヨユー。

188『六道辻』:2015/09/06(日) 01:10:03
>>187
苦渋の決断をし、『観戦』を選択する『太田垣』。
その英断に満足したか、『尾藤』は口角を吊り上げて笑んだ。


     「『歓迎』しよう、お前の賢い選択を」


           「――――ところで、このチケットも『タダ』じゃあない。
            『五万円』だ。……だが、なあに安いものだろう?

            Cランクのファイトマネーは『三十万円』だ。
            無策で挑んで手痛いキズを負うのと比較すれば、
            『二十五万円』、丸々手に入った方がおトクというものだ」


ここからが『本題』と言ったところか。『尾藤』は身を乗り出す。
ひらり、ひらりとチケット入りの封筒をチラつかせながら、対の掌を突き出す。


     「夏休みはどうだった? 楽しかったか?
      今年は『シルバーウィーク』、『五連休』がある。
      ――――『軍資金』も必要なんじゃあないか?」


(※PLマネーからの出費になりますが、今回はミッション中に『補填』されます。)

189太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/06(日) 01:32:42
>>188
思わせぶりに誘ってからカネを出させるのか…


「…まあ、…断れないッスよね」

金だしたくない!お前出せ!やだやだやだ!とゴネようとも思った、が、
そもそもオッサン相手に勝てる気がしないので従っとく。


  「…ハイ」
 「とりあえずフ○レステ4が欲しいんッスよね」


生活費(五万PLマネー)を生贄に、チケットを受け取ろう。情報は高い。

190『六道辻』:2015/09/06(日) 22:39:33
>>189
「クックックッ、『毎度あり』」


     ペララララッ
                 ――――スゥゥ


身一つで親元を飛び出した『太田垣』にとって、
『五万円』は決して安い金額ではない。なけなしの生活費が消える。
『尾藤』は差し出されたお札を丁寧に数えると、引き換えにチケットを差し出す。


      「じゃあな、『太田垣』。アリーナで会おう。
       この坊主を倒す俺の姿を見届けろ。

       ――――いや、『見る』ことは敵わぬだろうがな」


双眸を細めた『尾藤』の含み笑い、満足気に立ち去っていく。
チケットに記された試合開始時刻は『午後10時』。会場は以前と同じ場所だ。

191太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/06(日) 22:51:07
>>190

あの尾藤とかいうオッサン、背中から自信満々のオーラがあふれ出ている…


  「強いのか…いや、見に行けば分かる話ッスね」
 
「もし弱かったら、俺もカモり返しちゃろっと」



「…よし」
「宿題やるか」

 という訳で、寮に帰って、でも結局すぐ寝てしまったのだ。
このへんの意識の低さが、太田垣が弱いスタンド使いである所以…なのかもだった。

192『六道辻』:2015/09/06(日) 23:14:12
>>191
『尾藤の背中から』溢れんばかりの『自信』を覚える『太田垣』。
それが『矜持』か、はたまた『自惚れ』かどうかは、今夜にも判明するだろう。


               Zzzzzzz

                         Zzzzzzzz


寮の自室へ戻った『太田垣』はグッスリと眠りに就き……。
(宿題以外は)万全の準備を整え、『倉庫街』へと向かったのであった。



            ヒュォォォォォォ―――――z__________



九月の海風は生温い。『太田垣』にとっては久々のアリーナとなるのだろうか。
似たような倉庫群の中ではアリーナの区別は付きにくい。
チケットには『地図』も描かれているが、流石に小さすぎて解りづらい。


               ガラララララララララ ・ ・ ・


       「へーい、ちょっとちょっと!」

 
                「ねぇ、ねぇそこの君!
                 チケット持ってる君!

                 ちょっと押してってくれる?
                 何か滑っちゃってさー、タイヤ取られちゃって」


背後から近付く『車輪』の音。夜闇をかき回す喧しい声が響く。
『太田垣』の背後から声を掛けたのは、タンクトップにローライズジーンズの少女だ。
『車椅子』に座ったまま、その手に『チケット』を振り回して『太田垣』に声を掛ける。

193太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/06(日) 23:31:56
>>192


「うーッい」

 断る理由はあんまりない。
 

「車椅子…ここのハンドル持ちゃいいんスかね」
「……じゃ、行きますぜ…」

後ろに回って、押してやろう。



 「今回の試合は…尾藤VS白岡、っしたか」
  「どんな奴らでしたっけ?」

 
適当に話をふる。

そして座り込んだタンクトップ少女を後ろから見下ろす形になる。
…その…これならなんか、『見える』…?タンクトップだからさ、こう上から覗き込むようにすればさ…

胸元とか、胸元とか胸元とか……?

194『六道辻』:2015/09/07(月) 00:04:23
>>193
「いぇーい、助かるぅー!
 ありがとー、後でコーラおごるから!」

快活な声でお礼を言われる『太田垣』。
ショートカットの少女は、車椅子に反して随分と元気そうだ。


              カラカラカラカラカラカラ・・・


「えーっと、『白岡』さんは『和尚』だよ。
 スタンド名は『エンプティ・エステート』で、
 どーいう能力かは、まだ闘ったことないからなー」


          「あれ、でも『白岡』って聞いたことあるなー。
           ええと、……ほら! 国道沿いのお寺、あそこの住職!」


「『尾藤』さんは消えるサムライ、私も闘ったんだけど。
 んー、でもスッゴく、うーん、能力の差かなー?

 いやー、でもちょっと拍子抜けだったねー、
 あんな無様に負けるなんて、なんでだろーねー」


車椅子を押しながら『好機』を伺う『太田垣』。
暗い倉庫街では相手の姿さえ曖昧だ。だが、先に進めば違う。
『街灯』の明かりを利用すれば、『目的』を達成することは可能だ。


            カァァァァ―――――


一筋の光が『太田垣』に降り注ぐ。白熱電球の明かりが二人を照らし出す。
その眩しさから両目を守るように、視線を下す『太田垣』。


                  ドシュルルルルルッッ!!


「ああ、そうだそうだ。
 『自己紹介』しとかないと、『蓮田淳子』でーす。

 こっちは『スパニッシュ・ブレークファスト』!

 ファスト    ブレイク     スパニッシュ
 『疾く』!  『砕く』!   『情熱的に』!」


『蓮田』はスタンドを纏い、瞬間的に『ターバン』と『武道着』へと変じる。
そうこうしている間に、『アリーナ』へと辿り着いてしまった。

195太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/07(月) 00:21:17
>>194

    カァァァァ―――――

    (凝視する太田垣)

尾藤のおっさんの話?知らん。そんなことより双丘が大事だ。

       

   ドシュルルルルルッッ!!

「なッ」




 …分かってたよ。
 むっさい男、ロクデナシ、金持ちの客が集まるアリーナに、場違いな『車椅子』の『女』。
 たぶんスタンド使いだろうナーとは思ってた…



「(だからって…『憑依装着型』かよ…ツいてないッス。ほんとに神は死んだんだ。)」

…武道着、ターバン…名前も、いかにも『バトル』って感じだ。
覗き込んだのがバレたら飛ばされてたかもしれない…逆に幸運だったと思っておくか…

「ん……『自己紹介』?
 …太田垣…名は『良』ッス…」

「『スタンド』はね、うーんとね、…ヒミツっスね…」


そんなこんなで会場に着いたのだ。チケットで入場手続きをしてしまおう。

196『六道辻』:2015/09/07(月) 23:30:45
>>195
「ええー、ケチくさいなー。
 いいじゃーん、ガッキィー」


ガックリする『太田垣』に対し、『蓮田』は馴れ馴れしかった。
スタンドを纏ったまま、二人はアリーナの入り口に到着する。
閉ざされた鉄扉の前に直立不動の『黒服』が見張りをし、一瞥を向ける。


     「チケットを拝見致します」


                          「はい、これ二人分ね」


     「――――では、どうぞ中へ」

                              ギィィィ――――・・・


二人のチケットを確認すると、すぐに『黒服』は鉄扉を押し開ける。
挨拶もそこそこなのは、誰かに見つからない為の配慮なのだろう。
『秘匿』された『戦場』、アリーナの特性を『太田垣』は再確認する。


    「じゃあ、二階に上がろうよ。
     席は自由だから、狙ってるファイターの近くにしよっか。

     アタシは断然、『白岡慧観』かなー。
     噂によると『非業を背負った菩薩』とか、
     『一子相伝のファイター』とか、スゲー噂多いんだよー」


アリーナの二階観客席は東西に二分され、互いを行き来するには一階を経由する必要がある。
『蓮田』は『スパニッシュ』を纏ったまま車椅子から立ち上がり、それを畳んで端っこに寄せておく。
そして、観客席へと続く階段を登ろうと、手すりに掴まってケンケンを始めた。


    「今日の試合、あの『慧観』が出るとはな……」


            「いいや、果たしてどう出るか……」


               「『尾藤』も災難だな、ありゃあタダじゃあ済まねェぞ……」


ロビーにたむろする観客達の囁き声が響き渡る。
『慧観』の評判について噂立てているが、その雰囲気は妙なものだ。
観客達は熱狂を潜め、やけに『神妙』な口振りだ。

197太田垣良『ザ・サードマン』:2015/09/07(月) 23:56:55
>>196

「暗い。熱い。くさい。」
さすが地下闘技場。


おッ、いいケツ。
…階段から落ちたりしたら可哀想だ。蓮田の後ろについて登ってやろう。



   「…『噂』ァ?  聞いたことないッスね」
  「自分、アリーナ観戦、初めて、なもんで」


  嘘は言ってない。アリーナの『観戦は』初である。



「随分神妙な空気ッスね…客席はいつもこう…では無いッスよね」

  「ッん〜〜〜〜む」
 「自分はァ〜…応援するのは、尾藤サンっスねぇ」
「なんか自信マンマンだし」



『応援するのは』尾藤。『観察』するのは、無論『白岡彗観』。
なんせ、後の対戦相手となるかもしれないから…。


「(オッサンが勝てばそれまでなんだけどな)」
「(まあ様子見だ、様子見。)」


 …試合開始を待つか。売り子が通ったらポップコーンでも買っとこ。

198『六道辻』:2015/09/08(火) 00:35:12
>>197
「なーんか、変な感じッ

 いつもはもっとワーワー騒いだり、
 なんかこう、『粗暴』って空気なのにねー」


               「あっ、ポップコーンッ!
                それとコーラ二つね!」


ヒソヒソ声の醸し出されるアリーナに、『蓮田』も困惑気味だ。
だが、二階の観客席で売り子を見つけると、元気そうに飲食物を注文する。
『太田垣』もポップコーンを買い、『コーラ』を『蓮田』から手渡されると、
ケンケンで移動する『蓮田』をそれとなく注視しながら、座席へと腰掛ける。


         「あの人、すぐ消えるから注意したほうがいいよ。
          私も闘った時、チョロチョロしてて面倒だったし、
          『刀』の話を始めると、三秒か五秒くらい消えちゃうから」


隣に座った『蓮田』がヒソヒソと耳打ちをする。
どうやら『刀』という言葉をキーワードに発現する『透過能力』のようだ。

199『六道辻』:2015/09/08(火) 00:36:40
>>197-198


                         シュゥゥ ・ ・ ・


           \ カッ /
                                     \ カッ /


突如、アリーナの照明が一瞬にして消える。
ポツリ、ポツリと灯る光。それが照らすのは天井から吊るされた『実況席』だ。
そこに陣取る実況者と解説者。二人の男がマイクを手に、朗々とした語りを始める。


   「紳士淑女の皆様、おまたせしましたァ!
    忘れたとは言わせない! あの『悲劇』から半年が過ぎようとしております。
    敢えて多くは語りません。熱戦を見届けた皆様の網膜に、深くふかぁく焼き付いてるでしょう。
    しかし、その『悲しみ』を乗り越えて、ここに一人のファイターが立ち上がったッ!」


『サングラス』の隙間からハンカチをねじ入れ、涙を拭う仕草を見せる男。
実況者の隣に腰掛ける儚げな青年は、悲しげな素面を伏し目にして首を振っている。


   「さぁ、もう涙はおしまいだッ! 笑えなんて言いません、ただ叫んで欲しい! 怒ってほしい!
    そう、激情を胸に『闘って』ほしい! よくぞ来てくれた、『玉泉寺』のダルマ住職ッ!
    赤コーナー、『白岡慧観』ンンン!」

                                       「出てこいやぁ!」


               ブシュォォォ―――――


赤色のLED照明がチカチカと点滅し、それを反射する濃白のスモークが赤く染まる。
スモークの奥から現れたのはずんぐりむっくりとした壮年の『仏僧』だ。
金縁眼鏡を掛けた温和な顔立ち、双眸を閉じてブツブツと何やら唱えている。
浅黒い肌に纏われた『袈裟』、足袋に草履、手にした数珠と、明らかに場違いだ。

そして、入場曲が鳴り響く。
袈裟を纏った太躯に反し、ゴシカルなプログレッシブ・ロックだ。
雄々しさと甘ったるさを使い分けるボーカルの声調、
目まぐるしいアレンジテクニックはサイケデリックという言葉が最適だろう。
先ほどまでの不穏な『噂話』も相まって、物々しい雰囲気を醸し出していく。

入場曲:ALI PROJECT 『六道輪廻サバイバル』
ttp://youtu.be/u3NvNKjXRg4


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