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【ファンキル】SSスレPart3
536
:
名無しさん
:2020/12/06(日) 19:33:00
【let's ファンキル学園!】※日曜日更新
『日常その三 走れ獅子王!』
「はぁ…ちょっとゆっくりし過ぎた…」
調理室でのんびりしていたレーヴァテイン。
何とか部活の事を思い出し、ギリギリセーフで練習に滑り込むことは出来た。
急いだことで無駄な体力を使うハメになったのは自身のせいではあるのだが…
(なんかモヤモヤする…)
こう言う時は練習に打ち込んで嫌な事を忘れるに限る、とレーヴァテインはそう気持ちを切り替え、レーンに並ぶ。
スターターがホイッスルで合図を送り、彼女が飛び出した…その時だった。
「え…は…?」
何者かがレーヴァテインの隣を物凄い勢いで駆け抜けて行ったのだ。
前方を走る影を目で追い、捉えた姿にレーヴァテインは困惑する。
「え、ネコ?ライオン…?」
その生き物はサイズ的には明らかにネコなのに、何故かタテガミを生やしていた。
よく見るとそれは完全な飾りなのだが、咄嗟の出来事でレーヴァテインがそれを確認出来るわけも無い。
レーヴァテインが唖然としていると、さらに後方から大きな足音が近づいて来た。
「こらー!獅子王、待てって言ってんだろー!」
さすがに人付き合いの少ないレーヴァテインでも、この声には聞き覚えがある。
ラグ女で知らぬ者は居ない、有名なイナンナシスターズの妹、ミトゥムだ。
レーヴァテインは即座に状況を理解した。
(ミトゥムのペットが逃げ出したんだ…)
が、ミトゥムも颯爽とレーヴァテインを追い抜いて行く。
「……」
いくらネコの乱入で動揺したとは言え、簡単に追い抜かれては陸上部のプライドが許さない。
「……負けたみたいで、なんかムカつく!」
そこからレーヴァテインも一気に加速を始める。
ぐんぐんと距離を詰め、ネコを追うミトゥムをあっという間に抜き返して行く。
「うおぉ…!何だ?」
「ふん…」
「へへ!ミトゥム様と張り合おうってか!よっしゃ!行っくぜぇ!!」
ここからは一進一退、追い越しては追い抜かれてのデッドヒートが繰り広げられた。
周りの生徒も何事かと注目し始め、気が付くと結構な数のギャラリーが集まり、二人と一匹の闘いを見守る事態に。
「…はっ!」
「でやぁぁ!!」
二人はほぼ同時に獅子王へと飛びつく。
先に手が届いたのは……
ゴール後、グラウンドに寝そべる二人の姿がそこにあった。
「はぁ…はぁ…さすが、陸上部だな!」
「はぁ…はぁ…あんたも、運動部でも無いのに…速いし…」
僅差で先に獅子王を捕まえたのはレーヴァテインだった。
ネコはミトゥムに渡され、二人はガッチリと握手を交わし互いの健闘を称える。
「ありがとな!また一緒に駆けっこしようぜ!」
「ま…気が向いたらね…」
自然とギャラリーからも拍手が贈られ、グラウンドは小さな感動に包まれる。
「は〜い、皆さんちょっと道を開けて下さいね〜」
しかし、そのひと声に一瞬でその場が凍りついた。
ミトゥムもビクリと肩をすくめ、表情もみるみると青ざめていく。
「げ、姉ちゃん……」
「ミトゥムちゃん、これはどう言うこと?」
イナンナシスターズの姉、シタ。
ギャラリーをかき分け現れたシタは、穏やかな笑みを浮かべてはいるものの、目の奥には確実に怒りの炎が灯っている。
「う……あの…」
先ほどまでの元気はなりを潜め、完全に畏縮するミトゥム。
「皆さん、大変お騒がせしました。さ、ミトゥムちゃん。話は温室の方で聞きますからね?」
ズルズルと連れて行かれるミトゥムの姿は、さながら首根っこを掴まれたネコのようだ。
レーヴァテインは何とも言えない気分でそれを見送ることしか出来なかった……
おわり(次話へつづく)
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