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【ファンキル】SSスレPart3

376ヘレナとカリスと時々オカン:2020/10/07(水) 23:54:03



上空からひらりと二つの飛翔体が舞い降りる。
展開したムーとグラウがレーヴァテインとソロモンを背に乗せ、拠点へと帰還する。
その日、二人はヘレナとカリスを残して買い出しへと向かっていた。
四人での暮らしに必要な物資である。街への買い出しも一苦労だ。

「はぁ……暑い……」

「ほら、レーヴァ。もう着いたわよ。良い果物がたくさん手に入ったし、カリスにジュースでも作ってもらいましょう」

「賛成……」

荷物を抱えて二人が戻ると、室内がやけに静かだ。
二人は首をかしげ、慎重に奥へ進む。

「あ……もう!」

そこにはテーブルでスヤスヤと寝息を立てるヘレナとカリスが居た。
ソロモンはツカツカと二人に迫って憤慨する。

「こんな所でうたた寝したら風邪をひくわよ!二人とも、起きなさい!」

「いいじゃない。寝かせておけば?」

「レーヴァは甘いわね。やっぱり私が皆の健康をきちんと管理しないと……」

「じゃあ、二人が起きたら起こして」

「って、君まで?」

元々が睡眠大好きレーヴァテインだ。うたた寝の気持ち良さは誰よりも知っている。自分も乗っからない手はない。

「もう!……あれ?なにかしら、これ」

ソロモンが何かに気付き、床からひょいと拾い上げる。

「……何?」

「さぁ?花の形をしているみたいだけど……」

ソロモンが拾い上げた小さなプレート。
五枚の花びらを持つ桃の花に、安全ピンが取り付けられ、中央にはももぐみの文字。
その下にも何かしらの文字が書かれているが、かすれて読み取ることは出来ない。

「二人が起きたら聞いてみましょう」

「そうね……じゃ、あとはよろしく。ふわぁ……」

「あ、レーヴァ!仕方ないわね……。にしても、ヘレナもカリスもよく寝てるわね。何だか子供みたい、ふふ!」

ソロモンが二人の頬をぷにぷにとつつく。

「ん…ぐ……」

「か、可愛い……う…ん……」

この時、まさに二人が幼女レーヴァテインに襲われていたのだが、それが夢なのか、あるいは現実なのか、はたまた何かの幻だったのか……いずれにしてもヘレナとカリスが”悪夢”を見たことに間違いはない。
この後、目を覚ました二人がテーブルの上のバッジを見つけた時の怯え方が、その恐怖を物語っていた。

ヘレナとカリスのちょっぴり不思議な体験の話。



後日……
ヘレナとカリスはこっそりとグラウを呼び出していた。
二人の真剣な空気にグラウも息をのむ……

「用事とは何でしょうか?」

ヘレナとカリスは頷き合い、重い口を開いた。

「……なぁ、グラウ。グラウにオカンモードなんて無いよな…?」

「ごめんね、変な事聞いて。でも、大事な事なの!」

「そのような機能は搭載されていませんが……」

グラウの言葉についハイタッチをする二人。
その表情を見ただけで、二人が心底安堵している事が伺える。

「やはりあれは夢だったんだ!いや、不安だったわけじゃないぞ?くふっ」

「えへへ!そうだよね!うん、良かった!ありがとう、グラウ♪」

上機嫌な二人に、ただ首をかしげるグラウだった。

おわり


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