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【ファンキル】SSスレ

257pixivにあげたけど掲示板にも書きたくなったマスター:2019/07/30(火) 01:29:34
「は、はい……」
 それだけ告げて、今度こそキトの足音は遠ざかっていった。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


衝撃波(三国兵)
・攻撃命中時に発動。周囲三マスの敵にHPの二十%分のダメージを与える



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「やれやれなんというお人なのでしょうか」
 深夜、部隊長は書類をまとめながらキトのことを思っていた。
 気分の移り変わりが激しく次に何をしてくるか読めない恐ろしさがある。感情を表に出さず落ち着いた者の多いハルモニア兵では珍しいタイプだ。
「とにかく早くお引き取り願いたいものです……」
 部隊長が疲労からくるため息をついた時、


 ―――――――ばすん!


 何かの発射音のようなものが響いた直後、振動が砦を揺さぶった。
「な、地震!?」
 石材が軋み砂埃が天井から落ちる。部隊長が不安げに辺りを見回した時、部下が飛び込んできた。
「敵襲ですっ」
「えっ……」
 最初に去来したのはなぜ? という思いだった。なぜよりによってこんな時に襲撃されるのだろうか? 自分に何か不手際があっただろうか?
 なぜ? なぜ? なぜ?
「……いえ、まずは出なければ」
 考えるのは後だ。部隊長は訓練通りの最小限の動きで鎧を着こむと頂上階から下層へと一気に駆け下りた。
 塔から出て門への道を真っすぐ走る。いくつもの建築物を通過しなければならないのでそこそこの時間がかかるが部隊長の足ならば数分で辿り着けるはずだ。
「あらー、部隊長さま。そんなに急いでどちらへ?」
 振動の発信源へと駆ける部隊長に真上から気の抜けたようなのんびりとした声がかけられた。
「天沼矛……」
「はいー。天沼矛・聖鎖(ジェイル)・サハクィエルですー」
 ウェーブのかかったセミロングの栗毛がふわふわと揺れる。天沼矛はその体自体も浮遊するようにたゆたわせながら全力で走る部隊長と並走した。
 一見鈍いように見えるが天沼矛は砦にいる斬ル姫では最速を誇っており、その飛行速度もさることながら相手に決して意識させずに立ち回るいわゆる隠密行動にも秀でており索敵などの任務によく採用される斬ル姫だった。
「襲撃の現場は確認したのでしょうね!?」
「んー? 襲撃ですか?」
「とぼけないでください! さっき魔弾か何かが砦に撃ち込まれたでしょう!」
 可愛らしく小首を傾げる天沼矛を怒鳴りつける。
 それには対して怯えたりはせず天沼矛は「うーん」と側頭部のあたりをぐるぐると指で撫でまわしながら考え込んだ。
 無意識なのだろうが体もぐるぐると回る。羽衣のような水色がかかった衣装




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