したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

SSC2ネタバレ感想掲示板

25あまときしん:2016/09/05(月) 19:04:43
【まえがき】
単体にフォーカスするだけでは見えないモノが、比較対照を行うことで見えてくる。
SSキャンペーンは筆者だけでなく、読者の”眼”をも育てうる優れた企画だと、しみじみ思わされる。
シナリオとは花火のようなものであり、であれば殆どの試合はその”派手さ”のみを比べてより印象の強い方に投票すればよい。
しかし稀に――特に好きなキャラクター同士のマッチングでは――どちらに投票するべきか非常に迷う。
このときになってようやく、読者もとい有権者は「どちらがより上手く書けていたか」という比較を行う。
故にSSキャンペーンに巣食う修羅達は「読者の興味を惹く」という魔術に特化したのであり。
この3時間執筆という極限化におかれてはそれがより顕著になる――というのが、キャラクター公開・一回戦全体を通しての感想であります。一度こういう偉そうなことを言ってみたかった。

【一回戦第1試合(沿岸)】
◆その1……繊細な描写と「ダンジョン」のギャップが独特の世界観を生み出している。
そして対戦相手、飯綱火誠也の好青年さはそのままに、『LIMIT UNLIMITED』を十二分に活用した戦闘描写を展開している。
区切り(hr)を多用することで、読者の脳裏に回想シーンと本編、そして『ザントマン』が見せる夢が交錯している様子を思い描かせる。
特に最後の情景描写は優れており、筆者の豊かな感受性が表れているようである。優等生SS。

◆その2……あえて黄連雀夢人の視点なのは、彼に付き纏う三都真砂の妖しさを表現するためか、もしくは飯綱火の強者感を演出するためだろうか。
前半、黄連雀視点でとめどなく情景が描写されていく様は彼の焦燥感が表れているようである。
戦闘は『ザントマン』を軸に展開、したがって砂の動きは流動的になり、見せる夢は悪意に満ち、これと対峙した飯綱火は対精神操作能力の王道を貫いて突破した。
幼なじみの解釈違い――俺の知ってる桐華はそうじゃなくてこうだパンチ!

【一回戦第2試合(動物園)】
◆その1……終始『アルフ・ライラ・ワ・ライラ』が展開されており、まるでこのSS自体が「語り」であるかのように錯覚させる。
時間が経つにつれ朦朧としていく意識を、アリアの視点から描くことによって臨場感を増している。
そして副作用による能力耐性の低下によって生じた隙突く巡夜未来の最後の抵抗が、白昼夢のような展開に一振りのスパイスとして働き、緊張感を生んでいる。
最後、鮎阪千夜が本当に申し訳なさそうにしているのが何ともいじらしい。

◆その2……「リバースカードオープン!”アリアは吸血鬼だった!”」。相手は死ぬ。
設定・プロローグでは伏せておいた札を切って意表をつくのは、緒戦の恒例行事だ。
これをやる場合、予めどこまで暗示できているかが読者の評価を左右するが、その点アリアは十分だった。
カクヨムや胡乱なメールといった小道具《ネタ》を巧みに使い読者を油断させ、「追加設定」を叩きつける手口の鮮やかさ。地形を活かした決着。見事です。
「歴史の影に生きる吸血鬼」と聞いてマーベルのブレイドが思い浮かんだマン。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板