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最近読んだ本 報告スレッド

1mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/05/14(水) 00:23
本を読んだら報告するスレです。
人が読んだ本からインスパイアされるもよし、
読んだ後に書き込んで自分で余韻にひたるもよし。

じゃ、どうぞ。

2mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/05/14(水) 00:40
書名
動物化する世界の中で
〜全共闘以降の日本、ポストモダン以降の批評
著者
東浩紀・笠井潔

9.11の後、WEB上で行われた両氏の往復書簡が本になったもの。
以前の掲示板でも紹介したけど『動物化するポストモダン』
の著者、東浩紀と『バイバイ・エンジェル』というミステリー
と『テロルの現象学』という批評の著者である笠井潔の往復書簡
なんだけど、もう見事に噛み合ってません。
途中から東氏が切れちゃって険悪なムードに。
それが読んでて面白い。こういう対談もの、往復書簡のようなものは
お互いが持ち上げあって馴れ合っているよりバンバン喧嘩してくれたほうが
面白い。
小難しくて全部理解した訳ではないけど、オレ的解釈。
9.11以降、今度のイラク戦争を含めて「戦争」というものの本質が変わっちゃったな、と。
で、「戦争」について語るとき、各人がその本質がわからないから、(曖昧だから)
語ろうとするとなんか微妙にズレちゃう。
そういえば今日「有事関連法案」が与野党合意に達したと、そんなニュースが
ありましたね。
て、社会派か。オレは。

3mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/05/18(日) 22:39
読んだ本報告ではありませんが、、、
三島由紀夫賞に舞城王太郎氏 山本周五郎賞に京極夏彦氏
http://www.asahi.com/culture/update/0515/014.html

舞城王太郎は最近お気に入りで受賞作の「阿修羅ガール」も読んでるし、
最新刊の「九十九十九」(つくもじゅうく)も読んでいたのですが、正直
「何でこの人が三島由紀夫賞?」って思っております。
まだ読んだことのない方には処女作の「煙か、土か、食い物」から読むことを
おすすめします。講談社ノベルスだけどね。

4mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/05/18(日) 22:53
書名
水没ピアノ
著者
佐藤友哉

佐藤友哉氏は「メフィスト賞」受賞作家。つまり、ミステリ作家です。
で、もちろんこの作品も「ミステリ」なんだけど、犯人がいて、被害者がいて
事件の謎を解く人がいて、っていうお決まりの配役はあってもなんかもうどうでも
よくなるようなそんなストーリー。
ま、ネタバレになってしまうので詳しいことは書けませんが、どうやらこの人の作品
に「鏡家サーガ」というシリーズ(本作はその3作目でした)なので、まだ読んで
ない一〜二作目も読んでみようかな。

5mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/05/30(金) 21:36
書名
わたしたちが孤児だったころ(原題:When we are orphans)
著者
カズオ・イシグロ Kazuo Ishiguro
訳者
入江真佐子

カズオ・イシグロは日本で生まれ、渡英、イギリス国籍を取得した作家です。というわけでこの作品の原文は英語で書かれたもの。もちろん読んだのは早川書房の翻訳版です。日本で生まれた作家がイギリスで権威のある文学賞”ブッカー賞”を取り、しかもその作家が探偵を主人公にした小説を書いた、というのを 少し前に耳にしておりました。読んでみてぇなぁと思っていたのですが、なかなか書店で見つからず、もはや忘れかけていたら偶然にも近所の書店にありました。なんかずっと私が手に取るのを待っていたかのように(妄想)。
主人公は幼いころ上海で過ごし、両親の失踪により母国イギリスに戻り、探偵となって第二次世界大戦前夜の上海に両親を捜しにくるのですが、いわゆる推理らしい推理もしないし、呆気無く謎も解かれてしまう。そういう意味ではいわゆる本格ミステリではありません。ただ薄靄のかかった記憶の糸を手繰りながらストーリーは流れていく。そしてその曖昧さの中に真実があったり妄想まじりの虚構があったりして、探偵は事件の中を歩き回るのではなく、自分の産み出した記憶の中で右往左往するのです。
余談ですが、探偵小説が生まれ隆盛したのは第一次大戦から第二次大戦の間、この作品で流れる時代と同じです。探偵という配役はこの時代を語るのに適役なのかもしれません。

6マヨ:2003/06/09(月) 04:40
書名
セカンド・サイト
著者
中野順一

今年で幕を閉じたサントリー・ミステリー大賞、第20回受賞作。ドラッグと中国マフィアがキモになってる話は手垢付きまくりだけど、舞台が「新宿のキャバクラ」ってのが目新しいかなと思って買ってみました。浅田次郎が書評で書いていた通り、自分のキャパ一杯一杯で書いてるって感じは確かに受けたし、スピード感のある文体もIWGP書いた石田衣良っぽくて新鮮味は特別感じなかったけど、物語自体はプロットも巧妙だし、ちゃんとエンターテイメントしてて最後まで飽きずにサラっと読めました。作者の中野順一氏、中央法規出版に勤めてる二足のワラジ作家なんだけど、早く作家一本に絞って取り上げる題材をもっと掘り下げて取材して書けば、今以上に深い描写の出来る人かな?って感じました。

7mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/09(月) 22:36
>>6
いいねぇ。一人で書き続けるのはしんどいので、これからも何か読んだらUP
してね。
セカンドサイト、私もどこかのレビューで「新宿のギャバクラ」が舞台と読んで
激しく気になっていたところでした。

8mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/09(月) 22:54
書名
一九七二「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」
著者
坪内祐三

1972年。この年に起った様々な事象を当時の週刊誌、新聞などの記述からもう一度再構成する試み。
72年をテーマに例えばDJをやるとしよう。グラムロック、ハードロック、レアグルーブ、レゲエ、ジャズ、フュージョン、ソウル。色んなジャンルをそれぞれのテイストの重なる部分をキーに曲を繋げていくことになる。派手なギターリフの後ろでタイトに刻むビートがあったらハードロック→レアグルーブという流れも可能だし、レアグルーブのファンキーなホーンのリフをキーにしてジャズに流れることもできる。
連合赤軍、「ぴあ」創刊、CCRやB.S.Tの来日、はっぴいえんどと頭脳警察とキャロル、日本プロレス中継終了と太陽にほえろ!放映開始、そして田中角栄の日本列島改造論。1972年をキーにこうした事象をまるでDJのようにそれぞれを連関させながら繋げていくのがこの作品。
それにしても1972年って濃い年。もう30年以上も経っているのに、72年の遺産、残滓が今もそこら中に残っているような、そんなことを強く感じました。
だからこそ「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」なのでしょうか。

9マヨ:2003/06/10(火) 02:43
面白そうだねぇ↑ 66年は何があったろう・・・ビートルズ来日とジミヘン結成か。

私は遅読な為、なかなか書評Upできませんが何か読んだらまたドカ書きするわ。
(埴輪高の「死霊」なんざ読み出したら死ぬまで読みきれないと思う・・・)

10mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/14(土) 13:29
>>7
「ギャバクラ」って。さっき気がついた。。。。
誰もつっこんでくれないので、自分でつっこみます。
あ、でも世の中には同じ間違いをする人が結構いるようで。
http://www.google.com/search?q=%83M%83%83%83o%83N%83%89&amp;ie=Shift_JIS&amp;hl=ja&amp;lr=

11mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/19(木) 23:05
書名
虚無への供物
著者
中井英夫

「戦後の推理小説ベスト3に数えられ、闇の世界にひときわ孤高な光芒を放ち屹立する巨篇ついにその姿を現わす!」というのが裏表紙に書かれたキャッチ。
その書名は知っていたけど、なかなか手にとれなかった本作に挑戦。
探偵小説は作者が神の座にいて、探偵も犯人も登場人物も思うがままに配置して物語を作る訳ですが、そういう意味では、作者=事件を引き起こす犯人=事件を解決する探偵=被害者=関係者(A,B,C...n)となるわけです。その関係が目まぐるしく変化していくと(関係者Aが犯人かと思ったら被害者になったり、探偵が犯人だったり、犯人が探偵だったり、被害者が探偵だったり.....以下n通りの組み合わせ)物語は「ミステリ」としてより巧緻になり、「犯人捜し」、つまりミステリを読む醍醐味が増す訳です。
例によって、その内容に触れるとネタバレになってしまうから多くを書けないけど、この作品は「アンチ探偵小説」なのです。探偵=作者なら事件のすべては始めからわかっているはず。作者はそれじゃ作品として成り立たないからもっともらしい事件の捜査を探偵にさせて、最後に堂々とした謎解きをして見事解決!というのが通常のパターン。おっと、これ以上書いたら反則ですね。興味があったら是非御一読を。
ちなみに、>>3にて御紹介した「九十九十九」(つくもじゅうく)はアンチ探偵小説ならぬ「メタ探偵小説」。

12mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/25(水) 22:40
書名
星を継ぐもの
著者
James Patrick Hogan
池央耿 訳

古典SFとして有名だったのでその書名は知っていたのですが、ふと、
書店にて 『SFにして本格ミステリ。』という帯の文句に惹かれて購入。
(こうしてみると、自分の本の買い方って衝動的なようで、「何かで見た、
聞いた」という理由付けがあって買う場合が多いみたい。あまり冒険してませんね)
閑話休題。
さて、お話の方は、というと、2027年、月で発見された宇宙服を着た人間の
遺体を調べると実は5万年前のもの。
さらにその装備を調べると5万年前にしては、はるかに高度な文明を持ってい
た。「チャーリー」と名付けられたその人間はどこから来たのか?
そして、5万年前に栄えた文明は???
本格ミステリか?というと少しそれは疑問ですが、少しずつ謎が解きあかされ
て、最後に「なるほどねぇ」という結末が用意されていてなかなかに楽しめま
した。

13mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/30(月) 22:36
書名
趣都の誕生 萌える都市アキハバラ
著者
森川嘉一郎

最近、秋葉原に行ったことある人、手を挙げて〜!はい、あんまり皆さんアキバには行かないんじゃないでしょうか。私は仕事柄たまにこの街に出かけるのですが、このアキバ、最近(つってもここ3〜4年)大変身をして、名実ともに世界のオタクタウンになってることはご存知ですか?秋葉原に行くと、もちろん秋葉原らしい何に使うかわからない各種パーツの店もありますが、それはむしろ少数派。いまやゲームショップ、美少女キャラクターグッズを扱う店が主流となっているのです。
本著は何故アキバがこんな美少女キャラクター(それもほとんどポルノまがい)が溢れる街になったのかを分析しております。詳しくは本著を読んでいただくとして(ていうか、実際秋葉原に行ってみて欲しい)要はオタクたちの閉ざされた部屋が秋葉原という都市に顕現したという事象を首都じゃなくて趣都と名付けたこと。

14mo-tane</b><font color=#FF0000>(ip574ZhQ)</font><b>:2003/06/30(月) 22:43
>>14関連サイト
http://akiba.ascii24.com/akiba/
http://akiba.ascii24.com/akiba/news/2003/06/30/644623-000.html

15マヨ:2003/07/03(木) 01:24
かれこれ7年前にその街で働いてたけど、正直あの街の空気に耐えられなくて
逃げるようにMac屋を辞めたクチです。辞めるころ丁度そのゲームショップと
マンガ同人誌、アニメキャラグッズ店乱立の黎明期で、毎月のようにパソコン
屋、家電屋が潰れ美少女ゲー関係の店がオープンするって異様な日々が続いて
ました。ホントにねー、ヤバかったよ、街行く人々(笑) 誰もいないのに
誰かに喋り続ける(どーやら女の子の名前を呼んでいるっぽい)電波くんとか
ウロウロしてたし。高城剛は暇があると秋葉原へ行くって言ってたけど、今の
アキバってアニメとエロゲーマニア以外の電脳さんたちにとって、どんな魅力
があるのかなぁ・・・って、先月行って思った。


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