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タクトの世界

1タクト:2007/06/15(金) 09:24:44
初めまして
皆さん、初めまして。指揮者の形態模写を永年やり続けています好田タクトです。
このたび、オフィス・ライスの米田社長、といっても彼一人だけでやっている私設プロダクション兼マネージャー、の尽力を得て、長年の願望でした私のホームページを開設する運びとなりました。
手作りページですので、なかなかシッタモンダしていますがどんどんおもしろく、そして出演情報を充実させていきますので、訪問された皆様、長い目でかわいがってやってください。

さて、私の所属する、オフィス・ライスという会社名は、気づかれた方も多いとは思いますが米田君の米からとって名づけました。
社長は、プロダクションの主力商品であるDVD製作のために、ハイヴィジョンの業務用のカメラを大枚はたいて先週購入しました。
そしてそれにともない、編集の為のパソコン、ソフト、印刷システム、デザイン製作も出来るよう設備も整えました。本気です。
芸人さん、演芸場関係の方、音楽、演芸、講演、演劇など、公演・イベント関係者、結婚式、式典などをテレビ並みのきれいな映像で記録を望まれる方は、どこよりも安くきれいに丁寧に編集までいたしますので、ぜひご相談ください。

では、げんきくん時代の合言葉「ゆうきリンリン、パワーぜんかい、あしたもげんき!」でこれからもよろしくお願いします。

101タクト:2007/11/28(水) 17:28:59
交響曲第5番の隠された思い ショスタコーヴィチ
ショスタコーヴィッチの交響曲五番には人一倍思い入れがあって、ソロモン・ヴォルコフ編の『ショスタコーヴィチの証言』(中央文庫)は偽書というレッテルは貼られているけれど、バーナード・ハットン著の『スターリン その秘められた生涯』(講談社学術文庫)とともに読んでから、この曲を聴くとこれまでの聴いていたものとは全然違って聴こえてきました。
この曲に限らず、ショスタコーヴィチの曲はほんとうに奥が深くおもしろいです。
不遇な環境の中で、逆に才能が開花した特異な例だとも思えます。
今回は、そんな思いをもって12年前に書きあげたエッセイです。




   交響曲第5番の隠された思い ショスタコーヴィチ

 大工は家を作り、八百屋は野菜を売り、画家は絵を描く。作曲家はもちろん音楽を作る。どれもお客さんあっての商売だ。今の世の中、自由競争が当たり前となっている。好きなものをつくり、それが売れれば食っていける。
ところが、ついこの間までの社会主義大国、ソ連では状況は違っていた。
 時は一九三〇年からの約三〇年間。作曲家のお客様は政府。政府にお気に召す曲を作れば、与えられる報奨は「スターリン賞」という名誉。お気に召さなければ待ち受けるのは、最悪「死」というおそろしい賞。とりわけ気を使わなければならないのはスターリンの側近エジェーフ。彼が一九三六年に内務人民委員に就任して以来、芸術家は政府の機嫌をとらざるを得なかった。
 怖がる者、耐えられない者は祖国を捨てた。
それでも何人かの芸術家は祖国にとどまり、作品を作り続けたのだ。自分の本当に表現したいこと、内面にある抑えがたい衝動を、政府高官の目をうまくごまかしながら曲の中に盛り込んでいった。
 あるとき、ショスタコーヴィチの交響曲を山ほど振り続けた、指揮者のムラヴィンスキーがこう言った。
「彼の交響曲第五番の輝かしいフィナーレは、勝利の音楽です」
 この言葉を耳にした作曲者は、
「ばかな、彼はなにも分かっちゃいない!」
 一九三七年十一月二十一日 レニングラード・フィルハーモニー大ホール。ムラヴィンスキー指揮による初演で、この曲は人々の前に現われた。親友のグリークマンや、ヴォルコフはこのときの模様をこう述べている。
「ラルゴ(第三楽章)の途中で多くの聴衆が、
男も女も泣き始めた。最後の音符が響き終わったとき、場内は大混乱となっていた。多くの人々が泣き続けていた・・・」
 荒れ狂うエジェーフシチナに恐れ、おののき、人生を歪められていた人民たち。聴衆たちは、この時代に生きなければならない自分たちの運命とショスタコーヴィチの音楽との間に深い関わりを感じとり、泣くことでしか自分を表現できなかったのであろうか。
 ショスタコーヴィチ自身は、第四楽章が歓喜の終楽章であるとする考えにはこう反論している。

「第五交響曲で扱われている主題は誰の目にも明白である、と思う。あれは『ボリス・ゴドノフ』の場面と同様、強制された歓喜なのだ。それは、鞭打たれ、『さあ、喜べ、喜べ、それがおまえたちの仕事だ』と命令されているのと同じだ。そして鞭打たれた者は立ち上がり、ふらつく足で行進をはじめ、『さあ、喜ぶぞ、喜ぶぞ、それがおれたちの仕事だ』
という」(水野忠夫訳から引用)

 ショスタコーヴィチのいくつかの交響曲、オラトリオ『森の歌』など、歴史と時代に迎合した壮大で分かりやすい大曲は、作曲家自身の本意ではない、ご機嫌とりの音楽などと安易に評価してはいけないと思う。彼の隠された本当の悲しみが、華やかな響きの裏に隠されているのだから。
 そう考えると、ハチャトリアンやプロコフィエフの交響曲も、悲劇のクライマックスに聴こえないだろうか。


※ショスタコーヴィチ 1906年レニングラード生まれ。69年間の生涯に、十五曲もの交響曲を書いた。第五番は関西ローカルの長寿番組『部長刑事』のオープニングでも使用。

※ヤーコダとエジェーフはスターリンに毒殺を教え、数百万人を粛清したとされる恐怖政治の中枢者。当時はエジェーフシチナと呼ばれ、恐れられた。最後、彼らは自らスターリンに処刑される。

102タクト:2007/11/29(木) 08:03:32
藤本 有紀
『藤本 有紀』


誰だかわかりますか?
この名前を聞いて、ピンときたらあなたはかなりのドラマ通。
いまの朝ドラの「ちりとてちん」の脚本家です。
「ちりとてちん」は原作がなくて、書き下ろし脚本だから作家の実力が伺えます。
きのうまでNHK−BSで再放送された「人生はフルコース」(全3回)もほんとうにすばらしい、すてきなドラマでした。(舞台は料理界)
まさか、テレビドラマを見て何回も泣くことになろうとは。
劇団「カクスコ」の脚本も手がけていた。
ぼくがずっと、見続けていた唯一の劇団。
男たちばっかりのメンバーで心温まる舞台を見せてきたのに、「メンバーの一人でも欠けたら解散」という宣言を有言実行して2002年に解散した。
新宿シアター・トップスによく見に行ったなあ…。
いまのトレンディ・ドラマは見る気もしないけど、藤本さんの書くドラマだけは見続けてみよう。同県人(兵庫県)だし。
下記は、藤本有紀さんが脚本を担当したテレビドラマのリストです。

テレビドラマ

・鬼の棲家 (1999年1月12日-3月23日 フジテレビ系列)
・二千年の恋 (2000年1月10日-3月20日 フジテレビ系列)
・JJママ (2000年 BSフジ)
・ラブ・レボリューション (2001年4月 - 2001年6月 フジテレビ系列)
・天才柳沢教授の生活 (2002年10月16日〜12月11日 フジテレビ系列)
・ソナギ 〜雨上がりの殺意〜 (2002年11月1日 フジテレビ)
・東京ラブ・シネマ (2003年4月14日 - 6月30日 フジテレビ系列)
・ミニモニ。でブレーメンの音楽隊 (2004年1月10日 - 3月27日 NHK教育)
・愛と友情のブギウギ (2005年3月28日〜5月5日 NHK総合)
・花より男子 (2005年10月 - 12月 TBS系列)
・名探偵 赤富士鷹 (2005年12月29日・30日NHK総合テレビジョン)
・ギャルサー (2006年4月15日 - 6月24日 日本テレビ系列)
・人生はフルコース(2006年7月、NHK)
・ちりとてちん(2007年10月-2008年3月、NHK(NHK朝の連続テレビ小説))

103タクト:2007/11/30(金) 07:23:14
きょうの「日刊スポーツ」の裏一面にドーンと掲載。
きょう11月30日発売の日刊スポーツ(朝刊)の、芸能・文化欄の一番最後の26ページの番組欄の上半分以上のページにわたって、ドーンと載ってます。

扱いの大きさに自分でもぶったまげました。
これだけ大きく載ったのは、この前のサンスポと2000年2月の毎日新聞第一面以来の大きさですわ。

これは見ごたえがあります。
期待して見てください。
でも、読んだ人の大半は思うでしょうね。

「好田タクトって、誰?」

104タクト:2007/12/01(土) 11:48:57
12月の告知
寄席とアンフィニ以外で、12月の出演告知がいくつかあります。


・四谷コタンで「笑って笑って笑いましょう vol.2 」をやります。

12月20日(木)7;00pm開演です。
ほかでは見れない、それぞれたっぷり演ります。

出演者は、好田タクト 東京ガールズ 寒空はだか 弱つよむ です。
年忘れ、クリスマスを楽しむつもりでいかがですか。
きっとこのメンバーですから暖かい気持ちになれるライブになると思います。

場所は、四谷駅から新宿よりに徒歩7分です。
〒160-0011 東京都新宿区若葉1-9 金峰ビル101  ライブハウス 四谷コタン
? 03-3357-7093

一人でも多くの人に来てもらいたいです。
会場が30人でいっぱいになるので、予約をぼくのメールでも承ります。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~YotsuyaKotan/


・年末恒例「おもしろ音楽会」が開催されます。
文祥堂イベントホール(銀座)
12月28日(金)午後1時半開場、2時開演。
出演順:福岡詩絵(ジュカ)、好田タクト、 福岡詩乃里、オオタスセリ、こと(笛吹き)、山口とも(おもしろ打楽器)、福岡詩ニ。
前売り2,000円、当日2,500円。
素敵な達者なメンバーで、このお値段です。

来られる人はタクトにメッセージでお申し込みください。
タクトがチケットを持っております(10人限定)。


・ワハハ本舗祭「喰始の大生前祭」
12月7日(金)18:30開演 新宿シアターアプル 前売香典5,000円。
ワハハの人総出演(司会は久本雅美・柴田理恵さん)をはじめ、芸能人や業界人が多数ご列席するそうですが、なんとぼくは喰さんが僕の芸を気に入っているからとのことで、ありがたいことにネタをさせてもらえることになりました。
朝比奈隆をやって、まだぼくを見たことがない人を驚かしてやろうかな。


・きょうから2日間、東京ユニットとして千葉県の「若葉の湯」に出ます。
コントを2つ持っていきます。
明日は『タクト音楽祭』で名パントマイムを見せた京本千恵美さんも出ます。
1日 16:15分と19:45分
2日 午後1時と5時の毎日2回出番。

http://wakabanoyu.jp/

105タクト:2007/12/04(火) 09:20:37
かれーなる賭け
最近は大食いタレントなども多数出てきて、ちょっとした「大食い」ブーム。
ボクの後輩でひらおくんという、いまはフィリピンのセブ島に留学している男の子がいるんだけど、そのひらおくんに3年前に、
「好田さん、好田さんの年であれ食べ切れたら尊敬しますよ」
彼が指さしたのは、カレー屋のココ一番館の店前にデーンとある、「大食いチャレンジ! ライス1300グラムのカレーを20分以内で食べると無料!」。
「尊敬する? よし、やったるわ」
ということで、辛さを4倍にしてチャレンジ。
なんとか17分で食いきった。
店の人の話によると、達成率は20%弱で、ぼくは達成者のなかでは最高齢だったらしい。
そして、ココ一番館新宿西口ガード下店の店内には、大食いチャレンジ達成者の写真のなかに、私の苦しそうな写真が年と達成時間も記載されてしばらく貼り付けられていて、なんとなく恥ずかしかったのを憶えている。
「かれーなる賭け」(映画とちゃうよ)。
賭けに勝って、人生損した気がした。


★ちなみに、東京に来て一番最初の仕事が「貧乏芸人グランプリ」というテレ朝の特番で、そのまんま東さんが司会で、電撃ネットワークの南部さん、大川総裁、ワハハ本舗のタレントさんなど10人から貧乏芸人ナンバー1を決めるやつにぼくもなべや代表として出て、高井戸の「地獄ラーメン5人前」(とにかく辛いらしい。ボクは感じなかった)を唯一ぼくが完食したりしたこともあって、準優勝したことがある。
それはもう16年ぐらい前の出来事なんだけどね。
若い時は、大食いはけっこう平気なんだけどな。

106タクト:2007/12/08(土) 10:40:37
ワハハ本舗の底力の話
『喰始の大生前祭!』に出た。
ボクの出番は、ワハハに出た外部の芸人たちが、喰さんに芸をして弔辞の代わりをするコーナーで出たのだが、一緒に出た芸人は何人いただろうか。
40組ぐらいはいたのではないだろうか。
ぼくはトップバッターで、朝比奈隆の指揮者芸でベートーベンの『合唱』を演じた。
ま、こんな感じかなという感じでしたが、喰さんが「立って、立って」とお客さんに言ってくれたこともあって、スタンディングオーベーションにはなった。
楽しみのGOヒロミ44さんの喰さんへの危なっかしいインタビューにも笑ったし、会場にきて弔辞も述べられた唐沢俊一さん(『音楽祭』に来ていただいた)にも挨拶ができた。
ワハハの方々にも、けっこう久しぶりの人もいて交流が暖められた。
楽屋が喰さんと同じで構成に大変そうだったので、ずっと舞台裏に逃げていた。
お客さんは、ぼくが指揮者の格好で舞台に出たので素顔が知らなかっただろうな。

こういうので時々思うのだが、偉そうに思われるのを承知で言うと、ゲスト扱いで出られるテレビタレント的な落語家や講談師と、普段地道にやっている芸人とどう差があるのだろうか。
そんなにおもしろいともすごいとも思わないし、落語やったら滝川鯉昇(たきがわ・りしょう)師匠や三遊亭遊吉師匠の方が全然うまいのに。
ゲスト格の扱いがちがうけど、なんか感動しないので舞台裏でふっと思ってしまった。
浪曲師の国本武春師匠と楽屋でけっこう話ができたのはうれしかった。

舞台の最後のほうで、セクシー寄席のメンバーが舞台にかける思いを語りながら歌を歌うのだが、本音で今の貧乏や苦労を洗いざらい告白する話に客が吸い込まれているのがわかった。
その時は客席に回って見ていたので、喰さんの演出ってうまいなあ、人を引き出すのって上手だなあと感心すると同時に、こういう感動の部分を笑いと下品と芸術を平気でまぜごちゃにする、ワハハ本舗の底力を見たような気がした。

今日の夜は、森さんがやはり足が痛くてバイトを休んでいるので、森さんの家でコントの新作の稽古をする予定。
ああ、いつ花が開くのだろうか。

107タクト:2007/12/10(月) 17:13:22
本で決まるの話。
ドラマのTBSが苦戦しているらしい。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=10&id=358626

視聴率は「ジョシデカ!」が平均9.6%、「歌姫」が8.1%、「ハタチの恋人」は8.5%と揃って1ケタ台に低迷。

「どのドラマもまずキャストありきで、脚本がひどすぎる」と、放送評論家の松尾羊一氏は言っていた。

正直、連ドラは全然見ないし、朝ドラの「ちりとてちん」だけしか見てないけど、芝居はやっぱり本で決まるよね。
今回の脚本家もきっと局の方針があって、意に沿わぬまま書いていることもあるんだろうけど、やっぱり脚本や演出って大きいと思う。

ウルトラセブンやあしたのジョーってよかったなあ。
吉本新喜劇も中村進先生のときはよかったなあ。

オオタスセリさんや永井寛孝さんが書いたら、どんなドラマになるんだろう。
テレビってよくわからない世界だから、きっと上のほうで事務所とかとの力関係で決められて、作られていくんだろうな。
役者にも木下ほうかって素敵な名バイプレイーヤーがいるんだけどな。
映画関係者はみんな知っているわな。

とにかく、こんなおっさんが見てもおもしろいというドラマ作ってほしいなあ。
佐々木昭一郎の「ユートピアノ」みたいなやつ。
ぼく、アイディアや構想はあるんだけどお呼びかからないしなあ。
直接、シノプシズ書いてどこかの局に持っていったろうか。
門前払いかなあ。

108タクト:2007/12/11(火) 20:41:31
後人の言
1.出る杭が打たれるならまだしも、出る前に打つのはやめて


2.石の上にも3年、石の下には丸虫。(もうボクは25年)


3.目の中に入れても痛くない、ものはない。(目薬ぐらいか…)


4.早起きは3文の得。100円やるからずっとゆっくり寝かしてくれ。


5.犬も歩けば棒に当たる。ってそんな犬見たことない。犬も歩けば疲れるだろう。


6.芸人の挨拶「おはようございます」って、夕方に会えばおそうございます。


7.猫にこんばんわ。(わかるかな〜)


8.前に岡八郎師匠のギャグで、「俺は空手習ってたんやぞ。と言っても通信教育やけどな」で、ドテッとまわりコケル。というパターンがあったが、今、お笑いを通信教育で習う時代にはコケれない。


9.「おまえは秘密兵器や」。しばらくして「秘密のままで終わってくれ」


10.「古池や 蛙飛こむ 水のおと」 バショ〜ン(芭蕉〜ん)


11.『古き洋画シリーズ』

・「ローマの休日」巣鴨に行けば「ローバの休日」

・「シェーン、カムバッ〜ク!」時間がたてば「シェーン、カミバッ〜ク!」

・「カサブランカ」霧の立ち込めた空港。コートを着たハンフリー・ボガードがイングリッド・バーグマンにトランクを手渡す。そして一言。「この荷物、カサバランカ?」


12.小さい時、母親が毎朝ボクを起こすのだが、なかなかしゃきっと起きないので、ついに、
「ダウン、ワン、ツー、スリー…」とカウントを数え始めた。
効果はてきめん。
テン以内に本能が目覚め、体が起きてファイティングポーズをとる。
しかし、時々「その数え方早い。ワ〜ン。ツゥ〜、スリ〜〜、とスローモーションみたいに数えて」とか、「エイト、あたりで、立て、立つんだ、ジョー!って言って」とか、また寝て「3回まではTKO負けちゃうねん」と注文をつけるようになった。
いつも思う。目覚ましベルの代わりに、こんなカウントを数える目覚まし時計ってけっこう売れるんちゃうか?(特許とろうかな)

109タクト:2007/12/13(木) 07:36:17
鶴光師匠に誉められた!の話。
きのうは第二水曜日だから浜松町のイタリアンレストラン「サン・ミケーレ」で「クラシック寄席」の日。
アンフィニオーケストラがここで寄席のように、笑いをふんだんに取り入れながら食事をしながら楽しく聴いていただく、まさしくサロンコンサートにうってつけの企画コンサート。
ぼくもほぼ毎月、いろんな出し物をやってきた。
昨日もあいかわらず、満席だ。
見ると、一番前の席に笑福亭 鶴光(しょうふくてい つるこ)師匠がいらっしゃるじゃありませんか[m:76]。

鶴光師匠はぼくたちの世代の憧れの落語家。
オールナイト・ニッポンで「雨、コーヒー、ライター」(続けて言えばわかる)など、下品連発のラジオでほんとうに一番人気があった。
一時期は、13本ぐらいレギュラーを抱えていたが、しっかり落語を東京と上方両方でやり続けてきた、落語界の橋渡しの師匠でもある。
それにラジオをよく聞いていたぼくは、本当に好きな芸人だった。
だって、おもしろいもん。
その鶴光師匠が、ぼくの指揮者芸を見て笑っていただいたあと、コンサートが終わってから挨拶しに行った。
「小澤征爾、おもろかったわ。そうか、東洋館に出ているんか。下の浅草演芸ホールに私、しょっちゅう出ているから遊びにおいで」
もう、こんなうれしいことはない。
きのうは、ちょっと早めの神様からのクリスマス・プレゼントでした。

110タクト:2007/12/15(土) 09:44:49
哀愁のペーソス
きのうは浅草木馬亭にペーソスさんのライブを聴きに行った。
ペーソスさんとは、今年二度共演させていただいた。
関内おき楽シアターと、墨田区の青色申告「花形演芸大会」(講談の神田きらりさんも一緒)。
楽屋でかなり仲良くさせていただいた。
しかも、ボーカルの島本慶さんが下北沢に住んでいて奥様が「絹16」で僕を見て「ファンになった」なんてうれしいことをおっしゃっていただいていた。
その島本さんの小椋けいさんみたいな甘い哀愁のおびた歌声に酔った。
もちろん歌詞と、ギターの岩田さん、司会のスマイリー井原さんを含めたトリオがおもしろいので爆笑なのだが、ペーソスさんのほんとの持ち味は55歳と54歳の島本さんと岩田さんの哀愁を帯びた雰囲気だと思う。

帰りに半村良の「小説浅草案内」で一部に有名なお店でさらに酔う。
行く前に「いまの」で食事をしたので、本当の意味での浅草らしさを3つもこの夜は堪能。

きょうは、いまから某テレビ番組の収録。
テレビは苦手でずっと逃げていたのだが、知人に「もっと顔売らな」と言われたので、今回は受けることにした。
でも力を入れてもしょうがないので、楽に楽しんでこようと思う。

111タクト:2007/12/17(月) 20:32:24
クリスマス・プレゼントにいかが?
きのうは浜松町のイタリアン・レストラン「サン・ミケーレ」でクリスマス・コンサート。
クロード小林さん率いるサロン・オーケストラのメンバーに加え、歌手の日向由子さんもご一緒。
家も近所だし、なによりもボクは日向さんの歌声が好きなので、予期せぬ共演にうれしい。
今回は昼・夜の2回演奏会があったので、なんか一日中、サン・ミケーレの入っているビルの中にいた。
指揮者物真似、特に小澤征爾のところで天才少女ヴァイオリニストのお母さんに涙を出すほど受けまくったので、なんか昨日のテレビ収録のタレントやアナウンサーに「よくわからない」と理解されなかったことを思い出し、クラシック音楽好きな人とこうも違うものかと、改めて自分の芸の置き所の微妙さ、難しさを感じた。

ボクの自著「世界一楽しい タクトのクラシック音楽館」が、唐沢俊一先生の朝日新聞書評欄の年末版用の“今年の三冊”のひとつに選んでいただけるみたいです。
「贔屓目抜きに本当に面白い本だと思った」とおっしゃっていただきました。
すごくうれしい。
なんかがんばって書きあげてよかった。
朝日新聞とろうかな。
でも、年明けには東京新聞にも大きく取り上げられるし、あ、朝日新聞の文化部や産経新聞「モーストリークラシック」、「レコード芸術」の1月号(パウゼ・2ページカラー)からも取材を受けたんだ。
ほんとうにありがたいこと。
無名のぼくにスポットを当てていただけるなんて感謝しないといけません。

前に出した共著「もうひとつの上方演芸・吉本以外のタレント名鑑付」も、自著「クラシック音楽夢レース」も、出たときはいろんなメディアに取り上げられて話題になり一部の熱狂的な読者も生まれたけど、実際は世間には受け入れられなかった…。
それどころか、ほとんどの人に本屋で手にとって立ち読みさえされなかった。
今度こそは、大きな波になるとうれしいのですけどね。

いかがですが、大切な人へのクリスマス・プレゼントに「世界一楽しい タクトのクラシック音楽館」は。
800円というのもお手頃ではないでしょうか?

私がサンタになって届けましょうか?(もう必死)。ごめんなさいね、宣伝しちゃって。

112タクト:2007/12/19(水) 01:16:35
タクト10大ニュース2007
そういえば、去年の今頃は有楽町国際フォーラムの「のだめフェスティバル」で指揮芸を一日3ステージを10日間、やらされまくっていたなあ。
今年は…、まあ、仕事がないというか、落ち着いていると言うか、そんなところで、今年の私の十大(ほんとうに大か?)ニュースを振り返ってみました。


        『タクト10大ニュース2007』



?世界的指揮者、秋山和慶さんに弟子として認めてもらえる(ただし、お笑い部門として)3月24日

?飼い猫ミーコ、避妊手術をする。2月13日

?クロード小林さん率いるアンフィニ・オーケストラと出会い、数多くの共演を重ねる。私の音楽芸の幅が大きく広がった。

?寄席の舞台をかなりこなす。浅草、上野、国立演芸場、下北沢、麻布、地方など100ステージ(一日重複もある)以上はやった。

?とりあえずバイトを辞める。当然ながら私のような芸は食えません。でも5月以降はバイトをせずに芸だけでがんばってみた。もちろん食えなければバイト復活の危険性はあり(泣)。

?私の3冊目の本、★新刊が出ました
実業之日本社  じっぴコンパクト(新書のシリーズ名)
『世界一楽しい タクトのクラシック音楽館』
税込定価800円 2007年10月31日から全国書店にて発売しています。

?6月よりホームページを開設する。が、来年早々には一旦閉じて、リニューアル予定。
「好田タクトの世界」
http://www.koda-tact.com/
「タクト通信(エッセー)」BBS
http://8130.teacup.com/tact/bbs

?8月よりミクシィにも本格参戦。
マイミクも210名になり、いまはいい状態。
のぶ兄さんが『好田タクトふぁん倶楽部』も作ってくれた。http://mixi.jp/view_community.pl?id=939892

?『タクト音楽祭』♪が11月4日浅草・東洋館にて開催。大盛況のうちに幕を閉じる。ほんとだよ。
その後、メディアにけっこういっぱい取り上げられる(自分でもビックリ。取材・反響はいまも続く)
そして、芸術祭を受賞! ウソ!なればいいなあ…、だって鶴瓶さんや由紀さおりさん、石川さゆりさん、中川家などテレビでの有名人ばっかりの公演の中にぼくの『タクト音楽祭』がポツンと芸術祭参加公演に認定されたから、それだけでも喜ばないとね。でも内容は負けていないと思っているんだけどな(強気)。賞の発表は来週だそうです。

?新しい出会い、懐かしい再会の共演がドラマチックにいっぱいあった。
オオタスセリさん、寒空はだかさん、永六輔さん、木村まりさん、ワハハ本舗の皆様、三遊亭遊吉師匠、コンタキンテさん、GOヒロミ44さん、東洋館に集う芸人…、唐沢俊一さん、6月のドリーム・フォーリーズの芸人さんたち、前の吉本の芸人、齋藤真知亜さん(N響第一ヴァイオリン)、仙台荒町。その他スタッフ、劇場関係者、NHK時代にお世話になった方々、岩野さん、井坂さん、マイミクのみなさん、あおいくま関係者…、いっぱい出会えたり再会があった。
私を励まし支えてくださったみなさま、本当に一年間ありがとうございました。
ああ、数え上げればきりがない…。

この10番目が一番の財産であり、ニュースかなあ。

113タクト:2007/12/21(金) 03:34:30
俺たちにはわかる。
吉本ルミネに大阪から内場兄さんが来てたので、会うことになり、ついでに7−9時というのも招待されたので見た。
ちゃんと払えば4,500円ぐらいするらしい。高っ!
新喜劇は後半なので最初の1時間は6組ぐらい、テレビでよく見る若手中堅が出ていた。
相変わらずボクは笑えない。(一回も笑えなかった自分にちょっとショック)
客はギャルが多いので笑っている。
エンタがどうのこうのと横で言って、手を叩いて喜んでいる。
しかし、僕が出る寄席とこの違いはなんなんだ。
上野広小路亭なんか、千円でも客は埋まらないし、おっさんは芸人出ていても競馬新聞読んでるぞ。
4番目ぐらいにほっしゃんが出てきて、ネタにシベリ○文太の滑舌の悪さのネタを3つほどやったので、それだけがちょっとおもしろかった。

後半に新喜劇。
もちろん内場兄さんは座長なので、ずっと出て芯で演っている。
終わってちょっとゆっくりしていると、ピッチに内場兄さんからかかってきて「楽屋にきて」と言われ、飲みに誘ったシベリ○文太とともに楽屋へいった。
共演していた末成由美姉さん、島田一の介兄さんに
「やあ、好田くんや。懐かしいなあ」と言われ、一の介兄さんにも「太ったなあ」と懐かしそうに声をかけられた。
楽屋で、古いメンバーだけ盛り上がっていて、ほかの人は僕を見て「誰?」って顔されてた。
だいぶメンバー変わったもんね。
みんなが内場さんとかに丁寧に挨拶されるのを見て、なんか、心の中で

なんか凄い扱いやねんなあ、俺、いっぱい秘密知ってるのに…。

結局飲み会は、内場兄さん以外に文太と末成由美姉さんたちと6人でもんじゃ焼を食べに行った。
いろいろ昔話の花が咲いた。
以前ぼくが新喜劇にいたとき、混乱期で新喜劇の出番がなくなって暇していた内場兄さんとぼくは、2人で旅に出ようということになり、ボクの250ccのバイクに内場兄さんが後ろに乗って2人乗りで三重の宇賀渓の滝を見にバイク旅をしたことがあった。
最初は晴れてたが、台風か近づいていて国道25号線(前は有料道路だったから気持ちがいい)では暴風で、命からがら宇賀渓の国民宿舎についた。
もう2人ともへとへと。
よく事故らんかったなあと思った。
もちろん滝なんて見に行けない、台風だから。
一晩泊まって、翌日の帰りは雨上がりの虹の中を2人で大阪に帰った。
内場兄さんはしっかりボクにしがみついて。
2人とも20代で貧乏だったから、こんな無茶もしたんだろうな。
そのことを、もんじゃ焼食べながら話をしたら、由美姉さん笑ってた。
玉ちゃん(シベリ○文太の本名は玉村なので、玉ちゃん)が「兄さん、昔話ばっかりうれしそうにする」
他にもいっぱい突っ込んでくるから、
「なんでそんな偉そうやねん!」
「言いやすいねん!」
と切り返され、ぼくと玉ちゃんが相手の欠点を言い合い、そのやり取りを見ていた由美姉や内場兄が、
「滑舌わるい2人の会話は、横で聞いていてもさっぱりわからん」と言われたが、ぼくら2人はちゃんとお互いわかる。

114タクト:2007/12/21(金) 03:39:31
でっかく載った。
♪今日ぐらいから発売されている『レコード芸術』1月号(音楽之友社)の226,227両ページにカラーで私が載っています。
「PAUSEパウゼ」という欄です。

でかいでしょう、ページいっぱいの小澤征爾もどきの顔が。


話は変わって、昨日はグリーンホール相模大野へ第九を聴きに行った。
指揮者は今度、二期会で「ワルキューレ」を振る名人、飯守泰次郎さん。演奏は神奈川フィル。
第九独特のパワーなのか特質なのか、曲を聴きながら

「この一年、けっこういろんなことがあったなあ…」

自分の一年を振り返ってしまった。
「ゆく年くる年 ありがとう」みたいな。
なんか、日本人的だな。

しかし、ここの神奈川フィルのティンパニーとトランペットは思いっきり音を出すのでほんと楔(くさび)を打つみたいに心に響く。
ミュンヘン・フィルのペーター・ザドロもこうだったわ。
他の楽団では両パートとも演奏に溶け込まそうとするのだが、気持ちいいほど解放的で力がある。
この楽器はほんとうはこういう演奏が大事なんじゃないかな、と思わせてくれる。

ふだんは行かないのだが、一緒に来ていた方が飯守先生と懇親で楽屋に行くことになった。
ちょっと緊張。
飯守先生に紹介され、僕の自著を先生に手渡すと楽しみに読んでくれるみたい。
メゾ・ソプラノの池田香織さんにもご挨拶できたし、福井敬さんは以前にボクが毎日新聞からの寄稿文を依頼されたとき(「21世紀に期待する音楽家」という正月版)、福井さんを紹介させて頂いたので、ここできちんとご挨拶できてよかった。
二期会の事務局の方とも挨拶して、なんかボクのことが噂になっているらしく、こりゃ、二期会の秘密兵器から脱皮するのかな。
やっぱり飯守先生のワーグナーを聴きたいな。
二期会の2月公演「ワルキューレ」が今から楽しみだ。
ちなみに飯守先生の稽古はけっこうおしゃべり好きだそうだ。

昨日聴いて改めて思ったことは、メゾの池田香織さんはすばらしいディーバだった。

115タクト:2007/12/21(金) 10:01:00
すごいことが起きている。らしい。
パソコンのメールに二期会の人から、
「好田さま
モーストリー誌が選んだ今年のベスト20入り。すごい。」
と入っていたので、何のことですか?と聞き返したら、
「モーストリークラシック新春特大号(2月号)今朝の参詣新聞長官1面(産経新聞朝刊1面のことだと思う)に宣伝もでています。定価1000です。
なんと沼尻の次でアラン・ギルバートに誌上表紙にも貴兄のお名前でております。」

どうりで、きのうからミクシィに知らない人からアクセスが急にすごく増えたはずだ。
クラシック音楽が好きな方だったら、この事件(!)の意味がお分かりだと思う。
まったく無名の音楽家でもないボクの名前が、クラシック界の権威ある所に急に世界的なすごい人たちと並んで出ているのだから。
じつはボクはまだ内容を見ていないので、あした探して楽しみながら読んでみようと思う。


四谷コタンで「笑って笑って笑いましょう vol.2 」に出演した。
だから、ほんとはこんな事件がなければBBSのタイトルも「マイミク祭り」ってしたかった。
だって、多くのマイミクが見に来て頂き、店長もマイミク、出演者もマイミク…、だからミクシィの話もけっこう受けた。
舞台は、40分近く演らさせていただいて、いつもと違う指揮者、曲で演じたけど、前にスセリさんの会で見てたり、演芸場で見てた方がけっこういらっしゃったので好評だった。
その後のみなさんとの交流会も楽しかった。
帰りは最終電車に間に合うよう、四谷駅まで寒空はだかさんと2人で話しながら歩いた。
ここで水野晴郎(みずの・はるお)ばりに一言。

「いや〜、マイミクってほんとにいいですね」

116タクト:2007/12/22(土) 12:05:30
『2007年の20人 時代を読む』に選ばれた。
モーストリー誌が2007年を代表する20人を選出。
『2007年の20人 時代を読む』にボクも選ばれました。
以下はその20人です。

・大野和士(指揮)
・堤剛(チェロ)
・ルネ・マルタン(ディレクター、?ラ・フォル・ジュルネ)
・新井満(作家、作詞作曲家、?千の風にのって)
・上野樹里(のだめ)
・さそうあきら(漫画家、?神童、マエストロ)
・細川俊夫(作曲)
・宮本亜門(演出)
・井上道義(指揮)
・イル・ディーヴォ(世界的なヴォーカル・グループ)
・宮本文昭(オーボエ奏者を今年引退)
・茂木健一郎(脳科学者)
・沼尻竜典(指揮)
・好田タクト(芸人)
・アラン・ギルバード(指揮、ニューヨーク・フィル次期監督)
・畑中良輔(バリトン、グレート・マスターズ)
・高嶋ちさ子(ヴァイオリン)
・ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ・追悼)
・ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール・追悼)
・羽田健太郎(ピアノ、司会・追悼)

http://mostly.sankei.co.jp/topic/index.html

117タクト:2007/12/24(月) 00:24:52
唐沢俊一さん書評と若葉の湯ステージの話。
マイミクのレイラWさんから私の日記に以下の書き込みが。
レイラWさん、ありがとうございます。そのまま、貼り付けます。

「今日(23日)の朝日新聞10面の読書コーナーに、
唐沢俊一さんが、お薦め今年の本3点で、
タクトさんの、「世界一楽しい タクトのクラシック音楽館」を
薦めてましたよ!

軽めの新書ではあったが、クラシックの紹介にボブ・サップを
持ってくるといった工夫と語り口が新鮮でかつ的確。
お笑い芸人にしてクラシックマニアという著者の面目躍如な好著。
来年はこの人のブレイクの年かも。

と、講評されてましたよ〜!
良かったですね〜 」


きょうは千葉市の「若葉の湯」でクリスマス・お笑い&コンサート。
午後から1時、4時、7時と3ステージ。
アンフィニのクロード小林さんがかわいらしい女性ヴァイオリニストお2人を連れて、おなじみパントマイムの京本千恵美さんとボクと合わせて5人で40分間の内容。
特に最後のステージは満員のお客さんから惜しみない拍手をいただき、これがほぼ数百円のおふろ代(十数種のお風呂にサウナ、シュンプー、自由に休憩を含む)だけですむのだから、かなりお得。
毎日出し物をプログラムすれば、かなり人気があがるのでしょうね。

118タクト:2007/12/25(火) 09:41:58
マリア・ママ
最初にお断りしておかなければなりません。
You Yubeに入れていた私の指揮者芸の幾つかは、アクセスが何万件となって反響が凄くなってきたので消しました。
クライバー、カラヤン、小澤征爾などはもうありません。
ウィーンで活躍していた幻の大指揮者クナパーツブッシュに日本のファンが招聘をしょうとしたら、
「聞きたかったら、お前らが来い」
そこまで強気なことは言えませんが、心境はそうで、自分の芸はテレビとかネットではなしに生で見てもらいたいのです。
それに指揮者芸は実際の楽団をバックに演じた時のほうが、解釈や迫力も含めて質の高い芸に仕上がっていると思いますので、アンフィニとの共演したものをいずれ再アップできたらと思っています。
個人的には8月の代々木国立オリンピックセンターでのアンフィニ公演、40人近いオケで演じた朝比奈隆のワーグナーなんかが納得していて、今見てもほんとうにいい舞台で演奏も魂がこもっていて涙が出てきます。


さて、きょうは12月25日です。
母の誕生日でもあります。
ぼくたち兄妹が小さい時の話をします。
母はよくぼくに「きょう私の誕生日やから、私はマリアさんや。あんたはイエスちゃんやで」って言っていたけど、今考えればおかしいやろ。
きょうはキリストの生誕日やで。
ま、家は汚かったから馬小屋みたいなもんだったけど。
だいいち、マリアさんはそんな下着姿で部屋うろちょろせんやろ。

しかし女性は怖いわ、外づらと内づらが全然違っていて。
たまに家に電話かけたら、妹が明るく柔らかい高めの声で、
「はい、好田です。…なんや、お兄ちゃんか」
おい、2オクターブ声が下がっとるやないか!(ボーイフレンドだと期待したんかい)
妹はある時から一緒に街を歩くのも嫌がった。
「離れて歩いて。彼氏と思われたらかなわん」
結婚式にも、ぼくがお笑いやっていることを隠し続けた。
一言もぼくには喋らせなかった。
司会はアルトくんがただ同然でやってくれたので、おかげですごい危なっかしい式にはなっていたけど。

家ではメリーという雑種犬を飼っていた。
メリーには当時八百屋をやっていた店の売れ残りの食べ物をなんでもあげていた。
クリスマスには、ケーキが売れるだろうと大量に仕入れるのだが昔はまだ裕福な家は少ないので、けっこう売れ残る。
聖夜の夜のメリーの餌はケーキだ。
ケーキの上にはロウソクがいっぱいついている。
なにもわからないメリーはケーキとロウソクを一緒にハフハフしながらがっついて食べる。
しばらくして、メリーはもだえながら訴えている。
きっと言葉が喋れればこう言っただろう。

「メリー、クルシミマス…」  (ちょっときついなあ)

119タクト:2007/12/29(土) 09:46:23
自分で押す。
きのうは福岡詩ニ師匠主催の「おもしろ音楽会」に出た。
昨年は「のだめフェスティバル」の仕事があったので出れなかったけど、詩ニ師匠の音楽会はぼくが東京演芸協会が入る前後からほとんど欠かさず出ている。
年に2回するから、もう15回ぐらい出たのかな。
銀座の文祥堂に入って音のチェックをしょうとしたら、詩ニ師匠が「音を使うのタクトだけだから、音の担当はいないよ」
「えっ? …どうしましょうか」
「どうする? このリモコンで遠隔操作できるんだけど…」
結局、舞台から自分でリモコンのボタンを押すことになった。
舞台で、「では、これが世界の小澤征爾です」と言って小澤のかっこをしたボクが指揮を構えて棒を振り下ろす。
その時に自分でリモコンのスタートボタンをピッ。
その姿がものすごく間抜けで、舞台袖でオオタスセリさんが大笑いしていた。
おまけに曲はまちがって出るわ、全然関係ないところでいきなり曲が流れるわで、てんわわんや。
なんか変な受けかたをしていたなあ。

じつは自分で音のスタートボタンを押すことは、演芸場でもたまにある。
東洋館や浅草演芸ホールは舞台袖で若手の落語家さんが音の係りをしてくれるのだが、さあ指揮をしょうと思って指揮棒を振り下ろしたら音が出ない。
袖に目をやると、いるはずの落語家がいない。
しかたなく、自分でボタンを押しに行くのだ。
あとで落語家さんから、「すいません、(落語の)師匠が来られたので楽屋でお茶だしてました」
お茶と舞台、どっちが大事やねん!と言うこともできず、「いろいろ大変やねぇ」って、ニコニコこたえるしかない。

きのうは年末だったので、朝比奈隆はベートーベンの「合唱」を、小澤征爾は新春ウィーンコンサートにちなんで「ラデツキー行進曲」をやった。
客も手拍子してくれたので、こういう曲もいいのかなあと思った。
ゆうこりんさん、しんしんさん、わざわざ遠いところから来ていただいてありがとうございました。
素敵なプレゼントもありがとうございました。大切に使います。
おもしろ打楽器奏者の山口ともさんと「来年はぜひ一緒に舞台をつくりましょう」と誓い合ったのもうれしい出来事。

年末年始、1月7日まで出番や予定で埋まっている。
しかし年賀状は全然書いていない。買ってもいない…。

120タクト:2007/12/30(日) 17:02:34
小さなことにくよくよする。
よく「小さなことにくよくよするな」と言われますが、ボクはよく「小さなことにくよくよする」のです。
これは治りません。
いや、心底では治そうとしていないのかもしれません。

「千円札は拾うな」では、千円が道端で落ちていたらたいていの人は拾う。
目先の欲に心が奪われた為に、その先にある万札の存在を見逃してしまう。
優先順位をつけることは効率がいいだろう。
大局に物事を見るのも現代では特に必要だろう。
ぼくもその心がけは大切にしている。
大きな仕事が控えていたらあれこれ準備して、いろんな場面も想定していっぱい用意して、現場に行ったら「これでいいの?」ってことはめずらしくない。
でも準備はする。いろんなことも想定する。
でも一番に心がけているのは、
「とにかく体を持っていけば、なんとかなる」
そしてもう一つ、確信をもつようになってきたことは、、
「どんな大きな予定でも、その時間が過ぎれば、終わっている」
そして、家に帰ってずっと、小さいことにくよくよする。
布団の中に潜り込んで「なんで、あんなことを言ったのだろう。なんてアホなんやろ」と一人嘆く。
その反省は次に活かされることなく、日々は過ぎていく。
小さいことに悩んで、大胆に決断。

121タクト:2008/01/01(火) 17:17:52
   謹賀珍年
               謹賀珍年


旧年中はみなさま、大変お世話になりました。
昨年は地味に種をまいてきたことが、後半になって少し芽を出してきたかな、と思っています。
今年はそれらの芽に花がつくよう、いつもと違う年、珍年になるように、つつしんで喜びを申し述べながらさらに邁進していきます。
今年もどうぞよろしくお願い申しあげます。


★昨年11月に催した『タクト音楽祭』。その模様をハイヴィジョンカメラで完全収録したDVD(2枚組)が制作されました
税込3000円 下記のネットショップから購入できます。
http://6928.teacup.com/tact/shop/01_01_01/K-0005/
全国の書店にて発売しています『世界一楽しい タクトのクラシック音楽館』(実業之日本社の新書・税込800円)ともども、どうぞよろしくお願いいたします。(ごめんね、宣伝しちゃって)

122タクト:2008/01/08(火) 15:50:06
今朝、1/8日の東京新聞に載りました。
今朝の東京新聞(朝刊)に、先日取材を受けた私の記事が載っています。
あわせて指揮者芸の写真が掲載されていますが、それぞれ小澤征爾、朝比奈隆、カラヤンの物真似と、私の素の写真を新聞社で撮っていただきました。

<15>面に紙面の3分の2ほど割いて載せていただいていました。ありがたいことです。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2008010802077806.html

123タクト:2008/01/12(土) 23:38:49
素朴な暮らしの中にあるもの。
1931年に映画『街の灯』を発表して、世界的な人気を不動のものにしたチャップリンは1年半もの世界旅行をする。
特に強い印象を受けたのが、イギリスを訪れていたガンジーとの出会いだ。
ガンジー「イギリスの機械による大量生産が、インドの経済を支配し人々を苦しめている」
チャップリン「機械は便利なものではないのですか?」
ガンジーは静かに答えた。「素朴な暮らしの中にこそ、ほんとうの幸せがあるのだ」

今年の芸の課題はこの2つ。
人に自分を見て、理解してではなく、人を好きになる、愛する。
これが意外と難しい。

つねに近くから自分を見る。分析できる。コントロールできる。
これもなかなか難しい、が心がけよう。
文楽の吉田玉男さんもよく似たことを言っていた。

告知があります。

『馬車道おきらくシアター Vol.15』に出ます。

◇日時◇2007年1月17日(木) 開場18:30/開演19:00

◇会場◇関内ホール・小ホール(http://kannaihall.jp/)/JR京浜東北線、市営地下鉄「関内」下車

◇入場料◇予約2,500円/当日3,000円(全席自由・税込)

◇出演◇
遠峰あこ(アコーディオンと唄)
あべあきら(ギターと唄)
ケーシー・ランキン(ギターと唄)
好田タクト(世界指揮者人名辞典)

◇主催◇関内ホール/サウスピア

◇後援◇馬車道商店街協同組合/(財)横浜市芸術文化復興財団/tvk

今回は新春ということで、ウィーン・ニュー・イヤーの曲目でニュー・イヤー特集で演じてみたいと思います。
だから、ワルツ中心。
今考えているのは、歴代のニュー・イヤーの指揮者列伝みたいなもの。
カラヤン、クライバー、小澤征爾、ムーティ、マゼール…(用意するカツラが大変)
しかし今年のプレードルの抜擢にはびっくりしたなあ。(確かにオペラは振っているけれど…)

http://www.south-pier.com/comingsoon/comingsoon.html


明日は3時から東洋館。
中入り後の出番で、東京ユニットでのコント。
持ち時間はなんと30分。(これは異例。ふつうの倍。出番を組んだブルータスさんの策略?)
白山雅一先生とボクの「クラシック音楽館」と吉川潮先生の「浮かれ三亀松」をサイン入りで交換することになっている。(実は大の仲良し)

そのあと、急いで移動して午後6時から若葉の湯(千葉市)。
14日も若葉の湯(6時)だから、泊まり。
時間があるから新ネタの稽古ができる。

先の話ですが、2月11日(月・祝)にぶっちゃあさんがプロデュースされる『お笑い音楽祭』があります。
出演:だるま食堂、はだかの王様(すわ親治&石倉直樹)、こ☆まいけいる、JP、朝倉・小松崎、好田タクト、(MC)三拍子。
場所:野方区民ホール(野方WIZ)
料金:1,500円(中高生1,000円、小学生500円)
キャッチフレーズがすごいです。
「考えられない破格値を実現! 248名様限定! この値段で、これだけのメンバーがご覧になれるのは、間違いなく最初で最後です!」
日にちが近くになったら、再度告知します。
東洋館はじめ各場所にもチラシを置きに行きますので、見に来てね。

京阪神地区、特に兵庫県の皆様、朗報です。
ボクではないのですが、今ブレーク中の「オオタスセリさんの独演会」が2月8日から3日間各地で催されます。

オオタスセリ・ライブ
2月8日(金)サロン・ド・あいり(三宮近く)078-241-1898 19時開演。
2月9日(土)神戸新聞松方ホール・ホワイエ(神戸駅) 078-362-7191 14時開演。
2月10日(日)サマンサ・ムム(加古川)079-438-5969 19時開演。
ボクの故郷、明石はないのか? 地元の人は行ってね。
スセリさんのブログです。
http://suserin.exblog.jp/

8日に東京新聞で載ったぼくの取材記事と同内容が、1月9日水曜日の中日新聞夕刊第9面に載っている。
同じ東京演芸協会の腹話術の夢太郎&花子さんが浜松に住んでいるので、同紙をわざわざボクの所に送って知らせていただいた。

朝日新聞の夕刊になると思うが、「道具」シリーズのどこかにぼくが出ると思います。(もう出たのかな?)。
朝日は、というか新聞はとっていないので図書館に行かない限りはぼくはよくわかりません。

「笑い」は「期待と裏切り」だ、とか「緊張と緩和」とか、「突っ込みとボケ」とかいろいろ言われるけれど、極めていない僕にはよくわからない。
ただ、素朴な暮らしの中にこそ、ほんとうの笑いがあると信じてやっていきたい。

124タクト:2008/01/25(金) 04:35:59
コトバランキング
gooランキングというのがあって、先日は『実は…間違えて音読していたコトバランキング』でした。


順位

? 依存心
? 間髪をいれず
? 徒となる
? 野に下る
? 幕間
? 異にする
? 市井
? あり得る
? 御来迎
? 河川敷
? 祝詞
? 詐取
? 猛者
? 重複
? 凡例
? 諸刃の剣
? 黙示録
? 女王
? 既出
? 建立
21 祝言
22 巣窟
23 一段落
24 茨城
25 柔和
26 警鐘
27 月極
28 順風満帆
29 遂行
30 責任転嫁

どうです。
意外と間違えて音読していると思います。
少なくともぼくはそうでした。
優秀な人はほとんどちゃんと読めるみたいですが。
使い方もじつは、けっこう間違っていたりします。
2位の《間髪をいれず》は辞書で「かんぱつ」と引いてもこの言葉が出てこないのは、《間髪をいれず》は正しくは「間、髪を容れず」からきており、読み方も「かん、はつをいれず」と読むため。使うときにも必ず否定形で使う言葉なので、「この前、間髪入れてさ〜」なんて言うのはダメだそうです。
では、正解です。

?〜?位

依存心
正解:いそんしん

間髪をいれず
正解:かんはつをいれず

徒となる
正解:あだとなる

野に下る
正解:やにくだる

幕間
正解:まくあい

異にする
正解:ことにする

市井
正解:しせい

あり得る
正解:ありうる

御来迎
正解:ごらいごう

河川敷
正解:かせんしき

?〜?位

祝詞
正解:のりと

詐取
正解:さしゅ

猛者
正解:もさ

重複
正解:ちょうふく

凡例
正解:はんれい

諸刃の剣
正解:もろはのつるぎ

黙示録
正解:もくしろく

女王
正解:じょおう

既出
正解:きしゅつ

建立
正解:こんりゅう

21〜30位

祝言
正解:しゅうげん

巣窟
正解:そうくつ

一段落
正解:いちだんらく

茨城
正解:いばらき

柔和
正解:にゅうわ

警鐘
正解:けいしょう

月極
正解:つきぎめ

順風満帆
正解:じゅんぷうまんぱん

遂行
正解:すいこう

責任転嫁
正解:せきにんてんか

ちなみに?位の「黙示録」ですが、以前吉本新喜劇にいた時に台本でボクのせりふが「地獄の黙示録を見てな…」というのがあって、ぼくは「もくしろく」と読んだら、先輩に「アホ、もくじろく、やろが」と言われ、まわりにも笑われ、10日間(テレビも含めて)「じごくのもくじろくを…」って言わざるをえなかったことがありました。
芸人の世界は白のものでも先輩が「黒」と言われたら、そう言わなければいけないんですねえ。

では、せっかくですから『実は…使い方を間違えていたコトバランキング』もいきますね。
一気に?位から?位まで、答えと一緒です。

順位

役不足
意味:能力に対して、役目が軽すぎること。

情けは人の為ならず
意味:情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。

気が置けない
意味:気遣いする必要がない。遠慮がない。

なし崩し
意味:物事を少しずつ済ませていくこと。

半時(はんとき)
意味:1時間

檄(げき)を飛ばす
意味:自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求めること。

ぞっとしない
意味:感心しない。うれしくない。

憮然(ぶぜん)
意味:失望してぼんやりしているようすの意味

しおどき
意味:物事を行うのに最も良いとき

セレブ
意味:名士。有名人。

失笑する
意味:おかしさをこらえることができず吹き出すこと。

さわり
意味:話の中心となる部分。聞かせどころ。

奇特な人
意味:おこないが感心なさま。けなげなさま。

一姫二太郎
意味:最初が女の子、次に男の子が生まれるのが理想

閑話休題
意味:横道にそれた話を本題に戻す

煮詰まる
意味:議論や考えが出尽くし、結論の出る状態になること

すべからく
意味:「ぜひとも」「当然…すべきである」

世間ずれ
意味:実社会で苦労を重ね、世間の裏表を知り尽くして悪賢くなったことを表す

敷居が高い
意味:不義理・不面目なことなどがあって、その人の家に行きにくい。

やおら
意味:静かにあるいはおもむろに動作をするようす。


説明には下記のことも書いてありました。
おもしろかったので、合わせて貼り付けます。

あなたの日本語、間違ってませんか?
 古くは清少納言が『枕草子』で若者の言葉の乱れを嘆いたように、日本語はその長い歴史の中で、時代に合わせて幾度となく姿を変えてきました。被害者と同様の意味で使われている “犠牲者”が、もともとは「神の怒りを鎮めるために身をささげる者」という意味を持つ言葉であったように、現在では正しいとされている言葉でも、昔は別の意味で用いられていたという例は少なくありません。とはいえ、このような別の意味として定着してしまった言葉でもない限りは、本来の意味をきちんと覚えておきたいものですね。
 「実は…使い方を間違えていたコトバランキング」で1位になった《役不足》は、「その人の能力に対して役目が軽すぎること」というのが本来の意味ですが、「その人には荷が重い」という全く逆の意味で使用されることがしばしばあります。《情けは人の為ならず》もよく間違われる言葉で、「他人に情けを掛けるのはその人のためにならない」ではなく、正しくは「他人に情けを掛けておけば、巡り巡って自分に良いことがある」「他人に尽くすことは、結局自分のためになる」という意味の言葉です。
 上位に入った言葉は正しい意味を教えられると「ああ、なるほど」と納得してしまうものがほとんどですが、5位の《半時》などは、1時間を意味すると言われても「なぜ?」と首をひねってしまいますよね。これは、明治時代の初期までは1日を12等分しており、今の2時間にあたる “一時(いっとき)”が最小単位であったためで、12等分された時間は“子(ね)の刻”“丑(うし)の刻”といった 十二支で表現されていました。昼の12時を“正午”と呼ぶのも、午後0時を意味する“午(うま)の刻”の名残です。
 平成15年に 文化庁が行った “国語に関する世論調査”によると、5位の《檄を飛ばす》などは70%以上の人が本来の意味である自分の考えを広く人々に知らせて同意を求めるとは異なる意味で理解していたそうです。このように誤った意味で使われている言葉がいつの間にか正しい言葉として浸透してしまうのは、“あいまいさ”が特徴と言われる日本語ならではの現象なのかもしれませんね。

「鳥肌」とか「貴様」も本来の使い方から変わってきているそうですね。
日本語は奥が深いわ。

125タクト:2008/01/26(土) 13:53:54
走り抜けた7番
昨日、横浜のみなとみらいホールに神奈川フィルハーモニー管弦楽団の第241回定期演奏会を聴きに行った。
指揮はゲルハルト・ボッセ。
1922年生まれだから、もう85歳になられるのか。
演目は前半がJ.C.バッハのシンフォニア、ハイドンの交響曲第94番「驚愕」。
後半がベートーヴェンの交響曲第7番。

特に後半の曲、ここのところどこでもベートーヴェンの交響曲第7番がよく演奏されるけど、近年では一番感激した演奏だった。
マタチッチやプロムシュテットのN響、クライバーのバイエルン国立歌劇場管、マズアのケヴァントハウス、小澤、秋山、シュナイトetc…、日本で演奏されたこの曲の名演は数多い。
聴きながら感じたことは、曲自体にも魅力がある。
ボッセが楽章の合間に休みをおかなかったせいか、ほんとうに4つの楽章が一つの流れになっていて、頂上に向かって駆け抜けていくみたいだった。
奮闘していたオーケストラの皆さん、神奈川フィルにもブラボー!
楽屋ではボッセさんは、ハイドンは日本でももっと注目されるべきだと力説していた。
元気でかくしゃくとしているのは、きっと理由があるのだろう。

毎日が新しいネタのことで頭がいっぱい。
今、何か創れそうな気がする。

「ちりとてちん」の脚本家・藤本さん(関学出身)は本質を知っているような気がする。
裏も表も上方も東京もいろいろ見てきたからか。
芸界を扱ったのでは昔、「2丁目のドン・キホーテ」という漫画もいいとこついていたなあ。

明日はNHK−BSで夢の美術館「世界の名建築100選」が8時間かけて放送される。
福島県会津若松市にある、江戸時代後期の特異な建築様式の仏堂である、栄螺堂(さざえどう)もとりあげられるかなあ。
番宣でちらっと見たらアンガールズが訪ねていたような気がする。

126タクト:2008/01/28(月) 02:18:39
ディズニー・ランドよりすごい年間パスポート
半年前の2007/6/16のBBSの書き込みで、僕のここ数年はまっていることの一つに国宝や仏像を見ることで、日本に4館ある国立博物館の年間パスポート(一年間4千円)を購入していることを書き込みました。
http://8130.teacup.com/tact/bbs?OF=100&BD=16&CH=5

それで昨日は東京国立博物館(以下東博)の年間パスポート(もちろん奈良・京都・九州4館共通)の更新と常設展示を見に東博へ行きました。
そこでおもしろいものをやっていました。
ミュージアムシアターです。

「バーチャルリアリティ(VR)は、コンピュータで生成された3次元空間の中を移動しながら、あたかもその場にいるかのような感覚を体験できるデジタル表現技術。
ハイビジョンの約4倍という超高精細の映像が映し出され、圧倒的な臨場感で文化財や文化遺産の迫力を伝えます。近寄った際には細部まで高精細のCGで再現。作品の細やかな線や表情を楽しむことができます。
東博収蔵の国宝「聖徳太子絵伝」のように、保存上の観点から長期にわたっての公開が不可能な貴重な文化財を公開する手法として、研究・公開します。
およそ1000年の時を越えて鮮やかに蘇る伝説の物語絵。息がかかるほどの臨場感でお楽しみください」

なんて言っていましたが、確かに映像はむちゃくちゃきれいでした。
これは見ごたえありましたね。
上映日: 金・土・日・祝日・振替休日 や、定員30名と制約がありますから、事前に調べて行かれたらいいと思います。
ぼくは別に東博の回し者ではありませんが、純粋に感動したので書き込みました。

この日は他に国宝では、日本絵画史上の傑作、雪舟の秋冬山水図(しゅうとうさんすいず)がきょうまでの展示、片輪車螺鈿手箱(かたわぐるまらでんてばこ)、そしてなぜか本館の“茶の美”コーナーに飾ってあったのが国宝“青磁下蕪瓶”(南宋13世紀、龍泉窯、アルカンシェール美術財団蔵)。これは日本に伝わる青磁花生のなかでも、名品中の名品として知られています。が、東博のホームページには本日の名品には載っていませんでした。委託だからか展示最終日なのか理由はよくわかりませんが。
一階には重文だが野々村仁清の色絵月梅図茶壺(いろえげつばいずちゃつぼ)が堂々と置かれていました。

そして昨日、ぼくはとんでもない本を本屋で見たのです。
それはネット書き込みを扱った雑誌なのですが、その中でネット難民のおじさんが昼は東博の前の上野公園で炊き出しをキリスト系の団体からもらいながら、東博パスポートを持っているので東博のなかで暖をとっている漫画です。
「4千円でこりゃ、天国だなあ」
これは人事ではないな、とゾクッとしました。

東博を把握すればかなり楽しめます。
所蔵や企画の文化財の観覧はもちろん、新しく指定された重要文化財・国宝を定期に公開してたり、演奏会、映画、解説、講演会も無料だったり、とにかく年間を通じて素晴らしい時間が過ごせます。
芸人はよく舞台が終われば飲みに行きますが、僕はチャリンコで東博通いです。

では、皆さん今年も「東博で会いましょう」

東京国立博物館
http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=X00/processId=00

文化庁・文化遺産
http://bunka.nii.ac.jp/Index.do;jsessionid=6358870A44EE9648D4EB3F96123DB0FC

127タクト:2008/01/30(水) 13:36:18
女子ハンドボールを見に行った。
昨日は午前中に指揮者のゲルハルト・ボッセ先生とお話しする機会を得ました。
先日指揮されたベートーヴェンの交響曲7番などの興味深いお話をされて、改めて音楽は奥が深いしおもしろいと思った。
日本人の奥様が幾つかの音楽雑誌でボクの記事を見てたらしく、ボッセ先生の指揮者真似もやりたい旨を伝えると、逆に喜んでいただきすごくうれしかった。
ボッセ先生はもっと多くの方にクラシック音楽が広がることを期待されています。それでぼくにもやさしく接してくれたのでしょう。
85歳なのに気さくでお元気で真摯な姿勢に、ぼくもいっぺんに好きになり久しぶりにそそられる指揮芸の対象者に巡り合えた気がしました。
よく「今活躍中の指揮者で新しく物真似をしないの?」と聞かれるのですが、一昔前の20世紀の巨匠に比べて、正直そそられないのが現実なんです。
生意気かもしれませんが、追いかけたい、真似したいと思う指揮者は最近はいません。
絵的にも見栄えがあって、人間的にも魅力があって、個性があって、尊敬する部分があって、「惚れ」なければなかなか真似したい気にならないのです。
指揮者芸は一人芝居と捉えているので、自分がやっていておもしろくないと迫力や楽しさが見ている人にも伝わらないと思います。
そんな中でボッセ先生やハンス=マルティン・シュナイト先生、秋山和慶先生、下野竜也さんなどはやってみたいし、その方たちを除けば新しくレパートリーに加えてみたいと思う指揮者はほんと少なくなりました。

午後はルミネ吉本に大阪から来ているWヤングの丸兄と会って、「4時半に舞台終わるから、それからどっか行こう」というので、格安チケットで女子ハンドボールの北京五輪アジア予選再試合が行われる国立代々木競技場の日韓戦のチケットを、アリーナA席3,000円を2,000円で2枚買って見にきました。
前売りが売り切れで入るのが難しい、というのは男子の方で、女子は当日券も売り出していましたが、それでも4千人以上の観客を集め、熱気は凄かったです。
特に韓国側の応援の団結力。
まとまりがあって、人数も多く、音物も鳴っていて応援席から一団となった「テーハミングック(大韓民国)」の大声援。
一方日本側は、青い服を着た応援の方は多かったのですが、男子のエース宮崎選手(ボクのアリーナ席の右上に男子チームが陣取っていた)が来ていると知るとキャーキャーそっちに目はいくわ、アテネ五輪で銀メダルを取った韓国代表の活躍を描いた映画「私たちの生涯最高の瞬間」に出演した女優、ムン・ソリさん(33)らスター選手を探しに行くわで人数以外は応援パワーも大きな差があったわな。

「男子より女子の方が可能性があるらしい」という声も始まる前には聞こえていましたが、実際にはここ6大会のオリンピックが金2個、後は銀という韓国チームとここ20年予選で負けている日本とは、差があったと思いました。
どんどんシュートを打ってゴールを決める韓国と、デフェンスの上からしかシュートが打てないので決まらない日本の攻め、体格の差、速攻がない日本…。
戦術も反則すれば2分間退場させられて、一人少ない5人(キーパーを除く)で戦わなければいけないのだが、そういう時韓国はボールを持っても攻めない、味方が6人揃うまで時間を稼ぐのだが、日本は無理に攻めてボールをとられて一人少ない間にどんどん点を取られていく。
15番の谷口という選手が気を吐いていましたが、やっぱりせっかく全国のみんなが注目している中でハンドの面白さを知ってもらういい機会なのに、10点以上の差のつくゲームは、なんかその場にいて悔しかったですね。

きょうの男子には、ぜがひでも勝ってほしいと思っています。

128タクト:2008/02/01(金) 14:03:22
丼の背い比べ、丼勘定、丼コロコロ…。
丼ものチェーン店の競争は似たり寄ったり。
まさに「丼のせいくらべ(背比べ)」、
後先考えずに安易に値段を下げるのを「丼勘定」、
そしてそのつけが回って坂道を転がり落ちるように店が傾くのを「丼コロコロ」。
ラーメン屋で思わずくしゃみをしたら、タンがラーメンにポチャンと入った…「タンメンになってもた…」。
またくしゃみが出たらタンがポチャン、ポチャンと2度入った。「今度はタンタンメンや」。
思わず「ごめ〜ん」。
この麺食い!
食べ終わったら丼の底に「当たり」と書かれていた。
牛ドンの「吉野家」「松屋」だからおいしそうだけど、これが「くず肉屋」だったら食べる気する?
「東京ディズニーランド店」は「千葉県浦安遊園地店」に、「帝国ホテル店」は「有楽町駅前ホテル店」に店名を変えないと偽装表示だわな。


丼ものチェーン店、総合力1位は「吉野家」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=396245&media_id=40

確かにおいらのような独り者は、丼ものチェーン店はよくお世話になる。
昨日も浅草演芸ホールの出番終りで、牛丼を食べた。
これからもよろしくね。

129タクト:2008/02/04(月) 20:31:15
ドラマより劇的! 残り35秒での大逆転。
アメリカン・プロフットボール(NFL)の年間王者を決める第42回スーパーボウルがいま終わった。
ニューヨーク・ジャイアンツが劇的勝利で頂点にたった。
相手のペイトリオッツはレギュラーシーズン無敗。
プレーオフも安定して勝ち続け18連勝で、1972年シーズンにドルフィンズが達成して以来となるシーズン全勝、パーフェクト優勝の期待がかかっていた。(レギュラー・シーズン16試合制になってからは初)
とにかくペイトリオッツは強い。
ここ7年でも3回NFLを制覇している。
しかしさすがスーパーボウル、いつものようにはペイトリオッツのパスが通らない。
とにかくジャイアンツの攻めのデフェンスがすごいのだ。
一進一退で両者に点が入らず、第1Qでジャイアンツが3点。
第2Qでペイトリオッツが7点とり、第3Qは両者に点が入らず、第4クォーターを迎えるにあたっても7−3という近年まれにみるかなりのロースコアの展開。
それでもペイトリオッツリードで最終クォーターに入っていった。
最終局面で試合が逆転、また逆転。
ジャイアンツのイーライ・マニングのパスが通りだし、ジャイアンツが勝ち越して10点になれば、残り2分42秒でまたペイトリオッツがパスを通して再逆転の14−10。
残り39秒。
もうペイトリオッツのパーフェクト優勝まちがいないと誰もが思った瞬間、マニングの浮かせたロングパスが通り勝ち越しのタッチダウン!
残り35秒での大逆転。
兄のベイトン・マニングも観客のジャイアンツファンもみんな歓喜している。
これでジャイアンツのマニングが兄弟で2年連続スーパーボウルMVPを獲得することになった。
昨年はコルツのQBで兄のペイトンが優勝を飾り、今年は弟のQBイーライ。4点を追う第4クオーター残り35秒で13ヤードの逆転TDパスを決め、歴史的な逆転勝利のパスが決めてだった。
ついに無敵のペイトリオッツが最後の最後に負けてしまった。

なお、この模様は夜の日本テレビ系やNHK−BSでも放送されると思います。
かなり見ごたえありますよ。
しかしこんないいスタジアムが大学(フェニックス大学)の持ち物なんてすごいね、アメリカは。

130タクト:2008/02/06(水) 14:32:35
『お笑い音楽祭』〜音ネタ芸人のスペシャリストたちの饗宴〜
2月11日(月・祝)に芸人ヒットメーカーのぶっちゃあさんがプロデュースされる『お笑い音楽祭』〜音ネタ芸人のスペシャリストたちの饗宴〜が野方WIZで催されます。

出演:だるま食堂、はだかの王様(すわ親治&石倉直樹)、こ☆まいけいる、JP、朝倉・小松崎、好田タクト、(MC)三拍子。

場所:野方区民ホール(野方WIZ) 西武新宿線野方駅下車徒歩3分

料金:1,500円(中高生1,000円、小学生500円、未就学児無料・同伴同席) 大人チケットはローソンチケットで取り扱い中Lコード31835

開場:17時30分、開演:18時

お問合せ:野方区民ホール・?03-3310-3861

このライブのキャッチフレーズがすごいです。
「考えられない破格値を実現! 248名様限定! この値段で、これだけのメンバーがご覧になれるのは、間違いなく最初で最後です!」

みなさん、ぜひ来てくださいね。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000224.jpg

131タクト:2008/02/07(木) 18:56:08
余波…。
中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、日本も中国も大騒ぎだ。
おいらは関係ないかな、と思っていたらそうでもなくなってきた。

今回の事件で、加ト吉と日清とJTの合併案が解消されたり、スーパーの冷凍食品コーナーが全品5割引でもほとんど売れなかったり、代わりに餃子の皮とニラが飛ぶように売れて、「ギョーザ手作り器」が注文殺到している。
おばちゃんいわく「だって、テレビで餃子が写っているのを見てたら、おいしそうになっちゃった」だって。
それでも人事だと思っていた私。
じつは昨年末に音楽雑誌と新聞で掲載されたボクの記事を見て、直接ある地域の生協が5月に仕事を依頼してきたのだ。
けっこう大きな内容で、今後にも繋がる感じだったのだが…。
内容を決める段階で、生協自体がこの事件でてんやわんやでそれどころではなくなった。
打ち合わせも一旦保留。
もちろん仕事をやることはかわりはないけれど、早くこの冷凍餃子事件も解凍、いや解決してほしいなあ。

また、こんなことも表沙汰になりましたね。

中国製ギョーザの中毒問題で、ギョーザが製造された「天洋食品」で2007年、蒸し器のある施設に閉じ込められた19歳の従業員女性が蒸気をかけられ、死亡する事故があったことがわかった。
友人の女性が証言した。
事故死した女性の友人は「彼女は工場の設備の中に入った。現場に入っていったのよ。蒸すところに。生の肉よ。肉を入れて蒸すの」と話した。
女性は、蒸し器のある施設に忘れた携帯電話を取りに入ったのだという。
そして、中に女性がいたことに気づかず、蒸し器が稼動された。
事故死した女性の友人は「彼女が中に閉じ込められて、出られなくなりました。
そこに蒸気がかけられ、翌日ドアを開けてみたら、彼女はもう死んでいたんです」と話した。

天洋食品側は遺族に賠償金を支払い、表ざたにはならなかったのだという。

でも、今回の事件で「蒸し返され」て表ざたになってしまった…。
餃子事件がなかったら、天洋食品側は死亡事件はずっと冷凍保存する気だっただろう。

132タクト:2008/02/08(金) 13:48:51
今月(2月)の予定
今月(2月)の東京演芸協会の出番表をもらって見たら、13日がピンの指揮者芸で中入り後になっている。(中入り前はこまの三増紋也師匠)。
普通、協会の出番は年功序列になっているので、僕みたいな若手(これでも東京演芸協会ではぼくは若手。年寄り、いや師匠連中がかなり多いので)は、もっと出番が浅いのだが、出番を組む理事が抜擢してくれたらしい。
それがちょっとした波紋になっているらしい。
ぼくが意図したことではないので、どうすることもできないけど。
誉める人もいれば、それがおもしろくない人もいるわけです。
13日がピン芸、14,15日はコントで東洋館。
16,17日は新潟の十日町の奥にある日本の超秘境、鉢での雪まつりでの演芸。
鉢は「げんきくん」時代のロケでお世話になった所。
全員が「尾身」という名前で、風習「鳥追い祭り」が残っている。
以前はシベリア文太とこの雪祭りにいったことがある。
近いのでは11日にぶっちゃあさんプロデュースの「お笑い音楽祭」に出る。
23日は上野広小路亭
24日は麻布十番寄席。
他にもちょこちょこあるので、貧乏暇なし状態かな。
それもほとんどコントで出番を取ったので、指揮者芸はちょっとお休みかな。
3月になったら川治や熱海のホテルにも泊まりがけで行くのでもっと忙しくなる。
もちろん好田タクトのピンとしての出番もある。
じつは東京ユニットはぼくがほとんど仕事をとっている。
森さんは足を怪我してからバイトがつらいらしく、なんとかお互いバイトをせずにやっていけるようにしたいので、無理にでもホテルや若葉の湯など営業の仕事を3月からかなり入れた。
それで森さんは1月いっぱいでバイトを辞めた。
だからユニットのマネージャーみたいなこともやっているかな。
今年一年でコンビの芽が出なかったら、浮き目がないと思っているので新ネタを作ってどんどんチャレンジして馬力をあげないといけないな。

133タクト:2008/02/09(土) 23:06:49
がんばり屋さんには、幸せが舞い降りる。
ああ、寒い。
雪も降ってきた。
あちこちで氷も張っていることだろう。
こんな日は、氷をも溶かす暖かい話の出番だ。

先ほど行われた2008年全米選手権で復帰を果たし、2位となったフィギュアスケートの井上怜奈さん。
下記は井上選手のことを書いた記事(http://www.1101.com/kariya/2006-06-29.html)から抜粋。

井上選手はリレハンメルとアルベールビルに
15歳と17歳で出ているんですが、
その後3回めのオリンピックを目指すとき、
長野オリンピックのシーズンの始めに
お父さんが肺ガンで亡くなってしまうんです。
お父さんの応援が井上選手のスケートの
大きな支えだったものですから、
そのお父さんがいなくなったショックで
彼女は長野オリンピックの代表争いに
まったく力を発揮できずに破れてしまう。
そこで彼女は一回スケートをやめちゃうんです。
お母さんとしては、
もうやめて当然だなと思っていたらしいんですが、
ある日、突然、井上選手が
スケート靴を持って練習に行くんですって。
どうして彼女がスケートをもう一度
はじめる気になったのかということが
お母さんにはずっとわからなかった。
それが、今回、全米の代表になって
いろいろなインタビューに
彼女がこたえていくなかで、
「お父さんがいなくなって
 落ち込んでいるお母さんを
 元気づけようと思ったから
 もう一度、はじめようと思った」
ということがわかった。
お母さんはそこではじめてそれを知るわけです。
だから、お母さんはトリノに
応援に来てるんですけど
もう、ぜんぜん演技を観られない。
で、その後、スケートを再開した彼女は
ペアを求めてアメリカに行くと言い出す。
アメリカでとにかくがんばってらっしゃいと
送り出すんだけれども、お金がないんです。
それで彼女がアメリカで何をやったかというと
日本のお土産売り場でアルバイトをしながら
そこからレッスン代と生活費をやりくりする。
なにしろ、競技に出るにも衣装が買えないですから
布を買ってきて、自分で縫っていたそうです。
自分で縫ってると、たとえば、ある大会では、
ビーズをつけるのが間に合わなくて
ショートプログラムのときには
半分のビーズをつけて滑って、
その翌日にはビーズが増えてる、
そんな状態で試合に出ていたんです。
そういうふうに試合に出てるときに
彼女は肺ガンにかかるんです。
幸い、当時のアメリカには、
最先端の抗ガン剤があったので、
その病院に行って、とにかくその
抗ガン剤をうってくれと言って治療をはじめた。
ただ最先端とはいえ、強い抗ガン剤だったので
ものすごい副作用があったらしいです。
でもその副作用に耐えながら練習を続けた。
しかも、入院はしていないんです。
通いで抗ガン剤をうったんです。
その抗ガン剤をうちながら
アルバイトをして、レッスンをしてという
くり返しだったんですって。
そんなわけでフラフラしてるから練習中に
落下して頭蓋骨を骨折して、
前歯がほとんどなくなってしまうような、
5時間くらい意識不明になる大けがをして。
そのときに落ちた後遺症で
心的外傷後ストレス(PTSD)にかかって
わけもなく突然涙が出たりだとか
そういうことにずっと苦しんで。
それが治ったと思ったら
今度は、落ちたショックで
卵巣を片方破裂させて卵巣摘出を受けて。
そこから治って、
ようやくペアがうまくいってきて
最後のチャンスというか
オリンピックをかけたショートプログラムで
4位と出遅れてしまう。
もう絶望的ななかから
はじめてのスロー・トリプル・アクセルを
フリーで決めて、
大逆転で全米チャンピオンになって、
トリノオリンピックに出場してきたんです。
‥‥すごい話でしょう?
これほどすごい話が実話としてあるのかという。

その井上選手が氷上でプロポーズを受けた。
先月26日の全米選手権ペアで2位だった井上怜奈(31)組。
演技後、パートナーであるジョン・ボルドウィン(34)がひざまずき、井上の両手を握って「残りの人生を一緒に過ごしたいのは君なんだ」と熱いプロポーズ。涙ぐみながら、「はい」と答えた。

 兵庫県出身の井上は日本代表でも活躍。肺がんを乗り越え、米国籍を取得し00年から正式にペアを組み、米国代表で出場した06年トリノ五輪は7位に。
2007年世界選手権を最後にアマチュア引退を発表したが、引退を撤回し現役続行を宣言。
2008年全米選手権で復帰を果たし、2位となった。

「彼女のことをすごく尊敬している」とボルドウィン。
いつもは冷静な井上も「こんなこと知らなかったし、最初は何が起きたか分からなかった」。

「プロポーズ」は、2人が何度もドラマを演じてきた氷の上だった。

134タクト:2008/02/11(月) 00:56:41
『タクト音楽祭』のブログが完成。
クロード小林さんが『タクト音楽祭』のブログを作ってくれました。

http://tactmusic.blog103.fc2.com/

『タクト音楽祭』開催記録
第1回 1988年5月14日なんば花月
第2回 1990年5月21日ビブランシアター
第3回 2007年11月4日東洋館
これからも、世界ツアーを目指して活動していきます。
ちなみに来月3月13日に新宿歌舞伎町 アシベ会館B1F で、チャージ 1,000円(チケット)+飲食代で後半に『タクト音楽祭』番外編をします。

ハイドンは、休暇が与えられずに不満を持っていた楽団員のオーナーへのアピールに、交響曲第45番「告別」というのを作曲して演奏者を一人ずつ去らせ、最後に二人だけにするというのを考えた。
ぼくは、アンフィニ・オーケストラには美人奏者が多いので、「もっとお客さん、たくさん来て。でないと私たち、服も買えないのよ」と、楽団員は全員演奏しながら服を一枚一枚、オペラ『サロメ』のように脱いでいき、最後にはセパレーツビギニの水着になってしまう。
もちろん演奏する曲はドリフターズの加藤茶が「ちょっとだけよ」で使ったラテン音楽の「タブー」。
後半はその水着姿で演奏をする。
これを『音楽祭』の新しいネタにクロードさんに提案しましたが、残念ながら却下されました。

135好田タクト:2008/02/12(火) 14:58:53
『お笑い音楽祭』報告記
昨日、ぶっちゃあプロデュース『お笑い音楽祭』〜音ネタ芸人のスペシャリストたちの饗宴〜が無事終わった。
ぼくは20分の持ち時間だったので、4人の指揮者でちょっと曲も変えてみた。
感想? 正直、やり終えてほっとしている。
出来は悪くはなかったと思う。
「ブラボー!」という声もけっこういただいたし。
でも始まる前は、あのお世話になったぶっちゃあさんのプロデュース公演ですから、なんとかいい舞台にしたい、若い客が多かったらボクの出し物が通じるかな、とプレッシャーもあった。
でも満席のお客さんが楽しそうに帰るのを見て、心配も杞憂に終わった。
自著の本も完売したし、『タクト音楽祭』のDVDも「タクトさん、初めて見たけどおもしろかったから」なんて親娘が買ってくれたのには感激。
それにも増して、うれしいことがあった。
それは前から尊敬していたり、気になっていた人といっぱい話ができたこと。
だるま食堂さんは仕事とか一緒になるけど、じっくり話したことはなかった。
それが帰りの電車も含めてすっかり意気投合してしまった。
ほんとに女性コントでは日本一だと思う。
ドリフターズに16年ついてテレビに出ていたすわ親治さん、元笑パーティーの石倉直樹さん、こ☆まいけいるさん、JPさん、MCの三拍子さんとも楽屋と打ち上げで仲良くなった。
恩人のぶっちゃあさんにも喜んでもらえた。
サン・ミュージックの若手芸人たちも多数来ていて、みんな礼儀正しく、目が輝いている。この中から未来の小島義雄やダンディー坂野が出てくるのだろうな。
ぶっちゃあさんは二次会にも繰り出していて、若手たちや劇場の関係者にもすごく気配りをされていた。
さすが親分肌は違うな。
ほんとうにプロデュース公演は大変だから。
打ち上げでびっくりしたのは、あの物真似の葉月パルさんが来ていたことだ。
25年ぶりの再会。
読売テレビ主催『エンターティナー大集合』と言う4時間半の生放送で、予選を重ねて日本一のお笑いを決めるという番組。
いまのRー1とちょっと似ていて、決勝大会でぼくはトミーズさんに負けたが、東京代表のパルさんは当時もお笑いスター誕生などで活躍していたから勢いがあって、一回戦はまるむし商店、二回戦ダウンタウンに勝って、決勝でトミーズさんに負けたのだか準優勝。
その番組でしゃべる言葉が「なんや、関西弁やん」と思っていたので、ずっと気になっていた。
そのパルさんと打ち上げでずっとしゃべっていて、
「お兄さん(パル)、出身どこですのん?」
「俺か、兵庫や、兵庫の明石や」
「高校は?」
「明石西や」
「ぼく、明南(通称めいなん、明石南のこと)ですよ」
「ええ?」
聞けば中学も大蔵と衣川で隣同士。
すっかり故郷話で盛り上がってしまった。
Mr.オクレさんはじめ、明石出身、同じ中学・高校の芸人がかなり多いことがわかった。
「前、芸名、パルコでしたでしょ。なんでパルになったんですか?」
「パルコがあるから、ライバル会社がスポンサーになっている番組から降ろされそうそうになって、芸名変えたんや」

この日、一日でいっぱい気になっていた人と話ができて、謎が解けた。

ああ、尊敬している人とお話ができるって、なんて心地がいいのだろう。

136タクト:2008/02/13(水) 23:41:31
職人倶楽部 元気座
じつは私はあるグループに入っています。
それは、『職人倶楽部 元気座』です。
メンバーの一人、メジャーリーグ審判を目指している元パリーグ審判の平林岳(西武の東尾監督を初の退場処分にした)さんが日本に帰って来ているので、その集まりといっても飲み会なのですが、久しぶりに昨日(13日)ありました。
このグループはユニークなので、ここで紹介させていただきます。

職人倶楽部 元気座…自らの世界を探求し歩みつづける“職人”たちのページです!(ブログより)

様々なジャンルで、独自のやり方でがんばっている人を応援しようということで、主催者の大平さんが声をかけて集まった、もう座になって10年ぐらいになるのでしょう『職人倶楽部 元気座』。
僕が入るきっかけは、前著『クラシック音楽夢レース』というのを『7つの習慣』で有名な出版社から出したのですが、そのキングベアー出版に大平さんが当時いて、「こんな会があって応援しているので、タクトさんも入りません?」と誘っていただいたからです。
では、メンバーを紹介しましょう(ブログ記載順)。

元気座の職人

・好田タクト…指揮者芸を長年続けている芸人。

・紺谷英和…津軽三味線横川流家元。上妻宏光や吉田兄弟より早くこのジャンルを大衆化し、海外公演をした。津軽三味線の可能性を求め、一世風靡とともにN.Y.タイムズスクエア―、ワシントンスクエア―等での路上パフォーマンス、アポロシアターにて東洋人初リ単独公演を敢行。N.Y.タイムズ誌や国内の数々のマスコミに取り上げられる。

・三遊亭 遊吉…落語家。名人。落語芸術協会員。

・鈴木弘子…日本人初のアメリカ女子プロアメリカンフットボール選手。

・関口 治…探検家。幌馬車で家族でアメリカ横断したりした。

・中村 松江…歌舞伎役者。改名前は中村玉太郎さん、人間国宝で名優六代目中村東蔵さんの息子さん。

・平林 岳…元パリーグ審判で、今は日本人初のメジャーリーグの審判を目指して渡米中。テレビや新聞でも多数取り上げられているのでご存知の方も多いはず。今年の秋にはそのドキュメントがテレビで放送されるので、ブレークは必死ですね。

・本宮 誉泰…放送作家。

今回は来られなかったが、三志郎さん、花川 梅蝶さん、風楽(ふら)さんなど各ジャンルの人たちがいる。先日、日本人女性で初の南極踏破された続さんも一時いた。

ま、こんな集団です。
みなさん、生き方が下手なので苦労しています。
なんかイベントや、講演、ワークショップの仕事があったらください(ちゃっかり宣伝)。


今日は東洋館で指揮者芸をした。
トリの牧伸二会長が最後に「浅草音頭」を歌ったので、はっぴを着て一緒に舞台で踊った。
会場にはおとつい、ぶっちゃあさんの「お笑い音楽祭」でお会いしたサン・ミュージック顧問の名作・編曲家竹村先生が来てたので、ちょっとびっくりした。
物真似の田原しげるさんと友達みたい。都はるみさんつながりだから、そりゃそうだわな。

137タクト:2008/02/15(金) 11:56:39
カティン
今年もアカデミー賞の授賞式が近づいてきた。
気になる映画が外国語映画賞にノミネートされている。
ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督が撮った「カティン」だ。

もう20年ぐらい前になるだろうか。
NHKスペシャルで「カチンの森」というのをやっていた。
衝撃を受けた。
録ったビデオも何回も見た。
こんな悲劇はもう繰り返したくない。

1939年にドイツとともにポーランドを分割占領したソ連が、連行したポーランド軍将校ら約2万名を銃殺しナチスのせいにして、証拠を隠滅した舞台が、カティンというポーランドの森だ。

その時に死体の山を呆然と見つめる遺族たちの写真が、ネットにも出ている。

ポーランド、ソ連、ドイツ、自国の尊厳と民族を絶対視し、生き延びる為に互いに自分とは異なるものを排除しようとしたために生まれた戦争。そしてカティン事件。
アウシュビッツや広島・長崎の原爆投下が表に出た第二次世界大戦の悲劇なら、このカティン事件はペレストロイカになる1990年までタブーにされ闇に葬られてきた悲劇の象徴だ。

ワイダはこの悲劇で父親を亡くしている。

「私は、開戦以来、父の姿を見ていません。父は、1940年にソ連領内のカティンの森で数千のポーランド軍将校とともに虐殺されていたのです」(『ワイダの世界』岩波ブックレット、1988年)

吉永小百合や山田監督が渡欧しているベルリン国際映画祭では、この「カティン」が上映されて反響を呼んでいる。
しかし日本では配給が決まっていない。
でも見るべき映画だと思えてしかたがないのだ。

138タクト:2008/02/18(月) 13:24:45

昨日の夜、新潟の奥地、十日町の吉田地区の鉢から帰ってきました。
集落の六十数世帯全員が「尾身」という名前で、永六輔さんも愛した風習「鳥追い祭り」が残っている日本の秘境です。
最近は3年に一度夏に催される「大地の芸術祭」の会場村として、世界的に有名になっている所でもあります。
やはりすごい豪雪で、ぼくたちが泊まった晩にもすごく降って、「3階建てだったら窓から外が見れるけど、2階までの家だったら雪下ろししないと出れねえなあ」だって。
道の両サイドが積雪で4メートルぐらいの壁になっていた。
ぼくはここに、NHKのお兄さん時代の「あしたもげんきくん」の「雪の中で」という回で14年前にロケをして、その時に村の人たちとすっかり仲良くなり、今でもずっと交流が残っているんです。
今回は雪祭りで演芸をするために、東京ユニットで行ったのです。
あのときの子供たちは、もう20歳前後の立派な青年(女性も多いよ)たちで、都会に出ているものも少なくない。
それでもこの雪祭りには、鉢へ帰ってきます。
みんなに「げんきくん、太ったなあ」と言われ、それでもみんな暖かく迎えてくれて、すごく幸せな気分になりました。
もちろん、2本のコントは40分間大受けでしたよ。

139タクト:2008/02/20(水) 12:37:22
今、そこにある危機
運慶が、運慶の作が、海外に出ていってしまう・・・。

廃仏毀釈やフェノロサ時代に、大量の貴重な日本美術品がボストン美術館、ギメ(パリ)、メトロポリタンなどに出て行ってしまった過去があるのに。

なんで運慶作とわかっていて、いくら所有者の同意が得られなかったとはいえ、文化庁は重文に指定できなかったのだろう。
落札見込み価格は150万〜200万ドル(約1億6000万〜2億1000万円)って、そんな低い価格なの?

ミケランジェロより秀でていると信じているおいらには、ほんとにお金があったら、全財産を投じてでも流出を食い止めたいよ!

東博の年間パスポートを持ち続けて6年、こんなドキドキしたニュースはないな。

ほんと、なんとかならないかな。


(以下、毎日新聞ニュースの記事)
運慶:大日如来坐像が米オークションに 海外流出の恐れ

競売に出品される運慶作とみられる木造大日如来坐像=東京都銀座の「クリスティーズ ジャパン」で2008年2月20日午前10時42分、兵藤公治撮影 鎌倉時代に活躍した仏師、運慶(生年不詳、1223年没)が制作したとみられる「木造大日如来坐像」が、米ニューヨークで3月18日に開かれるクリスティーズのオークションに出品される。オークションには国内の美術館も関心を示しているが、「国による入札参加は困難」(文化庁美術学芸課)などの状況から、国宝級の仏像が海外に流出する恐れが出ている。

 オークションに先立ち、東京都内のオークションプレビューで20日、仏像が公開された。落札見込み価格は150万〜200万ドル(約1億6000万〜2億1000万円)。

 03年に所有者からの依頼で調査を行った東京国立博物館の山本勉教育普及室長(当時、現・清泉女子大教授)によると、仏像はヒノキ材で表面は金色に仕上げられており、高さ約66センチ。仏像の顔つきなどの作風、内部に納められた木札や水晶から運慶作と確認した。

 文化庁によると、運慶の作品、または運慶作と推定される作品はこれまでに13件が確認されており、うち12件が国宝または重文指定を受けている。指定を受けると国外に持ち出す際に国への届け出が必要になるが、今回の仏像は所有者の同意が得られなかったため指定に至っていない。【手塚さや香】

140タクト:2008/02/22(金) 15:59:56
猫の日
今日は猫の日。というわけで日記も世界でいちばんパンダに似ていると自負しているミーコの写真を貼り付けます。
(2月22日は「ニャンニャンニャン」ということで猫の日になったらしい)

東京二期会オペラの『ワルキューレ』(リヒャルト・ワーグナー)を見てきた。指揮者の 飯守 泰次郎さんは調子はいいみたい。
ワーグナーを振る日本人指揮者の中では、ぼくはやっぱり飯守さんがいいな。
じつは飯守先生、ぼくの自著を持ってくださっています。
二期会の事務局に挨拶をして、帰りにマイミクの「とおるさん」と会いました。
とおるさんは、田辺とおるさんのこと。
ドイツの歌劇場で長年活躍されて、NHKのドイツ語講座、声優としてもおなじみですが、なんといっても日本を代表するオペラ歌手です。
そのとおるさんが、今度ショスタコービッチのオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を主催されます。
日時:2008年5月4日、5日 14時開演
場所:サンパーク荒川大ホール
7千円〜1万円ですが、あの20世紀を代表する問題作「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を日本で見られるのですから、これは要チェックです。
問い合わせ?:03-3809-9712 チケットぴあでも売っています。
ぼくはラ・フォレ・ジェルネの仕事と重なっているけど、なんとか調整をつけたいと思っています。

東京国立博物館で開催中の陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」 を見てきました。
新日曜美術館での予習もバッチリで、勇んで入ったら、お客の多さにあんぐり。
ほんと、日本の企画美術はなんでこんなに人が多いのだろう。
やっぱり開催してすぐ行かないとだめかな。
それでも5時間ぐらい過ごして、国宝、重文三昧。
あの大きな平成館全体に名品ぞろいのわけだが、残念に思ったのは第6章の「伝世の品?」のところだけが人が少ない。
聞こえる声が「あら、ここは国宝や重要文化財の品はないのね。たいしたことないんだわ」
違うやろ! おばはん!
ここは近衛家が皇室に贈呈した品だから、皇室の所蔵は文化庁の指定を受けない、宮内庁三の丸尚蔵館蔵になっているだけで、超国宝級の品だらけなんや!
どう考えても、平安時代に書かれて紀貫之や藤原定家、菅原道真(ひらがなを作った人)、空海、小野道風、藤原行成、佐理、西行、古今和歌集などがたいした品じゃないわけないやろ。
しかも20点ぐらいはあったかなあ。
それにしても、国宝『大手鑑上・下』は圧巻だったなあ。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000237.jpg

141タクト:2008/02/24(日) 12:27:40
風が吹けばタクトが儲かる、か?
きのう、昼前に出番のため自転車で上野広小路亭に行くときは、ポカポカ暖かくて手袋いらないやん、と思っていたら帰るときは強風になっていた。
帰りに寄った秋葉原でも、看板とか商品が飛ばされまくって、埃がすごくてみんな目を押さえていた。
きょうも強風は吹いている。
いまから麻布十番地域寄席に行かなきゃいけないけど、こんなんで客が来るんだろうか。
ま、だるま食堂さんとかも出るから、楽屋での楽しみはあるけど。

ところで「風が吹けば桶屋が儲かる」というのがある。
江戸時代の浮世草子『世間学者気質(かたぎ)』や『東海道中膝栗毛』からきていて、当初は「桶」のかわりに「箱」だったらしい。

1.大風で土ぼこりが立つ
2.土ぼこりが目に入って、盲人が増える
3.盲人は三味線を買う(当時、三味線は盲人が弾いた)
4.猫皮が必要になり、ネコが殺される(三味線には猫皮が使われる)
5.ネコが減ればネズミが増える
6.ネズミは箱を囓る
7.箱の需要が増え箱屋が儲(もう)かる

という流れだが、ご都合主義の私はこう考えた。

1.大風で土ぼこりが立つ
2.土ぼこりが目に入って、盲人が増える
3.盲人はテレビが見れないので、ラジオを買う
4.『エンタ』系などテレビタレントは仕事がなくなり、話芸中心の古い寄席芸人への出演依頼が急に増える
5.年よりは量をこなせないので、頼みやすくて暇な私に代演を頼む
6.世間は「こんな芸人知らんかった」と驚愕する
7.私の需要が増えタクト(&東京ユニット)が儲(もう)かる


そんなうまいこといかんやろうな。
もう、風やんできているし。

142タクト:2008/02/24(日) 22:27:12
今、平林さんが出ている!
先日の日記で書いた、大リーグの審判にチャレンジしている平林岳さんが、今、丁度NHKのスポーツニュースで特集をされている!

見て!

143タクト:2008/02/27(水) 13:56:24
2年ぶりのトーク・セッション
ヤングジョブスポット東京っていう、NPO団体があります。
ここはユニークで、いろいろな方の講演会なんかも頻繁に催されています。
じつは、ぼくは2年前に頼まれて2006年2月にもここでトーク・セッションをしました。
なにやら好評だったらしく、また頼まれてしまいました。
芸をしたり、ヨーロッパでの大道芸の話をしたり、お笑いやバイト、NHKのお兄さん時代の話をしたりしながら、2時間お互いが意見を出したりして元気になりましょう、という催しです。
しかも無料。ただし、35歳未満(年は偽ってもばれないとは思うけど…、偽装表示?)。
楽しいイベントにしますので、みなさんふるって応募ください。

下記はそのヤングジョブスポットのトップページの概略です。


ヤングジョブスポットは、将来のこと働くことについて、自分を見つめ直し新しい一歩を踏み出す準備をする場所です。 多くの人が集まり、利用者同士でのフリートークも盛んに行われ、仲間を発見したり、自分とはちがう価値観を持った仲間に出会うことでしょう。 ガンガン活用してみて下さい。 今だからできること、今だからこそやらなくてはならないこと、真剣に考えてみませんか? ヤングジョブスポットがそのお手伝いをします。

http://www.ehdo.go.jp/tokyo/yjs_tokyo/

そして、ぼくの回の告知はこちら。

http://www.ehdo.go.jp/tokyo/yjs_tokyo/event/200703/20080321.html

日時:3月21日(金)15:00〜17:00
お申し込みは直接受け付けへ、またはTELにて!

ヤングジョブスポット東京

住所 : 東京都渋谷区神南1-21-1 日本生命渋谷ビル4F
TEL : 03-6415-4510
OPEN : 10:00〜18:30(土・日・祝日は休館)


3月の出演が確定しているのは、3日が浅草まつり湯
6日:川治温泉ホテルらんりょう
12日:若葉の湯寄席
13日:タクト音楽祭番外 歌舞伎町あしべ会館
15,16日:若葉の湯寄席
17,18日:東洋館
22日:若葉の湯(orらんりょう)
23日:四谷コタン(笑って笑って笑いショー。共演:弱つよむ、寒空はだか、森はじめバンド)

このほかに、テレビ収録、寄席の定席出番、営業、日経新聞取材(掲載は5日間に分けられる)、執筆依頼などが入ります。
それぞれの告知は、近づいたらします。
4月になったら恒例の「東京のオペラの森」でチャイコフスキーになります。

144タクト:2008/03/01(土) 17:05:41
3/3発売の週刊大衆に掲載されます
「3/3発売の週刊大衆に掲載されます。エッチな記事とスキャンダルの記事に紛れて、一服の清涼剤のようなページになりました。」
と、記事にしていただいた方からメールをもらいました。
ただし、どのように載せていただいているかわかりません。
ご興味もたれましたら、コンビニや本屋にあると思いますので立ち読みしてください。


先日、東京演芸協会の研修旅行がありました。
3次会で、会長の牧伸二師匠(ウクレレ漫談で、あ〜いやんなっちゃた、驚いた♪)から隣に座るよう言われ、小一時間ほどいろいろアドバイスをしていただきました。
「いつも見てるよ〜。息の長い芸人になれよ」
ぼくは決まった師匠がなく、独自でこの芸風を創ってきたので、なんか会長の心遣いにはすごくうれしくなりました。
日頃は師匠のいる芸人が羨ましく思っていましたが、この日の会長の励ましで「がんばろう。会長の期待に応えたい」と心底思いました。
横から口挟んでくる先輩には閉口しましたけど。

145タクト:2008/03/03(月) 01:18:33
千とせの肉吸いが…
なんか「千とせ 肉吸い」がコンビニで販売されているらしい。
でもそれは違うだろう。
ぼくはNGKができる前のなんば花月の世代だから、ほんとに肉吸いにはお世話にはなったけど、あれはあの「千とせのおっちゃん」が持ってきてくれるから、味があったわけで…。
決して抜群にうまいとは思わなかったし、でも、あの千とせのおっちゃんの「毎度〜」というけだるい出前の声と、お茶子のおばはんの「はよ、帰りいなあ」、大槻衣装のノブ兄さんが新しい新喜劇の衣装を用意してくれる、そんなのがなんば花月の楽屋の匂いだったんだよなあ。

おとつい、大阪から来てたWヤングの丸兄と、久しぶりに岡けんたゆうたのゆうた兄さんと飲んだので、相方の森さんも呼んだ。
なんでも森さんとゆうた兄さんは、日テレ「お笑いスター誕生」の時、すごく仲良かったらしい。
(森さんはコントラブコ〜ルで優勝している)
ゆうた兄さんも岡けんたゆうたで、上方漫才大賞も取られている。
やっぱり寄席はいいなあ、って話で盛り上がり、森さんは昔、花月に出てた時、この肉吸いを勧められて楽屋で食べたそう。
「そんな言うほど、おいしいの?」って感想を持ったそう。

コンビニで肉吸いを食べる、そんな時代なのかな。
なんかちゃうと思ってしまった。

146タクト:2008/03/05(水) 00:12:37
Hなページに挟まれて、載ってます。
3/3発売の週刊大衆3/17号の70ページにぼくが載っていました。
けっこう、写真大きくのっけてくれてますね。
3月13日の歌舞伎町アシベ会館のコンサートの告知もしていただいています。
他に載っている芸人さんは、楠美津香さん、だるま食堂さん、松元ヒロさん、前田隣先生、それに昨年の国立演芸場でご一緒させていただいた柳家小満ん師匠など錚々たる顔ぶれでした。
そのなかに、ご一緒させて載せていただくなんて光栄ですから、「330円、高いなあ」と思ったのですが、買いました。
せっかく大枚をはたいたので、世俗の勉強のためにも他のふんだんにあるエッチなページもしっかり読み込みますね(鼻血ブー)


告知があります。
「日経WagaMaga」に4月ごろぼくが掲載されます。
「NIKKEI NET」内にある「日経WagaMaga」は、1日に1500万ページビュー(見られたページ数)、ユーザー数700万人という国内最大級のアクセスを誇るニュースサイトらしいです。
「Yahoo! Internet Guide」が選ぶ「Web of the Year」ではニュース部門で第1位(2007年度)に評価されており、ニュースサイトとしては飛び抜けて多くのユーザーを抱えていることでも知られているそうです。
そんな由緒あるところに全5回に分けた連載形式で、掲載週の月曜〜金曜まで、1日分が400〜600字でインタビュー記事と写真が載るそうです。

エロの次は経済か…。
何でもありやな、ぼくの扱いは。

147タクト:2008/03/05(水) 03:43:48
引き込まれた’ポアンカレ予想”
偶然に見た番組が、むちゃくちゃおもしろかった。

●数学者はキノコ狩りの夢を見る〜ポアンカレ予想・100年の格闘
[BShi]3/4(火) 前10:00−11:50
宇宙はどんな形をしているのか?このなぞに迫る数学上の難問が証明された。「ポアンカレ予想」。百年の間、誰も解くことができなかった難問に挑んだ天才たちを描く。

ポアンカレ予想とは、端的に言えば、宇宙って球体じゃない?
たとえば任意の一点から長いロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収できたら、宇宙の形は概ね球体(=ドーナツ型のような穴のある形、ではない)と言えるんじゃないか、という問いかけだ。

この問いは、1904年にフランスの天才数学者アンリ・ポアンカレによって提出された。
以来ほぼ100年に渡り未解決だった。
この「ポアンカレ予想」の研究は、数学者にとってはとても魅力があるらしく、とても盛んに行われてこれに一生をかけてしまう学者がたくさん出てきた。
でもその人たち、スティーヴン・スメイル、マイケル・フリードマン、ドナルドソン、ガンティアン博士、ウィリアム・サーストン(彼は幾何化予想というかなりいい線までいった)、リチャード・ストレイト・ハミルトン…。
彼ら天才数学者はこの問いに果敢に挑み、いい所までいくのだが結局は証明できずに敗れ去る。
三次元を多次元で置き換えて証明を試みたり、物理学から挑んだり、トポロジーという連続性の幾何学の発想が生まれたり。
そしてそれぞれが頭がおかしくなったり、引きこもったり、その仮説自体が間違えなのではないかと疑うものが出てりで、100年が過ぎていく。
この人間ドラマがじつにおもしろい。
がついに、2002年から2003年に掛けてロシア人数学者グリゴリー・ペレルマンはこれを解決したとインターネットに発表して証明した。
そしてその論文内容は落ち度がなく、ポアンカレ予想はここに証明することに成功したと考えられている。
ペレルマンはこの業績によって2006年、最も権威あるフィールズ賞を与えられ懸賞金100万ドルを受け取れるはずなのに、彼はなぜか受賞を辞退した。
社交性のあるベレルマンは、証明に成功することと引き換えのように人が変わったように、人嫌いになり部屋に閉じこもってしまう。

このドキュメンタリーは、数学という分野をじつにわかりやすく描いていると同時に、「ポアンカレ予想」の研究に携わった数学者たちの人間模様を実に上手に追いかけている。

どうも昨年の10月22日(月)にNHKスペシャルとして1時間番組で放送されたみたいだ。(今回のBSは1時間50分編成)
「100年の難問はなぜ解けたのか
〜天才数学者 失踪の謎〜 」
うかつにも、ぼくはそれは見損なった。
下記は、NHKスペシャルのホームページから当時の番組について書かれたもの。

宇宙に果てはあるのか?宇宙は一体どんな形なのか?
人類が長年、問い続けてきた謎に大きく迫るヒントが去年見つかった。百年もの間、誰も解けなかった数学の難問「ポアンカレ予想」が証明され、宇宙がとりうる複数の形が初めて明らかになったのだ。世紀の難問を解いたのはロシアの数学者グリゴリ・ペレリマン(41)。その功績により、数学界最高の栄誉とされるフィールズ賞の受賞が決まったが、彼は受賞を拒否し、数学の表舞台から消え去ってしまった。その真意をめぐって様々な憶測を生んでいる。「ポアンカレ予想」にはこれまで、幾多の天才たちが魅了され、人生のすべてを賭けて挑み、そして敗れ去ってきた。ペレリマンがその栄誉に背を向け、姿を消したのはなぜか。そもそも数学者はなぜ難問に挑み続けるのか。番組は、ポアンカレ予想が解けるまでの百年にわたる天才たちの格闘のドラマを追い、ともすれば取りつきにくい純粋数学の世界と数学者たちの数奇な人間模様を描いていく。CGと実写の合成を駆使し、“天才の頭の中”を映像化する知的エンターテイメント番組とする。

だって。


ぼくはきっと、こんな理屈がわかった気になって、面白く感じるんだろうな。
そういえば高校のとき、大学入試共通一次の数学の試験に必ず出る幾何学問題が、あっという間に解ける魔法の定理、ユークリッド幾何学のハッブスの定理、メラネウスの定理を友達に教えられてショックを受けて、当時の数学の先生に、
「なんでこんな便利なもの、教えてくれないんですか?」
「これは高校の教える範囲やないんや」
「予備校に行っているやつ、こんな反則技知ってて得やわ」
って、噛み付いたことありましたわ。

148タクト:2008/03/11(火) 15:52:27
『ななしの会』最終回
平成6年の第一回から数えて114回、落語芸術協会の7人の落語家で開催されてきた『ななしの会』が、昨日をもちまして最終回、お開きとなりました。

ほんとうによく聞きに行かさせていただきました。
江戸落語のおもしろさを堪能、とは言っても純粋な江戸出身者はいなくて宮崎や青森出身者もいるそうですが…、それでもほんとうに落語のおもしろさをこの会で教えていただいた気がします。

前座さんの瀧川鯉八さんの「転失気」から始まり、

桂歌春師匠の「たらちね」

三遊亭遊吉師匠の「人形買い」

桂小文治師匠の「長屋の花見」

瀧川鯉昇師匠の「千早振る」

ここで一旦仲入り。

桂小南治師匠の「写真の仇討ち(指切り)」

柳家蝠丸師匠の「勘定板」

桂南なん師匠の「笠碁」

いま確かに落語ブームだそうですが、日頃からこのような地道な会を続けられてきた師匠方が、落語のファン層を開拓してきたからこそ、今日の落語の隆盛があるのだと思います。
ここ数年はお客さまもずいぶん増えられました。
長い間、おつかれさまでした。
そして、ありがとうございました。


なお、三遊亭遊吉師匠は4月4日(金)に午後6時半から上野広小路亭にて、木戸銭2千円で恒例「遊吉の会」が催されます。

149タクト:2008/03/11(火) 15:59:38
四谷コタン「笑って笑って笑いましょう vol.3 」
四谷コタン「笑って笑って笑いましょう vol.3 」

開催日時 2008年03月23日(7;00pm開演)
開催場所 東京都(四谷コタン)

四谷コタンで「笑って笑って笑いましょう vol.3 」があります。

3月23日(日)7;00pm開演です。¥2.000 +飲み代

出演は、(好田タクトと森はじめの)コント東京ユニット、寒空はだか、弱つよむ、昔少年団バンドの4組です。

今回はぼくはピンネタではなく、東京ユニットとしてコントを2つします。
そのうちの一つは新作です。(おそらく占い師ネタ。ひょっとしたら医者コントもするかもしれないので新作は2作するかも)。

前回から弱つよむさんが参加され、今回は森さんのバンド昔少年団も出て、ますますパワーアップした「笑って笑って笑いましょう 」。
今回は日曜日ですので、お仕事帰りで慌てて行かなきゃということもないです。

場所は、四谷駅から新宿寄りに徒歩7分です。
ファミリー・レストランを左に折れます。
〒160-0011 東京都新宿区若葉1-9 金峰ビル101  ライブハウス 四谷コタン
? 03-3357-7093

一人でも多くの人に来てもらいたいので、どうぞお友達とお誘いのうえ楽しんでいただけたらうれしいです。

http://www5f.biglobe.ne.jp/~YotsuyaKotan/

舞台が終わったら、出演者と和気あいあいと一緒に歓談タイムになります。

150タクト:2008/03/11(火) 16:05:24
歌舞伎町ライブミュージックプロムナード ・コンサート
新宿歌舞伎町 アシベ会館B1F で『 歌舞伎町ライブミュージックプロムナード コンサート』があります。

2008/3/13木 18:00開場 18:30開演

チャージ 1,500円(チケット) + 飲食代
後半で「タクト音楽祭・番外版」があります

出演 ●好田タクト、京本千恵美、アンフィニ・スタジオ・オーケストラ
   ●古川琴子 ほか

会場は新宿歌舞伎町 アシベ会館B1F です
参考地図 こちらはB2のアシベホール
チケット予約は、こちらのブログから。

http://otomo.info/y_mail.cgi?id=tact

「タクト音楽祭」ブログ オープン!
http://tactmusic.blog103.fc2.com/
音楽祭は楽しいクラシックを提案します!

151タクト:2008/03/12(水) 22:16:48
寝不足で生活習慣病になる。
ぼくはこの20年、睡眠時間が3時間あるかないかです。
なんか、睡眠時間が短いと食欲抑制ホルモンのバランスが崩れて、夜間でも食べるようになり、寝ていても無呼吸状態ができて眠りが浅くなり、ますます眠らなくなるらしい。
寝不足(寝過ぎも)は、動脈硬化につながる高脂血症、高血糖、肥満といった生活習慣病になりやすいんだって。

それでか!

前までは60キロちょっとで自分には絶対太ることなんか関係ないと思っていたのに。
今は時々一念発起してフィットネスクラブに入るのだが、その後にはウィスト・サイド・フトーリー(ウエスト・再度・太ーりー、つまりリバウンド)になるし、なんでやろ、と思っていたら、睡眠不足が原因だったのか。
でも、寝るのもったいないんだよな。
いつも朝5時ごろにいつの間にか寝てしまって、NHKーBSの「ちりとてちん」(最近面白くなくなってきてちょっと不満。風林火山の最後もそうだった)が始まる7時半ごろに目が覚めてうとうとテレビを見るのが日課になってしまった。
夜中には何をやってもはかどるし、夜に起きてごそごそしているのは楽しいのは確か。
でもこれからは、ちゃんと布団にはいって寝床で寝よう。

寝れないときは、ひつじが一匹、ひつじが二匹…、
あれ? ひつじってどんな動物だったっけ? どんな顔してたっけ?
ヤギとの違いはなに?
ますます目が覚めて、やっと寝たのが朝のひつじ(7時)…。

152タクト:2008/03/15(土) 10:28:10
生楽団を振れる醍醐味
今年の3月13日は木曜日。
キリストの磔刑は13日の金曜日って言われているけど、ちゃんと計算したら13日の木曜日というのが真相。
その13日に新宿歌舞伎町のアシベ会館地下一階で、『歌舞伎町ライブミュージックプロムナード』があり、後半で「タクト音楽祭」が出演した。
演奏はアンフィニ・スタジオ・オーケストラ。共演は京本千恵美。

いい演奏会だった。
一緒に出演していたバイオリンの女の子も「すごい盛り上がったね。東洋館の時のタクト音楽祭を思い出したわ」って言ってくれてたし、クロード小林さんも「やっぱり、このメンバーでこの出し物が一番いいね」と満足そうだった。
ぼくも無事終えてホッとした。
最初の「トリッチ・トラッチ」ではレヴァインで、途中お客さんは乗って手拍子、ぼくはホースとラッパも吹いて最後はレヴァインのかつらを取ったらはげかつらが出てきてストコフスキーに大変身。
場内大笑い。
京本さんの「白鳥の湖」も「愛の賛歌」も受けがすごくよかったし、「ハンガリー舞曲5番」では、カラヤン、チェリビダッケ、小澤征爾の3パターンで、風邪をひいて熱が38度2分ある小林さんも無理をしながら僕との掛け合いもバッチリ、楽団も昼間の練習以上にいい演奏でお客さん大盛り上がり。
ラストのワーグナーの「ニュルンベルグのマイスタージンガー」の前奏曲では、朝比奈隆の指揮芸で振る。
途中、感激したお客さんたちが演奏途中なのに拍手が出て、終わったら「ブラボー!」の嵐。
スタンディングオベーションをしてくれたお客さんも多くいて、会場は「アンコール」の連呼。小林さんと相談して朝比奈で「トリッチ・トラッチ」をもう一度やってしまった。
会場は必ずしもいい条件の場所ではなかったけれど、みなさんの暖かい気持ちがほんといいコンサートになりました。
お客さんにはなんと、ペーソスさんも来てくれていた。
出口では「今度、どこであなたたちを見れるの?」「名刺ちょうだい」なんて言われた。
打ち上げで主催者が「ヤクザとネオンの歌舞伎町から、生の音楽、ライブを発信して3年。イメージ払拭を願いながら、今回ほんとうに一番いい形ができた」と感激されていた。
ずっと一緒に尽力してきた小林さんたちの苦労も並大抵ではないが、着実に花が開いているような気がする。

ピアノを弾いている女性は国際コンクールに何度も入賞している。
コントラバスの男の人は、芸大卒業後ベルリンのフィルハーモニーでも留学されてすごくうまいので「オーケストラに入らないの?」って聞いたら「オーケストラに入るの嫌なんです」
こんな侍もいるんだ。
フルートの浜浜さん(あだ名)はじめ、団員のみなさんが積極的にアイコンタクトをとってくれる。
指揮者によって、団員の弾きわけや演技もしてくれる。指揮者がチェリビダッケだったらミュンヘン・フィル風、カラヤンだったらベルリン・フィル風に。実はぼくとのけいこはそんなことをしている。
ここにはみんなで一緒に同じ方向へ音楽を作ろうという気持ちがある。
このような達者な生の楽団を、アカデミックな教育も受けていないぼくが思う存分指揮させていただけるなんて、ほんと、アンフィニのメンバーとそれを支持してくれるお客さんに感謝しなければいけない。

153タクト:2008/03/15(土) 11:49:32
銀河に乗って遠くへ行きたい。
昨日の14日の金曜日はなんかつらい一日だった。

朝から、前から痛み出していた右奥の歯、じつは親知らずでその治療。
過去に2回の親知らず、左の上と下は口腔外科や大学歯科までたらい回しされた大掛かりなもの。
またそれだったら嫌だなと、ゲンナリしながらとりあえず今回はやれるところまでやるとのことで、40分ほどの治療。
残りは来週。

昼はぼくの持っているシャープのDVDレコーダーの修理。
ぼくのHR−450は、海外でつくった機種らしく故障が多くてすぐにフリーズ。しばらくしたらDVDのソフトが取り出せなくなってしまう。
過去にも何回も修理工場の人が来て、「ここで治すのは無理」と言われて機械を修理工場へ持って行ってしまう。
修理に出している2週間は、レコーダーがないので録画ができない。
今回もそのパターン。
20日にはNHK−BSの「夢の音楽堂」に出演するのに、自分の出演番組が録れない。

夜は打ち合わせ。
行ったらいきなり「じゃあ、コントやって」
「どこでですか?」「ここで」「えっ?」
事務所で関係者たちがいる前で、親子コントをやらされた。
なんでもダンスの振付家に見せるとのこと。
「東京ユニットは、若者にキャーキャー言われるようにしょう」
森さんと顔を見合わせてしまった。
ぼくらのコンビはどう見ても昔ながらの味、今はほとんどやらなくなった軽コントなので、舞台でじっくりやる芸風なんだけど…。
なんか大衆演劇、ヒップホップ、中国雑技団の演出家の方々とコラボレーションする企画が進行中で、森さんと「ぼくたち、どうなるんだろう…」。
森さんも予定が狂って、浮かない表情。
その顔合わせが食事会まで予定されていたので、前から絶対行きたいと思っていたハンス=マルティン・シュナイト指揮の神奈川フィル定期演奏会、「ブルックナー/ミサ曲第3番へ短調」も行けなかった。

雨の中、シュナイトさんの演奏会も行けず、足の悪い森さんを送ったあと、ついにこの時がきてしまった。
寝台急行「銀河」がついに、ラストランを迎えてしまった。
よくお世話になったな。
金がないときで期間中だったら青春18切符を利用したけど、ちゃんとした仕事や気分を味わいたい時は、故郷に帰るときもこの寝台列車を利用。
ここで、よく鉄道好きの人と友達になったりした。
でもぼくが利用するようになったここ20年は、けっこうガラガラだった。
ホームはすごい人だったよ。
新幹線とかでなんぼ輸送が便利になっても、高速バスが安上がりでも寝台列車は残してほしいなあ。

きょうから2日間、若葉の湯寄席のために泊まりで千葉まで。
その後、月曜から東洋館の出番。
その月曜には朝日新聞の取材も楽屋で受ける。
なんでもぼくの著書を読んで、興味を持ってくれたらしい。
音楽雑誌の原稿締め切りも迫っている。
ひとつひとつ、着実にこなしていこう。

(ニュース記事の一部)

春のダイヤ改正(15日)で姿を消すJR西日本の寝台急行「銀河」が14日、ラストランを迎えた。戦後間もない1949年から深夜の東京−大阪駅間を結び、出張サラリーマンの貴重な足として活躍。特別なセレモニーはなかったが、東京駅に鉄道ファンら約2000人が詰めかけ、高度経済成長を支えた往年の名列車に別れを告げた。

154タクト:2008/03/17(月) 18:42:58
海外へ行くのには、今はチャンスかも。
アメリカがおかしくなって、円がどんどん強くなっている。
止まらない円高で、一時は1ドル95円台もつけた。
1995年に円が1ドル79.75円という時があって、ぼくは半年ほどヨーロッパを大道芸をしながら周遊した。(翌年も、その時は90円台ぐらいになっていたけど)。
ほんま、何を買っても、食べても安かった。
しかもケチケチ旅行を敢行。
3箇月ユーレイルパス13万円とユーロパスの組み合わせにユースホステルで宿泊したりして19カ国を回り、今じゃ考えられない安さのアエロフロート・ロシア経由で海外にいった。(確か、180日往復フィックスで5,6万円)
出発直前の1995年4月19日、東京市場で円は史上最高値となる79円75銭を記録したときに一気に50万円分をドルやマルク、フランのトラベラーズチェックに換金したのだが、その50万円ほどのトラベラーズチェックは大道芸の収入もあり、実際は日本円で20万円ぐらいしか使わなくて、その間の日本のアパートの空家賃のほうが高くついたぐらい。
ヨーロッパ各地で食べれるケバブなんて150円で腹いっぱいなるし、バーガーキングもキャンペーン中で1,99マルク(1マルク60円)のセット価格だったし、ウィーン国立歌劇場の一階平土間立ち見ステップパラテレは30オーストシリング、約300円だった。
最近まで、イタリアやイギリスに行った友達たちが、「外食のごはん代高いわ。日本の方が全然安い」って言っていたけど、これだけ円が高くなると、今は旅行に行くのにはいいかもね。

ただし企業の方々は、大変な時代になってきたけど。

155タクト:2008/03/17(月) 19:02:55
タクト『夢の音楽堂』に出る!の巻。
3月20日(木)にNHK−BSハイビジョンで7時間特番として放送される「夢の音楽堂 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団〜世界最高のオーケストラ〜」に出ます。
世界最高峰のオーケストラの特別番組にボクみたいなの出ていいのかな、と思いながら、ベルリン・フィルにゆかりのある指揮者5人の模写芸をやりました。
始る前に、前から交流あるアナウンサーのNさんが楽屋に訪ねてくれました。
そのNさんが、「タクトさんの名前、見つけたから来ましたよ。今回の司会の高橋美鈴さんもタクトさんの本、自分で買っておもしろい!って言っていたから出演で会えるのを楽しみにしてましたよ」とうれしいお言葉。
Nさんに元気をもらい意を強くして収録に望んだら、同じくゲストに出ていた作曲家の吉松隆さんと元ベルリン・フィルのヴィオラ奏者土屋邦夫さんもいたく気に入っていただいて、「カラヤンと小澤は特に似ている」とその後のトークが僕のことを中心にしばらく続く。

なんと、ベルリンフィルの土屋さんにお墨付きをもらってしまったよ!

心の中で、ベルリンフィルと寄席芸人か…。なんかごった煮みたいで愉快だなと思ってしまった。
そのまま放送されれば、かなり面白くなっていると思います。
なお、放送は午後1時から8時までの7時間みたいだけど、ボクの出番は後半なので、午後5,6、時ぐらいからじゃないでしょうか。
テレビ用にネタも構成、セットも作っていただいて、巨匠の台詞も入れたのでかなりいい感じで出来ました。(V見てみんな大笑い)
とにかくぼくも放送を楽しみにしています。

ただこの期間、ぼくのDVDレコーダーが修理に出されて自分の出演番組が録画できません。
誰か録って頂ける方いらっしゃいませんか?

またこの日は、4月5日(土)にNHK−BSハイビジョンで11時間番組として放送される『まるごとカラヤン 〜生誕100年記念・その人と音楽大全集〜』の収録日でもあります。
指揮者芸はやはり5人ほどやるのですが、やる曲もコメントも違うので、こちらも違う形で面白くできると思います。

156タクト:2008/03/19(水) 08:21:04
3月31日は朝日の朝刊を見てね。
ぼくが朝日新聞に出ます。
朝日新聞本紙の掲載日は、3月31日(月)の朝刊です。
「あの人とこんな話」というタイトルの連載記事です。
(「朝日求人」というタイトルの面(求人情報がたくさん載っているページ)に入ります)

同じ日のうちに、朝日新聞社のニュースサイト「Asahi.com」の「就職・転職」ページにも掲載されます。
http://www.asahi.com/job/
こちらはバックナンバー化されることになります。
http://www.asakyu.com/anohito/

これは、17日の浅草・東洋館の楽屋で取材されたものです。

昨日は寄席の出番が3時に終わって、みんなに飲みに誘われて行ってしまった。
夜11時まではしごしてしまったよ。
ある音楽雑誌の創刊準備号の原稿提出のために、ここ2日間全然寝てなかったのに。
おかげで帰ってからいつの間にか寝てしまって、猫にほっぺたをペロペロ舐められて、今、目が覚めたよ。
ミーコ、ごめん。餌やるの忘れてたわ。

157タクト:2008/03/19(水) 12:14:12
もう少し、静観しましょう。
先月の20日のBBSに、運慶の作がニューヨークのオークションでかけられることになり、海外に流出しそうで大ピンチって書いたけど、そのオークションがさっきあった。
アメリカの個人と日本の百貨店三越が最後まで競り合い、主催者が予想した推定落札額150万ドル(約1億5000万円)から200万ドル(約2億円)の6倍の1280万ドル(約12億5000万円)で三越が落札した。

三越、よくやったよ!(と、その時は思った)

この国宝級の作品「木造大日如来坐像」の海外流出を阻止しようと署名運動も起きて、全国から約1万2000人分の署名が文化庁に提出されたりして、仏像愛好者などはやきもきしてたけど、これで国外流失の可能性はなくなった。
よかった、友達からお金を借りまくってオークションに参加しなくて(ウソウソ)。
海外の競売で落札された日本の美術品としては過去最高額なんだって。
出品者がおおもうけしたのはちょっと解せなかったけど、とりあえずほっ。
 文化庁によると、運慶の作品は推定を含めて12件が国宝か重文指定を受けている。しかし、この仏像は個人が所有し、同意が得られなかったため、文化財指定の対象になっていなかった。

三越、運慶の仏像を見に行くよ。
えっ、呼んでないって?。

しか〜し、ことはそんな単純ではなかった。
その後のニュースを各社も含めてよく読んだら、簡単には喜べないかもしれません。

以下がその記事です。


▽三越では「お客様からの依頼で落札を代行した。日本人のお客様だが、詳細は言えない」と説明している。

(2008年3月19日11時10分 読売新聞)

▽三越広報担当の話 日本の顧客から依頼を受けて落札した。顧客の詳細は個人か法人かも含めて明かせないが、海外流出を防ぐことができたのは確かだ。

(毎日新聞)


ということは、結局は本当の所蔵主は三越じゃなくて、個人か法人か全然わからないということですよね。
愛好者が大切に保管してくれたり、展示してくれたらうれしいのだけど、投資目的かもしれないし、ただ海外流出が防げただけでこの先はまだどうなるかよくわかりません。

他の方の日記もコメントも「三越」賛美一辺倒ですが、オークションに参加資格がたまたま三越があっただけで、もう少し事の成り行きは静観する必要があるかもしれません。

158タクト:2008/03/19(水) 14:36:46
『BaBa de night vol.5』に出演しまっせ。
今、テレビの演芸番組でひっぱりだこの柳家紫文師匠と東京ガールズさんのライブ『BaBa de night vol.5』に、緊急ですがゲスト出演することになりました。
ぼくは20分間、めいいっぱい指揮者芸をします。
以下は、そのライブの告知内容を東京ガールズさんのホームページから貼り付けたものです。
どうぞみなさん、お誘いの上ぜひ見に来てくださいね。


来週のBaBa de night vol.5、ゲストにあのカリスマ指揮者形態模写の好田タクトさんが出演決定!まだまだお席に余裕ございます!沢山の皆様のお越しをお待ち申し上げげま〜す。

柳家紫文と東京ガールズの高田馬場定例ライブ
おしゃれなちょっと大人の空間で江戸前ライブ
ぜひお越しください!

日 時 3月25日(火)
出  演 柳家紫文/東京ガールズ
    ゲスト・好田タクト(指揮者形態模写)
ラ イ ブ 19:30〜21;00
チャージ 2000円プラス飲食代
場  所 PLAZA STAGE
     18:00〜23:00
     新宿区高田馬場2−18−6
     03−3232−6616
     高田馬場駅から徒歩1分
http://plazaplaza.jp/enter/

ご予約お問い合わせ
http://www.yanagiyasimon.com/tokyogirls/yoyaku/index.html

東京ガールズさんのHPは
http://www.yanagiyasimon.com/tokyogirls/index2.html

159タクト:2008/03/22(土) 09:45:09
「これで検査が終わりました」
アホな事件があるもんだ。

どんな検査や。
しかも市議(27歳、若い! )
コントにもならんわ。
16歳の娘の母が35歳にもちょっと驚き。
どこまでが事実か知らんけど、春の甲子園が始った西宮には笑えない事件だわな。


(ニュースから)

「アスベストの検査」と言って訪れた家で応対に出た少女(16)の胸を触ったとして、兵庫県警は21日、強制わいせつと住居侵入の容疑で、同県西宮市議で学習塾経営坂野成志容疑者(27)=同県西宮市天道町=を逮捕した。「知人宅を訪れただけ」と容疑を否認しているという。

 調べによると、坂野容疑者は21日午前11時半ごろ、同県尼崎市の電気工事士(36)宅を「アスベストの検査」と言って訪問。玄関に入り、応対に出た高校1年の長女の服の中に手を入れて胸を触った疑い。

 女子生徒が「何でそんなことをするんですか」と聞くと、坂野容疑者は「これで検査が終わりました」と言って立ち去ろうとしたという。帰宅した電気工事士と鉢合わせし、女子生徒からの電話を受けた母親(35)が110番した。

160タクト:2008/03/24(月) 12:47:14
タクト『まるごとカラヤン』に出る!の巻。
4月5日の『まるごとカラヤン 〜生誕100周年記念・その人と音楽大全集〜』 に出演します。
放送時間帯:午前9:00〜午後0:00 午後4:00〜7:00 午後8:00〜午前1:00

     出演者:石坂浩二
         黒田恭一
         吉田恭子
         好田タクト
      司会:岩槻里子

指揮者・ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908年4月5日生まれ 1989年7月16日逝去)。20世紀後半のクラシック音楽界に君臨した「帝王」がオーストリア・ザルツブルクに誕生したのが1908年。2008年4月5日は、カラヤン生誕100年のアニバーサリー。
NHK BSハイビジョンではカラヤン生誕100年のアニバーサリーを記念して、長時間の特集番組「まるごとカラヤン 〜生誕100周年記念・その人と音楽大全集〜」を放送します。
スタジオにはクラシック音楽の大ファンである俳優の石坂浩二さん、そして大のカラヤン・ファンでもある音楽評論家・黒田恭一さん、世界的ヴァイオリニストの吉田恭子さん。
吉田さんいわく「タクトさん、桐朋でけっこう噂になってますよ」だって。お世辞でもそんなこと言ってもらえるなんてうれしいですね。
司会は岩槻里子さん。ぼくの本読んでくれていました。
あ、ぼくは第一部でちょこっとですが指揮者芸をしたりトークに参加しています。
共演者やスタッフのみなさんには、すごく親切にしていただきましてほんとうに感謝しております。
放送日が楽しみです。


NHKといえば朝ドラの「ちりとてちん」の放送がラスト一週になりました。
作者で脚本も担当されていた藤本有紀さんは、最初の共著で一緒だった人。
終わってしまったらちょっと寂しいな。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000266.jpg

161タクト:2008/03/24(月) 14:09:06
感動の最終回
先日、21日は渋谷でのヤングジョブスポット東京のトーク・セッションの講師として2時間半講演してきました。
このトーク・セッションは約4年間、100回近くを数えるそうですが、なんとぼくの回が最終回だったのです。
主催者は最終回だから、タクトさんに頼みましたとのこと。
これは気合が入る。
会場では定員を大幅に上回る入りで、予定終了時間が終わってもみなさんからの質問が途切れず、30分も余分に2時間半もの長時間みんなで盛り上がってしまいました。
みなさんからのアンケートも、最高の「満足した」ばっかしですごくうれしかったです。
主催者も感激されていたので、こっちまで幸せな気分になりました。
みんなで最後に記念撮影をとってお開きになりました。
写真は、講演時での朝比奈隆の指揮芸の模様です。

23日は四谷コタンの「笑って笑って笑いましょう vol.3 」でした。
店長からいきなり「タクト君、がっかりしたなあ。ぼくはタクト君に関しては客が来ようと来まいと気にすることなしに、ここでやり続けてほしい。それを応援したいと思っていたのに」と言われてしまいました。
実は数日前に、単独ライブの打診を受けたのですが客を集める自信がなく、予定も読めなかったので断った経緯があったのです。
でもこうやって応援してくれる方がいるんですから、もういちどチャレンジ精神を持ってがんばってみることも大切かもと思っている。
舞台は弱つよむさんの後で、今回はピンではなしに東京ユニットとしてコント3題(新作2本)をやりました。
ネタ自体ではさほど受けず、横道にそれた所で大爆笑なんて、お笑いは奥が深いというか、難しいなあ。
舞台が終わったら、和気あいあいとみんなで歓談しました。

追加の告知があります。
29日はFM浦安さんから青空イベントに呼ばれているので、浦安で大道芸をすることになりました。
30日は地域寄席に出ます。
原稿締め切りと、ねじり鉢巻状態が月末まで続きます。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000267.jpg

162タクト:2008/03/24(月) 21:34:31
☆カフェテラス in 境川 〜桜まつりでひとときを
29日(土)にFM浦安さんから青空イベントに呼ばれました。
浦安で青空の下で大道芸をすることになりました。

☆カフェテラス in 境川 〜桜まつりでひとときを
 日時 : 3月29日(土)・30日(日) 午前10時〜午後4時
 昨年は博物館広場で行われましたが、今年は境川周辺が会場となります。FMうらやすも参加いたしますので、どうぞお楽しみに!
◇FMうらやすの出演時間と出演者は以下のとおりですが、更に追加の可能性もあります。また、出演順や時間等は、確定次第、追記いたします。
 29日(土) 12:00〜13:00 と 13:30〜14:30
 ・弱つよむ 【コミックソング】
 ・黒木真理 【シンガーソングライター】
 ・ストレート松浦 【ジャグラー】(特別ゲスト)
 ・好田タクト 【指揮者の形態模写】(特別ゲスト)
 ・S I R I U S 【ロックバンド】〔14:00〜〕
FMうらやす
http://www.fmu.co.jp/

163タクト:2008/03/24(月) 23:28:11
「ああ播磨灘」みたいで、素敵!
春場所で22回目の優勝を果たした朝青龍について、横綱審議委員会(横審)内館牧子委員(脚本家)が「朝青龍問題は終わっていない。力士は『歩く文化財』の要素を持っている。力士全体を再教育する新システムを作るべきだ」と言っている。
でも朝青龍って、漫画の播磨灘みたいでおもしろいじゃない。
相撲は国技だ伝統だと言っても、格闘技なんだから強さは絶対条件でしょう。
やることなすこと、とんでも力士で見ていておもしろい。
白鵬とも両極端みたいなタイプでいい感じ。
こりゃますますはじけて、まわりも困らせて、仮面をかぶって土俵入りして、双葉山の69連勝を破って無敗のまま異種格闘技にも参戦してほしいな。
実際、シュートをやっても少しの技術と対策をすれば朝青龍に勝てる格闘家っていないんじゃないかなあ。
そして、今後一度でも負けたらその場で引退することを宣言して相撲協会の怒りを買い、全幕内力士を敵にまわして、朝青龍の快進撃が始まってほしい。
大鵬時代から相撲を見続けているけど、今の朝青龍は歴代と比べてもほんとうに強いし魅力がある。
平成14年11月場所の初優勝から数えて、出場場所30場所中22回の優勝はむちゃくちゃすごいじゃない。
得意技も、呼び戻し・吊り落としだったし。
あんまり外野にとやかく言われて、丸く収まらないでほしい。
二場所謹慎中の横綱は痛々しかったし、心配で自転車で高砂部屋まで見に行ったよ。(見れなかったけど)

164タクト:2008/03/25(火) 12:20:25
「第七回 浮世亭 お好み寄席」
「第七回 浮世亭 お好み寄席」 に出ます。
会場:大田区文化の森ホール
    JR大森駅or東急池上駅から東急バス「大田文化の森」下車1分
日時:3月30日(日)
開場:12時   開演:午後12時40分(終演予定4時)
入場料:1500円  当日券:1800円

お問い合わせ:チケット販売 浮世亭 03−3753−5117

<演目>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一、落語(壷算) 軽内家 はん栄
一、クラウンジュカ
一、落語(長屋の花見) 喜楽亭 笑吉
一、落語(おかふい)   みそか家 越さん
     〜お仲入り〜
一、落語(愛宕山)   茂手亭 小丸
一、世界指揮者人名辞典 好田タクト
一、講談  神田昌味
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

165タクト:2008/03/25(火) 13:57:50
ト ー ク セ ッ シ ョ ン ア ン ケ ー ト 集 計 表
どうぞ今回は、興味のない方はスルーしてください。

先日のヤングジョブスポット東京でのトークセッションのアンケートが送られてきました。
手前味噌ですが、ここに掲載させていただきます。

> ありがとうございました。
> アンケートの結果を集計しましたのでお送りいたします。
> アンケートを集計していて、皆さんの感動が伝わってきました。
> 就職活動で不安な毎日を送っている参加者が笑うことで元気になり、
> さらに勇気付けられて帰っていったように思います。
> 「やりたいときがやりどき」の言葉が印象に残った人が多かったですね。そして「自分の気持ちに正直に」「すぐ成果を求めるな」「続けることの大切さ」等…、私自身もこれからの生き方として、大事にしていきたいと思いました。
> お忙しい中、ご協力いただきまして、心より御礼申し上げます。
> 今後ますますのご活躍をお祈りいたしております。
> ありがとうございました。

> ヤングジョブスポット東京


平成 20年 3月 21日 ト ー ク セ ッ シ ョ ン ア ン ケ ー ト 集 計 表
テーマ : わがままで、いいじゃない?!
――まわり道して得られたものとは…… 東京演芸協会 会員 好田 タクト 氏
●アンケート回答者数 24 名
Q1 今日のイベントはいかがでしたか? 回答数
1 満足 21
2 やや満足 2
3 どちらともいえない
4 やや不満 1
5 不満

Q2 今日のイベントで一番印象に残ったことは何ですか? (学んだこと、参考になったこと)
回答

・歳を重ねても「成果が見えないこともある」と言われて、今「成果が見えない」自分にとって安 心する言葉だった。先が見えないこと、今までやっていないことをやることは、とても勇気の いることだけど「やってみないと分からない、近づこうと思うこと」と言われ、今、一歩踏み出 せない私にとって「やってみよう」という勇気をもらった。
・こんなに近くで芸人さんを見れたのは初めてでした。
・やりたいことに、自分の思いに素直に 「やりたい時がやりどき」。その世界に一歩でも近づくこと、その環境に身を置くこと!! 「やりたいことをやる」信じてやるってことが印象に残りました。 自己責任をとりながら、わがままになる。難しそうだけど、できたら素敵な人生になりそう。
・やりたい時がやりどき。 最後はとても楽しいイベントで良かった。自己責任で後始末も自分で行う事で、人との関わり で良い方向にも進んでいくんだという事がわかりました。
・やりたいことをやってみようと思った。 自分の軸となる考え方を持つこと。物事を辞める時に辞める理由ばかり探さない事等。
・お金にこだわらない、生きがいとしての働き方。行動力、前向きな考え方が必ず次に繋がっ ていくんだと感じた。
・ 指揮者のものまねを生で見られて面白かったです。私達と同じ立場で話をされていて、とて もリラックスして聞けました。
・まわり道をしながらでも好きなこと、進みたい道を自分を信じて頑張ってきた講師の生き方 にふれ、「やりたいことをやろう!」という気持ちになりました。
・笑うことは、元気、活力の源になると感じました。忙しい時辛い時は、笑うことで前向きに進 んでいけるのだと思いました。 好きな事をやり続ける。やりたいけど難しい。それをやり続けてる人はすごいと思った。
・"これとこれを準備してからこうしよう"…ではなくて、"こうするために何をすればいいか"とい う考え方が大切だということ。やりたい時がやりどきだということ。その時に気づかないで きてしまったように思う。お金や地位にとらわれないで、やりたいことをやり続けることがとて も素敵だと思った。
・ 講師のお話、そして指揮者芸とても楽しかったです。まわり道をしても自分の気持に正直に 生きたいと思いました。
・自分の中の「志」が大事だという言葉に感銘を受けました。
・柔らかい関西弁が親しみやすかったです。
・話しが苦手とおしゃってましたが、熱の入ったお話で楽しく聞けました。
・好きな事をあきらめないこと。継続していく心持ちがすごいと思いました。
・「きっとそうなんだろうなぁ」と思ってた事を話してくれたことにより、自分の中で再確認が できた事が良かった。
・ 講師の生き方、考え方そのもの。 「すぐ成果を求めるな」など大切な言葉を色々聞けて良かったと思います。私もクラシックに 興味があり、TVで演奏を見たり幾つかテープも持っていますが、よほど特徴がない限り実は 指揮者にはほとんど意識が向かないのですが、あの様なものまねは面白かったです。(お 笑いには興味がないはずなんですけど。)思い当たるものまねもありましたし。
・ 続けることが大切だとわかりました。「やりたい時がやりどき」という言葉が印象に残りまし た。準備とかをととのえてからということではなく、やりたい気持からということが一番であ ると思いました。

166タクト:2008/03/28(金) 09:41:09
名脇役
「おかしな人間が一生懸命生きとる姿はほんまにおもろい」
NHKの朝ドラ「ちりとてちん」でおじいちゃんがいう台詞。
その「ちりとてちん」の放送が明日で終了する。

「なくなって初めてわかるお箸のありがたみ。お箸は食卓の脇役や。そやけどどんなご馳走が並んどっても、お箸がないと食べられん。お箸はなくてはならん名脇役や」
番組で母親役の和久井映見がいうセリフ。
このドラマの核心がここにあり、主人公の行く末も暗示している。

ここに来て番組終了を惜しむ声が多く聞こえ、続編やスペシャル版もあるみたい。
なぜこの番組がおもしろかったのか。
ぼくの最初の共著で一緒に執筆した(これ少し自慢)藤本有紀さんの脚本力?
適役だった多くの出演者?
スタッフの尽力、落語界や地域産業が題材のタイムリーな話?。
すべてこの番組を支えた力であり、時には主役になりながら、すべてが名脇役だったと思う。
しかし敢えて脇役のMVPをあげるとしたら、ぼくは音楽だと思う。
ほんとうに音楽がいい。

最近の映画やドラマを見ていてつくづく思うのは、うしろの劇音楽のうるさいこと。
とくにトレンディ・ドラマ(見ることも少なくなったけど)。
大切な場面で常にうしろでうるさく流れる音楽に、「また音楽に頼って…」と、後ろに流れる音楽が気になってしょうがない。
それが耳について逆に内容に感情移入ができずに醒めてしまう。
音楽流しすぎやろう。
いい場面にバックの音楽はいらんだろう。
でも上手に流してくれれば、場面と音楽が相互作用をおこしてますます効果的。
そういえば名作と言われる日本の過去の作品群、「タイガーマスク」や「ウルトラセブン」、小津安二郎や黒澤明、溝口健二の作品は、場面場面でかかる音楽は、ほんと上手な使い方、場面に合ったいい音楽だと感心させられる。

「ちりとてちん」で素敵な音楽を提供してくれた佐橋俊彦さん。
それをほんとうに効果的に使ったスタッフのセンス。
オープニングのピアノ演奏、自身が美人女優でもある松下奈緒さんもいい。挿入歌のカノンさんの歌声も素敵。
いい作品には、いい音楽がついているものだ。

「落語」と並んで、もうひとつのキーポイントになっている「はし」。
こんなニュースが出ていた(下記参照)。
ぼくもよく行った大阪の天神橋筋商店街に、福井県小浜市のはし製造会社から巨大なはしが贈られた。
関係者は「これがほんまの“はしわたし”やな」だって。

ぼくの日課は、一日家にいる日は朝7時半からBS−2、7時45分からハイビジョン、8時15分から地上波、12時45分の再放送、夜7時30分のBSでの再放送とまさに「ちりとてちん」づくし。毎回収録もしているので、気に入った回はそれも見る。

きょうもいつものように8時15分からの本放送を見終わった。
そしてそのまま、8時半のニュースが始った。
「明日の最終回もお楽しみに。ではニュースをお伝えします…」
すごいね、森本健成アナウンサー。
ニュースの冒頭で、なかなかこんなセリフ言えないだろう。
これも見事な「はしわたし」だね。
さりげないけど、こんなのは好きだなあ。

■連ドラが縁で“はしわたし”、福井から大阪の商店街に
(読売新聞 - 03月25日 15:02)

長さ日本一と言われる大阪市北区の天神橋筋商店街(全長2・6キロ)に25日、福井県小浜市のはし製造会社から木製6ぜん(長さ2・6メートル)と厚紙製6ぜん(同)の巨大なはしが贈られた。

 NHK朝の連続ドラマ「ちりとてちん」の放送を機に、同商店街と、若狭塗が特産の小浜市との交流が始まり、さらに親交を深めようと、はしがプレゼントされた。

 木製ばしは商店街近くの大阪天満宮に奉納。厚紙ばしはアーケードにつるされた。関係者は「これがほんまの“はしわたし”やな」。

167タクト:2008/03/30(日) 08:46:19
明日の朝日新聞で会いましょう
前に教育テレビのお兄さんをやっていた頃、同級生の女の子がちょうど子供と一緒にテレビを見てたらぼくが出ててびっくりした、って田舎に帰ったらよく言われました。
そんな出会いも、おもしろいでしょう。

またみなさんと出会えそうです。
それは明日、31日の朝日新聞朝刊です。

朝日新聞本紙の3月31日(月)の朝刊に掲載されます。
「あの人とこんな話」というタイトルの連載記事です。
(「朝日求人」というタイトルの面(求人情報がたくさん載っているページ)に入ります)

同じ日のうちに、朝日新聞社のニュースサイト「Asahi.com」の「就職・転職」ページにも掲載されます。
http://www.asahi.com/job/
こちらはバックナンバー化されることになります。
http://www.asakyu.com/anohito/

今回の朝日の取材は、17日の浅草・東洋館の楽屋でされたものです。

今回の朝日新聞掲載は、求人のページの中の特集みたいなので関東や東日本だけかもしれません。
西にお住まいの人は、朝日新聞社のニュースサイト「Asahi.com」でがまんしてちょ。

ちなみに、「日経WagaMaga」にも4月中ごろにぼくが掲載されます。
「NIKKEI NET」内にある「日経WagaMaga」は、1日に1500万ページビュー(見られたページ数)、ユーザー数700万人という国内最大級のアクセスを誇るニュースサイトらしいです。
「Yahoo! Internet Guide」が選ぶ「Web of the Year」ではニュース部門で第1位(2007年度)に評価されており、ニュースサイトとしては飛び抜けて多くのユーザーを抱えていることでも知られているそうです。
そんな由緒あるところに全5回に分けた連載形式で、掲載週の月曜〜金曜まで、1日分が400〜600字でインタビュー記事と写真が載るそうです。
日にちと詳細がわかったら、また告知いたします。


テレビの方は、4月5日NHK−BSハイビジョンで放送される『まるごとカラヤン 〜生誕100周年記念・その人と音楽大全集〜』 に出演します。

     出演者:石坂浩二
         黒田恭一
         吉田恭子
         好田タクト
      司会:岩槻里子


ぼくは第一部、放送時間帯:午前9:00〜午後0:00 の中で指揮者芸をしたりトークに参加しています。


きょうは、「第七回 浮世亭 お好み寄席」に出ます。
会場:大田区文化の森ホール
    JR大森駅or東急池上駅から東急バス「大田文化の森」下車1分
日時:3月30日(日)
開場:12時   開演:午後12時40分(終演予定4時)
入場料:1500円  当日券:1800円

お問い合わせ:チケット販売 浮世亭 03−3753−5117

<演目>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一、落語(壷算) 軽内家 はん栄
一、クラウンジュカ
一、落語(長屋の花見) 喜楽亭 笑吉
一、落語(おかふい)   みそか家 越さん
     〜お仲入り〜
一、落語(愛宕山)   茂手亭 小丸
一、世界指揮者人名辞典 好田タクト
一、講談  神田昌味
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


またどこかでぼくと出会ったら、声をかけてくださいね。

168タクト:2008/04/01(火) 11:36:53
BIGが当たった!
どうしょう、宝くじ、当たっちゃった。

ふだんはそんなの買う人間じゃないのだけど、相方の森さんが、
「今、キャリアオーバーすごいから、タクトも買ってみれば?」
と言われるままに、BIGという宝くじを買ってみた。
今日、当選かどうか確認してみたら、なんと6億円が当たってたよ。

こんなの初めて。
税金対策って、必要なの?
こういうこと、あまりネットとかで言わない方がいいの?
なんかピンとこないけど、とにかくうれしい。




                          ウソ!




        だって、きょうはエイプリルフールでしょう。




ウソは午前中に言わないといけないって聞いていたし。
人を傷つけるウソは言えないし。
あんまり、ほんとっぽいウソは波風立てるし。
意外とウソって、難しい。

でも、当たればいいな、宝くじ。
まず買わないと、当たらないけど。


今から書く内容は、ウソはございません。

みなさん、きのうの朝日新聞の掲載に対してのお電話、メールありがとうございます。
コツコツやっているぼくにとって、いい励みになります。
わりと大きく載っていましたね。
なんかまじめに喋る自分の写真って、ちょっと照れくさい。
取材をしていただいたカメラマンの方(じつはマイミク)は、小澤征爾の物まね写真の方が大笑いするので、そっちを推したらしいのですけど、さすが朝日、品格(?)だけは失いませんね。
ちょっとぼくの物まね写真は、キワモノですからね〜。
幼児は泣くし。

下記の写真は、きのうできたてのぼくの新しい名刺。
裏表ですけど、住所などの詳細情報は裏のほうを重ねて隠しました。とりあえず。
じつは、名刺安かったんですよ。
表白黒、裏カラーで100枚945円でした。
じつは、ぼくはここのピクト東京営業所で昨年の5月までバイトしていました。

http://www.01meishi.com/

印刷業界が少しわかったので、いかにここの名刺が安いか実感していたんです。


エイプリルフールじゃなかったら、ほんとうは今日の書き込みのタイトルは「恩人との再会」っていうので書くつもりだったのです。

じつは、3月30日の「浮世亭寄席」で思わぬ人と再会したんです。
演技を終え、楽屋に戻ろうとしたら入り口で、
「よう、ぼくわかりますか?」
「えっ…と、どなたでした?」
「西岡だよ」
「学長!」

大阪音楽大学の学長だった西岡信雄先生でした。
あいかわらず、白髪の髪が長くてゲゲゲの鬼太郎みたい。
でもスーツ着ていて、ビシッとしているからわからんかった。

西岡先生は、ぼくの恩人なんです。
ぼくは以前は秋には静岡大道芸ワールドカップというのに毎年出ていたのですが、もう12年ぐらい前でしょうか、やたらとぼくをカメラ映像に収録するグループに出会ったのです。
なんかのテレビかな、でもぼくなんて物好きだなと思っていたら、演技終了後に挨拶されて「ぼくは西岡って言いまして、きみのユニークな芸に関心を持ったのでぜひ収録させてほしい」
「へ〜、音楽大学の学長さんですか? ご自由にどうぞ」
ぼくって言われても、先生はもう今は6、70歳ぐらいになるのでしょうか。
そんなに偉い人だとは思わなかったのですが、あとでわかったら凄い人だったんです。
大阪フィルハーモニーのフルート奏者を経て、独自の生き方なのでその後、百科事典などを売って食いつないで、世界の民族楽器を研究、演奏する、そして近年では日本の音楽教育のドンみたいな存在になって、特にクラシック業界では超有名な方だったのです。
その方にやたらと気に入ってもらえて、ぼくの収録した映像は後には音楽の先生達の研究会の全国大会で、池袋サンシャイン大ホールで流されたり研究の材料になったり(ぼくが!)、また日経新聞の第一面「交友抄」や音楽教育(本)などいろんな雑誌、新聞に先生はぼくを紹介してくれたり、西岡先生の著書にもぼくが出ていたりで、西岡先生のおかげでかなり知られるようになったことがあるのです。
2冊目の本「クラシック音樂夢レース」を出す時、出版社から西岡先生に表紙の推薦文を書いてほしいと言われ、実現もしました。(だからぼくの2冊目の本を持っている方はわかりますよね。あとがきも書いてもらっています)
西岡先生のお父様も「トイレット博士」として有名なんですよね。

そんな恩人である西岡先生と、10年ぶりぐらいの再会でしょうか。
びっくりして、あまり喋られなかった。
なんでもこっちに来る用事があって、寄席の関係者に知り合いがいてプログラムを見たらぼくを見つけたそう。
気に入ってもらえたかな。
舞台は「ブラボー!」とか出て、スタンディングオーベーションも出たけど、西岡先生はぼくの大道芸のスタイル、全く喋らずにストイックにやるほうに関心があったんじゃないだろうか。
でもやはり、恩人との再会はうれしい。
先生も再会を喜んでいただいた。

その日の打ち上げ会場で、ぶっちゃーさんの「お笑い音楽祭」で一緒になったこ☆マイケルさんと会った。
神田昌味さんとも仲良くなった。
もちろんクラウンジュカちゃん、浮世亭のみなさんともすごく親しくしていただいた。
出会いと再会っていいですね。

先日の柳家紫文師匠と東京ガールズさんのライブ『BaBa de night vol.5』の出演のときも、スタンディングオーベンション(最後にお客から立って拍手をもらう)にはなったので、最近はその形で終われるようにはなってきて手ごたえは感じている。
でもなぜか、足が急に痛くなって歩けない。
骨が折れているのかしら。
今日医者に行こう。依頼原稿も脱稿したし。

長い書き込みになって、ごめんなさいね。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000276.jpg

169タクト:2008/04/02(水) 07:58:49
風が吹いてたよ、 痛い風が…
きのう、ある人から、「今、「好田タクト」に、いい風が吹きはじめているね! 」というメッセージをもらった。


    吹いてたよ…

           痛い風が…


                   痛風だって。



きのう、あんまり足が痛いので近くの整形外科にいった。
レントゲンを撮ったら、骨には異常なし。
先生が、「こりゃ、痛風だろうな」 笑顔で言われたよ。
そんな病気、よく知らない。
「それって、足、切断とかなるんですか?」
「大丈夫、ちゃんと薬を飲んで療養すれば治るよ。でもしばらくは、歩くのも大変だろうな」

ショック。
薬を飲んで、寝た。
今朝、起きたら確かに痛みはひいている。
すごい医学の力。
でも、こんな風は吹いてほしくない。




痛風に関する記事。
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10008000/1112008011709.html?vos=nr25mn0000001

170タクト:2008/04/03(木) 10:26:20
メールでのお問い合わせでの、お願い
お仕事のご依頼やお問い合わせは、このホームページの「お問い合わせ」にあるメールアドレス office-rice@apost.plala.or.jpから内容を送られていることが多いと思います。
じつは、使っているプロバイダーが「迷惑メール」の選別がしっかりしすぎていて(!)、大切な依頼メールまで「迷惑・スパムメール」扱いになってしまっています。

もし、メールを送られてもこちらからの返事がない場合はぼくが見ていない可能性が大きいので、お手数ですが下記の?&Faxまで直接ご連絡をいただけないでしょうか。
きのうも地方オケからの出演依頼のメールを、2月から「迷惑メール」に振り分けられていた為に気づかずに一ヶ月半もの間放置していました。
もちろん、急ぎの場合とかは直接電話されても構いませんのでぜひよろしくお願いします。
メール、電話のご依頼、お問い合わせは必ず返事をするようにしています。

      電話 03−3614−4649

(僕のギャグが寒いので、サムイヨ ヨロシク)

171タクト:2008/04/03(木) 13:09:03
チャイコフスキーに変身!
今年もやります「東京のオペラの森」のおもしろ解説。
今回はチャイコフスキーに変身します。(おととしはヴェルディ、昨年はワーグナーに変身した)
ちなみに昨年は小澤征爾さんがいきなり来て、緊急公開リハーサルをやってびっくりした。

さあ、11日は2500人を愛と笑いで包んで、オペラのおもしろさをよい子に伝えますよ〜。


●こどものための音楽会「エフゲニー・オネーギン」

日時: 4月11日(金)18:00開演(約90分)東京文化会館 大ホール

指揮: ピエール・ヴァレー

出演: 東京のオペラの森管弦楽団・合唱団

司会: 好田タクト

曲目: チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より抜粋

料金: 無料《事前応募制→お申込み方法はこちら》[応募締切:3/18(火)消印有効]
対象: 小学生〜高校生(小学生のみ保護者同伴可)

主催:東京のオペラの森実行委員会
協力:Sony Music Foundation / 東京文化会館

H・P
http://www.tokyo-opera-nomori.com/program/event_week/index.html#02

「エフゲニー・オネーギン」のあらすじ
http://www.tokyo-opera-nomori.com/program/child/index.html

172タクト:2008/04/03(木) 14:33:05
ラドミル・エリシュカ
どうしても、気になる公演があります。
今年77歳となったチェコの指揮者、ラドミル・エリシュカが見参します。
じつは私もこの指揮者をじかに聴いたことはありません。
でも、‘予感”がするのです。
すごい演奏会になるのではないかと。

エリシュカは共産政権時代は西側に殆ど出られなかったため、国際的にはまったく無名の指揮者でした。、
日本には2006年12月に札幌交響楽団にきました。
札響では2日連続の定期公演を指揮しましたが、初日はガラガラだったにもかかわらず、2日目はクチコミで聴衆が殺到してチケットが完売したそうです。
直接演奏会に接した人の話だと、
「とにかく凄かった。札響の能力を十二分に引き出したダイナミックかつ暖かい演奏を聴いて、その偉大なる存在感に驚嘆した」
楽員の支持も絶大だったらしく、札響は首席客演指揮者のポストを用意、この4月に就任披露演奏会が札幌で開催されます。
(参考情報:http://www.janacek-jp.org/

そのエリシュカさんが、札響の公演に先立って4月5日(土)に東京デビューを果たします。
この日はシュナイトさんの公演もあるのですが、ぼくはこの‘予感”を信じて今回だけは「エリシュカ」をじかに感じて見ようと思います。
曲目には、ぼくの大好きなヤナーチェクの組曲「利口な女狐の物語」もラインアップされています。
自分の著書には必ず絶賛して紹介する、隠れた名曲です。
後半は大人気曲のチャイコフスキー(今回の東京のオペラの森は、チャイコフスキーがテーマだからでしょう)の交響曲第5番です。
演奏は円熟期にある東京都交響楽団です。

公演の詳細は次の通りです。

日時: 4月5日(土)14:00開演(13:15開場)
会場: 東京藝術大学奏楽堂
    http://www.geidai.ac.jp/facilities/sogakudou/access.html
指揮: ラドミル・エリシュカ
演奏: 東京都交響楽団
曲目: ドヴォルザーク:交響詩「野鳩」 op.110
    ヤナーチェク(ターリッヒ編曲):組曲「利口な女狐の物語」
    チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 op.64
入場料:3000円(全席指定)

春の休日ですから、上野の森で散り際の桜の粉雪を肩にかけて、東博で「国宝薬師寺展」で色っぽい日光・月光菩薩を拝んで、エリシュカ&都響を感じてみてはいかがでしょうか。

「おおっ、なんと贅沢な一日」

近々、音楽業界はこういう言葉が飛び交うのではないでしょうか。

「きみは、もうエリシュカを見たか?」

173タクト:2008/04/05(土) 09:40:54
タクト春のお笑い祭り
「ヤマザキ春のパン祭り」みたいな題名ですみません。
ぼくの4月のわかっている分の出演予定を書いておきます。

今、9時から始っているNHK−BSハイビジョンで放送中の『まるごとカラヤン 〜生誕100周年記念・その人と音楽大全集〜』 に出演しています。 (今、テレビをつけたら映るよ)

     出演者:石坂浩二
         黒田恭一
         吉田恭子
         好田タクト
      司会:岩槻里子

ぼくは第一部、放送時間帯:午前9:00〜午後0:00 の最後のほうで指揮者芸をしたりトークに参加しています。

11日は「東京のオペラの森」でチャイコフスキーに変〜身して、よいこのみんなに「エフゲニー・オネーギン」のおもしろ解説をします。
2500人をあいてに愛と笑いで、オペラのおもしろさを伝えます。
●こどものための音楽会
日時: 4月11日(金)18:00開演(約90分)東京文化会館 大ホール
出演: 東京のオペラの森管弦楽団・合唱団
司会: 好田タクト
曲目: チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」より抜粋
http://www.tokyo-opera-nomori.com/program/event_week/index.html#02

演芸場はちょっとセーブをしているので、東洋館のみの出演にしています。
10日 指揮者芸 (エンタメ特選寄席)この日は楽屋で共同通信社の取材を受けます。(なんでもボクの芸に関心をもっているらしい)
14日 コント東京ユニット(東京演芸協会定席)
15日 コント東京ユニット(東京演芸協会定席)
20日 コント東京ユニット(エンタメ特選寄席)
30日 指揮者芸     (エンタメ特選寄席)

千葉の若葉の湯で演芸をやっています。
■東京ユニット「お笑いオンステージ」(以下告知の貼り付け)

演芸場育ちのコテコテコンビ「東京ユニット」が若葉の湯に帰ってきた!!
ほのぼのとしたボケに懐かしさすら感じさせる「森はじめ」と著名な指揮者のモノマネで有名な「好田タクト」のデコボココンビ。
東京ユニットによって繰り広げられる、若葉の湯オリジナルのスペシャルステージをお楽しみください。

公演日程:2008円4月の予定
12日(土)1部 17時〜 2部 19時〜
13日(日)1部 13時〜 2部 16時〜
26日(土)1部 13時〜 2部 16時〜 3部 19時〜
27日(日)1部 13時〜 2部 16時〜 3部 19時〜
28日(月)1部 15時〜 2部 18時〜
29日(火)1部 15時〜 2部 18時〜
追加公演決定!!
マジシャン「ダーク史郎」によるアメージングマジックショー!!
4月26日・27日の2日間限定。
http://wakabanoyu.jp/event/index.html

4月中ごろには「NIKKEI NET」内にある「日経WagaMaga」というユーザー数700万人という国内最大級のニュースサイトに、全5回に分けた連載形式で、掲載週の月曜〜金曜まで、1日分が400〜600字でインタビュー記事と写真が載るそうです。(詳細後日)

未確定ですが、国際フォーラムでの「ラ・フォレ・ジュルネ」、川治温泉「らんりょう」、コンサートでのゲスト出演、お笑いライブ、寄席(代演も含む)、営業などが入る可能性があります。
また、いくつかの取材を受けたり、原稿を書いたりしたのでそれらの新聞、書物の発行が決まったらまた告知します。
でも、16日から25日までゴボッと暇になっていますので、旅に出るかどこかのライブに出るかもしれません。
出演依頼があったらこの時期、呼んでください。


きのうは、指揮者の個性的な写真が有名な音楽写真家の林喜代種さんの写真展を杉並区役所に見に行き、そのあと、上野広小路亭で「遊吉の会」を聞きに行きました。
先日知り合ったヘブンアーティストのオオツカタカシくんや、NHK関係者、職人クラブの人たちと一緒になりました。
遊吉師匠の「大工調べ」はよかったなあ。
今からぼくは東京藝術大学奏楽堂にラドミル・エリシュカ指揮の演奏会に聴きに行きます。
あすは、プロコフィエフ交響曲第6番の演奏会等、4月はいくつかの演奏会、美術館、、舞台、スポーツ観戦、仏像見物のためにお寺、ヘブンアーティストのための大道芸活動など、あちこちでウロチョロしていると思います。

さあ、桜の散り際、ピンクカーペットのど真ん中を歩きましょう。

174タクト:2008/04/08(火) 08:51:56
3つのオンガクの恋
4月5日から7日までの3日間、ぼくはそれぞれのコンサートで出会った音楽に不覚にも恋をしてしまった。

5日は、エリシュカの世界を初めて体験するために上野へマイ・バイシコー(自転車)を走らせた。
先日この演奏会は、すごい‘予感”がするって書いたが、じっさい‘予感”は見事にあたった。
チェコ出身の「幻のまだ見ぬ強豪」の指揮者ラドミル・エリシュカは、ベールを脱ぐと圧倒的な世界で我々を魅了した。

「世界は広い。まだこんな実力者がいたんだ!」

口々にその場にいた人たちは、みんなつぶやいたことだろう。
いち早く首席客演指揮者というエンゲージュリングを贈ることで、この鬼才マエストロと婚約した札幌交響楽団は、ほんとうに素敵な選択をしたと思う。
ぼくは完全にエリシュカに「一目惚れの恋」におちいってしまった。
曲目には、ぼくの大好きなヤナーチェクの組曲「利口な女狐の物語」もラインアップされていたが、この組曲版はボクの大好きな部分、オペラのなかで第二幕4場の最後、二匹の狐の結婚をまわりの動物たちが祝福する音楽が入っていないのが玉にキズだったけど、ドヴォルザークの交響詩「野鳩」と合わせ珠玉の名品で、そういう意味では前半のプログラムが素晴らしかった。
「これ、日本のオーケストラが奏でているの?」
と思いたくなるぐらい東欧特有の曇った哀愁のある響きがエリシュカのタクトから引き出されていた。
後半のチャイコフスキーには定番よろしく、ブラボーの声が盛んに飛び交わされていた。
会場には歌手の井原直子さんや新聞社、評論家、指揮者、演奏家、オーケストラ関係者など有名な方々がごっそり来ていた。
チケットが伸び悩んでいるって聞いていたけど、当日かけこみ組がかなり多く、満席の観客の熱狂に、この指揮者の今後の日本におけるブレイクの予感を感じた。
すでに大フィルなどいくつかの主要な楽団を振ることになっている。
きっとこれからはこう言われるのだろうな。

「さあ、エリシュカを見まシュカ」

日時: 4月5日(土)14:00開演(13:15開場)
会場: 東京藝術大学奏楽堂
指揮: ラドミル・エリシュカ
演奏: 東京都交響楽団
曲目: ドヴォルザーク:交響詩「野鳩」 op.110
    ヤナーチェク(ターリッヒ編曲):組曲「利口な女狐の物語」
    チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 op.64


6日は、「3つのオレンジの恋」の作曲者プロコフィエフの隠れた名曲、交響曲第6番が演奏されるということで、またしてもマイ・バイシコーで錦糸町に出動した。
ここの楽団の代表者は、ぼくの著書「世界一楽しい タクトのクラシック音楽館」の編集者と大学時代に一緒に大学オーケストラでやっていた方だと偶然知った。
なんと世間は狭いのだろう。
しかしこのプロコフィエフの交響曲第6番。演奏頻度はかなり少ないけれどぼくはこの曲の第3楽章が大好きだ。
チューバをやっていたので、オケとチューバの掛け合いに魅かれ、もう学生時代、何百回と聞いただろう。
青春時代の一ページ。
またまた、この第3楽章との「恋が再燃」してしまった。

■ オーケストラ・ディマンシュ 第27回演奏会
 2008年4月6日(日)13:30開場/14:00開演
 すみだトリフォニーホール 大ホール
 グリエール :バレエ組曲『青銅の騎士』Op.89a
 プロコフィエフ:交響曲第6番変ホ短調 Op.111
 指揮;金山隆夫(常任指揮者)


きのうは、西山恵子(ソプラノ) & ブルーノ・プラティコ(バリトン) ジョイントコンサート、
<心躍るイタリア>に聴きに行った。
ブルーノ・プラティコは世界最高のバッソ・ブッフォ。
バッソ・ブッフォとは、喜歌劇的な性格を持つバスの役のことで高度な歌唱力と演技力両方を要求される。
プラティコはイタリアのペーザロで催されるロッシーニ・オペラ・フェスティバルでも常連で、ほんとうに音楽が体から溢れ出ているみたいだ。
コミカルな演技も素敵で、会場はつねに大笑い。
西山恵子さんも素敵で美声に酔いしれた。
感心したのは、ピアノ伴奏のステファノ・コンティチェッロのじょうずなこと。
ボローニャ歌劇場のコレペティを努める出すぎず、それでも歌手達と息もぴったり溶け合って、最上の音楽を作り出していた。

この夜はほんとうは日本にいるのだけど、イタリアに瞬間移動して「異国で大人の恋」をしてきたみたいだった。
(じっさいは、外国人と恋なんてしたことはないので想像でしかないけれどね)


公演日 2008/04/07(月)
会場 紀尾井ホール 19:00
内容 共/ステファノ・コンティチェッロp
曲/ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」より/ベッリーニ:歌劇「海賊」より/モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より/ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」より 他

175タクト:2008/04/08(火) 10:03:10
きょうは荒れるかも…
すごい天気ですね。
まるで、台風みたい。
じつはきょうは、11時から東京演芸協会の一年に一度の総会があります。


      毎年、荒れるんだよな〜



お金の問題、選挙の問題、出番の問題、いろいろ…。
みんなプライドを持った芸人さんたちだから、一度言いたいことを言い出すと大変。もう止まらない。
ぼくは一応若手(これでも、だってみんな10歳以上の人たちばっかりだから…)なので、端っこで出された昼食を食べておとなしくしています。
でも総会が紛糾して泥沼化したら、
「タクトも黙ってないでなんか言え!」
ってくること必至。


3時から東京文化会館で11日の「東京のオペラの森」●こどものための音楽会の解説の打ち合わせ。

夜は四谷コタンに行ってライブを楽しむ予定。

明日から休みなしになってくるので、モードを切り替えないと。
きのうの夜から、依頼された原稿を手直ししだしたら徹夜になってしまった。
でも見直してよかった。
やっぱり発表する限りは、とことん納得したものを出したいからね(ベートーヴェンか、俺は)

176タクト:2008/04/09(水) 08:40:49
小澤征爾さんに会う!
いくらきのうの天気が荒れても、東京演芸協会の総会が荒れても、ぼくはぜんぜん気にならない。

   それは……、


    小澤征爾さんと会えたから♪



きのう、やっぱり荒れた総会。でもそれは一部の人たちだけ。ここにミスター梅介さんと牧田博さんが参加していたら、もっと大変なことになっていたかも(なぜか今年は両者とも来ていなかった)。
総会が終わった後、いそいで上野の東京文化会館へ11日の「東京のオペラの森」●こどものための音楽会の解説の打ち合わせのために、自転車で向かった。
風の強い天候に傘は折れ、雨で服が濡れた。

着いていきなり、ロビーで小澤征爾さんを見かけ思わず、ドキッ。
大ホールへ行ったら、毎年お世話になっている舞台監督の八木さんがぼくに「みんなに紹介するから、」てなことを言われ、すぐさまオケや歌手の皆さんに、
「今回も司会をするタクトさんです」
「こんにちは…」
300人近い人にいきなりびしょ濡れの姿で挨拶なんて、血糖値があがったなあ。
続いてドイツ語でもなんやら紹介されてしまった。
客席に行って、ゲネプロを見ようとしたら小澤征爾さんがぼくに近づいて来て「よろしくね〜」
「よ、よろしくおねがいします…」
あ、もったいないことした。
もっとしゃべりたかったのに。
昨年のワーグナーのときも勇気がなくて挨拶ができなくて後悔したのに。
いすに座りながら舞台で行われている「エフゲニー・オネーギン」を見ながら、小澤征爾さんとちゃんと挨拶できなかった後悔の念がふつふつと沸いてきた。
ぼくの前に座っていた野球帽をかぶっている人が声をかけてきた。
見ると小澤征爾さんにそっくり。
小澤征爾さんの弟さんで小澤幹雄さんだ!
「ぼく、あなたのことを知ってますよ。この前のテレビのベルリンフィル特集のあなたも見たしね」
「ありがとうございます。さっき小澤征爾さんに挨拶されたのですけど、緊張して何もしゃべれなかったんです。ちゃんと挨拶したいです」
「あにきもあんたのこと、知ってるんじゃあないかなあ。じゃあ、挨拶しにいく?」
「行きます、行きます」
てなことで、2幕と3幕の間にロビーで小澤征爾さんをつかまえようとしたけど、いそがしそうで結局無理だった。
その間に幹雄さんは、ずっとぼくとお話をしてくれた。
なんてやさしい方なのだろう。
ぼくも小澤幹雄さんが以前、ラジオのFM東京で「小澤幹雄のやわらかクラシック」 略して「やわクラ」という番組(1988年ごろ)をやっていたり、落語をされているのを知っていたので盛り上がった。
そして幹雄さんは声帯模写の白山雅一さんの大ファンでもあることがわかり、
「ぼく、さっきまでお会いしてましたよ。きょう、演芸協会の総会でしたから」
そして幹雄さんは、自慢げに着ている服と帽子をぼくに見せて、
「これ、松坂のレッドソックスのだよ。なんせ兄貴はボストンでは名士(小澤征爾さんはボストン交響楽団の音楽監督を四半世紀以上やっていた)だから、フェンウェイパークでは始球式もするしね。ただ、ブルージェイズに3連敗して、きょう松坂だから気になるんだよなあ」
ずっとロビーで幹雄さんとしゃべった末に、
「あしたも来るんでしょ。もう一度、兄貴をつかまえて挨拶してみたら? 兄貴も喜ぶと思うよ」
「そうします!」

夜は四谷コタンに行ってライブを楽しんだ。
いつもは出る側。
今回は見る側。
マイミクの柏原はねみさんを聴くのが目的。
オオタスセリさんもいるじゃないですか。
はねみさんののびやかな歌声は透明で素敵だった。
稲野真人さんの「みんなのうた」もよかった。
佐藤亮さんのピアノ、中村健太郎さんも熱演されていた。


よ〜し、きょうはちゃんと小澤征爾さんに挨拶するぞ。
幹雄さん、松坂は好投しましたよ。
もちろん、結果は知っていますよね。
たしか幹雄さんは、11日の本番も来るようなことを言ってらしたなあ。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000286.jpg

177タクト:2008/04/10(木) 23:11:32
氷上の舞姫、再び
きょうは昼は東洋館で指揮者芸の日。
そのあと、楽屋で共同通信社の取材を受けて「カラヤンと朝比奈隆について」を、指揮者芸をしている芸人の立場から話をしてほしいということでした。
両巨匠は、1908年生まれで今年は生誕100年。
再度クローズアップされて再び人気がぶりかえしているとのこと。
共同通信社だから、全国の新聞に記事が出ます。
詳細がわかったらまた書き込みますね。

あと1時間でNHK−BSの熱中夜話では「ウルトラマン・セブンを語る、第二弾」ですが、きょうはこの番組の話をしましょう。
ぼくは、この方に再び元気をもらったので、あしたの「チャイコフスキーにへんし〜ん」もがんばれそうです。

さてその番組とは「NHKクローズアップ現代」です。
井上怜奈さんの特集でした。

4月10日(木)放送
がんに負けない・あきらめない

今年1月リンクの上の劇的なプロポーズで、感動を集めたフィギュアスケート・ペアの井上怜奈選手。彼女は今、がんなど、病と闘う人たちにとって、大きな心の支えとなっている。井上さんは、父親の命を奪った肺がんに自分自身、20代で襲われた。その後も練習中の事故で頭蓋骨骨折などの大けがをする。しかし、競技生活を大切にしたいと自ら抗がん剤による治療を選択し、異国の地で出会ったパートナーと信頼関係を築きながら、一つ一つ、困難を乗り越えてきた。「がんになっても何一つあきらめることはない」と、日々できること、やりたいことに挑戦してきた井上怜奈さん、そして、その姿に勇気や元気をもらった人々の姿を見つめる。
(NO.2564)

スタジオゲスト : 鎌田 實さん
    (医師)
  : 山口 雅子さん
    (フリーライター)


じつはぼくは井上選手の生き様に感動して、今年の2月9日に「がんばり屋さんには、幸せが舞い降りる」というのを書いたことがあります。
読んでいただいた方にも好評だったので、みなさんが元気になっていただけて、井上怜奈選手のことをもっと知っていただけると思い、再度その内容を掲載しょうと思います。
(以下2月9日のBBS再掲載)

先ほど行われた2008年全米選手権で復帰を果たし、2位となったフィギュアスケートの井上怜奈さんをご存知でしょうか。
下記は井上選手のことを書いたNHKアナウンサー刈屋富士雄さんのインタビュー記事(http://www.1101.com/kariya/2006-06-29.html)から抜粋。

井上選手はリレハンメルとアルベールビルに
15歳と17歳で出ているんですが、
その後3回めのオリンピックを目指すとき、
長野オリンピックのシーズンの始めに
お父さんが肺ガンで亡くなってしまうんです。
お父さんの応援が井上選手のスケートの
大きな支えだったものですから、
そのお父さんがいなくなったショックで
彼女は長野オリンピックの代表争いに
まったく力を発揮できずに破れてしまう。
そこで彼女は一回スケートをやめちゃうんです。
お母さんとしては、
もうやめて当然だなと思っていたらしいんですが、
ある日、突然、井上選手が
スケート靴を持って練習に行くんですって。
どうして彼女がスケートをもう一度
はじめる気になったのかということが
お母さんにはずっとわからなかった。
それが、今回、全米の代表になって
いろいろなインタビューに
彼女がこたえていくなかで、
「お父さんがいなくなって
 落ち込んでいるお母さんを
 元気づけようと思ったから
 もう一度、はじめようと思った」
ということがわかった。
お母さんはそこではじめてそれを知るわけです。
だから、お母さんはトリノに
応援に来てるんですけど
もう、ぜんぜん演技を観られない。
で、その後、スケートを再開した彼女は
ペアを求めてアメリカに行くと言い出す。
アメリカでとにかくがんばってらっしゃいと
送り出すんだけれども、お金がないんです。
それで彼女がアメリカで何をやったかというと
日本のお土産売り場でアルバイトをしながら
そこからレッスン代と生活費をやりくりする。
なにしろ、競技に出るにも衣装が買えないですから
布を買ってきて、自分で縫っていたそうです。
自分で縫ってると、たとえば、ある大会では、
ビーズをつけるのが間に合わなくて
ショートプログラムのときには
半分のビーズをつけて滑って、
その翌日にはビーズが増えてる、
そんな状態で試合に出ていたんです。
そういうふうに試合に出てるときに
彼女は肺ガンにかかるんです。
幸い、当時のアメリカには、
最先端の抗ガン剤があったので、
その病院に行って、とにかくその
抗ガン剤をうってくれと言って治療をはじめた。
ただ最先端とはいえ、強い抗ガン剤だったので
ものすごい副作用があったらしいです。
でもその副作用に耐えながら練習を続けた。
しかも、入院はしていないんです。
通いで抗ガン剤をうったんです。
その抗ガン剤をうちながら
アルバイトをして、レッスンをしてという
くり返しだったんですって。
そんなわけでフラフラしてるから練習中に
落下して頭蓋骨を骨折して、
前歯がほとんどなくなってしまうような、
5時間くらい意識不明になる大けがをして。
そのときに落ちた後遺症で
心的外傷後ストレス(PTSD)にかかって
わけもなく突然涙が出たりだとか
そういうことにずっと苦しんで。
それが治ったと思ったら
今度は、落ちたショックで
卵巣を片方破裂させて卵巣摘出を受けて。
そこから治って、
ようやくペアがうまくいってきて
最後のチャンスというか
オリンピックをかけたショートプログラムで
4位と出遅れてしまう。
もう絶望的ななかから
はじめてのスロー・トリプル・アクセルを
フリーで決めて、
大逆転で全米チャンピオンになって、
トリノオリンピックに出場してきたんです。
‥‥すごい話でしょう?
これほどすごい話が実話としてあるのかという。

その井上選手が氷上でプロポーズを受けた。
先月26日の全米選手権ペアで2位だった井上怜奈(31)組。
演技後、パートナーであるジョン・ボルドウィン(34)がひざまずき、井上の両手を握って「残りの人生を一緒に過ごしたいのは君なんだ」と熱いプロポーズ。涙ぐみながら、「はい」と答えた。

 兵庫県出身の井上は日本代表でも活躍。肺がんを乗り越え、米国籍を取得し00年から正式にペアを組み、米国代表で出場した06年トリノ五輪は7位に。
2007年世界選手権を最後にアマチュア引退を発表したが、引退を撤回し現役続行を宣言。
2008年全米選手権で復帰を果たし、2位となった。

「彼女のことをすごく尊敬している」とボルドウィン。
いつもは冷静な井上も「こんなこと知らなかったし、最初は何が起きたか分からなかった」。

「プロポーズ」は、2人が何度もドラマを演じてきた氷の上だった。

178タクト:2008/04/11(金) 10:32:03
御礼、一万件突破!
細々と昨年の6月から運営してきたこのホームページのアクセス数が、1万件を越えました。
最初は数件だったアクセスカウント数が、最近は一日に百件を越える日もあってうれしいかぎりです。
同じように、BBSも読んでいただいているみたいです。
みなさま、どうもありがとうございました。
これからも楽しんでいただけるように、BBSにはこまめに書き込んでいきますね。

179タクト:2008/04/11(金) 22:24:35
ついに、小澤征爾さんと…!
ついに、やったよ!


     小澤征爾さんと夢の対面。



きょうは、「東京のオペラの森」でチャイコフスキーに変〜身して、「こどものための音楽会」の本番。
ぼくは打ち合わせがあるので、3時間前に東京文化会館へ。
先日、マネージャーさんが言っていたように小澤征爾さんが本番前に来た。
昨年みたいに、公開リハーサルするのかなと思ったらそうでもないみたい。
マネージャーさんが「小澤さん、なんかタクトさんのこと知ってますよ。前にも会ったことがあるって言ってました」
たぶんそれは、昨年までのぼくのオペラ解説を見ていただけのことじゃないのかな。
でもマネージャーさんは、ぼくが先日朝日新聞に載っていたことも知っていた。
恐るべし朝日!

そして、ついに対面。
ぼくがずっと指揮者芸をやっていることも伝えた。
本番。
今回は2幕と3幕の間も20分間かかる転換があって、幕の間に解説をしてつながなければいけない。
だから始まる前と、幕間、終わり、いつもの倍、しゃべらなければいけないが、逆に燃えた!
ギャグ入れまくり。
受けまくったよ〜、2500人大爆笑!
関係者の話だと客席にいた小澤さんもすごく笑っていたらしい。
髪の毛があれだから、うしろからでもよくわかるらしい。
ホースとジョーゴの演奏もとり入れた。
NHKのお兄さんの経験が大いに活かされた。
出てくる登場人物名をシャレで紹介してストーリーを説明。
「オリガはオリガ。ここにはオネーギン。おまえ俺の許婚に言い寄るなんて、おまえとはやっとらレンスキー。決闘だ! なんやかんやで時間がタチヤーナ。最後まで見てグレーミン…」
好きなようにやらしてもらった。
舞台袖や楽屋でみんなから「ブラボー!」
関係者の喜ぶ顔がすごくうれしい。
きょうは人生で一番幸せな日のひとつかもしれない。


写真はチャイコフスキーに変身している私と、小澤征爾さん。

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180タクト:2008/04/25(金) 15:17:24
「こどものための音楽会」の来場者の感想
「こどものための音楽会」を親子で実際に見られた方の感想が、ミクシィにコメントされています。


実際にタクトさんの舞台を拝見しました!会場大入り満員で、しかも大人と子供がミックスという複雑なお客さん構成でしたが、タクトさん、見事に観客の心をとらえていましたね。チャイコフスキーの解説に始まり、他の作曲も紹介して下さいました。うちの娘は「くるみ割り人形」が好きなので、より親近感をもって見られたようです。この娘、最初タクトさんが登場したら「ママ、あの人、本物のチャイコフスキー?」と言っていました。次にストーリーの紹介を少々、じょじょに観客の「いったいどんな舞台が始まるんだ?」という気持ちを高めたところでスッと退場する、その絶妙なタイミング。舞台は素晴らしかった!子供ってわかるんですね。オペラはむずかしいかな、と思っていたのですが、十分楽しんでいたようです。帰り、お客様の様子を観察。「あの司会の人、面白かったね」「また次も来たいな」という親子の会話が聞こえました。クラシック、オペラの魅力を伝える架け橋になりたいとおっしゃっているタクトさんの思いが一番伝わったステージでした。


昨日の「こどものための音楽会」、とても楽しかったです。
私は小澤さんとは本当に近距離だったので、ちょくちょく小澤さんを見ていたのですが、ものすごくうけていらっしゃいましたよ。
「マエストロー」の時なんて特に(笑)
私たち親子も笑わせて頂きました。
そうそう、あのホースで作った楽器。
どうやって作ったのかとても子供が興味を持っていました。
オペラは文句なくよかったのですが、好田さんのギャグも、もっともっと見たかったです。
ブラボ〜でした。


ダジャレの連発に、子どもたちが大笑い。帰ってから真似してましたよ。
ホースのラッパも作る気満々でいます(笑)


チャイコフスキーさん
2年生の下の子にはちょっと難しい作品でしたが、それでもところどころで「どうなるんだろう?」と見入っていたのが嬉しい発見。
4年生の娘は、解説と字幕で、「日本語で歌ってるみたいにわかったよ」
ダジャレ大好きの5年生の息子は、深刻な恋愛物語を味わったかどうかは疑問ですが、チャイコフスキーさんには大うけでした♪
去年オペラに出たときに間近で見て「指揮者ってカッコイイね!」と言うので、「指揮者になってお笑いオケを作るとか、人のやらないことをやったらいいんじゃない?」なんて言っていたのですが…
すでに好田タクトさんという芸人がいらしたとは…
ホースを上下させての演奏、すばらしかったですよ!ちょっと感動ものでした。
早速、島忠でホースとジョーゴを探してこなくちゃ!と子ども達も興味津々です。


「東京のオペラの森2008」の企画のひとつ、「こどものための音楽会」へ、午前授業だった子ども3人を引き連れて、上野の東京文化会館へ。
司会(チャイコフスキー役)の好田タクトさんが「日本人にもすばらしい指揮者がいて…」と説明しながら顔を向けた客席には、小澤征爾さん♪
息子1も、世界のオザワとなれば、名前くらいは知っているので、「偶然、来てたのかな〜?」


小さいお子さんは、好田さんのお話が楽しめたのではないでしょうか。
大人も楽しめました。親父ギャグも嫌いではないので。
どんなに良い演奏で、目を見張る舞台でも、子供たちの気を引き続けることは、とても難しいと思います。
好田さんの存在は、子供たちと、とっつきにくい芸術を見事につないだと思いました。
これからも、ご活躍ください。


昨日のオペラは、本編はもちろんですが、タクトさんの司会があってこそ、より楽しいものだったと思います。
これからも頑張って下さいね!


※13日には小泉元首相も見に来られていました。
先々月の二期会の「ワルキューレ」公演には、美智子妃殿下もお越しになられていました。
いろいろな客層が一緒に自由に楽しまれている昨今、日本のオペラも大衆化してきている感じはしますね。

181タクト:2008/04/25(金) 15:23:49
関西こてこて日記   第一夜
    4月16日「ぼくとオカンと玉子焼き」


オカンが緊急手術することになった。
ぼくは15日まで寄席の出番、その夜は上野でオペラ「エフゲニー・オネーギン」を見るので、それが終わって夜行格安バスで大阪まで行って、電車で病院がある明石まで帰ることにした。
オペラを見るまえに、上野の格安チケット屋でその日の大阪行きバスのチケットを六千円で買った。
あとでわかったが、もういまは東京ー大阪間は3,700円ぐらいから独立シートの格安バスがある。
ネットでも買えるし、企画バスも数社ある。
JRのドリーム号や私鉄会社が運営する夜行バスは八千円台だか、この企画バスはとにかく安い。しかもじゅうぶん寝れる。
しかし怪しい。
集合場所が路上で、JRや私鉄バスのような待合室もない。
大阪の集合場所なんか毎日新聞本社西横なんて、夜は殺人事件でも起きそうな妖しい場所だ。
こんな新興勢力が安さを売りにいっきに幅を利かせたから、寝台急行「銀河」が駆逐されてしまったのだろうな。

16日の朝六時に梅田に着き、電車で明石に行き、八時に県立がんセンターに着いた。
ぼく、この辺り、高校通うときにしょっちゅう自転車で通ったはずだけど、こんな立派な病院あったっけ?
オカンは前日に手術をしたので、集中治療室、ICUに放り込まれていた。
面会は十時からだが、東京から来た息子だと受付で言うと、ICUに通してくれた。
え、これが、オカン?
むちゃくちゃ小さいやん。
もう、がい骨みたいになってるやん…。
昨年の二月に滋賀の栗東で秋山和慶さんと一緒に仕事をしたあと、田舎に帰ってオカンと会った時はもっと元気やったのに。
オカンは起きていて、ぼくに気がついて、
「よう来てくれたなあ」
「だいじょうぶなん?」
若くてやさしそうな医者が近づいてきたので、ぼくは頭を下げた。
医者はオカンに、
「好田さん、ようがんばったなあ。なんか気になることはありますか」
「気になることは…、息子が結婚できんでねえ…」
アホか? その天然ボケぶりに、オカンはまだいけると確信した。

いったん外に出て、高校時代の一年先輩で同じチューバを吹いていた藤原さんの建材店に行った。
藤原さんは今も神戸フィルでチューバを吹いていて、全国の鉄道を常に完全制覇をし、種村直樹さんの本にもしばしば登場しているおもしろい人だ。
いつもぼくの顔を見ては、「はよ、売れ〜。出世返しや」と言いながら飯をおごってくれる。
「好田、何日間かおるん? あさって哲ちゃんと安留呼んどくわ」と、讃岐うどんの釜玉三人前をぼく一人のために作りながら言ってくれた。

病院に戻り、相部屋に戻されたオカンと再び面会した。
ぼくの記事のいくつかの新聞のコピーを見せると、
「これ、ほんまかいな。わたしを喜ばそうと細工したんちゃうか?」
そんなめんどくさいことするか! ペール・ギュントやあるまいし。
相部屋のほかの患者さんや看護婦さんがぼくのことを知っていた。
なんでもオカンが、ぼくの本や記事が出ている音楽雑誌をみんなに見せびらかしているらしい。
恥ずかしいこと、やめてくれよ〜。
ま、オカンがそれがうれしいのなら別にええけど。
2時ごろオカンが眠たそうにするので、「また、あす夜来るわ。それまで? 京都行って、お寺や仏像見てくるわ」
「それが目的ちゃうか?」
う〜ん、ちょっと当たっているかも。

「明石で一番うまい玉子焼き屋や。地元はみんなここで食う」という「ふなまち」に行った。
たこ焼きのことを明石では玉子焼きと言って、だし汁で食べる。たこ焼きよりもっとふんわり焼く。
その玉子焼き屋は魚の棚に集中しているのだが、このふなまちはもっと西で港寄り、材木町の岩屋神社の横、長林寺の斜め前にある。
看板もなく、ひっそりとのれんだけがかかっている。
こりゃ、わからんわ。
店内も八人も入ればいっぱいになるぐらい小さい。
しかし焼く方はすごく忙しそう。
電話と通りすがりの地元の人からひっきりなしに注文が殺到し、言われた時間に取りに来る。
店内には「追加注文お断り」。
でも店のおばさんたちは愛想がいい。
二十個で五百円。
安っ!
しかも、むちゃくちゃうまっ!!
いまはたいていの店は、十五個で五、六百円だし、大阪には十個で八百円の店もあった。
「ふなまち」は知る人ぞ知る史上最大の玉子焼き屋だ。

明石公園をぶらついていると、ピッチに妹から電話がかかってきた。
「今、どこにおるん? 三時になったら来てって言うたやん! 祐花が、げんきくんまだ?って五分おきに電話がかかってくるから仕事ができひん! すぐ行って! わたしも五時には仕事終えて会社出るから」
きょうから三日間、妹夫婦の家で泊まる。
オカンの部屋が寝場所だ。
しかし妹の子供二人がぼくを休ませない。
子供二人は「げんきくん」のビデオをずっと見せられて育ったため、げんきくんが来るのを今や遅しと待っているのだ。
神戸の妹夫婦のところに五時についたら、小学三年生になる祐花ちゃんが、思いっきり泣いて怒っていた。
「遅い!」

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182タクト:2008/04/25(金) 15:37:17
関西こてこて日記   第二夜
    4月17日「Kyosai」



京都をまわるときは、ぼくのやり方は朝九時ごろには駅前に着いたらまっさきにバス共通一日券を五百円で買う。
格安店だと四百八十円で買えるのだが九時には店が開いてなかったりするので、とにかくそれを早く手に入れて、くまなくバスで目的地をまわるのだ。
京都の町はご存知のように網の目になっていて、バスが頻繁に走っていて、このバス路線図をうまく読み込むとほんとうに効率よく回れる。
しかしきょうはその必要がないかも、と一瞬思ったが、実際その予感は的中した。

お目当ての京都国立博物館に行った。
国立博物館四館共通の年間パスポートを使って、人生の大勝負が待っている。
「河鍋暁斎」に会うためだ。
暁斎の全貌をつたえる大規模な展覧会が、没後百二十年にして初めて催された。
結論から先に言おう。

「河鍋暁斎(かわなべきょうさい)こそ、日本画壇のモーツァルトだ!」

作品量も膨大、どれもが傑作。
しかもピカソのように、変幻自在に画風がとどまることを知らず常に変転していく。
時にはまじめにシュールな仏画『観世音菩薩像』、ぼくはこの種の菩薩絵では日本最高傑作だとおもっている。
おなら合戦を延々と描いた「放屁合戦絵巻」のようなユーモア。
十メートル以上もある巨大な引き幕を画面いっぱいに当時の歌舞伎役者を妖怪に見立てて描き、お客はあの役者だがどの妖怪かを楽しんで見上げていた。しかもなんと四時間で書き上げたあっと驚くパフォーマンス。
あの足のない幽霊の絵は、円山応挙とともに暁斎の独断場だったし、暁斎の描く幽霊画の恐ろしさは、古今東西のこの種の作品の中でも突出している。
その極めきった死生観。
暁斎にかかれば絵画で表現できないことはない。
ものの本質、真理や世界がここにはある。
天才少年として早くから突出したかと思えば、酔狂で描くことでも有名だ。
生き様も破天荒で、描いた風刺画が官憲にとがめられて逮捕・投獄され、笞打ち五十で放免というトンデモエピソードも持っている。
1881年には「古木閑鵜図」が第二回内国勧業博覧会で当時の日本画での最高賞を受賞した。
ほんとあっさりとしたカラスの絵だ。
暁斎はこの絵に当時では超破格の値段百円で売りに出したら、なんと日本橋の菓子商が実際に買いとった。
そして世間にはカラスの絵が一大ブームとなった。
なぜこれほどの天才が、海外で高い評価を受けてきたのに日本では冷遇されてきたのか。
本物を見てもらうのが一番なのだが、インターネットでも図書館でも、書店でも映像でもなんでもいい。
「河鍋暁斎」を調べてその作品に触れてほしい。
ほんとうに打ちのめされる。
京博にいますぐにでも見に行きたくなる。
こんな「奇才」が近代日本の画壇にいたことを誇りに思い、その低評価に愁い、邂逅できたことにあなたは感動するだろう。

ぼくが特に見入ったのが「九相図」。
九相は日本古来からある考えで、京都市左京区の浄土宗安楽寺の平安時代の絶世の美女だった小野小町をモチーフにした「小野小町九相図」(三幅)という名作もある。
九相(くそう)とは 盛者必衰、死生観で、どんなに華やいだ生活を過ごした絶世の美女も、いずれは死を迎え土に帰る、人の世のはかなさや、無常観を絵にした、絵のお経だ。
下絵も含めて迫真に迫る暁斎の「九相図」を見ていると、きのうの母とオーバーラップして、ああ、オカンもあのがい骨のあとには屍となってカラスとかについばめながら土に帰るのだなあ、と思ってしまった。

気がつくと、もう四時。
六時間以上もここにいるよ〜!
ぼくはバカだ! でもしょうがない。
バカの絵を見ていると、こっちもバカになって見てしまう。
常設展で国宝を見まくり、ほんと京博はいいのを持っているなと感心しつつ、結局この日はここだけになってしまった。
せめて近くにある養源院の宗達の絵でも見ていきたいと思いながら、それもかなわず急ぎオカンのいるがんセンターへ戻ったのであった。
「お母さん、土に帰るんやなあ」と言ったら、
「なんで土山に帰るんや? 明石に帰るんや」と言い返された。


   ※土山とは明石市の西を越えた加古川にある地名。JRの駅もある。母は土日曜日には一人住まいしている明石のアパートに帰るのを楽しみにしている。

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183タクト:2008/04/28(月) 13:14:02
共同通信社から配信されました
先日、共同通信社の文化部から「今年、生誕100年になるカラヤンと朝比奈隆について、指揮者芸人の立場から述べてほしい」という取材を東洋館で受けました。
その記事が無事、22日に配信されました、と担当の記者の方からメールを受けました。
実際、どのような内容になっているのかぼくにもわかりません。
でも共同通信社ですから、全国の地方紙に載る可能性があります。
出る時期は場所によって多少ずれるかもしれませんし、もう出ているかもしれません。
もし気に留めていられたら、どこかで見つけてくださいね。

184タクト:2008/05/02(金) 20:33:41
関西こてこて日記   第三夜
    4月18日「親孝行川柳」


「親孝行 したい時には 親は無し」

これより、タクト10選。
「親孝行 するもしないも 親しだい」
「親孝行 するもしないも 金しだい」
「親孝行 期待するのは 親ばかり」
「親孝行 期待するなら 金をくれ」
「親孝行 したくなくても 親はいる」
「親孝行 したい時には テレビなし」
「親孝行 する気はあっても 金がない」
「親孝行 出戻り娘が いうセリフ」
「親孝行 たまに帰って したり顔」
「親孝行 娘婿の マニュフェスト」

ぼくが「どう?」と聞いたら、「今一やなあ」と母が答える。
母は川柳が大好きだ。
よく川柳の寄り合いにも行っているらしい。
そこで看病がてらにぼくが作った「親孝行」で始まる川柳を、即席で10編ほど母に披露した。
最初の「親孝行 したい時には 親は無し」はご存知、親孝行川柳の名作。誰が作ったのだろうか。
しかし、金が絡む句になるとどうも下品になってしまうね。
最後の「親孝行 娘婿の マニュフェスト」は、妹夫婦が結婚する時、妹のだんなが母にそう約束したらしいので、この句を作った。
「出戻り娘」は、今は離婚も多いし、特にぼくと同年代は離婚している人もチラホラいて、こんなセリフを「お父さんのことが気になってね」と言いながら実家に出戻って、余裕のある親のすねをかじりながら悠々自適の人もいるんじゃないかな。またその親も娘の戻りを喜んでいたりして。
「子を持って 初めて知る 親の恩」とか「子育てを 親に任せて 共稼ぎ(荒稼ぎ?)」と妹に言ったら、「お兄ちゃんこそ、「親孝行 たまに帰って したり顔」や」とどやされそう。
「いつまでも あると思うな 親と金」も、世間ではそうかもしれないけれど、うちは「いつまでも あるのは親で 金はない」か。
ぼくはいっとき、NHK−BSの松山局が制作している「俳句王国」をよく見ていた。
いつでもお呼びがかかれば大丈夫なように、季語にあわせて作れるよう鍛錬してきたが、お呼びがかからない。
「親孝行 したい時には テレビなし」は、そんなぼくが以前、NHKのお兄さんとして毎週全国の子供と楽しそうにテレビに出ているのを、母がたいそう喜んで見ていたと妹に聞いたいたのでそれを思い出して、今はテレビとは無縁の生活なので「ごめんね、頼りない息子で」という意味の句。
きょうは午後からお世話になっている親戚が来るので、朝から病院にいて母とこんなことをしながら、しゃべっていた。

午後二時に予定より早く、母のお兄さんが野の池から車で来た。
もう八十七歳なので、きょうで自動車運転をやめて廃車にするそう。
ぼくや妹は父が早くに亡くなった分、この母のお兄さんには陰からぼくたち母子を支えていただき、ほんとうにお世話になった。
でも恩返しがいまだにできていない。
ぼくが20歳の時にお笑いの世界に入ろうとしたときも、母のお兄さんは「誠一君は、親不孝や」と反対していたなあ。くしくもそれは当たっていたかも。
母とお兄さんがたおやかに話をされて、ぼくにもお兄さんはやさしい言葉をかけてくださって、きょうで最後になる愛車で家に帰っていった。
それからまた、しばらく母と話をしたあと「あすは、奈良でお寺を見に行くから、きょうでお母さんとはお別れや」と言って病院をあとにした。

夕方五時過ぎに、藤原さんところで昔懐かしいメンバーと再会した。
藤原さんと哲ちゃん、安留(やすとめ)君。
みんな明石南高校の吹奏楽部で一緒に吹いていて、藤原さんは一年先輩でぼくと同じチューバ。その後、神戸フィルで今も吹いている。朝比奈隆さんのご子息で神戸フィルの指揮者の千足(ちたる)さんと仲良しだ。
あるとき、ぼくが神戸フィルへ遊びに行ったとき、千足さんの前で朝比奈隆さんの物真似をすることになってしまった。焼きそばをかき混ぜるみたいにやったら、
「うちの親父はそんな円運動ばかりやってない」って言われてしまった。
哲ちゃんは作家。「大久保町の決闘」や「大久保町は燃えているか」など住んでいた明石市大久保町を近未来にした、大久保町三部作を出版し、いまも書いている。
頭もよく、トランペットもうまく、しょうゆ顔なのでかなり持てるのだがいまだ独身。神戸フィルでも長らく吹いていた。
じつは吉本新喜劇にぼくがいたとき、「哲ちゃん、いっしょにやらへん?」と吉本に誘った経由がある。
ぼくが吉本を辞めてもしばらく吉本にいて脚本を書いていたはずなのだが、いつのまにか辞めていた。
今回、なんで吉本を辞めたのか聞いたら、「○○兄弟とか、××とかこんなセンスない奴が売れるんか、と業界に失望して辞めた」。
じつはもう一人、ぼくは吉本に作家として誘った同級生がいる。彼は中学時代の野球部仲間で、東京ボードビルショーで作家をやっていたのだが、「吉本で一緒にやらへん?」と誘った。今、どうしているのだろう。
安留君はクラリネットを吹いていた。
今はクラリネットを治している。つまり楽器を修理する職人だ。
けっこうかっこいいじゃない。
ぼく達の高校時代の演奏をCDにして持ってきてくれた。
聞くのが怖い。というか、怖くていまだに聴けない。(でもちゃんと聴くからね、安留君)
ぼくと哲ちゃんは独身。藤原さんは奥さんがいる。安留君は奥さんと子供までいる。
ここで遊び人と手堅い人との差が如実に出てしまった。
ぼくら4人を中心に明石南吹奏楽OB連中は1988年5月にはなんば花月を借り切って「タクトフィルハーモニー イン なんば花月」というリサイタルまでやってしまった。
久しぶりに再会し、バカ話に花が咲き、ついには「女の子中心に電話をかけまくろう」ということになってしまった。
いきなり平日の夜に電話がかかってきて、「ぼく好田、哲ちゃん…、覚えてる? あんまり楽しそうにしゃべったら、だんなに怒られる? はよ、別れぃ!」なんて言っているのに、みんなけっこう楽しそう。
飲んで、しゃべって、まだまだ宴会は続けたいのだがみんなと違ってぼくは妹夫婦の神戸に帰らないと行けないので、最終電車に間に合うように藤原家を出た。

夜遅くに妹の家に着いたら、外で妹や祐花ちゃんがかわいがっているオオサンショウウオのような猫、姿と名前がとても一致しない「リカ」が家へ入れてくれいとばかりに泣いていた。
妹が「祐花や俊介が、げんきくんとまたダウトをやりたいって言っていたのに。もう寝てもたわ。なに?あした奈良へ行くん? 朝早いの? お母さんの見舞いは? もう終わり? この親不孝もん!」と毒づかれた。
寝るときに、母が読んだ川柳を思い出した。

「親孝行 親より長く 生きること」

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185タクト:2008/05/04(日) 00:33:43
5月の予定
5月の出演予定です。

2日から6日まで『ラ・フォレ・ジュルネ・オ・ジャポン』という音楽祭で クラシックソムリエ(案内役)をやっています。
場所は有楽町国際フォーラムの地下一階です。
下記はそのホームページの告知です。

今から買えるチケットで、私の好みに合うおススメ公演はどれ?
とりあえずチケットは買ったけれど、これってどんな曲?いつ拍手するの?
そんなあなたの疑問に、クラシック音楽の専門家「クラシックソムリエ」が、レストランでソムリエがワインを選ぶのと同様にアドバイス致します。
どうぞお気軽にご相談下さい!
また、毎朝カウンターのオープン時には、好田タクト氏が指揮パフォーマンスを行いますのでお楽しみに! 開催日程 5月2日(金)〜6日(火・休)
よろしければ、ぜひ見に来てください。今回は大道芸のスタイルでしますので、しゃべりは入れません。5人ほど指揮者芸をします。
会場 地下1階 フロントオフィス内(チケットカウンター隣)
参加方法 無料
ぼくのスケジュールは、5月2日(金) 10:30〜12:00 好田タクト 5月3日(土)から6日(火・休)まで、 9:00〜10:30 好田タクト
http://www.lfj.jp/lfj_2008/event/sub_05.php

10日(土)は仙台こーぽで『タクト音楽祭出張公演・50分版』です。
アンフィニの演奏者と大飼さんと一緒に仙台へ行きます。
会場では、本やDVDも販売する予定です。

浅草東洋館は、15日(木)が東京ユニットのコント、12時45分。
       16日(金)が指揮者芸、1時から15分間です。

若葉の湯寄席は、11日(土)、17日(土)、18日(日)、24日(土)、25日(日)、31日(土)、6月1日(日)です。24,25日はゲストに相撲漫談一矢さんが一緒に出ます。GWの5,6日は『ラ・フォレ・ジュルネ・オ・ジャポン』の方にぼくは出ていますので、若葉の湯はぼくは出ません。森さんとゲンゴロウさんが出ます。
http://www.wakabanoyu.jp/event/index.html

浅草演芸ホールの余一会に。31日(土)に12時過ぎごろ、東京ユニットで15分間でます。

執筆や、大道芸、他にもちょこちょこあるので、ちょっと忙しすぎました。5月は少しセーブしましたが、お笑いライブにいくつか出るかもしれません。何か決まりましたら、またここで告知します。

186タクト:2008/05/04(日) 07:46:18
ちょっと待ってね(ジャスト・モーメント・プリーズ)
連日、『ラ・フォレ・ジュルネ・オ・ジャポン』でシューベルト三昧です。
クラシックソムリエ(指揮者芸と案内役)を10時半までやったあと、公演を聴きまくっています。
昨日もラストの夜の11時半まで8公演を見ました。おかげで睡眠3時間。
公演レポートは、ちょっと待ってね(ジャスト・モーメント・プリーズ、はな寛た・寛大より)

187タクト:2008/05/06(火) 08:07:07
今日の夕方6時に、OTTAVA参戦
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2008のオフィシャルラジオとして、インターネット&デジタルラジオのOTTAVAがサテライトスタジオから公開生放送を行っていますが、急遽、今日の夕方6時からぼくが出ることになりました。
ちょっくら、暴れてきます。

http://www.lfj.jp/lfj_2008/event/sub_13.php

※OTTAVAとは、昨年4月に開局した日本初のコンテンポラリークラシックステーション。クラシック音楽をシンボルとしたライフスタイルを提案する新しい感覚のラジオステーションで、好きな番組を無料で聴くことができるインターネット&デジタルラジオです。
詳しくはこちらをご覧ください。
OTTAVA 公式サイト : http://ottava.jp

さあ、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2008」のクラシックソムリエとしての指揮者芸と案内役、今日で最後です。
名残惜しいですが、連日黒山の人だかりで大盛況だし、いろんな方とも出会えたし、きょうも元気でがんばってやってきます。

188タクト:2008/05/10(土) 03:26:52
関西こてこて日記   第四夜 (最終夜)
    4月19日「上方の黄昏」


「十一面観世音菩薩、出動せよ!」
「マン!」
もし地球がピンチの時、こう叫べばジャイアント・ロボのように正義の味方となって、平成16年に国宝となった本堂がパカッと開いてかの仏様はお姿を現してくれるはずだ。
奈良の長谷寺にある本尊十一面観世音菩薩立像は、像高三丈三尺六寸(1018.0cm)。
10メートルを越える背丈は我が国で最も大きな木造の仏さま。他のどの仏像より群を抜いているその堂々としたお姿は、全国に広がる長谷信仰の根本仏像としての威厳を十分に伺わせ、室町時代の天文七年(1538)に大仏師運宗らによって造立された、我が国の重要文化財にも指定されている巨大で美しい名仏だ。
NHKの「にっぽん 心の仏像100選」では、歌舞伎役者の市川亀治郎さんも一押ししていた。
ぼくもこの仏像が大好きだ。だって、でかいんだもの。かっこいいんだもの。
それに雰囲気もいい。
本堂の奥にその姿があり、お参りした我々からは上半身しか見えなく、それも高いから仰ぎ見るようになってしまう。
まさにジャイアント・ロボやニセウルトラセブン。
ウルトラセブンの第46回「ダン対セブンの決闘」でサロメ星人が基地で精巧に作ったニセウルトラセブン、セブンと死闘を演じたやつだ。
きっと実相寺昭と特撮の高野がここを撮影すれば、下からすばらしいカメラアングルで写してくれるだろう。
まさに威容、いや異様だ。
ここ奈良の長谷寺は、桜井の先にあるのでかなり不便な場所なのだが、見に来る価値はじゅうぶんある。いや、昭和や平成に出来たただばかでかい100メートル級の巨大仏より、よっぽどオーラがあり、雰囲気があり、美しく、その仏を守る国宝の礼堂や本堂、導く重文の登廊なども合わさって聖地みたいな所だ。
まだ来たことがない人は、このボタンが美しい今の時期にはぜひ来てもらいたい。
ぼくも関西時代からバイクでよくここには来た。そしてびっくらしていた。まだ仏像に全然興味なかった頃だったが、この仏像の凄さだけはじゅうぶんわかっていた。
じつはこの驚きとそっくりな思いを、4年前に中国の石家庄(せっかしょう)で味わった。
世界最大級の木造仏、20メートル以上はあろうかという千手観音立像、しかも建物に入っているを見たときだ。

朝早くから長谷寺に来ていたので、桜井にある聖林寺にも行った。
もう仏像ファンならお分かりだろう。
日本の奇跡「国宝十一面観音」に会うためだ。
明治二十年、アメリカの哲学者フェノロサによって秘仏の禁が解かれ、人々の前にその美しい姿を初めて現した仏様。
「なんて美しいのだ。これほどの美しい芸術品は見たことがない」
廃仏毀釈から日本の美術品を守ることに専心し、国宝制度を我が国に根付かせ、貴重な仏像を発掘し、そしてアメリカに持ち出してしまったフェノロサ。
フェノロサと岡倉天心は、我が国の近代美術の先導者なのだ。
そのフェノロサが惚れ込んだ聖林寺の十一面観音菩薩立像。
この時、フェノロサの驚きは尋常でなく、門前から大和盆地を指してこう言い放った。
「この界隈にどれ程の素封家、大金持ちがいるか知らないが、この仏さま一体にとうてい及ぶものでない」
もちろん明治三十年に、旧国宝制度ができるとまっさきに国宝に指定された。さらに、昭和二十年六月、新国宝制度が発足すると第一回の国宝に選ばれた。この時指定された国宝仏はわずかに24を数えるに過ぎない。
まさに日本を代表する仏像の一つなのに、ぼくが訪ねたときはなんとぼく一人だけ。
受付から離れているところに、この宝仏殿があるのでぼくはこの御仏とずっと二人きりになれた。
国宝仏はガラス戸(ぼくが大阪にいたときはこのガラスはなかった)に守られてはいるが、母の快方の願いはしっかりした。

桜井は吉本時代に仲のよかった原君一家が住んでいるのだが、今回は時間がないので、急ぎ奈良に行った。
奈良国立博物館をパスポートで入り、「ここも国宝三昧だなあ。仏像に関したら京都博物館の上をいっているかも。絵画の京都、仏像の奈良かもしれない」と思ってしまった。
ほんとうに仏像マニアが見たら涎が出そうな名品が多く展示されていた。
興福寺に行って阿修羅像や旧山田寺の仏頭、慶派の仏像群を見た後、東大寺に行き南大門で金剛力士、仁王さま開口の阿形(あぎょう)像と、口を結んだ吽形(うんぎょう)像を見上げて、「運慶と快慶が指示したとされるのは、じつは逆なんだなあ」と思ったりした。
さあ、最後の締めは戒壇院にある四天王像の広目天だ。
ぼくの最も好きな仏像、東大寺戒壇院四天王の広目天。特に眉と目がゾクゾクする。怖いときの朝青龍の眉と目にちょっと似ている。
ここでも訪問者はぼく一人。
これが東京国立博物館にでも来ようものなら、今の薬師寺展以上に長蛇の列になるだろうに。
手を出せば、それこそ触れるよ。係りのおじさんもぼく一人だからどこかに行ってしまったし。
五時を越えてしまってもうどこにも入れないので、国宝の天害門を見に行ってから大阪に帰ることにした。

夜のなんばの街を歩いた。
心斎橋二丁目劇場がないので、いそいでシベリア文太に電話したら、「兄さん、なに言うてんねん。とっくにないわ。今はもうNGKとかの中に吸収されているわ」
NGKに行ったらすごい人だ。
妹の伝言を思い出したので、Wヤングの丸兄に電話をした。
「あ、丸兄? 妹家族が行きたい言うてNGKの招待券ほしいんですけど」
「アホ、今は大人気で芸人も手にはいらへんのや。席も指定席で○千円もするんやで」
ぼくが吉本新喜劇にいたときは、終了間際に6百円にしても客がガラガラやったのに。
もうそんなオシャレで人気があるのか…。
そう言えば8年前に「クラシック音楽夢レース」でサイン会した本屋がNGKの前にまだあるなあ。あの時はめだか兄さんや吉本の芸人さん、照明のトシロウさんが来てくれたおかげで警察までくるぐらいパニックになったなあ。
吉本ってすごく人気があるんや。
NGKの前のワッハ上方とか、法善寺横町、千日前通り、道具や筋をぶらぶらしてたら腹が減ってきた。
ほうからがバイトしていた金龍ラーメンを食べることにした。
ご飯が食い放題なので、キムチとニラを合わせ山ほど食べ、閉店が決まった食道楽の人形の写真を撮り、おしゃれになった道頓堀川が工事中を覗き込んで、昔バイトをしていたミナミの街を歩いた。
「こんなきれいな街やったっけ。もっと汚い、エゲツナイ街やったのに…」
なんか、大阪が大阪でなくなってしまったみたいだ。
カラフルで整理されていて、人もなんか東京の若者が歩いているみたい。
どこのたこ焼きやもお店も商売っ気を出している。
なんか街に緊張感がない。怖くない。
なんか寂しくなって、無性に東京に帰りたくなって、急ぎ妖しい西梅田のバス乗り場の集合場所、毎日新聞本社の西に向かった。

ぼくの知っている大阪が変わってしまった。
ぼくが変わってしまったのか。
ぼくにはもうここには戻れない。
ケバケバしい大阪は、もうなくなっていた。

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189タクト:2008/05/10(土) 19:49:53
今日の朝日新聞朝刊「カラヤン記事」にぼくの話が載っています
きょうは仙台こ〜ぽ(生協)で「好田タクトのクラシック音楽館」がありました。
そこで見にきていたお客さんの何人かに「タクトさん、きょうの朝日新聞にあなたの話が載っていましたよ」と言われました。
家に帰ったら、声帯模写の大御所白山雅一先生から「タクトが載っているぞ!」と電話がありました。
ミクシィでもマイミクからこの記事のことについて、メールが何通かきていました。
「カラヤン生誕100周年」について、先日朝日の記者の方から話を聞かせてほしいと言われたので、それだと思います。
先日の共同通信社とは別の記事です。
ぼくはまだその記事を見ていないので、今から急いでコンビニに買いに行ってきます。(あるかなあ〜)

190タクト:2008/05/12(月) 13:07:02
カラヤン
今年は指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンの生誕100年にあたります。それとは別に2年ほど前から「のだめ」効果もあって、クラシックブームが来ているとも言われています。
そのせいでしょうか、今、すごく「カラヤン」が再注目を浴びています。
各音楽雑誌だけではなく、一般紙、週刊誌、テレビなどでも「カラヤン」記事や特集が組まれて、おかげでなぜか音楽家でもないのに指揮者芸を細々としているぼくにも意見を求められたり、出演が相次いだりしています。
NHK−BSハイビジョンでは、3月20日に『ベルリンフィルのすべて』でカラヤン中心の構成で7時間、4月5日のカラヤンの命日には『まるごとカラヤン 〜生誕100周年記念・その人と音楽大全集〜』ではカラヤンづくめで11時間も放送していました。

ぼく自身も指揮者芸をやり始めた頃はカラヤンははずせないネタでしたが、カラヤンも亡くなりだんだんとカラヤンはしなくなりました。でもここ最近は「カラヤンは入れてね」と芸のリクエストが絶えません。

なぜまた「カラヤン」なのか?
なにがそんなにすごいのか?

改めて「カラヤン」について考え直すようになりました。そういう点では新聞社の方々にはキッカケをつくっていただいて感謝をしないといけません。そこであまり音楽評論家のみなさんが指摘しないことで、ぼく自身がカラヤンについて思っていることを述べます。

カラヤンがメディア戦略を重要視し、それが功を奏して「帝王」になったことはよく言われています。
そのカラヤンがメディア戦略で有利に働いた要因に、身長の低さを挙げたいと思います。

よく、カラヤンの名前が「ダダダン」だから売れやすい、カリスマ性のあるリズムの音だ、とか、カラヤンは初来日時にテレビのニュースで流れたおかげで、全国のどこの会場に行っても自分のことをみんなが知っているのでメディアの重要性に目覚めたとか、自宅に編集機を置いて、ソニーの大賀さんとも組んで死ぬまで自分の映像にこだわったとか、歌手陣を選ぶのにも見栄えがするように身長が揃うように選んだとか、斜に写すようにした、リハーサルでアマチュア楽団で照明リハーサルをした、「カラヤンはなぜ目をつぶるのか」などに指摘される自己演出…、それはすべて言えると思えますしまちがいないとは思いますが、じつはぼくはカラヤンの身長の低さが逆に自己演出にプラスに働いているんじゃないだろうか、と密かに思っていたんです。

どのインターネットから検索しても、正式なカラヤンの身長、体重を表示している記事は見当たりませんでした。
でもまちがいないしにカラヤンはかなり背丈が低いです。おまけに顔も大きい。
じつはこの身長の低さは、目をひく重要な武器なんです。
古今東西のすばらしいコメディアンはほとんどの人はかなりチビです。
チャップリン、エノケン、花紀京、レオナルド熊、ビートたけし、タモリ…。この背の低さはみんなの求心力を呼びます。
本人は大きく見せようとして、手を大きく、動きをコミカルに切れ味するどく、そしてけっして普段は他の人と並んで写真を撮りたがりません。
自分の身長や体重も公表しないし、かかとの高い靴をはいている人さえいます。
でも舞台で大勢の中で、一段と低い人は逆にすごく目立つんです。
まして指揮者は、100人のオーケストラを真ん中で大きく動かして、大きな音を出させて、観衆の耳目を一心に集めているわけでしょう。
身長が低いと、ちょうど座っている弦楽群から頭一つ抜け出した感じで、絵の見栄えがすごくいいのです。
背が高すぎたり体がでかすぎると、腹や腰、ひざ辺りに奏者の頭がきて、指揮者の絵が冴えません。
奏者がちょうど目線の少し上あたりにマエストロがいるようなので、カラヤンの160センチぐらいでしょうか、ひょっとしたらもっと低いかも、とにかく西洋人の中でも、また著名なマエストロの中でもカラヤンはかなり低く、それが逆に映えています。
カラヤンがすごく尊敬して目指していたトスカニーニも背が低かった。トスカニーニはかなり長い指揮棒を持って鞭を打つように棒を振る、軍隊の「統率型」でしたが、カラヤンは逆に短い指揮棒で、手を大きく伸ばして、スポーティに振ることで「流麗な見栄え」を目指したといえます。
きっとカラヤンはコンプレックスを持っていたと思いますが、この背の低さがすごくカリスマで求心力を発揮する上で役に立ったと思います。
背が低いカリスマと言えばメディアを巧みに操ったヒットラーや喜劇王チャップリンも、なんかカラヤンとすごく顔も言動も雰囲気も似通っていると思いませんか?
モーツァルトやアシュケナージなどもかなり低いですね。でも舞台では大きく見えます。

カラヤンが有名すぎるせいでこの指揮者芸もやりやすさがあります。
やっぱり形態模写ですから、そのもの、物真似する素材が知られているというのは、かなり利点なのです。まして、指揮者でしょう。世間からすれば高尚で、寄席なんかでは「なにわけのわからんことを」となりますが、カラヤンという固有名詞(名前)は、指揮者やクラシック音楽のジャンルを越えて有名人として世間に浸透しています。
昨年の11月に国立演芸場に指揮者芸で出ることになった時に、演芸担当者から、
「もっと有名な指揮者を。落語好きの人が、誰でも知っている人を…」
「小澤征爾より有名なのですか?カラヤンとか?」
「そう!そのカラヤン!」ですから。
たぶんカラヤンが実際どんな指揮振りをするのかは、クラシックを興味ない一般の方は知らないと思います。でも目をつむり、手を柔らかく(お風呂のお湯をかき混ぜるみたいに)、そして猪木のように激しく空手チョップで見得を切る。
もう極端に言えばクラシック音楽、ベルリンフィルをバック音楽にしたストイックなパントマイム役者みたいなもんでしょう。もちろん指揮者ですから、実際に重要視しているのは通常の3日間のリハーサルでしょうし、音楽を掘り下げて指揮の決め事は押さえていると思いますが、それでも本番のカラヤンは自由な指揮ぶりで見栄えは重要視していたはずです。
それはもう「カラヤンだから許される」という指揮ぶりでした。
前田日明が「猪木だったら何をやっても許されるのか!」と対抗戦で叫んでいましたが、カラヤンだったら許されるのです。客は「カラヤンの世界」を期待しているのですから。

それにもうひとつ、ぼくが指揮者の真似をするときに意識していることがあります。
指揮を始める前と終わってから退場するまでの一連の動作です。
カラヤンの場合は、ストイックに登場する。指揮台に立って、目をつむり、数秒間手をブラブラさせながら、振り下ろすまで精神統一をする。
これはスポーツ選手、アスリートが試技をする雰囲気です。棒高跳びや、サーブを打つ卓球選手みたいに。体操選手にも似ているかな?
カラヤンはひょっとしたら指揮をスポーティに捉えていたかもしれません。終わった後も、それほど客に媚びることもなく、雰囲気は崩さない。常に人に見せるということを意識したアスリート・カラヤン。
賛美も批判もすべて含めてマエストロ「カラヤン」が、クラシック音楽界のど真ん中に今でもいるのはまちがいありません。

この「小さな巨人」の再評価をきっかけに、ぼくの指揮者芸にも注目が集まればうれしいのですけどね…。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000308.jpg

191タクト:2008/05/12(月) 15:08:13
四月下席桜日記
演芸の世界では、一ヶ月を大きく三つに分けて上席(1〜10日)、中席(11〜20日)、下席(21〜月末)と呼び香盤(出番)を変えていく。
ぼくたち東京演芸協会は浅草の東洋館という演芸場を主戦場としているが、中席が定席となっている。ちなみに上席は漫才協会、下席はボーイズ協会でお客様もそれぞれの好みで楽しんでいるわけだ。
しばらく仕事に追われて、日記を書き損ねた。そこで母の見舞いから戻ってきた20日から30日まで一気に日記を書こうと思う。
題して「タクトの四月下席桜日記」(なんか歌舞伎みたい)。

20日(日) 昼は東洋館の特選寄席の出番。コント東京ユニット。新ねた「占い」をかけた。ここのところ新ネタ「政治家と工場長」「占い」「面接」などをかけていっているが、演芸場はお客がよく笑ってくれる。これが「若葉の湯寄席」なんかだと、けっこう苦戦するんだな。
だから最近、若葉では漫才口調。寄席ではしっかりコントから入る。ま、新ネタに模索はつきものだけど。
夜は、東京文化会館で歌劇「エフゲニー・オネーギン」を見た。「東京のオペラの森」の最終公演だが、15日に見たときと演出が変わっていた。凄い、最後の最後まで舞台がよくなるように工夫していくのだ。リハーサルやゲネプロ、「子供のための音楽会」での司会、本公演などどっぷり小澤先生指揮のウィーン国立歌劇場共同制作版の「エフゲニー・オネーギン」を見続けたわけだが、最初正直よくわからないオペラだった。
「なんで主人公のオネーギンはタチヤーナを振っといて、友達のレンスキーも決闘で殺しといて、再会したらタチヤーナに惚れなおして、よくもずうずうしく告白できるな!」とストーリーにぜんぜん共感もてなかったのに、何回も見るうちに、「プーシキンの原作もチャイコフスキーの音楽もよく出来ているじゃない!」と、すっかりこのオペラが好きになってしまった。
この日、びっくりしたのは座った席。
隣の席が二期会の栗林義信理事長で、その隣がソニーの大賀典雄さん。当然向こうはぼくの事なんか知る由もなく、「秋には二期会でもこれをやるんですよ」とか、グレーミン役の歌手に「ブラボー!」とつぶやいていたりわきあいあいしている。
ぼくの耳が舞台と隣にステレオのようにダンボになってしまった。
大賀さんに「ぼく、SONY1080iHDV,ハイビジョンカメラ大枚はたいて買ったんですよ。ちょっとぐらいまけてほしかったな」なんて、そんなことも当然言えなかった。

21日、22日、23日と続けて打ち合わせや、コントの練習、何人かのお話を聞いたりして日が過ぎていく。秋ごろにある地域で音楽祭をやりたいので協力できないかとかの話も来ていた。早いなあ、一年。

24日(水) 『国宝・薬師寺展』を東京国立博物館へ見に行く。人ごみが嫌なので朝早くから行ったのだが、それは正解。今は入るのにも一時間待ちだそうだから。
日光・月光(がっこう)菩薩立像が初めて寺外に出たとかで話題となっている。というか、主催者のNHKがやたらとテレビであおっている。確かに薬師寺の金堂にある日光・月光菩薩立像は日本仏教彫刻の最高傑作のひとつだとは思うが、真ん中の薬師如来坐像を寺に置いてけぼりにして2体だけ来るなんて、なんか医者を忘れて看護婦だけ来たみたい。
ま、日光が日勤だったら月光は夜勤だな。
光背をはずして来ているので、うしろにまわると日光は男性的、月光は女性的だというのがよくわかる。
それに腰まで下がっている布がなんともなまめかしい。今のへそだしギャルは、このセンスを見習ってほしい。
ぼくが見ごたえあったのは聖観音菩薩立像(国宝)。これは名仏像だ。
慈恩大師像(国宝)、吉祥天像(国宝)などの絵画も涎がでる。
あの吉祥天像の絵! これはほんとうに日本の宝だ。
しかし最後の方に展示しているので、たいがいの人たちはばててしまってスルーしている。特にお年寄り。
「なんか暗くて、よくわからないわ」
「教科書とか切手でよく見るやろ、おばはん!」 とアドバイスする親切心はぼくにはない。
本館、東洋館、法隆寺宝物館、表慶館なども見たので、あっという間に閉館の5時になってしまった。
その後は雨が降ってすごかった。

25日(金) この日の夜は三遊亭遊吉師匠のお宅に初めてお伺いして、庭に咲いている桜を花見しながら歓談する日。これはじつは、遊吉師匠の隣が、ぼくを「あしたもげんきくん」に抜擢してくれたNHKのプロディーサーの方のお宅があって、この半年で一気に三家(とはいってもぼくは一人だが)の交流が始まったわけ。

遊吉師匠には長らくお世話になっているけど、まさか庭に桜がある家に住んでいるとはなあ。だいたい落語家の名人いうたら、貧乏長屋と相場が決まっているんちゃう。ぼくの墨田の立花のすぐ近くには、あの名人五代目古今亭志ん生のなめくじ長屋もあるんやし…。

と、落語家名人は貧乏というぼくの妄想は見事に打ち砕かれた。遊吉師匠一家はまさしく貴族だった。
遊吉師匠の娘さんたちのダンス、お爺さまのヴァイオリン演奏、奥様のピアノ演奏、プロデューサーさん夫婦のリコーダー演奏などを聞きながら、プリン体を気にしてビールをやめてワインに舌鼓すれば、もう、
「あ〜、家族っていいなあ。サザエさんか花輪君とこにいるみたい♪」
ほろ酔いながら坂を降り、最終電車でミーコが待っている家に帰っていった。

26日(土)〜29日(火) 若葉の湯寄席。ゲストがマジックのダークしろうさん。マジックはいいわあ。こういう健康ランドの舞台に映える。森さんと3人で夜も楽しく、コンビニで買ってきたつまみとお酒で宴会。

30日(水) 東洋館での特選寄席の日。きょうは指揮者芸。
前日に小澤征爾さんの楽屋前で知り合った方が急遽見にきたいということで寄席にこられた。誉められた。

            ????   以上、タクトの四月下席桜日記でした。

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000310.jpg

192タクト:2008/05/12(月) 17:06:54
こ〜ぷ文化鑑賞会『好田タクトのクラシック音楽館』
またひとつ、幸せな仕事をさせていただいた。
みやぎ生協が主催した、こ〜ぷ文化鑑賞会『好田タクトのクラシック音楽館』が5月10日に仙台の泉区で催された。

昨年末に発売された『レコード芸術』1月号(音楽之友社)の226,227両ページ「PAUSEパウゼ」という欄に、私のページいっぱいの小澤征爾もどきの顔がカラーででっかく載った。
由緒ある音楽雑誌にこんなお笑いが出ていいの? と思いながらも、出た時は迫力で自分でも吹き出してしまった。それをみやぎ生活協同組合の文化事業部で文化会館館長の須藤さんが見られて、
「ねえ、今度の文化鑑賞会、こんなのもいいんじゃない?」
ということから、『タクト音楽祭・仙台出張公演』が実現した。
あいだに入って尽力してくれた野口さんと何度も打ち合わせた。今までは本格的ないろんなジャンルのプロの演奏家とか、落語家とかを呼んでいたらしい。でも今回はちょっと新鮮なのを望まれたみたい。
よく公演の企画は持ち上がるが、あいだに入る仕掛ける人がほんとうに本気で話を詰めていかないと、よく流れてしまうことがある。かんたんな営業だったらいいのだけど、『タクト音楽祭』みたいな規模になると予算や準備、根回し、いろんなことを想定してクリアして初めて形になる。
でもぼくはそういう作り方は好き。
その際にはあいだに入って裏方に徹していただいた方が、がんばってくれるからこそ初めて企画が実現して成功するのだ。

公演前にこんなメールを仙台こ〜ぽからもらった。
「現在のこちらの状況をお知らせいたします。会員への総会の案内をしておりましたが、4月10日現在、大変な数の申し込みになっています。これに運営委員約30名も入ります。当日の参加は2割減と予想してはおりますが、はたして会場に入りきるだろうかと嬉しい悲鳴を上げております…」

じっさい、本番は11時半から。最初からすごい盛り上がり。座りきれなくて立ち見の人もぎっしりだ。何をやっても喜んでもらえる。
クライマックスは朝比奈隆の物真似でワーグナーの「ニュルンベルグのマイスタージンガー」。
この曲だけは大曲なので昨年夏に代々木国立オリンピックセンターでアンフィニをぼくが振った時、金管や打楽器がフルに揃っているのをCDに入れて、その録音と今回きたメンバーの生演奏を重ねて迫力を出して指揮者芸をやった。
振りながらなぜか涙がとめどなく出てきた。

ほんと、いい曲。

終わるとお客様ほぼ全員が、スタンディング・オーベンションをしてくれた。
大飼さんの歌も絶好調。
1時間の公演も、前々日にリハーサルをしたおかげで予定時間ぴったりに終了。
しかしアンコールが鳴り止まない。
浜川さんたちとどうする?と見合わせながら、もう一度ハンガリー舞曲第5番を演奏した。
お客さんやスタッフの方々の喜ぶ顔がすごくうれしい。
来年の3月には石巻市民会館で、地元の仙台フィルと共演することになっている。今回のように素敵な演奏会になるといいな。

もうひとつうれしいこと。
今回の仙台行きの切符は、「土・日切符」を主催者が用意してくれていた。
JR東日本線の特急(新幹線含む)・急行列車が載り放題じゃない!
メンバーにいかにこの切符が有効で遊べるかを力説して、ぼくも公演後は思いっきり動き回った。
日曜日も若葉の湯寄席が終わったら、千葉駅で森さんと別れて特急で銚子まで行ってうまいものを食って、折り返し長野新幹線でぐるっとまわって帰ってきた。
鉄ヲタの血が騒いだ2日間でもあった。


こ〜ぷ文化鑑賞会

『好田タクトの形態模写と生演奏を楽しむ 好田タクトのクラシック音楽館』

   出演:好田タクト
      朝原 望 (ピアノ)
      浜川 慎司(フルート)
      岩谷 優子(ヴァイオリン)
      大飼 道雄(テノール歌手)

  とき/2008年5月10日(土)11:30〜12:30
  ところ/みやぎ生協文化会館ウィズ

https://img.shitaraba.net/migrate1/8130.tact/0000311.jpg

193タクト:2008/05/13(火) 03:12:25
『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2008』コンサートレポート
『ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2008』が無事終了しました。
私は連日クラシックソムリエとして、5人の指揮者芸と案内役を朝の10時半までB1でやったあと、ラストの午後11時半まで公演を聴きまくりました。
あの、一応、ソムリエという立場上、いろいろな公演を知っておかなければいけない、という仕事の一環でもありまして…でも正直うれしかった。

クラシックソムリエの仕事については、担当者からも
「キッズ・プログラムの整理券取得後の家族連れや海外アーティストに大ウケで、日に日に観客が増えて朝から賑やかで嬉しい限りでした。朝の時間帯の相談は「子供と楽しめる公演はどれか?」といった内容が多く、好田氏にぴったりでした。
来年までに是非コルボ氏等をマスターして頂きLFJ出演者もレパートリーに加えてのパフォーマンスを行って頂きたいと思っております」
ムフフ、ということは…来年もアリ!かもね。
しかしLFJの象徴でもあり合唱の神様でもあるコルボ先生の指揮者芸となると、あの御茶ノ水博士のようなはげに周りが白髪のかつらを見つけ出さなければなりません。
実際に今回のソムリエを通じて発見することも多く、例えばお客様が何を望んでいるのかとか、ルネ・マルタン氏の「一流の演奏を低料金で提供することによって、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」の意味、クラシックコンサート初体験者や子供たちにシューベルトの音楽知識や良さを噛み砕いて伝える準備など、まだまだ自分は一人前のソムリエではないなと痛感しました。
それでもこの音楽祭は非常に魅力があり、参加させてもらえるなら来年もぜひソムリエをやりたい、指揮者のパフォーマンスもやりたいと心底思いました。それにランチもディナーも帝国ホテルの料理だし…(食いすぎた)。
今回、他のソムリエの皆様、スタッフ、お客様の暖かいサポートと声に支えられてなんとか5日間無事乗り切れました。みなさまに心からお礼を述べたいと思います。
ほんとうにどうもありがとうございました。

公演は朝から晩まで5日間、400ものコンサートがありましたが、ぼくは31公演を聴きました。
まさに「熱狂の日」の名にふさわしく熱い演奏の数々でした。
その中から特に印象に残ったいくつかの公演のレポートをしたいと思います。

☆バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ)・ルーヴェ・デルヴィンイェル(ピアノ) シューベルトの女性リートのベスト・ハイライト。公演番号:5/3-235,5/4-237
バーバラ・ヘンドリックスが以前、N響でマーラーの交響曲第4番で歌った時に生で聴いたことがあった。そのときは伸び盛りって感じだったが、今回、ほんとうにすばらしかった。感動した。まさしくデューバ、女神、美声の人間ポンプ。こんな美しい歌声がこの世にあるとは。今まで人の声を生で多く聴いてきたけど最も美しい声の一つだった。こんな素敵な声が250人の席で聴ける。連日行ってしまった。特に感動したのが「愛らしい星」D861 、「夜と夢」D827 、「君こそ我が憩い」作品59-3 D776 、「トゥーレの王」 D367、アンコールの「ます」と「アヴェ・マリア」。
昔、カラヤン指揮のウィーンフィルでレオンタイン・プライスが歌った「アヴェ・マリア」1300円を宝物のように持っていたのを涙流しながら思い出した。2日目はさらにすばらしくなった。

☆ミシェル・コルボ(指揮)
ご存知LFJの象徴でもあり合唱の神様。率いるのは手兵ローザンヌ声楽アンサンブル、シンフォニア・ヴァルソヴィア、谷村由美子(ソプラノ)他。
・シューベルト:スターバト・マーテル 「十字架につかせ給いしイエス・キリスト」ヘ短調 D383 ,公演番号:243
・ロッシーニ:小荘厳ミサ 公演番号:347
・モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626、公演番号:514
・シューベルト:ミサ曲第6番 変ホ長調 D950 公演番号:542
ほんとうに柔らかく、透明感に溢れ、敬虔な気持ちにさせてくれる演奏だ。今回シューベルトのミサ曲は3番から6番まで全部聴いたのだが、やはり6番は群を抜いてすばらしいと思う。シューベルトは美しく、モーツァルトは厳しい音楽だった。ロッシーニもオペラとは全然ちがう曲だった。

☆プラメナ・マンゴーヴァ(ピアノ)
ブルガリア出身の27歳の女性ピアニスト。エリーザベト国際コンクールで第2位となり、仏音楽誌で「早熟の奇跡」と高い評価を受けた人。ソムリエの皆さんが「タクトくん、絶対聞いたほうがいいよ」って言うから、よく知らなかったが聴いて腰ぬかした。凄すぎる〜。ベートーヴェンの「熱情」がダムが決壊したみたいに、スタン・ハンセンみたいな体格とパワーから繰り出されるラリアートばりの怒涛の演奏だ。こんな解釈許されるのか、というぐらい自由で豪快で時には繊細。アンコールのスカルラッティなんかほんと美しく細やか。メリハリがいいのだ。芸人で言えば芋洗坂係長みたいで、太いが切れがある。これは買い。
・ベートーヴェン:6つのバガテル 作品126 、シューベルト:ピアノ・ソナタ 第4番 イ短調 作品164 D537他、 公演番号:162
・シューベルト:即興曲 変ロ長調 作品142-3 D935 、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 作品57「熱情」 公演番号:464

☆白井光子(メゾ・ソプラノ)
ぼくたちの世代は白井光子は憧れの人。ずっとドイツ・リートを海外で第一線で牽引し続け、元旦那のハルトムート・ヘル(ピアノ)とも1973年からリート・デュオとして35年間活躍したまさにドイツ・リートの第一人者。2年前に難病のギラン・バレー症候群にかかり、復帰コンサートとして期待がかかった。しかし、風邪をこじらせ歌うのが本当につらそう。プログラムを変更し、前半は前日のシューベルト歌曲。後半の「冬の旅」は、ヘルのピアノ伴奏を横で聞くことになった。
歌いたいのに歌えない。見ているぼく達も泣かずにはいられない。そして白井は堪らなくなってきたのか、無理をして「冬の旅」を後半から歌いだす。
そんな、無理をしないで…。
次回には体調を整えて復活すると力強く誓ってくれた。
ありがとう。ぼくたちはいつまでも待ちます。
・シューベルト:歌曲集「冬の旅」D911 公演番号:455

☆ハンス・イェルク・マンメル(テノール)、レ・シエクル 、フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)
・シューベルト/ツェンダー:「冬の旅」D911(管弦楽版)公演番号:328
今回、一番そそられたのがこれ。入る時に同じソムリエの山野 雄大さんと会った。山野さんも熱心でよくいろんな公演で会う。その山野さんが「今回、これは2回目の来日だけど衝撃を受けますよ」と言われた。
じっさい、衝撃を受けた。あの名曲「冬の旅」が拡声器で歌うわ、演奏者はゾロゾロ観客席を徘徊するわ、奏法も楽器も変わったことばかりやって、現代音楽に近いのだが「冬の旅」はちゃんと踏襲してくれているので音楽はじゅうぶん聴き応えある。しかしまるで演劇のような舞台はけったい。拒否反応を示す客は早々と立ち去り、終わったら賛否両論、すごい雰囲気になっていた。これはそそるわ。すごく『タクト音楽祭』で応用してみたいネタがいっぱいあった。いや〜、楽しかった!

☆トリオ・ショーソン 05年ヨアヒム室内楽コンクール優勝など数々の受賞歴を誇り、ウィーンはじめ欧米各地での評価も高い。
フィリップ・タレク(ヴァイオリン)、アントワーヌ・ランドウスキ(チェロ)、ボリス・ド・ラロシュランベール(ピアノ)、井上典子(ヴィオラ)、池松宏(コントラバス)
・ シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調 作品114 D667 「ます」公演番号:151 純粋に素敵だった。「ます」っていい曲だなと思った。

☆シャオ・メイ・シュ(ピアノ)
上海生まれで、若くして音楽教育を受けたが、文化大革命で数年間地方で過ごし、その後北京で勉強を再開した。1979年にアメリカへ、そして1985年にはパリへ移住し、世界各地で演奏活動。
・シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960 公演番号:227
シューベルトの最後で一番の名曲と言われる21番。今回の音楽祭もいろんなピアニストの21番を聴いたが、ぼくはこの人が一番よかった。

☆北村朋幹(ピアノ)
1991年、愛知県生まれ。2005年第3回東京音楽コンクール、で優勝、全部門共通の審査員大賞を受賞。翌年第6回浜松国際ピアノコンクールで3位入賞。まだ10代。
・シューベルト:ピアノ・ソナタ第7番 変ホ長調 作品122 D568 、ウェーバー:舞踏への勧誘 作品65 、他 公演番号:266
「舞踏への勧誘」はすごく北村さんに合っていると思った。けっこうためて演奏する。

☆仲道郁代(ピアノ)
・シューベルト名歌曲集 「ガニュメート」「のばら」、即興曲 変ホ長調 作品90-2 D899-2 、「ます」「春のあこがれ」他 天羽明惠(ソプラノ) 公演番号:172
・シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 作品120 D664 他
お昼のランチ開始が11時半からだが、ぼくがソムリエを終わって早く行くと、仲道さんも早く来ていて斜め前で食べていた。もちろん喋れるわけはない。きっと演奏が9時半だったから朝早くておなかが減っていたのだろう。

☆小山実稚恵(ピアノ)
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58 フランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団、クワメ・ライアン(指揮)公演番号:513
今回、5千人収容のホールAの2階席の一番後ろに座った。さすがにピアノまで遠い。この角度、この距離、どこかで見た覚えがあるなあ、思いだした! 須磨浦公園のロープウェイの山頂の駅から海側の駅を見下ろした感じとそっくりだ。「ドレミファ噴水パレス〜♪、パファ〜♪」

☆コレギウム・ヴォカーレによる男声合唱
1970年、あのフィリップ・ヘレヴェッヘが創設。NHKでもベートーベン交響曲全集が流れたね。今回の合唱も非常によかった。
・シューベルト名合唱曲 フランク・ブラレイ(ピアノ)公演番号:433

☆東京都交響楽団、アンサンブル金沢、児玉姉妹、海老彰子・裕子(ピアノ)、 NHKでレッスンを放送でもおなじみのミシェル・ダルベルト、ベレゾフスキー、バル=シャイなどみんな素敵でした。紹介し切れなくてごめんなさい。

☆フランス国立ロワール管弦楽団、ペーテル・チャバ(指揮)
なんと、ナントの楽団。しっかりした演奏が持ち味。指揮者はネルロ・サンティばりの貫禄さ。
・シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D759 「未完成」他 公演番号:242
・メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 、シューベルト:「ロザムンデ」序曲 D644、樫本大進(ヴァイオリン) 公演番号:348
樫本さんは前は緒形直人みたいだったのに、いつのまにか巨匠みたいになってた。ここのオーケストラは、けっこううまかった。

☆ 林美智子(メゾ・ソプラノ)、フランス国立ロワール管弦楽団 、ペーテル・チャバ(指揮)、 晋友会合唱団
・シューベルト:劇付随音楽「キプロスの女王ロザムンデ」作品26 D797 公演番号:447
ぼくの自著『世界一楽しい タクトのクラシック音楽館』の中のディーバ・ミチコのご本人、林美智子さん。本を出したあと、手紙が林さんからきて「楽屋にきてください」と書かれていた。どうしょうかなと思ったが、「プレス」としてバックステージにも難なく行けそうだし、今回は他の面会もいなさそうだから、思い切って楽屋に挨拶に行くことにした。マネージャーの方が先に現れて、これまた林さんによく似ている。しかも音大時代の同級生で仲良しだそう。思わず「2人で漫才したらいいのに」と言ってしまった。写真を撮ってもらったが、ぼくはカチコチに緊張しているなあ。音楽は序曲も聴きなれた曲だが、7曲めの「間奏曲第3番」がむちゃくちゃ有名で美しい曲。もちろん林さんも美しい(なんのこっちゃ)。

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194タクト:2008/05/14(水) 22:33:34
きょうの『その時歴史は動いた』を見て!
ぼくが一番大好きな地上波の番組、NHKの『その時歴史は動いた』はすべての回を録画しているので、きょうも安心して見始めたのだが、きょうはなんと、

       第324回
日本人の心を守れ
〜岡倉天心・廃仏毀釈からの復興〜

です! これは一見の価値あり!

ぜひ今すぐにでも、チャンネルを合わせてください。おもしろいですわ。
放送日:平成20年5月14日(水)22:00〜22:43 総合
  一週間後に再放送あり。各地域で放送時間違う。

<きょうの番組内容>大勢の観光客でにぎわう古都・奈良。人びとが手を合わせる先にたたずむのは、千年を超える時を経て伝わる仏像の数々である。しかし今から140年前、それらは壊滅の危機に瀕していた。きっかけは明治維新のさなかに起きた仏教排斥運動・廃仏毀(き)釈。仏像は次々に破壊された。そうした仏像を救おうと立ち上がったのが近代美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心だった。
天心は、文部官僚として全国21万点の仏像や文化財を調査。その中で、仏像が美術品であると同時に信仰の対象でもあり、日本人の心のよりどころとなっていることに気付いていく。しかし、その保護の訴えは、当時、西洋化に走る日本では容易に受けいれられなかった。さらに西洋美術派からも妨害を受け、公職を追われていく。
野に下った天心は一民間人として志を貫き、みずから仏像の保護を手がけることを決意する。仏像修理を行う民間団体をたちあげ、天平彫刻の傑作である、東大寺の不空羂索(ふくうけんさく)観音像の修理に挑む。天心は「信仰を重視した修理か、それとも美術的価値を重視した修理か」という問題に直面する。
文化財保護の礎を築いた岡倉天心の知られざる闘いを描く。


5月10日の朝日新聞の「カラヤン」の記事は、全国掲載でした。
(写真は奈良の長谷寺にある、わが国で最も大きな木造仏、10メートルを越える本尊十一面観世音菩薩立像。本堂の外の礼堂から撮った。奥のように上半身だけうっすらと仏様が見えるでしょう)

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195タクト:2008/05/15(木) 11:25:45
驚愕!『ピーターと狼』〜2008年アカデミー賞受賞作品
2日続けてテレビの話で恐縮です。
でもすごい素敵な番組に出会えたのです。
それはきのう、NHKハイビジョンで放送された、第80回(2008)アカデミー賞・短編アニメーション部門 受賞作品『ピーターと狼』です。

ほんとう、すごい世界が作れるものだ。
人形の表情がすごい、感情がビンビンこちらに伝わってくる。すごいレベル。

打ちひしがれた!
感動した!
ごめんなさい!

NHKハイビジョン
5月14日(水) 午後8時放送(放送は1時間15分)
5月22日(木) 午後2時再放送
シリーズ 世界の人形アニメーション 1
ピーターと狼〜今年のアカデミー賞から〜

人形を微妙に動かしながら、1コマ1コマ撮影を行う膨大な作業。そしてそこに執念を燃やす映像作家たち。人形を使う実写アニメーションは、19世紀にヨーロッパで生まれ、その独特の質感と表現力によって、世界中のファンを魅了してきた。
コンピューターグラフィック全盛の現代にあって、作家たちは、なぜ人形アニメの表現にこだわり続けるのか。作品そのものに加え、作品が完成するまでの「メイキング映像」を盛り込み、人形アニメーションの魅力に迫る。

ピーターと狼
第80回アカデミー賞・短編アニメーション部門 受賞作品

番組データ
・原題:Peter and the Wolf
・制作年:2006年
・制作会社:BreakThru Films (イギリス)

ある日ピーター少年は、小鳥と協力して、アヒルを飲み込んだ狼を捕らえようとする…。
プロコフィエフの交響的物語「ピーターと狼」を、新進気鋭のユーロ人形アニメ作家が映像化。ユニークな人形キャラクターとオーケストラの演奏が織り成す世界は、物語としても、クラシック作品としても楽しめる。(本編30分)

きょうから演芸場です。日曜日までがんばります。
そのあとは、少しプレッシャーのかかっている執筆依頼原稿を仕上げなければいけません。
でもコンサートや舞台、美術は見まくります。

浅草東洋館での東京演芸協会定席のチケットが必要な方は、メッセージいただけたらお渡しします。他にもご案内できるものがあれば、告知しますね。

196タクト:2008/05/16(金) 10:45:05
コンサートへの招待
以前は頻繁にオペラやコンサート、演芸の招待券を告知できたのですが、最近はオペラも売りゆきがよく、クラシック音楽やお笑いの人気もすごくてなかなか招待の依頼がきません。
久々の「タクトプレゼンツ・コンサートへの招待」です。


メキシコが生んだ情熱の歌手、マウロ・カルデロン氏のコンサートです。
当日はメキシコ外交官も来られます。
マウロはオペラ歌手として出発し、世界一周クルーズ「飛鳥」の花形ゲスト歌手としての顔もありますが、日本での再コンサートが実現しました。

S席7,000円、A席6,000円のどちらかの席をご招待します。
希望者はメールでぼくのところに、人数、氏名、連絡先を書いて送ってください。
人数に達し次第、招待枠は締め切らさせていただきます。
チケットは当日受付、もしくはぼくが直接会場で会場時間にお渡ししょうと思っています。


マウロ 再び!

昨年11月に初来日し、大好評だったメキシコ人テノール歌手 マウロ・カルデロン(Mauro Calderon)氏が再び日本にやってきます!

日時:2008年5月30日(金)18:00開場/18:30開演
会場:ヤクルトホール (新橋駅徒歩5分)

後援:メキシコ大使館 /在日メキシコ人協会
協賛:株式会社グローバル・コメルシオ

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197タクト:2008/05/20(火) 13:01:20
ノーヒット・ノーラン試合を見た
作業をしながらタラタラと大リーグを流していたら、レッドソックスのレスター投手がノーヒット・ノーランをやってのけた。
相手は日本ハムの監督だったヒルマン率いるロイヤルズ。薮田も8回には投げていた。
リアルタイムでノーヒット・ノーラン試合をテレビで見るなんて、そんなに経験しないな。
最近だったら昨年の日本シリーズで中日が優勝した試合、山井大介だったっけ、8回までノーヒットだったのに手の指の豆をつぶして降板したのを見ていたぐらいかな。野茂のノーヒッター試合(レッドソックス在籍時)も、ニュースで知ったし。
アナウンサーの声のトーンがやたらと高くて、解説の金森さんと微妙にかみ合っていないのが、なんかボケ老人とやりとりしているみたいでおかしかったけど、回が進むにつれ、観客がスタンディングで応援しているのを見て大変なことになっているんだと思った。
レッドソックスのノーヒッターは18人目らしいけど、左投手は初めて。
しかもレスターは一度ガンになって治療に専念している。
2006年6月にメジャーデビュー。2カ月で7勝(2敗)を挙げたものの、血液のがん、悪性リンパ腫が見つかって戦列を離れた。昨年7月に復帰した。
そんな感動的な復活劇だし、ま、いい男だし、若いし、先発3本柱(松坂、ベケット、ウィックフィールド)は右だし、これからまた見る楽しみの投手が一人増えたかな。

指揮者の小澤征爾さんが心配。
5月19日(月)ザ・シンフォニーホールで予定していた「小澤征爾指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会」が指揮者の体調不良により中止(翌日も)となったそう。
16日の「悲愴」交響曲が熱演で無理がたたったのか。そういえば「東京のオペラの森」でも熱演されていたけどなんとなく顔色が悪くて、マエストロ無理されていなければいいのに、と思っていた。
下はその時の写真。主役オネーギン役の歌手に一生懸命アドバイスする小澤先生。横でチャチャいれているチャイコフスキー(ぼく)

個人的なのも含めていいニュース、心配な出来事が多いけど、神様はちゃんと見守ってくれていると信じて生きていきたい。
アーメン
「メン」といえば…、亀戸駅南口に『香園』という中華料理屋が開店して、18日から6日間麺類が半額だ。
「お客さん、昼間も来られましたね」
きのう、たどたどしい日本語で中国人の女性店員に指摘されてしまった。

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198タクト:2008/05/24(土) 00:35:52
お笑い社会主義
なんかみんな、吉本芸人ばっかりですね。

以前は店頭(テレビ局)に並ぶ商品(芸人)は、お客さんの反応や要望に応えて、また店の人たちが自分たちの目で確かめていろんな町工場(寄席)に捜しに行ったり、お客と一緒に商品開発(しゃぼん玉ホリデーみたいに局が制作)をしたりしてたのですが、今の時代はお店に並ぶ商品は、ほぼ寡占状態にある大手の工場(吉本と幾つかのプロダクション)から送られる商品をただ並べるだけ。
ノウハウも下請け制作会社に任して、気にするのは売り上げ(視聴率)のみ。
工場に任せれば安いし便利だし、文句でも言おうものなら工場から商品供給をストップされてしまうし、ほしい商品も供給されないから言いなりになるしかない。
お客さんもその味(主に関西風味)しか知らないから、考えることもできない。
「商品に関してはうちに任せておけばいいから。新しい商品、次から次送るから。パック(売れっ子と新顔)で使っていってな」とのたまう工場主。

 これはまさしく社会主義ではないじゃろか。


   きっとこんなことを言ったら、ひがみにしか聞こえないしYKG(吉本公安委員会)から目をつけられてしまうかな。


(以下ニュースより)
未だ衰えることを知らないお笑い人気。最近では、女性芸人の電撃結婚や熱愛報道などがちまたをにぎわせているなか、オリコンでは“好きな女性芸人ランキング”を発表。1位に輝いたのは、子供から大人まで幅広い支持を集めた【エド・はるみ】。プライベートに注目が集まった友近やハリセンボン、森三中もランクインした。 (2008年4月17日〜21日、自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員の2,000人にインターネット調査したもの)

199タクト:2008/05/25(日) 21:19:03
お笑い社会主義(未来編)
ついに吉本は、2008年年商500億円を突破した。
500億円ですよ、500円置くんちゃいますよ。(わかってるわ!)

(読売記事より)「お笑いブームで吉本「笑い止まらず」売上高500億円超。吉本興業が23日発表した2008年3月期連結決算は、売上高が前期比7・6%増の501億円と過去最高になり、初めて500億円を超えた。吉本は4月からヤフーと共同でネット上での動画配信を始めている。吉野伊佐男社長は記者会見で、「ヤフーなど強力なパートナーと協力して成長基盤を築きたい」

もうじゅうぶん、成長基盤を築いているやん!

「お笑い社会主義」未来編を仮想小説で作ってみました。
あくまで想像ですので、吉本ファンは怒らないで下さいね。

1980年代初頭に起こった空前絶後の漫才ブーム。
吉本がこれを機に大企業として認知され、株式一部に上場することになる。しかしその屋台骨を支えたのは実は純吉本芸人だけではなかった。
太平トリオの弟子であった太平サブローシロー(以下敬称略)、かつては松竹系で新花月に出ていたが吉本に移籍してブレイク。ざ・ぼんち、西川のりお(吉本→松竹・角座で緞帳にぶら下がって登場3ヶ月出入り禁止→KA→吉本に戻る)、横山やすし…。
その後もビッグブラザーズ、ちゃらんぽらん(大西氏は最近画家に転進)、まるむし商店、海原小浜師匠のお孫さん姉妹も最終的に吉本にとりこまれた。
そして東京進出。吉本の勢いはますます加速。
プロレスや水、不動産、旅行業にも食指を伸ばす。
タレント調達からスタジオ、放送機材、番組すべてを制作し放送するシステムを完成した吉本は、テレビ局より優位に立っていた。
「タレントに関してはうちに全部任せておけばいいから。
新しい芸人、次から次、ピュッピュピュッピュ送るから。
パック(売れっ子と新顔)で使っていってな」
「M−1やR−1で、何年かに一度外部から覇者を出ささなあかんで。生放送やからごまかしがきかへんと世間は思うやろ。そこがわが社の懐のでかいところを示す作戦や。コンテストのブランド力もあがるし、しょせん最後にはわが社にみんな入ってきよるから」
と豪語する幹部。

201×年。
かつては松竹の売れっ子落語家だった笑福亭鶴屁が日本に戻ってきた。
親の事業を継ぐために泣く泣く芸人をやめ海外に行く。引き継いだ会社は見事に再生、軌道に乗った。
52歳になった鶴屁は後進に会社のあとを託し、自分は人生のやり残したこと、芸人として30年ぶりにナニワの地に戻ってきた。
しかし、もうこの地は変わってしまった。

大阪は夕張に続き自治体倒産をしてしまい、救いの手を差し出したのは吉本。
1980年代から10年で10倍ペースで年商を増やしていき、この年には年商は5兆円に達した巨大企業吉本。
いまやトヨタと並ぶ世界トップ企業だ。
吉本はさっそく自治令を発した。

「吉本にあらずんば、芸人にあらず」

数年前には5千億円で、国民のNHKの受信料を肩代わりしてNHKを買収、YHKとしてメディアを操作。
大河ドラマ「吉本せい」を作るなど番組は吉本色一色。
ヒットラーごとく吉本お笑いファシズムが浸透し、吉本のお笑いで笑わなかったり、横山たかしひろしの「金があったらホラ吹くか〜」で笑ったら政治犯として逮捕される。
前任の社長が「平成版生類憐れみの令」を出し、吉本以外の芸人を認めたら悪令として退任させられた。
鶴屁は自分の過去を明かさず、関東から流れてきた中堅落語家のふりをして道頓堀近くの吉本の劇場に立った。
「寄席を大事にして、テレビの仕事が入っても融通利かせず出番も変えず寄席芸を大事にして没落した松竹。テレビ最優先をしてテレビが入れば平気で代演をたてて成功した吉本。もうすべて過去のことだったんだなあ」
と浦島太郎気分の鶴屁。
自分の舞台を終え、ふと舞台地下の大道具部屋をのぞいてみた。
そこには「お笑い大行進。太平トリオ、フラワーショー、横山ホットブラザーズ、笑福亭鶴屁…」
その埃まみれになった古い看板を見て呆然となった鶴屁。

「なんてこった…、俺は…、俺は、角座に帰って来てたんだ…」

200タクト:2008/05/29(木) 13:10:11
ミーコが代演
みー、みー、ミーコです
ずいぶんお久しぶりです。
今、ご主人は依頼の原稿が締め切り間近で四苦八苦しておりますので、きょうは私が代筆いたします。

とは言うものの、ご主人をよく見ておりますとミクシィには気晴らしでしょっちゅう覗いておりますし、おとついの昼間は目黒まで行ってニューヨークのメトロポリタン歌劇場から衛星中継オペラでブリテンの「ピーター・グライムズ」は観ておりましたし、夜はラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンの慰安パーティに参加しておりました。
きのうもメキシコ大使館で、マウロ・カルデロン氏のレセプションパーティ&コンサートの司会をしたそうです。
え、にゃに? 全部仕事絡み?
それから、30日のマウロ・カルデロン氏のヤクルトホールでのコンサート、まだまだ招待チケットがあるそうです。
オペラだったらあっという間になくなるんですけどね。

そうそう、なんか茨城では橋本昌知事が2010年3月開港の茨城空港について、「トウキョウメトロポリタン・イバラキエアポート」に名称変更する考えを示し、波紋を呼んでいるらしいにゃ。
なぜ「トウキョウメトロポリタン」になるのか――って。

そんなん言うたら、東京ディズニーランドは「千葉県浦安遊園地」になるし、東京国際大学は「埼玉西部大学」、東京交響楽団は「川崎交響楽団」になるにゃん。

ま、帝国ホテルを「有楽町駅前ホテル」、中央大学を「中央からうんと離れた多摩動物園横大学」というとイメージ変わるから名前は難しいニャ。
名前の「?」はいっぱいあるにゃ。新宿の映画館は「ミラノ座」と「スカラ座」がそれぞれにあるけど、ほんとうはミラノ・スカラ座でひとつの立派なオペラハウスなんだけど。「新日本プロレス」も設立して30年もたっているから「新」ではないし、「二期会」は二期になって50年もたってるにゃ。週刊誌の「サンデー毎日」はサンデーなのか毎日なのかどっちにゃんや?
ただ名前でブランド力あげようとしても、いずればれるわにゃ。

なんやかんやでこれからも、よろミーコ。

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