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満月
1
:
すえきち
:2006/05/24(水) 19:22:49
他で1作だけ書いたことがありますが、
初心者です。
よろしくお願いします。
126
:
満月
:2006/06/10(土) 18:26:40
行為の後、ウトウトしてしまい、気づくともう3時を回っていた。慌ててシャワーを浴び部屋を飛び出す。
ダッシュでよしこの部屋へ! ピンポ〜ン!! 「よしこ、ごとーだよ!!」
カチャッ 玄関が開いたけど何の言ってこないし、抱きついてもこない。
「……。」ごとーの顔を少しの間見つめて、1人ソファーに膝を抱えて座り込む。
テーブルには、ナポリタンと生野菜が2つあった。
「…よしこ、遅くなってごめん。」 「首にキスマーク付いてる。昨日はなかったもにぃ…」
そー言って膝に顔を埋めてしまった。
1人で寂しがってるってわかってたけど、ごとーだって寂しかったんだよ。
梨華ちゃんが帰ってきたら、ごとーはもぉいらないんじゃないかって!
そんなことを思ったら、涙が溢れてきた
127
:
満月
:2006/06/10(土) 18:39:34
我慢しようとすればするほど涙は止まってくれない。
「……ぅぅ……ぐすっ…」 「…ごっちん、」 キッチンに行くとよしこが追いかけてきた。
「もぉ、来ないでよぉ…」 「だって、だって、ウチがいじわる言ったから、」
よしこの方が傷ついた顔してる。「ごっちん、ごめんね。もぉ泣かないでよぉ…」
とうとうよしこが泣き出した。「よしこのバカ!」 「うん」 「ヘタレ」 「う、うん」
キッチンで泣く女2人。 何やってんだろ・・・
「ご飯、食べよっか?」 「うん!頑張って作ったんだよ!!おいしいよ!きっと…」
「…きっと?」 「あ、あ、絶対おいしいよ。うん」 「…よしこ、先食べて。」
128
:
満月
:2006/06/10(土) 18:50:53
よしこの作ったナポリタンは予想よりおいしかった。
「でしょ?今度梨華ちゃんに作ってあげよう♪」 ニコニコ話すよしこに
「…梨華ちゃんと付き合うようになったら、ごとーは用無しだね?」
思わず言ってしまった。「なーーーーーんでさぁ!!」大声で喚くよしこ
びっくりして固まってしまった。
「ご、ごっちんが居なくなっちゃうんなら、梨華ちゃんに告んないよ!」
「ちょ、よしこ!落ち着いて…」 「ご、ご、ご、ご、ご、…」
「ごめん、ごめん、ごとー居なくなんないから」
いつもなら抱きついてきてヘタレ全快になるくせに、唇をかみ締めて両手を握り締めてる。
昔のよしこが居た。
129
:
すえきち
:2006/06/10(土) 18:54:00
あ゛−っ 不調です。 今日はもぉ辞めておきます。
>名無しチャーミー様
難しいもんですねぇ
130
:
名無しチャーミー
:2006/06/10(土) 19:17:48
更新お疲れ様です。
すみません、本当に余計だったのかも知れませんね。;出過ぎた真似をして申し訳ないです。
これからは口出しせずに感想だけにして、作者様の作品をそのまま楽しませて頂きたいと思いますのでこれからも頑張って下さい。
それでは次回の更新も楽しみにしています。
131
:
すえきち
:2006/06/11(日) 16:21:13
気持ちの整理が付かないので、少し間を空けようと思います。
どのくらいの人が呼んでいてくれるのか、わかりませんが、待っている方、申し訳ありません。
あのシーンは、ごっちんのうれしさと寂しさを描写したかったんですが、調子に乗って書いてしまったんです。
よっちゃんの過去のシーンで、何かしら…不愉快だ!…ふざけんな!…的な事になると思っていたのですが、自分的に意外なシーンできたなぁ…と。
調子に乗って書いた作者が悪いわけですが…
書きたい事はたくさんあって、整理が付けば明日にでも戻ってきます。
ごめんなさい
管理人様
更新情報で、自分の作品がスクロールされるの、すごくうれしいですw
ありがとうございます。
132
:
38
:2006/06/12(月) 01:19:44
調子に乗ってるなんて全然おもいませんよ。
ごっちんのあの時の(寂しい)気持ちを表すのには、必要だったと思いますし私てきには、
よっすぃ〜と梨華ちゃんの二人の幸せがメインなので、脇役の恋人の名前とかにはあまり
こだわらないので。
気持ちの整理をつけて戻ってきてくださいね 待ってます。
133
:
すえきち
:2006/06/12(月) 18:21:48
>38様
ありがとうございます。
ごっちんの彼は重要な役ではないので、このまま行きます。
間を空けると言ったばかりですが、復活します。
読者の皆様、またよろしくお願いします。m(__)m
134
:
満月
:2006/06/12(月) 18:29:36
「…よしこぉ」 ごとーはよしこを抱き締めた。 でも、よしこは抱き返してくれない。
「…もぉ、ごとーに触れるのも嫌になった?」 黙って首を振る。
「じゃぁ抱き締めてよぉ」 涙が出て来た。
「…抱き締めたら、居なくなっちゃう…」 なんでそんな事いうの?
「居なくなんない。絶対に!だから、抱き締めて」
恐る恐るよしこが腕を回してくる。
ごとーを抱き締めたよしこの体が震えだす。
「…よしこ?」 「……ぅぅ…ごっち〜ん…」 声を上げて泣き出した。
135
:
満月
:2006/06/12(月) 18:30:53
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
136
:
満月
:2006/06/12(月) 18:38:15
ウチはごっちんに甘えてばっかりで、ごっちんの気持ちなんてわかってなかったなぁ
ごっちんの涙を見たのは、ウチが入院してた時以来。
ずーと、我慢してたのかなぁ?
「ねぇ、ごっちん?」 「んぁ?」 見つめたまま…
「な〜によぉ?」 「ず〜っと友達だよね?」 「あったりまえじゃん!」
ヘヘヘェ〜 隣にいるごっちんに抱きつく。
う〜ん、気持ちいいなぁ〜
「…よしこ、ヘタレ復活?」 「うん!」 「認めちゃうの?」 「うん!」
「ごっちんが居てくれるんならヘタレでいいや!」
「…そんなんで、梨華ちゃんに告れんのぉ?」
137
:
満月
:2006/06/12(月) 18:49:33
ううっ!?
「今日、何時に帰ってくるって?」 「わかんない…」
「メールも電話もしてないの?」 「うん」
「なんでさぁ?」
「だぁってぇ…自分の気持ち、はっきりわかったらさぁ、なんか恥ずかしくて…」
俯くウチに、「真っ赤っ赤だぁ〜」 「う、うるさい!」
「梨華ちゃんに電話しよー」 楽しそうに電話をしだした。
「梨華ちゃん、ごとーでーす!」 『あ、ごっちん。昨日はありがとう』
「んぁ〜お礼なんかいいよぉ。それよりさぁ今日何時頃帰ってくんの?」
『ん〜、お母さんが夕飯張り切って作ってるから、食べて帰ろうかと思って』
ウチはごっちんにぴったりくっついて話を聞いてた。
「そっかぁ〜じゃあよしことご飯食べちゃうね?」
『うん。今ひとみちゃんといるの?』
「そーだよ!ヘタレがぴったりくっついて話聞いてる」
ダッシュでソファーに座って知らん顔。
「あっ、逃げた。」 『私も早くひとみちゃんに会いたいなぁ…』
「よしこ、梨華ちゃんが早くよしこに会いたいって!!」
138
:
満月
:2006/06/12(月) 18:57:01
な、なんですと?
ごっちんから携帯を奪い取る。
「梨華ちゃん、ほんと?」 『…うん、ほんとだよ』
う、うれすぃ〜♪ 「よしこ、キショ〜イ!?」 「う、うるさい!」
「梨華ちゃん、駅まで迎えに行くから、実家出るときに電話してね?」
『うん!ありがと!じゃ、またね』 「うん、待ってるからね」
電話を切ると、「恥ずかしいぃ〜 んじゃなかったの?」
胸の前で両手を組んでクネクネしながら言うごっちん。
「ごっちんだけ話してずるいじゃん!」
「今日、迎えに行った帰り道で告ってみるとかぁ?」
うぅ… 「が、がんばってみますぅ」
139
:
満月
:2006/06/12(月) 19:39:01
ごっちんとご飯を食べた後、片付けをしていたら、携帯が鳴った。
「よしこ!梨華ちゃんだよ!」 はいはいはいはい
「はいはい、梨華ちゃん?」
『ひとみちゃん、今駅に着いたの。う〜んとぉ20分位で着くかなぁ』
「了解!その頃に着くように行くよ!」 「ごとーも一緒にお迎えに行きま〜す!」
えぇ?そーなの?『電車来たから、切るね!』 「うん」
「…なんか言いたげじゃない?」 「………。」
「ごとーが行っちゃなんかまずいの?」 ぶんぶん首を振る。
「じゃ、いいよねぇ〜♪」 ジーっと見つめると、
「安心してよ、梨華ちゃんに会ったらまっすぐ帰るから。」
でも、まだ、ジーっと見つめると、
「帰りは2人っきりだよ!チャンス、チャンス。明日には恋人だったりぃ」
「エロ真希!」 「ヘタレ!黙れ!!」 むぅぅぅぅ…
背中を向けたウチに、後ろから抱き着いてきて、
「ほんとに、頑張んだよ」って、言ってくれた。
「う、うん。が、が、が、がんばる」
「どもりすぎぃ」 笑いながら、思いっきり背中を叩かれた。
140
:
すえきち
:2006/06/12(月) 19:42:07
本日は、以上です。
次回からは、梨華ちゃんが帰ってきますので… 多少何かしら…
ありがとうございました
141
:
名無しチャーミー
:2006/06/14(水) 19:46:00
よっすぃーの告白がうまくいくといいですね。
142
:
満月
:2006/06/15(木) 18:22:12
ごっちんと2人で駅に向かう。
「すっごい満月だねぇ〜!怖いくらいだよ。」
「ん?そーだねぇ…」
「何緊張してんのさ?」
「…ぎこちなくなっちゃったらやだなぁってね…」
「う〜ん。でもさぁ、悪いことばっか考えてたらきり無いよ」
そーなんだよ。そーなんだけど・・・
「いつからそんなネガティブな人になったの?」
「………。」
もぉ駅に着いてしまった。改札で梨華ちゃんを待つ。
「あっ!梨華ちゃ〜ん!!」
143
:
満月
:2006/06/15(木) 18:29:48
梨華ちゃんが笑顔で走ってきた。
ごっちんが「おっかえり〜!」と声をかける。
「ただいまぁ、ごっちんありがとね!実家に帰れてよかったぁ。」
「楽しかったんだ?」
「うん!昨日なんかお姉ちゃんとお布団並べて寝たら、ずーとお喋りしちゃってほとんど寝てないの」
「そっかぁ よかったね♪」 笑顔のごっちんと梨華ちゃん
「ごとーはここで帰るから、梨華ちゃん、またね!」 「うん!ばいばい」
ごっちんはウチの肩を叩いて帰っていった。
144
:
満月
:2006/06/15(木) 18:35:38
「ひとみちゃん、どーしたの?元気ないよ?」
「えっ?そ、そんな事ないよ」 やっばい、どもっちゃった・・
「そぉ?じゃ、帰ろっか?」 そう言って腕を組んできた。
くぅ〜 緊張するよぉ
「きれいな満月だね?」 「そーだね…ごっちんは怖いくらいの満月って言ってたよ。」
「ねぇ、ひとみちゃん…」 「ん?」
「私、ひとみちゃんが居なくて淋しかった」 そう言って抱きついてきた。
「ウチも梨華ちゃんが居なくて淋しかったよ」 「ほんと?」 上目遣いで見上げてくる。
145
:
満月
:2006/06/15(木) 18:42:08
キス、したい・・・
うぉぉぉぉーーーー!!! な、何考えてんだよぉ・・・
「…ひとみちゃん?」 「ほぇ?」 「顔、真っ赤だよ」
ゴクッ! よし!!!
「梨華ちゃん!」声が思いっきりひっくり返った。
不思議そうに見てる。
「あのぉ……そのぉ……えっとぉ……」 何も言わないで待ってくれてる。
「……ウチ、す、す、す、好き、好きなんだ!…あのぉ、梨華ちゃんの事」
うぅぅぅぅ… ちゃんと顔見て言えなかった。梨華ちゃんの靴見ながら告っちゃった。
146
:
満月
:2006/06/15(木) 18:49:21
何にも言ってくれない。 やっぱ、だめなんだぁ 明日から気まずいだろーなぁ
なんて現実的なことを考えていたら、
「…私も、好き」 えぇぇぇ! すっごく小さい声だったけど聞き間違えじゃないよね?
「…梨、華ちゃん、、あのぉ、ウチの聞き間違えじゃないよね?」
「…何回も言わせないで… 恥ずかしい…」
「や、あの、ごめ、えっとぉ、…」 焦ったウチはしどろもどろ・・・ ヘタレ全快!?
あたふたしてるウチに
ちゅっ!
あっさり、ウチのファーストキスは梨華ちゃんに奪われました
147
:
すえきち
:2006/06/15(木) 18:52:41
本日は以上です。
>名無しチャーミー様
どーにか、こーにか、告白出来ました! すでに尻に敷かれていますw
148
:
38
:2006/06/15(木) 22:17:03
更新お疲れ様です。
よっすぃ〜の告白、旨くいって良かったです。
これからの展開に期待してます。
149
:
満月
:2006/06/16(金) 21:17:54
ウチが梨華ちゃんに告白して、早3ケ月。
告白する前と現在、変わったことは・・・・・・・・・ない。
キスは、告白した時に梨華ちゃんがしてくれてから、1度もない。
・・・ヘタレなウチが悪いんです。
あっ! 変わったことが1つだけ。
ベット、買いました♪ セミダブル♪
毎日、一緒に寝てます。 って、それは告白以前からだけど…
150
:
満月
:2006/06/16(金) 21:28:52
ピンポ〜ン 「はーい」 「ごとーだよぉ」
久しぶりにアパートに遊びに来た、ごっちん
「おぉぉぉ! これが“例の”…」 「れ、例のって…」
「あーんな事や、こーんな事してる、ダ・ブ・ル・ベ・ッ・ト」
「な、な、な、な、な、・・・・」
「なーに照れてんのさぁ〜 もぉ、いや〜ん!?」
にやにや笑顔のごっちん。
「あーんな事、こーんな事って、何にもしてないやい!?」
一瞬の間の後、「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!!」 ごっちんの大絶叫!!
151
:
満月
:2006/06/16(金) 21:40:13
そ、そんな、叫ばなくてもいいじゃんかぁ…
「ちょ、ちょっと、よしこ。毎日一緒に寝てるんだよね?」
「うん!毎日梨華ちゃんが抱き締めてくれる。」
「お互い好きなんだよね? 2人は付き合ってるんだよね?」
「う、うん。」 「なんで?」 「な、なんでって…」
「キスは? 告った時したんだしょ?」 「うん、梨華ちゃんがしてくれた。」
「…それ以来、してないの?」 「……うん。」
「……ヘタレ!ヘタレ!も〜ぉぉぉ!!!ヘタレェェ!!」
そ、そんな、連呼しなくても…
「さっきから、梨華ちゃんがしてくれたって、よしこから何にもしてないじゃん!!」
はい、そのとーりでございます。
「…ねぇ、よしこぉ」 急に真顔になったぞ?
「なんざんしょ?」
152
:
満月
:2006/06/16(金) 21:54:04
「…したくないの?」 したくない?…「…う、うぇぇぇ?」
そ、それって・・・・・・の事ですよね?
「昔のさ、事、・・・そのせいで、エッチに嫌悪感、あるのかなぁ…って…」
あぁ・・・ 「…ない…とは、言い切れない…かも…」
「そっかぁ」 深く息を吐き出すごっちん。
「あのね?」 「ん?何よしこ?」
「エッチしたいとは思った事、無いけど、キスはいつでもしたいんだよ」
うん、そーなんだ。上目遣いされると、たまんないっす。 「うん」
「いっつもは、ぎゅーってしてもらうんだけど、たまにウチがぎゅうってすると、ヘンな気持ちになる。」
「ヘンな気持ちって、前みたいに吐きたくなるの?」
「ううん。そーじゃなくて、胸がキューって、苦しくなる。」
「…そっか。梨華ちゃんにさ、キスしたいならしたいって言葉にしないと、不安になっちゃうよ。」
「…うん。でも、はずかしいから…」
「ちゃんと、好きって言ってる?」 「・・・・言って・・ない」
「梨華ちゃんは、大人だねぇ…」 そんな遠い目しないでよ…
153
:
満月
:2006/06/16(金) 22:02:30
バイトの子が急遽、休みになって出勤してた梨華ちゃん。
ごっちんは、帰るとのことで、梨華ちゃんのいるコンビニまで一緒に来た。
「よしこ、ちゃんと言葉にしないとダメだからね!」 「ぁぃ」
「おまたせ〜」 「「梨華ちゃん、お疲れ様!」」
「ごっちん、もう帰っちゃうの?」 「これから、デートなのさぁ♪」
「いいなぁ…」 「梨、梨華ちゃんにはウチがいるじゃん!!」
「よしこがヤキモチ妬いてるぅぅぅ やーい!やーい!」 「う、うるさい!!」
「今日これから梨華ちゃんとデートすればいいじゃん!」 「す、するよ!」
「よかったね!梨華ちゃん♪」 「うん♪」 「じゃぁね〜」
154
:
満月
:2006/06/16(金) 22:09:44
ごっちんが帰った後、訪れた沈黙。
「…帰ろっか」 そう言って歩き出す梨華ちゃん。 その後を付いて行く。
うぅぅぅ・・ 気まずい・・・ アパートに着いちゃったよ。
部屋に入っても、梨華ちゃんは何も言わない。
「梨、梨華ちゃん」 「…ん?」 「あ、のぉ……キス…したいんだけどぉ…」
何も言わず、見つめ返した後、そっと瞳を閉じた。
これって、いいんだよね?
そっと、そっと、口づけた。 唇が震えていたのは、ウチだけじゃない。
155
:
満月
:2006/06/16(金) 22:18:55
1度したら止められなくて、角度を変えて何回もキスをした。
梨華ちゃんの手がいつの間にかウチの背中に回ってて、ウチの洋服を握り締めていた。
唇を離した後、恥ずかしくて梨華ちゃんの顔をウチの胸に抱き締めた。
「梨華ちゃん、愛してる。」 「…ひとみちゃん」
見上げてくる梨華ちゃんがたまらなく愛しくてまたキスをした。
うぅっ! したい! 初めて思った、というより、自覚した。 エッチしたい
手が梨華ちゃんの胸に触れた。無意識に撫でていた。
「…ぅん…」 キスしてる梨華ちゃんの口から熱い吐息が漏れる。
もぉ、無理、で、す。
156
:
満月
:2006/06/16(金) 22:25:23
「梨華ちゃん・・・いい?」 俯いて頷いた。
ウチは首筋、耳元にキスをする。 「・・・ぁあ・・ひとみちゃん・・」
洋服の上から胸を揉む。 はぁ〜 やーらかい・・・
「・・・ぅん…ひとみちゃん、ここじゃいや・・」
ん? そーだよね!ここリビングだし、電気ついてるし…
「…ベット、いこ」 梨華ちゃんに手を引かれ、寝室へ
「ひとみちゃん、脱がして…」 うぅ、生唾ゴックン!?
下着姿で、シーツに横たわる梨華ちゃん。 めっちゃ色っぽい。
157
:
満月
:2006/06/16(金) 22:36:52
引き寄せられるように、梨華ちゃんの上に覆いかぶさる。
何度もキスをしていると、梨華ちゃんが舌を入れてきた。
「…んん…」思わず声が漏れる。
腕がウチの首に回される。 ウチは背中に手を回し、ブラのホックを外す。キスを中断して、ブラを外した。
うっわぁ〜、めっちゃきれい・・・
「そんなに見ないで・・」梨華ちゃんがキスを求めてきた。
キスをしながら、胸を揉む。硬くなった先端を摘む。
「・・・ぅんん・・」
唇を離し、胸に顔を埋める。舌だ転がしたり、吸ったり・・
「・・ぁあん・・はぁぁ・・」 梨華ちゃんが艶かしい声をあげる。
いきなり、頭に一瞬映像が走り抜けた。 ウチは固まる。
立て続けに映像が、頭の中を走り抜ける。
なんで、今なんだよ・・・ 嫌な汗が噴出した来た。
158
:
満月
:2006/06/16(金) 22:49:31
いきなり固まったウチに 「…ひとみちゃん?」
汗が止まらない。震えだした。
なんで今なんだよ!大好きなんだ。梨華ちゃんはあんな連中と違うのに、なんで?
吐き気に襲われる。 梨華ちゃんをベットに残し、トイレに走る。
便器に顔を突っ込み、吐く。ひたすら吐く。
背中にあったかい手が… なんにも言わないで摩ってくれる。
エッチの最中で、放り出されたのに、なんで?
涙が出てきた。ウチは大好きな人を抱くことも出来ない。
そう思ったら、一段と吐き気がひどくなった。
泣きながら吐き続けるウチに、 「ごっちん、呼ぶよ」
そういって、梨華ちゃんが離れて行った。
このまま、もぉ、梨華ちゃんが離れていってしまう・・・どっかいっちゃう・・・
誰か、ウチを、殺してください
159
:
すえきち
:2006/06/16(金) 22:51:35
本日は以上です
>38様
また、痛くなってしまい…(汗
160
:
38
:2006/06/17(土) 01:15:36
更新お疲れ様です。
最後の言葉でよっすぃ〜の苦しみが痛いほど伝わっていました。
161
:
すえきち
:2006/06/17(土) 16:39:55
□ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □ □
162
:
満月
:2006/06/17(土) 16:50:46
エッチの最中、ひとみちゃんが発作を起こした。
私は上着を羽織り、ひとみちゃんの元へ。
吐いてる背中を撫でる。 それしか出来ない。
泣きながら吐き続けるひとみちゃんに、声も掛けられない。
前に見た時よりもひどい発作。 どーしよう・・・・・
ごっちん… 「ごっちん、呼ぶよ」 ひとみちゃんを残し、携帯をかける。
『あっ梨華ちゃん、真希今風呂なんだよ!』 電話に出たのは、ごっちんの彼。
「ひとみちゃんが発作で、ひどいの・・どーしたら・・」
『…今すぐ行く!よっちゃん家でしょ?』 「うん」
ひとみちゃんの元に戻る。 「今、ごっちん来てくれるって!」
「・・・ゲホッ・・ごめっ・・ウゥ・・」 「謝らないで…」
163
:
満月
:2006/06/17(土) 17:12:36
表で車の音がする。私は玄関を飛び出す。
「ごっちん!!」 「よしこ…」 「ひどくて、泣きながら吐いてて…」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 ひとみちゃんの叫び声が聞こえた。
「よしこ!!」 部屋に飛び込んだごっちん。怖くて動けない。
「よしこ!」 「うわぁ!」 ごっちんの声、ひとみちゃんの泣き叫ぶ声。
私も部屋へ入る。
カミソリを振り回すひとみちゃんと、後ろから羽交い絞めするごっちん。
164
:
満月
:2006/06/17(土) 17:39:30
「うわぁぁぁ・・・!!」 「梨華ちゃん、タケ呼んで!」 「う、うん」
表にごっちんの彼を呼びに行く。 「ごっちんが…」 「おぅ!」
部屋に2人で戻る。「タケ、よしこ後ろから押さえてて!」 彼がひとみちゃんを羽交い絞めにする。
ごっちんがカミソリを奪い取り、ひとみちゃんの両頬に手を当て
「よしこ、約束したよね? どーしてもリストカッタしたくなったら、ごとーの腕切ってって」
ひとみちゃんは、黙って首を振る。
ごっちんは何も言わずに、腕を切った。
「やめろーーーーーっ!!!」 暴れるひとみちゃんに、
ごっちんが、「ごとーだって同じだよ!今のよしこと同じ気持ちだよ!!」
泣きながらごっちんが、ひとみちゃんの左頬を叩いた。
力の抜けたように、しゃがみこんでひとみちゃんは泣いていた。
165
:
満月
:2006/06/17(土) 17:48:11
ごっちんの彼の車で病院へ向かう。
以前、お世話になった病院で、車の中から携帯でごっちんが連絡してた。
病院に着くとひとみちゃんは処置室へ入っていく。ごっちんの彼は皆を降ろすと帰っていった。
廊下の長椅子でごっちんと2人で待つ。
「こんなに酷いのは、初めてかも…。腕だけじゃなくて首にも傷あったねぇ」
「・・・うん。」
「なんか、キッカケあった?」
「・・・うん、あのね・・・」 ごっちんに経緯を話した。
166
:
満月
:2006/06/17(土) 17:57:22
ごっちんは、天井を見上げながら涙を流してた。
「・・・梨華ちゃんは、大丈夫?」 「……え?…」
「ショックでしょ? エッチの最中に相手に置いてかれて、吐かれたら…」
思わず俯いてしまう。 ショックじゃない…なんて…言えないもん…
「梨華ちゃん、我慢しなくていいよ」 そう言って抱き締めてくれた。
涙が、溢れてきた。
一頻り泣いた後、ごっちんが 「なち姉に連絡しなくちゃ…」 携帯片手に立ち上がる。
「お姉さん、今、どこに住んでるの?」 「んぁ、北海道。結婚してすぐに旦那さん転勤になっちゃって…」
「電話してくるんねぇ〜」 ごっちんは外に向かった。
167
:
満月
:2006/06/17(土) 17:59:25
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
168
:
満月
:2006/06/17(土) 18:17:44
はぁぁぁ〜〜〜 極楽、極楽。
のんびりバスタブに浸かっていたら ガチャッ!
「真希!梨華ちゃんが、よっちゃん発作起こしたって!!」
ダッシュで支度をし、よしこの部屋へ。
アパートに着くと梨華ちゃんが表に出てきた。 思ってる以上にヤバイかも…
梨華ちゃんに声を掛けると、よしこの叫び声がした。
部屋に飛び込むと、よしこがカミソリを持って、震えてた。
「よしこ!」 「ごっちん…」 「何があった?」
「……もぉ…終わらせて……いいよね?」 「何、言ってんの?」
よしこは、カミソリを首筋に当てた。
「よしこぉ!!」 夢中で掴み掛かる。暴れるよしこを力で押さえつける。
梨華ちゃんが部屋に入ってきたけど、唖然としてる。
表に居る彼を呼んできてもらった。力で抑えても限界がある。
169
:
満月
:2006/06/17(土) 18:26:07
よしこの前で腕を切った。 泣き叫ぶよしこの前で構わずに切った。
ごとーだって、傷だらけのよしこなんか見たくない。
梨華ちゃんがいるから、言わなかったけど・・・よしこ、死のうとしたじゃん!!
思いっきり頬を叩いた。
愛してる人、1人残して死のうとしたのが、許せなかった。
病院についてから、梨華ちゃんに事情を聞いた。
泣きながら、首にカミソリを当てたよしこの気持ち、
愛し合ってる最中に発作を起こされた梨華ちゃんの気持ち、
涙を堪えられないよぉ。
なち姉に連絡すると言って、その場を離れた。
170
:
満月
:2006/06/17(土) 18:37:30
表で1人、泣いた後、なち姉に電話する。 もぉ寝てるかなぁ・・・
『ごっちん、なしたぁ〜』 「なち姉、ごめんね。よしこが発作起こして、今みっちゃんとこ。」
『ごっちん、大丈夫かい?』 「えっ?」 『こんな辛そうな声、初めてだべ』
「だって…よしこが…死のうとしたんだよぉ… もぉ、いいよねって、」
『ごっちん…』 「なち姉、来てよぉ…」 『……ごっちん、今、なっちどこに居ると思う?』
「・・・北海道・・」 『残念! 埼玉!!!』 「・・ふぇ!?」
『お母さんのとこに来てるんだよ!明日内緒で会いにいくつもりだったっしょ!』
ごとー、唖然、呆然、です。
『今からタクシー飛ばして行くから』 「うん、待ってる…」
「ごっちん!先生が呼んでる!!」 「呼んでるから切るね!」
処置室へ走った。
171
:
満月
:2006/06/17(土) 18:46:07
梨華ちゃんと先生の前に座る。
「今回は、ただのリストカットちゃうな?」 「・・・はい。」 「ごっちん、どーゆー事?」
「よしこは、意思を持って、死のうとしました。」 隣で梨華ちゃんが息を飲むのがわかった。
「きっかけ・・話してくれへん?」
「待って!今なち姉が埼玉からこっちに向かってます。何回も話すの梨華ちゃんも辛いし、1回にしてください。」
「……わかった。じゃ、待ってる間、ごっちんの手当てしようか?」
「…はい…」
「いったーーーーーいぃぃぃ!!!」消毒が、半端じゃない沁み方なんですけど・・・
「おとなしくせんかぁ!!」
みっちゃんはサドだ!!!!
172
:
満月
:2006/06/17(土) 19:14:41
「うぅぅ・・・梨華ちゃ〜ん、痛かったよぉ・・」
梨華ちゃんに抱きつく。 「よく我慢したね!えらいえらい!」 頭を撫でられた。
「・・・なんか、よしこになったみたい・・」 「あっ ひとみちゃんにするみたいに頭撫でちゃった えへっ♪」
さ、さぶいぃぃぃ・・・・・・・・・・・・・
コンコン ドアをノックする音のあと、なち姉が顔を出す。
173
:
満月
:2006/06/17(土) 19:26:48
挨拶もそこそこに、「じゃ、話してや。」 みっちゃんの声に頷き梨華ちゃんが話し出す。
2回目でも、やっぱダメ。涙出てくる。
「・・そーゆーことかぁ・・・」深いため息のあと、みっちゃんが言った。
「治療中になぁ、梨華ちゃんがどっか行っちゃうって何回もうわ言言ってん。どこにも行かん!言うても、聞かんねん」
「…何で?」 「吐いてたとき、玄関出ていかんかった?」 「あっ!ごっちんが来た時に…」
「…置いて出て行った、言うとった。梨華ちゃんが出て行ってからパニック起こしてるから、戻ってきたの気づかなかったんやないかな?」
「…だから…」 「そーや、ごっちんが部屋入った時、あの子には絶望しかなかったんや。」
174
:
満月
:2006/06/17(土) 19:39:42
沈黙の後、
「みんなぁ、考えてみぃ?愛してる人と愛し合うことを自分の体が拒否すんねんで?
しかも、その愛する人が直後、出て行った。 ・・・どーや? 絶望以外何が残る?」
「・・・よしこ、もぉいいよね・・って、言ったんです。」
「出さないだけで、頑張ってたんよ!過去、克服せなぁって、頑張ってたんよ!」
「今日は、鎮静剤効いてて目ぇ覚まさんから、一旦皆、家帰りぃ…」
みっちゃんに言われて皆で帰る。3人でよしこと梨華ちゃんの部屋へ
玄関は、よしこの血があちこちに残ってた。
梨華ちゃんが、泣きながら雑巾をかける。
「梨華ちゃん、自分責めちゃだめだよ。」 「……私のせいだよ。」
「なーに言ってんだい!!梨華ちゃんが居なかったら、ひとみは一生恋知らなかったんだよ!」
なち姉が梨華ちゃんを抱き締めた。
175
:
すえきち
:2006/06/17(土) 19:44:14
本日は、以上です。
>38様
よっすぃ〜を絶望から救うのは・・・ですよねぇw
176
:
すえきち
:2006/06/18(日) 16:57:24
□ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □
177
:
満月
:2006/06/18(日) 17:01:52
眠れるかわからないけど、みんなで横になる。
ごっちんとお姉さんには以前使っていた布団を敷き、私は1人ベットで寝た。
1人だと、すっごく広くて、不安になった。 ひとみちゃんもそーだったのかな?
初めて結ばれるって、すごくうれしかったんだよね、何時間か前まで・・・
今、ひとみちゃんが隣にいないのが、すごく淋しい。悲しい。抱き締めてよ。
178
:
満月
:2006/06/18(日) 17:03:38
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
179
:
満月
:2006/06/18(日) 17:22:00
ベットから、梨華ちゃんのすすり泣く声が聞こえてきた。
こんなときに眠れるわけないよね?
隣の布団にいるなち姉も起きていた。寝返りを打ってこっちを向いた。
「ごっちん、寝たふりだよ!」 「…でも…」 「泣かせてあげな!」
そう言うなち姉に頷いて、目を閉じた。
いつの間にか、眠っていた。
キッチンから音がする。ベットを見ると梨華ちゃんの姿がない。
のろのろと起き上がり携帯を見ると、まだ6時。
「梨華ちゃん、おはよぉ。早いねぇ〜」
「あっ、ごっちんおはよう!起こしちゃった?」
「んぁ そんな事無いよ! 何作ってんの?」
「ひとみちゃんの朝ごはん。食べてくれるかわかんないけど、目覚めたときに隣に居たいんだ。だから支度してもぉ病院に行こうと思って…」
「…そっか…」 「うん!ごっちんとお姉さんのも作ったから食べてね?仕事でしょ?」
「あぁ、忘れてた、仕事。」 「だめじゃん!?私は休むけど…」
180
:
満月
:2006/06/18(日) 17:28:33
「梨華ちゃん、大丈夫?無理、してるでしょ?」
「ううん。無理なんかしてない。私はひとみちゃんと一緒に居たいだけなの。それだけでいい。」
「…………。」 「ひとみちゃんが私と居ると辛いなら、もぉ会わないよ。」
「よしこはそんな事言わないよ!」 「うん、信じてるけど・・怖い・・」
「ごとーも一緒に行くよ!」
「ダ〜メ!?ひとみちゃんがしばらく仕事いけないんだからごっちんが頑張って働かないと!」
梨華ちゃん、壊れないでね・・・
181
:
満月
:2006/06/18(日) 17:40:45
身支度を整えて、梨華ちゃんは病院へ向かった。
「ごっちん、おはよ!」 「なち姉、おはよ」
「もぉ、だめだよぉ、梨華ちゃんに大丈夫なんて聞いちゃ!」 えぇ?
「梨華ちゃんは、大丈夫?って聞かれたら大丈夫!っていう子でしょ?見ててダメだと思ったら強引に止めないと突っ走る。」
確かに、そーゆー人。真っ直ぐすぎて無茶しちゃう。
「今日、ひとみと話してみて、落ち着くっしょ!心配しないで仕事行って来な!」
しぶしぶ納得し、梨華ちゃんが作ってくれた朝食を2人で食べた。
182
:
満月
:2006/06/18(日) 17:42:13
□ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □
183
:
満月
:2006/06/18(日) 17:49:30
病院に着いたけど、まだ7時前。 開いてなかったらどーしよう・・・
玄関のドアに手を掛けると、カギが開いていた。
そっと、ロビーに入ると平家先生が掃除をしていた。
「お、おはようございます。」 「おぉ、おはよーさん! 来る思ってた。」
え? 「目覚めたとき、そばに居たいもんなぁ」 「は、はい」
「そばに居てやったや。」笑顔で病室に連れて行ってくれた。
そっと病室に入ると、規則正しい寝息が聞こえてくる。
ひとみちゃんの顔を覗き来ぬと、涙の跡があった。そっと指で拭う。
布団の中のひとみちゃんの手を両手で握る。
〜お願い、目覚めた時に、拒絶しないで〜
184
:
満月
:2006/06/18(日) 18:43:01
「・・・・ぅん・・ぁいってぇ・・」
「あっ、ひとみちゃん、起き上がらないほうがいいよ!」
「……梨、華ちゃん…」
「両腕と首に傷あるから…。そんなに深くないから2,3日で退院していいって、平家先生が…」
ひとみちゃんは、何も答えてくれない。
もぉ、隣に居られないのかなぁ?
涙が溢れそうで、唇を噛む。
「手、握っててくれたんだね」 「う、うん」
「・・ウチの事、嫌いに・・なった?」 え?
ひとみちゃんは、怯えた目で私を見てる。
「嫌いになんてならないよ。ひとみちゃんに大っ嫌いって言われても私はひとみちゃん好き」
「…梨、華ちゃん…」
「ひとみちゃん、隣に居させてくれる?」
「…ぅう…グスッ…」 泣き出したひとみちゃん
「返事聞いてないよ!隣に居てもいいの?」
「グスッ…梨華ちゃんにウチが纏わり付くんだもん!」
泣き笑いのひとみちゃんの頬に ちゅっ てキスをした。
真っ赤になって固まった後、頭から布団を被って隠れちゃった
185
:
満月
:2006/06/18(日) 19:29:26
そーだ!朝食作ってきたんだ。でも病院食もあるし、どーしよぉ…
布団を被ったままのひとみちゃんに 「ベーグルサンド作ってきたんだけど、食べる?」
「う、うん!!食べる食べる!!」 布団を跳ね除けて飛び起きた。
「あっ…」 気まずそうにもそもそと布団に潜る。
ふふっ もぉ可愛い! 「寝てちゃ食べられないでしょ?」
「だぁって……」 「病院食は私が食べるから、ひとみちゃんベーグル食べて!」
「うん!お腹空いてたんだぁ♪」
ベーグルサンドにかぶり付くひとみちゃんは、昨日の発作を起こしてたひとみちゃんとは別人みたい。
平家先生が言ってた、克服しようって頑張ってるにかな? 無理してるのかな?
「ごちそーさまぁ おいしかったぁ♪ ん?梨華ちゃんどーしたの?」
186
:
満月
:2006/06/18(日) 19:41:46
「ひとみちゃん、無理してるでしょ?」 「え?」
「私じゃだめ?」 「梨華ちゃん」 あの怯えた目になった。
「私じゃ、受け止められないって、逃げ出すって、思ってる?」
「・・・・ち、がう・・」 「じゃ、なんで?」
「・・怖い・」 「・・え?・」
「自分でさえ、現実、受け入れられてないのに・・・
こうだったって、話してるけど、現実として受け入れられてないから・・・
だから、未だに母に会えない。 会いたいけど、怖いから、会えない。」
187
:
満月
:2006/06/18(日) 19:50:39
ひとみちゃんの手を握る。
「ひとみちゃんが怖かったら、怖いって言って? 何が出来るかって聞かれたら何も出来ないけど・・・
でも、抱き締めることは出来るから!一晩中だって1週間ずーっとだって出来るから!
だから、怖いときにはそう言って」
「梨華ちゃん・・」 「うれしいことも辛いことも全部半分づつにしよ?」
「・・・ぅん・・」 「…あとね?」 「…何?」
「もぉ、死のうとしないで!!」 目を見開くひとみちゃん
「約束して!もぉ絶対、死のうとしないって!!」
我慢してた涙が溢れた
188
:
満月
:2006/06/18(日) 21:11:28
「…梨華ちゃん、ごっちんに聞いたの?」
「昨日、平家先生とお姉さんと話したときに聞いたの?」 「なち姉!?」
「お願い…もぉ1人に、しないで……」 「梨華ちゃん、ごめんね」
「エッチなんて一生出来なくていいから、もぉ死のうとしないで、お願い」
「うん、約束する。約束するけど・・・」
「・・・けど?・・けど・何?」
「…梨華ちゃんと一生エッチ出来ないのは、やだ!?」
「・・・・・・もぉー!バカぁ!!!!」
「い、痛い、痛いよぉ、梨華ちゃん・・ごめんねぇ・・」
「・・もぉ、ひとみちゃんの、バカァーーーー!!!・・ぅぅう・・わぁーーん!!」
「・・ごめんねぇ・・梨華ちゃん泣かないでよぉ・・ぅぅ・・」
おろおろしながら、ひとみちゃんまで泣き出した。
189
:
すえきち
:2006/06/18(日) 21:20:58
本日は以上です。
ヘタレよっすぃ〜復活ですw
190
:
38
:2006/06/18(日) 22:13:15
更新お疲れ様です。
なんとか二人で乗り越えられそうですね。
よっすぃ〜の前でしか思いっきり泣けない梨華ちゃんが可愛かったです。
191
:
満月
:2006/06/19(月) 18:27:50
ずっとひとみちゃんの病室にいたら、平家先生が来た。
「おぉ、顔色いいなぁ〜 ちょっと傷見せてもらっていいかぁ?」
「あっはい。」 「じゃ、私廊下にいます。」
「あぁ、居てかまへんで!」 「「えっ?」」 ひとみちゃんと2人で驚きの声を上げた。
「2人で乗り越えるんや!だから梨華ちゃんに見てもらおう思ったんや。梨華ちゃんは嫌か?」
「いいえ!」 「・・・梨華ちゃん・・」
「なーんで、あんたが泣きそーな顔しとんのや!?」 「・・見られたくないです。」
「なんでや?」 「・・・・・・・。」
「全部受け止めてくれる。いい彼女やんかぁ…恥ずかしがる事やない」
「ひとみちゃん、ダメ?」 「・・・・・・・い、いよぉ・」
192
:
満月
:2006/06/19(月) 18:40:52
初めに左腕の包帯が外される。利き腕の右手で切っているから結構深い。
消毒が沁みるのか涙を浮かべて唇をかみ締めてる。
右腕は傷は深くないけど、傷が多い。
最後に首。死のうとしたくらいだから、両腕に比べて深かったので、5針縫ってある。
右側に1本、はっきりした傷。跡が残るだろうって、昨日先生に言われた。
「・・ぅぅぅ・・・」痛みのせいで、うめき声が口から漏れる。
「よっしゃ!思ったより綺麗や。今晩泊まって、明日には帰ってええ。」
「えっ!ほんとですか?」 「なんや、梨華ちゃんは帰ってきてほしくないんか?」
「いいえ!1人で部屋に居たくないですから、うれしいです♪」
「明日、消毒したら退院や! 今くらいの時間には帰れるで!」
「ありがとうございます」
193
:
満月
:2006/06/19(月) 18:47:13
先生が退室すると、ひとみちゃんに抱きついた。
「よかったぁ・・」 涙が溢れてきた。
「…梨華ちゃん…」
「1人であのベットで寝るのもぉ嫌だもん… ひとみちゃんがいないと眠れないんだもん… ぎゅってしてくれないと…」
「…昨日、寝てないの?」 「・・うん。ごっちんとお姉さんはお布団で寝たの。」
「一緒に寝なかったの?」 「あのベットには他の人寝かせたくなくて…」
194
:
満月
:2006/06/19(月) 19:25:50
「…ぅう…ウチ…なんて事したんだろぉ…ごめんね…梨華ちゃん、ごめん…」
「ひとみちゃん、もぉしないって約束して?」
泣き出したひとみちゃんの両頬に手を当て、顔を上げる。
「もぉ、絶対にしない!!」 私は、ひとみちゃんにキスをした。
おずおずと背中にひとみちゃんの腕が回される。
何度も何度もキスをした。
195
:
満月
:2006/06/19(月) 19:28:13
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
196
:
満月
:2006/06/19(月) 19:43:23
何度もキスをされて、ムラムラと・・・ うぅ・・ したい・・
でも、昨日の今日。 あぁ、ウチに抱きつく梨華ちゃんの胸が・・・
やべぇ、思い出しちゃった。きれいだったなぁ…やーらかかったなぁ…
なーんて、考えてたら、無意識に・・・
「・・・ぁあん・・ひとみちゃん・」 揉んでしまった・・
キスをして、とろんとした目の梨華ちゃんが、艶かしい声を・・・
「・・・したい・・」
梨華ちゃんは驚いた顔で、でもすぐに笑顔になった。
「できるの?」 うっ、「わ、わかりません…」
梨華ちゃんが顔を近づけて耳元で
「私は今すぐでもいいよ♪」 ってささやいた。
ウチはそのままベットに倒れこみました。
197
:
満月
:2006/06/19(月) 19:50:11
本日は、以上です
>38様
何気に梨華ちゃんもヘタレよっちゃんで遊んでますw
198
:
38
:2006/06/23(金) 10:15:17
ヘタレなよっちゃんは特にカワイイですもんね。
199
:
満月
:2006/06/23(金) 18:16:38
11時過ぎ、梨華ちゃんは一旦帰った。夕方、なち姉と一緒に来るって言ってた。
はぁ・・・ ため息が出る。
心と体と頭が違う方向に向かっている。
梨華ちゃんが好き。 これが大前提!
体は梨華ちゃんを欲し、心は拒絶した。頭は別れて方がいいんじゃないか?・・って・・
考えても考えても、堂々巡り・・・
混乱してきたウチは頭を掻き毟る。
混乱したままの頭をどうにかしたくて、ベットの枠に頭を打ち付ける。
いつまで経ってもすっきりなんかしなくて、何回も何回も打ち付ける。
200
:
満月
:2006/06/23(金) 18:24:42
昼食を配膳にきた看護師さんがびっくりしてウチを止める。
でも、ウチは止まらない。看護師さんが廊下に出て、助けを求める。
その間もウチは止まらない。
妙に冷静な自分が、奇妙だった。
「なにやっとん!!」 平家先生に怒鳴られる。
それでも続けてた。何も考えずに・・・
ウチを押さえつけた平家先生が 「いいかげんにしい!!」 平手が飛んできた。
止まった。 虚ろな意識の中、「話せ。何でもいいから、言葉にしい。」
そう言われた。
201
:
満月
:2006/06/23(金) 18:31:52
ウチは何も考えずに、喋り続けた。
順番も建前もなんにも考えずに・・・
子供のころ、死んだ実父のこと、梨華ちゃんのこと、なち姉のこと、ごっちんのこと、
母のこと、いたずらした男のこと、義父のこと、恋愛・セックスに対する思い、
嫌悪感、疎外感、孤独感・・・
平家先生は、うん、うん頷きながら、否定も肯定もせず、聞いてくれた。
202
:
満月
:2006/06/23(金) 18:51:43
喋り続けてたウチが落ち着いた時、
「今まで、何で喋らなかったん?」 「・・・・わかりません。」
「1人で考えてると、悪いほう悪いほう考えてしまうんや。」
確かに・・・ 「言葉にしい!」 「はい、確かにそうです。」
「1つ、いいか?」 「はい」
「過去は変えられん。泣こうが喚こうが、変わらん。」 「・・・はい。」
「疎外感、孤独感はアンタの回りで一緒に泣いて苦しんでくれてる人に失礼や。」
「・・・・・・はい。」 涙が出た。
「嫌悪感は、克服するしかない、思う。」 「・・はい。」
「わかってるんよな?そんなん言われんでもなぁ」 「はい。」
「焦る事ない。のんびり克服すればいい。そー思わんかぁ?」 「はい。」
「うれしい事も、辛い事も、苦しいことも、淋しいことも言葉にする事。」
「はい。」 「もちろん、梨華ちゃんに対する思いも言葉にするんやで!」
「うっ・・が、がんばります・・」
「はははははっ ごっちんの言うとおり、ヘタレなんやなぁ〜」
「ひ、ひどいですよぉ〜 先生までウチをからかって!?」
まったく、もぉ・・・
203
:
満月
:2006/06/23(金) 19:00:14
先生と話した後、額の傷を治療した。
打撲と切れて出血しているので、包帯を巻かれてしまった。
「うぅ、梨華ちゃんが夕方きたら、泣いちゃうんだろーなぁ・・」
「自分で蒔いた種や、怒られてもしゅーないなぁ」 ニヤニヤ先生。
「そーですね。大人しく叱られます。」
「ちゃんと経緯を話さなダメやで!」 「・・はい。気が重いですけど、ねぇ」
204
:
満月
:2006/06/23(金) 21:51:58
3時過ぎに梨華ちゃんとなち姉が一緒に病室に来た。
「ひとみちゃん!!!」 そー言って梨華ちゃんが固まった。
ウチはベットに正座して、「あ、あのね、梨華ちゃん、その、これには、わ、わけがあってね、」
「ひとみ、落ち着いて話せばいいんだよ。慌てなくていいから。」
「う、うん。」 すぅ〜 はぁ〜 すぅ〜 はぁ〜 深呼吸してみた。
「あのぉ、梨華ちゃんが帰った後・・・」
ウチなりの言葉で、ウチなりに順序だてて、あのぉ、伝わってますか?
「・・ぅぅ・」 や、やっぱり、泣いちゃった。
ウチといると泣いてばっかりだ・・
「・・梨華ちゃん、ウチといると泣かしてばっかで、笑顔好きなのに、泣かしてばっかで、
消えたほうが、いいのかな?って、出会わなかったほうが・・」
「そんなことない!!」 梨華ちゃんがそう言っても、
「ウチは、梨華ちゃんに出会えてよかった。そう思ってる。すごい幸せだし・・」
205
:
満月
:2006/06/23(金) 22:08:11
「先生に言われたんだ。過去は変えられないって。確かにそーだよ。だから、変わらない過去を克服するしかないんだよ。うん。」
梨華ちゃんとなち姉も頷いてる。
「で、焦れば焦るほど、こんがらがって、とんちんかんなこと考えちゃって。
だから、のんびり行こうと思うんだ。1ヶ月で1歩も進めないかもしれない。せっかく進んでもあっという間に後戻りしちゃうかもしれない。
それでも、いいって、思ってくれるんならば、このまま、一緒にいたい。
また、壊れちゃうかもしれない。きっと、まだまだ泣かしちゃう。幸せより、辛いことのが多いかも・・。」
「ひとみ、肝心なこと、言ってないよ!」 なち姉のツッコミが入った。
「う、うん。 梨華ちゃん、あのぉ、あ、あ、あ、あ、」
「ひとみ、深呼吸!」 すぅ〜 はぁ〜 すぅ〜 はぁ〜
よっしゃー! 「梨華ちゃん、愛してます。」
206
:
満月
:2006/06/23(金) 22:22:00
ベットの上、正座をして頭を下げるウチはかっこ悪いんだろーなぁ
「ひとみちゃん、顔上げて」 梨華ちゃんの声に恐る恐る顔を上げると
両頬に手を当て無理やり真上を向かされた。
な、なんだぁ?
立て上がってた梨華ちゃんが上からすごい勢いでキスしてきた。
唇を離すと 「私だって、ひとみちゃん、愛してるもん!!」
そう言って、胸にウチを抱き締める。
なち姉の拍手と「ブラボー!!」 の声・・
なぜに「ブラボー」?
と、同時に、梨華ちゃんの胸で窒息ってのもアリかも、と思うウチもいたり・・・
207
:
すえきち
:2006/06/23(金) 22:27:10
本日は以上です。
>38様
ありがとうございます
天然のなっちのヘタレのよっすぃ〜 ある意味最強の姉妹ですw
208
:
満月
:2006/06/24(土) 18:39:31
仕事を終えて、夜ごっちんがやってきた。
「…何、そのおでこ?」 うぅ、目が怖いよぉ・・
「あ、これには、深い、訳が、あるんだよ。 ごっちん、昨日は、ごめんね。」
「感謝してる人間が、何でそんなの巻いてんのさぁー!!」 うりゃー!
ごっちんが叩いた!おでこを叩いた! うぅぅぅぅ・・
「ごっちん、ひとみちゃんも反省してるから。」 梨華ちゃんナイスフォロー!
「甘い!ごとーには通じないよ!!」 うわぁっ もう1発来た!
「うぅぅぅぅ・・ごっちん、許してよぉ・・ごめんなさ〜い・・ぅぅ・・」
「…もぉ、バカ!ヘタレ!どれだけ心配させれば気が済むのさぁ!
どれだけ、どれだけ・・・・・もぉ、もぉ・・・バカ!!!」
泣きながらごっちんは背中を何回も叩いた。
ウチは、回りの人を傷つけてるんだ……
「ひとみ、ひとりで考えてないで言葉にしなさい。」 なち姉に言われ・・
「ウ、ウチが居ることで、みんなが、傷ついてる。」
そう言うと、ごっちんがいきなり胸倉を掴んできた。
「その後、ウチが居なくなれば・・なんて言ってみな!よしこの望み通り、殺してやるよ!!!」
209
:
満月
:2006/06/24(土) 18:51:37
こんな、怖いごっちん、初めて見た。
「言わないよ! 今はそんな事言わない。」
手を話しても、睨み付けるごっちん。
「克服、したいんだ。どんだけの時間がかかるかわかんないし、出来るかも、わかんない。自信ない。
でも、でも、頭も心も体も一緒に梨華ちゃんを愛したい。もちろん、ごっちんも、なち姉も、それと、お母さんも。」
「…ひとみ…」 「親子なんだもん。たったひとりの親だもんね、なち姉。」 「うん。」
「もぉ、逃げない。だけど、きっと、また壊れると思うし、心配かけちゃうと思うけど、ごっちん、ウチのこと見捨てないでくれる?」
210
:
満月
:2006/06/24(土) 21:12:15
「よしこ、ごとーはごとーだよぉ。見捨てるわきゃぁねーべぇ」
「ありがと、ごっちん」 泣き笑いの2人。 いや、もう1人。
ハンカチを握り締めてる梨華ちゃん。
「よ〜し!今日はなっちの奢りだべ!何食べたい?」
「焼肉!焼肉!」 「梨華ちゃんもいいかい?」 「…はい。」
「ウ、ウチはぁ? まだ入院中なんだよぉ、明日にしようよぉ」
「明日は明日さぁ! さぁ行くべ!!」 「ちょ、ちょっと、ひどいよぉ…、なち姉ぇ、ごっちん、梨華ちゃん…」
「ひとみちゃん・・」「行くべさ!」 あぁぁぁぁ・・・・・ なち姉に梨華ちゃんが拉致られた。
病室に1人ぼっち・・・
な、なんだよぉ〜!?
211
:
満月
:2006/06/25(日) 19:10:31
□ □ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □ □
212
:
満月
:2006/06/25(日) 19:20:53
病室を出ると「ごとーはレモンティーね♪」 「はいよぉ〜!梨華ちゃんは何がいい?」
え?え? 「梨華ちゃん、わかってな〜い!」 「ごっちん・・?」
「本気にしたのかい? ひとみ置いて焼肉なんかいかないべさ! 気分を換えにきたんだよ」
そっかぁ・・ ちょっとごっちん怖かったもんね
「何飲む?」 「じゃ、アイスティで・・」
みんなで自販機の前でティタイム
「明日、退院したらその足で実家にひとみを連れて行くつもりなんだ。」
お姉さんの言葉に、ちょっとびっくりした。
だって、お母さんに会うのだって、自信ない状態で、現場となった実家は・・・・無理、だよぉ
「ごっちんは仕事だから終わったらアパートに来れるかい?」
「んぁ、問題ない。一緒に行きたいけど、よしこ休んでるから・・」
「明日こそは焼肉だべ!!」
213
:
満月
:2006/06/25(日) 19:26:12
「あ、あの・・・」 「梨華ちゃん、何だい?」
「実家って、あの・・・」
「・・もぉあの家は無いんだ。取り壊して今は空き地。」
「じゃ、お母さんは?」 「実家の近くの貸家にいるよ。1人でね。」
「・・・そうですか・・」 「ほら梨華ちゃん、しんみりしないの!」
「んぁ、ヘタレが泣いてるから戻ろ〜ぉよ!」
「う、うん。」 明日、大丈夫かなぁ・・・
214
:
満月
:2006/06/25(日) 19:27:19
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
215
:
満月
:2006/06/25(日) 19:35:20
みんな、ひどいよぉ、ひとりぼっちじゃんかぁ、淋しいよぉ、
グスッ うぅぅ な、泣くもんかぁ・・・
ウチ、嫌われちゃったんだ・・
「…梨、華、ちゃ〜ん!!」
「は〜い!」 ひょっこり梨華ちゃんが顔を出した。
ほぇ?
「や〜い!ヘタレ!ヘタレ! 梨華ちゃんが居なくて泣いてたんだ〜♪」
ごっちんが楽しそうに入ってきた。その後になち姉も・・・
「ほんとに焼肉食べに行っちゃったと思ってたんだべ?」 コクコク頷く。
「そ〜んなに、薄情じゃないよ!」 そう言ってポンポンとウチの頭を叩くごっちん。
ぅぅ・・・グスッ・・・
216
:
満月
:2006/06/25(日) 19:47:37
「ひとみちゃん、泣かないで…」
「…ぅぅ…だ、ってぇ、…」 「何?」 「…ウチ、嫌われたんだって、思って…」
何にも言わずに梨華ちゃんは抱き締めてくれ、ごっちんは「ば〜か」って、
なち姉は、ニコニコしながら抱き締められてるウチを眺めてた。
はぁ・・なんか、ほっとした。
調子に乗って顔を梨華ちゃんの胸にすりすりしてたら、
「いつまでやってんのよ!?」 ってごっちんに頭を叩かれた。
渋々離れると、「ひとみ、口尖がってる」って笑われた。
217
:
満月
:2006/06/25(日) 19:54:56
7時過ぎにみんな帰っていった。梨華ちゃんは消灯まで居るって言ってくれたんだけど
「9時過ぎに1人で帰るのは危ないから一緒に帰るの!」 ごっちんの言葉に納得。
はぁ・・淋しいなぁ・・
218
:
満月
:2006/06/25(日) 21:02:50
□ □ □ □ □ □ □
□ □ □ □ □ □
219
:
満月
:2006/06/25(日) 21:16:09
夜、お姉さんと布団を並べて寝た。
「梨華ちゃん、ありがとね」 「何でですか?」
「梨華ちゃんと暮らすようになって、今回初めてひとみに会ったでしょ?
ひとみの梨華ちゃんを見る目がね、小さい頃のひとみを見てるみたいでさ、純粋な目なんだよ〜」
お姉さんは、うれしそうに笑った。
「私は一緒に居られるだけでいいんです。」
「ひとみも同じじゃない? 明日、2人でひとみ支えようね?」
「はい!」
そのまま、喋りながらいつのまにか眠っていた。
220
:
満月
:2006/06/25(日) 21:17:26
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
221
:
満月
:2006/06/25(日) 21:25:40
翌日、ウチは退院した。 首の傷はまだ抜糸してないので、1週間後に外来で抜糸する。
アパートに帰ろうと歩き出したら、「ひとみ、こっち」逆方向へ行く。
不思議に思い梨華ちゃんを見ると、困ったような笑顔
なんだろう? とりあえず着いていく。
大通りでタクシーを拾い、なち姉が告げた場所。
「ちょ、なち姉、いきなりすぎ!」 「黙って。」 こんな低い声初めて聞いた。
怖い・・・梨華ちゃんが手を握ってくれた。
顔を見ると「1人じゃないから・・」 それでも握ってくれてる手は震えてた。
222
:
満月
:2006/06/25(日) 21:40:22
実家の手前でタクシーを降りた。
歩き出すなち姉の後、足が竦むウチの手を梨華ちゃんが引いていく。
だんだん近づくにつれて、胸が苦しくなる。
「一緒に闘うから、ひとみちゃんも立ち向かって!」
動けなくなったウチに梨華ちゃんが喝を入れる。
少しづつ何とか歩く。 ここから見える・・・・ あれ? ない!?
「もぉ、あの家ないんだよ。お父さんの残してくれた家。」
「・・・な、んで?」
「お母さんが、家を見てひとみがお父さんの思い出じゃなく、乱暴をされたことを思い出のなら、
もぉ、家は要らないって・・壊したの。あの年のお父さんの命日に。」
家があった場所には何もなく、ただの空き地になっていた。
お父さんの形見だって、お母さん言ってたのに・・・
「・・うぅぅ・・うわぁぁぁぁ・・」足の力が抜けて、地面にしゃがみ込みながら泣いた。
「・・ひとみちゃん・・」 「ウチのせいで、大事な家が、お父さんの家が・・」
「ひとみのせいじゃないよ。」
「・・グスッ・ご、めんな、さい・・お父さん、ごめん・・」
「ひとみのせいじゃない。」 涙を流しながら、なち姉は笑顔で何度もそう言った。
223
:
満月
:2006/06/25(日) 21:48:31
「なつみ!」 その声にはっと振り向く。
「ひとみ!ひとみ、ここに来れるようになったの?」
「・・・お母さん・・」 ウチのだいぶ手前に立ち止まった母。
久しぶりに見た母は、すごく老け込んでいた。髪の毛なんて真っ白になって・・
痩せちゃったなぁ・・・
「お母さん、そんな遠くに居ないでこっちおいでよ!」
「…でも、ひとみが嫌だろうから…」
そーだ!あの拒絶反応以来だもん。また拒否されるって思ってるんだ。
「ひとみちゃん・・」 梨華ちゃんの声に無言で頷く。
224
:
満月
:2006/06/25(日) 21:53:59
立ち上がって、1歩1歩母に近づく。
「ひとみ…」泣いている母に
「お母さん・・心配ばっかりさせて、ごめんね」
抱きついた母は折れそうなくらい細かった。
「・・ひとみ、ごめんね・・辛い思いさせて、ごめん」
しばらく、泣きながら2人で抱き合ってた。
225
:
満月
:2006/06/25(日) 22:02:51
その後、母の住む貸家に行った。
なち姉は月1くらいで着ているらしい。
そこで、あの後の話を聞いた。
半信半疑だった母はウチに拒否され、事の重大さを思い知る。
家に帰ると義父を家からたたき出した。その3日後、離婚した。
ウチが喋れないことをなち姉に聞き、毎日、中学のスクールカウンセラーや、養護の先生に相談していたらしい。
遠くから見ていてくれた。
無表情だったウチがごっちんに出会って変わっていくのが、うれしかったって…
なんと、ごっちんはここに何度も遊びに来ていると・・・・・!?
恐るべき、後藤真希
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