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初めてスレ立てます

1スライム:2005/01/23(日) 22:57
初めまして!スライムと言います。

ずっとROM専だったのですが、自分でも書いてみたいと思ってスレたてさせていただきました。
つたない文章ですが、よろしくおねがいします。

432秘密:2005/02/23(水) 22:58:22

よっすぃーがつけたテレビではアットホームな家族の特番をやっていて。

「あー、すっげーカワイイ!!」って、子どもたちが映る度にはしゃいでる。
ここまではね、良かったんだ。

だけど、よっすぃーの次のセリフ…


「僕もこういう風に子どもと遊んだりしたいなぁ。」


ガシャン。


「梨華ちゃん?どうしたー?」
「……何でもない。」

「??? ほんと? 気をつけてねー。」
「……よっすぃー………」
「ん?」

「…よっすぃーはああいうのが夢なの?」

「ん?子どもとってこと? う〜ん、憧れはあるけど…どうかした?」


あぁもうダメ…もう無理……。

433秘密:2005/02/23(水) 23:00:07

「…………。」
「梨華ちゃん?」

「よっすぃーごめん、私もうよっすぃーと一緒にいられない。」 

「…な、なんで? 僕何かした?」


ごめんね、突然のことで。でもよっすぃーは何も悪くないから。

「…ううん。よっすぃーは何も悪くないよ。」


そう、悪いのはよっすぃーじゃない…悪いのは私。
あの時、自分のことを大切にしなかった過去の私。

「じゃあなんで?」

「…私じゃよっすぃーの夢叶えてあげられないから……」
「えっ?」


「私ね、子どもを産めない身体なの…」
「…………。」

「高校の時、付き合ってた人の子どもを妊娠して……流産して、そのせいで
 子ども産めなくなっちゃったの……」

434秘密:2005/02/23(水) 23:02:09


すごく好きな人だった。

明るくてクラスの人気者みたいな人で、ずっと憧れていた。

私なんて相手にされないって思ってたから告白された時はすごく嬉しくて。
初めて付き合った人だったし、本気で好きな人だったから彼の言うことは何でも聞いて。

あんまり避妊とかきちんとしてくれなかったけど、嫌われたくなかったから「大丈夫」
っていう彼の言葉を信じて……。

バカだったと思う…もっと自分のこと大事にしていればってそう思う。

妊娠に気付いた時にはもう遅くって。

435秘密:2005/02/23(水) 23:09:28

彼には迷惑そうな顔で「堕ろせ」って一言突きつけられて。

ちゃんと病院で手術していれば大丈夫だったんだろうけど…彼の家から帰る途中に
駅の階段から落ちて、目を覚ました病院でお医者さんから流産したことと、もう子ども
は無理だっていうことを告げられたの。

隣でお母さんはずっと泣いていて…家に帰ったらお父さんには殴られた。


で、そこまでだったらまだ良かったんだけど…

10日くらいして学校に行ったらみんなが私のこと見てコソコソ言ってて。

436秘密:2005/02/23(水) 23:53:37

理由はすぐにわかったよ。


彼がね、私のいない間に「あいつは他の男とも付き合っててそれで妊娠した。」って
言いふらしてたんだって。

もともと彼は人気者だったからみんなそれを信じたみたい。

噂って怖いよね…いつの間にか私は誰とでも寝る軽い女になってて、彼は私に
遊ばれた被害者になってたの。

もちろんそんなの嘘だったけど、誰も信じてなんかくれなくて。

唯一ね、柴ちゃんだけが私のことかばってくれた。

「そんなのでたらめだ!」って言って歩いてくれて、何人かはそれで信じてくれる
ようになって。その中に美貴ちゃんっていう子がいたんだけど、その子が陰口たたく
子たちに文句言ってくれて…美貴ちゃんって怒ると怖いからみんな怖がってて、それで
一応は落ち着いたんだけど。

437秘密:2005/02/23(水) 23:55:06

それでも時々私が一人の時に「俺にもやらせて」とか「淫乱」とか言われたりして…。

家族もね、そのときから私に対しての接し方が変わって…お父さんなんて一度も口を
きいてくれなくなった。

それで、もうこんなところにはいたくないって思ったんだけど、だからと言ってあて
なんてなくて…先生たちの心象も悪くなったから推薦も就職ももう無理だったし……
とにかくひたすら勉強した。いい大学に行くって言えば親だって許してくれるって思った
し…とにかく必死に。

その時にね、もう二度と恋なんてしない…ううん、出来ないって思ったの。


でもよっすぃーに出会った。

438秘密:2005/02/23(水) 23:56:47


「ごめんね、もっと早く言ってれば良かったんだよね。」

「…………。」
よっすぃーは何も言わずにただ呆然と立ちすくんでいた。

「今まで黙ってて本当にごめんなさい。私はもうよっすぃーの前から消えるから、
 だから、よっすぃーはよっすぃーに似合う素敵な人を見つけて夢叶えてね…」

「……梨華ちゃん。」


「今までありがとう…」


私は夢中で家を飛び出した。

439秘密:2005/02/23(水) 23:57:54


走って、走って…駅まで着いた時に自分が財布を持っていないことに気付いて。

それどころかコートを着ることも忘れていたらしい。
「…寒い。」


これからどうしよっかな…。

よっすぃーの家にはもう戻れないし。
柴ちゃんの所に行くにもお金がないし、連絡したくても携帯すらない。


「本当、この後どうしたらいいんだろう…」

440スライム:2005/02/24(木) 00:01:15
更新終了。

一連の報道の影響ですかね? 途中つながらなくて焦りました…。
なんとか無事に予定分は更新できたので安心しましたが。

でも、内容は全然安心出来てないですねw
なんか、気付いたらこんなことになっちゃいました。

とりあえず「秘密」は残り2回です。

441203:2005/02/24(木) 00:09:23
更新お疲れ様です。うぅ、切なくて泣いてしまいそうです。胸が痛いですが見守っています。
梨華ちゃんが幸せになりますように・・・。

44235:2005/02/24(木) 00:17:38
更新ありがとうございます。

……って切ねぇぇぇぇぇ!!(泣)
二人が幸せに笑える事を祈るばかりです…。

そして柴ちゃん、ミキティ…ありがとうって感じです。

443ゆう:2005/02/24(木) 11:15:36
更新お疲れ様です!!
梨華ちゃんの過去にはそんなことがあったんだなぁ・・・切ないです。
二人はどうなっちゃうんだろう・・・

444スライム:2005/02/24(木) 23:19:34
あややの新曲が気になる今日この頃。
初めてあややのシングル買ってリピートしまくりです。


>203様
 いつもありがとうございます!!
 テーマが重いだけにどうも切なくなりすぎてしまったような…。
 梨華ちゃんの明暗はあと2回の更新ではっきりとします。

>35様
 いつもありがとうございます!!
 2人が笑える日がくるかこないか…全ては最後に明らかになります。
 ちなみに柴ちゃん、ある意味主役だったり…というのが裏設定です。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 やっと梨華ちゃんの秘密が明らかになりました…当初はここまで痛くするつもり
 じゃなかったんですが、気が付いたらなんだか切ない展開に。
 2人の今後はラストまでにきちんと描きますね。


と、なんだかすごく期待させてしまうような前振りばかりしちゃいましたが、
そんなにすごい話でもないので適当に流す感じで読んでいただければありがたいです。
( `.∀´)<だったら言わないでよ!  (すいません、アホ作者で……。)


さて、そんなこんな反省しつつ本日の更新スタートです。

445秘密:2005/02/24(木) 23:23:19


「…梨華ちゃん?」

目の前に現れたのは…ごっちん。

「今からそっち行こうと思ってたんだけどー…ってか、どうしたの?コートも着ないで。  何かあった?」
「…ごっちん………」

ごっちんの胸に飛び込んだ。


「んあ? 梨華ちゃん? どうしたの?」
「…んっ…ぐすっ……」

446秘密:2005/02/24(木) 23:25:26

「梨華ちゃん? 何があったかわかんないけど、とりあえず家帰ろう?」

「(ぶるぶる)」何も言わずにただ首を横に振る。

「…帰りたくないの?」
「………(コクッ)」

「…じゃあごとーの家来る?」
「………いいの?」

「んっ、こんなとこいたら風邪引くし。話なら家に着いてからゆっくり聞くからさ。」
「…ごめんね。」

「んあー、いいからいいから。とりあえずこれも着ちゃって!」

ごっちんは着ていたダウンを脱いで私の肩にかけてくれる。


ごっちんは優しいね…私なんかに優しくしてくれるなんて。

447秘密:2005/02/24(木) 23:27:24


「それで、何があったの?」

家に着いた途端に「温まれ!」ってお風呂に入れられて、上がったらホットミルクと
一緒にごっちんがソファーに座って待っていてくれた。


「あのね……」
今までの出来事を全て話す。

「で、吉子は何だって?」
「わかんない…聞く前に家出てきちゃったから…」

「…そっか……。ねぇ梨華ちゃん? 吉子からなんか聞いてない?」
「特には……何かあるの?」

「あっ、いや、いいんだけど。 あのさ、とりあえず吉子には梨華ちゃんはうちに
 いるって連絡しとくから。」
「え…でも………」

「大丈夫!今日はごとーと一緒にいよっ? とりあえずね、吉子も心配してるだろう
 から連絡だけはしておかないと…それにごとーも吉子に言いたいことあるし。」
「…わかった。」

「んー、じゃあごとー電話してくるから梨華ちゃんはここにいてね。」
ごっちんは今まで見たことないくらい真剣な顔で部屋を出て行った。

448秘密:2005/02/24(木) 23:29:59


「バカ!」
ドアの向こうから突然聞こえてきたごっちんの怒鳴り声。

(…何?)

恐る恐る扉に近づいたけど、さっき聞こえてきた声が怒りを含んでいたよう
だったから緊張しちゃって、ドアノブに手をかけたまま開けることが出来ない。

それでも所々聞こえてくるごっちんの声。

「吉子の言い訳なんて聞きたくないっ!」
「そんなの今は関係ないじゃん。」
「バカだよ、吉子は本当に大馬鹿者だよ。」

ごっちん…怒ってる?


「だから早く話せって言ったんだよ。」

「いつまでも隠しておける話じゃないでしょ?!」

「梨華ちゃんのこと本当に好きならちゃんと話してあげなきゃ。」

何? 何のこと? よっすぃーも私に隠してることあるの?

449秘密:2005/02/24(木) 23:31:35

「…とにかく、今日はごとーの家に泊めるから。 はぁ? いいって。
 とりあえず今来られてもごとー会わせるつもりなんてないし。 吉子もさ、
 少し落ち着きなって…。梨華ちゃんは大丈夫だから…ごとーがついてるし。
 …うん……うん……わかった。
 でも、梨華ちゃんは明日ごとーが責任持って送っていくから。 うん?
 いいから…吉子だってこっち帰ってきたくないでしょ? 大丈夫…うん。
 ごとーに任せなって。…うん……じゃあね。」


電話を切ってごっちんは部屋に戻ろうとしたんだけど、

「あっ!」

ドアの前に立っていた私にびっくりしたみたい。

450秘密:2005/02/24(木) 23:33:30

「えっと…聞こえてたよね?」
「………ごめん。」

「ううん、いいの。あのさぁとりあえず今日はこのままごとーの家に泊まろう?
 それで、明日ちゃんとよっすぃーに会いに行こう。」
「でも…」

「ごとーも一緒に行くから。それなら平気でしょ?」

「うん……ねぇ、ごっちん…よっすぃーも私に隠してることあるの?」

「…う〜ん。ごとーの口から話してもいいんだけど、それじゃ意味ないと思うし…。
 明日吉子から直接聞こう?」

「話してくれるのかな…」

「大丈夫! あのね、吉子もすごい落ち込んでた…梨華ちゃんが苦しんでたのにずっと
 気付けなかったって、今日も何も言えなくて梨華ちゃんのことちゃんとつかまえられ
 なかったって…自分のこと責めてた。」

451秘密:2005/02/24(木) 23:36:49

「…………。」

「吉子はバカでへタレでどうしようもない時とかあるけど、梨華ちゃんのことだけは
 本当に大切に思ってるから。だからもう少しだけ吉子のこと信じてみてくれ
 ないかな?」

「ごっちん……。」
「ねっ?」
「…うん……。」

ごっちんの言うとおりになるかもしれない。

だけど、もしかしたら明日本当に終わりがくるかもしれない。
明日またよっすぃーにサヨナラを言うことになるかもしれない。

452秘密:2005/02/24(木) 23:38:21

よっすぃーには幸せになってほしいから。

私と一緒にいることでよっすぃーの夢が潰れてしまうくらいなら、よっすぃーの笑顔を
一つ奪ってしまうくらいなら、もう一度別れを告げるくらい怖くなんてない。


だけど、もう一度よっすぃーに会ってしまったら…優しい声を聞いてしまったら…
よっすぃーの腕に飛び込んでしまったら…それでよっすぃーは本当に幸せなのかな?

あんな話を聞いてそれでも私を選んでくれたとしても…それで本当によっすぃーは
幸せになれるのかな?


(やっぱり会わない方がいいよね…)

ごっちんには悪いけど、明日ごっちんが起きる前にここを出よう…。
交番ででも電話を借りて家に実家に連絡して妹に迎えにきてもらおう…。

あそこに帰るのが怖くないって言えば嘘になるけど、でも、これ以上みんなに迷惑を
かけるわけにはいかない。


少しくらい我慢できるはず…もっと傷つくことになったとしてもかまわない…よっすぃー
の幸せを奪うよりは良いから…。

453秘密:2005/02/24(木) 23:39:52


「…ごっちんごめんね。」

朝早く、日が昇りかけている頃にごっちんの家を出ようとした。
実家に戻って、もう一度やり直そうって思った。


だけど次の瞬間、私の考えは全て打ち砕かれた。

玄関の外の階段によっすぃーが座っていたから。


顔中をぼこぼこに腫らして、切れたのかな?口からは血が出たあとが見えてて…
寒さに耐えながらそこでずっと私のことを待っていたから。

454スライム:2005/02/24(木) 23:45:46
更新終了。

なんだか、またまた微妙なところで切ってしまいましたが…。
次回更新で一気にラストまで突っ走りますのでご勘弁を。

ついでに一人だけ設定公開してない方の裏設定も次回更新時にしたいと思います。
ちなみにちょこっと名前の出てきたおニ方は特に設定決めてなかったり…w

45535:2005/02/24(木) 23:59:09
な、なに?なにごと??
よっちゃんの身に一体なにが???

なんかスライムさんには踊らされっぱなしですわ(^^;)
あぁ!続きが気になる!!最近一日が長く感じるのはきっとこのせいですな。
更新心よりお待ちしています。

456ゆう:2005/02/25(金) 02:20:45
更新お疲れ様です!!
すっごく切ないです・・・よっすぃーは何を隠してるんだろう〜気になります!!
やっぱり作者様は凄いです!!!更新が待ちどうしくてたまりません(笑)

457203:2005/02/25(金) 10:39:32
更新お疲れ様でした。
お互いを想うあまりに言葉に出来なくて最後には結局ぶつかってしまうって事ありますよね。
それからの方が恋愛の醍醐味だったりw 梨華ちゃんにもよっすぃにも素直になって欲しいな。
切ない胸をおさえながら更新楽しみにしています。
PS.亜弥ちゃんの新曲、CD屋さん3軒回ってやっと買えました(釻v釻川 松浦さんのバラード好きなのではまってます。

458スライム:2005/02/25(金) 22:36:47
マサオ君おたおめです!!
そのうちマサオが目立つ作品も書きたいなぁなんて思いつつ今日も通常更新を。


>35様
 いつもありがとうございます!!
 わ〜お、素敵な反応ありがたいです。あっ踊る時は作者も一緒に…w

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 凄いだなんて…調子に乗って木にまで登りそうな勢いですw

>203様
 いつもありがとうございます!!
 恋愛論、素敵すぎます!203様にはいつも納得させられちゃってます。
 ちなみに私も2軒目で購入できました。ごっちんアルバムと悩んだことは内緒ですがw


ラストまで一気にいくので今日はちょこっと量多いですが…。
更新スタートです。

459秘密:2005/02/25(金) 22:38:57


「…よっすぃー?」
無意識のうちに発していた言葉。

「……梨華ちゃん………。」
喋ると傷が痛むのかよっすぃーは辛そうに話す。


「昨日はごめん…それで、あの…話したいことがあるんだ。」

「…わかった。でもとりあえず傷手当てしよう? ねっ?」

会うことが怖かったはずなのに、よっすぃーの姿を見たらそんなことも忘れてしまった。
痛々しい姿なんて見ていられないから…早くなんとかしなきゃね。

「うん。でも先に話を…」
「手当てしたらちゃんと聞くから、だから先に手当てさせて。」

「…わかった。」

よっすぃーの手を引いてごっちんの家に戻る。


物音で気付いたのかな? ごっちんも起き出してきていて…。

460秘密:2005/02/25(金) 22:40:32

「ふわ〜ぁ。梨華ちゃんどうかしたのー? …って、吉子どうしたの?
 何その傷? ってか、何でここにいるの?」

「えっと…それは……」
「ごっちんごめん!先によっすぃーの手当てしていい?」
よっすぃーが何か話しかけていたけど、それを遮る。

だって、見ていられないほどよっすぃーのケガがひどいんだもん…。

「あっ、ごめん。そうだよね、そっちが先だわ。とりあえずごとー救急箱用意する
 から2人はリビングにでも行ってて!」

「うん。ありがとう、ごっちん。」


ごっちんに言われた通りリビングへ行きソファーによっすぃーを座らせる。

ごっちんはすぐに薬箱と共に戻ってきて…受け取ってよっすぃーの傷の手当てをして。
消毒したとき染みたのかよっすぃーはちょっと痛そうにしたけど。

誰も何も話さないまま黙々と作業を進める。

461秘密:2005/02/25(金) 22:42:00


「何があったわけ?」
治療が終わって一息ついて、一番先に口を開いたのはごっちん。

よっすぃーは座りなおして背筋をピンと伸ばしてごっちんの方を向きながら
「実家に戻って父さんに会ってきた。」と話し始めた。

私には意味がわからないけど、ごっちんは理解したのか驚いた顔をしている。

「昨日ごっちんから電話もらった後、いてもたってもいられなくて…。だけど、
 今のままの自分じゃ中途半端だって自分でも分かってたから、梨華ちゃんに会う
 前にちゃんとしなきゃって思って。それで、ちゃんと自分と向き合うために父さん
 に会いに行ってきた。」

「でも…おじさん……何だって?」

「…うん、やっぱりすっげー怒ってて、この通りぼこぼこに殴られた。
 でもそれで帰ったら今までと同じだから…ここでちゃんと出来なきゃ梨華ちゃんの
 ことも迎えに行けないって思ったから……素直に自分の気持ちとかどうしたいとか
 全部話して、それで本気で謝ってきた。」

「うん。」

462秘密:2005/02/25(金) 22:43:02

「正直許してもらえないかもって思ってたけど、でも父さんもわかってくれたのかな。
 帰り際に『勝手にしろ!その代わり自分のすることにはしっかり責任持て!』って、
 そう言われた。」

「……そっか。良かったじゃん。」

「うん。 それで、あのさ…悪いんだけど、梨華ちゃんと2人で話させてもらえないかな?」
「吉子…」

「大丈夫!ごっちんにも父さんにも気合入れられたからさ、ちゃんと全部話すよ。
 だから…」

「分かった。ごとー朝ご飯でも作ってるからさ、ゆっくり話しなよ。話なら、2階の
 ごとーの部屋でも使って!」

「うん。ありがと。」

463秘密:2005/02/25(金) 22:44:38


よっすぃーに促されて2階への階段を上る。

ごっちんの部屋に入って座ったと思った次の瞬間。

「ごめん!」
土下座しながらよっすぃーが謝ってきた。

「え…ちょっと…よっすぃー?」

「本当にごめん。梨華ちゃんのこと守るって言ったのに僕が梨華ちゃんのこと
 泣かせちゃって………ごめんなさい!」
「…うん、わかった。わかったから顔あげて?」

それでもよっすぃーは顔をあげようとはしない。

「ねぇ、お願い。昨日も言ったけどよっすぃーは何も悪くないんだから。
 ねっ? だから顔あげて?」

「違う!僕が悪いんだ。僕がもっと早く話してれば梨華ちゃんが苦しむ必要
 なんてなかったんだ。」
「…よっすぃー……」

「あのさ…今更かもしれないけど話聞いてもらえるかな?」
やっと顔をあげてくれたけど、よっすぃーは神妙な顔をしたまま。

「……うん。」

「それで、聞いたら僕のこと嫌いになるかもしれないけど…最後まで聞いてもらい
 たいんだ。」
「…分かった。」

464秘密:2005/02/25(金) 22:45:51

少しの沈黙があって、よっすぃーは真剣な表情で何か考えこんでたみたいだった
けど、決心がついたのか私の顔をまっすぐ見つめながら話し始めた。

「ずっと言えなかったんだけど…僕、本当は女だったんだ。」

「えっ?」


よっすぃーの言葉を初め理解できなかった。

私の目の前にいる人は、確かにちょっと女の子っぽい顔をしてはいるけど、でも
どう見ても男の人にしか見えなくて…。

それに、ぎゅっと抱きしめられたことがあったけど、その時も、その…胸とか
なかったし、どう考えても信じることが出来なくて。

だけど、よっすぃーが嘘をつくなんて思えないし…。

465秘密:2005/02/25(金) 22:46:51

「正確には元女で、今は戸籍も身体も全部男なんだけど…」
「それって…」

「梨華ちゃんさ、性同一性障害って知ってる?」

「うん、テレビで見たことあるけど…。」

「僕も子どもの頃からずっとそれで悩んでたんだ。自分のこと男としか思えなかったし、
 一緒に遊ぶのももちろん男の子ばっかりで、好きになる子はみんな女の子だった。
 それを自分では普通のことだと思ってたけど、成長するにつれてさ、そういうわけにも
 いかないことっていっぱいあるじゃん? ずっとずっと我慢して生きてた。」

「………。」

「でも、ずっと我慢して生きていくなんて耐えられなくて…自分らしく生きたいって思って、高校卒業して進路を決めるって時に両親に打ち明けたんだ。」

「それでさっき…」

466秘密:2005/02/25(金) 22:47:56

「うん。2人とも許してくれなくてさ…って、せっかく娘に産んだんだもんね、当たり前
 なんだけど。それでもやっぱり自分の気持ちごまかしたまま一生生きるなんて無理だったし、諦めたくもなかったから、すっごい揉めて。当然父さんは怒ったままで、それで
 “勘当する”って言われて、家飛び出したんだ。」


「で、東京出てきて…あてなんてなかったけどさ、なんとかそういう店で働けることに
 なって。それでけっこうお金も貯まったから身体も手術とか受けて…それで、その…
 法律変わって性別も変えられるかもってなったから、手続きとかとにかく必死にいろんなことして…それで男として生きていくって道を手に入れた。」

「………そうだったんだ。 ねぇよっすぃー、私…」

「まだ話はあるんだ。ごめん、とりあえず全部話してからでいいかな?」
「…うん。」

467秘密:2005/02/25(金) 22:49:25

「こっち出てきてからのことなんだけど、さっきそういう所で働いてたって
 言ったじゃん? その間さ、最低なんだけど、僕女の人のことをお金儲けの
 道具ってしか思ってなかったんだ。だから仕事以外でも誘われれば誰とでも
 そういうことしたし…それで泣かせた子もいっぱいいる。で、このままじゃダメ
 だって思ったりして、ちょっと好きな子が出来たりすると店辞めて普通の仕事
 しようとしたりするんだけど、結局うまくいかなくて、恋人とも別れて店戻って
 って。やっぱりさ、こういうのって世間じゃ認められてないから居心地悪くて、
 店戻れば自分らしく生きていけるって勘違いして、何回もそれを繰り返した。」

「………。」

「で、本当にもうどうしようもない感じで、とにかくもう落ちていくだけで、自分
 でももうどうにでもなれってやけになりつつあったんだけど…そんな時にマスター
 と知り合ったんだ。マスターは僕の生き方を認めてくれて、どうにかしたいなら
 自分が手を貸すって、閉める予定だった店を僕に任せてくれて、亡くなる時には家も
 僕に使ってほしいって譲ってくれたんだ。 後から知ったんだけど、マスターには
 子どもがいたらしいんだけどその子が同性愛で悩んだ末に自殺したって…それで僕の
 こと放っとけなかったみたい。」

468秘密:2005/02/25(金) 22:50:37


「それで、ちゃんと生きていかなきゃって…マスターに誇れるようにちゃんと
 生きていこうってやり直すことを決めた。」
「…うん。」


「そんな時にさ、初めて梨華ちゃんを見たんだ。梨華ちゃんは覚えてないかもしれない
 けど、駅の近くでおばあさんが倒れてて、みんな見て見ぬ振りっていうのかな…立ち
 去って行くなかで梨華ちゃんだけが立ち止まって一緒におばあさんのこと助けるのを
 手伝ってくれて。その時梨華ちゃんに一目惚れしたんだ。」

「えっ?」

「でも連絡先とか、名前すら聞きそびれて。その後さ何回か駅前で梨華ちゃんのこと
 探したんだけど、でも全然見つけることが出来なかった。」

「…………。」

469秘密:2005/02/25(金) 22:51:38

「でさ、もう無理かなって諦めかけてた時に偶然あの公園で梨華ちゃんのこと見かけて。
 気がついたら話し掛けてた。それからはどんどん梨華ちゃんのこと好きになっていって
 付き合えるってなった時は本当にもう死んでもいいってくらい嬉しかった。」

「…うん。」

「でも、同時に嫌われるのがすごく怖くて。初めて本気で好きになって、初めてずっと
 一緒にいたいって思った人だったから、本当のことを話して嫌われるのが怖かった。
 本当のこと言ったら梨華ちゃんは僕のところから離れて行くって、そう思ったら何も
 話せなくなってた。 だけどそれが梨華ちゃんのこと傷つけてたんだよね……。
 僕がもっと早く話していればここまで梨華ちゃんのことを追い詰めることなんてなか
 ったんだよね……ごめん、本当にごめんなさい。」

よっすぃーはそう言ってまた頭を床につけるように下げた。


だけど、やっぱり私はよっすぃーを責める気持ちになんてなれない。

470秘密:2005/02/25(金) 22:52:51


「ねぇ、よっすぃー?」
「ん?」

「それで全部?」
「え?」

「…他にもう私に秘密にしていることってない?」

「う、うん。もちろん。あの…」

「…あのね、全部聞いてそれでもよっすぃーと一緒にいたいって思った時は
 どうしたらいい? よっすぃーのこと好きって思ったらどうすればいい?」

「えっ…梨華ちゃん?」

471秘密:2005/02/25(金) 22:54:04

「私もずっと隠し事してたでしょ?だからよっすぃーの気持ちすごくわかるよ。
 それに、よっすぃーもこうして今ちゃんと話してくれたし、もうお互い秘密
 なんてないんだから、一緒にいられるなら一緒にいたい…。」

「でも、僕の過去は…僕はキレイな人生を送ってきてないんだよ!?僕は梨華ちゃん
 みたいに誰かを本気で好きになってそれでも仕方なくとか、そういうのじゃなくて
 ……僕はたくさん人を傷つけたし、梨華ちゃんと一緒にいられるようなキレイな
 人間じゃない。」

「それでもいいよ、それでもいいから…よっすぃーが私のこと嫌いになったんじゃない
 なら私はよっすぃーと一緒にいたい。 それに、よっすぃーはキレイだよ? すごく
 キレイな心で私のこと癒してくれた…。 ねぇ?それでもダメなのかな?」

472秘密:2005/02/25(金) 22:55:19


「……梨華ちゃん………本当に僕なんかでいいの?」

「うん…よっすぃーじゃなきゃ嫌…よっすぃーがいい。」

「……ありがとう。」

その後は2人しておもいっきり泣いて…泣いて泣いて疲れきったころ…
「ぐぅ〜」って私のお腹がなっちゃって。

今度は2人揃っておもいっきり笑って。


「…ごっちんのところ行こっか?」
「うん。」
ごっちんの元へ朝ご飯を食べに階段を降りていった。

473秘密:2005/02/25(金) 22:56:46


下へ着いたらおいしそうな料理と一緒にごっちんに迎えられた。

ご飯を食べながら2人してごっちんに怒られて。

私は勝手に家を出て行こうとしたことを…。
よっすぃーはケガだらけでやってきて心配かけたことを…。

だけど、ごっちんの目には泣きはらした跡が残っていたから、心配してくれてるって
わかってるから…2人で素直に謝った。

ごっちんは「別にいいけどさー」なんてすねてたけど、ごっちんの暖かい気持ちは
2人ともちゃんと分かってるからね?

474秘密:2005/02/25(金) 22:58:05


手をつないで帰る途中。

「ここが僕がよく遊んでた公園」
「この先に通ってた高校があって、ごっちんと二人乗りとかして通った」
「ここで梨華ちゃんと初めて出会った」

とか、いっぱい寄り道しながら思い出を語って。



その日の夜、初めてよっすぃーと結ばれた。

初めは2人とも緊張しちゃってガチガチだったけど…。
よっすぃーに好きって言われて、愛される度にどんどん開放的になって…。

その…よっすぃーはすごく上手で…心と一緒に体まで溶けていくような感じがした。

475秘密:2005/02/25(金) 22:59:40

終わった後眠ってしまったみたいで、目を覚ましたら隣でよっすぃーが私の
顔をじっと見ていた。

なんだかとっても恥ずかしくなっちゃって、隠れるように布団を頭から被った。
だけどよっすぃーはそんなことおかまいなしで布団の中の私を捕まえて。

ギュッと抱きしめたかと思うと、
「梨華ちゃん…好きだよ。ずっと一緒にいたい……結婚しよう!」そう言ってくれた。

嬉しかったんだけど、なんだか照れくさくって…
「ずるいよー急にそんなこと言って。顔見て言ってくれなきゃやだもん。」
なんてかわいくないことを言っちゃう私。

476秘密:2005/02/25(金) 23:01:25

それなのによっすぃーが何も返してくれないから、(よっすぃー呆れちゃったかな?)
って不安になってちょこんと目だけ布団から出したら、よっすぃーはニコッって笑い
ながら私のことを見ていて、そして捕まえられた。

「いいよ、何回でも言う。梨華ちゃんの気の済むまで何回だって言うから、
 だから……結婚しよう?」

もう、よっすぃー本当にずるいよ。
そんな風に言われたら…そんな風に微笑まれたら私が断れるわけないじゃない。

って、初めから断るつもりなんてないけどね。


でも私が何も言わないからよっすぃーは不安になっちゃったみたい。
「梨華ちゃん?」って心配そうに覗き込んできちゃった。

477秘密:2005/02/25(金) 23:02:31

ごめんね、ちょっとイタズラしすぎたよね。

「…うん。あの……ずっと一緒にいようね。」

「やったー!」
よっすぃーったら急にはしゃいじゃって、抱きしめる腕に力が入る。

「よっすぃー、痛いよぉ」って私の抗議も聞かないで
「えへへ。」って子どもみたいに笑ってる。

さっきまでは本当にかっこよかったのに、もう!

だけど、そんなところも好きだったりして。


私の王子様はちょっとへタレで情けなかったりするけど、だけど世界で一番私の
ことを愛してくれる人。

そして……世界で一番私が愛している人。

478秘密:2005/02/25(金) 23:03:50

〜半年後〜

今日は私の結婚式の日。


半年前、結婚することを決めた後2人でお互いの両親に会いに行った。

最初に私の実家に行って。

反対されるって思ってたのに意外にも祝福されて、「良かった」って2人とも泣いて
て…私のことをちゃんと愛し続けてくれていたんだって初めて知った。

よっすぃーのことも全部話したけど、反対なんてしないで受け入れてくれた。

「梨華が選んだ人なら…」って、結婚式をあげることも薦めてくれて…あげないつもり
でいたけどその言葉に後押しされて今日を迎えることが出来た。

479秘密:2005/02/25(金) 23:04:59

ちなみによっすぃーの家はというと…。

あの日よっすぃーとちゃんと向き合ったことですっきりしたのかこちらも意外な
くらい祝福してくれて。

お父さんはもう完全によっすぃーのことを男として認めてくれていて…だから
あの時あんな風に殴ったって、男として認めたから殴れたんだって豪快に笑って
いた。(でもあれはちょっとやりすぎだったけどね…。)

で、お母さんなんて私のことを見て「こういうカワイイ女の子が欲しかったの
よー。あんたみたいに男みたいな…って今は男だけど、そういうんじゃなくて
こう女の子らしい子と一緒に料理とかしたくって…だから嬉しいわー。あんた
よくやった!こんなイイ子捕まえてくるなんて産んだかいもあったわね。」なんて
こちらも豪快なこと言ってた。

その能天気っぷりに私たちは唖然として何も言えなかったけど。

だけど、良かった…認めてもらえて。

480秘密:2005/02/25(金) 23:06:12


私はよっすぃーのお母さんと一緒に見に行って選んだドレスを着て。
(なぜかお父さんも一緒に来ていて、一番はりきっていたけど…。)

よっすぃーは私のママが見立てたタキシードを着て。
(ママったら「吉澤さんかっこいいわー梨華がうらやましい」なんて言ってたっけ。)


神父さんに言われた誓いの言葉をお互いに誓って。

一緒に選んだ指輪をお互いに交換して。

誓いの口付けを交わして。

両親の方を見ると2人とも涙ぐんでいて。
逆によっすぃーの両親は「よくやった!」って盛り上がってて。

481秘密:2005/02/25(金) 23:07:52

保田さんは中澤さんと一緒に「ブーケは私によこしなさい!」って争ってて。
あいぼんはそれを冷めた目で見て「おばちゃんどもは…」って憎まれ口を叩いてて。
ののちゃんは…「パーティの料理は何ですかねぇ?」って……相変わらずだね。

よっすぃーと2人で「こんなのばっかり?」って目を合わせて。

だけど、よく見たら柴ちゃんが喜びながら泣いてて、ごっちんに慰められてた。
(そっか…柴ちゃんにはいっぱい心配かけちゃったもんね。)


結婚の報告をした時誰よりも喜んでくれたのは柴ちゃんだった。

話終わったあと「良かったよかった。」っていつまでも泣いてて。
そんな柴ちゃんを見るのは初めてだったから最初ちょっとびっくりしちゃったけど。

だけど、そんな柴ちゃんの気持ちがとても嬉しかった。

いつだって隣にいて私のことを励ましてくれた。
弱いところなんて見せずにいつでも私を守ってくれた。

柴ちゃんがいなかったらこうしてよっすぃーと結婚することも出来なかったと思う。
(柴ちゃん…本当にありがとう。)

482秘密:2005/02/25(金) 23:09:17


“石川”から“吉澤”へと変わった日。

よっすぃーと共に生きていくことを誓った日。

温かい仲間と家族に囲まれながらずっと一緒にいることを神に誓った日。


本当にたくさんいろんなことがあったけど。
一度は幸せになることを、人生を諦めたこともあったけど。

だけど、それを全部乗り越えてここまで辿り着いた。

私は絶対に忘れない…今日という日を…今日を迎えるまでの全ての日々を。


「よっすぃー、幸せになろうね?」

「うん。でも……もうすでに幸せなんだけどね♪」


   End

483スライム:2005/02/25(金) 23:20:16
更新終了。

え〜と、突っ込み所はいっぱいあると思うんですが…とりあえず作者の言い訳をw

まず、なんだかラストにいっぱい詰め込みすぎちゃいました。
(ちなみにタイトルの謎はこれだったんですね。)
それから、最後の方焦ったのか?微妙に誤字脱字があったり…。
あっそれと法改正については時期とかいろいろありますが、小説だと思って
スルーしていただけると幸いです。

この他にもいろいろあるのですが、作者自らネタバレとかしてる場合じゃないのでw
とりあえずはこんな所で。


続いてあのお方(今更名前隠す意味があるのかw)の裏設定を。

よっすぃーとは幼馴染で、お互い何でも相談し合う仲です。
高校卒業後も地元に残り調理学校を卒業後家業の小料理屋を手伝う日々。
実家なのでときどきさぼっては遊び歩いたりと…若干フリーター気味な生活だったり。
ちなみに恋人はバーテンダーの○○さん(誰にするか決めませんでした)。

484スライム:2005/02/25(金) 23:27:04

と、まぁこんな感じですが一応これで「秘密」は完結です。


微妙に続編書こうかな〜とも思ってますが、基本的にはナイ方向で。
でも、ちょっとした裏ストーリーを一つ書きたいなとは思ってます。
(主役は今回不遇な扱いだったあの人で。)


次回は「片思い」の続編を書く予定ですが、実はまだ半分しか出来上がってません(爆)
いつも通り、明日にはスタートしたいところですが、もしかしたらちょこっと後になる
かもしれませんので、期待せずにノホホンとお待ちいただけるとありがたいです。


それでは、「秘密」にお付き合いいただいた方、ありがとうございました!!

485203:2005/02/25(金) 23:36:13
更新&完結お疲れ様です♪楽しく、そして切なくなりながら読ませていただきました。ありがとうございました♪>(^◇^*)
(´-`)。o0429のレスで顔文字をわざと載せた人の秘密って考えてました。
     深読みしすぎて大半の予想を外したのは内緒w
今後もまったりと待っていますので無理せずに頑張ってくださいね!

486前274:2005/02/26(土) 00:02:00
更新、そして完結お疲れ様です。
よかったですよ〜♪幸せな展開で・・二人ともよかったね!
って心から思っちゃいました。
もっといろいろ書きたいんですけど、これから読まれる
方に悪いので・・
でも、毎日の更新本当にありがとうございました。
これからも楽しみにまったりとお待ちしてます。

487ゆう:2005/02/26(土) 02:22:27
更新&完結お疲れ様です!!
いや〜良かったです本当に・・・幸せになれて良かった!!
周りの人の優しさも凄く素晴らしくて感動です!
次回も楽しみに待ってます&木に登っちゃってください(笑)作者様最高!!

488スライム:2005/02/26(土) 21:43:08
ミキティ誕生日おめでとうございます!!
昨日で「秘密」も完結し今日から新しい話ですので作者もノリノリで頑張りたいと思います。


>203様
 いつもありがとうございます!!
 思わず429のレスを覗き直してaa見てきました。「読み」的中ですねっ♪
 本当はもっと前振り入れたかったけどうまくいかなかったことは…内緒ですw

>前274様
 いつもありがとうございます!!
 心から喜んでいただけたなんて光栄です。
 唯一のとりえが更新の早さくらいなんで、今後も時間があるうちはできるだけ
 毎日更新できるようにするつもりです。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 感動しただなんて…またまたワタクシ調子に乗ってしまいそうです。
 雪も溶けたことですし、これは本当に木登りをしなければ…w


え〜と昨夜と今日の昼である程度制作が進んだので、予定通り今日から新しい話を
始めたいと思います。内容も予告通り「片思い」の続編で。ちなみに今回の主役は
石川さんです。 

それでは本日の更新スタートです。

489両思い:2005/02/26(土) 21:45:41


ひとみちゃんと両思いになってもう4ヶ月くらい立つのかな?
その間一回も喧嘩なんてしてないし、毎日仲良く出来てすごく幸せな日々。

…なはずなんだけど。
どこか心にポッカリ穴が開いているような気がしちゃってる。

あのね、原因は自分でもわかってて。
それがどれだけ贅沢な悩みかっていうこともわかってるんだけど……。
だけどやっぱり心の隙間は埋まらない。

付き合いだしてからひとみちゃんは本当に優しくて。
って、元から優しかったけど今はもう比べ物にならないくらい。

毎日「好きだよ」って言ってくれるし、会えない時にはたくさん電話やメールをくれる。
冗談でも“キモイ”とかそういうこと言わなくなったし。

逆に私のことばかり話して「のろけるな!」って先輩たちに怒られたりもしてる。

490両思い:2005/02/26(土) 21:47:24

だからね、本当は全然不満なんて出てくるはずないんだけど。
だけど、何か違うんだよね……。

あっ別に付き合いだしてからのひとみちゃんがかっこ悪いとかじゃないよ?

椅子から転げ落ちてお尻を強打してたり、麻琴と仲良くしてたらやきもちやいたり。
たまに赤ちゃん言葉で甘えてきて膝枕して欲しいとか言ってきたり…。

クールなひとみちゃんからは想像できないようなこととかいろいろあるけど。

でも、そういうところもカワイイなって思えるし。


それに、ちょっとHでいつでもどこでもキスしようとしてきたりするけど。
(それなのにそれ以上はしてこないんだけどね…)

そういう強引な所も好きだし、愛されてるんだなって思えるから素直に嬉しい。

491両思い:2005/02/26(土) 21:48:29

じゃあ何が不満なの?って思うと思うんだけど。
あのね………。


最近美貴ちゃんと亜弥ちゃんが付き合いだしたみたいなんだ(美貴ちゃんはどこか
納得しきってない顔だったけど)けど、2人を見てるとうらやましくなることがあるの。

亜弥ちゃんは自分の気持ちとか素直に美貴ちゃんに言ってて、美貴ちゃんは嫌なこと
は嫌って言いながらもなんだかんだ亜弥ちゃんのことすごく大切にしてる。

お互い(それは大丈夫なの?)ってこっちが心配するくらいズバズバ言い合ったりしてる
けど、そんなこと別に問題じゃないって顔してて。

たまに喧嘩もするけどすぐに仲直りしてまたいちゃいちゃしてたりして。

492両思い:2005/02/26(土) 21:49:53

そういうの見てるとね、(私たちは…)って考えちゃうんだ。

ひとみちゃんは私に対して何も言ってこないけど本当はどうなのかなって。
もしかしたら遠慮して言えないこととかあるんじゃないかなって。

こういうのって人と比べるようなことじゃないんだろうけど…。

でも、私も美貴ちゃんたちみたいになりたいなって。

いいことだけじゃなくてもっといろんなことをひとみちゃんと話したい。
甘い言葉だけじゃなくて、たまには厳しいこと言って私のこと叱って欲しい。

こんなの贅沢すぎる悩みなんだろうけど。
周りから見たらこれも“のろけ”になっちゃうんだろうけど。

でも、甘いだけじゃ…幸せなだけじゃいつか終わりが来ちゃう気がして。
いつか突然「やっぱり梨華ちゃんは…」って捨てられちゃうんじゃないかなって。
すごくすごく不安になっちゃうの。


考えすぎなのかな? 
でも………幸せすぎるからその分余計に怖くなる。

493両思い:2005/02/26(土) 21:51:22


「梨〜華ちゃんっ。」

「えっ?」
顔をあげたら目の前にひとみちゃんが立ってて。

「どうかしたのー? 梨華ちゃんいないからひーちゃん寂しくって探しちゃったぞー。」

この間私のラジオにゲストで出て以来ひとみちゃんはますます私に甘えるようになった。
番組中はあんなに恥ずかしそうにしてたのに、番組が終わった途端に私に甘えてきて
自分のことまた“ひとみちゃん”って呼んでほしいってそう言ってきた。

懐かしかったし、特別な感じがするから私も嬉しくてついOKして、調子にのってその後“ひーちゃん”なんて
呼んじゃったら、それから私に甘える時は自分のことをそう呼ぶようにもなった。

それもいいんだけどね、何て言うのかな…もっと強く?たまには強引なくらいでいいから
引っ張っていってもらいたいって思うんだよね…。

494両思い:2005/02/26(土) 21:53:03

「ん?梨華ちゃん?」

「あっ…ごめん……年末で忙しかったでしょ?だからちょっと疲れちゃって……。
 勝手にいなくなってごめんね。」
何言い訳しちゃってるんだろう…素直に言えばいいのに。

「んーいいのいいの、こうして見つけられたんだし。それよりさーギュッって
 していい? 梨華ちゃんいなくて本当に寂しかったんだよー。」

返事をする前に後ろから抱きしめられた。

「……ひとみちゃん………」
「…梨華ちゃん……好きだよ。」そう言ってキスされる。

キスは好き。キスする時だけ強引なひとみちゃんも好き。
いつもならそれでいいんだけど、でも今はあんなこと考えちゃっていたから。

495両思い:2005/02/26(土) 21:54:48

「…やっ……」って思わずひとみちゃんのことを拒絶してしまった。

ひとみちゃんはすごく悲しそうな顔をしている。
「あっ…ごめん……嫌だった?」

本当は、今はそういう気分じゃなかったんだけど、ひとみちゃんにそんな顔され
ちゃうと、やっぱり弱いんだよね。

「…ううん、違うの。あのね、突然だったからびっくりしちゃったの。」

また言い訳してしまった。
そんな自分が嫌なはずなのに結局いつも何も言えなくて。

「良かったー。梨華ちゃんに嫌われちゃったかと思ってびびったよー。」
なんてひとみちゃんの言葉に安心してしまっている。

「ごめんね、そんなんじゃないから…」
って慌ててご機嫌取りみたいなことまでし始めて。

496両思い:2005/02/26(土) 21:56:01

ひとみちゃんもそれで安心したのかな?
「梨華ちゃん、もう一回…」って、またキスされた。

それもどんどん深いものになっていく。

最初はどうしていいか分からなくて全部ひとみちゃんに任せていたけど。
それじゃあ飽きられるって雑誌で読んでからは自分からも舌を絡めるようにして。

こういうのって慣れると何がいいとか分かってくるらしいけど。
いつも“嫌われたくない”ってそればかり考えて妙に冷静になっちゃうから、いつか
らかそれを気付かれないようにってそんなことしか考えられなくなってしまった。

別に演技とかはしてないけど…でも、前みたいに純粋にキスを楽しむなんて無理。

肩肘張ってばかりいたせいかな…。
嬉しいはずの行為も素直に受け入れられなくなっていた。

497スライム:2005/02/26(土) 22:01:28
更新終了。

スレも半分使い切ったなぁと感慨深くなりつつ、残りをどう埋めていくか
そんなことも考えちゃう今日この頃。
とりあえず、今の調子で頑張りますね♪

えっと、今回の話はおそらく全3回になると思います。
(当初の予定よりも短くなっちゃいました…てへっ)
ちなみに今回のテーマは、”付き合うことがゴールじゃない”です。
「片思い」後の2人の心境の変化とかいろいろ書いていきたいと思います。

49835:2005/02/26(土) 22:57:18
遅ればせながら「秘密」の脱稿お疲れ様です。
個人的にとても豪快なよっちゃんのパピー&マミーがお気に入りになっちゃいますた♪
そして柴ちゃん、本当にありがとうって感じです。

そして今回はネガネガ梨華ちゃんですな。( T▽T)<ほっといて
続き楽しみにしてます!
最近インフルエンザが流行ってますのでお体に気をつけて頑張ってくださいね。

499ゆう:2005/02/27(日) 00:17:59
更新お疲れ様です!!「片思い」の続編ですか〜この作品も大好きなので
読むことが出来て嬉しいです!!今回のテーマ・・・かっこいいですね〜
二人の心境の変化など楽しみです!

500203:2005/02/27(日) 14:47:56
更新お疲れ様でした♪続編楽しみにしていました!?テーマ、深いですね〜(^▽^;)今後の2人を見守りつつ・・・。
(´-`)。o0(気持ちぶつけないと伝わらないぞ!と心の中で叫んでいます)
でも言葉で伝えるのって難しいですよね・・・。口下手なので心の中で葛藤するの分かります。

501スライム:2005/02/27(日) 21:14:23
2日連続で楽天オープン戦をテレビ観戦してるスライムです。
8割方娘。さん目当てですがw無事にホーム開幕戦のチケットも手に入れたのでウキウキだったり。
気付いたらすっかり楽天ファンになってました。


>35様
 いつもありがとうございます!!
 今回は梨華ちゃんらしく?ネガティブモードで始めてみましたが、なぜかラスト
 は……っと、危なく話してしまうところでしたw
 インフルエンザちょっと怖いですが、生まれてこのかたかかったことがないので
 今年もなんとか乗り切っていきたいと思います。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 ”大好き”だなんて言っていただき作者の方が嬉しいですよ♪
 ちなみにテーマですが…書き終えたらテーマに沿っているのか疑問なラストに
 なってしまっていたり…(笑)

>203様
 いつもありがとうございます!! そして、キリ番おめでとうございます!
 これまでキリ番を作者自らがとってしまっていたので書いてなかったのですが、
 記念に何かリクエストあれば言ってください。ちょこっとお時間いただきますが、
 書いてみたいと思います。


それでは本日の更新始めます。

502両思い:2005/02/27(日) 21:16:51


どうしたらいいのかいっぱい考えたけど全然結論に辿り着かない。

それもそのはず…私、恋愛初心者なんだもん。
誰かに相談できればいいんだけど…こんな話誰か聞いてくれるかな?

結局贅沢な悩みって自分でわかってるから人に話すことも躊躇してしまう。

こういう時っていつもかおたんとかに聞いてもらったりするんだけど…。
卒業間近にこんなことで相談なんかしたら迷惑だろうし…。

「幸せなんだからいいじゃない」って自分に言い聞かせてはみてるけど。

「本当にこれでいいの?」ってもう一人の自分に問いかけられて。


結局堂々巡りでいつも同じ場所に戻ってきてしまう。

503両思い:2005/02/27(日) 21:18:11


「梨華ちゃんってさー実は相当欲張り?」
ある時唐突に美貴ちゃんにそんなことを聞かれた。

さっきまで娘。全体の仕事でみんな集合していたんだけど、それが終わって
私は美勇伝の仕事のために別行動。

同じように別の仕事が入っている美貴ちゃんと高橋と3人で移動してて。

「えっ? なんで?」

「いやーだってさー梨華ちゃんってすっごい幸せそうなのに、なんかいっつも
 物足りないって顔してるから。」

「……そうかなぁ?」

「あっしもそう思いますよー。なんか石川さんって、幸せそうなのに幸せそうじゃない
 っていうかー。あっなんか意味不明ですけど、とにかくなんかどっかでなんか求めて
 るって感じがするんですよー。」

504両思い:2005/02/27(日) 21:19:22

「そうそう!愛ちゃん、美貴もそれ分かる!」

「やろ〜。良かったーあっしだけじゃなかったんやー。」

「美貴もさー最初はただ単に梨華ちゃんが幸薄い顔だからそう見えるだけかなーって
 思ってたんだけど、やっぱそれだけじゃないよねー。」
美貴ちゃんさりげなくひどいこと言ってるよね…。

「うんうん、確かに石川さんは幸薄いけど、そんなもんじゃないやろー。」
高橋もさ、カワイイ顔して結構ひどいこと言うよね…。

なんか今なら麻琴の気持ちも分かるかも。

505両思い:2005/02/27(日) 21:21:11

「それで?」

「えっ?」
2人で盛り上がってるから放っておいたんだけど…いきなり振らないでよ。

「だからー、梨華ちゃんの欲求不満の原因は何なわけ?」

「よ…欲求不満って…!」
ちょっと、美貴ちゃん急に何言い出すのよ。

「んー、あぁごめん勘違いさせちゃったね。そういうんじゃなくて、梨華ちゃんは
 何が物足りないのかなーって。」

あぁ…そういうことだったのね、良かった。

「って、もしかして本当にただの欲求不満だったりするわけ?」
「なっ! 違うわよ!」

「はいはい、怒らない怒らない。 で?」

なんか私遊ばれてないかしら…。

506両思い:2005/02/27(日) 21:22:42

「だから…なんかね、最近ひ…よっすぃーの気持ちが分からないっていうか…」

「「はいぃ?」」
え?何その反応…私別におかしいこととか言ってないよね…。

「つーか梨華ちゃんそれマジで言ってんの?」
「え…本気だけど。」


「うわっ。超ありえないんだけどー。」
美貴ちゃん、あいかわらず厳しいのね…。

「やなー。しかも一回“ひとみちゃん”って言おうとして言い直してるし。」
あぁ…高橋気付いてたのね…スルーしてくれればいいのに…。

「で、でも…」
「何?(怒)」

美貴ちゃんその顔怖すぎるわ……「何でもありません。」

507両思い:2005/02/27(日) 21:23:46

「だいたいさー美貴には梨華ちゃんの方がよくわかんないけどね。」
「えっ?」

「だってさー、よっちゃんさんほどわかりやすい人っていなくない?
 いたとしてもまこっちゃんくらいでしょ!? どこに悩む要素があるわけ?」
「そ…それは……。」

「何? あれ以上“好き好き”言われたいとかー?」

美貴ちゃんったらなんでそんなに意地悪なのよ…。
「そういうわけじゃないけど…。」

あーあ、なんでこんなこと話しちゃったのかな…。
からかわれるってわかりきってたのに…。

508両思い:2005/02/27(日) 21:25:02

「ありゃ?梨華ちゃん怒っちゃった?」
「…別に……。」

「ごめんごめん、ちょっとからかいすぎちゃったかなー?」
なんて子どもをあやすみたいに話してくる美貴ちゃん。

それって絶対に反省してないでしょ!

もう知らない……「(ふんっ)」。


「ありゃ?本気で怒らせちゃった?」
「………。」
「ミキティいじめすぎやってー。石川さんかわいそうやろ。」
あ、高橋かばってくれるのね…。

「まぁ贅沢なこと言ってる石川さんも悪いんやけど。」
違ったのね…期待させないでよ。

509両思い:2005/02/27(日) 21:26:03

「でしょ? 愛ちゃんもそう思うでしょ?」

「そうやねー。あんだけ吉澤さんに“好き”って言われて悩むなんてなー。
 あっしなんていつまでたっても麻琴がはっきりしないってのに。」

え?高橋…?

「あんな風に言ってもらえるだけマシやでー。あっしはいくら待ったって何も
 言ってもらえんのに…。麻琴も吉澤さんに憧れてるならそこも真似して欲しいわ。」


「……高橋。」

「まーこれはあっしのグチなんですけどね。」

なんか悪いことしちゃったかな…ごめんね高橋。

510両思い:2005/02/27(日) 21:27:40

「まぁさーこんな感じでみんなそれぞれ悩んでるわけだし?梨華ちゃんも
 あんましネガネガしなくてもいーんじゃないのー。」

美貴ちゃんってなんだかんだ言いながら優しいんだよね。
でも、それって……。
「美貴ちゃんも悩みとかあるの?」

「んー? 何? 美貴には悩みなんてないとか言いたいのー?」

「あっ…そういう意味で言ったんじゃなくて…。」

「梨華ちゃん焦りすぎー(笑) わかってるって、そんなこと。
 まー一応答えると美貴もね悩むっていうか考えることはいろいろあるよ。」

なんか意外かも…美貴ちゃんたちって“自然体”って感じに見えるし。

「本当にたまにだけど、このまま亜弥ちゃんと付き合ってていいのかなー
 とか思うことだってないわけじゃないし。」

511両思い:2005/02/27(日) 21:28:40

「…そうなの?」
ビックリした。2人ってどこからどう見ても順調そのものだから。

「まあねー。 梨華ちゃんもたまに思うこととかってない?
 幸せすぎて怖いっていうか…いつか終わっちゃうなら今終わらせた方いいかなって。」

「うん…ある。」
そっか…美貴ちゃんも同じようなこと思ってたんだ。


「だからー2人とも贅沢なんやって。あっしなんて終わるどころかいつまで
 たっても始まりもせんやから。」

「「あっ!」」
ちょっとすねてる高橋に、美貴ちゃんと2人で目を合わせて笑う。

512両思い:2005/02/27(日) 21:29:56

「笑わんでやー。あっしだって好きでこんなんじゃないんやし。」

「「ごめんごめん…でも…プッ…」」
高橋に怒られてる麻琴のこと想像しちゃったら堪えることが出来なくて。
美貴ちゃんもそうなのかな?お腹を抱えて笑ってる。

「もー!」って高橋は怒ってるけど。

でも、最近の高橋ってすごくカワイイよね。
これってやっぱりなんだかんだ麻琴と上手くいってるってことじゃない。
高橋はこんな風に言ってるけど2人がくっ付くのも時間の問題だと思う。


「まっこんな感じで人それぞれいろいろあるんだから…って、ヤバイ…あはは。」

513両思い:2005/02/27(日) 21:31:08

「ちょっとミキティー(怒)」

「あはっ…はは…美貴なんてほとんど亜弥ちゃんのいいように操られてるんだ
 から、それよりはマシでしょ…って…あは…もうダメ…。」

なんか途中物騒なこと言ってた気もしないでもないけど…。
でもありがとね、美貴ちゃんも高橋も…なんかちょっと元気でたかも。


「とりあえずさーこれでも不満なら後は美貴がなんとかしてあげるからー。」
車を降りる前に美貴ちゃんがそう言ってくれた。

「ありがとう」って言って車を降りたんだけど、気のせいかな?
なんかちょっと怪しい笑みを浮かべてた気がするんだけど…。

気になって中を覗いたら2人で楽しそうに携帯を覗いてた。
(私の気のせいかな?)

でもさ、ちょっと!私まだここにいるのに…冷たくないかしら。

514スライム:2005/02/27(日) 21:37:07
更新終了。

一人空回りしている石川さん…。
人には厳しい藤本さん…。
そして出番は増えたけど悲しい高橋さん…。
三者三様ですが感想は……「福井弁ってわかりませんヽ(`Д´)ノウワァァン」だったりw


P.S とりあえず早くも次回ラストだったりします。

515203:2005/02/27(日) 22:21:46
更新お疲れ様です!石川さんってこんな感じがすっごく似合う(^▽^;)車の中の2人は何を企んでるんやぁw
わ〜いキリ番のリクエスト良いんですか?お言葉に甘えて、書けそうだったら甘い『小高』のお話希望です。
今日のハロモニにて「あ〜ん」って麻琴に食べさせてあげる愛さん。2人とも可愛過ぎw

516ゆう:2005/02/28(月) 01:55:35
更新お疲れ様です!!ツッコミは厳しいはずなのに、さりげなく優しいミキティ
大好きです!愛ちゃんもまこっちゃんとうまくいったらいいなぁ〜
っていったい二人は何を企んでるんだろう・・・気になるっ!!
>作者様、楽天のホーム開幕戦行くんですね〜私は、その日入学式なので行けません・・
うらやましいです!!いしよしの手つなぎばっちし見てきて下さいね〜!!

517スライム:2005/02/28(月) 22:47:25
惜しくも1番違いで30万ヒット逃しました…ちょっと残念。
ですが、今日も更新を。


>203様
 いつもありがとうございます!!
 リク了解しました。大丈夫ですよ〜多分書けるなぁって範囲内で安心しましたw
 ただ、作者の住む地域ではハロモニが約3週遅れなので、アップするまで少し
 お時間いただくと思います、すみません。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 入学式ですか? 作者も実はその日入社式があるのでまだ行けるかわからないのですが、
 何とか手つなぎ見れるよう祈ってみたいと思います。
 P.S 麻琴&愛さんは「小川さん〜」の続編で書きたいなと思惑中です。


それではラストまで一気に、本日の更新スタートです。

518両思い:2005/02/28(月) 22:49:55


仕事が終わって携帯を開いたけど珍しくひとみちゃんからのメールが来ていなかった。

(どうしたのかな? こういう時はいつも留守電かメールを入れておいてくれるのに。)
疑問に思ったけどとりあえず帰ったら連絡してみようと決め車に乗り込む。

明日の迎えの時間などを聞いてマネージャーさんと別れて。
マンションに入ろうとしたら、急に腕をつかまれた。

怖くなって必死に逃げようとしたけど後ろから聞こえてきたのは
「ちょっと、梨華ちゃん! あたしだって…。」ひとみちゃんの声だった。

安心して振り返ったのはいいけどそこに待ってたのは不機嫌顔のひとみちゃん。

「あ…ごめん……。」

「いや、こっちこそ驚かせてごめん。とりあえず中いれてくんない?」

「あ、うん…。」

なんかひとみちゃん怒ってる?
会えたのは嬉しいけど…でもどうして連絡もしないで急に来たんだろう。

519両思い:2005/02/28(月) 22:51:45


「あのさ、これってどういう意味?」

部屋に入って落ち着く間もなくひとみちゃんから差し出された携帯。
画面には受信メールが表示されていた。


【日時:12/20 15:05
 件名:警告メール!
 送信者:ミキティ

 本文:よっちゃんさんへ、美貴から一つ忠告です。
    梨華ちゃんのことしっかり捕まえておかないとヤバイよ〜。
    なんか欲求不満らしいから(笑)浮気されないように気をつけて!!
  
    んじゃー、また明日事務所でね。
    修羅場になんない程度に頑張ってねー。  川釻v釻从       】

520両思い:2005/02/28(月) 22:53:34

ちょっと、何よこれ!!

しかもこれって私が車を降りた時間じゃない。
もしかしてあの時2人でこんなの作ってたわけ?

って、そんなことよりも今は……。

「あっ…あの…違うの、これは…浮気なんてしてないからね。」

もう!美貴ちゃんってばぁ…こんなの逆効果じゃない。
これでひとみちゃんに嫌われたらどうするのよー。

「んー、まぁそれはミキティのイタズラだとは思ってたけど。」

「えっ?」

ひとみちゃんの口から出たのは意外な言葉。
えっと…じゃあ何に怒ってるの?

521両思い:2005/02/28(月) 22:54:48

「最近梨華ちゃんちょっと様子おかしかったからさ、本当に悩みがある
 なら直接言ってもらいたかったなと思って。付き合ってるんだし、いつも
 一緒にいるわけじゃん? こういう形で聞かされるのはちょっとね……。」

「あ……ごめんなさい。」

「いやいや、こっちこそ気付かなくてごめん。梨華ちゃんと付き合えるなんて
 思ってなかったからさ、ちょっと浮かれてたよ。これからはもっと気をつける
 けどさ、ほらあたしってそういうの鈍いじゃん? だからー何かある時は梨華
 ちゃんの方からも言ってくれると嬉しいんだけどなー。」

照れてるのを隠すためかな?顔が見えないくらいぎゅーっと抱きしめられた。


「…うん。でも、もういいの。」
「へっ?」

522両思い:2005/02/28(月) 22:56:00

「あのね、ひとみちゃんっていつも“好き”って言ってくれるでしょ?
 だから私ちょっと欲張りになっちゃってたみたい…ごめんね。でも、
 ちゃんと大切にしてくれてるってわかったから、だからもういいの。」

抱きしめられてる腕の中で聞こえるひとみちゃんの鼓動。
付き合ってけっこうたつのに今もこんなにドキドキしてくれてる。

ごめんね、そんなことにも気付かなくって。
自分のことばっかりでちゃんと前が見えてなかったね、私。


「そっかー。じゃあこれはいらないかなー?」
ポケットから取り出された小さな箱。

「開けてみて!」って渡されたから開いてみるとなかには小さな指輪が一つ。

シンプルなんだけど私の好きなピンクが取り入れられてるかわいいもの。

523両思い:2005/02/28(月) 22:57:59

「えっ…これ……」

「今日さー早く終わったから帰りに買ってきたんだ。あっ別にミキティのメール
 見て焦ったとかじゃないよ…前から渡したいと思っててさ。ちょっと早いんだ
 けどクリスマスプレゼント!これでさ、別の仕事の時とかも一緒だよ………
 って、ちょっとくさかったかな(照)。」

「ううん……でも、いいの?」

「もちろん! あーでも…これで梨華ちゃんがもっとあたしのこと頼って甘えて
 きてくれたら嬉しいかなーなんて。」

「…ありがとう。」

「えへへ。でもさ、あたしももうちょい梨華ちゃんに甘えちゃっててもいいかな?」
「うん。」

もう、ひとみちゃんったら…あいかわらずなんだから。
でも、ひとみちゃんもちゃんと私のこと考えててくれたんだね。
そういうのはすごく嬉しいかも…。

あ!でも……。

524両思い:2005/02/28(月) 22:59:30

「ねぇ、ひとみちゃん?」

「んー?」

無事に悩みは解決したんだけど、新しい問題に気付いちゃった。
私まだひとみちゃんにあげるプレゼント用意してなかったんだ。

「あのね、私まだプレゼント買ってなくって……。」

「あー、いいよいいよ、そんなの別に。ひーちゃんは梨華ちゃんと一緒に
 いられればそれだけで十分です。」
ってひとみちゃんはおどけてるけど、そういうわけにもいかないよね。

「でも、私もひとみちゃんに何かあげたいもん…。」
「んー、じゃー…あー…でもなー……。」
「何?何でもいいよ?私に出来ることなら何でも言って!」

こんなに素敵なプレゼントを貰ったんだもん、私だってひとみちゃんが
喜んでくれるようなものをあげたいし…。

525両思い:2005/02/28(月) 23:01:07

「あー…まぁ、これは梨華ちゃんにしか無理なんだけどー…」

「???」


「んっとね、じゃあ…梨華ちゃんが欲しい!」

耳元で囁かれたのはそんな甘い言葉。
それって…やっぱりそういうことだよね?

「あははー。ミキティのメールじゃないけどさー、あたしの方がちょっと
 欲求不満気味だったり?……なーんちって……って、梨華ちゃん?」

照れ隠しでもっと恥ずかしいことを言っちゃってるひとみちゃん。

526両思い:2005/02/28(月) 23:02:25

「も、もちろん梨華ちゃんが嫌ならいいからねっ。もしだよ?もし良かったら
 って話だからね?だから嫌ならいいんだよ?無理はしないでね?」

うふふ、ひとみちゃん焦っちゃってる…かわいいなぁ。

「うん…でもね、私ももう一個だけ欲しいものっていうかお願いがあるの…」
「ん?何?何でも言って!」
「あのね………(コソコソ)」

私が耳元に囁き返した言葉でひとみちゃんは真っ赤っか。

「う、うん…頑張ります……(照)」
ってキョロキョロしながら答えるのが精一杯みたい。

527両思い:2005/02/28(月) 23:04:33


それから4日後。

イブから聖夜にかわる瞬間。
「「メリークリスマス!!」」って言いながらキスをして。
その後はひとみちゃんが欲しがっていたものをあげた。
(もちろんそれだけっていうのもアレだから、他のプレゼントも用意したけど。)

ひとみちゃんもね、私のお願いを聞いてくれたから………。
その日は今までにないくらい幸せな、最高な一日だった。


P.S
(;^▽^)<恥ずかしいから私のお願いは内緒です(照)。


  End

528スライム:2005/02/28(月) 23:09:34
更新終了。

初めてオチを決めずに見切り発車した今作ですが、当初のテーマと若干外れて(?)
かなり軽い感じに仕上がってしまいました。
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです。すみません・゚・(ノД`)・゚・。

小川編・藤本編も続編を予定しているのですが、こちらもまだまだ構成段階でして、
おそらく次回はつなぎにちょっとした短編をアップすると思います。


それでは、今回もお付き合いいただきありがとうございました!!

52935:2005/02/28(月) 23:49:05
梨華ちゃんのお願いが気になって×2朝も起きられなくなりそうです(ヲイ)
やっぱミキティの毒舌&ラブリーのさりげない毒舌は最強ですな(^^;)
今回もおいしく・・・ではなく楽しく拝見させていただきますた。

>次回はつなぎにちょっとした短編をアップすると思います。
本当に菓子折りを届けたくなるくらいの更新をいつもありがとうございます。
そしてお疲れ様です。
無理せず頑張ってくださいね。

530前274:2005/03/01(火) 00:28:09
更新アンド完結お疲れ様です。
梨華ちゃん、贅沢な悩みだったのね・・
あ〜・・私も梨華ちゃんのお願いごとが気に
なって・・作者さま、ヒント下さい(笑)

531ゆう:2005/03/01(火) 01:29:16
更新&完結お疲れ様です!!
いや〜甘いですね〜ちょっと読んでるこっちが恥ずかしくなりました(笑)
私も皆さんと一緒で梨華ちゃんのお願いが気になってます(笑)
次回も楽しみにしてますね〜!!


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