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初めてスレ立てます

1スライム:2005/01/23(日) 22:57
初めまして!スライムと言います。

ずっとROM専だったのですが、自分でも書いてみたいと思ってスレたてさせていただきました。
つたない文章ですが、よろしくおねがいします。

322ゆう:2005/02/16(水) 14:48:42
更新お疲れ様です!!新作きましたね〜!!!
登場人物を予想しながら読んでました。
作者さまの新しい作品を読めることを嬉しく思いながら更新待ってます!!

323203:2005/02/16(水) 18:49:15
新作良いですね〜♪脳内で勝手に人物を決めちゃって読みましたw
ウキウキが止まらない・・・可愛過ぎますo(^-^)o
気にしないで下さいね。>片思い番外編。気長に待ってますので。
作者さまのペースで頑張ってください。まったりついて行きますので!?

324前274:2005/02/17(木) 00:15:44
更新お疲れさまです。
新作、楽しみです。題名がドキドキ感がありますね!
更新ワクワクしつつ、ゆっくり待ってます。

325スライム:2005/02/17(木) 00:16:26
日付が変わってしまいましたが、今日も更新です。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 登場人物…この後の更新で早くも明らかになっちゃうんですがw当たってましたか?
 私なんかの作品を待っていただき、とても感謝感謝です♪
 (#0´〜`(^▽^#)<ありがとうございま〜す(はぁと)

>203様
 いつもありがとうございます!!
 新作の方も喜んでいただけて良かったです。しかもしかも作品の順番についても
 温かいお言葉をいただき…感激で泣きそうです・゚・(ノД`)・゚・。


それでは、本日の更新を始めます。

326スライム:2005/02/17(木) 00:22:10

と、その前にもう一つレスのお返事を。

>前274様
 毎回のレスありがとうございます!!
 題名の謎については…ちょこっと引っ張る予定です(もちろんラストまでには明らかに
 なりますがw)。それまでドキドキとワクワクを持続していてもらえるように
 頑張りますねっ。


それでは今日の更新スタートします。

327秘密:2005/02/17(木) 00:24:30


次の日目が覚めたら自分でも驚いちゃった。
(こんなに爽やかに起きたのって久しぶりかも。)

そしたらなんかとっても嬉しくなってベッドを出るのも億劫じゃない。

「そうだ!目覚めのコーヒーでも飲もうかなっ。」

いつもは紅茶派な私がコーヒーなんて選んだのはお兄さんの影響かな?
あれ?でも……
「えー。お豆切れちゃってるじゃなーい。」

せっかくのいい気分が台無しになったみたいでブルー。


あっだけど、これって。

328秘密:2005/02/17(木) 00:25:44

「お兄さんの所に行っちゃおうかな?」

さっそくお店に出向く口実を見つけた私は子どもみたいにはしゃいでて。
何に喜んでるのかわからないけどすごく楽しんでいる。
(うふふ、日曜の朝にお出かけなんて久しぶりかも。)



その時の私はどうかしていたんだと思う。

昔のことを忘れて子どもの頃に戻ったみたいに…
ただただ久しぶりのドキドキに身を任せていた。

329秘密:2005/02/17(木) 00:26:51


カランカラン。

「いらっしゃいませ! って、あれ?」
「こんにちは!」

「あ、あの昨日の方ですよね? 来て下さったんですか?」
「お豆切れちゃったから…」

「そうですか。それならこちらからお選び下さい。」
そう言って案内してくれるお兄さんは昨日と変わらない笑顔。

なんだろう、なんだかほっとする。

「じゃああれをください。」
そう言って私が指差したものを袋に詰め込むお兄さん。

気のせいかな?私が頼んだよりも多い気がするけど…。

330秘密:2005/02/17(木) 00:28:42

「はいっ。」

「あ、でもこれ、ちょっと多かったんじゃあ…」

「初回サービスですよ!そのかわりまた来てくださいね。」
そういって変わらずにこにこ微笑むお兄さん。

昨日からこの笑顔に癒されっぱなしかも。
「…ありがとうございます。必ずまた来ますから。」

「あはは、そんなにかしこまらなくていいですよ。
 それより今お時間とかってありますか?」

「え?」

「良かったらコーヒー飲んでいきませんか?
 ちょうどお客さんいなくて暇なんですよね。」

うふふ、もうちょっと癒されちゃおうかな。

「はい。」 
そう言って用意された椅子に腰掛ける。

331秘密:2005/02/17(木) 00:29:54

「はい、どうぞ!」

お兄さんに出されたコーヒーはすごくいい香りがして。
また一つ嬉しいことがありましたって感じ。

「あ、すいません。なんかさっきからいろいろしてもらっちゃって…。」

「いえいえ、お客さんとは仲良くしていたいだけですから。
 それに僕の暇つぶしの相手になってもらうわけですし。」

お兄さんはあの優しい微笑をちょっと崩したかと思うと、
いたずらっ子みたいにクシャッと笑った。

そのギャップにちょっとドキっとなんかしちゃったりして。

「それじゃあ、遠慮なく。」
そんな風に言いながら私もクスッて微笑み返した。

332秘密:2005/02/17(木) 00:31:04

あ!だけど、そう言えばまだ名前を聞いていなかった。

“お兄さん”でいいのかな? それとも“マスター”?
どっちがいいんだろ? 聞いてみようかな。

「あのぉ、“マスター”なんですよね?」

「へ?あっ、はい。でもなんか照れくさいですね…そんな
 風に呼ばれることあんまりないんで。」

「でも…それなら何て呼んだらいいですか?」
まさかずっと“お兄さん”なんて呼ぶわけにもいかないしね。

「そうだなぁ…常連さんには“よっすぃー”とか“よっちゃん”
 なんて呼ばれてますから、それでいいですよ。」

333秘密:2005/02/17(木) 00:32:25

「よっすぃー?」

「はい。名前が吉澤なんですよ。だから“よっすぃー”。
 あっ“よっしー”じゃなくて“よっすぃー”ですからね。
 ここポイントです(笑)」

なんだかとってもおもしろい。お兄さんはおもしろい人だったんだね。
そっか…“吉澤さん”で“よっすぃー”…えへへ、なんかかわいいね。

「じゃあ“よっすぃー”って呼ばせてもらいますね。あっ私は、えっと
 石川です、石川梨華。あだ名とかは特にないんですけど……。」

よっすぃーのことだけ聞いておいて自分のこと言ってなかったから
慌てて自己紹介をする。でも、呼び名なんて聞いてないかなぁ…。

「石川梨華さんですね。あっ、梨華ってかわいい名前ですね!
 それと僕には別に敬語じゃなくてかまわないんで。適当に
 話しやすい言葉でいいですから。」

「え?でも…」
本当にいいのかな?昨日知り合ったばかりなのになぁ…。
なんか馴れ馴れしいとか思われないかなぁ…。

334秘密:2005/02/17(木) 00:33:47

「その代わり、僕も“梨華ちゃん”って呼んでいいですか?」
「へっ?」

「あ、嫌ならいいんです。すいません、馴れ馴れしくて…。」
あっ、よっすぃーちょっとへこんじゃったかも。

「ううん、いいんです。じゃなくて、いいの! それより
 私のほうこそこれからもよろしくね、よっすぃー。」

「はい!もちろんです。」


それから私たちはいろいろな話をした。

よっすぃーは私より1つ年下の24歳。実家は埼玉の方らしいんだけど、
高校を卒業して東京に出てきて…2年前に前のオーナーからこの店を
譲り受けるまでは、いろんな仕事を転々としてたんだって。

(何か意外かも。よっすぃー真面目そうに見えるのにな…)

335秘密:2005/02/17(木) 00:35:12

「梨華ちゃんはもともとこの辺の人なんですか?」

「えっ? 私?」
よっすぃーのことばかり考えていたから、ちょっとびっくりしちゃった。

でも、そうだよね。私のことも話さなくちゃね。

「私も元々はこっちじゃないよ。神奈川の…横須賀って分かる?
 そっちなんだけど、こっちの大学に来たくて上京してきて、
 そのままこっちで就職しちゃったんだ。」

ちょっとだけ隠し事しちゃったけど、別にいいよね?
嘘ついてるわけじゃないし、それに本当のことなんて言えないもん…。

336秘密:2005/02/17(木) 00:36:48

「へぇ〜。大学って?」

「あ、うん。朝比奈女子って分かる?そこの経済学部。」

「うわっ朝比奈女子ってめちゃめちゃレベル高いとこじゃないですか!
 すっげー、梨華ちゃん頭いいんだー。かっけー。」

「あははは、よっすぃー驚きすぎだよぉ。それにそんなたいした
 ことないってば。」

「いやいや…あっ!そうだ。うちの常連さんにもう一人朝比奈女子
 出身の人がいるんですよ。その人も経済だったとか言ってたかも。
 今度来た時にでも紹介しますね。」

「うん。」

337秘密:2005/02/17(木) 00:38:02

昨日よっすぃーと知り合って、また今度新しく知り合いが増えるかもしれない。

就職してから友達なんて作ってこなかったから不思議な感覚だけど。
(でも、よっすぃーの知り合いならいい人だよね?)

知り合ったばかりの、目の前にいるこの優しいお兄さんは、ずっと
心を閉ざしていた私の扉を開くように、たくさんの暖かい風を送り
込んできてくれる。

(少しくらいならときめいちゃってもいいかな?)


決して恋には発展させないから。
新しく見つけた私の休息の場所を無くすようなことはしないから。
だから、もう少しここで癒されてもいいかな?
私の痛みを、強がりをここで洗い流してもいいかな?

338秘密:2005/02/17(木) 00:39:06


結局あの後すぐに他のお客さんが来て、それからぞろぞろたくさんの人が
来ちゃって忙しくなったから、私は「ありがとう。」ってお礼を言って店を
後にした。


だけど、またすぐにここに来ることになると思う。

「先輩のこと紹介してもらわなきゃだしね。」

本当はお店に来るのに理由なんて必要ないはずなんだけど、
だけど、またここに来る理由を見つけて私は微笑みが止まらなかった。

339スライム:2005/02/17(木) 00:41:54
更新終了。

とりあえず、主役は石川さんです。
(皆様、予想は当たりましたか? というか、バレバレでした?w)

340ゆう:2005/02/17(木) 19:02:16
更新お疲れ様です!!予想は正解でしたぁ〜(笑)
でも一番大好きなCPなので嬉しかったです!!
よっすぃーがマスター想像しただけでも格好良過ぎっ!!
続きがとても楽しみです!

341スライム:2005/02/17(木) 22:46:37
今日もサクっと更新です。

>ゆう様
 いつも本当にありがとうございます!!
 予想当たってましたか!?(おめでとうございますw)
 作者も一番好きなCPなのですが、ここ3作品ちょっと他CPに浮気しちゃってた
 のでw今回は気合入れなおして書いております。


それでは、本日の更新始めます。

342秘密:2005/02/17(木) 22:48:42

あれから私は時間を見つけてはよっすぃーのお店に通った。

休日は必ずここに来てたし、仕事の合間にも時間があればここに来ていた。

まだ、例の先輩には出会えてなくて、よっすぃーはいつも
「すいません。忙しい人だから…そのうち来ると思うんですけど。」って
申し訳なさそうにしていたけど、私はそのことをそんなには気にしていなかった。

確かにその人には早く会ってみたかったけど、他にもたくさん心を許せそう
な人をよっすぃーに紹介してもらっていたから。



「いらっひゃいませ!」

この子もその中の一人。

343秘密:2005/02/17(木) 22:50:20

ののちゃんって言って近所に住む専門学生の女の子。

学校が忙しいみたいで毎日はいないんだけど、休日とか忙しい時には必ず入って
くれるアルバイトの子で(アルバイトって言うより“小さなお手伝いさん”って
感じだったりするけどね)。

元々は高校生の頃、年配だった前のマスターの下でアルバイトしてたらしいん
だけど、よっすぃーがマスターになってアルバイトを雇わなくても仕事は一人で
なんとかこなせるようにようになったことと、本人が高校を卒業して忙しくなった
ことから一旦はバイトを辞めたらしいの。

だけど、それからも忙しい時は手伝いに来てくれる優しい子だから、よっすぃーも
感動して“暇なときにでも、好きな時に来て好きな時間働けばいい”って条件で
アルバイトに戻ってもらったらしい。

それって普通に考えたらありえない感じだけど、のほほんとした雰囲気をかもし出す
この子にはピッタリなのかもね。

344秘密:2005/02/17(木) 22:52:18


「梨華ちゃん、今日も来てくれたんれすね?」

「うん。席空いてるかな?」

「えっと、ちょっと待ってくらさい。あっあそこが今空きますから。」


「おじちゃん、いつもありがとうなのれす。」
って、ののちゃんスマイルに送り出された佐藤さん(この人も常連だから
いつの間にか私も覚えちゃった)がさっきまで座ってた席に案内される。


「ごめんね、今よっちゃん出かけてるんれす。いつものでいいれすか?」
「うん。ねぇ今日あいぼんは?」

なんだぁ、よっすぃーいないのかぁ…。
それはちょっと残念だけど、ののちゃんがいるし、きっとあいぼんもいる。

345秘密:2005/02/17(木) 22:54:04

あいぼんというのはののちゃんの親友で。

ののちゃんがアルバイトを始めた時に心配だからって一緒に着いて来て、
「あぁ、もう、ののはほんまにぃ」なんて言いながら手伝ってくれたりしたらしい。

で、その働きぶりがあまりにも優秀だから前マスターもよっすぃーもアルバイト
をしないかって誘ったらしいんだけど、「うちはののと違って忙しいから無理や。」
って断られたんだって。だけど、ののちゃんがアルバイトに入っている時は必ず
あいぼんも一緒に来てて、忙しい時は仕事を手伝って、暇そうな時はカウンターの
端っこで「うちは文学少女やから。」って読書をしているらしい。

(ちなみにアルバイト代はもらってなくて、本人曰く「うちはボランティアしてるんや。
 感謝しとるんやったら飯でも食わせてくれや!」って、ご飯と食後のコーヒー、
 それからお土産にコーヒー豆を貰って帰るんだって。)

あいぼんはちょっと口が悪くって、「なんやぁ梨華ちゃん、日曜なのにデートする
相手もおらんのかぁ…」なんて憎らしいことも言ってくるけど、だけど根はとっても
優しい子なの。

この子も私がここで出会った大切な人の一人。

346秘密:2005/02/17(木) 22:55:51

「あいぼんならよっちゃんに付き合って一緒に出かけたれす!」

「そっかぁ…ののちゃん寂しいね。」

「はい。れも、梨華ちゃんが来てくれたし、それに福田さんも今井さんも……
 みんなが来てくれたから大丈夫れす。」
そう言って常連さんの名前を一人ずつ挙げていくののちゃん。
本人は真剣なんだろうけど、その姿がちょっとおかしい。

他のみんなもそうなんだろうね、ののちゃんのこと見て笑ってる。
だけどきっとみんなそんなののちゃんが大好きなんだね、ののちゃんがいないと
「何だ今日はいないのか…」って残念がるお客さんもいるし、私もそんなのの
ちゃんを見ていて暖かい気持ちにさせられるもの。

347秘密:2005/02/17(木) 22:57:37


「ふぅ…やっとゆっくり出来ますねぇ。」

あれからもお客さんが途切れることはなくて、1時間以上たって
やっと落ち着いてきたみたい。

まだまだお豆を買いに来る人はぽつぽついるけれど、カウンターに座ってのんびり
しているのは私一人。

「こんなに忙しくなるんれしたら、あいぼんにもいてもらうんれした。」

「そう言えば珍しいね、あいぼんまでお出かけなんて。」

「はい。なんか今日は荷物が多いらしくて、よっちゃん一人れは大変らしいれす。」

「そっかぁ…あいぼんにもお土産あるんだけどなぁ…。」

「お土産!! 食べ物れすか?」
もう、ののちゃんったら。
お土産って言った途端目がキラキラしちゃってるよ。

348秘密:2005/02/17(木) 22:59:20

「うん。昨日ね、出張で仙台に行ったからそこでお菓子買ってきたの。
 みんなに食べてもらいたいなぁって思って。」

「お菓子れすか? きっとあいぼんたちはまら来ないから先に開けましょう!」
ののちゃん…いつもは仲良しなのに、食べ物がかかると変わるのね…。

「う〜ん、まっいっか。でもちゃんと2人の分も残しておいてね。」

「もちろんなのれす。てへへ、嬉しいなぁ。
 らから梨華ちゃん大好きなのれす!!」
嬉しいけど複雑だなぁ…(なんか食べ物の方が私より大事みたいじゃない!?)

私がそんなこと考えてる間にもののちゃんの手と口は休みなく動いている。
(本当に大丈夫かなぁ…なんかもうなくなりそうだけど……。)

349秘密:2005/02/17(木) 23:01:12


「ただいまぁ!今帰ったでー。」

あっあいぼんたち帰ってきたのね。
「おかえりー。あいぼん、お疲れ様! お土産のお菓子あるから食べてね。
 って、あれ? よっすぃーは?」

「ああ、よっちゃんならそこでおばちゃんに捕まっとるわ。」
おばちゃん?

「って、なんやのの土産もう残ってないやんかぁ!」

「(モグモグ)…あっあいぼんお帰りなのれす。えっと、2人の分はちゃんと
 残してあるから大丈夫れすよ…(モグモグ)。」
ののちゃん…お菓子に夢中であいぼんのこと一瞬忘れてたでしょ?

それに残してるって言っても、もう半分以上ないじゃない……。
それ15個入りだったよね? あと5個しか残ってないけど…。

「まぁええわ。ののが大食いなのは今に始まったことやないし。
 それによっちゃんは1個あれば十分やろ。」

あいぼん…ののちゃんには甘いけど、せめてよっすぃーに2個はあげようよ。
「…………。」

350秘密:2005/02/17(木) 23:03:13

「ただいまー!あっ梨華ちゃん来てくれてたんですね?」

大荷物を抱えたよっすぃーと、その後ろには……誰?
「あ、うん。えっと……」


「ったく、吉澤!早くあたしのこと紹介しなさいよ!」
私が不思議そうな顔で見ていたその人がよっすぃーに助け舟をだしている。

「あっ!はい!すいません。 えっと、この人が前に言ってた梨華ちゃんの
 大学の先輩っていう人で、保田さん。 で、こっちが石川梨華さん。駅の
 近くの○○商事に勤めているOLさんです。」

「へぇ〜○○商事なんだ、うちの取引相手じゃない! 何課なの?」

「はい、あの、企画課です。えっと、取引先って?」

「企画課って、もしかして中澤さんって人の下だったりする?」
ちょっと興奮気味の保田さん……あの、私の質問は…。

351秘密:2005/02/17(木) 23:05:05

「って、ごめんごめん。あたしは△△コーポレーションの企画で働いててさ、
 ○○とはけっこう一緒に仕事させてもらってるから。」

「そうなんですか?私も今度から△△さんとのプロジェクトに参加するんです!」

「え?もしかして、六本木のイベントのやつ?」
「はい。あの、もしかして…」

「あたしも参加してるのよ!というか、あたしがそれのリーダー!」
「本当ですか? すごい偶然!」

「まったく。ま、とりあえずそっちも含めてこれからよろしく!」

「はい。こちらこそよろしくお願いします。」

352秘密:2005/02/17(木) 23:06:58


「おばちゃん、何でもいいけど、そこ邪魔やで!」

あいぼんに言われて私たちは初めて気づいたんだけど、よっすぃーがカウンター
に入れなくて立ち往生してる。
(ごめんね、一瞬忘れちゃってた…。)

「吉澤、いつまでぼーっと突っ立てるのよ!早く入りなさい!ったく、もう。
 キリキリ行きなさい、キリキリ!!」
「…はぁ。」

「おばちゃん、強引やなぁ。」

「加護!なんか言った?」

「いえいえ、何も言うてませんよ〜。」

353秘密:2005/02/17(木) 23:09:20

「あいかわらず、生意気なんだから…しょうがないわねぇ。」

「うわっ!おばちゃんくさっ。気ぃつけた方いいでー、もう若くないんやし。」
「何よ!あたしはまだ20代よ!」
「はいはい…そうでしたなぁ、ほなすいません。」

「きーぃ!加護ぉ(怒)」

「おばちゃんが怒ったれす。」

「辻もかー(怒)」

保田さんをからかい続けるあいぼんとののちゃん。
怖そうな人かなとか思ったけど、そんなことないのかも。


「あぁ梨華ちゃん、気にしなくていいですから。」
「え?でも…いいの?」
「はい。いつものことですから。」

いつもって…保田さん、いつもこんな扱いなのね。なんかちょっと可哀相。

354秘密:2005/02/17(木) 23:10:54

「それよりも、あれって?」
よっすぃーの視線の先には私が買って来たお菓子の箱。

「あ、うん。出張に行ったからお土産買って来たんだけど…。もう
 ほとんどないね。」

「あはは、これもいつものことですから。」
「そっか。次はよっすぃーの分は別に買ってくるね。」

「そんなのいいですって。僕は気持ちだけで十分嬉しいですから。」

えへへ、私もよっすぃーがそう言ってくれるだけで嬉しいんだけどね。
次は絶対よっすぃーには別に買ってこよっと。

あ、あいぼんもかわいそうだから、今度はもっと多いのにしなくちゃね。

355秘密:2005/02/17(木) 23:12:27

「それより、梨華ちゃんおかわりいいですか?」
「え?」
ののちゃんとのお喋りに夢中だったから気づかなかったけど、カップの中は空っぽ。

「僕も梨華ちゃんと話したいし、ゆっくりしてってくださいよ。」

あ!今のちょっと嬉しいな。
「うん。」

「それに、梨華ちゃんいないと僕が大変ですから。」
そう言ってよっすぃーは私に目で合図をしてきた。

パッと横を向いたら未だにキャーキャー言ってる3人。
保田さんむきになってる…意外と無邪気な人なのね。

356秘密:2005/02/17(木) 23:14:36


「ちょっと!何2人の世界つくってるのよ。あたしのこと助けなさいよ!」

「「…すいません。」」
2人の声がハモる。

「なんやぁ、2人仲ええのー。」
「ほんとなのれす。ハモってたのれす。」

「ほんとに、あんたたちまでー。」

「「…はぁ。」」


今日新しく出会った先輩もやっぱりいい人だった。
ちょっと強引かな?って思う時もあるけど、でも、なんていうんだろ?
口調とは逆にすごく暖かい空気を持っていて。
包容力って言うの?あんな感じ。 すごく頼れて、安心させてくれる人。

357秘密:2005/02/17(木) 23:16:35


東京に出てきて、こんな暖かい場所にも人たちにも出会えると思ってなかった。
殺風景な都会でただ毎日を淡々と生きていくだけ。
目的なんてなくて、見えないゴールを求めてひたすら走っていた。

だけど、ちょっと休憩して、ほんの少し横を向けばこんな素敵な所が待っていたんだね。
後悔なんてしたって仕方ないけど、だけど……
もう少し早く出会えていればこんなに臆病にならなくてすんだのかな。


よっすぃーに惹かれていることには自分でも気づいている。
会う度にその思いが強くなっていることにも気づいている。
だけど、やっぱり怖いんだよね…。
また同じなんじゃないかって…。
受け入れてなんてもらえないんじゃないかって…。
失うことを恐れて動き出すことも出来ない。

358スライム:2005/02/17(木) 23:18:51
更新終了。

とりあえず新しいキャスト登場。
予定としてはあと2〜3人くらい出すつもりです。

35935:2005/02/18(金) 00:05:53
新作キテタ――(°∀°)―――!!!

なんか暖かい空気がこっちまで伝わってくる感じです♪
そして圭ちゃん最高です(w
梨華ちゃんの過去を気にしつつ続きを待ってます(^^)

360前274:2005/02/18(金) 02:29:04
更新お疲れ様です!
だんだんにぎやかな顔ぶれが揃ってきましたね。
二人の距離が少しづつ・・って感じでワクワク♪
(更新が早くてすご〜く嬉しいのですが、
風邪など、気を付けて下さいね)

361203:2005/02/18(金) 10:59:51
2日分まとめて読んだらお腹いっぱいれすw更新お疲れさまでした♪
ほんとに登場人物のキャラが嫌味が無くって、会話のやりとりが暖かくて良いですね。
自分はいしよし(&小高w)ファンなのでこのお話まったりと楽しんでいます。
よっすぃ〜が梨華ちゃんの過去を癒してくれるのかなぁ・・・。

362ゆう:2005/02/18(金) 19:23:21
更新お疲れ様です!!読んでて雰囲気がすっごく暖かくて大好きです!
梨華ちゃんの思いがいつかよっすぃーに受け入れられる様になったらいいな〜

363スライム:2005/02/19(土) 01:24:24
飲み会帰りに全力疾走したら大変なことになったスライムですw(ちなみに今は元気ですので、はい。)
帰宅後、録画していたMステとリアルタイムPJにがっついてたら来るの遅くなりました。

>35様
 いつもありがとうございます!! 新作の方も宜しくお願いしますね。
 圭ちゃんはずっと出したかったのでやっと使えて作者もハッピーだったりします。
 でも、まこっちゃん同様扱いのほうは……(笑)
 梨華ちゃんの過去は徐々に?明らかになります。

>前274様
 いつもありがとうございます!!
 登場人物はもうちょっと出る予定なので、今までよりにぎやかにはなるかもしれませんね。
 ちなみに出演予定の1人はまだ言えない人で、もう一人は今回出ま〜す。
  p.s 風邪気をつけますね、ありがとうございます。 

>203様
 いつもありがとうございます!!
 キャラを褒めていただけるのは本当に嬉しいです(まだまだ試行錯誤中なので)。
 実はまこっちゃんの相手役を初めコンコンにするつもりだったのですが、愛ちゃんに
 しておいて良かったですw あっちなみにコンコンの相手もいつか登場します。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 暖かいですか?良かった〜。実は今回はちょっとだけシリアスになるかもなので、
 その緩急が難しかったり…好きと言っていただきホッと安心できました。
 梨華ちゃんの思い…幸薄な梨華ちゃんも好きだし、幸せそうな梨華ちゃんももちろん
 好きな作者だったりするので…もうちょっぴり内緒です♪w


それでは、遅くなりましたが本日の更新始めます。

364秘密:2005/02/19(土) 01:26:54


よっすぃーのお店で皆と知り合い、楽しい時間を過ごすようになって。
いつの間にか忘れてしまっていたのかな…。

私は知っていたはずなのに。それを一番恐れていたはずなのに。
望まなければ、期待しなければ、たとえ手に入らなくても悲しくなんてならないことを。
手に入れなければ失うことに傷つき涙する必要なんてなくなることを。


会社からの帰り道のことだった。

仕事が忙しくて全然時間がとれなくて、よっすぃーのお店にも行けてなくて。
自分の中で溜まったいろんなものを吐き出したくて。
ちょっとだけ早く帰れることになった日に、向かったのはよっすぃーのお店。
(まだ開いてればいいけど…。)

とにかくあそこに行きたかった。よっすぃーに会いたかった。

バスを降りてちょっと足早に歩く。
1歩、また1歩…よっすぃーの笑顔に会うために。

365秘密:2005/02/19(土) 01:28:30

だけど、よっすぃーと知り合ったあの公園まで来た時。

私は見てしまった。

暗くなった公園で抱きしめあっているカップルを。

初めは別に何とも思わなかったけど。
だけど、なんかひっかかるものがあって。
もう一度振り返って、そして気付いた。

栗色の髪の女の子を抱きしめている男の人が、よっすぃーだということに。


頭の中が真っ白になった。
足が動かなくて、その場に立ちすくんだまま2人から目を逸らせなくて。

366秘密:2005/02/19(土) 01:29:59

しばらくして女の子がよっすぃーから離れて。
2人は親しげに何かを話していて。
別れ際に女の子がよっすぃーの頬にチュッとキスをして、そして去っていった。

よっすぃーは照れくさそうに頭をかいて、それでもその子が大通りに出るまで
ずっとその後姿を目で追っていた。

その子が見えなくなるとよっすぃーは振り返って、こっちに向かって歩いてくる。
(どうしよう、このままじゃ気付かれちゃう。)

あんなに会いたかったはずの人なのに、今は一番会いたくない人。

動かない足を無理やり動かして、物陰に隠れるようにして。
立ち去るよっすぃーの後姿をずっと見ていた。

そう、さっきよっすぃーがそうしていたのと全く同じようにして。

367秘密:2005/02/19(土) 01:31:20

やっとよっすぃーが公園からいなくなったけど、それでも足が動かない。

(彼女いたんだ……)
頬をつたう冷たいものに気付いた。

だけどそれを拭うことすらできなくて、
(そうだよね…あんなに素敵な人だもん。彼女くらいいるよね。
 それにあの子キレイだった…)ただ泣き続けるだけだった。


その後どうやって家まで帰ったのか思い出せない。

とにかくショックで…立ち直れなくて…。
どれほどよっすぃーのことが好きだったのか思い知らされた。

(バカだよね、失恋して気付くなんて……)

368秘密:2005/02/19(土) 01:32:29

押えていたつもりだった。踏み込まないはずだった。

2度と傷つきたくなんてなかったから、恋なんてするつもりなかった。
だけど、もう遅い。

私はよっすぃーのことをどうしようもなく好きになって、そして今
どうしようもないほどに傷ついている。


よっすぃーと出合って。あいぼんとののちゃんと知り合って。
いろんな人と話して。保田さんとも仲良くなって。

せっかく築き上げてきた暖かい居場所だったけど。
開きかけていた扉にもう一度鍵をかけなくちゃ。

(もうあそこには行けないなぁ…)

369秘密:2005/02/19(土) 01:33:30


結局その言葉通り。

1ヶ月近く立つけど、あれからよっすぃーのお店には行っていない。
偶然会ったりしても辛いから、ちょっと回り道だけど通勤路も変えた。
順調にいくはずだった。  元に戻るだけだったから。
よっすぃーと出会う前に戻るだけなんだから。


だけど、あの優しい日々は私を解放してはくれないらしい。

動き出したプロジェクトで再会した保田さんに、
「あんた最近店行ってないらしいけど、忙しいの?」そう問い詰められたから。

370秘密:2005/02/19(土) 01:34:27

「はぁ…。」
返せるのはにわか返事だけ。

だけど保田さんはしつこく聞くようなことはしなくて。
「まぁ忙しいなら仕方ないけどさ。あんた、ちょっと痩せたんじゃないの?
 何かあるなら話聞くし。少し休んだ方がいいんじゃない?」

「…大丈夫ですから。」

「そう、それならいいけど。 あ、これあたしの携帯。仕事のことも
 あるし、かけてきなさいよ!」
そう言って私の手にメモを握らせて去って行った。


【 090 − ○△×× − △×○△       
  pretty−kemeko@△△△△.ne.jp
 ( `.∀´)<かけなかったら承知しないわよ!!   】

371秘密:2005/02/19(土) 01:36:33

“かわいいケメコ”って…ケメコって何?

それにこの絵、気のせいじゃなければ保田さんに似ている気もするし。

「…ぷっ。」
なんだかおかしい。
落ち込んでたはずなんだけどなぁ…ちょっと楽になったかも。

後で電話してみようかな…いいよね?大丈夫だよね?
別によっすぃーに会うわけじゃないもんね。
(それに電話しなかったら保田さん怖そうだし。)

一人で生きていくって決めていたはずだったのに、知らない間に私は人の
優しさを求めてしまってたのかな…。



あの後、仕事のこともあって、保田さんと連絡をとることが増えた。
仕事での保田さんは厳しい人だったけど、やっぱり普段は優しい人。

あれから一度も何があったのかなんて聞いてこなかったから。

372秘密:2005/02/19(土) 01:37:57


「ぷわぁーぁ、うまい!やっぱりビールは最高ね。」
「ふふふ…そうですね。」

プロジェクトも一旦落ち着いて、仕事帰りにメンバーみんなで飲みに行った。
一次会でみんな気分が良くなって、「朝まで飲むぞー!」なんて盛り上がる人も
いたけど、明日も仕事の人がいたからとりあえず会は解散して、私は保田さんと
2人で2次会をするために居酒屋にやってきた。


「しっかし意外だったわねー。」
「何がですか?」

「いやぁあんた、とろそうな顔して仕事だと別人だから。」

「そんなことないですよぉ、それより保田さんこそ仕事になると怖いですって。
 私、中澤さんと対等にやりあう人初めてみましたよ。」

「失礼ねーあたしは仕事に情熱を燃やしてるのよ! あ、別に男がいないからとか
 そんなんじゃないからね、そこは間違えないでよ!」

「…そんなこと言わないですって。」

373秘密:2005/02/19(土) 01:39:25

「まぁいいわ。それよりあんた、仕事も落ち着いたんだし、休みにでも吉澤の店
 行ってやりなさいよ! 寂しがってたわよ。」

「え?」

「辻と加護がさ、“梨華ちゃんが来ないー”って騒いでるから。」

そうだよね、よっすぃーは別に寂しくなんてないよね。
私はよっすぃーにとってただのお客さんだもんね。
「………はい。」


「まー一番寂しがってるのは吉澤だけどね。」
「えっ……あの?」

「なんかねー“梨華ちゃんどうしたんだろー”とか“嫌われたのかなー”とか心配して
 うるさいのよ。あたしが行ってもいつも“梨華ちゃんは?”の連続だしさぁ…あいつ
 人の顔見る度はぁーって溜息つくのよ、まったく失礼ったらありゃしない。」
なんて保田さんはぶつぶつ文句を言っているけど、耳に入ってこない。

よっすぃーが寂しがってる? 私のことを心配してる?
なんで? ねぇどうして? そんなのって…。
そんなことされたら諦められないじゃない。 私、どうしたらいいのよ…。

374秘密:2005/02/19(土) 01:40:59

「………でさぁ。って、あんた聞いてる?」

「あっ、は、はい。」

「ったく、どいつもこいつも。あたしのこと何だと思ってるのよ。」
「…すいません。」

「まっいいけどさ。一回あいつのとこ行ってやってよ!」
「………はい。」

どうしたらいいのかな。誰かに相談したいけど……。
保田さんに相談したら「どんどん押していきなさい」とか言われそうだし。

う〜ん、どうしよう。誰かいないかなぁ……あ!
久しぶりに柴ちゃんに電話してみようかな。最近全然会ってなかったし。
よっすぃーのお店に行くのはそれからでも大丈夫だよね…。

うん、そうと決まったらもう考えるのはよそう。
いつまでも悩んでいられないし、とりあえず私も飲もう!

…って、保田さんペース速すぎですよぉ。
「ほら!石川ももっと飲みなさい!」

明日、大丈夫かなぁ……。

375秘密:2005/02/19(土) 01:42:28


結局保田さんにこれでもかってくらい飲まされて、今日は二日酔い。
ガンガン痛む頭を引きずってやっと動き出したのはもう日が沈む頃。

『ふ〜ん、それで梨華ちゃんは悩んでるわけなんだぁ』
「うん。何かもうどうしたらいいかわかんなくって…」

『なるほどねぇ、でもさ、その子が彼女だって決まったわけじゃないんでしょ?』
「でもぉ抱き合ってたし、キスもしてたんだよ…。」

『う〜ん、そりゃ難しいとこだね。でも、その保田さんだっけ?その人の言ってる
 感じだと、相手も梨華ちゃんのこと気になってたりするわけだし。』
「それは…単なるお客さんとしてかもしれないし。」

『じゃあ諦めちゃうの?』
「…それは………」

『諦めきれないから私に電話よこしたんでしょ。だったらもうちょっと頑張んなきゃ!』
「でも……」

376秘密:2005/02/19(土) 01:43:56

『私はさ、嬉しいんだよ?』
「え?」

『梨華ちゃんさぁ、あんなことあってもう恋なんてしないとか言ってたでしょ?
 でも、やっと好きになれる人が出来て…。私は梨華ちゃんには幸せになってもらいたい
 もん。だからその人とも出来るなら上手くいってほしいと思うよ。』
「…柴ちゃん……ありがと。」

『いえいえ。で、とりあえず明日からの梨華ちゃんのご都合は?』
「えっ?急にどうしたの?」

『明日から旦那が出張でさー、ちょうど何しようか迷ってたんだよね。
 どうせなら会って直接話したいし、明日からそっち行ってもいいかな?』
「うん。」

『まっ、そっちに行ったらさ、私に出来そうなことやってみるし。まー役には
 たたないかもしれないけど、梨華ちゃんの仕事中に偵察くらいしてくるよ。』
「…ぐすっ……うん…。」

377秘密:2005/02/19(土) 01:45:17

『あーもう!泣かないの!』
「うん…ごめん……」

『まっいいけど。とりあえず明日行くから部屋片付けといてよ!嫌だからね、
 また梨華ちゃんいない時に掃除させられたりとか…。』
「…もうっ、柴ちゃんったらぁ」

『はいはい。 梨華ちゃんが仕事終わるくらいに行くからさ。とりあえず梨華ちゃんは
 私に会うまでもう何も考えないでゆっくりすること! わかった?』
「うん。」

『よしっ。じゃあまた明日ね。仕事頑張って〜!!』


柴ちゃん、明日来てくれるんだ……。
いっつもそうだよね。私が辛いといつも飛んできてくれる。
あの時も柴ちゃんだけは私のことかばってくれたし……。

(迷惑かけっぱなしだなぁ、私……。)

378スライム:2005/02/19(土) 01:56:53
更新終了。

ちょうど音楽戦士で柴ちゃん見てる時に本人登場w ナイスタイミングに作者もビックリです。
しっかし、やっぱりあの曲はエロすぎですなぁ…先日のPJを見ている時に横におかんがいて
めちゃくちゃ気まずかったですw おかんは妙に冷静に「ちょっとこれ、曲の方はパンチない
わね」とか言ってましたが…(゚Д゚;)


ついでにちょこっと裏設定。
柴ちゃんは梨華ちゃんの高校時代の友人で、卒業後は地元の短大に進学。
その後神奈川県内の企業に就職しOLしてましたが、短大時代からの彼氏
である大谷さん(♂)と結婚して退職。現在は専業主婦です。
もちろん名前も”大谷あゆみ”になったわけですが、面倒くさいので昔から
の友人や、そのつてで知り合った人には”柴田”のままで通してたりします。

379203:2005/02/19(土) 02:06:00
リアルタイムだぁo(^-^)o更新お疲れさまです♪
柴っちゃんメロンだと妹役だけど、梨華ちゃんにはお姉ちゃんみたいなんですよね。
暖かい周りのメンバー達(保田さんとかw)に支えられて今後の2人の行方はどうなるか見守っています!(O^〜^)^▽^*)

ちなみに、小紺もだいじょ(ry

380ゆう:2005/02/19(土) 02:36:12
更新お疲れ様です!メロンの新曲は確かにエロいですよね〜私も側で一緒に
家族と見てたんですが、あまりの気まずさにチャンネル変えようとまで思って
しまいました(笑)
保田さんのアドに大爆笑してしまいました!実際もやってそうで(笑)
梨華ちゃんの周りには良い人ばかりですね〜

381前274:2005/02/19(土) 02:43:56
更新お疲れ様です。
ちょっぴり切ないですね・・
でも、恋は紆余曲折、いろいろあるからイイんですよね〜
・・って、何言ちゃってるんだ・・わたし。ハハハ

382スライム:2005/02/19(土) 20:48:42
昨日遅かったので、今日は早めに更新を。

>203様
 毎回ありがとうございます!!
 リアルタイムですか?!わードキドキです。
 それでは今度モテまこでも書いてみようかな……いや、期待しないでくださいw

>ゆう様
 毎回ありがとうございます!!
 私は思わず”メロンには興味ない”って顔しながらテレビ見ちゃいました…柴ちゃんごめん。
 ちなみにうちのおかんはマサオのお腹と村っちのメガネがとても気になったもようですw

>前274様
 毎回ありがとうございます!!
 確かに恋はいろいろあってこそ…ウンウンとPC前で納得しちゃいました。
 さて、この恋はこのまま切ないままなのかそれとも上手く行くのか…もう少し
 お見守り下さい。


それでは本日の更新スタートです。

383秘密:2005/02/19(土) 20:50:44

お互いに便利だし、ご飯も食べて帰れるからって理由で待ち合わせは駅前。

思ったより仕事が遅くなっちゃって焦ったけど、ギリギリ間に合ったかな?
柴ちゃんはっと……え?その子って…。

「おーい!梨華ちゃ〜ん。久しぶりだねー。待った?」

「ううん、そんなことないけど。あの…」

「おー!この子が噂の梨華ちゃん?! やー会えて嬉しいよ。こりゃあ吉子が言う
 のもほんとだね、マジでかわいいじゃん!」

「あ、あの…」

柴ちゃんと一緒にやって来たのは間違いなくあの子。
そう、あの日よっすぃーと公園で抱き合っていた子。

384秘密:2005/02/19(土) 20:52:00

「あ、ごめんごめん、紹介するね。後藤真希ちゃん。駅の方に来るっていうから
 連れてきたんだ。」

「え?あの、柴ちゃん?」
何がなんだかわからない。

「実はさー、ここに来る前によっすぃーのお店行ってみたんだ。んで、ごっちんも
 来てたんだけど、もしかしたらこの子が梨華ちゃんの言ってた子かなーと思って
 思い切って声かけてみました。」

「あはっ。柴ちゃんがさ梨華ちゃんの友達で今から会うって言うから着いてきちゃ
 いました。よろしくね!」

「こちらこそよろしく。…って…あの…」

え?なんで?なんで柴ちゃんここに連れてきちゃったの?
だってこの子はよっすぃーの彼女で、私の恋のライバルなんだよ?

385秘密:2005/02/19(土) 20:53:13


「あー、ちなみにごっちんがよっすぃーの彼女っていうのは梨華ちゃんの勘違い
 らしいよ。」

「え?」

「そうそう、吉子とはただの幼馴染だから。ごとー付き合っている人いるしさ、
 吉子と付き合うとかナイから。」
「でも……」

「まーまー、詳しいことはご飯食べながらでもね。私おなかすいちゃったよー。
 あ!ごっちんも一緒だけどいいよね?」

「…いいけど。」
なんだか釈然としないけど、柴ちゃんがそう言うなら大丈夫なんだよね?

「やったね。実はさー圭ちゃんのことも呼んじゃってるんだよね。そろそろ
 来るとは思うけど、とりあえず先行っちゃってよー。」
「…うん。」

386秘密:2005/02/19(土) 20:54:33


あの後柴ちゃんとごっちんの2人から説明を受けた。

ごっちんはとても人懐っこい子で、「ごとーのことはごっちんでいいから」なんて
ニコニコ笑っていたから、私もなんとか人見知りしないで話せている。

で、2人の話からすると…

どうやら本当にごっちんはただの幼馴染で、よっすぃーと付き合ってはいないらしい。
あの日は恋人と喧嘩してイライラしてたら家族とまで喧嘩してしまい、困った末に
よっすぃーの所に来たらしくって。

昔からよっすぃーに相談事とかして頼っていたごっちんは、あの日もよっすぃーに
励まされて皆に謝りに帰ったんだって。

ちなみに最後のキスについては「あれはお礼と、吉子をからかうためにした
んだよー。口には絶対しないもん!」と言うことらしい。

387秘密:2005/02/19(土) 20:55:48

とりあえずそのことは私の誤解だということがわかって(柴ちゃんのおかげでわかった
んだけどね。私一人じゃ無理だったかも…)、遅れてきた保田さんも交えて4人で飲む。


「それにさー、よっすぃーは“梨華ちゃん梨華ちゃん”うるさいもん。ごとーなんて
 眼中にないって。」

「そんな…(なんだか照れるなぁ)。」

「まーでも梨華ちゃんこんなにカワイイんだもんね、吉子が惚れるのも無理ないか。」
「え?」

「バカッ!あんた何言っちゃってるのよ。吉澤に怒られるわよ!」

「んあー。よっすぃー告ってるんじゃないのー?」


え?それって?

388秘密:2005/02/19(土) 20:57:23

「…………。」
「それってよっすぃーは梨華ちゃんのこと好きってことですか?」
何も言えない私の代わりに柴ちゃんが聞いてくれる。

「あーもう、仕方ないわねぇ。あたしが言ったって言わないでよ!
 吉澤は石川のことが好きだから、石川が最近店に顔出さなくて一人で落ち込んでるの。
 あいつったらいっつも“梨華ちゃんの様子はどうですか?”ってあたしに聞いてきて
 さ、うっとうしいから“石川の携帯教えるから自分で聞け”って言ってるのに、嫌わ
 れてるかもしれないから無理とか言ってウジウジしてるのよ。」 

嘘…。本当に?本当によっすぃーが私のことを…? 


「へぇ〜。だってさ、良かったじゃん、梨華ちゃん。」

「「え?」」

「ちょっ…柴ちゃんっ。」
急にそんなことを振られて慌てて柴ちゃんを止めたけどもう遅い。

389秘密:2005/02/19(土) 20:58:33

案の定2人には気付かれちゃったみたいで。

「なに?梨華ちゃんも吉子のこと好きなのー?」
「ちょっと!どうなのよ、石川!!」
「…………。」

「梨華ちゃん、答えてあげたらー。」
柴ちゃんってば、完全に楽しんじゃってる。

「石川!答えなさいよ!」
「梨華ちゃ〜ん、教えてー!」

もう隠せそうもないよね…。
「………(コクッ)…」恥ずかしいから頷くだけ。

それでも2人には十分だったみたいで「「おー」」って感心してる。

390秘密:2005/02/19(土) 20:59:55

そのうち柴ちゃんも含めて「「「かんぱ〜い!」」」なんて始まっちゃったりして。

「んあー、でも梨華ちゃんも吉子のこと好きだったとはなぁ。ねぇねぇ、
 もしかしてごとーファインプレーってやつ?」

「はいはい、調子に乗らないの。あんた、これで逆パターンだったら吉澤に
 殺されてたわよ。」

「えー、でもさー、ごとーが口滑らせなきゃ梨華ちゃんの気持ちわかんなかった
 んだしー。いいじゃん、褒めてよー圭ちゃぁ〜んっ!」

「あはは。そうですよ、保田さん。ごっちんに言われなかったら梨華ちゃんもずっと
 うじうじ悩んでましたから。」

「まぁ柴田もそう言うなら仕方ないわね。でも後藤、今回は良かったけど次はない
 んだからね!」

「んあーい。」

391秘密:2005/02/19(土) 21:01:03

「ったく。本当に分かってるんだか……」

「あははは。あ!でも、この後どうするんですか?両思いだっていうのは分かった
 けど、まさかそれで終わりじゃないですよね?」

「んあー、そうだー。じゃあもう善は急げだよ!ごとー吉子に電話してくるねー。」
「そうとなったらこんなところにいつまでもいられないわ。あたし会計してくるわ!」

「「えっ?」」

「あーいいのいいの。今日はめでたい日だからね、あたしの奢りよ。先に行ってるから
 あんたたちも帰る準備して外に出てなさい!」
「は〜い!」「………。」

なんだか混乱するくらいの急展開。
気付いたら3人の間で話が進んでて……。

私ついていけてるのかしら?

392秘密:2005/02/19(土) 21:02:09


「おーい、梨華ちゃーん?置いていくぞー?」

「え? あ、ごめん。今行くから…」

「……あのさ、いきなりこんなことになってビックリだと思うけどさ、あの、
 何て言うか…とにかく今は昔のこととか、身体のこととか…ってこれは無理
 かもしれないけど…だけど、今だけはとりあえずそういうの忘れて自分の
 気持ちに素直に従っちゃいなよ。」

「………柴ちゃん。」

「ね?よっすぃーのこと好きなんでしょ?いいじゃん。頑張っちゃおう?」
「…うん…………ありがと。」

「はいはい、そうと決まれば早く立つ!2人とも待ってるよ〜。」
「うん。」

393秘密:2005/02/19(土) 21:03:34


「あんたたち遅いわよ!」

「「すいません…あの、ごっちんは…?」」

「後藤ならあっちで吉澤と話してるわ。」
保田さんの言う方を見ると、ちょうど話し終えたのか携帯をしまいながら
こっちに向かってニコって微笑むごっちん。

「後藤、どうだった?」

「えへへー、グッドタイミングってやつ?ちょうど片付け終えて休むとこだって。
 とりあえず今から行くから待っててって言っておいたよー。」

「よし!じゃあキリキリ行くわよ!」

「「は〜い!」」
「…………。」

394秘密:2005/02/19(土) 21:05:15

「どうかした?」
「…ううん、ちょっと緊張しちゃっただけ。」

「大丈夫だって。もうよっすぃーの気持ちも分かってるんだからさ。」
「うん。でも、ちゃんと言えるかなぁって…失敗して嫌われたりしないかな?」

「安心しなさい!そこは吉澤の方からちゃんとやらせるから!」

「そうだよ〜、吉子さぁ普段はへタレなとこあるけど、圭ちゃんがガツンと言えば
 なんとかなるから(笑) 圭ちゃん怖いもんね〜。」

「ちょっと後藤!それどういう意味よ!!」
「知らな〜い。それより早くしないと、吉子待ってるぞー。」


「うふふ。あの2人、いいコンビだよね。」

「だねー。 ねえ、落ち着いた?」
「…うん。」

「んじゃあ、まあ頑張りますかね!」
「(笑)…うん。」

395スライム:2005/02/19(土) 21:10:05
更新終了。

新キャラ登場しました。
このお方もずっと出したかったけど機会がなくてやっと出せたという感じです。
今後はこの話以外にもいろいろ活躍させたい一人だったりします。

396203:2005/02/19(土) 23:50:59
更新お疲れさまです。新キャラさん、癒し系だなぁ♪ほのぼの可愛い。
保田さんの勢いがカッコ良くて頼りになるお姉さんって感じですね(^▽^;)

397ゆう:2005/02/20(日) 21:20:08
更新お疲れ様です!!いや〜登場しましたね〜というか保田さんとのコンビがすっごく
良い感じです!!梨華ちゃんとよっすぃーこの続きがすごい気になります!!!

398スライム:2005/02/20(日) 22:16:40
先日の娘。さんたちの東北行脚…石小亀のラジオが観覧可能だったことを昨日知り軽い鬱です。
16と18日にその付近にいたのに…なぜ当日家にいてしまったのか…ヽ(`Д´)ノウワァァン
滅多にないチャンスを逃してちょこっとブルーですが、今日も更新で気を紛らわせます。

>203様
 いつもありがとうございます!!
 圭ちゃんは頼りになるし大人だし本来素敵な人なのですが、そこはやっぱり圭ちゃん…
 結局いつも変な扱いを受けてしまいますw
 p.s (○^〜^)<「片思い」続編の制作開始しました〜。

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 Wに続き作者が書きたかったコンビだったので良いと言っていただき嬉しいです。
 いしよしの2人は今回の更新でちょこっと動き出しますが…まだまだ話の中盤なので、
 この先どうなるかは何とも言えず…もうちょこっとドキドキしてお待ちください(ぺこり)。


それでは本日の更新始めます。

399秘密:2005/02/20(日) 22:19:46


「ごっちん、どうしたのー? 忘れ物―?」

お店の裏にある家(というか家の一角でお店を開いてるんだけど)の玄関から
顔を出したよっすぃー。

「んあー。そういうんじゃないけど、ちょっと吉子に用あってね。」

「ん?  って、あれ?保田さん?えっ?柴田さんも? って、え、あ、あの、
 梨華ちゃんもー? え?何?どうしたの?」
よっすぃーはわけわかんないって顔でみんなのことを見回している。

「んあー。なんかね、吉子の気持ち梨華ちゃんにばれちった! えへっ。」

「えへっって……ええぇえー!!ちょっ…えっ?マジで?何で?」

「何でっていうかぁ、まっいいじゃん。悪いことにはなんないからさー、
 ちょっと吉子、頑張っちゃってくれない?!」

400秘密:2005/02/20(日) 22:21:49

「な…そんなの急に言われても…」

「もう!いいからはっきり言いなさい!」
「え…でも……」

「いいから、分かったなら返事しなさいよ!」
「あっ…は、はい!」

「…良し。じゃああたしは帰るから、ちゃんと結果報告するのよ!」
え…保田さん、帰っちゃうんですか…?


「んあー。ごとーも帰るねー。今日は圭ちゃんとこ泊まるから連絡よろしくぅ!
 楽しみに待ってるよー。」
…ごっちんまで帰っちゃうの……?


「じゃあ私も行くね。梨華ちゃんのマンション行ってるからさ。ゆっくりしてきて
 いいよ。あー別に帰って来なくてもいいから、その時は言ってね!チェーン閉めちゃう
 から。 じゃー私も結果楽しみに待ってるよ〜。頑張ってねー!」
柴ちゃんも帰っちゃうのね……。

401秘密:2005/02/20(日) 22:23:19

「………。」
「………。」
取り残されたよっすぃーと私。

よっすぃーは突然のことにキョトンとしたまま固まっている。

「……よっすぃー?」

「えっ? あ、さ、寒いですよね、とりあえず中に入ってください。」
「…うん。」


「あの、とりあえず何か飲み物用意しますんで…ちょっと待っててください
 ……って、えっ?」

「行っちゃやだよぉ…」

気付いたらよっすぃーの服の袖をつかんでいた。

402秘密:2005/02/20(日) 22:24:51

「あっ、はっ、はい。あの、えっと、ぼ、僕の気持ち聞いちゃったんですよね?」
「……うん。」

「えっと、そのぉそういうことなんですけど、あの、迷惑じゃないですか?」

「迷惑なんかじゃないけど…」
「けど?」

「…ちゃんとよっすぃーの口から言って欲しい…」

「あっ、はい、すいません! えっと…あの、僕、梨華ちゃんのこと、その、
 えっと…す、好きです。」
「……うん。」

「そ、それで、もし良ければ僕と付き合ってほしかったりするんですけど…あ、
 あの…いいですか?」
「うん。」

403秘密:2005/02/20(日) 22:26:32

「え? 本当ですか?」
「うん。私も、その…よっすぃーのこと好きだから。」

「マジで?」
「うん。」

「ほんとのほんとに?」
「うん。」

「よっしゃー!!」
さっきまで不安そうだったのに、よっすぃーってば急にご機嫌になっちゃってる。

「うおー!ごっちんたちに報告しなくちゃー。」
ってよっすぃーが言うから、2人でメールを作って。

返信メールで冷やかされたけど、それにも2人揃って照れ笑い。

404秘密:2005/02/20(日) 22:28:07

その後はお互いの連絡先を交換して、会ってなかったときのことなんか話して。

いろんなこと話してたらすっかり遅くなっちゃったから、よっすぃーに送って
もらって家に帰るところ。

よっすぃー疲れてるみたいだし、いいって断ったんだけど、
「ダメです。もう遅いし、梨華ちゃんに何かあったら大変だから。それに…
 もうちょっと一緒にいたいし。」
そう言いながら私の手を握ってきたよっすぃーの顔は真っ赤。

恥ずかしいのかな?俯いたまま顔あげなくなっちゃった。

よっすぃーとこんな風にできるなんて思ってなかったからとっても嬉しい。

だけど…
「…本当に私でいいのかな?」

405秘密:2005/02/20(日) 22:30:27

「えっ? 梨華ちゃん今何か言いました?」

よっすぃーには聞こえなかったみたい。

でも、それでいいんだよね。
柴ちゃんも今はそれでいいんだって言ってくれたもんね。

「ううん。何か幸せだなーって。 あっでも、よっすぃーに敬語やめてもらえたら
 もっと嬉しいかなっ。」

「あっ!はい…じゃなくて、うん。気をつけるから。」

「うふふ。ありがとう。」

406秘密:2005/02/20(日) 22:32:15

「ごめんね、ここまで送ってくれて。」

「いえいえ、いいんですって。」

「よっすぃー、敬語!」
「あっ、すいま……ごめんね。」

「ううん、いいの。あんまり無理しないでね。慣れるまでよっすぃーが
 話しやすい方でいいよ。」

「うん、ありがと。 えっと、じゃあ柴田さんにもよろしく。」

「うん。本当にありがとう、気をつけて帰ってね。」
「大丈夫だよ。それより…」
「うん?」

「あ、あの…これからもよろしくお願いします!」
「えへへ、私の方こそよろしくね!」

「もちろん! じゃあ今日はこの辺で。おやすみなさい!」
「おやすみ。」

407秘密:2005/02/20(日) 22:34:11


「あれー?帰ってきちゃったのー?」
柴ちゃんってば、つまらなそうに言わないでよ。

「もうっ。いきなり泊まったりしないわよ。」

「なぁんだ、つまんないの。って、それよりどうだった?」
「な、何が…?」

「とぼけないでよー。よっすぃーの愛の告白、かっこよかったぁ?」
「う〜ん、かっこよかったのかなぁ……。」

「はい?何、もしかしてちゃんと言ってくれなかったとか?」

「ううん、それは大丈夫だけど…でも、最初ね、そのまま話進めようとしてたから。」
「うん、うん。」

「私の方からお願いして言ってもらった…。」

408秘密:2005/02/20(日) 22:35:36

「ほーほーなるほど。保田さんたちの言う通り、よっすぃーったらへタレなのかねぇ。
 まっ積極的な梨華ちゃんってのもありなんじゃない?!」
「そうかなぁ…。」

「そうそう。だってそれで上手くいったんでしょ?」
「…うん。」

「だったらいいの!別にどっちからじゃないととかないんだし。よっすぃーがへタレ
 な分は梨華ちゃんが頑張ってあげなくちゃ!」
「うん。柴ちゃん、ありがとね。」
「はいはい。」

「もー。本当にね、柴ちゃんにはすっごく感謝してるよ? 今回のこともだけど、
 あの時も…柴ちゃんがいなかったら私とっくにダメになってたもん。いっつも
 柴ちゃんに助けてもらって…ごめんね、迷惑ばっかりかけちゃって…。」

「いいのいいの、そんなこと。私はさ梨華ちゃんが泣いてるとこもう見たくない
 だけだから。まー梨華ちゃんがさーそんなに私に悪い?とか思っちゃうんならー
 よっすぃーと上手くやること!そしたら許してあげるよ(笑)」

409秘密:2005/02/20(日) 22:36:53

「…柴ちゃーんっ…ぐすっ……」

「あーもう!言ってるそばから泣かないでよ!」

「…ぐすっ……ごめん……あのね…」
「うん?」

「私、よっすぃーと…頑張るから……でも、もし何かあったら…また聞いてくれる?」

「バカだねぇ梨華ちゃんはー。そんなの当たり前じゃん!ってか、よっすぃーが
 梨華ちゃん泣かすようなことしたら私が代わりに殴ってやる!!」
「(笑)柴っちゃんったらぁ…」

「まぁ私がキレル前に保田さんに渇入れられると思うけどさ。」
「(笑)」

「まっそんなことにならないように、仲良くやってよ!」
「うん。」

「じゃーとりあえず私眠いから寝ていい? 梨華ちゃんもさー明日仕事でしょ?
 幸せかみしめたいのはいいけど、早く寝た方いいよ〜。」
「もうっ!」

410スライム:2005/02/20(日) 22:39:41
更新終了。

ひとまずこんな形に落ち着きました。
ただ、まだタイトルの謎も残ったままですので、話はまだまだ続きます。
ちなみにこの話、全10回となること決定しました(残り4回ですね)。

411203:2005/02/20(日) 23:13:01
更新、お疲れさまです。うぐっ、服の袖を掴んであんな台詞言うなんて・・・可愛過ぎ(^▽^*)
ここからが2人の正念場ですね。
片思い続編、無理せずにまったりと頑張ってくださいねo(^-^)o

412前274:2005/02/21(月) 00:24:55
更新お疲れ様です。
ふたりの感じがかわいい〜♪
これからまだいろいろ展開していくのかな・・?
楽しみに待ってます。

41335:2005/02/21(月) 21:08:08
お久しぶりです。
圭ちゃんを始めみんな本当にいい人達でなんか嬉しくなっちゃいますね♪
二人の今後がとても楽しみです。
タイトルの謎や梨華ちゃんの過去などますます目が離せません!
楽しみにしています。

414ゆう:2005/02/21(月) 21:30:17
更新お疲れ様です!!よっすぃーがすっごく可愛いです!!
二人の気持ちが通じあったけど、タイトルの謎が気になったり・・・
ドキドキしながら読んでます!!

415スライム:2005/02/22(火) 00:02:22
今日は本当に何もない一日でした…。
とりあえず更新を。

>203様
 いつもありがとうございます!!
 そうですねーここからやっと話が動き出します(遅っw)。
 ちなみに続編の制作も順調ですよ〜。「秘密」がちょっと長くて軽く飽きて
 たりした時があったので、気分一新サクサクと書けています。

>前274様
 いつもありがとうございます!!
 ここからの方が実は急展開だったり…若干ジェットコースタードラマ(古っw)
 風になってしまってる恐れ大だったりします…。

>35様
 お久しぶりです♪レスありがとうございます!!
 今回は長めの分いろいろな人を出せて作者も楽しかったりします。
 しかし話も折り返しを過ぎた今、やっとタイトルの謎に近づきました(爆)
 すべてはこの先4回できっちり明かされるのでもうちょっとお待ち下さい!

>ゆう様
 いつもありがとうございます!!
 登場時と微妙にキャラの違うよっすぃーですが、本来はこんな人です。あの時は
 かっこつけてたんですねーw
 一応最後までドキドキしていただけるような展開にしてはみましたが…謎はもう
 ちょこっと引っ張ります。


それでは本日(柴ちゃん記念日)の更新スタートです。

416秘密:2005/02/22(火) 00:04:41


よっすぃーとのお付き合いは順調。

お互いの仕事終わりに一緒にご飯を食べたり、ちょっと時間のある時は映画とか
見に行ったりして。

私が休みの日は必ずここで過ごすことになってるし。


「へぇ〜、梨華ちゃん引越しするんれすか?」

「うん。契約切れちゃうしね、せっかくだからここの近くにしようかなって思って。
 その方が会社にも近いし。それで、とりあえず不動産屋さんに行ってみたんだけど
 ちょうど良いのなくって。どうしようかなー。」

貰ってきたチラシをののちゃんと2人で覗いてたんだけど、いい物件が
見つからなくて思わず溜息ばかり出ちゃう。

「大変れすねぇ。」
「う〜ん。」

417秘密:2005/02/22(火) 00:06:38

「んなもん、ここに住んでもうたらええやん!」

「えっ?」
隣で本を読んでいたはずのあいぼんの言葉にドキっとする。

「近くになんて面倒なことせんでも、この家無駄に部屋余っとるし、
 別にガキやないんやから、やることやってるんやろ?!」

「「あいぼん!」」
お豆の在庫をチェックしてたよっすぃーと声を合わせて驚いてしまった。
2人とも顔は真っ赤。
(良かった…他にお客さんいなくて。って、そうじゃなくて…)

「何やぁ?もしかして2人…うわっ!付き合って3ヶ月やろ?お互いええ大人やし…
 そんで何もしとらんなんてアホちゃうかぁ? っちゅうか、よっちゃん、
 どんだけへタレやねん…。」

「そんなの僕の勝手だろ!」

あ、よっすぃーすねちゃった…あいぼん、あんまりいじめないでね。

418秘密:2005/02/22(火) 00:08:02

でも、確かによっすぃーったら何にもしてこないんだよね。
付き合って3ヶ月もたってるのに、キスすらしてないなんて…。
私ってそんなに魅力ないのかなぁ…ちょっと不安になるよね。


「ほれ!梨華ちゃんも悩んどるで。どうせ、“私に魅力ないのかも”とか思って
 るんやろうけど、よっちゃんこのまんまやと捨てられるでー!」
あ、あいぼんすごい、当たってる。

「だ、だからうるさいって!」

「まぁええけど。なんか暇やしうちらもう帰るから、あとは2人でゆっくり
 語ってくれやー。あっでもいきなりこんなとこで始めんといてな(ニヤリ)。」

「「あ、あいぼん!」」

「ほなさいならー。ののー早くせんと置いてくでー。」

「あっ、あいぼん待ってくらさい! よっちゃん、よくわかんないけろ頑張るれす!」


「…のの………。」

419秘密:2005/02/22(火) 00:09:54


嵐のように2人が去って、残ったのは沈黙だけ。
よっすぃーは今ので一気に疲れたのか憔悴しきってる。

「えっと、あいぼんの言ったことだけど…」

「あっ、べ、別に気にしてないから大丈夫だよ。」
って、こんなに慌ててたら逆効果だよね。

「いや、そのことじゃなくて…って、それは…ごめん。」

あ、違かったんだ…。
「ううん…私もなんか…ごめんね。」

「あ、うん、いや、えっと…話なんだけど、あのさ、もし良かったら
 本当にうちに住まない?」
「えっ?」

420秘密:2005/02/22(火) 00:11:20

「もちろん梨華ちゃんが良ければだけど…その、もしいい物件見つからなかった
 時でいいし。」
「いいの?」

「うん。部屋もさ、使ってないとこあるし。それに、あの…一緒に住めば
 忙しくても会えるからいいかなって…」
「よっすぃー……。」

確かに最近ちょっと忙しかったし、それに来週から新しいプロジェクトが始まって
全然デートとか出来なくなりそうだけど…でも、本当にいいのかな?
一緒に住むってことは、その、いつかは結婚とかそういうこともあるんだよね?
私よっすぃーにまだあのこと話してないけど…それでもいいのかな?


「あ、いや、無理にってわけじゃなくて、その…良かったらってことだから。
 嫌なら全然断ってもいいからさ。」

私が考え込んでいたのをよっすぃーは勘違いしちゃったみたい。

421秘密:2005/02/22(火) 00:12:32

「ううん、嫌じゃないよ。すごく嬉しいよ。…でも、本当にいいの?」

「もちろん!」

いいんだよね…別に今すぐ結婚するってわけじゃないし。
そもそもするかどうかわかんないんだし……。
その時でいいよね? 今はまだ内緒のままでいいよね?

「梨華ちゃん?」
あっ…ぼんやりしちゃってた。

「あっ、あの…じゃあお願いするね。」
「うん。」


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