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初めてスレ立てます
1
:
スライム
:2005/01/23(日) 22:57
初めまして!スライムと言います。
ずっとROM専だったのですが、自分でも書いてみたいと思ってスレたてさせていただきました。
つたない文章ですが、よろしくおねがいします。
142
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 00:36:36
目の前に出された料理に箸を伸ばす貴方。
だけど、何だかちょっと様子がおかしい…
「おいしくない?」
「へっ? あーそんなことないよ。たださ、見かけはあんなにキレイなのに
あいかわらずちょっぴりしょっぱいなーなんて思ってさ。」
なんだかとっても慌てている。
「(あーあ、やっぱりおいしくなかったのかな?
ひとみちゃん無理しちゃってるよー。ダメだなぁ私…)」
「あー、でもさー、なんか安心したよー。石川らしいっていうか…
…昔と同じ味でさ。これで超美味いとかだと、なんか寂しいじゃん…」
落ち込んじゃって無言になった私にかけてくれた貴方の言葉。
私が一番欲しかった言葉。
143
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 00:38:47
「……ありがと。」
嬉しくてそれだけ言うのが精一杯。
だけどそんなこと知らない貴方は不思議そうに首をかしげている。
「???」
「(今なら言っちゃえるかな…?)」
もちろん全てを話すつもりなんてないけど。
だけど少しくらいなら、少しだけなら素直になってもいいのかな…?
また貴方の前で弱音を吐いてもいいのかな…?
「……私もね、その料理と同じだから。」
私の口から出てくる些細な本音。
144
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 00:41:01
「時間だけどんどん過ぎていって、いろんなこと覚えて…
ちゃんとやらなきゃ、先輩なんだから…って考え込んじゃって、
本当は私もすごく怖いのに、そういうこと言えなくなってて…
そういう所見せちゃいけないんだって……。
…料理と同じ。見た目はね、立派になったかもしれない。
でも、本当の私はネガティブで、昔と何も変わらなくて……
だから、さっきよっすぃーが言ってくれたこと、すごく嬉しかった。」
「???」
貴方は意味がわからないみたいだけど、私は止まれない。
「…安心したって言ってくれたでしょ? 寂しいっても…。
私もね、それでいいんだよって言われた気がして……バカだよね?
料理のことなのに、自分のことだなんて思っちゃうなんて…。」
どんどん吐き出される弱い心…こんなに話すつもりなかったのになぁ。
145
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 00:43:17
そんな私に、
「そんなことない!」突然大声を出す貴方。
「…料理だけじゃない。ってか、本当は料理のことじゃないから。
あたしさ、寂しかったんだ、何か梨華ちゃんどんどんキレイになっていくし…
置いていかれてるみたいで。
だから、あの味が変わってなかった時、あー梨華ちゃんも変わってないんだって
そう思って嬉しくなった。」
あぁどうしてこの人は…こんなにも優しいのだろう…
私が一番欲しい言葉を一番欲しい時に言ってくれるのだろう…
だけどね、「(そんなことされたら………)」
146
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 00:45:54
改めて気づかされる貴方への想い。
“もう一度ちゃんと好きになる”なんて思ってたけど、そんなの無理。
だって私はこれ以上愛せないほど貴方のことが大好きなのだから。
「………。」
「だからさ、あんま無理してないで、何かあったら言ってよ!
あたしさ、頼りないかもしれないけど…それでも、何とかするから。」
「……うん。」
「辻加護も卒業してさ、同期って2人になったじゃん。
置かれてる立場とかは違うものかもしれないけど、でも…
先輩でも後輩でもなくって…同じ所で同じもの見れる自信はあるから。」
「…よっすぃー。」
優しすぎるよ……優しすぎるよ、ひとみちゃん…
私我慢できなくなっちゃうよ……?
このままだと貴方に迷惑かけちゃうよ……?
147
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 00:47:50
だけど貴方は止まらない。
さっき私が止まれなかったのと同じで、貴方も止まってはくれない。
「あのさー…なんか、こういうのってめちゃくちゃはずかしいんだけど…
…昔みたいにさ、また仲良くしたいんだけど……。」
「………!………うん。」
ねえ私こんなに幸せでいいのかな……?
夢じゃないよね…? 幻じゃないよね……?
ねえ神様…私、これ以上は高望みしないから。
いつかちゃんとひとみちゃんから離れるから。
だからお願い…もう少し…もう少しだけでいいから…
この人の隣にいさせてください!
148
:
スライム
:2005/02/06(日) 00:50:54
更新終了。
ちょっとした予定と、切りどころがわからなくなったのとで
今日はちょい多めの更新となりました。(疲れたw)
さて、今から「ナマタマゴ」見るかな〜。
149
:
名無し(0´〜`0)
:2005/02/06(日) 03:22:52
大量更新お疲れ様です。
健気ないしかーさんに胸キュンですよほ・・・(T▽T)
続きが楽しみです。
150
:
スライム
:2005/02/06(日) 22:55:02
ブレキス聴きながら今日もサクッと更新です。
と、その前に…
>名無し(0´〜`0)様
こんなアホ作者を気遣っていただき、ありがとうございます!
石川さんに胸キュンもありがたや、ありがたや。でも、
(;^〜^)<梨華ちゃんは渡さないぜー! とのことですw
それでは、ラストまでドカンと一気に更新行きます!
151
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 22:57:24
だけど、
これだけで私は満足してるっていうのに…
貴方はそれでもまだ、止まってはくれないのね…
「よっしゃー!じゃあまたさー昔みたいにラブラブになろーぜ!」
嬉しいけど、だけど…今は、そんなこと言わないで。
冗談でもそんなこと言わないで……私に期待させないで……
これ以上先を言われたら私はきっと戻れない。
貴方への想いを隠すことが出来ない。
それなのに…
「梨華―。愛してるぜー(笑)」
神様は意地悪ですね。
私のこと喜ばせておいて地獄に突き落とすなんて。
152
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 22:58:40
抱きしめられた貴方の腕の中で、私のリミットは外された。
涙が止まらない。
そんな私にビックリする貴方は、
「…あっごめん。…なんかあたし調子に乗っちゃって…
あの…その…なんていうか…うざかったかな?!」
必死になって言い訳を探してる。
ごめんね困らせて…だけどもう少しだけだから…
これだけ言ったら二度と貴方に近づいたりしないから…
二度と貴方を困らせたりしないから……
153
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 22:59:46
「…違うの…」
「へっ?」
「…そうじゃなくて…あのね、嬉しかったの。
よっすぃーがそういう風に言ってきてくれて嬉しかった。
また仲良く出来るんだって思うと、すごく嬉しい…。」
「…あ、ありがと。」
「…でもね、私欲張りだから…。
よっすぃーに“梨華”って呼ばれて…、“愛してる”って言われて…
冗談だってわかってるのに、それなのにそれ以上を望んじゃって…。」
154
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 23:01:10
「仲のいい同期なんかじゃ足りなくて…メンバーの一人ってだけなんて悲しくて…
よっすぃーの一番になりたいの…ずっとよっすぃーの隣にいたいの…。」
サイは振られた。決して私が勝つことなんてない勝負。
それでもやっぱり友達でなんていられないから……
欲張りな私はそれだけじゃ満足できないから……
「…………。」
案の定黙ってしまった貴方。
そんな姿を見ていたら切なくなって、
「…ごっごめん。今の何でもないの。ねっ、今の忘れて…
それで、また明日から仲良くしよう!」
自分の言ったことを後悔してしまう。
155
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 23:02:27
「…無理だよ…。」
もう遅いのにね…
さっきは友達に戻れなくてもいいって想ってたのにね…
それなのに…それでも私は貴方を求めている。
「……! そうだよね、こんなの迷惑だよね…。
ごめん、でも、あの、仕事仲間でいいから……
せめて私のこと嫌いにだけはならないで…。」
嫌いにならないでほしいなんて思ってしまっている。
156
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 23:03:31
だけどやっぱり貴方は優しいんだね。
絶対無理だって…叶うはずなんてないってそう思っていたのに…
「無理なんだって…忘れるなんて。あたしもそう思ってたから…
あたしもずっと梨華ちゃんの隣にいたいって、
梨華ちゃんの一番になりたいってそう思ってたから。」
わたしのことを強く引き寄せてそう呟く貴方。
「(まただ、また一番欲しい言葉をくれる…)」
そして、貴方がくれた次の言葉。
「好きなんだ、梨華ちゃんのこと。ずっと見てきた…愛してる。」
私は本当にバカな子だよね………
貴方のことをずっと見てきたはずなのに、誰よりも見てきたはずなのに。
貴方の気持ちには気がついていなかったなんて…
貴方も私を愛してくれていたなんて……
157
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 23:04:49
「(夢かな? 夢じゃないよね?)」
余りにも突然すぎて信じられないけど、だけど確かにここにある。
ずっと求め続けていた最愛の人の温もりがここに。
「(えへへ…嬉しいな。)」
嬉しいのに…何だかとっても恥ずかしくなってきて、
「…よっすぃー…苦しいよぉ。」ってちょっと抗議してみたりして。
そしたら貴方は抱きしめていた力を緩めてニコッって微笑んでくれた。
「(あぁ…この笑顔に惹かれたんだったけ…)」
「(私もちゃんと言わなくちゃね。)」
貴方は私にちゃんと伝えてくれたから。
私も貴方にちゃんと伝えなくちゃいけないから。
158
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 23:05:57
「私もね、よっすぃーのこと愛してるよ。」
ちょっと照れるけど、そう呟いた。
とっておきの甘い口付けと一緒に…。
貴方は顔を真っ赤にして照れていたから、
「(あぁ本当に私のこと好きでいてくれてるんだぁ…)」
なんて、とっても嬉しくなって。
「あーよっすぃー赤くなってるぅ。かわいいー。」
貴方のこと、からかっちゃった。
でもね、私が勝ち誇った顔で貴方を見ていたら…
そっと頬に手を置かれて……唇を奪い返された。
159
:
片思いsideR
:2005/02/06(日) 23:07:11
とってもとっても甘いキス。
どうやら私は貴方にはかなわないらしい。
でもね、私必死に貴方にくっ付いていくから……
この手にずっとしがみついて離れないから……
だから貴方もこの手をずっと離さないでね。
End
160
:
スライム
:2005/02/06(日) 23:13:18
更新終了。
以上で「片思いsideR」は完結です。
いやぁでも昨日頑張ったら、逆に今日の更新量少なかったですよね?!w
その辺のバランス難しいです……今後の課題です。
で、次回は番外編をと行きたいところなんですが、ちょっとその前に
「片思い」とは全然関係ない短編(?)を一つあげるつもりです。
ちょっと、明日じゃないとって内容なもんで。
では、「片思いsideR」にお付き合いいただいた方、ありがとうございました。
161
:
35
:2005/02/07(月) 00:06:49
脱稿お疲れ様です!
結末を知ってるはずなのに読んでてドキドキしてしまいますた。
短編の方も楽しみにしてます。
>体調崩して一瞬死にかけましたがなんとか無事に帰宅できました。
お身体の具合はいかかですか?お大事になさってくださいね。
162
:
ゆう
:2005/02/07(月) 01:12:50
梨華ちゃん視点完結お疲れ様です!!
久しぶりに読ませて頂いたのですが、やっぱり最高ですね〜
何回読み返してもすっごいドキドキしてしまいます。短編の方も楽しみにしていますが、
くれぐれも体調には気をつけてくださいね!!
163
:
スライム
:2005/02/07(月) 11:25:18
今日は余裕があるので昼間の更新です。
>35様
本当にいつもありがとうございます!!
しかもこんなアホ作者の身体まで心配してくださるなんて…
感激で涙が止まりません・゚・(ノД`)・゚・。
とりあえず体調はほぼ回復しているので、今後も制作活動頑がりますね。
>ゆう様
本編に引続きこちらも読んでいただき、しかも体調まで気遣っていただくなんて
本当にありがとうございます!!
すでにほとんど治っているので、今後もどしどし作品あげていきたいと思います。
未熟者ですが、また「最高」と言っていただけるよう頑張ります!
それでは本日の更新始めたいと思います。
164
:
スライム
:2005/02/07(月) 11:30:54
と、その前に補足説明を少々。
え〜、この話は「片思い」とは一切関係のない話です。
今日が頑固一家の愛すべき長男ひとすじ君の誕生日ということで、
それを祝う意味で作った、それほど短くない短編です。
ついでに言うと作者が関西とは程遠い地方に住んでいるため、関西弁
全く自信がありません。かなりおかしい部分が多発すると思いますが、
ご勘弁いただけると幸いです。
それでは、始めます。
165
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:33:30
なんでやねん。
なんで、あいつ電話もメールもよこさへんねん。
って、なんでうちがこんなに怒ってるかっちゅうと。
今日は2月7日。
そう!うちの記念すべき17回目の誕生日や。
いつもやったらほんまは仕事やったんやろうけど。
ちょっとだけ余裕が出来たからって事務所の奴が休みにしよった。
166
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:34:57
って、ここまでは別にええねんけど。
問題はこっから先で。
そんならなんでうちの誕生会くらい開かんのかと。
全く気ぃのきかん事務所や…。
(これでキッズの奴のこと祝っとったらほんまにキレルで。)
って、また話がずれてもうた。すまん、すまん。
て、うち誰に謝ってんのや?
んで、話を戻すと、ほんまにうちを怒らせてんのはあいつや。
そう、辻希美! うちの相方や。
167
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:36:11
あの事務所が気きかんのはしゃあない、もともとや。
娘。のメンバーが仕事なのもしゃあない、いつものことや。
でもなぁお前は今日休みのはずやろ。
それとも何かぁ、うちに内緒でソロ活動かぁ?
どっちにしてもええ度胸や。
うちにメールの一つもよこさへんなんてなー。
そう、うちあいぼんこと加護亜依の今一番の悩み(怒り)とは、
“相方辻希美から一切の連絡がないこと”である。
ったく、だから休みじゃなくて良かったっちゅうねん…。
なーんでうち、こんな日に家でゴロゴロしてなきゃあかんねん。
168
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:37:43
今日うちがこうして家でボーッとしているのには訳がある。
話はうちらWが今日休みだと分かった日に遡る。
「あいぼん、良かったれすね。誕生日休みだよ。」
「あぁほんまや。誕生日まで労働強いられてたらかなわんもんな。」
「そうれすね、ところで…」
「ん?なんや?」
「ののもその日は休みなのれす!!」
当たり前やないか…今はWの仕事の話しとるっちゅうねん。
そんなんこの表みたら分かるやろ。
「…そりゃそうやろなぁ。」
「それでですね、ののも休みれすから、その日は期待してるのれす!」
「…何やようわからんけど、ありがとな。」
そんでうちはほんまに期待してもうたんやけど。
って、これで期待せえへんやつの方がおかしいけどな。
んで、他の友達からの誘いも泣く泣く断って。
家で大人しく待ってるわけなんやけど、一向にあいつから連絡が来ぃへんのや。
169
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:38:47
「ったくメールくらいはよこせっちゅうんや。」
ハローの他のメンバーはいくら忙しくても0時にメールをくれた。
まぁそれはな、あいつ寝るの早いししゃあないんだろって諦めもつくけど。
でもなぁ今昼の12時やで。
いくらなんでも寝すぎやろ。
なんでもいいから早くメールくらいよこせよ。
「亜依〜昼ごはん食べないのー?」
「はーい、今行くー。」
何が悲しくて誕生日に家で婆ちゃんと2人でランチやねん。
170
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:40:02
「亜依、今日どこも行かないのかい?」
「あー。」
「希美ちゃんと遊ぶとか言ってなかったっけ?」
「(モグモグ)…そういやぁそんなん言ったっけかなぁ…。」
婆ちゃん、痛いとこ突くなや。
「喧嘩でもしたのかい?」
「…いや、そんなんやないけど。」
【マンパワーがみなぎぃるぅ♪】
うちの携帯が突然鳴った。
「(やっぱしこの着メロやめようかな……。)」
って、そんなん今はどうでも良くって…
171
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:41:10
えっと…
“のの”
着信表示にはそう出ていた。
あいつ今ごろ電話してきおってー。
そんなこと言いつつウキウキ気分で電話にでてしまう。
「…もしもし、ののか? どないしたん?」
「…あいぼん……」
はっ? 何で泣きそうなんや?
172
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:42:17
「のの?どうしたん?何かあったか?」
「……あいぼん…今何してるんれすか?」
うち?なんで今うちの話しとるんや…。
「はっ?うちならご飯食べとったけど…」
「そうれすか…あいぼんはご飯を食べているんれすか…」
「あぁそうやけど…ほんまどうしたん?」
ほんまになんやっちゅうねん。意味わからんわ。
「…誰と一緒にいるんれすか? あいぼんの大切な人れすか?」
「まぁな…大切な人やけど。」
そりゃそうやろ、うち間違ってないよな?婆ちゃんは大切だよなぁ?
173
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:43:27
「……そうれすか。それなら仕方ないれすね。」
「のの?ほんまにどうしたん?」
「なんでもないれす。邪魔して悪かったのれす。」
「…いや、別にええねんけど。何か用あったんちゃうか?」
「気にしないでくらさい。あいぼん楽しい誕生日過ごしてくらさいね…」
って、オイオイお前それで電話切ろうとか思ってないやろうなぁ…。
「気にすんなっちゅうのは無理やろ。ほんまどうしたん?」
「……らって…らって…あ…ぼん…」
えぇーなんや急に泣きよったわ。
うちにどうしろっちゅうねん。
174
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:45:09
「のの!どないしたん?のの?」
「らって、のんがいくら待ってもあいぼん来てくれないんれすもん…グスッ。」
はっ?今こいつ何て言った?
「はい?」
「あいぼんは、のんよりもその大切な人といる方を選んらんれすもん…」
えーっと、全然意味が分からんねんけど…うちが悪いんか?
「…いったい何のことや? 待ってたって何のこと?」
「きょ、今日はあいぼんの誕生日で、2人とも休みれすから…ぐすっ…
のんの家で誕生会しようと思って…それでのん昨日早く寝て、今日も
早く起きて準備してあいぼんのこと待ってたのにあいぼん来ないから…」
「だから、それが何のことか聞いとるっちゅうねん!」
「ふえぇ…」
175
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:46:30
「うちそんな話一回も聞いとらんで。」
「えっ…れも…」
ああ、何か分かってきた。やっぱりこいつはアホや。
「のの、それ計画してくれるのは嬉しいけどうちのこと誘ってないやろ?」
「…え、えっと、あれ、えーっと…」
おいおいいくらなんでも混乱しすぎだろ…。
「まぁええ。そんで、ののはうちの誕生会を開いてくれるんだよなぁ?」
「…そうれす。」
176
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:47:40
「そっか、じゃあ今から行くから。」
「えっ、れも、あいぼん…」
「ん?なんや?来て欲しくないんか?」
「そんなことないれす!」
って、急にでかい声出すなよ。びびるっちゅうねん。
「…れも、あいぼん今大切な人と一緒って…」
「あぁええねん、そこはなんとでもなるから。」
「れも、れも…」
「あーもう!じゃあ婆ちゃんも連れてくか?」
177
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:48:49
「へっ?あっあの…大切な人ってお婆ちゃんらったんれすか?」
「そうや!なんやののは婆ちゃん大事にしてへんのか?」
「…そんなことないれす。あいぼん!のん待ってるから早くきてくらさい。」
「はいはい、言われなくても今いくわ。んじゃまた後でな。」
「はい。気をつけるのれすよ〜。」
ピッ。
「婆ちゃーん、ちょっとのののとこ行ってくるわー!!」
「はいはい、良かったね亜依。」
「んー。遅くなる時は電話するからー。
じゃーいってきまーす!!」
178
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:49:44
電話を切って家を出るまで3分。
へへっ、なんかこれじゃあうちがすごく楽しみにしてたみたいやないか…。
ってまぁその通りなんやからしゃあないけどさ。
それにしてものののやつあいかわらず抜けとるんやから。
こりゃ行ったら一回しばかんとあかんな。
そんなこと言いながらののちゃんの家に向かうあいぼんの顔は笑顔でいっぱいだったとさ。
おしまい
179
:
ぼんさんの誕生日
:2005/02/07(月) 11:50:28
追伸
ののちゃんの家に着いたあいぼんを待っていたのは、
( ´酈`)<あいぼんおめれとうなのれす!
( ^▽^)<あいぼん、誕生日おめでとう!!
(○^〜^)<あいぼん、おめでとう!!
ののちゃんの他に、これまた突然の号泣電話で呼び出されたパパとママでしたって。
End
180
:
スライム
:2005/02/07(月) 11:57:01
更新終了。
以上で、短編「ぼんさんの誕生日」は終了です。
しかし、こんなどうしようもない話ですいません。
しかも全然いしよしじゃないし・・・・・・よっちゃんに怒られそうです。
(;^〜^)<うちらはどうしたんだYO!
えっと、次回ですが、「片思い」の番外編書きます。
いいかげんまこっちゃんの話もあげてあげないと…。
それでは、お付き合いありがとうございました。
最後に!「あいぼん誕生日おめでとう!!」
181
:
ゆう
:2005/02/07(月) 14:45:42
更新お疲れ様です!!私は、関西に住んでいるのですが全然おかしくありませんでしたよ!
あいぼんとののすっごく可愛かったです!!最後の電話で呼び出されたいしよしに
笑ってしまいました。やっぱ4期はいいですね〜
体調の方良い様子で安心しました!!番外編も期待してます!!
182
:
スライム
:2005/02/08(火) 23:23:35
こんばんは! また夜の更新に戻りました。
>ゆう様
いつもありがとうございます!!
関西弁かなり不安だったのでそう言っていただきほっとしました。
ちなみにラストは(あ〜いしよし出せないやぁ)と思ってかなり
無理やりねじ込んだ結果だったりw これまた好評で一安心です。
今日からは予告通り「片思い」の番外編を始めたいと思います。
まずは本編でも触れていた小川さんの話からでも。
ちなみにこれ実は石川さん編より先に書いてたり…。
それではスタートです。
183
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:26:05
「「おはよー!」」
はっ?なんで石川さんと吉澤さんが一緒に来るの?
石川さん、いつももっと早く来てますよねぇ?
吉澤さん、いつももっと遅く来ますよねぇ?
まぁ2人は同期なわけだし、残りの同期が昨日卒業して2人になって
しまったっていうのも、わかりますよ。
でもさ、なんか釈然としないんだよなぁ………。
そんなことを思って始まった8月2日の朝。
思えばこの時からだったんだよね、何かがおかしいと思ったのって。
184
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:27:40
「よっしざっわさーん!」
いつものように憧れのあの人に絡む私。
「んだよ、麻琴。キショイって。」
これもいつものリアクション。
「まこっちゃん、またよっすぃーに絡んでんのぉ?!」
「麻琴、吉澤さん迷惑してるって(笑)」
「もう!そういうことは家でやってってば!」
これもいつもと同じメンバーのリアクション。
だけどさぁ…何か一人いつもと違う人いるよねぇ?
何て言うの? なんか負のオーラ背負っているっていうか…
…石川さん、普段そんなんじゃないですよね???
185
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:28:51
吉澤さんの背中にまとわりつく私を見てる石川さんはというと…
明らかにいつもの石川さんとは違ってて…
例えれば、そう!スポフェスの騎馬戦の時の般若のような石川さんで。
あ、あの…あなた優しいお姉さんですよね?
「石川は優しすぎるからー」ってやぐっつぁん言ってなかった?
「梨華ちゃんは怒らないから大好き」ってのんつぁん言ってなかった?
でも、今私の視界に映る石川さんは“優しい”とは程遠くて…
思わず目を逸らしてしまう。
186
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:30:10
でもさ、やっぱり気になっちゃうもんじゃん、こういうのって。
だから恐る恐るもう一度石川さんを見てみると…
「何? 麻琴どうかした?」
いつものキラキラっとした笑顔の石川さんがそこにいた。
自分の目を疑う。
「(神様、私は夢でも見ていたんでしょうか?)」
187
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:31:10
あれからというもの、私が吉澤さんに絡むと感じる妙な視線。
振り返るといつもそこにある石川さんの笑顔。
…視線…笑顔…視線…笑顔…ダメだ、頭が痛い。
“ダルマさんが転んだ”みたいな私と石川さんのやり取り。
何がやっかいかって、いつまでたっても私は石川さんを捕まえられない所だ。
「(あー、もう。気になってしょうがないよー。)」
188
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:32:24
だけど、気になることはそれだけじゃなくて。
「…もう、よっすぃーってばぁ。」
「何だよー、いいじゃんかよぉ。梨華ちゃん。」
楽屋の片隅から聞こえてくる声。
えっと、吉澤さんそんなキャラでした?
そんな甘い声とか出してましたっけ?
石川さんのこと“梨華ちゃん”なんて呼んでましたっけ?
189
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/08(火) 23:33:33
そこにいるのは私が憧れているかっこいい吉澤さんではなくて。
フットサルやっている時の頼れる吉澤さんでもなくて。
かといって、コントみたいなアホキャラを演じているわけでもなくて。
ただただひたすら甘―い空気を出している吉澤ひとみがそこにはいる。
どうやら私の気のせいではないようです。
明らかに何かがおかしいです。
190
:
スライム
:2005/02/08(火) 23:38:38
更新終了。
う〜ん、更新量少ないかな?
場面で切ろうと思ったらなんか少なくなってしまった気がします。
後でもう一回更新しようかな?(激しく悩み中)
余談ですが、この話は本編&アナザーストーリーが切ない感じだった
から気分転換に書いたもので、けっこうアホな内容です。
「片思い」の雰囲気とは大きく外れるかもしれません…。
191
:
35
:2005/02/09(水) 00:33:32
更新お疲れ様です。
誘ってないのに「あいぼんが来てくれない」と泣いちゃうののに
萌えたと思ったら今度はダルマさんが転んだ状態の梨華ちゃんと小川に
笑い死にそうになりました(^^;)
続きが楽しみです。がんがってくださいね。
192
:
スライム
:2005/02/09(水) 01:41:03
気になったので寝る前にもう一度巡回に参りました。
>35様
毎回お褒めの言葉、本当にありがとうございます!!
”萌えた”と言っていただけるなんて作者冥利につきます、光栄です。
実は急に路線変更したので正直不安な部分もあったのですが、笑っていただけたようで安心しました。
今後もこの調子で頑張りますね!
やはりさっきのではちょっと少なかったかな?というのと、今日の夜
もしかしたら更新できないかも?という怪しい状況だということで、初めて
1日(日付的には異なりますが)に2回の更新とやらをしたいと思います。
それでは更新始めます。
193
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:43:28
こんなおかしいことに悩まされる私…
気のせいかな、少し痩せたような気がする。
「(あぁ、吉澤さん。小川はどうしたら良いのですか?)」
「「麻琴何やってんの?」」
麗しのジュリエットみたいな気分に浸っていたというのに…邪魔するな、同期よ。
194
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:45:10
「ってか、まこっちゃん、キモイよ。」
「(ガ−ン)」
里沙ちゃん、あ、あんた、ちょっとはっきり言いすぎじゃないかい?!
「里沙ちゃん、はっきり言いすぎ。もっと包まなきゃ。」
あぁあさ美ちゃん、嬉しいけどそれフォローになってないから…
「そうやでぇ、麻琴がキショイのは今に始まったことやないで。」
愛ちゃん、それもっとひどいから……。
あぁもう、どうして私の同期はこんな人たちなんだろう…
他の人がうらやましいよ。
195
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:46:38
例えば矢口さん!
…って、あの人の同期はギラギラしてる人と話したこともない人だった。
それなら、後藤さん!
…って、あの人同期いないじゃん。
じゃあ吉澤さんと一緒な4期!
…って、あんなところ入ったらあたしいつまでたっても前に出て来れないよ。
んと、じゃあもう後輩だけど6期!
…自分大好きな2人と焼肉ばっかな2人。こりゃダメだ。
あーダメだ、どうやらあたしはオリメンになるしか道はないらしい。
って、あたし当時何歳だよ? 小学4年?
…確実に中澤さんにやられてるな。
196
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:47:40
ふっ。
まぁいい…どうやら私には5期がちょうどいいらしい。
まぁ今日のところはそれで勘弁してやるよ。
「…って、オイ!」
何だよ、心配してくれてたんじゃないのかよ?
なんで放置なわけ? あたしバカみたいじゃん?!
「「「あー?」」」
前を行く3人が振り返る。
197
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:49:07
「ちょっとー、置いていかないでってばー」
「だってまこっちゃん、一人でぶつぶつ言っててきもいんだもん。」
だからー、里沙ちゃん、あんたきついんだって。
「もう、里沙ちゃん。今日はまだマシなほうじゃない?!」
って、またフォローになってないんだってば。
「そうやでー、普段の方がもっとキモイやろ?」
おいおい、さっきからあんたの方が言いすぎだって…。
「「「まっそんなことはいいとして、どうかしたの?」」」
そんなことって…はいはいどうせスルーなんですよね。
どうせ私はきもいですよ…。
…って、悩みはきいてくれてるのね、一応。
198
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:50:33
「いやーなんかさー最近吉澤さんが冷たいっていうかー
前より遊んでくれなくなったっていうかー。」
体をクネクネさせながら、もじもじ話す。
「(今、あたしかわいいかな? しげさんよりいけてる?)」
道重が聞いたら憤慨するであろうセリフだ。
「「「あー」」」
「でもねー、それはねー」
「仕方ないっていうかぁ」
「まぁ吉澤さんも幸せ絶頂で麻琴にかまってる場合じゃないからね。」
って、オイ!またスルーかよ。
ん?
ちょっと待てよ、今あさ美ちゃん気になること言ってなかった?
199
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:51:40
「??? …えっと、それはどういう意味?」
「何?まこっちゃん知らないの?
あいかわらずどんくさいんだからー。」
って、だから里沙ちゃんきついんだってば。
「えっ? それって?」
「あーうん、吉澤さんね、石川さんと付き合いだしたみたいだよ…」
ちょっと気まずそうに愛ちゃんが答える。
うん、愛ちゃんちょっと空気読めるようになったんじゃない!?
なんて、そんなことはどうでも良くって、
今問題なのは別のこと。
200
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:53:29
「…!!! えーっ!!!」
私の絶叫が廊下に響き渡る。
「もう!まこっちゃんうるさいってばぁ。」
「…なっ。だ、だって…。」
「まぁねぇ麻琴が吉澤さんのこと大好きなのはわかるけどさ…。」
「でも、あの2人お似合いだからねー。」
「そうそう、お似合いっていうの?美男美女っていうかー。」
「あさ美ちゃん的に言うと…」
「「完璧です(笑)」」
そう言って笑っている2人と、呆然と立ちすくむ私。そして、
「…麻琴、大丈夫か?」
あぁそうだ、この人もいたね…空気読めすぎるようになったのかね、
正直今忘れてたよ、ごめん。
201
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 01:55:01
「まぁこれにこりてまこっちゃんもさ、いつまでも
“吉澤さん吉澤さん”って言ってないで、誰かいい人探しなよ。
恋すりゃまこっちゃんも女の子らしくなるって。」
…そんなんじゃないもん!
私だって本気で恋とかしてるもん。
吉澤さんのこと本当に好きだったんだもん…。
202
:
スライム
:2005/02/09(水) 01:56:59
更新終了。
調子に乗って2回も更新してしまいました。
でもこれでスッキリ!気持ちよく眠れそうです。
それでは、おやすみなさい。
203
:
名無し(0´〜`0)
:2005/02/09(水) 11:17:59
はじめまして。今日いっきに読ませていただきましたがどのお話も
読んだ後にすっごいあったかい気持ちになります。作者さんのお話良いですね♪
唯一小川さんを心配している同期の方の気持ちが気になりつつ・・・
更新楽しみにしております。
204
:
ゆう
:2005/02/09(水) 13:24:20
2回の更新お疲れ様です!!最初の方ではすっごい梨華ちゃんとまこっちゃんの
やりとりに笑っていたんですが、最後の方になるにつれて切ないですね〜・・・
今後も楽しみです!
205
:
スライム
:2005/02/09(水) 23:50:10
思っていたより早く帰宅できたので今日も更新できることになりました。
>名無し(0´〜`0)様
初めまして! そして、レスありがとうございます!!
こんな駄文を一気に読んでいただいたなんて恐縮です。(大変じゃなかったですか?)
今回の話はあと2回の予定ですので、気になっている点もすぐ
わかると思います。それまで(そしてこれからも)、お待ち&お付き合いの方
宜しくお願いします!!!
>ゆう様
またまたレスありがとうございます!!
本当はただのお馬鹿なだけの話を書くつもりだったんですが、書いているうちに
まこっちゃんにものすごく愛着が湧いてきてしまって……この先どう転ぶかはまだ
秘密なのですがw、(作者の思う?)まこっちゃんらしい展開に落ち着こうと思って
います。ラストまでもう少々お付き合い下さい!
それでは、今日もサクッと更新始めます。
206
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 23:52:41
同期の3人による衝撃的な話を聞いてから
私は石川さんと吉澤さんを注意深く見るようになった。
「(気のせいだったら良かったのに…)」
目の前の現実はそんな甘いものではなくって…
「梨〜華ちゃんっ。」
仲良く雑誌を覗き込んでいる2人の姿がそこにはある。
じっと見つめる私の視線に気づいた石川さんが
「麻琴もこっち来て一緒にみる?」
そう声をかけてくれたけど、そんなの見てられなくって、
耐え切れなくなって楽屋を飛び出す。
207
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 23:54:02
非常口の階段に座っていろんなことを考える。
「(あーあ石川さんのこと無視しちゃったよ。
怒ってるかなぁ…気まずいなぁ…
でもさぁ石川さんが吉澤さんとるから悪いんだし…。)」
ものすごく自分勝手だということは分かっているけど、
誰かのせいにでもしなきゃやっていけない。
自分は悪くないんだって…傷ついているのは自分なんだって…
「…麻琴?」
振り返るとそこには愛ちゃんが立っていた。
208
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 23:55:06
「探したんやでー。急に楽屋飛び出していくから…」
「…ああ。」
「もう!みんな心配しとったで。」
「…んー、ごめん。」
「まっいいけどさ。とりあえず戻ろう?」
今日の愛ちゃんはやっぱりおかしい。
的外れな発言をしない愛ちゃんって…なんかむずがゆい。
でもさ、気持ちは嬉しいけど、今はまだ戻りたくないんだよね。
209
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 23:56:29
「…麻琴? 時間立つと戻りづらいよ?」
「…でも…。」
「石川さんたちのこと?」
「(……!)」
「…仕方ないじゃん、あの2人付き合ってるんやし。」
「そんなの分かってるもん!」
核心を突かれたことに動揺して口調がきつくなる。
「……わかってるなら、尚更早く戻ったほうがいいって。」
「なっ! そんな簡単なことじゃないもん。
愛ちゃんは苦しい片思いなんてしたことないから
私の気持ちなんてわかんないんだよ!」
どんどんきつい言葉が口から出てくる。
210
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 23:58:12
「…じゃあさ、ずっとここでそうしてれば?」
「…………。」
「麻琴は自分勝手やよ。一人で勝手に怒って、飛び出して、
拗ねてみんなに迷惑かけて……。
石川さんたちのこと怒ってるけどさ、あの2人は好きあってるんやよ。
どっちかが自分の気持ち伝えたから、ああしてられるんやよ。
何にも言う勇気ないくせに、2人のこと責める資格なんてないよ。」
わかってるよ、そんなこと……
愛ちゃんに言われなくたってわかってる……
だけど素直にはなれなくて……
「うるさい! 愛ちゃんには関係ないっ!」
そんなことしか言えなくって。
211
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/09(水) 23:59:28
「……もういい…。」
そう言って愛ちゃんは行ってしまった。
あーあ、私なにやってるんだろう。
勝手に石川さんに嫉妬しちゃって…
勝手に吉澤さんのこと冷たいだなんて思って…
…心配してくれてる愛ちゃん、傷つけて…
212
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:01:10
「まーことっ!」
にこっと微笑みながら石川さんが隣に座る。
「………。」
「ここにいたんだねー。探しちゃったじゃん。」
よかった、怒ってはいない。いつもの優しい石川さんだ。
「………。」
「…ねぇ、麻琴。麻琴は私とよっすぃーのこと反対?」
「えっ?」
突然そう言われて焦る。
213
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:02:27
「なんか、賛成してくれてないみたいだから…
あのね、麻琴が嫌だって思うなら、私なるべくよっすぃーと
一緒にいないようにするから……。」
「…なっ!なんで…?」
「だって、麻琴が苦しそうな顔してるの見たくないもん。
麻琴もね、私の大切な家族だから。」
「…家族?」
「うん、そう。あいぼんとののだけじゃないよ。
麻琴も私の大事な子どもなの…って、子どもは嫌かな?
じゃあねー、うーんと、あっ、妹!! 麻琴はかわいい妹だから。」
「妹?」
「うん。かわいい妹が泣いてるとお姉ちゃん寂しいなー。
笑っててほしいなーって。
麻琴が笑ってられるなら、私少しくらい我慢できるからさ。」
214
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:03:28
「………。」
「あれぇ?あたし何か恥ずかしいこと言ってるぅ?」
なんて石川さんは笑ってるけど、その笑顔が眩しい。
えへへ、この笑顔は傷つけちゃいけないよね。
私は吉澤さんのこと好きだから石川さんはライバルだけど…
でも気づいちゃった、私石川さんのことも好きだなぁなんて。
215
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:04:45
「ねぇ、石川さん?」
「うん?」
「…あのね、私寂しかったんだよ。」
「???」
「だってさー、吉澤さんも石川さんも急に
かまってくれなくなるんだもん!
“小川悲しい”って感じ?」
そう言っておどけてみたら石川さんは満面の笑みを浮かべて。
「(あー、吉澤さんもこれにやられたのかな?)」
なんてさ、ちょっとドキッとしたことは内緒だけど。
216
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:05:48
「…私だって寂しかったんだよー。だってさー
麻琴は“吉澤さーん”ってよっすぃーばっかりだし、
よっすぃーも麻琴にかまって私のこと見てくれないし、
私ずっと2人のことうらやましかったんだよー。」
だからか…やっと石川さんの般若な理由が分かったよ。
でもさ、石川さん、あの顔は怖すぎるから……(笑)
でもまぁ気持ちは晴れ晴れしてきたかな。
217
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:07:19
「それにさー…」
なんてまだぶつぶつ言ってる石川さんの腕を取って、
「ほら、石川さん、収録始まりますよ!」彼女を立たせる。
「もう!なによー。麻琴ってばー!」
ちょっとプンプンしてる石川さんの手を握って歩き出す。
「あーあ、それにしても私にもいい人現れないかなー?」
「(笑) 何?麻琴、恋したいの?」
「うーん。なんか石川さん見てたらそう思った。」
ちょっと先輩をたててみたら、案の定石川さんは喜んでて。
あの…ちょっと…浮かれすぎですから。
218
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 00:08:31
クルクルまわり始めた先輩にちょっと閉口しながらも、
あぁ私って幸せなんだなーなんて的外れなこと考えて。
「麻琴にもきっと素敵な恋人ができるよ!」
石川さんはまだまだうかれ続けて、楽しそうに答える。
「そうかなー? そんな人本当にいるのかなー?」
「うふふ。…案外もう近くにいるのかもよ。」
「えっ?」
219
:
スライム
:2005/02/10(木) 00:11:27
更新終了。
(ちょっと切りどころが微妙かな?なんてドキドキだったりしますが…)
ちなみに、次回更新で「小川さんは5期メンバー」はラストです。
220
:
203
:2005/02/10(木) 00:46:30
ほぼリアルタイムで読めました♪更新お疲れ様です。
いっきに全部読んでも疲れませんでしたよo(^-^)o
石川さんお姉ちゃんなところが良いですね。意味深に去って行く辺りは罪な人ですが(^▽^;)
まこっちゃん気付いてあげてね・・・。
このお話(本編も番外編も)大好きなんで更新&完結楽しみにしてます。
221
:
ゆう
:2005/02/10(木) 15:24:02
更新お疲れ様です!!梨華ちゃんの優しさに読んでる方まで
ジーンときました(笑)まこっちゃんは気付くことが出来るのか・・・
それにしても作者様の書かれるまこっちゃん大好きです!!可愛いです!
222
:
スライム
:2005/02/10(木) 19:54:15
いつもより早い時間にやってこれました。
>203様
またまたレスしてくださってありがとうございます!!
リアルタイムですかー、なんだか照れますねぇ。
(更新とろいのがばれると思うとドキドキですがw)
さて、まこっちゃんはあの子の気持ちに気づくのか?
答えはこの後の更新で明らかに!(なんちゃってw)
>ゆう様
毎回のレスありがとうございます!!
梨華ちゃんにはもうちょっぴり(ほんとにちょっとだけ)頑張ってもらうつもりです。
あとは……まこっちゃんにかかっておりますw
ちなみに作者も書いてて楽しくなるくらいまこっちゃんは書きやすく、大好きです!
それではラストまで一気に更新行きます。
223
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 19:56:50
ガチャッ。
ドアを開けて楽屋に入る石川さんと、その手を握る私。
「あー!!麻琴何やってるんだよ。梨華ちゃんの手離せ!」
吉澤さんが叫んでる。
「………。」
私本当にこんなアホな人好きだったのかな?
ってか、石川さん本当にこんな人でいいのかな?
だってあの人慌てすぎて、イスから落ちてるよ?
224
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 19:58:18
「(百年の恋も冷める瞬間ってこういうのなのかな?)」
私の片思いはアホみたいな終わり方を迎えた…。
里沙ちゃんが聞いたら
「アホなまこっちゃんにはピッタリだね。」なんて言いそうだ。
って、何か現実的すぎて怖いな…。
これは奴らには一生語るまい。
225
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 19:59:35
「麻琴? よっすぃー怒るから手離すよ。」
「あっ!はい…。」
ぼんやりしてる所を石川さんに引き戻される。
「それに麻琴は他にやることあるもんね?」
「???」
「ごめんね、さっき見ちゃってたの…。」
「???」
「…高橋とのこと。」
「……!! あっ!」
「ちゃんと謝らないとね。ほらっ!」
私の手を離した石川さんが背中を押してくれる。
226
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:00:35
あぁそうだったよ…愛ちゃんに謝らなきゃなぁ…
つーか、気まずい。何て言ったらいいかなぁ…
「(だーもう!考えたってしょうがない!どうせアホなら
アホらしくドカンと言ってやれー。)」
開き直ったアホに怖いものなんてない。
「愛ちゃん、さっきはごめん!!」
私の声が楽屋に響く。
227
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:01:36
「もう!まこっちゃん声大きい!」
里沙ちゃん、ごめん。今はうざい。
「そうそう、静かにしないと怒られるよ。」
あさ美ちゃん、悪いけどあんたも今はうざいよ。
「麻琴は声でかいからなぁ。まぁ今始まったことじゃないけど…。」
愛ちゃん、だからあんたが一番ひどいんだって。
…って、おい!愛ちゃん何普通に返してんだよ!
一瞬スルーするところだったじゃんかよ!
228
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:02:40
「…あ、愛ちゃん?」
「んー?」
「いや、だからその…あの。」
「なぁ麻琴、吉澤さんアホやなぁ…イスから落ちとるんやで。」
「…はっ?」
「オイこら高橋!聞こえてんだよ!」
「うわーすいません、すいません…」
逃げ回る愛ちゃんと、追いかけ回す吉澤さん。
あの、私放置ですか?
229
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:04:03
「あーあ、愛ちゃん何やってんだか…」
呆れ顔の里沙ちゃん。
「ほんとに。そろそろお怒りに触れるね。」
我関せずな顔してるあさ美ちゃん。
「こらー!よっすぃーに高橋―!!うるさーい!楽屋で走り回るなー!!」
飯田さんの激が飛ぶ。
「愛ちゃんもさ、もっと空気よまなきゃ…」
「そうそう、石川さんとの時間邪魔されたら吉澤さん怒るって。」
「うんうん、それに今日飯田さん機嫌悪いってのに。」
「「バカだよねー」」
声を合わせる2人。
230
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:05:39
あの…あんたたち冷たくありませんか?
仮にも同期が困ってるんですよ?
助けなくっていいんですか?
私がおろおろしていると、
「あーまこっちゃん。助けたいなら1人で行ってね。」
「その方が愛ちゃんも喜ぶんじゃない?!」
「そうそう、私たちは巻き込まないでね。」
なんじゃそりゃ?
何かもうどうでもよくなってきた。
231
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:06:38
愛ちゃんもさ、ほんと、もっと空気読まなきゃいつか苦労するよ。
って、あれっ?
最近愛ちゃん空気読めてなかったっけ?
私がそんなことを考えてると、
「麻琴のことだけはわかるんやよ。」
いつの間にか隣にいた愛ちゃんが耳元で囁く。
うおっ!
心臓に悪いって…。
私のこと殺す気かよ…。
あんたその若さで殺人犯になりたいわけ?
…って、あれ? 今のって…?
あまりにもビックリしすぎて口がポカーンと開く。
232
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:07:56
「あーあ、またまこっちゃん口開いてるよ。」
おい!里沙ちゃん、聞こえてるって。
「まあまあ、いつものことだから。」
あさ美ちゃん、それフォローじゃないから。
「そうそう、麻琴らしくっていいじゃん。
そのうちよだれとか垂らすかもしれんけど。」
愛ちゃん…だから、あんたが一番きついんだってば。
って、まあいっかぁ…。
えへへ、こんなんでも大切な同期だもんな。
それに、愛ちゃんもいるしね…。
233
:
小川さんは5期メンバー
:2005/02/10(木) 20:08:52
「5期最高!!!」
思わず叫ぶ。
「「「麻琴うるさい!!!」」」
メンバーの怒鳴り声。
てへっ、まぁこんなだけどさ、でも…
小川麻琴、16歳。
誕生日が近づく秋の昼下がり…
季節外れの春の予感を感じてます。
End
234
:
スライム
:2005/02/10(木) 20:18:27
更新終了。
以上で「小川さんは5期メンバー」は完結です。
って、こんな終わりでいいのかな? ブーイングとかされないかな?
ちょっとドキドキしておりますw
ちなみに作者的にまこっちゃんは書きやすく、書いてて楽しかったです。
(一番楽しかったのは5期メンシーンだったりしますが…ぼそっ。)
そんな感じなので機会があればまたまこっちゃん主演で何か書きたいと思います。
次回については、「片思い」の番外編第2弾をお送りしたいと思います。
主役は……5期の次は6期のあの人で!(実質6期でなかったりもしますが…。)
という感じなので、今後もよろしくお願いいたします。
それでは、今回のお話にお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!!
235
:
35
:2005/02/11(金) 00:40:37
まこっちゃん失恋してしまったのですね・・・。
でもごめんねまこ。終わり方が
素敵過ぎますから。
マジで大爆笑ですた。
あまりに大声で笑ってしまったため親が部屋をのぞきにきましたわ・・・^^;
そして見事な三段オチをみせてくれたその他の五期メンの皆さんもサイコ―です。
番外編第2弾はどんな路線になるのか今から楽しみです。
がんがってくださいね!
236
:
203
:2005/02/11(金) 13:12:20
終わり方がまこっちゃんっぽいw麻琴の春はいつ頃やってくるだろう・・・。
そんなお話も読んでみたいな・・・なんて言ってみたりして(^^;
へタレな先輩が椅子から落ちたところで爆笑しました(^▽^;)
作者さま、なんだか気温の変化が激しい日が続きますが
体調お気をつけてまったり頑張ってください!
237
:
ゆう
:2005/02/11(金) 20:37:33
まこっちゃんの片思い終わっちゃったけど、おもしろいです!!すっごい
笑ってしまいました〜この続き見てみたいです!!
第二弾すっごく期待しています!!!
238
:
スライム
:2005/02/11(金) 21:56:34
心機一転、また今日から頑張りたいスライムです。
>35様
わぁお!素敵な褒め言葉ありがとうございます!!
親に心配されるくらい笑っていただけたなんて感無量です。
第2弾は…まこっちゃんの時とはまた違う路線なんですが、正直何路線
かは自分でもわかりませんw
>203様
まこっちゃんっぽいと言っていただきすごく嬉しいです、ありがとうございます!!
(体調へのお気遣いもありがとうございます!)
ちなみにまこっちゃんの春については…作者も書きたいなぁとは思ってたりします。
ただ、今書いてる話がなかなか進まず、ちょっと見通し立ってないんですね(泣)。
ですので、ちょっと後にはなると思いますがいつか必ず書きますので!!
>ゆう様
おもしろいとのお言葉&笑っていただきありがとうございます!!
まこっちゃんについては、このままでは余りにもアホすぎるのでwいつか必ず
この続き書きますね(ちょっと時間はかかると思いますが…)。
第2弾は、今までとはまたちょっと違う感じで、まこっちゃん編よりも
自信ないのですが(爆)、期待外れにならないよう頑張ります!
え〜今回の作品は「片思い」の番外編第2弾で、主役はミキティです。
いしよしは…一応出てきます。まこっちゃんの時よりは出る予定です、はい。
それでは、更新始めます。
239
:
ミキティの苦悩?
:2005/02/11(金) 21:58:43
最近よっちゃんさんの様子が微妙におかしい。
おかしいって言うか、なんかちょっと気持ち悪い。
まぁ気持ち悪いって言えばもう一人最近妙にキモイ人がいるけど。
でもあの子はね、もともとキモイとこあるからおいといて…。
本当どうしちゃったんだろ?
なんて言うのかな、変に浮かれてるっていうか。
そうそう、前はもっとクールな感じとかあったのに、
最近どうも浮き足立ってる感じなんだよなー。
240
:
ミキティの苦悩?
:2005/02/11(金) 22:00:45
「んー、なんだミキティじっとこっち見ちゃってー。」
「あー、別にー。」
「??? ……変なの。」
「ねー、よっちゃんさん。最近何かいいことあった?」
「ん?なんで?」
「いやぁなんか最近すっごい機嫌いいからさー。」
「あー。いやぁ…まぁ…そのー……」
うわっ、どうしよう。
よっちゃんさん、照れてるのかしらないけどちょっとヤバイ。
「…………。」
241
:
ミキティの苦悩?
:2005/02/11(金) 22:02:17
「って、おーいミキティ。何その顔?」
「…いや、別に。ちょっとさ……」
「ちょっとって?」
「いやー…あ!それよりほんとさ、何があったの?」
「ああ、うん。その、何て言うか。話すと長くなるんだけど…」
あーじれったい。早く話せよ!
「だからそのぉ、梨華ちゃんと…」
「梨華ちゃんと何?」
「…ミキティ怖いって。」
「あっごめんごめん。それで?」
ちっ、油断してたよ。ただでさえ美貴の顔怖いって言われるのに。
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