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小説を書くのれすっ。

1リースィー:2002/12/15(日) 13:40
 初めてで初めましてな小説書きです。
 ではひとつ。↓


「Confession」


「あ、夕陽」
 思わず呟く。梨華ちゃんも気付いたみたいで同じように夕陽を見て呟いた。
「そういえば昨日は雨だったもんね。なんか久しぶりみたいな気分」
「うん」
 梨華ちゃんの言葉に頷きながら足を止める。
 仕事の帰り道。今日は梨華ちゃん家に泊まる日。早めに仕事が終わったからって事で、
いつも降りる駅のひとつ前で降りて道を散策したり雑貨屋に入ったり・・・
とにかく遊んだ後、今は夕食の材料を買ってようやく家に帰ろうとしてるところ。
 梨華ちゃん家に行くときは必ず通るこの道。少し高い位置にあるからか、
町を見下ろす形で遠くまで景色が見える。もう何回通ったのかも分からない道だけど、
いつもは夜だったり朝早くだったりでこの時間に通る事ってそうはない。
私の目に映るすべてにやわらかい色が続いている。
「・・・初めてかなぁ。梨華ちゃんと夕陽見るの」
「え?もう、ひとみちゃん何言ってるの?初めてじゃないよ」
 ほら、と梨華ちゃんが人差し指をピンッと上に伸ばして「思い出して」という
ジェスチャーをする。今更だけどやっぱり梨華ちゃんらしい「不自然さ」があるというか・・・。
「一緒に見たじゃない。ほら・・・あの・・・」
「?」
 ピンッと張っていた指が少しずつ力を無くしてく。その代わりにブンブンと前後に振り始めて。
「思い出して」という割には自分が思い出してないように見えるけど・・・。
「だから〜・・・ほら・・・」
「ん?何?」
「ほら、あの・・・」
 まだ指を振ってる。気のせいか顔が赤く見える。
「あの日よ、あの日」
「・・・何の日?」
 私は全然分からない。それに気付いたのか梨華ちゃんは溜息をつきながら
指を下ろした。
「あのね、前・・・」
 耳に手と口を寄せて、小声でボソッと言葉を投げかけられる。
「・・・あ」
 思い出す。それと同時に声が出た。
「分かったでしょ?」
「・・・うん」
 少し熱く感じる頬に手を当てて頷いた。

169名無し(0´〜`0):2003/08/11(月) 15:12
>何か名前だけ聞くとアダルティーな・・・(笑)
確かに…。(;´Д`)ハァハァ しそうなタイトルですね。

高紺って、微妙にすきなんですよ。(w
次も楽しみにしています。

170名無し(0´〜`0):2003/08/22(金) 17:06
久しぶりに来たら高紺!高紺!w
みんなに知れた後が楽しみですね〜w
石吉もネッツも楽しみにしています!

171リースィー:2003/08/23(土) 13:03
169さん>ありがとうございます。(そこが狙い目だったりして・・・w)
170さん>ありがとうございます。(ネッツもがんばりますっ)

今日は顔を出すだけなのですが、今度も高紺を載せようかと思うております。

では。

172リースィー:2003/08/28(木) 13:16
はい、宣言通り高紺を乗せたいと思います。

173リースィー:2003/08/28(木) 13:21

 月が私を見てる気がして眠れなかった。
 光が瞼を通してまで突き刺さってくるのがうっとうしく思えてゆっくりと目を開いてみる。
「・・・・・」
 少し暑いからと言って開いた窓から入ってくる風でカーテンが揺れている。そして今私の目に映っているもうひとつのカーテンの向こうに薄い彼女の寝顔が。
「・・・愛ちゃん?」
 こんな小さな声でこんなところから聞こえるわけが無い。って分かってるのに私は口に名前を出していた。・・・もちろん目を覚ますなんてことは無いわけで。

 ね。
 明日になったらまた「寝てないの?」って言われるのかな。
 私だけ、また一人で欠伸してるんだよね。明日の朝は。

174リースィー:2003/08/28(木) 13:26

 喉が渇いてる感じがして、体は水を飲もうと起き上がった。
 毛布の音を最小限におさえて、足をそっと床に乗せる。意外にひんやりとした感触に一瞬だけ息が詰まったけど、そのままもう片方の足を下ろして立ち上がった。
 冷蔵庫はちょっと歩いた先にある。何本も並んでるウーロン茶のペットボトルから一本を取り出して三口ほど口に運びながら側の壁にもたれると、カーテンをすり抜けてきた風が少しだけ冷たくなっていることに気付いた。
「・・・雨・・・?」
 ウーロン茶を戻してベッドまで行く。遠くに見える公園のライトに照らされてサラサラと音無く流れていく線が目に映っていく。

 さっきまで私を見ていたはずの月は、一体どこに行ってしまったんだろう。
 そう思うほどに暗くなった窓の向こう側。

175リースィー:2003/08/28(木) 13:32

「っん〜・・・」
「?」
 窓が閉まった音の後すぐに聞こえた声。それにこっちは顔を出さずに驚いて。とりあえず仕切りのカーテンを少しだけ開いてみた。
 ちゃんと肩まで毛布を被って、その中でもぞもぞっとしてる。だけど愛ちゃんは変わらずに目を閉じたままで。
「な〜んだ・・・」
 寝返り打っただけなんだ。それに安心しつつベッドに腰掛けた。
 目に映った時計は三時過ぎを指している。こんな時間に眠れないなんてなあ、と思いつつもまた、窓の外に目を向けた。
 ・・・すぐ止む通り雨だろう。そう思ったら体は毛布をまとって壁にもたれて、その線のような雨を眺めることにしていた。
 サラサラと流れるこの雨がすごく綺麗に思えたから。

 ・・・そうだ、夏なんだ。
 静かな雨の中で濡れていく外の様子を眺めながら呟いた。

176リースィー:2003/08/28(木) 13:36

 雨はまだ止まない。
 気が付いたら黒から青に景色が移っていた。
「・・・・・」
 あ〜・・・、通り雨だと思ったのに。
 結局は事実上の徹夜。それで「何してたの?」って言われても応えに困るんだ。
 そう思ったら、何故か知らないけど笑ってしまった。
「ん・・・」
「?」
 また聞こえた声にまた同じ反応。・・・でも、今度は。
「・・・あさ美ちゃん・・・何してんの・・・?」
 愛ちゃんの目は開いて、すぐに私の方を向いた。
 髪は少しボサッとして、目はまだ眠たさを訴えてる。
「まぁた起きとった?」
「ううん。違うよ」
 雨がね、降り始めた時が綺麗だったから。眠りたかったけどそれで眠気取られちゃった。
 ・・・なんて言ったらまた叱られるから。
「ちょっと早く起きちゃっただけ」
 時間はまだ四時半。・・・かなり早いか。

177リースィー:2003/08/28(木) 13:42
「まだ眠れるよ〜・・・。も少し寝よ?」
 そう言った愛ちゃんは何故かこっちに向かって手招きみたいな仕草をした。それが薄く見えたカーテンをくぐって愛ちゃんのところに行くと。
 ・・・手が、すぐに取られた。
「雨降っとったの?寒いって思ったら・・・」
 あさ美ちゃん、中入ってきて。
「・・・うん」
 その応えの前にもう、私の体は愛ちゃんの毛布に飲み込まれていた。
「あさ美ちゃん、顔冷たい・・・」
 ホントにホントに眠たそうな声。目はもう、閉じて。
「でも、何かあったかいの〜」
 眠気のせいか、愛ちゃんは訛りが爆発してる。何度も聞いてるんだけど何度聞いても心地良い声。
「・・・うん。私もあったかい」
 そう応えて腕を回したら、確かに感じた背中を撫でる手の感触。

 何で、だろう。
 ・・・今頃眠くなってきた。

178リースィー:2003/08/28(木) 13:49

 雨って、眠気を誘うんだって。
 だけど私は全然眠れなかったんだ。
 今日は別々に眠ろうとしたでしょ?・・・多分、それがいけなかったんだよ。
 ・・・変な話、だよね。
「私、愛ちゃんと一緒だと眠れるんだ・・・」
「あはは・・・嬉しいなあ・・・」
 まだ聞こえてくる愛ちゃんの声。その一言一言をつづる一文字一文字が、全部綺麗な音になって耳に流れ込んでくる。全部「眠ろうよ」って聞こえてくるようで。

 ね。
 一緒に眠ってるからさ、私一人だけ欠伸しないようにするからさ。
 朝ご飯食べてる時に「ホントは寝てないんでしょ?」なんて言わないで。

 すり寄ってくるように肌を触れ合わせて。
 愛ちゃんはもう寝息を立てている。
「・・・大好き」
 もう眠ってる愛ちゃんには届かないと思うけど、小さく言ってみた。
 そして頬にそっと唇を寄せて。
 私もようやく目を閉じた。

 サラサラの雨はもう、遠い。
 きっと今日の朝はとっても気持ち良く起きられるだろう。



 終。

179リースィー:2003/08/28(木) 13:51
終了です。
高紺です。夜です。紺野さん一人語りです。
タイトルは「HB of DB」の中の「アルアメノヒノヨル」です。
な〜んか、紺野さんって一人で語ってるのが多い気が・・・。

では。

180名無し(0´〜`0):2003/09/04(木) 11:31
新作ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ
楽しみにしてました。高紺!!
いや〜作者さんの書かれる紺野いいですねぇ〜。
次回作も楽しみにしています。

181名無し娘。:2003/11/08(土) 15:26
密かに続き期待待ち(w
高紺大好きっす

182名無し(O´〜`O):2004/01/23(金) 22:26
高紺密かに期待。


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