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約束なんかじゃない。
1
:
オガマー
:2002/10/03(木) 11:08
ちょっとばかし気まぐれがおきたのでスレ立てさせて頂きます…。
よろしくお願いします。
2
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:09
「紗耶香姉ー。」
「なに、アンタ。」
紗弥香はあたしの顔を見ると即ため息。
「つめてぇ。かわいい妹なのにぃー。」
「どこがだっ。図体ばかしでかくなりやがって頭はちぃとは成長したのか??ん?」
「ひでぇ。いくら姉ちゃんが大学院通ってるからって、あたしだってそんな馬鹿じゃねーんだってば。」
「へぇ。こないだのテストで45点とったのはどこの誰だっけ?」
そう言ってからかう仕草で額に手を当てて辺りを見まわす。
そもそも、この紗弥香姉とは気がよく会う。こういう馬鹿な会話をしている時が一番楽しい。
義理の姉妹だってことも忘れられる。ま、今更思い出したってなんの影響もないんだけどねぇ。
3
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:09
「もぉ、わかったよ。降参!姉ちゃん頭いいのはわかったから、今なんの研究してんのか教えてよ!!」
「やっぱその話しかぁー。アンタとことんあたしのことが好きみたいだね。」
「いや、好きなのは仕事。」
ジロリと一睨みされる。
「…姉ちゃんのことももちろん好きだってば。」
「あはは!ほんといいヤツだよなー、お前はっ!」
そう言って頭を撫でてくる姉ちゃんに、見られないように赤くなる顔を逸らした。ま、バレてるだろうけど。
4
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:10
「へぇ〜、アンドロイド?」
「うん。そぉ。そぉだとは言っても今までのソレとはワケが違うけどな。」
アンドロイドは今のこの世界では当たり前の生き物だ。生き物と呼べるかわからないほど、その役割は限られていて、例えば「家政婦さん」だとか。ハウスクリーナーなんかもそうだね。
「で、どう違うの?」
あたしの目は今キラキラと輝いているだろう。
「アハハ。うん、ずばり、感情。」
「えっ、アンドロイドに??」
「そぉ。実際、その体はすでにできあがってて、今度のあたしの仕事はその人形に命を吹きこむところからはじまるんだよなぁ。」
5
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:10
「へぇ。でも、なんでそこから、なの?」
「ああ、ちょっといわく付きの代物なわけよ。今回の仕事は。ま、もちろんいつもそうなんだけど。人助けが我が社の本来の目的だからなー。」
「あー、ちょっとストップ、ストップ!!」
「なに?」
イキナリ大声で話しを止められて姉ちゃんは不機嫌。でも…
「だってさー、その話しこれから長くなるでしょ?だーかーらー、端おって離して?」
とびきり笑顔を向ける。紗弥姉のことだからほおっておいたら30分は我が社自慢を意気揚揚と語り続けることだろう。悪い癖だ、この人の。
「ちぇっ。まぁ、いいわ。んで、そのアンドロイド、百年以上前のものらしいんだよね。」
「ひゃくねん!?」
「そぉ。それで、手紙が添えられていた。」
「どんな?」
「うん。これだよ。」
と、紗弥香姉は手紙を手に持つと文面を読み始める。
6
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:11
「私の愛した人です。彼女が止まってしまい、残念なことに私の右腕ももう上手く動きません。この時代、アンドロイドが禁止されているのに、感情まで持っている、となると完璧に廃棄処分になるでしょう。そこで私は彼女を隠します。誰にも、誰にも見つからないところへ。
見つかった時に、彼女にどんな未来が待っているのか…。私がただただ願うことは、彼女との約束を果たすこと。来世で会おうと私達は約束を交わしました。だけれど、彼女の記憶はリセットしました。そうでなければ意味はないのでしょう。心良き方が彼女を発見してくれたならば、彼女の開放。ただ一つ、それをお願いしたく、このような手紙を書いております。」
これ以外は文字がつぶれて読めない。
「開放って…来世って…そんなことってほんとに出来るの?どこまでが仕事だよ?」
紗弥香姉は小さなため息を吐く。あたしのこんな反応をわかっていたんだろう。
「そんなふくれんなよ、飯田博士からの依頼なんだよ。あの人のことだから、お前が心配するようなことは何もおこらないと思うよ。」
7
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:11
飯田博士か…。博士は人とは違う能力を持っているんだ。少しだけ、なんて言うんだろう?人にはわからないこの世界の流れ?それはとても曖昧なものらしいけど、これからいいものに変わるか、悪いことに変わってしまうのか。。。そんなことが感じ取れるらしい。
「そっか…。」
「あ、それからお前にその子預けるからな。」
「へ??」
「へ??ってあたし等はね、日々研究で忙しいんだよ。」
「ちょっと待ってよ。」
「待てません。丁度同じ年の頃だからやりやすいと思うし、いろいろ。」
なんて姉ちゃんは何故かさも当然と偉そうに腕組をする。
「…わかったけど……。」
「はいはい。お前の言うことはわかるよ。あたしのお下がりあげるから。」
「やった!!」
8
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/03(木) 11:12
ほんとに単純だな、なんて姉ちゃんの呟きなんか聞き流しちゃう。
だって、お下がりってのは、姉ちゃんが今まで仕事に使った資料もろもろなのだ。
何を隠そう、あたしだってその手の仕事に興味がある。
正義感いっぱいの少女なのだよ!
「じゃ、明日一緒に会いに行くか?ま、まだ目を開けていないけど。」
「おうよ。」
ご褒美だけで、あたしの態度はコロッと変わる。自分でも単純だとは思うけど、それに値する価値がちゃんとあるのだ。あのお下がりには。
9
:
オガマー
:2002/10/03(木) 11:12
更新終了ですだ。
おもっきしなさそーな話ですみません。
10
:
管理人@代理
:2002/10/03(木) 11:43
ぬおっ!
オガマーさんキタ━━(^▽^)━━!!
こんなに早く来て頂けるとは思いませんでした(o^〜^o)
ありがとうございます!!
11
:
管理人
:2002/10/03(木) 14:23
オガマーさんありがとうございます。(O^〜^O)
そして、すげー面白そうなお話で楽しみです!!
12
:
名無し○い○ん
:2002/10/03(木) 20:10
アンドロイドの話、面白い!速く続きが読みたいです。
がんばってください。
13
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:39
次の日、朝からチームいきまっしょいに乗り込んだあたしと姉ちゃん。
ちなみにチームいきまっしょいは会社名。もともと、姉ちゃんと飯田さんが立ち上げた会社なのだけど、今はいろんな社員がいる。大学院生の姉ちゃんじゃ、手が足りないもんな。
「お前さぁ、もうちっとマシな格好できないの?」
「マシって何?めちゃ決まってない?」
姉がケチをつけてきた今日のあたしのファッション。オレンジでナイロン地のパーカーにページュの膝丈のズボン。これめちゃお気に。
「それで白衣はないだろ…。」
「昔っからさ姉ちゃん変なところにこだわるね。もしかして、何事も形から入るタイプ?」
姉は黒のタートルネックに黒のジーパン。まぁ、白衣が似合いすぎって格好だ。
14
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:40
「悪いかよ!いくぞ!!」
あはは。恥ずかしがってる。今日はあたしの勝ちだな♪
なんて考えてる間に、埃なんかを全身からとってしまう機会の中に突っ込まれて、奥のドアへと入る。
「ここは繊細な機会ばっかだからな、ほら、アレだよ。」
ぶつくさと文句を言ってるあたしに説明して、姉ちゃんは指差した。
その先には、透明な液体に全身をひたらせた女の子。ああ、アンドロイドか。
「綺麗だろ?」
「へ?あ、うん。」
思ってたことを先に言われあたしの返事はぎこちなくなってしまう。
15
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:40
「お前、タイプなんじゃないのぉ?」
「ばっか!」
「おお、焦っとる。」
ニヤニヤしてる紗弥香姉。確かに…タイプ…いかん!いかん!!相手はアンドロイド。
しかも運命の相手を待っているときた!
いくらジゴロなよしこでも、そんな恋をするわけには参りません。
だけど…綺麗だな。あの時代にこんな技術を持った人がいたなんて…。
「お前、あんま舐めまわすと立っちゃうぞ?」
「ついてねぇよ…。」
こんな会話は日常茶飯事である。
全裸で水に浮かぶ彼女はとても綺麗。つい見惚れてしまっていた。
16
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:41
「いつ、起きるの?」
「ああ、そのことなんだけど、もうイケる。」
「へ?もう?」
「うん。それがさぁ、お前、怒るなよ?」
「なに?」
「それがねぇ…カオリがやってくれちゃったみたいで…。」
声のトーンを落として話す姉ちゃんに一抹の不安。こんな時にまともな話しなんて出てこない。
「キスで起きるらしい。」
ほらね。へ!?
「キス!?」
「おう。頼んだ。」
そう言うと姉ちゃんはあたしの肩をポンッと叩く。
17
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:41
「あたしがやんの?」
「当たり前だろ?」
「なんで?」
「じゃ、あたしがやろっか?」
…忘れてたこの人極度の女好き!!
「あたしがやる…。」
「はじめから素直に言えー。それにさ、カオリはじめからお前じゃないと駄目だって何故か言ってた。」
「何ソレ?」
「ん〜?わかんない。勘みたい。いつもの。」
「あー、そーなの?」
「うん。」
博士の勘とは、つまりあの能力のこと。
18
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:42
ウィーン
機械的な音がして、水のスッカリ抜かれたトレイのドアが開く。
寝転んだ状態の彼女の裸体に生唾を飲んでしまったのは失態…。
「じゃあ、い、いただきまーす。」
変な挨拶をその彼女にしてあたしは彼女にそっと唇を重ねる。
「うは!ほんとにしたんだ??」
後ろから聞こえてきた声に振りかえってみると、そこには博士が立ってた。
「ほんとにしたって?」
「キス。」
「え、だって…。」
「また紗弥香でしょ?あはははは!ひとみ、気をつけなきゃ駄目よ?」
「な、なんの話しっスか?」
姉ちゃんは知らないそぶりでそっぽ向いてる。
19
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/04(金) 06:43
「ほんとはね、触れるだけでよかったの。」
「へ!?」
「体温をどっか一部に与えてやれば覚醒する。なのに、紗弥香はひとみのタイプだからキスさせてみるのも面白いかも、って言ってた。あはは!まさかほんとにしてるとは。」
「はぁ!?」
紗弥香姉を睨んだけど、ニヤリと見つめ返されてしまった…。
はいはい。確かに得した気分ですともさ。
「あのぉ…。」
また後ろから声。
「あ、起きた?」
あ、放置してた。彼女のこと。
何時の間にか、さっきまで眠っていた彼女は容器に手をかけ、彼女が半身を起こしていた。
20
:
オガマー
:2002/10/04(金) 06:47
更新終了!
レスありがとうございます!
>10 管理人@代理さん
昨日、レスのはやさにビックリしました(笑)
何かキッカケを与えられると弱いみたいで(謎
>11 管理人さん
どういたしまして。
あんまし面白くないです(w
>12 名無し○い○んさん
ありがとうございます。
期待はほどほどに見てやってくだせぇ。
21
:
オイラ
:2002/10/04(金) 10:12
(o ̄〜 ̄o)ついてねぇよ
いちーとよっちぃの掛け合いが面白いっす!
やぱーり、いちーは女好きなんですね(w
22
:
名無し○い○ん
:2002/10/04(金) 19:42
わーい!!ハッケソ
すごい面白いです。
続き楽しみです。がんがってください。
23
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:55
「はい。私はどうして??」
「説明するからとりあえずこれ着な。」
黙っていた紗弥香が自分で持ってきたと思われる服を手渡した。
「はい、ありがとうございます。」
それにしても…なんだこの声。設定ミス?なんかくすぐったくなるような…正直…とてつもなくかわいい声……。
今は、とても無表情だけど、その表情でさえ、彼女の顔立ちのせいで魅力的なものに変わってしまう。そんな容姿。
24
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:56
その後、飯田さんの部屋で彼女に事の説明を施した。
彼女は表情を変えずに聞いていたので、ほんとうに感情があるのか?と疑問を持ち始めていたけれど…
彼女はカオリさんの顔を見て、紗耶香姉の顔を見た後、あたしの方を向いた。わけのわからない感情に胸がギュッとなって、あたしは目を逸らしてしまった。
「これが、今日から貴方と一緒に過ごすヤツだよ。」
「どうも。吉澤ひとみです。」
どうでもいいけど「これ」ってなくない?姉ちゃん…。
「あ、私は石川梨華です。どうぞよろしく!」
ドキューン――――――
もう。無理です。降りていいですか?
彼女がはじめて見せた笑顔は物凄くかわいくて…あたし止められなくなるよ?
握手までしちゃって…どうなるんだろう。これから。
どうなるんだろう…あたしは。
25
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:57
あたしの家は馬鹿でかい。
彼女一人住まわせるくらいほんとになんでもないのだ。
なのに…
「お前の部屋で一緒に暮らして貰うから。」
なんで…そうなるんですか?
「ん〜、つまりそのアレだ。彼女は寂しがりなのだ。」
「は??」
「一人では寝らんないんだってさ。」
「そーなの?」
「だから、一緒の部屋。今日の午後にセミダブルのペッド届くから受け取れよ。」
「…おう。」
手回しのよろしいことで…。
26
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:57
「あの…迷惑じゃないんですか?」
そう聞いてきたのは梨華。姉ちゃんは用件だけ告げると、彼女とあたしだけをこの部屋に残してさっさと仕事をしに戻ってしまった。
「うんん。全然、大丈夫だよ。」
別の意味で大丈夫じゃないかも…と彼女の微笑みを見て思う。
「うーん、とりあえず必要なもの買いにいこっか?」
「はい。」
あたしは彼女とショッピングへ出かけることになった。
服だって紗弥香から渡されたものだけ。あたしのは大きすぎるし。
下着は…2人とも合わなかった……。彼女は細身なのにナイスバディらしい。見たけどね…。
27
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:58
ショッピングを終え、家に戻ると、何故か彼女だけが姉に呼ばれた。
あたしは部屋でボーッとしていた。
『しばらくは普通に生活してもらうだけだから』紗耶香姉がそう言ってた。
しばらくっていつまでだろうな…
それにしても、買物の間中、彼女はよくはしゃいだ。
この時代の服がいたく気に入ったみたいで。でも、どれもこれもピンク。
思い出してちょっと頬が緩んでしまう。
あまりにも無邪気だったから。
…しかし、姉ちゃんまさか変なことしてないだろぉーなぁ…。
壁伝いに2人の話しを盗み聞こうと試みたその瞬間−
「何してるんですか?」
ドアが開いて梨華が帰ってきた。
28
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:58
「ん?あ、いや…壁がひんやりしてて気持ちいいなって…。」
苦しい言い訳…。
「ふふっ。吉澤さんが気さくな方でよかったです。」
彼女は何を気にする様子もなく、笑ってそう言った。
「…それより、姉ちゃんになんかされなかった?」
「なんですか?」
「いや、その…変なこと…。」
真っ赤になるあたしとは対照的に涼しい顔でキョトンとしてる彼女。
この反応ならされてないか…。
29
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:59
「いや、気にしないで。」
「…はい。」
「あ、それと吉澤さん、なんて堅苦しいからひとみ、でいいよ。」
「はい。」
「あたしも梨華ちゃんって呼んでいいよね?」
「はい。」
微笑む彼女…。
「その敬語もやめ!OK?」
「はい、あっ、うん。」
照れて笑う顔がまたなんとも…。って何考えてんだよ…はぁ。
「そろそろ寝る?疲れたでしょ?」
「うん。もぉ、クタクタ。」
アンドロイドにも疲れ、ってあるのかなんて自分で言っておきながら思う。
でも、彼女もそう言ってるからあるのかな?
30
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:59
「あ、あの…石川さん?」
「名前で呼ぶんじゃなかったの?」
「あ、うん、梨華ちゃん、なんでそんなにくっつくの?」
そう。梨華ちゃんは何故かあたしにぴったりくっついて眠ろうとするのだ。
「あ、迷惑ですか?あたしこうしないと眠れなくって…。」
「そーなの?」
「たぶん。」
そう、彼女は記憶を消されているわけで、感覚的にしか自分のことは掴めていない。
これってまたなんちゅうおいしい話し…じゃない!!しっかりしろ!とみこ!彼女は運命の人を探すために今ここにいるんだぞ!!
…自分で喝を入れたのになんだかとても寂しい気持ちになってしまった…。
31
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/05(土) 07:59
「吉澤さん?」
あ、ボーッとしてた。梨華ちゃんは少し申し訳なさそうな顔をして体を離していた。
「ほら、梨華ちゃんも名前で呼ぶんでしょ?」
あたしは笑いながら梨華ちゃんをそっと引き寄せてあげた。
「うん、ひとみちゃん…。」
梨華ちゃんが腕の中でクスクス笑った。
32
:
オガマー
:2002/10/05(土) 08:02
更新終了。
なんか全開の切り方がまずくて不自然なはじまり方に(汗)
レスありがとうございます!!
>21 オイラさん
オイラさんだ(w
ありがとうございます!
いちーは女好きがハマる(笑)
>22 名無し○い○んさん
ありがとうございます。
プレッシャーには弱いですが、嬉しいです(w
33
:
名無しヌード
:2002/10/05(土) 17:42
梨華ちゃんかわうぃ。(w
たまらないですね〜
34
:
名無しヌード
:2002/10/05(土) 20:06
もう更新されてる〜〜
うれし〜この話今一番好きかも。
たのしみにしています。がんばってください。
35
:
名無しベーグル。
:2002/10/06(日) 11:05
いしかーさんが、可愛い。
これから、よっすぃーと、どうなっていくか楽しみです。
36
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:06
「おっはよー。どうだね?諸君、お目覚めは。」
「あ、おはようございます。」
「石川は今日も元気そーだね!」
「はい!」
「うんうん。」
紗弥香姉は梨華ちゃんの頭をなでなでしてる。いいな…じゃなくて。
「紗弥香姉、朝からテンション高い。」
「なんだよ、お前。土偶みたいな顔だな!」
大笑いされた…。
昨日、梨華ちゃんにずっと抱きつかれてて、寝たことには寝たんだけど、明け方ふと目が覚めると梨華ちゃんの足があたしにしっかり巻き付いてて…
思春期のあたしには刺激が強すぎたんですよ…ねえさん。
とか言えるワケもなく。
「おかげさまで…。」
と一応意志を伝えてみる。
姉ちゃんは全てを察したみたいでニヤッと笑った。
37
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:06
「え、じゃあ、紗耶香さんとはなんの関係もないのに姉妹なの?」
「そう。あたしさぁ〜ま、いろいろと事情があって、親に追い出されてね。それでクラブで知り合ったのが紗耶香姉なんだ。」
今日はどこに行こうかって話しからなんでこんな話しになったのかな?ま、いいけどねー。
実際、あたしはレズビアンで。結構いいとこお嬢さんだったあたしは「結婚する気はないよ。」の一言で勘当をくらってしまったのだけど…。彼女に真実を話せるわけもなく…。
「クラブ?」
「ああ、みんなでお酒飲んだり、踊ったりするんだよ。」
「へぇ、楽しい?」
「うん、楽しいよ。」
そんで、姉ちゃんと知り合ったのも、レズビアンバーだったわけなんだけど…。
38
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:07
「行きたい!」
「え!?」
「行きたい!駄目?」
…なんなんだ…。なんなんだ…この何気に発せられてる妙な色気は…。
その潤んだ目で上目使いは…犯罪だ…。
「あ、うんいいよ。」
気がついたらそう返事をしていた。
39
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:07
「ここだよ。」
早速、なじみのクラブにやってくる。その名も『MISOJI』。オーナーの中澤さんとは顔見知り。
しぶい名前が気に入って、また雰囲気まで気に入っちゃって…
何気にその中澤さんもレズビアンだったりするわけだけど…
「へぇ〜、音おっきい。暗い〜。」
梨華ちゃんは耳に手を寄せながらもキラキラした瞳で店内を見まわす。
「よっすぃ〜!!」
ズンッと背中に重みを感じて、その物体を確認する。
40
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:08
「矢口さん…。」
矢口さんは、オーナーの中澤さんの相方だ。恋人。
この店を手伝っている。人懐っこい性格と人に気を配ることにすぐれている彼女はほんとにここの仕事に向いてる気がする。
「あれ?このかわいい子は?彼女?ひどいっ!!」
「へ?」
「よっすぃ〜、あたしに隠れて!!」
矢口さんは梨華ちゃんを見付けると、そう言って泣き真似をはじめる。
いつものことなんだけど…今日は焦る。
「なに言ってんですかっ!友達ですって友達!!」
梨華ちゃんをチラッと見ると、なんだか嬉しそうに矢口さんとあたしを見比べてた。
41
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:09
「そうなのぉ〜?よっすぃ〜のタイプだから絶対そうだと思ったんだけどなぁ〜。」
タイプって…どんなのがあたしのタイプなんスか。みんな知ってるみたいだけど…。
「名前は?」
「あ、石川梨華です。」
梨華ちゃんは、ペコリとお辞儀をする。
「あははっ、梨華ちゃんね、こういう場所ではファーストネームだけでいいよ。梨華です♪って。」
矢口さんはそう言うと、タイトなスカートをムリヤリ掴んでお嬢様みたいな礼をして見せた。
「そぉなんですかぁー。」
梨華ちゃんはひたすら関心した様子。
その真面目な表情がこの場所に不釣合い過ぎて笑いをかみ殺した。
「じゃ、ゆっくりしていきなよっ!」
「はぁ〜い。」
「あ、帰るときいいなっ安くしてやっから♪」
最後に耳打ちでそう言って。
あたしはお礼の変わりに笑顔で会釈。
42
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/07(月) 11:10
「よっすぃ〜!!」
歩いていると、背中に重みを感じて、今度はあたしは赤くなる。
「梨華ちゃん、何してんの?」
背中にはりついてきた物体が、今度は梨華ちゃんだったから。
「矢口さんの真似っ。」
そう言って、ほっぺたにえくぼをつくって笑った。
かわいい…。
「酒とか飲める?」
適当なテーブルに座って、梨華ちゃんに尋ねる。
爆音のせいで、顔を近づけなきゃいけないのはラッキー♪ってことで…。
「うんん。たぶん駄目。」
もちろん、梨華ちゃんの顔もギリギリまで近づいてくるわけで…。
「そっか。」
あたしは近くを通ったウェイターに適当にオーダーをした。
43
:
オガマー
:2002/10/07(月) 11:14
更新終了です。
レスありがとうございます!
>33 名無しヌードさん
かわいいですかw
ヨカッタ!
>34 名無しヌードさん
いいい一番なんてもったいないです!
期待に添えられればいいのですが。
>35 名無しベーグル。さん
これからの展開はベタです…たぶん。
きっと…。
44
:
名無しヌード
:2002/10/07(月) 16:56
いいな〜うちにも梨華ちゃんほしい。。。
45
:
オガマー
:2002/10/09(水) 18:10
「楽しそうだね。」
梨華ちゃんは興味深々に目の前で繰り広げられるダンスに見入っている。
「踊ろうか?」
「えっ、いいよ…。」
顔を少し赤くして手を振る。
「なんで?おいで!踊ろう!」
あたしは梨華ちゃんの手を取ってフロアに出た。
R&Bのリズムに乗せて緩く体を動かす。
梨華ちゃんは「すごぉ〜い。」なんて拍手してくれる。
こんくらい誰でもできるんだけど嬉しいからよし!
「梨華ちゃんもやってみな。」
「え、、。」
「ほら、こぉ、こぉ。」
ドルフィンなんかを教えてやる。梨華ちゃんの動きはぎこちないけど、なかなか器用なほうだと思う。
カオリさんのロボットダンスに比べたら…。
46
:
オガマー
:2002/10/09(水) 18:10
曲調が変わった。
「DJマリー!!」
先程までのDJが高らかにそう叫ぶと、矢口さんがテーブルをイジりはじめる。
ジャズでひたすらプレイを見せつけた後、聞こえてきたのはサザンの愛しのエリー。
そう言えば中澤さんが好きなんだっけ。愛しのマリーとか言って…。
「この曲素敵。」
梨華ちゃんが隣で呟く。
「踊ろうか。」
あたしは手を差し出す。
辺りはチークタイムになってて、梨華ちゃんと手を重ねて、彼女の腰に手を回す。
ギュッと体を密着させて…
「これなら踊れるよ。」
梨華ちゃんは嬉しそうにそう言う。
ゆるくターンをすると、DJブースの矢口さんと目が合ってウィンクをかまされてしまった。
…全部お見通しですか…
47
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:11
「楽しかったね〜!!」
クラブを後にしてから梨華ちゃんは酒も飲んでないのに妙にハイテンション。
あたしは、その後姿を見詰めながら切ない感情に胸がしめつけられるのを感じてる。
どうやらほんとうにあたしは梨華ちゃんのことを好きになってしまったみたいで…。
でも、彼女はアンドロイドで…ほんとに?
そんな事実も忘れてしまうほど彼女は自然だ。
…そして…運命の人、ただ一人を待ってる……。
48
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:12
「ただいまぁ〜。」
あたしは酒を飲んでたこともあってボーッとしてたんだけど、その異変に気付いたのは、梨華ちゃんだった。
「誰か来てるのかな?」
梨華ちゃんのその言葉に下を向いてみると、確かにミュールが一つ。
梨華ちゃんのものじゃないし、あたしと姉ちゃんは普通に履かない。
「誰だろうね?」
梨華ちゃんと顔を見合わせて紗耶香姉の部屋に向かう。
49
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:12
「どうしてよっ!!」
部屋に近づいて、その声を聞いた途端にあたしは固まってしまった。
「真希!落ちつけって!!」
真希…グワングワンと耳鳴りが聞こえる。
「ひとみちゃん?」
「!?」
梨華ちゃんの手が肩に触れたのにビクッと反応してしまい、梨華ちゃんは手を引っ込めた。
50
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:13
「あ、ゴメン…。」
あたしは咄嗟に呟く。
梨華ちゃんはとっても寂しそうな顔をしたけど、笑った…。
胸の芯が熱い…。
「もういいよっ!わかったからっ!!」
「わかったってどうするんだよ?」
そう声が聞こえてドアが開いた。
「あっ…ひとみぃーーーーーー!!」
真希はすぐにあたしに抱きついてきて、姉ちゃんは苦笑いをした。
あたしは…動けなかった。
51
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:13
真希はあたしに初めてできた恋人だった。
でも、…紗耶香姉に気持ちが移った。
さんざんな振られ方をしたのが蘇る…。
紗耶香姉は、真希の気持ちには答えられないと振った。ほんとうの気持ちはわからなかったけど…
真希はすぐに姿を消して、それからあたし達のところに戻ってくることはなかった…。
なのに、なんで今…
梨華ちゃんと真希と三人であたしの部屋にいる。
「ほんとに友達なの?」
真希はあたしにしつこいほどに尋ねてくる。あたしと梨華ちゃんの関係。
「うん、そうだよ…。」
ほんとは嘘をつきたい気分だった。真希の前だけでは…
「ね、今日ここに泊まってもいい?」
「なんで!?」
少し強い口調でそう言うと、真希はなぜだか急に泣き出してしまった。
52
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:14
「…でも、ベッドないよ…。」
「ひとみと寝る。」
「は!?あたし梨華ちゃんと」
「ひとみちゃん!」
梨華ちゃんといつも寝てると言おうとしたら、梨華ちゃんのでかい声に遮られた。
梨華ちゃんは笑って、
「あたしは大丈夫だよ。」
そう言って部屋を出ていった。
「ん?あの子、ここに住んでるの?」
「…そう。ちょっと事情があってね。」
「ふ〜ん。」
53
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/09(水) 18:14
梨華ちゃんはあたしが真希といる方をとったんだよね…。
それは付きつけられた現実で…。
もしも、チャンスがあるのなら、あたしは…真希に戻りたい…。
今なら、まだ…。
弱いあたしがそう叫ぶ。
トントン
ノックの音がして
「ひとみ、石川あたしんとこで寝るから。あたしはこれから研究所行ってくるわ。」
それだけ言うと、姉ちゃんは行ってしまった。
「ねぇ…あたしのこと好き?」
真希が唐突にそう言ってくる。驚いて真希を向くと、彼女の瞳はすごく冷たかった。
梨華ちゃんのさっきの笑顔をふりほどくように…
真希の目がそう言ってるから…
『めちゃくちゃになりたい!』そう叫ぶから…
ゆっくりと、あたしは真希に唇を重ねた。
54
:
オガマー
:2002/10/09(水) 18:16
更新終了。
ああ…。ageてシマタ…。
恥ずかしい…。
レスありがとうございます!
>44 名無しヌードさん
梨華ちゃんは、私も欲しいです(爆)
チームいきまっしょいへの直談判が必要かと(w
このペースだともうすぐ終わりそうな予感。。
55
:
フライハーフ
:2002/10/09(水) 21:29
どきどき・・三人は一体、どうなっていくのでしょうか?
オガマーさんの書く梨華ちゃん、かわいくって好きです。
執筆、頑張って下さい(w
56
:
名無しナース
:2002/10/10(木) 20:31
ごっつあんが出てきて、どうなるんですか〜!?って感じです。
続き楽しみにしていますです。
57
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:05
「ねぇ、あの子のこと好きなんでしょ?」
明け方、いつの間に起きていたのか、真希が話しかけてきた。
結局、あたしは真希を抱けなかった。
「…うん。」
「そっか。あたし、今度はちゃんとするよ。もう2度とここには戻ってこない。」
「そっか…大丈夫?」
「うん。一晩だけでも、こうやって側にいてくれて嬉しかったよ。相変わらず、ひとみって優しすぎ。誤解されちゃうぞ?」
「いいんだよ…。」
そう言うと真希は切なそうに笑ったけど、きっとあたしがそう笑っていたからなんだろう…。
58
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:05
「梨華ちゃん?」
真希を玄関まで送って、紗耶香姉の部屋のドアを開ける。
真希には、梨華ちゃんが気になる、と話して追い返すような形になってしまって申し訳ないことをしてかも。
「あれ?」
いない。トイレ?
…いない。
なんで?
どこにもいない。
なんで!?
59
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:06
焦る指でボタンを押して、姉ちゃんのケータイに繋ぐ。
「梨華ちゃんそっちいる?」
「いないけど?」
「梨華ちゃんがいないっ!!」
「へ?」
「どうしよっ!ねぇ、姉ちゃん!!」
「オイ!落ちつけよ!」
「どうしよう…。」
梨華ちゃんはこの街をまだあんまり知らないのに…。
「とりあえず、心当たりを探せよっ!あたしはそっち帰って家の周り調べて待ってる。帰ってきたら連絡するから。」
「…わかった。」
姉ちゃんはあたしより大人だな、やっぱり。
60
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:06
どこに行ったんだよ、梨華ちゃん…。
なんでいなくなったりするの…。
胸がずっと絞られてる感覚。
一緒に行ったショッピング街を探す。
いない…。
あとは、クラブか…。
『MISOJI』のドアをゆっくりと開く。
ドカン!と爆音が耳を直撃する。
こんなとこにいんのかなぁ?
…いた…。
61
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:07
「梨華ちゃん!!」
梨華ちゃんは座っていたけど、周りを数人の男に取り囲まれていた。
「よっすぃ〜!」
あたしの声は音に消されたらしく、梨華ちゃんには届いてなかったようだけど、変わりに矢口さんがあたしを呼んだ。
「梨華ちゃん!!」
矢口さんは、あたしに目をやった後で今度は梨華ちゃんに駆け寄る。
男を手で払うけど、男達は引き下がろうとしない。
マズイぞ…。だって…こういう時は…
62
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:07
「ここはガラの悪いノンケのお客さまは立ち入り禁止のはずですけど?」
体調2m黒人でゲイでマッチョで関西弁なジョンくんのお出ましです。
「な、なんだよ、ちょっとぐらいいーじゃん。」
それでもまだひこうとしない。
「グタグタ言うとったらほるでっ!!」
ジョンくんはファックのポーズをしてすごんだ。
それだけで男達はヒィヒィ言って逃げていった。
呆然とその様子を目で追っていた梨華ちゃんの目があたしを捉える。
「ひとみちゃん…。」
梨華ちゃんは立ちあがると、フラリとまた椅子に崩れた。
「どうしたの!?」
かけよって触れると、体は熱を持っているようだった。
63
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:07
「あはははは!!ひとみ泣きそうな声で電話してくんだもん。梨華ちゃんがしんじゃう!助けてぇ〜〜〜〜。」
「もう、いいだろっ!!」
あたしはさっきからずっとこんな調子でからかわれてる。
あれからもう1日が経って…さっき目を覚ました梨華ちゃんはベッドで微笑んでいて。
昨日のあれはただ酒に酔っていただけだった。
…そこまで冷静さを失っていた自分に笑ってしまった。
「じゃ、そろそろあたし仕事。」
「あ、うん。いってらっしゃい。」
64
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:08
パタンとドアが閉まって、急に部屋は沈黙に包まれる。
「梨華ちゃん、ごめんね…。」
「え?」
「いや、昨日なんか悪いことした…。」
「ううん、いいよ。」
「無事でよかった…。」
あしたが、心からホッとして、そう呟いた瞬間だった−
なんで…
なんで梨華ちゃんは泣き出すの??
「ごめん。ごめんなさい…。」
消え入りそうな声でそう言って、涙は止まることを知らない。
あたしは梨華ちゃんの体をギュッと抱きしめた。
もう、限界だよ…。
65
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/11(金) 02:09
「好き…。」
「え?」
「梨華ちゃん、好き。」
あたしはそう言って、ムリヤリ梨華ちゃんの唇を奪った…。
唇を離した後、梨華ちゃんは何故かまぶしいぐらいに笑って。
あたしは胸が締め付けられて涙が出そうになって、「ごめん!」とだけ呟いて家を飛び出した。
66
:
オガマー
:2002/10/11(金) 02:13
更新終了。
期待してくれた人には、物足りない展開かな…(汗
>55 フライハーフさん
石ヲタでいしよしヲタですから(w
次回が最終回です。
ん〜、以外とはやく終わっちゃうなー。
梨華タンはかわいく書いてしまうのです。
というかかわいいのです、いしかーさんは(w
>56 名無しナースさん
どもども(何
こんな展開に…(汗
67
:
オガマー
:2002/10/11(金) 02:15
あ、レスがおしなことに(汗)
>次回が最終回です。
>ん〜、以外とはやく終わっちゃうなー。
この部分は最後にくるはずですた(恥
ま、心の広いWillさんへのレスだからいっか(w
68
:
名無しナース
:2002/10/11(金) 02:16
リアルでした〜(感激)
今度が最終回ですか??もっと続けてほしぃ〜!!
いや、本とにここのいしかーさんはかわうぃ!!
よしも、がんがれ〜
69
:
フライハーフ
:2002/10/11(金) 06:28
最終回かぁ・・楽しみにしています。
Will言うな(w
70
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/12(土) 16:25
「それでお前飛び出してきたの?」
「うん。」
あたしは涙が止まらなくてついでに鼻水も止まらないままで紗耶香姉に全てを打ち明ける。
「馬鹿だねぇ、石川なんて言ったのさ?」
「え、なんも…。」
「はぁ…ひとみ、落ちついて聞けよ?」
「うん…。」
「石川が好きなのはきっとお前だよ。」
「へ?」
どっから出たのかわからないほんとに素っ頓狂な声を出してしまった。
71
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/12(土) 16:26
「昨日泣いてたもん。あたしの部屋来た時。どうしたの?って聞いても首を振るばっかりでさぁ。」
「え、ちょっと待って?運命の人は??」
「さぁ?」
「は?」
「カオリは最初からわかってたらしいぞ。二人がこうなること。カオリの能力ってどんなだよー。ちょっとこえーよなぁー。」
「こら!紗耶香!!」
ドアのところに仁王立ちしてたのはカオリさん。
「好きになった人が運命の人なんだよ。わかるかな?…吉澤?おーい、大丈夫??」
「へ?あ、はぁ…。」
頭がクラクラする。
「駄目だわ、こいつ。」
二人の笑い声が遠くに聞こえていた。
72
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/12(土) 16:26
「梨華ちゃん…」
部屋に戻った途端、あたしが苦笑いを浮かべると、梨華ちゃんは急にぽろぽろと涙を溢れさせて…
「ひとみちゃん…。」
そう言ってギュッと抱きついてきた。
「私、よくわからないけど、たぶんひとみちゃんのこと、好き…。」
あたしは彼女を抱きしめながら、なんだか懐かしい思いがフッと胸を熱くさせるのを感じた。
「運命の人じゃないかもしれない。それでもいーの?」
「うん。だって何も覚えてないんだよ?…私はこんなにひとみちゃんが好きだもん。」
「…あたしも、梨華ちゃんが好きだよ…。」
彼女を…ここにいる彼女をギュッと強く抱きしめる…。
73
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/12(土) 16:26
約束なんかじゃない。
約束なんかで心は縛れない。
運命の人だとしても
運命の人じゃなくっても、
あたしは梨華ちゃんに恋をすることが運命だった。
ただ、それだけの事実。
それが運命なんじゃない?
好きだよ、梨華ちゃん。
君が人間でなくたって。
そのことでこれからどんなに辛い思いしたって。
梨華ちゃんを守るから。
いつか、ほんとの運命の人が現れることがあったって
あたしは梨華ちゃんを離さない。
誰にも渡さない…。
74
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/12(土) 16:27
梨華ちゃん、梨華ちゃんはあたしにとってやっぱり運命の人だったよ。
愛しいその髪をなでる。
愛してるよ。
あたしのワガママ、聞いてくれてありがとうね。
あたしの生涯と一緒に梨華ちゃんもその幕をおろすこと…。
昔のままのキレイな顔で梨華ちゃんは笑って…
さっきあたしは梨華ちゃんの命の糸を切った。
君のおかげで人生はとてもキレイだった…。
ほら、あたしにも迎えがやってきて…
あたし達は病院のベッドで折り重なるようにして…
その生涯を閉じた…。
次に会うときは梨華ちゃんにも人間の体をさずけてください。
そしてあたしは、梨華ちゃんのことまた探す旅をする…。
75
:
約束なんかじゃない。
:2002/10/12(土) 16:27
〜Fin〜
76
:
オガマー
:2002/10/12(土) 16:30
うわ!ショボ!!
なんだこれ…。
めちゃくちゃみじけー…。
すいません(爆)。
>68 名無しナースさん
最終回とか言っといてこんなにショボくてすんません…。
ほんと、ごめんなさい…。
>69 フライハーフさん
あー、ごめんなさい…。
全然意識してなかった(爆)
まさに尻つぼみ(爆
77
:
名無しナース
:2002/10/12(土) 19:50
全然ショボくないですよ。思わずないちまったゼイ
78
:
名無しナース
:2002/10/12(土) 22:40
(〜T◇T)<オイラも泣いちまったぜぃ
79
:
名無しナース
:2002/10/12(土) 23:10
鳥肌が立ってしまいました!!(T▽T)
すごく良かったです!!
次回作も期待してるゼィ(?)
(なんだか、ゼィを付けなくちゃいけない気がして…w)
80
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
81
:
名無しベーグル。
:2002/10/13(日) 12:48
ラストが泣けました。
次回作も期待してますよほ。
82
:
オガマー
:2002/10/14(月) 04:26
レスのお礼です!
>77 名無しナースさん
>78 名無しナースさん
ありがとうございます。本望です。
>79 名無しナースさん
ゼィはたぶんつけて正解だゼィ(w
ありがとうございます!
>81 名無しベーグル。さん
ぉぉ、名無しベーグル。さんだ!
ありがとうごぜーます。
期待に添えるかわかりませんが、つまらんエロをうpしたいと思います。
83
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:27
「あのね、ひとみちゃん、聞いてくれる?」
さっきから、この言葉の繰り返し。話を逸らしてはまたここに戻る。
こういう時って、絶対に決まってるんだけど…少し前から付き合ってるっていう彼氏の話し。
あたしが聞き出してあげればいいんだけど…何が悲しくて好きな子にその恋人との痴話喧嘩の話しを聞かされなきゃいけないんだろう…。
「梨華ちゃん、話したいことあるんでしょ?聞くよ。」
最後はいつもそう。折れてしまう。
「うん。あのね…言いにくいんだけど…。」
「うん。」
「その…Hの時ね、イケなかったの…。」
「…ああ、そう。」
ドクドクと心臓が脈打つ。
声上擦ってないかな…。
まさか…こんな話しだなんて…想像もしてなかった。
84
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:28
「それで、彼の機嫌が悪くなっちゃって、私どうしたらいいのかわかんなくて…。」
「ああ、そう…。」
あたしだってどうしたらいいのかわかりません…。
「ひとみちゃん?」
「ん?」
「ちゃんと聞いてる?」
「うん。」
「嘘だっ、さっきからああそう。ってそればっかりじゃない!」
「ああ、そうだっけ?」
「…ごめん。」
「は?」
「いや、いくら仲いいからってこんな話し嫌だったかなぁ〜、って。」
「ん〜、違うって。そうじゃない。考えてただけだよ。どうすればいいのかなぁ〜?って。」
あたしが、だけどね…。
85
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:28
「そっか。よかった。ひかれちゃったらどうしようかと思って…。」
「今時、そのくらいの話しでひくやつなんていないって!」
あたしはわざと明るく笑い飛ばした。
梨華ちゃん以外の人のそういう話しならいくらだって聞いてあげたっていいけどさ。
面白がってからかってやるんだけどさ…。
「うん。真面目な話ね、そういうのは焦らなくていいんだと思うよ。彼も梨華ちゃんのことちゃんとわかってくれると思うし。梨華ちゃんのことだから愛が足りないんじゃないか、なんて悩んでたでしょ?」
「なんでわかるの!?」
「ははっ、わかるよ、そのくらい。」
「そう?」
「うん。だけど、Hって、個人差あるし。ずっと演技しちゃってるって人だっているし…。あれ?なんか答えになってないかな…。」
あたしが頭をひねっていると、梨華ちゃんがクスクス笑い出した。
86
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:28
「ひとみちゃん、ありがと。」
「へ?」
「なんかひとみちゃんと話してると頑張ろうって思えてきた。」
「あ、そう?」
嬉しいんだか、悲しいんだか…。
「ちゃんと会ってみるね。こんなままじゃ嫌だもん。」
「うん。大丈夫だよ。」
「そうだね、うん。ごめんね?こんな夜中に…。」
「大丈夫。またいつでも相談してよ!」
「ありがと。大好きだよ。」
「うん…。」
「じゃ、またね〜おやすみ〜。」
「おやすみ…。」
ピッと電源をおとして、壁に背中を預けて深くため息を吐く。
『大好きだよ。』か…。
梨華ちゃん…。
あたしは心臓がギュッとなって、手に持っていたケータイで慣れた番号に電話した。
87
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:29
「今日のよっすぃ〜、激しかったね〜。」
矢口さんがクスクス笑って抱きついて来る。
「やめてくださいよ。」
あたしはその腕を解く。
「ほんっと。やるだけやったら冷たいなぁ〜。ま、そんなところも気に入ってるけ・どっ!」
「…。」
「じゃ、帰るね〜!」
矢口さんはヒラヒラと手を振ると、部屋を出ていった。
空がもう明るい。
学校…行かなきゃな…。
88
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:30
勉強に疲れて(一応、学校では真面目ぶったりしてる)家に帰ると、ドアの前に人影を見付ける。
あたしは急いで駆け寄った。
「梨華ちゃん?」
クラスの違う梨華ちゃんがそこに立っていて、
あたしが肩に手を置くと、振りかえった梨華ちゃんは悲しそうに笑った。
「ただいま〜。」
とりあえず上がって貰うことにして、連れ立って部屋に入る。
「お邪魔します。」
梨華ちゃんの声を聞きながら、冷蔵庫にしゃがんで、ビールを取る。
「梨華ちゃんもいる?」
梨華ちゃんは首を振った。
「そ。」
89
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:30
ベッドの前、隣に腰掛けて、あたしはビールのタブを起こす。
プシュッといい音がする。
ゴクッと喉に通して。
「あー、うめー。勉強の後の一本はサイコーだね!」
わざと明るく振舞ったんだけど…隣の梨華ちゃんは膝を抱えて泣きそうな顔になる。
「え…どうしたの?」
「それ、頂戴。」
「へ?」
梨華ちゃんは鼻声でそう言うと、あたしのビールを奪って、ゴクゴクと飲み始めた。
お嬢さん、いいのみっぷりだねっ!!
とかいう場合じゃなくて…
90
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:31
「大丈夫?」
うわ。缶を受け取ったら、空っぽ。
全部飲んじゃったんだ…。
梨華ちゃん飲めないんじゃなかった?ああ、飲まないだけだったっけ?
「なんかあったの?」
膝に顔を埋めてしまった梨華ちゃんに尋ねる。
「お前、オレのこと好きじゃなかったんだよ。って言われた。」
「へ?」
「…好きじゃないからイケないんだって。」
「…マジかよ…。」
なんだよ、ソイツ。最低っ!
自分がヘタクソなだけじゃないの?
…なんだよ、ムカつく!
あたしは立ちあがって冷蔵庫まで行き、もう一本ビールを取って立ったままであおった。
91
:
愛でしょ。
:2002/10/14(月) 04:32
梨華ちゃんの隣に戻る。
「ひとみちゃんって、女の子とHするんだよね…。」
「へ?」
危うくビールを噴射してしまいそうになった。
知ってたのね…梨華ちゃん。別にいいんだけどさ…。
ちょっと…っていうかかなりショック…。
「うわ!?」
やるせない気持ちでビールを口に運んでたら、梨華ちゃんが急に抱きついてきて、零しそうになってしまった。
「ちょっ…どうしたの?」
抱きつかれるのははじめてじゃないけど…やっぱ焦るよな、うん。ドキドキしてるあたしって結構純なんじゃん?
「…梨華ちゃん?」
「抱いてくれない?」
「は!?」
ドキドキしてるあたしって純。とかって場合じゃなく…。
「何言ってんの、梨華ちゃん。」
あたしは冷静な声をつくって言う。
「だって…Hってする度に感じるようになるって聞いたことがあるし…。」
「え…ああ…。」
どうなんだろう?わかんないけど…。
「やっぱイかない女なんてヤだ?」
梨華ちゃんが涙を浮かべた目でそう言ってくる。
あたしの中の何かに火がついた。梨華ちゃんの腰をグッと抱き寄せる。
「ん…。」
梨華ちゃんの唇に唇を押し当てて、噛みつくみたいなキスをする。
ああ…あたし梨華ちゃんとキスしてるよ…。なんで…こんなことに…。
ドキドキする分だけ、胸が痛い…。
92
:
オガマー
:2002/10/14(月) 04:32
更新終了でーす。
次はエロ…。
93
:
○○。
:2002/10/14(月) 11:51
エロキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
ハァハァしながらお待ちしております。
94
:
名無しお尻
:2002/10/14(月) 15:08
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
待っていました!!
続きが楽しみ楽しみ〜〜〜。
95
:
愛でしょ。
:2002/10/15(火) 02:28
片腕で背中を支えながらキスを繰り返して、もう片方の手でボタンをはずしていく。
梨華ちゃんの舌があたしのそれに絡み付いてくる度に頭が真っ白になりそう…。
おかげてボタンをはずすのに、随分手間取ってしまう。
抱きしめて、立たせて、それからそっとベッドに横たえる。
シャツをはだけさせて、谷間の辺りにキスを繰り返してると、梨華ちゃんが震える手でシーツをギュッと握ってるのが見えた。
「怖い?」
あたしはできるだけ優しい声でそう聞いたつもりだったけど、興奮のせいで随分擦れてしまった。梨華ちゃんはギュッと瞑っていた目をそっと開いた。
「嫌なら、やめていーから…。」
そうだよ。好きでもない人にこんなことさせちゃいけない、きっと…。
ははっ、好きでもない女何回も抱いたやつが何言ってんだか…。
あたしが笑顔を浮かべると、梨華ちゃんはあたしの首に手を回してギュッと抱き寄せた。
「お願い…。」
「…わかった。」
96
:
愛でしょ。
:2002/10/15(火) 02:29
やめた方がいいってわかってるのに…。
こんなの切なくなるだけってわかってるのに…。
ブラジャーを取って、初めて見る彼女のその部分は…今まで想像してたどんなものよりも、官能的で綺麗で…。
あたしは理性を無くして、夢中で貪っていた。
「んんっ…ぁ…。」
梨華ちゃんが恥ずかしそうに身を捩る。
頭が…真っ白になりそうになる…。
感じてんじゃん…。乳首起ってるし…。
あたしは、ペロペロとその突起を舐めながら思う。
「んん…。」
甘噛みすると、彼女はビクンッと体を震わせる。
唇をお腹に、臍の辺りに、とずらして、スカートの中に手を滑らせる。
「んっ…。」
初めて触れる梨華ちゃんのその部分は柔らかくてすごく熱い…。
「すごい、濡れてるね…。」
「ゃ…。」
「あ、ごめん…。」
つい、いつもの調子で思ったことをそのまま口に出してしまった…。
顔がますます熱を上げる。
考えを遮るように、梨華ちゃんのショーツに手をかけ、脱がす。
そして、その部分に直に触れる。
97
:
愛でしょ。
:2002/10/15(火) 02:29
「あんっ…ゃぁ…。」
どうやら、その声は拒否の意味ではないらしい。
梨華ちゃんは体を震わせながら、真っ赤な顔で切なく表情をゆがめる。
あたしは、その部分を手で捏ねながら、
そっと、その唇に顔を寄せた。
いいよね…。キスしても…。
すげー、したい…。
ゆっくりと形を確かめるように、梨華ちゃんの唇にキスをする。
「ん…はぁ…。」
耳たぶにキスしながら、耳の横で聞く彼女の喘ぎ声だけで、あたしは昇りつめそうに体が震える。
「ん…ゃぁ…ぁあっ……。」
梨華ちゃんの体が大きくのけぞった。
ん?
ひょっとして今…。
浅い息を繰り返す彼女に視線を向ける。
「梨華ちゃん、イッた?」
彼女は目を瞑ったまま、あたしのシャツの肩口をギュッと握ると、コクンと頷いた。
なんだ…。
普通の子とかわらないじゃん…。感じにくいのかと思ってたけど…。
はやいぐらいじゃない?
あたしは、そんなことを思いながらも、彼女の息を耳元に聞いて、ハッとする。
彼女に触れていた手をバッと離した。
98
:
愛でしょ。
:2002/10/15(火) 02:30
「ひとみちゃん…?」
梨華ちゃんが真っ赤な顔のままで、あたしの名前を呼ぶ。
その目を見詰められなくて
「シャワー浴びていいよ。」
ってそっけなく言った。
梨華ちゃんが「うん。」と小さく頷いて、それからバスルームに消えて…
あたしはふぅー、と大きく息を吐いた。
梨華ちゃんとHしちゃった…。触っただけだけど…。
どうせなら、最後まで…なんて。
それが目的なんじゃないんだもんね。
ん?何が目的だったんだっけ?Hに慣れたかったんだっけ?
じゃあ、よかったんじゃ?
なんて思考を巡らせながら、ふと、側にあるものに気付く。
梨華ちゃんの下着…。
うわ、すっげー、濡れてる。
思わず、拾い上げてそう思ってしまってから、パッと落とす。
あちゃ…。
梨華ちゃん、ノーパン?
シャワー上がったらどうするんだろ…。
これ着るのも気持ち悪いよなぁ…。
心臓がドクドク言ってる。
変態?下着フェチ?
違う、違う。梨華ちゃんのだから、興奮してるわけで…。
いや、別に興奮なんて…。
自分の中で馬鹿な葛藤をひたすら続ける。
99
:
愛でしょ。
:2002/10/15(火) 02:31
とりあえず、向かいのコンビニで新しいの買ってくるか…。
あたしのはでかいだろうし…。
えーと…梨華ちゃんに伝えとかなきゃだよね…。
バスルームのドアをノックする。
応答なし…。
「梨華ちゃん、入るよ?」
一応、そう声をかけてドアを開ける。
ユニットバスになっているので、カーテンが閉められていて、シャワーの音が鳴り響いてる。
「梨華ちゃん?」
呼びかけても、返事がないので、おそるおそる後ろ側のカーテンを開く。
梨華ちゃんは何故だか髪を洗っていて、それで声も音も聞こえないみたい。
顔に水飛沫が飛んでくる。
シャワーから頭をはずした梨華ちゃんがバッと振り向いた。
あたしはドキッとして、わざとらしくなるであろう笑顔を浮かべた。
「どうしたの?」
梨華ちゃん、真っ赤だ…。
なんか…悪いことした気分…。
「向かいのコンビニで下着買ってくるから、待ってて。」
「あ、ありがと。ごめんね。」
「ううん、大丈夫。」
あたしは、それだけ言うと、カーテンを閉めてバスルームを出た。
100
:
オガマー
:2002/10/15(火) 02:34
更新終了。
一回戦終了。
>93 ○○。さん
>94 名無しお尻さん
きましたですかね?(汗)
ここからはしばらく馬鹿な冷戦が続く模様…。
101
:
名無しお尻
:2002/10/15(火) 04:42
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
キタ━━(0^〜^0)━( 0^〜)━( 0)━( )━( )━(T )━(▽T )━(T▽T)━━━!!!!!
(・∀・)ノ イイ!!
(0^〜^)ノ<続き楽しみだYO!
102
:
愛でしょ。
:2002/10/16(水) 09:26
「ふぅ…。」
心臓がいくつあっても足りない感じだ。
靴をつっかけ、ドアを出て鍵を閉める。
『施錠確認OK』大切な梨華ちゃんが入浴中なので、その辺はキチッと…。
それにしても…夕方のコンビニで下着…。
こんなの初めての経験です。お母さん。
馬鹿みたいにキンチョーしつつ、なるべく見ないように(後で考えたんだけど、意味不明)下着の列から一つ取って、その上に少女マンガを重ねた。
『任務完了』
あたしは、足早にアパートの部屋に戻る。
だって、これないと梨華ちゃんあがれないからねぇ。
103
:
愛でしょ。
:2002/10/16(水) 09:26
部屋に戻ると、鍵をかけ、それからすぐにバスルームのドアを開いた。
「あ、ひとみちゃん?」
カーテンの向こうから声がした。
「うん、買ってきたから、ここおいとくね。」
「ありがと。」
袋はあけなくてOKだよね?ははっ。
…馬鹿だな。
あたしは、綺麗に畳まれてる制服の上に新品の下着を置いてそれからバスルームを出た。
あ…さっき脱いだやつ、どうすればいいのかな?
とりあえず、コンビニの袋からマンガを出して、それからその袋にショーツを綺麗に折りたたんで入れた。
これで鞄に入れて持って帰れます。
一人でうんうん、と頷いて。
104
:
愛でしょ。
:2002/10/16(水) 09:27
カチャ−
「ひとみちゃん、ありがとね。」
梨華ちゃんがそういいながら、バスルームから出てきた。
梨華ちゃんは湯上りだからだろうか、真っ赤で。
あたしは、行為中の梨華ちゃんの表情をチラッと浮かべてしまって…ほっぺたが熱を上げた。
「あ、座ったら?」
立ったまま、動こうとしない梨華ちゃんに近くの床を指す。
「うん。」
そう言って梨華ちゃんは少しだけ離れた場所に座った。
あたしは、意識して、テーブルに置いてあった、もうぬるくなったビールをゴクリと飲む。
「梨華ちゃん、お酒強かったんだねー。」
あたしはパッと思いついた言葉を投げかける。
「……。」
あたしの笑い声だけが響いて、梨華ちゃんは黙ったまま俯いてる。
105
:
愛でしょ。
:2002/10/16(水) 09:27
「どうかした?」
「なんか、ごめん…。」
「え?」
「変なこと頼んだ…。」
「…そんなの別になんでもないよ。」
あたしは冷静なふりをして、そう言った。
梨華ちゃんはバッと顔を上げて、笑った。
「そうだよね…。ごめん。なんか私…帰るね。」
「え?帰るの?」
引きとめてどうするってわけじゃないけど…。
「うん。」
「そっか…。」
「じゃ、バイバイ。」
梨華ちゃんはそう言って小さく手を振ると、靴を突っかけて急いで走って帰って行ってしまった…。
106
:
愛でしょ。
:2002/10/16(水) 09:28
「あ…。」
さっきのコンビニ袋に入れた下着…。
渡すの忘れちゃった…。
「あ゛ーーーーーーー!」
あたしは一人叫ぶ。
『サヨナラ。梨華ちゃんの下着』そう心で呟くと、
紙袋につめてあった自分の洗濯物の中にそれを放こんで、近くのコインランドリーに走った。
107
:
愛でしょ。
:2002/10/16(水) 09:28
眠れない。
というか、ベッドにもいられない…。
瞼を閉じると、梨華ちゃんの真っ赤な顔が浮かんで浮かんで…どうしようもなくて…。
部屋の円形ハンガーには、梨華ちゃんの下着…。
思春期の男子かよ、あたしゃ…。
結局、ビールを何本もあおって、眠りについた。
108
:
オガマー
:2002/10/16(水) 09:30
更新終了!
レスありがとうございます!!
>101 名無しお尻さん
きましたかw
ヨカタ。
ここからはこんなちょっと馬鹿で面白くもない話が…(ry
109
:
名無しお尻
:2002/10/16(水) 12:38
>ここからはこんなちょっと馬鹿で面白くもない話が…(ry
とんでもない!すげー面白いですよ。
いつもROMなんですが、この話ツボにズドンときたので初レスしました。
続き楽しみにしてます。
110
:
愛でしょ。
:2002/10/17(木) 05:41
ケータイを手に握って、部屋の隅で考える。
あれから2週間…2日に一回ぐらいの確立でかかってきてた梨華ちゃんからの電話は…ない。
やっぱ、あんなことしちゃったから会いづらいよな…。
もう一生会えないのかな?ヤだな…。
「はぁ〜。」
深いため息を吐く。
111
:
愛でしょ。
:2002/10/17(木) 05:41
ピンポーン−
インターホンが鳴って、あたしは自然に梨華ちゃんを期待する。
バッとドアを開けて、そこにいたのは…
「矢口さん…。」
「おう、よっすぃ〜!」
矢口さんはそう言うと、コンビニの袋を掲げて笑った。
とりあえず、中に入ってもらう。
でも、今はそんな気分じゃないっすよ…。
「よっすぃ〜、飲む?」
ビールを差し出されたので、受け取った。
112
:
愛でしょ。
:2002/10/17(木) 05:41
「石川梨華。」
「え!?」
ボーッとしながら、タブをカチッカチッとつめでいじっていると、矢口さんにそう言われてドキッとする。
「やっぱり。」
矢口さんはそう言って得意げに笑った。
「…なんで?」
「ん?なんでよっすぃ〜が石川梨華を好きか知ってるかって?」
「…そんなこと言ってないですよ。」
どこまで…何を知ってんですか…この人。
113
:
愛でしょ。
:2002/10/17(木) 05:42
「石川、あたしの友達なんだよ。」
「はぁ!?」
めちゃくちゃビックリした。そんなあたしに矢口さんは「してやったり」って笑顔を浮かべた。
「あいつ、彼氏とわかれたみたいだよ?」
「え…。」
「マジ。」
矢口さんは、あたしの心を読んだかのように、念押しした。
「そっかぁ〜、よっすぃ〜はああゆうエッチな体が好みなのかぁ〜。」
「は?」
顔が真っ赤になって、矢口さんを睨んだら
「ははっ、冗談だよ。よっすぃ〜にもこんなかわいいとこがあったんだね。」
「なんですか…。」
「いや、電話してやりなよ。」
「え?」
「あいつ、自分からは恥ずかしくてできないとか言ってたからさー。」
「…嫌われてないんですか?」
「あっ!やっぱなんかあったのか!」
「へ?」
「石川が恥ずかしいとか言ってるし…よっすぃ〜は嫌われてないかって?あははっ!何やったの?」
「べっつに…何もしてませんよ。」
言葉とは裏腹に顔が熱くなる。
114
:
愛でしょ。
:2002/10/17(木) 05:42
「じゃ、矢口はこれで帰るね。」
「…。」
「何?まさか謝ったりとかしないよね?あたしそういうとこドライだから。」
矢口さんはそう言って笑うけど…あたしには嘘だってわかった。
『好き』じゃないにしても、矢口さんは誰にでも、そういうことさせる人じゃないから…。
でも、あたしはもう、矢口さんを抱けない…。
「じゃ、帰る!」
矢口さんが立ちあがって、ドアを出て行くまで、結局あたしはなんの言葉もかけることはできなかった…。
115
:
愛でしょ。
:2002/10/17(木) 05:43
数分迷ってたけど、思いきって、梨華ちゃんの番号にコールする。
「あ、もしもし、梨華ちゃん?」
「ひとみちゃん…。」
「えっと…。」
梨華ちゃんの声がなんか暗かったから、言葉を思いつかなくなる。
「今からお家行っていい?」
「え?」
「駄目?」
「いや、いいよ。」
「そう。じゃ、待ってて。」
「わかった。」
それだけの会話で電話を切った。
梨華ちゃんが来るのか…
久しぶりだな…
116
:
オガマー
:2002/10/17(木) 05:45
ちょっと短いけどそんで石川さんほとんど出てないけど
更新終了!!
>109 名無しお尻さん
アイヤー。ありがたきお言葉、ありがとうございます。
でも、ほんとに期待しないでくだせぇー(w
117
:
名無しお尻
:2002/10/17(木) 15:07
つ・ついにですか〜〜!!
続きに期待しています〜ス!
も・もしかしてエ○??(w
118
:
フライハーフ
:2002/10/17(木) 21:29
草葉の陰の願いは無視ですか・・・いいんですね?
これからずっと、ホメ殺しますよ!(w
絶好調ですなぁ・・オガマーさんの書くエ○は、ホント○ロい。
もっともっと、クラクラさせて下さい。(w
119
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:57
マズイ!
あたしは円形ハンガーに吊るしたままのそれに目をやった。
矢口さん見たかなぁ?でも、あたしだって女だしな…気にしてないよな?
パチン!と洗濯バサミからはずすと、跡がついてしまっていた。
「あちゃ…。」
2週間も吊るしてたら当たり前だよな。
いや、別に眺めてたわけじゃない。談じてない。
ただ、触れなかっただけで…。
って何いいわけしてんだろ…。
ピンポーン−
やべっ!はやくない?
もう梨華ちゃん着たの?
120
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:57
あたしは、その下着を掴んだまま、玄関に行って、覗き穴から確認する。
梨華ちゃん…。
思わず、鍵を開けてしまって、それから慌てて手にもっていた下着をズボンのポケットにしまった。
「久しぶりだね。」
「うん。」
ドアを開けると、梨華ちゃんはそう言ってはにかんだ。
かわいい…。
「どうぞ。」
そう言って、部屋に招き入れる。
121
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:58
「なんか飲む?」
あたしがそう言って振り向くと、梨華ちゃんの視線が一点で止っている。
それは…あたしのズボンのポケットの辺りで…
そのズボンのポケットからは、それがチラリとはみ出していて…
背中を冷たいものが走った。
「あ、いや、違うんだ。さっき洗濯物畳んでて、その途中でチャイムがなって、それで急いで出たからついっ!」
あたしは一気にまくしたてた。
梨華ちゃんは無表情のまま、歩いて行って、テーブルの側にストン、と腰を下ろした。
嫌われたかな?
変態扱い?…泣けてくるっす…。
122
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:58
「ひとみちゃん。」
「ん?」
「私、」
「うん。」
何を言われるんだろう…。
「気になる人がいるの。」
「へ?」
頭が真っ白になる…。
また、好きな人できたんだ…。
「その人が下着フェチで。」
「へ?誰?それ。」
あたしは梨華ちゃんに歩み寄る。
梨華ちゃんは無言でジッとあたしを見詰める。
動揺してるのを悟られまいと、目を逸らした。
また新しいやつかよ…。
下着フェチってぇ…ろくなやつじゃないぞ、それ。
123
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:59
「ひとみちゃんはいないの?」
「へ?」
「気になる人とか好きな人。」
「あ…ん〜?振られたかな?」
「え?」
「なんかついさっき…。」
はやくも新しい恋を見付けられたみたいで…。
「その人のこと、そんなに好き?」
「ああ…、まぁ、うん…。」
本人、目の前にしておもっきりうろたえてしまった…。
「ね、Hしてよ。」
「は!?」
「だって、また同じようなことになるとヤだし…。」
梨華ちゃんがなんか怒ったり、悲しい顔したりしてて…。
あたしはドキドキしっぱなし…。
124
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:59
「それともヤだ?私はやっぱ駄目だった?」
「そんなことないけど…。」
「じゃ、抱いてよ。」
!?
梨華ちゃんに急にキスされた。
いいんですか?
でも、やっぱヤだ…。
「駄目だって…。」
「なんで!?」
梨華ちゃんが大きな声を出すから、ビックリしてしまう。
なんだか、泣きそうな目をしてる。
125
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 02:59
「なんでって…好きな人としなきゃ…そういうのは…。」
「この前は…してくれたじゃん…。」
「この前は…。」
あたしは言葉に詰まってしまう。
だって…こんなこと繰り返したら…あたし、どうにかなっちゃうよ。
「帰る…。」
「え?」
なんだか梨華ちゃんはすごく怒ってて…
でも、無理だ…。
「ごめん…梨華ちゃんには好きな人と…やっぱ大切にしてもらいたいから…。」
あたしは俯いてそれだけやっと伝える。
「鈍感!ひとみちゃんの馬鹿!!」
「へ?」
顔を上げると、梨華ちゃんは…泣いてた。
126
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 03:00
「ひとみちゃん、私のことどう思ってるの?」
「へ?どうって、それは…と、友達だけど…。」
「…わかった。ごめん…。ほんとに帰るね。」
「ちょっと待ってよ!」
あたしは立ちあがった梨華ちゃんの腕を掴んだ。
「帰らせてよぉ…。」
「だって…泣いてるじゃん。」
「ひとみちゃんのせいで泣いてるの!だからいれない!」
「は?」
「もう馬鹿馬鹿!鈍感!」
「え?」
全然、わからない…。
「梨華ちゃん?」
泣き止んでよぉ…。
あたしはアタフタするだけ。
127
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 03:00
「帰らせて!」
「それは駄目だって!」
「だったら抱いてよ!」
「……。」
すごく強い目でそう言われて、あたしの胸はギュッと絞られる。
「これ返して!」
梨華ちゃんはそう言って、ポケットに突っ込んでた下着を引っ張り出した。
「ああ、うん。どうぞ…。」
「じゃ、帰る。」
「ちょっと待ってって!」
「何よ?」
なんか興奮してるみたい…言わずにいられそうにない…もう…。
「誰かの代わりになるのは、もうヤなんだよ…。」
「……。」
梨華ちゃんはペタンと尻餅をついた。
「梨華ちゃん?」
あたしは近づいて顔を覗きこむ。
128
:
愛でしょ。
:2002/10/18(金) 03:01
「馬鹿ぁー、鈍感ー…。」
梨華ちゃんはそう言って、あたしにしがみついてきた。
あの…それより、その手に握られてる下着が…もろ顔面に当たってるんですけど…。
あたしは、それを手で取る。
「あ、ごめん…。」
梨華ちゃんは鼻声でそう言って真っ赤になった。
……なんか…
やっと言ってる意味がわかった…。
「…抱いていいの?」
「へ?」
もっともっと赤くなる梨華ちゃん…。
気になる下着フェチって…あたしのことなんですか?
129
:
オガマー
:2002/10/18(金) 03:04
更新終了!
なんか自分で書いててよくわからんです(汗
>117 名無しお尻さん
いやー、申し訳ない。
まだこんなにも前戯が…(氏
>118 フライハーフさん
ホメ殺し、ありがとうございます(w
いいんですか?間に受けますよ?w
と う と う 本 番
期待しないでください…w
130
:
名無しお尻
:2002/10/18(金) 03:53
キタ━━(0^〜^0)━( 0^〜)━( 0)━( )━( )━(^ )━(▽^ )━(^▽^)━━━!!!!!
次回いよいよですね。やべぇ…待ちきれねー。
ここのいしよし大好きです。何から何まで 川o・-・)ノ<完璧です
これからも是非是非楽しませてください。
131
:
\1980
:2002/10/18(金) 23:03
お初?さまです。どうも\1980です。
めっちゃおもしろいっす!!
すごいハマりました(w
梨華ちゃんの乙女なところがとっても(・∀・)イイ!
お 気 に 入 り に登 録 し ま す た
本番・・・ドキドキ・・・
132
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:37
「抱いていい?」
確信に触れた気がして、梨華ちゃんをそっと抱き寄せる。
耳にキスをしてみる。
梨華ちゃんはもっと顔を赤くして、ギュッと目を瞑った。
「好きだったんだ…。ずっと、ずっと…。」
そういいながら、首筋に口付ける。
「ん…。」
胸がカッと熱くなる…。
「好きだよ、梨華ちゃん。好き…。」
声が随分と擦れてしまう…。
胸はもっと熱をあげ…痛いくらいギュッてなる…。
腰を抱き寄せて、それから、顎を手で持ち上げて、ついばむようなキスを何度も何度も繰り返す。
133
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:37
何時の間にか梨華ちゃんが目を開いてて、つい笑ってしまった。
「目、閉じてよ。」
だって固まっててすごいかわいくて…。
瞑ったら瞑ったで、ものすごくギュッと瞑ってる。
もう…かわい過ぎるよ…。
壊しちゃってもいいの?
「梨華ちゃん、好き…。」
胸に手を滑らせる。
「ぁ…。」
深いキスを…この前よりも随分ぎこちなくなったような舌…
でも、何度も絡めるうちに、次第に激しくなって…
頭がチカチカしてくる…。
134
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:38
ボタンは…やっぱりはずしにくい。
白いシャツをまくると、露になる黒い肌は…あたしの理性を壊すのにもう充分で…
小さく肌にキスをすると…小さな、でも乱れた息使いが聞こえるから
ブラを取って、それから、その頂きに吸いつく。
「ぁんっ…んっ…あぁ…。」
「梨華ちゃん…好きだよ…好き…。」
「ひ、とみちゃ…んっ…。」
梨華ちゃんの腕があたしの髪をかき混ぜる。
腿に手を這わせて、スカートの中に侵入して…
「あんっ…。」
敏感な部分に触れただけで、ビクンと梨華ちゃんの体は跳ねた。
「全部、脱いで、見せて…。」
あたしがそう言ってお腹に口付けると、梨華ちゃんはとろんとした目で起き上がって、のそのそとスカートを脱いだ。
「それも…脱いだのが見たい…。」
ショーツを視線でさしてそう言う。
「恥ずかしいよ…。」
「恥ずかしくないよ…。好きだから、見たい…。駄目?」
あたしがそう言ってほっぺたにキスすると、彼女はおずおずとショーツを脱ぎ捨てた。
はじめて、生まれたままの梨華ちゃんの姿を見る…。
梨華ちゃんの全てを…
135
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:38
あたしはもう一度彼女に覆い被さるようにして、押し倒す。
乳首を舌で少し弄ぶと、足を掴んで、両側に開けさせる。
さっきから、愛液が足を伝っていて…
あたしは、それを舌を這わせて舐め取る。
「んん…。」
その後、舌をその源へ近づけて
「ヤだ…汚い…。」
「愛させて…全部…。」
梨華ちゃんは閉じようとした足の力を少し抜いてくれた。
「ゃん…はぁ…駄目ぇ…ぇぇ…。」
敏感な突起に舌を尖らせて刺激を加えると、ビクビクと体が震える。
愛撫を続けながら、愛液を指に塗りつけて、梨華ちゃんの中にその指をゆっくり入れる。
「んんっ…ぁぁ…。」
「梨華ちゃん、気持ちいいよ…。」
やっと辿りついたその場所は、溶けそうに熱い…
指が…彼女の中で…溶ける…
「ゃっ…あっ…あんっ…んー…んっ…ぁ…やっ…。」
指を動かすのに答えるように、彼女は切なく喘いで…。
「もう…駄目ぇ…おかしく、んっ…なっちゃ…。」
「イっていいよ…。」
あたしはそう呟くと、ぷっくりと膨れ上がった真っ赤な蕾を口に含んで、舌で刺激した。
「ぁぁ…ゃだぁ…ぁぁ…ぁああぁぁぁぁぁぁぁ.........。」
彼女は果てた…。
「ひとみちゃん…。」
「まって、キレイにしてあげる。」
あたしは彼女から溢れたジュースを舌で絡めとる。
「んん…ん…。」
少しだって、残さないように…。
136
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:39
あたしがグッタリと彼女の隣に並ぶと、
「すごい汗…。」
梨華ちゃんはそう言って、あたしの額を手でぬぐってくれた。
「ひとみちゃん、」
「ん?」
「好き…。」
あたしの目をジッと見詰める彼女の目にはうっすらと涙が浮かんでいて…
あたしは答える代わりに、彼女の唇に優しいキスをした…。
「あたしなんか、ずぅーっと梨華ちゃんのこと好きだったんだから…。」
彼女に腕枕を促しながらそう言う。
梨華ちゃんの頭の重みが腕に心地いい…。
「他の子とエッチしてたのに?」
「え゛…。」
「嘘だよ…。」
梨華ちゃんはクスッと笑った。
137
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:39
「何ぃー。」
あたしは、彼女の胸に指をはわせて、その先端を指でくすぐる。
「ゃあ…。」
梨華ちゃんは身を捩ってクスクスと笑う。
「でも、不思議…。」
あたしは、夢みたいにフワフワとした気分の中で、彼女の言葉を聞く。
「ん?」
「私、不感症なんじゃないかと思ってた…。」
「こんなに起ってるのに?」
撫でていた胸の先っぽをツン!と指ではじく。
「もぅ…。」
クスクスと二人で笑う…。
愛しい…。
「好きだよ…。」
向こう側に腕を回して、彼女をギュッと抱き寄せる。
「うん…。」
ぼんやりとした頭であたしは覚った…。
彼女が気持ちを受け入れてくれる…。
こんなに満たされた気持ちって今までなかった。
愛しい、愛しい、後から後から溢れてくる気持ち…。
やっぱこういうのが…愛でしょ…。
138
:
愛でしょ。
:2002/10/20(日) 04:40
〜FIN〜
139
:
オガマー
:2002/10/20(日) 04:43
更新終了!
そして完結…。
>130 名無しお尻さん
ありがとうございます!
コンちゃんもありがと(w
>131 \1980さん
どもども(w嬉しいです。
お気に入りに登録して頂いた途端に終わってしまひました…
申し訳…。
次回作はまだねっておりません。
またいつか…(w
140
:
フライハーフ
:2002/10/20(日) 11:38
おいしゅうございましたm(__)m
次回作、楽しみに待っております。
お疲れ様でした。
141
:
名無しお尻
:2002/10/21(月) 01:06
タイトル通り、愛のある作品をありがとうございました。
ここのキャラ、みんな好きです。特に矢口が…。切ねー。
次回作もお待ちしてます。お疲れ様でした。
142
:
名無しお尻
:2002/10/21(月) 23:03
初めて書き込みます。
オガマーさんの作品ほんとに大好きです。
次回作、首を長くして待ってます。
これからも頑張ってくださいね。
143
:
ひとみんこ
:2002/10/23(水) 19:57
こら!こら!こらーーーーーー!
2回もイッといて何が不感症じゃぁーーーー!
144
:
ごまべーぐる
:2002/10/24(木) 13:05
矢口…いいヤツ(涙
いや、美味ないしよしをゴチになりますた。
また頂けることを願って。。。
お疲れサマですた。
145
:
\1980
:2002/10/25(金) 21:52
完結おめでとうございます!!
とっても
お も す ろ い
風邪がしつこくなってきて辛いです。。。
146
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:29
レスありがとうございます!!
>140 フライハーフさん
いえいえ、お粗末様でした(w
>141 名無しお尻さん
>愛のある作品
そう言って貰えてよかった。
ありがとうございます。
>142 名無しお尻さん
ありがとうございます。
そう言っていただけるとほんとうに嬉しいです。
首はどのくらい伸びたでせうか?(w
>143 ひとみんこさん
いしよしはカラダの相性バチーリ(w
>144 ごまべーぐるさん
ありがとうございます。
矢口…ごめんよ、矢口。
>145 \1980さん
ありがとうございます。
めちゃくちゃ遅いですが、風邪は無事治りましたか?
なんか、ほんとにショボいかもしれませんが…(汗
新作です…。
147
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:30
ん〜、今日の石川さんはやっぱり変だね。
なんか思いつめた顔をしたと思ったらため息を吐いて、廊下で誰かにぶつかるなんて何回目だろう…。
物静かで優等生で…理事長の娘、ときたもんだ。
それより何より、顔がかわいーんだよなぁ〜…。
「おい!」
ちょっと色黒だけど。それもいーっつーか。
「よしこってばぁ!!」
「ん?」
机についていた肘をガクッとおとされてやっと我に返る。
石川さんをもう一度見ると、もう教室の机で、次の時間の予習をやってるみたいだった。
148
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:30
「どしたの?ごっちん。ささやかな人の楽しみを妨害して。」
「何がさ、3日に一遍はやっちゃってるくせに。」
「人聞きが悪いねー、後藤君。お相手してあげてるって言ってよ。」
「はいはい。」
前の席に勝手に腰掛けた親友は大袈裟にため息を吐いた。
「で、何?」
「ああ、ほら、来てるよ。」
ごっちんは、顎で教室の後ろのドアを指した。
そこには、金髪の背の小さい…先輩かな?
「誰?」
「知らない。聞けば。」
こんなことはしょっちゅうだけど…。
149
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:32
「何か?」
ドアまで歩くと、一応素っ気無く聞いてみる。
「あー、マジカッコイー。」
「そうですかね?」
あ、いかん。調子に乗ってしまった…。
「あはは。噂どーり。」
「何がスか。」
「ううん。今晩暇?」
「あー、暇ですよ。」
「じゃ、遊んでくれる?」
顔かわいいし、声かわいいしいーかも♪
「いいスよ。」
「やった!じゃ、これ。」
「放課後連絡します。」
矢口真里…。矢口先輩はケータイ番号のかかれたメモを渡すと、嬉しそうに帰って行った。
150
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:32
「よしこもよくやるよねぇ〜。」
「ん?」
「いや、抱くよりさー抱かれる方が気持ちよくない?」
こんなとこでそんな話しすんじゃないよ、ごっちん。
なんて一応常識人みたいなこと思ったりして…。
「さぁ?」
「ふーん…。でも、好きなんでしょ?」
「あ?まぁ、好きだけどねぇ。」
好きじゃないとだけないでしょ。
151
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:32
「やっぱり!」
「へ?」
ごっちんは、手をパンッと打つとめちゃくちゃ嬉しそうな顔になる。
「ちょっと待って、なんの話し?」
「だから、いしかん〜む〜!」
あたしは焦ってごっちんの口を手のひらで塞いだ。
ここでその話しはもっとマズイ。
だって、席遠いけどアンタの声はよく響くの!それに、自慢じゃないけど、あたしの話してることは結構クラス中…いや、学校中に聞き耳を立てられているらしいし。
まぁ、ごっちんもモテるんだけど…。
数人から集まっていた視線にあたしは愛想笑いを浮かべた。
152
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:33
キーンコーンカーンコーン
「ったくもぉ、中澤のヤツ話長いっちゅーの!」
午後のホームルームが終わって、
ごっちんが愚痴りつつ欠伸しながらこっちに向かってきたけど、あたしは荷物をさっさと鞄につめる。
「あ、そか。あの金髪の…。」
「そう。じゃまったねい♪」
「んあ。頑張ってねー。」
ヒラヒラと手を振り合う。
153
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:33
ケータイを手に持ってメモの番号に電話する。
「もしもし?」
歩きながら靴に足をつっこんで「あ、はい。うん、わかります。はい、じゃー、そこで。はい。」
約束を取り付けて、家に帰る。
制服のまんまじゃ雰囲気が出ないとか言われるから結局一端帰ってボーイッシュな服装にする。
これが案外楽しくて気に入ってたりすんだよねぇ♪
154
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:34
矢口先輩と約束した場所の近くの駅で降りる。
秋だと日が暮れるのがはやい。太陽がもうおちかけてるよ。
まぁ、明るいよりか気分出るけど♪
「お待たせ!」
約束の店につくと、矢口さんは道路の見渡せる席でコーラを飲んでいた。
「ううん。」
私服も結構かわいいっすねー。
「どうします?」
「どこでもいーけど。直でもいいよ?」
矢口さんが腕を絡めてくる。
笑いながら、ふと目をやった先にあたしは目を丸くする。
「なんで…?」
「ん?どうしたの?」
やば…声に出しちゃった。
155
:
星
:2002/11/14(木) 00:35
あれ、間違いじゃないよな?
…石川さん?
制服姿のままの石川さんが少し俯いて歩いている。
自慢じゃないけどこの辺あんまりよろしくない場所なんですがね。
優等生だよね?あの人。理事長の娘だよね?
「吉澤さん?」
「あっ、ごめんなさい!」
「えっ?何!?」
あたしは店を飛び出した。
矢口さんが後ろで何が言ってたけど、かまってらんなかった。
だって、石川さんが向かっている先は…ホテル街の方なんだもん。
誰かと約束があるならいーけど…いや、よくないな。
っていうか、あの人、そのことさえ知らない気がしてならない…。
156
:
オガマー
:2002/11/14(木) 00:36
更新終了です。
かんなりベタな雰囲気がプンプンしてる小説になると思いますが、
よろしくお願いします(w
ってかタイトル入れるの忘れてるYO!
タイトルは『星』です。
最初に短編のつもりで書いた時のタイトルなんで適当ですが(爆
157
:
名無しよっちぃ
:2002/11/14(木) 13:14
梨華ちゃん!!何故にそんなところに…。
ってか、たらしの吉…。
158
:
名無しどくしゃ
:2002/11/14(木) 16:14
レスするのヒサブリですが…
イイ!ですねー新作!大期待!
タラシのよっすぃーも久しぶりだぁ。
159
:
Will
:2002/11/14(木) 18:01
やだやだっ!梨華ちゃんは、何にも知らずにそんな所を歩いてるんだよ。
ホテルに入って、あんな事や、こんな事したりするはずが・・・
・・・期待しています(w
160
:
星
:2002/11/15(金) 01:43
うわぁお!
ほんとにそっち歩いて行っちゃうよ。しかも、この10分で日はますます傾いた。
危ないって石川さん…。
声をかけるべきかどうか迷う。誰かと待ち合わせなら、ついて行っちゃ迷惑だろうし…。
でも…聞くの、ショックだろーなぁー…。
ん!?
やべー、見失っちった…。
どこ?
まさか…このホテルに入ったわけじゃないよね?
「わっ!ごめんなさい…。」
ホテルの入り口を覗くと、中から出てきた男女にぶつかりそーになってしまった。
161
:
星
:2002/11/15(金) 01:43
マジかよー…。あたしは、キョロキョロと辺りを見まわしながら歩く。
あっ!いたっ!
ってか男に取り囲まれてるんですけど…。
行くしかないよねぇ…。
自慢じゃないけど、生まれてこの方喧嘩なんかしたことない。抱いた女にひっぱたかれたことぐらいだね…。
もしもの時は逃げるが勝ち!
あたしは石川さんに向かって走り出した。
162
:
星
:2002/11/15(金) 01:44
「その子、離してくれません?」
念のため、低い声をつくってみた。
石川さんは、あたしだと気付いたようで、ビックリしたような顔を浮かべている。
「何?友達?だったら一緒に遊んでもらおーか。」
…効果なし。
つーか、ナンパならもっと優しく接しろよ。
「悪いけど、忙しいから。逃げろ!!」
あたしは石川さんの腕を掴んで走り出す。
「オイ!こらっ、待てよ!!」
…っつーか、しつこいナンパだな。
163
:
星
:2002/11/15(金) 01:44
…まだついてくんの?
自慢じゃないけど、最近運動不足で足がもうヤバイ。
「しつこい!ナンパってここまでしないっしょ!!」
つい大声で叫ぶ。
「…踏んじゃったのっ。」
「ヘ?」
隣を走ってる石川さんが何か言う。
「サングラス踏んじゃったの!」
「はぁ!?」
…それにしたって…サングラスってそんな高かったわけ?
「そこ!そこ曲がるから、すぐ脇の道に入って!」
あたしは石川さんに顔を寄せて言う。石川さんが頷くのを確認して、走るスピードを上げた。
164
:
星
:2002/11/15(金) 01:45
言った通りの道を曲がって、すぐそこにいつも開けっぱなしの空き家がある。
そこに入って鍵を閉めると、今度は裏口から脱出。
この家の造りって、結構複雑な上にでかい。
「もう大丈夫っしょ!」
あたしは石川さんの手をほどくと、べたん、と地面に寝転んだ。
通行止めの道の端にはゴミ袋が積まれている。
目を閉じて、荒い息だけを聞いていると、近くに気配を感じて目を開ける。
石川さんがあたしの頭の上に腰の辺りを置いて寝そべっていた。
165
:
星
:2002/11/15(金) 01:45
目を瞑って、荒い息を繰り返してる。
ん〜…なかなかいいね。
「なんであんなとこにいたの?」
あたしは、そう尋ねながら、すぐそこにあったスカートの裾をめくってみる。
「キャッ!!」
石川さんは、少しタイミングをはずして悲鳴をあげると、勢いよく上半身を起こした。
ピンクね…。
「何やってるんですか!」
真っ赤な顔でスカートの裾を抑えながら。
「いや、そこにあったから見てもいーかなって。」
あはは、とあたしが笑うと石川さんはギロッと睨む。
「さっきの男の人達より、吉澤さんの方が危なそう…。」
あらら。かわいい顔して言ってくれちゃうねー。
「せっかく助けたのに…。」
あたしは少し拗ねて壁にもたれかかる。
166
:
星
:2002/11/15(金) 01:46
「違うの!ほんとに感謝してるの!それはっ!」
石川さんがあまりにも必死にそう言い返してくるから、つい吹き出してしまった。
「なんで笑うのよ…。」
「いや、だって石川さん…。」
笑いが止らない。
「でも、楽しかった。」
あ、笑った…。
「何が?」
「こんなに走ったの中学の頃以来だよ。」
「へ?そうなの?」
167
:
星
:2002/11/15(金) 01:46
「うん。私、テニス部だったの。」
「へぇ。」
「大好きだったなぁ〜。」
石川さんもあたしの隣に来て壁にもたれかかる。
石川さんがテニス部…。かわいーんだろーなぁ。
「え、でもなんで高校ではやってないの?」
確かに、テニス部はあるはずだ。
石川さんは小さくため息を一つ吐いた。
「お父様が…勉強の邪魔になるって…。」
「…そっか。」
168
:
星
:2002/11/15(金) 01:47
しばらく、口を開けなかった。
もうこんなに暗い。めずらしく星がいくつか見える。
「私ね…ちょっと変だったの。」
「ん?」
隣の石川さんがポツリと話しはじめる。
「怖い場所だって知ってて、あの場所に行った。」
「…。」
「でも、男の人に因縁つけられて…ほんとに怖くって…。」
石川さんの目にうっすらと涙が溜まる。
「吉澤さんがきてくれてよかった…。」
それだけ言ってこっち向いて微笑む石川さんは…
驚くぐらいの威力でこの胸を撃ちぬいた。
あたしは、我慢できなくなって…
「もう馬鹿なことは…」
続きを遮るように、彼女の唇に唇を重ねた。
169
:
星
:2002/11/15(金) 01:49
ゆっくりと唇を離す。
「…っ何やってんですか!?」
真っ赤な顔で石川さんがそう言う。
「いや…そこにあったから…。」
「なにそれ!!もう!初めてだったのに!!」
「へ?」
「信じられない…。」
「え?」
石川さんが涙を零す。
「えー!えっと…。」
「もう帰る!」
「へ?」
石川さんはそう言って立ちあがると、そそくさと歩き出す。
「待ってって!」
「なんですか!?」
腕を掴んで振り向かせると、すんごく強い目で睨まれてしまう。
「いや…送ってくよ。危ないし…。」
170
:
星
:2002/11/15(金) 01:49
石川さんは、大通りに出てタクシーをつかまえるまで送らせてくれた。
あたしは、しゃべらずに歩く間、ずっと考えてた。
横顔をチラッと見る度にさっきのキスの感触が蘇って…
好きだって思うのに…
やり方がわかんねーよ…。
結局、タクシーを止めて石川さんは何も言わずに乗り込む。
あ!
「ちょっと待ってください!」
あたしはタクシーの運転手にそう言う。
「石川さん、紙とペンない?」
「え?」
あたしが急かすと、石川さんはすぐにメモ張とシャーペンを出してくれた。
171
:
星
:2002/11/15(金) 01:50
「はい、これ。」
あたしは、ケータイの番号をかいたメモを渡す。
石川さんは、不思議そうな顔をして受け取る。
「あたし、自慢じゃないけど、自分から人に渡すのはじめてだから…。」
それだけ言うと、何か言おうとした石川さんをドアでさえぎった。
すぐにタクシーは視界から消えていく…。
あたし…顔赤くなってないかなー…。
あんなやり方で伝わっただろうか…。
でも、方法がそれしか見付からなくって。
恥ずかしい気持ちと、なんだか胸がギュッとする気持ちと…。
なんかその場をしばらく動きたくなくて、空を見上げると、さっきより瞬く星の数が増えた気がした。
172
:
オガマー
:2002/11/15(金) 01:53
更新終了。
期待させてほんとごめんなさい…(汗)。
>157 名無しよっちぃさん
大した理由もありませんでした(爆
>158 名無しどくしゃさん
期待には…
きっと添えられていませんね…。
>159 Willさん
( ^▽^)<しないよ♪
ゴメンナサイゴメンナサイ…。
ちなみに次はごちぃーん視点のお話になったりとかします…。
173
:
Will
:2002/11/15(金) 18:33
いいっ!今後の展開が楽しみです。
・・・期待外れじゃないのかって?
いしか〜さんの肌に触れることが出来るのは、吉澤さんだけです!
・・・Willが言うなって話ですが^_^;
174
:
名無しよっちぃ
:2002/11/16(土) 03:44
(・∀・)ノ イイ!!
この二人のこれからに目が離せません(^▽^)
175
:
星
:2002/11/16(土) 07:39
-maki-
つまんなぁーい。
なんで毎日ってこんなにつまんないんだろうな。
その点、よしこは楽しそうだよね〜、いつもそう思う。
教室では、いつも石川さんってお嬢様のことをトロ〜ンとした顔して見詰めちゃってさ。
アレって恋してるっつーのかな?
けど、アイツ、日替わりぐらいの勢いでいろんな女の人抱いてるし…。
けど、それだって全然退屈そうとかじゃなくって…。
あたしは、誰かとHしてても…
得られる快感は好きだよ。
でも、結局それってあたしの中じゃからっぽなんだよねー。
あたしは、足元に落ちていた小さな石ころを蹴飛ばした。
176
:
星
:2002/11/16(土) 07:40
ふと、視線をやった先に見た人。…ん?
「あれ?今朝の…。」
あたしは思わず声をかけた。
金髪の先輩は、俯いて、ケータイをいじりながら歩いているところだった。
あたしは、友達と遊んで帰る途中だったんだけど…。
この人はよしこと…ナニをやってるはずじゃないの?今頃。
そんなことを考えてる間を充分あたしに与えてから、先輩は。
「ああ…。」
と答えた。
「どうかしたんスか?」
先輩の暗い表情から、何かあったのかな?と思い、わざとあっけらかんと尋ねてみる。
177
:
星
:2002/11/16(土) 07:40
「逃げられた。」
「へ?」
「あいつ…他の女追いかけて行った。」
「…他の女?」
「そう。」
先輩は、それほど落ちこんでる様子もない。
けど、無理してることだってありうる。
よしこに近づいてくる女の子って、遊びの子が大半だけど、中には本気の子もいるから。
「そーなんスかぁ。」
またあっけらかんと相づち。
よしこが他の女?めずらしいな…。
もしかして…石川さんとか?
ま、とりあえずその話しはいーや。
178
:
星
:2002/11/16(土) 07:40
「先輩、」
細い路地の壁に背中を当てて、話しかける。
「ん?」
「名前なんて言うんですか?」
あたしが尋ねると先輩は、あはは、と笑った。
なんだ、笑うとかなりかわいーじゃん。
よしこももったいないことすんねー。
「矢口だよ。矢口真里。」
「矢口先輩。」
「そ。アンタは?」
「後藤です。後藤真希。」
「へぇ。真希ね。」
「へ?」
いきなり名前を呼び捨てにされてちょっとドキッとしてしまった。
179
:
星
:2002/11/16(土) 07:41
「ん?」
先輩が不思議そうな顔をする。
「いや、最初からそういう風に呼んでくる人はじめてだったから。」
「そっか。嫌?」
「ううん。」
あたしは笑って言った。
変だな。なんか気にいられようとしてない?
「あたしね、人見知りなんだよ。」
「え?」
…そんな風に見えないですけど?
「だから、わざと馴れ馴れしくすんの。」
「ほぇ。」
なんとなく相づち。
「ほら、もしさ、相手が人見知りだった場合さ、こっちがモジモジしてっと仲良くなんてなれないじゃん。」
「あー、そうスねー。」
なるほど。やっと言ってる意味がわかった。
180
:
星
:2002/11/16(土) 07:42
なんとなく、沈黙。
この人、よしこが好きだったのかな?
好きじゃないにしても…なんで抱かれようとしたんだろう。
なんだか胸がモヤモヤするな。
「今、どんな気分?」
「はぁ!?」
あたしが唐突に聞いたら、先輩は目を丸くした。
そしてその後、ケラケラと笑い出した。
「アンタ面白いねー。」
「真希だってば。」
なんかちょっとムッとする。
「ごめん。真希、ね。」
そう言いながらも、笑いつづけてる。
181
:
星
:2002/11/16(土) 07:42
結局、さっきの先輩の腹のうち探ってやろう大作戦はどこかに流れてしまった。
「あー見て!星きれいだよ!」
「んあ?…ほんとだ。」
この街にこれだけ出てればすごい方だろう。
キラキラと輝いてる。
「あたしさ、」
先輩が言う。
「ん?」
「アンタでもいいよ。」
「ん?」
「吉澤さんじゃなくても…。」
先輩は俯いてそう言った。
「だから、真希だってば…。」
あたしはそう言うと、先輩は顔を上げる。
……
何故だか、数秒間見詰め合って
側の大通りを通る車の音で、我に返った。
182
:
星
:2002/11/16(土) 07:43
「駄目?」
先輩がそう言う。
なんで、そんな切ない顔してんですか…。
遊びじゃ嫌だとか…言えないじゃん…。
「いいよ。」
あたしは、先輩にキスをする。
だんだんと深いものに変える。
少し歩いたとこにあるラブホに入って、した。
あたしが先輩を抱く。
先輩は切ない顔をしていて…
抱くのも悪くない…とあたしは思った
何があったのかわかんないけれど…
これから、教えて貰うつもりだから。
少しずつ貴方を知りたくなってるから。
だから今夜が終わっても。
あたしを過去には変えないで…。
183
:
星
:2002/11/16(土) 07:45
更新終了。
レスありがとうございます!!
>173 Willさん
>いしか〜さんの肌に触れることが出来るのは、吉澤さんだけです!
とってもいいこと言いますねぃ(w
>174 名無しよっちぃさん
あんまり期待しない方がよいと思われ…(w
次はいしよし。
184
:
名無しベーグル。
:2002/11/16(土) 10:22
ヒサブリのカキコです。
やぐごまもやっぱり(・∀・)ノ イイ!!ですね。
いしよしも気になります。
185
:
名無しよっちぃ
:2002/11/16(土) 19:41
(・∀・) イイ!
やぐごまマンセー!!
期待しちゃっていいですか?(w
186
:
星
:2002/11/17(日) 03:44
-hitomi-
「「はぁ〜。」」
あたしとごっちんのため息のタイミングがバッチリ合った。
「どうしたの?」
「そっちこそ…。」
また二人で同じ机に肘をついてため息。
石川さんがいるべき席を見詰める。
さっき石川さんは、先生に呼ばれて席を立って行ってしまった。
その途中に目が合ったけど、意識的に逸らされた…。
187
:
星
:2002/11/17(日) 03:45
だって、キスしたら泣いちゃったもんなぁ…。
電話は、結局かかってこなくって…
それって振られたってことかな?
自慢じゃないけど、誰かに振られるのって、幼稚園の頃にかわいい先生捕まえて「結婚してください。」ってその辺に生えてた花を渡したときぐらいだよ…。
「あっ…。」
石川さんが戻ってくるのが見えて、つい声を出してしまった…。
188
:
星
:2002/11/17(日) 03:45
「んあ?」
ごっちんが、あたしの声に反応して、石川さんの姿を確認する。
あたしは内心、なんか言われるかな?と思ってちょっとヒヤヒヤしてたんだけど。
だって、振られたなんて言ったら…
だけど、ごっちんは、あたしをチラッと見ると、
「はぁ〜…。」
深いため息を吐いて視線をはずした。
…ってかちょっと傷ついた。
自慢じゃないけど、あたしって自分から悩みが言い出せないタイプで。
それをさり気なく気にかけて、さり気なく聞き出してくれるごっちんに案外頼ってたりしちゃってるんだよね…。
なのに、聞いてくれないどころが、なんだか呆れ顔でため息をつかれても…。
189
:
星
:2002/11/17(日) 03:46
「やっぱり、よしこの方がタイプだったりすんのかな?」
「へ?」
ごっちんはボンヤリとした視線をあたしに向けてそんなことを言う。
「やっぱ、あたしよしこといれない。」
「は?」
ごっちんは、視線を逸らしてそう言うと自分の席に戻っていって、机に突っ伏してしまった。
その様子をポカンと見詰めてたんだけど、ふと視界に石川さんをとらえる。
また、勉強してる。
その後姿が…健気で好きだったりするんだよなぁ〜…。
思わずニヤけて、そして慌てて顔を戻した。
でも、もう駄目かなぁ…。
190
:
星
:2002/11/17(日) 03:46
あの日まではね、あの危なげな場所で石川さんと遭遇するまで。
あたし、制御できてたんだよ。
あの子はかわいいかわいいお人形さんで。
守られていて、あたしなんかが手を出しちゃ壊れてしまう。
そんな、綺麗で脆いイメージ。
だけど、ああやって…話しをして…キスして…
一方的だったけど、なんかすごく感じてしまった…。
好きって、こんなに憂鬱なことなのかな?
あたしに別れ話を聞かされて泣き出した子のことを思い出した。
別れ話、と言っても、付き合ってるってわけではなかったんだけど…。
うーん。
あたしってば…ひどいことしちゃってたのね。
そんなことをズルズルと考えてる間に授業がはじまり、そして終わり…。
今日も石川さんは、先生に当てられた問題をスラスラとといて見せていましたとさ…。
191
:
星
:2002/11/17(日) 03:47
「ごっちーん。」
今日は誰からの誘いもなく…というかあれから断ってんだけど、全部。
しょうがないから、ごっちんと遊びにでも行こうかと声をかける。
「んあ?よしこ、お願いだから、顔見せないで…。」
ごっちんは、気だるげにそう吐き出して、鞄を手に取ると、机の中身もつめずに帰って行ってしまう。
なんだよ、なんだよ…。
かなり傷ついた…。
ペタペタと響くシューズの音が情けない。
神様、あたしって情けない人間かなぁ?
これが挫折ってヤツ?
「「はぁ〜…。」」
靴箱の手前、丁度あたしのクラスの靴箱の方からため息が響いた。
めっちゃタイミング合ってて、クラスの誰かならからかってやろうと思って、そっちに顔を覗かせてビックリした。
だって…そこには石川さんが立っていたから…。
192
:
オガマー
:2002/11/17(日) 03:50
更新終了。
>184 名無しベーグル。さん
ありがとうございます!
そう言って貰うのは嬉しいけど、少しだけプレッシャーですな(w
>185 名無しよっちぃさん
ありがとうございます(w
期待はほどほどにしといてくらさいな。
193
:
名無しよっちぃ
:2002/11/17(日) 13:25
うお〜!!つ づ き が き に な る 〜
これからの展開が楽しみです。ガンガッテください!!
194
:
星
:2002/11/19(火) 00:18
「あれ?今帰り?」
あたしゃ馬鹿か…。
そんなの当たり前だろう…。
石川さんはしばらく俯いていて、そして…
何も言わずに歩いて行こうとする…。
ああ…あたしはやっぱり…駄目な人間なのだろうか…。
孤独ってこんな感じ?
ねぇ、神様?
あたしは、空に向かって手を広げてみた。
視線を元に戻すと、前をスタスタと歩いている石川さんがいて…。
あっ!
チラッとこっちを見たと思ったら、またスタスタと歩き出す。
195
:
星
:2002/11/19(火) 00:18
ん〜…。
「うわ!」
視線を地面に向けて歩いてたら、急に目の前に人影があってビックリしてしまった。
「石川さん?」
石川さんがあたしをジッと見詰めて…怖い顔をしている。
「なんでついてくるんですか?」
「は?」
「やめてください!」
石川さんは強く言い放った。
「あのね、お嬢さん…。」
あたしはちぃとばかりショックを隠し切れない。
196
:
星
:2002/11/19(火) 00:19
「なんですか?」
「こないだから、ひどい言いようだけど…あたしの家も、こっちなんですよ。」
「え!?嘘…。」
…やっぱり知らなかったのね。
泣いていい?お母さん…今日帰ったら貴方の胸で…
一人暮らしだけど。
「ほんとです。」
「ごめんなさい…知らなくて…。」
「ヤ、別にいいんだけどねぃ。」
なんか、石川さんと話せてること自体が嬉しく感じてきた。
自然に、隣に並んで歩き出す。
「ね、石川さんってハイヤーとかが迎えに来たりしないの?」
「嫌だって言ったの…。」
「あー、そう。」
ってことはほんとならば、迎えに来てたってワケね。
…ジョークのつもりだったのに…。
197
:
星
:2002/11/19(火) 00:19
「あれから…楽しいことあった?」
あたしはなんとなく聞いたんだ。
あの日、石川さん、『楽しかった』って言った。
何度、眠る前に思い出したか…知れない。
「え…ううん。」
石川さんはちょっと考えてから、それだけ言った。
「あーのさ…あたしのこと嫌いかな?」
ズリズリと靴をアスフュルトに擦りつけながら、聞く。
「え…。」
「いや…電話、くれないしさ…。」
あたしがそう言うと、石川さんは立ち止まった。
「ごめんなさい!」
いきなり、体を90度折り曲げられる。
体柔らかいのねー…ってそうじゃなくて
198
:
星
:2002/11/19(火) 00:20
「は?」
つい間抜けな声で答えた。
何?
あ、ひょっとして今、あたし本格的に振られたのかな?
やべー…かなり胸が…
「なくしちゃったの!!」
ギュッってギュウ…って
「へ?」
石川さんを見ると、眉毛をハの字にして、心底申し訳なさそうにしてる…。
「たぶん、洗濯物と一緒に出して…それで…お手伝いさんが捨てちゃったのかも…。」
「あ、あっ、そうだったの?なんだ…。よかった…。」
あたしがそう言って、石川さんに笑顔を見せると、彼女はバッと目を逸らす。
ん?
199
:
星
:2002/11/19(火) 00:22
「ね、石川さん…。」
自慢じゃないけどあたし…
「ねぇってば。」
こういう女の子の態度よく知ってる…。
石川さんは、少しずつ赤く染まった顔であたしと目を合わせた。
「好きなんだよね…。」
「なっ…何言ってるんですか…。」
「何って…そう思ったから…。」
石川さんがもっと真っ赤になって俯いたから、あたしもなんとなく俯いた。
「……それだけですから。」
何言ってんだ!意気地なし!
あたしはスタスタと、歩き出してしまった…。
200
:
星
:2002/11/19(火) 00:22
これが…恋??
前髪を撫でつける風が妙に切ないぜ、ベイベー…。
しばらく経って気付いた。
隣で聞こえてくるはず足音が聞こえてこない…。
あたしはおそるおそる後ろを振り向く…。
石川さんは、いた。
100Mぐらい向こうに…。
「何やってんの?」
駆けよって、俯いたままの石川さんに話しかけた。
「だって…。」
「ん?」
「どうすればいーのかわかんなくて…。」
「何が?」
あたしが聞くと、石川さんはモゴモゴと口を動かそうとして、閉じた。
201
:
星
:2002/11/19(火) 00:23
「……。」
「あのさ…。」
「……。」
「何も言わないと、…キスしちゃうぞう?」
あたしの心臓はかなりバクバク言ってる。
「……。」
あの、なんか言ってくれなきゃ困るんですけど…。
ジョークだし、今の…。
まさか、ねぇ。また泣かれたら困るし…
そりゃもう、すごく困っちゃうんだよ、自慢じゃないけど。
「……。」
「えーと。なんかあった?あたしでよかったら聞くけど…あ、でも、信用ないもんね、あたし石川さんに!あははっ!はっ、はぁ〜……。」
虚しい。
何があったって言うの…。
202
:
星
:2002/11/19(火) 00:24
「…き…。」
なんかとてもなく恥ずかしくなって、視線を逸らした瞬間だった。
「え?」
「好き!」
石川さんがギュッと目を瞑ってそう言った…。
ドキドキ…言ってる
トクトクかな?…
石川さんがチラッとあたしを見る。
「あ、ありがとう…。」
なんかロボットみたいなしゃべり方になってしまった。
かっこわるい…。
「えーと…帰ります?」
あたしがおそるおそるそう言うと、石川さんはコクッと頷いた…。
彼女の歩幅に合わせて歩く。
ね、さっきの聞き間違いじゃないよね?
あたしのことが好きだって言ったんだよね?
横顔をチラチラと盗み見ながら…。
203
:
星
:2002/11/19(火) 00:24
あ…。
急に立ち止まったあたしを石川さんが見る。
「こっちなんだ、家。」
あたしは右側の道を指差して言った。
「そっか…。」
「うん。」
「じゃ、サヨナラ…。」
石川さんが笑ってそう言った。
「ああ、うん…。」
あたしは、その笑顔にドキドキして…
石川さんの腕を咄嗟に掴んだ。
腕にギュッと抱きしめる。
ドキドキ言ってるのバレるかな…。
バレてもいーや。
なんか…幸せ…だし。
石川さんの体ってさー、あたしに抱きしめられるためにあんじゃないの?ってくらい…
腕に心地よくってさ…
石川さんは、固くしていた体をそっと解いた。
204
:
星
:2002/11/19(火) 00:25
できれば、ずっとそうしてたかった。
だけど…やっぱりいつまでも、そうしてるワケにも行かなくて…
あたしはもう一度ギュッと腕に力を込めると、そっと腕の力を緩めた。
彼女が体を離すのと同時に石川さんの髪の甘い匂いが、鼻を掠める。
石川さんは真っ赤になっていて…。
でも、あたしもきっと負けないくらい赤くなってるだろう…。
だって鼓動がドキドキと…なりやまない。
別れの言葉がいい出せなくて、ジッと見詰め合ってると、
石川さんが…目を瞑った…。
顔にボッと火がつく。
どうした!よしこ!キスだよ。
お前の大好きなキス!!!
わかってる、わかってる…。
あたしは自分を落ちつけながら、そっと身を屈めて、それから石川さんの唇に
キス、した。
柔らかい感触に、頭が痺れる…。
わずか1秒足らずのキス。
「すっごい好き…。」
あたしはそう呟きながら、真っ赤な石川さんを抱きしめた。
今度は、ちゃんと彼女の腕が背中に回って…あたしは目を閉じる。
彼女の息遣いが耳元に聞こえる。
205
:
星
:2002/11/19(火) 00:26
「もう帰らなきゃ、ね…。」
「うん…。」
「なんか、ごめん…。」
「なんで?」
「ひきとめたりして…。」
「ううん…嬉しかった…。」
「そ?」
「うん…。」
「じゃ、ほんとに帰らなきゃね…。」
そう言いながら、腕が解けない。
石川さんの華奢で、でも柔らかい体がジーンと心地よくて…。
「じゃ…。」
あたしは意を決して、体を離した。
「明日も、会えるしね。」
「明日は会えないよ?」
「え?」
あたしは愕然とする。
206
:
星
:2002/11/19(火) 00:27
「なんで?」
慌てて聞く。
「だって、明日は日曜日じゃない…。」
石川さんは面白そうに、鞄をギュッと抱きしめて笑い出した。
「へ?あ、今日土曜?あー、そっか。」
だから太陽がまだ高いのね。
「ね、」
「ん?」
石川さんの笑顔が恥ずかしそうな表情に変わって…
鞄から、ケータイを取り出して、あたしに差し出した。
「番号、教えて。」
「ああ、うん。」
あたしは、何故だか焦る指で慣れてるはずの番号をモタモタと打ちこんだ。
あたしも、彼女の番号をケータイに入れて…
「はい。」
ケータイを返す。
「私、明日、暇だから…。」
「え…。」
「バイバイ。」
石川さんはそう言うと、走って行ってしまった…。
207
:
星
:2002/11/19(火) 00:27
『私、明日、暇だから…。』
石川さんの姿が見えなくなるまで、その言葉が脳みそを占領して…
「よっしゃあーーーーーーー!!」
あたしはガッツポーズをグッと握った。
208
:
オガマー
:2002/11/19(火) 00:29
ぐわ…。更新終了です。
どこで止めたらいーかわかんなかったから半分やけになって更新しました(爆
>193 名無しよっちぃさん
ありがとうございます。
がんがります(w
次回、ごちぃーん視点
209
:
名無しよっちぃ
:2002/11/19(火) 06:53
朝早く起きて覗いて良かったー
大量更新お疲れ様です。
鼻血が出そうになりながら、続きお待ちしています。
210
:
名無しどくしゃ
:2002/11/19(火) 16:12
キューン!!!こちとら心臓バグバグです。
なんてことをしてくれるんですかぁ作者様ぁ〜
211
:
名無しよっちぃ
:2002/11/20(水) 21:00
この後の展開で米が何杯食べれるだろ…?
エ・エ○ですか??
212
:
星
:2002/11/21(木) 03:42
-maki-
あれから、3日…。
あたしは、さり気なく聞いた先輩の電話番号を見詰める。
『また抱かれたくなったらさ、いいなよ。』
ヘタな文句…。
なんで、素直になれなかったんだろう。
〜〜〜〜〜♪
ボーッとしてたら、着信が来た。
うわ…。先輩だ。
…嬉しく思った後で急に悲しくなった。
だって、もしかしたら、また…。
213
:
星
:2002/11/21(木) 03:43
途中で考えるのをやめて通話ボタンに手をかける。
「あ、矢口だけど…。」
「うん。」
「会えない?」
「うん…。いいよ。」
先輩は、この間会った辺りのマックで待ってるって電話を切った。
会えるんだ…。
でも、また…。
ブンブンと頭を振る。
馬鹿じゃないの?あたし。
214
:
星
:2002/11/21(木) 03:43
マックに着いて、辺りを見まわす。
…誰?アレ。
先輩は、金髪でショートのボーイッシュな女の人と、楽しそうに話してる。
あたしがブスッとして近づくと、先輩はあたしを見付けた途端にその人に手を振った。
「誰?あの人。」
先輩が座った椅子の隣に乱暴に腰掛ける。
「ん?まさえ、だって。」
「…友達?」
「いや、今声かけられて話してただけ。」
先輩は、ガラス越しに通りを行く人を見詰めながら素っ気無く答える。
なんだよ、それ…。
「…誰とでも仲良くするんだ?」
なんだかむしゃくしゃする…。
「誰とでもってわけじゃないよ?」
してるじゃん…。
215
:
星
:2002/11/21(木) 03:44
「……。」
「……。」
空気がおもい…。そう考えてるのはあたしだけかな?
「吉澤さん元気?」
「…元気だよ。なんで?」
「別に、ちょっとおもっただけ。」
先輩は、ドリンクをズーッとすすった。
なんか駄目だ…。
ここにいたら駄目だ…。
「あたし、今日ちょっと用事あって…。」
席を立った。
「え?」
「ごめんね、帰る。」
上手く笑えてるよね?
「待ってよ。じゃ、あたしも帰る…。」
先輩は、トレイの上に乗ったゴミをゴミ箱にドコッ!と突っ込むと小走りで後ろをついてくる。
216
:
星
:2002/11/21(木) 03:44
「ねー、そんな急ぐ用事なの?」
先輩の息が切れてて、あたしはちょっとだけ歩幅を緩めた…。
「そんな、でもないけど…。」
ほんとはそんなもの、ない…。
この間、先輩を抱いたホテルの看板が目に止まる。
「だったら来た途端帰らなくてもいーじゃん…。」
「でも、やっぱ…。」
やばい。すごい今抱きしめたくなった…。
そんなことしたら引かれるに決まってる…。
あたしはまた歩き出した。
と、イキナリガシッと手首を掴まれて…
キス、された…。
「……。」
「ね、帰らないでよ…。」
あたしを見上げた先輩の目は切なげで…
あたしの頭はもういっぱいいっぱいだった…
だから…
唇を重ねたんだ…。
217
:
星
:2002/11/21(木) 03:45
「真希、激しかったね…。」
あたしの肩に頬を押し付けながら矢口先輩はそう言った。
あたしはその笑顔を見て、意味もなく涙が出そうになった。
「…ね、なんで好きでもないヤツに抱かれたりすんの?」
わざと、なんでもない振りして出した声。
「……。」
矢口先輩は黙ってしまう。
「そんなの、ちょっと間違ってない?」
あたしは気持ちが上手く伝えられないイライラを彼女にぶつけてしまった。
「だったら…なんで抱くんだよ?」
何か、救いを求めるような矢口先輩の目…
あたしは逸らした。
そんな目で見ないで。
あたしは、ただ言われるままに抱くロボットにはなれない…。
218
:
星
:2002/11/21(木) 03:46
好きだから…。
って言っちゃえ、バカやろう…。
「……。」
「もういい…。」
矢口先輩はそう言うと、服を身につけて去ってしまった。
219
:
星
:2002/11/21(木) 03:46
-hitomi-
「もしもし?」
ベッドの上に正座して…
『もしもし…。』
ひかえめに恥ずかしそうに聞こえた声に胸がトクンッとなる。
「あの、吉澤、です。」
『うん…。』
石川さんはクスッと笑う。
「さっきは…どうも。いや、変だな、それ…。」
『クスクス。』
なにこれ…。
石川さんが笑ってるだけなのにちょーーーーーー嬉しい…。
「明日なんだけど…。」
『うん…。』
「ウチ、来る?」
『…。』
「あ、いや、別に変なことしないし…。」
マズイかもと思ったんだけど…
けど、自慢じゃないけど、あたしってデートって今までしたことなくって。
場所とか全然思いつかなかったんだよね…。
あたしが焦ってそうつけたすと、石川さんはクスクス笑った。
220
:
星
:2002/11/21(木) 03:47
「駄目、かな?」
『いいよ。』
「え、ほんと?」
『うん。』
「そっか…じゃ、明日…。」
『え?』
「は?」
『私、吉澤さんの家知らない…。』
「ああ、そっか…。」
馬鹿だな、間抜けだな…。
「じゃ家の側まで迎えに行く。石川さん家は知ってるから。」
あの大きな家を知らない人なんていないもんな…。
『うん。』
「何時がいい?あ、あたし的にははやい方が嬉しいっつーか…ってか10時!駄目?」
一気にまくしたてる。
石川さんはクスッと笑って
『いいよ。』
って答えた。
221
:
星
:2002/11/21(木) 03:47
軽い挨拶を交わして、電話を切る。
フワフワしてる。
なんか…もうサイコーじゃん?
人生ってサイコー。
「アイラービュー!」
あたしは叫んでケータイにチュッと口付けた。
石川さん…。
今日あったことを思い出してるうちに、何時の間にか眠ってた。
222
:
星
:2002/11/21(木) 03:50
更新終了。
なんか、これ更新してると恥ずかしくなる(爆
>209 名無しよっちぃさん
覗いてよかったと言ってもらえるような小説を…
書けてるのかな…(w
>210 名無しどくしゃさん
心臓バクバクっスかぁ〜。
よかった(w
>211 名無しよっちぃさん
その辺は適度に期待しながら待っててください…(w
223
:
オガマー
:2002/11/21(木) 03:54
恥ずかしさの余りタイトルと名前を変え忘れました。
224
:
名無しよっちぃ
:2002/11/21(木) 05:08
(O^3^)¶チュッ <アイラービュー!!
めちゃくちゃ可愛いです(w
このシーンを実物で想像しただけで、異常に萌えてしまう私は
立派ないしよしヲタですね。ほんとに可愛すぎる…。
225
:
名無チュウ
:2002/11/21(木) 20:42
ごっつあんが……。
切ないいっす。
続き楽しみにしています。初デート?
226
:
星
:2002/11/22(金) 03:36
実は、石川さんに電話する前から8時半にかけておいためざましで、次の日はバッチリ目覚める。
ワックスで髪型をいろいろイジっていたら、変になって、頭を洗いなおした…。
結局、髪型は乾かしたまんまになった。
軽い軽い。
何が?って足取りがっ♪
着いたのは、9時50分ぐらいだったんだけど、石川さんはもう家の前で待ってた。
あたしは、その姿に一瞬見惚れてしまう…。
花柄のワンピースを着てる石川さんはほんとにもうすっごくかわいくて…
ジッと見詰めていると、石川さんがあたしに気付いた。
「おはよ。」
真っ赤になってるだろう顔で挨拶。
227
:
星
:2002/11/22(金) 03:37
「おはよう。」
石川さんも恥ずかしそうに返してくれた。
隣に並んで歩く。
手…握ってもいいかな?
あたしは、そぉ〜っと腕を伸ばして、それから優しく、その手を握ってみた。
石川さんが驚いたようにあたしを見る。
あたしは、彼女に笑顔を向けた。
石川さんも笑う…。
あー、ほんとに幸せ。
なにこれっ、なにこれっ、なにこれー!!
「どうぞ…。」
階段の前で手を解いて、それからあたしが先に部屋に来て、鍵を開けてドアを開けて…
彼女を通す。
「ありがと…。」
そう言う笑顔がまたかわいくてかわいくてかわいくて…
たっまんない…。
あ、しかも…いい匂いした…。
こないだの、シャンプーとは違ういい香り…。
228
:
星
:2002/11/22(金) 03:37
ベッドの前に、クッションを置いて、座ってもらう。
石川さん、いちいちありがと…。って言って笑うから…
照れる、ははっ!
「なんか飲む?」
「うん。」
「ジュースでいいかな?ん〜どれがいい?」
石川さんに数本のジュースを見せると、「これっ。」って言って桃のジュースを指した。
「はい。」
「ありがと。」
ふははっ!かわいー…。
しばらく隣に座って、ジュースを飲んでいると、
「これ読んでいい?」
って石川さんが言ってきた。
それは、ベッドの側に重ねてあった、あたしが好きな漫画家の漫画で。
「いいよ。」
「私、最近マンガって読んでないのっ!」
石川さんはすごい嬉しそうに笑った。
229
:
星
:2002/11/22(金) 03:38
へぇ〜、そうなんだ?
で、面白い?それ…。
石川さん…。
夢中で読んで…
もう3冊目…
もしもし?
あたし放置され気味なんだけど…。
「石川さん、」
「ん?」
素っ気無い返事…
「…梨華ちゃん…。」
あたしがおそるおそるそう読んでみると、梨華ちゃんはバッとあたしを向いた。
「って呼んでいい?」
「うん。」
梨華ちゃん、はフワッと笑う。
あーもうかわいすぎ…。放置されてたのなんて忘れちゃう。
あたしは、梨華ちゃんの肩に手を回してグッと引き寄せた。
230
:
星
:2002/11/22(金) 03:38
「吉澤さん?」
「ひとみって呼んでよ。」
あたしは、すぐ側にあるその横顔を見詰めて言うのに、梨華ちゃんは全然目を合わせてくんない…。
赤くなってるほっぺたにチュッとキスしてみる。
「!?」
梨華ちゃんがあたしを向く。
で、間近に顔があったせいか、すぐに目を逸らされてしまう…。
「かわいい…。」
あたしはそう言って、梨華ちゃんの肩に凭れ掛かった。
彼女の肩がビクッと揺れる。
そろそろ、力抜いてよ、梨華ちゃん…。
あたしは、鼻で息を思いっきり吸いこむ。
ん〜、甘い匂い。
「よっ…ひとみちゃん…。」
「ん?」
「……。」
「どうしたの?」
「ごめん…。トイレ…。」
「あっ、ごめん。」
あたしは慌てて体を離した。
「そこ。」
「うん…。」
梨華ちゃんは急いでそのドアの向こうに消えた。
最初に水を流す音がする…。
んー…かわいい…。
水道台がどうとか、ケチくさいあたしでも言わない。
梨華ちゃんなら許す!
231
:
星
:2002/11/22(金) 03:39
パタン...
梨華ちゃんがトイレから出てきて、あたしは「おいでよ。」
ってさっきまで彼女がいたスペースを指した。
梨華ちゃんはおずおずと歩いて来て座った。
あたしがまた肩に腕を回すと、お約束通り、彼女の肩はビクッと揺れる。
「こうされてるのヤだ?」
あたしは、また肩に頭を預けて、目を瞑って聞いた。
「ううん…ヤじゃない…。」
小さな声が返ってくる。
「キスとかしたらヤだ?」
自分の胸のドキドキを聞きながら、尋ねる。
「…イジワル…。」
「なんで?」
あたしが目を開けて、彼女を見ると、梨華ちゃんは真っ赤になっていた。
「だって…恥ずかしいし…。」
「えー、好きだったらしたいって思わない?」
「そうじゃなくって…聞かなくっていいよ…そんなこと…。」
梨華ちゃんは少し拗ねた素振りでそう言った。
「……。」
その表情がかわいくて…
あたしはそっと彼女の顎に手を当てて持ち上げ、そして唇を重ねた。
彼女は驚いたように、目をギュッと閉じて…
あたしも、目を閉じた…。
232
:
星
:2002/11/22(金) 03:40
角度を少し変えてみる。
なんか気持ちよくなってきて…もっと…彼女のことが知りたくなって
舌で唇をなぞった。
驚いたように、唇の力が抜けて、その隙に舌を忍び込ませる。
彼女はそっとあたしの腕を掴んで、それからギュッと握る。
梨華ちゃんの舌に触れて、逃げようとしたそれに大丈夫だよ、っていうみたく、優しく舌を当てる…。
「ん…。」
鼻にかかった吐息が彼女から漏れて…。
少し触れ合っただけの舌を彼女の中から引き出した。
唇を離す。
心臓がドクドクって鳴ってる。
彼女はすぐにあたしの肩に顔をギュッと押し付けた。
「ヤだった?」
首を振るのがわかる。
「よかった…。」
233
:
オガマー
:2002/11/22(金) 03:43
更新終了。
こらこら、よちぃ(何
>224 名無しよっちぃさん
大丈夫です、安心してください。
そんないしよしヲタは貴方だけではありません(w
>225 名無チュウさん
やぐごまは結構痛い系になってしまうという罠。。
いしよしはどうやっても甘い系になってしまうという罠(w
234
:
名無チュウ
:2002/11/22(金) 04:30
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
最高!!続き!おながいします。m(_ _)m
235
:
名無チュウ
:2002/11/22(金) 17:02
すんげ〜面白いです。サイコーです。
続きが楽しみ楽しみ。
236
:
星
:2002/11/23(土) 07:58
彼女の肩越しに時計を見ると、もう一時を回っていた。
「もうこんな時間だね…どうしよっか?どっか行く?」
あたしは、自分に凭れ掛かったままの彼女に声をかける。
「…ん…。」
「梨華ちゃん?」
「ごめん…なんか…力が入らなくって…。」
「嘘…。」
どおりで妙に体重がかかってると思った…。
「めちゃくちゃかわいい…。ね、」
「ん…?」
「エッチしていい?」
「え!?」
彼女が案の定、バッと体を離したので笑ってしまった。
「なによぅ…。」
「え…。」
梨華ちゃんは怒った顔になったと思ったら、急に目に涙を溜めた。
「本気でビックリしたのに…。」
ついに、その目を涙が零れ落ちる。
237
:
星
:2002/11/23(土) 07:59
「……。」
「…っく…。」
「あ、ゴメン…。…泣かないで…。」
あたしは、焦ってしまう…。
馬鹿だな…。
なんで…
そゃっとそぉっとそのほっぺたに触れる。
それから、ゆっくりと涙をぬぐう…。
すると、梨華ちゃんがギュッとしがみついてきた…。
「ちょっ…ちょっとは…っく…。」
「ん?」
背中を擦りながらできるだけ優しい声で聞いたけど、きっと相当困った声になって彼女に響いてるだろう…。
「ちょっとは、覚悟っ…してきたの…。」
「え…。」
「ひとみちゃんは…その、…そういうこと好きみたいだし…。」
ヒック、としゃくりあげる。
あたしはそんな彼女が愛しくて、ギュッと抱きしめた。
「ごめん…。別に…ジョークとかじゃなかったんだ…。その、なんて言うか…すげー好きだし…もっともっと梨華ちゃんのこと知りたいって思って…。」
「……。」
彼女があたしに回してる腕に力を込める。
「うん…。梨華ちゃんが嫌なら…絶対しないし…安心して、大丈夫…。」
238
:
星
:2002/11/23(土) 07:59
「違うの…。」
「え?」
「嫌とかじゃ、ない…。」
「マジ?」
梨華ちゃんが頷くのがわかる。
「私だって、ひとみちゃんのこと、好きだし…そういうのにも…ちょっとだけ興味があって…。」
最後の方はたぶん抱き合ってなかったら、聞こえなかっただろう。
そんくらい小さい声だった。
「ほんとにいいの?」
あたしが尋ねると、梨華ちゃんはあたしのシャツをギュッと握ってそして頷いた。
彼女の体を優しくはがして、その瞳をジッと見詰める。
まだ乾ききっていない涙にそっと唇を寄せた。
唇を重ねて、それから、舌を入れる。
彼女はすんなりとそれを受け入れてくれた。
ぎこちない舌があたしのそれに答えようと、必死になってるのがすごく愛しくて、胸が熱くなる。
ふいに、彼女の手があたしの髪を引っ張った。
「梨華ちゃん?」
あたしは、目を開けて、そっと唇を解くと話しかける。
「その、焦ってるとかだったら、別にいいんだよ?」
梨華ちゃんは、俯いてしまう。
「ほんとにイジワル…。」
「え…。」
「そんなこと言われても…もう遅いもん…。」
梨華ちゃんは泣き出しそうな声を出す。
あたしは焦って、彼女を抱き寄せた。
239
:
星
:2002/11/23(土) 08:00
「ごめん…。いや、すっげー好きで…正直戸惑ってるんだけど…。でも…好きだから…。」
「私も…。」
あたしは彼女のその言葉を聞いて、そっと耳に唇を寄せる。
「ん…。」
唇を首筋にずらすと、彼女が声を漏らした…。
やべー…すげぇ…熱でそう…
鎖骨に舌を這わせながら、胸に手を伸ばす…。
気付いてはいたけど…やっぱでかい…そんで柔らかい…。
「…んん…。」
軽く力を込めると、苦痛とも、快感ともとれる声が漏れる。
ヤバイ…イっちゃいそう…
情けない感覚にとらわれながら、ワンピースの肩の紐をズラす。
ワンピースと一緒な花柄のブラジャーが姿を現して…
こぼれそうな胸の谷間から、目を逸らす。
ゆっくりと抱きしめて、立たせて、それからベッドに横たえた。
240
:
星
:2002/11/23(土) 08:00
梨華ちゃんは真っ赤な顔で目を瞑っていて…
それが胸をギュッと切なくさせる…
こんな気分、はじめてだよ…
でも、
「好きだよ…。」
あたしはそう呟くと、ブラのフロントフォックに手をかけて、パチン、とはずした。
「あんまり、見ないで…。」
頭の上から声がして、ハッとした。
真っ赤な顔の梨華ちゃんと目が合う。
「あ、ごめん…。」
手で、その膨らみを優しく揉みあげる。
「…ん…ぁぁ…。」
控えめな声が…体の芯に火を着ける…。
そのうちに堅くなってきた蕾を、口に含む。
「ゃあ…ひとみちゃん…。」
震える声が名前を呼ぶ。
舌でコロコロと転がして、それから軽く噛む。
「んんっ…ゃだ…なんか…変…。」
「変?」
「ひとみちゃんって、イジワル…。」
顔を同じ高さまであげて言うと、彼女はそう言って目をギュッとつぶった。
あたしはその唇に軽くキスして、体をずらすと、
「梨華ちゃん、腰あげて。」
そう言ってズルズルとワンピースをズリおろす。
梨華ちゃんは恥ずかしそうに、でも少しだけ腰を浮かせてくれた。
241
:
星
:2002/11/23(土) 08:01
「恥ずかしい…。」
ショーツに手をかけると、そう言って彼女の手があたしの腕をつかむ。
「じゃあ、やめる?」
お腹に口付けながら、そう尋ねる。
「イジワル…。」
梨華ちゃんがそう言って、腕を掴む手をのけた。
あたしはクスッと笑って、ショーツをそっと脱がせた。
「梨華ちゃん、綺麗…。」
「恥ずかしいってばぁ…。」
あたしは素直に思ったことを言ったのに、彼女は、体を横に向けてしまった。
余計…えっちぃよ、それ…。
心臓がドクドクなってて、
あたしはそっと梨華ちゃんの肩を押して、その上に自分の体を重ねた。
「梨華ちゃん…。」
目を見詰め合って…キスを交わす…。
指を茂みに這わせると、彼女がビクッとゆれる。
「大丈夫…。」
あたしは、彼女の耳に唇をうつして、囁く。
「んんっ…。」
指が敏感な蕾を捉える。
彼女のそこはビックリするぐらい湿っていた。
242
:
星
:2002/11/23(土) 08:01
「ぁ…っ…んぅ…。」
指を割れ目に沿って這わせて、その源の辺りをゆっくりなぜる。
「入れていい?」
彼女がコクリと頷くのを聞いてから、そっと指を挿入した。
「んっ…。」
「痛い?」
彼女が肩にギュッとしがみつく。
痛いよなぁ…。あたしだって経験あんもん…。
けど…梨華ちゃんの中すっげぇあったかい…
「梨華ちゃん…気持ちいいよ…。」
ゆっくり奥まで到達するように指を指し入れる。
「んんっ…。」
ああ…今あたし、彼女のはじめて奪っちゃったよ…
ドクドクと…眩暈がする…
「梨華ちゃん…。」
そう囁いて、首筋に口付ける。
「まだ痛い?」
「んっ…ぁ…。」
ゆっくり指を動かしながら、敏感な突起に親指を当てた。
「ぅんっ…ゃだぁ…ひとみ、ちゃん…。」
円を描くように彼女の蕾を捏ねる。
「んんっ…あっ…ゃあ…んん…んんん…。」
梨華ちゃんの体にグッと力が入って、そしてすぐに抜けた。
「梨華ちゃん…。」
名前を呼びながら顔を上げて…深いキスをする。
「好きだよ…。」
そう言って裸の体を抱き寄せた。
「…私も…大好き…。」
愛しくて愛しくて、瞼にそっとキスをおとした。
243
:
オガマー
:2002/11/23(土) 08:03
更新終了。
コラコラコラコラ、よちぃ…。
>234 名無チュウさん
続き、どうぞ(w
>235 名無チュウさん
楽しみな気持ちは報われたでしょうか?
244
:
名無チュウ
:2002/11/23(土) 16:38
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
(・∀・) イイ!(・∀・) イイ!(・∀・) イイ!
さいこ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
すごいイイ!!です!
ガンガッテください!
245
:
名無しどくしゃ
:2002/11/23(土) 18:15
エロキタ━━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━!!
逮捕です作者様タイーホ。凄すぎ。
246
:
\1980
:2002/11/24(日) 16:29
お久しぶりです!
エロを見るとカナーリドッキドキしてしまいます(w
よっちぃ・・・(照
梨華タソ・・・(萌
そして風邪のせいで腹が痛いと思っていたのですが盲腸でした(w
247
:
名無チュウ
:2002/11/26(火) 07:13
トロケチャウ…。(*/▽\*)
248
:
星
:2002/11/26(火) 15:31
彼女はそれから眠っていた。
あたしは、彼女を起こさないように、ベッドから降りて、テレビを点ける。
何度も何度も梨華ちゃんを振りかえっては…
スゥスゥって寝息が聞こえては…
あたしの顔は、ニヤけて…
そっと体を起こして、おでこに口付けた。
「ん…。」
5時を回った頃、あたしがトイレから出てきたドアの音に反応したのか、梨華ちゃんは目を覚ました。
「起きた?」
「……。」
梨華ちゃん、寝ぼけてる?
なんかホワって微笑んでそれから…
起き上がろうとして…
「キャーーーーーー!!」
……
ずりおちそうになった布団をガシッと胸の上まであげて、
真っ赤になるから、あたしまで真っ赤になってしまう…。
249
:
星
:2002/11/26(火) 15:32
「梨華ちゃん?」
チラッとあたしを見る梨華ちゃん。
「えーと、シャワー、浴びる?」
梨華ちゃんはコクンと頷いた。
なのに、なかなか動こうとしない。
「う、後ろ向いてるから、行ってください…。」
「うん…。」
あたしは彼女に背を向けて、何故かむちゃくちゃドキドキしながら、バタンとドアが閉まるのを聞いた。
「うーん…。」
振りかえると、彼女は服を全部持って行ってて、でも、布団はめくれたまんまだった。
「あ…。」
シーツに、薄くなった血の染みがついてる…。
またドクドクと鼓動がはやくなる…。
なんか変かもしんねーけど…洗いたくねーなー、これ…。
指でそっとなぞってみた。
250
:
星
:2002/11/26(火) 15:32
……
「梨華ちゃん?」
あたしは、バスルームのドアの前まで歩いて、トントンとノックしてみる。
ユニットバスになってるから、すぐそこでシャワーを浴びてるはずだ。
すぐに、シャワーの止まる音がする。
「どうしたの?」
「あ、やっぱいいや…。」
そう言うと、またシャワーの音が聞こえ出した。
パタン…
あたしがボーッとしていると、梨華ちゃんがバスルームから出てきた。
「タオル、借りたね…。」
「うん…。」
彼女の顔が真っ直ぐに見られない。
「ひとみちゃん?」
「ん?」
「どうかしたの?」
彼女が正面にストン、と腰を下ろした。
視界に入ってきた梨華ちゃんの困ったみたいな笑顔がすごく愛しくて、ギュッと抱き寄せた。
「なんか…よかったのかなぁ?って思って…。」
濡れて少し冷たくなった彼女の髪にほっぺたをあてる。
251
:
星
:2002/11/26(火) 15:33
「何が?」
「もっと…大切にしたかった…。」
あたしは目を瞑ってそう呟く…。
梨華ちゃんは息だけで、笑った…。
「私は…嬉しかったのにな…。」
その言葉に胸がギュウ...と押しつぶされて…
しばらく、抱きしめ合っていた。
「あっ!!」
梨華ちゃんが大きな声を出す。
「ん?」
「ごめん、ひとみちゃん。」
「え?」
「もう帰らなきゃ!」
「ああ…。」
あたしは時計に目を移す。6時に届きそうな時間。
「送ってくよ…。」
「うん。」
そう言って笑う彼女の笑顔がまた胸を締め付ける。
帰りながら、彼女がそっと手を握った。
あたしは、その手に指を絡める。
「好きだよ…。」
呟くと、梨華ちゃんは嬉しそうに笑った。
252
:
星
:2002/11/26(火) 15:33
翌日、あたしはどんよりした気分をずっとひきずっていた。
「ごっちぃ〜ん…。」
「よしこ、だから見たくないって。」
あ、ひっで!
ひっでぇ!!
1日会ってなかった親友に…その言いぐさはないんでない?
「はぁ…どうかした?」
ごっちんは、一つため息をつくと、あたしに向いてくれた。
「ちょっ、どうしたの?」
あたしが目に涙を溜めたら、ごっちんはめちゃくちゃ焦ってる。
「ちょっと、自分が嫌になって…。」
だって、つい調子に乗って。いや、気持ちは充分あったよ?
それでも、イキナリHしちゃった自分の節操のなさに嫌気が…。
「はぁ〜、そりゃ当たり前だね、アンタサイテーサイアク!」
泣きそうになってたあたしにごっちんはそう言い放った。
「……。」
「ちょっと!どうしたの?ジョークでしょ…今にもしにそうな顔すんなよ!」
ごっちんに肩をガクガクと揺さぶられる。
253
:
星
:2002/11/26(火) 15:34
「ごっちんってさー…好きじゃない人とHするやつ軽いとか思う?」
ついでに今までの自分のこととかも物凄く後悔してたりして…。
「え!?」
何故か妙にごっちんがうろたえる。
「別に…いーんじゃない。」
そう言った顔はすごく沈んでる。
なんだよ、それぇ、説得力ない。
「でもさ、」
続けるごっちん。
「好きな人とする方がいいに決まってるよね。ね?どう思う?」
「は!?」
…なんでイキナリ立場が逆転してんだろうか…。
たっぷり十秒は、ごっちんの顔を見詰めてしまった。
「どう思う?って…好きな人とのHは…そりゃ最高だからねぇ〜。」
「なに、キモイ。」
…そのセリフで顔が緩んでるのを自分で認識した。
254
:
星
:2002/11/26(火) 15:34
「なんかアンタ変だよ?」
「ごっちんこそ…。」
「「はぁ〜…。」」
いつかみたいにバッチリため息ではもってしまった。
だけど、あたしのそれとは違って、ごっちんのは、とても深いもので…。
肘をついて遠くを見てるような表情に心配になってきてしまう。
「ね、なんかあった?」
「…よしこには言えない…。」
「え…。」
なんだよ、それ…。
なんだYO!…寂しい。
255
:
星
:2002/11/26(火) 15:35
「ひとみちゃん!」
授業が全て終わって、靴箱に着くと、梨華ちゃんが笑顔で迎えてくれた。
「どうしたの?」
あたしが、ごっちんのことを話して聞かせると、梨華ちゃんは何故だか俯いてしまった。
「梨華ちゃん?」
「私じゃ駄目かな?」
ポツリと梨華ちゃんが呟く。
「え、だって梨華ちゃんは恋人で、ごっちんは友達だからそれとこれとは…。」
「バカ…。」
え?
梨華ちゃんはスタスタと先を歩いて行く。
「なんで?」
あたしは小走りで追いついて尋ねる。
「だって…。」
「ん?」
「せっかく一緒に帰ってるのに…ごっちんごっちんって…。」
あー…
「ヤキモチ妬いてくれたんだ?」
あたしはこれ以上ないほどだらしない顔をしてたことだろう。
256
:
星
:2002/11/26(火) 15:35
「もういい!」
「え…。」
梨華ちゃんは赤い顔になって、それからまた先を行く。
「なんでよ?」
「もういいってば!」
「よくないよっ。」
「何が?」
「だって好きだから。」
「…何言ってんの?」
「好きなんだもん…。」
あたしはそう言って、少々荒く振られている梨華ちゃんの手をギュッと握った。
「何よぉ…。」
「ふはっ…かわいー…。」
親友との喧嘩(?)のことがどこ吹く風状態になってしまっていた時だった。
「もうこういうの嫌なんだってば!!」
「え…。」
角を曲がったところで言い争いの声…。
その片方はとってもよく知っている…そう、あたしの親友、ごっちんで…。
もう一人も…あー、あのあたしがすっぽかしちゃった人…。
257
:
星
:2002/11/26(火) 15:36
なんだか妙に焦って隣の梨華ちゃんをチラッと見る。
梨華ちゃんはジッとその二人の方を見詰めていた。
「梨華ちゃん、行こう?」
あたしは、なるべくそこにはいたくなくって先へ急かす。
ごめんなさい…。これからは梨華ちゃんだけ大切にしますから…。
だからなるべくこじれたくとかはない…。
「う、うん…。」
梨華ちゃんはそう返事をすると、あたしについて歩き出す。
二人の家の分岐点で別れて、あたしはごっちんのことを思い出していた。
あの人、矢口先輩だっけ?
知り合いだったのかなぁ?
あ、ごっちんのこと考えてると梨華ちゃんに怒られちゃう…。
何時の間にか、頭の中は今日のかわいかった梨華ちゃんでいっぱいになっていた。
258
:
星
:2002/11/26(火) 15:39
更新終了でぃす。
レスありがとうございます!!
>244 名無チュウさん
ありがとうございます。
嬉しいです(w
>245 名無しどくしゃさん
どうもすいません、つい…。
ってタイーホかYO!(w
>246 \1980さん
盲腸!?大丈夫だったですか?
>247 名無チュウさん
とけちゃいますか(w
あと2回ほどで終わりそうなヨカム。
次はゴチーン。
259
:
名無チュウ
:2002/11/26(火) 17:41
ゴチーン。救ってあげてくだちゃい。
ま、いしよしは、サイコーなんだけれども。(w
260
:
名無しどくしゃ
:2002/11/26(火) 19:45
ごっちんチョイシビアだなぁ…そんな所も新鮮でイイ。
レベルうpしましたなぁ作者様。
261
:
名無チュウ
:2002/11/27(水) 17:15
もう!(・∀・)ノ イイ!!
更新が楽しみでなりません。
262
:
星
:2002/11/28(木) 11:23
-maki-
よしこと別れて、覚悟を決めてかけた電話はプツッと故意に切られた…。
ムクムクと沸いてくる。
ワケのわからない感情…。
あたしは先輩を待ち伏せしてた。
学校が終わる時間に…。
先輩はあたしを見ると一瞬だけ戸惑ったけど、何も言わずに素通りして行ってしまう。
あたしは追いかけた。
でも、声をかけることもできずに、トボトボとその歩幅に合わせるように…。
この辺ってよしこの家の方だよね…。
チラッと今はカンケーないことが頭の中をよぎったときだった。
263
:
星
:2002/11/28(木) 11:24
「なんでついてくんの?」
不機嫌な声が少し先から聞こえて…
「こっち、よしこの家だから…今から行こうかな?って。」
素直じゃない…ほんとにバカやろうだ…。
「へぇ…。」
先輩はなおもスタスタと歩いて行ってしまう。
あたしは、どうしても、足も気持ちも止められなくて…
だけどどうすればいいのかわかんなくて、彼女を追いかける。
「ねぇ、」
「ん?」
振りかえらない背中が答える。
「よしこの家あっちなんだぁ、」
さっき曲がった角の向こうを指した。
「へぇ。」
まだ振り向かない背中…
「先輩も一緒に行く?抱いてくれるかもよ?」
あたしをこんなにひねくれさせたのは…
先輩はすごく怒った顔をして、あたしを振り向いた。
あたしはその表情にカッと血が上って…
ツカツカと先輩に近寄ると、乱暴に唇を奪った。
264
:
星
:2002/11/28(木) 11:25
「ん〜!!」
先輩の腕が肩を押すけど…
力じゃあたしが勝っていて…
そんなとこだってすごい愛しいのに…
ズシャ!!
ドン!と力強く押されて、靴とアスフュルトが擦れる音がする。
離れてしまった唇…
「ね、抱いて欲しいんでしょ?だったらいいじゃん。」
醜い唇の端を歪めたあたし。笑えばいいじゃん。
本気の恋をした途端、悪魔にしかなれない滑稽なあたしを笑えばいい…。
あたしは、もう一度先輩に歩み寄る。
「ね、もう何も聞かないから…。」
鼻の奥がツーンとする。
ね、先輩、なんでそんな泣きそうな顔してあたしを見るの?
「何も聞かないから…一緒にあのホテル行こうよ…。」
あたしは先輩の肩をグッと掴んだ。
265
:
星
:2002/11/28(木) 11:25
「もうこういうの嫌なんだってば!!」
先輩があたしを押して、そう叫ぶ。
「え…。」
なんで…何も聞かなければいいんでしょ?
なんで…もうあたしは必要ないの?
「なんで?」
「なんで?ってアンタが言ったんじゃん…。好きでもないヤツとHするのはおかしいって…。」
あ…
今ひょっとしてあたしって完璧に振られたのかな?
ヤだな…。
しかも、墓穴掘った?
「だから…あたしのこと好きでもないアンタに何回も抱かれるのはもう絶えられない…。」
「え?」
あたしのことを好きでもないアンタ?
あたしのことを好きじゃない先輩でしょ?
「もう…これ以上言わせないで!」
先輩はそう言うと、先を歩いていく…。
266
:
星
:2002/11/28(木) 11:26
「待ってよ!!」
聞きたいことがあんの。
ねぇ、あたしバカだけど何もわからないわけじゃない!
「矢口先輩のこと好きなの!!」
ピタッと先輩の足が止まった。
あたしはゆっくりと近づく。
様子が変わっていくのは気付いてた…
俯き始めて…
隣に並んだときには、肩が震えてた…
「なんで泣いてるの…。」
あたしはそう言って先輩を抱き寄せる。
「あたし…好きでもないヤツに何回も抱かれるような馬鹿なことしない…。そんな馬鹿な女じゃない!」
涙を堪えるような声でそういう先輩をギュッと抱きしめた。
267
:
星
:2002/11/28(木) 11:26
ホテルに行って、抱き合った。
先輩は、話してくれた。
あたしが不安に思ってたこと全部…。
彼氏に…やるだけやったら好きじゃなかったって振られたこと…
自暴自棄になって…すごい上手いってひとみの話を聞いてそれで誘ったってこと…
あたしと…元彼と同じようなことになってるって怖くてしょうがなかったこと…
あたしは、それを笑って話す先輩をそっと抱き寄せた。
だって、泣いてるんでしょ?
どんな色の涙か、あたしには見えないけど…
だってあたしは先輩が好きなんだもん。
他にどうすればいいのか…上手い方法なんて何も見付からないけど…
「真希のこと、好き…。」
最後にそう言った先輩のことを、きっとそれ以上、
なんでこんなに?って思うほど…
好きだから…
268
:
星
:2002/11/28(木) 11:27
「あたし、抱かれるのが専門なの…。」
「え?」
驚いたような先輩に軽くキスをして。
「だからさー、好きでもないやつ何回も抱いたりとかしないの。」
あたしが笑うと、先輩はまた体を振るわせ始める。
「また泣いてるの?」
「泣いてない。」
「泣いてるじゃん。先輩って意外と泣き虫なんだね…。」
「だったら何よ…。」
「ん〜、かわいいなって思っただけ。」
上手い愛の言葉は何一つ思い浮かばなかった。
いつだって、男に抱かれる時も女に抱かれる時も…
用意周到なセリフ、吐き出してたあたしがだよ?
ね、先輩、あたしって馬鹿かな?
頭よかったらもっと先輩のこと安心させてあげられる?
腕の中で眠りについた恋人に…
尋ねるみたくキスをしてみた。
269
:
星
:2002/11/28(木) 11:28
-hitomi-
「ね、ひとみちゃん。」
休日の午後、
あたしの家。
梨華ちゃんが真剣な顔で話しかける。
「私のこと、ほんとに好き?」
「は!?」
あまりに意外な言葉だったから、きっと目を真ん丸く見開いてしまっただろう…。
「好きに決まってんじゃん。なんでそんなこと聞くの?」
「だって…。」
「ん?」
口篭もる梨華ちゃんに向かい合って、膝に置かれた手を取る。
270
:
星
:2002/11/28(木) 11:28
「あれ以来…キスもエッチもしてくれないじゃん…。」
俯いてそう言う梨華ちゃん。
あたしは胸がドクドク言い出すのを感じる。
「ああ…。」
「嫌いになった?慣れてなかったから?」
そう聞いてくる目には涙がいっぱい溜まってて…。
「ね、梨華ちゃん。この前の休みはあたし、誰といた?」
「私…。」
「じゃ、その前の休みは?」
「…私。」
「毎日一緒に帰ってるのは?」
「私…。」
「それで…梨華ちゃん意外の誰を好きになってるって言うの?」
「だってぇ…。」
梨華ちゃんは拗ねた口調でそう言うと、急にあたしにキスをした。
「…な、なにぃ…。」
ちょっと心臓に悪いよ、梨華ちゃん…。
271
:
星
:2002/11/28(木) 11:29
「だって、ひとみちゃんしてくれないから。どうやったって不安になるんだもん…。」
「ん〜…。」
あたしは考え込んでしまう。
あたしは…不安だった。
梨華ちゃんに軽いヤツだと思われてしまうことだけが不安でしょうがなかった。
だから、手を出せずにいたのに…
キスなんかされて…
どうすればいいのかわかんないじゃんー。
「ほら、そういうのはさー、ムードとかいろいろあんじゃん…。」
何言ってんだ、あたしゃ…。
これじゃますます…。
「そっかぁ…。」
って梨華ちゃん?
笑顔で納得しちゃいました。
あたしはもうそんな彼女がかわいくて…
とうとう我慢できなくなって…
唇を重ねた…。
272
:
星
:2002/11/28(木) 11:29
「ひとみちゃん?」
梨華ちゃんは真っ赤になる。
「ちょっと…今そういうムードじゃなくない?」
胸に手を寄せたあたしに向かってそう言って…。
「いーの…。」
「何それ…。」
「ヤだ?」
「バカ…。」
梨華ちゃんはあたしに抱きついてくる。
「ほんとにバカかも。」
クスッと笑ったあたしを梨華ちゃんは不思議そうに見る。
「なんつーか、そういうの大切にすることがさ、梨華ちゃんを不安にさせないことかと思ってたから…。」
あたしが恥ずかしくて俯くと、そのまま梨華ちゃんに胸の辺りに抱き寄られた…。
「ひとみちゃんが…したい時にしてくれるのが…一番嬉しいもん…。」
ああ…めちゃくちゃかわいい…。
273
:
星
:2002/11/28(木) 11:30
梨華ちゃんとの2回目のエッチは…
最初よりもなんか違う意味でもっとドキドキしたんだよ。
もっともっと好きになってるって感じた。
愛撫しててもさ、すぐにキスがしたくなったりだとか…
梨華ちゃんの無防備に預けられる体が…
涙が出そうなくらい、愛しく感じたり…
もう、梨華ちゃん以外何も見れなくなりそう。
って笑ったら、
「それが一番嬉しいもん…。」
って…。
274
:
星
:2002/11/28(木) 11:30
完璧にノックアウト。
真っ赤になってる顔を見られないように、耳までギリギリに唇を近づけて…
「もう見れなくなってる。」
ねぇ、ほんとにどうする?
かわい過ぎるよ、梨華ちゃん。
いつかあたしをウザく感じたって知らないからね?
あどけない表情で寝息を立て始めた腕の中の恋人にそっと優しいキスをした。
〜FiN〜
275
:
オガマー
:2002/11/28(木) 11:34
更新終了ー!!
そして終了ー!!!
ゴチーン部分更新したら、その後が短かったので結局全部投稿。
レスありがとうございます!
>259 名無チュウ
ゴチーン(w
>260 名無しどくしゃさん
レベルうpですか?こんなベタな終わり方でもですか?(w
>261 名無チュウさん
終わっちゃいますた(w
276
:
名無チュウ
:2002/11/28(木) 18:45
川o・−・)ノ<完璧です!!
もうサイコ〜梨華ちゃんかわいい!!!!!
読者までノックアウト!!
277
:
名無チュウ
:2002/11/28(木) 19:22
これすげーイイ!!さいこーだYO!
278
:
ひとみんこ
:2002/11/29(金) 00:48
お隣から、お邪魔しまんねやわ〜。
やっぱり、甘いのはいいですね〜。
早く自分のを完結して、甘いの書きたい!
279
:
名無しどくしゃ
:2002/11/29(金) 18:37
イヤイヤイヤ。とんでもねぇ十分だす。甘々最高。
280
:
名無チュウ
:2002/12/01(日) 02:17
新作早くもキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!! イ!!
281
:
名無しハロモニ
:2002/12/18(水) 21:25
新作期待age
282
:
オガマー
:2002/12/24(火) 00:26
>276 名無チュウさん
梨華ちゃんかわいく書けてますたか(w
ヨカタ
>277 名無チュウさん
ありがとうございます。嬉しいです(w
>278 ひとみんこさん
どんどんお邪魔してくらさい(w
甘いの、たまに胃もたれおこします(w
>279 名無しどくしゃさん
今回のはちょっと甘くはないぽれす。
>280 名無チュウ
>281 名無しハロモニさん
ありがとうございます!
レスありがとうございます!!
クリスマスにちなんだ短編を。
283
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:27
『拾ってください。』
ウチは、バイトから帰ったばっかりでよっぽど疲れてんじゃないかと思って、
パタンとドアを閉めてみた。
もう一度、開く。
『拾ってください。』
そう書かれたプラカードを首から提げてる…梨華ちゃん。
「ひとみちゃん、何してんの?」
「…え?何?」
ちょっと頭がクラクラする。
梨華ちゃんは、プラカードをガッとウチの方に突き出してきた。
「拾うの?ウチが?」
うん、と頷く梨華ちゃん。
「え?梨華ちゃんを?」
もう一度、深く頷く梨華ちゃん。
284
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:27
とりあえず、家に上げてみた。
梨華ちゃんは、ソファーにポスと腰を埋める。
テーブルの上には、ウチがバイト先で半額で譲って貰ったクリスマスケーキ。
そうだよね。うん。
今日は、クリスマスイブなんだもん。
なんで?
梨華ちゃんは不機嫌そうに首からかけたままのプラカードをパタパタと揺らす。
書かれてる文字は『拾ってください。』
は??
「ちょっ、梨華ちゃん彼氏は?」
あっ、失敗した。
梨華ちゃんの目にみるみると涙が溜まって不機嫌なままにとがらせた唇が震え出す。
285
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:28
「ついさっき、振った。」
「え?」
「他の女から電話かかってきてんの。様子とかちょーおかしくて、それで振った。」
「……。」
梨華ちゃんはこう見えて結構シッカリしてる子なので、きっとたぶんその彼氏は本当に浮気なんかをしてたんだろう。
「それは…災難だったね。」
なんでこんな言葉しか出てこない。
「うん。」
梨華ちゃんは涙を堪えながら頷く。
思わず目につく『拾ってください。』
ところで…
「そのプラカード、何?」
「だから、ひとみちゃんに拾って貰おうと思って。」
お嬢さん、ジャストモーメントプリーズ。
彼氏を振った。『だから』ひとみちゃんに拾ってもらおうと思って。
なんかおかしい。
286
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:28
「意味わかんないよ?」
「……。」
梨華ちゃんは何も言わなかったので、ウチは彼女の好きなミルクティーを淹れにキッチンに立つ。
もう慣れたね。上手くつくれるよね。うん。
しかし、梨華ちゃんがいるとは。
ウチは、テーブルにミルクティーを置くと、バイトから帰ってきたまんまで上までとめてたシャツのボタンを2つはずした。
梨華ちゃんの涙はもうひいていて、今はミルクティーを不機嫌な顔のままコクリと喉に通す。
『拾ってください。』はいつまで引っ掛けとくつもりなんだろう。
「ね、なんで其れなの?」
梨華ちゃん、そりゃあまぁちょっとは変わってるけど、今回のは変。変過ぎ。
「だって、ひとみちゃんが言ってたじゃない。」
「は?」
287
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:29
言った?プラカード提げてくださいって?
「ほら、七夕の日に。」
「あーっ!!」
思い出した。
オモシロ半分で、『クリスマスイブにかわいい女の子拾わせてください。』って。
…我ながら何書いてんだよ。
「だから、それ思い出したの。」
「へぇ…。」
梨華ちゃんはミルクティーから視線をはずさない。
ウチは時計に視線を移す。もう遅い。
「今日、泊まってくの?」
「いーでしょ?」
「……。」
断る理由もないけど。こういう強引なとこ、結構…いや、かなり好きだけど。
ウチは元来、女の子を好きになることの方が断然多い人間で。
だけど、梨華ちゃんは普通の女の子。
ウチら親友だけど、昔はウチ、梨華ちゃんに恋してた。
いや、今も、もしかしたら…。
なんか、長く居過ぎてわかんないや。
288
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:29
「あのさー、ウチ梨華ちゃん拾ったんでしょ?」
「うん。」
ミルクティーから視線をはずさない彼女。
「だったら、好きにしてもいい?」
「別に、いーよ。」
「へ?」
ジョーク混じりに尋ねたら、真剣な顔でそんなこと言われた。
見詰める先はミルクティー。
「別にいーんじゃない。だって今日、イブだもん。」
「…あ、そ。」
なんか、ウチ、この子に手なんて出せるのかな。
勇気が出たらいけるかな。
風呂から出たら勝負かな。
ぼけーっと考えてたら、梨華ちゃんが立ちあがった。
「ひとみちゃん、もう寝る。来て。」
「……。」
不機嫌そうな梨華ちゃんが勝手にベッドに潜りこむ。
その腕に引き寄せられるまま、ウチも体を埋めて…
289
:
『拾ってください。』
:2002/12/24(火) 00:30
あ、なんかウチやっぱ好きなのかも…。
彼女の吐息に感じちゃってるかも…。
この場合、ウチは誰に感謝すればいい?
サンタ?それとも、ベガとアルタイル?
なんでもいい。どうでもいい。
まだ少し不機嫌そうなまま彼女が、腕にいるのは…事実だもんね…。
Merry X’mas
fin
290
:
オガマー
:2002/12/24(火) 00:31
更新終了。
あー・・。
どうぞ、見過ごしてやってくらさい。
291
:
ごまべーぐる
:2002/12/24(火) 01:09
| ハ@
|‘д‘)<見たで
⊂
|___
いや、ごちそうさまです(w
甘々、カッケー!
292
:
名無しどくしゃ
:2002/12/25(水) 15:01
ヘヘヘ見つけたでよ…w
イヤーおなかいっぱい。胸イッパイ。
クリプレありがとうです作者様。
293
:
名無しハロモニ
:2002/12/26(木) 03:47
さすが、オガマーさんの書くいしよしは、
最高です。大好きです。
素敵な、クリスマスありがとうございます。
294
:
管理人
:2002/12/30(月) 08:45
オガマーさん。
いつもありがとうございます。
素敵な短編でした。
来年もよろしくお願いいたします。
295
:
オガマー
:2003/01/04(土) 04:44
レスありがとうございます!!
嬉しいです。
>291 ごまべーぐるさん
あいぼんさん(w
お粗末さまですた(w
>292 名無しどくしゃさん
見付かっちゃいますたか(w
どう致しまして(w
>293 名無しハロモニさん
ありがとうございます。
そう言って頂けると本望でございます(w
>294 管理人さん
こちらこそ、よろしくお願いします。
それでは、新作を…。
296
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:45
一度狂ってしまった歯車はもう2度と噛み合わない−
297
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:45
「真希。」
いつも優しい笑顔であたしを呼んで抱きしめてくれた人。
あたしの両親。
無愛想なのが祟って、イジメに合った時だって、
「お父さん達はずっと真希の側にいるから。」
そう言って強く抱きしめてくれた。
無愛想な上に、話す、ということ自体が苦手なあたしは、中学校に上がってもなんとなく周りになじめずにいたんだ。
一応ギャル系の格好とかもしてみたよ。髪なんてキンパツに染めてさ、そしたら、学校からは注意されまくってブラックリストに入っちゃったけど、友達は増えた。
みんな馬鹿みたいに喜んでさ、「やっぱ真希勇気あんよ。かっこいい!」なんて言っていつも回りに群がってきた。
でも、あたしが欲しいのは形だけの友情じゃなかった。
格好を変えないと、溶けこめない友達の輪なんて入りたくもなかったけど、一人はやっぱり怖いから…。
卑屈で臆病なあたしがイケナイのかな…。
298
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:46
不良のレッテル貼られて、それでも心配してくれる両親。
でも、「キンパツだけは直せ」ってうるさかった。
きっと全て見ぬいていたのかもね…。今ではもうわからない。
だって両親は中学2年の夏にあの世に行ってしまったから。
家族旅行より、友達との『大事な集まり』をとったあたしへの罰だったのかな…。
ひとり…ぼっち…
親戚の家に住むことになった。
転校することになって、あたしはキンパツの髪が馬鹿みたいに思えた。
すぐに真っ黒に塗り替えた。
親戚の叔父さんと叔母さんは、「ほんとうの家族だと思っていいから。」って
優しい顔して言ってくれたよ。
でも、その家にはもう子供がいて。
当たり前だけど、ほんとうの子供。
叔父さんもおばさんも、分け隔てなくかわいがってくれてるつもりみたいだけど、やっぱり中学生にもなったあたしを「子供」として受け入れるには、あっちにもあたしにも少しだけ無理をしなければならなかった。
ほんとの子供の亜依ちゃんと希美ちゃんは聞いてくるの。
「真希ちゃんはどうして急にうちの子になったの?」
あたしはいつも答えられなかった。
そのうちにあの子達も聞かなくなった。
299
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:46
溝は深まる一方だった。
少なくとも、あたしの中では…。
中学では別に友達をつくると言うこともしなかった。
だって、そんな必要もうないってあたしは思ってた。
形だけじゃなんの寂しさもぬぐえないこと、もうずっと前から知っているから。
つくろうと思ってつくった友達は窮屈なだけ。
最近は一人にもなれてきたみたい。
高校へは行かなかった。
あたしは新しい両親に、一人暮らしをさせてほしいと頼んだ。
やっぱり、溶けこめない、と素直に話したら、少し寂しそうな顔をしたけれど、あたしの意思を尊重したいと言って、許してくれた。
もともとおかね持ちなんだ。だからあたしもひきとれたってわけで。
それでも、全部甘えているわけにもいかないから、あたしはバイトをはじめた。
1日8時間のコンビニのバイト。
かなり急に人がやめちゃってたせいで、すぐに雇ってもらえた。
300
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:47
「よしろく!後藤さん。」
さわやかな笑顔でそう言ってきた、少しボーイッシュな感じの女の人。
「あ、どうも。」
今日から、この人があたしに仕事を教えてくれるらしい。
「あたしは市井、市井紗耶香。」
「よろしく、お願いします、市井さん。」
「おう。」
よかった、優しそうな人で。キツイ人だったらどうしようかと思ってた。
お昼時や、休日にならないと、このコンビニは人が来ない。
そんな時、したっぱのあたしは前陳なんかをコツコツとやっているのだけれど。
市井さんはレジに立ってる。
あっちの方が楽なんだけど、なんせ、後藤まだレジ習ってないんだよね…。
その間にからあげ揚げたり、おでんの様子見たりするのも、市井さんはやらなきゃなんなくて。
だけど、やっぱり後藤はまだよくわかんないから、ジュースの補充をする。
「なぁ。」
仕事が終わって、バックルームで着替えをしている時に話しかけられた。
「なんですか?」
「後藤さんって、なんだか無償に寂しそうな顔してる時ない?」
そう聞いてきた笑顔は明るくて…
あたしはドキッとする。
「そうですかね?」
「うん。なんかボーッとしてるだけって言われればそーなんだけどなっ。」
そう言って笑う。
「でも、なんか寂しそうかなぁー、って気になっちゃって。」
今度は少し真剣な顔で。
「…寂しいですよ?」
あたし、なんであんなこと言ったんだろう?
思い返してみたら不思議。誰にももう弱いところは見せないって誓ったはずなのに…。
301
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:48
それから、シフトが一緒になる度に市井さんはあたしに話しかけてきてくれて、最初は警戒心をとけなかったけど、慣れてくるうちにそんな感情もどっかいっちゃってた。
自然って…時間が経つことなんだな、って悟った。
逃げてたのはあたし、てっとりばやくほんとの友情探して、見つからなかったらすぐにあきらめてたのはあたしだったんだ。
市井さんをいちーちゃんって呼ぶようになって、いちーちゃんはあたし「ごとー」って呼ぶようになった。
それだって、特に決めたわけじゃなかったんだ。
何時の間にか、そう、ほんとに自然にそう呼ぶようになってた。
あたしはいちーちゃんといる時が楽しい。
後は一人だから当たり前かな?
なんか、誰か他の人と話してると嫉妬みたいに感情沸いちゃって。
これじゃダメだって思うんだけど、しょーがないよね。
いちーちゃんはごとーのたった一人の友達なんだもん。
「あ、今度あたしのうち来るか?」
いちーちゃんがそう言ってきた。
「え?いいの?」
あたしはバイト意外で会うのがはじめてだったから即OKした。
302
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:48
「これ、妹のひとみ。」
いちーちゃんは、そう言って、血の繋がりのない妹なんだって笑った。
ひとみと紹介された子は顔こそいちーちゃんには似てなかったけど、笑顔の優しさや、ボーイッシュなところは似ているかも、なんて思った。
そして…あたし亜依ちゃんと希美ちゃんのことを思い出してた。
「ひとみと友達になってやってよ。」
「え?」
いちーちゃんがそう言ってきた。
あたしはなんだか胸の芯がギュッと痛くなるのを感じた。
「あたし、越してきてからさー、なかなか友達できなくて。」
ひとみははにかみながらそう言って手を差し出してきた。
あたしは何故だか、手が動かない。
さっきからずっと痛い…。
あたしは、いちーちゃん一人でいーよ。
もう寂しくないよ?
あたしはいちーちゃんが他の子と仲良くしたら嫉妬するよ?
いちーちゃんは…してくれないんだ??
「手汗ばんでて気持ち悪いから。」
あたしは結局握手をしなかった。
「そんなのいーのに。」
なんて笑ってたけど、
「ごっちんは優しい子だと見た!!」
なんておちゃらけながら言ってきたひとみはなんだかさっきまでのイライラを少しだけ取っ払った。
「ごっちんって何?」
「あだ名、あたしはひとみでもよっすぃ〜でもなんでもいいよ。」
「じゃ、ひとみって呼ぶ。」
「OK〜♪」
あ、この子となら友達になれるのかも、って思った。
やっぱりいちーちゃんとひとみは似てる、って思ったな。
三人で夕食を食べて、(いちーちゃんところは共働きで夜が遅いらしい。)
家に帰った。
303
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:49
ひとみとは毎日メールや電話をするようになって、
あたし、気付いたことがある。
いちーちゃんとひとみは、2人ともあたしの友達、だけど何かが違う。
ひとみは一緒にいると楽しい。いちーちゃんは一緒にいると安心するし、側にいないと…たとえば他の子と仲良くしてるとイライラしてしまうんだ。
ひとみにだって、新しい学校で友達ができたのに…。
あたしは…いちーちゃんを意識するようになってた。
だから嬉しかったんだよ。
「こんなこと言うと変に思うかもしんないけど…あたしごとーが好きなんだよね。」
心臓が高鳴った。
「あ、友達として、じゃなく…。」
いちーちゃんと一緒に行った海だった。
いちーちゃんはそう言って遠くの方を見詰めた。
あたしの答えなんて決まってる。
はじめて、あたしの家で結ばれたとき、
あたしはいちーちゃんに聞いて欲しくて今まで詳しくは話したことなかった、あたしのことをいっぱいしゃべった。
いちーちゃんはやさしい顔して聞いて、そしてあたしの髪を撫でて言ったんだ。
「ごとー、いつまでも一緒だよ。」
そう言ってキスをくれた。
304
:
光と影を背負った天使。
:2003/01/04(土) 04:49
なのに…なんで?なんでよ??いちーちゃん!!!!!!
305
:
オガマー
:2003/01/04(土) 04:50
更新終了!
プロローグ的なものはこれで終わり。
306
:
名無し新年
:2003/01/04(土) 15:00
うへ〜すっごい続きの気になる終わり方ですね。
オガマーさんの新作期待しています!!
ガンガッテください!!
307
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:25
「なんで私ばっかり怒られるのよぉ〜!!」
いつもみたく、屋上に行って空を見上げる。
いつもそう。学級委員だからって…注意したって聞いてくれない子だって何人もいる。
だけど、イイコちゃんに慣れてしまった私は、先生の言葉をただ黙って聞いているだけ…。
もう、こんな自分ヤになるよ…。
「パンツ見えてるよ?」
「えっ!?」
突然下の方から聞こえてきた声に驚いてそちらを見る。
「先輩、ピンクなんてかわいーんだ♪」
屋上のフェンスを乞えたところ、一段低くなっている場所にその人は涼しい顔して寝転がっていた。
「きゃっ!」
私は、甲高い声を上げると、急いでスカートを押さえ、その人を睨んだ。
「今更押さえても遅いのに。」
そう言って笑いながら、その人は立ちあがる。
308
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:25
「…貴方、どうやってそこに!?」
フェンスは高い。
「知りたいですか?」
不敵な笑みを浮かべる少女に背筋がゾクっとしたけど、小さく頷いた。
「ウチ、天使なんです。」
そう言って、手を大きく広げて空を仰ぎ見る少女…。
その背中に、一瞬羽根が生えているように見えた。真っ白で、おっきな…。
309
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:26
「なんてね。」
「へ?」
呆然としていた私に彼女は笑いながら言った。
「もしかして、信じちゃいました?」
そう言っておかしそうに笑うから、つい頭に血が昇ってキッと睨んでしまった。
「そんな怖い目しないでくださいよ。せーんぱい♪」
よく見るとこのコってなんかかわいい…。
顔のキレイさは初めて見た瞬間に気付いたけど、なんか笑顔が…。
「見惚れてないでどいてください!」
そう言うと、彼女はフェンスに足と手を掛け、軽々と飛び越してしまった…。
「あ、もしかして惚れちゃいました?ウチ、先輩ならいーですよ♪」
「だ、誰がよっ!!」
ちょっとカッコイイって思ってただけに強く言ってしまう。
「怒った顔もかわいーですね♪先輩♪」
彼女はそう言って私の頬をチョンっと触ると、呆然と突っ立ってる私を置いて屋上を出ていった…。
310
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:27
「梨華ちゃん!」
「ヘ?」
「へ?じゃないよー。どうしたの?さっきからボーッとしてぇ。」
丁度、5時限目が終わったところ、クラスメイトの柴っちゃんに話かけられてハッとする。
「別に、なんでもないよ。」
笑って答えたけど
「なんでもない人がポカーンと口開けて授業中まで考えごとするのかねぇ。」
ジロリと睨み返されてしまった…。
しょうがないじゃない…。屋上にいた天使さんが頭を離れないんだもん。
「あっ!!梨華ちゃん、見て見て!!」
柴っちゃんに肩を叩かれて、彼女が指差している方を見る。
「あれって、吉澤さんだよねぇ〜。」
「え、柴っちゃん知ってんの??」
「うん。有名じゃん、彼女。」
「そーなの??」
「まさか、梨華ちゃん知らなかったなんてことないよね??」
し、知らなかった。有名なの?彼女…私はお昼お休みにはじめて知りましたよ。
そう。柴っちゃんが指差した1年の校舎の廊下にいたのは、さっきの天使…もとい、何を考えてるのかわからない、調子のいいあの彼女だった…。
311
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:27
「でもさー、すごいよねぇ〜。先生に手ぇ出すなんて…。」
「え!?」
「ほんとに知らないんだー?梨華ちゃん、勉強だけじゃなくってもっといろいろ知っといた方が見のためよ。」
柴っちゃんはなんだかとても偉そうにそう言うと、うんうんとうなずいた。
「彼女はー、それだけじゃなくって、薬やってるって噂から、夜の店でバイトしてるとかー、彼女が何万人もいるとかー。あ、それは怪しいけど、とにかく要注意人物なの!!」
「そーなんだ…。」
なんとなく府におちないなー。今朝の彼女の笑顔…そんな風にちっとも見えなかったけど…。
「でも、なんだか影がある感じがカッコイイのよねー。」
「え…。」
「数いる恋人の一人でもいーからお願いしたい!!」
「……。」
「って思わない?梨華ちゃん?」
「へ!?なんで…思わない。」
「ほんとかなー?」
「なによ…思わないわよ。私は、私一人だけを大切にしてくれる人がいーの!!」
「ふぅ〜ん。」
柴っちゃんはそう言うと、窓の外…吉澤さんを机に肘をついて見つめていた。
312
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:28
(別に会いたくて来たわけじゃないんだから…)
何度も自分にいい訳をしながら、屋上のドアを開く。今日は怒られたとかじゃないんだけれど…
無意識に屋上を見渡す。
「きゃっ!」
突然、目の前に人が降りてきて、思わず悲鳴を上げる。
「あはははは!先輩、昨日から何回悲鳴上げるんですか?」
ニヤニヤしてそう言ったのは吉澤さんだった。
「それにしても…ウチ別に変態じゃないんだから、スカートおさえないでもらえます?」
「あ…。」
私はつい反射的にスカートを手で押さえていた…。
「それよりどっから出てきたの?」
急に飛び出してきた吉澤さんが不思議で尋ねると、彼女は今度は一段高くなっている倉庫の屋根を指した。
「先輩って、以外と行動的なんですね♪」
「なにが?」
「ウチに会いに来てくれたんでしょう?」
「だっ、誰が…。」
図星だったから、強く否定できない…。でも、それはあの噂が気になったからで…。別に深い意味は…。
313
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/05(日) 02:28
「おかしいなー。昨日2年の校舎から流れてきたあっつーい視線はなんだったのかな?」
…知ってたんだ?見てたこと。でも、あれは、、
「アレは友達が見てただけだってば。」
「ふぅ〜ん。」
にやにやしてる吉澤さんに何故か怒りのボルテージは上がる一方。
「その友達ってかわいいですかぁ?」
「え?…なんで?」
「べっつにぃ。」
そう言ってフェンスの方へ歩いていく吉澤さん。
なんか自分がおもっきり振りまわされてる気がしてイライラしてくる。でも…
「けど、2年の中に先輩よりかわいい人っていませんよねぇ。」
振りかえってそう言う…彼女の邪気のない笑顔に不本意ながらドキドキしてしまうんだ…。
「先輩?顔赤いですよ?」
…コイツ…。なんだか全てを見透かされてる気がしてすごい腹が立つ。
振りまわされてるのは、ほんとのことだから…。
314
:
オガマー
:2003/01/05(日) 02:30
更新終了!!
レスありがとうございます!
>306 名無し新年さん
なかなか、そこまでは辿りつかない…?(w
315
:
名無し新年
:2003/01/05(日) 16:53
いしよしキタ━━( ^▽^)━( ^▽)━( ^)━( )━(^0 )━(〜^0)━(^〜^0)━━ !!!!!
やばいやばい。すんげーおもしろい!!
新年早々楽しみが増えました。
ガンガッテください!!
316
:
名無し新年
:2003/01/05(日) 23:39
新作始まってた!!
乗り遅れました。(シュン
すごく気になる始まり方ですね。
楽しみにしています!
317
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/06(月) 04:15
「ちょっと梨華ちゃん、いつの間に吉澤さんと仲良くなっちゃったわけー?」
ニヤニヤしながら柴ちゃん。
そう吉澤さんは、あの日以来、何かと私に近づいてくるよーになった。
彼女の体育の時間、運動場にと目をやると私に気付いて手を振ってくるし、
朝礼の後は、体育館の通路で話しかけてくる。
別に嫌ってワケじゃない。寧ろ…嬉しいぐらいだけど。
私はまだ、吉澤さんの実態を掴み切れていない。
彼女と話しているだけで、周りの生徒はヒソヒソと何か騒いでいるし。
「別に…なかいいってワケじゃ…。」
「吉澤さん、梨華ちゃんがタイプなのかなー、はぁ…。」
「タイプって…。」
「でもさ、梨華ちゃんはどうなわけ?好きなの?彼女。」
「別に私達、そんなんじゃないもん…。」
「じゃ、どういうの?」
「それは…。」
そう聞かれると困ってしまう。
彼女は確かに私によく話しかけてくる。ちょっと期待してたりする…。
だけど、彼女にはよくない噂がありすぎる。
極力、私は避けようとしてしまうんだ。だって…これ以上側にいると、本気で好きになっちゃいそうなんだもん。それは…困る。
318
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/06(月) 04:16
『梨華ちゃんゴメン!彼から急に連絡入って。なんか試合で怪我しちゃったらしいのー。入院なんだって…。一人暮しだから、私が世話してあげるしかなくて。この埋め合わせはちゃんとするから!!』
駅前で入ってきたメール…
今日は渋谷でお買い物だったんだけど…
柴っちゃんの彼は大学生でラグビーをやってる人。事情はよくわかったけど、流石にお出かけしてきたのに一人って状況は悲しいかも…。
とりあえず、このまま帰るのもなんだし、買いたいものもあったから渋谷を一人ブラブラすることに決めた。
(あ…あのワンピースかわいいな…)
「あれ?先輩??」
ショーウィンドゥの中のワンピースに見入っていると声をかけられた。
振りかえるとそこには吉澤さん。
「なにしてんですかー?」
「あ、友達と約束してたんだけど急用ができたみたいで。仕方ないから一人で買物。」
苦笑いをして答えた。
それにしても…今日の吉澤さんカッコイイなー。白いストレートのパンツに黒いチビT。腰にはチェーンベルトがたらしてあって…。
「そーなんだ。じゃ、ちょっと付き合ってくれません?」
「え?」
キョトンとしてる私の手を引っ張り笑顔で歩き出す。
「どこ行くの?」
「買物です。」
そう言った笑顔がかわいくてつい私も微笑んでしまう。
319
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/06(月) 04:17
「あれ?」
何気ない話しをしながら歩いていると、急に吉澤さんが立ち止まる。
「ごっちん!!」
そう大きな声で言うと、私の手をほどいて走って行ってしまう。
少し前を歩いていた女のコに駆け寄る。
吉澤さんに気付いた女のコはその瞬間、とても嬉しそうな顔で笑った。私はドキッとしてしまった。
あんまり、幸せそうに笑うから…。誰が見ても、恋してる目……。
その瞬間、私はもっと目を見開くことになる。
さっきの彼女と吉澤さんがごく自然にキスを交わしたから。もちろん、口と口…。
その後、何か話して吉澤さんは私の方に走ってきた。
「ゴメン。」
「…彼女?」
「え?あー、」
吉澤さんは曖昧な返事。苦笑いを浮かべる。
私はなんだかまともに彼女の顔が見られない。
わかってる…これってたぶん嫉妬なんだろーなぁ、、やっぱり柴っちゃんに約束断られた時点でウチに帰るんだったかな…。
見たくなかった…。
「先輩?」
私は我に返ってハッとする。
(!?)
バチーン!!
勢いよく、吉澤さんの頬が音を立てた…。
吉澤さんに背を向けて走りながら、何故か涙が零れた…。
吉澤さんは、さっき私の唇にキスをした…。
信じられない。なんであんなことするの?さっき彼女とキスしてたばっかりなのに…。
ドキドキしてしまった自分もとっても嫌だった。
320
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/06(月) 04:19
「あーあ…。これで終わりかなぁ?」
先輩の背中を見つめてつぶやいた。
「せこいよ…。あんな切なそうな顔して見つめられたらさぁ…。」
(誰だってキスしたくなっちゃうじゃんか…。)
会わなきゃよかった。浮かれてた自分が馬鹿みたいだ。
ごっちんのキスを拒むなんてできっこない。
だからって…先輩にあんな悲しそうな顔させるつもりなかったのに…。
「あたしってサイテーだ…。」
呟いて歩き出す。
ひっぱたかれたほっぺたよりも、彼女に触れた唇の方が熱を持ってる気がした…。
321
:
オガマー
:2003/01/06(月) 04:23
ちょっと短いですが、更新終了!!
レスありがとうございます。
いつも支えられてます(w
>315 名無し新年さん
がんがります!!
>316 名無し新年さん
まだはじまったばかりですから(w
322
:
名無し新年
:2003/01/06(月) 21:13
久しぶりに胸がズキッと、こげるような小説を読みました。
楽しみにしています!
323
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:35
いつもの時間。
あたしはいつものバーに顔を出す。
「ごっちん。」
彼女は子犬みたいな笑顔ですぐ私に駆け寄ってくる。まるであるワケないしっぽを振ってるのが見えるぐらいに無邪気。
「ね、今日一緒にいた子は誰?」
「ああ…ただの、友達…。」
「だよね。じゃないとごとーとキスしたりできないよね。
ね、いちーちゃん♪」
…彼女はあたしを…あたしの義理の姉、市井紗弥香に重ねて見ている。
錯覚…してる。
「うん。ごとーが一番好きだよ…。」
あたしは、いつもそう言ってしまう。
こんなのイケナイってわかってる。だけど、私が前にムリヤリあたしはサヤカじゃない!!って訴えた時、彼女は薬に手を出した。
幸い、道に転がっていたところをこのバーの店員に引き取られて、あたしのところに連絡が来た。
どうしたらいーのか。もうほんとにわからない。
324
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:36
サヤカは…1年前にバイクの事故で死んだんだ。
ごっちんに、その事実を思い知らせることも。一生、彼女とこうして生きていくことも。
あたしにはきっとどっちも無理なんだ…。
今日も酒を飲んで、彼女を抱く。
あたしにできるのはただ、それだけ…。
今日は、大好きな人に振られてしまったし…。
ごっちんが握り締めてくれるこの手が心地よくないって言ったら嘘になる。
もう、あたしなんて捨ててしまったほうが楽かもな…。
手に握っていたジンを口に放りこんだ。
325
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/07(火) 15:36
「サイッテー。」
ベッドに寝転んで、天井を見つめながら呟いた。
だけど…ひっぱたいた後に一瞬見せた、彼女の痛いほどに切ない顔が離れない。
その顔を思い出す度に、何故か自分がとても悪いことをしたように思えて仕方なくなる…。
「なんで私が…。」
布団を頭からかぶって、ムリヤリ眠ることにした。
326
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:37
「ね、今日のいちーちゃんなんかおかしかったね…。」
「そぅかな?」
ごっちんを抱いた。今夜も。変わらなかったハズだよ…。
「なんかごとー抱いてる間中上の空って感じ。」
「……。」
「ね、もしかして、他に好きな人できた?」
「なぁーに言ってんの…。…んなワケ、、ないじゃん。」
「じゃ、ごとーのこと好き?」
「うん。好きだよ。」
「違う。」
「え?」
「いちーちゃん、いつもなら愛してるってゆってくれるじゃん。」
「…愛してるよ。ごとー。」
あたしはごっちんを抱きしめる。
確かに、ずっと考えてた。吐き気も覚えた。好きでもない人とHすることがこんなに苦しく感じたのなんて初めてだった。
「フフ、、ごとーも愛してるよ、いちーちゃん…。」
寄りかかってくるごっちんを…つきはなすことなんてできない……。
327
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:38
あれから何回か先輩に会った。
廊下ですれ違ったし、向こうの校舎からこっちを見てることもあった。
何かいいたそうにしてる時もあった…あたしが避けた。
こんな状況じゃ、彼女を傷つけて終わる…。
そんなこと、あたしにできるわけがなかった…。
328
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/07(火) 15:38
「かぁーのじょ、一人?」
あたしがいつもみたくバーで飲んでると、なんか金髪のちっこいギャル風の人が声をかけてきた。
「なんですか?」
ムスッとして答える。
「そんな、、別にナンパとかじゃないからさ。お話でもしない?」
「それってナンパじゃん。」
「アハハ、そーとも言うかも。」
なにコイツ…変だけど、なんか拒否る気になれない…。
「アタシ、真里ってんだけど、アンタはぁ?」
「あたし、真希。」
「ほぉえ〜。まきちゃんねぇ〜。今日は誰かと約束?」
「うん。彼女。」
「へぇ〜。どんな人?」
「いちーちゃん、ってゆーんだけど、頼りになって、誰よりごとーを大切にしてくれる人。」
「へぇ。いいね、いい人そーだよ。アンタの笑顔もキラキラしてる。ほんとに好きなんだね。」
ほんとに好き…好きなんてもんじゃないよ。愛してるの…いちーちゃん。愛してるよ。
329
:
光と影を背負った天使。-mari-
:2003/01/07(火) 15:39
「ごとー。」
「あ、着たみたい。」
「あー、んじゃ、またねー。…って聞いてねーよ…。」
なんか思うんだよなー。
あの子の持ってる空気。なんか少し前のあたし見てるみたいだ…。
かけがえのない大切な人を…亡くした時のアタシ…
あれ?
まきちゃんといんのって…1年の吉澤じゃない?
いちーちゃん、つってたよね?なんで……
330
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:40
「ね、ちょっとアンタ、吉澤だよね?」
「は?いちーちゃんだってば。」
「…ごとー、ちょっとゴメン。知り合いだから話してくる…ちょっと来てください。」
なんなんだ…この人。
なんで今まで積み上げてきたもの壊そうとすんだよ…。
やってらんないよ。
「え!?じゃあ、義理の妹であるアンタに面影を重ねて、アンタのことその人だと思ってるってこと?」
あたしは矢口さんに全てを話した。邪魔されちゃ困るから…。
「それでいーの?アンタ、ほんとに好きでもない子とずっとそーやって生きてくつもり?」
「でも、、しょーがないじゃないですか。」
「なにがしょーがないのよ!」
「だって…姉は死んだんですよ?ごっちんは…もう一人では生きて行けないんだ…。」
矢口さんはそれ以上、あたしに何も言わなかった。
空虚とも、同情ともとれるような眼差しで話してるあたしの顔、見てた。
「アタシ、あの子ほっとけないんだよねー。ね、悪いようにはしないから、チャンスくれない?」
「え?」
少しの間があって、矢口さんは真剣な顔してそう言って来た。
「お願い!!」
その表情があまりに真剣だったから。ついあたしは頷いた。
…この状況をどうにかしてくれるなら…藁にでもすがりたいような気分だったから…。
とりあえず、何かあった時のためのケータイ番号を交換して、その日矢口さんとは別れた。
331
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:41
ベッドに入ると思うのはさ、、先輩のことだけだよ…。
もう頭がどーにかなっちゃいそーだ。あの日から、Hするたびにごっちんは同じことゆうようになった。
すごい不安になってるみたい…。
もうそろそろ限界なのかも…。遅かれ早かれ、こうなることは目に見えてた…。
あたしに好きな人ができた場合…ごっちんとの間に亀裂が生じてしまうこと…。
332
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/07(火) 15:42
更新終了。
>322 名無し新年さん
レスありがとうございます。
嬉しいです。がんがります。
333
:
チップ
:2003/01/08(水) 16:46
オガマーさんの小説好きです!ファンどぇす!
あちらに書き込む勇気がない小心者なのでここで言ってみました。
すいません、ごめんなさい。
こーゆー切ない系も甘甘も書けるの羨ますぃです。
ボンボン片手に応援してますんでがんがって下さい。
334
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/09(木) 08:40
ベッドにうつ伏せになって考える。
あれから、吉澤さんは私を避けるようになった。
なんで?やっぱりひっぱたいちゃったから、私なんてもうお払い箱なのかな…
あの時…ほんとはキスしたいって思ってたんだ。
この人がしてくれたらいーなー、って。
だけど…さっき違う女の子に触れた唇で…私にキスして欲しくなった…。
なんであんなに悲しそうな顔して、私を見たんだろう…。
335
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/09(木) 08:41
「ごめーん!!」
「もう柴っちゃん遅いよ。」
「まーまー、いいとこ連れてってあげるんだから許して!!」
何故か偉そうに言う。遅れてきたくせにぃ…。
「いいとこって?」
「ついてくればわかるって♪」
柴っちゃんはなんだか危ない感じの店が並んでいる辺りを縫って歩いていく…。
「あ、ここここ!」
「ちょっと、大丈夫なの?」
「だぁーいじょうぶだって♪彼がなかにいるハズだから。」
そう。柴っちゃんは社会見学、なんて私を呼び出して、ちょっとおしゃれな感じのバーに連れてきたのだ…。でも、彼って…私だけほったらかされるんじゃないでしょうねぇ…。
「あ、いたいた!」
柴っちゃんは案の定、彼を見付けると、「適当に楽しんだらいーよ♪」そう言って私をほって行ってしまう…。楽しむっつったって…。
とりあえず、ウーロンハイを頼んで椅子に座る。
…それにしても空気悪いなぁ〜
さっきからなんか絡まれるし…
ほんとに気分悪くなってきたかも…
ちょっと外の空気吸いにいこ…
336
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/09(木) 08:41
「あっ…」
店の裏口から、外に出てビックリした…だってそこには吉澤さんがいたから…。
壁に凭れかかってなんかしんどそう…
「あの…、大丈夫??」
振り向いた彼女を見てまた驚いた。
彼女の頬には涙が伝っていたから…。
「先輩…。」
吉澤さんは壊れそうな瞳でそれだけ言うと、私に寄りかかってきて声を上げて泣き出してしまった…。
私は彼女の涙が止まるまで、そっと背中をなでながら抱きしめていた…。
「ゴメンナサイ。」
なき止んだ吉澤さんは笑顔でそう言う…。
「あの…」
私がおそるおそる涙の理由を聞こうとしたんだけど…
「ないたの見られたの、先輩でよかったー。助かりました。」
綺麗な笑顔でそう言われて、私はドキッとして…
結局何も聞けないまま、彼女は店内に戻ってしまった…。
337
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/09(木) 08:42
「あー、梨華ちゃんいたいたー!」
「柴っちゃん…。」
「どーしたの?場所変えよう?」
「…うん。」
私は、店のなかにいた吉澤さんを見ていた。一瞬だけ目が合ったけど、やっぱりあのごっちん、と呼ばれた少女がとなりにいて、すぐに彼女の話しを聞いてあけていた。
胸が痛い…。
338
:
光と影を背負った天使。-hitomi-
:2003/01/09(木) 08:43
「いちーちゃん聞いてる?」
「あ、うん。聞いてるよ。」
ごっちんに呼ばれてビクっとする。
なんで先輩が…。
あたし、先輩に泣き付いちゃったよ…。カッコワルイな…。
でも、先輩の腕、優しかった…。もうとめらんないよ。
先輩が好きだ…すっごい好きだ。あたし。
先輩に会えて助かったのかもしれない。何故だか、背中をなでてくれる、彼女の腕を思い出すととても気持ちが楽になった…。
339
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/09(木) 08:44
「なんでないてたんだろーなぁ…。」
私はいつものように屋上に向かう。
吉澤さんはあれから来ていないけど、もしかしたら…なんて思っちゃって。
「先輩、ピンク好きなんですか?」
「え!?」
フェンス近くまで歩いた時、思いもよらない呼びかけに耳を疑う。
…空耳じゃなかった。出会ったあの時みたいに吉澤さんはフェンスの向こうからこっちを見て、、笑っていた。
「それにしても、ここが女子校でよかったですねー。よっと!!」
彼女はあの日みたいにフェンスを軽々と超えてこっちに歩いてくる。
「なんで?」
「ん〜?男子生徒にパンツ見せたいんすか?」
彼女がおどけた仕草でからかうように言う。
「…吉澤さん…。」
私がこの間のこと聞こうと思って口を開いた瞬間、彼女に抱きしめられた。
「今は…何も聞かないでください…。…少しの間だけ、このままで…。」
そう言うと、吉澤さんは私を抱きしめた腕に少し力を込めて、少しだけ体重をあずけてきた。
私は、どうすることもできずに、そっと彼女の背中に腕を置いていた。
「吉澤…さん?」
「先輩に抱きしめられると、すごい安心するんです…。」
彼女の声は少しだけ擦れていて…またないてる?って思ったけど
「ありがとうございました。」
体を離してそう言った彼女は、今までと同じように私に笑顔を見せた。
天使みたいに綺麗な笑顔…。
貴方は何を抱えているんだろう。
私は…貴方にとってどんな存在?
聞きたいことは山ほどあったけど、クルッと背中を向けてしまった貴方をひき止めることは、今の私にはできそうにない気がした…。
340
:
オガマー
:2003/01/09(木) 08:46
更新終了!!
>333 チップさん
ありがとうございます。
行き詰まったときはボンボン片手に応援してくれてるチップさんを思い出して
がんがりますね(w
341
:
名無し新年
:2003/01/09(木) 13:51
更新、お疲れ様でした。
すごく好きです、今回のお話・・
オガマーさんのエ○も大好きなんですが、こういうせつない痛いのも
イイですね!
石川さん、吉澤さんを救ってあげて下さい・・
次回更新、お待ちしております。
342
:
名無し新年
:2003/01/09(木) 19:06
うお〜〜〜〜!!
切ない!!切ないけど・・・どうしよう。(って何が?
とにかく続きが楽しみです。
ガンガッテください!!
343
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:10
同じ匂いがする…
同じ匂いがする人が側にいてくれる…
344
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:11
「いちーちゃん、、、いちーちゃん!!」
「ごとー…ゴメンなぁ。あたしお前のこと守ってやらなきゃいけなかったのに…。」
「なに言ってるの!?これからだって守ってくれるんでしょ?」
「…ゴメン。もう無理っぽいやぁ〜……。」
瞬間、サヤカの手からスッと力が抜けた。
弱く鳴っていた電子音は途切れることのないものに−−−−−−−−−
「ごっちん!!」
あれ?誰かの声が聞こえる。
あたし、頭なでられてる。
フフ。あったかいや…。
そっか。いちーちゃんなんだね。
だって、手の温度が一緒だもん。
「いちーちゃん…。」
目を開いたら貴方はあたしを抱きしめてくれた。
あったかい…ほら、やっぱりいちーちゃんなんでしょ?
「ごっちん…。」
「なに、その呼び方…フフ、変ないちーちゃん。いつもみたいにごとーって呼んでよ。」
「……。」
「いちーちゃん?」
「…わかったよ、ごとー。お願いだからご飯食べてね…。」
「いちーちゃん、食べさせてくれる?」
「…うん。ちゃんと食べてくれるなら…。」
「幸せだなー、ごとー…。」
345
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:11
−−−−−−−−−−−−カチャリ
「…ん?」
「あ、…ごとー起きたの?」
「いちーちゃん…。帰るの?」
「うん。明日だって学校だし。」
「…前はよくサボって一緒にいてくれたじゃん。」
「ごとー…。」
「わかってる。困らせるつもりじゃないの。」
「ありがとう。」
あれ?
今あたしの髪を撫でているのはいちーちゃんだよね?
優しい笑顔はどこかとても悲しそう…。
あれ?
今あたしの髪を撫でているのは…
なんだかとても眠い。
こんな気分の時は目をつぶってしまえば、とっても幸せな気持ちになれるんだから…。
346
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:11
「もぉー、なんなんだよ、アイツー。」
「そろそろおさまった?真里っぺ」
さっきから真里っぺは数学教師の悪口ばっか言ってる。
この人は、あの日、あたしに声をかけてきて以来、いちーちゃんがこの店に来るまで
必ずあたしのとなりでぺらぺらといろんな話しをしてくる。
「だいたいごとー聞いてる?」
「……。」
「真希ちゃん聞いてる?っつーか彼女と同じ呼び名使ったぐらいでスネんなよ。」
「別にスネてないー。」
「よく言うよー。」
そう言って笑う。
あたしは、この人、嫌いじゃない。初めは抵抗あったけど、なんて言うのかなー?
波長が合う?とはちょっと違うかな…なんか自然と溶け合える空気を持っている人だと思う。
なんだか、こんなこと思ってるって知れたら、変な子って思われちゃうかもしんないけど、
一緒にいると落ちつくって言うのかな。
「あ、彼女来たよ。」
いちーちゃんが店にくると、必ずそう言って席を立ってしまう。
最初の方なら遠慮して欲しかったけど、いちーちゃんと三人で話したって別にかまわないのに…。
前に知り合いだ、みたいに言ってたし…。
ま、いっか。
「いちーちゃん♪」
「お待たせ、ごとー。」
347
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:12
まただ…また上の空。
「ねぇ、ごとーだけ見て…。」
「うん…。」
ねぇ、いーちゃん、どうしてそんな悲しそうな顔してあたしを抱くの?
どうしてあたしを苦しくさせるの?
貴方のその瞳を見る度に眩暈がするの…。
苦しいの…。
お願いだから、ごとーだけ見ててよ…。
348
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:12
午後3時。
真里っぺに呼び出された。
「ね、どこ行くの?」
「……。」
他の話はしてくれるのに、行き先を聞いたときだけ口篭もる。
駅を出ると、近くにあったお花屋さんで百合の花束を買った。
手を引かれてるけど、あたしの足は重い。
なんかいっちゃ駄目だって、体のどっかが言ってる。
なんだか頭痛がしそう…。
「ねぇ、帰ろうよ…。」
目的地に着いたとき、やっぱりって思うと同時に膝が震え出した。
「ちょっとぐらい付き合ってよ。」
「…なんで、お墓なの?」
「あたしの妹がいるんだ…。」
「え?」
「…1年前に死んじゃった。」
「そーなんだ。」
まだ気分はすぐれないけど、膝の震えは止まった。真里っぺが泣きそうな顔に見えたから。
矢口家の墓、とかかれた墓石の前で真里っぺは中腰になって、線香に火をつける。
「愛…会いに来たよ。」
「愛ちゃんって言うの?」
「うん、、とってもかわいい子。…あたしが中1の時にね、ウチにやってきたんだ。」
真里っぺは、悲しい出来事を話すハズなのに、何故かしあわせそうにわらって呟く。
「あたし達は、惹かれあったんだよ…愛が死んじゃう前、あたし達は恋人同士だった。」
349
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:13
なに…なに、これ。
膝がガクガクしてきて前がよく見えない…眩暈がする。
助けて…いちーちゃん!
いやだ!!
なに、、なんで動かないの?
いちーちゃん、昨日もあたしを抱いてくれた。
誰?貴方、誰?
なんでそんな優しい目であたしも見るのよ。
泣きそうな顔して…
「いやぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
あたしは一心不乱に叫んでそして走り出した。
どこ?
いちーちゃん、ねぇ
どこ?いちーちゃん
守れないってどういうこと?
誰?あたしの側にいつもいてくれるのは
…違う!いちーちゃん
いちーちゃん!!
「真希!!」
誰かの声が聞こえる…真里っぺ?
ああ…真里っぺか。
350
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:14
「真希!戻ってきなよ!!」
なんでないてるの?
あたし、今からいちーちゃんに会いにいくんだよ、
幸せなことでしょう?
ねぇ、真里っぺなかないで?
「嫌だ!!真希!戻ってきてよぉぉぉおお!!!」
ねぇ、幸せなことでしょう?
ね、いちーちゃん。
いちーちゃん?どこ?
怖い…
誰?
いちーちゃん、返事してよ!迎えに来て!!
怖い…怖い…
足が動かない
キュルルルルルルルル−−−−−−−−−−
ブレーキをかけながら斜めに傾いたバイクがものすごいはやさで向かってきた
「真希!!!」
ああ、もうあたし死んだのかな?
いちーちゃんのとこに行けるのかな?
なんか体中が痛いよ…
なんか人がたくさん集まってる。
あたしの目の前に人だかりができてる…
351
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:15
…あれ?
あたし死んでないの?
なんで?
確かにさっき、バイクはあたしに向かって…
!!!!!!!!
「真里っぺ!!」
そうだ。あたし誰かに押された。
「真里っぺ!」
体を持ち上げると、頭から血を流した真里っぺが道路にグッタリとしていた。
「嘘…でしょ?」
痛い体を必死に持ち上げて駆け寄る。真里っぺの頬に手を当てると、そっと目を開いた。
「ゴメンな、ごとー。」
「なんで?」
「あれ、スネないの?」
「なに!なんであやまるの!?」
「つ、連れてきたのは矢口だし。」
「嫌だ…嫌だ…真里っぺまであたしをおいていかないでよ…。」
「真希、あんたやっぱり気付いてたんだ…。」
あたしが頷くと、真里っぺは小さく微笑みを浮かべて目を閉じてしまった
352
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:15
いちーちゃんが死んじゃったとき、
錯乱してたんだと思う。両親のことを思い出した。
すごい勢いでいろんな出来事がフラッシュバックして…
残されたのは底無しの寂しさと絶望感…。
それも、今だから冷静に判断できるんだろうけど。
すぐに温かいひとみに包まれて、あたしはいちーちゃんに包まれてるんだって思った。
それに、縋るしか道はないって感じたんだろうね。今考えるとほんと、正気じゃなかったよ…。
思い出したけど、ひとみに「あたしは紗耶香じゃない!」って言われたことがあったよね。
あたしはわかってるようでわかっていなくて…
だって、いちーちゃんがいなくなったら、他に誰もいないあたしはどうすればいいの?って
おかしいね、ひとみはいつもそこにいるのに。いちーちゃんじゃないひとみが。
353
:
光と影を背負った天使。-maki-
:2003/01/11(土) 06:16
−−−−−−−−−−−−−−−−−
あたしは花屋で、黄色い百合の花束を買った。
あの人の好きな花。
コンコン
「ど〜ぞぉ〜。」
ノックをすると、すっとんきょうな声が聞こえてくる。
「お〜ごっつぁん、今日も来てくれたんだ?」
元気そうな顔。足はスッカリ吊るされて動けないって言うのに…。
入院した日に落ちこんでいたあたしをはげまそうとしたのか、真里っぺは「今日からごっつぁんって呼ぶからな!」なんてベッドに横たわったまま言った。
あたしはどうしてこんな状態の真里っぺにはげまされてるの?って。強くなろうって思った。
自分も大切な人を守れる、強いあたしになろうって。
「毎日くるって言ったじゃん。」
「別にそんな約束、守らなくっていいんだぞ?助けたのだってあたしの勝手なんだしー。」
「あたしが来るのヤなの?」
「まさか!!そんなことあるわけないよ。」
手をブンブン振りながら真っ赤になる。
「真里っぺ…。」
「ん?」
「今日ね、ひとみにお別れ言ってきた。」
「…そっか。」
「ね、」
「ん?」
「真里っぺが愛ちゃんのこと思い出にできたら、あたしにキスしてくれないかな?」
「え?」
しばらく無言で見詰め合った後、真里っぺはあたしの腕を引き寄せて、そっとキスをくれた。
「真里っぺ…?」
「もう、ごっつぁんが好きだよ…。」
真っ赤な顔して真里っぺは窓の外を見つめた。
354
:
オガマー
:2003/01/11(土) 06:21
更新修了!
>341 名無し新年さん
ありがとうございます。
エ○を評価してくださる方が結構たくさんいて驚いてます(笑)。
>342 名無し新年さん
切なく書けてますでしょうか。
とりあえず、一安心です。
後、一回で終わりです。
ラストスパートぉお!!
355
:
チップ
:2003/01/11(土) 15:26
真里ちゃんたら・・・ごっちんよかったね。
この真里ちゃん男前でかっこよくていつもより多めに
ボンボン振りました。よっすぃーたちも楽しみです。
追伸:ちなみにボンボンはピンクとブルーのストライプでお願いします。
356
:
名無し新年
:2003/01/11(土) 16:27
もう、次回最終回ですか…。
すんげーすんげーすんげー面白い!!
もう、楽しみでなりません。
ラストスパートがんばってください。
357
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/12(日) 07:55
「もぉ!またあたしだけ怒られた!!」
妙にイライラしていた私は、フェンスをおもっきし蹴飛ばした。
「あははははは!!」
急に聞こえてきた笑い声にドキっとする。
「先輩、今日は荒れてるじゃん。ま、おかげでかわいいレースまで今日はバッチリ。」
「もぉ、なんでいんの?今日は学校来てないと思ってたのに。」
「ちょっと傷心なんですよね…。」
そう言って俯くと、フェンスに手をかけてこちらへ飛び降りてきた。
まただ…その瞬間、いっつも真っ白な羽根が見えるの、その背中に…。
制服を整え終えた貴方とバチッと目が合う。
「今日、ごっちんに振られちゃったんですよねー。」
どうして…そんなこと言うのに、そんなに綺麗な笑顔でいるの?
「先輩、慰めてくれません?」
わからないことが多すぎるよ…。
358
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/12(日) 07:56
そっと背中に回される腕に、私はもう抵抗する力なんてないの知ってる。
ずっと前からわかりきってる。
そう、貴方にはじめて会ったあの日から、もうずっと。
強い何かに引き寄せられるように…貴方のことが…。
抱きしめていた腕を離すと、貴方は私の目をまっすぐに見詰めて言うんだ。
「先輩、ずっと好きでした。あたしと付き合ってください。」
返事を待たずにキスが落ちてくる。
ギュッと貴方に抱きしめられて、私は言うの。
「もっと、貴方のこと教えてくれたら、その時に返事するよ。」
貴方はイタズラっこみたいな笑顔で笑う。
359
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/12(日) 07:56
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「そんな理由があったんだ…。」
彼女は後藤さんとの間にあったことを全部話してくれた。
その日の帰り道、質問責めに合う貴方は、それでもとても嬉しそうで…。
「じゃ、中澤先生は??」
「あー、そう言えばそんな噂もあったね〜。彼女は、あたしのお母さん。」
「へ?だって、年が…。」
「親父の三人目の奥さんなの。」
彼女の周りをとりまいていた噂は、どれも単純で、どこからあたんな噂になったんだろー、と思わせるものばかりだった。
「じゃ、彼女が何万人もいるって噂は?」
「ハハッ、そんなの嘘に決まってんじゃん。まさか、信じてるわけじゃないでしょ?」
「だって…。ひとみちゃんカッコイイもの…。」
赤くなる頬を感じながら彼女を見上げるとうれしそうに笑ってる。
「あたしが好きなのは、先輩だけですよ。」
かと思ったら、真剣な顔してそんなこと言うんだ。
360
:
光と影を背負った天使。-rika-
:2003/01/12(日) 07:57
「質問はもういいですか?」
「ちょ、ちょっと待って。」
「なんで?そろそろ答え聞かせてくださいよ。」
またイタズラな目が私を覗きこむ。もう…降参でいいわよ。
「私もひとみちゃんが好き!」
妙にいさぎよく真っ直ぐ出たその言葉に今度は貴方が真っ赤になってしまった。
私はなんだかとても嬉しくなって、貴方の手を取ってギュッと握った。
一方的だったその手に貴方の優しい力が込められて…
私達は暮れ掛けた太陽の下、家に着くまで手を握って歩いた…。
361
:
光と影を背負った天使。-エピローグ-
:2003/01/12(日) 07:58
もう焦らない。
もう後ろは見ない。
だけど忘れない。
大切な人のこと。
いちーちゃんのこと。
一人だって平気だよ。
だけど、独りじゃ駄目なんだ。
だけど、あたしは独りじゃない。
ひとみもいるし、ひとみの彼女の梨華ちゃんも。
それに…真里っぺがいる。
依存するわけじゃないよ。
強くなれるよ。
あたしは、真里っぺを守るんだもん。
真里っぺがそうしてくれたように。
お互いがそうなれる強い愛になれるように。
ゆっくり時間をかけよう?
そう思えたあたしには怖いものはないって言ってくれたよね?
真里っぺ!
362
:
光と影を背負った天使。-エピローグ-
:2003/01/12(日) 07:58
「あ、忘れてた。親戚のオジさんも叔母さんも、それから亜依ちゃんも希美ちゃんも!それから、天国のお父さんとお母さん。あはっ、こんなにいるのになんでもっとはやくに気付けなかったんだろう、馬鹿だな、あたしって。」
真里っぺは優しい顔してあたしを見てる。
好きだな…その表情。
焦ってないけど、ゆっくりいきたいけど…
キスしたいときはしたっていいよね…?
夕日のオレンジが差しこむ病室のベッドで
柔らかく伝わってきた温もりは、ジンワリと心に染みこんで
そしていつでもあたしをドキドキさせるよ
「ごっつぁん、」
「何?」
「元気になったら一緒に住まない?」
「え?」
「いや、ヤだったらいーんだけどさ…。」
「ううんっ、全然嫌じゃない!嫌じゃない!!」
慌ててそう言ったあたしに
真里っぺはとっても優しい目をして
頭をなでてくれた…。
あはは。
変だね。
もうなんかいろいろ渦巻いてたことどうでもよくなっちゃうよ。
真里っぺの、優しいその温もりだけで。
繋いだ手に願いを込めてそっと指を絡めた…。
fin.
363
:
オガマー
:2003/01/12(日) 08:01
しゅうりょーーー!!
完結。完結。
レスありがとうございます!
>355 チップさん
チップさん、応援ありがとうございました(w
>356 名無し新年さん
期待して頂いて申し訳ない結果になってないといいですが…。
364
:
YUNA
:2003/01/12(日) 17:26
『光と影を背負った天使。』
最初から最後まで、一気に読ませてもらいました。
めちゃ②切ないですっっっ...
よっちぃ〜と梨華ちゃん、無事一緒になれていかった②...
スゴク、面白かったです。
365
:
名無し新年
:2003/01/12(日) 17:43
終わっちゃった。・゜・(ノД‘)・゜・。
でも、みんながそれぞれハッピーエンドで
よかったです!
出来たら続きが読みたいなぁ〜なんて(w
366
:
名無し新年
:2003/01/12(日) 19:23
完結お疲れ様でした。
期待していた通りで、大満足!!です。
次回作も期待しています!(w
367
:
オガマー
:2003/01/16(木) 16:31
レスありがとうございまする。
>364 YUNAさん
ありがとうございます。
よかった(w
>365 名無し新年さん
続きはたぶん無理です…(爆
すみません…。
>366 名無し新年さん
よかったですだ(w
新作ですだ。
368
:
『POTETO』
:2003/01/16(木) 16:32
時に堅く、時に柔らかくいびつに形を変えながら、不完全なまま在るこの世界で
貴方と私は出会った-------
「はぁ…。」
梨華は重いため息をまた一つ吐いた。
今日はついてない、いつもよりそんな気分が胸を埋め尽くす。
憧れ程度の感情を抱いていたクラスメイトの男子が友達と楽しそうに話してるのをつい立ち聞きしてしまった。
『それに石川って胸でかくねぇ?』
その言葉に騒ぎたてる数人の友達の声…。
ついでに、中学の頃から続けていたテニスも今日で終わった。
明日からの、受験にだけ追われる日々を思うとほんとにどんよりと心が重くなる。
「はぁ…。」
ため息をまた一つ。
「あーあ、またため息吐いた!」
「え?」
ふいに背後から聞こえた声に振り返る。そこにはボーイッシュな少女が立って梨華の顔を覗きこんでいた。
369
:
『POTETO』
:2003/01/16(木) 16:33
「ため息吐くと幸せ逃げるよ?」
笑顔でそう言う少女に、梨華は心の中で抗議をする。
(いつの時代の人よ…。第一、幸せなんて私にはないもん…。)
「ああ…。」
少女は梨華の暗い表情から何かを察したのか、諦めたような口調でそう呟いた。
「今から暇?」
「は?」
「だーから、今から暇?」
「ええ、まぁ暇ですけど。」
「じゃ、決まり!」
少女は焦る梨華の言葉も聞き入れず、梨華の腕をガシッと掴んで走り出す。
「ちょっと、どこ行くの?」
梨華がそう聞いても少女は答えないし、手も離さない。
景色が変わっていく、地元なのに、梨華でさえ知らないような細道をいくつか抜ける。
「よし。」
小さな喫茶店といったところだろうか?その前で少女はやっと立ち止まった。
「どうせ暇なら紅茶でもどうですか?」
「は?」
「あたし、遅刻しちゃうから!とりあえず入んなよ。」
少女はそれだけ言うと、店の裏の方へ走って行ってしまう。
370
:
『POTETO』
:2003/01/16(木) 16:33
梨華は少しだけワクワクしていた。
目の前の喫茶店。どこかレトロな造りで、異空間を思わせる。
ドアを躊躇いがちに押すとチャリン−と小気味よい音が鳴った。
「いらっしゃい!」
中には、ブルーのエプロンをつけてるショートカットの女性。
そう言った笑顔はとてもかわいらしい。
梨華は店内を見まわす。
客は他にはいないみたい。穴場かも、なんて思いながら。
「こちら、どうぞ。」
さっきの店員がカウンターを指してくる。
普段なら人見知りもするので、遠慮したいところだけど、他に誰もいないし、何よりその女性なら楽しい話しができそうな気がして、梨華は勧められるままカウンターの席に座った。
メニューを手に取る。
「あ、マスカットティー置いてあるんですか?」
「あ、紅茶好き?」
「はい。」
「へぇー、他にもいろいろあるけど。」
「ん…やっぱりマスカットティー下さい。」
「オッケー。」
ほんとうに親しみの持てる笑顔だ。
癒し系ってこういう人のことを言うのかな?なんて、店員の背中を見詰めつつ考える。
371
:
『POTETO』
:2003/01/16(木) 16:33
「おはよーっす!」
急に威勢のいい声が聞こえて、梨華はそちらを向く。
「あっ…。」
「おはよ、よっすぃー。…ってもう昼じゃん。ついつられちゃったべ。」
そう言ってクスクスと店員さんは笑った。
で?
「あー、さっきの彼女!やっぱ入ったんだ?」
「はい。」
さっきの少女。吉澤ひとみはくったくのない笑顔をそのままにそう言ってきた。
「ほぉ、お目が高い、マスカットティーとな。」
「そぉそぉ、マスカットティーが飲みたい!って言い出したのってよっすぃ〜だったんだよね。」
店員さんが笑う。
で?
この人は一体なんなのだろう?
ひとみは黒いシャツに黒いズボンという格好で従業員専用と思われる入り口から入ってきたけれど。
「あー、あたし暇な時いつもここにいるの。なっちさんも暇だからねー。」
ひとみがそう言うと、笑いを含んだ目でなつみが睨みをきかす。
「でも、さっき遅刻がどうとか…。」
そう確かにそう言っていた。
「ああ、なっちさん休憩とるのだけは忘れないんだよねー。その時間だけあたしがいればそれでいーみたいな。」
そう言ってまたくったくのない笑顔を梨華に向ける。
梨華はなんとなく楽しい気分になっていた。
さっきまで何度もため息を吐いていた自分のことなど忘れている。
372
:
『POTETO』
:2003/01/16(木) 16:34
「じゃ、はい、タッチ。」
なつみはそう言ってひとみの手にパチンと自分の手をぶつけると、奥に入ってしまった。
「あー、できてるじゃん。はい、どーぞ。」
ひとみが梨華の前に湯気を立て、香ばしい香りを放つマスカットティーを置く。
「どうも。」
梨華は小さくそう言ってマスカットティーを口に運んだ。
「どぉ?」
「うん、おいしい!渋味がなくっておいしいよ。」
「そっかぁ〜、よかった。」
ひとみの笑顔につられるように梨華も笑みを深くする。
「名前、なんつーの?」
「あ、石川梨華、です。」
梨華ははにかみながらそう言った。
「へぇ、梨華ちゃんね。あたしはひとみ、吉澤だからみんなはよっすぃ〜、って呼ぶけど。」
「ひとみちゃん?」
「へ?…あ、ま、いいや。」
「……。」
「ご趣味は?」
梨華は危うく口に含んだばかりのマスカットティーを吹き出しそうになってせきこんだ。
「大丈夫?」
ひとみがカウンターから身を乗り出す。
「だ、だいじょ、うぶ、…。」
「あはは!」
梨華はひとみの顔をチラッと見る。やっぱり優しい笑みを絶やさない。
「なんか、お見合いみたいじゃない…。」
「あははっ、だってさー、沈黙とかってヤじゃない?他に言葉が見当たらなくて。」
そう言ってまた笑うひとみに梨華は苦笑いを浮かべて、やがて微笑む。
「なんか変な人だね、ひとみちゃんって。」
「あー、よく言われるー。自分ではどこがだろう?って思うんだけどさ。」
そう言って面白そうに笑った。
373
:
『POTETO』
:2003/01/16(木) 16:35
「趣味は助六太鼓ですっ!って言うと必ず変って言われるー。」
また面白そうに笑う。
…いつも客と趣味の話しをしているのだろうか?
「祭りで叩くんだよねー、マジカッケーよ?梨華ちゃんも見にきてよ。」
「いつ?」
「8月ー。」
「…まだまだじゃない。」
「うん、そーだね。」
ひとみのふにゃとした笑顔につられてまた梨華も笑う。
「なになにぃー、カップル誕生?」
「へ?」
振り向いたそこにはなつみが立っていて、かわいらしい笑顔を浮かべていた。
「カップルに見えます?」
ひとみが身を乗り出して梨華の肩を抱く。
「ごめんねー、よっすぃ〜ちょっと変な子だから。」
なつみはこめかみの辺りをツンツンと指でつつきながらそういう。
「ああ、ひっでー!あっ、梨華ちゃんも笑ってる!ひっでぇー。」
その後、3人で笑った。
部活帰りで遅かったこともあり、梨華はマスカットティーを飲み終えると店を後にした。
「梨華ちゃーん、またウチに会いに来てねー。」
そう言ってブンブン手を振るひとみに笑顔で答えて。
ふと、隣の看板に目が止まる。
『POTETO』ポテトって言うんだ、このお店。
そう言えばなっちさんはイモって呼ばれるなんて話していたっけ。
梨華は今にもスキップでもしそうな足取りで家路についた。
374
:
オガマー
:2003/01/16(木) 16:35
更新終了ー!
375
:
YUNA
:2003/01/16(木) 16:41
新作ですかっ!?
続き、楽しみにしています♪♪♪
376
:
チップ
:2003/01/16(木) 19:31
大変!まだ新しいボンボンができてないのに新作が!
ポテトのなっちが妙にツボにはまってCCレモンで
むせました。苦しい・・早くいしよしという名の甘いお薬を・・・
377
:
名無し新年
:2003/01/17(金) 12:13
ヤホ〜イ!新作っすね♪
イモなっち、ハマリ過ぎですねw
ところで、ポテトって「POTATO」じゃなかったですか?
378
:
名無し誕生日
:2003/01/17(金) 22:04
新作キタ━━( ^▽^)━( ^▽)━( ^)━( )━(^0 )━(〜^0)━(^〜^0)━━ !!!!!
楽しみに毎日覗きます。(w
ガンガッテください!!
379
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
380
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
381
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
382
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
383
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
384
:
オガマー
:2003/01/18(土) 09:42
更新終了。
ごめんなさいゴメンナサイ…(汗
たくさんのレスありがとうなのれす。
嬉しいス。
>375 YUNAさん
がんがりますです、はい。
>376 チップさん
あんまり甘くないかも?
>377 名無し新年さん
わざとですよ。わざと!
。・゚・(ノД`)・゚・。w
>378 名無し誕生日さん
がんがります(泣
385
:
オガマー
:2003/01/18(土) 10:15
トラブルがありますた、スレを汚したのはワタスです・・。
では、更新を。
386
:
『POTATO』
:2003/01/18(土) 10:16
来ちゃった…。
昨日私の噂をしていた男の子達とすれ違ったら…
ため息が出て…
これから真っ直ぐ家に帰ると思うと…
ため息が出て…
『ため息つくと幸せ逃げるよ?』
そう言って笑った彼女を思い出した。
次になっちさんの笑顔。
気がついたら『POTATO』の前に来てた。
チャリン−
この音って不思議な魔法みたい。
ちょっとだけ心が軽くなったよ。
「いらっしゃ〜い。あー、梨華ちゃんだっ!」
なっちさんの笑顔は癒しの魔法だね。
なんて考えて一人で恥ずかしくなって俯き加減にカウンターに寄った。
387
:
『POTATO』
:2003/01/18(土) 10:16
「また来てくれたんだ?嬉しいべさー。」
そう笑うなっちさんは、やっぱり癒しの魔法を持ってる。
レモンティーをオーダーして、とりあえずカウンターの席に座る。
彼女はまだなんだ…。ひとみちゃん。
「はよーっす!!」
そんなことを考えてると、ひとみちゃんがやって来た。
「あー!梨華ちゃん、また来てくれたんだ?惚れた?」
「えっ?」
今、心臓がトクンって跳ねた。
何考えてるんだろう…。顔赤くないかなぁ?
「よっすぃ〜、またそんなことばっか言ってー。」
なっちさんがひとみちゃんの頭を小突く。
ひとみちゃんの横顔を見詰める…。
男前過ぎるのがいけないんだよ。
だってそこら辺の男の子よりよっぽとカッコイイ。
「私、勉強します!」
ちょっと大きな声だしすぎたかな?
ひとみちゃんとなっちさんがガバッと私に向いた。
あんまり見詰めてたら、なんかもっと変な方向に思考が回りそうだから。
席を立って、テーブルの方の席につく。
一応、受験生だし。
帰ってからもできるけど、勉強しよう。
388
:
『POTATO』
:2003/01/18(土) 10:17
「じゃ、よっすぃ、お願いね。」
「ほぉ〜い。」
…つい聞き耳を立ててしまった。
いけない…。
私は首をブンブンと振った。
「あははははは!!」
すぐ側からひとみちゃんの声が聞こえてビクッとなる。
「どうした?虫でもいた?」
「あ…ううん。なんでもないよ。」
ほら、やっぱり普通にお話できるじゃない。
「お待たせ。」
ひとみちゃんはそう言って、レモンティーをテーブルに乗せた。
「ありがと。」
私がレモンティーを飲むのをひとみちゃんはテーブルに肘をついて見る。
「梨華ちゃんって、よくため息つくの?」
ひとみちゃんがほわっと筋肉を緩めた顔で聞いてくる。
「ん〜、どうだろう。気にしてないからわかんないよ。」
「そっか〜。」
沈黙。
私はまたレモンティーを口に運ぶ。
389
:
『POTATO』
:2003/01/18(土) 10:19
「今日も嫌なことあった?」
「なんで?」
少しドキッとしながら答える。
「さっき、外で梨華ちゃん見掛けたら暗そうだったから。」
ひとみちゃんはほわっと笑顔を浮かべた。
見られちゃってたのか…。
「梨華ちゃん、」
「ん?」
「覗いて見て。」
ひとみちゃんはそう言って、レモンティーのカップを指差した。
言われるがままに覗くと…
ヤだな…なんか疲れた顔してる…
「ここからが難しいんだよ。」
「へ?」
「ストップ!」
ひとみちゃんの声が聞こえて、顔を上げようとしたんだけど、また聞こえたひとみちゃんの声で私は動きを止めた。
黄金色に輝く鏡に映った…私の顔とにらめっこ。
「梨華ちゃん、映ってるでしょ?」
「うん。」
なんとなく言われるがまま、聞かれるがままに返事をする。
「で、そぉーっと、自分の顔が映ったまんまの紅茶を飲み干してください。」
私は、またまた言われるがままに妙に必死に、自分の顔をなるべく消さないようにしながらレモンティーを飲み干した。
390
:
『POTATO』
:2003/01/18(土) 10:19
「よかった!」
「ん?」
今までの全ての意味を、ひとみちゃんに尋ねる。
「梨華ちゃん、笑って!」
「ん??」
「ほら!」
私は、笑顔をつくる。
「ん〜、やっぱり10倍はかわいくなったね。」
「なにそれー。」
だって、さっきのはきっと失敗作の笑顔だよ?
「今日の憂鬱だった梨華ちゃんは、今、ここにいる梨華ちゃんが全て飲み干してしまいました。どぉ?」
ニコニコと聞いてくる。
どぉ?って言われても…
でも、ひとみちゃんがあんまり楽しそうに笑うから、ほんとに嫌なことなんて吹き飛んじゃうよ…。
なんとなく、恥ずかしくなってその笑顔から目を逸らす。
なんか私…どうしよう…。
391
:
オガマー
:2003/01/18(土) 10:21
更新終了です!
管理人代理さま、お世話になりましたm(__)m
392
:
名無し誕生日
:2003/01/18(土) 13:58
これからの展開がすごく楽しみ!
がんばってください!
393
:
YUNA
:2003/01/18(土) 15:17
読んでて、どき②って感じ♪♪
続きが、ます②楽しみっす♪♪♪
394
:
名無し誕生日
:2003/01/19(日) 15:28
吉のやさしさが(・∀・) イイ!
なんか、時間がゆっくり流れてるような感じでいいですね。
続きまってます。
395
:
『POTATO』
:2003/01/20(月) 11:38
『恋人ごっこ』
私は必要以上に緊張している…。
肩を強張らせて…。
はじめてここに来た日から、ほとんど毎日この店に来てる。
勉強に疲れて、一息ついていた私の隣にやってきて、急に肩を抱いた貴方。
『何?』って聞くと、そう答えたの。
貴方は知らないでしょう。
いつしか、この店に来ることが私の一番の楽しみになっていたこと。
貴方にふざけて肩を抱かただけで、ドキドキしている私のこと。
貴方は知らないでしょう?
だから少しだけ贅沢してみる。
その肩に頭を預けて目を閉じてみる。
『恋人』その言葉に少しだけ酔わせて…。
「梨華ちゃんいい匂いするね。」
目を瞑ったまま、きっと笑ってる貴方のそんな言葉を聞いて顔が熱くなるのを必死で抑えてる。
貴方は誰にでも優しいから。
だからこんなにも胸が切ないんだよ?
ひとみちゃん…。
396
:
『POTATO』
:2003/01/20(月) 11:39
「ひとみぃー!!」
元気な声が聞こえて私はそっとその肩を放した。
「マリー♪」
ひとみちゃんはおちゃらけながらそう言って、走って抱きついてきた矢口さんを抱きとめる。
「ね、今日終わるの何時?」
何度も耳にしたその会話。
「今日はー、もう少しかな。」
「あ、そう。なっちぃーーーーー!」
矢口さんはそれだけ聞くと、カウンターの下にもぐっていたなっちさんに元気のいい声をかけ、楽しげに話す。
矢口さんは、ひとみちゃんの何?
チャリン−
またドアが開く。
今日はお客さんが多いのね。
ひとみちゃんも忙しそう。
なっちさんが暇だからここに来てる、なんて言ってたけど、ほんとはひとみちゃんすごく人気があるんだ。
接待役ってところかしら?
今やってきた希美ちゃんにも、早速腕を組まれて、笑顔でお話している。
そんなひとみちゃんの様子を目で追って、ぼんやりとしている私。
「梨華ちゃん、今日も勉強?」
そう声をかけてきたのはカウンターの矢口さん。
今店にいる人たちはほんとに常連で、みんな顔見知りになった。
それでも、勉強している私を気遣ってか、たまにぐらいしかお話はしないのだけど…。
「はい。」
「大変だねー、よかったら矢口教えるよ?こう見えても頭いいんだから。」
「真里、大学辞めたくせに何威張ってんの。」
ひとみちゃんが話しに参加してくる。
「だって、それは、おいらには夢があったからでー。」
「はいはい。」
そういいながら、ひとみちゃんは私の隣に腰掛けてくる。
「ほんとは勉強やりたくなかっただけなんだよー、この人。」
ひとみちゃんが笑顔でそう言って来る。
なんかヤバいわ…。
二人に挟まれて上手く笑顔がつくれそうにない。
「どうかした?梨華ちゃん。」
やっぱり…ひとみちゃんに気付かれてしまった。
「なんでもないよ、ちょっとつかれてるのかな?」
「大丈夫?帰った方がいいんじゃない?」
胸にギュッとなる。
心配してくれてるのはわかる。
ひとみちゃんにとって私はただの顔なじみの常連さんって存在だってことも…。
だけど…私はもう…。
「うん、そうするね…。」
これ以上この場にいたら笑えないどころではなくなっちゃいそうだから、私は店を出た。
397
:
『POTATO』
:2003/01/20(月) 11:39
暮れ掛けた道をトボトボと歩く。
「梨っ華ちゃーん!!」
後ろから聞こえた声に驚いて振り返る。
「ひとみちゃん、どうして?」
ひとみちゃんが自転車に乗って私の側まで来て、止った。
「送ってくよ。」
貴方の優しさは、きっといろんな人を傷つけるよ、ひとみちゃん…。
それでも、嬉しくて背中に抱きついてしまう、私がいるから…。
「なっちさんの自転車低いー!」
大声で叫びながらえっちらおっちら坂を登る。
確かに背の高いひとみちゃんにこのサイズの自転車だときついのかも…。
「私、降りる?」
「なぁーに言ってんの!それじゃ送る意味なくない?」
「でも…。」
「いーから!座ってなさい。」
フラフラで息絶え絶えなのに、威張ってそう言うひとみちゃんがかわいくて笑った。
「へぇ、梨華ちゃん家ってここだったんだ?」
「うん。」
家について自転車から降りる…んだけど、私はひとみちゃんの背中が離したくなくて、ギュッとしがみついた。
「どうしたの?」
「…ううん。」
バレちゃうね…。困らせるよね…。
私は腕を解いて自転車から降りた。
「ちょっと眠くなっちゃったっ。」
明るくいいわけをすると、ひとみちゃんは「そっか。」と優しく笑った。
「ではっ!」
ひとみちゃんはひたいに手を当ててそう言うと、自転車をひるがえし、今来た道へと戻って行ってしまった。
『好きだよ…。』
心で呟いてみる。
きっと届かない想い。
398
:
オガマー
:2003/01/20(月) 11:42
更新です・・。
レスありがとうございます。
>392 名無し誕生日さん
展開といった展開もなさそうですが(爆
>393 YUNAさん
ドキドキですか。嬉しいですよほ(w
>394 名無し誕生日さん
ちょっとマターリ感をめずらしい出してみようかな、なんて
思って書きますた。
399
:
377
:2003/01/20(月) 16:03
更新、お疲れ様でした。
石川さん視点はせつないです・・
う、何か余計なツッコミ入れてしまったみたいですね(泣)
スミマセン・・
矢口さんは一体何者なんでしょうか?
石川さんの片思いが吉澤さんに届きますように、祈っております。
400
:
YUNA
:2003/01/21(火) 14:58
なんか、毎回ドキ②ですよ。(笑)
よっちぃ〜の背中にギュッてしがみ付く梨華ちゃん...
可愛いぃってぇ〜〜〜♪♪♪
早く、よっちぃ〜に届くといいなぁ〜〜
401
:
『POTATO』
:2003/01/22(水) 16:13
「今日はひとみちゃんいないんですね。」
カウンターの席で少しお話した後、私は気になっていた話題を切り出す。
「あー、なっち寂しいべ?そんなこと言われるとー。」
私はハッとしたけど、なっちさんはいつも笑顔で…。
「よっすぃ〜、ナンカ急用だとかで。」
「へぇ…。」
残念な気持ちを精一杯誤魔化したつもりだったけど。
「大丈夫だべ!今日は矢口も一緒だっつってたし。」
なっちさんがニコニコしながら言った言葉にグッと胸が締め付けられる。
「…大丈夫って?」
なんで矢口さんがいて大丈夫なんだろう…。
私にはそれが一番辛いよ。
「あー、変な虫がつかないってことだよ。」
なっちさんはそう言ってウィンクした。
「え?」
「ん?」
二人して?な顔してる私達ははたから見たらきっとおかしいんだろう。
「矢口さんって…ひとみちゃんの…そのぉ…。」
「あははははは!!」
私がおずおずと、『恋人なんですよね?』と聞こうとしたら、なっちさんが豪快に笑い出したのでビックリしてしまう。
「どうしたんですかぁ?」
「い、いや…。」
なっちさんは胸の辺りを抑えながら、笑いを抑えようとしてる。
「うん、梨華ちゃんまたすごい勘違いしたもんだなー、っと思って。」
「へ?」
「ははっ、矢口はよっすぃ〜のおねいちゃんだべ。」
「はぁ!?」
「あははははは!」
なっちさんは放心状態の私をよそにまた笑い出す。
「そりゃ、見えないのもわかるけど、異母姉妹で、完璧に血は繋がってるべさぁ〜。」
少しおちつくと、そう話してくれた。
402
:
『POTATO』
:2003/01/22(水) 16:14
「あ、そうなんですか…。」
馬鹿みたいじゃない…私…。
しばらくボーッとしていたんだけど
「梨華ちゃん、そんなによっすぃ〜が好き?」
「はぁ!?」
本日、2度目の強烈なパンチをくらってしまった。
「あはははは!!」
また笑い出すなっちさん。
「バレてないと思ってたっしょ?はははっ!梨華ちゃんっておっかしーべー。」
「そんなに笑わなくても…。」
私は顔が真っ赤になるのを感じる。
「ごめん、ごめん。」
「勉強しますね!」
私は恥ずかしくて、わざと怒ったふりしてカウンターを離れた。
しばらく、参考書に目をおとしていると、テーブルにカップがおかれた。
「これサービスだべさ。」
なっちさんが銀色のトレイを胸に抱えて笑った。
「いいんですか?」
「ちょっと悪かったかなぁー、と思って。」
向かいに座ったなっちさんは、苦笑いを浮かべる。
「飲んで見るべ!」
今度は満面の笑顔でそう言う。
「ん〜、はじめて飲みます、これ。」
「これね、アンブレって言う紅茶だべさ。ハチミツとオレンジの香りがするっしょ?」
「はい、しますします!」
「恋の味♪なんつって。」
なっちさんはそう言った後、両手で顔を隠す仕草をして、その手をヒラヒラと動かした。
「なんか恥ずかしいべ。」
そう笑いながら。
私はそんなかわいらしいなっちさんの仕草に微笑みながら、アンブレティーにまた口をつける。
403
:
『POTATO』
:2003/01/22(水) 16:14
恋の味…。
「なんかいいですね…。」
何も言いたいことは伝わってない気がしたけど、向かいのなっちさんは嬉しそうに微笑みを返してくれた。
「けど…。」
「はい?」
「大変かもしんないね…。」
なっちさんがいつになく深刻な顔をしてそう言った。
「…大変って?」
「ん?あ、いや勉強と恋の両立は大変なんじゃないかなー、と。」
なっちさんはいつも通りの笑顔に戻ってそういう。
「そうですね…。」
私も返事を返したけど、さっきの彼女らしからぬ表情が勉強をはじめても、完全には頭を離れなかった。
404
:
オガマー
:2003/01/22(水) 16:19
更新終了。
少量で申し訳。
>399 377さん
いえいえ。教えて貰わないとずっと間違ってましたから(爆
感謝してますよw
>400 YUNAさん
梨華ちゃんの気持ち、この方にはバレてたみたいですが(w
405
:
YUNA
:2003/01/22(水) 17:30
さすが、なっちって感じですね。(笑)
でも一体、何が大変なんだろぉ...
っていうか、何があっても
梨華ちゃんには頑張って欲しいっす!!!
406
:
チップ
:2003/01/22(水) 17:52
なっちを小一時間程問い詰めたい。
借りていいですか?胸が苦しいんです!
甘い薬がないのなら、なっちというお薬を・・・・・
407
:
『POTATO』
:2003/01/23(木) 06:31
「おはよーっす!」
「おはよう、って…だからもうお昼過ぎてるっしょ!」
私はちょっとドキッとした後に、なっちさんがひとみちゃんの頭を小突いてる漫才みたいなやり取りに笑う。
なっちさんが、言ってたことがひっかかってる…。
「梨華ちゃん今日も精が出ますねー!!」
そう言いながら、ひとみちゃんが近づいてくる。
「じゃ、よっすぃ〜頼んだね〜。」
なっちさんがそう言って、ひとみちゃんは「ラジャア〜!」と返事をする。
その後、私の向かいの席に座った。
「ん〜…難しいな、これ…。」
私が見ていた参考書を手に取り、顔の前に掲げると、そう言って顔をしかめる。
「よくできっね、梨華ちゃん。」
私は笑顔だけを返す。
そう言えばひとみちゃんは何をしている人なんだろう?フリーター?
今更、そんなことも知らない自分に気付いた。
でも、なんとなく聞くと気まずくなっちゃわないかなぁ?と思う。
408
:
『POTATO』
:2003/01/23(木) 06:31
「ね、」
そんなことを考えてると、ひとみちゃんがさっきの参考書を誰もいないお店の方についたてて、コソコソと話しかけてくる。
「ん?」
私も声を潜めて
「なっちさんさぁ、休憩の時、何してると思う?」
「え?」
「教えてあげよっか?」
「う、うん。」
なんかひとみちゃんがおどろおどろしい言いまわしをするので、ちょっとビクついてしまう。
「まずはこうやって座るでしょ?」
とひとみちゃんは席を立って、ヤンキー座りをして見せる。
「そんで、こうやって、こうだよ。」
今度は指で煙草を挟む仕草をして、そして口に近づけるとフゥ、と息を吐き出した。
「なっちさん、元ヤンなの。」
「……。」
私のひとみちゃんを見る目はもうスッカリ疑いの眼差し。
元ヤンだとしても、わざわざ休憩時間にそんなことするわけないじゃない…。
「ひとみちゃん、つまんない…。」
「ガーン!」
ひとみちゃんはそんなことを言って、両手をパタンと床におろした。
「もぉ、なんだよー!なんなんだよー。」
ひとみちゃんはちょっとスネてそういいながら元の席に座った。
私はそんな様子がおかしくて笑う。
409
:
『POTATO』
:2003/01/23(木) 06:32
「じゃ、こういうのは?」
「ん?」
ひとみちゃんは今度は椅子にふんぞり返って、煙草をふかす仕草をした。
「…さっきとかわらないじゃない…。」
「全然違うっしょ?なんで?なぁ、なんで?」
何故か知らないけど、ひとみちゃんは関西弁のイントネーションで詰め寄ってくる。
ひとみちゃんってなんかおかしいんだよねー。
「あははっ!」
私が笑ってるのを見て、ひとみちゃんも笑った。
「でも、なっちさんって煙草吸うの?元ヤンなの?」
私は気になってきて、聞いてみる。
「もぉーそりゃすごい悪でねー。元ヤンも元ヤン。それにヘヴィースモーカーときたもんだっ!」
「そーなの!?」
「だ・れ・が??」
「へ!?」
後ろから聞こえた声に、ひとみちゃんと二人でバッとそちらを向く。
「あ、いや、なっちさん…。」
「明日のし込みはよっすぃ〜にけってーい!」
なっちさんはそう言うと、カウンターの下に隠れた。
ひとみちゃんを見やると、口パクで『こえー』と大きな目を更に大きくした。
「ぷっ…。」
「なに!?」
私が吹き出してしまったせいで、またもやなっちさんの睨みが…。
けど、ひとみちゃんが私の表情を見て笑い始めて…
何時の間にか三人で大声で笑ってた。
410
:
『POTATO』
:2003/01/23(木) 06:32
「なっちさん、さっきのアレほんとですか?」
ひとみちゃんがテーブルに身を乗り出して言う。
「何?」
「明日のし込み…。」
「もう2度と変なこと言わないなら許してあげるけどー?」
なっちさん、今度は上の棚を整理しながらそう言う。
「言いません!言いません!断じて!断固吉澤!知ってる?梨華ちゃん、スラムダンク。」
「え、」
「よっすぃ〜!!」
「あ、はい。とにかく言わないから許してくださーい!」
「しょうがねーべぇ。」
なっちさんは大袈裟にため息を吐いて見せた。
判ります。ひとみちゃんってなんか憎めないタイプなんだよねー…。
勉強の道具を片付けて、店を出た私に声がかけられる。
「梨っ華ちゃーん。」
ひとみちゃんの叫び声。
そして、自転車で側に寄って来るひとみちゃん。
「暇なので送って行きます。」
「いいの?」
「うん、ほら。」
そう言って、自転車をクルッと回し、後部席を私に寄せた。
「うん。」
私はひとみちゃんの背中にギュッとしがみついて…。
411
:
『POTATO』
:2003/01/23(木) 06:33
「暑くなってきたねー。」
ひとみちゃんの声が胸に響く。
「そーだね。もう6月だもん。夏だよ。」
「夏といえば!はい!梨華ちゃん。」
「え?花火!」
「花火かぁ〜!花火好き?」
「うん、大好きだよ。」
言ってから、自分の中で照れてしまった…。なんか告白してる気分…。
「あーなんか告白されてる気分!」
ドキッとした…。あはは、なんてひとみちゃんは笑ってるけど…
心臓の音が背中に伝わってたら、どうしよう…。
「花火ー、この辺の花火大会っていつだっけ?」
「……。」
「梨華ちゃん?」
キキッと自転車が止る。
「え?」
「いや、こたえないからどうしたのかなぁ、って。」
「あ、ボーッとしてた、ゴメンね。」
「あはは!梨華ちゃんってたまにボーッとするよねー。」
ひとみちゃんはまた自転車を漕ぎはじめる。
「失礼ねッ!」
「あははー!」
「よっし!とうちゃーく。また来てね!」
「うん。」
毎日行ってるのに…その言葉がおかしくて笑った。
「ん?」
ひとみちゃんがジッと私の顔を見詰めてたから尋ねる。
「え?あ、なんでもない…。じゃまたね〜!!」
そう言うと、サッと自転車をひるがうえし、行ってしまった。
412
:
オガマー
:2003/01/23(木) 06:35
更新終了!
レスありがとうございます!!
>405 YUNAさん
自分も梨華ちゃんには頑張って欲しい一心です(w
>406 チップさん
なっちはたぶん話してくれません(爆
413
:
YUNA
:2003/01/23(木) 16:55
続きが、かなり気になるぅ〜〜
でも②、よっちぃ〜にはどんな秘密があるんだろぉ...
そこんトコも、かなり気になりますっっ。
414
:
名無しジェンヌ
:2003/01/24(金) 18:43
そうか…なっちは元ヤンなのかぁ(笑)
うん、自分も続きが気になりますねぇ…。
415
:
『POTATO』
:2003/01/25(土) 11:48
「こんにちわー。」
私がお店に行くと、もうひとみちゃんが一人で店番をしてるみたい。
店内には、いつもはかかっていない雰囲気のBGM。
「今日ははやいんだね。」
カウンターでコーヒーがおちるのを見詰めていたひとみちゃんに話し掛ける。
「今日、なっちさんいないんだよー。」
「そぉなの?」
私の頭には『二人っきり』って言葉が浮かぶ。
「これって…誰だっけ?」
カウンターの席に座って、BGMを尋ねる。
どこかで確実に聞いていて、だけど名前が思い出せない。
「ああ、カーペンターズだよ。」
「ああ。」
そうそう。
しばらくひとみちゃんと一緒にコーヒーがおちるのをジッと見詰めていた。
曲が変わる。
「〜〜〜♪」
ひとみちゃんがハナウタみたいに口ずさみはじめた。
私はそんなひとみちゃんを見詰める。
なんとなく寂しそうな表情。
416
:
『POTATO』
:2003/01/25(土) 11:49
私の視線に気付いたのか、ひとみちゃんは微笑んで
「この曲、切ないんだよ。」
と言った。
「人生の中で一番難しいのは信じ続けること。」
そう呟いて
「そうやってはじまるの。不完全な世界に完璧を求めてるって。」
そう言ってまた微笑む。
少し寂しそうに微笑むひとみちゃんに私はなんとなくかける言葉も見つからずに…
「私はなんて馬鹿だったのかしら!」
ひとみちゃんが顔の前で両手を組んでイキナリそう叫んだ…
「ビックリしたぁ…。」
「あはは!…そう簡単にいくといいんだけどねぇー。」
「……。」
ひとみちゃんが何を言いたいのか掴めない。だけど、その瞳はどこか寂しげで…
「梨華ちゃん何にする?」
「あ、うん。ミルクティーください。」
「オッケー。何?金欠?」
そう言ってひとみちゃんはクスクスと笑った。
417
:
『POTATO』
:2003/01/25(土) 11:50
ミルクティーが目の前にコトリと置かれる。
「今日はあっちで勉強しないの?」
ひとみちゃんは、私の指定席になりつつある席を指して言った。
「うん…たまにはゆっくりしようかなー、って。」
苦笑いになっちゃったかな…。
せっかく二人きりなんだから…もう少しだけひとみちゃんに近づきたい。
カーペンターズはさっきの曲とは違う歌を楽しげに歌っている。
「梨華ちゃんってかわいいよね…。」
「!?」
口に近づけた紅茶をあやうく零してしまうところだった…。
少し赤くなっているかもしれない顔をゆっくりと上げると、ひとみちゃんは朗らかに微笑んでいる。
「何よ?急に…。」
私は、紅茶に視線をおとして尋ねる。
「ん?そう思ったから言ってみた。」
息だけでひとみちゃんが笑う。
「なんか…梨華ちゃんと話してると、何もかも忘れそうになるよ。」
「へ?」
誤魔化すために紅茶を飲むという行為に集中していた私は、間抜けな声を上げた。
ひとみちゃんを見たけど、まるで何もなかったみたいに、棚から紅茶の缶を取って蓋を見つめて、それから揺らしてみたりしている。
418
:
『POTATO』
:2003/01/25(土) 11:50
私はひとみちゃんのそんな態度に口を開けなくなる。
今思えば、ひとみちゃんってそういう人かもしれない。
強引で、自分からみんなを引き寄せてるように見えるけど…ほんとは…
ひとみちゃんのペースは決して乱さない。
自分から近寄ることで、相手には踏み込ませない…
そんなところが…。
ボーッとそんなことを考えていると、すぐにミルクティーは底をついてしまった。
419
:
『POTATO』
:2003/01/25(土) 11:52
更新終了です。
レスあれがとうございます!
>413 YUNAさん
よっちぃの秘密はこれから明らかになっていく…と思いますよほ。
>414 名無しジェンヌさん
なっちが元ヤンかどうかはなっちとよっすぃ〜だけが知っている!?(w
420
:
YUNA
:2003/01/25(土) 14:29
更新、お疲れ様ですっっ。
あぁ、なんか切ないっす...
梨華ちゃん、諦めちゃ駄目だぞぉ〜〜!!
421
:
名無しジェンヌ
:2003/01/25(土) 20:18
よっちぃに、なにが??
続き気になります!
楽しみに楽しみにしてるんで、がんばってください!(0^〜^0)
422
:
『POTATO』
:2003/01/26(日) 12:20
「あー暇だな…。」
間が持たなくなって、私は勉強をはじめた。
一時間ほど経ったときかな?
ひとみちゃんがそう口を開いた。
「閉めちゃおっかなー…。」
「え?」
私は慌てて振りかえる。
「だって、お客さん全然いないし…。」
ひとみちゃんはカウンターに肘をのっけてそう言う。
「私、いるんですけど…。」
「ん〜、梨華ちゃん〜、客かぁ〜、そっか〜、客だったね〜。」
そう言ってほにゃりと笑った。
失礼な話しなのに怒る気がしないのはなぜだろう?
眠いんですか?ひとみちゃんは…
「じゃ、梨華ちゃんが客じゃなかったら閉めてもいーんだ!」
ひとみちゃんは顔の前でパン!と手を叩いた。
「ちょっと待ってよ!追い出す気?」
私は本気で焦る。だって、今のひとみちゃんの表情…やりかねないんだもん。
「違くてー、梨華ちゃんをウチが連れ出す!」
満面の笑みでひとみちゃんはそう言って…。
423
:
『POTATO』
:2003/01/26(日) 12:20
結局、店のドアには『CLOSED』の看板…。
なっちさんに怒られないのかしら?
と思ったけど、ひとみちゃんが「梨華ちゃんはやく!」と自転車に跨って呼ぶから駆け出した。
もう何度目かなぁ〜、こうやってひとみちゃんの背中に抱きついているのって…。
これも…『一方的』…。
胸が苦しくなるのを感じて…ひとみちゃんをどんどん好きになってる自分と…
ひとみちゃんのことをなんにも知らない自分を思い知らされる…。
「どこ行くの?」
私はほっぺたをその背中に寄せたまま尋ねる。
「ん?決めてないけど。」
「ふふ、変なの…。」
そんなひとみちゃんだって、かわいくて…
キキッ!
ブレーキの音が響いて、体が前のめりになる。
急にひとみちゃんが自転車を止めたんだ。
「どうしたの?」
河原沿いの道…
ひとみちゃんが呆然と見詰めているその先には…
カップル?嫌、違うのかな?ボーイッシュだけど、片方の子も女の子みたい…。
だけど、手を繋いでいるし…
私がそんなことを考えていると
「真希…。」
ひとみちゃんの小さな呟きが耳というより、彼女に寄り添っている体の部分から振動になって緩く伝わった。
424
:
『POTATO』
:2003/01/26(日) 12:20
河川敷を歩いていた二人の髪の長い方の子が、ボーイッシュな子の方に振りかえって…
だけど、その瞬間私達の姿を目に映したのだろう。
女の子は表情を無くしてしまった…。
私はパッとひとみちゃんに回してる腕を解こうとしたけど…ひとみちゃんに強く掴まれて、背中から腕を巻きつけたままの状態にされる。
ひとみちゃんがいいのなら、いーんだけど…。
胸の奥がギュッと痛いのはなんでだろうな。
女の子は、ボーイッシュな子の腕を掴んで何か話して、それからこっちに駆けてくる。
ひとみちゃんの横顔は困ってるみたいな複雑な顔してる。
「よしこ、久しぶり!」
はにかむみたいに笑って、苦笑いともとれなくもないけど…その女の子はそう言った。
「うん…。」
ひとみちゃんの明らかにいつもより低い声…。
私は、どうしていいかわからずに俯いた。
「彼女?」
女の子の言葉に顔を上げる。
咄嗟にひとみちゃんの顔を見上げた。意外なことに…いや、そうでもなかったかな…。
ひとみちゃんは頷いた。
「そ。あたしの時みたいなことしちゃダメだからね。好きな時は好きって態度とか言葉で示さないと、伝わらないときが絶対にあるんだよ。」
その子はそう言うと、河川敷にいる人に向かい手を振った。
「じゃ、行くね!」
「あ、うん。」
ボーッとしていたひとみちゃんがやっと表情を取り戻して、女の子の背中を見送った。
425
:
『POTATO』
:2003/01/26(日) 12:21
無言で自転車を走らせてるひとみちゃん。
私も何を話せばいいのかわからなくて、黙ってる。
「さっき、ごめん。」
「ん?」
「彼女、とか言って…。」
「ううん、いいよ。」
胸は痛かったけど…。
「真希…あの子は、ウチが前に付き合ってた子なんだ…。」
「そっか。」
鈍感な私にも、それくらい予想はついてた。
「ウチ…誰も寄せつけないみたいなところが昔からあって…。」
自転車を降りて、隣に並んで歩きながら話す。
「真希のことも…好きだって言葉も何もかも信じられずに…ウチは…。」
それだけ言って、ひとみちゃんは立ち止まる。
「彼女の幸せはウチじゃないところにあると勝手に思いこんで…それなのに、離れていく彼女を見てたら…。」
ひとみちゃんの頬を涙が滑り落ちる。
一筋だけ…
私は胸がキュッとなるのを感じながらも、見惚れてしまいそうになる…
「ウチ、やっぱ真希のこと好きだって…思って…ひどいことをした…。」
私は、ひとみちゃんの手をギュッと無意識に掴んでいた。
ひとみちゃんは少しだけ、反応して、言葉を続ける
「それなのに、真希は笑ったんだ…。なんで?って思った。そしたら…笑顔が全部さぁ〜…
誰の笑顔もさ…嘘にしか思えなくなった…。」
それだけ言うと、繋いでない方の腕でもう乾きかけの涙の筋をぬぐって、私を見た。
その瞳は今まで見たどのひとみちゃんの目よりも、寂しそうな色をしていて…。
私はまた無意識に手に力を込めた。
「そんなウチをさ、全部知ってていいよ、って言ってくれたのがなっちさんだったんだ…。『信じられない』って言っても、それでもいいよ、ってあの人笑って…。」
「そっか…。」
私はやっと言葉を発することができた。
ひとみちゃんは私の言葉に笑顔で頷いた。
「あ゛ー!なんかカッコワルイなー。」
ひとみちゃんはいきなりでっかいドスの聞いた声でそう言って照れくさそうに笑う。
「そんなことないよ。」
私がそう言ったら、ひとみちゃんはニヤリと笑う。
そして、繋がれたままの手をかざした。
「あっ!」
私は急いで手を解いた。
バレちゃったかな?なんて焦っていると
「ありがと。梨華ちゃん。」
ひとみちゃんは優しい笑顔でそう言っただけだった。
426
:
『POTATO』
:2003/01/26(日) 12:21
〜〜〜〜〜〜♪
「ゲッ」
着信が鳴って、ひとみちゃんはポケットからケータイを取り出した。
「なっちさん。」
私に苦笑いを向ける。
「もしもーし、え?…あ、はぁ……すみません…今すぐ帰りまぁーす…はい。」
ひとみちゃんはバツの悪そうな顔を私に向けた。
「店の電話が繋がらないからってバレちゃった。」
ひとみちゃんは舌を出してそう言った。
私はその仕草にクスクスと笑って…
結局ひとみちゃんは私を家まで送り届けてくれた。
「少し一人になりたい…。」
そう言ったから、私も素直に従った。
楽しい話しを選んで話した、それはひとみちゃんのマメ知識で変なダジャレつき。
私のこの笑顔はきっと、嘘じゃないよ、ひとみちゃん。
抱きしめた腕に込めた気持ちが、いつ伝わるかはわからないけれど…。
427
:
オガマー
:2003/01/26(日) 12:23
更新終了でーす。
レスありがどうございます!!
>420 YUNAさん
梨華ちゃん、諦めないで!(w
>421 名無しジェンヌさん
よっちぃの謎…解けましたかな。
次回、最終回。
428
:
YUNA
:2003/01/26(日) 14:25
更新お疲れ様ですっっっ!!!
ってか、切なぁ〜っ...
ホント、梨華ちゃんと一緒になって...
胸がキュっとなってしまいました。(笑)
次回、最終回なんでですかぁ!?
楽しみにしていますっっっ!!!
429
:
名無しジェンヌ
:2003/01/27(月) 01:38
切ない。切なすぎるぅ!!
うぅ…よっちぃ…(涙
はあ……最終回ドキドキしてまっています。
430
:
『POTATO』
:2003/01/27(月) 21:03
なんとなく、重い心とは裏腹に、『POTATO』の扉は羽根のように軽く開いて…
中で迎えてくれたなっちさんの笑顔と「いらっしゃーい」って声は、さっきまでの気持ちを
一気にかき消してくれた。
「おはよーっす!!」
「おはよー。」
背中越しに今日は漫才みたいなのはないんだ、なんて思いながらボンヤリとアイスティーを口に運んだ。
「じゃ、頼んだぞ、よっすぃ〜、君じゃ心配だけど。」
「なっ、大丈夫ですってぇ!」
私はチラッと振りかえってその様子を見る。
ひとみちゃんがバシッとなっちさんの肩をはたいて、なっちさんは「いたっ」なんて言いながら少し前のめりになる。
なっちさんなら大丈夫なんじゃないかな、って思った。ひとみちゃん、すごく楽しそうに笑ってるの気付いてる?
私は…どうなんだろう?
「あっ、梨華ちゃんじゃーん!…なんつって。」
ひとみちゃんがおどけながら向かいに座ってくる。
「昨日はありがと。」
「ううん。」
私は…せつなかったけど、ひとみちゃんが打ち明けてくれたこと、嬉しかったんだよ。
「梨華ちゃんいてくれて助かった。」
「そ?」
「うん。で、気付いちゃったんだよねー。」
「ん?」
「梨華ちゃん、」
ひとみちゃんが急に笑顔を消して真剣な目をする。
私は無意識に背筋を伸ばしてしまう。
「梨華ちゃんのこと好きになっていいかな?」
…え?
目の前でひとみちゃんはフワッと笑顔を浮かべて…
「ってかかなり好きになっちゃってるみたいなんだけど。」
混乱している私をよそにはにかみながら続ける
「駄目?」
私はその言葉にブンブンと顔を横に振った。
きっと真っ赤なんだろうな…それでもいい。
その方がわかるでしょ?私が…ひとみちゃんを好きだって…。
「あははっ!かわいい…。」
ひとみちゃんがとっても優しい目をして私を見るから、私はもっともっと顔が熱くなるのを感じる。
431
:
『POTATO』
:2003/01/27(月) 21:03
まだまだ知らないことばかりだけど…
そんなことはきっとカンケーないんだと思う。
そうでしょ?ひとみちゃん。
だって、これから私の側にいてくれるのよね?
私はひとみちゃんが好き。
その気持ちだけはほんとだから。
きっと、うん。大丈夫っ!
完全な恋などないからもっともっと側にいたいのよ…
完全な恋などないから…もっときっと貴方を好きになってくわ…。
不完全な世界で出会った私達二人の不完全な恋は今、はじまったばかりだもの。
fin.
432
:
オガマー
:2003/01/27(月) 21:06
更新終了。完結です。
やっぱ昨日全部うpするんだったかな…。
レスありがとうございます!!
>428 YUNAさん
>429 名無しジェンヌさん
短くて申し訳ないです…。
切なくなって頂けて本望でございますです。
433
:
チップ
:2003/01/27(月) 23:05
信じてた、信じてたよ、よっすぃ〜
気づくの遅すぎでデコピンしてやりたいぐらいですが
よかったです。次作も楽しみに待ってやす♪
434
:
YUNA
:2003/01/28(火) 15:33
いかったねぇ、梨華ちゃ〜ん!!!(泣)
やっぱ、「いしよし」ですねっっ!!!
次回作、楽しみに待っていますっっっ!!!
435
:
名無しジェンヌ
:2003/01/30(木) 13:26
番外編はありますか?
とか言ってみたりする(w
甘くてよかったです!!
次回作ももちろん期待しています!!
436
:
名無しひょうたん島
:2003/02/09(日) 14:14
新作キボン!!
437
:
オガマー
:2003/02/14(金) 14:00
新作新作。
と、その前にレスのお礼を。
>433 チップさん
(0^〜^)<へへへ
でこぴんされてもきっとこうやって笑うだけでしょう(w
>434 YUNAさん
いしよし中毒ですからね。
しかももう末期(w
>435 名無しジェンヌさん
どうも、作者は番外編をつくる、ということが苦手みたいです、はい。
>436 名無しひょうたん島
ありがとうございます(w
ではでは、新作を。
438
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/14(金) 14:01
「真希ちゃん!!真希ちゃん!?」
ダラリと力を失くした体を支えながら、甲高い震えた声か何度も何度も腕の中の少女の名前を呼んでいる。
「揺らしちゃ駄目だよ…。」
遠く救急車のサイレンが聞こえ
気の良さそうな初老の男性が、か細い少女の肩にそっと、触れた。
◇
涙で腫れた瞼。
梨華はほのかな緑色の光の中で、自分を抱え込むように腕で抱きながら、体を震わせていた。
遠くから聞こえてきた複数のバラバラとした足音に少しだけ顔を上げる。
その足音は自分の側で立ち止まった。
40代ぐらいの女性に顔をうかがわれて梨華はぽつりと、すみません…、と呟いた。
「真希…真希は?」
梨華はその女性の顔をぼんやりとした視線で見詰めることしかできなかった。
途端に泣き崩れる女性。
「まだ、手術中なんだから…。」
どこか落ち着いた低い声が響いて、その女性の肩を抱きしめた。
女性は真希の母親であろう。
隣の背の高いショートの女の子は?
そんな疑問はどこかに流れ、
まだ震えるままの体を抱えながら、梨華は赤く止ったままのランプがおちる瞬間を祈るような気持ちで待った。
439
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/14(金) 14:01
ウィーン
自動ドアの開くにぶい音。
「先生!」
真希の母親は出てきた男の医師に駆け寄る。
医師は少しだけためらって、看護婦を見た。
「大丈夫ですよ、先生の方からお話があるので来ていただけますか?」
看護婦の優しく宥めるような言葉に、うろたえながらも頷いて、母親は連れられて行ってしまった。
梨華はその様子を呆然と見送り、たぶん助かったであろう真希に、瞬間的に体の力が抜ける感覚を覚えた。
「え!?」
近くで響いた声。
すぐにその腕に包まれた気がした…。
◇
「ん…。」
薄く目を開くと、朝のまだ薄暗い光でさえ、梨華の目には眩しく感じた。
瞬間、不安に思ったことでさえ、夢ではないかと思ったが、見渡す不自然なほどに白い部屋がそれが夢ではないことを伝えた。
「あ、目ぇ覚めた?」
「…。」
ドアの向こうから顔を覗かせた影。
昨日、真希の母親と一緒に駆けつけてきたあの少女だった。
440
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/14(金) 14:02
「あの…。」
梨華が口を開こうとした瞬間
「あんた倒れたんだよ、それは覚えてる?」
梨華の呆然とした表情に勘違いをしたのか、そんな説明をほどこしてくれる。
「はい…。」
「そ、あ、真希のこと?」
少女にそう問われ、梨華は頷いた。
「真希は、寝てる。」
梨華はその言葉を聞いて幾分が安堵した。
「でも、起きないんだ…。」
その瞬間、トーンを落としたその少女の声が不自然なほど静かな病室に響き渡った。
441
:
オガマー
:2003/02/14(金) 14:03
更新終了。
このくらいの量で更新していきたい所存でございます。
よろしくお願いします(w
442
:
名無しひょうたん島
:2003/02/14(金) 19:16
新作キタ━━( ^▽^)━( ^▽)━( ^)━( )━(^0 )━(〜^0)━(^〜^0)━━ !!!!!
楽しみにしています!
これから、これからですね!
がんばってください!
443
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/16(日) 08:42
「!?起きないって?」
ガバッと体を起こした梨華は少し眩暈のようなものを覚えたがそんなことは気にせず、噛みつくような勢いで少女に視線をぶつける。
「落ちつきなって。」
少女はなんの感情も持たないような顔で、梨華の肩を掴んで、もう一度ベッドに横たわらせた。
「まだ、ちゃんとした検査してないからわからないんだけど、意識が戻らない…。」
梨華が先ほどから持っていたこの少女の妙に冷静な態度に対する疑問は、その言葉でかきけされた。
語尾が少しだけ、少しだけだけれど、震えて聞こえたから…。
そのせいか妙に落ちついてしまった梨華は、ぼんやりと天井を眺めた。
444
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/16(日) 08:43
◇
「石川さん、いつでも来てくれていいからね。」
真希の母親はそう笑顔で自分に言ってくれた。
何故、あんな言葉が口をついたかわからない。
『あんた、真希の何?』
『…好きなの。』
少女は少しだけ驚いたように、言葉をつめて
『彼女?』
と聞いた。
お見舞いに来たいという、単純な気持ちからだった。
微かに頷くと、ひとみはそれを見逃さなかったようだった。
少女の名前は、ひとみ。
真希とは義理の姉妹らしい。
梨華は、頭の中をぐちゃぐちゃに混乱させながらも、病院を出てタクシーを拾った。
梨華は、真希の彼女、なんかではなかった。
それどころか、しゃべったのも昨日がはじめてだった。――――――――
中間の点数がよくなくて、ボーッとしていた梨華に後ろから声がかけられた。
「これ、先輩の?」
梨華は振り返ってドキッとする。
そこには、笑みを浮かべた真希が、小さなアフロ犬のついたキーホルダーを掲げて立っていた。
梨華は真希を知っていた。
そして、ほんとにわずかではあるが恋心のようなものを抱いていた。
真希は、その容姿の所為で高校内でも知らないものはいなかったので、梨華は遠くからたまにその姿を発見する程度のものだったのだけれど。
「ありがと…。」
小さな声で返事をすると
「どー致しまして。」
優しい笑顔がそう言った。
隣に並ばれて、しなくてもいいような意識を過剰にしてしまう自分。
そんな自分を抑えようと、俯いていた。
「青だよ?」
笑いの含んだ声にそう言われて、顔を上げた瞬間だった。
横から迫ってきた大きな影に真希は――――――‐
445
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/16(日) 08:43
慣れたアパートの前で、梨華は重い、重いため息を吐いた。
混乱してる頭はそのままだ。
一人暮らしのせいで妙に響く鍵の音さえ頭には入ってこないほどだった。
「私のせいだ…。」
その声は自分の物だはないような感覚さえ梨華に覚えさせ、
どんな感情も梨華はその表情に出すことをせずに何度も蘇るそのシーンに首を振って、
ベッドの上で静かに呼吸をしているだけだった。
446
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/16(日) 08:44
更新終了!
>442 名無しひょうたん島さん
ありがとうございます!
まだ期待から更に逸れてしまったような・・。
(w
447
:
名無しひょうたん島
:2003/02/16(日) 22:15
痛い系?キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
甘々もいいけど、痛いのも好きです!
楽しみにしています!ガンガッテください!!
448
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/17(月) 08:08
「石川梨華さん知ってる?」
ひとみは真希と梨華の通っている高校の門の前にいた。
出てくる、2年生らしき生徒に手当たり次第に声をかけるのだけど、その生徒も結局曖昧に首をかしげるだけだった。
(地味な生徒なのかね?)
黒髪ストレート。メイクも全然してないその風貌から、薄々は感づいていたけれど…。
「あの…。」
後ろから躊躇いがちにかけられた声にひとみは振りかえった。
肩までの髪の制服を着た少女。
2年生だろう。
「梨華ちゃんに何か?」
「石川さん知ってるの?」
頷いた少女にひとみはホッとした。
「あの、どちらさまですかね?」
「あたし?あたしは…」
ひとみは答えに困ってしまう。
「友達なんだけど、連絡が取れなくて。」
怪しまれてもなんなので、スルスルっと嘘を口から滑らせた。
449
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/17(月) 08:09
「ああ、梨華ちゃんずっと学校休んでるから…。」
少女は納得したような顔でそう言う。
「そーなの?」
「ケータイにかけても繋がらないし。」
「あの、よかったらなんだけど、住所教えてくんない?」
「え?」
怪訝な顔を浮かべられる…と思いきや、その生徒はすぐに住所を教えてくれた。
どうかとも思うけど、とりあえずは感謝の気持ちを伝えて、梨華の住んでる場所へと足を動かす。
「はぁ…。」
ひとみはため息を一つ吐いた。
そもそも、こうやってひとみがわざわざ出向く理由がひとみには納得できない。
午後の授業をサボらせてまであの母親は何を考えているのだろうか…。
今の真希とひとみの母親は、真希とは血の繋がりがない。
つまり、ひとみは母親の連れ子で、真希は父親。
その父親はアメリカにいる。
医師の話しによると、意識は戻ってもいいはずだというのだ。
真希が寝たきりなのにハッキリとした原因はないらしい。
ひとみが緊迫した空気をなごまそうと、『真希は万年寝太郎だから、そのうち普通に起きるんじゃん?』と言ったら母親に頭をしばかれた。
そのことを思い出してはまた一つため息をついた。
450
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/17(月) 08:10
『石川さんなら…』
母がそう言った。
医師の話しでは、なるべく親しい人なんかが側にいた方が目が覚めるキッカケに繋がるかもしれない、とそういうことで…。
ひとみは大して効果はないのではないかと思ったのだが、母親に促されるままにこうして梨華を探す任務を仰せつかったのだった。
「ここかな?」
ひとみは古くも新しくもないアパートの前で足を止めて、壁に張りつけてある住所と生徒手帳にメモっておいた住所を照らし合わせる。
「ここだ…。」
なんとなく進まない気持ちで階段を上り、『石川』とだけかかれた表札のあるドアの前で立ち止まる。
(あの子なんとなく苦手だしなぁ…。)
躊躇いがちに少しアナログなインターホンを押した。
しばらく反応がなく、もう一度ボタンに手を伸ばそうとした時だ。
ガチャ−
音がして、少し目を丸くしている梨華が中から出てきた。
「どうしたんですか?」
「…それはこっちのセリフだよ。」
梨華のボサボサの頭と、ジャージにTシャツという格好に少し気をとられながらも、ひとみは気だるくそう答えた。
451
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/17(月) 08:11
「とりあえず入れてくんない?」
ドアノブに手をかけたままの状態の梨華にそう言う。
「あ、どうぞ…あっ…ちらかってますけど…。」
そう申し訳なさそうな声が響いて…。
入った部屋はほんとにちらかってた。
「どんな生活してんのよ…。」
ひとみはあきれながら、申し訳程度に開いたスペースのテーブルの側に腰掛けて、側に重ねられたカップメンの容器をチラッと見た。
「なんか…どうしたらいいのか…。」
梨華は小さな声でそうとだけ答えた。
「アンタさ、ほんとに真希の彼女?」
「は!?…はい、そうですけど…。」
今更嘘でしたなんて言う勇気がなく、梨華はボソボソとそう答えてしまう。
その様子にひとみは首を少しひねる。
「真希ってもっと派手なのがタイプだと思ってたけどな…。」
そう言って、足を伸ばし後ろに手をついたひとみに梨華は少しだけムッとした。
「あのぉ…。」
またもや申し訳なさそうに梨華が声を発する。
「ん?」
「今日はなんで?」
「あっ、あ、そうだった。」
ひとみは梨華の態度と部屋に気をとられていたせいで肝心の用件をスッカリ忘れてしまっていた。
「アンタ連れて来いって母親がうるさくてー。」
ひとみはそう言った後、梨華をジロリと睨んだ。
「そんな顔しといて結構薄情だよね、アンタも。」
「そんな顔って…。」
「だってさー、恋人が入院してるのに2週間も顔出さないなんて。」
どうでもいいような声でひとみは言う。
「それは…。」
梨華だって何度も行こうとは思った。
だけれど、自分のせいでああなってしまった真希…それに嘘をついている自分のこと…。
どちらかというと、後者が病院に行こうという意識を梨華から遠くへ追いやっていた。
452
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/17(月) 08:12
「ま、なんでもいいから来てくれない?」
「…真希ちゃんはあれから…。」
「心配なんなら、もっとはやく来ればいーじゃんー。もぉ、あたしがこんなとこまでこさされてさぁ…。」
ひとみは梨華の態度に痺れを切らした様子。
だけど、梨華もすぐ頷くわけにはいかなかった。
もしも…、真希が目を覚ましていたのなら、自分が行くことは絶対にできない。
「まだ、眠ってるんですか?」
「うん。」
少しトーンを落とした声をひとみがそう言ったことに対して、ほんの少しだけれど安堵の気持ちが胸に沸いてしまった自分に物凄い嫌悪感を感じてしまった…。
「どーでもいいけど、クーラーつけないの?」
「あ、ごめんっ。」
「あ、いーいー。さっさと着替えてもう行こう。」
リモコンを手に取った梨華にひとみはそう言う。
「着替え…。」
「もぉ、何よ?女同士だし別にいーじゃんー。」
上目使いで自分を見てきた梨華にひとみは、しょうがくなく後ろを向いた。
453
:
オガマー
:2003/02/17(月) 08:14
更新終了!
レスありがとうございます!
>447 名無しひょうたん島さん
あんまり痛くはならないかもしれませんが(w
楽しみにしていただけると嬉しいです。
454
:
YUNA
:2003/02/18(火) 14:59
新作ですかっっっ??
切ないですっ...
続き、めちゃくちゃ楽しみにしていますっっっ!!!
455
:
名無しひょうたん島
:2003/02/18(火) 15:40
新作っすね!
お待ちしちょりましたです。
タイトルを見た時、あれ?と思ったんですが・・
もしかして、元ネタありですか?だとしたら、あれはすごく好きな作品なので
うれしいです。
456
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/18(火) 20:41
「もう、さっさとはいんなよー。」
病室の前で立ち止まった梨華の尻にひとみが鞄をバンバンとぶつける。
そして、梨華を追い越して病室に入っていく。
すれ違いざま「ほんとどんくさいんだから。」
と言い捨てて…。
さっきも、着替えの途中にスカートに足を引っ掛けて転びそうになった梨華を見ているため、ひとみの頭には梨華=どんくさいのイメージがついてしまったらしい…。
梨華は逃げ出したい気持ちになる。
ほんの数メートル。その距離がこんなに重く感じたことは生まれてこれまで経験したことのなかった気分だ。
「あら、来てくれたのね、いらっしゃい。」
暗い顔で病室に入った梨華にひとみの母親は笑顔で挨拶をした。
「はやくこっちきなよー。ほんとどんくさい。」
…いちいちひとみに腹を立てながら、梨華は中央のベッドで寝息を立てている人物に目を奪われる。
その姿を目に捕らえた瞬間に涙が零れてしまった。
457
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/18(火) 20:42
ひとみも、母親も、しばらくその様子にぎょっとしていたがやがて申し訳なさそうに母親が口を開いた。
「ごめんなさいねぇ…。貴方の気持ちもよく考えずに呼びつけたりしちゃって…。」
「いえ…違うんです…。」
梨華は何故涙が溢れるかの理由さえ掴めてない頭でそれだけ言った。
ひとみはその様子を呆然と見詰めていた。
「落ちついた?」
ふいに声がした方を梨華は振り返る。
あのまま梨華は病室を飛び出してきていた。
ガタン
ひとみが近くにあった自動販売機でコーヒーを買う。
「疑ったりしてゴメン…。」
「え?」
ひとみが背中合わせのソファーからそう言ってきた声に慌てて顔を上げる。
「いや、ほんとに彼女?とか…。」
梨華はその言葉に一層心を重くした。
「ううん、いいの、謝らないで…。」
「真希もさ…目が覚めたとき、アンタいた方が絶対喜ぶから、暇な時は病室きてやってよ。」
立ちあがったひとみがそう言う笑顔は梨華には眩しいぐらい優しかった。
その背中を見詰めながら、なんとなく暖かくなる気持ちと同時に胸押し寄せる罪悪感は何倍にも膨れ上がった気分だった…。
458
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/18(火) 20:42
「ちょっとオバさんに似てません?」
「また!そんなこと言っちゃってー。」
嬉しそうに微笑む母親と梨華。
再放送のテレビドラマを見ながらの会話。
「あ、私りんごでも剥きますねっ!」
「あら、ごめんね。」
その言葉に笑顔だけで返す梨華。
その様子をひとみは少し離れて微笑みながら見ていた。
梨華が病室に毎日顔を見せるようになって2週間になる。
ひとみが呼びに行ったあの日から一週間は結局、梨華は現れなかった。
しかし、何を思ったのか、フラリと病室にやってきた梨華が目にしたのは少し疲れた様子の真希の母親の姿だった。
梨華の中、ちょっとした意志が固まった。
『自分のせいとか言って、何もしていなかったじゃない』『私は目を逸らしてただけだ』
梨華は母親の負担を少しでも軽くしてあげようと気合を入れて、毎日病室に通うようになっていた。
459
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/18(火) 20:43
「ひとみちゃんも食べる?」
真っ直ぐに自分に向けられた笑顔にひとみは顔を逸らして頷いた。
ひとみ自信、焦っていた。押し寄せる気持ちに…。
ここ数日、梨華のことが気になって仕方ない自分がいる。
ひょっとしたら2週間前に、ここに訪れた梨華の気丈な態度を見てからかもしれない。
つい、一週間前に会った時には、あんなに脆そうなイメージだったのに…。
そのギャップにおろおろしているうちにどうやら恋心が巣くってしまっていたようだった。
そう、普通に目を合わせることもできないほどに…。
でも、梨華は真希の彼女…。
ひとみは胸の痛みに静かに目を瞑って、りんごを一つ手にとる。
「毒入ってんじゃねぇ?」
「何よぉ。」
自分を見る梨華のうれしそうな視線を遮りたくて、ひとみはムリヤリにからかう仕草を見せる。
「そんなことないわよ!おいしいでしょお?」
そうしても、つっかかってくるそんな仕草もかわいくてたまらなく見えてしまう自分は、かなりハマってしまっている、という事実を胸に刻みつけるだけだった。
「うん、…おいしい…。」
素直にそう言えば、梨華はもっとかわいらしくてたまらない表情を浮かべて、ひとみに微笑むから…。
460
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/18(火) 20:43
「そろそろ帰るわ…。」
「え、もう帰っちゃうの?」
そうやって投げかけられる梨華自身はなんら意識してないだろう言葉にも、少しだけ胸がギュッとなってしまうから…。
だからいられない。
ひとみは、後ろ手にヒラヒラと手を振った。
「愛想のない子でごめんねぇ〜。」
ひとみの母親は梨華にそう言って、梨華は苦笑いになりそうな笑顔を浮かべた。
(なんであんなにそっけない態度しかとれないの?ひとみちゃんって…。)
子供っぽいイライラをりんごをかじって誤魔化した。
461
:
オガマー
:2003/02/18(火) 20:46
更新終了!
レスありがとうございます!!
>454 YUNAさん
切ないスかぁー。
よかった(w
いや、よくないんだけど、作者的にはよかった(w
>455 名無しひょうたん島さん
元ネタ有りっス。でも、設定だけであんまりかぶってないよーな
気がします。たぶん(w
私もあれ好きなんれす(w
462
:
YUNA
:2003/02/19(水) 14:49
更新お疲れさまですっっっ!!!
意地悪なよっちぃ〜...
梨華ちゃん、早く気付いてあげてぇ〜〜
463
:
名無しひょうたん島
:2003/02/19(水) 18:53
勇気を出して、初カキコ!
ちょっと来ない間に新作始まってた〜〜〜〜!!!
オガマーさんの書く梨華ちゃんって、かわいいですよね
どこで見ても思います。
切なく甘いのが、いいですね。
464
:
チップ
:2003/02/20(木) 01:54
イタタタタタタ…アタタタタタタ…
なんて言っていいのやら、よっすぃ切ないよぉ。
痛い…読んでて胸がとっても痛い……
オガマーさん助けて。愛を下さい、私に。嘘でもい(以下暴走の為自粛
465
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/20(木) 13:42
ひとみは病室の前で足をとめた。
性懲りもなく、梨華に会いたくて来てしまう自分にあきれながら病室を覗くと、
梨華が苦笑いを浮かべて真希に何やら話しかけている様子だった。
コツン
わざと、手の甲をドアにぶつけた。
聞きたくない、と言うのが1番の理由…。
梨華はひとみに気付いてパッと笑顔になる。
それを見てひとみは胸が押しつぶされそうな気持ちになった。
「はやく、目覚めて欲しい?」
自分の声が自分の物でないような気がした。
だって…心のどこかで目を覚まして欲しくないと強く願う自分がいるのだから…。
好きなはずの真希…目を覚まして欲しくないわけはないのに…。
そんな感情に少し目を伏せる。
「それはそうだよ。」
梨華は苦笑いでそう答えた。
「ひとみちゃんだってそうでしょ?」
「あ、うん…。」
ひとみも苦笑いを浮かべる。
466
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/20(木) 13:42
「真希ちゃんに謝らなくちゃイケナイ…。ちゃんと起きたらごめんね、って。」
泣きそうな顔でそうつぶやく梨華を見て、ひとみは自分の中の衝動を抑えられなくなる。
スッ、と伸ばした手で梨華の華奢な体を引き寄せた。
「ど、どうしたの?」
急にひとみに抱きしめられて、梨華は驚いた声を上げる。
「…あーんまり情けない顔してるからさー、ちょっとからかってやろうかなぁ?って。」
ひとみは笑いを含んだ声でそう言うと、微かにギュッと力を込めた後、梨華にまわしていた腕をほどいた。
「あたし帰るわ。」
「え?ちょっ…。」
梨華はそう言ってそそくさと帰っていってしまうひとみの背中を目で追いながら、
自分の心臓が妙に高鳴っていることに呆然としてしまった…。
「あっ!」
そう言って、少し遠くで振り向いたひとみにドキッと心臓が飛び跳ねる。
「あたし、しばらく来れないから…。」
ひとみは笑っていた。
梨華は胸がギュウ、、っと押しつぶされそうな感覚を覚えたけど、追いかけることはできなかった。
(私…どうしよう…。)
ひとみに芽生えていたらしい恋心に梨華が気付いた瞬間だった…。
467
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/20(木) 13:43
あれから、ひとみはほんとに真希の病室にやって来なくなった。
気になって梨華が母親に聞いたが、勉強が忙しいなんてめずらしいことを言ってた、なんて笑って答えられた。
どうしても、どうしても、確かめたかった。
真希の側にいても、居心地の悪い気分だけが胸を締め付ける。
ひとみに会わなければならない、そう思って梨華はこの場所までやって来た。
「ひとみちゃん!」
梨華が校門の側でそう呼びかけると、地面を見詰めていたひとみはバッと顔を上げた。
「梨華…。」
呆然と梨華を見詰める。
「え、なんかあった?」
ひとみは梨華の方に小走りで駆け寄ると、生徒の邪魔にならないように、腕を取って歩くように促しながら尋ねる。
「えっと…、」
梨華は何故だか、立ち止まって言葉を詰まらせる。
「そこ、はいろっか?」
ひとみは、その様子から何かを感じたのか、路を挟んだところにある喫茶店を指差し、梨華を促した。
468
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/20(木) 13:43
「で、なんかあったの?」
梨華は困っていた。
まさか、ひとみに会いたくて来た、とはいえない。
さっき校門前で「どうしたの?」と聞かれたときにはじめてそこに気付いた。
「梨華?」
ひとみが心配そうな声を出して顔を覗きこんでくる。
「今日はなんか優しいね。」
梨華が微笑んでそう言うと、ひとみは照れたように視線をはずした。
「なんも用ないなら帰るけど…。」
梨華は焦る。もう少し、話していたい。
こうして会っていると、ほんとにひとみが好きになっていると実感してしまった。
「えーと、真希ちゃん!真希ちゃん、いつ起きるのかなぁ?」
二人の共通の話題と言えばそれしか思いつかなかった。
ひとみはその言葉に顔を曇らせる。
「知らない…。」
「あ、ごめん。そうだよね…。」
少し興奮して、触れて欲しくないところに触れてしまった、と梨華は後悔した。
しかし、後ろめたい気持ちがあるからこそ、上手いいいわけなんて見つからないものである。
469
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/20(木) 13:44
「ふふっ。」
ひとみがそう笑ったので梨華は俯いていた顔を上げる。
「?」
目だけで問いかけると
「いや、梨華かわいいな、と思ってー。」
からかうようにひとみが言う。
「……。」
「ん?梨華?」
「帰る…。」
「は?」
「じゃ、またね…。」
「は?え?もう?ちょっと待って!」
レジに歩いて行く梨華をひとみも立ちあがって追う。
結局、割り勘で会計を済ませて、二人で店を出る。
「なんか怒ってるの?」
ひとみは梨華の一歩後ろを追いかけながら、尋ねる。
と、梨華が立ち止まった。
「別に怒ってない。ごめん…。ほんとに帰るね。」
梨華は笑顔でそう言うと、小走りに駆けていってしまう。
「なんだ?」
ひとみは納得いかない顔で梨華の背中を呆然と見送った。
470
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/20(木) 13:47
更新終了!
レスありがとうございます!!
>462 YUNAさん
いつもありがとうございます。
梨華たんがっ!!(何
>463 名無しひょうたん島さん
初カキコれすか♪
ありがとうございます。嬉しいですよほ
>464 チップさん
愛ですか。どうぞ( ‘д‘)<ウチかい!
スンマセンスンマセン
次回、最終回のヨカム!!
471
:
YUNA
:2003/02/20(木) 14:50
更新お疲れさまです。
梨華たんがぁっ...!?
早く気付いてあげてっ、よっちぃ〜〜っっっ!!!
次回、ラストですか??
楽しみにしてますっっっ!!!
472
:
名無しひょうたん島
:2003/02/21(金) 15:55
次回最終回ですか…。
すんげー楽しみにしています。
ワクワクワクワクしています!!
473
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/22(土) 20:38
ひとみはその足で、結局病院に向かった。
梨華の不可解な行動で真希のことがふと心配になった。
病室には誰もいなくて、真希の顔が窓から差しこむ西日に照らされていた。
「あつそーだね。」
ひとみは呟いて、そっとカーテンをひいた。
「ってか、なんで…あんなかわいい彼女いるなら、紹介しないのさ。家に連れてきたりとか…。」
ひとみはベッドの側の椅子に腰掛けて真希に話しかける。
「あ、そっか。あたしがライバルになると困るもんね…。ごめん…。諦めるから…。」
ひとみは、そう言うと、ベッドに肘をついて顔の前で腕を組み、何かを遮るようにギュッと目を瞑った。
(あー、なんで涙なんか溢れそうになるんだろ…。)
「…ん…。」
ふと、側から聞こえた声にバッと顔を上げる。
「真希…。」
声が震えた。
真希の瞼がピクピクと動いてる。
「真希!?」
ひとみは真希の名前を呼ぶと、急いでナースコールをした。
474
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/22(土) 20:39
ひとみは迷っていた…。
公衆電話の前、
真希の意識は戻った。すぐにまた眠ってしまったが、医師の話しだと、もう眠り続ける心配はないらしい。
明日、きちんと検査も行われるらしい。
梨華に連絡をいれるべきかどうか…。
嬉しいはずなのに…胸が苦しくてしょうがないのは…。
結局、すぐに母親が迎えにきて…
ひとみが梨華に連絡を入れたのは、翌日だった。
475
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/22(土) 20:40
来る時が来たのだ…。
梨華は緊張で胃が痛くなるのを感じた。
病室の前、大きく深呼吸する。
『真希の目が覚めた!来て!!』
ひとみからメールが入って、すぐに駆けつけた。
どっちにしろ、こうなる瞬間はくるとわかっていたはずじゃないか。
何よりも、真希の無事を確認したい気持ちが先に立った。
それから…増え続けていた罪悪感からも…逃れたかったのかもしれない…。
例え、仲良くなったひとみと母親の信用を無くすとしても…
ひとみに…嫌われてしまったとしても…
ガラッー
「梨華!」
ひとみがすぐに名前を呼んだ。
梨華はつくり切れない笑顔を浮かべながら、ベッドで首だけ起こしているその人物に目をやった。
「あー。」
真希は体こそ、ベッドに横たえたままだったけれど、以外と元気そうな声でそう言った。
ひとみがジッと顔を伏せる。
梨華は、そっとベッドの側に歩み寄った。
「よかった。ごめんなさい…私がボーッとしてたせいで…。」
「あははっ!心配して来てくれたの?後藤の不注意でもあったんだからさー、先輩には悪いことしちゃったね。」
「ううん。ほんとに悪いのは私だから…じゃ帰るね…。」
「え!?」
そう声をあげたのはひとみだった。
「ひとみちゃんも、今までありがとう。」
梨華は泣きそうな微笑みになりながら、そう言って病室を出ていった。
476
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/22(土) 20:41
「ひとみ?」
呆然とその様子を見つめていたひとみを真希が呼ぶ。
「なんで?え、彼女なんでしょ?」
「ん?誰が?」
「は?」
(これでよかった。全部、私のせいなんだもんね…。これでよかったんだよね…。
なんで涙なんて出てんだろう…。もうせめて一人になるまで我慢してよー私っ!)
梨華は病院の正面玄関を伏し目勝ちに通りぬけながら、溢れ出る涙をしきりに拭っていた。
人通りもまばらになった道で、見上げた空は青い。
ふいにひとみの優しい笑顔を思い出した。
なんで…
梨華は考えそうになってブンブンと頭を振ってまた歩き出した。
「梨華!!」
ふいに背後から聞こえたその声に心臓が高鳴る。
近づいて来る足音に振りかえることができない。
すぐ近くでその足音は止って…
梨華が罵声を浴びせられると思い、目を閉じた瞬間だった…。
スッと何かに包まれる気配を感じて目を開けた。
477
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/22(土) 20:41
「…ひとみちゃん?」
ひとみが梨華を後ろから抱きしめた。
「あのさー、悪いけど、真希は梨華のこと好きでも嫌いでもないって。」
梨華は頭にハテナマークを浮かばせたまま、うるさい心臓の音を聞いている。
「だから、聞いたんだよね…、あたしが梨華貰ってもいいの?って…」
「!?」
梨華は顔を上げて、少し緩くなった腕を解いてひとみを見た。
「好きだったんだ…。」
ひとみは少しはにかんだ笑顔を浮かべてそう言った。
「……っく…。」
涙腺が緩んでしまっている梨華は自分でもおかしいほどポロポロと涙を零した。
「え゛?嘘っ、なんで??」
急に泣き出した梨華にひとみはおろおろしている。
梨華はそのまま、ひとみの胸に寄りかかって
「私も好き…。」
「ほんとに!?」
ひとみは嬉しそうな声をあげて、梨華をギュッと抱きしめた。
478
:
あなたが寝てる間に(仮)
:2003/02/22(土) 20:42
「ん?」
しばらく抱きしめ合って梨華の家まで、手を繋いで歩いていた時だった。
「どうしたの?」
急に不思議そうな声を出したひとみに梨華が聞く。
「梨華、なんて真希の彼女とかって嘘、ついたの?」
梨華は顔がボッと熱くなる…。
もじもじしながら、小さな声で
「え、好き、だったの…真希ちゃんが…。」
「マジ?」
ひとみが俯く。
「で、でもそれは憧れみたいなもんで、ほんとに、今好きなのはひとみちゃんだけだよ!?」
梨華は早口でそうまくしたてた。
「ひとみちゃん?」
梨華がひとみの顔を覗きこむと、ひとみは小刻みに震えながら笑っていた。
「なによ?」
梨華は馬鹿にされてるような気分になって、むくれる。
ひとみはそんな梨華がかわいくて抱きしめた。
「そんなのわかってるってぇー、それに、」
「ん?」
「梨華ちゃんのこと例え真希にだってもう渡す気はないから。」
ひとみはそう言うと、チュッと梨華にキスをして、先を歩いて行く。
「…ちょっ、ちょっと待ってよぉ〜。」
梨華は真っ赤な顔をしてひとみを追いかけて、ためらいがちにその手を繋いだ。
〜FIN〜
( ´ Д `)<んあ?あたしは何だったのぉ〜 …ま、いっか。
479
:
オガマー
:2003/02/22(土) 20:45
更新終了!完結だぜぇ〜(w
>471 YUNAさん
>472 名無しひょうたん島さん
ご期待に添えるラストになったれしょうか?
レスどうもありがとうございやした!!
480
:
455
:2003/02/22(土) 21:51
完結、お疲れ様でした。
いやっほぉ〜!最高のラストでございました。
やっぱりオガマーさんのいしよしはイイ!
元ネタが大好きなんですが、これがいしよしだとこんなにもハマるとは・・
また新作をマタ〜リとお待ちしております。
481
:
名無しひょうたん島
:2003/02/23(日) 13:06
完結、お疲れ様でした。
交差する二人の思いが、ひとつになったエンディングが
暖かくて、とてもいいです。
新作、楽しみにしています。
482
:
YUNA
:2003/02/23(日) 18:16
完結お疲れさまでしたっっっ!!!
最後まで切なかったっす...
もう、期待以上っすよぉ〜〜!!!
次回も、期待して待ってまぁ〜す♪♪♪
483
:
(ToT)
:2003/02/23(日) 22:58
いい話でした!続きおねがいします〜♪
484
:
ごまべーぐる
:2003/02/24(月) 03:22
お疲れ様ですた。
ゴチーン、イ㌔
( ´ Д `)<んあ〜
485
:
名無し蒼
:2003/02/25(火) 12:17
いつもオガマーさんの作品楽しみにして読んでいます
このタイトルどこかで見たことあるのですが…
原作が思い出せない(;´Д`)
そんなことも関係なく!w
とてもよかったです!新作ありましたらお待ちしてます〜w
486
:
名無しひょうたん島
:2003/03/24(月) 17:26
( ´ Д`)<んあ〜新作キボーン!!(w
487
:
オガマー
:2003/04/17(木) 08:52
レスのお礼から。
ありがとうございます!!
>480 455さん
最高のラスト、とな(ww
嬉しいです!
>481 名無しひょうたん島さん
お褒めの言葉、ありがとうございます(w
>482 YUNAさん
切なかったですか。
伝わってよかった(w
>483 (ToT)さん
ありがとうございます!
>484 ごまべーぐるさん
ありあとうございます。
ごちんには派手な彼女がいる筈です(w
>485 名無し蒼さん
サンドラ・ブロック主演の映画ですよほ。
書き終えた後、借りて見ました(w
>486 名無しひょうたん島さん
ありがとうございます!
管理人さんのリクエストにより、書いてみましたが、
少し今までとは違うものになってます。
意味がわからないかもしれませんが(爆)
488
:
オガマー
:2003/04/17(木) 08:53
あの人に拾われてから、もう2ヶ月が経った。
OLをしている彼女。
あたしは、きっと彼女のペットみたいなもん。
養ってもらって、それからたまに抱きしめてもらう。
そんなペット。
今日も、彼女が帰ってくるのを待つ。
感情を押し殺して、笑う、準備をする…。
「ただいまー!!」
彼女が鍵を開ける音がすると、シッポ振りながら玄関までお出迎え。
「おかえり。お疲れさま。」
「あ、ひとみちゃん、起きてたの?」
「当たり前じゃん。」
彼女はかわいい笑顔を見せてくれる。
従順な犬はかわいいもんでしょ。
489
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:54
ほんとは寂しがり。
ほんとは愛したがり。
ほんとは、特別愛されたがり。
490
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:54
着替える彼女の背後から近づいて、そしてそっと抱きすくめる。
「今日、疲れてるの。」
そんなの、お決まりの文句。
「ん…。」
首筋にキスすると、すぐにそんな甘い声が漏れる。
手のひらを柔らかい膨らみまで這わせて。
でも、彼女のブラにはワイヤーが入っているから、撫ぜるだけ。
少し、強引めに首を捻じ曲げて、その薄い唇を奪う。
息もできないほど押し当てて。
春はね、盛りがつくんでしょ。
あたしのキスは、彼女の腰を立てなくさせる。
くずれおちる彼女を受けとめて、ベッドへ押し倒す。
肩を指先で押すだけで、その淡い水色に沈んでいく身体。
491
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:55
キレイだね。
今日も、貴方はとても綺麗だ。
心臓をかきむしりたくなる感覚。
押し殺す感情。
彼女をあたしのものにしたい…。
「ぁんっ…駄目…んん…。」
あたしのものに…。
虚しい行為。
燃えあがる胸。
馬鹿みたい。馬鹿みたい。
でも…
「ひと…みっ…ぁ………。」
492
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:55
「お腹空いたよ、梨華さん。」
「ん…。」
ベッドの中、裸の身体をよじって、あたしを見る。
誰にも、見せないで…。
目を伏せる。
綺麗なのに、ね…。
「ひとみちゃん、もう少し一緒に眠ろう?」
あたしは、グルグルと鳴くハラの虫を聞きながら、今日も眠りについた。
493
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:56
飼い犬は、手を噛まない。
「よっすぃー、今日は大人しいね。」
だって、矢口さん、貴方が彼女とあたしの部屋に来てるんだもん。
「しっかし似てないよなぁ、ほんとにお前等。」
矢口さん、それはそうですよ。
だって、ほんとは姉妹なんかじゃないんだから。
夜毎繰り返す卑猥な行為を浮かべてウチは口の端を持ち上げた。
「ね、石川…。」
甘える、矢口さんの声。
聞きたくない。
だから、ウチは耳を塞いだまま、あたしと彼女のベッドを占領した。
飼い犬は、貴方に従順でしょう?
泣き声も、聞かせないよ。
494
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:56
ソファーの上、眠りこけてる矢口さんの隣、床で眠っている彼女。
矢口さんを睨んで、あたしは彼女に毛布をかけた。
身体、痛くならないといいね…。
額に途切れそうなキスをして、痛い両目をギュッと瞑った。
495
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:57
「ひとみちゃん、ありがとう。」
翌朝、着替えの為にはやく帰った矢口さん。
梨華たんはそんな風にあたしに笑顔を見せる。
「当然のことでしょ?」
覚られてはイケナイ。
それが、彼女とあたしの約束。
言葉でしたことはないけど、きっとそういう約束。
「ごっちんと会ってきてもいい?」
見詰め合ったまま、彼女が寂しそうな目をするから、
そんな風に言った。
貴方の同情なんてかいたくないよ。
飼い犬は、ただ、可愛がられたい。
「うん、いいよ。」
寂しそうな顔、しないでよ。
ご主人さまには、弱いよ。
「それとも、今夜はあたしに抱いて欲しい?」
「…。」
「なぁ〜んて、冗談。」
「馬鹿。」
496
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:58
覚られちゃ、イケナイ。
愛しい愛しいご主人様。
恋しい恋しいご主人様。
あたしは、貴方を愛してる。
「よっすぃー、ごとーをちゃんと見てよ。」
ワガママな姫は、あたしの余計な考えを取っ払ってくれるから。
ごめんね、ごっちん。
でも、おあいこだよね、ごっちん。
「やぐっつぁん、今日も駄目だってさ。」
矢口さんは、梨華ちゃんに夢中だよ。
可愛そうに。
可愛そうに。
重ねた唇は、温かいね。
何も埋まりはしないけれど。
497
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:58
埋まりはしない心。
犬は馬鹿でしょ。
ご主人を愛して愛して。
何もわからずに死んで逝くの?
考えちゃイケナイ。
優しく掬い上げてくれた腕を。
柔らかい身体の感触を。
柔らかい笑顔の意味を…。
498
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:59
今日で、5日目。
なんて贅沢なことだろう。
セミダブルベッドを占領。
ご主人の声に、胸がバリバリになって。
だけど、今日は、そんな声がしない。
不思議に思って覗いてみた。
「いや、だから、もう石川とは無理…。」
最初は理解できなかった。
「ごっつぁんを抱いたんだ。」
何もかも、壊された。
壊された―――――――
499
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 08:59
犬は馬鹿でしょ。
ご主人を愛して、愛して。
そして、死んで逝くの…。
「おいっ!」
あたしが歩いて掴んだ包丁が、そんな怖いですか?
従順な飼い犬。
それが、あたしだよ。
矢口さん。
姉妹も、親友も嘘。
彼女だけがあたしの全て。
だから…彼女を抱いてよ。
「待てよ…。オイ…。」
「待つのはどっちですか。」
滲んで、目が見えない。
梨華さん、どこですか。
貴方がいれば、あたしはどんな罪も怖くない。
だから。
500
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 09:00
「ヤメ…。」
矢口さんの声が途中から聞こえなくなった。
お腹に刺さった小さな刃。
フルーツナイフだよ、笑えるね。
ほんと、笑える。
愛する人を刺してしまった。
笑いすぎで涙が出るよ。
苦しいよ。
誰か…あたしを殺してよ。
501
:
従順な犬
:2003/04/17(木) 09:00
苦しい苦しい。
忠犬・ハチ公。
いつまで主人を待ちつづけるの。
もうどこにもいないのに。
苦しい苦しい。
あたしは、捨てられた犬。
涙を流すご主人。
見ていられなくて心ごと。
捨てられた犬。
誰か…あたしを殺してよ。
fin.
502
:
オガマー
:2003/04/17(木) 09:01
なんだかなぁ(汗)。
更新終了、そして完結です。
管理人さん、どうですか?(聞くなよ涙)
503
:
YUNA
:2003/04/18(金) 14:18
更新、おつかれさまですっ♪
んぁ、切ない、痛い...
次回作も、期待して待ってますっっっ!!!
504
:
管理人
:2003/04/19(土) 10:32
おぉ〜〜〜〜〜〜〜!!オガマーしゃんサンキュウです。
こんなに早くに答えてくださるとは。。。感謝感激!!
ありがとうございました。
よっちぃ切ないよ。よっちぃ。。。
次回は激甘orエ○だめですか??(w
505
:
名無しひょうたん島
:2003/04/20(日) 19:54
(・∀・) イイ!(・∀・) イイ!
こういうの好きです!!
オガマーさんファンとしては、新作も期待したいです!!
506
:
オガマー
:2003/05/04(日) 05:11
レスがこんなにつくとは思ってなかったので嬉しいです。
ありがとうございます!
>503 YUNAさん
ありがとうございます。
>504 管理人さん
どういたしまして。
無理です(爆)。
>505 名無しひょうたん島さん
新作はかなり難しい感じです・・。
『あなたが寝てる間に(仮)』の番外編といいましょうか。
ごっちんのお話です。短編です。
507
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:11
あたしが寝てる間に…
ひとみには梨華ちゃんという彼女ができていた。
あたしが寝てる間に…
やぐっつぁんは…
「マジよかったよ。いろいろと悩んでた時間が馬鹿みたい。」
ひとみが息だけで笑って、あたしは入院中に使った荷物を紙袋につめる。
「心配かけたね。」
「は?何よ、気持ち悪いな。」
「いや、ちょっとねぇ。」
ひとみが、すごく優しいことを知っている。
ひとみがすごく一途なことを知っている。
だって、ひとみはあたしの為に泣いてくれたことがあるから。
だから、あたしは…
508
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:12
「ふぅ…。」
階段を上ってくる間に、蓄積されたいろいろな不消化な気持ちを吐き出すように、
一つ、深呼吸。
バッグから合鍵を取り出して、ドアに挿しこむ。
カチャ−
もう何日も聞いてなかった音。
あたしは、ドアを開けて、そして…固まった。
ドアの向こうにいた彼女も同様に、固まった。
え?その人、…誰?
「真里、コイツ誰?」
「…。」
固まったままのやぐっつぁん…。
あたしは、不安に思っていたことが全部、現実になっていて、
溢れ出る涙を…それでも堪えた。
509
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:12
「シンゴ、帰ってくれるかな?」
「え?ああ…。」
表情を凍らせたやぐっつぁんが、そんな風に言ってシンゴと呼ばれた男の子は
あたしの側を通りぬけて帰っていった。
数秒の沈黙。
「あたしさー、入院してたの。」
覚られちゃいけない。
「意識不明の重態。」
やぐっつぁんは、膝をゆっくりと抱え、そして遠い床を見詰める。
「それ、伝えに来ただけだから…。」
やぐっつぁんは、孤児だ。
今はまともなバイトをしているけれど、昔はちょっとヤバイ仕事をしていたこともある。
ケータイは、番号が変えられていた。
鍵は…変わってなくてよかったな…。
いや…
変えてくれてた方がよかったかも…。
カチャリ−
ドアを閉めると、目から涙が零れた。
510
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:13
孤独が辛いこと、あたしは知ってた。
孤独が辛いこと、あたしは何時の間にか忘れてた。
優しさに触れたら…忘れられると、信じてた。
あたしの愛は、足りてなかったの?
やぐっつぁん。
あ…。
ギュッと握り締めた手のひらが痺れて、ギュッと瞑った目からいくつかまた雫が
零れた頃…。
ジンワリと焦点の合った眼で、大切なことに気付いた。
あたしは、鍵を握り締めたままだった。
やぐっつぁんの、部屋の鍵。
「やぐっつぁ〜ん。」
涙を綺麗にぬぐって、あっけらかんとした声で。
あたしは、もう一度扉を開いた。
511
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:13
やぐっつぁんは、動かない。
「これ。」
あたしは、靴を脱ぐとやぐっつぁんの元まで歩き、鍵を差し出す。
やぐっつぁんは動かない。
動かないで…泣いてた…。
「あたし、なんで信じられないんだろう…。」
糸みたく、途切れそうに細い声が聞こえて。
「怖かった…。だから、ごっつぁんのこと…忘れた。」
自分の膝に顔を埋めた小さな身体。
あたしは、一度肩に触れて、
それから、ギュッとその身体を抱きしめた。
「一緒にいたげるよ。一緒に泣いてあげる。どうせならさ…もう孤独じゃないとこにいこっか。」
顔を上げたやぐっつぁんの唇は変色するくらいに噛み締められてて。
あたしは、手のひらで腕を辿ると、やぐっつぁんの腕についてる細い何本もの傷を
ゆっくりとなぞった。
512
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:14
「あたしが悪いから…。」
いいんだよ。
「あたしは、愛される資格なんて、ない…。あたしが弱いから…。」
違うよ。
「どうすればいいの?」
涙で、やぐっつぁんの顔が滲んで、震える唇で。
やぐっつぁんの震える手のひらが、腕に触れてたあたしの手のひらを掴んで。
だから、あたしはどうすればいいの?
「資格がないやぐっつぁんを…愛しちゃったあたしはどうすればいいの?」
声をあげて泣く背中。
勝手にね、涙が出て来るんだよ。
愛なんてきどっちゃいない。
あたしでは、貴方を救えないんでしょ?
それでも…一緒にいたいよ…。
「ごっ…つぁんぅ…。」
擦れた声で腕を辿ってあたしを掴んで。
背中ごと全部。
あたしは、貴方を救いたい。
なんて、そんなきどっちゃいないよ。
あたしは、やぐっつぁんといたいだけ。
落ちていくなら、落ちていこうよ。
今ここで、固まれるならそれでいい。
小さな身体を抱きしめたまま。
震える背中を撫ぜたまま。
513
:
プリーズムーンシャドウ
:2003/05/04(日) 05:14
月が、出た。
「今度ね、楽しいことしよう。」
「楽しいこと?」
裸の肩にやぐっつぁんの息がかかる。
「そうだな…。Wデート!したことある?」
「…ない。」
やぐっつぁんは、少し考えてから、ふふっと笑った…。
「おいで…。」
身体中、溶けてなくなってもいい。
やぐっつぁんの側でなら、それがいい。
普通の幸せで、埋まらないのなら…。
あたしの愛が足りないのなら…。
どこまででも落ちていいよ。
やぐっつぁんは、あたしに乗ってればいいよ。
いい夢が見れるでしょ?
愛してるよ。
愛してる。
そんな言葉じゃ、…足りない。
fin.
514
:
オガマー
:2003/05/04(日) 05:15
更新終了。完結です。
515
:
名無しひょうたん島
:2003/05/08(木) 21:25
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
当分来なかったら、短編が!!
よかったです。次も期待しています。
516
:
名無し( `.∀´)
:2003/05/11(日) 11:30
おぉぉぉぉ!!
いつのまにか新作が!!
この話大好きだったんで、別バージョンが読めて嬉しいです!
やぐごまいいですね。
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