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気ままに短編集!!(何でもあり)
1
:
管理人@よすこ。
:2002/08/16(金) 15:53
新スレ立ててみました。
スレを立てるのは、何だがちょっこっと、書いてみたいな〜と思う
方がいらっしゃったら、どんどん書いてください!!
一話目は偉大な作家べー。様。が、管理人の要望にこたえて書いて頂いた
短編を、のっけます。続け〜〜〜(w
89
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/15(火) 23:14
その日、吉澤ひとみは、友人に誘われてある大学のオープンキャンパスへ出かけていた。
適当に学内を見学したあと友人と別れ、適当に遊んでいた。
『そろそろ帰ろっかなぁ』
時計の針は9時を回っていた。
今帰れば、ちょうどいい時間だ。
駅に向かおうと、歩いていた。
「―――ん?」
ガードレールをつかんで、若い女の子がしゃがみこんでいる。
「ねえ、大丈夫?」
具合でも悪いのかと、声をかけた。
「エ?」
「立てる?」
「あ、ハイ…」
体を支えて立ち上がらせようとすると、足元に力が入らないようでフラフラしている。
近づくと、酒くさかった。
大方、この辺の店で飲みすぎたのだろう。
「ああ、飲みすぎだよー。送るよ、家どこ?」
「ああ、家はですね…」
彼女は何か言おうとするのだが、全然分からなかった。
「気持ち悪い…」
と言い出したので、仕方なく、近くのホテルまで運んで行った。
90
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/15(火) 23:23
下心がなかったかというと、ウソになる。
それでも、酔っ払ってるし、何かあったとしても彼女は途中で寝るだろうとひとみは考えた。
入った部屋は、かなり少女趣味な内装だった。
ベッドカバーだとかも、白レースである。
『趣味わりー部屋…でもまぁ、ここしか空いてなかったし、いっか』
酔っ払いをベッドに寝かせ、ひとみは彼女のロングブーツを脱がした。
「ねえ、名前なんていうの?」
「…梨華」
掠れた声で、彼女は答えた。
「りかちゃんか。あたしはひとみ。お風呂入る?」
「…いい」
「そう。じゃ、ウチ入るね。外、寒くってさ」
自分が風呂に入ってる間が勝負だな、とひとみは思った。
逃げられるか。先に寝てしまうか。
シャワーを浴びながら、ひとみはちょっとウチの好みかも、なんて考える。
91
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/15(火) 23:32
バスルームから出ると、以外にも梨華は起きていた。
もっとも、目はとろんとしていたが。
「りかちゃん、何か飲む?」
ひとみは冷蔵庫を開けて振り返った。
いきなり、背中から抱きしめられた。
ひとみは驚いて、ミネラルウォーターのペットボトルを落とす。
「…寂しいの」
梨華はそう言って、ニットのカーディガンを脱いだ。
同色の半袖ニットからすんなり伸びた、褐色の腕がまぶしい。
「抱いて」
『神様、ありがとう!』
ひとみは心の中でガッツポーズをとった。
92
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/15(火) 23:45
レザーのスカートのファスナーを下ろし、ニットも脱がせた。
下着姿でベッドに横たわる梨華を上から見下ろし、ひとみは思わずゴクリと喉を鳴らす。
白いシーツと、小麦色の肌の対比が、何ともいやらしかった。
「ねえ、早くぅ」
梨華は口をとがらせる。
「ハイハイハイ。いま、いくよほ!」
ひとみは梨華にダイブする。
しゃにむにキスをして、ブラのフロントホックを外す。
待ちかねたように、梨華の形のいい胸がこぼれ出た。
『オッパイポロリ!カッケー!』
ひとみは訳もなく興奮する。
乳房を軽く揉んで、先の蕾を吸い上げる。
「あ、あん!」
梨華は思わず腰を浮かせ、自分から蕾を突き出すような格好になった。
ひとみはこらえきれなくなって、バスローブを脱ぎ捨て裸になった。
93
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/15(火) 23:52
「自分ばっかり履いてるのはズルイんじゃないのぉ?」
胸の蕾を指でいじりながら、ひとみは片方の手で、梨華のショーツに触れた。
一番弱い箇所へ。
絶妙のタイミングでスッと指をひっこめられ、梨華は狂おしい声を上げた。
「やぁ!お願い!さわってェ!」
「もっと欲しいんだ?」
梨華の耳朶を甘噛みしながら、ひとみは意地悪く囁く。
梨華は涙目で黙って頷いた。
くすっと笑うと、ひとみは梨華の足の付け根に顔を伏せた。
94
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/16(水) 00:01
梨華のそこは、もう凄いことになっていた。
太腿まで、愛液が伝っている。
ひとみはいとおしさを感じ、丹念に花弁や蕾に舌を這わせた。
彼女は最初の時は、相手を指でイカせるだけで終わらせる。
『ウチ…ハマってるかも』
官能的な音を立てながら唇で愛撫し、ひとみは思う。
『最初からいきなしコレ、ふだんはしないんだけどな』
頭上からは、梨華の高い喘ぎ声。
目の前には、真っ赤に熟した蕾。
声は途切れ途切れだったのが、間隔が狭くなり、彼女が絶頂に近いことを知った。
95
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/16(水) 00:11
「あ…ああ!」
梨華の体から、力が抜けた。
ぐったりとした梨華を支えてやり、ひとみは優しくキスを落とした。
「…『りか』ってさ、どういう字書くの?」
梨華の背中を撫でながら、ひとみは言った。
「梨と…華やかって字」
「『梨華』か。いい名前だね」
梨華は黙っていた。
やがて、
「…ひとりにしないで」
と言って、眠りについてしまった。
ひとみに言ったのか。
それとも、違う相手か。
何にせよ、彼女は無意識だった。
『…ヤッベー。完璧ハマったわ』
梨華の眠り顔を見て、ひとみは頬を赤くさせる。
今までは、エッチをしたら大抵それで相手への興味を失くした。
そういうものだと思っていた。
勝手に運命を感じられていることも知らず、梨華は穏やかに眠る。
「幸せにするさぁ〜!!」
ラブホテルの一室で、ひとみは勝手に誓った。
96
:
バスルームより愛をこめて
:2002/10/16(水) 00:23
「―――というワケ」
梨華のマンション。
この時の部屋代を梨華から返してもらったひとみは、思い切って愛を告白した。
思いが通じたのかどうかは知らないが、梨華は自分の愛撫にまた応えてくれた。
行為を終えたあと、腕の中にいる梨華に、この前のいきさつを聞かせている。
一部始終を聞いた梨華は、顔を赤くした。
また抱かれて、この時のことをおぼろげながら思い出したのだ。
白い腕。自分に絡みつくような、赤い舌。
低い声。囁き。
それでまた今日も、ズルズル抱かれている―――。
つくづく自分がイヤになった。
「つーワケで、ウチは梨華ちゃんを幸せにすっからね〜♪」
ひとみは楽しそうに言う。
熱を加えたチーズのように顔がとろけている。
「勝手に決めないでよ!あたしはそんなコト頼んでないの…に!」
ひとみは梨華の下肢に手を伸ばした。
こうなればひとみのほうが強い。
この前と今日とで、梨華の弱点はほぼ把握した。
「―――ちょっと!人のハナシ聞いてんの!」
「愛してるぅ〜!」
夜は、始まったばかりだ―――。
(今度こそ)おわれ
97
:
ごまべーぐる
:2002/10/16(水) 00:31
駄文をば、失礼いたしました。
レスのお礼です。
>69の名無しお尻さん
(; ^▽^)<ス、スミマセン。ショボイものになってしまいました(汗
>70の名無しお尻さん
(0^〜^)ノ<流木拾い、カッケー!オイラ、がんがったよほ!
>名無しベーグル。さん
(; ^▽^)<こ、こんな駄文を…ありがとうございます(汗
>\1980さん
(; ^▽^)<珠代に気づいてくだすって嬉しいです!
>オガマーさん
(0^〜^)ノ<珠代ネタ気づいてくれてうれすぃ〜!
読んでくだすった方、ありがとうございます。
98
:
ごまべーぐる
:2002/10/16(水) 00:43
誤字の訂正です。
>91
以外→意外です
99
:
名無しお尻
:2002/10/16(水) 02:09
最高〜とろけちゃいますです。
すんごくよかったです。
(0^〜^)ノ<続き!読みたい!!
また、気が向いたら、続編お願いします。
100
:
ごまべーぐる
:2002/10/24(木) 11:01
亀レスですが。。。
>名無しお尻さん
(0^〜^)ノ<その3!その3!オイラもキボン!
気に行って頂けて、何よりです。また時間ができた時にでも、と考えております。
101
:
ごまべーぐる
:2002/10/24(木) 11:03
気に入って、ですた(汗 スマソ
(#T▽T)<風邪引きって、悲しいね
102
:
名無しよっちぃ
:2002/10/27(日) 13:55
(0^〜^)ノ <続き!続き!キボン!!
ダメですかね〜〜〜??
103
:
ごまべーぐる
:2002/10/29(火) 06:40
>名無しよっちぃさん
あまり私ひとりがこのスレを続けて使わせて頂くのも失礼なので、また改めて
時間ができた時にでも、と考えております。
( ^▽^)<気にいっていただいて、うれしいです♪
ありがとうございます。
104
:
DOLL
:2002/11/03(日) 00:46
遠くを走っているのか、近くを走っているのか分からないくらいに、
サイレンは街の中を赤く跳ね付けて、音を散乱させる。
盗んだバイクを路地裏に放り捨てたうちは、ビルとビルの隙間に身を隠した。
隠し持った重い引き金に指をかけながら。
この仕事が終わったら、必ずRIKAを迎えに行くんだ。
105
:
DOLL
:2002/11/03(日) 00:49
文明が発達して、この星には人間とアンドロイドが溢れかえってる。
何もかもが人の手で作りあげられ、多くの欲望が渦を巻くようになった。
人のものかアンドロイドのものか分からない。
暴走し始めた彼らは、性と暴力に突き進んでいく。
うちはそんな彼らを排除するために育て上げられたハンター。
どんな状態でも持ちこたえることの出来る強靱な精神と身体。
信じられるのは自分だけ。
そう思ってた、彼女に出会うまでは。
106
:
DOLL
:2002/11/03(日) 00:52
たどり着いた街の噂で、破戒したアンドロイドがいると聞いた。
植え付けられた記憶を自分自身の力で投げ捨てて、無となった身体で性をむさぼっていると。
そんな奴がいるのかと、半信半疑で色宿街を徘徊してみた。
何度となく誘われる濡れた声、ところ構わず交わる性の申し子達。
正常な感覚すら失いそうになる数々のネオン灯、むせるような鼻を突く幻覚剤の煙にせき込んでしまう。
普通の人格なら、とっくの昔に壊れて欲望の波に飲み込まれているだろう。
それらを横目に【破戒のアンドロイド】を探し歩く。
細い路地に大勢の人集りが見える。
何気に覗いてみると、人集りの向こう側に男に跨っている女がいた。
吐息を身に纏い、小刻みに揺れる褐色の身体。
快楽に溺れている瞳に心奪われる。
黒目がちな視線は汚れを知らなくて。
その情景に動けずにいると、後ろから来た男の声を耳にする。
「RIKAだ…RIKAがいる」
人間ともアンドロイドとも分からない男は、彼女を見るとそう言ったまま、
目を見張って、欲望の色に染まった視線を投げつける。
107
:
DOLL
:2002/11/03(日) 00:55
RIKA…。
彼女の名前なのか?
「彼女は…?」
うちの発した小さな言葉にびくりと肩を揺らした男は視線を離そうともせず、にやりと笑った。
「あんた、あれを知らないのかい?あれはいいぞぉ…、声も上げないし、嫌がりもしねえ。
なんせ壊れちまった、がらくただからな」
うちの中のどこかで、どくんと音が響く。
彼女が【破戒のアンドロイド】。
探していたアンドロイド、半信半疑で探していた…。
植え付けられた記憶を自分自身の力で投げ捨てて…
無となった身体で性をむさぼっている…
何が彼女をそうさせた?
自らの手で自分の精神回路を断ち切らせるほどの思い。
欠落した自分の破片を埋めていくように、彼女は欲望に抱かれ続ける。
感情の抜け殻は、これからもずっと…。
108
:
DOLL
:2002/11/03(日) 00:58
「あとで相手してもらわないとな、願ってもないチャンスだ」
男の視線は尋常ではない。
彼女は何も知ろうとせず、体のいい玩具となって抱かれてく。
許せない。
そのことが、彼女を取り巻く、何もかもが。
気が付いたときはすでに遅く、うちは男のこめかみを掴んで、力一杯に握りつぶしていた。
叫びにしては短すぎる声が路地に響き渡り、崩れ落ちる男の破片は地面に鈍い音を上げながら散っていく。
手の中に残る鱗片を壁に投げ捨てると、足は彼女に向かっていく。
群がっている人垣を押しのけ、彼女の脇にたどり着く。
隣りに立っているのもお構いなしに抱かれ続ける彼女の腕を取り、男から引き離すと、
自分の上着を彼女に羽織らせて、うちの後ろに身を隠させた。
彼女に包まれていた男は不意に失った感覚を取り戻そうと、彼女に手を伸ばそうとする。
何が起こったのか分からない彼女が、視線でうちに問いかけているような気がした。
うちは彼女に一瞬視線を送ると、這い上がってこようとしている男の腹を思いっきり踏みつけた。
悲鳴を上げることすら出来ずに簡単に折れ曲がる男の身体。
それを後目に、彼女を連れてうちらは路地を飛び出した。
数々のネオンは色の線となって流れて、うちらを包んでいく。
逃げ出した籠の鳥の行方を隠すみたいに。
109
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:01
大逸れたことをしたもんだ。
ホテルに着いたとき、正直そう思った。
仕事でこの街に来たのに余計目立つことになってしまった、今回の仕事は非公式なのに。
うちは小さくため息を漏らす。
ベットの上で座り込んでいる彼女はこっちをじっと見つめていた。
突然連れてこられたのに、怯える様子すらなくて。
その視線は懐かしい物を見ているように思えてくる。
「シャワーを浴びておいで」
彼女にそう促すと、素直に浴室へと向かった。
男の血で汚れた革のグローブをゴミ箱に投げ捨てると、ベットに身を投げた。
安っぽいスプリングの音が軋んで、狭い部屋の壁に吸い込まれていく。
彼女をどうにかしたい、っていうわけじゃない。
それだけは自信があるんだ。
じゃあ、なんで彼女を助けたんだ?
なにか…。
彼女が浴室から出てくる気配がした。
仕事の資料を鞄の中にしまい込んで、何事もなかったかのように付けていたテレビに視線を移す。
どうでもいいようなことを何度も繰り返す番組。
こんなの見てたらすぐ飽きちゃうよ。
雫が絨毯の上で跳ねる音がした。
反応してそちらを見ると、濡れたままの彼女が佇んでいる。
細い髪から雫が滑り落ちている彼女の姿に一瞬目が眩む。
110
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:05
「ちゃんと拭いてこないと…」
動揺を隠そうとバスタオルを浴室に取りに行き、彼女に手渡した。
しかし、彼女は無言のままバスタオルを受け取ろうとせず、うちに視線を投げてくる。
何かを言いたいのか、唇が小さく震えていて。
その視線から逃れることが出来そうにない。
無意識のうちに彼女の髪に手を伸ばして触れようとする。
「RIKA…」
部屋に響き渡る突然の電子音に、うちは触れようとしていた指先を素早く引っ込めた。
その音に現実に引き戻され、仕事の時間が近いことを知らされる。
持っていたバスタオルで彼女の身体を包み込むと、震えている唇に優しくくちづけた。
「うちが帰ってくるまで、ここで待ってて」
どうか覚えていて。
あなたのことを思っている人のことを。
あなたが無くした何かを埋める、その破片になりたいから。
111
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:09
彼女を一人部屋に残して、バイクで小さな路地をすり抜けながら指定された場所へと移動する。
流れる色を横目に、ふと自分のやったことに笑いがこみ上げてきた。
厳しい訓練の中、どんな欲望にも動じなかったうちが、たった一体のアンドロイドに心動かされるなんて…。
どうかしてるかもしれない。
でも、うちの気持ちは揺るぎない、気持ちに嘘はない。
早く彼女の元へ…。
気持ちがバイクのアクセルを吹かせて、うちを走らせていく。
これから仕事だというのに、まったくどうかしてるよ…。
今回の仕事は、テロリストの排除。
標的がそういう奴だから非公式らしいけど。
赤外線スコープを覗いて相手の動きを探ってみる。
確かこの部屋なんだけど、奴はいないらしい。
壁にもたれたまま、座り込んで弾の確認をする。
報告書には奴のことが一切記されてない。
どうやら要人なんだろう。
一発で仕留めてこい、との命令。
命令は絶対だと擦り込まれた、うちはそう教育された。
人はそういうのを服従心と言うけど。
112
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:13
壁の後ろで物が動く気配がする。
うちの回りに張りつめた空気が漂って、静かに耳を澄ます。
誰なんだ?奴なのか…?
奴なら…。
空気の動きを感じようと、心を落ち着かせて目を閉じる。
相手が少しでも動けば、うちは攻撃に出るだろう。
でないと、うちが殺られる側になる。
うちにとって、生と死なんかはちっぽけなものでしかなかった。
今は違う。
彼女に会わなかったら、多分今も…。
一瞬、空気が動くと、聞き覚えのある小さな金属音がした。
奴も銃を持っている。
そう確信したうちは、壁の後ろ側の方に視線を向ける。
一人だ、影が見えた。
影の長さから言うと、奴との距離はかなり近い。
迷うことはない、ただ仕留めるだけ。
銃をしっかり持ち直しながら、うちは壁の後ろ側に振り向いて、奴に銃口を向けて引き金に指をかける。
113
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:17
引き金にかけた指が一瞬躊躇う。
RIKA…!?
狙いを付けた相手を疑った。
彼女も同じようにうちに銃口を向けている。
なぜ彼女がここにいるのか?
けれども、うちは銃口を下げることは出来ない。
彼女が標的なら…。
「RIKA…、あんたがテロリストなの?」
小さく震える銃口を制止することが出来ない。
嘘でもいい、違うと言って欲しい。
その一言が欲しい。
うちの願いも虚しく、彼女は無言で銃口を向けたまま、しっかりと銃を構えている。
撃たなければ殺られる、呪文のように繰り返された言葉。
もう、そんなことはどうでもいい。
目の前にいる標的が彼女だという事実がうちに重くのし掛かってくる。
空気がうちに警告する、彼女が引き金を引こうとしていると。
撃たれてもいい、心からそう思った。
うちらは交わることが出来ないから。
この固く凍てついた身体では。
だから、うちは銃口を彼女から背けない。
許されない思い、断ちきることが出来ずに。
きっと彼女を見つけた時からそうなんだ、うちらの時間は終焉に向かっていたのだと。
114
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:20
彼女は小さく笑うと、静かに引き金を引いた。
泣いてるような笑い顔で。
彼女の弾丸がうちの胸を貫いていく。
ひどく昔から彼女を知っているような気がした、近くて遠い彼女を見つめながら。
貫通した身体からおびただしいオイルが吹き出し始め、うちの足下を黒く鈍い色に染める。
痛みを感じることはない、彼女を失うこと以外に何一つ。
崩れゆく体勢のまま、力のない指先で引き金を引く。
弾丸は彼女を掠めることはなく、虚しく空気を貫いた。
これで良かったんだ。
やっとうちは開放される、何もかもから。
彼女と生きていくことを引き替えに。
でも、彼女は…。
欲望に抱かれたまま、生きていくのか…。
うちは彼女の失った破片になりたかった、なることも出来ずに終わるのか…。
立ち上がろうとしたその時、背中から撃ち抜かれて身動きできなくなった。
ぼんやりした視界に彼女の足下が入り込んでくる。
「RIKA…」
震える指で彼女に触れようとした。
115
:
DOLL
:2002/11/03(日) 01:23
うちの頬に何かが触れると、柔らかい吐息が聞こえてくる。
「ひとみちゃん…」
聞こえてきた言葉に耳を疑った。
うちは自分の名前を言ってもいないのに、なぜ知っているのかと。
彼女の声はひどく懐かしくて、自然と涙が溢れてくる。
まだ、うちにはこんな感情が残ってたんだ…。
思い出せそうで、思い出せない。
おぼろげながら形は浮かんでくるのに肝心なことが消えている、うちの記憶。
「ずっと探してたんだから」
そう彼女が口にすると、おもむろにうちを抱きしめた。
次の瞬間、彼女の自爆装置が作動する音がした。
爆風が舞い上がり、辺りが炎に包まれる。
フラッシュバックするうちの記憶達。
愛していた人の名前。
優しく笑いかけてくれる面影。
温かかった小さな掌。
無理矢理引き裂かれた二人。
今、確信した。
うちが彼女の破片だったんだ。
「遅くなってごめんね…」
燃え上がり歪み始める二人の身体。
指先はもう鉄のかたまりでしかない、けれども彼女を離したくはない。
形のない腕で彼女の身体を抱きしめる。
彼女はにっこりと笑いかけてくれる。
もう二度と忘れるものか、大切なこの人を。
二人はやっと一つになれた。
激しい炎の中で。
116
:
総長@ヘタレ
:2002/11/03(日) 01:26
おちまいです、書いてて訳わからん。。。(鬱)
お目汚しスマソ。
117
:
名無しよっちぃ
:2002/11/05(火) 19:51
・゜・(ノД‘)・゜・。
なんて言っていいのやら、分かりません。(涙
ずるいです。
118
:
名無しよっちぃ
:2002/11/06(水) 03:39
う〜ん。考えさせられてしまう作品でした。
(・∀・)ノ イイ!!
作者さん。すごいです。
もっと長く読みたかったな〜次回作はありますか??
119
:
名無しよっちぃ
:2002/11/10(日) 16:35
もっと長く読みたかったなぁ〜。
と、思います。
120
:
名無しよっちぃ
:2002/11/15(金) 15:49
面白い!!こんな小説久しぶりです。
121
:
オガマー
:2002/11/16(土) 08:12
すげー…なんて言うんだろう。心にグサァーと刺さる作品ですた。
太くて堅くて柔らかいものがグサァーと…(何
すごいよかったです。
122
:
ごまべーぐる
:2002/12/01(日) 02:25
感動しますた。(T▽T)
これしか言えないのがもどかしいです…。
123
:
ごまべーぐる
:2002/12/23(月) 20:25
短編をコソーリと書かせて頂きます。
124
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 20:37
「辻、行くよ」
いいらさんに声をかけられて、ののは大急ぎでしたくをしました。
ののといいらさんは、『中澤カンパニー』という会社のしゃいんれす。
なにをしてる会社かというと、なんでもやさんれす。
おきゃくさんの、おひっこしのおてつだいをしたり、ひとりぐらしのおとしよりに、
ごはんをつくってあげたり、いろいろしています。
ののといいらさんは、今日のいらいぬしの人のおうちに向かいました。
今日のおきゃくさんは、石川さんというひとれす。
125
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 20:49
「失礼のないようにね」
いいらさんは、チャイムをならす前にげんかんさきでいいました。
いいらさんは、のののじょうしで、ペアをくんでいます。
ののはそそっかしいのれ、たまにこうやって注意されるんれす。
「ハーイ」
チャイムをならすと、おうちのひとがインターフォンに出てきました。
「『中澤カンパニー』から参りました。飯田と申します」
「あ、お待ちしてました。どうぞお入りください」
今日のお仕事は、ひっこしのおかたづけれす。
石川さんは、遠い街からこのマンションにひっこしてきました。
いそがしくて、ひとりで片づける時間がなくて、ののたちがよばれたんれす。
126
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 20:56
いいらさんとのの、石川さんの3人で、もくもくとかたづけてゆきます。
石川さんのお部屋は、ピンクだらけれす。
のののお友達のあいぼんもピンクがすきれすけど、ここまでではないれす。
「ありがとうございます、お茶でもどうぞ」
ひととおりかたづけを終えると、石川さんが紅茶をいれてきてくれました。
おやつはビスケットれす。
ののたちはおれいをいって、お茶をいただきました。
127
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:06
ふと、キャビネットの上にある時計が目に入りました。
あいぼんのおうちにもある、キティーちゃんの時計れす。
そのとなりに、写真たてがありました。
今よりおさない石川さんが、ショートカットの女の子とうつっています。
「かわいい時計れす。あの写真たても」
「コラ、辻」
いいらさんに、小声でおこられました。
「アハハ、いいですよ。ありがとう、どっちもお友達にもらったの」
「あの写真にうつってる人れすか」
いいらさんが『辻!』とのののそでをひっぱりました。
「うん、あの写真立てはね。幼なじみなんだけど、家族で外国に行っちゃって
いま、どこにいるか分からないんだ」
石川さんは、ちょっとさびしそうに笑いました。
128
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:13
「も〜う。辻はぁ。あんましお客さんの、プライベートに触れたらダメだよ」
帰り道で、いいらさんにおこられました。
ごめんれす、と言い、ののは駅のホームでうつむきました。
分かればいいから、といい、いいらさんはののの頭をくしゃくしゃとなでてくれたれす。
次のおしごとは2日後れした。
こんどは、カゼをひいたひとのかんびょうれす。
129
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:19
その人は、若い女の人で、ひとりぐらしれした。
ゆうべマンションに帰ってきたとたん、熱をだしたそうれす。
「う〜。寒気がする」
そのお客さん―――吉澤さんはベッドのなかでブルブルふるえました。
手分けして、ののが食りょうの買出し、いいらさんがおかゆをつくりました。
130
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:33
「どうもスミマセン。卵がゆうんめ〜!」
吉澤さんは、卵が大こうぶつなんらそうれす。
とてもおいしそうに食べてます。
買ってきた食りょうをしまうため冷蔵庫を開けたら、なるほど、卵だらけれした。
「いや、すっかり落ち着きました。ありがとう」
ののの買ってきたお薬を飲んで、吉澤さんはベッドに横になりました。
「ゆっくりお休みください。風邪には睡眠と栄養を摂るのが何よりです」
いいらさんは吉澤さんのおふとんをかけなおしてあげました。
「あ、そうだ。これ、帰りの電車賃にでもしてください」
吉澤さんは起き上がって、ローチェストの上のお財布を取ろうとしました。
あ、お気遣いなく、いいらさんが止めようとすると、吉澤さんはフラついて、
お財布やほかのものもおっことしてしまいました。
ののがひろってあげると、お財布のほかに写真たてやぬいぐるみもありました。
―――ぐうぜん、というのは、こうしておこるのれしょうか。
写真たてのなかで笑っているのは、吉澤さんと石川さんれした。
131
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:44
「ねえ、いいらさん」
ののは帰り道で、いいらさんに話しかけてみました。
「ん〜?」
「石川さんと吉澤さん、会えるれしょうかね?」
いいらさんは、お部屋に入ったときから、あの写真に気づいてたそうれす。
さすが、のののおししょうれす。
「多分同じ駅を利用するだろうし、会えるかもね」
「そうれすね。きっと会えるれすね」
それにしても今日はとても冷えるれす。
ののは手ぶくろを忘れたので、かじかむ指にハアと息をふきかけました。
いいらさんはホラ、といって手をつないでくれました。
いいらさんの手は大きくて、とてもあったたかったれす。
「雪れす」
空から、白いものが降りてきました。
「冷えるハズだよ。辻、タイヤキおごっちゃる。駅前に屋台が出てたよねぇ」
タイヤキもあったかいれすけど、いいらさんといっしょだから、のの、うれしいんれす。
みんながおうちに帰るなか、ののといいらさんはつないだ手を笑いながら
ぶんぶんふって駅へむかいました。
明日も雪がのこっていたら、あいぼんと雪がっせんをするれす。
132
:
ごまべーぐる
:2002/12/23(月) 21:48
終わりです。
ベタベタなオチですが。
素敵なクリスマスをお過ごしください。
ヽ( ゜皿 ゜)人(´酈` )ノ〜♪
133
:
名無しハロモニ
:2002/12/26(木) 17:15
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
最高れす!
ありがとうございます。
新年短編も、あったりしますか?(期待)
134
:
名無し蒼
:2002/12/30(月) 22:49
うがーー!いいっす!!!
ごまべーぐるさん最高っす!
ほのぼの( ´酈`)( ゜皿 ゜)いいれす♪
135
:
ごまべーぐる
:2003/01/09(木) 21:53
コソーリレスのお礼です。
>名無しハロモニさん
( ´酈`)<こちらこそありがとうなのれす!
最高と言って頂けて有難きシアワセです。
新年短編…うう〜ん。そのうちに、余力があれば…。(しかし既に9日…(汗)
>名無し蒼さん
ノ( ゜皿 ゜)ノ<ノノカオマンセー!
こちらでは初めましてでしょうか。ののかおらいすっき!なので、うれしいです。
ありがとうございます。
136
:
ごまべーぐる
:2003/01/18(土) 02:13
秋くらいに書いた短編の続きを、姫生誕記念に書かせて頂きます。
137
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:15
―――石川視点
女子高生・ひとみとひょんなことから恋人(?)同士になって早や2ヶ月―――。
ひとみは相変わらず、週末になるとうちに入り浸っていた。
「――― ていうか、あんた入試直前でしょ」
あたしはお風呂上りに、まったりとリビングでココアなんか飲んでるひとみに、
にぎりこぶしをわなわなさせて言った。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ちゃんと勉強はしてんだから。
最悪、推薦で受かってるトコ行けばいいんだし」
いまいち、このコは緊張感がない。
あたしの時なんか、今ぐらいの時期は必死こいて予備校の直前講習とか通ったのに。
「こー見えてもひーちゃんお勉強はできるんだからぁ♪」
138
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:16
そうなのだ。
ひとみはアホな割には、不思議と学校の勉強は出来る。
推薦で受かってる大学というのも、あたしがいま通ってるトコと同じくらいレベルが高い。
「そーいやさぁ、梨華ちゃん来週誕生日じゃん?ナンカ欲しいモノ考えてくれた?」
あたしもコーヒーを飲もうとキッチンで支度をしてると、リビングから声をかけられた。
…正直、こういう心遣いはうれしい、かな。
「え、なにかくれるの?じゃあね…」
「そっかそっか。ひーちゃんの惜しみない愛がほしいのか、梨華ちゃんは」
「…人のハナシをきけー!!」
…このコといると疲れるわ。
139
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:17
「梨華ちゃぁ〜ん!」
―――土曜日。
ひとみは大学の前で、あたしを待っていた。
珍しくスカートなんか履いて、女の子っぽい格好をしてる。
あまりにも珍しく…カワイイので一瞬見惚れてると、
「ヒューヒュー!ダンナのお迎えだぜ〜!」
と、親友のあゆみが茶化した。
「がんばってね〜!Have a happy weekend and sweet birthday !」
同じく親友のアヤカもウィンクして肩を叩いてった。
「ちょ!ちょっと!親友の誕生日を祝ってくれないの〜?」
「何言ってんの〜。あたしらはデ・エ・ト♪待っててね、マサオ!すぐ行くわ〜!」
「そゆこと〜!Bye〜!あ、圭ちゃんからメールきてる♪」
…ふたりは早々と帰って行った。
テスト期間中だというのに、ふたりとも…。
140
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:18
「…んで、どこ行くの?」
ひとみのほうを見ると、ニコニコと悪気のない顔をして立っていた。
このコ、こうしてたらフツーにかわいいんだけどなぁ。
「それは当然、ラブホ♪」
「いきなりかよ!」
「えー?だってウチらが初めて結ばれた思い出の場所じゃ〜ん」
「…まあねぇ」
「だ〜いじょうぶ!いっちゃん最初に行ったよーな趣味悪いトコじゃないから!」
ひとみは人差し指を立てて強く宣言した。
確かに最初のトコは…センス悪かったわ。
レースとかフリルひらひらの少女趣味だったし。
―――ひとみに連れられて行ったのは、郊外のほうにあるホテルだった。
それまでにカフェで腹ごなししたり、洋服を見に行ったりはしたが―――。
電車を乗り継いでやってきて、しかもバスまで乗ってやっとこさここに着いたのだ。
141
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:20
「…なんつーか、旅に出た気分」
ホテルの部屋であたしはやれやれと荷物を降ろして言った。
「ホッホー!いいトコっしょ?気に入った〜?」
「…まあね〜」
ひとみ曰く、ココはこの前情報誌に載った、いま話題のホテルらしい。
部屋には露天風呂がついてて、掘りごたつなんかもあっておよそラブホらしくない。
「梨華ちゃん言ってたじゃん。『うちにはコタツがないから、たまには和室でのんびりしたい』って」
ひとみが後ろからあたしにじゃれついて言った。
「ん…」
覚えててくれたんだ…。
あたし、自分で言ったコトすら忘れてたのに。
「んじゃ、お風呂入ろっか。梨華ちゃん、今日は朝からテストで疲れたっしょ」
「いやまあ…そうね」
…ヘンなコトしないでよ。
ヘンなコトなのお?
…バカ!ドコ触ってんのよっ!
エエー?ココ、梨華ちゃんのいいトコじゃん♪
…ばかぁ。
142
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:21
…バスルームから、フラフラと出てくる。
あれだけ『ヘンなことはするな』と念を押したのに…。
2回もイカされた…。
「さって〜♪これからが本番!ひーちゃん、張り切っちゃう♪」
ひとみはそう宣言し、嬉しそうにバスローブを脱いだ。
まるでこれから闘うボクサーがガウンを脱ぐように。
あたしはベッドのふちに腰掛けて、ぼんやりそれを見ていた。
…白いタオルでも投げようかしら。
そしたら、早々と敗北になるわ―――。
「ん…」
ひとみはあたしを抱え上げ、ベッドに横たわらせた。
優しく口づけながら。
あたしは無意識のうちに彼女の背中に腕を回し、抱きついた。
「梨華…今日は眠らせないからね」
「いつもじゃん…」
「…もう。そーゆーコト言う子は、こうです」
ひとみが不意をついて、あたしの蕾にいきなり手を伸ばした。
さっき舐められたりしてイカされたばかりなので、カラダが過剰に反応する。
「…ヒッ!やだよ…もう」
「ウチも…ガマンできないよ」
ひとみはあたしの耳元に掠れた言葉を落とし、優しく足を広げさせ、自分の腰をもぐりこませた。
「一緒に…イキたい。いい?」
いいも何も…あたしのソコは、もうひとみのことしか感じられなくなってる…。
143
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:22
ひとみの熱を、体温を―――直接感じる。
あたしのとこすれる度に…声にならない声が唇から漏れる。
「…ん、あ…梨華、ウチ…おかしくなりそう。梨華、マジ…よすぎ」
「ひと…み!あた、あたし…いや!」
「イキそう?…ウチも、あ…!」
ひとみはあたしのおしりを両手で少し抱え上げた。
あたしも可能な限り…彼女にカラダを密着させる。
少しでも…ひとつになれるように。
…その夜は。
何度も求め合って、最後は意識がなくなるくらい抱き合った―――
144
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:22
―――朝、目が覚めると、あたしはつけた覚えのないペンダントをしていた。
ティファニーのカッコいいシルバーのヤツだった。
ひとみに問うと、『誕生日だしさぁ』と照れて笑った。
「今度は吉澤ひとみ生誕記念ね」
ホテルを出て。
ひとみはニコニコしながら言った。
「…どうせそれまでに死ぬほどするんでしょ」
「あ、それいいね!梨華ちゃんが『もう死んじゃう〜!』ってウチにしがみついてヒーヒー泣いて!」
「…いっぺん死ねー!!」
握りこぶしを震わせると、ひとみの首元に、あたしのと同じペンダントがあることに気づいた。
それに気づいて、思わず手を下ろす。
「…今日は、カンベンしといてあげるわ」
「んじゃ、梨華ちゃん家に戻って後夜祭ね」
「だから…ヒトのハナシを」
「今日は梨華ちゃんがウチをヒーヒーゆわすというのはどうでしょう?」
「いや、だから…」
―――当分、このヒトのハナシを聞かないヤツから離れられそうにありません。
顔を上げると、とてもいいお天気だった。
バスを待ちながら、ひとみと並んでしばらく空を見ていた。
145
:
ごまべーぐる
:2003/01/18(土) 02:27
川o・-・)<以上です…スレ汚し大変申し訳ありません。
作者にかわって、わたくし紺野が1444回、お詫びいたします。
オイラは1444回、梨華ちゃんとイチャイチャ!>(#0^〜^(^▽^#)<もう〜!
146
:
名無し誕生日
:2003/01/18(土) 21:34
キタ━━( ^▽^)━( ^▽)━( ^)━( )━(^0 )━(〜^0)━(^〜^0)━━ !!!!!
147
:
名無し誕生日
:2003/01/19(日) 15:24
梨華ちゃん生誕記念作サイコーでした!!
ごまべーぐるさんの、エ●(・∀・) イイ!
顔が緩みっぱなしでした!
ありがとうございました!
148
:
ごまべーぐる
:2003/01/24(金) 12:19
川o・-・)<レスのお礼をコソーリと…
川o・-・)<146の名無し誕生日さん、回転するいしよしがステキです。
吉澤さん風に言えば『カッケー!』ですね。ありがとうございます!
川o・-・)<147の名無し誕生日さん、サイコーなんて…(ポッ)。
こちらこそ読んで頂いて、ありがとうございました!
149
:
小鉄
:2003/02/05(水) 19:08
あっちに詰まりぎみなので気分転換に短編なんぞを。
だがしかし。暗くて痛いので駄目な人は読まないで下さい。
ではでは。
150
:
小鉄
:2003/02/05(水) 19:09
彼女を無理矢理抱いた時。
ウチは酔っぱらっているふりをした。
計画的に持ち込んだ赤ワイン。
「あ〜。よっすぃってば不良だぁ。」
そう言って梨華ちゃんはクスクスと笑った。
その無邪気な横顔を見て、チクチクと良心が痛んだ。
何ヲ今更。
彼女を自分の『モノ』にしたい。
彼女を誰にも渡したくない。
151
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:11
「大丈夫だよ。だって梨華ちゃんもう十八歳じゃん。」
「もぉ。お酒は二十歳になってからでしょ?」
「いいからいいから。折角明日は仕事がお休みなんだから。」
グラスに注ぎ込まれる赤い液体。
そのグラスに移る歪んだ自分の顔。
「じゃあ何に乾杯しようか?」
「そうだなぁ・・・。」
ウチは二コリと笑ってみせる。
「これからの娘。に。そして・・」
二人のグラスが近づき、小さく音を立てる。
「十八歳になったばかりの石川梨華さんに。」
「うわっ。よっすぃってば気障ぁ〜。」
梨華ちゃんはそう言って照れたように笑った。
152
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:11
優しくて。温かいあなた。
好きなんです。
心から。
罪悪感と自己嫌悪は日増しに膨れて、
今にも破裂しそうで。
少しづつ漏れ出したこの気持ちを、
ウチはもう隠す事が出来ない。
でもこの気持ちを知られたら。
きっと
きっと
何もかも壊れてしまう。
153
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:12
だから
せめて一度だけ、その温かい体温を
「ちょっと。よっすぃ大丈夫?飲みすぎちゃったんじゃない?」
「ん・・・。」
どうか
「一人であんなにたくさん飲んじゃうから。」
たった一晩だけでも
「や、何?どうしたのよっすぃ?!」
温めて
「嫌!止めてよっすぃ!」
この冷えた心と体を。
「・・・や・・だぁ・・・。」
154
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:13
あなたが
好きなんです。
この心が
千切レテ シマイソウ ナ 程。
155
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:14
次の日目を醒ますと、そこに梨華ちゃんの姿は無かった。
自分の姿を確認するとキチンと服を身に付けていて。
(梨華ちゃんが着せたのかな・・。)
だとしたら大変だっただろうに。
クツクツと自分が笑っている事に気が付く。
何がそんなに可笑しいのか、自分では分からなかった。
ただ、無償に笑いたかった。
最後には笑いすぎて涙が出てきた。
夕方まで梨華ちゃんを待っていたが結局帰ってくる気配は無かったので、
ウチは書置きをして家に帰った。
156
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:16
そして又次の日。
ウチは仕事へと向かった。
楽屋への扉を開ける。
「おう。よっすぃおはよう。」
「よっすぃ。おっそぉーい。今日はよっすぃがビリだ。」
「何だ何だ珍しく寝坊したか?」
いつもと変わらない仲間達からの言葉。
「すみませぇ〜ん。目覚まし掛け忘れちゃって。」
いつもと変わらないウチの軽めな挨拶。
だけど目線は梨華ちゃんを探す。
梨華ちゃんが来る事は分かっていた。
誰よりも真面目な彼女。
誰よりも仕事が好きな彼女。
「おっはよぉ〜梨華ちゃん。一昨日はごめんねぇ。
ウチ一人で潰れちゃったみたいで。メモに書いといた通り
何も覚えてないんだ。」
こっちを見ようとしない梨華ちゃんの肩に手をかけると、
その細い体がビクリと震えた。
157
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:17
もしかしてウチ。酔っ払って何か変なことした?」
ゆっくりと振り返った梨華ちゃんの顔は文字通り
青冷めていた。
「よ、っすぃ。」
怯えたその表情。
「マジで・・・ウチ何かしたの?」
梨華ちゃんはフルフルと頭を振った。
「何も。何もしてないよ。それよりごめんね。何も言わないで
居なくなっちゃって。急に親に呼び出されて。」
誰よりも嘘が嫌いなあなたがついた、
悲しい悲しい嘘。
158
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:18
あなたはどこまでも優しい。
「そうだったんだ。よかったぁ。ウチ何かやらかしちゃって
それがショックで居なくなっちゃったんだと思ったよ。アハハ。」
いつだろう。
「やっぱりお酒は二十歳を過ぎてから!だね。」
「うん。」
いつだろう。
「じゃ、今日もいっちょ仕事頑張りまっしょい!」
「うん。」
梨華ちゃんはいつもの様に二コリと笑う。
159
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:18
いつだろう。
この肢体が
十字架に磔にされる時は。
160
:
小鉄
:2003/02/05(水) 19:20
終わり。
マジで短くてごめんなさい。
161
:
名無しひょうたん島
:2003/02/05(水) 20:59
イタイイタイ!!「●心」下さい!!
でも、痛い系も好きなので良かったです!!
短編じゃなくもうちょっと長く読みたいかな?
でも、ありがとうございました。
162
:
ごまべーぐる
:2003/02/07(金) 17:42
| ハ@
|‘д‘)<コソーリ書かせてもらうでェ
⊂
|___
163
:
ウチはあいぼん様や!
:2003/02/07(金) 17:50
―――加護視点
ウチの名前は加護亜依。
職業は、モーニング娘。や。
今日は、ウチの同僚のハナシをさせてもらうワ。
164
:
ウチはあいぼん様や!
:2003/02/07(金) 18:01
ウチはモーニングの第4期メンバーいうことになってて、他に同期が3人おる。
ひとりは辻希美いうて、ウチとおんなじミニモニ。にも所属してる。
問題は、あとのふたりやねん。
石川梨華と、吉澤ひとみ。
もう〜。
このひとら、朝からいちゃいちゃしっぱなしで、まったくもってけしからんねん。
グループの風紀が乱れるワ。
つーか、社内恋愛みたいなモンやろ?いわば、オフィス・ラブやろ?
オフィス・ラブはもっとひっそりとかくれてやるモンやで。
オカンが昔見てた昼メロでも、そうしとったでェ。
「よっすぃ〜、おはよう〜!」
「りぃかちゃぁ〜ん!」
「出たよ、バカップル!」
ウチらのせんぱいの、矢口さんが言わはった。
朝、楽屋でよっすぃ〜と梨華ちゃんが会ったときの挨拶がコレや。
ひしと抱き合って、ぶちゅ〜ん。
オイコラ。中学生も見てんねんで。
「あさ美ちゃぁ〜ん、このカボチャプリンおいしそう!」
「あ、ホントだー!」
て、オイ!
紺野ちゃんとまこっちゃん、バカップル放置かい!
仲良さそうに雑誌なんか見て。
慣れてコワイわ。
最初は、バカップルの暴走ぶりに、ふたりとも頬を赤らめてたのに。
165
:
ウチはあいぼん様や!
:2003/02/07(金) 18:16
「あいぼん、おはようれす」
もうひとりの同期、辻希美が来おった。
「おう。自分、今日は早いやん」
「へいっ。オナカが空いて、早く目が覚めたのれす」
「健康的やね…て!朝から牛丼かい!」
「へいっ、お持ち帰りしたのれす」
ののはてへてへ笑いながら、うまそうに吉野家のお持ち帰り用牛丼(特盛りギョク・つゆだく)を
頬張った。
自分、この前、保田のおばちゃんに『朝から牛丼はもたれる』みたいなコト、テレビで
言うてへんかったか?
それとも、ウチが見たんは幻?
「よっすぃ〜、はいあ〜ん!」
「あ〜ん。モグモグ…う〜ん!うんめぇ〜!!」
バカップルも、ベーグルサンドを食べさせあいっこしとる。
エエなぁ、シアワセで…。
「あいぼんも、少し食べるれす」
ののが、牛丼を容器ごとウチに手渡した。
「エエの?」
「へいっ」
「自分、口にゴハンつぶついてんで」
「イヤ〜ン。とってくらさい」
すぐとってやって、ウチは何の気なしに、ゴハンつぶを自分の口に放りこんだ。
「ホホッ!ラブラブねッ!」
そばで見とったオバチャンが、ニヤニヤして言いおった。
石川・吉澤のバカップル組も『ヒューヒュー!』なんて冷やかしとおる。
つーか、自分らに言われたないわい!
「あいぼん、だーいすきれす!」
ののが、ビミョーに牛丼くさい口を近づけて、ウチのほっぺにキスしおった。
食ってる途中で、キスなんてするから。
ウチのほっぺに、のののゴハンつぶがついたんや。
( ´酈`)ノ<おしまい!
( ´д`)<いやだからね、ウチの誕生日…
166
:
ごまべーぐる
:2003/02/07(金) 18:20
( ´酈`)<おわりれす。タイトルはふきゅうの名曲『おれはジャイアン様だ!』の
パロなのれす
( ‘д‘)ノ<♪ウ〜チはあいぼ〜ん!ボエー!て!ちゃうやろ!
スレ汚し、失礼しました。
そんで、あいぼん。
誕生日おめ!
167
:
名無しひょうたん島
:2003/02/08(土) 01:20
ののの、牛丼臭い口(・∀・) イイ!
もう、サイコーです!!ごまさんサイコー
マンセーーーーーーー!!
168
:
YUNA
:2003/02/08(土) 04:09
加護&辻、可愛いっっっ♪♪♪
いしよしのバカップルぶりに、
ついニヤけてしまいました。(危なっ.../笑)
遅れちゃったけど、
あいぼぉ〜ん、誕生日おめでとぉ〜〜♪♪
169
:
名無しひょうたん島
:2003/02/09(日) 14:12
おれはジャイアン様だ!
(・∀・) イイ!
今考えたら、名曲かもしれないですな。(w
短編また書いて下さい!
170
:
小鉄
:2003/02/10(月) 20:32
こっそぉ〜り。ひっそぉ〜り。続き。
しつこいようですが・・。痛いし暗いので駄目な人は読まないで下さい。
171
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:34
あの時。あなたが酔って私を抱いた時。
あなたは誰を想って私を抱いたの?
誰と間違えて私を抱いたの?
一言も紡がれなかった私の名前。
たった一言。
ほんの二文字。
あなたが私の名前を口に出してくれていたら。
きっと
何モカモ 許ス 事ガ 出来タ ノニ。
172
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:35
今は二人きりで話す時間が怖い。
いつ言われるか分からないから。
『実わね。』
あの人は笑いながら、照れながらきっと言うの。
『ウチ、好きな人が居るんだ。』
って。
私を無理矢理抱いた事なんか忘れいて。
私が震えていた事なんか忘れいて。
まるで性質の悪い冗談。
まるで性質の悪い悪夢。
何処にも救いは見つからないね。
173
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:35
「石川さぁ〜〜ん。出番です!」
こんな時でも時計は回る。
不平等に出来ている世界の、唯一平等な事柄。
ちゃんとやらなくちゃ。
いつもの様にカメラに向かって笑顔を向けなくちゃ。
たとえ、現実が残酷であったとしても。
「皆さんこんにちは。チャーミー石川です。」
あれ?
あれ?
皆が変な顔で私の事見てる。
どうして?
『ストップ!カメラ止めて!』
174
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:36
スタジオの中がシンと静まり返っている。
メンバーも黙って私を見ている。
「何?どうしたの皆。」
だけど誰も何も言わない。
私、なにかした?
誰かが私に走り寄って来た。
でも何故か視界が霞んでいる。
ぼやけて何も見えない。
私は強引にその人に手を引かれた。
「梨華ちゃん。」
低く優しい声。
「よっ・・すぃ?」
その時初めて自分が泣いている事に気が付いた。
175
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:37
「梨華ちゃん。あっちに行って休もう。」
どうして
どうして
私に優しくするの?
ああそうだ。
あなたは皆に優しいんだよね。
じゃあ特別な人にはどんなに優しいことだろう。
176
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:38
「嫌!!離して!!」
気が付くと私はよっすぃの手を振り払っていた。
よっすぃが酷く傷ついた表情をする。
「梨・・華ちゃ・・ん?」
ごめんね。そんな顔させちゃって。
ごめんね。あの時の事を忘れちゃったよっすぃにはわけわかんないよね。
だけどお願い。
私に優しくなんかしないで。
私の事なんか嫌いになって。
177
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:39
「石川!」
「石川どうした!」
よっすぃとは違う腕に支えられる。
「ご、めんな・・さい。あの・・日か・・らよく寝て・・なく・て・・。」
「何言ってんだよ石川!!」
「ちょっ、石川?石川?!」
そして。フェードアウト。
178
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:39
大丈夫。あなたが居なくてもやっていけるから。
そんなもんでしょ。恋愛って。
想うのは一時だけ。
あなたが一番近くに居たから。
それだけの理由。
私は寂しかっただけ。
忙しい日々の中で、支えてくれる人が欲しかっただけ。
ありがちだよね。
笑えるよね。
ちょっと違うのはあなたが『女の子』ってだっただけ。
179
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:41
でもね。
でも。
そういう事とか除外しても。
やっぱり好きだったよ。
本当に、本当に好きだったよ。
永遠に愛していたい。
例え他の誰かと私が結婚したとしても。
あなただけが私の大切な人。
あなただけが私の特別。
180
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:44
だけどあなたはあの時。
キスさえもしてくれなかった。
ちょっとは分かってたのかな?
私はただの慰みだって。
誰かの幻影だって。
だから
サヨナラ。
181
:
小鉄
:2003/02/10(月) 20:46
梨華ちゃんサイドおわり。
182
:
名無しひょうたん島
:2003/02/10(月) 21:37
痛い……。どうしよう…。
でも、本当は…。
悲しいですね。こういうの…。
作者さんは、すごくうまいです。感動しました。
ありがとうございました。
183
:
オガマー
:2003/02/10(月) 23:42
小鉄さん、ヤバイですよ。
遅れ馳せながら、よっすぃー視点も読んで 泣 け た 。
最高ですた。。
184
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
185
:
名無しひょうたん島
:2003/02/11(火) 12:47
。・゜・(ノД`)・゜・。
泣いちゃいました。サイコーでした。
186
:
名無しひょうたん島
:2003/02/13(木) 16:59
「Say the Pray」、い、痛い・・けど最高です。
梨華ちゃん視点もせつないよぉ(号泣)
両思いだったのに、悲しいスレ違い・・
この二人にどうか、救いの道を・・
187
:
小鉄
:2003/02/19(水) 22:32
こっそりと続き。
痛いし暗いので(ry
188
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:33
その時。
確かに。
この心臓に。
杭が打たれた。
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