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気ままに短編集!!(何でもあり)
1
:
管理人@よすこ。
:2002/08/16(金) 15:53
新スレ立ててみました。
スレを立てるのは、何だがちょっこっと、書いてみたいな〜と思う
方がいらっしゃったら、どんどん書いてください!!
一話目は偉大な作家べー。様。が、管理人の要望にこたえて書いて頂いた
短編を、のっけます。続け〜〜〜(w
522
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:54
「はぁ・・・」
ほらほら、またまた亀井ちゃんの溜息。
これで本日56回目のため息ですよ。
ホントにどうしちゃんたんだろう・・・
何か心配ですよね・・・
ここは先輩としてちゃんとしなきゃ。
523
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:54
「亀井ちゃん?」
「あ、はい。何ですか?」
満面の笑みで返事をする亀井ちゃん。
さすがはアイドル。どんな時でもすぐに笑顔に切り替われるんですもん。
あっ、一応、私もアイドルですよね。
え?いしよしヲタ?たしかにそうですけど・・・
って、今は私のことなんていいんですよ。
「あのさ、何か最近、溜息が多いんだけど、悩み事でもあるの?」
「あ、いや・・・」
「そりゃ、私なんて頼りない先輩かもしれないけどさ。
でも、悩み事の相談ぐらい聞いてあげられるんだよ?」
このセリフ、自分でも驚くぐらいに完璧です。
ここまで言えたらさすがに亀井ちゃんも頼って・・・
524
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:55
「あ、いいです。何でもないですから・・・」
ガ━━━━━━━━━━━━━━川o゚Д゚)━━━━━━━━━━━━━━ン!
やっぱり、私じゃ頼りないんですか・・・
そうですか、そうですか・・・
「そ、そっか。な、なら、いいんだけどさ・・・」
何も出来ない私。仕方なく亀井ちゃんのもとを離れることに。
525
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:56
「・・・・・・」
今、私は楽屋の隅から亀井ちゃんを観察中。
頼られなかったからといって、簡単には引き下がりませんよ。
絶対に亀井ちゃんは何か隠してる筈。
「はぁ・・・」
ほらほら。また溜息。
やっぱり、悩み事か何かあるんですよ、あれは。
で、さっきから気になることが。
亀井ちゃんは溜息吐く前に必ず一点を見つめてるんですよね。
ほら、また今もじっと一点を見つめてます。
一体、何を見つめてるんでしょうか・・・
とりあえず、亀井ちゃんの視線の先を見てみると・・・
526
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:57
ん?藤本・・・さん?
え???藤本さんが何か?
・・・・・・ま、まさか・・・・・・
みきえり・・・・・・?
いや、私、何を勝手にカップリングにしちゃってるんだろう・・・
でも、あの視線はかなり怪しいですね。
だけど、さすがに亀井ちゃん本人に
「藤本さんとカップリング・・・じゃなくて、藤本さんのことが好きとか?」
なんて聞けないし・・・
どうしよう・・・どうしよう・・・
527
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:57
「なぁ、もう収録だよ。聞こえてるの?」
え?何?収録?
「ほらほら、ボーッとしてないで。準備して行くよ」
「あ、うん」
愛ちゃんか・・・
考え込みすぎて周りが何も見えなくなってたみたいです。
これ、悪い癖なんですよねぇ・・・
さぁ、収録なんだから頭の中を切り替えて集中しないと。
「あっ、愛ちゃん。先に行ってて」
「ほ〜い」
さて、早く準備しないと。
528
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:58
よし、準備完了。早くスタジオに行かなきゃ・・・
ドン!!
痛ッッッ!!
いすにぶつかっちゃったみたいです・・・
もう、人が急いでるっていうのに。
ん?いすの上に置いてあったカバンが落ちちゃったみたい・・・
誰のだっけ?え〜っと・・・あっ、亀井ちゃんのカバンだ!
そんなことより、早く片付けないと・・・
ん?何か変なものが・・・
529
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 02:59
「ことミック・・・?」
カバンの中から落とした拍子で出てきたもの。
それは松浦さんと藤本さんがやってたことわざを解説する番組のDVD。
何でこんなものが???
そして、もう一つ。
亀井ちゃんの携帯電話。
いわゆる折りたたみ式のなんですけど、落ちた時に開いちゃったみたいです。
あんまり他人の携帯電話とかって触るのよくないんですけどね・・・
って、これまた何ですか・・・?
その携帯電話の待受け画面には・・・
松浦さんと藤本さん・・・
ま、まさか・・・亀井ちゃんって・・・・・・
530
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 03:00
無事に収録も終わった後のこと。
メンバーのみなさんはスタジオを出て、楽屋に向かう中で
私は亀井ちゃんを呼び止めました。
そう。確信に触れる為に。
「亀井ちゃん!」
「はい?どうしたんです?」
「あ、あのさ・・・間違ってたらごめんね・・・」
「?」
今から聞くことはすごくすごく重要なことなんです。
そんな中で、緊張する私。
「もしかしてさ・・・・・・・・・あやみき好き?」
「え!?」
亀井ちゃんの顔は一気に戸惑った表情に。
でも、これってあやみきを知らなくて何のことか困ってるって可能性も・・・
531
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 03:01
「あのぉ・・・笑わないで聞いてくれます?」
ゆっくりと口を開いた亀井ちゃん。
ゴクリ・・・
唾を飲み込む音が二人の間に響く中で、私はゆっくりと頷きました。
「実はですね・・・紺野さんの言うとおり・・・あやみきヲタです・・・」
ヲタ宣言キタ━━━━━━━━━━川o・∀・)━━━━━━━━━━!!
亀井ちゃんまでそんなんだったなんて・・・
モーニング娘。の中にハロープロジェクトのヲタが複数もいるって・・・
532
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 03:02
「あのぉ、紺野さん?」
「え?」
あまりに衝撃的な告白に、私、思わず呆然としてしまったみたいです。
「やっぱり、変ですよね・・・もう、こんなことがバレちゃった以上、
モーニング娘。にいれないかも・・・」
うわ〜、もの凄く思いつめた顔をしてる・・・
大体、そんなこと言ったら、私なんてもっと昔に辞めてなきゃいけないんだけど・・・
ここは・・・思い切って私も告白!!
533
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 03:03
「あのね、亀井ちゃん。実はさ・・・私もヲタ・・・なんだよね」
「こ、紺野さん!?」
今度は一転して、亀井ちゃんが呆然とした表情。
「そのぉ・・・私の場合は・・・いしよしなんだよね」
「いしよし・・・ですか?」
「うん・・・」
言っちゃったよ・・・ヲタだなんて先輩としての威厳なしですよね。
もう、私、ダメです・・・って、亀井ちゃん???
な、何で笑ってるの?
「ど、どうしたの?」
「いや〜、理解者がいてくれて嬉しいんです。紺野さん、最高の先輩ですよ!」
さ、最高!?嬉しいよ、その言葉・・・
ん?でも、これって私もヲタだから・・・ですよね?
それって良いことなんでしょうか・・・
534
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 03:04
結局、何か吹っ切れた亀井ちゃんは、その後、普段は見せないような勢いで
あやみきの素晴らしさを熱く語りだしました。
因みに溜息の理由は、慢性的なあやみき不足だとか。
そして、生であやみきを見たかったから、6期オーディションに応募したらしいんです。
亀井ちゃん・・・そんな凄かったんですね・・・
よし!私も負けてられない!もっと、いしよしの道を極めなきゃ!
でも・・・亀井ちゃんの熱弁の所為であやみき・・・気になるかも・・・
ダメ!ダメ!ダメ!私は生粋のいしよしヲタなんですもん。
帰ったらいしよしの動画見て補給し直そっと。
535
:
亀井絵里の秘密
:2003/12/22(月) 03:04
その後の紺野あさ美と亀井絵里。
彼女ら二人が自分の推しCPについて熱く語り合ってるのが度々目撃されている。
536
:
名無し(0´〜`0)
:2003/12/22(月) 03:07
以前に紺野さんのナメた話を書いた者です。
どうしようもない話を書いてしまいました。
やっぱり駄文です。申し訳ないです。
537
:
名無し(0´〜`0)
:2003/12/22(月) 12:16
>ヲタ宣言キタ━━━━━━━━━━川o・∀・)━━━━━━━━━━!!
すっごいおもしろかたです!!
亀井あなどれんなw
538
:
はじめてのチュウ
:2003/12/22(月) 13:08
「よっちゃーん!お待たせっ!!!」
「うちも、今終わったトコ」
いつもとおんなじ放課後 クラブの後の帰り道
うちらは、特別な友達
だってさ、梨華ちゃんがそう言ってたから
去年同じクラスで梨華ちゃんを、初めて見た時
・・・カワイイじゃんって、フツーに思った
その、不可解な言動とか、はっきし言って引いたコトもあり・・・
最初のうちは、仲良くなれそ〜じゃないって思ってた
なのに、なんでだろ???
居心地い〜って言うのかな?
特別なコトなんてなんにもなかったのに、うちらは気が付けば
いつでも一緒に居たんだよね
539
:
はじめてのチュウ
:2003/12/22(月) 13:09
今年になって、クラスが別れちゃって
なんだろ?・・・寂しいとかそんなんじゃないケド
なんとな〜く、胸ん中にポッカリと空きが出来ちゃった感じ?
その穴みたいなのは、ちっちゃいクセにさ〜
なかなかコレが、うまんないんだよね
梨華ちゃんはテニス部で、うちはバレー部
だけどさ、部活の終わり時間なんてどこも似たようなモンで
部活が始まるようになって、たまたま帰りによく会って
なんとな〜く一緒に帰るようになったらさ
穴が塞がっちゃってたんだ
怪我したトコが自然に治ってるみたくね
で、気がついたら、毎日一緒に帰るようになってたんだ
540
:
はじめてのチュウ
:2003/12/22(月) 13:10
あれは、いつだっけ?
部活の無い日があって、それでもうちは梨華ちゃんと帰りたくなっちゃって
梨華ちゃんのクラスを覗きに行ったんだ
・・・まだ、いるかなぁ〜って
教室に近づくと、開けっぱなしのドアから声が聞こえてきたんだよね
他のコより高くって、なんだかうちの耳には特別よく聞こえちゃう声
顔が見えなかったから、誰と話てるのか判んなかったんだけど
その誰かさんは、梨華ちゃんに言ったんだ
「石川さんって、吉澤さんとすごい仲イイよね?」
梨華ちゃんは、鈴が転がってくみたいに笑ってさ、言ったんだ
「よっちゃんは、特別な友達だから」
うちは単純に、うれすぃ〜なぁ〜、ずっと特別でいたいなぁって
思ったんだけどさ、変なんだよー
友達のトコで・・・その言葉で、なんかさ、なんだろ?
・・・キュンって、捨てられた子犬が鳴くみたいな声がするんだ
うちの胸の中で・・・
541
:
はじめてのチュウ
:2003/12/22(月) 13:13
それから、うちの目は壊れてしまったのだ
うちが見ようと思う前に、いつでも梨華ちゃんのコト探し出しちゃうし
それどころか、見つけた梨華ちゃんがどんどん可愛く見えるんだ
それだけでも困るのに、最近のうちときたらテレビやマンガでキスシーンとか見ると
うちと梨華ちゃんに頭ん中で入れかえちゃってるんだよ〜〜〜
んでさ、前は顔全部を見て、カワイイって思ってたんだけど
今は、プニプニのほっぺたに触ってみたいとか、目を閉じた顔ってどんなかな?とか
柔らかそうなクチビルだな・・・とか、パーツのすべてに熱心に見入っちゃって
梨華ちゃんに、話聞いてる?って怒られるんだよ・・・とほほ
やべっ・・・また、クチビルばっか見てるじゃんっ
うちは恥ずかしくなって、目線を足元に落とした
そしたら、二人の影が見えた
半歩先を歩く梨華ちゃんとその後ろを歩くうち
ふたりおそろいみたいな影
なんだか、本物のうちらより仲良さげでちょっと悔しい、影のクセにさ
うちが、思わず足を止めて、寄り添うように見える影に
ココロを奪われていると、梨華ちゃんが言った
542
:
はじめてのチュウ
:2003/12/22(月) 13:14
「今日のよっちゃん、へ〜〜〜ん!」
顔を上げると、うちの一番好きな顔
夕暮れのオレンジ色に染まったほっぺたで笑う顔
・・・ドキドキドキ・・・
時々、発作みたく現れるドキドキに、うちは襲われて、また足元を見た
そしたら「なに見てんのぉ〜?」って梨華ちゃんが、うちの顔を覗きこんだ
その時・・・ふたりの影はキスしてた
・・・チュッ
軽い音をさせた後、離れていく梨華ちゃんの顔のドアップ
うちが顔を真っ赤にさせて、右手で口元を覆うようにボーゼンと突っ立てると
スタスタと先に歩き出した梨華ちゃんは、いつもの二人の家への別れ道で
立ち止まると振り返った
梨華ちゃんも耳まで真っ赤にして、照れくさいような怒ってるような言い方で
言ったんだ・・・うちの一番好きな言葉
「また、あした」
お終い
543
:
サー
:2003/12/22(月) 13:18
ほんとに短いお話でした
軽〜い、カワイメのお話が、どーしても書きたくなってしまいまして・・・
お邪魔しました(ペコリ)
544
:
名無し(0´〜`0)
:2003/12/24(水) 19:28
かわ(・∀・)イイ!
短いけどとってもいいお話でした。
次回は長めのを読んでミタイです。
545
:
サー
:2004/01/05(月) 11:36
544様>レス下さってありがとうございますm(_ _)m
いつか、読んで頂けたらうれすぃ〜ですφ(・_・)
546
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:08
「ヤダ、ヤダ、ヤダぁ〜!!!!」
ベッドの上で、駄々こねてるこの人...
付き合って1年半の、アタシの恋人だったりする...
今日は別々のお仕事が入ってるから...
会えないって言ってるのに...
それが真夜中でも、会うんだって...
さっきから、正直うるさぁ〜いっっっ!!!!!!
「あのねぇ、よっちゃん!?」
「....梨華ちゃんの、馬鹿ぁ!!!」
547
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:08
そう言って、ベッドの上で膝抱えて...
アタシに背を向けて、思いっきり頬っぺた膨らませて...
ホントにもぉ、しょうがないじゃなぃ...
アタシだって会いたいもん...
それが、朝方だって会いたいもん...
だって、明日はよっちゃんの誕生日だから...
誰よりも1番最初に会って、おめでとうって言いたいもん...
だけど、明日は朝からお仕事が入ってるじゃなぃ...
「...ねぇ??」
「.....ぶぅ。」
「...ねぇ、こっち向いてょ。」
「....べぇ〜だ。」
「.......お願ぃ、困らせないでょ。」
548
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:08
なんでだろ、涙が出て来た...
「...アタシだって、会いたいもん。
......誰よりも先に、おめでとうって言いたいもん。
....よっちゃんは、いつもそうやって膨れてばっか。
...アタシの方がお姉さんだけど.......
....アタシにだって甘えたい時、あるんだからぁ〜!!!」
小さい子みたいに、ワン②泣いて...
「....ごめんょ。」
よっちゃんの唇がそっと触れて...
549
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:09
「...ねぇ今夜、梨華ちゃん家で待っててもいい??
.....うち1番最初に、梨華ちゃんに会いたいんだ。
....んで、1番最初に“おめでとぉ”って言ってもらいたい。
...それまで、携帯にも出ないし、メールも見なぃ。
.......帰ってくるの、起きてずっと待ってる。」
「....ホントに、それでいいの??
......次の日、お仕事辛くなっちゃうょ??」
「...んなの、構わないょ。
....睡眠よりも、梨華ちゃんと過ごす時間の方が大事。」
「....ょっちゃん。」
ギュッてして、またキスして...
携帯鳴ってるけど、無視②...
550
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:09
「携帯出なくていいの??」
「...平ぇ気、柴ちゃんだもん。」
今はそれどころじゃないの、ごめんね柴ちゃん...
「....ねぇ、それょり.........」
「ん??」
「...もっと、キスして........」
「.....んっ、」
返事が返ってくる前に...
アタシから大好きな唇に触れた...
551
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:09
* * * * * *
552
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:10
ねぇ、よっちゃん...
アタシ達って、変わったのかな...??
あの頃より少しは、成長したのかな...??
アタシの子供っぽい所も...
大好きだって言ってくれたアナタ...
ねぇ、今は...??
少しは、大人になったかな...??
ねぇ...??
人が変わらずに居る事って、無理なのかな...??
553
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:10
だってね...
だってね...
初めて出逢ったあの時から...
何1つ変わってない、ソノ無邪気な笑顔...
アタシ大好きなんだ...
でね、その笑顔が...
アタシをいつも、支えてくれてるから...
ずっと②、変わらず存在って欲しいんだ...
554
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:10
* * * * * *
555
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:11
「ただいまぁ〜!!!」
「お帰り♪」
玄関でギュッてして、キスして...
今日ずっと、伝えたかった事ば...
「よっちゃん、19歳お誕生日おめでとぉ♪」
張り切りすぎて、いつもより声が高くなって...
おまけに、できもしないウインクまでつけちゃって...
「...きしょっ!?」
結局、これなのね...(号泣
556
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:11
「はははっ、今年も愛してるぜぇ♪♪♪
寒くて、キショくて、すぐ小指が立っちゃう梨華ちゃんが大好きだぁ〜♪♪♪」
大声でそんな事言いながら...
ギュッて後ろからハグされて...
振り向けば、アタシの大好きな笑顔がそこにあった...
557
:
『things that’ve never changed...』
:2004/04/12(月) 14:11
ずっと②...
いつまでも...
2人で片寄せて、一緒に笑って居よぉね...??
〜THE END...〜
558
:
YUNA
:2004/04/12(月) 14:15
よっちゃん、お誕生日おめぇ〜♪♪♪
↑がまだ途中なので、こちらに書かせていただきました。
今年はまだ誰の誕生日にも書いてない事を思い出し...
梨華ちゃんの時はすっかり忘れ...(苦笑
よっちゃんだけはと思い、20分で書きました...(ぇっ
相変わらず駄文ですがよかったら、読んでやってください。
↑も更新せんとねぇ...
559
:
名無し(0´〜`0)
:2004/04/15(木) 11:10
(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!
よかったです!!上の作品も楽しみにしています。
がんがってください
560
:
YUNA
:2004/04/17(土) 17:05
>559の 名無し(0´〜`0)さん。
レスありがとぉございます♪
sageにしたんで、誰も気付いてくれないかなぁ〜なんて思ってました。w
↑(↓?)のやつも、もうすぐラストって感じです。
長かった...(涙
つっても、まだあるんですけどね。
最後までお付き合いくださぃ♪
561
:
無題
:2004/05/24(月) 21:23
「ただいまー」
帰り慣れた家、使い慣れた鍵。
いつからか帰る家には毎日じゃないけど光りが灯るようになり、
灯っていない時だって、一緒に光りのボタンを押すようになった。
「ん、おーおかえり」
『ただいま』の言葉を言えば返ってくる『おかえり』の言葉。
昔は側にあってあたり前だった言葉が一度遠くに離れてしまい、そしていつしかまた私の側にあるようになった。
この短い言葉が私の心をほかほかにさせてくれるということを、私はこの家で知った。
この人と一緒にいて、知った。
もう、どれくらい前のことだろう。
「風呂準備しといたから先入っちゃいなよ」
「うん、ありがと」
ミュージカルのリハーサルに夜中の生放送のラジオ出演。
他にも色々つまった毎日毎日のスケジュール。
時間はあっという間に経っていき、気付けばもう随分走り続けてきている。
562
:
無題
:2004/05/24(月) 21:24
着ていた服をダラダラと脱ぎながら、お風呂場の扉を開けたら目に入ってくるのはいつもと同じお風呂場で、
少しずつ変わり続けて、だけど変わっていない場所がここにあった。
いつもよりも少し熱めのシャワーを時間をかけて浴び、バラの香がするお風呂に浸かる。
手足を伸ばせるだけ伸ばしてぶくぶくと水の中に沈んでみた。
当たり前だけど、しばらくしたら息が苦しくなってしまい、私は大きく息を吐きながらお風呂から顔を出し、
濡れた髪を両手で後ろに撫でつけた。
静かな空間に水の落ちる音が聞こえる。
手足がふやふやになっちゃくくらいに長く入ったお風呂。
いい加減出なきゃなーって思っているのに、疲れとか、何だか色々なモノが出てきて体が思うように動かなかった。
お風呂場の外から私よ呼ぶ声が聞こえて、声だけで返事をすると、その声が呆れたように笑って言う。
『寝てんのかと思った』
変わらないモノ。
変わらない場所。
きっとそれはここだけじゃない。
他にも沢山ある。
分かってるはずだけど、気付いてるはずだけど、意識するっていうことが少ないんだ。
だから、こんな日とかに思い出したように感じるんだ。
563
:
無題
:2004/05/24(月) 21:24
ダルダルの体を引きずって、お風呂から這い上がるようにして出て、スローな手つきで体を拭いて、
いつの間にか用意しといてくれた寝間着に袖を通す。
ちょっと温かいのはどうしてだろう。
ひょっとして、抱きしめててくれたからかな。
肌に伝わる冷たさよりも心地よい温度。
ボタンを一つ一つゆっくりととめ、ソファーに座ってテレビを見てる彼女の隣に腰を下ろした。
「あー、全然髪乾かしてないじゃん。風邪ひくよ?」
「だって面倒だったんだもん」
「ったく…ちょっとまってな」
ソファーが少し浮いて、隣から温もりが消えて、それから少し音がして、髪に指と温かい風の感触を受ける。
久々だなーって思いながら、目を閉じてその感触を感じた。
564
:
無題
:2004/05/24(月) 21:25
「…ついに、言っちゃった」
「うん、聞いてた。ついでに緊張感も伝わってきた」
ブオーブオーッと風が髪を揺らす。
滑らかな指の動きが私のことを撫で回す。
時たま入る攻撃のような指の動きに抗議をしたら、すぐ後ろで笑ったような気配を感じた。
それからしばらく、沈黙が訪れて、ここにはドライアーの音だけが残り、そしてその音が
カチンというプラスチックの乾いた音と共に消えると、後ろからいつも一緒にいて、ずっと感じていた
優しい腕が私の前に回されてきた。
「どうしたの?」
「んー、梨華ちゃんがだっこして欲しそうだったから」
「それ逆でしょ?自分がだっこしたかったんでしょ?」
彼女が笑うと私の半乾きの髪が少し揺れる。
私が笑うと彼女の腕も体も一緒に震える。
一緒にいるっていうことの大切さ。
そして一緒にいれるってことの幸せ。
毎日じゃないけど、こうやって感じられる。
それは、きっと、絶対、これから先も。
私は、感じていたい。
565
:
無題
:2004/05/24(月) 21:26
「…あの、さ」
また少しの静寂があり、彼女が私の肩に顎を乗せて口を開いた。
戸惑いがちな口調とは違い、腕に入る力。
そのまま首に感じた唇の柔らかさ。
前に回された手に指を滑らせ、そのまま手を重ねたら、器用に指が動いて私の指と手を捕まえた。
「ここにも、あるから」
「…ん?」
「ここにも、あるから…」
同じ言葉を二回くり返して、それから彼女は私の手を掴んで思いきり私のことを抱きしめた。
久々に感じる力強い抱擁。
頬に金色の髪を感じる。
「梨華ちゃんが、迷ったり、困ったり、泣きたくなったり、一緒に笑いたくなったりしたら、
戻ってくる場所は、ここにも、あるから…」
566
:
無題
:2004/05/24(月) 21:26
───皆がいるよ。
ずっと、仲間な皆がいるよ。
で、あたしもいる。
卒業とかさ、まだ先のことだけど、一年も先のことだけど、あのさ、覚えておいてなんて言わないけど、
言っておきたいって、そんな風に今思ったから、言っておく。
あたしは、ここに、いるから。
何処に行ったって、ここにいるから。
きっとこの先、沢山の分かれ道があって、二人が歩く道がどんどんと離れちゃうかもしれないけど、
だけど、あたしはここにいるから。
あたしも、梨華ちゃんも、何処に行ったって、あたしはここに、ずっと、いるから───
567
:
無題
:2004/05/24(月) 21:27
心地よい沈黙が流れ、彼女の温度を背中に感じ、時計の音が流れ続ける時間を告げる。
私達はずっと走り続けてきた。
それはきっとこれからも一緒で、違うかもしれないけど、今はきっと走り続けていくんだろうって思う。
だから、きっと、私はこれからも走り続けていく。
築きあげてきたモノ。
出会った人達。
それは一生消えない場所。
一つ進めば道が出来て、その道は消えることなんかなくて、失敗も成功も全部がその道の一部になっている。
それは私が歩いてきた道で、私達が歩いてきた道。
この先、同じ道だけが続くなんてない。
でも、それでも、見失う場所はない。
これも、気付いてたこと。
だけど、意識することがほとんどなかったこと。
568
:
無題
:2004/05/24(月) 21:28
「あのね…」
私が言葉を発しようとした瞬間、重ねられた手が離れて、感じていた背中の温もりもスパッと離れた。
はっ?何?何に何何??
ワケわかんなくて振り返ろうとしたら、背中をバチーンと一発はたかれた。
「いったーい!ちょっと何すんのよ!!」
「何って、ウチの愛のムチ」
「は?ワケ分かんないんだけど!?」
キッと睨むようにして振り返ったら、悪戯っ子みたいな顔をした金髪の彼女の顔が両目にぐわーッと飛び込んできた。
白はをニカーッと見せて、長い指でがしがしと自分の頭をかいている。
「へへっ」
「ヘへッって…」
「ははっ」
「…ハハッって」
まだニカニカしている頬をぐしーっと掴んで縦横ナナメにひっぱり回す。
みるみる白い肌がピンクに赤く変わるのを横目に見つつ、ちょっと涙目になってる彼女のおでこに
こつンと自分のおでこをぶつけた。
「…もー、何なのよ」
569
:
無題
:2004/05/24(月) 21:28
「んー、もっと笑おうと思って」
ほっぺが痛いんだろうか、まだ涙目の彼女が、涙目のままニカッて笑った。
大きな目を三日月型にして、ニコニコ笑った。
目を細めた拍子に流れた涙が頬を伝い、そのまま私の指を静かに濡らした。
「あたしは、もっとさ、これからもさ、沢山笑うよ」
それだけ言ってぐいぐい顔を動かして、私の手から逃れると、彼女はベッドに飛び込んだ。
二人分の布団なのに、中央に滑り込んだ。
「ちょっと!それじゃぁ私寝れないじゃん」
追い掛けるようにソファーから立ち上がってぽこぽこ布団を叩いたら、突然起き上がって私の腕を掴んで
そのまま布団の中に引きずり込まれた。
二人分の布団の中央。
ピとーッとくっついて二人分が1.5人分になる。
彼女は暗い布団の中できっとニカニカ笑ってる。
ギュムーッと抱きしめられて、耳に彼女の心臓の鼓動を感じた。
それだけで、私は突然、今、私はここにいるこということを実感できた。
570
:
無題
:2004/05/24(月) 21:29
髪を撫でてくれる手。
抱きしめていてくれる腕。
感じるモノ、感じれるモノ、すぐ近くにあって、掴める距離にいてくれる。
言葉にすれば、すごく短い。
だけど、その言葉はすごく重くて、すごく大切で、中々口に出すことが出来ない魔法のような言葉。
その言葉を私は囁く。
すごく自然に、すごく素直に。
彼女はこの暗闇の中でどんな表情をしてるんだろう。
そんなことを思いながら、私は彼女の体に腕を回した。
571
:
無題
:2004/05/24(月) 21:30
私は、夢を見る。
私は、夢を追う。
走り続けて、走り続けれる間はきっと走り続けて。
それが出来るのは、今まで道があって、これからの道があって、色々な人がいて、あなたがいて、私がいるから。
道がなくてもつくっていける。
つくっていく。
あのさ、疲れたって思ったら、今日みたく背中はたいてくれる?
今みたく髪を撫でてくれる?
眠くても、私の我がまま、ちょっとはきいてくれる?
すごく小さく、彼女にだけ聞こえるように呟いてみたら、私の頭の上からは寝息が聞こえてきた。
なんとも心地よいけど息苦しい布団の中からもぞもぞと抜け出して、ちょっと口を開けてる寝顔を覗き込んだ。
それからジーッとその顔を覗き込んで、布団をちょっと下にずらしてさっきみたいに腕の中に潜り込んだ。
572
:
無題
:2004/05/24(月) 21:30
…バレバレだよ。
私が何回寝顔見たと思ってるのさ。
でもまぁ、今度は私が寝たフリしてあげるか。
だからさ、ほれほれ、言って下さいな。
あなたのお返事聞かせて下さいな。
ニマニマを噛み殺して腕の中でジーッとしてた。
でも、いつまで経っても彼女の声は聞こえてこない。
んーんーっと思っているうちに、私はそのまま眠りに落ちてしまった。
『んなこと訊かなくたって分かってるっしょ?』
おそーいおそーいお返事は、この日から随分先に私は聞くことになる。
彼女から言わせれば二回目らしいけど、私にとっては一回目。
そんなひとみちゃんのお返事を、私はこの日から随分先に、背中の痛みと、優しい指の感触と一緒に聞くことになる。
573
:
匿名匿名希望
:2004/05/24(月) 21:34
お久しぶりです。
そしてなんか勢いのまま書いてしまいました。
ヲレは永遠にいしよしヲタです。
574
:
名無し(0´〜`0)
:2004/05/24(月) 21:48
ハッピーな気持ちになれました。
石川さん卒業ニュースでブルーだった私の心が一気にピンクになりました。
ステキな作品をありがとうございます。
575
:
side H
:2004/06/19(土) 06:43
「柴っちゃん大丈夫?」
お酒を抱えてあたしの家にやってきた彼女は、あんまり強くないくせに、
なんだか今日はバンバン飲んでいて。
「ん〜?大丈夫だよ〜」
なんて言うけど…どうかな。大分酔ってるように見えるんですけど。
あたしは弱いほうじゃないから、柴っちゃんに付き合って飲んでても大丈
夫なんだけど。外で飲むのと違って自分の家だっていう安心感が、いつも
より少しだけ酔いを早くする。
「…よっすぃーはさぁ、好きな人いるの?」
冷蔵庫から新しい缶を取り出して、プルトップを開けながらソファに腰を
下ろすと、彼女が聞いた。
「いない」
「即答ですか」
「即答ですよ」
576
:
side H
:2004/06/19(土) 06:44
そっかぁと呟くように言って、柴っちゃんは唇に運んだ缶をぐっと傾ける。
「…付き合いたいとか、思わないの?」
「んー…めんどい。から、男なんていらねーやって感じ?」
「よっすぃーらしいね」
ははって笑った柴っちゃんの声に、不自然な響きを感じて。
「あっ…もしかして柴っちゃん、好きな人いる、とか?」
柴っちゃんは答えなかったけど、沈黙から肯定だと分かる。けれどあたし
はいつも通り、それ以上の詮索はしない。相談されれば別だけどね。無理
に聞く様なことはしないし、したくない。自分がされて嫌なことは人にも
しちゃいけないって。お母さんも言ってたしね。
あたしは話題を変えようと、新しい缶を傾けてから口を開いたんだけど…
―――先に沈黙を破ったのは、柴っちゃんの方だった。
「…よっすぃーが」
「んっ?何?」
「私はよっすぃーが好きなの…」
577
:
side H
:2004/06/19(土) 06:45
それが耳に届いた時、彼女はあたしに抱きついていて。アルコールのせい
で少し熱い彼女の身体が、やたらリアルで…。けれどアルコールのせいで
少し鈍くなったあたしの頭は、その言葉がリアルなのか決めかねて…。
「はは、何言ってんだろうね私。やっぱり酔ってるみたい」
再び沈黙を破った彼女は、あたしから身体を離して立ち上がったんだけど。
「わ、あぶなっ!」
思っていたよりも酔いは回っていたようで。急に立ち上がった柴っちゃん
の身体はぐらりと揺れて、ソファに引き戻されてしまった。
「柴っちゃん、飲み過ぎだよ。水持って来る」
あたしはするべきことが見つかって、少しほっとしてキッチンへ向かう。
グラスに水を注ぎ、再び彼女の隣に腰を下ろすと、柴っちゃんは軽く礼を
言ってグラスを受け取った。
578
:
side H
:2004/06/19(土) 06:45
どの位、そうしていたのか…彼女が息を呑むのが分かって、唇を離した。
「ごめん…あたしも酔ってるみたい」
なんて言い訳をしたあたしに、彼女は少し困ったような顔をして。
「私は酔ってないよ」
ポツリと呟いた。
「好きなの。私…よっすぃーが、好きなの…好きで、好きで…もう、どう
したら良いのか…自分でも、もう…分からなく、なっちゃって…」
さっきと同じことを繰り返す彼女だけど。そしてそれは、まるで酔ってい
るかのように途切れ途切れだけど。
彼女の潤んだ瞳に映る自分を見て、あたしは分かったんだ。
「あたしも酔ってないよ」
579
:
side H
:2004/06/19(土) 06:46
彼女の頬に両手を添えて、言い訳の効かない口付けを落とした。軽く顎を
上げさせて、舌を一気に差し込む。
「…んっ…んん…っ…」
彼女が苦しげに声を上げたけど、離してあげない。深く、深く口付けて。
彼女の舌を絡め取って隅々まで味わう。角度を変えて…何度も、何度も。
「んぅ…んっ…ぁっ…」
ねぇ柴っちゃん、気付いていた?あたしは、ずっと前から君が好きだった
んだよ。けれど酷く臆病なあたしは、どうすることも出来なくて。得意の
ポーカーフェイスで、自分さえも騙していたんだ。
「…ぁんっ…よっ…すぃー…」
ようやく唇を離したあたしを、大きく見開かれたその綺麗な瞳に映して。
彼女は肩で息をする。
「な…んで……」
それはあたしのポーカーフェイスに騙されていた彼女の、当然の疑問で。
580
:
side H
:2004/06/19(土) 06:46
「好きなんだ」
好きで、好きで、好きで、好きで。もう、どうしたら良いのか分からなく
なってしまって。酷く嘘つきなあたしは、自分の気持ちも偽っていたから。君のリアルな言葉さえ、なかなか信じることが出来なかったんだ。
「…うそ…だって……」
彼女が、酷く嘘つきなあたしを信じることが出来ないのも当然で。けれど
酷く臆病なあたしが、ずっとずっと隠して育てていたこの想いを、彼女に
分かってもらいたくて。
「あゆみ…」
彼女の頬に両手を添えて、あたしの瞳に彼女を映すと。
「愛してる」
口付けと共に、彼女の身体を、ゆっくりと倒した―――。
581
:
side H
:2004/06/19(土) 06:47
END
582
:
side H
:2004/06/19(土) 06:51
>577と578の間に抜けが…
「ごめんね」
それが何に対する謝罪か決めかねて、あたしは「いいよ」とだけ答える。
―短い沈黙の後、彼女はグラスの水を一気に飲み干すと、明るい声で捲し
立てた。
「ごめんね、変なこと言っちゃって。大丈夫だと思ったんだけどさ、大分
酔ってるみたい」
さっきと同じことを繰り返す彼女だけど。それは、とても酔っているとは
思えない調子だから。
「はは、ダメだね私。弱いくせに無理して」
彼女の言葉がリアルなのか、あたしはますます分からなくなるのだけど。
「ホント迷惑かけて、ごめ…」
気が付いたら、唇を重ねていた―――。
583
:
side H
:2004/06/19(土) 06:52
ホントにEND
584
:
名無し(0´〜`0)
:2004/06/21(月) 23:59
ヽ(*゚∀゚)ノ トテモイィィィィ♪
よかったです!!
この作者さんって・・・あのかたですか?
585
:
side A
:2004/06/24(木) 18:20
いつからか、私の瞳はよっすぃーしか映さなくなってしまった。
誰よりも面白くて、皆に優しくて。
変に大人で、時々イタズラっ子で。
美人で、可愛くて、格好良いのに、
あなたの瞳は誰も映さない。
恋愛話が始まると、さも興味無いって顔をして。
数々の告白も「誰とも付き合う気ない」なんて台詞で断ってしまうから。
私は叶うハズのないこの気持ちを、どうすることも出来なくて。
ついには、どうしたら良いのか、分からなくなってしまって。
あなたに打ち明けに行ったんだ―――
586
:
side A
:2004/06/24(木) 18:20
「柴っちゃん大丈夫?」
話を切り出せないまま、お酒の量ばかりが増えていく。
「ん〜?大丈夫だよ〜」
いつもならとっくに潰れる量を越したのに、変だな。あんまり酔えない。
いっそよっすぃーが酔ってくれたらなんて思うんだけど、強いからなぁ…
この人。まだ飲む気だし。
「…よっすぃーはさぁ」
よっすぃーが新しい缶を開けたのをきっかけに、私は切り出した。
「好きな人いるの?」
答えは分かっているんだけど。
「いない」
「即答ですか」
「即答ですよ」
587
:
side A
:2004/06/24(木) 18:20
「…付き合いたいとか、思わないの?」
「んー…めんどい。から、男なんていらねーやって感じ?」
めんどい…ね。友達だと思っていた、しかも女の子から想われてるなんて
知ったら、あなたはどんなに困るんだろう。
「よっすぃーらしいね」
皆に優しいけど、誰のことも想わない。その優しさに惹かれて、こんなに
よっすぃーのことを想っている自分がバカみたいに思えちゃうじゃない。
「あっ…もしかして柴っちゃん、好きな人がいる、とか?」
よっすぃーの言葉に私の心臓が音を立てる。どうするの?言うの?って。
即座に否定しなかったことで「いる」って言ったようなものなんだけど。
よっすぃーはそれ以上聞こうとはしない。
それが優しさだって、分かっていたのに。いい加減アルコールの回ってき
た私は「私になんて興味ない?」なんて、拗ねた気持ちになっちゃって。
「…よっすぃーが」
「んっ?何?」
「私はよっすぃーが好きなの…」
588
:
side A
:2004/06/24(木) 18:21
勢いに任せて言った私は、思わずよっすぃーに抱き付くなんてことまで
してしまった。よっすぃーは無言。…ダメ、沈黙に耐えられないよ。
「はは、何言ってんだろうね私。やっぱり酔ってるみたい」
私は言い訳をしながら、逃げるように立ち上がる。
「わ、あぶなっ!」
うゎ…っ。急に立ち上がったせいか、ぐっと酔いが回ったみたいな感覚。
よっすぃーの声がして、周りの景色がぐらりと揺れたと思ったら、ソファ
に逆戻りしていた。
「柴っちゃん、飲み過ぎだよ。水持って来る」
よっすぃーがキッチンへ向かう。私は座ったまま、ガンガン痛んできた
頭を押さえた。私バカだ。大バカ者。勢いに任せて、あんなこと言って。
よっすぃーを、あんなに困らせて…。
589
:
side A
:2004/06/24(木) 18:21
「ごめんね」
グラスの水を受け取ると、よっすぃーに謝った。
「いいよ」
その言葉が「どうでもいいよ」に聞こえて、少し悲しくなったりして。
ああ、やっぱり、言うべきじゃなかった。何も、望むべきじゃなかった。
きっと、今ならまだ引き返せるから―――私は精一杯のウソをつく。
「ごめんね、変なこと言っちゃって。大丈夫だと思ったんだけどさ、大分
酔ってるみたい。」
酔っ払って、変な冗談言ったんだって…思って。
「はは、ダメだね私。弱いくせに無理して。」
せめて…せめて友達として、ずっとあなたの傍にいさせて。
「ホント迷惑かけて、ごめ…」
590
:
side A
:2004/06/24(木) 18:22
キスされたのだと分かったのは、どの位たってからだろうか…。あなたは
唇を離して。
「ごめん…あたしも酔ってるみたい」
なんて…。酷いよ、よっすぃー。私は引き返そうとしたのに。あなたは、
それさえも許さないの?
「私は酔ってないよ」
冗談なんかじゃ、ないの。
「好きなの。私…よっすぃーが、好きなの…好きで、好きで…もう、どう
したら良いのか…自分でも、もう…分からなく、なっちゃって…」
ああ、もう、引き返せなくなってしまった……。せめてもうこれ以上は、
あなたを困らせることの無いようにと、私は涙を必死に堪えていたから。
「あたしも…酔ってないよ」
591
:
side A
:2004/06/24(木) 18:22
その言葉の意味を考える、暇もなく。
割って入ってきたそれを拒む、余裕もなく。
「…んっ…んん…っ…」
気付いたときには、ただ苦しくて。声を上げたけど、深くなるばかりで。
舌を絡め取られて。角度を変えて何度も。何度もそうされているうちに。
「んぅ…んっ…ぁっ…」
だんだん、自分のモノじゃ無いみたいな、甘い声が漏れてしまう。
それは、とても酔っているとは思えないほど的確に私を追い詰めるけど。
それは、まるで酔っているかのような熱い口付けだから。あなたの言葉の
意味が、私はますます分からなくなる。
「…ぁんっ…よっ…すぃー…」
唇を離された私は、呼吸すら上手く出来なくて。それでも、聞かずにはい
られない。
「な…んで……」
592
:
side A
:2004/06/24(木) 18:23
「好きなんだ」
………
「…うそ…だって……」
だってあなたには好きな人がいなくて。誰も想わなくて。恋愛話に興味が
無くて。付き合うのなんて「めんどい」から、誰とも付き合う気がなくて。
あなたの瞳は誰も…。
「あゆみ…」
―違った。私の頬に両手を添えた、あなたの瞳に私が映って。いつからか、
臆病なあなたの瞳は、私を映せなくなっていたんだって、分かったから。
「愛してる」
その言葉の意味を考える必要も、口付けを拒む理由も、なかった―――。
593
:
side A
:2004/06/24(木) 18:25
END
柴っちゃん視点でした。
594
:
side A
:2004/06/24(木) 18:29
584> 名無し(0´〜`0)様
よかったですか!!有難うございますw
私は通りすがりの初心者作者でございますが、
喜んで頂けて光栄です。
595
:
1.
:2004/07/09(金) 13:06
気付いたら、朝だった。
596
:
1.
:2004/07/09(金) 13:07
目に入って来たのは、モノトーンの部屋。
あれっ?私の部屋じゃ…ない??
状況を飲み込めないまま、身体を起こしてベッドから抜け出す。
なんか…頭痛い。ぐらぐらする。
ぼーっとする頭を押さえた次の瞬間、自分の状況に気付いて
一気に目が覚めた。
!!!??…私…なんで何も着てないの!?
慌ててベッドの下に散らばっていた服を掴んで、身に付ける。
えっ!?何?どういうこと?
「ん〜っ…」
パニック状態になっていると、突然背後から声がして―――
恐る恐る振り返ると…よっすぃーが、裸で寝ていた。
597
:
2.
:2004/07/09(金) 13:09
昨日は、高校の卒業式だった。
598
:
2.
:2004/07/09(金) 13:11
卒業は嬉しくて、寂しいから…。
私は少し羽目を外して騒いでいた。
飲めないお酒を飲んで、カラオケで下手な歌を散々歌ったりして。
12時を過ぎてようやくみんなと「バイバイ、またね」ってした
時には、足なんてもうフラフラだった。
それでも、どうにか家には帰れた…んだと思う。
そう、それで、帰ると…家の前に、よっすぃーが立っていたんだ。
『よっすぃー…』
『久しぶり…梨華ちゃん』
言葉を交わしたのは3年振りだった。それで?それで、その後…
『…梨華…』
頭の中によっすぃーの声が響く。
『ん…よっすぃー、何っ、ヤメ…』
『梨華ちゃん…ごめん、うち…』
『あっ、ダメ…よっすぃー、やだっ…』
何で?何で?何で?よっすぃーは何で、何で急にあんなこと…。
家に逃げ帰った私が、やっとの思いで取り出した記憶の断片は
とても信じられないもので…。
だから、さっきから何度も何度も鳴っている携帯が、3年振りに
よっすぃーの名前を表示してるって分かっていても、私はずっと
出ることが出来なかった。
599
:
3.
:2004/07/09(金) 13:12
よっすぃーとは、中学生の頃までは姉妹のように仲が良かった。
私が避けるようになるまでは―――
600
:
3.
:2004/07/09(金) 13:16
―――中学3年の冬休み、最後の夜。
「よっすぃー…もう寝た?」
「…ん〜?まだ寝てないよ」
互い部屋の窓から行き来しちゃうほどお隣さんの私達は、姉妹の
ように仲が良くて。お泊りなんてしょっちゅうだった。
「やっぱり、よっすぃーと一緒にベッドで寝る〜」
「ちょっ、何して…梨華ちゃん!布団で寝なよ!」
「だってお布団冷たいんだもん…よっすぃーあったか〜い」
「あーっ、もう分かったから早く寝て!」
学年は私の方が一つ上なんだけど、よっすぃーの方がどことなく
落ち着いていて。私はこうして寝ながら、「○○君のことが好き
なんだぁ」なんて、よっすぃーに話すのが楽しみだった。
「よっすぃーはさ、好きな人いる?」
「いるよ」
「………えぇ!?今、何て?」
「好きな人…いるよ」
「うそっ?ホントに?だっ…私、知らないんだけど!」
「言ってないから」
「言ってよ!」
「言っても仕方ないよ。梨華ちゃんは子供だから」
「…なっ、子…だっ誰が!誰が子供よ!?」
「梨華ちゃん」
「っっっ、3ヶ月も年下のくせにぃ!」
601
:
3.
:2004/07/09(金) 13:16
よっすぃーは、なんか…時々私に冷たかった。『梨華ちゃんに
言われたくない』とか『梨華ちゃんにはわからないよ』とか…。
「…なっ…何でそんな事…言うの…よ」
そんな時はいつも悲しくなった…。
「酷いよ…よっすぃー…言ってよ、友達でしょ?」
「仕方ないじゃん…本当の事なんだからさ」
そう言って、泣きそうになった私の顔を覗き込むよっすぃーは
やけに大人びた顔をしていて。やっぱり私の方が子供みたいで
少し悔しくなった。
「よっすぃーは、冷たい…よ」
「さっきは『よっすぃーあったか〜い』って言ってたじゃん」
「もう!そういう意味じゃないってわかってるでしょ!…ねぇ、
何で?…何でよっすぃーは私にばっかり…そうやって冷たく
するの?」
「…梨華ちゃんは、うちに…優しくして欲しいの?」
「………うん」
「わかった…優しくする」
この世の誰よりも、梨華ちゃんに優しくする…――
そう囁いたよっすぃーの唇が、私の唇に降ってきて。
「んっ…」
チュッってするおふざけのキスは、何度かした事があったから。
最初はそれだと思ったんだけど。そのキスはあまりに…長くて。
し、舌が…よっすぃーの舌が…入ってきたりして。
「ちょっ、やめ…何すん…っっ、よっすぃー…待っ…て」
パニック状態になってしまった私は、よっすぃーを突き飛ばして。
家に、逃げ帰ってしまった。
602
:
3.
:2004/07/09(金) 13:17
それからというもの、私はよっすぃーを避けて、避けて、避けて、
避け続けて。そうするうちに私は高校に進学してしまったから。
私達は自然に疎遠になっていった。
…それなのに、突然。あ、あんな…
603
:
名無し(0´〜`0)
:2004/07/10(土) 02:07
んあ!おもしろい!
つ、続きが非常に気になります...。
期待しちょります!!
604
:
4.
:2004/07/10(土) 23:49
3日経って、よっすぃーからの連絡が無くなった。
605
:
4.
:2004/07/10(土) 23:49
よっすぃーにとっては、大した出来事じゃなかったのかもって
思う。
私が「何で急に、あんなことしたの?」って聞いたところで、
きっと平然とした顔で、冷たいと感じるほど落ち着いた声で、
「梨華ちゃんは子供だから」「梨華ちゃんにはわからないよ」
とか言ったりして…。
そう思ってみても、私は「偶然会っちゃったらどうしよう?」
なんて考えて、あの日以来、家にこもってばかりいた。
部屋にいたって、考えるのはお隣さんの事ばかりなんだけど。
いくら考えても、何であの夜、ああなったのか思い出せない。
よっすぃーが、何で急に、あんなことしたのか思い当たらない。
本当は友達に相談したいところなんだけどなぁ…言えるはず無い。
起きたら幼馴染と裸でベッドにいて…しかも、酔っててほとんど
覚えてない…だなんて!
やっぱりよっすぃーに聞くのが一番良いんだろうけどなぁ…電話
…来なくなっちゃったし。私から連絡?…出来る訳が無い。
あー、もう…どうしらいいのか、わからないよーーーっ
606
:
5.
:2004/07/10(土) 23:53
悩みがあっても、時は経つ。考えすぎて、熱を出した私。
いつの間にか冬は過ぎていって…大学生活が、始まった。
607
:
5.
:2004/07/10(土) 23:54
王道だけど、テニスサークルに入って。友達もいっぱい出来て。
「うんっ!よっすぃーの事も忘れられそう」って思ったのに…
―――家に帰ると、よっすぃーがいた。
「なっ、なっ…」
「2階だからって、開けっ放しは危ないよ」
驚く私に、平然とした顔で窓を指差して。
「梨華ちゃんてさぁ、3年前からあんまり変わってないよね?」
よっすぃーは部屋をぐるっと見渡すと、私のベッドに腰掛けた。
「まぁうちも変わってないけどね。相変わらず背高いし、運動も
出来るし、格好いいし、頭もいいし、足も長いし?」
「なっ!?」
「そんなパーフェクトなうちが…
いつまでもぐずぐず諦められないのは…どーしたら、いい?」
「…へっ?」
「梨華ちゃんはどう思う…?うち…うちは、諦めた方がいいの?
それともまだ…希望は、ある…?」
私にはよっすぃーの言葉の意味が飲み込めなくて。いつの間にか…
言葉よりも、久し振りに間近で見るよっすぃーの顔に見惚れていた。
よっすぃーって…男の子みたいなんだけど、色が白くて、すごく…
キレイ…
608
:
5.
:2004/07/10(土) 23:55
「…やばい」
「…?よっすぃー?」
「あー、もーっ…んな顔で見んなっての!」
よっすぃーは私の手を引いて抱き寄せると。
「…ねぇ、どーしたらいい?うち…我慢できないよ…」
「えっ?我慢?な、何を?」
「…梨華ちゃん…」
「えっ!?ちょっ…何…っ」
背中に回っていたよっすぃーの腕に上手く身体をすくわれて、
私はベッドに押し倒されてしまった。
「ちょっ、ちょっと…よっすぃー、何…してっ…」
「好きだよ…」
えぇええええ!?いきなりの衝撃告白とあまりに急な展開に、
私の思考回路はパンク寸前。
よっ…よっすぃーが、私のこと…好き!?そっ、そんなこと…
あるわけ…ないっ…!ないよ!!
「っ…まっ…待って…よっすぃー」
「…ごめん、待てない」
手際よくボタンを外されて。って、よっすぃーーー!?
609
:
5.
:2004/07/10(土) 23:56
「ね、よっすぃー…さ、さっき言った…ことなんだけど…」
「んー、何?」
「その…ほ、本気………なの?」
私の質問に、よっすぃーの動きが止まる。
「だからその…さっき…言ったでしょ…あの…」
「えっ…何を?」
「『何を?』って…やっぱり冗談なの!?私のこと好きって…
やっぱり嘘??私をからかった、だけ…?」
「……………嘘?」
「えっ?ちょっと待って…何でそうなるの!?梨華ちゃんこそ
うちをからかってるの?」
「…へっ…?」
「今さら本気かってなんだよ!一体、何十回『好き』って言った
と思ってるんだよ!!」
「えっ…嘘!?き、き、聞いてない!私、聞いてないよ!」
「………マジかよ。梨華ちゃん、マジで…覚えてないの?」
610
:
5.
:2004/07/11(日) 00:01
>>603
名無し(0´〜`0)様
レスありがとうございますm(_ _)m
次回更新で一応終わりとさせて頂きますが、
よかったら最後までお付き合い下さいませ。
611
:
603
:2004/07/11(日) 00:53
よっすぃ〜切ないね…(泣
作者しゃん鈍感チャーミーをなんとかしてください(藁
>次回更新で一応終わりとさせて頂きますが
もう終わりれすか…ってここは短編集か、
最後まで楽しみにしてますです。
612
:
6.
:2004/07/12(月) 16:51
あの日…卒業式の夜。
夜中まで、梨華ちゃんの帰りを待った。
613
:
6.
:2004/07/12(月) 16:51
12時を過ぎてようやく帰ってきた梨華ちゃんは、足なんてもう
フラフラで。家の前にいたうちを見て、とても驚いた様子だった。
「卒業おめでとう」って言ってから、「話がある」って切り出すと、
3年振りに梨華ちゃんを部屋に招いた。それで…それで、その後…
避けられて、諦めようとして。
避けられても、諦められなくて…ずっと思い続けた。
その、ありったけの、思いを込めて―――
『梨華ちゃんの事が、ずっと…ずっと好きだった』
あの日うち、強引に…しちゃったし。
起きたら利華ちゃん、いなくなってるし。
何度電話しても出てくれないから、それが答えなんだと思ってた…。
614
:
7.
:2004/07/12(月) 16:52
「けどやっぱ…梨華ちゃんのこと、諦めるなんてできなくてさ…
その…はっきり言ってくれて、構わないから。返事…聞かせて
欲しい…」
そう言って真っ直ぐに私を見つめるよっすぃーの瞳は…恐い位に
熱くって―――
『ヤダ…よっすぃー、何っ』
『好きだよ』
『んっ…ヤメ…よっすぃっ』
『…ねぇ…梨華ちゃん…』
『も…ヤだ…』
『梨華ちゃん…好き。好きだよ』
『…放して』
『ずっと好きだった…梨華ちゃん…』
『も…変にな…』
『ちゃんと聞いて…梨華…梨華、好きだよ…』
『っっ…』
―――突然、あまりに、鮮明に思い出してしまって。顔が赤くなる
のが自分でも分かる。私の知っているよっすぃーは落ち着いていて。
熱がなく、静かで。時に、冷たいと思うほどで…。
だから私は…あんなよっすぃー知らなかった。あんな、熱っぽい…
って何で今さら思い出すのよ!私のバカーーー!!
615
:
8.
:2004/07/12(月) 16:53
「…梨華ちゃん??」
「よ、よ、よっすぃー!!!?」
ベッドの上で組み敷かれたままでいた、その状況に気付いて。
急に恥ずかしくなった私は、思わず後ずさってしまった。
そんな私の動揺した姿を見て、よっすぃーは眉を寄せて泣きそうな
顔をして。
「それが…返事、かな…」
「…えっ?」
「うちも、いい加減にしないと…ダメってことだね」
身体を起こしてベッドから降りたよっすぃーは、大きく息を吸い
込むと、私に背を向けたまま。
「もう、来ないから…安心して。その…元気でね、バイバイ」
えっ…もう来ないって?バイバイって、そんな…ま、
「待って!!」
私は、思わず…よっすぃーの腰に抱きついてしまった。
616
:
8.
:2004/07/12(月) 16:55
「わ、私…好きとか…まだ良く、良くわかんないんだけどっ…
よっすぃーは、私にとって大切な人…なの」
「…えっ?」
「だから…バイバイとか、イヤ…嫌だよっ!誰よりも優しくして
くれるって…約束でしょ?」
振り返ったよっすぃーは、私のワガママに心底困った顔をして。
「で、返事は?」
「………わかんない」
「はぁ〜〜〜、これだから梨華ちゃんは…」
「だって、だって、だって!そんな急に言われたって…簡単に、
返事なんか…できない…よ」
「それで、うちは…どーしたらいいの?」
そう言って私の顔を覗き込むよっすぃーは、大人びた顔をしていて。
「バイバイとか、言わないで…や、優しく…してよ」
「………わかった…優しくする」
そう呟いたよっすぃーの唇が、私の唇に降ってきて。
「っ…!!!」
チュッってする軽いキスだったのに、真っ赤になる私は子供みたいで。
617
:
8.
:2004/07/12(月) 16:56
「なっ、なっ…」
「あー…でも、やっぱ…早く返事くれないと、うち、梨華ちゃんの事…
泣かせちゃうかも」
「なっ!?何でそんな事、言うのよ…」
「仕方ないじゃん…本当の事なんだからさ」
本当に、本気で、好きなんだからさ。わかってんの?梨華ちゃん?
「………うん」
「どーだか」
「わ、わかったもん!」
よっすぃーが、私のこと…好きだって。でも…ゴメンね、よっすぃー。
私の方がやっぱり子供みたいで…だから、もう少しだけ、このままで…ね。
―おわり―
618
:
8.
:2004/07/12(月) 16:59
天然振り回し系、鈍感チャーミーでした。
こんな終わり方ですみません…。
(0^〜^)<生殺しかYO!
って感じなんで、吉澤さん救済の為にも
続編でも書かせていただこうかと思っております。
619
:
名無し(0´〜`0)
:2004/07/12(月) 17:34
いいっす!
超よかったよぉー。
強引で、梨華ちゃんに翻弄されるよっちぃ大好き。
続編、心待ちにしております。
620
:
603
:2004/07/12(月) 23:16
よっすぃ〜…やっぱり切ないね(泣笑)
ぜひとも救済してあげてください…。
続編もめちゃ期待しちょります。
621
:
1.
:2004/07/14(水) 16:06
>>595
〜のお話の続編になります。
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