したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

気ままに短編集!!(何でもあり)

1管理人@よすこ。:2002/08/16(金) 15:53
新スレ立ててみました。
スレを立てるのは、何だがちょっこっと、書いてみたいな〜と思う
方がいらっしゃったら、どんどん書いてください!!
一話目は偉大な作家べー。様。が、管理人の要望にこたえて書いて頂いた
短編を、のっけます。続け〜〜〜(w

221名無しひょうたん島:2003/02/24(月) 00:09
新作ですね。
面白そうな展開ですねぇ〜!

>本日は大雨れした
ここでウケましたw
ごまさんの辻さんは最高れす♪
次回も期待しておりまする。

222YUNA:2003/02/24(月) 14:15
お疲れさまです。
よっすぃ〜のキャラが、かなぁり気になります。(笑)
続き、期待してますっっっ!!!

223オガマー:2003/02/24(月) 15:42
面白い!!
ごまさんの書く辻加護らいすっきれす。
続き楽しみに待ってます!(w

224I HATE VALENTINE!:2003/02/25(火) 02:09
―――吉澤視点

時は遡って2月12日。
「さて。これで準備できた♪」
ウチは、明日の『バレンタイン撲滅委員会』用の配布資料を準備し終え、ほくほくと
手をこすり合わせた。

「ひーちゃん!」
ノックもせずに、勝手に隣に住むあやゃが部屋に入ってくる。
あやゃは幼なじみだ。
よくこうやって、不法侵入されてる。
ウチが学校から帰って来たら、フツーにドラ焼きとか食ってるし。
オマエはドラえもんかっつーの。

「なんだよぉ〜。ひーちゃんは忙しいの」
「ねーねー。新作のモノマネ見てよぅ〜。松裏アヤの『桃色片想い』!
フリも完コピだから!」
あやゃはヒトの話を聞かず、その場で『桃色のぉ〜片想いぃ〜』などと
歌い出した。

「…なんつーか、まつーらのマネをするはしのえみ、ってくらいビミョー」
正直な感想を漏らすと、
「なんでさ!?」
顔を真っ赤にして怒りだした。

225I HATE VALENTINE!:2003/02/25(火) 02:17
「とにかくー、ひーちゃんは忙しいの。帰った帰った」
手を払い、追っ払うマネをすると、
「また『バレンタイン撲滅委員会』とかいうのやんのぉ〜?」
ウチの手元の資料を、背中越しに覗き込んできた。
「うっさいなぁ。いいじゃんよ」
「ひーちゃん、いい加減に過去のことは忘れなよ」
「うっさいよ!」
「ああ、でもないか。こんなんもあるしィ」
あやゃはツカツカと歩いてって、机の2番目の引き出しを開けた。
―――やべ!そこには!

「石川さんって、高等部の2年のヒトだよねェ〜」
あやゃは勝ち誇ったように、引き出しに後生大事にしまってた、石川さんの隠し撮り
写真をひらひらとチラつかせる。
「モロ、ひーちゃんの好みじゃん。清純系っていうの?」
「うっさいボケ!さっさとしまえ!石川さんに触れるな!」
「あの時、亜弥の目に狂いはなかったんだね〜」
「…頼む、しまってくれ」
ウチは弱々しく、床に崩れ落ちた。

226I HATE VALENTINE!:2003/02/25(火) 02:34
―――松浦視点

ひーちゃんは、高等部に上がる前の日、グラウンドの隅で石川さんを初めて見かけた。
あたしもその時、ひーちゃんと一緒にいたんだ。
ひーちゃんはある事情で、中2の時この女子校に編入してきた。
ひーちゃんは『学園に気高く咲く白い薔薇』こと石川さんの存在を、その時初めて
認識したらしい。

学園のアイドルをそれまで知らなかったひーちゃんも、すっとこどっこいだけど。
その『白い薔薇』もヘンだった。


「うぉーりゃぁ〜〜〜!!!」
―――石川さんは、もんのすごい雄叫びを上げて、誰もいないテニスコートで
学園のもうひとりのアイドル―――柴田あゆみさんと相撲を取っていた。

「…ひーちゃん?」
おそるおそる顔を覗き込むと、ひーちゃんの目の色が今までに見たことないくらい
輝いていた。
ナニうれしそうな顔して!
しかも、ホホが赤いよ!
恥じらってるし!

夕陽を照り返すふたつの頬袋―――。


ひーちゃんはその日、恋に落ちた。

227ごまべーぐる:2003/02/25(火) 02:40
更新しました。続きは後日。
レスのお礼です。

>221の名無しひょうたん島さん
( ´酈`)ノ<アーイ!ありがとうれす〜♪

ありがとうございます。ご期待に添えるようにがんがります。( ^▽^)♪〜

>YUNAさん
(0^〜^)ノ<うっひょぉ〜!

ひーちゃん、アフォです(爆 どうもです。がんがります。 ( ‘д‘)4649!

>オガマーさん
( ‘д‘)ノ<おおきになぁ〜!

どうもです。オガマーさんもがんがってださい。( ´酈`)<てへてへ

228名無し蒼:2003/02/25(火) 12:13
久しぶりにこちらに来てごまべーぐるさんの作品はけーん!
まだ続きがわからないので楽しみですw
そして…なんでそんなところで相撲?w

( ^▽^)<うぉりゃぁーー!!
川σ_σ||<とぉーー!

ってな感じですか?w

229221:2003/02/25(火) 12:49
更新、お疲れ様です。
今度はあやゃ登場っすか!
ヒサブリにあやゃの「ひーちゃん」を聞けますたw
実は「桃アプ」以来のごまさん’sあやゃのファンなのれす。
人‘ 。‘人 <ひーちゃん! 

テニスコートで相撲を取る石柴・・
それでも石を想う吉・・このアフォさ加減がたまらんですばいw
続きに期待しちょりまする。

230名無しひょうたん島:2003/02/25(火) 12:54
いい感じでみんなぶっとんでて好きです。
これからの展開に期待してます。

>299
桃アプはごまべーぐるさんの作品じゃないですよ。

231YUNA:2003/02/25(火) 16:46
更新おつかれさまです。
ひぃ〜ちゃんには、頑張ってもらいたいものですっっっ!!!

232オガマー:2003/02/25(火) 23:28
素敵過ぎるぅー!!
もう最高の世界観れす!!!

233229:2003/02/26(水) 02:18
>230、ごまさん
大変申し訳ないです。私の勘違いでした・・
ベース弾きの間違いです。(べーぐるさん違いでした・・)
スレ汚し、失礼いたしました・・

234名無しひょうたん島:2003/03/01(土) 15:10
相撲…。相撲って!!面白すぎる!!ギャハハハハ
んげー続き楽しみにしています!!

235I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 19:16
―――石川視点

『バレンタイン撲滅委員会』は、やっぱり変人の集いだった。
だって、スローガンが『バレンタインにチョコを贈るのはなんでだー!
イカ刺しや佃煮だっていいだろー!!そもそもバレンタインにしか告ったら
イカンのかー!!』だもん。

それを、教壇の前で吉澤さんって子が鼻息荒く、こぶしを突き上げて叫んでた。
彼女は、この会の代表らしい。
吉澤さんが言うと、みんなゲラゲラ笑い出す。
『オメーラ!真剣にやれ!』って吉澤さん、怒ってたケド。
ごめん、アタシもちょっと笑っちゃった。

帰りに靴を履き替えようと下駄箱を開けると、中から手紙やらチョコと思われる
箱やらがバラバラと雪崩のように降ってきた。
まただわ。まったく、毎年毎年うんざりする。

「先輩、フライングバレンタインですか?」
カニ手をはめた紺野さんが後ろからひょいとのぞきこんだ。
カニ手を外し、一緒拾うのを手伝ってくれる。
「ええ…イヤになっちゃう」
「ハァ〜…イヤになるほどもらえるんですね。流石です、完璧です」
「ウヲ!先輩!もらっちゃダメっす!」
轟々という爆音を上げて、吉澤さんが高等部1年桜組(ちなみに、この学園の組名は
全部花とかの名だ。アタシは2年乙女組だ)の下駄箱から、どどどどどと走ってきた。
「ハァ?なんで?」
「先輩も『ベレンタイン撲滅委員会』の一員っす!会員はギリももらっちゃダメっす!」
「へ?あげるのもダメなの?」
「あ、あげるなんて!もってのほかっす!」
吉澤さんは鼻息を荒くし、こぶしを握って力説した。
というか、イキオイづいて『ベレンタイン』と口走ったことはスルーしたほうがいいの?

『ベレンタイン』
ねえ、それってどんな行事?

236I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 19:22
「じゃあ、このチョコはどうすればいいの?」
「せ、責任持ってウチが食います!」
「…ハァ?」
「ウチが代表ですから!ウチが責任持って食います!」
ちょっと待て。
アンタ、単にチョコ食いたいだけじゃ…。
アタシと同じことをみんな思ったようで、
「あ〜!よっすぃ〜ズルイれす〜!」
「まったくズルい女や!♪バイバイありがとう〜さぁよおナラ〜プー!」
「吉澤せんぱぁ〜い!もう〜眉毛ビームで攻撃しますよ〜!」
「私情に走るのはよろしくありません。ハイ、完璧に」
会員一同から、様々な苦情が寄せられた。

237I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 19:30
「うっさいうっさい!ウチは会長だよ!あんか文句あんの?」
「ある」
アタシは、一歩前に進み出た。
「て!?エエ、石川さん…!?」
「アタシがもらったものだし、アタシが責任持って持って帰る。
下駄箱に食べるもの入れるのは正直どーかと思うけど、まあ、しょうがないしね。
ホントに、まったく…」

アタシは学生カバンからお母さんに朝もらったデパートの紙袋を取り出して広げ、
贈り物の詰め込み作業を始めた。
みんな、何に対してか知らないけど。
ボーゼンとその様を見ていた。

238I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 19:41
―――加護視点

うわ!なんやこのチョコの数!
ハンパやあらへんワ!
しかも今日、13日やで!?
明日んなったら、どんだけあんねん!?ってハナシや。

「…紙袋持参なんですね、完璧です」
紺ちゃんが、いつもの小声でぼそっと言うた。
いや、ソコなん?
ウチも確かに『え?』と思たけど。
石川はん、ムダのない手つきで学生カバンから袋広げはるし。
しかも、高○屋や。バラのイラストが効いてるワ。
さすが、『学園に気高く咲く、白い薔薇』
(しかしなっがいあだ名やな。短く『白バラ』じゃアカンの?)はちゃうワ。

「…おいしそーれす。ののも食べたいれす」
いや辻さん、ソレもちゃうでしょ。
「ゴディバが15個、モロゾフが2個…」
紺ちゃん、正確に数えるん、やめてくれる?

ウチらの少し後ろで、ウチらの会長が魂抜き取られたよーなツラで石川はんの
詰め込み作業を見とった。



―――まったく!好きなら好きって言えや!

239ごまべーぐる:2003/03/01(土) 19:58
更新しました。あと少しなのですが、なかなか進みません(汗 スマソ

レスのお礼です。

>名無し蒼さん
川σ_σ||<うん、何となくしたくなったの♪あ、ちなみに梨華ちゃんが言いだしっぺ!

「テニスコートで野球部ノック千本」とどちらにしようか考えて、こうしますた(w

>229さん
川σ_σ||<暮れなずむグラウンドで美少女ふたりが相撲…素敵やん?

ハイ、「桃アプ」は名無しベーグル。さんの作品です。私は「桃アプ」であやゃに
目覚めたクチですが(w どうもです、がんがります。

>230の名無しひょうたん島さん
( ^▽^)<フォローありがとうございます!

ぶっ飛びすぎ、って気もしますが(w ありがとうです、がんがります。

>YUNAさん
(0^〜^)ノ<がんがるさぁ〜!

ひーちゃん、とどまるところを知りません(w 必死についてゆくのみです。

>オガマーさん
( ´酈`)ノ<ありがとうなのれ〜す!

素敵と言って頂けたので、とりあえずがんがってみます(w どうもです。

>234の名無しひょうたん島さん
(0^〜^)ノ<相撲カッケー!

相撲にして正解だったのでしょうか(w?どうもです、がんがります。


・訂正です。

>235

一緒拾うのを→一緒に拾うのを

240I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 23:26
―――松浦視点

ひーちゃんは、小6のバレンタインシーズンに、恋をした。
お相手は、近所の女子校の、ちょっと美人と評判の女子高生。
ひーちゃんは昔から、年上に弱い。

『あの!チョコ、もらってください!』
バレンタイン当日。
ケーキ職人のお父さんに特訓してもらい(ちなみに、ひーちゃん家はケーキ屋さんだ)、
ひーちゃんは心をこめて手作りのチョコをその人に渡そうとした。

『ホンキで言ってるの?自分のカオ、鏡で見なよ』
ひーちゃんの恋は、そのひとことであえなく破れた。

つーか。
ひーちゃん、その頃すんご〜いにきびっツラで、しかもビミョーにデブだった…。
ひーちゃんあほだから、自分ちのケーキとか、大喜びでばくばく食ってたもん。
そりゃあ、太るわ。

恋に破れたひーちゃんは、2日ばかし部屋に閉じこもって泣いて暮らした後、
死ぬようなダイエットを決行し、見違えるほど痩せた。
まあ、ひーちゃん元がいいからね。
近くの私立中学に上がる頃には、大モテモテだった。

だが。
中学に入ったひーちゃんは、あのバレンタインのときの彼女と再会する。
エスカレーターの女子校だから、会うのもフシギではないけど。
見違えるほど綺麗になったひーちゃんを、彼女はあの時の小学生だと気づかなかった。
『付き合わない?』
告られたひーちゃんは後に、『人間が信じられなくなった』と漏らしてた。

…いや、あんときのひーちゃんは、マジこわかったんスけど。
満面の笑みで、目、笑ってないし。

241I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 23:33
とにかくまあ。
ひーちゃんはなんだかんだあって、この女子校に中2のとき編入してきた。

そんでもって、あの『学園に気高く咲く白い薔薇』と運命の出逢いを果たす。

…ああいう相撲状態を見てホレるなんて。
ひーちゃんは、やっぱり変人かもしれない。


2月14日。
バレンタイン当日。

ひーちゃんは、朝から多くの女子に追い掛け回されてた。
「ひーちゃん!チョコもらってェ〜!」
「アタシももらってェ〜!」
「てか、むしろひーちゃんをちょうだい〜!」
「ギャァァァァ〜〜〜!!」
てな具合に。

…ご愁傷サマ。

242I HATE VALENTINE!:2003/03/01(土) 23:57
―――石川視点

「せんぱーい!」
昼休みに、吉澤さんがアタシの教室にやってきた。
「あら、どうしたの?」
「いえ、先輩がチョコを極秘に入手してないかどうか、確認しに参りました」
「…ハァ、そう」
ふと周りを見渡すと、同じクラスの女の子たちが吉澤さんを見てとろけている。
ああ、忘れてた。
この子も、すっごいモテるんだ。
「一緒にお昼どう?ヨシザワさん」
柴ちゃんが、お弁当箱を出しながら声をかけた。
「あ、いいんスか。んじゃ、遠慮なく」
吉澤さんはそのへんにあった椅子を持ってきて、仲間に加わる。
購買部で買ったヤキソバパンを、おいしそうにもこもこと食べてる。

「ちょっと!学園の美人揃い踏みよ!」
「麗しの君!」
「ああ〜!あの中に入りたい!」

外野でそんな声がしたが、アタシたちは無視して黙々と食べる。
「つーか」
柴ちゃんが口を開く。
「『学園に可憐に咲く赤いフリージア』ってどうよ?」
それは、柴ちゃんのあだ名だ。
「ウチなんか『学園に儚げに咲くレンゲソウ』ですよ?」
レンゲソウは、ばくばくとヤキソバパンを食べる。

「とにかくまあ」
アタシはみんなの顔を見回す。
「「「あだ名にセンスないよね」」」
三人の意見は一致した。

243I HATE VALENTINE!:2003/03/02(日) 00:18
放課後。

「石川しゃ〜ん!」
「石川は〜ん!」
帰ろうと下駄箱へ向かうところを、辻加護コンビに呼び止められた。
「どうしたの?」
「ちょっと来てんか」
「来てほしいのれす」
ふたりにそれぞれ腕をつかまれ、アタシはそのまま引っ張って行かれた。

行き着いたところは昨日の理科室。
何故か吉澤さんが、白い割烹着を着てゴハンを炊いてた。
頭に白い三角巾までして。
給食当番かと思ったわ。

「何してんの?」
「あ、ちょうどゴハンが炊けたところです。どぞ、席に着いてください」
「…うん?」
言われるままに座ると、眉毛の新垣さんが
「オードブルとメインディッシュです」
と恭しく料理を運んで来る。
ていうか。オードブルの次はスープじゃ?
それより新垣さんは、まず鍋ごと持ってきてるし。
それも、テレビで見る相撲部屋の食事風景とかでよくある、アルミの大鍋だわ。

「メインは、カレーです」
吉澤さんは、何故か胸を張った。
「オードブルは?」
アタシの疑問に、
「カレーの中に隠し味に入れたココアです」
と言った。
「…ハ?」
「アタシからの、愛の贈り物です」
「あの、ハナシが読めないんですけど」
「「そこや(れす)!」」
突然、辻加護コンビが叫ぶ。
「なななななに?」
びっくりして、椅子から転げ落ちそうになった。
「この『バレンタイン撲滅委員会』はな!」
「れす!」
「「吉澤ひとみが石川梨華に告るために結成された、それだけのエエ加減な会や(れす)!」」
「完璧です!」
いつの間にやって来たのか、紺野さんが続く。やっぱり片手を振り上げて。
「まあ、去年まではホントにウチがバレンタインっつーのをなくしたくて、
やってたんだけどね」
頭から三角巾を外して、吉澤さんは笑った。
「どうして?」
「失恋したから」
「あの、それだけの理由で?」
それって…おもいっきし私怨入ってないか?

244I HATE VALENTINE!:2003/03/02(日) 00:21
放課後。

「石川しゃ〜ん!」
「石川は〜ん!」
帰ろうと下駄箱へ向かうところを、辻加護コンビに呼び止められた。
「どうしたの?」
「ちょっと来てんか」
「来てほしいのれす」
ふたりにそれぞれ腕をつかまれ、アタシはそのまま引っ張って行かれた。

行き着いたところは昨日の理科室。
何故か吉澤さんが、白い割烹着を着てゴハンを炊いてた。
頭に白い三角巾までして。
給食当番かと思ったわ。

「何してんの?」
「あ、ちょうどゴハンが炊けたところです。どぞ、席に着いてください」
「…うん?」
言われるままに座ると、眉毛の新垣さんが
「オードブルとメインディッシュです」
と恭しく料理を運んで来る。
ていうか。オードブルの次はスープじゃ?
それより新垣さんは、まず鍋ごと持ってきてるし。
それも、テレビで見る相撲部屋の食事風景とかでよくある、アルミの大鍋だわ。

「メインは、カレーです」
吉澤さんは、何故か胸を張った。
「オードブルは?」
アタシの疑問に、
「カレーの中に隠し味に入れたココアです」
と言った。
「…ハ?」
「アタシからの、愛の贈り物です」
「あの、ハナシが読めないんですけど」
「「そこや(れす)!」」
突然、辻加護コンビが叫ぶ。
「なななななに?」
びっくりして、椅子から転げ落ちそうになった。
「この『バレンタイン撲滅委員会』はな!」
「れす!」
「「吉澤ひとみが石川梨華に告るために結成された、それだけのエエ加減な会や(れす)!」」
「完璧です!」
いつの間にやって来たのか、紺野さんが続く。やっぱり片手を振り上げて。
「まあ、去年まではホントにウチがバレンタインっつーのをなくしたくて、
やってたんだけどね」
頭から三角巾を外して、吉澤さんは笑った。
「どうして?」
「失恋したから」
「あの、それだけの理由で?」
それって…おもいっきし私怨入ってないか?

245I HATE VALENTINE!:2003/03/02(日) 00:52
「で」
吉澤さんは、アタシの顔をずずいと覗き込んだ。
「先輩、アタシの愛を受け取ってくれます?」
「て、あの…えーと」
「ハイ?」
「『カレーに入れるココア』はアリなの?なんか、チョコはもらったり
あげたりするのはいけないんじゃ?」
「まあ、アリでしょう。大体、手作りチョコと言いながら、チョコから作る方は
まあ、見たことありませんから。あ、ちなみにワタクシ紺野は、『本当の手作りチョコ』を
目指し、去年の夏休みにガーナに向かい、カカオの種を植えるところから始めました。
完璧です」
紺野さんが口をはさんだ。一枚の写真を見せてくれる。
やっと芽が出たと思われるマイカカオと、しゃがんでニッコリ笑顔で写ってた。
…ハァ、そうですか。
「で」
吉澤さんは、アタシの方を向く。
「とりあえず、カレー食べませんか?」
「…うん、頂きます」
頭に重いものを感じながら、アタシは盛られたカレーにさじを入れた。

「あさ美ちゃんのカカオ、なんて名前だっけ?」
「『マメスケ』だよ、里沙ちゃん」
「…ビミョー」
新垣さんは、そう言ってさっきの写真をマジマジと見つめる。
辻加護コンビは、我先に争ってカレーをガツガツ食べてた。

「せんぱ〜い!ダーイスキー!カッケー!」
吉澤さんは、机の上に上履きのままのっかって、雄々しく叫んだ。

柴ちゃん、この会はやっぱり変人ぞろいだったよ―――。


(とりあえず)おわる

246ごまべーぐる:2003/03/02(日) 00:55
以上です。長々と失礼しました。読んでくだすった方、ありがとうですた。

247ごまべーぐる:2003/03/02(日) 00:57
途中二重投稿してますが、無視してください(w
スレ汚し、スマソ

248名無しひょうたん島:2003/03/02(日) 11:57
とりあえず、幸せ?になれてよかったです!!
梨華ちゃんと、柴ちゃんの相撲が、見たい!!
続きありですか?

249ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:33
気分転換に書いてみた短編です。
よかったら読んでくださいませ。。。

250ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:34




1度だけ交じる、そんな恋してた。



中学校の時に習った、関数のグラフ覚えてる?

あれって紙の上に十字の線が引いてあってさ。
えっと、縦線が“Y”で横線が“X”だったっけ?
あれ?横“軸”・縦“軸”だった?

いや、そんなことはいいんだよ。
数学は得意じゃなかった。
黒板になんだか訳の分からない公式書いてる、
ハゲた先生の、ぴかっとした頭を見てたほうがよっぽどおもしろかったし。

そんでさ、その十字に交わるように、ぴーって直線を2本くらい引いて。
なんて言ってたっけ…確か…。
あぁそうだ『交わった点の“ざひょう”を求めなさい』だか、なんだか。
なんだウチもけっこう勉強してたんだ。
アイドル辞めても食っていけるかも。


とかくとにかく、まぁ、そんな感じ。

一度は交じるけど、
一旦過ぎたらもう交わらないんだ。

だから、いつまでもウジウジしてたって、どうしようもないんだ。

分かるよね?

251ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:35

遠くから見てるだけでいいとか、
そっちが幸せならそれでいいとか、
それほど大人じゃないし。

傍に居てくれなきゃ嫌だとか、
他の誰とも口利いちゃダメだとか、
そこまで子供じゃない。

薬の処方は1回3錠。
電車の切符は大人料金。
お酒やタバコはいけません。

そんな曖昧な、大人と子供の中間点。
なんてったって、“てぃーんえいじ”なんだから。
お、英語はいけそう。


そう、だからさ、
そんなヤツが理想の恋愛なんて出来る訳ないんだよ。

微妙だね。

252ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:35

キミがね、
ウチ以外の人と喋ってるのを見てるとむかつく。
でもね、
その笑ってる顔は、かわいいな、って思っちゃうんだよ。

笑ってる顔だけじゃないな。
怒った顔も、泣いた顔も、悔しい顔も、嬉しい顔も。


キミの表情は、何かしらウチの心を動かすんだ。


なんて、柄にも無いこと言っちゃって。

だからキミの色々な顔を見てみたくって、
ついつい意地悪なんか、しちゃったりなんか。

何か意地悪言うたびに見せるその顔が。

もぉ〜ぅ、たまんない。


でも、それもやりすぎた。
TVだけでならまだしも、普段の生活でもそれが癖になっちゃって。
半分冗談、4分の1本気。
後の残りは…だからさっき言ったじゃん。
色んな顔が見たいから。

ただそれだけだったんだよ。

253ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:36

もう一個ウチのいけない所は、
それを表に出さない、って事。
出さないんじゃなくて、出せないんだけどさ。
言い訳?これって。

最初に言ったんだ。
『冗談だよ』
ってね。
だから安心してた。
すっかり分かってるもんだとおもってたからさ。
あいぼんとか、飯田さんとか、矢口さんにちょっかいかけてた。

『もう分かんないよ…』

顔をくしゃくしゃにしながらそう言われた時は、
あぁ、ウチ死んじゃうかも、って思った。
今までの思い出が頭の中を駆け巡ったね。



「好き」って口に出して言うのと同じモノだと思ってたんだよ。

何回も何回も、飽きるくらい言うよりも、
一番いい時に、一番いい顔で「好き」って言った方が、
その言葉の重みってやつが分かる気がしたんだ。

そんな軽い「好き」じゃなかったんだよ。
ウチの「好き」は。


自分勝手すぎたかな、って反省したけど。

もう、遅いか。

本当に大事な物は、無くしてからその存在の大きさに気付く。
それが人間の愚かなところ、ってね。

254ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:37



ねぇ、もしもウチかキミのどっちかが

1次関数のぴーって真っすぐな線じゃなくって、
2次関数の、しゅーって綺麗に丸まった曲線だったとしたら。


もう1回くらいは交わってたかもね。




                   END

255ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:38
勉強中に思い出したこのお話。。。
いちお、いしよしって事で。
どうもありがとうさまでした。

256ななしのどくしゃ:2003/03/03(月) 23:39
訂正
→「思い出した」じゃなくて「思いついた」です。
アホや(笑

257名無しひょうたん島:2003/03/05(水) 10:59
ワーイ\(^▽^)/短編だぁ〜!!
なんか、続きが読みたい終わり方です。
どう交わったのか知りた〜〜〜〜い(w
ありがとうございました。

258名無しひょうたん島:2003/03/06(木) 18:05
( ゜皿 ゜)<コッチモヨンダワヨ!
( ´酈`)<かんすうってもうわすれたのれす。

勉強中に考えたってすごいです!!また勉強中に考えてください。(w
( `.∀´)<ストカーね。

259YUNA:2003/04/14(月) 15:32
↑の方が、まだ途中なので...
遅れましたが、吉の誕生日小説ココに書かせてもらいます。

相変わらず駄文ですが、よかったら読んでください。

260YUNA:2003/04/14(月) 15:33




素直に言えたらいいのにね...


“ごめんね...??”
って、どぉして言えないの...??


本当は...


“抱しめて欲しい...”
って、どぉして言えないの...??


早く素直にならないと...
もうすぐ日付が、変わっちゃうよ...??


『still time passes by...』
==============



アタシの恋人―吉澤ひとみ―は今...
アタシに背を向けて、ベッドに横になってる...

彼女が怒っている原因...
それはぁ...

アタシのヤキモチ...??

だってぇ、アタシのを最初に貰って欲しかったのに...
嬉しそうに受け取るアナタを見て...
なんか、ムカついて...

少し冷たい態度とったら...
今度はアナタが怒りだして...
その事と、全然関係ない事にまでひろがっていって...

261YUNA:2003/04/14(月) 15:33


「...っぅ..くっ.....ぇっ..........」

気付いたら、涙が溢れてて...
アタシは彼女に背を向けて、反対側のベッドの縁に座った...
見られたくない...
泣いてるトコなんか、見られたくないのに...

「...なんで、泣いてんの??」

完全にアキれてる声...
明らかにまだ怒ってる...

「.....っんでも..ないぃ〜〜〜!!!」

自分の、意地っ張りぃ...!!!!!!
どぉして、もっと素直になれないんだろっ...??

「...なんでもない訳、ないじゃんかよ。」

ふと背中に感じたのは、ひとみちゃんの体温...
ギュッて抱しめてくれる腕と...
少し強引にアタシの肩を掴んで振り向かせた大きな手...
アナタはすごく②優しい顔をしていて...

ねぇどぉ〜して、そぉ〜やって...
誰にでも、そんな優しい顔をするの...??

アタシだけ...??
こんなにアナタを想っているのは...??

「...どしたのっ、言ってごらんよ??」

こめかみに落ちてきた彼女の優しいキス...

「...ごめんねっ、うち鈍感だからさっ。
....梨華ちゃんがちゃんと言ってくんなきゃ、分かんない。
...分かってあげたいんだけどねっ、ごめんね??」

ギュッて、もう1度腕の中に抱しめられて...

262YUNA:2003/04/14(月) 15:33

「...喧嘩してるさっ、この間っつぅ〜の??
....うち駄目だわぁ〜
...喧嘩しててもぉ、梨華ちゃんとずっと②こぉ〜してたい。」
「....っとみ..ちゃん.........!!!!」

アタシはギュッて、首に抱き付いて...
止まる事を知らない涙を、ずっと②流してた...

「...はぁ、もぉ我慢できないよ。」
「......??」
「...梨華ちゃ〜ん、Hしよぉ??」

この人、人が泣いてるのに何考えてるんだろっ...
でも、そんなトコロも大好き...

「駄ぁ目ぇ〜」
「なんでよぉ〜」
「....シャワー、浴びたいし。」
「そんなん、後でいいし。」

キスをされて、気付いたらベッドに組み敷かれてて...

「...好きだよ。」

ひとみちゃんの声が耳に届いて...
それから、アタシの意識はどこかに飛んでいった...
自分の意識がちゃんとしてきた頃には...
もぉ、日付が変わってしまっていた...

「...ひとみちゃん??」
「ん〜??」
「...お誕生日、おめでとう。」

ギュッて抱き付いて、ひとみちゃんの腕の中に顔を埋める...

「ねぇ、梨華ちゃん??」

名前を呼ばれて、顔をあげると...

「...っ!?」
「へっへっへっ、18歳になってからの最初のチュ〜♪♪♪」

アタシの顔は真っ赤に染まっていく...

263YUNA:2003/04/14(月) 15:34

キスだけなのにね...
未だに慣れないの...
だってほらっ、心臓がまだドキ②いってるよ...??

「...お返しっっっ!!!」

今度は、アタシがしてあげる番...
少し体を伸ばして、ひとみちゃんにキスをする。

「あんがとっ。」

ニコっと笑って、ひとみちゃんは少し照れくさそうにしてた。


いつかだろぉ...
強がってばっかだったのに...
ひとみちゃんと居るとアタシ...
こんなに素直になってる...

きっと、そぉ〜いないんだと思う...
全部②、こぉしてサラけ出せる人って...

ひとみちゃんの笑顔があって...
こぉして毎日の様に、一緒に時間を過ごせて...

でも、慣れないなぁ...

手を繋ぐのだって...
抱しめたり、抱しめられたりするのだって...
キスだって...
エッチだって...

でもね、アタシ慣れたくないなぁ...
ずっと②、こぉしてドキ②してたいなぁ...

264YUNA:2003/04/14(月) 15:34


「っつぅ〜かさぁ〜ぁ〜
梨華ちゃんからチュ〜されるとさぁ、なんか照れる。」
「...ドキ②いってるよ??」

ひとみちゃんの胸に耳をあてると...
いつもより少しだけ早く、心臓が鼓動を刻んでた...

「...梨華ちゃんと居る時は、いつもドキ②してるよ??」
「....嘘。」
「...ホントだよっ、どぉにかなっちゃいそぉだもん。」

ギュッて抱しめられて...
だけど、体はすぐに離れていった...
少しだけ、ひとみちゃんの肩が震えてた...

「....ひとみ..ちゃん??」
「...不安なんだよっ..失いたくないんだっ........」

ひとみちゃんは、泣いていた...
男前で、大雑把で...
だけど誰よりも、繊細で...

「...ねぇ、ひとみちゃん??」

仰向けになって、口を閉じたまま歯を食いしばって...
涙を隠し切れてない手の甲...
アタシは肘をついて、ひとみちゃんの顔を覗き込むと...
そっと、彼女の髪を撫でた...

「...ひとみちゃん??
....アタシはいつも、ココに居るんだけどなぁ。」

ひとみちゃんの上に馬乗りになって...
手を引っ張って体を無理矢理起こすと...
ギュッと、腕の中にひとみちゃんを抱きしめた...

「...ひとみちゃんこそ..どこにも行っちゃヤダから.......」
「....っ華..ちゃっっっ.......」

ひとみちゃんの腕が、アタシの背中を抱き寄せて...
アタシはそっとひとみちゃんの髪にキスをした...

「...ありきたりかもだけど、ねっっ??」
「......??」
「....ずっと②、一緒に居よ??」

アタシを見上げて、首を傾げていたアナタ...

「.....アタシ達のペースで、歩いて行こう??」

ニコって微笑むと、その大きな瞳からまた涙が零れ落ちた...

265YUNA:2003/04/14(月) 15:34



この1年、いろ②あったなぁ...

去年の今日、メンバーで過ごした誕生日...

フラれる覚悟でした告白...

アナタの笑顔が、返って来た返事...

喧嘩の後、涙流しながらした最初のキス...

お互い照れ合った、“初めて”の朝...


いろ②あったね...??

いっぱい②、喧嘩して...
いっぱい②、泣いて...

最近やっと、お互いが向き合えるようになった...


これからも、いっぱい②喧嘩して...
泣いて、笑って、怒って...
お互いの事、分かり合っていこうね...??


アタシ今...

すごく幸せだよ...??

ひとみちゃんも、そぉだといいなぁ...


来年も...

再来年も...

何年経っても、誕生日は一緒に過ごそうね...??




〜fin〜

266YUNA:2003/04/14(月) 15:37
よっちぃ〜、18歳おめっっっ♪♪♪

267名無しひょうたん島:2003/04/19(土) 19:47
(・∀・) イイ!
短編よかったです!!
すごく遅いけど、よっちぃ〜たんじょうびおめでとう!!

268ごまべーぐる:2003/04/21(月) 21:18
遅ればせながら、(0^〜^0)生誕記念駄文をば、書かせて頂きます。

269バスルームより愛をこめて:2003/04/21(月) 21:30
―――石川視点

―――4月12日

「―――よし。誰も、いないわね」

その日、あたし―――石川梨華は、大学の校門でキョロキョロと左右を確認し、
目の前のタクシーをつかまえようと手を上げた。


「ヘーイ!お待ちどう!ひーちゃんタクシーでーす!」
…いちばん、現れてほしくなかった人物が真っ赤なGTRで颯爽と登場する。
あたしの(彼女が勝手に自称している)恋人―――吉澤ひとみだ。
ひとみは窓から顔を出し、サングラスを額に上げ、
「彼女ぉ、乗ってかない?」
とレトロなナンパをしかけてきた。

270バスルームより愛をこめて:2003/04/21(月) 21:41
「乗りません」
スルーして、駅まで歩いて行こうと踵を返す。
「今日ひーちゃんのお誕生日なんだよぉ〜。梨華、ひーちゃんが免許取ったら、
車の助手席に乗ってくれるってゆったじゃんよぉ〜。
ひーちゃん、せっかく梨華とおんなじ大学入ったのにィ〜!
梨華がいぢめるぅ〜!」
ひとみは車から降りて、ダダをこねだした。
じったん、ばったんてな感じで。
通りすがりの女の子たちが、あたしたちの方を見てくすくす笑う。
「ひーちゃん、梨華といっしょにいたいだけなのにィ〜!」
「ひーちゃん、ひーちゃんうっさいの!」
「あ〜、梨華がひーちゃんいぢめてるぅ〜」
特に現れてほしくないひとが、またやって来た。
親友のあゆみだ。
ひとみはあゆみの背中に隠れ、
「柴っちゃん〜、梨華がいぢめるのぉ〜」
ジャイアンの威を借るスネ夫、という風にチクリだす。

271バスルームより愛をこめて:2003/04/21(月) 21:47
「ダメじゃん、年下のオンナノコいぢめちゃぁ〜」
「コイツがいつ年下らしく振る舞ったよ!?」
「…年下にイカされてるクセに」
ひとみは、ぼそっと言った。
「ああ゛!?なんか言ったか!?」
「まあまあ、おふたりさん」
あゆみは、『どうどう』という感じで、仲裁に入る。
あたしらは馬か。

「あ、そういや。アヤカがアンタたち探してたわよ」
「…へ?なんだろ?」
「さあ。なんだろね」

あゆみはすぐ『ひーちゃんいぢめちゃだめよん』と帰って行った。
とりあえず、探されてるとのことなので。
あたしは、携帯からアヤカにメールを送った。

272ごまべーぐる:2003/04/21(月) 21:49
更新しました。
次回は恐らく連休になると思います。
他の作者さん、先に書いてくだすって結構です。

273名無しひょうたん島:2003/04/24(木) 17:38
おぉ、新作ですね!
このシリーズ大好きですよほ。
いよいよ(0^〜^)が同じ大学に入学したんですね。
年下の恋人・・イイ響きですw
次回も楽しみです♪

274バスルームより愛をこめて:2003/05/01(木) 09:01
『♪ポロン』

「♪アーロハオエー カッケー!」

「…ハァ」

…あたしは、今日何回目になるか分からないため息をついた。


―――ここはハワイ。

あたしは、ひとみとワイキキの海岸にいる。

親友のアヤカの好意で、ゴールデンウィークに何故かひとみとここにいる。

「ハワイ、カッケー!♪あーろはおえー!」

ひとみは手に持ったウクレレを、じゃかすか鳴らす。

フラメンコギターのように。

いでたちは、アロハシャツにパナマ帽。そして短パン。しかもグラサン。

成田にその格好で現れたのを見たときは、フツーに引いた。

一体、何十年前の旅行者なのかと。

しかも、手にはウクレレなんだもん。

275バスルームより愛をこめて:2003/05/01(木) 09:10
この旅行には、もうひとりの親友あゆみも一緒だ。
彼女は、恋人の大谷さんと来ている。
最後の日だけみんなで食事を一緒にする約束をしていて、それまでは別行動。

本当なら、アヤカがこの旅行に行くつもりだったのだが(彼女は、世界中にホテルをいくつも持ってる
お金持ちの家の娘なのだ)、恋人の保田さんと急にフランスに行くことになり、
あたしたちにこのハワイ行きが回ってきたのだ。

宿泊先のホテルは、彼女の家が経営してるのでタダ。
さすがに遠慮して飛行機代は出したけど、チケットの手配も全部アヤカがしてくれた。
持つべきものは、親友ね。

276バスルームより愛をこめて:2003/05/01(木) 09:15
「梨華ちゃぁ〜ん。ゴハンにしようよぉ。ウチ、おなか空いたぁ」
ひとみがおなかを押さえて言う。
どうやら、ウクレレに飽きてきたらしい。

「1階に和食の店があったわよ。そこにしよっか」
ちょっと日本食が恋しくなってきたのでそう提案すると、
「食事のあとは…ムフフ♪」
…コイツはひとのハナシを全然聞いていないのだった。

「―――ああ゛!梨華ちゃん、待ってよほ!」
「早く来ないと置いてくわよ」

ひとりで勝手にさくさく歩いていく。
まるでわんこのようにシッポを振って、ひとみはどかどかと走ってくるのだった。


―――父さん。
ハワイの夕陽は、眩しいです。

277ごまべーぐる:2003/05/01(木) 09:18
更新しました。

レスのお礼です。

>273の名無しひょうたん島さん

気がついたら、シリーズになってますた(w
楽しみにしてくだすって、ありがとうございます。
(0^〜^)は根性で(爆、大学に合格しますた。

278名無し( `.∀´):2003/05/08(木) 21:27
(0^〜^0)合格おめでとう!!
根性なんですね(w
よかったよかった。
続き期待!!

279名無し( `.∀´):2003/05/11(日) 11:32
続きキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!

楽しみにしています。本当です(w
シリーズ化大賛成!!
続きまってます!!がんばってください

280バスルームより愛をこめて:2003/05/18(日) 01:02
…今日って、何日かしら。

あたしは虚ろな目で、上から降り注ぐシャワーを見つめた。

…あれから。
ひとみは大ハリキリで、ガンガン攻めてきた。
それこそ、気が遠くなるくらいに。
ルームサービスで、何度か食事を取った気はする。
やばい…。
日にちの感覚が狂ってきたわ。
いくら日本と時差があるところだからって。
あたしの体まで、おかしくなるなんて…。

281バスルームより愛をこめて:2003/05/18(日) 01:11
「梨華ぁ、入るよほ!」
間延びした声がバスルームの外から聞こえる。
ゲッ!
ひとみだ。
今入られたら、ゆっくり体を休めないじゃん!
せっかくスキを見てお風呂に入ったのに。

「もしかしてぇー、ひーちゃんのためにキレイにしてくれてるのかなぁ〜?」
ひとみはシャワーブース(この部屋のお風呂はシャワーが別なのだ)の外で、
ニコニコ笑ってる。
シャワーブースはガラス張りなので、いくら体を隠してもムダなのだが。
「いや、カン違いだし」
シャワーを止め、あたしは軽くヤツを睨みつけた。
「ひーちゃんも行くよほ!」
羽織っていたバスローブを試合時のプロレスラーのように脱ぎ捨て、ひとみは
シャワーブースに乱入してくる。
鼻息が荒い。
…どっから、そんな体力が出るんだろ。
保田さんのように、すっぽんでも食べてんのかしら。
(そのせいで体がもたない、とアヤカはよくこぼしているが)

…後ろから腰を掴まれ、激しく揺さぶられながら、あたしはそんなバカなことを考えた。

282バスルームより愛をこめて:2003/05/18(日) 01:21
「…やっばい!ウチが先にイクかも!」
ひとみの声がエコーがかかって、やけに遠く聞こえた。
荒い息。
あたしのかな、ひとみのかな。
汗も、体液も。
もうどちらのか分からないくらい、混じり合ってる。

「…ん!んん!」
ひとみは正面に回り、あたしの両胸を鷲掴みにして噛み付くように愛撫した。
片手がスッと下肢に伸び、さっきイッたばかりなのにまた刺激が加わる。

…ひとみは、バカだし、スケベだし。
ちっとも、あたしのハナシなんて聞きやしない。
それでも。
あたしを抱くときは、手を抜かない。
いつでも、ストレートに向き合ってくる。

どうせ遊びなんだ。
いつか終わるんだ。
あたしは、心のどこかで自分に言い聞かせている。今でも。
嫌われるのが怖いから。
体だけじゃない。
心まで、この子に鷲掴みにされてしまったから。

283バスルームより愛をこめて:2003/05/18(日) 01:30
「…梨華ぁ!」
一際高い声を上げて体を震わせたこの子を、あたしはぼんやりとした意識の中、
強く抱きしめた。


―――それから。
約束通り、最終日にあゆみや大谷さんも交え食事した。
向こうも燃えたようで、あたしたち同様、げっそりしていた。
(その中で、ひとみはひとり元気で大はしゃぎだったのだが)
そのまま、夜の便で一路日本へ。


「梨華ぁ〜」
機内で眠ろうとしたら、隣の席のひとみがそっと手を握ってきた。
「ん?」
「また、来ようね」
「…うん」
あたしにしては珍しく、素直に頷いた。

そばの小窓からは、夜の雲を切り裂いて進んでいくのが見える。
今度来るのはいつだろう。
あたしはゆっくり、目を閉じた。

284ごまべーぐる:2003/05/18(日) 01:40
更新しました。
これで終わりです。
短くてスマソ

レスのお礼です。

>278の名無し( `.∀´)さん

(0^〜^0)ノ<イエーイ!あ〜りがとう!!

そうです、根性です(w
いしかーさんが絡むと、ひーちゃんは恐るべき力を発揮するのです。


>279の名無し( `.∀´)さん

続きキタ━━━ヽ(〜^0)人(0^〜^0)人( 0^〜)人(〜^0 )人(0^〜^0)人( 0^〜)ノ━━━!! …のでしゃうか(w?

AA、少し改造させて頂きますた。スマソ ひとりで踊るひーちゃん(w
どうもです。がんがります。

285279:2003/05/23(金) 17:20
完結お疲れ様でした。
すっぽん食べたのかな〜?w謎ですね。
シリーズ化楽しみにしています!!

286名無し( `.∀´):2003/05/31(土) 21:12
お疲れ様でした。このシリーズ大好きです。
いつも、すごい量を書かれていますね。
尊敬しちゃいます。

287ごまべーぐる:2003/06/16(月) 21:24
レスのお礼です。

遅くなって申し訳ありません。

>279の名無し( `.∀´)さん

(0^〜^)ノ<ひーちゃんなんにもナシでこの体力〜!カモーン!バッチコーイ!

ひーちゃん、恐るべし体力なのです(w 楽しみにしてくだすってありがとうございます。
恐縮です。

>286の名無し( `.∀´)さん

(;`.∀´)<アタシ今回も名前のみの出番だったわね

どうもです。大好きと言って頂いて、ちと照れます(笑
尊敬ですか…ひゃぁ〜、滅相もない、て感じです(笑

288ごまべーぐる:2003/07/21(月) 22:17
川o・-・)<以前書かせて頂いた、『I HATE VALENTINE!』という
      短編の、つづきのおはなしをセンエツながらうpさせて頂きます…。

289BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:19
―――石川視点

「…いやぁ〜!ひーちゃんもフルーツ牛乳飲むぅ〜!!」

…あの声は。
アタシは烏龍茶を飲む手をとめた。


学校帰りにあんまり暑いので、アタシは駅のホームにある売店で、お茶を買って飲んでいた。
「もう〜!エエがなフルーツ牛乳ぐらい!自分もう高2やろ!」
あの関西弁のツッコミは。
「ああ〜。やっぱりフルーツ牛乳はおいしいれすねぇ〜。ぷはぁ」
あの舌っ足らずな声は。
「ののがフルーツ牛乳全部飲んだァぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
…あの大人気ない悲鳴は。

…他人のフリしよ。

あたしは早々と決意し、お茶の残りを飲み干すと静かに缶をゴミ箱に捨てた。

290BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:27
今年のバレンタイン―――。

アタシはひょんなことから、『バレンタイン撲滅委員会』という何だかよく分かんない会の
メンバーと知り合った。
さっきいた関西弁と舌足らずなコンビ―――付属の中等部3年辻加護コンビや紺野あさ美、
2年の新垣里沙。
まあ、彼女たちはいい。ちょっと変わってるが、いい子たちだし。

―――問題は。

「センパ〜イ!」
それ以来、まとわりついてくる、会長の吉澤ひとみなのだ―――。

291BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:31
「イッシカワせんぱぁ〜い♪」

ある日の放課後。
見覚えのあるパツキンが現れた。
アタシはあえて聞こえないフリをし、そそくさと教科書を鞄にしまう。
「『バレンタイン撲滅委員会』の正式入部、考えてくれましたぁ〜?」
彼女―――吉澤ひとみはいつもこう言って現れる。
「てか、アタシ今年3年だし。受験生だし」
もっともな断りの理由を述べると、
「センパイ、そのまんまウエの大学上がるんスよね。もう進学確定っしょ?」
「…なんで知ってんのよ」
「えへへ、センパイのことなら何でも知ってますって」
吉澤ひとみは、悪びれることなくエヘヘと笑った。


―――ある日の職員室。
「失礼しやしたぁ〜」
授業中に騒いで担任の平家にこってり絞られた吉澤は、戸を開けて出て行こうとした。
「この成績やったら大丈夫やろ」
目の端に石川と体育教師の稲葉を捕らえ、大急ぎで柱の影に隠れる。
「よう頑張ったな。特に去年の2学期からの成績の伸びが効いてるワ」
「はい、ありがとうございます」
その会話の後、石川が付属大学に進学を志望してること、最近わらびモチにハマっていることなど
有力な情報を入手した。
日頃の地道な努力は、必ずや大きな成果につながる。

「イシカワセンパイ…」
柱の影で、吉澤は頬袋を赤らめ、鼻息を荒くした。

292BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:36
―――石川視点

「♪しんじる〜ことにすっるわ〜あかいっフリージア〜」

翌日。
友達の柴ちゃんが歌を口ずさみながら廊下をスキップしていた。
ずいぶんご機嫌だ。
「どしたの」
「えっへっへ!見てよ、コレ!」
柴ちゃんは一枚の紙切れを広げて見せた。
見ると、人気アイドル歌手・後藤マキのライブチケットだった。
「すっごい!最前じゃん!」
即日ソールドアウトになったというのに。
どうやって手に入れたんだろ。
目を丸くすると、柴ちゃんはんふふふぅ〜と笑い、
「マサオと行くんだぁ〜。あ、パンフ買ったら見せたげるね♪」
「うん、ありがと。楽しんできてね」
柴ちゃんはひらひらと手を振り、またスキップして去って行った。


「コラー!待てー吉澤ー!補習サボってどこ行くねん!」
数学の平家先生の半ば悲鳴のような怒鳴り声がしたと思ったら。
吉澤ひとみがどたどたと走ってきた。
吉澤さんは運動神経がいいようで、ひらりひらりと平家先生を交わし、
階段の細い手すりにまたがり、シャーッとすべって
「バイナラ〜」
と去って行った。
「くっそぉ〜!覚えとれよ…」
ゼーハー荒い息を吐き、平家先生はとりあえず呼吸を落ち着かせていた。

293BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:43
「先生…大丈夫ですか」
思わず声をかけると、
「ああ、石川か。いや、スマン。まったく、アイツはもう」
平家先生は、情けなさそうにハァ〜とため息をつく。
「吉澤さんが何か…?」
「数学の補習またサボリおったんや!これで5回目や!アイツは!まったく!」
平家先生…いいひとなのにね。
「そうですか…。先生もタイヘンですね」
「ホンマになぁ、まったく」
平家先生は『ほなな』と去ろうとした。

ところが。
「石川、ちょっと頼みがあるんやけどエエか?」

―――アタシ的に、とんでもない依頼をしてきた。

294BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:55
そのまた翌日―――。

昼休み。
スキップしながら、吉澤さんがアタシのクラスにやって来た。
ヤケに上機嫌だ。

その理由は前日に遡る―――

「デート!?」
「そう!頼む!一回でエエねん!」
平家先生は、泣きそうな顔でアタシの肩をつかんで揺すぶった。
「イヤですよ!いくら先生の頼みでも…よ、吉澤さんとデートなんて!」
「ムリを言うてるのは分かってんねん。な?吉澤の成績、このままではマジヤバいねん。
だから、アンタがデートしたるって言うたら、アイツもやる気になると思うねん。
石川、この平家みちよ、一生のお願いや。頼む!」


―――結局押し切られ、アタシは渋々OKさせられた。


「センパイ、クラブ入ってくれるんですってね。平家先生から聞きましたよ♪」
「…へ?」
あれ?デートじゃなかったの?
アタシは一瞬あっけにとられたが、
「クラブの話は何回も断ってるじゃん…」
一応、拒絶の姿勢を表した。
吉澤さんは『う〜ん』と考えたあと、
「分かりました」
と大きく頷いた。

「センパイ…」
吉澤さんはそっとアタシの手を握る。
「なな、何…?」
アタシはかなり引き気味に後ろに仰け反った。
「結婚しましょ」
「―――ハァ!?」
クラス中が凍りついた。
そばで雑誌をめくっていた柴ちゃんも、目を丸くしてる。
「け、結婚!?」
クラブの勧誘から、どこをどうやったら求婚になるのか。
この子の思考回路って…。
アタシは意識が飛び、クラッとなる。
「ウチの実家はケーキ屋っす!その名もヨシザワベーカリー!ウチと結婚したら、まいんちケーキとパン
食べ放題っす!」
吉澤さんは力説する。
「ちなみに隣は和菓子屋っす!松浦菓子舗っつーんです!ウチの顔で団子もまんじゅうも安く食えます!」
「…はぁ。あのね…吉澤さん」
「身ひとつで来てくだすって結構ですから」
吉澤さんは全然話を聞いていない…。

295BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 22:57

―――いきなりのプロポーズでクラス中を引かせる吉澤ひとみ。

吉澤は石川の話を全然聞いていない。
それどころか、石川との夢のような新婚生活を妄想している。

朝。
かいがいしく、朝食の席で『おかわりは?』と吉澤に尋ねる石川。

昼。
チェック柄の三角巾(色はピンクないし赤)を頭につけ、ケーキ屋の店番をする石川。

晩。
潤んだ目で、ベッドで自分を見つめる石川(以下略)。


―――吉澤は幸せの只中にあった。

296BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 23:01
―――石川視点

その日の放課後。
「梨華ちゃん、ヒサブリにやる?」
柴ちゃんが親指をクイッと立てて言った。
「うん!やろう、やろう!」
アタシは嬉々として答え、早速準備を始めた―――。

297BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 23:06
「まったく、よっすぃ〜のヤツどこ行きおってん。部活サボってからに」
中等部3年加護亜依は、吉澤を探していた。
加護の友人・辻希美も『しょーがねーれすねー、よっすぃ〜はぁ』と言いながら
一緒に探している。

『吉澤さん、発見』
同じクラブの紺野より、携帯メールが入る。
場所はグラウンドのテニスコートとのことだった。


「…グラウンドのテニスコートて。もしや」
加護はまさかな、と思いながら現場に急行する。

298BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 23:17
「どすこーい!」
「もいっちょー!」

テニスコートでは―――。

この学園で美少女と謳われた高等部3年・石川梨華と柴田あゆみが相撲をとっている。
「やっぱり…」
校舎の陰から顔を覗かせ、加護は悪い予感が的中したことを噛み締めていた。
辻はその横でメロンパンをむさぼり食っていた。

その先の体育倉庫の陰には吉澤。
熱い視線を、テニスコートに注いでいる。

「まったく…みんなしておかしいワ。どないかしとるで、しかし」
「まったくね」
加護は声のする方に振り向いた。
「うわ!松浦はんやないですか!てか、野外で今ここでペットボトルの茶ァを
わざわざジョッキに注ぐ意義はナニ!?しかもしっかり氷入っとるし!てか何でジョッキ!?
浴衣着用やし!」
加護が少し引き気味に指を指して叫ぶ。
吉澤の幼なじみ―――松浦亜弥はそれには答えず、「♪シャディパディ カパ カディー」と口ずさみながら
午後ティーをゴキュゴキュやっていた。
さすが『あやゃ』と呼ばれるだけある。
彼女は無敵なのだ。
自宅には旅行用のトランク(通称:あやトラ)があり、豹柄のビキニだかブラを入れているという
もっぱらの評判だった。

299BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 23:23
「ひーちゃん、見てみなよ」
松浦は吉澤の方を指した。
吉澤は、まだ体育倉庫の陰から、頬袋を覗かせ、元々ちょいタレ気味の目を更に
タレさせて石川にデレデレと見惚れている。
「はぁ。恋って…ひとをアフォにするね」
加護がため息をつくと、
「いや、ひーちゃん元々アホだし」
松浦はサラリと言い放った。


『センパイ…ステキです。センパイは今、輝いてます…』
吉澤は少女マンガのように、目を輝かせる。

「どりゃぁーーーーー!」
「どすこーーーーーい!」
夕陽の美しいグランドで、美少女ふたりの勇ましい姿がいつまでもいつまでも輝いていた―――。



(とりあえず)おわる

300BE MY VALENTINE!:2003/07/21(月) 23:33
川o・-・)<駄文を…失礼いたしました。オチも何もないですが…。
      この短編を、『よっさんねる』さん10万HIT記念として
      献上いたします。よろしければ受け取ってください。
      手前味噌でスマソ、と作者が申しております
      
川o・-・)<あ、ちなみに『BE MY VALENTINE!』というのは、
      バレンタインカードの決まり文句で『恋人になって』みたいな意味です。
      メロン記念日でいうとこの『さあ!恋人になろうよ』的なものでしょうか


( ´。酈`)<ののはチョコが食えたらなんでもいいれすけど、あさ美ちゃん今回出番ねーのれす

�徉遏─�-・)<!


川o・-・)<…♪さーみしくなんかないよ ないよ

    

チョコあげるれす>( ´酈`)っ■(;-;o川<恐れ…入ります

301名無し(0´〜`0):2003/07/23(水) 14:38
バレンタイン撲滅クラブ大好きです!!
壊れたアフォな吉澤さんが好きなんです!!
ぜひぜひ続きを読みたいと思ってるんですが・・・。
作者さんお願いします!続きを…。

302匿名匿名希望:2003/07/25(金) 19:13
こちらでははじめまして(ぺこり)
短編というのを初めて書いてみました。
失礼しますです。

303雨なんだ。:2003/07/25(金) 19:15
窓の外ではまだ雨が降っていた。
隣で眠る君のことを起こさないようにそっとベッドから抜け出して、
足元に落ちているシャツを掴んで袖を通した。
素肌に感じる冷たさが、火照った身体には丁度良かった。

窓に近付いてひんやりする硝子に手を置いた。

何度も訪れたこの部屋。
何度も紡ぎあった言葉。
何度も重ねあった身体。

だけどこうして1人で夜の雨を見るのは初めてだった。
じっと見ていても景色は代わるワケじゃないし、この強い雨は当分止むこともないだろう。
だけど私はこの雨に不思議と魅せられていた。

後ろの方で感じる君の息遣い。
疲れてるんだよね。
仕事、ハードだもんね。
その上、今日ちょっと優しくできなかったかもしれないし。

別に嫌なことが何か特別にあったワケじゃない。
だけど今日は窓の外で雨が降っていたんだ。
そうしたら君を優しく抱くことが上手く出来なかった。

304雨なんだ。:2003/07/25(金) 19:16
何でだろうね?
雨のせいにしたら怒られちゃうね。
でもね、本当に今日は不思議な感じだったんだ。

私の腕の中で愛しい彼女が私の名前を沢山呼んだ。
汗ばんだ身体に爪を沢山たてられた。
そのことを彼女はことが終わった後に沢山謝った。
謝ることなんて何もないのに。
私はむしろ君のつけてくれた痕が嬉しいのに。

雨はまだ強く降り注いでいる。
後ろで眠る君はこの雨を一度も見ないで太陽を見るのかな。
何だかそれはとっても勿体無い気がするんだよね。
『雨なん降る時には降るんだから別に今見る必要はないんじゃない?』
そんなこと言われそうだけど、今日の雨は何だかとっても特別に見えるんだよ。

例年よりも長い梅雨。
梅雨らしく沢山雨が降った。
だから沢山雨が降った。

雨が降った日でも君のことを沢山愛した。
でもね、今日の雨、やっぱりいつもと違うんだ。

305雨なんだ。:2003/07/25(金) 19:18
強いんだけど儚いの。

そんな雨を見た後に君を見たからかもしれないね。
濡れた髪、濡れた唇。
何処かに消えちゃうんじゃないかって思ったんだ。

・・・そっか、だから優しく抱きしめることが出来なかったのか。
君の存在を私に刻んで、私の存在を君の中に刻みたかったんだ。

秋からはこうやって過ごす時間も少なくなっちゃうんだよね。
バラバラになっちゃうワケじゃないけれど、バラバラになっちゃうから。

布団から覘く君の素肌が愛おしい。
会えない時間がこの頃増えて、触れられない時間もこの頃増えて------
だけど今以上に君に会えない時間が増えるのか。

強がってはいるけど、結構寂しい。
結構辛い。

でもね、私頑張るからね。
約束したもんね。
『お互いにもっともっと大きくなろう』って。

306雨なんだ。:2003/07/25(金) 19:19
刻まれた約束は、私に刻まれた痕なんかよりも全然強い。
馬鹿だなぁ、今頃気付いちゃったよ。
もう少し早く気付けばもっと君を優しく抱いてあげることが出来たのに。
辛かったかな。
だったらごめんね。

雨はまだ降っていた。
だけどさっきよりも少し弱くなっていた。

『雨がね、綺麗なんだよ』

そう言って君を起こしたら、君はどんな顔をするのかな。
ちょっと試してみようかな。


一緒に今日の雨見よう。


そしてまた君を愛させて。
今度は優しく抱き締めるから。

307雨なんだ。:2003/07/25(金) 19:20
おしまい。

308匿名匿名希望:2003/07/25(金) 19:24
駄文(そのうえとっても短い)をば失礼しました。
一応いしよしでよし視点です。
産まれたてほやほやなもんで御見苦しい点があるかと(汗)
どうもお邪魔いたしました。

P.S. 最後の最後でageてしまい申し訳ありませんでした(ぺこり)

309名無し(0´〜`0):2003/07/26(土) 03:34
うわぁ〜なんか、リアルいしよしって感じで(・∀・)ノ イイ!! ですね。
作者様の作品は、飼育でも楽しみにしています。
短編まで読めて超ラッキーです!!
次作も楽しみにしています!!また書いてくれますよね?(w

310309:2003/07/26(土) 03:36
あ!その前のごまべーぐる様の、作品も読んじゃいました!!
すっごく面白いです。バレンタイン撲滅クラフ(w
いや〜いいもの読ませていただきまし。ありがとうございます!!

311匿名匿名希望:2003/07/26(土) 16:52
>309 名無し(0´〜`0)様
レスありがとうございます(ぺこり)
短編というものを今まで一度も書いたことがなかったもので、
そう言っていただけると安心&嬉しいです♪
次回作ですね。
そうですね、もしまた機会があればやらさせていただこうかと思ってます(w
短編って書くの楽しいです☆

312クロイツ:2003/07/27(日) 10:46
匿名匿名希望様だー!!うわーい!!
読ませていただきましたよ〜!!いやーん!!甘くて最高ー!!
雰囲気が良いですねぇ♪匿名匿名希望様特有の、あの雰囲気が!!

 フ ァ ン に は た ま り ま せ ん ! 

 短い中にもきっかりとそれが表現されてるのがすばらしい!!
 次回策も期待しております!!

313匿名匿名希望:2003/07/27(日) 20:28
>クロイツ様
レスありがとうございますです。
そんなファンだなんて(恥ずかしいハズカシイ)
ありがとうございます。
upした日に雨、降ってたんですよ。
だから産まれた話なんです。
次回作ですね、また機会があればやらさせていただこうと思ってます☆

314ごまべーぐる:2003/08/03(日) 12:23
遅くなりましたがレスのお礼です。申し訳ありません。

>301の名無し(0´〜`0)さん

続きは仕事が一段落着いたら、と考えております(予定は未定で申し訳ないのですが)。
どうもありがとうございます。

>309の名無し(0´〜`0)さん
こちらこそ、読んで頂いてありがとうございます。
アフォな部活だらけな恐ろしい学校なのです(w


匿名匿名希望さんの短編、(0^〜^0)<カッケー!
クロイツさん同様、ヲタにはたまりません!
次回作期待待ち。

315キョウ:2003/08/04(月) 12:14
はじめまして!いつも陰ながらROMっておりました、キョウと申します。
いつもは自分のサイトでコソーリ書いているんですが、
作家さんの知り合いが欲しくて欲しくて・・・(←下心丸見え

では、かなり短いですけど、投稿させていただきますっ!!

316キョウ:2003/08/04(月) 12:14
「ひとみちゃん暑くないのぉ〜・・・ちょっと離れようよぉ」

部屋のソファで真昼間から私の事を後ろから抱きかかえて座ってるひとみちゃん。

ラヴラヴしてくれるのは、すっごい嬉しいんだけどぉ・・・暑くはありませんか?

「暑くなんかなぁい!・・・扇風機もあるし、今さ梨華ちゃんと離れちゃったら負けを認めることになるじゃん?だから、離れない!!」

一体どこの誰と対決してるの?もしかして・・・夏と対決?!・・・なにやってんの・・・ひとみちゃん・・・

呆れながらも、やっぱりひとみちゃんを感じることは嬉しいので、

口では離れようと言っていても、私は離れようとはしなかった。

317キョウ:2003/08/04(月) 12:16
「ひとみちゃんジンベェ着てるから涼しいんだよぉ・・・私はTシャツ1枚だからべったり背中にくっついちゃうしぃ・・・」

ひとみちゃんはすっごい涼しい格好。私も普通なら涼しい格好なんだけれど、ジンベェと比べると・・・とてもとても。

するとひとみちゃんが私の肩に顎を置いて、頬にチュッと音をたててキス。

「じゃ〜さぁ〜。脱いじゃえばいいじゃん。私だけしかいないんだし。
 それとも・・・まだ脱ぐのには抵抗・・・・ある?」

「そーゆー問題じゃないじゃん!!」

「そっかなぁ〜♪」

上がり口調の言葉を言って、今度は首筋にキス。首は反則だよ・・・ヒャッ。

「んふふぅ・・・梨華ちゃん可愛いなぁ〜。じゃあ、私のジンベェ貸してあげるよ。
 ちょっと大きいかもしれないけど・・・その方が私もそそるしぃ〜♪」

「それって・・・ひとみちゃんの趣味の為に着させようとしてる??」

「・・・ご想像にお任せします♪」

318注:題名は特にナシ:2003/08/04(月) 12:17
んもぅ・・・そうやってニヤケて。このヘタレパンマン。

まぁ、このままくっついていてもTシャツがベチャベチャになっちゃうだけだし・・・ひとみちゃんが貸してくれるなら…いっか。

「じゃあ・・・貸してくれる?ちょっと着替えてくるから。」

「私の補助はいらない??脱がしてあげるよ?」

「ひとみちゃんに脱がされたら、他のモノも脱がされるから結構です。」

「アハハ・・・バレてましたか。」

ひとみちゃんはエヘヘとかわいらしく笑ってクローゼットにあるジンベェを私に渡してくれた。

私は『着替えてくるね』といって、部屋をあとにする。

319注:題名は特にナシ:2003/08/04(月) 12:18
う〜ん・・・やっぱり大きすぎるよコレェ・・・ってゆーかさぁ、ひとみちゃんでも大きいんじゃないの?このサイズ。

大きめのジンベェに着替えて部屋に戻ると、瞬時にひとみちゃんと目があって・・・相変わらずのニヤケ顔で迎えてくれた。

「うぅ〜ん。たまらないねぇ・・・おっきめのジンベェがなんかこう・・・脱がしがいがあるといいますか。」

このヘタレパンマンは、また脱がす脱がすって。・・・あなたの頭の中は脱がすこと一色なんですか??

「脱がされないから。ってゆーかさぁ、コレ、ひとみちゃんでも・・・大きいんでしょ??」

「うん、大きかった。だから、返そうと思ったんだけどさぁ、その前に愛しのスウィートハニーに着させようと思って♪」

やれやれ・・・やっぱりそんな魂胆なのか。昔っからひとみちゃんって大きいのを私に着させる趣味みたいのがあって。

白い大きなTシャツとか、ワイシャツを過去に何回着させられたか・・・。

320注:題名は特にナシ:2003/08/04(月) 12:19
「そのさぁ・・・下心丸見えなのはどうにかできないの?ひとみちゃん。」

「ん?ヨシザワには下心なんて。こんな純粋無垢な人・・・いませんよ??」

「はいはい・・・言っててください。」

私、ひとみちゃんよりおねーさんだよね??なのに、いっつもひとみちゃんのペース。

大きく『はぁ』とタメ息をつくと、ひとみちゃんはニッコリ微笑みながら手首をクィクィさせて、おいでおいでと合図する。

そんな誘いを断るわけにもいかずに、おとなしく近寄ると・・・急にガバッと抱きしめられてそのままキス。

とっても激しくて、気温の暑さとは別の暑さが訪れる。

長く唇を触れさせあった後、ひとみちゃんは満足したのか、一回唇を離して、額にチュッと音を立ててキス。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板