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気ままに短編集!!(何でもあり)
1
:
管理人@よすこ。
:2002/08/16(金) 15:53
新スレ立ててみました。
スレを立てるのは、何だがちょっこっと、書いてみたいな〜と思う
方がいらっしゃったら、どんどん書いてください!!
一話目は偉大な作家べー。様。が、管理人の要望にこたえて書いて頂いた
短編を、のっけます。続け〜〜〜(w
120
:
名無しよっちぃ
:2002/11/15(金) 15:49
面白い!!こんな小説久しぶりです。
121
:
オガマー
:2002/11/16(土) 08:12
すげー…なんて言うんだろう。心にグサァーと刺さる作品ですた。
太くて堅くて柔らかいものがグサァーと…(何
すごいよかったです。
122
:
ごまべーぐる
:2002/12/01(日) 02:25
感動しますた。(T▽T)
これしか言えないのがもどかしいです…。
123
:
ごまべーぐる
:2002/12/23(月) 20:25
短編をコソーリと書かせて頂きます。
124
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 20:37
「辻、行くよ」
いいらさんに声をかけられて、ののは大急ぎでしたくをしました。
ののといいらさんは、『中澤カンパニー』という会社のしゃいんれす。
なにをしてる会社かというと、なんでもやさんれす。
おきゃくさんの、おひっこしのおてつだいをしたり、ひとりぐらしのおとしよりに、
ごはんをつくってあげたり、いろいろしています。
ののといいらさんは、今日のいらいぬしの人のおうちに向かいました。
今日のおきゃくさんは、石川さんというひとれす。
125
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 20:49
「失礼のないようにね」
いいらさんは、チャイムをならす前にげんかんさきでいいました。
いいらさんは、のののじょうしで、ペアをくんでいます。
ののはそそっかしいのれ、たまにこうやって注意されるんれす。
「ハーイ」
チャイムをならすと、おうちのひとがインターフォンに出てきました。
「『中澤カンパニー』から参りました。飯田と申します」
「あ、お待ちしてました。どうぞお入りください」
今日のお仕事は、ひっこしのおかたづけれす。
石川さんは、遠い街からこのマンションにひっこしてきました。
いそがしくて、ひとりで片づける時間がなくて、ののたちがよばれたんれす。
126
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 20:56
いいらさんとのの、石川さんの3人で、もくもくとかたづけてゆきます。
石川さんのお部屋は、ピンクだらけれす。
のののお友達のあいぼんもピンクがすきれすけど、ここまでではないれす。
「ありがとうございます、お茶でもどうぞ」
ひととおりかたづけを終えると、石川さんが紅茶をいれてきてくれました。
おやつはビスケットれす。
ののたちはおれいをいって、お茶をいただきました。
127
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:06
ふと、キャビネットの上にある時計が目に入りました。
あいぼんのおうちにもある、キティーちゃんの時計れす。
そのとなりに、写真たてがありました。
今よりおさない石川さんが、ショートカットの女の子とうつっています。
「かわいい時計れす。あの写真たても」
「コラ、辻」
いいらさんに、小声でおこられました。
「アハハ、いいですよ。ありがとう、どっちもお友達にもらったの」
「あの写真にうつってる人れすか」
いいらさんが『辻!』とのののそでをひっぱりました。
「うん、あの写真立てはね。幼なじみなんだけど、家族で外国に行っちゃって
いま、どこにいるか分からないんだ」
石川さんは、ちょっとさびしそうに笑いました。
128
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:13
「も〜う。辻はぁ。あんましお客さんの、プライベートに触れたらダメだよ」
帰り道で、いいらさんにおこられました。
ごめんれす、と言い、ののは駅のホームでうつむきました。
分かればいいから、といい、いいらさんはののの頭をくしゃくしゃとなでてくれたれす。
次のおしごとは2日後れした。
こんどは、カゼをひいたひとのかんびょうれす。
129
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:19
その人は、若い女の人で、ひとりぐらしれした。
ゆうべマンションに帰ってきたとたん、熱をだしたそうれす。
「う〜。寒気がする」
そのお客さん―――吉澤さんはベッドのなかでブルブルふるえました。
手分けして、ののが食りょうの買出し、いいらさんがおかゆをつくりました。
130
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:33
「どうもスミマセン。卵がゆうんめ〜!」
吉澤さんは、卵が大こうぶつなんらそうれす。
とてもおいしそうに食べてます。
買ってきた食りょうをしまうため冷蔵庫を開けたら、なるほど、卵だらけれした。
「いや、すっかり落ち着きました。ありがとう」
ののの買ってきたお薬を飲んで、吉澤さんはベッドに横になりました。
「ゆっくりお休みください。風邪には睡眠と栄養を摂るのが何よりです」
いいらさんは吉澤さんのおふとんをかけなおしてあげました。
「あ、そうだ。これ、帰りの電車賃にでもしてください」
吉澤さんは起き上がって、ローチェストの上のお財布を取ろうとしました。
あ、お気遣いなく、いいらさんが止めようとすると、吉澤さんはフラついて、
お財布やほかのものもおっことしてしまいました。
ののがひろってあげると、お財布のほかに写真たてやぬいぐるみもありました。
―――ぐうぜん、というのは、こうしておこるのれしょうか。
写真たてのなかで笑っているのは、吉澤さんと石川さんれした。
131
:
手をつなごう
:2002/12/23(月) 21:44
「ねえ、いいらさん」
ののは帰り道で、いいらさんに話しかけてみました。
「ん〜?」
「石川さんと吉澤さん、会えるれしょうかね?」
いいらさんは、お部屋に入ったときから、あの写真に気づいてたそうれす。
さすが、のののおししょうれす。
「多分同じ駅を利用するだろうし、会えるかもね」
「そうれすね。きっと会えるれすね」
それにしても今日はとても冷えるれす。
ののは手ぶくろを忘れたので、かじかむ指にハアと息をふきかけました。
いいらさんはホラ、といって手をつないでくれました。
いいらさんの手は大きくて、とてもあったたかったれす。
「雪れす」
空から、白いものが降りてきました。
「冷えるハズだよ。辻、タイヤキおごっちゃる。駅前に屋台が出てたよねぇ」
タイヤキもあったかいれすけど、いいらさんといっしょだから、のの、うれしいんれす。
みんながおうちに帰るなか、ののといいらさんはつないだ手を笑いながら
ぶんぶんふって駅へむかいました。
明日も雪がのこっていたら、あいぼんと雪がっせんをするれす。
132
:
ごまべーぐる
:2002/12/23(月) 21:48
終わりです。
ベタベタなオチですが。
素敵なクリスマスをお過ごしください。
ヽ( ゜皿 ゜)人(´酈` )ノ〜♪
133
:
名無しハロモニ
:2002/12/26(木) 17:15
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
最高れす!
ありがとうございます。
新年短編も、あったりしますか?(期待)
134
:
名無し蒼
:2002/12/30(月) 22:49
うがーー!いいっす!!!
ごまべーぐるさん最高っす!
ほのぼの( ´酈`)( ゜皿 ゜)いいれす♪
135
:
ごまべーぐる
:2003/01/09(木) 21:53
コソーリレスのお礼です。
>名無しハロモニさん
( ´酈`)<こちらこそありがとうなのれす!
最高と言って頂けて有難きシアワセです。
新年短編…うう〜ん。そのうちに、余力があれば…。(しかし既に9日…(汗)
>名無し蒼さん
ノ( ゜皿 ゜)ノ<ノノカオマンセー!
こちらでは初めましてでしょうか。ののかおらいすっき!なので、うれしいです。
ありがとうございます。
136
:
ごまべーぐる
:2003/01/18(土) 02:13
秋くらいに書いた短編の続きを、姫生誕記念に書かせて頂きます。
137
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:15
―――石川視点
女子高生・ひとみとひょんなことから恋人(?)同士になって早や2ヶ月―――。
ひとみは相変わらず、週末になるとうちに入り浸っていた。
「――― ていうか、あんた入試直前でしょ」
あたしはお風呂上りに、まったりとリビングでココアなんか飲んでるひとみに、
にぎりこぶしをわなわなさせて言った。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ちゃんと勉強はしてんだから。
最悪、推薦で受かってるトコ行けばいいんだし」
いまいち、このコは緊張感がない。
あたしの時なんか、今ぐらいの時期は必死こいて予備校の直前講習とか通ったのに。
「こー見えてもひーちゃんお勉強はできるんだからぁ♪」
138
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:16
そうなのだ。
ひとみはアホな割には、不思議と学校の勉強は出来る。
推薦で受かってる大学というのも、あたしがいま通ってるトコと同じくらいレベルが高い。
「そーいやさぁ、梨華ちゃん来週誕生日じゃん?ナンカ欲しいモノ考えてくれた?」
あたしもコーヒーを飲もうとキッチンで支度をしてると、リビングから声をかけられた。
…正直、こういう心遣いはうれしい、かな。
「え、なにかくれるの?じゃあね…」
「そっかそっか。ひーちゃんの惜しみない愛がほしいのか、梨華ちゃんは」
「…人のハナシをきけー!!」
…このコといると疲れるわ。
139
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:17
「梨華ちゃぁ〜ん!」
―――土曜日。
ひとみは大学の前で、あたしを待っていた。
珍しくスカートなんか履いて、女の子っぽい格好をしてる。
あまりにも珍しく…カワイイので一瞬見惚れてると、
「ヒューヒュー!ダンナのお迎えだぜ〜!」
と、親友のあゆみが茶化した。
「がんばってね〜!Have a happy weekend and sweet birthday !」
同じく親友のアヤカもウィンクして肩を叩いてった。
「ちょ!ちょっと!親友の誕生日を祝ってくれないの〜?」
「何言ってんの〜。あたしらはデ・エ・ト♪待っててね、マサオ!すぐ行くわ〜!」
「そゆこと〜!Bye〜!あ、圭ちゃんからメールきてる♪」
…ふたりは早々と帰って行った。
テスト期間中だというのに、ふたりとも…。
140
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:18
「…んで、どこ行くの?」
ひとみのほうを見ると、ニコニコと悪気のない顔をして立っていた。
このコ、こうしてたらフツーにかわいいんだけどなぁ。
「それは当然、ラブホ♪」
「いきなりかよ!」
「えー?だってウチらが初めて結ばれた思い出の場所じゃ〜ん」
「…まあねぇ」
「だ〜いじょうぶ!いっちゃん最初に行ったよーな趣味悪いトコじゃないから!」
ひとみは人差し指を立てて強く宣言した。
確かに最初のトコは…センス悪かったわ。
レースとかフリルひらひらの少女趣味だったし。
―――ひとみに連れられて行ったのは、郊外のほうにあるホテルだった。
それまでにカフェで腹ごなししたり、洋服を見に行ったりはしたが―――。
電車を乗り継いでやってきて、しかもバスまで乗ってやっとこさここに着いたのだ。
141
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:20
「…なんつーか、旅に出た気分」
ホテルの部屋であたしはやれやれと荷物を降ろして言った。
「ホッホー!いいトコっしょ?気に入った〜?」
「…まあね〜」
ひとみ曰く、ココはこの前情報誌に載った、いま話題のホテルらしい。
部屋には露天風呂がついてて、掘りごたつなんかもあっておよそラブホらしくない。
「梨華ちゃん言ってたじゃん。『うちにはコタツがないから、たまには和室でのんびりしたい』って」
ひとみが後ろからあたしにじゃれついて言った。
「ん…」
覚えててくれたんだ…。
あたし、自分で言ったコトすら忘れてたのに。
「んじゃ、お風呂入ろっか。梨華ちゃん、今日は朝からテストで疲れたっしょ」
「いやまあ…そうね」
…ヘンなコトしないでよ。
ヘンなコトなのお?
…バカ!ドコ触ってんのよっ!
エエー?ココ、梨華ちゃんのいいトコじゃん♪
…ばかぁ。
142
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:21
…バスルームから、フラフラと出てくる。
あれだけ『ヘンなことはするな』と念を押したのに…。
2回もイカされた…。
「さって〜♪これからが本番!ひーちゃん、張り切っちゃう♪」
ひとみはそう宣言し、嬉しそうにバスローブを脱いだ。
まるでこれから闘うボクサーがガウンを脱ぐように。
あたしはベッドのふちに腰掛けて、ぼんやりそれを見ていた。
…白いタオルでも投げようかしら。
そしたら、早々と敗北になるわ―――。
「ん…」
ひとみはあたしを抱え上げ、ベッドに横たわらせた。
優しく口づけながら。
あたしは無意識のうちに彼女の背中に腕を回し、抱きついた。
「梨華…今日は眠らせないからね」
「いつもじゃん…」
「…もう。そーゆーコト言う子は、こうです」
ひとみが不意をついて、あたしの蕾にいきなり手を伸ばした。
さっき舐められたりしてイカされたばかりなので、カラダが過剰に反応する。
「…ヒッ!やだよ…もう」
「ウチも…ガマンできないよ」
ひとみはあたしの耳元に掠れた言葉を落とし、優しく足を広げさせ、自分の腰をもぐりこませた。
「一緒に…イキたい。いい?」
いいも何も…あたしのソコは、もうひとみのことしか感じられなくなってる…。
143
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:22
ひとみの熱を、体温を―――直接感じる。
あたしのとこすれる度に…声にならない声が唇から漏れる。
「…ん、あ…梨華、ウチ…おかしくなりそう。梨華、マジ…よすぎ」
「ひと…み!あた、あたし…いや!」
「イキそう?…ウチも、あ…!」
ひとみはあたしのおしりを両手で少し抱え上げた。
あたしも可能な限り…彼女にカラダを密着させる。
少しでも…ひとつになれるように。
…その夜は。
何度も求め合って、最後は意識がなくなるくらい抱き合った―――
144
:
バスルームより愛をこめて
:2003/01/18(土) 02:22
―――朝、目が覚めると、あたしはつけた覚えのないペンダントをしていた。
ティファニーのカッコいいシルバーのヤツだった。
ひとみに問うと、『誕生日だしさぁ』と照れて笑った。
「今度は吉澤ひとみ生誕記念ね」
ホテルを出て。
ひとみはニコニコしながら言った。
「…どうせそれまでに死ぬほどするんでしょ」
「あ、それいいね!梨華ちゃんが『もう死んじゃう〜!』ってウチにしがみついてヒーヒー泣いて!」
「…いっぺん死ねー!!」
握りこぶしを震わせると、ひとみの首元に、あたしのと同じペンダントがあることに気づいた。
それに気づいて、思わず手を下ろす。
「…今日は、カンベンしといてあげるわ」
「んじゃ、梨華ちゃん家に戻って後夜祭ね」
「だから…ヒトのハナシを」
「今日は梨華ちゃんがウチをヒーヒーゆわすというのはどうでしょう?」
「いや、だから…」
―――当分、このヒトのハナシを聞かないヤツから離れられそうにありません。
顔を上げると、とてもいいお天気だった。
バスを待ちながら、ひとみと並んでしばらく空を見ていた。
145
:
ごまべーぐる
:2003/01/18(土) 02:27
川o・-・)<以上です…スレ汚し大変申し訳ありません。
作者にかわって、わたくし紺野が1444回、お詫びいたします。
オイラは1444回、梨華ちゃんとイチャイチャ!>(#0^〜^(^▽^#)<もう〜!
146
:
名無し誕生日
:2003/01/18(土) 21:34
キタ━━( ^▽^)━( ^▽)━( ^)━( )━(^0 )━(〜^0)━(^〜^0)━━ !!!!!
147
:
名無し誕生日
:2003/01/19(日) 15:24
梨華ちゃん生誕記念作サイコーでした!!
ごまべーぐるさんの、エ●(・∀・) イイ!
顔が緩みっぱなしでした!
ありがとうございました!
148
:
ごまべーぐる
:2003/01/24(金) 12:19
川o・-・)<レスのお礼をコソーリと…
川o・-・)<146の名無し誕生日さん、回転するいしよしがステキです。
吉澤さん風に言えば『カッケー!』ですね。ありがとうございます!
川o・-・)<147の名無し誕生日さん、サイコーなんて…(ポッ)。
こちらこそ読んで頂いて、ありがとうございました!
149
:
小鉄
:2003/02/05(水) 19:08
あっちに詰まりぎみなので気分転換に短編なんぞを。
だがしかし。暗くて痛いので駄目な人は読まないで下さい。
ではでは。
150
:
小鉄
:2003/02/05(水) 19:09
彼女を無理矢理抱いた時。
ウチは酔っぱらっているふりをした。
計画的に持ち込んだ赤ワイン。
「あ〜。よっすぃってば不良だぁ。」
そう言って梨華ちゃんはクスクスと笑った。
その無邪気な横顔を見て、チクチクと良心が痛んだ。
何ヲ今更。
彼女を自分の『モノ』にしたい。
彼女を誰にも渡したくない。
151
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:11
「大丈夫だよ。だって梨華ちゃんもう十八歳じゃん。」
「もぉ。お酒は二十歳になってからでしょ?」
「いいからいいから。折角明日は仕事がお休みなんだから。」
グラスに注ぎ込まれる赤い液体。
そのグラスに移る歪んだ自分の顔。
「じゃあ何に乾杯しようか?」
「そうだなぁ・・・。」
ウチは二コリと笑ってみせる。
「これからの娘。に。そして・・」
二人のグラスが近づき、小さく音を立てる。
「十八歳になったばかりの石川梨華さんに。」
「うわっ。よっすぃってば気障ぁ〜。」
梨華ちゃんはそう言って照れたように笑った。
152
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:11
優しくて。温かいあなた。
好きなんです。
心から。
罪悪感と自己嫌悪は日増しに膨れて、
今にも破裂しそうで。
少しづつ漏れ出したこの気持ちを、
ウチはもう隠す事が出来ない。
でもこの気持ちを知られたら。
きっと
きっと
何もかも壊れてしまう。
153
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:12
だから
せめて一度だけ、その温かい体温を
「ちょっと。よっすぃ大丈夫?飲みすぎちゃったんじゃない?」
「ん・・・。」
どうか
「一人であんなにたくさん飲んじゃうから。」
たった一晩だけでも
「や、何?どうしたのよっすぃ?!」
温めて
「嫌!止めてよっすぃ!」
この冷えた心と体を。
「・・・や・・だぁ・・・。」
154
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:13
あなたが
好きなんです。
この心が
千切レテ シマイソウ ナ 程。
155
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:14
次の日目を醒ますと、そこに梨華ちゃんの姿は無かった。
自分の姿を確認するとキチンと服を身に付けていて。
(梨華ちゃんが着せたのかな・・。)
だとしたら大変だっただろうに。
クツクツと自分が笑っている事に気が付く。
何がそんなに可笑しいのか、自分では分からなかった。
ただ、無償に笑いたかった。
最後には笑いすぎて涙が出てきた。
夕方まで梨華ちゃんを待っていたが結局帰ってくる気配は無かったので、
ウチは書置きをして家に帰った。
156
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:16
そして又次の日。
ウチは仕事へと向かった。
楽屋への扉を開ける。
「おう。よっすぃおはよう。」
「よっすぃ。おっそぉーい。今日はよっすぃがビリだ。」
「何だ何だ珍しく寝坊したか?」
いつもと変わらない仲間達からの言葉。
「すみませぇ〜ん。目覚まし掛け忘れちゃって。」
いつもと変わらないウチの軽めな挨拶。
だけど目線は梨華ちゃんを探す。
梨華ちゃんが来る事は分かっていた。
誰よりも真面目な彼女。
誰よりも仕事が好きな彼女。
「おっはよぉ〜梨華ちゃん。一昨日はごめんねぇ。
ウチ一人で潰れちゃったみたいで。メモに書いといた通り
何も覚えてないんだ。」
こっちを見ようとしない梨華ちゃんの肩に手をかけると、
その細い体がビクリと震えた。
157
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:17
もしかしてウチ。酔っ払って何か変なことした?」
ゆっくりと振り返った梨華ちゃんの顔は文字通り
青冷めていた。
「よ、っすぃ。」
怯えたその表情。
「マジで・・・ウチ何かしたの?」
梨華ちゃんはフルフルと頭を振った。
「何も。何もしてないよ。それよりごめんね。何も言わないで
居なくなっちゃって。急に親に呼び出されて。」
誰よりも嘘が嫌いなあなたがついた、
悲しい悲しい嘘。
158
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:18
あなたはどこまでも優しい。
「そうだったんだ。よかったぁ。ウチ何かやらかしちゃって
それがショックで居なくなっちゃったんだと思ったよ。アハハ。」
いつだろう。
「やっぱりお酒は二十歳を過ぎてから!だね。」
「うん。」
いつだろう。
「じゃ、今日もいっちょ仕事頑張りまっしょい!」
「うん。」
梨華ちゃんはいつもの様に二コリと笑う。
159
:
Say the Pray
:2003/02/05(水) 19:18
いつだろう。
この肢体が
十字架に磔にされる時は。
160
:
小鉄
:2003/02/05(水) 19:20
終わり。
マジで短くてごめんなさい。
161
:
名無しひょうたん島
:2003/02/05(水) 20:59
イタイイタイ!!「●心」下さい!!
でも、痛い系も好きなので良かったです!!
短編じゃなくもうちょっと長く読みたいかな?
でも、ありがとうございました。
162
:
ごまべーぐる
:2003/02/07(金) 17:42
| ハ@
|‘д‘)<コソーリ書かせてもらうでェ
⊂
|___
163
:
ウチはあいぼん様や!
:2003/02/07(金) 17:50
―――加護視点
ウチの名前は加護亜依。
職業は、モーニング娘。や。
今日は、ウチの同僚のハナシをさせてもらうワ。
164
:
ウチはあいぼん様や!
:2003/02/07(金) 18:01
ウチはモーニングの第4期メンバーいうことになってて、他に同期が3人おる。
ひとりは辻希美いうて、ウチとおんなじミニモニ。にも所属してる。
問題は、あとのふたりやねん。
石川梨華と、吉澤ひとみ。
もう〜。
このひとら、朝からいちゃいちゃしっぱなしで、まったくもってけしからんねん。
グループの風紀が乱れるワ。
つーか、社内恋愛みたいなモンやろ?いわば、オフィス・ラブやろ?
オフィス・ラブはもっとひっそりとかくれてやるモンやで。
オカンが昔見てた昼メロでも、そうしとったでェ。
「よっすぃ〜、おはよう〜!」
「りぃかちゃぁ〜ん!」
「出たよ、バカップル!」
ウチらのせんぱいの、矢口さんが言わはった。
朝、楽屋でよっすぃ〜と梨華ちゃんが会ったときの挨拶がコレや。
ひしと抱き合って、ぶちゅ〜ん。
オイコラ。中学生も見てんねんで。
「あさ美ちゃぁ〜ん、このカボチャプリンおいしそう!」
「あ、ホントだー!」
て、オイ!
紺野ちゃんとまこっちゃん、バカップル放置かい!
仲良さそうに雑誌なんか見て。
慣れてコワイわ。
最初は、バカップルの暴走ぶりに、ふたりとも頬を赤らめてたのに。
165
:
ウチはあいぼん様や!
:2003/02/07(金) 18:16
「あいぼん、おはようれす」
もうひとりの同期、辻希美が来おった。
「おう。自分、今日は早いやん」
「へいっ。オナカが空いて、早く目が覚めたのれす」
「健康的やね…て!朝から牛丼かい!」
「へいっ、お持ち帰りしたのれす」
ののはてへてへ笑いながら、うまそうに吉野家のお持ち帰り用牛丼(特盛りギョク・つゆだく)を
頬張った。
自分、この前、保田のおばちゃんに『朝から牛丼はもたれる』みたいなコト、テレビで
言うてへんかったか?
それとも、ウチが見たんは幻?
「よっすぃ〜、はいあ〜ん!」
「あ〜ん。モグモグ…う〜ん!うんめぇ〜!!」
バカップルも、ベーグルサンドを食べさせあいっこしとる。
エエなぁ、シアワセで…。
「あいぼんも、少し食べるれす」
ののが、牛丼を容器ごとウチに手渡した。
「エエの?」
「へいっ」
「自分、口にゴハンつぶついてんで」
「イヤ〜ン。とってくらさい」
すぐとってやって、ウチは何の気なしに、ゴハンつぶを自分の口に放りこんだ。
「ホホッ!ラブラブねッ!」
そばで見とったオバチャンが、ニヤニヤして言いおった。
石川・吉澤のバカップル組も『ヒューヒュー!』なんて冷やかしとおる。
つーか、自分らに言われたないわい!
「あいぼん、だーいすきれす!」
ののが、ビミョーに牛丼くさい口を近づけて、ウチのほっぺにキスしおった。
食ってる途中で、キスなんてするから。
ウチのほっぺに、のののゴハンつぶがついたんや。
( ´酈`)ノ<おしまい!
( ´д`)<いやだからね、ウチの誕生日…
166
:
ごまべーぐる
:2003/02/07(金) 18:20
( ´酈`)<おわりれす。タイトルはふきゅうの名曲『おれはジャイアン様だ!』の
パロなのれす
( ‘д‘)ノ<♪ウ〜チはあいぼ〜ん!ボエー!て!ちゃうやろ!
スレ汚し、失礼しました。
そんで、あいぼん。
誕生日おめ!
167
:
名無しひょうたん島
:2003/02/08(土) 01:20
ののの、牛丼臭い口(・∀・) イイ!
もう、サイコーです!!ごまさんサイコー
マンセーーーーーーー!!
168
:
YUNA
:2003/02/08(土) 04:09
加護&辻、可愛いっっっ♪♪♪
いしよしのバカップルぶりに、
ついニヤけてしまいました。(危なっ.../笑)
遅れちゃったけど、
あいぼぉ〜ん、誕生日おめでとぉ〜〜♪♪
169
:
名無しひょうたん島
:2003/02/09(日) 14:12
おれはジャイアン様だ!
(・∀・) イイ!
今考えたら、名曲かもしれないですな。(w
短編また書いて下さい!
170
:
小鉄
:2003/02/10(月) 20:32
こっそぉ〜り。ひっそぉ〜り。続き。
しつこいようですが・・。痛いし暗いので駄目な人は読まないで下さい。
171
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:34
あの時。あなたが酔って私を抱いた時。
あなたは誰を想って私を抱いたの?
誰と間違えて私を抱いたの?
一言も紡がれなかった私の名前。
たった一言。
ほんの二文字。
あなたが私の名前を口に出してくれていたら。
きっと
何モカモ 許ス 事ガ 出来タ ノニ。
172
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:35
今は二人きりで話す時間が怖い。
いつ言われるか分からないから。
『実わね。』
あの人は笑いながら、照れながらきっと言うの。
『ウチ、好きな人が居るんだ。』
って。
私を無理矢理抱いた事なんか忘れいて。
私が震えていた事なんか忘れいて。
まるで性質の悪い冗談。
まるで性質の悪い悪夢。
何処にも救いは見つからないね。
173
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:35
「石川さぁ〜〜ん。出番です!」
こんな時でも時計は回る。
不平等に出来ている世界の、唯一平等な事柄。
ちゃんとやらなくちゃ。
いつもの様にカメラに向かって笑顔を向けなくちゃ。
たとえ、現実が残酷であったとしても。
「皆さんこんにちは。チャーミー石川です。」
あれ?
あれ?
皆が変な顔で私の事見てる。
どうして?
『ストップ!カメラ止めて!』
174
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:36
スタジオの中がシンと静まり返っている。
メンバーも黙って私を見ている。
「何?どうしたの皆。」
だけど誰も何も言わない。
私、なにかした?
誰かが私に走り寄って来た。
でも何故か視界が霞んでいる。
ぼやけて何も見えない。
私は強引にその人に手を引かれた。
「梨華ちゃん。」
低く優しい声。
「よっ・・すぃ?」
その時初めて自分が泣いている事に気が付いた。
175
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:37
「梨華ちゃん。あっちに行って休もう。」
どうして
どうして
私に優しくするの?
ああそうだ。
あなたは皆に優しいんだよね。
じゃあ特別な人にはどんなに優しいことだろう。
176
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:38
「嫌!!離して!!」
気が付くと私はよっすぃの手を振り払っていた。
よっすぃが酷く傷ついた表情をする。
「梨・・華ちゃ・・ん?」
ごめんね。そんな顔させちゃって。
ごめんね。あの時の事を忘れちゃったよっすぃにはわけわかんないよね。
だけどお願い。
私に優しくなんかしないで。
私の事なんか嫌いになって。
177
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:39
「石川!」
「石川どうした!」
よっすぃとは違う腕に支えられる。
「ご、めんな・・さい。あの・・日か・・らよく寝て・・なく・て・・。」
「何言ってんだよ石川!!」
「ちょっ、石川?石川?!」
そして。フェードアウト。
178
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:39
大丈夫。あなたが居なくてもやっていけるから。
そんなもんでしょ。恋愛って。
想うのは一時だけ。
あなたが一番近くに居たから。
それだけの理由。
私は寂しかっただけ。
忙しい日々の中で、支えてくれる人が欲しかっただけ。
ありがちだよね。
笑えるよね。
ちょっと違うのはあなたが『女の子』ってだっただけ。
179
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:41
でもね。
でも。
そういう事とか除外しても。
やっぱり好きだったよ。
本当に、本当に好きだったよ。
永遠に愛していたい。
例え他の誰かと私が結婚したとしても。
あなただけが私の大切な人。
あなただけが私の特別。
180
:
Say the Pray
:2003/02/10(月) 20:44
だけどあなたはあの時。
キスさえもしてくれなかった。
ちょっとは分かってたのかな?
私はただの慰みだって。
誰かの幻影だって。
だから
サヨナラ。
181
:
小鉄
:2003/02/10(月) 20:46
梨華ちゃんサイドおわり。
182
:
名無しひょうたん島
:2003/02/10(月) 21:37
痛い……。どうしよう…。
でも、本当は…。
悲しいですね。こういうの…。
作者さんは、すごくうまいです。感動しました。
ありがとうございました。
183
:
オガマー
:2003/02/10(月) 23:42
小鉄さん、ヤバイですよ。
遅れ馳せながら、よっすぃー視点も読んで 泣 け た 。
最高ですた。。
184
:
(0`〜´0)よすボーン
:(0`〜´0)よすボーン
(0`〜´0)よすボーン
185
:
名無しひょうたん島
:2003/02/11(火) 12:47
。・゜・(ノД`)・゜・。
泣いちゃいました。サイコーでした。
186
:
名無しひょうたん島
:2003/02/13(木) 16:59
「Say the Pray」、い、痛い・・けど最高です。
梨華ちゃん視点もせつないよぉ(号泣)
両思いだったのに、悲しいスレ違い・・
この二人にどうか、救いの道を・・
187
:
小鉄
:2003/02/19(水) 22:32
こっそりと続き。
痛いし暗いので(ry
188
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:33
その時。
確かに。
この心臓に。
杭が打たれた。
189
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:34
血は出ない。
痛みに悲鳴を上げたりはしない。
その片翼を引き千切ったのはウチ。
その真っ白な透明に近いその羽を、
深紅へと染め上げ、
あの高い場所へと帰れないようにした。
それがどれだけの罪になるのか
今。
分かった気がする。
190
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:35
「梨華ちゃん!!梨華ちゃん!!」
「吉澤?!」
もう一度。
「離しなさい吉澤!」
「梨華ちゃん!!梨華ちゃん!!」
もう一度。
「よっすぃ!駄目だ!誰かよっすぃを引き離して!!」
呼んで。
「嫌だ!!嫌だぁぁああああ!!!」
名前を。
その優しい声音で。
その温かい瞳の中に。
ウチを映しながら、
呼んで。
191
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:36
ウチの名前を。
呼んで。
それだけで、
天国ヘ 逝ケル カラ。
192
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:36
夢の中で。
笑っているあなたを見た。
あなたは私に手を伸ばして。
『もう大丈夫だから。こっちへおいで。』
と、言った。
だけど、私は頭(かぶり)を振る。
『行けない。』
その途端曇るあなたの表情。
『今まで通り楽しくやろうよ。』
今迄 通リ?
『だってウチ達、仲間じゃん。どうしてそんな酷い事言うの?』
193
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:37
ソンナ 事?
あなたにとってはそんな事。
私にとっては大切な事。
大切な事?
何が?
どれが?
194
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:37
回る回るメリーゴーランド。
思考は本能を遮り、理性を吹き飛ばす。
どうして駄目なの?
私ジャ 駄目 ナノ?
ああそうだ。
あたり前だ。
貴方ニハ 好キナ 人ガ 居テ。
私ハ 女デ。
195
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:38
幾ら頑張っても、努力しても。
その手を握り返す事は出来ない。
メリーゴーランドの様に回り続ける、
永遠に出口の無い願い。
グルグルグルグル。
その眩しい電飾の中で。
いつもでもいつまでも。
196
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:39
目を開けると、そこには心配そうに私を見下ろしている
高橋が居た。
「あ、石川さん。大丈・・夫で・・すか?」
高橋はボロボロと大粒の涙を流している。
「何で。高橋が泣いてるの?」
純粋で無垢で。そこには罪の欠片も見当たらない。
「吉澤さんが・・・。」
私の心臓がドクンと一つ跳ねた。
「飛び出して出ていったきり戻って・・来ません・・。
皆は・・探しに出てて・・私。私は。もう何が、何だか・・。」
私はそっと高橋を引き寄せ抱きしめる。
197
:
Say the Pray
:2003/02/19(水) 22:49
「大丈夫だよ。高橋。明日になったら元通りになってる。
あの人はいつも通り笑いながら・・・。」
続きは言葉にならなかった。
「石川・・・さん?」
自分が泣いている事に気が付いたから。
明日ニ ナッタラ 元通リ。
キット 元通リ。
笑いながらおどけながら私に言うんだ。
『昨日は酷いよ梨華ちゃん!流石のウチも少し傷ついたんだからね!』
って。
そして私も笑いながらこう言うの。
『ごめんね。』
って。
198
:
小鉄
:2003/02/19(水) 22:52
ありがとうございました(w
199
:
186
:2003/02/20(木) 12:27
「Say the Pray」続編、更新お疲れ様でした。
うんがぁ〜、どんどん痛くなって来ますよほ。。
痛さの末期的症状です。
吉、大丈夫なのか!?
200
:
名無しひょうたん島
:2003/02/20(木) 15:16
続編(・∀・) イイ!です。
痛いのってほんと最近なかなかないので嬉しいです。
小鉄さん。がんばってください。
201
:
小鉄
:2003/02/22(土) 22:37
こんなの短編なんかじゃないやい!!
と、思った皆さん。ごめんなさい。
今度こそ終わりです。
202
:
小鉄
:2003/02/22(土) 22:37
激しい胸の痛みに。心臓がイカレたのかと思った。
どれくらいの距離を走ったのだろう?
ここは何処だろう?
そもそも何でこんなに心臓が痛い?
ズキンズキン。
その痛む部分をぎゅっと握る。
早鐘を打つ鼓動。
荒い呼吸。
コレハ 誰?
203
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:39
リカ。
リカ。
ソレハ 誰?
愛シテル。
愛シテル。
誰ヨリモ。
誰ヨリモ。
204
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:39
「うわぁぁあああああ!!」
暗闇の中に手を伸ばす。
そこに光がありますように。
そう祈りながら。
祈りは。
何処に届いたのだろう。
願わくば。
たった一人の。
愛スル 人ノ モトヘ。
205
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:40
そして眩い光の大群。
206
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:41
「面会の方ですか?」
眼鏡をかけた、真面目そうな人が私に声をかける。
「はい。」
「では。入室して下さい。だけどあまり刺激になるような事は
言わないように。跳ねられた時頭を強く打っていて」
「分かっています。」
言葉を続けようとするその人を私は静止する。
「大丈夫です。」
私は静かにそう告げる。
その人は黙って頷いた。
207
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:42
部屋の中に入ると、その人はベットに座って窓の外を見ていた。
「こんにちは。」
だけど返事は返って来ない。
私はベットの脇に置いてある椅子に腰掛けた。
部屋の中には静寂が続く。
「ねぇ。」
ふいにその人が言葉を紡いだ。
「ねぇ。」
「ん?」
「あなたは知ってる?」
ゆっくりとその人は振り返る。
208
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:42
だけど何も感じない。
ただ。
良かった。と思った。
あなたが生きていて。
良かったと。
「あのね。ウチ。色んな事を忘れちゃったの。」
「ん。」
この世に生まれてきて。
良かったと。
だから他に。
何モ 要ラ 無イ。
209
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:43
「だから。ごめんね。ウチ、あなたの名前も知らないの。」
「ん。」
「だけど。何でだろ。」
「ん。」
「あなたを見てると・・。ねぇ。どうして泣いてるの?」
それはね。それは。
「あなたが・・大好きだからだ・・・よ。」
その人は。よっすぃはフワッと笑った。
「じゃあ。きっとウチも大好きだったと思うよ?あなたの事。
だって」
「よっすぃ。よっすぃ。よっす・・ぃ。」
210
:
Say the Pray
:2003/02/22(土) 22:44
私はただ名前を呼び続けた。
祈るように。
ただ。
祈るように。
ずっと呼び続けた。
まっ白い。
その部屋の中で。
211
:
小鉄
:2003/02/22(土) 22:45
おわりです。ありがとうございました。
そして長々とすみませんでした。
良かったら又書かせて下さい(汗
212
:
オガマー
:2003/02/23(日) 06:03
。・゚・(ノД`)・゚・。
今度こそ、この先に幸せな未来があると信じています。
短編と言えぬ短編(w
お疲れ様でした!!
213
:
199
:2003/02/23(日) 14:13
完結、お疲れ様でした・・
うわわゎぁ〜ん!(号泣)
もう泣くのはイヤだ!と思ってましたが、また泣いてしまいました・・
痛いけど、いしよしならではの世界観がありますね。
是非、次回作を期待しております!
214
:
ごまべーぐる
:2003/02/23(日) 22:44
川o・-・)<今更ですが…バレンタインものです
215
:
I HATE VALENTINE!
:2003/02/23(日) 22:53
―――石川視点
またこの時期がやって来た。
チョコとともに贈る、愛のバラまき行事。
アタシが通う女子校(中高一貫のエスカレーター式)でも、校内のあちこちで
チョコやら義理やら迷惑な愛やら、色んなものが飛び交う。
アタシの名前は、石川梨華。
この女子校の高等部の2年生。
アタシは毎年、このバカらしい恒例行事を、冷ややかな目で見てた。
そして、今年もまたこの狂乱の時期がやって来た。
人間って、悲しいね。
216
:
名無しひょうたん島
:2003/02/23(日) 23:06
―――2月13日。
昼休みに、友達の柴ちゃんといつものようにゴハンを食べる。
柴ちゃんは今年のバレンタイン用に、頑張ってセーターを編んだ。
去年から付き合いだした、3年生の大谷さんに渡すそうだ。
「いやぁ〜。この縄編みが苦労してさぁ〜」
柴ちゃんが編み上げたセーターを見せてくれる。
大谷さんに似合いそうな、カッコいい白いセーターだった。
嬉しそうに見せてくれる柴っちゃんは、とてもかわいかった。
『ぴんぽんぱんぽーん』
急に、お昼の放送がやんで珍妙な音が聞こえた。
音じゃない。
ヒトが、自分で言ってるんだ。
『あーあー。本日は晴天なり』
いや…すんごい雨降ってますけど。
『―――ハ!今日は大雨れす!訂正れす!本日は大雨れした』
天気予報?しかも、過去形?
案の定、教室中、爆笑の渦だった。
217
:
I HATE VALENTINE!
:2003/02/23(日) 23:12
『自分、早よう用件言いや』
後ろから、関西弁のツッコミが入る。
彼女が、この放送を聞いてる全視聴者の胸の内を代弁してくれた。
『へいっ。えー、本日の放課後れすねぇ、“バレンタイン撲滅委員会”を
理科室で開くれす。ヒマなひとは来てくらさいね〜』
『待ってんでェ!』
さっきの関西弁が締めの言葉を言って、お知らせの放送は終わった。
「「で」」
しばらくたって、あたしは柴ちゃんと顔を見合わせた。
「「『バレンタイン撲滅委員会』って、ナニ?」」
218
:
I HATE VALENTINE!
:2003/02/23(日) 23:21
放課後。
『オモシロそうだから、実際見に行って後で報告するように』
柴ちゃんはそう言い残して、『セーターを包む、ラッピングペーパーを買いに行く』とかで
帰ってしまった。
―――うさんくさいのはヤだけど。
ヒマなので、理科室へと向かった。
「あ」
理科室を開けようとすると、中からカニのハサミみたいなもの(多分段ボール製)を
手にした女の子が出てくる。
「あ、あ、あ!こ、高等部のい、石川さんですね!」
「ハイ」
「ちゅ、中等部2年の紺野あさ美です!完璧です!」
「はぁ…どうも」
紺野さんとやらは、『完璧です!』と手を振り上げたまま、どこかへ走って行ってしまった。
さっきのカニ手も、バラバラとその場に落ちた。
あたしは屈んで、それを拾い上げる。
やっぱりそれは段ボール製で、真っ赤に塗ったくった裏には、手を入れるゴムがつけてあった。
何となく両手にはめて、カニのマネをしてみる。
紺野さんは、「欽ちゃんの仮装大賞」にでも出るつもりだろうか。
219
:
I HATE VALENTINE!
:2003/02/23(日) 23:30
「はぁぁぁぁ!やっぱり石川さんだ!」
紺野さんが戻って来た。
今度は、タレ目のポニーテールの子とお団子頭の子と一緒に。
「あ、石川はんや!」
「石川さんれす!」
ふたりは、双子のようによく似ていた。
お団子頭のほうは、関西弁だったけど。
「あなたたちは…確かお昼の放送で」
「へいっ。中等部2年の辻希美れす!」
「同じく加護亜依や!」
「同じく紺野あさ美です!完璧です!」
「同じく中等部1年新垣里沙です!眉毛ビーーーーム!」
「同じく高等部1年吉澤ひとみでェーす!」
―――理科室から、次から次へとわいて出てきた。
とりあえず―――『バレンタイン撲滅委員会』とやらは、変人の集いだと
明日柴ちゃんに報告しよう。
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