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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3

1名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:55:51
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第3弾です。

ここに作品を上げる → このスレの中で本スレに代理投稿する人が立候補する
って感じでお願いします。

(例)
>>1-3に作品を投稿
>>4で作者が代理投稿の依頼
>>5で代理投稿者が立候補
>>6で代理投稿完了通知

立候補者が重複したら適宜調整してください。ではよろしこ。

513名無しリゾナント:2013/04/06(土) 17:05:23
「ダークネスは理想を叶えるため、そして世界を勝ち取るために、あたしたちみたいな身寄りのない子たちを人工能力者として戦
力にしてる」
「えっ」
「訓練と称した人体実験。辛かったな。けど、ううん、だからこそ。これ以上、あたしたちみたいな子を作っちゃいけないんじゃ
ないかって」

悲劇をこれ以上生まないために、悲劇に手を貸す。本末転倒。
だが、これ以上彼女の意見を否定することはできなかった。

その時里保が舞美に見たのは、揺るがない強い信念。
彼女の四人の仲間たちは、その強い信念に惹かれ、戦っていた。四人が舞美に寄せる思い、それはそのまま彼女の強さに繋がって
いる。

じゃあ、自分はどうなんだろう。
里保は自らの内に訊ねる。
リゾナンターのリーダーだった高橋愛に導かれ、リゾナンターとなり、ダークネスと戦う。
どうして自分達はダークネスと戦うのか。平和の為、能力者に脅かされない未来を作るため。それももちろんある。けれど、その
根底にあるのは。

12月24日の惨劇。
その場にいた愛、里沙、さゆみ、れいな、絵里、小春、愛佳、ジュンジュン、リンリン。
彼女たちは深い傷を追った。時がたち体の傷は癒えても、心の傷は未だ癒えていない。
その時の無念は、今もリゾナンターとして現役であるさゆみやれいなから十分に伝わっていた。
なら里保たちを動かしているのは復讐か。いや、違う。

「私にだってやらなきゃいけないことは、ある!」

一度は自分で叩き落した「驟雨環奔」を再び手に取る。
里保が、いや新しくリゾナンターとなった全員がダークネスに立ち向かう理由。
皮肉な事に、舞美の強い意志に触れることでようやく見えてきた。
先々代のリーダーである愛が、リゾナントを去る日に残してくれた言葉を、思い出す。

― これ以上、あーしみたいな人間を増やしたら駄目だ。だから、ずっと戦ってきたんやよ ―

514名無しリゾナント:2013/04/06(土) 17:07:09
ダークネスによって踏みにじられる人間を、これ以上増やしてはならない。
相手に、守りたいものがある。けどそれは、自分達も一緒だ。
信念だけは、貫き通せ。自ら思い描いた言葉が、里保に力を与えた。

見出した覚悟とともにこれまでよりも力強く、舞美に向け踏み込む里保。
繰り出す鋭い一閃。水の鎧を裂くことはできなかったが、その動きはそれまでとは明らかに違っていた。

「・・・吹っ切れたみたいだね」
「おかげさまで」

とは言え、相変わらずの苦境であることには変わりない。
この空間にある水はおよそ舞美の支配権の下に置かれたと言っても過言ではない。それを盛り返すのは、腕相撲で例えれば、倒さ
れるぎりぎりの自らの腕を中央以上の位置に戻すくらいの労力が要される。吹っ切れた勢いに任せて、という少年漫画の王道のよ
うなやり方は里保向きではない。そのことは彼女自身が一番理解していた。

ならばどうする。
里保は刀を構えつつ、亜佑美ばりの高速移動で舞美をかく乱し始めた。
もちろん本家には及ばないものの、相手の目を眩ませるには十分の代物だ。

この場に私が操る事のできる水はない。だったら。

舞美を惑わしていたステップが、攻勢に転じる。
体を切り返し、距離を一気に縮めてきた。

これが、互いの最後の一撃になる。
里保の表情から、舞美はこれからの彼女の一手を計った。
牽制の意味を込めた右からのワンツーをかわし、低く屈んだ姿勢からの斬り上げ。
風を斬り雨を遮る鋭い軌跡が、舞美を襲った。

しかし、敵わず。
体力、そして精神力の消耗のせいだろうか。水面を鮮やかに割るはずの切っ先の軌跡は、水の抵抗に負けたかのように激しく波打
った。刀を振りぬいた里保のがら空きの体に、とどめの拳を喰らわせようとした舞美は、あることに気づく。

515名無しリゾナント:2013/04/06(土) 17:09:04
里保の手に握られているはずの刀が、見当たらない。
あるはずの刀は振り上げた勢いのままに宙を舞っている。

まさか、今の攻撃は囮?!

気づくのが遅かった。
刀を手放した里保が、体に捻りを加えながら舞美の側へ。
波立ち乱れた水の鎧に、渾身の力で右の掌を押し込む。

「うああああああっ!!!!」

全てを弾き、拒絶する強固な水のヴェール。
触れようものなら、手の水分と激しく結びつき、皮膚を突き破る。
一見無謀な攻撃。

「あなたの負けです」
「えっ?」

里保の言葉とともに、舞美を突き抜ける衝撃。
何が起こったかわからないという表情をすることしかできない舞美が、目にしたものは。

赤い、刃。
舞美の胸に突き立てられたそれは、里保の掌から伸びていた。

水を操り、我が物にする水軍流。その奥の手が、血の刃だった。
自らの血を水に見立て、水と同じように形成し操る。
本来ならば水のない場所において行使される、水使い最後の切り札。

「まいった…な。それは、思いつかなかった」

同じ水ならば、自らの支配下に置く事ができる。
だが、血はそうはいかない。増してや、血を水に見立て操る事のできない舞美には。

舞美を覆っていた水が、はじけ飛ぶように霧となり、消える。
それが、彼女が倒れる合図だった。
水しぶきを上げ、派手に沈む舞美。それは、里保の勝利を意味していた。

勝った。けど、私も、もう限…界…

里保の意識が途絶えるのと、異空間が歪んでゆくのは、ほぼ同時の出来事だった。

516名無しリゾナント:2013/04/06(土) 17:11:21
>>505-515
更新終了
お手数ですが転載をお願いします
長くなってしまいすみません

517名無しリゾナント:2013/04/07(日) 07:27:31
長いなオイ
まあ行ってみますか

518名無しリゾナント:2013/04/07(日) 07:45:15
終了
ひさしぶりにバイバイさるさんされたw

519名無しリゾナント:2013/04/12(金) 21:51:18
>>518
すみませんでした(汗
そしてありがとうございます。代理様の存在の大きさを感じつつ。

続きを投下します。

520名無しリゾナント:2013/04/12(金) 21:53:39
>>195-206 の続きです


建設現場なのか解体現場なのか、わからなくなってしまうほどに荒れてしまった場所。
ばらばらになった鉄骨が地面のあちこちに突き刺さり、防護網は引き裂かれ、だらしなく垂れ下がっていた。恐らく、関係者のほ
うが上手く処理してくれるとは思うが。
さゆみは、その後の関係者からの叱責のことを想像し、顔をしかめた。

「せっかく勝ったのに、何渋い顔してると」

さゆみの背後から、聞きなれた声。
そうだ。自分は、この子を助ける事に成功したんだ。
先ほどまでの憂鬱はどこへやら。さゆみの心を喜びが満たしていった。

「れいなっ!!」
「うわっ!」

突然れいなの手を取るさゆみに慌てふためきながらも、互いの無事を喜ぶ。

「さゆみたち、勝ったんだよね」
「勝った。だからここにおる」
「そうだよね。さゆみと、れいなと」

言いながら、さゆみはあの時のことを思い浮かべる。
闇に呑まれそうになった時に、繋いでくれた手。きっとあれは。


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