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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3

1名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:55:51
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第3弾です。

ここに作品を上げる → このスレの中で本スレに代理投稿する人が立候補する
って感じでお願いします。

(例)
>>1-3に作品を投稿
>>4で作者が代理投稿の依頼
>>5で代理投稿者が立候補
>>6で代理投稿完了通知

立候補者が重複したら適宜調整してください。ではよろしこ。

450名無しリゾナント:2013/03/24(日) 08:03:04
そう言いながら、ぶんぶん両手を上下に動かす友。
あまりのテンションの高さに、やや腰が引けてしまう。

「そんじゃ、ごゆっくりどうぞー!!アディオース!!」

最後は満足したような顔をして、去っていってしまった。
なんなの、あの子。
まるで一瞬で通り過ぎた嵐に見舞われたかのように呆気に取られていた里沙。
ただ、手を触られた時に読み取った意識の中に、悪意はなかった。もしかしたら、小春に何か言われてここに来ただ
けなのかもしれない。
里沙は気を取り直して、再び病室に向けて足を進めた。

病室のドアを開ける。
中では、いつものように絵里が眠っていた。

「ったく。あいかわらずぽけぽけ顔して寝てるんだから」

言いつつ、近くからパイプ椅子を出してきて座る。
枕の横にあるテーブルには着替えと、開きっぱなしの雑誌が。あの子が差し入れしてくれたんだろうか、と想像しつ
つ、里沙の目は雑誌の記事にいく。

451名無しリゾナント:2013/03/24(日) 08:04:53
― 今、大評判の占い少女。その占いの脅威の的中率とは?! ―

そんな煽り文句とともに、水色のお姫様みたいなドレスを着た若い女性の写真が掲載されている。
馬鹿らしい。そんなの、あたしにだってできるっつーの。
毒づきつつ、雑誌を乱暴に閉じる。実際、里沙の能力を使えば、占いと称して相手の内面を探る事など容易だった。

絵里は、すやすやと眠っている。
まったく意識がないとは思えないほどに。
あの日あの時。里沙が「銀翼の天使」に喫茶店の場所を教えなければ。今もなお絵里を包み込む悪夢を防ぐ事はでき
たのだろうか。
罠に嵌められた。言葉にすれば、簡単なことなのかもしれない。けれど、その結果引き起こされた事態は、取り返し
がつかないくらいに、深刻で。

― 実験は…失敗だったみたいですね。―

「銀翼の天使」を引き取りにやってきた白衣の科学者は、確かにそう言った。
失敗、と言う割にその顔には厭らしい笑みが浮かんでいた。その時、里沙は悟ったのだ。
また、この子の恐ろしい戯れに巻き込まれたのだ、と。
自分も、リゾナンターのメンバーも、そして「銀翼の天使」自身も。

452名無しリゾナント:2013/03/24(日) 08:06:10
かつて裏切ってしまった仲間たちを、再び裏切る形になってしまった。
それにも関わらず一言も里沙を責めなかったのは、里沙が「銀翼の天使」に寄せていた想い、実の姉妹かそれ以上の
感情について知っていたからに他ならない。
ただ、周りは許しても、里沙は自分自身を許せずにいた。愛がリゾナントを離れて僅か1年足らずで自分もリーダー
を辞したのも、それが遠因だったのかもしれない。

そして、仕事の合間を縫ってこの病院を訪れ、絵里に「処置」を施すのも。
彼女に対する、せめてもの罪滅ぼし。
そしてあの喫茶店から絵里を奪ってしまったことの贖罪だった。

病室の窓の外からは、外灯の光が漏れ出している。すっかり夜になってしまったようだ。
面会時間が終わる前に、済ませないと。
里沙は愛用の革手袋を外し、手のひらを眠っている絵里の額にそっと載せた。

同時に、里沙の体を突き抜ける衝撃。
里沙と、絵里の意識が繋がった合図だった。

精神干渉。
幼い頃に発現し、ダークネスに入ってからはひたすら対人攻撃用として鍛え上げられた能力。それが今は、人の心を
治すために使っている。
「こんな能力、なくなっちゃえばいいのに」
ダークネスの養成所で、幾度と無く吐き出された言葉。けれど、今なら言える。この能力があって、本当に良かった、
と。

453名無しリゾナント:2013/03/24(日) 08:07:38
絵里の意識にアクセスした瞬間、里沙の脳裏には複雑に絡み合った無数のコード、それにコードが差し込める無数の
差込口が浮かぶ。これが今の絵里の意識のイメージ。コードが抜けてしまって、中枢が機能していない状態だ。

里沙は、頭の中で、このコードを差込口に接続する作業を、毎回、行っていた。
差込口とコードの正しい組み合わせを探り当てる確率は、絶望的なまでに低い。なのに、接続する事ができるのは、
たった一度だけ。それ以上は、里沙の精神がもたない。

まさに砂漠の中から一粒の砂を見つけ出すような行為だが、成功すれば、脳外科医の施す治療効果が飛躍的に高まる
のは間違いない。希望がある限り、里沙はこの果てしない行為をやめるなんてことは絶対にできなかった。

当たりをつけたコードに精神を集中させたその時だった。
里沙がイメージしていた、絵里の意識がノイズが走ったテレビ画面のように揺らぎだす。
電気が弾けるような音が、断続的に続き、次第に揺らぎが大きくなってゆく。

ちょ、何?!

慌てふためく間もなく、里沙自身の意識が、どこかへ吸い込まれていった。
まるで、空けられた穴から、水がゆっくりと流れ出すかのように。
そして里沙は、完全に意識を失った。

454名無しリゾナント:2013/03/24(日) 08:09:06
>>445-453 更新完了
お手数ですが代理投稿お願いします

455名無しリゾナント:2013/03/24(日) 22:45:26
ただいま帰宅
多分続きあるんですよね
早速投下してきます

456名無しリゾナント:2013/03/24(日) 23:00:19
完了
これまでになく?シリアスっぽい感じですかね
番外編によって物語の世界観が明らかになってくる構図がよろしいですな

457名無しリゾナント:2013/03/25(月) 10:22:27
>>456
代理ありがとうございました
番外編はリゾナントオリメン全員分やろうかとは思ってるんですが
ちょうどいい長さにできるかとかそもそも書けるのかという問題が山積みですw

立て続けですが続き投下します


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