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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

990名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:01:41
「と、言うわけです。どうでしょう」
「まあ、ええやろ。そのガキンチョどもを、ぶつけてみよか。必要最低限の力で最大の効率を得る。あんたらし
くない選択肢やけどな」
「本来科学者とはそうあるべきです。私が、異端なだけでね」

ダークネスの主は、お手並み拝見とばかりに私に今回の件を委任する。今のやりとりは、そういう意味だ。

組織の方針は決まった。これにて会合はお開き。
そう感じたのだろう。「氷の魔女」が、何やら隣の哀れな新米幹部に命じている。次の瞬間、「氷の魔女」の姿
が煙のように掻き消えた。続いて、「黒の粛清」「赤の粛清」「鋼脚」「詐術師」「永遠殺し」も消えてゆく。
どうやら、瞬間移動(テレポーテーション)の能力を便利に使われているようだ。私としては気の遠くなるよう
な長さの廊下を、幹部の方々にも堪能していただきたかったのだけれど。

「相変わらず、回りくどいことをするんだね」

私がこの場所に来てから、一言も声を発しなかった人物。
「不戦の守護者」と呼ばれる長身の女性が不満を込めた口調で、私にそう言った。
もちろん廊下の長さの話じゃないことはわかっている。

「未来を見ることができるあなたにはそう感じるのかもしれませんね」
「ま、最終的にはうちらの利益になるみたいだから、別にいいけど」

不承不承、といったニュアンスを残し、彼女もまた退場する。
未来視。それが「不戦の守護者」の持つ能力だった。ともすれば、私の計画が破綻しかねない、万能の力。

ただ、彼女がその力を行使しないことはわかっている。いや、正確に言えば「できない」のだけど。
未来視という途方も無い力を使うには、人間の精神はあまりに脆い。そのセーフティーとなるのが自らに賭す制
約だ。「不戦の守護者」は組織に仇なす未来でなければ見ることができないように、制約をかけていると聞く。
だから、私の計画は揺るがない。なぜならそれが、「組織にとって有用な」計画だから。

991名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:05:44
「…お疲れさん。よくもまあうちの癖だらけの幹部たちと渡り合えるな。いつもながらに感心するわ」

気がつくと、我々の組織の長が側に立っていた。
思考に耽ると、どうも他への集中力がなくなっていけない。

「最終的には、我々が見る夢は同じだと信じてますから」
「…まんじゅうみたいな顔して、よう言うわ」

ダークネスの顔とも言うべき彼女が、わざと悪そうな表情をして言う。
まんじゅうは一応誉め言葉と受け取っておこう。

「なあコンノ」

改まった言い方。
自分の名前を呼ばれるのは、何年ぶりだろうか。

「私は能力者たちが大手を振って歩ける世界を創りたい。ただそれだけやねん」
「承知してます」
「みんなもそう思って、やってる。だから、少しくらいの罵詈雑言は多めに見といて」
「…肝に銘じておきますよ」

それだけ言うと、彼女もまた他の幹部と同じように刹那の向こう側へと消えていった。
彼女と対峙する度、組織のトップの資質というものを考えさせられる。時に恐怖で部下を縛り、そして時に部下
を懐柔する。しかもあの面々に対して。私には、とても真似できない芸当だと素直に思える。

ふと部屋の中に目線を移すと、残された新米幹部が私に向けてばつの悪そうな顔を浮かべている。私が肩を竦め
たのを合図にしたかのように、とぼとぼと部屋を出て行った。自分自身はテレポートできない。実に彼女らしい
能力だ。

992名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:07:08



最終的に、一人取り残された私。
広すぎる空間と、13の空席が逆に心地よい。
とは言え、厳密に言えば私は一人じゃない。おそらく、「いる」。

「終わったー?」

間伸びた声が、上空から聞こえる。予想通りだ。
ただ、登場の仕方はいささか予想の斜め上だったけれども。

上空の何もない空間が、ばりばりと音を立てて割けてゆく。
まるで暖簾をくぐるかのように空間から出てきたその人は、気だるそうに背中のそれをぱたぱたさせて、ゆっく
りと地上に降りてきた。

「ずっといたんですよね。人が悪い」
「だってめんどくさいじゃん。組織じゃ一応行方不明ってことになってるし」

体に妙にフィットした露出度の高い衣服から生えている小さな翼をはためかせ、彼女はにへらと笑った。
この緊張感の無い女性が、かつてダークネス最強と謳われた能力者だと誰が気づくだろうか。

「彼女たちの様子はどうですか」
「んー、相変わらず退屈だよ。さゆみんだっけ。あの子が仲間のちっちゃい子の鞄漁ってたりとか、投げっぱの
Tシャツの匂いかいだり、そんな日常ばっかり」

それは果たして日常と言えるのだろうか。
ともかく、私が聞きたいのはそんなことではない。

「…能力の方は」
「そっちのほうね。うん。毎日すくすく成長してるよ」
「それは何より」
「でさ。いつ『潰す』の?」

途端に、彼女の瞳の色が昏さを帯びる。
おそらく、彼女たちの成長を見ながら毎日のようにうずうずしてるのだろう。

993名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:10:56
「それは『キッズ』たちがやることになりました」
「えー、なんかずるいなあ」
「あなたの出番はもっとずっと後ですよ。『黒翼の悪魔』さん」
「はいはい」

まるでふて腐れたかのように、というより明らかにふて腐れてるのだろうけど、『黒翼の悪魔』は布団にでも入
り込むかのように空間の裂け目に潜り込みそしていなくなった。こうなるともう、どんな能力者からも彼女の存
在は感知できなくなる。行方不明扱いなのは、こういうところに起因していた。

彼女は私の切り札の一つ。
いかなる状況に追い込まれたとしても、彼女の存在が全てをひっくり返してくれる。「銀翼の天使」と対をなす
ダークネス最強の能力者、それが「黒翼の悪魔」の力を保障する最適な表現だった。
しかしながら皮肉なものだ。今や天使のほうが悪魔に堕し、悪魔が天使のようにふらふらと漂っている。とは言
え、もともと天使と悪魔など人間が超越者の定義づけるための二面性でしかない。

何ごとにも囚われない彼女は、ともすれば切り札として扱うには危険なのかもしれない。
それでも。定められた秩序よりも、先の見えない混沌のほうが私はいい。

懐から、携帯を取り出す。
遠く離れた相手と会話をする陳腐な道具だけれど、脳裏を探る事無く見たい画像を見ることができる点において
は素晴らしい。

画面に映るのは、水槽のような培養ポットの中でひざを抱えて浮かんでいる、一人の少女。
彼女は、いわば私の計画そのもの。
瞳を閉じたままのその表情は、何かの夢を見ているようにも見える。

彼女の見る夢はきっと、私と同じ夢だ。
その夢が花開く日は、そう遠くはない。

994名無し募集中。。。:2012/11/24(土) 11:12:46
>>987-993
以上にて終了です。
お手数ですが、代理投稿をお願いします。

995名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:35:26
行ってきます

996名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:48:58
行ってきました
投下の都合上何箇所か改行させてもらいました

会議の終了で話が終わるかと思ってたら続きそうなので楽しみです

997名無しリゾナント:2012/11/24(土) 11:57:45
もういっぱいになったので次スレを立てときました
次からはそちらの方に

【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part3 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1353725751/

998Cheap Snapback Hats:2014/06/26(木) 18:19:18
You actually make it seem so easy with your presentation but I find this topic to be actually something which I think I would never understand. It seems too complicated and very broad for me. I am looking forward for your next post, I’ll try to get the hang of it!
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