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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

1名無しリゾナント:2011/01/18(火) 17:04:23
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第2弾です。

ここに作品を上げる → このスレの中で本スレに代理投稿する人が立候補する
って感じでお願いします。

(例)
>>1-3に作品を投稿
>>4で作者が代理投稿の依頼
>>5で代理投稿者が立候補
>>6で代理投稿完了通知

立候補者が重複したら適宜調整してください。ではよろしこ。

659名無しリゾナント:2012/07/05(木) 12:56:49
>>655
とりあえず完了しました

660名無し募集中。。。:2012/07/06(金) 01:04:28
>>795-798 の続き。

昨日のように蘇るあの出来事があったはずの屋上は、何事もなかったように
形を保っていて、維持していて、鳥がフェンスの上で立っている。
ただ夢ではないことだけが、鈴木の記憶に残っていた。

鈴木は両手をあげようとした形で鞘師に止められ、ゆっくりと腕を下げる。
手にあったサイダーの中身がポチャン、と揺れた。
いつものように晴れた青空の色を水で薄めたような其れ。

 「≪共鳴者≫はね、【ダークネス】を倒すヒトのことだよ。
 かのんちゃんが見たのがそれ、私は、それを追ってここに来たんだ」
 「…なんでここなの?」
 「別にここじゃなくても良かったと思う。簡単に"悪意"を生産して、なおかつ
 まとめて効率的に集めれる場所としては良いってだけ」
 「ニワトリって感じか」
 「うまいね」
 「別に笑わせるために言ったんじゃないよっ。…その制服の学校も?」
 「…そうだね」

地雷踏んだ?
鈴木は暗い影を落とす鞘師に何も言えなくなってしまい、サイダーを傾ける。
何かと事情はあるんだろうと思ったが、話がリアルを通り越してしまったらしい。
疲労度満載でここに来たことが馬鹿みたいに感じる。
きょーめいしゃだとかだーくねすとか、今まで聞いたことのない単語は
新しく学ぶ英文よりも理解に悩む。

 「あのさ、なんであたしには"アレ"が見えるの?」

661名無し募集中。。。:2012/07/06(金) 01:05:48
鈴木は自分の目を人差し指で示す。
あの時、鞘師は自分のチカラを知って学校のあの場所に連れ出し、そして感じた。
どうして自分には、あの【闇】が"みえた"のか。

 「多分、光に触れたからだと思う」
 「ヒカリ?」
 「かのんちゃんのチカラは"音"から"色"を探ることが出来る。
 それに光が加わったことで、【闇】を感じれるようになったんじゃないかな」
 「…へえ」 

つまり見えなかったものが見えるようになったという事なのか。
ヒカリとかヤミとか、それにしては少し難しい言葉で彼女は説明をする。
鞘師は本当に宇宙人かなにかかもしれないと思った。
鈴木の表情に気付いたのか、鞘師は口を線に引き、視線を伏せる。

 「これが光の正体」

不意に取り出されたのは、見覚えのある小さな箱。
「あ」と漏らす鈴木に、布で包まれたソレが姿を現した。
微かにアメジストのヒカリを帯びた、ガラスレンズ。

 「これ、かのんちゃんに預けるね」
 「え、なんで?」
 「おまじないだよ。あとお礼。それがあればかのんちゃんのチカラも
 もっと扱えるようになるかもしれないから」

差し出される箱を鈴木は恐る恐る持ちあげる。
輝きを見ていると、何故だか安心した。ホゥ、と息を吐く。

662名無し募集中。。。:2012/07/06(金) 01:08:15
 「りほちゃんは、なんでこんな事に巻き込まれてるの?
 そのきょーめいしゃってヤツだから?」
 「かのんちゃんは神様を信じてる?」

鞘師から意外な存在の名前を出されたが、鈴木は素直に頷いた。

 「神様がヒトの願いを叶えるなら、神様の願いを叶えるのは誰だと思う?」
 「誰って言われても、神様は万能だよ」
 「じゃあなんで救われない人がいるか分かる?」
 「それは…」
 「つまりそういう事だよ。私がこうなろうって思ったのは。
 神様ができない事をしようってね」
 「神様…ねえ」

神様はいるのかと問われれば、居ると鈴木は思う。
だって願いを叶えて欲しいとお願いするのは『神様』だから。
だから思いもつかなかった。

『神様』の願いを叶えるのは誰かなんて。
鞘師が浮かべる『神様』は、一体どんな姿をしているのだろう。

 不思議な気分だった。あんな事があったのに、世界は何事も無く平和で。
 あれが夢のような気がして、箱のヒカリに安堵していて。
 鈴木は、あの時の夢や、あの時の現実を口にする事はしなかった。

鞘師はサイダーを一口飲んで、僅かに視線を向ける、開いたドアがゆっくりと。


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