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【アク禁】スレに作品を上げられない人の依頼スレ【巻き添え】part2

1名無しリゾナント:2011/01/18(火) 17:04:23
アク禁食らって作品を上げられない人のためのスレ第2弾です。

ここに作品を上げる → このスレの中で本スレに代理投稿する人が立候補する
って感じでお願いします。

(例)
>>1-3に作品を投稿
>>4で作者が代理投稿の依頼
>>5で代理投稿者が立候補
>>6で代理投稿完了通知

立候補者が重複したら適宜調整してください。ではよろしこ。

588名無しリゾナント:2012/06/22(金) 21:46:25

追いかける。
追いつめる。
この爽快感がたまらない。
敵の能力者は、大通りを突っ切ってそこの角を曲がった。
衣梨奈は知っている。そこの角は行き止まりだ。
もう奴に逃げ場はない。

「観念しなさい、悪の手先め!」

予想通り袋小路に追いつめられて慌てふためく男に向かって、衣梨奈は得意げに人差し指を突き立てた。

「このところの連続婦女誘拐事件の犯人はあんたやろ!調べはついてるけんね!」
「・・・へへ、こんなお嬢ちゃんに追跡されるたぁ俺も落ちたもんだ・・・・・・なあ!」

男は軽薄な笑みを浮かべ、右手を振り上げる。
白くしなやかに蠢くそれは、もはや人間のそれではなかった。
イカだ。
男は半獣人化し、その右手を長さ二メートルはあろうかというイカの足に変化させた。

「ガキには興味ねえ!死ねやぁ!」

白い右手が衣梨奈の身体をなぎ払おうと迫る。
衣梨奈はかろうじてそれを避けると、自らの腰に提げていたバトンに手をかけた。

「くらえ!」

589名無しリゾナント:2012/06/22(金) 21:47:21
引き抜いたバトンを、ブーメランの要領で投げる。
しかし微妙な体勢から放たれたバトンはブーメランのようにはいかない。
ぐらぐらと不規則な回転を繰り返し、衣梨奈のバトンは男の遥か後方に逸れていった。

「ギャハハ!どこ狙ってやがる!」
「いや・・・これでいいっちゃん」

衣梨奈が不敵に笑う。

「半獣化能力者には、能力だけではカバーできん大きな弱点があるとよ」

すると突然、バトンの軌道が変わった。
あさっての方向に飛んだはずのバトンが変則的に曲がり、さらに大きく回転を加えて戻ってくる。

「それは」
「んがっ!!」

戻ってきたバトンが直撃し、男は地面へと倒された。
イカの足と化した白い右手も、隠し玉のつもりだったのだろうカニのハサミと化した赤い左手も、ぴくりとも動かない。

「あ・た・ま。どいつもこいつも、そこだけは人間のままやけんね」

死角から勢いよく飛んできたバトンが後頭部に当たり、気を失っている。
男が起き上がってくる気配はなかった。

「いえーい!生田衣梨奈、完璧完全大勝利ぃー!またバトンの腕が上がったかもー!」

590名無しリゾナント:2012/06/22(金) 21:48:06


「“だいしょうりぃー!”じゃないよ、まったくもう」

勝利の余韻に水を差す、不機嫌そうな声。
衣梨奈が振り返るとそこには、腕を組みこちらを睨むように見つめる鞘師里保と、困ったように眉尻を下げる譜久村聖の姿があった。

「念動力で操ってるんだから“バトンの腕”関係ないじゃん。そもそも犯人が現れたらまずみんなに連絡して、
 それから尾行って話に決まったでしょ?何一人で勝手に突っ走っちゃってんの」
「だぁってー、犯人がもう女の人に声かけてたんだもん。このままじゃ次の犠牲者が出ると思って」
「だからって、街中を『こいつ犯人です!こいつ犯人です!』って言いながら追いかけまわすことないじゃん。ホントえりぽんってKYだよね」
「ちょっと!なん、その言い方!」
「本当のことを言ったまでだよ。フクちゃんが通行人の記憶を全部操作するのにどれだけ苦労したか、わかってる?」
「あ、あの、里保ちゃん。そのくらいでもういいから・・・」

喧嘩腰になる里保と衣梨奈の間に、聖が割って入る。

「えりぽん。私たちは目立たずひっそりと、でも確実に敵を倒していかなくちゃいけない。どうしてだか覚えてる?」
「・・・うちらは・・・少人数だから。敵がその気になったら、すぐ潰されちゃうから」
「そうだよね。『でもそこが秘密の正義の味方って感じがしてかっこいい!』って、えりぽんが言ってくれたんだよね」
「・・・・・・」


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