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長編SS投下用スレッド

80sage:2011/08/26(金) 22:58:20
俺はうずく胸の痛みに対して救いを求めるかのように佐々木の名を口にした。
そのように俺はあたかも外出する際に鍵や財布を持ち歩くように,佐々木について自分を責め,そして既にいない佐々木の名を呼ぶことを習慣としていた。
俺に残された時間もさほどないだろう。
社会的に見れば佐々木の夫であること以外の意義など俺にはなかったかもしれない。このことは自嘲ではなく,本当に少し愉快に感じられた。
だがそんな俺が残された時間で何をすればいいのか。佐々木・・・。

全く君は・・・。何事にも時機というものがあるんだよ。
陽が完全に落ちてしまうまでにどうしてもあのベンチのところまでに行かなければならないよ。

佐々木があの表情を浮かべて俺に呼びかけていた。
何だ。佐々木よ。全くお前らしいぜ。
俺はこのままのんびりと沈んでいきたかったのに許してくれないのか。

それにしても佐々木,新婚旅行のときのお前,反則的なまでに鮮やかでもう消えないかもしれんぞ。そういう予定だったのか,それともそうじゃないのか。なあ,佐々木。


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