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企画リレー小説スレッド

9 第1回2番(3/4) :2007/08/22(水) 18:25:33
 神官達が朗々と謡う口上は地獄の底を這いずるグールが放つ呪詛のようだった。
 風のない夜。欠けた月の冴え冴えとした光が荒れ果てた中庭を朧に照らし、台座に蠕動する災厄を浮かび上がらせる。そこから、地鳴りを思わせる呻きにも似た鳴動が断続的に起こっていた。
 クリスは眼を閉じ胸の前に両の手を組み合わせ、祈るように台座の袂に跪く。
 口上が途切れ祈祷が始まるといよいよ鳴動は激しさを増し、もはやそれは竜の咆哮そのものだった。醜獪な悪意を剥き出しにした災厄は、咆哮によりその場に居合わせる全ての人間のはらわたを引き裂き掻き乱しぶちまけようとでもしているかのようだ。
「アルスタ様おさがりください!」
 側近の兵が震え上がる声で叫ぶが、アルスタは微動だにしない。
 忌まわしき災禍の種子と、その下に跪く愛しき者の背を見据え、アルスタは身を固く引き絞る。
 果たしてその時は来たり。
 暗雲立ち込め嵐が巻き起こり、稲妻に共鳴するが如き竜の咆哮。何人たりとも傷つけることの叶わなかったその金の繭が亀裂を生じさせる。
 萌芽と結実の時。
 呪いの顕現。
「今だ!」
 アルスタが天に掲げた片腕を振り下ろすと同時にあげた号令と共に、物陰より躍り出す男達。
「うおおおおおぉぉぉ!」
 怒号と共に先陣を切る男の腕には朱一色の剣が握られていた。男の名はメクセオール。アルセスと同じく神代を生き、神殺しと謳われたメクセトの末裔、北方帝国より来たりし騎士。鮮やかでいて禍々しい輝きを放つその剣が、災厄の具象へと、振り払われた。


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