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42 第1回8番(5)ソルダス=フエゴレット :2008/03/07(金) 03:32:08
 夜半になって、メクセオールはアルスタに叩き起こされた。
「クリスと刑事が見当たらない。警備の者は気絶させられていた。おそらく、刑事に誘拐されたのです。捜索を協力願えませんか」
 冷静な言葉遣いを選ぼうとしているが、アルスタは混乱しきっている。状況を考えれば無理もないことだ。しかしメクセオールは渋い顔を隠せなかった。
「契約は竜を退治するという話だったはずだ。それが誘拐事件の人捜しとなっては、話がかなり違ってくるぞ。我々は純粋な戦闘集団であって、そういった仕事は専門ではない」
「しかし、あなた方には人手がある。この館の警備の者など十人程度というところだし、応援を呼ぶにもこの時間では人はなかなか揃わない。その点、あなた方はすぐにでも四十四人で動けるはずだ。報酬は元の話の通りの額をお支払いするつもりです」
 確かに、アルスタの言う通りだった。原則として金で動く傭兵隊とはいえ、隊長のメクセオールが指示すれば隊員たちは従うだろう。仕事としても、決して割りが悪いわけではない。メクセオールを躊躇させているのは、竜退治という歴史的な大仕事が人捜しというつまらない用件に取って代わったことに対する、単純な拍子抜けだった。
「受けてやれば、いいんじゃないですかね」
 ソルダスだった。まだ寝ていなかったのか、意外と神経質で眠りが浅いのかなんなのか。メクセオールとアルスタの真夜中の会話を聞きつけて、このでしゃばりな男は堂々と話に加わってきた。
「どうせ、竜退治の話は、もうなかったことになりそうな感じじゃないですか。まあ違約金とかなんかそういうのは、もう先に話をつけてると思うんスけど、それでもやっぱり、本来よりも俺たちが受け取る金は少なくなるわけでしょう。そんなら、その、かわいそうなクリスっていう女の子を助けてあげた方が、元々と同じ金を受け取れる分だけ俺たちにとっても損にはならないんじゃないんですかね」
 ソルダスは、ときどき舌を噛みそうになりながらも、それだけを一気に喋り通した。
「そりゃそうだな」
「それは、その通りですね」
 ソルダスの言ったことは、当たり前の話だった。アルスタにしてみれば、クリスの身は全財産を投げ打ってでも守るべきものなので、ちゃんと頼めばメクセオールも必ず受けてくれるはずの条件を提示している。メクセオールにしてもそのあたりのことは当然理解していて、これは彼自身の中で納得のいかない部分があるという個人的な問題なのだった。
「じゃ、じゃあどうっスかねメクセオールさん。ここはひとつ、アルスタさんの頼みを受けてやってみるのは」
「うん、いや、まあそりゃそうなんだが」
 結局問題は解決していないので、メクセオールは再び腕を組んだ。急に話に割り込まれたせいで、先ほど懸命に考えをまとめようとしていたのがまた一からということになってしまう。
「あ、そ、それからですね、これがいちばん言いたかったことなんスけど」
「まだあんのかよ」
「俺たちが妹さんを探してる間に、メクセオールさんがあの竜と会わせてもらうことにするってのはどうですかね」
「は?」


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