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企画リレー小説スレッド

34 第1回8番(1)祖紀神アレ :2008/03/07(金) 02:43:24
祖紀神アレ

 またこうだ。数多世界の前例に漏れず、アルセスは再びキュトスをその手に掛けた。おおキュトス、我が愛娘。そして私がキュトスを思ってなすことは、いつの世も裏目に出る。哀れなキュトスの娘たち、我が孫たちのこれ以上の不幸を認めぬために、私はアルセスに呪いを掛けた。アルセスとキュトス、そしてまたアルセスとキュトスの娘たちが同一の世界に存在することを禁じる呪いだ。この呪いによって、我が孫たちはこの不幸な世界に生まれ出でぬはずだった。

 しかし、アルセスめ。アルセスは構うことなく娘をなした。呪いのよって禁じられた、世の理が認めぬ娘をなしたのだ。私がキュトスの娘たちを守るために放った祈りのまじないは、あろうことか二千年に渡って彼女らを苛み続ける呪いの鎖となってはね返った。私が石板の形で遺したエクリオベルクすらも、アルセスは自身の復活のための道具としている。

 我が身は早々と朽ち果てた。私にできることは、私の娘と孫娘たちの苦しみを少しでも和らげることだけだった。そのために、私は私たちが現実としていたこの原世界をキュトス自身の夢とした。原世界を取り巻く上位次元の世界を創造し、原世界を被造世界に対する夢、空想、理論上の仮想世界としたのだ。あの被造世界で私はマグドールを名乗り、その富によってPANGEONを作らせた。PANGEONはキュトスの夢として原世界を被造世界から観測する装置なのだ。

 マグドールとして受肉した私の生命の限界も、やはり近い。既に人格は経年劣化で崩壊し、このように残留思念を漂わせるのみだ。後のことは、被造世界に残した孫たちに任せたい。キュトスが目覚めることで原世界が失われるならそれもよい。キュトスとその娘たちを苛み続けるこの呪われた原世界より、新しきあの世界の方が彼女らを安らがせることができるに違いないのだ。しかし一体、こんな有様の私に近づいてくる者がいる。これは……おお、お前か、ピュクティエト。


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