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860言理の妖精語りて曰く、:2016/11/14(月) 06:25:31
しかし、その時、世界の揺らぎを守るため、きゆらとレーテンタークの前に立ちはだかった者がいた。
カオス系魔法少女、オレオレ=ノーセンス=トントロポロロンズである。

本来、秩序と混沌の間にただよう存在であり、世界の揺らぎを守るべき魔法少女きゆら。
だが、そんな彼女も、ヒーローを狂わせる【狂気電波】の影響を免れることは、出来なかったのだ。
彼女が、完全な秩序の守護者として覚醒し、竜レーレンタークと共に過剰な風紀活動を行い始めたのは、まさに、あらゆる者に対する災厄であった。
魔法少女を止められるのは、同じ魔法少女だけ。
全てのヒーローが狂気に走る今、きゆらと戦えるのは、暗黒空間での修行によって【狂気電波】の影響を免れた魔法少女オレオレだけなのだ!

彼女は、ひとまず初級呪文【薔薇は、いかなる名で呼んでも美しい】(ロミオ・ロミオ・ロミオ)を放ち、時間稼ぎを試みた。

出来れば、彼女ももっと強力で格好良い魔法を使って戦いたかった。
だが、これが今の彼女の限界であったのだ。
ソ・シュールだとか、後期ウィト・ゲンシュタインだとかの超高度な魔法は、ようやく非限定の魔法少女免許がとれたばかりの彼女に、使いこなせる代物ではなかったのだ。

ついでに言えば、レーレンタークと対抗するはずの彼女の使い魔は、泥棒猫リリットであり、しかも現時点で無断欠勤していた。
せめて、相棒がリリットではなく、かの白臥猫チルマフであったならば、彼の秘技【猫リセット】によって、全てを元通りになる希望を抱き続けることが出来たのに…………!

オレオレは、リリットのサバトラ柄を、魔法で花柄に変える妄想に少しの間浸っていたが、すぐに頭を切り替えた。
今は、戦いの最中なのだ。そう、自分の実力がどれだけ不足していたとしても、狂気の風紀委員と化したきゆらを止めねばならない!




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