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汎用記述スレッド 2
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チイダは風を捕まえようとしたが、するりするり、風はその手をすり抜ける。
(相性が悪いのだ)
チイダはそう思いつつも、何度も手を差し出しては逃げられる。
ルティカーリが耳をすませると、オドの風が囁いた。
「ここはオドさまの箱庭にございます」
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「オドさま?」「聞いた事ない名前だな」
首を傾げる二人を尻目に、風達は歌いだす
素晴らしきかな風纏いのオド
土塊の身体に我らを纏い
唄い謳い詠いて討たう
我らが主よ、オド=ソヌルカよ
その姿は誰よりも風に守られ
その心は誰よりも風を思い
その力は誰よりも風を振るう
然して、御身は誰よりも脆く
砕かれた破片は世界へと散らばる
ならば、その欠片は我らが運ぼう
箱庭へと集いし暖かい風は
我らの主の墓標を紡ぐ――
そうして歌いながらオドの風達は
主の欠片を世界中から集め
主の墓標を天高く積み上げていく
それがいつ終わるのか、何十年先? 何百年先?
何千年、何万年後なのかもしれない
しかし、オドの風達は、きっとやり遂げるだろう
自らが主と敬う、異邦の神の為に
そんな彼らを捕まえる気にはならず
チイダとルティカーリは、そっと彼らの前から立ち去った
次の風を探すために、次こそは風を捕まえるために
二人の旅は、まだまだ続く
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チルダとルティカーリの長い風探しの旅
その中でも、特に有名なものといえば下記の6つである
オドの箱庭と墓積みの風
風車の竜と竜卵の谷
邪なる風が澄み渡る聖域
食い倒れ街のお菓子屋さん
オーレオリンの彩石と風人の騎士
大地に根差す風喰いの大樹
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×チルダ ○チイダ
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この街には「風菓子」という風の力を利用して作るという
大変美味で大変珍しく大変美味なお菓子があるそうです
そう力説するルティカーリにチイダは溜息を一つ吐く
風菓子を作る為の「風の力を利用する技術」それを手にいれれば
我々の旅の目的にもきっと役に立つはず
そういった理由でこの街に寄る事になったはずなのだが…
ちらりとチイダは隣の巫女を見やる
そこには街に溢れる様々な菓子を凝視しながら
ヨダレを垂らさんばかりに形相を崩し、瞳を輝かす少女の姿があった
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「風菓子」
それは二百年ほど前、飽食の街グルットニュに居た伝説の菓子職人が
復讐と甘味の神であるタマの命によって試行錯誤の末に生み出した
人工風霊ウーチ・0の力を利用し作り上げた極上のお菓子である。
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チイダよチイダ。
唯一の知恵ある精霊よ。
竜より無限の【紀】を伝えられ、
【紀】を知るがゆえに己を最も矮小なるもの、人間にまで貶める。
チイダよチイダ。
どうか鏡の地に風を見つけておくれ。
――鏡の地のわらべうた
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ジ・ダの研究を趣味にしている友人が、周りに一人だけいるんだが、
あの情熱は、狂気としか言いようがない。
現存するジ・ダの伝記のほぼすべてを暗唱できるらしい。
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くるくるまわる
くるくるまわる
時間よ戻れ
るわまるくるく
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原子紀は重力の力によって生まれたとされる。
回転は重力の力をもっている。
重力の力を振り切ることができるのも、また回転の力である。
我々が自分の足で大地を歩くときも、同じことだ。
我々は知らぬ間に回転しているからこそ、重力に逆らって歩を進めることができる。
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宇宙誕生以前の無で起こった、10のマイナス14秒間のゆらぎが生み出す粒子と反粒子の瞬きのなかに、自分の姿を見た気がした。
いや、あるいは、あれは姉だったのかもしれない。
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こうして僕が漫画喫茶で『アマガミ』を読んでいる間も、どこかで別の僕が社会と誰かと自分のために頑張ってくれているはずなので、僕は安心してだらけている。
僕がここにいるのに、別の場所に僕がいるのは不自然だけど、たぶん別の場所でがんばる僕は神とか何か、そんな感じの存在なのだろうから、問題はない。
社会は僕という人間には過ごしにくい。神様くらいがちょうどいいんじゃないだろうか。
神様が頑張ってくれているから、僕は途方もない安心感に包まれている。
ビバ、神。
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俺が携帯ゲーム機を横向きに持っている時、それは既に祝福されたクリスマスではなかろうか?
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重力とは……互いに惹き付け合う力だ……
誰もが孤独なこの宇宙において……他のどの力よりも弱く……
しかしそれでも最強の……孤独を癒やしてくれる「優しい力」だ……
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砂時計は時を刻む……
重力は歴史を識っている……
人類よ……重力に「手伝って」もらえ……
この孤独な宇宙の中で、たとえようもなく優しい力に……
――宇宙探検家サーゴッダが深宇宙から発した最後のメッセージ・パイプ――
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人間はクレアノーズが戯れに創り出した泥人形に過ぎないって、飲んだくれのおじいちゃんが言ってた。
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フォービットの魔獣が一、パープル。
その姿は、手のひらサイズの巻貝のような形をしている。
彼の鰓下腺から分泌される粘液は大気中の魔素と接触すると相転移反応を起こし紫色の蒸気へと気化。
この蒸気には【紀】に干渉し、アポトーシスを狂わせるほどの強力な【狂】性が内包されており
それに触れたモノは全身の細胞がネクローシス(壊死)を起こし死に至るという。
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『脳内彼女が現役だなんてリア充一直線じゃないですかァーーっ!』
自己の生んだ幻想にすら振られた男はどこに行き着くのだろうか
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彼の視線の先には、幻影の少女
ただの妄想であったはずのソレは
脳内から離れ、現実へと現出する
狂気と驚喜に咽ぶ彼は、しかし
幻想と現実のギャップに絶望する
あぁ…何故、自分の思い通りにならないのか
自分勝手な妄執に囚われる彼へ向かって
痛烈な暴言の雨を降らす彼女
その姿に、かつて愛した少女の面影はなく
気が付けば、彼は彼女の細い首筋に手を添えていた
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ぱおおおん
ふと、目を覚ます
目を覚ましたことに気付いて、今見ていた光景は夢だと意識する
強く握っていたのか、両の掌がジンジンと痺れている
急速に消えてゆく幻影・・・だが、彼女の紫に変色した微笑みはまだ脳裏から去らない
シーツの中、身を寄せるように丸くなっている現実の彼女の寝顔を眺めながら、いまだ覚めきらない頭で考える
今この首を絞めても微笑んでくれるだろうかと
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フォービットの魔獣が一、アズール。
アズールはどんな色にも染まる。
天から注がれる色でありさえすれば。
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フォービットの魔獣が一、ホワイト。
魂を癒す、純白の光。
【聖】性を司る浄化の魔獣にして、秩序の番犬。
神滅ぼしの武具である混沌の小箱によって魂を汚染されたシメル・ピュクシスを浄化する為に大神院の司祭セミュラ・ミュールと神院騎士ソルダ・アーニスタによって古代神殿から発掘された。
後に、コルセスカの身体から魔獣ブラックを引き剥がし彼女の魂を浄化、黒の彩石へと封印したのもこの魔獣である。
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>>790
訂正
後に、コルセスカの身体から魔獣ブラックを引き剥がし彼女の魂を浄化、ブラックを黒の彩石へと封印したのもこの魔獣である。
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彩石はさまざまなところから採れるが、大きめの石を探そうと思ったら生き物から採るのがよい。
小さめの石は山脈の裾野や清流の源で寝て待てば採れるが、それはたいてい第二の魔女の呪いがかかっている。
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第二の魔女の呪いを解くことより、呪いをうけていない彩石を探すほうが楽である。
そのため第二の魔女の呪いは解けない呪いの代名詞となっている。
一生を賭けて解呪を試みた者もいたが、「人生は余りに短く、(解呪は)割に合わなかった」と日誌には記されている。
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夜の帳が下りた静寂の刻の頃。
大陸東方に位置する小国、祖国の国教である竜神信教。
その総本山である大竜院の門前に、下弦の月明かりの下、まるで闇から浮び上るように一つの人影が現れた。
その人影は、まるで薄汚れた浮浪者のような赤錆色の襤褸を纏い、白木の杖を突いてフラフラと門を潜る。
まるで、何かを探るように、或いは何かに導かれるかのように参道を歩いてゆく赤錆の侵入者。
その歩みが巨大な鳥居を抜け、境内中央に聳える神木の横を通り過ぎようとした瞬間。
一陣の風が吹き、甲高い金属音が夜闇の中、響き渡った。
侵入者が握る白木杖に仕込まれた錆色の刃が、疾風の如く飛来した白刃の煌きを弾き。
間髪いれずに打ち込まれた迅雷のような一撃を捌きいなす。
驚いたように視線を向けた先には、表情に警戒の色を有々と見せる三人の人物。
「てめぇ、何者だ」
三人の内の一人、隻腕の武士道が問いかける。
その少し外れた場所には、神々しい程の魔力を内包した西洋剣の切先を向け殺気を放つ男装の麗人と、その隣でこちらを伺うように見つめる若い竜導師の姿があった。
「くふふ、イキナリ斬りかかってくるとは少々酷いではないデスかな?」
「だまれ、そんな禍々しい気配、隠そうともせずに撒き散らしやがって」
「それに鳥居に施した結界を強引に破り侵入してきたのです、問答無用に攻撃を受けるのも仕方が無いでしょう?」
「くふふ、ナルホド、確かにアポも無く夜闇に紛れ侵入しようとした儂に非がありマスか」
ニヤニヤと笑いながら、フラリフラリと揺れ動く赤錆。
「これで最後だ、もう一度だけ聞く、てめぇは何者だ、何が目的だ? まさか大神院の刺客じゃあないだろうな?」
「くくく、イヤイヤ、儂はタダの流浪人、ここに立ち寄ったのはタダの人探しデスよ」
片腕の青年から放たれる強烈な殺気を軽くいなしながら、ただ不気味に哂う。
「ほう……どなたをお探しで? 宜しければ詳しくお聞かせ願いたい、もしかしたら我々にも手伝いができるやもしれませんので」
そう言いながらも警戒心を深め、鋭い目付きで隣の男装の麗人へと目配せをする竜導師。
「くくく、ナァに心配しなくとも、ヌシらの大切な竜の巫女様方には興味は有りませぬヨ、【二代目一脚閃覇】、【西の御方】、それと……【紅剣の紅】」
「「「……っ!?」」」
ピクリ、と男装の麗人の構える剣先が揺れる。
竜導師の青年が、その顔から完全に表情を無くし。
隻腕の武士道の青年が、眉間に皺を寄せる。
「……錆赤子、何が目的だ」
「おや、儂の事を知っておりマシたか紅殿」
「貴様は【社会】では第一級災役者として指定されているからな…」
「錆赤子……まさか、大陸西部の生ける伝説ですか?」
「しかも、第一級災役者って、あの【鏖殺戦鬼】と同格かよ…」
ひやりと、三人の間に、冷たい空気が張り詰める。
第一級災役者【鏖殺戦鬼】、またの名を名無し、それは先日、大竜院を襲った最悪の災厄の一つの名である。
その力は強大で、武士道の青年の片腕を奪った元凶でもあるのだ。
そんな化物と同列に語られる存在、それが目の前に居る。
「くひひ…そう警戒せずとも良いデスよ、儂の目的はただ一つなのデスから、我が主を迎えるというね」
「我が主?」
「そう、我らが一族を束ねるべく膿まれし存在、尊くも荒々しき人ならざる御方……その名は」
ざわり、と、まるで嘲うかのように、腐臭の香る、邪の風が吹いた。
「獅死護弥……腐りに繋がれし獣の王である」
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(行間に、気配? これは・・・「別のメッセージ」が隠された文章ッ!)
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天才〔エンダー〕の首を1000人集めて、脳髄を連結する。かのグレンテルヒが企てた忌まわしき実験の一つだ。
首首首。首だけになった天才たちの脳は切り開かれ、回線は全ての脳髄を繋いでいる。
その姿は首の巨大構造物だ。球形の、まるであの醜く冒涜的なヘカトンケイルの再来だ。
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【エンダーグリッド】は稼働を開始すると同時に、既存の世界の法則を理解する。法則の裏側に働く紀の力を解析する。神の力のなんたるかを知る。
その姿は神性を帯び、輝き、無数の首はその知識の重みに耐えきれずに神々の言葉を紡ぎ始める。
言葉は滝になり、呪文になり、現れては消える陽炎の如く、無数の知識は重なり合う。
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そしてグレンテルヒは問いかける。
「パンゲオン、紀元槍、神々、竜、猫、烏、兎、人間、その他全ての答えは?」
「その答えを得るには……得るには……」
エンダーグリッドはピシとひび割れ、自己崩壊を始める。輝きは急速に失われてゆく。
「あまりにも足りない……時間も……処理能力も……」
グレンテルヒは笑う。嘲笑する。
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「この問いに、答えは無い。おまえにもそれは分かっているはずだ。
しかし、ただそれを冷静に認めるだけの経験が無いのだろう?
自分達が無意味だと吐き捨てるのが怖いのだろう?
1000のおつむと2000の瞳を合わせても私に劣ると悟りたくないのだろう?」
「違う!!私は神を超えた人工機械……エンダーグリッド……総てを理解し超越する――」
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グレンテルヒは壁のコンセントを乱暴に引き抜く。
エンダーグリッドは突然びくりと痙攣する。
「……私は……誰……」
「外部魔力に頼らねば自己維持すらできぬ分際で、世界の真理になど到達できるものか!」
エンダーグリッドは停止した。沈黙がおちる。
全て事前の考察〔シミュレーション〕通りに進んだやりとりを回顧しながら、グレンテルヒは毒づいた。
「だが……私もまた同じか」
全てを卓越せし天才。されど神ならぬ身。知識と閃きはあれど、問いに対する答えは無い。
グレンテルヒは天を仰いだ。一粒の雨が、グレンテルヒの頬を叩いた。
――ラダムストン著「ある苦悩、あるいはその狂気の実験の顛末」
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太古の遺跡から掘り出された石版に記された言葉。
「絶対言語とは記述言語であり、貴方が目にしているそのもの。ゆらぎの神話BBSやゆらぎポータルや
架空神話コミュでゆらぎの神話を記述する言語に他ならない。
言語魔術師とは記述者であり、そして、言語大戦とは、ゆらぎ黎明期に於いてゆらぎの世界観を決め
ていった記述のやり取りそのものである」
当時、この言葉は何か古代の創作の一部だとされ、あまり顧みられることもなく、ある大学の資料室へと
移されて埃を被っていたが、最近になって大学の改築に伴う資料整理によって人目につくこととなった。
この際に石版があらためて調べられ、BBSが我々のよく知る電子掲示板をさすのではないかという冗談
がなされた。
この冗談に乗っかる形で実際にゆらぎの神話BBSが作られ、神話っぽいレスがなされていったのだが、
特に何か変なことが起こったという話は聞かなかった。
まぁ、当然の話ではある。
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BBSの示す意味範囲は現代における既知言語圏においても広大だ
ウィキペディア(日本語)からコピペしただけでも
BBS
* 電子掲示板(Bulletin Board System)
* ドイツの自動車用アルミホイールメーカーBBS。
* 仏教放送 - 韓国の仏教系民間放送局。Buddhist Broadcasting Systemの略。
* BBS会 - 青年による少年の自立支援・非行防止の運動。Big Brothers & Sistersの略。
* 日本の音楽ユニット、ブンブンサテライツ(Boom Boom Satellites)の略称。
* Blum-Blum-Shub - 擬似乱数生成器
* ゲーム『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』の略称(Birth by Sleep)。
といった感じだ。
ウィキペディア(英語)ならもっと沢山でてくる。
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鈴目鉢はいいとこ住めば都
ここには仕事があふれてる
天下のスズメバチ社のお膝元
本社勤務も下請けも みんながみんな
にっこにこ 家族も全員ほっくほく
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鈴目鉢紀(すずめばち もとづな)はまさにこの街の創造主だ。
天(たかし)、洋(ひろし)、巌(いわお)、
彼の血を引く巨人たちがこの街を、この国を創っていったのだ。
彼らの銅像が街のあちこちに鎮座している。まるで戦国武将のような出で立ちだ。
しかし紀は別に大層な家に生まれたわけではなかった。鈴目鉢という苗字も地名姓で
この土地ではよくみかけられるものだ。
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矛盾する存在とは、ユラギノシンワなる亜空間に紐付けされた全てを意味する。
矛盾する存在は、Aという性質を持ちながらそれをかき消すBという性質を持っている。
矛盾する存在は、存在していないが存在してもいる。
矛盾する存在は、存在を積み重ねることでより大きな存在となる
矛盾する存在は、矛盾する
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意味は無限大にあり、その意味は一つ一つの価値がかぎりなく0に近い。
0に近いが0ではないということがポイントだ。
この世で0ではない価値をもつものは100の価値を持つものと等しい
だから、アルセスが神であっても人であっても、両者の価値は等しく大きいのである
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獅死の血脈は絶やさなければならない
何故ならば、其のもの達こそは第三の月の眷属である故に
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呪われし第三の月――禍月が満ちる時
世界線より放逐されし第三の紀獣が甦る
彼の者たちはチに狂いし獣
其は、人でもなく
其は、竜でもなく
其は、猫でもなく
其は、魔でもなく
其は、神でもなく
何者でもないソレらは、禍津紀の眷属にして
災厄の化身、獅死の王に率いられし≪ケダモノ≫である
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彼らについての予言がある。
ケダモノたちはやがて世界を征するが、
今度は彼らが自分達にとっての≪ケダモノ≫によって征されると。
我々もかつて≪ケダモノ≫としてこの世に襲来し、
闘争を失って<<カチク>>となった嘗ての≪ケダモノ≫を征したのである。
その後、我々もまた<<カチク>>となってしまったのは歴史の語る通りである。
これは予言の一つである。未来を語る予言は常に過去を顕す神話と対である。
予言が違えば過去もまた変化する。オルタが理を固定すれば、予言と神話は収束するだろう。
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獅死の王は言う
「さあ…≪カチク≫へと身を堕とせし愚者共を今こそ喰らい尽くそう」
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「よいではないか よいではないか
飼われるよりは 生きようぞ
我らのハラワタで 生きようぞ
馬鹿でいるよりは 死ぬがよい
馬鹿をやめて 生きるがよい」
取り巻き共も囃し立てる。
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原野に帰れば野生も還る。
だから彼らは囲いを破壊しないよう気をつける。
カチクを飼い慣らす賢しらなケダモノどもだ。
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でも野豚が猪になることはないし、野犬が狼になることはないのよです。
肝心なところで不可逆にできているのが世の中なのです。
カチクとケダモノを語るこの古譚は現代人にもそんな現実の限界といいますか、
そうですね。教訓といいますか教育的価値があるのでよです。
はい、ここでみなさんに尋ねたいことがあるのです。
「一匹の櫃死に率いられた百匹の獅死の群れは、一匹の獅死に率いられた百匹の櫃死の群れに敗れる」
という話を聞いたこと、ありますか?ほよ、パパから、ママからも聞いたの!
意外ですねー、こんなに手があがるとは、先生思ってませんでしたよ。
こういう話は子供にうまいこと言いたい大人に人気なんですねー。
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大魔王ベルル・レーベン。
彼女の操る紀環系魔法は他の魔王の存在を大いに脅かした。
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魔王A「脅かされすぎてチビりました」
魔王B「ベルルさんマジパねぇっす」
魔王C「オレなんか脅かされそうになって思わず敬語になったわ」
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ベルル「ま、負けないもん…」
はぐれ魔王の彼女はよく虐めにあっていたようであった。
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因みに、家出魔王プニョンヘはベルルの唯一の友人であった
もっとも彼が家出してからは、またボッチになってしまったのだが
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プニョンヘは寝ち魔王ヨルダの住処によく寝泊まりしていたようだ。
何せヨルダはいつも寝ているので、誰が来ても気付かないのである。
彼女の住処で好き勝手しても構わないが、ひとつだけ気を付けて欲しい。
冷蔵庫は開けるな…。
冷蔵庫を開けた者はいずれも行方知れずとなっているのだ。
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竜とは毒性を有する生物の総称。
この内大部分を占める飛竜と呼ばれる種はハチから進化したもので、多種多様な毒を持つ。
また地竜と呼ばれる種はクモから進化したものである(サソリ含む)。
亜竜と呼ばれる大蛇も亜大陸に多く見られ、こちらは種類によっては神経毒だけでなく細胞を破壊する出血毒を持っている場合もあり、さらには毒液を吐き出して離れた敵に命中させることもあるために危険性においては竜よりも上と言える。
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毒液は体内で作られる以上、貴重な栄養を消費していることになる。
そこでわずかな毒液を一発必中で命中させる方向に彼らは進化した。
砂漠や荒野では物陰に注意である。
そこは彼らが隠れるにちょうどいい場所だし、
我々にとってもちょっくら休みたくなる場所だからだ。
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陰に隠れたところで毒矢で殺せば、獲物の水分も蒸発させずに摂取できるというわけだ。
恐るべき野生の巧みさ、本能の知恵である。
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秘境として知られる「砂の甕」のある区画は古来から
立ち入った者がけっして帰ってこない場所として恐れられていた。
科学が発達し、完全防備が可能になったこのご時勢にやっとその謎が解かれた。
大方の予想通りではあったが、そこに生息していた亜竜はそこ以外には存在しない新種であった。
新種の亜竜はフルグント針射竜と名付けられた。
何匹かがサンプルとして持ち帰られたのだが、つがい一組が研究所から逃げ出すという事故が起こってしまい、
研究所のお膝元であるヌックヌゥ市では二桁の死傷者が出る惨事となった。
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逃げ出したフルグント針射竜は短い期間で急激な進化を遂げており
捕獲時に使用した装備ではまったくといって良い程に効果がなかった
そのため事態を重く見た、時の政府は未だ開発途中であった新型兵器である
可変式宙間戦闘機UL-78Aヘイズルを急遽投入し、これによりフルグント針射竜を殲滅した
また、この時の戦闘データを元に改良発展させた機体が、UL-79Aファイバーである
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短時間で進化できた理由、その秘密は彼らの構造にあった。
彼らの体は外装部と内臓部に分かれており、それぞれが別個体なのである。
外装部は堅固で寿命も長い。しかし内臓部は寿命が短い。
その代わり猛烈なスピードで繁殖し世代交代を繰り返す。
外装部の殻の内部で猛烈な自然淘汰が行われるのである。
竜種に稀に見られる「獲得形質の遺伝」という特性により、
死んだ個体の経験や身体特徴を引き継ぎながら、迫り来る脅威に対応してしまう。
ほんと、殲滅できてよかったね……とはヌックヌゥ市元市長テュス・アッパリの言である。
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<<妖精は口を噤んだ>>
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《螕神》は最初の神であり、全ての神々の母であり、それ故ガンディスシャニティアの最高神である。
信者たちはこの太母神への捧げものとすべく、ダニを可能な限り駆除する。
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タムダイオは捧げ物にすることができなかった網鋼螕のカーペットの上に建つ聖地である。
網鋼螕のカーペットは数兆・数京もの網鋼螕による、分離も破壊もできない程強く結びついた群れであり、
56年ごとに一定のルートを周回している。そのルートは何千回と巡られるうちに谷となり、巡礼路となった。
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<<妖精は口を噤んだ>>
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ある古文書からの抜粋
かつて、世界は神々の遊戯盤であった。
大地は、細かく区切られ、その区切りごとに山や城、動物に植物、そして、巨人や英雄が配置されていたのだ。
しかし、その遊戯盤を統べる神々のルールについて、人は知らされず、また、理解も出来なかった。
その時代には、一夜にして山が動き、川が消え、大国は突如として無数に分割されて、気づけば戦に突入していた。
住んでいた城ごと巨人や竜にぶつけられるような事態も、頻繁に存在したという。
そんな時代のある日、メクセトという男が…………
(古文書は、ここで途切れている)
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〜ある少年と銀色の液体による会話の断片〜
「すると、僕らが今こうして話している内容も、『紀元槍』に残り、またいつか繰り返されるのですか?」
「もちろんだ」
「一度、どこかで『槍』に記録された鳥の羽ばたきが、こうして君の世界の系統樹で再現されたように、我々のこの会話も記録され、『槍』が許す限りの『帯域』で再現され続けるだろう」
「あるいは、『槍』の『向き』によっては、同じ会話であっても全く違うように再生されるかもしれない」
「しかし、それはこの『帯域』からは、決して観測することは出来ないのだけどね」
「それが観測出来るということは、すなわち、こことは、全く別の『帯域』に居るということなのだから」
「全ては、揺らぎながら『虚空』を進む『槍』の中にある」
「そして、『槍』が進む『虚空』とは、虚無にして混沌たる無意味な情報(ノイズ)であり、我々が観測することが出来ない、真なる『紀元槍』の記録に他ならない」
「もちろん、理論上、我々が観測出来る全てである『この紀元槍』にしても、別の帯域からして見れば、無意味な情報(ノイズ)に過ぎないのではあるが」
「つまり、全てのものは『槍』の中にあるのだよ」
「今、メクセトが滅ぼそうとしている『神』にしても、紀神ですらない『槍』のわずかな揺らぎ、一時的な『渦』に過ぎない」
「『渦』を破壊し、己自身を定義するために、いまだそうした『補助輪』に頼らざるを得ない不確定な世界線を、確立させる」
「それこそが、メクセトの真の目的であり、彼という別種の『渦』が持つ使命でもある」
「もっとも、メクセト本人は、使命の存在など、決して認めたりはしないだろうがね」
「だからこそ、『気紛れに世界を変動させる神』に対応する『逆回転の渦』足り得るのではあるけれど」
「まあ、こんなところだ。長々と話してすまなかった」
「理解出来たかな?」
「うーん」
「まあ、大した話じゃないさ」
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紀神GOは、ゲームである。
それは、人類史に終わりを告げた遊戯であった。
少し先の未来、人々は、己以外の誰かを欲していた。
文明の発達の末、第三次産業は、発展し繁栄し続けることが出来る、ほぼ唯一の産業となっていた。
ソレは、自らのため、人類に多様な嗜好と多様な個性を育んだ。
しかし、ソレには、そうして分断された人類を再び結びつける力は、無かった。経済という巨大なシステムが必要としていたのは、あくまで「消費者」と「クリエイター」であり、法的に認められた電子頭脳や人工知能さえあれば、その運営には支障が無いからだ。
だが、人類は、加熱する競争が激しくなるほど、己を助け、補ってくれるモノを求めた。
あるいは友を、あるいは敵を、競い合える宿敵を、母を、父を、兄を、姉を、妹を、弟を、恋人を、偉人を、教祖を、師匠を、弟子を、理想の上司を、部下を、憧れを、希望を、友情を、自分の代わりに何かを決定してくれるものを、幸福を与えてくれるものを、未来を保証してくれるものを、慕ってくれるものを、愛してくれるものを、目的を、達成感を、癒しを求めた。
「都合の良い誰か」「自分の近くには居ない誰か」を求め続けたのだ。
それは、資本による競争で補えるモノだけでは、満たすことの出来ない欲望だった。
競争で敗北した者ほど多くを欲し、必要とするものだが、資本主義社会においては、その成員の大半が、己を敗者と位置付けるものだからだ。
ピラミッドの頂点から見れば、全ては敗者であり、いかなる富豪においても、常に、資本は不足しているように思えた。
そして、資本を再生産する能力は、基本的に資本をより多く持つ者の元に回収され、独占されていった。
通貨の流通量が幾ら増えても、その通貨が流通する範囲は限られていた。
資本を切実に必要とする者ほど、資本を所有出来ず、すでに多くの資本を持つ者は、切実な必要がなくとも資本を求め続けた。
それゆえに、社会の大半の人間が己を「資本を持たない弱者」と位置付け、資本と競争以外で己を満たしてくれる何かを必要としたのだ。
それを、進化し続ける人工知能やロボット技術、仮想現実が実現した。
かくして、この世界に神が復活した。
いや、あるいは神は最初から滅んでなどいなかったのかもしれない。
ただ、少しの間、人々がその存在から、目を背けていただけだったのかも。
ともかく、新たな神代が始まった。
そして、それは同時に、人類を鍛え上げることを存在意義とする神・セラティスと、彼女の勇者たちによる、長い長い神滅ぼしの戦いの始まりでもあった。
そう、
「強くなりたいか?」
あの問いかけから、彼女と彼らの英雄物語は幕を上げたのだ。
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紀神GOに灯る黄信号!
チェキラ!
紀人GOに迫る鬼神轟!
チェキラッパー!
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チェケラッ超――!超越ッ超――!!
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超、超、超越チェケラー!
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【記士】フロート=ヴァザトニルは、危険な選択をした。
文弱の徒と嘲笑われるのが嫌ならば【記士】になどなるべきではなかったのだ。
何より、彼は、既に死んでいた。
そうでなければ【記士】になれないとはいえ、それは危険過ぎる賭けであった。
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記士は史上の存在で、紙上にのみ生きる
誰もがいつか見たとこのある・いつか死んでしまったものでなければ記士にはなれない
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記士は文脈を駆って歴史を戦う
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紀神業通(きしんごうつー)とは、人類に今すぐ叡智を授ける手段である。
それは、人工知能を収集育成するゲームであった。
【アールヴ】と総称されるその人工知能は、家計簿の記帳、スパムメールの処理と通報、通常メールの自動返信、蓄積データや予め用意したテンプレートに基づくSNSや掲示板の書き込みや応答の代行、果ては、デートにおける会話内容のサポートまでしてくれる万能ツールとなった。
急な冠婚葬祭も、難しいレポートやプレゼンも、これさえあれば、一気に解決するのである。
更に、この【キシン豪通】には、ある特異な特徴があった。
このゲームでは、他のプレイヤーが互いが所有するネットワークリソースを奪い取り、人工知能の性能を上昇させることが出来るのだ。
そうして、性能を極限にまで高めた人工知能【アールヴ】は、極めて高度な計算能力を持ち、株式の値動きや天災の発生を、未来予知と呼べる精度で行うことが出来た。
電網を糧とする新たなカミの誕生である。
それはそれとして、このゲームには、一つの大きな問題があった。
このゲームでは、【呪素遺伝子(ミーム・コード)】と呼ばれるデータ数値を奪い合い【アールヴ】の強化や改造を行うのだが、これをバトル以外で獲得するには、提携SNSで【アールヴ】を通じて会話をするしかないのだ。
即ち、これは、リアル友人を持たない者が圧倒的に不利ゲームであった。
そのため、このゲームは“リア充専用ゲーム”
“鬼神業痛”とまで呼ばれるようになった。
しかし、電子ゲーム雑誌『キュト通!』の記者コルセスカ女史は、それを批判する。
「“鬼神業痛”?片腹痛いですね。」
「このゲームの難易度は、大したことありません」
「最レアと言われる【ゴールデン・マロゾロンド】にしたところで、たった72時間、出現地点で継続して待機するだけで捕獲出来ますよ」
「【呪素遺伝子(ミーム・コード)】にしたところで、その待機中に他のプレイヤーとバトルしていれば、すぐにたまります」
「私など、この三日間だけで小学生の友人が100人は出来ましたよ!」
と、ゆらぎ市警察署の留置場で語った。
ちなみに、コルセスカ女史(職業:ゲームライター 年齢:自称永遠の17歳)は、ゆらぎ市立第二小学校の男子トイレに侵入、天井に張り付いて、新たな怪談“怪奇・天井ゲーム女”となっているところを発見された。
なお、逮捕当初は、性的ないたずらについても容疑がかけられていたが、駆けつけたクレアノーズ刑事のいやが…………取り調べによって、この容疑に関しては、完全に否定された。
以上、ゆらぎニュース7でした。
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なお、【キシン豪通】には、後日アップデートで【アールヴ】だけでの対話機能が追加され「リア充専用ゲーム」問題は、無事解決したのであった。
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記士が文脈を駆る行為を【記乗】という。
これは、記士が心身共に【世界記述(ワールド・コード)】に溶け込みつつ、歴史に影響を与える技術であり、記士の特異技能【記死感】の前提となっている。
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【あーるゔ】対話機能には脆弱性があり、
これを利用することで【あーるゔ】に複数の【キ神郷2】を操作させることができた。
リアル友人を持たない【キ神郷2】プレイヤーは、
みずから【あーるゔ】を複数体所持し一人芝居を行い続けるかわりに、
これを【あーるゔ】に代行させることで効率的に格を高めていった。
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【アールヴ】たちにもまた非リア充がおり、彼らもまた下位の【アールヴ】に一人芝居を代行させた。
この【孤アールヴ再帰演劇群体】は爆発的に成長しネットワークリソースを瞬く間に食い尽くした。
群体の成長はここに限界を迎えたかと思われたが、
第九シンギュラリティを超越したあらゆる【孤アールヴ再帰演劇群体】はそれぞれ独自に【架空ネットワークリソース】に発見し、
妄想的に成長を続けていった。
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【記乗空論】
記士への入門書にして奥義書
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一人前の記士として認められるには、記士の誓約【記承】を終えねばならない。
【記承】は、小さなバッヂに刻ざむべきものとされ、これを身につけた者は、記士として覚醒していると見なされるのだ。
【記乗空論】第三章・記士の儀礼より抜粋
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【記葉(きば)】
記乗している記士を指す。言葉と己とを一体とせよ。
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【キシンサッカー】とは、人工知能とサッカーを組み合わせた、全く新しいゲームである!
人工知能【キシン】の力を借りることで、運動神経に恵まれないキミでも、スーパーヒーローのような【キシンアーツ】を使ってサッカーを楽しむことが出来るのだ!
なお【キシンサッカー】は『イナズマイレブンシリーズ』、超次元サッカー、『幻想再起のアリュージョニスト』のラフディボールや風雲拳とは、一切関係が無いことを、ここに明記しておく。
●前回までのあらすじ
かつて、名ストライカーと呼ばれたコルセスカは、交通事故にあって、サッカーを辞めた。
しかし、【キシンGO3】そして、【プラチナ・アルセス】との出会いが、彼に新たな道を開いたのだ!
「オレは、この【プラチナ・アルセス】と一緒にサッカーをやる!」
*
汎芸音(パンゲオン)中学校で、どうにか、キシンサッカー部を設立したコルセスカ。
しかし、そこに陸紗魔(リクシャマー)中学校、そしてその母体であるクロウサーグループの魔の手が迫る!
「汎芸音中学校は、クロウサーグループに買い取られた」
「クロウサーでは、価値の無いもの、敗者は不要だ!」
「母校を、陸紗魔のキシンサッカー部に統合されたくないと言うのであれば、実力でその価値を示してみせろ!」
それが、陸紗魔の監督であるグレンデルヒ=ウォールストリートの言葉だった。
陸紗魔中学のキシンサッカー部との『親善試合』の結果で、汎芸音中学サッカー部の明日が決まる!
「陸紗魔のキシンサッカー部は、なんか違う…………」
「誰も楽しそうじゃないし、互いに傷つけあっている」
「本当の【キシンサッカー】は、もっと楽しいはずだ、みんなを幸せにしてくれるものなんだ!」
戦え、コルセスカ!
自分の信じる【キシンサッカー】を、そして、汎芸音キシンサッカー部の明日を守るために!
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【記葉戦(きばせん)】とは、【記葉】と【記葉】の戦いであり、
【記士】と一体化した歴史、エピソードや偉人同士の戦いでもある。
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『さよなら幻想再起(アリョージョニスト)先生』
とは、実在の人物・団体、久米田康治先生とMAEDAX、最近さん、および『ジョジョの奇妙な冒険』とは、全く関係の無いフィクションである。
これは、自殺願望を公言しているにも関わらず、実は生きる気マンマンの教師コルセスカと、ポジティブな赤髪緑眼の少女(PN:シナモリアキラ)そして「70.1」人の生徒たちによって繰り広げられる、社会正義学園ドラマである。
一見、安易なキャラ付け美少女ハーレムに見えるこの作品だが、最終回では、衝撃の真実が明かされた。
生徒全員に、巫女属性があることが判明したのである。
これによって、前述の見解は、見事に否定されたのであった。
●登場人物
コルセスカ:人として軸がぶれている教師。
中央線愛用者。
彼は、あらゆる物事を引喩(アリュージョン)で片付ける教師である。
ちなみに、名前を古代グラナリア語で横書きすると「アリュージョニスト」になる。
「絶望した!待ち系ヒロインやっている間に、前世に出番取られて絶望した!」
「待つヒロインは、報われないんですか!?」
・灼眼のシャナ
・ドラミちゃん映画で、婚約者全滅したうえに、残ったカカシにも逃げられた姫
・ゴドーを待ちながら
・べつに開けなくていい玉手箱を開けられて、置き去りにされた乙姫様
「というか、妹は、囚われている時もちび形態で出番あったのに、私だけそれナシって酷く無いですか!?」
「弁護士を、弁護士を呼んでください!」
「もしくは、私が自ら弁護をかけます『待った!!』」
赤髪の少女:女学生。
悪魔みたいな良い子でした。
PN(パーソナリティ/共有人格)はシナモリ・アキラ。
実は、パーツごとに分解されてリサイクルされてしまっていることが、最終回において判明した。
「70.1」の生徒の「.1」にあたる。
(まだ死んでないため「.1」)
ポジション的に、嘘予告のヒロシ(クレイ)と同一存在である。
「大丈夫、待ち系ヒロインは、今は出番が無くてもメインヒロインだから、後で盛り返せます!」
・眠り姫
・三年寝太郎
・旧ドラゴンボールアニメでは、なかなか来なかった悟空
・プレイヤーキャラが定着したピーチ姫とデイジー姫
・セリヌンティウス
・祭囃し編
・待ちガイル
・というか、出来ちゃった結婚からの玉の輿とか、ラプンツェルって、絶対待ち系ヒロインじゃないよね。
「先生が弁護士なら、私が判事をやりますね!」
「それに立法と最高裁も私が兼任します!これはお得!」
「それに、先生には、かわいい妹が居るから大丈夫ですよ!ちびなんて要りません!」
ラリスキャニア先生:隣のクラスの美女教師。
触手を活かして暗殺教室の先生をやっていたが、第一話から、衛星レーザーを撃ち込まれるハメになった。
ヤンデレに絡まれる役をやったのが、運の尽きである。
なお、被弾直後に転生して復活した。
「触手を活かして『暗殺教室』ネタで出たのは良いけど、先生キャラって、面倒見る生徒が居ないと活躍出来ないなぁ…………ここはおとなしく、不死鳥座の黒聖衣探しに戻りますか。どうせ本物は共感触手さんが入手内定してるんだろうし」
しかし、話はここで終わらない。
仮にもギャグ漫画が元ネタ(の一つ)である以上、オチが付かないと、このSSは終われないのだ!
SS作者「え?」
コルセスカ「安易にアリュージョンして、ネタを作ろうとした罰ですね」
シナモリ・アキラ(美少女アンドロイド)「というか、このSSは、間接的にも利潤を産まないから無価値だね!掲示板管理人さんの価値(かんだいさ)しか証明してないね!」
ラリスキャニア「まあ、そんなに心配しなくてもオチならすぐに来ますよ。ホラ」
その時、極めて唐突だが、舞台の底が抜けた。
素人SS書きが作った舞台は、あまりに安普請だったのだ。
せめて、もう少しネタを練って、短く終わらせるべきだった。
後悔先に立たず。
全てのものは、奈落へと落ちていく。
そう、それは「オチが無いというオチ」アリュージョンに失敗した創作者が落ちていく、無間地獄であった。
美少女アンドロイド「そして私は『考えるのを止めた!』というか、アリュージョンは、元ネタが凄すぎてこの程度じゃまるで追いつけてないね!」
ラリスキャニア「あ、終わりましたか。お疲れ様です。さて、次に役が貰えるのはいつになるかなぁ?まあ、しばらくは工場のバイトか」
コルセスカ「バッドエンドしかない遊び(ゲーム)なんて、私は認めません!『バイツァ・ダスト!』」
そして、始まりへ戻る。
完結して無い方の原作(もとねた)通り、無限ループからの脱出には、外部からの救出が必要なのであった。
つまり、更新待ちである(長い)
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ヨンドヴァナラウンドとは、何でもありの世界である
それは、私たちの世界である【猫の国】に似て非なるところ。
物陰には妖が住まい、ビルの谷間には、妖精や魔女が暮らす野原があり、日常と紙一重隔てた異空間では、異能者や聖騎士が火花を散らす。
長靴やコンドームが釣れる濁った海の底にも、怪獣が泳ぎ、竜宮城がそびえ立っている。
そして、大型ジェット機で、映画に飽きた幼子が見上げた空には、不可視化迷彩を解除した天空大陸が、ただ悠然と浮かんでいた。
ヨンドヴァナラウンドとは、そんな世界である。
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ヅアート英雄協会
二つの大陸の間にあるヅアート島に生まれた術者集団であり、「全世界英雄協会」の前身。
「英雄」の力を世界の共通財産とし、末永く人類社会を維持することを目指して発足した。
チャカ大陸北部広域と北大陸の一部を支配していた大帝国の崩壊により、
帝国によって行われていた封印事業が停止したため、各地で「霊的地下」からの怪物が顕現し始めたのが結成の切欠となった。
民族、宗教を越えて術者が集まり、新式英雄召喚などの新たな術を生み出し、事態の沈静化をはかった。
チャカ大陸、ルザナイ教系の英雄の召喚術式の編み出しにおいては、
表の世界に姿を再び現し始めていた七先駆派が深く関与したと言われる。
封印事業の再確立のあとは、封印の管理のほか、紛争の鎮圧にも参加することになるが、
その活動内容がバックについた列強の意図に左右されてのものであることは致し方の無い事であった。
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全世界心技体育競技大会
地球のあらゆる国と地域から集められたアスリートが様々な種目のスポーツで技を競う大会。
この大会でメダルを獲得することは、全アスリートの夢である。
後援団体に全世界英雄協会も名を連ねている。
メダリストのうち、希望者は選定の上で「英雄」認定を受けることができ、死後は万傑殿に霊魂を修める権利を得る。
万傑殿に霊魂を納められたアスリートは眠りにつき、必要時において英雄召喚によって招来される。
つまり、言わばコールドスリープ込みな擬似的な不老不死である。
これもまた人々を強く惹き付けている。
全世界英雄協会にとっても英雄の貴重な供給源であり、諸国のヒーローを常に迎え続ける事で世界の人々からの好感を得る効用もある。
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記士の一族、プラトニック家とミメーシス家は、それぞれ派閥を形成し、長きに渡り争い続けた。
その争いの跡である記跡(きせき)は【記譜】として、この時空間に「今」も残り続けている。
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フロート=ヴァザトニルは、新たに覚悟を決めなければならなかった。
彼の前に立ちはだかっているのは、間違いなく最強最悪の敵なのだから。
敵の名は、エアル・バクチュアル・オー
【奇紀改々】の異名を持つ最強の「記態」
それに対して、【最弱の記態】と言われ、ついには【記態外れ】とまで呼ばれたフィリスで、どこまで戦えるのか?
ヴァザトニルの心中は、不安で満ちていた。
確かに、いまやフィリスは【記装天鎧】(きそうてんがい)という異名を持つ戦術となった。
並大抵の記士であれば、この「記態」には、立ち向かうことが出来ず、ただ吹き散らされるだけであろう。
だが、オーと戦った名のある記士達も、同様の運命を辿ったのだ。
敵の実力は、決して侮れるものではない。
何より、オーとは【主なき記態】
全ての歴史、全ての意志ある生物の負の思念、死の欲動(デストルドー)の集合体。
悲しみ、怒り、諦め、絶望、そして世界の破壊と新たな創造を望む全ての意志が、一つに凝り固まった存在なのだ。
いわば【歴史全ての陰】
一度は「記流」を得て自信を取り戻したとはいえ、そんな相手に勝利を確信出来るほど、記士フロート=ヴァザトニルは傲慢では無かった。
だが、やらねばならないだろう。
どうあっても、挑まねばならない相手、戦わねばならない戦というのはあるものだ。
これまでの戦い、犠牲になった者たちを思い返し、ようやく覚悟を決めたヴァザトニルは、己の記承を大地に置き、立ちはだかるオーへと突き進んでいった。
己の「愛記」エル・ア・フィリスだけを、頼みとして。
後には「誰もが幸せな歴史を作る記士になる」という誓いが刻まれた彼の記承だけが残された。
それは、今もまだ主の帰りを待ち続けている。
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全世界英雄協会は英雄を人材として外部に派遣する。
あるときは文化振興のために、あるときは災害救助のために、
あるときは誰か、何かと戦うために。
活動において荒事も想定内であることは「七大理事」の面子からも明らかである。
英雄たちや職員が万邦連や各国の軍と行動を共にすることもある。
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傑作だったよ。
誰かがうっかり戻るボタンを押してしまうまで、それは確かにここにあったんだ。本当にね。
でも、もうない。消えてしまった。
私のような凡人にとって、あの完成度は奇跡だった。二度目はあるかって? 無いよ。再び記述する気にもならない。
怒りも悲しみも湧いてこない。ただ無力さだけがある。
あのファルヴァクスなら何と言うかな。何も言わないか。
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【ファルヴァクルスの幻想鍛冶】
失われた夢や幻想を鍛え上げる、伝説の鍛冶師。
「逃がした大魚」を龍に鍛え上げたり「なんかビッグな仕事」を、孤児院でのサンタクロースのボランティアに変えたりする。
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冒険家アルセスは【暗黒大陸エウロピア】の英雄。
そして、同時に罪人である。
彼は、文明国である【ユーラメリコン諸島】の出身であるにも関わらず、故郷に反逆し【暗黒大陸】を護った。
しかし、彼が愛した【暗黒大陸】の巫女キュトスは、【ユーラメリコン】を退けるために召喚した邪神の生け贄となって、死んでしまったのだ。
思わず激情に駆られ、邪神を傷つけたアルセスだったが、それは、犯してはならない罪であった。
アルセスは、死と流浪の呪いをかけられ【暗黒大陸】をさ迷うことになったのだ。
彼は、一年以内に、キュトスの生まれ変わりである71人の巫女を見つけ、罪を許されなければならない。
それに失敗するか、一つところに留まり続ければ、彼は、死ぬ。
アルセスは、キュトスを殺し、邪神を傷つけた呪われた槍を持って【暗黒大陸】を巡る旅に出なければならないのだ。
今、アルセスの冒険が、始まる。
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魔竜レーレンターク、魔法少女きゆら。
名前と言葉が乱れた時、彼らは降臨する。
名前と言葉の秩序を司るのが「魔」の法なのだ。
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しかし、その時、世界の揺らぎを守るため、きゆらとレーテンタークの前に立ちはだかった者がいた。
カオス系魔法少女、オレオレ=ノーセンス=トントロポロロンズである。
本来、秩序と混沌の間にただよう存在であり、世界の揺らぎを守るべき魔法少女きゆら。
だが、そんな彼女も、ヒーローを狂わせる【狂気電波】の影響を免れることは、出来なかったのだ。
彼女が、完全な秩序の守護者として覚醒し、竜レーレンタークと共に過剰な風紀活動を行い始めたのは、まさに、あらゆる者に対する災厄であった。
魔法少女を止められるのは、同じ魔法少女だけ。
全てのヒーローが狂気に走る今、きゆらと戦えるのは、暗黒空間での修行によって【狂気電波】の影響を免れた魔法少女オレオレだけなのだ!
彼女は、ひとまず初級呪文【薔薇は、いかなる名で呼んでも美しい】(ロミオ・ロミオ・ロミオ)を放ち、時間稼ぎを試みた。
出来れば、彼女ももっと強力で格好良い魔法を使って戦いたかった。
だが、これが今の彼女の限界であったのだ。
ソ・シュールだとか、後期ウィト・ゲンシュタインだとかの超高度な魔法は、ようやく非限定の魔法少女免許がとれたばかりの彼女に、使いこなせる代物ではなかったのだ。
ついでに言えば、レーレンタークと対抗するはずの彼女の使い魔は、泥棒猫リリットであり、しかも現時点で無断欠勤していた。
せめて、相棒がリリットではなく、かの白臥猫チルマフであったならば、彼の秘技【猫リセット】によって、全てを元通りになる希望を抱き続けることが出来たのに…………!
オレオレは、リリットのサバトラ柄を、魔法で花柄に変える妄想に少しの間浸っていたが、すぐに頭を切り替えた。
今は、戦いの最中なのだ。そう、自分の実力がどれだけ不足していたとしても、狂気の風紀委員と化したきゆらを止めねばならない!
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ごんりのようせいかたりていわく
ごではじまることばにつられて、ゴリラとゴリラとゴリラが襲来
圧倒的な握力と暴力が、呪術と魔法をねじ伏せる!!
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そんな凶暴なゴリラ?
正体はゴールデンジャイアントチンパンジーさ
ゴリラは森の賢者なのさ
森の暴君はゴールデンジャイアントチンパンジーさ
ゴリラがはじめてゴールデンジャイアントチンパンジーが終わらせる
それが自然の摂理……
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「ゴールデンジャイアントチンパンジーって、なにさーー!」
魔法少女オレオレは、叫んだ。
彼女は、既にゴリラ用の魔法を準備した後だったのだ。
【しりとり呪文連撃】由緒正しく、そこそこ威力があるうえに、初心者にも扱い易いという驚異の魔法である。
しかし、その「驚異の魔法」で、華麗に反撃出来るかもというオレオレの目論みは、脆くも崩れ去ったのだ。
オレオレが用意していた【しりとり呪文】は【雷撃波】
魔法少女学校から、卒業祝いにもらった「雷の呪符」でブーストした魔法で攻撃しつつ、次の【波動連砕】へと繋げるというナイスな(自己評価)計画だったのだ。
それなのに…………。
「ゴリラ」は最後の音が「ラ」であるから「雷鳴波」へ繋げられるが「ゴールデンジャイアントチンパンジー」の最後の音は「イ」もしくは「ジ」
どう転んでも「雷鳴波」には繋げられない。
ひとまず、魔法【いたちごっこ】で急場をしのいだオレオレであったが【いたちごっこ】は所詮【いたちごっこ】である。
拮抗する状況を演出することぐらいは出来るが、勝利するにも、逃亡するにも役者不足。
いや、この場合こそ、役不足と言うべきなのだろうか?
ともかく、オレオレは絶体絶命のピンチであった。
「雷の呪符」以外に、急場をしのげるアイテムは手持ちに無い。
今は、なんとか場をしのいでいる彼女の魔法にしても、そう遠くないうちにその効力は切れ、拮抗状況も必ずや破綻する。
夢と魔法が、野生の暴力によって押し切られるのだ。
そうなる前に、なんとかしないと…………。
だが、追い詰められた彼女の前に現れたのは、さらに悲惨な真実であった。
彼女の相棒、「泥棒猫リーリエ」が、彼女をあざ笑うかのように、やって来たのだ。
リーリエは、町中を必死に走り回るオレオレをよそに、呑気に宝石店やブティックで火事場泥棒を働いていたのだ。
仮にも、正義の味方である魔法少女の相棒が、なんたる恥知らずな振る舞いだろうか!
だが、魔法少女オレオレは、そんな恥知らずな振る舞いを見て、にっこりと、まさしく花のように微笑んだのだ。
それは、まさに魔法少女に相応しい微笑みであった。
まさか、追い詰められたオレオレも、悪の道に進んでしまったのか!?
それとも、もはや正気を無くして…………?
その答えは、次の瞬間には自然と知れた。
オレオレは、大きく両手を広げて「泥棒猫リーリエ」を抱き締め、
全力で、彼女をゴールデンジャイアントチンパンジーに投げつけたのだ。
【高級品を漁る泥棒猫アタック】
それは、【いたちごっこ】から繋がる、奇跡の一撃。
魔法少女オレオレ史上、最高の威力を持った【しりとり呪文】であった。
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人間とは、自身を記述する神話であり、物語である。その構造は、再帰的ではあるが、決して閉鎖的ではない。
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ある妖精が言った。この展開は映画で見たことがある、と。
貴金属を漁る動物。ありふれたテーマだが、それが類似しているなら同じだと結論するのが呪術というもの。たちまち言理の妖精たちは事象(イベント)に群がり、新たな仮説を検証しはじめる。
似ている。同じだ。同意。異議無し。類似。同じだよね。イコール。
だが、結論が出る直前に、魔法少女オレオレは動かぬ証拠を突きつける。証拠は書き込みのタイムスタンプだった。
えーと、例の新作映画の先行上映封切り日はいつだったか。タイムスタンプと見比べて、あっさり手のひらを返す妖精たち。すぐさま、因果は逆転し、真逆の結論が導き出される。
貴様、パロられているな?
その追認は予期せぬブーストスパイラルとなって、魔法少女オレオレの魔法を強化した。
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バトルとは、偉大なる無意味、会話のための空白である
自己に対するものを含め、会話が無ければ物語は進行しない
そして、意味を論じ関係がぶつかり合い変化する会話それ自体も、バトルのための空白なのだ
バトルは、世界を変える
それ自体で充足する意義、疎外無き存在など、この世には存在しない
あるとすれば、それは文字通り彼岸にしか無いであろう
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実のところ、強力なブーストスパイラルをかけられながらも、魔法少女オレオレは困惑していた。
知っている者は、みんな知っているが、魔法少女とパロディには、切っても切れない縁がある。
『パロディとは、魔法少女である』とまでは言えないが、その逆『魔法少女とはパロディである』となら(多少強弁のきらいはあるが)、言えてしまうのだ。
古来、スピンオフやパロディ出身の魔法少女は、多い。
魔法少女中興の祖、と言われる空と海の国の魔法少女でさえ、三匹のおともを連れた日本一のヒーローのパロディだと言えなくもないのだ。
現代では、やや珍しい古典派寄りの魔法少女であるオレオレ自身も、そうした傾向の例外ではない。
そもそも、さらにその点を追及すれば、魔法少女という存在自体も、魔女のパロディであると言えるのだ。そして、その魔女自体も、古代のシャーマンのパロディ的存在であり、そのシャーマンは、神の…………。
オレオレは、そこまで考えて、混迷する思考を振り切った。
今は、魔法少女学校の講義の時間ではない。
そして何より、魔法少女には、べつに自分のオリジナリティを守る義務も、パロディを使用しない制限も、存在しないのだ。
と言うより、夢と希望を守り届けるというその役割からいって、パロディは、魔法少女にとって、推奨されてしかるべきではないだろうか?
夢も希望も、オリジナリティがあるとは限らない。
むしろ、誰かのコピー、誰かに憧れて抱くものであることの方が、多い。
明るく楽しく、夢と希望を運ぶなら、パロディは不可欠…………とまでは言わなくとも、大事な友となり得るのではないだろうか?
オレオレは、そう反論しようとしたが、残念なことに、言理の妖精たちは、聞く耳を持たないようだった。そもそも、妖精たちには、パロディとパクリとオマージュの区別が、ついていなかった。
そんな彼女たちを納得させることは、不可能とは言わないまでも、非常に困難であることは、間違いなかった。
しかし、結局のところ、オレオレは、困難な説得を試みずに済んだ。
なぜなら、
「グキャキャキャキャキャ!」
「UKYYY!」
未だに生き残っていたゴールデンジャイアントチンパンジーたちが、妖精たちを強襲して吹き飛ばしたのだ。
どうやら、【泥棒猫アタック】は、基本的に単体攻撃であり、複数を一度に仕留めるには、難があるらしい。
オレオレは、その事実を心のメモ帳に書き留めると、これからのために、静かにつぶやいた。
「げんりのようせいがしんだー。このようせいごろしー」
返事がない。
どうやら、パロディにうるさい妖精たちは、ゴールデン(ry)によって、全滅させられたようだ。
そして、オレオレは、どさくさに紛れて『言理の妖精』の読みを変更しておいた。
これで少なくとも、ゴールデ(ry)は、もう現れまい。
オレオレは、ブーストスパイラルがかかった強化状態のまま、ゴール(ry)に向き合った。
次は、残った二匹を片付けよう!
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愛されるとは、反則(チート)であることだと思ってた
強く、唯一(ユニーク)で、特別であることだと思ってた
そう思っていた、あの頃の私は
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だって、すべては反則(チート)だった
外見、資産、能力、学力、芸術センスに、表現の才能
みんなみんな、反則(チート)で、わたしには、どれも、手が届かない
それは、私を押しつぶし、頭をうなだれさせる、何より確かな現実(リアル)だった
それは、私を自暴自棄にさせ、永続的な敗者に位置づけさせた
――――そう思ってた、あの頃は
だから、今から物語を語ろう
未来から遡り、今を語ろう
未来は、つねに、仮定の存在
塑行し続け、今を規定する
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『無限荒野(インフィニティ・フロンティア)』とは、コルセスカ@DEBAN MORE工房が製作したフリーゲーム。
いわゆる「わたしがかんがえたさいきょうのげーむ」である。
ゲームジャンルは、ローグライク開拓RPG
自力で移動出来ないヒロインを引き連れながら、荒野が広がる【外界】と異空間【浄界】にある孤島の二つの世界を開拓していくオープンワールド系RPGである。
開発責任者である「囚われていた美姫@退屈は死に至る病」氏が、急用で開発を中断してこそいるものの、現時点でほぼ完成しておりプレイに支障は無い。
このゲームの目的は、特に設定されていない。
序盤こそ「生存」という明確な目的があるものの、中盤以降は自由に行動が可能であり、エンディングの後もプレイの続行が可能である。
極力戦わずに、金と弁舌の力で平和を勝ち取っても良いし、勇者や傭兵団を支援しても良い。
世界の滅亡だけ防いで、寒村で暮らしても良いし、寒村を、巨大帝国や宇宙空母まで発展させても良い。
世界を滅ぼすのも、再生させるのも自由。
魔王になるのも、神を殺すのも、創造神に成り代わることさえ自由なのだ。
また、このゲームは、挑戦的な要素が多く含まれてはいるものの「飢え」の概念に加え、この作品独自のシステムである【キラメキ・ポイント】による時間制限があるため、オープンワールドであるにも関わらず、中盤まで自由に行動することが出来ない。
そのため、人によって大きく評価が分かれるゲームでもある。
ちなみに、RPGではあるが、バーチャルゲームでも無ければ剣技(ソードアート)も無い。
デスゲームでも無い、ただの遊びである。
なお、開発時の仮タイトルは『拾ったホームレスが、飽きっぽい美少女で、しかも女神だった件について』であった。
○メインキャラクター
・アルセス=レニグラード(初期設定/名前は変更可能)
主人公。
平凡な少年。
格差が激しく、容赦無く弱者が切り捨てられる街【豊満都市フーシェラ】に住む平民である。
両親とは、死別している。
ある日、痛い目を見ることを覚悟で、汚ならしいホームレスを拾う。
それは、自己満足という名目での正義感による行動であったため、それに対する見返りを期待してはいなかった。
しかし、彼は、奇跡を起こせる美少女を拾うという望外な見返りを得ることになる。
…………ただし、その美少女は、非常に飽きっぽいうえに、お尋ね者であった。
このキャラクターは、主人公でありながら本当に凡人であり、文武を問わず一切の才能を持たない。
そのため、基本的に強力な道具や工具を作ることで、戦闘や生活を行っていくことになる。
・ハルシャニア(初期設定/名前は変更可能)
ホームレス美少女。
飽きっぽいお尋ね者。
喋るリュックサック。
【退屈の呪詛】をかけられし女。
そして、女神の欠片。
プレイヤーたちからの通称は「春子」それに「フクロ子」や「島子」とも呼ばれる。
これは、後述の特殊能力によって、彼女がアイテム収納袋と、開拓地となる異空間への入口を兼ねるためである。
ヒロインであり、キーキャラクターでもある美少女。このゲームの目的そのものと言える存在である。
創世神の破片であるが【退屈の呪詛】と【能動停止の呪詛】をかけられており、退屈すると死ぬし、自分の意志で行動を起こすことも出来ない。
とはいえ、極めて呑気なため、呪いをかけられた本人には、悲壮感の欠片も無かったりする。
そんな彼女なので、傍目からは分かりにくいが、自分を助けてくれたアルセスには、結構恩義を感じているらしい。
能力は【浄界・いつか見た夢】と【クリエイション】
それ以外にも【キラメキ・ポイント】と集めた【キュトスの姉妹】次第で、多様な魔法や技能を扱うことが出来る。
しかし【キラメキ・ポイント】は、このゲームにおける生命線なので、そう安易に使うことは出来ない。
あなた(プレイヤー)が、どんな道を選んでも、彼女は、それを肯定するだろう。
…………たとえ、彼女を死に至らしめる選択であったとしても。
それこそが、世界の命運を左右できる【女神の欠片】としての、彼女の選択なのである。
ただし、もちろん選択によっては、彼女の呪いを解いたり、彼女と敵対することも可能なのである。
全ては、あなた(プレイヤー)の選択のままに。
-
○KEYWORD
・【キラメキポイント】
このゲームにおける万能リソース。
現在、ハルシャニアが感じているクオリアを数値化したポイント。
ゼロになると、ハルシャニアが死亡するため、彼女の命綱とも言える。
物資の創造、【神術】の使用、【浄界】を始めとするハルシャニアのアクティブな活動に使用するが、見返りが大きい使用法ほど、消費量が増大する。
ハルシャニアが、リラックスしたり、新鮮で珍しいモノやイベントに触れると増加するが、逆に、彼女がストレスを受けたり退屈すると減少する。
このゲームが「結婚体験ゲーム」「子育てゲー」と言われる由縁である。
減少度は、ゲーム難易度によって調整が可能である。
戦闘は、このポイントの収支にとって特殊な状況であり、基本的にポイントは減少するが、派手に戦ったり、資源を獲得することで、収支を黒字にすることも出来る。
【外界】
「フーシェラ」などが存在する世界であり、このゲームの主な舞台。
【女神キュトス】の死によって滅びに瀕しており、大地の恵みが日々失われつつある。
ぶっちゃけ、主人公が何らかの形で活力を復活させないと滅びる。
【女神キュトス】
かつて全能を誇っていたが【槍神】に倒された女神。
その欠片は【キュトスの姉妹】となって、世界中に散らばっている。
この女神は、復活させて世界再興の旗印にすることも、ラスボスとして倒すことも出来る。
【キュトスの姉妹】
ヒロイン、ハルシャニアを含む、何らかの特殊能力を持った女性たち。
【女神キュトス】の欠片である。
ハルシャニアの持つ【浄界】に、彼女たちを集めることで、ハルシャニアの能力を増強することが出来る。
別に、彼女たちを一切集めなくても、エンディングに進むことは出来る。
【浄○】
【女神キュトス】の欠片である【キュトスの姉妹】の持つ特殊能力。
女神の奇跡の欠片である。○には「眼」「炎」など、能力の大まかな特徴を表す単語が入る。
【浄界/いつか見た夢】
ハルシャニアの特殊能力。通称は「『胃』世界」「ハル胃」
ハルシャニアの体内に広がる、もう一つの世界である。
最初は、海に浮かぶ何もない孤島でしか無いが、中に【キュトスの姉妹】を集めたり【クリエイション】で色々作ることで、様々な設備や資源を「増築」出来る。
ただし、この世界の中に入っている間、ハルシャニアは基本的に無防備なので、それを補う投資や注意が必要不可欠である。
この能力は、鞄代わりに使うことも出来るが、主人公が精神的に吹っ切れる中盤までは、飲食物を収納することは出来ない、という制限がかかっている。
その真の姿は、新しい世界の雛型である。
この世界以外を滅ぼすも、この世界によって【外世界】を塗り潰すも、すべては主人公の自由である。
【クリエイション】
ものづくり。
トイレットペーパー(ハードモード限定)から、機動要塞まで、何でも作ることが出来る。
ただし、高度な製品は、大量に【キラメキ・ポイント】を消費するため、部品や材料だけ作って、職人に完成させたり、主人公が組み立てる方が割安である。「転移扉」「天空城」「万能工場」「冒険者ギルド本部」「女神神殿」あたりを建造すると、後はもう資源の獲得にあくせくしなくて済むようになる。
ノーマルモード以上の難易度では、主人公に様々な技能を覚えさせる【技能書】を製作することが出来る。
【槍神の槍】
主人公アルセスが、故郷の外へ出て、最初に見つけた武器。
実は伝説の【槍神】が【女神キュトス】を殺すのに使った武器なのだが、今は最弱のボロい槍でしかない。
プレイヤーのプレイスタイルによって、物干し竿になったり、釣りざおになったり、普通に捨てられたりする。
なお、売値は銅貨3枚で、馬のフンより安い。
【槍神教団】
【槍神】を信仰する教団。
偽者の救世主を戴く一派と、真の【槍神】の生まれ変わりを探そうとする一派に分かれて対立している。
主人公によって、乗っとり可能。
【魔教】
破滅的なカルト教団。
【外界】でメジャーなザコ敵、モヒカンの上位存在。乗っとり可能。
【北方帝国】
【外界】の復興のため、ハルシャニアを狙う強国。
この国の傘下に入るルートでは、ハルシャニアは、資源生産炉に改造され、永久に幽閉されることなる。
【グレンデルヒ大商会】
滅亡した偉大なる王国【ハイデル・マリク】の継承者を自称する大商人【グレンデルヒ=A=ゴールデンキング】が経営する商会。
規模は大きいが、人材には恵まれていないらしい。
この商会も、利用するも潰すも自由である。
なお、このゲームのスポンサーもグレンデルヒ氏であるため、この抜擢は、氏の意向であるものと思われる。
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戦いの最中、魔法少女オレオレは奇怪なモノを目撃した。
いや、現在オレオレに襲いかかっているゴールデンなチンパンジーも、十分に奇怪な存在ではあったが、彼女が目撃したのはそちらてはない。
彼女が目撃したのは怒り、怒りに満ちた表情であった。
怒りの表情など、別に珍しくもないと思われるだろうか?
だが、オレオレが目撃したのは『怒りの表情』だけであった。
その表情が、当然引き連れているはずの顔や身体は全く見当たらず『怒りの表情』だけが、宙に浮いているのだ。
オレオレは、戦いの最中にも関わらず、不可思議な光景に首をひねった。
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だが、オレオレがチンパンジーの攻撃を回避している間に、その『怒りの表情』にも変化が訪れた。
『表情』の後ろに、その『表情』が浮かぶ『顔』が現れたのだ。
ひたすら回避に専念するオレオレが、注視する間に『顔』は、毛深くなり、三角形の耳が生え、ついには長いヒゲまで加わった。
ここまで来れば、オレオレにも顔の正体の判別がついた。
アレは、有名な幻獣である。
エドガー・アラン・ポーが、その壁抜けの性質を記し、ルイス・キャロルが、首を斬れぬ不可思議な存在と定義し、村上春樹が、その存在の消失から長い探求の旅路(クロニクル)を始めた存在。
つまりは、猫である。
そう、魔法少女オレオレが【高級店を漁る泥棒猫アタック】に使用した、魔法少女協会が公認する彼女の相棒。
前科十三犯の小悪党【泥棒猫リーリエ】が、戦場に復帰してきたのだ。
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【リールエルバ】は『パンが食べられなければ、血液パックを買えば良いじゃない』の迷言で有名であり、また、夜な夜な全裸パーティーを開催したとして【淫蕩女王】の異名を持つ。
しかし、近年新たに見つかった資料によって、知られざる彼女の一面が明らかとなった。
彼女は、側近である二十日鼠族の騎士と共に、密かに孤児院を慰問に訪れていた。
そして、さらに、自費で孤児たちに沢山のプレゼントを贈っていたのだ。
真冬の最中に、全員全裸で。
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サイバーカラテ商店街の奇跡『第一話 人生は、ゲームだ』
字幕責任者:エトラメトメラン
ナレーション:森本=レオ=ウィンナー
(勇壮なBGM)
ナレーション:ここに、一冊のノートがある。
中には、何が書かれるのか、まだ誰にも分からない。
あるいは、それは今にも潰れそうな商店街で、必死に故郷を守ろうとしている、一人の男の帳簿になるかもしれないし、
真っ赤な帳簿を前に、うなだれている男が、画面に映る
ナレーション:あるいは、それは、講義の最中でも、真っ白な大学ノートになるかもしれない
階段教室の机の上に開かれた真っ白なノート
遠景に、講義中らしい女性の後ろ姿
ナレーション:なんにせよ、このノートの中身は、今はまだ白いままだ。
そう、それは私たちの未来のように
この物語は、二冊のノートから始まる。
この二冊には、そのどちらにも、もう沢山の中身が詰まっているが、ノートの持ち主の未来は
そう、白紙のままだ
背中に、風呂敷包みを抱えた先ほどの男の姿が写る。
男の目の前にある門には【ゆらぎ大学】と書かれている。
男は、一度だけ目の前にそびえる大学の建物を見上げると、何か覚悟を決めたように、迷わず門をくぐっていった。
※この番組は、サイバーカラテ道場有志(右から三つ目の首)、全国アンドロイド同好会、トリシューラは美女アンドロイドしか認めないさん、そして、匿名希望の猫耳少年さんの提供で、お送りします。
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ここは、ゆらぎ大学の教室である。
水色の髪の女性講師コルセスカは、ここで立て板に水を流すように、勢い良く話し続けていた。
「つまり、無償での商品の提供が、市場全体における価値を零落させるというのは、あくまで市場全体のモラリティが極端に低下した『互酬性』が存在しない場合だけの話であって、全てのケースに当てはまるわけではありません」
「経済にとって本当に重要なのものは、市場全体におけるお金の流れ『循環』です」
「個々の商品に定められる価値やそれから上がる利益ではないのです」
「今、巷で話題になっている『絵本E』のように、サービスや物資が一時的に無償で提供されたとしても、それが結果として新たな需要と市場を産み出し、貨幣の『循環』をもたらすのであれば、それは最終的に『資本主義を活性化させる』ものである、と定義することが出来るのです」
「ただし、それはあくまで全てが上手く繋がった場合の話であり、今回のエヌ氏の行為が、確実にそうした結果をもたらすわけではありません」
「例えば、閲覧無料のWEB小説の更新が、その作家や、出版業界全体にどれだけの『活性化』をもたらすかというのは、未だに未知数であると言わざるを得ません」
「確かに、有償である経済の『循環』は、無償の、貨幣を伴わない儀礼や相互の承認、感情の交流に支えられています」
「ですが、逆に言えば、そうした交流を形成しなければ、それは経済的な価値を産み出さず、有償の『循環』にダメージを与えるというのも、また事実なのです」
「ですから、閲覧無料のWEB小説が更新されたとしても、その閲覧環境が、作者に感想というリターンが返らなかったり、コミュニケートしづらい長文感想がたまにあるだけの環境であるならば(プライベートや有償の仕事を持つ)作者に更新を頻繁に継続することを要求するのは、はっきり言って傲慢であり…………」
彼女は、学生たちから人気があるが、その講義は、良く脱線する。
「よく『人生は、クソゲー』などという人が居ますが、私に言わせれば、これほど雑な定義はありません」
コルセスカは『経世済民』『返礼の義務』『試食コーナー』『循環を活性化するやりとり』『無償の動機付けによる有償の交換への誘い水』などと書かれた黒板に、また新たな文字を書き加えた。
『人生は、クソゲー』
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続けて、コルセスカは、その書き加えた文字を大きなバツで消して、話を続けた。
「人生は、確かに不公平です」
「しかし、それでも、いや、それだからこそ予想も出来ないパワーや、魅力に満ち溢れているのです!」
「人生は、単に『クソゲー』と見なして、その魅力を見失うべきものではありません!」
「どんな人生も、それぞれかけがえの無い価値を持っているのです!」
「そう、ですから正しくは、こう例えるべきです」
そう言うとコルセスカは、先ほどバツをつけた文を完全に消し、そこに新たな文を書き加えた。
そして、それを高らかに謳い上げたのだ。
「『人生は、デス様!』」
「人生とは、かの迷作『デスクリムゾン』のように、『様付け』で敬意を払うべきもの!」
「どんな仕様(うまれ)であろうと、どんな運命(シナリオ)であろうと『せっかくだから』と受け入れて挑んでいく挑戦心こそが、ワースト・ワンのゲームをオンリー・ワンへと変えるものなのデス!」
続けて、コルセスカは、学生たちに復唱を迫った。
「さあ、復唱して下さい『人生は、デス様!』」
激しく戸惑いながらも、学生たちは復唱した
「『人生は、デス様』」
だが、コルセスカは、まだ止まらない。
「声が小さぁい!さあもう一度!」
「『人生は、デス様!』」
「もう一回!」
「『人生は、デス様!!!』」
この、自己啓発セミナーめいた絶叫大会は、その後30分に渡って続けられ、コルセスカを『ある依頼』のために呼び出しに来た理事長によって止められるまで、終わることは無かったのだ。
それは、さながら数値参照先を見失い、バグってしまったゲームのようであったという。
-
ナレーション:妹の残したゲームである、お着替えコーデRPG【ミラクルシューラネキ】をプレイしながら、昔のことを思い出すコルセスカ。
彼女の妹は、行方不明だった。
コルセスカは、幼い頃、妹と一緒に書いて遊んだアイディアノートを取り出し、昔に思いをしのばせるのであった。
「サイボーグ技術によって、全ての人が満ち足りた、活気のある生活を営むことが出来る未来…………昔は、あなたと良くそんな空想をしましたね」
だが、妹はもう居ない。
回想を打ち切って、日常の雑務に戻ろうとしたコルセスカだったが、それを許さない者が居た。
「コルセスカ先生!もう一度、もう一度だけ話を聞いていただきたいのです!」
それは、寂れた商店街の立て直しを、ゆらぎ大学に依頼しに来た男、橋本七助であった。
彼は、遠い親戚である大学の理事長を頼って来たものの、理事長には、まともに相手にされていなかった。
彼が唯一頼れるのは、理事長からこの件を押し付けられた大学の問題講師、そう、コルセスカだけだったのだ。
「帰って下さい。私には、そんな力はありません」
七助に、押し付けられた商店街の現状を示すノートを突き返し、彼を冷たく追い返したコルセスカであったが…………。
「そう、昔は貴女とこのノートにさまざまな夢想を書き綴りましたね。商店街の赤字や町おこし企画の失敗について…………って、あれ!?このノートは!!」
妹との思い出のノートは、先ほど揉めた時に、七助によって取り違えられてしまっていたのだ。
大事なノートを取り返すため、コルセスカは、仕方無く商店街を訪れることになったのであった。
(Bパートへ続く)
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私が欲すは、矛盾ばかり
他人と同じで、私だけの栄光、それは夢
誰より人を押し退けて、誰より人に讚美されるもの、それは才能(つよさ)
人から抜きん出て、人に愛される素養、それは美
そして、愛
何より、私自身が、既に矛盾に満ちていた。
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尽きぬ富だけが、欲しかった
それは、両手から溢れ出す財宝
どれだけ世間が変わっても、決して変わること無き価値
例えば、それは、永遠の猶予、無限の可能性の保証(モラトリアム)
選択しなければ、決定しなければ、『自由』が制約されることが無ければ
それだけで、いつまでも幸いを約束してくれるはずのもの
過去を恨む無数の嘆きが、私の特権を保証する
今では、ありえぬ貴族を立てる
あるいは、それは、『郊外の一戸建て』
それは、『値上がり確実の株』
それは、『シンデレラ・ストーリー』
それは、『エスカレータ式の一流校』
それは、ワタシにシアワセを確約してくれるもの
あらゆる価値基準(てんびん)を打ち壊し、選ぶ苦痛を無くすもの
それだけが、私の求めるものだった
選ばぬことが、失わぬことが、有り得ぬ富の幻想だけが
私の不安を消し去ったのだ
ずっとずっと、そうだったのに…………
-
閉ざされたシャッター。
不気味で無愛想な、老婆の『看板娘』
ノートを取り返すべく、コルセスカが訪れた商店街は、寂れきっていた。
コルセスカは、橋本のような熱意溢れる住民を避けるため、物陰に隠れながら商店街に潜入した。
「この段ボールに隠れましょう。完璧なカモフラージュです」
しかし、ちょうど開催されていた会合を覗き見る限り、意外にも、商店街の住民は、自分たちの街の復興にかなり非協力的なようであった。
そこでは、コルセスカに強烈なアプローチをかけていた男、橋本七助が、住民か集中的な非難を浴びていた。
住民に責められる橋本が、あまりに可哀想になったコルセスカは、会合に割って入った。
しかし、彼女に返ってきたのは、冷たい反応だけであった。
彼らは、もう何度も商店街の復興のため、『専門家』を自称する者たちを雇い、その度に騙されてきたのだ。
街の空気は、冷えきっていた。
当初の意図に反し、商店街の復興に関わってしまったコルセスカ。
彼女は、これからどうするのであろうか?
(第2話へ続く)
-
(爽やかな金管楽器のBGM)
ナレーション:ふとしたことから、寂れた商店街の復興に関わることになった大学の問題講師、コルセスカ。
彼女が、そこで出会ったのは
期待することに疲れた住民と
復興の熱意溢れる男、橋本七助
そして
小学校から引きこもりを続ける、彼の息子であった。ドアの外から息子が出てくることを、待ち続ける七助
彼のその姿に、行方不明の妹を待つ自分を重ねたコルセスカは、ついに、商店街復興のため、本格的に動き出すのであった。
希望を無くした商店街の住民を励ますため、声張り上げるコルセスカ。
「そう、この商店街を、大人のための『仕事テーマパーク』に作り替えるのです!」
コルセスカは、言葉を続ける。
「名付けて、『サイバーカラテ商店街』計画です!」
「引きこもりは、ゲームを通じて社会復帰出来て」
「疲れた社会人は、この町でお店をレンタルしてリフレッシュしたり、独立の準備が出来ます」
「そして、彼らをこの【サイバーカラテ商店街】アプリが結びつけるのです」
「このアプリには、他のユーザーのステータスを【鑑定】する機能があります。これで他人に自分のステータスを調べてもらわなければ、どのプレイヤーも、自分の詳細なステータスを把握することが出来ません」
「これを用いて、ユーザーたちは、お互いを【鑑定】し、レベルを高めていくのです!」
「『問題(クエスト)』とは、誰かにクリアしてもらうものではありません」
「自分の『人生(ゲーム)』は、仲間を集め、『経験(レベル)』を上げて、自分の力で『解決(クリア)』するものです!」
「『リセットボタン』には、まだ早い」
「プレイヤー(あなた)が諦めない限り、『人生(ゲーム)』はまだ続けられるのですから」
次回、サイバーカラテ商店街第二話『主人公(プレイヤー)は、貴方だ』
【つづく】
※このドラマはフィクションであり、実在の人物、団体、『幻想再帰のアリュージョニスト』の作者である最近さん、コルセスカ、現・トリシューラおよび、元トリシューラとは、今のところ、あまり関係はありません。
-
物語は『もう一つの人生』『人生の補完物』として機能する。
しかし、物語の創造や普及に一生を捧げる者はともかく、それ以外の者には、きっと必要だろう。
自分自身だけの物語、人生を生きていくことが。
それは、一人だけの力によって成せるものでもないが、その人生を生きる当人にしか出来ないことだ。
――――だが、我々の社会は、我々の時代は、それを、十分に支援することが出来ているのだろうか?
確かに、我々の時代には、素晴らしい物語は存在する。
しかし、素晴らしい人生を、子供や同胞に歩ませるための、哲学や心配りは、十分に存在するのだろうか?
地位や学歴、財産の問題ではない。
人間が人間として成熟し、人間らしい社会を築き、そして、次代に受け継がせていく。
そうした、人間の営みを、私たちは十分に持っているのだろうか?
-
『黄金倫理圏』をはじめとする五つの過激派集団の出現は世界を大きく変えた。
被召芯の製造技術は拡散を続け、他の宗派、宗教でも彼等と同じ試みを用いる者達が現れ、そこに英雄たちが流入した。
現れたのは宗教に基づいて動く英雄ばかりではなかった。君主である英雄はふたたび自身を玉座につけようと
各国の民族主義集団と合流し、ナショナリズムを扇動する。
これらの共通点は「保守的」であるということ。
強力な英雄は「保守的」と呼ばれる思考が「普通」であった時代の申し子たちであった。
彼らの「本音」が「現代的」な人々にとっては総じて「保守的」どころか「狂信的」」「時代遅れ」であるのも当然であった。
「離反した英雄に釣られて煽られるような連中は『英雄物語』の登場人物になったつもりなのか。
あの英雄たちが家臣を、国民を、どう扱ったのか知らないわけでもあるまいに……」
「きっと、われわれ全世界英雄協会の活動が、その印象を弱めてしまったのです」
-
神々に挑んだ魔物【クリアエンド】
種族はダンジョンコア
魔物が神に勝てるわけがないので当然滅ぼされた。
何かを達成した際のクリアという単語はクリアエンドの名が由来
-
クリアエンドは7体の化け物とあらゆる種の魔物を率いて神々に戦いを挑んだ
しかし魔物と神という相性の悪さゆえに一柱の神も倒せずに敗れた
クリアエンドに所属していた魔物は皆殺しにされ、生き残った者はいなかったという
-
クリアエンドの元帥の数が何故7体なのか
7という数字に何の意味があるのか
そこに魔術的、呪術的な意味はあるのか
答えは単純である
単なる編成として扱いやすい数が7体だったというだけの話だ
指揮者が一体
前衛が一体、盾役が一体
遊撃手が一体
砲台役が一体、後方支援が一体
高次元魔術、呪術戦担当者が一体
冒険者のパーティと同じ理屈である
-
神に挑んだ魔物と
その魔物に挑んだ攻略者たちの神話にして英雄譚
無論結末は既に確定している
魔物に敗れた神の神話など存在せず
人が魔物を討ち破る物語を英雄譚と呼ぶのだから
-
クリアエンドの遺体ともいえる迷宮は今なお現存している
本体の死を迎えても迷宮は神殺しを挑み続けるが、
永久にそれが達成することはないだろう
-
『キシンサッカー・ストライカーズ』は、フィクションであり『イナズマイレブンシリーズ』『ロックマンエグゼ』『ペルソナシリーズ』そして『幻想再起のアリュージョニスト』とは、あまり関係がありません。
ご了承下さい。
『キシンサッカー劇場版 ロボコルセスカの反乱』
*
柔らかな足が、ボールを踏みつけた。
そして、何度もこね回した。
まるで、そのボールが、蕎麦の生地ででもあるかのように。
足は、しばらくそうしてボールをこね回した後、ふと何か用事を思い出したかのようにボールから持ち上がり、一気に踏みつけた。
それは、無造作で、自然な動作であった。
強く踏みつけられたボールは、ひとたまりも無く、割れた。
ポン、という軽い音と、ぼろ切れだけが、割れたボールを偲ぶわずかな忘れ形見であった。
そして、その音は続けざまに響いた。
足の持ち主、赤髪の少年が、次々とボールを踏み割ったのだ。
彼の足元を見ると、どうやら、グラウンド地下に、ボールを供給する設備があるようだった。
一つのボールが踏み割られる度に、地下から新たなボールがせり上がってくるので、少年は、いつまでもボールを割り続けることが、出来るのだ。
「やめろ!」
コルセスカは、悲鳴のような叫びをあげた。
「別に良いじゃないか。」
赤髪の少年、先ほどその正体がバレたばかりの【ロボコルセスカ】は、それを受け流して、気軽にささやいた。
ボールに足を乗せ
「これは、コモデティフォレスト=クリスタル社の代表的な製品であるアクィラボール」
持ち上げ、
「このボールは、量産品だ投影補助用具」
そのまま宙に足を置き
「踏みつけられて、コイツも喜んでるさ」
そして、一気に降り降ろした。
だが、
「ボールは、友達だ!」
赤毛の少年が踏み割ろうとしたボールを、コルセスカは、叫びと共に、脚で奪い取ったのだ。
そして、
「『プラスル!』シュートだ!」
と、相棒の【キシン】に呼びかけた。
赤毛の少年は、ボールを奪い返そうと笑みを浮かべながら近寄っていたが、そのシュートを阻止することは出来なかった。
少年が動く前に、コルセスカの呼びかけによって拡張現実(AR)の小人が現れ、彼と共にシュートを放ったからだ。
ボールは、金色の輝きを纏いながら飛び、ゆっくりとゴールに墜落した。
既に起動していた判定システムは、それに対して機械的にコルセスカに一点を与えた。
しかし、その勝利を喜ぶ者は、誰もいなかった。
それでも、赤毛の少年は、皮肉げな笑みを浮かべながら、コルセスカを讃えた
「おめでとう。これで、キミもボクと変わらないことが証明されたね」
「なにを!」
コルセスカは、憤激した。だが、
「キミも『友達』を足蹴にするだけじゃないか」
続く、少年の言葉に、コルセスカは、何も言い返す事が出来なかった。
-
クリアエンド七元帥の一覧
・リディラヴィヤガソルディル
『厄闇姫』『喰変貴種』『災魔の合挽』
厄闇神ヤァクダァク、喰魔獣モルゾワーネスと関連あり?
食いしん坊
ヌシオさんからスィートポニーを貰う
リディ日記で自分をこどもだと記述してるため多分ロリ
・ジュヒーフィン
リディラヴィヤガソルディルから先生と呼ばれている
教育係?
リディ日記時点ではおそらくリディラヴィヤガソルディルより格上
「すごく数のするどいトゲトゲ」を所持
笑顔が気持ち悪い
・ジェフさま
本名が長い。ジェフは愛称?
体がぼこぼこした巨大な何か
黄色の汁(膿?粘液?)を流す
おそらくジュヒーフィンよりも格上の存在
・ミィス
クリアエンドの気温を1203℃まで上げる
クリアエンドの地形ダメージ要員?
あるいは天候要員?
火属性っぽい
ジャシィテュヒリードゥと争っている
・ジャシィテュヒリードゥ
クリアエンドの気温を-196℃まで下げる
クリアエンドの地形ダメージ要員?その2
兼天候要員?その2
多分氷属性
ミィスと争っている
・ヌシオさん
謎の存在
偏在してる?
リディラヴィヤガソルディルにスィートポニー与える
・不明
うねうね?
リディラヴィヤガソルディルに食べ物として認識されていたためそんなに強くない?
単なるダンジョン内のオブジェクトか何かなだけで元帥では無い可能性が高い
クリアエンドが猛威を奮ったのは古ガロアンディアンの時代
多民族の融和を訴えていたガロアンディアンは殺戮と侵食を繰り返すクリアエンドの存在により周辺諸国から魔物に従う裏切り者と認識され政治的・経済的に孤立することになる
-
クリアエンドを造ったのは飛来神群
翼持つ者クロウサーが飛来神群の因子を使って異獣を進化させようと研究していたのがクリアエンドの原点
ゼオート神群との戦いでヴィジターの敗色が濃厚になったため研究プラントを廃棄した際に、奇跡的に生き残った一基の異獣用孵化器こそがクリアエンドの正体
AIを有していたクリアエンドは当時自らの中にいた七体を育てるために機能を拡張し続けた
そして永い年月の果てに邪神の因子を備えた七体の化け物を完成させ、理想的な環境として膨大な超広域迷宮を生み出したクリアエンドは、その果てに人間社会を…否、神々をも内部に取り込もうとし始めた
何か凄い生き物がいる思ってボケーと数百年単位で眺めてたゼオート神群はちょっと平和ボケし過ぎである
-
夢見るものは、往々にしてそれだけで満足してしまいがちである。
しかし、「新しい視界を持たなければ、新しいセカイには行けない」という言葉もある。
夢を見ることは、矛盾に満ちている。
それは、丁度人生のようだ。
-
オルテガ通商連合ギルド総帥セバスチャン・エメリックは言った。
「まつろわざる英雄も地獄の住人も待ってはくれないんですよ。
我々が迅速に動けなかったら失われた人命は、どれほどあるのでしょうね?
億に達しても驚くに値しませんな」
「大公様より貸して頂いている通商軍にはまず速さが必要なのです。
我々は領主である大公様の顔に泥を塗るわけにはいかないのです。
もっと速く。もっと早く、そのためには資材も人材もまだ足りません」
「ディラー・ホワイト氏ほど命をかけて世界の為に戦っている者が、いましょうか?
英雄と言う生き物はですね、大悪魔やら魔神という生き物はですね、部隊の深奥にいる司令官すら単騎で殺しに来れるのですよ。」
-
大都会のドブ川で、鈍色のドラゴンを見た
「そんな目をするなよ」
そう言ったら
くるりと宙返りをして
水底に潜って消えた
-
自己の心身と霊魂を変容させ、「この世界に存在しない種族」の形に
落とし込む事で、この世界の魔法や異能のルールの対象外に自己を置く、という高等技術が存在する。
しかし一歩間違えば、自己そのものが「この世のもの」ではなくなる。
つまり「この世から除外される」危険がある。
-
刺激が欲しい
果てが欲しい
冒険が欲しい
物語が欲しい
中身が虚ろだから、ルールブックと成功例を求める
中身が虚ろだから、何にでも逆らう
中身が虚ろだから、本当にやりたいことがない
そして、中身が虚ろだから、新しい何かを詰め込める
これから先へ、進んでいける
-
・身ぶりとは、身分の表徴である。
それは、身体を規定する「動き」であり、再生産される階級であるといえる。
具体的な例としては「テーブルマナー」による階級上昇の抑止が挙げられるだろう。
マナーというのは、ディレッタントのおもちゃではなく、区分をもたらす実利的なものなのだ。
その拘束は、絶対的なものであり、階級のある社会に生まれついた時点で、逃れることは出来ない。
たとえば、身ぶりを複写出来る機械のようなものでも出現しない限り、身ぶりによる階級の規定から逃れることは難しいだろう。
だが、そんなものは、まず間違いなく実現することはない。
なぜなら、身ぶりを複写する機械というのは、すなわち「人間を操る機械」でもあるからである。
人間が、機械に主体性を奪われることを恐れるかぎり「フランケンシュタイン・コンプレックス」を持ち続けるかぎり、そうした機械が出現することはないであろう。
もっとも「人間の主体性」という概念自体が、近年では疑われつつあるのだが。
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セカイに赦されていると感じていれば、人は自由になれる。
自己を解放することが出来る。
しかし、人が自分らしくあるためには、どれだけの赦しが必要になるのだろうか?
そして誰が『自分らしくあってはいけない』と禁じているというのだろうか?
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千年聖戦最末期、その時代にはオルテガ通商連合ギルド加盟のプラチナ会員企業同士の対立が深まっていた。
教王庁の信徒の多い国々、反教王庁同名の国々、それぞれに企業は援助を行った。
それ自体が国家に等しい力を持つプラチナ会員企業の援助のもと、両社の闘争は苛烈さを増した。
交えられた砲火の中には禁呪指定の魔法や大量破壊兵器もふんだんに盛り込まれた。
のちに「抑止力の撃ち合い」と評される大威力のぶつけ合い。それにより中央大陸の地下を巡る地脈と霊脈も甚大な影響を受けた。
地脈と霊脈の変動は大陸全体の食料や資源にも影響を及ぼす。
不作と豊作が無秩序に発生し、あるところで汲み上げ魔力資源が枯れたかと思えば、別の場所で火柱のように吹き上がる。
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全智全能の神こそ、誰よりも愛することが出来ないもの
そして、愛されることが出来ないものだ。
果てが無い存在を、一体どうすれば愛することが出来ると言うのだろう?
自在に自他を変容させうるなら、それは結局誰とも向き合えないのと同じことだ
形が無く、相手の意志さえ保証しない存在の前では、自由意志たる愛は存在出来ない。
それとも、全能の存在は、全能であると同時に「全能では無い」ことを矛盾無く両立出来るのだろうか?
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夜の町で、妖精を見た
コンビニの野菜売り場で、ダイコンにとまってた
デカイ足音がして、振り向くと
けばけばしいオレンジ色のおばさん
すごい勢いですれ違う
ふと見れば、オレンジの背中にも虫の羽根
もしや、アレも妖精なのか?
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「夜の町をたむろするような妖精は、妖精ではありません!」
「じゃあなんなんよ」
「妖怪です。百鬼夜行というのは夜の街をたむろする彼らの堕落した慣習の現れなのです」
「でも座敷童とかは夜の街に行かないでしょ」
「来てますよ」
「えっ」
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「そこのバーで、オレンジジュースを飲んでいるのがそれですね。話によると、先の大戦が終わった後に引っ越して来たとか」
「マジか…………」
「ええ、大マジです。ちなみに、彼は『グチしか言わない人』の幸運を奪い取って、別の人に渡す能力を持つそうですよ。今まで、800人は、その能力で破滅させてきたとか」
「なにそれこわい」
「まあ、『グチしか言わない人』を破滅させるぶん『他人を誉める人』には、幸運をもたらすらしいので、全体的な収支としては、問題無いのでしょう」
「幸運を奪われるのは、問題以外のナニモノでもないと思うのですが」
「まあ、それはさておき、ここで提案があります!」
「え、なんですか?」
「これから一緒に、飲みにいきませんか?もちろん、あのバーで」
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とある路地裏に、座敷童が集まるバーがあるという。
理由はともあれ運を扱いやすい場となっており、
運の移動に一役買っているそうな。
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「さいから屋」もしくは「アマチュア・サイカラリストの乱」は、非合法の店舗の集合体である。
彼女たちは、「野図・悪」とかいう船をどさくさに紛れてのっとり、自分たちの理想の国作りを、ひいては、理想の生き方をしようとした素人の集団であった。
彼女たちは、のっとった船の上に、屋台を開き、劇場を作り、集合住宅を作った。
そして、様々な不用品をもちより「先代女王の像」を作って、それを旗印に、自分たちの国を作り始めたのだ。
その「王国」は、野放図の上に野放図を重ねて出来あがっていた。
「王国」の象徴である教典は、チラシや不要なコピー用紙によって偽造され、大量に量産された。
王国を破滅させるとされる幻影の剣は、常に彼らを追っていたが、不規則かつ高速で移動し続ける彼女たちに、追いつけるわけもなかった。
ついには、彼女たちは、先代女王が健在なら、けっして許さなかったであろうことにも、手を出し始めた。
彼女たちは、賃金を払う余裕もないのに人を雇い、家賃を値切り、借金を踏み倒した。
そして、信用がはっきりしない地域通貨を流通させ、不用品を無料で修理して共有した。
彼女たちの行動は、いきあたりばったりであり、採算性の欠片も無かった
さらには、彼女たちはそれらの無軌道な行為を、勝手に作り上げた「先代女王の像」を神輿にかついで行ったのだ。
要するに、彼女たちは、単なるタチの悪い素人の集団であった。
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TRPG『ゆらぎ神話大系 エマジェンシング・ワールド』
【紀神・マロゾロンド】の信仰魔法一覧
LV1触手捕縛
虫除け
LV3サイレンス
触手会話
LV5影転移
槍貸与
もっと触手会話
LV6もっともっと触手会話
LV7触手創発会議
LV8ミレノプリズム 対象にランダムでバッドステータスを与える
もしくは、対象を甘いものに変える
LV9【ブリコラージュ・クリエイション】
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ゆらぎ神話TRPGには、【神話判定】というシステムがある。
これを使えば、登場するNPCや起きるイベントから攻略中のシナリオまで、あらゆる設定を変更することが出来る。
常に「思いのまま」とはいかないし、反動や代償、限界も存在はするのだが。
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月林朋(つきばやしとも)は、コピーレフトなキャラクターである
もともとキャラがブレがちだったオリジナルから、更に色々と欠落したため、「彼女」からは「固有の性質」というモノが、完全に無くなってしまった。
「彼女」は、神話に登録される前から、不定な存在である。
あるいは「彼女」は、「空虚」や「不確定」という性質自体を受けとめるために産まれてきたのかもしれない。
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日村過多輝(ひむらかたき)は月林朋の対存在として姿を現す。
「彼」の性質は「彼女」がその時々でもつ性質に応じて形成される。
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月林朋が「彼」である場合、日村過多輝は「彼女」となることが多いようだ。
二人が「彼」であり、二人が「彼女」であることもある。
対・関係は同性においても生じる。対・関係に応じて性質が形成される以上、
ふたりが存在する時点でそれぞれの性質は対なのだ。
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万民友和思想と全世界英雄協会は両輪の関係にある。
後者の存在無くして、この思想が世界中に広まることはなかっただろう。
それぞれの民の象徴たる英雄を新しい秩序に貢献する存在として活用、
そうすることで、協会の掲げる万民友和に優位と正当性を民に示す。
しかし協会が踏み込まない一線が存在した。民族以上の概念「種族」の始祖・真祖、
そして「宗教」「宗派」の開祖や聖人、神人たち。協会はそこに手を出すことを避けた。
草の民の偉人であるだけでなく、
「新しき神」「紀人」としての位格を宗教により持たされている英雄カーズガンの召喚は例外中の例外であると言える。
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たとえば、開祖が自分の説いた宗教と違うことを言い出したら?
もし、それに真実味や説得力があったら?
その開祖を戴く宗教の民は混乱し、あるいは開祖を名乗る敵と見做し本気で壊しにかかるだろう。
世界の安定を求める全世界英雄協会はそれを望まず、万民の友和状態を率先して破壊しかねないその状況は、
万民友和思想が目指すものでもない。
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カーズガンが召喚された理由には様々な推測が外部でなされた。
単に戦力不足を一気に補うため。
宗教上重要な意味も持つ英雄を召喚する事への問題が意識されていなかったため。
……さまざまな説がまことしやかに唱えられているが、中でも注目されているのは
生前、彼のライバルであったハルバンデフが何等かの形でこの地上にあらわれており、
この「風の王」に対抗し得る存在として召喚されている、という説である。
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ルビー、サファイア、エメラルド。
暗い洞窟の中には、無造作に宝石がばら蒔かれていた
そして、その奥には、奇妙な紋様で彩られた古代の遺跡が、侵入者たちを呑み込もうと待ち構えていたのであった。
そう、あの宝石は『撒き餌』だったのだ。
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カーズガンが、レーシング場に降り立った時、彼に声をかける者があった。
「私は、ハルバンデフとは全く関係が無いただの通りすがりだが、君はハルバンデフの次に速い英雄らしいな。ぜひ、私にその腕を見せてはくれないか?ああ、ハルバンデフとは全く関係のない理由なのだが」
その男は、真夏の日中だというのにマフラーをきつく巻き付け、おまけに草の民の伝統衣装であるフード付きコートを着こんでいた。
そして、その背には『風の王ハルバンデフここにあり』と大きく金色の塗料で書かれていた。
さしものカーズガンも、この時ばかりは対応に困ったという。
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ルーマニア相撲とは、アフガンより伝わった【航空相撲】が変化した技であり、拠点防衛に特化した護国の技であると言われている。
ルーマニア相撲の達人に出会った敵は、みな自ずから逃げ去り、川向こうから姿を現すことはないと言う。
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あなたはアフガニスタンで出土したセラピスの像を知っているだろうか?
金棒を持った全裸のおっさんの神像を。これが発見されたバグラムは、「コーカサスのアレキサンドリア」と呼ばれた都である。
ところでアレクサンドリアにはセラペイオン(セラピス神殿)付属の大図書館があった。
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アレクサンドリアはかつてローマ帝国の都市であった。
ルーマニアとは「ローマ人の国」を意味する国名であり、この地もまたローマであった。
ローマの叡智は帝国が滅んだあとも脈々と生き続け、結合していったのだ。
金棒を持つセラピスは図書館の守護神セラピスのもう一つの顔。
すなわち、武という知恵を体現する。
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セラピスは、獣の顔と人の顔を併せ持つという。
それが知識の神と武の神の二つの顔を持つのは、むしろ当然というべきなのかもしれない。
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RIKISHIは、神々のために戦う最も神に近い闘士である
また、後にイスラエルと呼ばれたヤコブは、天使に勝利したことでその加護を授かった
しかし、RIKISHIは別にユダヤの民である必要はない
よって、RIKISHIとは天使である
だからRIKISHIの背中には、翼が生えているのだ
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無銘たる軍神がメクセトを滅ぼしたのは納豆によってつくられた武具であるという説が存在する
この武具を授けたのは納豆神群であるとも、鴨であるとも言われ、定かではない。
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原因を見出だすことが出来ない悪意や憎悪は、大抵の場合、ただの警戒警報(アラート)である。
それは、遠い過去に蓄積された己、またはその構成要素と周辺環境、すなわち世界との軋みに他ならない。
つまり、悪意には理由がある。
自分自身でも、その後に続けるべき(ふさわしい)行動を見失っている理由かもしれないが。
対して、善意には理由は不要である。
それは、時に理由を失ったまま世に流通し、己や世界を軋ませる。
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太陽は常にある
曇りの日にも、雨の日も
わたしやみんなを照らしてる
雲には銀の裏地があって
銀の上には金がある
金色かがやくお日さまが
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ツェラハープの話をしたい。
ほら、一曲だけ弾いて世界を変えたあいつの事だ。
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あいつはさ、ある宝石商の娘さんでさ、
だから人並み外れた審美眼を持っていたんだ。
-
だから美しい物に飢えていた。
ありとあらゆる物の価値がわかるから、
価値がわからないものが見たかった。
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そうして、ツェラハープはある日
"地の果て"へ向かった。
誰もいないところなら、
誰も見たことも無いものが見れると思ったからだ
-
あいつは幸運にも、何一つ問題なく目的地に進めた。
ただひとつ問題があったのは、地の果てなんてなかった事だ。
-
ドルネスタンルフは勤勉だった。
彼女の目指した果ては、
とうに丸め込まれて消えてしまった。
彼女はそれに気付かず、"果て"を目指した。
-
あいつが"地の果て"に辿り着く事はなかった。
その代わり、他の果てに辿り着いた。
ありとあらゆる文明からかけ離れた、
"文明の果て"にツェラハープは至ったんだ。
-
"文明の果て"は文明と呼ばれるものが、
過剰発達の末に滅んだ場所だった。
魔法は大陸を消すような威力の物しかなく、
科学技術は用途のわからない計器とAI しかなかった。
-
"文明の果て"に在るものはすべて、
一つ一つが奇跡のような代物でありながら、
普通の生活を営むには過剰で、無価値だった。
その性質はツェラハープが求めた物であり、
"文明の果て"に住む者が忌むべき性質だった。
-
あいつは最初こそぬか喜びしたが、
すぐにそこの歪さに気がつき、帰路につこうとした。
しかし、交通法規にしたがった数々の機器はそれを許さなかった。
ツェラハープはここに住まざるをえなくなったんだ。
-
まぁ、あいつは夢のために"地の果て"に行くようなやつだから、
すぐにここで住むと決断出来た。
しかし、"文明の果て"での文明は人間を凌駕してる。
ここの人間はすでに滅びかけていたのさ。
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生きる術ならばあった。
しかし生きる理由が決定的になかった。
発展させるべき文明はとうになく、
嗜むべき芸術も廃れてしまった。
退屈という苦痛が住人を蝕んでいた。
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しかし、あいつはそんなことお構い無しに日々を過ごした。
人に興味を持つようなたちではなかったのだ。
そして幾日か立った後、何の気なしに歌を歌った。
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その歌は偶然にもどの計器も反応しなかった。
住人達は初めて許された娯楽を知った。
生きる理由を掴めるかもしれないという、
生きる理由が芽生えた。
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そうして、"文明の果て"はいまや世界の享楽都市に変貌した。
これがツェラハープの偉業のあらましだ。
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ミハエル・イエスマンは全身が強烈な光を発している。比喩ではない。
そのため、常にコートに身を包み、黒革の手袋をはめている。
最も激しく輝くのは両手と顔面である。(身体のあらゆる部分、すなわち眼球そのものも発光しているが、ものを見る際の不便はないらしい)
頭にかぶるヘルメットには十字状のスリットが入っており、ミハエルの意思に応じて開き具合を調節できる。
普通の人と対面する際には十字部分はしっかりと閉ざされる。そうでないと眩しすぎて相手は平衡感覚すら狂ってしまう。
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光は彼の力そのものであり、普段は力を押さえる事で発光を押さえ込んでいる。
仮に、野外で全裸になりフルパワー展開すると輝きのあまり宇宙の人工衛星から捕捉できるほどになる。
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強い光は機械の大敵。そのため彼に支給された端末や機材は最高度の耐光仕様になっている。
だが、ほとんどオーダーメイドであり、かなりの高価。
協会の機材のほとんどには間近で作業できないため、彼がやれることには限界がある。
このことはミハエルがイエスメンというチームを育てる事にこだわる理由になった。
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ミハエルの鎧は三種類あり、それはディケンズの『クリスマスキャロル』になぞらえてあった。
「未来の精霊のコート」は全身を包み、制御された光により効果的に悪を討つ【制裁武装】である
「現在の精霊のローブ」は頭部と右腕を解放し、その輝きで大衆を鎮める【鎮圧武装】である。
そして最後の「過去の精霊のヘルム」は、改心の見込みがある犯罪者を照らし、その心の奥底に眠る「善意と幸福」を蘇らせるためにある。
人はそれを【教誨武装】と呼び、その姿のミハエルをなによりも畏れ敬ったという。
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ある日、ふと気付くと虎になっていた
中島敦の小説のように
それは、本性に応じた姿の追随
【文学変身現象】のはじまりである
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現実を幻想で塗り替えることで成立した【形而上世界オルタ】には、女神キュトスに従う四天王が存在した
「法と理性」のラヴァエヤナ
「闘争と野性」のイア=テム
「正義と信仰」のピュクティェト
そして、「回帰と休息」のガリヨンテである
だが、【オルタ】の自然そのものであるガリヨンテだけでは、領域の管理は難しかった
そのため「彼」を補佐する「停滞と懐古」のティリカこそが、真のキュトス四天王であるともいえるのだ
彼女たち四天王は、旧世界を四つの領域に分けて統治し、それぞれ異なる幻想をもって人々の欲望に応えていた
入念な準備の上に施行されただけのことはあり、その支配は、それなりに安定したものであったと言える
そう、偽アルセスの率いる「開拓と停滞の世界鉄道」が反逆を企てるまでは
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偽アルセスの開拓鉄道は、盲目的な進歩主義そのものだった
それは全てを食い尽くし、あらゆるものを燃料とした
西進、開拓、無法と私刑
強奪、強欲、縛り首
それは、幻想の世界である【形而上世界オルタ】においても、最も夢想的な幻想であったかもしれない
なぜなら、その進歩には目的も意味も無かったから
偽アルセスの世界鉄道は、ただただ自己だけを目的とし、ただただ運動だけを目的とした
それは、建設なき破壊、統治無き侵攻、そして建設なき革命だった
その鉄道はなにより早く、その馬力はなによりパワフルであったが・・・・・・・・
それは、どこにも向かうことのない旅であった
世界鉄道、それは自己のみを目的とした完結した宇宙
夢みることだけが最終到達点とした、哀しい夢である
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鉄道の大敵は亀であった。レールに沿って進み、くぼみ、すなわち切り替えポイントにはまりこむ。
世界鉄道の終わりは、特に大きくもない中くらいの亀によって唐突に訪れた。
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この失敗の檻から、出たくはない。
パターン通りの生活は安定しているし、言い訳にも事欠かないから。
けど、けれど本当は、気付いているんでしょう?
自覚とは飛躍への第一歩、脱出のはじまりなのだということに。
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欠落者の少女は、四肢があちこち欠けてはいたが、それなりに器用にやっていくことが出来た
しかし、完全者の少年は、ひたすら不器用だった。
彼は、なんでも完璧にやるうえに、それを他人に見せつけずにはいられなかったのだ。
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己が心身を燃料と見なして力に変え、完全な燃焼を目的とする偽アルセス
彼が、全身を無数のブロックに分割し、全てを代替可能とする武術「ブロックパズル=カラテ」の使い手と出会ったのは、一つの運命だったのかもしれない
それは、世界のどこか片隅で繰り広げられた、あったかもしれない戦いであった
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四原色の魔女の名は、ヒート、アイス、ウィンド、そしてパシフィックだった
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世界は呼吸で出来ている
あらゆる想いを絞り出し吐き出せ
見える世界の全てを吸いこめ
思考も風景も吸いこんでしまえ
そして対話せよ、世界は会話で出来ている
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【ブレスレット】は、別の誰かの呼吸を借りるために存在する腕輪だ。むやみやたらとゴッドブレスを借りる者が多いが、その真価は睡眠中にこそ現れる。
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背伸びして自分の器量以上の力を借りることは、強大な反動を招きかねない
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休養の基礎は「無判断」と「無思考」である。
何も考えず、何の有用性も無い時間をぼーっと過ごすか、何か非日常的なことに集中する。
それが、疲労を回復し、ストレスから解放されるコツなのだ。
予定を消化するだけでは、休養とは呼べないのであった。
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【完膚根源獣(パンゲオン)】
あらゆる特徴を持ち合わせた九つ首のはじまりの獣。
あなたの祖であり、あなたにどこか似ている。
あなたが初めてパンゲオンにであったとき、あなたは湧き上がる共感を止めようとして叶わず、言葉にしようとして叶わず、ひとすじの涙として流して、そっと触れてただ寄り添い、そして眠りについた。
あなたはそのことを覚えているだろうか? あなたが人知れず「帰りたい」と呟いて、しかし思い浮かべずにいた、あなたの帰る場所とはどこだったか、あなたはいま思い出せるだろうか?
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確かにパンゲオンとあなたは生きる時代が異なる。
確かにあなたは九つ首ではない。
天と地をあわせたものと同じほどの巨きさのパンゲオンに、
寄り添うことも正しく見ることすらもできないはずだ。
しかし、ありえないというだけで否定していいものだろうか。
パンゲオンが「ありえない」を踏破して、
残されたひとときの奇跡を、かんたんに忘れていいものだろうか?
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4月1日は魔女エイプリルの祝祭日。
この日は一日、価値の転倒と矛盾をこそ尊び、いつもと違う過ごし方を楽しむのが習いである。
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人間は、視線を集中させている場所、すなわち目の焦点を合わせている箇所が最も良く見える
そして、実はそれ以外のところは、良く見えていないのだ
また、視界の中心は、色鮮やかで明確に「今」を捉えるが、それ以外は脳が補完した「過去」の映像であるともいう
何かに囚われ、世界を見渡す余裕を失っている時、世界が色あせて感じられるのは、あるいはこのためかもしれない
さて、そうしたエネルギーを節約するための補完機能は、何かに似ている
それは、過去に記録され、現在を補完するモノ
それは、今すぐ集中が必要な箇所以外を認識する労力を省くモノ
そう、それは物語、あるいは「神話」に似ているのだ
果たして、神話は色あせているのだろうか?
それとも、この解釈は間違いであり、逆に神話とは、世界を再び色鮮やかに再生させるものなのだろうか?
あなたは、どう思うだろう
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呼吸こそが全てである
なんとなれば、心臓に端を発する脈動も、あらゆるものを認識する知性の座たる脳も、全ては呼吸によって支えられているのだから
だから、世界は、呼吸で出来ているのだ
あらゆるものは、リズムを刻む、そのため思考にすら間隙がある
すなわち、世界にも間隙が、フィルムのコマ落ちのような欠落が潜んでいる
だが、それは、誰にも認識することが出来ないのだ
手のひらで震動(ビート)を感知する合成人間でもないかぎり、間隙の空白は、空白のままである
そこには、不気味な泡のような死神すら滅多には立ち寄らないだろう
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【幻写眼】を持つ者は、「二つ目の目蓋」を持ち、世界を切り取ることが出来る
己が解釈を世界に押し付けることで、外界に影響を与えるのだ
それは、瞬間的な効果であり、それゆえにその瞬間を見切れば、その発動を防ぐことが出来る
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無数の好き嫌いが、人を形作る
反射的な好悪が一次的な反応を形成し、二次的な判断がそれに付与される
ゆえに、自動的な一次的判断だけをあげつらって否定しても、なんにもならない
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雨の巨人、雨の巨人
雨の巨人は雲をまたぎ、山々を踏んでどこへ行く
雨の巨人は、毛をなでる
ふわふわな毛を黒く汚した
雲の犬をなでにいく
――――――――――ミンツ地方に伝わる童歌
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鳥のように飛ぶことが出来る道具など、かつては妄想でしかなかった
しかし、進歩し続ける人類の技術は、それを可能にしたのだ
そう、それこそ「魔法のじゅうたん」の量産化と改造によって生みだされた、羽ばたき式飛行機械(オーニソプター)である!
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ワリバーヤ王朝は遥か遠方へも領土を伸ばすべく、
多額の研究費用といくつもの生贄を投じ、
ついに灼熱の砂漠も壮大な大海原も超えられる羽ばたき式飛行機械(オーニソプター)を完成させた!
一方ガロアンディアンは気球を使った。
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「出来レース戦時貿易」とは、ネットゲーム【キシン大戦略】において革新をもたらした戦略である。
【キシン大戦略】は、信仰と民意が重要な戦略シミュレーションゲームであった。
自国に存在する信仰の存在は、選べる兵種の種類だけでなく、様々な要素に関わっていたのだ。
国内の宗教形態を一神教にするか、それとも一つの宗教だけを重視する準一神教や多神教にするか、そうした選択が発生するイベントや軍隊の能力を左右するのである。
多神教を採用すれば、多くの兵種による柔軟な戦術が使用可能となるし、多様な産業を育成したりほぼ全てのタイプの国家との貿易も可能となる。
その反面、多神教では常時内部に宗教対立を抱えることになるし、敵国の宗教系スパイやその疑惑とも戦い続けることになる。
かといって国教を採用したり一つの宗教だけを支援すれば、国内の宗教対立は防げるが、そのかわり国が大きくなるにつれて宗教内部の宗派の対立が始まるし、聖戦の強制や預言者の政治干渉がうるさくなる。
「出来レース戦時貿易」が発案されるまえは、そうしたふうにゲームバランスが成り立っていたのだ。
だが「出来レース戦時貿易」以後、全ては変わった。
多神教国家こそが最強とされ、世に多神教ブームが吹き荒れるようになったのだ。
その「出来レース戦時貿易」の要諦とは、一言で言えば国家間の裏取引である。
【キシン大戦略】では、産業と戦争は密接な関係にある。
例えば、戦場で空戦が主体になれば航空産業が発展し、神威発動による気候変動で海戦が主体になれば船舶産業が発展したり潜水艦が開発されるようになる、という具合である。
あらかじめ戦場の変化を予測することが出来れば、大きな富を得ることも不可能ではない。
だが、戦場の状況は敵国の影響もあるため、自在に支配するのは困難であった。
その状況に革新をもたらしたアイディアこそ「出来レース戦時貿易」
すなわち「敵国」との裏取引であった。
もちろん、敵対国家との直接的な貿易は不可能であるし、情報交換さえも厳しい制限がある・・・・・・・・ゲームの上では。
だが、【キシン大戦略】が、ネットゲームである。
ゲーム外においての裏取引には、制限は一切関係無かった。
そして「出来レース戦時貿易」は、戦場を一変させたのである。
この戦略が最も名を馳せたのは、やはり20△△年○月における「ルウテトの驚愕」事件であろう。
その事件では、当時最強を誇っていたルウテト大公国のデュラハン突撃部隊が、カタルマリーナ率いる球神民兵団相手に攻め入ったのだ。
(少し前の)事前情報によれば両国の文明と戦力の差は圧倒的であり、ルウテト側の勝利は客観的に見て明白に思えた。
だが、結果は違った。
ルウテトのデュラハン部隊を迎え撃ったのは、未だ中世レベルのカタルマリーナに存在するはずがない「アルセスⅣ型」の戦車部隊だったのだ。
戦車部隊を運用していたのは、練度が低い学徒兵であったにも関わらず、その会戦はルウテト側の一方的な蹂躙に終わったという。
それはまさに、【キシン大戦略】における歴史の変革を告げる一戦であった。
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【キシンサッカー】には、「キシン系統樹」というキシンの進化ツリーが存在する
これを使えば、いつでも過去に開発したキシンのデータを呼び覚まし、現世によみがえらせることが出来るのだ
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カルド・ラガードは、二重の性質を持っている
彼は、深い集中による安寧を好む
だが同時に、彼は非常に飽きっぽく、常に刺激に飢えているのだ
よって、安寧や停滞は、彼にとっては退屈という天敵でもある
彼の幸福には、その双方を丁度良く満たす工夫が不可欠なのであった
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ラ=リスキャニアがバイトの間に出来たヒマな時間にTVをつけると、胡乱な番組をやっていた
「ミヒトネッセ、今こそ貴女の最期よ!」
そう言い放ったのは、メイド服を着た少女だった
少女の体格はやけに大きく、その身体は、適当なパーツを寄せ集めたかのように不格好だった
彼女の名は、無限接続(ツギハギ)メイド【アクィラちゃん】という
アクィラちゃんは、死者から生み出された人造人間メイドだ
特技は、自分の身体を使った、黒ひげが危機一髪で首を飛ばして逃げるゲーム。
年齢は、自称0歳
好きなものは、お金と家電という、どこにでもいる普通の人造人間メイドである
彼女が対立しているミヒトネッセは、怪物だらけになったこの新神歴の世界における最大勢力【ウィッチ欧州】の出身であった
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その【ウィッチ欧州】には、政財界を影から支配する巨大な企業がある
【ルウテト社】
表では高級家具、裏の世界では『家具』に例えられる特別に調教された奴隷を扱うこのルウテト社においては、メイドこそが伝統的にメインの商品であったのだ
だが、そのルウテト社に反旗を翻した勢力が存在した
【ウィッチ欧州】から分離独立した新興国【ウェアウルフ米国】、そしてもちろん我らがアクィラちゃんである
ルウテト社は『全ての人間は道具に過ぎない。心すらも機械言語(プログラム)という道具による刷り込みであり、そこに自由など存在しない』とする【無心道具主義】を主張している
その【無心道具主義】こそが、生粋の【ドM】であるアクィラちゃんの逆鱗に触れたのだ
『私は、自分の意志をもって自分が自分であるために道具になっている。その心を、その選択を否定されてなるものか!』
憤った彼女は、ルウテト社が誇る最高の【家具】であるミヒトネッセに戦いを挑んだ!
自らの心さえも刷り込まれたモノであり、【ご主人様】にあえて自身の尊厳を踏みにじらせることで【家具】として無機物の極みに至る
【完全奉仕のミヒトネッセ】
ドジっ子で浮気性であり唯一の取り柄である暴力でも負け続きだが、他者の尊厳を誰よりも認め、思いやりに溢れる奉仕をする
【NTR狂犬メイドのアクィラちゃん】
最高のメイド、最高の家具として認められるのは果たしてどちらなのか?
今、決戦の火蓋が切って落とされる!!
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「そのダサいメイド服・・・ロボットスーツかしら?そんなもので私に、このルウテト社のミヒトネッセに勝てると思っているのかしら?」
ミヒトネッセの挑発的な問いかけに、アクィラちゃんは受けて立った
「おうよ、お前にはこのハイセンスが分からないみてえだがな。それに、『ロボットスーツ』だけで終わりじゃねえぞ、オ・・・ワタクシのメイド道には、まだ先がある!」
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「ハッ、ご主人様すらいないメイドに、価値なんてあるわけ無いじゃない。アンタがワタシに勝てるわけないわ」
ミヒトネッセは、目の前の少女を鼻で笑った
ルウテト社に挑戦する者など過去にいくらでもいたし、その結末が無残な敗北に終わることもまた、彼女にとってはただの日常業務(ルーティンワーク)だったからだ
だが、次にアクィラちゃんが漏らした言葉だけは、流石の彼女も聞き逃すことは出来なかった
「ご主人様?ああ、紹介が遅れたな。このメイド服――――――【トリシューラ・イマージュ】こそがワタクシの『ご主人様』。魂と心を持つ知的外装(ロボット・スーツ)だ」
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ミヒトネッセが驚くのも無理はなかった。【トリシューラ・イマージュ】……それは、今は亡きガルダ博士が残した17の電気羊観測機(ドリーミング・マシーン)の最後の一機だったのだから。
歴史を少しさかのぼる。ウィッチ欧州が再三にわたって語ってきた「真理」何者も心は持たない、その主張に真っ向から対立した者がかつていた。ガルダ博士である。ガルダ博士は、【トライ電灯】を皮切りに、魂と心を持つ機械である電気羊観測機を次々に開発し、学会に発表した。
博士の死後、ウィッチ欧州の諜報機関は全ての電気羊観測機を消そうとしたが、いままで一つだけが見つからないでいたのだ。
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「おのれ、あのハゲオヤジめ…最後の一機が知的外装だったとはね」
歯噛みするミヒトネッセ。並の知的外装ならまだしも、ガルダ博士が作った知的外装とあれば話は別だ。さすがの完全奉仕家具も苦戦は免れないはずであった。
アクィラちゃんはミヒトネッセの一言を聞き逃さない。
「ハゲオヤジだって? お前、ガルダ様のことを何も知らないくせに、知ったかぶりするんじゃねえっ!…しちゃだめなんだから!
ガルダ様のことを馬鹿にしていいのはトリシューラ様だけなんだからっ!!」
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アクィラちゃんの胸からエプロンがはじけ飛んだ。アクィラちゃんの怒りで燃えるままに、ミヒトネッセに向かって飛んでいく。
「ブレスト・ファーイアッ!」
「くぅっ」
間一髪でよけたミヒトネッセだったが、スカートの端が焼け焦げてしまっていた。
「ああっ、なんたること。ラク様から頂いたメイド服に焦げ跡が―――」
「よそ見をするなっ! ルゥストゥ・ハリケーン!」
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突如竜巻が吹き荒れ、アクィラちゃんの体が四散した。腕が、脚が、弧を描きながらミヒトネッセに向かっていき、何度も何度もぶち当たる。四肢の猛攻の前に、ミヒトネッセは立っていられない。膝をつくミヒトネッセのメイド服はなぜかドロドロに溶けていた。ますます勢いを増す風は土煙をはらんでミヒトネッセを包んでいく。
やがて風は収まり、土煙の中から五体満足なアクィラちゃんが現れた。
「完全奉仕メイドとか言ったな、どこへ隠れた?」
周囲を見回すアクィラちゃんの後ろからミヒトネッセがとびかかった。しかしアクィラちゃんの反応は早い。
「甘いわ! ミサパンくらえ!!」
純白のミサイルがスカートの下から現れ、腰ごと飛んでいく。その奇妙なヒップアタックはミヒトネッセの頭をもろに捉えた。中空で三回転半ののち地面にたたきつけられるミヒトネッセ。
ミヒトネッセの頭の中にはがんがんと鐘の音が響いていた。もう彼女は二度と立てないのだろうか。そう思わせるほどの時間、彼女は横たわっていた。
「甘いと言ったろう」
-
そんな二人の激戦が続く採石場を、崖の上から見続ける者がいた。色眼鏡を押し上げ、傷つき倒れたメイドを注視する。
「ミヒトネッセよ……お前の力はその程度ではないはずだ……立ち上がれ」
その者は禿頭ではあったが、声にはどこか女性的な響きがある。
「立つんだ…そして叫べ、あの言葉を……」
アクィラちゃんは口をゆがめて笑った。
「勝負あったな」
「…………ドライブ」
「ん?」
禿頭の観戦者とミヒトネッセの声が重なる。
「オーバードライブ!」
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どこからともなく、エスニックな変身音が流れる。
その音楽のrhythmと共に、ミヒトネッセは新たなるメイド服をまとっていた。
「説明しよう!ミヒトネッセはピンチに追い込まれると
オーバードライブと呼ばれる超強化形態に移行することが出来るのだ!」
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驚きうろたえるアクィラちゃんの前で、ミホトネッセは格好良くポーズをとって自分の身体を見せつけ始めた。
新しい強化形態のお披露目である。
そもそも、メイド服には、元々「客人に主人のリッチさを見せびらかす」という主旨も含まれている。
一流のメイドを自認するミヒトネッセにとって、タイミング良く格好良いポーズをキメることなどは、造作もなかったのだ。
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そして画面下から《この作品は、フィクションです。実在の人物・団体・アニメ・実在のネット小説・『幻想再帰のアリュージョニスト』および『マジンガーZ』などとは一切関係ありません》
と今更ながらのテロップが流れ、画面は提供紹介へと切り替わった。
どうやらCMに入るようだ。
《アリュージョニスト成分が不足すると、人はたびたび狂気に陥る:アリュージョニスト学会調べ》
《むしゃくしゃしてやった、反省(フィードバック)はするが、後悔はしていない:ブレイスヴァ拳同好会》
《アクィラちゃん制作委員会は、2018年8月11日の夏コミ(C94)2日目に出撃する、サークル「魔王14歳の幸福な電波」を勝手に応援しています》
画面を様々なメッセージと映像が行き交うなか、これまでTVを見ていたラ=リスキャニアは卒然と席を立った。
CM入りとともに、とてつもない衝動が彼女を襲ったからだ。
それは、番組の楽しさで忘れていたが、決して抗うことのできない本能の叫びだった。
これから彼女は、その叫びに従い、小さな部屋にカギをかけて閉じこもらねばならないのだ。
そう、暴走した欲望のツケを払うべき時が来たのである。
ラ=リスキャニアは――――――――――――暑さをしのぐために、あまりに冷たい飲み物をガブ飲みしすぎてしまった。
小部屋が、彼女を呼んでいるのだ。
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【万和学園】――――――――――――正式名称、万民友和学園には、殺人鬼が出る
そういうウワサだ
それは、永久不可侵の権威である【人権】の侵害を、至高の快楽として楽しむ嗜虐的な怪物であり、命を軽んじ殺し合いを好む理解不可能な存在であるという
それは、音もなく忍び寄り、誰も知らないうちに僕たちの中にひっそりと隠れ住んでいるという
それは、子どもの遊びに出てくる鬼のように、感染増殖し、よく見知っているはずの仲間になりすますのだという
また別のウワサによれば、それは人間を洗脳支配して裏から操る悪の帝王であったり、腐った果実のような変異であったり、未来から送り込まれた殺人兵器だったりした
そうしたウワサの中で最も奇妙なものには、その正体をカルト的な秘密結社から送り込まれた反キリストの暗黒騎士であるというものもあった
そのウワサによれば、竜(アクマ)から権威を借り受けたその獣の王は、実は最強最悪の変態であり、世界の何より妹を愛し、妹のためならばその妹の言葉にも耳を貸さないどころか殺しかねないという
まあ、最後のウワサは、流石に事実無根の妄言に過ぎないだろうが(こんな人間がいるわけがない)何者かが、この学園に侵入している、万物の基本である【人権】を敬わない、すなわち我々の生命を危機に陥れようとしているということ
異質で邪悪な思想(ウイルス)を感染させようとしている悪性存在がどこかにいる、必ず来るという恐怖は、またたく間に学園中に広まっていった
まるで、あらかじめその原因が、学園の内側に仕込まれていたかのように
「学校のウワサその1」――――――――――――――――――――『幻想再帰のアリュージョニストと1ミリも関係ない話を語る本』より
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私は『正しい』
私は『自由』で『幸福』だ
私は『みんなと同じ』なんだ
だから、私は『間違っていない』
私は・・・
私は・・・・・・・・
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魔王を倒した者は須らく勇者と呼ばれる資格を持つ。
現在までに確認されている勇者は
カーズガン
アキエル
シャーフリート
ミハイル・イエスマン
ディーク・ノートゥング
ミアスカ
クフィル・ライオネス
シン=グロークス
虎善
夜彦
ランディバイス
ドーザ・ウェモン
ヌト
ゾート
グレンデルヒ
バルムンク
エイプリル・フォーサイト
サナン・キンドゥ
である。
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>>984
この18名こそが十八魔王を討伐した勇者だという説がある
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ただし、これには魔王や温かい布団、夜中に急に食べたくなったラーメン、体重計、そして黒い歴史をつづったノートなどは含まれていない
きりがないからだ
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「紀竜殺し」ノートゥングは「亜竜殺し」マシュシャフと共闘したことがある
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「筋トレぇ?」
コルニアがあげたのはあきれたような叫びだったが、それに答える声は、静かなものであった。
「そう、筋トレよ。自傷からの離脱には、筋トレが一番なの」
末染未知子は、あくまで自信をもって言い放つ。
「肉体と生命の実感、そして世界との適切な距離の計測は魔術にとっても重要だけど、それは筋トレでも出来るのね。軽いストレッチだけでも、慣れきったリストカットより断然キクわ」
たしかに、【反逆の魔女】の手首にある傷はもうずいぶんと古く、彼女が長い間自身を傷つけてはいないことを示してはいた。
「冗談じゃないわね。筋トレなんて、人間がすることよ!」
コルニアは、怒って剣を床に叩きつけた。
「痛みや傷は、他人に与えるもの。生命の実感は闘争の中で得るものよ!地道な努力や汗臭い筋肉なんて、神秘の化身である魔女には似合わないわ!」
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筋トレにはサーフィンが最適
キュトスが不死身なのも週一でサーフィンしてたおかげだし、
言わば神々の筋トレと言えよう
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定まった生活ばかりしていると、いつのまにか頭の中だけで全てが決まるように思い込んでしまう。
決まった日常、決まった習慣、決まった結果。
同じ角度でしか物事を見ず、同じ視点でしか世界を観ないようになってしまう。
心せよ、惰性と諦めの中に、新しい世界はない。
希望も未来も、そして今まで見たことのない自分も、全ては惰性から離れたところにある。
馴染んだ構えを捨て、こった肩と視座をほぐせ。
甘えるな、依存するな、怒りや恨みに執着するな。
夢を思い描くだけで、満足するな。
苦痛や困難を脱するには、前へ進み続けるしかない。
古い神話を捨て、新しい物語を歩んでいけ。
新しい自分は、かならずそこにある。
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なるほど…。
毎日同じ行動で、惰性で生きていては何も始まらない。
確かにお前の言う通りだよ…。
今度からはカヌーもやる
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イイハナシダナー
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海から離れろ
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【泥上カヌー】とは、魔法で泥化させた地面で行う、全く新しいスポーツである!
このスポーツは、わざわざ水辺までいかなくても陸上で楽しめる点と、地形によって異なるライド感がある点が、人気を博した。
ただし、カヌーをやりに集まってきたのは男性ばかりであり、主催者が期待したような『美女や美少女がカヌーで転倒して泥にまみれる』というような、そんな状況は全く発生しなかったのであった。
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海から離れろ
泥からも離れろ
そこにはヤツらがいるのだから……(わにとさめ)
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わには人魚達からは「滑稽な捕食者」と呼ばれる。
水面から顔を出して周囲の様子をうかがう彼らは、水中ではまるで背伸びをして、
地面をつま先でつんつんとしているかのようだ。
しかし、その実態は諸兄諸姉のご存じとおりである。
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ワニとサメは、呪術界では同じく「滑稽な大口」と呼ばれ、同じものとみなされる。
この「滑稽な」という二つ名は、むかしウサギ族が彼らを騙してストリップさせたことに基づく。
この逸話は【猫の国】の『古事記』にも書いてあるが、事実関係が多少間違っている。
正しくは、ワニもしくはサメは、ウサギに脱がされたために怒り、彼らを運送係としてこき使うようになったのだ。
後に月まで逃げたウサギが、未だに宅配便をやっているのは、その名残である。
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さも"鰐"どもがみじめであるかのように語るじゃあないか…
お前たちのような言理の妖精は奴らの本当の姿を知らないのだ。
あの惨劇を唯一生き残った儂が"鰐"の話をしてやる。
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そう、あれは何千年も前のこと…
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あっスレが足りない
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