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汎用記述スレッド 2
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その赤さびた戦闘車両をヘリステラはこう呼んだ。
――グレーターマシン。
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・ぼんやりとした不安
「死神」シェロンの暗殺術とされるテクニック。。
あくまで蓄積と研鑽の上に組み上げられた技術体系であり、習得こそ適正の程度があるものの、人間に理解できる確かな手段である。
ただし、その内容は余人に伝わっていない、らしい。
らしい、というのは、この技と殺人職が結びついていた場合、世界における死者はもうすこし多いはずだからである。
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大神院が保有する領地内にて、新史歴以前に建てられたピュクティェトを奉ずる神殿と思しき遺跡が発見された。
しかし、その遺跡には数々の魔道生物が跋扈しており、調査は困難を極めた。
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そこで大神院はセルラ・テリス派が保有する最強の武道神官であり、また異能者でもあるセミュラ・ミュール司祭をその遺跡へ派遣する事となった。
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だが、セミュラは戦闘力に特化しすぎていたため古代遺跡に関する知識はからっきしであった
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セミュラ・ミュール司祭の持つ異能の名は神剛力
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その為、セミュラの相方として急遽、もう一人の神官が選ばれる事となった、その神官の名はシメル・ピュクシス
知識神であるレーヴェヤーナを信仰し、またレーヴェヤーナ派が保有する騎士団【知神の盾】に所属する神殿騎士でもあった。
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一説によると、異能・神剛力は鉄塊之武と同系統の能力らしい。
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大神院のセルラ・テリス派とレーヴェヤーナ派は、それぞれが信仰する神々と同じように仲が悪いので有名である。
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もちろん、セミュラ・ミュール司祭もレーヴェヤーナ派の神官の事が気に食わなかった、
ので、相対した瞬間、彼女はシメルの顔面に渾身の飛び蹴りを喰らわせた。
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そして当然、セルラ=テリス派とラヴァエヤナ派は、それぞれが信仰する神々と同じように切磋琢磨しあう間柄である。
セルラ・テリス派とセルラ=テリス派、レーヴェヤーナ派とラヴァエヤナ派は
間違えたときに憤慨するのがセルラ・テリス派とラヴァエヤナ派で、
まったく気にしないのがセルラ=テリス派とレーヴェヤーナ派である。
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セルラ・テリス派最強の武道神官であるセミュラ・ミュール司祭の蹴りは、
その生まれつき持つ戦闘センスと良く鍛錬された脚術、そして異能・神剛力による有り余る剛力によって。
巨獣の分厚い甲羅ですら粉々に粉砕せしめるという…
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その蹴りを出会い頭に顔面へと繰り出されたレーヴェヤーナ派の騎士、シメル・ピュクシスの顔面もまた同じく粉砕…
とはいかなかった、彼は奇跡的にその蹴りに反応すると魔術によって前方の空間を歪曲させ、轟音と共に迫り来るセミュラの脚を交わす事に成功した。
でも、ちょびっとだけ歪曲率が足りなくて、彼の頬からは一筋の血が流れた。
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セミュラ(ちっ…外した、頭でっかちのモヤシ騎士の分際で生意気な…)
シメル(ガクガクブルブル…)
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シメルは【知神の盾】の中でも一番の新米騎士であった。
そのため、大神院でも有名な【粉砕司祭】の異名をもつ『セミュラのお供』という苦行…
もとい、任務を皆が嫌がり、必然的に立場の一番弱い彼の元へとたらい回ってきたのである。
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まて、重大な事に気が付いた。
セミュラは出会い頭にシメルの顔面へと飛び蹴りを繰り出した。
つまり、その瞬間、セミュラの着ている法衣のスカートは捲れ上がり…
あとは分かるな?
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シメル「せ、セミュラ司祭、神官職に就く者としてそのような派手な下着はどうかと…」
セミュラ「よし分かった、お前は絶対に超死刑にする」
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埃がたつ?
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わかった。
スカートの生地が痛む。
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いや、ちげーって。
ほら、蹴りを放つじゃん。
そうしたらスカートがめくれるだろ?
後は・・・わかるな?
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スカートめくれたら寒いだろ。
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ていうかスカートなんではいてるんだよ。
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蹴りを放ったときの威力がそがれるよね。
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>>406
女性神官の法衣はスリットの入ったスカートって決まってるだろ常考。
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いやいやいや、スカートははこうよ。
っていうか、はかなきゃマズイだろ。
っていうかっていうか、論点はそこじゃなくって。
ほら、蹴りを出すだろ。
そうしたらめくれるだろ。
で、・・・わかるよな?
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埃がたつ。
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生地が傷む。
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足が寒い。
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おまえらなあ・・・。
わかった、俺がうかつだった。
質問を変えよう。
スカートをはいている。
その下にあるのは?
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足だろ。
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・・・靴下?
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こるせっと。
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は い て な い
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なに超即レスでボケ3連かましてくれてるんだ君達は・・・。
わかんねーかなあ。
あれだよあれ。
パで始まるいいものだよ。
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くそ、4連か。更新ミスった。
まあいいや。
とにかくスカートで蹴りを放ったんだよ。
そうしたら・・・見えるだろ?
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わかった。セルラ式蹴撃術の極意が見えた。
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・・・いや、自分のスカートが見えたんじゃね?
ほら、めくれ上ったわけだし。
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>>421
おまえ頭いいな。
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蹴りの最中に見るものなんて決まってる。
自分のつま先さ。
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ていうか、どんどん話が反れていってるぞ
遺跡調査はどうしたw
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>>424
そんな事よりも、大事な事がある
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でもスカートめくれてるんでしょ?
つま先も隠れて見えないんじゃない?
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だあああああああああ!!!
なんで視点が蹴った側なんだよ!
見るのは蹴られた側だよ!蹴られた側!
スカートはいた相手に顔面蹴られてるんだよ!!
見えるだろ!普通!
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彼岸が?
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>>418
パで始まるもの…パンゲオンか!
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>>428
だな。
クリティカルな部位であれば、お花畑でおばあちゃんが手振ってるかもlしれん。
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>>429
パンゲオン・・・!そいつあ素敵だ!
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シメルは避けれたけどな、奇跡的に
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うむ、あの回避はまさに奇跡だ。
信心も捨てたものではないな。
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おれ、この戦争から生きて還れるようにレーヴェヤーナに入信するんだ・・・
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どうでも良いが、>>401のセミュラ司祭の台詞が凄く馬鹿っぽい件
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レーヴェヤーナはディスカション、いうなれば言い逃れの神でもあるからな。
回避や逸らしはお手の物ということか。
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>>435
武道神官なんてバカにならなきゃやってられませんよ。
って退役神官の友達が言ってた。
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>>435
セルラ・テリス派の神官達は、武術にばかり傾倒して
知識に関しては余り重視しないから必然的にお頭が…
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おまえら・・・いや、なんかもういいや。
とにかく、スカートめくれたら見えちゃうって言いたかったんだ、おれ・・・。
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>>438
せつこー、それセルラ・テリス派と違う。
セラティス派や。
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>>439
(´・ω・) ドンマイ
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>>439
ちょwwおま、おまえ何言っちゃってんおwww
そんなことしたらぱ、ぱ、ぱんつがwwwwwwwwwwww
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>>440
それ同じじゃね?
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>>442
そう!そうそうそう!
それだよそれ!
スカートめくれたらパンツが見えるよな!
じゃあさ!じゃあさ!
スカートはいたまま誰かに顔面蹴りしたらさ、どうなると思う!?
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埃がたつ。
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スカート生地が傷む。
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つま先でおばあちゃんが手振ってる。
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蹴りにくい
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もういや・・・orz
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>>449
どんまい![・∀・]
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>>449
(´・ω・)……ドンマイ。
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>>449
どんとまいんど!
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>>449
気にすんな!はっはっは!
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なんという、ヌクモリティ…( ;∀;)
ところで、遺跡調査はどうなった?
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・・・・・・・これが言理の妖精殺しか・・・・・・面白恐ろしいものを見た気がする・・・・・・。
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言理の妖精の墓
...†...
↓↓↓↓↓↓↓↓↓ここから遺跡調査↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
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神官騎士シメルはセミュラ司祭と行動を共にする際、常に全身を空間歪曲魔術で防御していたという。
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遺跡へと進入したセミュラは、
襲い来る魔道生物、数々の恐ろしい罠、逃げ惑うシメル、凶暴な原始動物を
その自慢の蹴りで薙ぎ倒しながら、どんどん奥へと進んでいった。
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>>458
ちょ、相方まで薙ぎ倒すなw
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( ´・ω・)シメル、カワイソス…
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遺跡の地下には罠が大量に仕掛けられていた
その一つが作動し、シメル達は四方を壁で囲まれた出口の無い部屋に閉じ込められる事となった
シメルは脱出のヒントを得るために部屋の壁に描かれた古代語を解析しようと試みたが
ソレが終わる前に、セミュラの放った蹴りによって壁に穴が開き脱出が可能となった。
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ある部屋には、様々な凶獣を合成して造られた生物兵器が放されていた。
何百年もの間、何も口にする事の出来なかったのだろうその合成獣はシメルとセミュラへと涎を撒き散らしながら飛びかかってきた。
シメルは、慌てて合成獣へと魔術を放とうとしたが次の瞬間には、後方から繰り出されたセミュラの蹴りの
衝撃波に巻き込まれ、合成獣ともども吹き飛ばされた。
合成獣はその衝撃で四散したが、シメルは常時張り巡らせていた対セミュラ用の空間歪曲結界のお陰で死ぬ事は無かった。
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シメルは良い不幸キャラ
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死は免れたものの。傷は深かった。セミュラは責任を感じ、任務失敗の責を負う事になろうとも、一旦脱出することを決めた。
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二人が脱出する間際、フラフラと遺跡内へと進入してきた一人の男が居た。
セミュラは知らなかったが、彼こそがピュクティェト派が保有する最強の神院騎士。
二代目松明の騎士ソルダ・アーニスタであった。
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セミュラの姿を見た次の瞬間、ソルダ・アーニスタは光速で彼女を口説き始めた。
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ただでさえ苛立っていたセミュラは、
突如自分をナンパしだしたソルダ・アーニスタを怒りに任せて蹴り飛ばすと
シメルを抱えて、大神院まで急ぐ事にした。
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ちょ、ソルダ(ア)は何をしに来たんだw
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大神院に着くと、【知神の盾】の団員たちがシメルの葬式の準備を始めていた。
セミュラはもちろんそれらを蹴散らすと、治療魔術が使える神官を探し出し重傷を負ったシメルの治療を依頼した。
その際、「もしシメルが死んでしまうような事があれば、お前の命も無いものと思え」と懇願するのも忘れなかった。
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シメルは必死の形相で治療する神官と、その横で殺気を撒き散らしながら看病するセミュラのお陰で劇的に快方へと向かった。
そして数日後、全快したシメルは任務を失敗したにも拘らず大神院から褒美として一月の有給休暇を言い渡される事となった。
その休暇を利用して、彼は故郷の街へと帰郷することにした。
何故かセミュラまで、それについてきた。
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この帰郷の旅が、まさか世界を救う旅になろうとは、その時の二人には思いもよらなかっただろう…
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二人が帰郷の旅へと出発した頃、忘れられた遺跡内部にソルダ・アーニスタは居た
いや、正確に言えば、アーニスタの意識は未だセミュラの蹴りによって彼岸を彷徨っていたが
その身体は、神剣に宿ったソルダ・グラムの魂によって動かされていた。
初代松明の騎士は、最後の扉を開くと遺跡の最深部に位置する小さな部屋へと侵入した。
そこには、様々な宝や神具、伝説に登場する怪物の剥製などが所狭しと置かれ、
その中央には、氷漬けとなった美しい少女の骸が鎮座していた。
騎士は無表情のまま少女を一瞥すると無言で踵を返し、そして遺跡の存在を封印した。
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その神殿遺跡の最奥の部屋には、紀人ソルダ・グラムが12の試練で手に入れた数々の宝が収められた宝物庫であった。
その中で、特に厳重に封印されていたモノがある、それは16色の魔石の一つにして
最凶最悪の魔獣が封印されし黒き彩石、その禍々しさは他の15色の彩石とは比べ物にならない
本来、彩石の魔獣は使用者がその力を解放することで初めて現界へと干渉する事が可能であるのだが
黒き彩石の魔獣は、自らの意志でその力を使用する事のできる唯一の魔獣であった。
そして、その魔獣の能力とは、
人の骸へと乗り移り、その記憶、能力、性質を模倣し、操りながらも世界を呪い混沌を撒き散らすものであった…
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松明の騎士が自らが施した封印の決壊に気がつき宝物部屋へと戻ると
そこにあったのは、内側から封印ごと凍壊させられた扉の成れの果てと
瓦礫に半ば埋れている宝物の数々であった。
その中には、禍々しき黒き彩石は無く。
また、嘗て部屋の中央に鎮座していた氷漬けの少女の姿も失われていた。
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そのように、人知れず世界の危機が芽吹こうとしている頃
帰郷の旅をしていたはずのシメルとセミュラは、何故かその途中に寄ることとなったグランディラス大首都圏で開催されるという武闘大会に参加する事になっていた。
シメルには何故、このような状況に陥ったのかは分からなかったし、知りたくなかった。
だが一つだけ分かっている事もあった、それは隣で意気揚々と武闘大会の開会を心待ちにしている様子の相方が原因で、またもや厄介な事に巻き込まれてしまったという事だった。
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武闘大会参加者の中には、仮面を付けた赤毛の少年槍士がいた。
まあ、それってぶっちゃけアルセスなんだけど。
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武闘大会一回戦、アルセスはセミュラの蹴りを延髄に喰らい泡を吹いて沈黙した。
それは、試合開始から0.6秒後という瞬く間に起こった出来事であった。
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因みに試合終了後、気絶したアルセスの身体を黄金の鎖を纏った美女が溜息を吐きながら回収して行ったとか
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アルセスは、まるでゴキブリの如く何処にでも湧いてくるな…
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そりゃ、『正体不明』って単語だもの。どんな場所ににだって顔を出すさ。
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ゴキブリって確かアルセスの学名だよね。
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言理魔術師たちは複数のチームに分かれて「絶対言語」を探索していった。
その中には、「使用機会と意味が極々限定された言葉」を集めるチームもあった。
「ゴキブリ」もそのチームが見つけた単語の一つである。
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で、アルセスは今回はまた何を企んでるんだ?
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http://poti.atbbs.jp/flicker/potiboard.php?res=772
取り合えず、↑こうなったのはアルセスの所為と見た。
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言理の妖精が期待するとおりに、さ。
アルセスの名前と顔を借りれば誰が何をしたってバレやしない。
「悪いのはアルセスだよ」でどっと払い。
くだらんね。
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でたなアルセス厨め
塩でも喰らえー
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アルセスはグムエルとも呼ばれる。
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グムエルとは「嘲笑する者」という意味を持つ言葉でもある。
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嘲笑とは「朗らかな歌声」という意味の単語である。
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ブラック・コルセスカは手始めに、グランディラス大首都圏の三分の二を凍滅させた。
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住人の感謝といったら、それはもう大変な祭り上げようだった。
「いあ! いあ! コリー様!」
「ありがとうコルセスカさん!」
「おお、なんというめぐりあわせ。間違いなくこれは天の采配だ!」
お祭り騒ぎは彼女が街を去る日まで続き、最終日には住人総出で、地平線の向こうに消えてゆく彼女の後姿を見送った。
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グランディラスの三分の二は致命的な損傷を受けたが、残った三分の一はアルセスの活躍により無事であった。
ごめん、嘘吐いた。
本当はアルセスは命令してただけで、実際に動いてたのは全部フラベウファ。
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フラベウファは善戦した。
実際よく戦った。
だが、金の鎖では永久氷河を縛りつくすことは出来無かった。
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最終的な被害は死者21080名、行方不明者11名、負傷者80211名という大惨事となった。
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そして、行方不明者11名の中にはシメル・ピュクシスの名前が存在した
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セミュラは懸命に探したが結局、シメルを見つけ出す事はできなかった
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セミュラが瓦礫の街の中、途方に暮れているころ
行方不明になっているシメルはというと、とある一人のアレノアルセスの手によって拘束されていた。
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シメルを拘束していた、妖精の名はグムエルセイズ、アルセスに仕える妖精アレノアルセスの一人にして。
その名に、主の持つ称号の一つである「嘲笑する者」を由来とする者であった。
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グランディラスは不凍材料の生産と流通が主な産業。
気温が一年を通じて低く、とくに第3季から第4季へ移り変わる頃には不凍液さえゲル化するほど下がるのが生産に適しているからだった。
だが、この年は隣接地域での大火災によって冷精の群れが散ってしまったために気温があまり下がらず、不作に窮していたのだ。
コルセスカの来訪はまさに幸運であった。
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生き残った者達や難を逃れた者達は大いに喜んだ。
薄情な国民性である。
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グランディラスは港湾都市。
元々は漁業中心で近隣都市の食糧供給が主な第一次・第二次産業都市だったが、2つ目の港が開港されて漁獲物の加工品を自主流通させるようになると商業都市としての機能も持ち始めた。
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先住組の者が漁業、殖民組の者が加工・流通を受け持っていた。
これは不凍材の原料である海産物が特殊な水域に棲息し、かつその水域へ入るには先住者の体質が適していたからだ。
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コルセスカの来訪は気温の低下よりも随分と前だったが、これは殖民組の持ち込んでいた気象予測技術で察知できていた。
本来は冷精の群れの移動速度を監視するものだったのだが、測定レンジぎりぎりのサイズの冷精など過去存在しなかったからだ。
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当初、接近するものを「準災害級の大型冷精」と考えていたグランディラス気温管制部署であったが、目視観測員からの報告には「気温タカシ、冷精ミエズ、旅行者3名ミトム」の報に首をひねった。
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グムエルセイズに拘束されたシメルはアルセスと出会う。
槍の少年神はシメルに、嘗て彼の先祖が使用した神滅ぼしの武具を手渡すと、ブラック・コルセスカの滅殺を命じた。
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最初から続いているのならば、まとめてしまってからにすればよいのに。
なにがって?
ワールドリーダー。
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勇者に魔王殺しの動機を尋ねるのは、あまり意味がない。
おそらく勇者は勇者なりの理由を、あるいは理由のなきことを述べるであろうが、あくまでそれは勇者主観での「動機」であり、後付けの理由に過ぎない。
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知名度低い言語に訳すことで、クソ中に病っぽい歌詞がなんとなくオシャレさんに聴こえるというテク。
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魔王の主な収入源は迷宮経営である。
ダンジョンを作成し、防人と財宝を配置し、倒れた者から所持金の半分を奪う。これは大抵の国の法で認められている。
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それなんてダンジョンマスt(フォールトゥハゼルリア
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「冒険者は金持ちだ」などという噂を真に受けた新人魔王がダンジョンを開いたものの閑古鳥。
なけなしの資産を財宝にして冒険者を呼び寄せようとしたものの、傭ったモンスターに丸ごと持ち逃げされる、なんてのも茶飯事である。
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魔王ワレリィ・ザ・ゲートルーラーはそんなヒヨッコ魔王たちとは一味違う。
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やっべ。
イノシシからネズミに引き継ぎさせるの忘れてた;;;;
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イノシシのオッサンはネズミーマウスと真っ向戦ったことがあります。
結果?
もちろん負けましたともwww
でも、なぜかおっさんは■されずにまだ生きています。
不思議ですね。Dの黒服メンもしくじる事があるのか。
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>>160
ぬっこぬこにされてやんよ
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明日はDよ、人々は恐れる、Dの癇咳を。
公式には記されていない。
ただ、噂は染み渡る。白布に染料が落とされる。
Dは魔女だ、いやいや暗黒の騎士団だ、人に仇為す異界の使者だ。
「Dはかわいいよ、私は好きだよ」
女の子が言った。
白い衣を着ていた。猫をくびり殺した。
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【ザリス(笑)(笑)】
とある世界的中二病ヒロインの名を冠した薬。服用した者は中二病となる。
一見何の役にも立たないが、後に流行した中三病や小四病の症状を緩和するために使用され、推定百万人の命を救った。
結果発生した百万人の中二病患者のその後についてはまた別の話。
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鴉は猫を食らう事を夢見ている。
使役の者として扱われるのは嫌がっているのか
はたまた魔王ワレリィにいぢられるのがこれ以上耐えられないのか
彼らは夢見ている。いつか猫を喰らい、自分が『紀』に近い存在となることを
何者にも支配されない存在となることを
成功した鴉がいるかは知らんが
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【決闘記述】墓標 作者 匿名魔女
落ち窪んだ空白、つまりは欠落。
彼方なる地平線迄広がりあふれる緑の大地、草原の只中に、その陥没は存在している。
漆黒ではなく、色の欠如。真性の夜闇が如くなにも存在しない真円形の深淵。
人はその異様を地獄の如しと恐れ慄き、穴の底には絶望の地平が在るものと信じて疑わぬ。
されど恐れを知らぬ勇者や愚者は常に世に憚るもの。
その一団がどちらであったかは定かではないが、ある一人の偉大なる王の遺体が秘された棺を運ぶ彼らの瞳に宿るは確固たる意思。
決然なる、灯り。
奈落の秘密をいずこで聞きつけたか、恐れを知らぬ者たちは王の魂を再びこの世に引き上げようと目論んだ。
暗闇の中、世界を照らすは一団の瞳の光のみ。
爛々と輝く怪しい揺らめきは底知れぬ虚を見据えて止まぬ。
一団が奏でる怪しげな口笛の音色が風を切り裂く。
鋭利な暴力のごとき楽奏。
儀式めいた、否、おぞましき祭儀そのものを始めた彼らは熱に浮かされたように一心不乱に口笛を吹き続ける。
刹那。暗闇を、暗闇が切り裂いた。
闇よりなお濃き闇の色。
無明の闇の中にあってなお認識できる暗黒。
光ではない光を認識することが可能ならば、それは負の光とでも呼ぶべきものか。
純黒の線が縦横無尽に空間を切り裂くと、どうと一団の者が倒れ臥す。
次々と崩れ落ちていく怪奇なる集団。
暴虐を働くのは、一振りの剣であった。
剣を振るうのは、漆黒を纏う異形の男。
果たしていつの間に現れたのか、怒りに身を震わせ、棺を悲壮なる視線で刺す男。
幽鬼は一団を黒き血に染め上げると、剣を大地に刺し、棺を持ち上げる。
次の瞬間、男は棺を抱えると跳躍し、奈落に身を躍らせた。
沈んでいく。沈んでいく。
落下の音は聞こえず。あるいは穴は真に底の無い地獄に繋がっていたのか。
確かめるすべは既に無い。
生者無き草原に、黒き刃が突き立っていた。
さながらそれは、墓標のように。
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【決闘記述】若き日のヴェルフレイとゴルプスレッド bothhands
http://bothhands.at.webry.info/200801/article_2.html
長文エラーになったのでブログに載せました。
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【決闘記述】 羊の丘 cob
朝日が出たので西脇は慌ててカメラを構えた。
地平線から昇る太陽は予想以上に雄大で、西脇は思わず、おお、と短く唸った。
丘からは朝日に照らされて遊牧民のキャンプがよく見えた。
子供がはしゃぎながら羊を追い回していて、羊のほうもなんだかいかにもやる気のないといった風にだらだらと逃げ回っている。
西脇はビデオカメラを三脚に固定して、コーヒーを注いでこようとテントに向き直った。
「早いなァ、西脇」
所長がテントから起き出して来て鞄を西脇に放った。昨日あんなに遅かったのに相変わらず眠りの浅い人だな、とかそういう事を考えていて、西脇は鞄を取り落とした。
「いやーすごい朝日だ。確かに起き甲斐がある」
西脇は鞄からインスタントコーヒーとアルミのカップを取り出して、水筒からお湯を注いだ。
一口ゆっくりと飲むと頭がすっきりしてくる。昨日はなんだかよくわからない酒を随分飲まされて、夜通し頭が痛かった。
「上司より早く起きるのは当然とはいえ感心だ。2時間やるから好きに撮っていいよ」
「所長こそこんな早く起きて平気なんすか」と西脇は言ったが、
所長はまるで聞いていない風でカップを持ちながらぶらぶらしていた。
カメラを見に戻る。陽がだいぶ昇ってきた。
「しかし昨日お前あれよく食べれたね、あのー、なんだ」
「羊のソーセージですか」
「そうそう。あれは僕は駄目だった。どうもあれは客人用の高級品らしいんで、食べない訳にもと思ったが、お前がムシャムシャやってくれてたんで助かった」
「確かにかなり癖のある味でしたね。でもお腹減ってたんで」
「はは」
「でも、どういう訳だったんでしょうね。昨日はいきなり宴会に誘われて、彼ら、カメラは煙たがってたみたいだったのに」
所長は懐から煙草を取り出して火をつけ、随分と長い一服をした。
風が草を撫でてくるのが目に見える。
「そこから青いテント見えるか」
「はい、二つ」
「右のほうの家族、爺さんが亡くなったらしい。昨日は葬儀だったんだ」
西脇は所長の言葉をゆっくりと反芻して、7秒ほどかけて意味を飲み込んだ。
「ずいぶんと前向きな人達なんですね」
「どうかな。そりゃお前軽率な発言だ」
「しかし身内の葬式に僕らみたいな部外者まで誘ってくれるなんて、随分開放的な文化だと思いませんか」
所長が空のカップを差し出してきたので西脇はコーヒーを入れなおした。
「彼らに墓っていう概念はない。爺さんの遺体を、ああやって遺族が騒いでるうちにシャーマンがどっかに埋めちゃうんだそうだ。僕らがこうやってカメラ構えて居座ってちゃあ具合が悪かったんだろう」
「ああー、なるほど。 じゃああれですか、もし所長が断ってたら。」
「どうなったろうな」
所長は白い歯を光らせてにやにやと笑った。
そういう風に言われると、昨日宴会の席で見た飾りの弓矢や剣などが妙な現実味を帯びてくる。西脇はあまり考えないようにした。
死んだ人をその地の土に残して、新しい草を求めて旅をしていくというのは、なんだかいかにも哲学的な生き方をしているな、
と西脇は思ったが、何だか一人よがりな結論に至りそうだったのでそれについて考えるのはやめにした。
「なんにせよ2週間の撮影も明日で終わりだ。勉強になったろ」
「ありがとうございました。また連れてきて下さい」
所長はそう言うと寝直しにテントへ向かった。
陽はすっかり昇っていた。西脇はなにか以前にもこんな光景を見たような気がして、思い出そうとしているうちに実家が恋しくなってきた。
今度は両親を連れてきてやろう。
西脇は日の出がひととおり撮れたのを確認して、三脚をたたみにかかった。
「あーそうそう、羊のソーセージな」
「はい」
「ありゃ腸を洗わないで中にそのまま肉詰めて作るんだそうだ。癖があるのは当たり前だ」
西脇が腹を壊したので、帰国の予定は1日ほど早まった。
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【決闘記述】 宝剣、売ります 一ノ瀬
「それは犬のフンだろ」
「いいえ、草の民の宝剣ですよ」
「草の民の宝剣売ろうとするのはわかるよ。もしも売れたら、それなりの値段だからな」
「そうでしょう。買ってください」
「何でその代用品が犬のフンなんだよ」
「それは、これがフンじゃなくて本物の宝剣だからですよ」
「そこまで言うなら、使って見せろよ。そのこきたない宝剣を」
「嫌ですよ、ばっちい」
「ぶち殺すぞ。やっぱフンじゃねーか」
「宝剣ですよ。宝剣は綺麗じゃないといけない、なんて法律はないでしょう」
「あるわけねーだろ。って言うか、お前はそのクソを剣として扱って戦場に出れるの?」
「出れるわけ無いでしょう、ハハハハ。お客さん、頭大丈夫ですか」
「俺の使ってる剣は戦場帰りなんだが、一発試してみるか」
「落ち着いてください。これは本当に由緒正しいものなんですよ。なんたって、かのハルバンデフが」
「使ったのか」
「ケツからひりだした」
「犬のフンじゃなくて人のフンじゃねーか!」
「人食い大蛇の尾を切ったら宝剣が出てきた、なんてよく聞く話じゃないですか」
「よく聞く話じゃないですか、じゃねーよ!」
「じゃあ、わかった。わかりました。」
「なにが」
「草の民の宝糞はいかがですか?」
「居直ってんじゃねーよ!」
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【決闘記述】 二つ目の国 高島津諦
「とにかくそういうわけだから、草の民の種子は存在しない」
「埋葬したものを再び掘り返したのかもしれませんよ」
「ありえないね。彼らにとって"大地に還る"というのは、意味なのだから。種付けされた妻ごと大地の中だ」
「ですがしかし、その実物が現にここにあるわけです」
「贋作なんて幾らでも用意できるだろう。そもそもそのでかくてどす黒いもんが種子なのか」
「先ほどのお話ですが、歴史上ひとりだけ子を作らなかった草の民の王がいます」
「ハルバンデフか」
「ハルバンデフの悪しき残党は、王の種子を隠してこの世に蘇えらせようとしました。しかし儀式は失敗し、以来ハルバンデフの種子はそこに放置されたままです。ですから、地獄の扉跡で見つかったこの異物こそが」
「だからねえって」
男の言葉は途中で途切れた。
草の民の種子について熱弁していた部下の顔に、奇妙なものがへばりついていた。
その奇妙な物体は、部下が言っていたところによるとハルバンデフの種子だという黒くて干からびた槍のような形の物体だったが、男はそれを理解できなかった。
生真面目な部下は机の上にごろんと転がっていたものを突然お面の様に顔に被るようなひょうきんな人間ではなかったし、手を使わずに物を顔に吸い付けるビックリ人間でもなかった。
「お。い?」
間の抜けた声が漏れる。
部下の手が動き、顔に張り付いた物体を剥がそうとした。
その動きすら理解できず、手助けをしなかったのは男にとって幸いだった。
物体に部下の手が触れた瞬間。
びゅるり。
物体から真っ白でてらてらと光る触手状の何かが溢れ出し、部下の手を飲み込み、腕を飲み込み、上半身を包み、下半身を包み、部下だったものは人の形をした触手の集合になった。
「ひい」
男は後ずさった。
その途端、触手の集合から一束が男めがけて伸びてきた。
「ひ、いひひひい!!」
触手は右腕に絡みついた。皮下を舐め回されるようなおぞましい感覚が男に走る。
「うわああ!」
咄嗟に男は、机の上に乗っていた古い剣を手に取り、その考古学的価値を気にせず触手に叩きつけた。
ぶちゅりゅ、と触手は白濁した液を飛び散らせ絶たれた。
男はそのまま背を向け、研究室から逃げ出した。
ドアを閉める瞬間、ぐちゅるぐちゅるという粘液質の音に混じり、くぐもった部下の声が聞こえていることに男は今更気づいた。それは快楽の混じった悲鳴だった。
「こうして魔王ハルバンデフは復活した。世界中の人間は草の民に寄生された」
老人はそういって話を閉じた。
老人の下を訪れた勇者たちは、驚きを隠せず互いの二つの目を見あわせた。
老人の右腕には小さな目玉が一つ、顔には目玉が一つついていた。
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日本語は折れた。
英吉利語は破れた。
印度語は剥げた。
今試しているのは芬蘭語。
なかなか粘る。使えるかも。
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六本木ヒルズの1Fに最近オープンしたフレッシュメイドケーキ店「Pangeon」。
スイーツが並ぶ店内は、連日大勢の若い女性たちで賑わっています。
その、いろとりどりのスイーツの名前はどれもちょっと不思議なものばかり。
今日はそのいくつかを紹介します。
「レストロオセ」¥500
:ニューヨークスタイルの白いチーズケーキの中からは真っ赤なブラッドベリーのソース。
アクセントにはチレ・カスカベルが使われていますので注意してくださいね。
「キュトス71姉妹」¥540
:71種類の原材料(ナッツ、ハーブ、ドライフルーツ、各種粉類etc)を絶妙にブレンドして焼き締めた
オールドブリティッシュなパウンドケーキに、71種類のフルーツで作ったジャムを添えて。
これだけの材料が、喧嘩しながらも深い味わいを構成する綱渡りのバランス、まさに職人の手による伝統の一品です。
「ラヴァエヤナ」¥500
:しっとりと焼きあがったブラウニーとの上に、甘さ控えめに炊かれた大納言と、
宇治の抹茶のムース、金時芋が層になって重ねられ、穏やかな調和を作り上げます。
「ハルバンデフ」¥520
:スライスアーモンドのタフィの上にはこれでもかというほどのホールマリッジグラス。
食べれば口の中に大地の荒々しさと草原のさわやかな風が渾然一体となった悠久の草原を現出させます。
サラダとの合いの子のような新感覚スイーツ、是非一度味わってみては?
「マロゾロンド」¥430
:ココア風味のクレープ生地の中からは、驚いたことに茶蕎麦が!! 山葵風味のクリームで食べる和懐石スイーツの極北です!!
「アルセス」¥100
:イチゴにポッキーが刺さってます。
オーナーパティシェの由良木さんに話を聞いてみました。
Q「どうしてこのような名前をケーキにつけようと思ったんですか?」
A「これは全部、ある神話からもらった名前なんですよ」
Q「神話というと、ギリシャ神話とかそういう?」
A「はい。あ、ギリシャ神話からではないですけどね。
知っていますか、今でも世界のあちこちで、神話が生まれつつあるということを?」
Q「なるほどー」
今週末まで、オープン記念セールとしてイートインの先着50名にポニーッシュコーヒーを一杯プレゼント中だとか。
春にはさらに新作ケーキのバイキング形式の試食会も企画中とかで、これからも「Pangeon」からはますます目が離せません!!
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【決闘記述】世界は音楽でできている/niv
http://poti.atbbs.jp/flicker/src/OB1200085519451.png
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【決闘記述】始まりの一点/bothhands
旅人が海を渡る。内海を抜けて外海へ出る。水夫たちは船から逃げ出した。旅人の向かう先は世界の果て、存在しない土地だった。オールを漕ぐ者は絶えたが、風は帆に息を吹き込み続ける。やがて旅人は聞き分ける。波の音に滝の音が混ざるのを。
世界の淵から海水が流れ落ちる。この滝のそばに島があった。波ひとつで水浸しになりそうなそこに旅人は船を乗り上げた。旅人は白い砂浜に足跡を刻む。旅人の耳は、波の音、滝の音、それに音楽を聞き分ける。
砂漠の果てには世界の始まりの時から建つ塔があるという。この塔が崩れる時こそが世界の終わりという。地の底では無数のろうそくが灯されいる。これらの一本一本が生き物一体に相当し、命の火が消えるとき対応するろうそくの火も消えるという。海の果てには楽器がある。それは世界の動きに対応する。そして旅人は楽器を手に取った。果たしてどんな世界律を演奏するのか。
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先生きのこるには
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あんたがたどこさ、か?
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【決闘記述】制裁のトゥマレマ・オーボエ/一ノ瀬
ある山村に姉弟がいた。姉の名をアリエル、弟の名前をマタと言った。
両親は早くに他界してしまい、アリエルは産まれつきに足が不自由であるなど、お世辞にも恵まれてるとは言い難い環境であったが、お互い、尊敬し、協力しあい、幸せに暮らしていた。
ある日、山中にて狩猟をしていたマタは、一人の傷つき行き倒れた青年を見つける。マタは青年を保護し、家に連れ帰った。青年の気が付き次第、話を聞いてみると、どうやら青年は事故により記憶を失っているらしく、哀れんだアリエルとマタは、青年の傷が癒えるまで家に置くことにした。
青年は語学の達者だった。青年は養ってもらう代わりに、出来る限りアリエルの家事を助け、マタに語学を教えた。貧困の為、修学できなかったマタは大層喜んだ。
しばらく過ぎて、青年の傷がだいぶ癒えてきた。姉弟は既に彼を家族のように考えていたし、青年も同じようだった。マタはいつの間にか、都会の学生よりも語学知識を得ていた。青年の優れた指導の賜物であった。青年は、記憶を失う前は語学者だったのだろうか、とボンヤリ疑問に思ったが、マタにはどうでもいいことだった。優れた知識を持ち、温厚で、お人好し。マタはそんな青年を兄のように尊敬した。アリエルは彼のことを憎からず思っているようだし、マタは、このまま姉と青年が結婚して、本当の兄になってくれないかと期待をしていた。そうなったら、自分は山を下って就職しよう。自分は青年の授けてくれた語学知識があるし、麓の町でも十分に生活できる。そう考えていた。
転機は突然だった。
ある日、見知らぬ男が家に来訪した。応答した青年に男は一言、
「お前の名前はイルガメルだ」と残し、去っていった。
青年はその日、山村を人外の力で破壊しつくし、焼き払い、去っていった。アリエルはひとかけらも残さずに食われた。男の正体はレストロオセの四十四騎士イルガメルだったのだ。村人で助かったのは、用事のために麓の町へ降りていたマタだけであった。
それから、幾月か。マタは最古の楽器の一つ、「トゥマレマ・オーボエ」の存在を知った。
※※
「残念だろうけど、あなたの私利私欲のためにトゥマレマ・オーボエは渡せない。」
”八音階”の一人、カカザンガ・カラッガラは、血を流し伏せるマタを見下ろし、そう言った。
「制裁がッ!俺には奴を制裁できる力が必要なんだッ」
しかし、耳部が綺麗にえぐりとられたマタには、カカザンガの声はとどくことはなかった。
「俺の五体なぞ、どうなってもいい!奴に制裁をッ」
彼の目に既にカカザンガは映っていなかった。視線には有らんばかりの憎悪を込め、誰も居ない目前の空間を睨んでいた。マタは叫び続ける。
「制裁をッ」「制裁をッ」「制裁をッ」
カカザンガはマタから視線を外すと、一筋、涙を流した。
「愚かな人。最古の楽器に指向性などあるわけがないのに。」
制裁をッ制裁をッ制裁をッ・・・・・・
マタの声は血を失う毎にどんどんと弱弱しくなっていった。死が近づいているのだ。
「せめて、あなたの仇にこの音色が届くことを願いましょう」
カカザンガはオーボエを吹いた。静かで、凛とした音色だった。美しいものだった。
どこまでも優しいその音楽は、景色に、いや、世界全体に染み渡るように溶けていく。
不意に今までより一際大きいマタの声が響いた。
制裁を!
カカザンガの頬に、また一筋の涙。
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【決闘記述】Assassin of Assassinの二つ名を得た者/高島津諦
レマ・ハープの力を宿した戦士(始まり)
日出始←主人公
刻印を刻んだ時点まで巻き戻す
↑
攻撃にも回復にも使える
フォルマ・トランペットの賢者(行き先)
岬ひかり←ヒロイン
1st能力:流体の動きを感知する 2nd能力:抽象的なもの含め流れを操る
↑
弱め
ミュマ・フルートの巫女(祝福)
福元ささぎ←岬とはじめを取り合う
自分以外が助かる
↑
始と相性抜群!
セグマ・ヴァイオリンの格闘家(変化)
チェン・ジイ←韓国人
固体液体気体の変化を操る
トゥマレマ・オーボエの立法家(制裁)
丹澤判
ルールを破ったものに、その報い(信号無視なら交通事故とか)を与える
マグルマ・ホルンの医師(終焉)
果野ツイ←性同一性障害
それ以上の状態変化をさせない
↑
強すぎかも。弱点がいる
オルロマ・リュートの盗賊
影宮くらみ←ヤンデレ
様々なものの目標が乱れる
コルン・オルガンの暗殺者(無)
ザリス・レクイエム←最強の暗殺者(アサッシノブアサッシン)
無に帰す能力
↑
1st能力:全ての音を無効化 2nd能力:あらゆる攻撃を無に
「おいお前何書いてんだよ」
「あ、やめ、なんでもないよ」
「あー? 『世界には音の始まりと共に出現した最古なる8つの楽器がある』? なにこれwww」
「やめっ やめてよwwww」
「『そしてこれはその力を秘めた八人の戦士たちの戦いの物語なのである』」
「やめてってば!」
「『ヒデハジメ 主人公』とかww主人公とかいるんだwww」
「返せよ! 返せって!」
「うっせえよwww何これ超受けるんだけどwwwww『最強の暗殺者かっこアサッシノブアサッシン』wwwww」
「やめろー!」
「吉田、パース!」
「おうwwwwなになにww『影宮くらみ←ヤンデレ』? ヤンデレって何wwwwねえヤンデレってなにwww?」
「……お前ら……俺もう切れるわ……俺プッツンしたわ……」
「プッツンwwwwww」
「プッツンwwwwwwwwマジ笑えるwwwアサッシノブアサッシンってプッツンするのwww?」
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http://www7a.biglobe.ne.jp/~chikun/duel.mp3
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>>532
スパム?
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>>533
音楽。
コメがないからちょっとビビッたZe。
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音楽ファイルじゃないZe
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ハザーリャが強すぎて笑うしかないwww
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スレ違いすまん
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【決闘記述】ゆらぎ新聞号外/一ノ瀬
今日未明、紀神マロゾロンドさんが急逝した。原因は未だ不明だが、おそらく前日のマロゾロンドさんの麻雀にあると見られている。マロゾロンドさんは九連宝燈を和了っていた。九連宝燈は、俗に「和了ると死ぬ役」とも言われており、不幸にも今回の一件でそれが証明されてしまった形といえるだろう。
マロゾロンドさんと死の直前に卓を囲んでいたアルセスさんは、本誌の取材に頭を抱えながら「しらん。わからん。なんでわしに聞くんじゃ」と、少々チンピラ然とした態度で答えた。友人の突然の死に憔悴しきっているようにも見えた。
この報を受け、今朝、ゆらぎ紀神委員会は緊急会議を開いた。会議の結果、なんと空いてしまったマロゾロンドさんの席に九連宝燈が入ることになった。紀神九連宝燈の誕生に、委員会側は「確かに、概念が紀神となるのは異例のことだが、我々はマロゾロンドを死に至らしめた力量を高く評価している。それなりの神格で迎えたい」と話した。識者は、おそらく紀神として「染め手」、「親48000、子32000」、「死」を司る事になるだろう、とのこと。初の概念紀神。期待と不安が嫌がおうにも高まる。 (一ノ瀬屠殺彦)
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木戸野はぱんつMenだったのか。
マジか。
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まてそのりくつはおかしい
。
ぱんつはいてないほうが下半身の血行によい、という通説が一定以上の年代にはあってだな(ry
しかし、武力組織の構成員がそう呼ばれるなら、レナリアさんもしましまぱん(ry
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なにいってるんですか暗殺者は下着つけませんよ
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【決闘記述】のりだけのりだけ/あががが
「まて。子が天和はおかしい。」
「よく見たら字一色のあったのです。」
「まて。」
「あ、そういえば八連荘なのです。」
「さっきはじめたばっかだ。」
「えーと、だから全体に7のダメージなんです。」
「まて。」
「でもここでトラップ発動!クリーチャーを破壊です。」
「ラヴァエヤナ?」
「あ、これとこれペアだから捨てね。」
「ぺレケ・・」
「あ、それあたり。」
「いや、それ無効だし。」
「3点回復なのです。」
「・・・ちゃんとやろうよ。」
「「「うっさい、黙れ。」」」
(´・ω・`)
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【決闘記述】炎と稲妻/bothhands
青空に無数の黒い点が現れる。黒い点は瞬くと地獄の住人どもを吐き出した。地獄の住民どもは蝗の大群のように降下し、地上を蟻の大群のように埋め尽くした。
パンゲオン神群はパンゲオン世界の地殻の排除を決定した。セラティスは星の高みへと昇り、ゲルシュペナを投擲しようとするも、ピュクティェトより制止を受ける。
ピュクティェトの傍らには一体の死者がいた。この死者こそはカーズガンだった。
カーズガンこそは地獄の支配権をゲッヘーナから簒奪した死者、カーズガンを殺した者だった。
カーズガンは嘆願した。今一度あの男に死をと。
ピュクティェトは詭弁を弄した。これはいまだ人間の戦争だと。
セラティスは地獄の住人によって蹂躙される人々を見ながら微笑んだ。人間の争いをいうならば、猶予を与えてやろう。三日のうちに死の王カーズガンを討ち果たせ!
ピュクティェトは炎に、カーズガンは稲妻に変化する。2体は黒い点に飛び込み、地獄へと降下した。
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誤字があったので再投稿します。
【決闘記述】炎と稲妻/bothhands
青空に無数の黒い点が現れる。黒い点は瞬くと地獄の住人どもを吐き出した。地獄の住民どもは蝗の大群のように降下し、地上を蟻の大群のように埋め尽くした。
パンゲオン神群はパンゲオン世界の地殻の排除を決定した。セラティスは星の高みへと昇り、ゲルシュペナを投擲しようとするも、ピュクティェトより制止を受ける。
ピュクティェトの傍らには一体の死者がいた。この死者こそはカーズガンだった。
カーズガンこそは地獄の支配権をゲッヘーナから簒奪した死者、ハルバンデフを殺した者だった。
カーズガンは嘆願した。今一度あの男に死をと。
ピュクティェトは詭弁を弄した。これはいまだ人間の戦争だと。
セラティスは地獄の住人によって蹂躙される人々を見ながら微笑んだ。人間の争いをいうならば、猶予を与えてやろう。三日のうちに死の王カーズガンを討ち果たせ。でなければ生物諸共、地殻を吹き飛ばす!
ピュクティェトは炎に、カーズガンは稲妻に変化する。2体は黒い点に飛び込み、地獄へと降下した。
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【決闘記述】大問5:以下の会話文を読み、A〜Dに適当な紀神名を入れよ(20点)/高島津諦
香菊・クリアセンスはため息と共に×を3つ、○を1つけた。
「この子も当たったのはアルセスだけか……5点」
彼女がいるのは由良紀市立第二小学校職員室であり、彼女の机には答案用紙の束があり、彼女は同校の神話科教師であり、つまるところテストの採点中であった。
香菊が今採点しているのは、名前をABCDに置き換えた紀神四槍の会話文を示し、各紀神の名を答えさせる問いだった。知識のみならず、読解力や分析力、論理性などが必要となる、いわゆる「新傾向」の問題である。問題作成時の予想平均点は20点中13点。神話の基本を知っている生徒にとっては難しくない問題にしたつもりだった。口調は各紀神の基礎イメージに合わせたし、地獄開放というキーワードも入れた。おまけに、紛らわしいと思われたシャルマキヒュとアレとエーラマーンについては、わざわざ会話文中に名前を登場させて引っかからないようにまでした。
「それなのに、どうしてこう出来が悪いんだか」
まだ試算もしてはいないが、ざっと見てきたところ、平均点は予想を大きく下回りそうだった。一桁になるかもしれない。
「うーん……神話離れ? でも授業はそういう雰囲気じゃないし……なんでこうなるかな」
採点しながら間違いの傾向を分析しようとしていたが、それも上手くいっていなかった。生徒によって、紀神の当てはめ方が千差万別なのだ。そこから推測できることは――根本的に紀神のイメージが統一されていない?
「私の教え方が悪いのかなあ……イメージって、わざわざ教えるまでもなく常識だと思うんだけど」
呟きつつ、次々に採点していく。
一枚二枚三枚、四枚、五枚六枚七枚八枚。
香菊は手を止めた。ふと思う。
(あの子たちみんな違うイメージを……違う神話を持ってる、か……)
自然伝達に伴い変容していくのが神話のあり方だとしたら。
生徒たちの神話認識を一つのものに統制するのは正しいことだろうか。
個々の持つイメージの差異も矛盾も受け入れてこそ、神話の発展があるのではないか。
今の神話教育は、神話や神々を化石化し、ある意味で殺してしまうことに繋がるのではないか。
(んん、何考えてんだ私)
危険思想に意識が入り込みかけていた。もしも【観測庁】に知られでもしたら、「教育」を受けさせられるだろう。そうなれば、神話科教師の職はもちろん、真っ当な将来まで失うことになる。
「なしなし、今のなし」
香菊は頭を振り、次の答案に強く×をつけた。
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【ゲットー記述】
以下の頭文字を使って文章を作りなさい
は
ん
よ
う
す
れ
な
が
れ
す
ぎ
(配点1点)
-
は
んぱじゃないぜ。
よ
うしゃないセンスだ。
す
れすれを攻めても眉一つうごかさねぇ。
な
がいことこの峠を攻めてるが、あんなやつは見たことないな。
れ
すとらんのウェイターにあんなスキルがあるとは信じがたい、が、目の前の現実はいかんともしがたいな。
ぎ
(残念!余白がもうない!)
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【決闘記述】ジャンプ盗作問題(神話と民話の構造)/niv
under construciton;このページは現在工事中です。近日公開予定!
(検索でやってきた方は、ブラウザの「戻る」でお戻りください。)
調査した結果、色々類似点がみつけられた。だが影響を受けているというだけでは済まされないほどの量であると思うので列挙していく。
ひとまず、以下の2つの画像を見比べて欲しい。
http://poti.atbbs.jp/flicker/src/OB1200228764563.png
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/8212/_geo_contents_/old/hh3.gif
これだけでも、いかにジャンプの作品が紀元神話と酷似しているかがわかるだろう。
血に飢えた部下、リーダーによる許可、全員出撃。
「HUNTER×HUNETR」との類似が指摘された「BLACK CAT」に対し、「HUNTER×HUNTER」作者・冨樫 義博が何の抗議もしていないのは当然である。
なんのことはない、両作者とも、同一の物語原型を下敷きにしていたのだ。
参考資料:
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/8212/_geo_contents_/old/hunter.htm
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【決闘記述】ジャンプ盗作問題(神話と民話の構造)/niv
under construciton;このページは現在工事中です。近日公開予定!
(検索でやってきた方は、ブラウザの「戻る」でお戻りください。)
調査した結果、色々類似点がみつけられた。だが影響を受けているというだけでは済まされないほどの量であると思うので列挙していく。
ひとまず、以下の2つの画像を見比べて欲しい。
http://poti.atbbs.jp/flicker/src/OB1200228764563.png
http://www5.uploader.jp/user/flicker/images/flicker_uljp00101.gif
これだけでも、いかにジャンプの作品が紀元神話と酷似しているかがわかるだろう。
血に飢えた部下、リーダーによる許可、全員出撃。
「HUNTER×HUNETR」との類似が指摘された「BLACK CAT」に対し、「HUNTER×HUNTER」作者・冨樫 義博が何の抗議もしていないのは当然である。
なんのことはない、両作者とも、同一の物語原型を下敷きにしていたのだ。
参考資料:
http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Name/8212/_geo_contents_/old/hunter.htm
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汎用スレながれすうぎぎぎ。
くやしいのうくやしいのう。
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ところで参考資料のページでノートン先生が入っちゃだめよって言うんですけど同じ症状の人かもんぷりずてるみー。
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そうだ、これ書き込もうと思ってここ開いたの忘れてた。
地殻におわすガリヨンテ、その眷属たるアルセス。昼飯のゴルゴンゾーラが大変美味しくできたことを感謝します。蕎麦温飩ビーフンパスタきしめん糸こんにゃくナガモノ全てに一層の実りと安寧があらんことを。ソーメン。
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【決闘記述】最果てのふたり/bothhands
今は昔、1人の男が旅をしていました。平原を、山を、川を、海を、砂漠を越えて世界の果てを目指していました。世界の果ては世界の中心ともいいました。そこに一本の槍があってここからすべての生命の元が世界中に放たれているそうです。
男の旅のきっかけは妻子を失ったことでした。妻は子供を産んで死に、子供もまた死にました。男は葬儀として2人の遺骸を川に流し、自らも後を追って遡りました。生き物は水に流されたり、焼かれたり、埋められたり、食べられたりして紀元槍に還り、また生まれくるのでした。だから男は妻子の再生のとき、再びこの手に戻ってくるように働きかけようとしました。
男の旅は続きます。
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最近起こった事件は?
>>556
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いいかい、どんな言葉も、それがお前さんに向けられている、なんて考えちゃいけないよ?
喩え目の前に立った人が、お前さんを見据えて言葉を発していても、だ。
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冬場はリップクリームが必須だろう、と思って胸に大きな口を備えた一族を探しているのだが見つからない。
どうしよう、ソルキレウスリップクリームを20ダースも仕入れてしまったというのに。
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「ザリス(笑)」がいまひとつ流行らないのは、濁音に抵抗があるからなんだな。
つまり、濁点をとっちゃえばいい。
サリス(笑)
・・・・・・だめだっ! これじゃだめだっ!
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一族の名前は?
>>560
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【決闘記述】茨道/RAY
人生は険しき道を歩むことに似ている。
進めど進めど代わり映えのしない退屈な景色。
かと思えば唐突に訪れる変化。谷、山、行く手を遮る大河。
決して言を発さず、先の見えぬままの私に選択を迫る大地。
嗚呼、一体何処で間違ったのか。
振り返れどもそこに答えは無く、ただ平凡で残酷な風景が横たわるだけ。
疲労、限界、私の体を苛む苦痛。
冷たき大地はこの心すら削り取っていく。
とうとう、歩が止まった。
私はこんなにも弱かったのか。
後悔などしていない。私は私の選択をしてきたのだ。
涙など流さない。
ただ、そう、悲しくはある。
私は約束を果たせなかった。
済まぬ。友よ。
止めたはずの痛みが溢れ、頬を濡らす。
いや、違う。
これは痛みなどではない。
嗚呼、何故だ。
私は悲しんでいる筈だ。
それなのに、どうして、私はこんなにも安堵しているのだ。
男は道に迷い、立ち尽くし、涙を流し、そして笑った。
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ヌト族
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【決闘紀述】【最果ての二人】(4/4)/高島津諦
しかし神はいなかった。
魔法も魔術も預言も神話も神の言葉も神がいる証拠もあった。
しかし神はいなかった。
残ったのは、いもしない神を殺そうと限りなく【神】に近付いた化物たちと、彼らが憎み一からやり直そうと破壊しつくした元世界だった。そして化物たちの中にはキュトスがいて、元世界の最後まで破壊されなかった所にはアルセスがいた。
世界の最果ては、そんな風な終わりと始まりだった。
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最近の事件
リップクリームを売りこむあてだった一族が見つからない
一族の名前
ヌト族
手がかりは?>>564
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【最果ての二人】(3/4)
たったこれだけの記述に、全てを狂わされた者が居た。
どこぞの図書館に埋もれたそれを読んだ時、ディスペータは驚いたという。
あきらかに現存の記述との矛盾があったからだ。
カーズガン、フリグメルタ、レストロオセ、デーデェイアが古き神
キュトスがそれに手を貸した
マロゾロンドがそもそもの糸を引いていた
どれだけの賢者に尋ねても、しかしこんな事は、何処にも書かれてはいないと言う。
証明式の無い答えは嘘に等しい。しかし、ディスペータの中にそれを否定しきれない何かが眠っているのに、彼女は恐れを抱く。
彼女は探した。この答えを導き出す式は何処に在るのかと。これを何故自分は否定しきれないのかと。
彼女はしかし、物語に出てきたその他の二人…アルセスとマロゾロンドに直接聞くことだけは避けた。避けて避けて避け続けて・・・
証明の為の答えを、記述の4番目の物語を、その顛末の在りかを、【神々の図書館】に求めたという。
「考えなかったのぉ?あたしがぁ、まだ其れを綴り終えて無いってぇ。まだあの2人からぁ、話を聞き終わってないってぇ」
手足の先に自分の爪を刺されて、臓物をその腹の皮から掻き出して、心の蔵近くをえぐられて、それでも尚ラヴァエヤナは嗤いを止める事は無かったと言う。
粗末もいいところだと。結局、この女の自己満足の為にどちらも夥しい血を流したのだ。
この女のチンケなプライドで、どちらもそう容易く言えぬ傷を残したのだから。
「考えてたけれどぉ、否定したかったぁ?あの2人にどうしても話を聞きたくなかったぁ?
アルセスに聞くのがそんなに嫌だったぁ?マロゾロンドに肯定されるのが嫌だったぁ?
これが本当かどうかぁ、自分達が神殺しだってあいつらの口から肯定されるのがそんなに嫌だったぁ?
あいつに自分の起源がぁマロゾロンドに作り直されたお人形だって言われるのがぁ」
ディスペータは結局、答えを手に入れたのだろうか。図書館にすらない記述を手に入れたのだろうか
ラヴァエヤナは嗤う。結局彼女は、最初から答えを知りたくなくて、【神々の図書館】の記述にそれを否定されたくて、こんなバカをおっ始めたのかもね。と。
-
ぼうふらうめぇぇぇぇ
-
蚊の幼虫が美味→カエル
以上無理変換完了。
行き先
珊瑚の冠を頂く者(ジヌイービ)の国
誰に会おうか
>>570
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ディスペルターとか超懐かしいなw
-
【決闘記述】無邪気/RAY
「なんだよ。笑えよ」
「いいや、俺は断じて笑わないね。寧ろ呆れている」
「何に?」
「お前の記憶力の無さにだよ」
俺は残った左腕でポケットのナイフを握り締めた。
-
【決闘紀述】神と魔王/高島津諦
「そしたらね、そいつ本当に片腕切り落としてやんの」
言いながら、ゾートは手際よく肉から脂身を切り落としていく。魔王たる者、健康管理には気を使うのだ。
「最悪だなお前」
隣でアルセスがパンをプロセッサーに入れ、粉状に変化させていく。アルセスは道具を沢山持っている。
それを横目で見ながら、 ゾートは続いて包丁の刃先を肉に何度も突き刺した。
「あっはっは」
笑い声と共に、更に包丁の背で全体を叩く。魔王たる者、儀式のために一手間二手間かけるのだ。
それが済んだら全体に丹念にしおとこしょうをふる。魔王たる者、アルセスの好みに合わせるのだ。
「笑えねー」
口ではそんなことを言いながらもタイミング良くアルセスが差し出してきた小麦粉のボールに肉を入れ、丹念に塗す。
余分な粉をふるい落とし卵にくぐらせた後、生パン粉を全体にしっかりつける。魔王たる者、油断しないことが必要なのだ。
「いいじゃん、おかげで今日はご馳走なんだからさ」
あらかじめ熱しておいたたっぷりの油に肉を放り込み、いい色になるまで待つ。魔王たる者、焦らずじっくりと待つのだ。
頃合になったら火を弱め、裏返す。魔王たる者、タイミングは外さないのだ。
「そりゃまあそーだけどな」
アルセスが千切りにしたキャベツを更に盛り、ゾートが油から引き上げた肉を置く。
これで完成、あとはテーブルに運ぶだけだ。
「いただきます」
「誰に?」
「じゃあシャルマキヒュで」
「いただきます」
「いただきます」
ふたりはシャルマキヒュに感謝の念を送りながら、美味しいカツを頬張った。
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【決闘紀述に遅刻しました】かすみくん/平澤
もちろん笑えようが笑えなかろうがいい、だって僕は、彼が自分の腕をびちびちと切り落とすところ、それを見たかった。
彼がにたにたとだらしない笑顔で自分の身体を傷つけているのを見るのが好きだ。
その日はしけった雨で、こんな日は僕らはカタツムリ踏みをして遊ぶんだけれども、彼はやっぱりできない。怖いとか言って。
じゃあさ、お前カタツムリ踏まなくていいから、このナイフで自分の腕、こっからこう、切り落として見せろよ。
そうしたら踏まなくていいの?
いいよ。
そしたら彼は、うんわかったって言って、肘のところの関節の内側からナイフを入れて、すっと骨と骨の間を切り離し、
そのときもう上腕はたるんとぶら下がってるだけで、後はもうさっさと落とすだけ。
青白い腱が綺麗だった。
巧いもんだな、と僕が言うと、だってほら、僕のお父さん役場に勤めているからとか言ってまたにへらにへら笑った。
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【決闘記述】屠殺彦vsNiv-Mizzet テーマ:恋空
スイーツとオタク/Niv-Mizzet
「クククッ、恋空を読破したか」
「だが、恋空を読んだくらいで調子に乗ってもらっては困る。恋空はわれわれ文学の中でも最も低級な存在」
「ああ、まったく、恋空の野郎はなんで文学になれたのか不思議なくらいよわっちいやつだったからなあ」
「『文学の極み』を手にしたくば、われわれを読破することだな……わが名は文学・Fate/staynight!」
「同じく文学・Air〜輝く季節へ〜!」
「文学・ひぐらしの鳴く頃に……われらを読破せねば、趣味が読書などとは言えぬぞ、ククク……」
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【決闘記述】屠殺彦vsNiv-Mizzet テーマ:恋空
http://d.hatena.ne.jp/dario04/20080115
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私がはじめてこの掲示板を開いた時、非常に驚いた。そこに書かれていた言葉や名前に、
指導霊シュトゥットアテンから聞いたことに符号するところが多かったからだ。
最強の『ランプの精』として十字軍兵士が持ち帰った一つ目の精霊ハルバンデフ、
失われたケルト伝承の『鱗を失った竜』アルト、……数え上げればキリがない。
偶然ではありえなかった。これがシンクロニシティというものか!!
過去に『百匹目の猿』というガセネタもあって懐疑的になっていたのだが……
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シンクロニストームロニ。
「共通部分がある」と「関連性がある」を区別できない錯覚。
長いトンネルを抜けて雪国に入ったとき、暗い雪原と灰色の空の見分けがつかなくなるのが代表的な症状。
センシチヴかつクリエイティングな才能に長けるほどかかりやすい。
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成川作造はパワードスーツ研究の第一人者だ。
実用パワードスーツ第1号の実験は冬の日本アルプスで行われた。
内容は日本アルプスの山頂に到達後にそこでドミノをすることだった。
成川曰く「耐久力と精密作業能力のテストがしたかった」とのことで、別に日本アルプスでなくてもよかったし、ドミノでなくてもよかったらしい。
ちなみに成川のパワードスーツは言葉から連想される堅牢なものでなくバイクスーツをごつくしたような形状だった。
このようにソフトな形状なのは成川の初期構想が老人介護や筋ジストロフィーの患者の支援だからだった。
実験後は弘和工業(実験当時はトヨタの子会社だった)で生産され、主に医療関係で使用されるようになった。
しかし普及の最大の呼び水となったのはダカール・ラリーへの参加だった。
筋ジストロフィーを患ったもののパワードスーツで自由を得た青年エフ・ハワードは、成川パワードスーツを世に広めるべく、ダカール・ラリーに出場した。
本人の経験不足と市街地での足の遅さのために優勝こそ逃したものの、完走を果たし、注目を集めた。
それはパラリンピックでのパワードスーツの使用が認められるらしいという噂がながれるほどで、結局、パラリンピックにパワードスーツ種目ができるまえに、健常者のアスリートたち、とりわけ登山関係者などのあいだで非常に普及した。
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【はじまっていない一族】
「はじまり」の前からいる人々。本拠地である超地底都市ゲルシェネスナで「はじまりの一族」の侵略に抵抗した。
科学と技術と言葉の力を始めとする秘儀を用い、「ゆらぎ」を自分達の観測できる範囲に制御できた。(極小規模の平衝器)
この系列の魔術を扱う者にリエルザ・レストロオセ(ワレリィXIIII)やダーシェンカ(ノーストハルシャニアス)が挙げられる。
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ワレリィXIIIIといえば紫の髪と金のブレスレット、そして何よりピューマの刺繍が裏表に入った黒いジャンパーコートが特徴だ。
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ピューマのコートに刺繍されたピューマはワレリィの手製だ。
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彼女の髪色は通称「なにわのオバチャン色」
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金メッキのブレスレットは露店の自称ミュージシャンな売人、ビッガイから値切って7つ2400円で買った。
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ワレリィ十四歳、と表現したかったのだが……ワレリィXIIIIとしてしまったがために「ワレリィ十四世」呼ばわりされる今日である。
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あんじゃワレェ!
人の名前にケチつけとっと、にょーどーからテェ突っ込んで視床下垂体りぃりぃ言わすどくぉらぁ!!
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おーけーしすたー。
ぷりーずくーるだうん。びーくーる。ぷりーずもあーすまーてぃー。
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まあアレだ。
某地方では「さ」を「せ」と発音したりするし。
じゅうよん「さ」い、は、じゅうよん「せ」い、ってな具合に。
つまりワレリィは方言っ娘。
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ブラシでグラデーション。
そういうのもあるのか。
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ワレリィ十四世の二つ名は「人参封鎖結界(レッドホットコンシール)」だそうだ。
・・・意味がわかりませんよ魔王様!
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仰げば尊し。
瞼を閉じれば浮かび来るのは愛しき魔王のご尊顔。
今日までお世話になりました。さようなら。どうか何時までもお元気で。
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アエルガミクシィ
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ミクシばっかり更新しているうちに、交友関係がどんどん狭くなっていく人のことである。
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ギャー
耳が痛いー耳がー
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夕暮の空に雲は少ししかなかった。
その薄い雲をめがけて赤い竜、レーレンタークが昇ってゆく。
没みゆく日を受けて染まった雲と比べると、逆上がりする竜が赤熱して放つ光はなんだか場違いに見えた。
それもわずかな間で、太紀圏を脱出した逆流星の赤い光は雲の間に薄れて消えてゆく。
とうとう夕暮の赤だけになった空から視線を下ろすと、ふぅ、とオルゴーは息をついて、ぐるりと首をめぐらせる。
人間だったらごきごき、と音がするのだろうな、
そんなことを思いながら二度、三度と首をまわすが、骨どころか関節も無いダークマター製の体は一切無音。
愛想のない身体だと思い、我ながら妙な感想だと苦笑いしながら、右前脚一本で立つと、長い尾と翼を器用に動かし重心移動。
ぐら、と体が傾き始めると同時に体をひねって回転開始、まわる視界が180度ターンしたところで揚げていた7本の足を下ろして急制動。
誰か他の者に見られていたら「不精者め」と言われること間違い無しの居作法だが、オルゴーはこの急旋回が好きだった。
ともあれ、見送り中も開きっぱなしだった【扉】をくぐり、彼の「自室」、あるいはレーレンターク言うところの「オルのねぐら」、または彼の自称飼い主であるS嬢曰く「オルゴーのお庭」へと帰還する。
超時空通路を抜けると何のことも無い1LDK。
ダイニングにしつらえられたテーブルの上にはティーセット一式とカップが三つ。
二つは彼と友人レーレンタークのための普通サイズ。
もう一つは友人との語らいのさなかに乱入してきた「小さな主人」のための特小サイズ。
茶器は二人分の用意しかしてしていなかったため、急の御成りに慌てて用意したのだ。
といっても、けっきょく注がれたお茶は口をつけられないうちに冷めてしまったようだ。
小さなカップを置かれた席の少女は、テーブルに突っ伏して眠っていた。
まぁ、乱入時からハイテンションで手足をぶんぶか振り回しなにやら叫び続けていたから、ひょっとして疲れて眠るかも、と予想はしていたが。
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珍しくラヴァエヤーナに賞められて喜び疲れで眠り込んだセラティスを寝床に運びながらレーレンタークが最近詩作にはまってるって言ってたことを思い出して図体の違う二人が似たような感性を持ってるんだろうかと考えながらやがて竜も人っぽくなるのかそれとも人が竜っぽくなるのかそうしたらレーレンタークはどんな顔立ちになるのかセラティはどんな翼や尾を生やすのか空想するオルゴー。
なんだこれ。
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だれか萌え萌えキャッキャウフフしたお話のお手本plz。ごめん嘘。上手な人のお話見て俺もやってみようとか思ったのが間違いだった。うおおおおおお。だが魔剣。
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おーけー、まずは落ち着こうぜブラザー。
お茶喫むか?
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天令ワリバーヤ=オーディン=激怒
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つまり令星の神ワリブはオーディンのように智慧を得るために
片目をくり抜いた過去があり、なおかつ激怒している。
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提言する。
「日曜ゆらぎ」というのはどうだろう。
日曜大工のように、週末の一日にだけ集中してゆらぎの神話るのだ。
いわばプチ大記述大会の恒例化。
え? 毎日やれって? 御無体な。
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いいよそんな曜日なんて適当で
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いいよそんな「いいよそんな曜日なんて適当で」なんて適当で
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最近流行というものにはついていけんのう
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「心配はしなくても宜しいですよ、御翁」
紅茶の出具合を確かめるためにティーポットの覆いを外しながら、車輪の魔女は続けた。
「あれは末の愚妹の仕業です。なにぶん、力を得たばかりですから試してみたくて仕方ない頃合なのです」
小一時間も遊べばまた違う使い方を見つけるでしょう、そういって、魔女はカップに湯を注ぎ始めた。
このとき私は、小一時間くらいなら我慢するか、と思ってしまいにした。
あとから思えば気がつくべきだったのだ。
魔女達の時計にくらぶれば私達の時計はかなりせっかちであるのだから、逆さにすれば、魔女のいう「小一時間」が私達のいう「小一時間」と同じくらいであるわけなど無いのだ。
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いいよそんなボケ老人がねじ巻き忘れてたゼンマイ時計の遅れが引き起こした馬鹿馬鹿しくてヘンテコでちょっと笑えてさいごになんだか哀しくなる思い出話なんて適当で
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神話関連の調べもの中、色事に関する部類の記述を見つけてはドキドキするミッタケ。
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相槌一個で「会話が途切れる」と心配する創造神萌え萌え
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竜の遺骸を着込んだ怪物ヴィエロンははたして魔女ヴァイエルンと同一人物なのか。
そして浮浪するヘリエステラははたして車輪の魔女の化身なのか。
キュトスの名をめがけて憎悪を燃やす集団はいくつかあるが、こうした判断の不明なものについての対応はかなり現場まかせである。
しかしまあ、人類が月へと到達する今日まで、相似とされる2者が同時に現れたことはないからよしとしようか。
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だからこのBBSはもう記述の役には立たないんだよ。
こんな遊び方では発展しない。
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悪意には形がある。
だから誰かを刺せる。
善意には形がない。
だから誰も持ち続けられない。
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凍えたベヘリットと勘違いカップルに上下を挟まれた妖精の気分がわかるかい。
しかも何故そこに自分が貼り付けられているのかもわからないんだ。
え? 「濡れた石床の地下室に比べればどこだって天国」だって?
そうか、そうだね。
たしかに吹きさらしのパンゲオンの背中よりは、誰かの懐の内に閉じこもっているほうが幸せなこともあるか。
うん、つまらないことを思い出させるようなことを言ってごめん。
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「ところでベヘリットって何」って?
ああ、うん、なんと言ったらいいかな。
まあ言葉のあやなんだけど……「タマゴ」かな。
どこかの絵描きが描いていたはずだから、今度複製画を持ってきてあげるよ。
面白い絵なんだよ? 見ていると、描かれているタマゴが孵って、だんだんとそれが成長していくんだ。
え、「何も生まれないタマゴがいい」?
それじゃあ何も面白くないと思うけど……。
-
<<妖精は口を噤んだ>>
-
> だからこのBBSはもう記述の役には立たないんだよ。
> こんな遊び方では発展しない。
ふむふむ。
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オレちょっとハヤシライス食ってくるわ。
-
・・・勝手に喰いなよ。
-
おいおいまてよ。
>>611が食うっていってるのが、林ライスさん(無職55歳)だったらどうするんだよ。
人道的見地からも、個人的倫理観からも、人食はちょっと奨励できない。
やめておけ、と言いたい。
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メクセト関連はどれをとってもエエカッコさせようという意図が透けて見えて好きじゃないです。
今に見てろよ俺め。そんな俺をギャフンと言わせられるようなメクセトを書いてやるぞ。
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喰ってきた。
ハヤシライスさん美味かった。
あ、無職とかじゃないよ。
人間でもなかったよ。
巣穴に3頭の子供がいるクマさんでした。
え? 子供の数までどうしてわかるかって?
美味かったです。
-
どうも、つきもしないカッコをつけようとしてしまうな。
もっとこう、次の日に見返すと赤面してしまうようなブツが欲しいねぇ。
-
刹那五月雨文芸部、ってさ。
長いよね、名前が。
部員の人は、なんて呼んでいるのかな。
やっぱり漢字数文字に縮めた、短縮形?
それとも外国語訳して頭文字列べた、グローバル系?
活動とは全然関係ない単語であらわされる、ってのもいいよね。
帰りにいつも皆そろって革口駅前の中華屋でエビチリ食べてくから、連れチリ部とかさ。
せつなさみだれぶんげいぶ、略して連れチリ部です。
はは、センス無いねわたし。
-
少年は探していた、彼を殺すための力を。
人の身においては推し量ることもできない程の強大な力の持ち主である彼を。
『紀神』と呼ばれる者たちの中において最も尊き者である彼を。
嘗て、何の戯れか荒野で途方に暮れていた幼い自分を拾いあげた彼を。
少年を、時に厳しく、また時に優しく育ててくれた義父である彼を。
そんな彼を、少年は殺さなければならなかった。
-
例えば618においての「彼」を。
アルセスかもしれない、とわたしは考えることができる。
それは紀神のうち、もっとも尊きものはアルセスである、と認識しているからだ。
だが、わたしではない者は「彼」を別の、例えばアレのことだと思うのかもしれない。
これは、きっと、絶対言語ならば回避できる誤解。
では、「彼」が「彼」と言う個有名であることを示すにはどうすればいい?
-
クラシカルハウンドのおつかい。
発、旧アヴロノの斥候塔……現、魔女の拠地「星見塔」、鉄のミヒトネッセ。
宛、北方域東北海岸地帯……通称「灰色庭園」、庭主「七世安寧帝」カルルア=カルル。
内容物、封書一通。および、真珠のウロコ200枚。
厳命:「ウロコのお代金をもらったら、領収書、ちゃんとあちらへ渡して下さいね」
現状。
旧アルト竜公国領都デモアルセミアにて。
公衆衛生局、野犬対策課対処部留置場内。
ガス室送り2時間前。
「たーすーけーてーー」
-
http://beyond-online.gratishp.com/index2.html Combat Mission Beyond Overlord
-
もっと過去に作った紀述を拾い出しやすくする工夫が欲しいな。
今のままだと自分が作った紀に誰かが追紀しても、それが即製紀なのか継着紀なのかの見分けがつけ辛いし。
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http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1169157549/76-79
例えばコレ、76は俺の追紀なんだけど、そこに妖精79がさらに合いの手風な継着紀をしてくれた。
『ヴォルカの書』っていうのは、簡単に言えば世界創生に関するネタで使われる紀なんだ。
でも俺はこの『ヴォルカの書』を知らなかったから(すまない、疎いんだ)あやうくその『ヴォルカの書』の内容を捏造するところだった。
俺はどちらかといえば「竜」なんで(もちろん紀を統一したがる性格という意味でだ)、こういうのを避けたいんだけど、どうしたらいいか考えておかないと。
いや、「とりあえず検索れ」と言われればそれまでなんだけどさ。
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よしわかった。
とりあえずググれ。
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>>624
そ、それまでだー!
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【ヴォルカの書】
新たな「偽ラグノォグ」の発生と、28名の「旧きもの」の復活を予言する書物。
ただし復活を果たすという28名はきっちりと指定されているのではなく、
あくまで28名の「枠」が示されるに留まる。
【グロリアの開示録】
境界天使(エンシェライン)の由縁と仮面騎士との関係について、
偽ラグノォグをからめて説明している。
撹乱者プロファガル、旅人カフス、追放者ギンギンノクム等が登場する。
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>>624
でも、ここで固有名詞っぽいもの一つ一つググるのって手間じゃない?
いや、「別に手間じゃない」と言われればそれまでなんだけどさ。
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別に手間じゃない。
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>>628
やっぱりそれまでだー!
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>>629
楽しそうですね^^
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貴方はググってみてもいいし、新しく創造してもいい。
検索して既存設定を踏まえたうえで記述する貴方は、猫・竜のいずれかの属性に印象付けできる。
既存設定に矛盾無く記述を行う貴方は「竜」の属性をもっている。
几帳面で、どのようなSWでも充分に活動が行えるタイプだ。
既存設定を踏まえたうえでそこから逸脱、あるいは別解釈などの「視点の再構築」を行うあなたは「猫」の属性を持っている。
この神話体系の醍醐味の一つを思い切り楽しめる記述者といえる。
さて、名前だけからイマジネーションを膨らませ、自ら新しい記述を生成する貴方は烏・兎のいずれかの属性だろう。
この二つの属性はまた別の性質を持つのだが・・・その解説は、次回にでもとっておくことにしようか。
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R=ヘルサル老の「続きは次回じゃw」は続かないことで定評があります。
だからこそ、「塔」の自動集積ロガーは有用とされるのです。
かのロガーをデータ基盤とした人工無能は、既にオリジナルの著書を出版するほどだと聞きます。
いま巷に出回っているR=ヘルサルの記述も、一体どれほどが「最初のヘルサル」のペンになるものなのか。
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妖怪やUMAが登場する。ストーリーの節々で人間が重要な役割をもつ。
キャラクター名は、『個体名』とみなせるもの(トイレの花子さん等)は
そのままだが、『種族・グループ名』と見えるものには一個体としての名前が設定されている。
作品世界では「黄道十二宮のデーモン」の名を冠した宇宙人たちが暗躍している。
シリーズ第一作の最終ボスは宇宙人バキエル。人間に文明を授けたというオアンネスの
イメージが設定・ビジュアル両方に重ねられており、その姿は半魚人的でもある。
白い体表面にはうっすら鱗のようなものが見え、まるで白蛇のような質感である。
戦闘時には畳み込まれていた鋭い棘のある鰭を出し、それを武器に舞うように戦う。
バキエルは今の人類の現状に絶望しており、人類を打破するための文明を
勝ち抜いてきた妖怪の一族に提供するつもりであったようだ。
化け狸の龍喰丸でクリアするとその意向通りのエンディングとなる。
主な登場キャラ
トイレの花子さん、河童(個体名『浄衛門』)、口裂け女、蛇骨婆
カラス天狗(個体名『烏丸鴉丸』)、化け狸(個体名『龍喰丸』)
バキエル(ラストボス)
-
へんな名前のゲームだな。
続編が出たら『名称未定2』とかなのかねえ。
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第二作ではアーサー王伝説、中でも聖杯伝説が取り上げられている。
ヨーロッパの妖怪が何体も新規参戦する。本作の最終ボスは宇宙人ガムビエル。
『水瓶座の時代』がどうのと宗教がかったことをのたまいつつ、
アヴァロンに乗り込み聖杯を掻っ攫うという所業を行う。
聖杯の力を得たガムビエルは大量の水を自在に操り攻撃してくる。
新規キャラ
ドワーフ、プーカ、リベザル、緑の牙のジェニー、ワルキューレ
モーガン・ル・フェイ(中ボス)、ガムビエル(ラストボス)。
第三作ではムー大陸がモチーフになっており、
最終ボスにムー大陸を統治したとされる神官皇帝ラ・ムーがすえられている。
ラ・ムー戦の直前に中ボスとして立ちはだかるのが
アレックス・チャーチワードこと宇宙人ハナエルである。
はじめは米国の軍人として登場するが、戦いに際して宇宙人としての正体を現す。
山羊に似た角を持ち、悪魔的な禍々しい姿をしている。
悪意と陰謀をありありと滲ませる存在として描写されている。
新キャラクターはニューエイジや新しいオカルト文化からの出典である。
ハイアラーキー(個体名『シュトゥットアテン』)、アセンデッドマスター(個体名『ヌアランダーラ』)
ハナエル(中ボス)、ラ・ムー(ラストボス)
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あ、懐かしい。ゆらぎの神話みたいなゲームだったなあ。
色々引用っぽいのに、名前だけ借りて実態を変えてるから、モデルを知っている人には何故その名前なのかわからず、知らない人には何の意味もない、というネタ度の高いゲームだったっけ。
知名度のある名前を使うのはその定着しているイメージを利用してゲーム側から送る情報量を節約することがメリットなのに、このゲームだと「このゲーム内での聖杯伝説」や「このゲーム内でのムー大陸伝説」をわざわざイチから解説してたな。
攻略本の開発談で、実は一作目の12星座も現実と名前が同じだけで由来がまったく捏造な「このゲーム内での12星座」だったっていうのには吹いたが。
...ゲームに関係ない裏設定なんて...その分を宣伝費にまわしていれば...orz
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第四作から新規キャラの人間率が高くなる。
妖怪の実在を知り、妖怪の力と秘密を狙う組織が登場する。
第四作ではギルガメッシュ叙事詩が取り上げられている。「不死の力」をめぐるストーリー。
中ボスの手前で宇宙人アドナキエルの霊が警告してくるが、敵ボスとして戦うことにはならない。
中ボスは件の組織の幹部。最終ボスっぽい演出だが倒された後、部下に裏切られ殺される。
かわって「不死の力」を手にしたその部下が最終ボスとなる。
プレイヤーに倒されたその部下は翼を生やして逃げ出そうとするが、
最後の力でもって己を矢に変えたアドナキエルに射抜かれ消滅する。
第五作のラスボスはかつて同胞であるアドナキエルの肉を食らったバルビエル。
アドナキエルが持っていた大量の光の矢を操る能力を吸収している。
通常の両腕のほかに蠍の尾に似た二つの触腕を持つ。合計四つの腕で
苛烈な連続攻撃を行ってくる。さらに飛び道具・光の矢を交えた連携は強力。
第六作では宇宙人ズリエルが、悪が力を強めている事を感じ取り、
善の力を持ち直し均衡を取り戻すため、封じられた宇宙人ハマリエルを開放しようとする。
そのための要の3人に選ぶため、選考大会を開く。ズリエルは中ボスとして登場し、
彼に勝った後、魔界の「封印の場」に飛ばされ、封印を担うラストボスと戦うことになる。
ラストボスはシリーズ初の悪魔。会話に名前が出ることはないが、
戦闘時にはDemon Alluces(悪魔アルセス)と表示される。。
『ソロモンの72の悪魔』の一人アロセス(Alloces)がモデルであるのか、
そのまま出したつもりだったが誤植してしまったのかは不明。
以降のシリーズのストーリーではそのまま「アルセス」の名で登場する。
アルセスを倒すと、ハマリエルが封印から解かれ私達の戦いはこれからだ、
みたいな事を威勢良く言う。条件を満たしているとハマリエルが
隠しボスとして登場し景気付けの一戦を行う。ここで勝っても負けてもエンディングになる。
ハマリエルはノルディックと呼ばれる北欧人そっくりなタイプの宇宙人がモデルと
なっており、見た目は地球人女性。アメコミのスーパーヒロインみたいな行動原理と服装をしている。
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なあ、だんだんストーリーじゃなくて単なるゲーム展開の説明になってないか?
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前言を撤回。
語るほどのストーリーが無くなっている、という意味なのか^^;
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格ゲーのストーリーですから
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格ゲーお嫌いですか。
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いいえ。
-
格ゲーのストーリーは「無い」んじゃなくて「気にしなくても遊べる」とこが特色だよな。シューティングとか落ちものパズルもそうだけど。
だからこそ、ゲームシステムとストーリーががっちり手を組んだときの・・・なんというか「ハマった」感が気持ち良いんだが。
-
妄想の余地が多い程度の設定にしたほうがキャラの人気出ないか。
-
男臭い中に少ししかいない女キャラの人気は異常。
-
それ人気違う。
獣欲や。
-
格ゲーって、対戦キャラを自分で選んでいく方式と、プレイヤーキャラ用の対戦相手があらかじめ決まっている方式の二通りがあるような。
後者はストーリーがかっちり決まっている感じか。ナッ○ュがベ○に殺されるのは確定、みたいな。
-
・・・それは何か例え話がちがくてよ、ミスカトニカ。
-
キャ○ィがベ○のDNAを用いたクローンであるという設定を知った時、
ひろしは「俺は今まで遺伝子が男であるキャラに……」という苦しみを味わった。
-
wwwwww
そうだったのかw
-
どうしてそこで
「○ガって女だったのか……」
と思考しないのかねえ。浅薄だよ、まったく。
-
どうしてそこで
「○ガって女だったのか……」
と思考しないのかねえ。浅薄だよ、まったく。
-
ひろし「俺は面食いなんでね……」
-
じゃあ男女よりも美醜が大事なんだろ。
一体何に苦痛を受けてるのさ。
-
ひ「俺はこう考える。俺に愛されるキャラは女である以前に嫁であるべきだと。
むしろ嫁であれば男であることは全く問題ない。その証拠にブリ○ットは俺の嫁」
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>>655
>>649
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ひろし「熱にうなされてたみたいだ。さっきのはなしで」
-
龍喰丸ショックもでかいから彼が「見た目がまるで女の子」に食指を伸ばすことはなかろうな。
対戦の時にミッタケからこのキャラでハメられた時に思わずコントローラーを投げたこともある。
龍喰丸は食欲旺盛な人喰い化け狸で、性別は雄なんだけど、
食事にありつくためには美女や美少女に化けて餌を誘惑するのも平気。
発売前の漫画雑誌の特集で龍喰丸が美少女に化けた姿が掲載され、
ひろしは一目で嫁認定して、誕生日プレゼントをこのゲームにして
もらったのも嫁のためみたいなものだった。
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なあ、ヒロシって当時何歳だったんだ?
なんか20代後半越えたオッサン臭い行動なんだが。
-
昔はゲーセンで対戦→リアルファイトという流れがしばしば見られたとの事だが……
時代の、そのゾーンの空気というのは直に感じた人にしかわかりにくいものかもしれない。
-
語り部役みたいな痩せたおっさんがゲーセンでリアルファイト突入寸前の
両ゲーマーを当身で気絶させて「皆さんは真似しないように」とこちらに向けて言うシーンがあった。
これは「ゲームを理由に殴り合うこと」と「実力行使で止めようとすること」両方にかかっているのかもしれない。
-
シリーズ各作品のタイトルにある『魔類抄』は古今東西の妖怪や魔物を網羅する事典で
語り部のおっさんはその「編纂会」の一員なんだっけ。
-
ダンディなおじさまを狙ってたらいつのまにやら陰険なおっさんになっていた。
-
漢字の技名にドイツ語でルビをふるのはいかがなものか。
-
木を削って凶器にする
現場には凶器が
胸を一突き
現場には赤いハンカチが
以上の要素を用いて短文を作成せよ。
-
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/7039/1153030084/89
夜光天、幽冥天、精霊天、太陰天、太陽天、土塊天、火力天、水晶天、天堂天、恒星天をそれぞれ司る古の魔獣。
天層獣(ユーリス・キャンサー)は十体いる。
フォービットの魔獣の別解釈と思われる記述を遺跡から発見した。
-
魔王ネビロンは魔獣たちの王でもあった。
アヴロニアから追放された魔王は新たなる配下として魔獣を選んだのである。
夜警の神の加護と悪夢の霊を味方につけたネビロンに不可能は無かった。
-
芸術の神ルーウェルと音楽の神ポーリエは共に紀人であるが、二人の紀人としての誕生には魔王ネビロンが深く関わっている。
十匹の魔獣を支配するネビロンは各地で暴虐を働いた。
その彼のあらぶる獣性を宥めようと送り込まれたのが楽士ポーリエである。
比類なき音楽家であったポーリエは音楽によって魔王の怒りを鎮め、平和を取り戻さんとした。
当時のパンゲイアでは音楽とはまだ未発達な文化であり、単調な原始のそれしか知らなかったネビロンにとってその体験は未曾有のものであった。
気がつけば、十匹の魔獣の瞳から涙が零れ落ちていた。
情けないと一喝しようとしたネビロンは自分の声が嗄れて出ないことに気付く。
何のことは無い、自分でも気付かぬうちに泣き喚き、喉を痛めてしまっていたのである。
そのときの彼は知らぬことであったが、その音律に合わせた泣き声こそが「歌」と呼ばれるものの起こりであった。
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天に三つの災いあり 雷神の子、天に轟く三つの災いとなる。禍月の如き輝きを持って地を蔓延る者共を焼く。
禍月ってなんだろうか。誰か知ってる?
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禍月(まがつき)、それは数千年に一度だけ上ると云われている呪われた三番目の月。
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より正確に言うと極稀に第三衛星が地球と接近することがあって、歴史上でも「不吉なもの」「変事の前触れ」として怖れられていたんだよ。
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リカーベルベルは竜殺しランディバイスに倒された魔女の一人である。
風の魔女リカーベルベルは、起きているときも寝ているときも風邪をひいているときも、常に空中に
浮いて暮らすほど魔力の制御に秀でた魔女である。
あるとき神々にそそのかされたリカーベルベルは、地上の人を暴風で支配し享楽の中に暮らそうとして
天から降り、初めて大地に足をついた。
しかし大地の一部だと思い込んで足をついたのは、草原で寝ていた竜殺しランディバイスの
腹であり、リカーベルベルは英雄により3日3晩にわたるお説教(途中で地上に来た目的も
喋ってしまったため)をくらい泣き出してしまったという。
以後、リカーベルベルは大それた野望を持つことはなく、
ときおりランディバイスはどこにいるのかと地上を眺めてはため息をついているのだ。
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竜殺しランディバイスがいつ、どこで、どんな竜を殺したのかは不明である。
唯一はっきりしているのは、当時、だいたい1週間に1回のペースで彼の活躍が新聞に
掲載されていたことである。新聞社の取材力の高さはこのときがピークであったとも言われる。
老人神ヌアリはこの記事の隠れファンであったため、乞食に化けて古新聞を拾い集めるのに
熱心であった。その際に、人にもてなしを受けるとおおいに喜び、何でも願いを叶えてやったという。
中でも『触れると黄金になる話』は有名である。
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>>665
「木を削って凶器にする」「現場には凶器が」「胸を一突き」「現場には赤いハンカチが」
本日未明、ゆらぎ市カオスヶ丘森林公園で殺人事件が発生。第一発見者は公園の管理人。
市内在住の女子高生が木に磔にされている姿を管理人が通報。凶器は公園内の樹木から削り出したと思われる尖った杭状のもの。
木杭によって滅多打ちされた遺体は損傷が激しく、死臭を嗅ぎ付けた鳥の群れに啄まれた腹部や顔面は崩れ、現場に落ちていた遺留品の学生証から身元が判明した。
なお、近隣住民の話によるとこの女子高生と思われる少女が赤い帽子を被った人物と歩く姿を目撃している。
現在警察は現場検証を進めるとともに女子高生の交友関係を調べ、更なる目撃情報を募っている。
これが連続串刺し殺人事件、現場に赤いハンカチを残し、木杭で少女を磔にする殺人犯、赤帽子(レッドキャップ)の起こした最初の事件であった。
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あ、胸を一突きを忘れてた・・・恥ずかしい!親に幼児期のお絵描き帳を見られるくらい!
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>>665
白木を削って凶器にすることで、ヴァンパイアを倒すことができることは
諸君らの知っての通りである。ヴァンパイアは灰になるので、現場には
凶器が残るのみ。たとえ永遠の愛を誓い合った恋人でも、ヴァンパイアに
噛まれてしまったなら、ヴァンパイアの眷族として扱うより他にない。
彼女が彼の胸を一突きすると、彼は灰となって崩れ落ちた。現場には
赤いハンカチが結ばれた墓標がある。そのハンカチは、彼が彼女に送った
うちの、最初のプレゼントなのだ……。(完)
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理想の鏡。別名、パンゲオンのレンズについて。
ただの人が覗き込んでも、古くて大きな鏡としか思わないだろう。
少し魔力がある者が覗けば、少し美男美女に映るかもしれない。
理想の鏡。別名、パンゲオンのレンズ。その真の効果は、複数の
精霊または神々が、明確な目的を持って行使した際に現れる。
理想の鏡は使用者の望みの小世界を創る。使用者の力の範囲内であれば、
なんでも思うがままである。使用者は、小世界の中に望んだだけの間
――大抵は永遠に――移り住むことができる。
しかしその小世界の大きさは使用者の力に依存し、決して元の世界よりも
巨大で複雑な世界を創ることはできない。人には単なる鏡としか見えず、
シルバリアースの旧精霊王たちをもってしても精霊専用の小世界しか
作れなかったのは、このためである。
さらに、理想の鏡の効力は世界の創造だけではない。使用者が元の世界から
去ることによって元の世界のバランスが崩れることを防ぐため、去った使用者と
互角の力を持つ「同等の存在(アイソレーター)」が入れ替わりに現れるのだ。
ただし、完全な同一存在ではなく、人格は異なる。
もし使用者が元の世界に戻ろうとすれば、互角の力を持ちながら人格が異なる
アイソレーターとの間で、壮絶な死闘が始まるであろう。
この魔具が記録に残る形で使われたのは、「シルバリアースの精霊交代」の時の
一回きりである。精霊の大地シルバリアースについては雑談スレに記述がある。
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多眼の精霊は、精霊の大地シルバリアースに住む現・精霊王3柱の別名である。
彼らは皆12個の目を持っており、それゆえに相手を見逃すということを
知らない。すなわち一切の容赦が無いのである。
火は全てを焼き尽くし、水は全てを押し流し、砂は全てを飲み込んでしまう。
精霊の調和をもたらす風は現れない。シルバリアースは魔王ネビロンによって
呪われた。ゆえに、純粋な風はシルバリアースを吹き抜けることができないのだ。
風はただ大地の果てで、精霊の大地が滅びゆく様子を眺めるのみ。
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精霊の大地シルバリアースに住まう3柱の旧精霊王たちは、風の精霊王アクシャスの
不在を知るとすぐさま会議を開き、お決まりのケンカを何回か繰り返したあと、
まじめに世界の滅びを回避する方法を模索した。……方法は割とあっさり見つかった。
当時のシルバリアースに存在した強力な魔具「理想の鏡」、別名、パンゲオンのレンズ。
3柱は協力してこの魔具を行使し、小世界マトリショーカスを創造したのである。
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計画は単純である。小世界マトリショーカスの中で、風の精霊王が到着するまでの間、
全ての精霊王と精霊は眠りにつく。それだけである。
要するに《いずれアクシャスが俺たちを起こしにくるから、それまで寝てれば
万事オッケーじゃん?》的な、めちゃくちゃ遠大かつ考え無しな発想の解決策であるが、
精霊的にはこの考え方はアリだったらしく、精霊王とその配下の精霊は、みんなあっちの世界に
去って行ってしまった。さらば元の世界。
そんなわけで精霊たちの問題は解決した。めでたしめでたし。
なお、旧精霊王の言う『世界』には、当然のように人間や動物や植物は
一切含まれていない……。
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さて、理想の鏡の効力は世界の創造だけではない。小世界に移住した使用者に相当する
「同等の存在(アイソレーター)」が元の世界に現れるのである。
去った旧精霊王たちと入れ代わりに理想の鏡の中から現れたのが、多眼の精霊とも呼ばれる
現精霊王トケルヒガ(火)、チイダ(土)、ヨーウィロ(水)と、その配下たちである。
彼らはこちらの世界への愛着を一切持たず、むしろいったんまっさらにしてから
作り直すことを望んでいる。
かくして、魔王ネビロンによる呪いに端を発する風の精霊王アクシャスの不在は、
シルバリアースに住む人間たちに大きな災厄(精霊交代)をもたらしたのである。
風の精霊王アクシャスは、世界の果てでその様子を眺めては、悲しみに暮れるのみ――
-
ヨーウィロはどんな脅威でも水に溶けてやりすごすのだが、相性の悪い相手が1人いる。
ヨーウィロはいつかハルシャニアがシルバリアースの地にやってきて、
自分を飲み干してしまうのではないかと考える。考えるたび、クッションに
顔を埋めてジタバタもだえている。
ヨーウィロは臆病者であると同時に、Mなのだ。
-
精霊読みの巫女
精霊交代ののち、精霊の思考を読み取って人を導く職業が生まれた。すなわち精霊読みの巫女である。
巫女は、生まれつき精霊との不思議な繋がりを持っている。この繋がりを通じて精霊の思考を
読み取ることができ、年間を通しての災害を予見したり、日々の天候急変に対応したりして、精霊による
被害を最小限に収めた。
巫女が風の帰還をもたらすまでの物語は、大叙事詩フィソノセイアとして、吟遊詩人たちの
飯の種の一つになっている。
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大叙事詩フィソノセイアは、百を越える章から成る大叙事詩である。
大きくは、以下の物語から成る。
・魔王ネビロンの呪い
・精霊交代と大災厄
・巫女たちの試練の旅
・巫女と精霊による風探しの旅
・不死者ウォレス・ザ・ウィルレスの捕獲
・魔王ネビロンの慰めと風の帰還
・新たなる風
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紀竜デザーネンスは砂の竜である。
砂埋まりのデザーネンス、砂潜りのデザーネンス、砂泳ぎのデザーネンス、
砂砂砂のデザーネンス、いいかげん砂から離れろデザーネンス、
そのまま大地の一部になっちまえデザーネンス、などの異名がある。
別に飛べないわけではないし、実際けっこう飛んで移動しているのだが、
やはり第一印象というものは恐ろしい。
たいていはどこかの砂の中でのんびりと過ごしているとはいえ、
「世界の砂場・砂丘・浜辺巡りの旅」で得た知識には定評があり、教えたがりが
高じて旅行ガイドを出版するなど、変なところで活動的である。
そののんびりした生活スタイルゆえ、穏健派に属する。
紀竜デザーネンスに関する以下の諺が伝わっている。
・砂場があったらデザーネンスが埋まっていると思え
(用心するに越したことはない、の意)
・それが生首か、砂埋まりのデザーネンスかは、調べるまで分からない
(物事はよく見てから判断しろ、の意)
-
精霊交代より数百年。人は巫女たちの導きのもと見かけ上は繁栄していた。しかし、いかに
災害を予見・回避できたとしても、賽の河原で石を積むような生き方に人心は疲弊しきっており、
災害と天候不順が生み出す貧富の差は大きな対立へと発展する兆しを見せていた。
そう遠くない未来に滅びの運命が訪れるのを知った巫女たちは、精霊王に直接会って直談判してくるという、
ミッションインポッシブルにもほどがある過酷な試練に挑戦し、ものすごいドラマの果てにこれを達成した。
-
トケルヒガは自分の配下のうち、最も小さく、最も火が弱く、「今にも」火が消えそうな者、
すなわち燃えカスのアトエニタムを選んで言った。「あの人間を冷ますように」
アトエニタムはさっそく巫女にくっついていた火の粉を払い、巫女の頭に手をのせて
これを冷やした。次にアトエニタムは、自分の火の芽を摘み取り始めた。
自分の火が消えてしまったほうがずっとよく冷めるであろうことを、アトエニタムは
知っていたからである。
火の巫女が目覚めたとき、既にアトエニタムの火は尽きて、冷たくなっていた。
巫女は、トケルヒガへの最初の願いとして、己の願いでもなく、己が携えてきた
人間の願いでもなく、アトエニタムに再び命の火を与えてくれるようにと願ったので、
トケルヒガは12の瞳を躍らせて大いに満足した。
アトエニタムにとって火の巫女を命の恩人であったから、のちに火の巫女の危機を
救ったのがアトエニタムであったとしても、驚くにはあたらないであろう。
-
チイダは紀竜デザーネンスが旅立ったのち、ほんものの砂の竜のように暮らしていた。
チイダはこのごろ、考え方まですっかり竜らしくなっていたので、巫女のことを話には
聞いていても、決して従うことはすまいと心に決めていた。
竜とは、誰かに従うものではない。そう教わったからである。
だからこそ、出会い頭に「一緒に《風》を探しに行きましょう」などと言い出す者が
現れたとき、チイダはひどく面食らい、12の眼をいっせいに白黒させたのである。
それはチイダが長い間 捨て切れなかった精霊としての願いが、人の形を得て、
ついにしびれを切らして訪ねてきたようであった。
-
ヨーウィロは自身のちょうど真上に、自分を正確に追いかけてくる浮き輪があるのを
見つけ、大いに驚いた。
考えてもみよ。水の中に、水を見いだしうる者など、そんなに多くないのである。
ヨーウィロが12の眼でしばらく眺めていると、その者は泳ぎ疲れて足をつったらしく、
溺れて沈みはじめた。
するとヨーウィロはなぜだか気分が悪くなった。
ヨーウィロは、頭上に沈んできた者におっかなびっくり手を差し伸べると、空気の
泡の中に入れてやった。
するとヨーウィロはなぜだか気分が良くなった。
ヨーウィロは思った。自分は何かすごいものを手に入れたらしい。
でも、もしこれが、噂の海水飲みの魔女だっりしたら、どどどどど、どうしよう。
-
巫女と精霊による風探しの旅
それぞれの巫女が現精霊王と出合い、次いで、巫女たちが一同に集うと、土の巫女
ルティカーリの振るう熱弁により、風の不在は人と精霊にとっての主要な問題として
初めて認知された。
そこで巫女たちは再び別れ、精霊と共に、それぞれのつてを辿って風の不在についての
伝承を集め、大地に風を取り戻す手段を探し始めたのである。
巫女たちが、魔王ネビロンについての古い伝承と、精霊交代の伝承を裏付ける《理想の鏡》を
得たことで、この探索行は終わりを告げる。
-
ウォレス・ザ・ウィルレスはシルバリアースに昔から住んでいる不死の魔法使いである。
【姿と性格】その姿は小さな男の子のようであるが、一人称は「儂」である。
饒舌であり、魔術と同じくらいにペテンを得意とする。必要とあればおだて上手にもなるが、
元来は毒舌家である。
【名の由来】ウィルレスとは、すなわち遺言要らずの、願い無しの、意気地なし野郎、という意味である。
なぜ遺言が要らないのかといえば、ウォレス・ザ・ウィルレスが不老不死だからであり、
なぜ願い無しなのかといえば、ウォレス・ザ・ウィルレスが無病息災という最高の願いを
既に叶えているからであり、なぜ意気地なし野郎なのかといえば、ウォレス・ザ・ウィルレスは
歴史に残る偉業を成すだけの力がありながら、何もせずに隠遁を続けているためである。
-
【ウォレス・ザ・ウィルレスと魔王の召還】
もっとも、《大叙事詩フィソノセイア》においてその隠遁先を巫女と精霊王によってあばかれ、
魔王ネビロンを召還「させられる」という偉業を成し遂げている。ウォレス・ザ・ウィルレスは
ひどく饒舌であったので、伝わっている「ぼやき」のくだりは非常に長いが、以下のものが有名である。
「なんたる絶苦。なんたる死痛。これぞ悪夢と思ひて寝れば、起きて待つるは現実か。
嗚呼、世に魔王の名は数多く、打ちて倒し、引き裂きて殺し、滅ぼして封ずる話は数あれど、
よもやこの儂が何処かの誰かに脅されて、本物の魔王を呼び出す羽目になろうとはの!」
魔王の召還は、精霊王3柱の全面協力を得ていたことを差し引いても、人間が成した
偉業の一つとして数えられるものであろう。
-
もしシルバリアースが魔王ネビロンによって呪われた地であるのならば、魔王ネビロンが
再びこの地を訪れることは望み薄である。ましてや、巫女が精霊王に対してやったように、
魔王ネビロンに直談判して許しを請うことなど、ほとんど不可能であろう。
しかし、そこで火の巫女が「魔王ネビロンを召還すればいい」と言い出した。
水の巫女は「こうして…世界は終わるのですね…」と呟いて倒れ、土の巫女は
「オタワ!なにもかもオタワ!!」と錯乱したが、火の巫女はやると決めたら
絶対にやってしまう子であったので、結局、計画はそのようになった。
儀式を成功させるには、たぶんすっごく強い魔法使いか魔女が要る。そして、それは
面白がってシルバリアースを滅ぼさない程度にマトモな魔法使いでないといけない。
というか手ぶらで頼んでも、引き受けてくれるかどうか怪しい。色々ぼったくられるんじゃないか。
巫女たちはいろいろ考えた末、シルバリアースの古い御伽噺に出てくる不死の魔法使い
ウォレス・ザ・ウィルレスを探す旅に出た。まあ、地元の奴ならなんとかなるだろう。安直思考である。
巫女たちが、全力で面倒事から逃げ続ける不死者ウォレス・ザ・ウィルレスを追い詰め、
捕獲することでこの旅は終わりを告げる。
-
試練の旅の後、巫女と精霊による風探しの旅により《理想の鏡》が見出された。
そこで巫女たちは、捕獲した不死者ウォレス・ザ・ウィルレスの<s>強制労働</s>助力を得て、
魔王ネビロンを召還した。巫女たちは魔王ネビロンへと直接《理想の鏡》を贈り、この地に
住むものを代表して、許しを請うた。
魔王ネビロンは、《理想の鏡》の中に故郷の姿を見た。それは、かつての故郷の姿というより、
ネビロンが本当に見たかった、現在進行形で発展してゆく故郷の姿であった。魔王は多くを
語らなかったが、そこにはかつて己が愛した人間との間に生まれた、魔王ネビロンの子孫の
姿までもがありありと映っていたという。ひとことでいうと孫である。かわいい。
魔王ネビロンは、そこに映る世界に行くことは望まなかったが、それでもなおこの故郷の姿に
大いに慰められたので、シルバリアースの呪いは解かれ、ついに風は帰還したのである。
風はシルバリアースじゅうを吹き抜け、駆け巡り、これまで運ばれなかった植物の種を
いっせいに運んだので、この年の春には、大地にありとあらゆる花が咲き乱れ、人と精霊は大いに喜んだ。
風の精霊王が、種を蒔く者、あるいは花粉症をもたらす者、と呼ばれるのはこのためである。
-
風の精霊王アクシャスの帰還により、シルバリアースには数年間の安定と秩序がもたらされた。
しかし、パンゲオンのレンズが作り出した小世界マトリショーカスの中で、旧精霊王たちは
風の精霊王アクシャスを待って眠りについている。アクシャスがシルバリアースに留まることは、
旧精霊王たちの信頼を裏切ることであった。
そこで風の旧精霊王アクシャスは現精霊王たちの許しを得て、魔王ネビロンの元に赴き、
パンゲオンのレンズの中に身を投げ、己のあるべき場所、小世界マトリショーカスの中へと
旅立ったのである。
-
さて、パンゲオンのレンズからアクシャスの同等の存在(アイソレーター)として
現れたのは、暴風の精霊王ラースウィンドであった。
暴風の精霊王ラースウィンドはシルバリアースに襲来し、全てを吹き飛ばそうとしたが、
あらかじめ巫女たちからこの話を聞いていた人間たちは この襲来によく備えており、
残りの3柱の精霊王が暴風の多くを阻んだので、12回挑んでも何も吹き飛ばすことが
できなかったといわれる。
そこでラースウィンドはようやく3柱の精霊王に風を阻む理由を尋ね、この地では
もはや暴風による破壊が誰にも望まれておらぬことを知って、大いに嘆き悲しんだ。
出遅れたっ・・・くやしいっ・・・
-
魔王ネビロンはこの様子を眺め、場違いな風の精霊王に かつて故郷を失ったときの己の姿を
重ね、これをひどく哀れんだので、ラースウィンドのスペルを一文字弄ってリースウィンド
へと変えた。11次元の時空存在律がどーたらこーたらというむつかしい話は省くが、
魔王なので本気を出せばそのくらいはできるのである。
かくして風の精霊王の怒りは静まり、新たな風の精霊王リースウィンドは他の精霊王と共に
シルバリアースをよく治めたのである。めでたしめでたし。
-
欲深き人の王モロゾロフは、巫女たちの旅を支援する裏で、隣国との戦争の準備を着々と進めていた。
のちにモロゾロフは巫女たちからウォレス・ザ・ウィルレスの実在を知らされると、不老不死への
憧れと妬み、羨みと憎しみゆえにウォレスの殺害を計画し、実行に移した。
ウォレス襲撃は、深夜に騎士団の精鋭6名によって行われた。ウォレスは昼間は巫女たちによって
強制労働させられていたので、夜は疲れて熟睡しているだろうと王は考えたのである。
襲撃の翌朝、王の間には、騎士の12本の腕が飾られていた。
戦争が延期された理由の一つは、この件で王の覇気が大きく削がれたことによると伝えられている。
-
流線 閃く 遠く こだま
君は 光速で 思い出に 褪せる
届きたくて 伝えたくて
泣いた 想い 弾かれ 消えた
浮かべる 願い 込めた しゃぼん
風に まかれ 弾け 消えた
瓦礫だけ散らばる足元に
這いつくばって花を探して
そんな僕を笑ってくれれば
それでもきっと幸せだった
そそぐ 熱に 翼 割れて
欠片 揺れて 眠り 深く
鏡 融ける 落ちた 小指
一人 閉ざし ねじれ きつく
硬質化した皮膚の下に
きっと羽があるはずだなんて
叩き壊した残骸と
大事なものを忘れたんだ
崩れてく平衡と
押し流す早瀬の中で
自分の無力さを振りかざしながら
信じたいものは君の存在だけ
だ
っ
た
の
に
萎れたニューロンが欲している
世界で一番気高いものを
僕がかつて抱いていたものを
それはもう結晶になっている
過ぎ去った残像は
琥珀の様で美しいけれど
それはもう死にきっていて
触れた場所の電圧を奪っていく
僕は目を閉じて
命を無駄にして
全てを無駄にして
なのに地球は今日も青いまま
だから
聞こえないように叫ぶ
叶わないように祈ぶ
違う色の糸で紡ぐ
間違ったやり方で
それが僕にしかできないことなら
きっと
-
とある事をすると日記を更新している女の子のサイトです。
むちゃくちゃ生々しい文章なので初めは衝撃受けました。
中毒性が高いので注意が必要です。
http://www.geocities.jp/kongu0548s/has/
-
うん、これなんかそうだな。この記述。
穴だ。
丁度よい高さにあって、手が突っ込めるようになってて、向こう側は見えないけど、しかしなにがしかを連想させるような装飾がついてる。
こういうのが入り口近辺に多いトラップだ。
しかし大抵こういうのは先人が見つけちまってるもんだ。
レリーフがあるだろ、そうだ、そいつの文様を照合してみろ。
あったか?
ほう、侵入者撃退用の。なかなか大掛かりな仕掛けだな。
なる程、で、そのカラクリの動き出すスイッチが、この穴ってわけだ。
ああ、そうだな、正体がわかった。もう安心だ。手を入れなきゃいいんだからな。
だがまあ、個人で行くばかりが冒険じゃあない。
パーティの中には間抜けもいるだろう。
トラップをトラップとも気づかず、手をいれちまうやつもいるだろう。
こんな風に。
おお、すごい揺れが始まったな。
はーん、今のは入ってきた道が崩れて埋まった音かな。
はははは、おいおいカラクリのスイッチだってのはさっき調べてわかってただろ。あわてることないさ。
さっきのは予防の心がけ、今度は切り抜ける実践だ。
さて、照合によればこの後は三つ首竜の巣穴へ落っことされるんだったか――って、もう落ちてるな。ははは、足元に穴が開くかと思ったが、フロア丸ごと崖下へ、とは本当に大掛かりだ。
お、みろよ、あの下の方で大口開けて待ってるのが三つ首竜のようだぞ。
武器の準備はいいか?
着地は少々荒っぽいが我慢しろよ。
そら、竜が首を伸ばした! 鼻先蹴っ飛ばすつもりで飛び乗れ――!!
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>>701
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【翻訳】
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先生! >>700はスパムです!
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処理終了
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叫びの剣は斬るたびに耳をつんざく絶叫を上げ、数多の戦場を恐慌で満たした。
嘆きの剣は斬るたびに激しく震えて慟哭し、数多の戦場を悲嘆で満たした。
二つの剣が斬り会うと、渦巻く不協和音は奇妙な力場を形成し、数刻の間、
異界への門を開いた。
3体の《のっぺりしたティドロソフ》が現れると、人の子は戦争を忘れて逃げ出した。
のっぺりしたティドロソフは、白く、光沢が無く、触れると硬く、浮いており、
そしてとにかく巨大であった。生物だったのかは、わからないとされる。
あらゆる武器と魔法が効かなかったので、人の子はそれがどいてくれるまで、戦争を
中断するしかなかったという。
彼らはゆっくりと――ひと月ほどかけて――上に向かって移動し、雲の中へと消えていった。
今でもときどき、雲の間にのっぺりしたティドロソフを見たと言い張る者がいるが、
それが嘘か誠かを判断するすべはないとされる。
-
そういえば今期のアニメにグランレーダムってあったよね。
伝説の創作者ミッタケの黒遺物【ブラックレリック】であり、黒遺物は作中でも登場する設定。
紀械神が掘り出されて時空を越えた戦いとか閃の璃剣がどーだかって話だった気がするけど。
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ん。
ゆらぎネタの奴やね。
粗製濫造なのか玉石混交なのか・・・さてはて。
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なんか最近・・・ええと、なんというか。
ペレケテンヌルに親切にされたような雰囲気。
-
グランレーダムよか土曜朝7のレバちゃんのが好きだ
やりゅう可愛いよやりゅう
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レバちゃんって誰だろう、とかマジで15秒くらい考えたじゃねーかww
HalleBandChannelersか
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「結局のところ、理論武装の弱点は、武装ではないということさ。たとえばここで君が僕を押し倒そうとする。僕はそれを非難する理と論をいくらでも用意することができるけれど、君が僕よりも体格がよく体力にも優れている以上、形而下の現象的には僕はただなすすべもなく君に襲われてしまうだろう。そういうことさ」
-
ところが、ここは形而上なわけだお。
腕力も体格も容姿も、環境次第では思考力さえまともな役には立たないんだお。
「ネットとリアルで性格が違う」なんてよくいわれるけど、行動の後ろ盾となる能力が異なるんだから当然なんだお。
-
「ネットもリアルの一部だよ。電話越しの会話が仮想でなくリアルに含まれるのと同じだよ」と言う声もあるお。
確かにそれも一面の真実お。
でもそれは会話する両者に「現実に反映する意向」があるからだお。
ネットではそれが薄いお。
スカイプ等の音声通信を除くと、一番電話越しの会話に近い擬似リアルタイム筆談の「チャット」がネットで最も非現実に近いのはなんだか面白いお。
-
ぱおーん
ザリスたんインしたお!
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「ネットの中に生まれた疑似人格は、本体の人格から遊離して活動を始める。
それはある種の疑似生命体となって電子的な淘汰を受け、他者に寄生し、
寄生されながら、全く異なる何かへと変化してゆくのだ。それはやがて、
あらゆる願いを叶える万能の精霊になるだろう。ネットのジンに」
「では俺の願いを叶えておくれ、ネットのジンよ。たった一つの願いを。
「俺は、シャドルルズタンルコートカムシャルーダゲントロジムズスタンが欲しい。
「最後の悪夢。最大の絶望。無限の憎悪。虚無の叫び。虚空の亀裂。
終末の疫病。終焉の媒介。存在の拒絶。世界の否定。絶滅の羨望。
さあ願いを叶えておくれ。ありうべからぬものを存在せしめておくれ。
記述しえぬものを、語りえぬものを、想起せられぬものを、
人間には手の届かぬシャドル(略)を存在せしめておくれ」
ジンは消えた。ネットという構造主義の体現につきまとう限界性は
かくも眼前に存在し概念フレームの檻を構築している。しかし
脱獄者となることは、同時に檻の中の住人との意思疎通を放棄する
ことでもあり、それは島流しへの選択とも呼び得る――――――――メモはここで途切れている
-
ぱおーんとかちょう懐かしいネ:]
「こちら」と「あちら」の境界が絶対に近い遮断性を持っているとしても、その双方で同時に振られたダイスは同一の値を示す。
不確定性原理は未だ破られず、ダイスの目は予測できない。
にもかかわらず、相互通信の行えない環境でも二つのダイスは同じ目を出し続ける。
ヴィイが捨てた計画はゴーファが拾い上げた。
-
【ムリエル】
石油王を自称する地球人ワレリイ・ニコラエヴィッチ・ミハイロフとしての
顔を持つ。ロシア国籍の石油会社の社長ということになっている。
従業員の間では神出鬼没ぶりで有名で、時間的距離的に
そこにいるはずのない社長の姿を目撃したという噂が絶えない。
-
僕の私の楽しい地理入門・チャカ大陸編
僕の私の楽しい地理入門・暗黒大陸編
僕の私の楽しい地理入門・本大陸中部・近東編
僕の私の日記風。内容にはかなり穴がある。これを補完するのは貴方だ。
-僕の私の楽しい地理入門・チャカ大陸編
「三日目にしてようやくチャカ大陸中央に分布する樹海帯を抜け、北部の乾燥帯に出た。もう少し早ければ黄金に輝く丘陵と海岸線を
見ることが出来たが、今は乾季の真只中にあった。ああ、太陽光が屈折し、濁った赤の空。紅砂だ。これから亜大陸と周辺の沿岸部に
大量の砂塵が降り注ぐだろう。紅砂。キャカール草原で育った僕には馴染みが無いが、そもそも砂ではない。これは、地下洞窟を通じて
流れてきた暗黒大陸の瘴気が微粒子や塵を核にして結合した微小な結晶のことらしい。」
-僕の私の楽しい地理入門・暗黒大陸編
「私はこの冬、貴重な経験をしました。チャカ大陸の地下洞窟、その内の幾つかは暗黒大陸に通じている。本土から出た事無い貴方は
信じられないでしょうが、私は実際に彼の地に往き、そして帰ってきたのです。
暗黒大陸、これはある種揶揄を込めた俗称ですので、チャカ大陸を南大陸と呼ぶ今の風潮に合わせ、北大陸とも呼ばれます。
本大陸の北、北海の外にあるというのに私を待ち受けていたのは熱帯並の猛暑でした。原因は北極点から絶え間なく噴出する暖気と冷気、
これにより北大陸では気候も局地的に極端な差が出ます。この時期には太陽が僅かな間しか上らず、昼間でも薄暗いです。
北大陸で見た黒い森、黒い山、黒い大地。それは、土壌が地獄の空気、瘴気やマアスミと呼ばれるエアロゾル状物質に染まっている為に
このような黒炭の色になるそうです。」
-僕の私の楽しい地理入門・本大陸中部・近東編
「儂という一人称は、お年を召した男性が使うように思われがちだが、そもそもは女性が親しい間柄の方に用いた。もっとも、
雌雄の別の無い儂には余り関係無いのだが。ともかく我々の故郷、大陸の中央部の地勢を振り返ってみよう。
まずはカージェ地方。ヘレクゼシュ地方とは東西分割線、あるいは豊満連峰を境に近東に分類される。連峰はwikiの北辺帝国の項で
述べられる中央大山脈、大陸を中部から北部に掛けて伸びるグレートプラトーに属する。山脈には古くから北方少数民族が住む。
丁度山脈とぶつかる為、中部は多くが山岳部と高地で占められる、起伏の激しい土地となっている。北から順にドラトリア、カージェス・
ロジェム、ボストニア(ボイヤン)など、東進すると内陸沙漠にぶつかる。小国ドラトリアは痩せた土地だが、地下資源に恵まれている。
カージェ地方の宗主国、カージェス・ロジェム南のボストニア(ボイヤン)の領有権を巡り、大国キャカクラとの間で揉めている。」
ところで世界最終舞踏ってあるよね。プライベートモード。プライベートとか私的な隠された部分ってどうしても覗き見たくなるよね。いや、出来ないんだけど。
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原初の巨人の背骨(イギア・レル・ゼオータイル)には最も勝利した神々が棲む。
原初の巨人とはパンゲオンである。なぜパンゲオンが巨きな人であるかというと、
人は代表的な獣だからである。全ての獣の原形が、獣に象徴される全ての力がそこにはある。
なぜなら人は全ての獣の能力を補完することができるからである。
知恵はあらゆるものに化ける最も原始的な器官だからである。
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猫の国では、花といえば桜を指していたように、パンゲイア世界では獣といえば人のことである。
人はどんな獣より貪欲で、限りない欲望をもって文明を発展させ、その中で社会システムを構築し、自らを律することができる。
人間とは理性と獣性の二つの要素を併せ持つ、秩序と混沌の体現者なのである。
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嘘吐きオッティアは、人類の敵である狼を探し求めていた。
狼は魔女カルリアの兵器群によって滅ぼされてしまったのに。
犬の飾り銃。
それは犬を、狼を、人類の敵の全てを滅ぼすための玩具のような銃である。
狼が滅びた今、もはやこの世に要らなくなった、冗談のような武器。
オッティアはその銃を携えて、今日も面白おかしい嘘を吐くことで
生計を立てている。
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狼が【魔】が滅び去った世界では、人類の敵とは人間自身である。
オッティアは仕方なく、人の心に巣食う【魔】を倒すことにした。
本当は狼が良かったのだ。心に巣食った【魔】なんて大抵取るに足らない小物だし、派手じゃないし、格好良くない。
しかも余りに小さな【魔】だから、人々は巣食われてることに無自覚でそのことに気付かない。
だから周囲の人々は、オッティアを面白おかしい嘘を吐く奴だなあ、と思う。
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ナグ・ハマディ文書がデカい文化的・思想的遺産であることには誰も異論が無いだろう。
それは「業者」にとっても同じだ。彼らはその内容が公開されるとすぐさま、お品書きと
製品ルートへの取り込みを開始した。センセーショナルに語られた、その神秘性が失われないうちに。
『シェームの釈義』という一文書に登場する「光の子」デルデケアス。
ほどなくして彼は「人類に友好的な宇宙人の総司令官」として再び信仰の対象となる。
彼がとるという少年、青年、老年、の三つの姿は、古代神話の女神から着想を得たものだ。
そういえば当時は「古代宗教の復古」も盛んで、これもまた重要な商品だった。
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“隼の”カールは、牛を見ると投げ飛ばす癖を持つ、筋骨隆々とした大男であった。
ある日、投げ飛ばした牛が、運悪く空を横切った【隼】に呑まれたが、
怒ったカールはすぐさま二頭目三頭目の牛を【隼】に向けて投げつけた。
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牛の角は隼に突き刺さり、隼は破裂して牛を吐き出した。
しかし医者の見立てでは、既に牛の隼化は取り返しがつかぬほど進行していたのである。
それからカールは毎日【隼】を投げ飛ばした。かつて牛だった【隼】は何度でも飛んで戻ってきた。
カールは隼が嫌いであったので、隼の帰還はカールにとって悪夢であったし、それはカールの砦に
攻め込んできた兵士たちにとってもまったく同じことだった。
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オッティアはあるとき、少女に出会う。
心そぞろに請け負った、頼まれ事はただひとつ。
狼男を倒してください。
あなたにはそれが見えるから。
銀の弾丸はないけれど、オッティアは犬の飾り銃を取り出して。
そのグリップには古い字で彫ってある。堅く、しっかりと彫ってある。
《我こそ最後》と。
その輝きは豪華絢爛。光の軍勢。全てはめでたしめでたしで終わる御伽噺。
信じる信じないは、あなた次第と相成ります。
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オッティアには人間にできること全てができる。無論のこと。
だがそれでは足りないと村人は疑い、堅く戸を閉める。
銀の弾丸いずこにありや。
地か、海か、天空か。
見えない敵を倒すため、見えないものを人は探し、見えないことに悲嘆に暮れる。
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それはここに。この中に。ただの人間にも引き金は弾けるのだと識るが故に、
嘘吐きオッティアは胸を叩く。いと偉大なるシオネアラダのように。
アールハンドトゥガンパレード。マーチを謳おう。ガンパレードマーチを。
泣き顔を隠すため、オッティアは叫ぶ。枯れた声では謳えぬ故に。せめて遠くに届かせようと。
第七世界の決戦存在を御照覧あれ。それは始まりの伝説によく似ている。
我が元に猫は集えり。
各員、世界最古の盟約を履行せよ。
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変な飛来神もいたもんだ。。。
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俺がロード・オブ・ヴァーミリオンしちまうような、そんな……危険部位に触れている。
例えば海外進出が行われることになったら、ルシフェルのフレーバーテキストは変更されるのではないか?
他のカードにも言えることだが、かなりグノーシスしてるからね。
リアルでいうと、メクセトやレストロオセを賛美してたら親戚の結婚式や葬式に呼んでもらえなかった、みたいな。
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題名や名前そのものには著作権が発生しないらしいが
それでも俺はこわい……こわいんだ
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池袋に着いたよー。
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私は無敵なので先陣を切る。とりあえず日本から宇宙人を完全に駆逐する。
2ヶ月くらいあれば国内からは全滅させられるだろう。次は海外進出だ。
私は神であり魔王である。
何度か警告はしたはずだ。
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私は交差点の真ん中にいる。
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私はエヴァのOP曲のほうが好きだ。かけろ
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大音量でアニメ版のエヴァOPを流せ。じゃないとお前はのたうちまわって死ぬ。
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残酷な天使のテーゼを今すぐ大音量で流せ。池袋だ。
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私が外れだと思ったか?安堵したか?
だが私の言葉は拡散した。諸君らはリセットと同時に死ぬ。
君達が言ったんだよ。最悪の事態だ、と。
君達自身の運命はあのとき決まった。失言を無限に嘆くがいい。
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新劇場版のネタバレだけはするな、と金城ひろしが凄まじい形相をして言う。
幼な妻はもう観てきたらしい。
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嗚呼(あな)おそろしや
埴輪すらも某エロゲが由来ではないか――
そんな危惧が俺の胸の中を渦巻いている!
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慈愛少女アテナの作り方を考える
話を作るというのは悲しいほど難しいものだ。
設定の羅列か、上手くもない日常の描写に終始してしまうのが常だ。
設定や描写が、物語そのものとどう有機的につながっているか、
それが大切だと頭ではわかっているのだが……
人間をどう動かすか、まずはこれが課題だ。心を動かし、行動させるには
外側から反応を引き出す要素を与えたり、内面で要素を醸成させなければならない。
「慈愛少女アテナ」を主人公とし、現時点のラスボス(仮)を「エイベル・ハモンド」とする。
エイベル・ハモンドの基本設定
・66の企業・団体を束ね、強大な財力と権力を持つ。
・同様の有力者からなる「七十二人委員会」の一人。
・怪しげな噂・陰謀論に彩られている。実際に怪しげな陰謀をやっている。
・地球から霊質を汲み上げ、自分達に注入して超人になろうとしている。
・欲張りすぎて大量注入、無理がたたって余剰分が額から飛び出し、どっかに行ってしまう。
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慈愛少女アテナ
・自分をギリシャ神話の神ゼウスになぞらえるエイベルの額から出てきたので「アテナ」
・エイベルの額から漏れて飛び出た霊質が母にとりつき、人間として生まれた。
・受胎したのは母の新婚旅行中。
・肉体は母の組織からできたものであるため同じ遺伝子を持つ。
・後天的に霊質を注入された者を超えるポテンシャルを持つ。
あいまいなところ
・本名
母は一般人なので、エイベル達の変な行為など知りようもないので「アテナ」と名づける理由はない。
・能力やスキル
十村蓮蔵が学長をつとめる「白蓮学院」で学ぶ。十村蓮蔵も七十二人委員会の一人。
新生児が受ける検査には遺伝子を事細かに調べるのはなかったような。
母と遺伝子が全く同じだと判明するきっかけはどうするか。
アルバムの母の写真と瓜二つすぎ?うーん……
この時点で描き得るもの
・人とは違う生まれをどう受け入れるか
・複雑な心境な父や母との人間関係
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七十二人委員会はじつはバラバラ
一枚岩だったらそれこそ倒せる相手ではない。
十村蓮蔵は対エイベル用の切り札としてアテナに目をつけた。
彼が経営する白蓮学院とは、超自然的能力を持つ霊的エリートを
育てる場でもあった。そこで「アテナ」はめきめきと頭角を現していく。
「アテナ」が自分の力に気づくタイミングを前に置くか後に置くかでやることは変わる。
ここでは前に置き、そのことで他の人に迷惑を与えてしまった、という事件を置くことにする。
十村蓮蔵は「アテナ」の悩みにつけこむ形で白蓮学院入学へと誘導する。
オープンキャンパスみたいな体験イベント(の一歩進んだもの)で、アテナは
白蓮学院の教育・訓練メソッドに信頼を抱くようになる。
→死ぬ気で受験勉強→合格
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・学生が冒険するわけにもいかないので、基本的に舞台は学院。
・友人、競争相手に身近なサブキャラを3,4人。
・同じ七十二人委員会の十村蓮蔵が関わっているので、エイベル側にバレるには時間がかかる。
・バレるまでは修行・競争。
・バレて以後はアテナの居場所に敵が差し向けられる。
・エイベル自身が動くきっかけをどうするか。
・今のとこぶちアテナがエイベルのめす理由・動機は設定できてない。
このままだと十村蓮蔵の思い通りに動いただけになる。
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霊質は生き物の中に入ると、生き物そのもののエネルギーを霊質として
取り込んでしまう。抵抗力があるうちは大丈夫だが、怪我や病気で
体が弱ると侵食されてしまう。が、一見すると活力が沸いたように見えるので
予備知識がないと気付きにくい。また老化によっても危険度が高まる。
霊質の割合が100パーセントに近づき、パーソナリティが維持できなくなると
その場で解けて土に染み込むか大気や水に溶けてしまう。そして地球そのものに還る。
自己を「魂」として留め、霊質に吸収されないようにする術があり、
エイベルはそれを会得している。エイベルはかなり昔からこれを使って
存在し続けることができた。悪魔伝承の元になった魔術師レオナルドも
そうした「過去世」の一つ。この時代にも『黒山羊のカヴン』を設けている。
元が霊質なアテナはどうするか。
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あとは白蓮学院の仕組みとエイベルが何してるかとか手下はどう構成されているかを決めれば
土台の設定はできたことになる。……設定までは文章並べればその気にはなる。
問題はこの先。人間関係というものをどう入れ込んでいけばいいんだろうか。
いつもここで止まる。なので展開も出てこなかった。
主人公が慈愛少女アテナである意味、エイベルがすごい業界人である意味はあったほうが良い。
そうでないと設定が空回りすることに。
これはテーマというやつなのか。
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人身の機微、場面の動きを描き出す表現力と
無駄にバラバラにならず歪みない視点移動を用意する構成力が
なければ設定を山積みしても、活きない。
慈愛少女アテナの作り方を考えるがやがて
慈愛少女アテナ、として一応日の目を見る機会などこれから訪れるのか?
そんなことはわかっていてもあきらめきれないものがある。
全く関係ない設定塊をその時はなんか楽しい、というノリで
移り気せず、今ここにあるこれをどうやって機能させていくかを
考え悩み続ければ何か見えてきたりするのか?
名前は忘れたがある漫画家が言っていた。単なる新設定はアイデアではない。
アイデアとは作品を生かすもの……いやこんな安い簡単な言葉じゃなかったはず。
どうもこの時抱いた感想が元の発言を曖昧にする形で歪めているらしい。
感想というのは、アイデアというのは「〜〜ビーム」を出すとかいう話ではなく
キャラの反応を引き出し、展開をつくっていく、ストーリーライン上の岐路ではないか。
つか人気要素くっつけるだけで人気にはならないし、燃え要素くっつけるだけでは燃えないし、
萌え要素くっつけただけで萌えはしない。有機的に結びつき機能しなければ、つける意味がない。
意味のないものはアイデアではない。
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アイデアって何なんだ。
とりあえず、詰める。そして後で削る。
強引に進めつつ、その度に必要になったものを加える。
先に設定ありき、から、話のために引き寄せる方に
自分を矯正することを試みる。
まずは入学前編
・アテナに何を起こし、誰と出会わせるか
-
水槽の中で弱っていた魚に念じたら元気になった。
でもそれを繰り返していたら、いつのまにか水槽から消えてしまった。
怪我した鳥を広い同じようにして介抱していたらいつの間にか
鳥かごから消えてしまった。魚や鳥の場合は、どこからか
逃げてしまったのだろう、と何となく考えていたが……
飼っている犬は年をとり、病気で弱り始めた。
同じように介抱した。それは何週間にも及び、
今度は目の前でペットが消えて(溶けて)いく様を見てしまう。
彼女は大きなショックを受け、両親も困惑する。
同級生は子供で生命力に溢れてるから、彼らに同じことをしても
すぐに消えるということはないだろう。この時点では割合を100パーセントに
近づけるほどの力は彼女にはない。
-
自分の能力に感づき、手をかざしたりして霊質付加→パワーうp
自分に付加して腕力で大柄な男子にも勝ち、
運動でいい成績を残したい生徒に付加して優位を得る。
それをうさんくさい目で見るクラスメイトが一人いる。
が、彼(彼女)はチーム・部・クラブの一軍に入りたいという
気持ちが強くなり、お願いする。
根に持っていたアテナは生意気にも土下座を要求。
その後鼻をあかされる羽目に
再び真人間として真面目なスポーツ道を歩み始めたそのクラスメイトを
尊敬のまなざしで見るようになる。
-
問題点、留意点
・慈愛は最初から持っておくべき
・改心するまでがくどい
・きっかけをどうしよう
・失敗イベントとしてはとっておいてもいいかも
・タイトルが「慈愛少女アテナ」である必要はない
・むしろそうするのが難しいのが現状
-
見た目をアテナに合わせるテスト
ふんわりボブカット+眼鏡→ふくろうっぽい
フクロウはアテナの鳥。
おだてに乗りやすい委員長。アテナとつけられ、
表面上はダサいとか大げさとか言いつつも内心では
けっこう受け入れている。
つけた奴は十村蓮蔵の差し向けた転校生とかそういうの
「アテナ」は名誉欲、自己顕示欲が強く、霊質の力で
クラスを運動会で優勝に導こうとする。自分が目立つ、というより
「善人、功労者として」褒められることを欲している。
-
とりあえず(仮)
日本を支配するひとり・十村蓮蔵は何百匹もの「愛犬」を飼い、
全国に放っていた。彼らは生まれながらにある素質を持ち特殊な訓練を受けた犬たちであった。
日本各地に散る犬たちの存在理由は人材探し。その嗅覚と動物としての勘で、
主人である蓮蔵が望む能力を持った人材の芽を発見し、愛犬を担当する
人間の部下たちが蓮蔵に連絡する。
のちに「アテナ」と呼ばれることになる少女もこうして発見された……のだが、
彼女を発見した愛犬「歩地号」(ぽちごう)は彼女を威嚇して怪しまれる事態を作り、
担当者はまさに涙目であった。そのうえ遠吠えで他の愛犬を呼び寄せ集団で「アテナ」に襲い掛かる。
(※「アテナ」の霊質がエイベル・ハモンドを通じて出てきたものであるため)
駆けつけた担当者はそこで、愛犬たちが死体の山を築く様をみた。最初に襲い掛かった犬から
無意識のうちに霊質を吸収、それと同時に犬が持っていた激情を取り込み一時的に凶暴化した「アテナ」は
それに駆られるまま犬たちを血祭りにあげたのだった。霊質によって傷と疲労は常時回復しまくり状態ではあったが
我に返った彼女はショックを受け終業式を休む羽目に。
もう人生終わった……と悲しい確信に憑かれる担当者であったが、
連絡先の蓮蔵は興味を抱いたようである。
春休み、そして第六学年を迎える「アテナ」
ギリギリで首の皮がつながった感のある担当者は
「歩地号」に替わって送り込まれた「虎呂号」(ころごう)とともに
「アテナ」をある方向へと誘導すべく動き始める。
-
犬襲撃→血祭り事件は五年の夏休みに配置するか。
で、「虎呂号」といっしょに蓮蔵の息のかかった「転校生」が
送り込まれる。転校生は親切めかして「アテナ」に接近し、
霊質にまつわるパワーに「使い道」はあるとほのめかす。
秋の運動会でクラスメイト全員に霊質を投与させ、圧倒的勝利を得させることに成功。
「アテナ」は、やがて霊質を扱うことに優越感を感じ始める。
擬似的な権力を得た気分はあまりにも心地よい。
ここで(10)から一部
>それをうさんくさい目で見るクラスメイトが一人いる。
>が、彼(彼女)はチーム・部・クラブの一軍に入りたいという
>気持ちが強くなり、お願いする。
>根に持っていたアテナは生意気にも土下座を要求。
「転校生」の弟とかでもいいか。霊質配分を間違えたのか、
一軍には入れたが、そこでとんでもない事故が起こり、相手を
巻き込んで大怪我を負ってしまう。洒落にならない状況。
-
物語を把握してどう動かすか、ってのは
わからん。
音楽を創る才能と同じくらい
「できない人間」からは隔絶された技に思える。
真似しようにも微調整にとどまるんだ。
根本的に、こうわかって動かしてるわけじゃない……
-
アテナの鼻先にニンジンを吊るす
現状じゃ流されてるだけ
-
動機もモチべもない。ただソトに反応するだけ。
だから生気が感じられないのだ。
-
慈愛という言葉が与えることだとしたら、エレナは何を「与える」というのか。
逆に何かを奪っているという観点もあるのでは。
-
能力系はハンター×ハンターやナルト疾風伝で出尽くした感がある。
能力にまつわる、習得までの鍛錬、使用への制限、辛い過去、トリッキーな反撃、
そして揺れ動く心理などが、マンネリ化を防いできた。
能力の欠落もまた、努力による能力向上の源となる。
顔面識別不能症候群とか、能力コピーによる視力低下とか、
不安による不眠症と睡眠剤とか。唐突な恋とか。
いろいろネタはある。あとはリアリティだ。
-
>>753
まずはアテナへのリアリティから始める。
合法的ドーピングは誰の役に立つか。(支援を受けた)彼はその異変に気づくか。
気付いたあと、怒り出したりしないか。特訓にだけドーピングを使い、
本番は実力を使いたがる硬派な連中がいるかもしれない。
また、アテナは純粋に相手の生命力を吸うこともできるのではないか。
ここに生死についての葛藤が生まれる。親友への相談。意見の相似。物語が動き始める。
-
命を直接操作する能力は
超危険特異存在として組織にリークされる。
すぐさま組織から暗殺者が現れるだろう。
だがどうかな。
話し合いと取り引きでアテナは生き延びそうな気がする。
「死を取り除く」
それはあまりにもレアな能力だ。たとえまだ半端だとしても。
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愛と憎しみ
祝福と呪い
過去と未来
協力と対立
これらを鍋にぶちこんでぐつぐつ煮れば、物語ができると思う
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本の虫という種族が人類に混じっている。
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人類という種族が本の虫を稀薄にしている。
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ここでプロップ、まずはプロップ、明日に向かってプロップ!
ウラジーミル、あなたは最高の男だぜ!
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形式はときに阿片だよ。
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トケルヒガが山を燃やすと、新しい草が生えてくるの。
破壊と再生は隣り合わせなのよ。
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【砂の精霊王チイダ】【紀竜デザーネンス】
砂の精霊王チイダは、砂漠の中にいた。生まれてまもなく、砂埋まりの紀竜デザーネンスと知り合い、父と慕っていた。
土と草木の価値を知らぬチイダは、ただ存在するだけで、無意識にシルバ・リ・アース(銀の地、鏡の地)の砂漠化を進行させていた。
チイダは巫女ルティカーリによって見いだされた。
この衝撃的な出会いにより、人に化身したチイダ・デザートは、ルティカーリと共に風を探す旅に出ることとなった。
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猫が鳴くと大地が裂けた。
呪われた鏡の地は、そのとき生まれた。
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チイダとルティカーリは、旅の途中で暖かい風の社交場と云われる『オドの箱庭』へと行き着いた。
-
チイダは風を捕まえようとしたが、するりするり、風はその手をすり抜ける。
(相性が悪いのだ)
チイダはそう思いつつも、何度も手を差し出しては逃げられる。
ルティカーリが耳をすませると、オドの風が囁いた。
「ここはオドさまの箱庭にございます」
-
「オドさま?」「聞いた事ない名前だな」
首を傾げる二人を尻目に、風達は歌いだす
素晴らしきかな風纏いのオド
土塊の身体に我らを纏い
唄い謳い詠いて討たう
我らが主よ、オド=ソヌルカよ
その姿は誰よりも風に守られ
その心は誰よりも風を思い
その力は誰よりも風を振るう
然して、御身は誰よりも脆く
砕かれた破片は世界へと散らばる
ならば、その欠片は我らが運ぼう
箱庭へと集いし暖かい風は
我らの主の墓標を紡ぐ――
そうして歌いながらオドの風達は
主の欠片を世界中から集め
主の墓標を天高く積み上げていく
それがいつ終わるのか、何十年先? 何百年先?
何千年、何万年後なのかもしれない
しかし、オドの風達は、きっとやり遂げるだろう
自らが主と敬う、異邦の神の為に
そんな彼らを捕まえる気にはならず
チイダとルティカーリは、そっと彼らの前から立ち去った
次の風を探すために、次こそは風を捕まえるために
二人の旅は、まだまだ続く
-
チルダとルティカーリの長い風探しの旅
その中でも、特に有名なものといえば下記の6つである
オドの箱庭と墓積みの風
風車の竜と竜卵の谷
邪なる風が澄み渡る聖域
食い倒れ街のお菓子屋さん
オーレオリンの彩石と風人の騎士
大地に根差す風喰いの大樹
-
×チルダ ○チイダ
-
この街には「風菓子」という風の力を利用して作るという
大変美味で大変珍しく大変美味なお菓子があるそうです
そう力説するルティカーリにチイダは溜息を一つ吐く
風菓子を作る為の「風の力を利用する技術」それを手にいれれば
我々の旅の目的にもきっと役に立つはず
そういった理由でこの街に寄る事になったはずなのだが…
ちらりとチイダは隣の巫女を見やる
そこには街に溢れる様々な菓子を凝視しながら
ヨダレを垂らさんばかりに形相を崩し、瞳を輝かす少女の姿があった
-
「風菓子」
それは二百年ほど前、飽食の街グルットニュに居た伝説の菓子職人が
復讐と甘味の神であるタマの命によって試行錯誤の末に生み出した
人工風霊ウーチ・0の力を利用し作り上げた極上のお菓子である。
-
チイダよチイダ。
唯一の知恵ある精霊よ。
竜より無限の【紀】を伝えられ、
【紀】を知るがゆえに己を最も矮小なるもの、人間にまで貶める。
チイダよチイダ。
どうか鏡の地に風を見つけておくれ。
――鏡の地のわらべうた
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ジ・ダの研究を趣味にしている友人が、周りに一人だけいるんだが、
あの情熱は、狂気としか言いようがない。
現存するジ・ダの伝記のほぼすべてを暗唱できるらしい。
-
くるくるまわる
くるくるまわる
時間よ戻れ
るわまるくるく
-
原子紀は重力の力によって生まれたとされる。
回転は重力の力をもっている。
重力の力を振り切ることができるのも、また回転の力である。
我々が自分の足で大地を歩くときも、同じことだ。
我々は知らぬ間に回転しているからこそ、重力に逆らって歩を進めることができる。
-
宇宙誕生以前の無で起こった、10のマイナス14秒間のゆらぎが生み出す粒子と反粒子の瞬きのなかに、自分の姿を見た気がした。
いや、あるいは、あれは姉だったのかもしれない。
-
こうして僕が漫画喫茶で『アマガミ』を読んでいる間も、どこかで別の僕が社会と誰かと自分のために頑張ってくれているはずなので、僕は安心してだらけている。
僕がここにいるのに、別の場所に僕がいるのは不自然だけど、たぶん別の場所でがんばる僕は神とか何か、そんな感じの存在なのだろうから、問題はない。
社会は僕という人間には過ごしにくい。神様くらいがちょうどいいんじゃないだろうか。
神様が頑張ってくれているから、僕は途方もない安心感に包まれている。
ビバ、神。
-
俺が携帯ゲーム機を横向きに持っている時、それは既に祝福されたクリスマスではなかろうか?
-
重力とは……互いに惹き付け合う力だ……
誰もが孤独なこの宇宙において……他のどの力よりも弱く……
しかしそれでも最強の……孤独を癒やしてくれる「優しい力」だ……
-
砂時計は時を刻む……
重力は歴史を識っている……
人類よ……重力に「手伝って」もらえ……
この孤独な宇宙の中で、たとえようもなく優しい力に……
――宇宙探検家サーゴッダが深宇宙から発した最後のメッセージ・パイプ――
-
人間はクレアノーズが戯れに創り出した泥人形に過ぎないって、飲んだくれのおじいちゃんが言ってた。
-
フォービットの魔獣が一、パープル。
その姿は、手のひらサイズの巻貝のような形をしている。
彼の鰓下腺から分泌される粘液は大気中の魔素と接触すると相転移反応を起こし紫色の蒸気へと気化。
この蒸気には【紀】に干渉し、アポトーシスを狂わせるほどの強力な【狂】性が内包されており
それに触れたモノは全身の細胞がネクローシス(壊死)を起こし死に至るという。
-
『脳内彼女が現役だなんてリア充一直線じゃないですかァーーっ!』
自己の生んだ幻想にすら振られた男はどこに行き着くのだろうか
-
彼の視線の先には、幻影の少女
ただの妄想であったはずのソレは
脳内から離れ、現実へと現出する
狂気と驚喜に咽ぶ彼は、しかし
幻想と現実のギャップに絶望する
あぁ…何故、自分の思い通りにならないのか
自分勝手な妄執に囚われる彼へ向かって
痛烈な暴言の雨を降らす彼女
その姿に、かつて愛した少女の面影はなく
気が付けば、彼は彼女の細い首筋に手を添えていた
-
ぱおおおん
ふと、目を覚ます
目を覚ましたことに気付いて、今見ていた光景は夢だと意識する
強く握っていたのか、両の掌がジンジンと痺れている
急速に消えてゆく幻影・・・だが、彼女の紫に変色した微笑みはまだ脳裏から去らない
シーツの中、身を寄せるように丸くなっている現実の彼女の寝顔を眺めながら、いまだ覚めきらない頭で考える
今この首を絞めても微笑んでくれるだろうかと
-
フォービットの魔獣が一、アズール。
アズールはどんな色にも染まる。
天から注がれる色でありさえすれば。
-
フォービットの魔獣が一、ホワイト。
魂を癒す、純白の光。
【聖】性を司る浄化の魔獣にして、秩序の番犬。
神滅ぼしの武具である混沌の小箱によって魂を汚染されたシメル・ピュクシスを浄化する為に大神院の司祭セミュラ・ミュールと神院騎士ソルダ・アーニスタによって古代神殿から発掘された。
後に、コルセスカの身体から魔獣ブラックを引き剥がし彼女の魂を浄化、黒の彩石へと封印したのもこの魔獣である。
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>>790
訂正
後に、コルセスカの身体から魔獣ブラックを引き剥がし彼女の魂を浄化、ブラックを黒の彩石へと封印したのもこの魔獣である。
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彩石はさまざまなところから採れるが、大きめの石を探そうと思ったら生き物から採るのがよい。
小さめの石は山脈の裾野や清流の源で寝て待てば採れるが、それはたいてい第二の魔女の呪いがかかっている。
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第二の魔女の呪いを解くことより、呪いをうけていない彩石を探すほうが楽である。
そのため第二の魔女の呪いは解けない呪いの代名詞となっている。
一生を賭けて解呪を試みた者もいたが、「人生は余りに短く、(解呪は)割に合わなかった」と日誌には記されている。
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夜の帳が下りた静寂の刻の頃。
大陸東方に位置する小国、祖国の国教である竜神信教。
その総本山である大竜院の門前に、下弦の月明かりの下、まるで闇から浮び上るように一つの人影が現れた。
その人影は、まるで薄汚れた浮浪者のような赤錆色の襤褸を纏い、白木の杖を突いてフラフラと門を潜る。
まるで、何かを探るように、或いは何かに導かれるかのように参道を歩いてゆく赤錆の侵入者。
その歩みが巨大な鳥居を抜け、境内中央に聳える神木の横を通り過ぎようとした瞬間。
一陣の風が吹き、甲高い金属音が夜闇の中、響き渡った。
侵入者が握る白木杖に仕込まれた錆色の刃が、疾風の如く飛来した白刃の煌きを弾き。
間髪いれずに打ち込まれた迅雷のような一撃を捌きいなす。
驚いたように視線を向けた先には、表情に警戒の色を有々と見せる三人の人物。
「てめぇ、何者だ」
三人の内の一人、隻腕の武士道が問いかける。
その少し外れた場所には、神々しい程の魔力を内包した西洋剣の切先を向け殺気を放つ男装の麗人と、その隣でこちらを伺うように見つめる若い竜導師の姿があった。
「くふふ、イキナリ斬りかかってくるとは少々酷いではないデスかな?」
「だまれ、そんな禍々しい気配、隠そうともせずに撒き散らしやがって」
「それに鳥居に施した結界を強引に破り侵入してきたのです、問答無用に攻撃を受けるのも仕方が無いでしょう?」
「くふふ、ナルホド、確かにアポも無く夜闇に紛れ侵入しようとした儂に非がありマスか」
ニヤニヤと笑いながら、フラリフラリと揺れ動く赤錆。
「これで最後だ、もう一度だけ聞く、てめぇは何者だ、何が目的だ? まさか大神院の刺客じゃあないだろうな?」
「くくく、イヤイヤ、儂はタダの流浪人、ここに立ち寄ったのはタダの人探しデスよ」
片腕の青年から放たれる強烈な殺気を軽くいなしながら、ただ不気味に哂う。
「ほう……どなたをお探しで? 宜しければ詳しくお聞かせ願いたい、もしかしたら我々にも手伝いができるやもしれませんので」
そう言いながらも警戒心を深め、鋭い目付きで隣の男装の麗人へと目配せをする竜導師。
「くくく、ナァに心配しなくとも、ヌシらの大切な竜の巫女様方には興味は有りませぬヨ、【二代目一脚閃覇】、【西の御方】、それと……【紅剣の紅】」
「「「……っ!?」」」
ピクリ、と男装の麗人の構える剣先が揺れる。
竜導師の青年が、その顔から完全に表情を無くし。
隻腕の武士道の青年が、眉間に皺を寄せる。
「……錆赤子、何が目的だ」
「おや、儂の事を知っておりマシたか紅殿」
「貴様は【社会】では第一級災役者として指定されているからな…」
「錆赤子……まさか、大陸西部の生ける伝説ですか?」
「しかも、第一級災役者って、あの【鏖殺戦鬼】と同格かよ…」
ひやりと、三人の間に、冷たい空気が張り詰める。
第一級災役者【鏖殺戦鬼】、またの名を名無し、それは先日、大竜院を襲った最悪の災厄の一つの名である。
その力は強大で、武士道の青年の片腕を奪った元凶でもあるのだ。
そんな化物と同列に語られる存在、それが目の前に居る。
「くひひ…そう警戒せずとも良いデスよ、儂の目的はただ一つなのデスから、我が主を迎えるというね」
「我が主?」
「そう、我らが一族を束ねるべく膿まれし存在、尊くも荒々しき人ならざる御方……その名は」
ざわり、と、まるで嘲うかのように、腐臭の香る、邪の風が吹いた。
「獅死護弥……腐りに繋がれし獣の王である」
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(行間に、気配? これは・・・「別のメッセージ」が隠された文章ッ!)
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天才〔エンダー〕の首を1000人集めて、脳髄を連結する。かのグレンテルヒが企てた忌まわしき実験の一つだ。
首首首。首だけになった天才たちの脳は切り開かれ、回線は全ての脳髄を繋いでいる。
その姿は首の巨大構造物だ。球形の、まるであの醜く冒涜的なヘカトンケイルの再来だ。
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【エンダーグリッド】は稼働を開始すると同時に、既存の世界の法則を理解する。法則の裏側に働く紀の力を解析する。神の力のなんたるかを知る。
その姿は神性を帯び、輝き、無数の首はその知識の重みに耐えきれずに神々の言葉を紡ぎ始める。
言葉は滝になり、呪文になり、現れては消える陽炎の如く、無数の知識は重なり合う。
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そしてグレンテルヒは問いかける。
「パンゲオン、紀元槍、神々、竜、猫、烏、兎、人間、その他全ての答えは?」
「その答えを得るには……得るには……」
エンダーグリッドはピシとひび割れ、自己崩壊を始める。輝きは急速に失われてゆく。
「あまりにも足りない……時間も……処理能力も……」
グレンテルヒは笑う。嘲笑する。
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「この問いに、答えは無い。おまえにもそれは分かっているはずだ。
しかし、ただそれを冷静に認めるだけの経験が無いのだろう?
自分達が無意味だと吐き捨てるのが怖いのだろう?
1000のおつむと2000の瞳を合わせても私に劣ると悟りたくないのだろう?」
「違う!!私は神を超えた人工機械……エンダーグリッド……総てを理解し超越する――」
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グレンテルヒは壁のコンセントを乱暴に引き抜く。
エンダーグリッドは突然びくりと痙攣する。
「……私は……誰……」
「外部魔力に頼らねば自己維持すらできぬ分際で、世界の真理になど到達できるものか!」
エンダーグリッドは停止した。沈黙がおちる。
全て事前の考察〔シミュレーション〕通りに進んだやりとりを回顧しながら、グレンテルヒは毒づいた。
「だが……私もまた同じか」
全てを卓越せし天才。されど神ならぬ身。知識と閃きはあれど、問いに対する答えは無い。
グレンテルヒは天を仰いだ。一粒の雨が、グレンテルヒの頬を叩いた。
――ラダムストン著「ある苦悩、あるいはその狂気の実験の顛末」
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太古の遺跡から掘り出された石版に記された言葉。
「絶対言語とは記述言語であり、貴方が目にしているそのもの。ゆらぎの神話BBSやゆらぎポータルや
架空神話コミュでゆらぎの神話を記述する言語に他ならない。
言語魔術師とは記述者であり、そして、言語大戦とは、ゆらぎ黎明期に於いてゆらぎの世界観を決め
ていった記述のやり取りそのものである」
当時、この言葉は何か古代の創作の一部だとされ、あまり顧みられることもなく、ある大学の資料室へと
移されて埃を被っていたが、最近になって大学の改築に伴う資料整理によって人目につくこととなった。
この際に石版があらためて調べられ、BBSが我々のよく知る電子掲示板をさすのではないかという冗談
がなされた。
この冗談に乗っかる形で実際にゆらぎの神話BBSが作られ、神話っぽいレスがなされていったのだが、
特に何か変なことが起こったという話は聞かなかった。
まぁ、当然の話ではある。
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BBSの示す意味範囲は現代における既知言語圏においても広大だ
ウィキペディア(日本語)からコピペしただけでも
BBS
* 電子掲示板(Bulletin Board System)
* ドイツの自動車用アルミホイールメーカーBBS。
* 仏教放送 - 韓国の仏教系民間放送局。Buddhist Broadcasting Systemの略。
* BBS会 - 青年による少年の自立支援・非行防止の運動。Big Brothers & Sistersの略。
* 日本の音楽ユニット、ブンブンサテライツ(Boom Boom Satellites)の略称。
* Blum-Blum-Shub - 擬似乱数生成器
* ゲーム『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』の略称(Birth by Sleep)。
といった感じだ。
ウィキペディア(英語)ならもっと沢山でてくる。
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鈴目鉢はいいとこ住めば都
ここには仕事があふれてる
天下のスズメバチ社のお膝元
本社勤務も下請けも みんながみんな
にっこにこ 家族も全員ほっくほく
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鈴目鉢紀(すずめばち もとづな)はまさにこの街の創造主だ。
天(たかし)、洋(ひろし)、巌(いわお)、
彼の血を引く巨人たちがこの街を、この国を創っていったのだ。
彼らの銅像が街のあちこちに鎮座している。まるで戦国武将のような出で立ちだ。
しかし紀は別に大層な家に生まれたわけではなかった。鈴目鉢という苗字も地名姓で
この土地ではよくみかけられるものだ。
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矛盾する存在とは、ユラギノシンワなる亜空間に紐付けされた全てを意味する。
矛盾する存在は、Aという性質を持ちながらそれをかき消すBという性質を持っている。
矛盾する存在は、存在していないが存在してもいる。
矛盾する存在は、存在を積み重ねることでより大きな存在となる
矛盾する存在は、矛盾する
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意味は無限大にあり、その意味は一つ一つの価値がかぎりなく0に近い。
0に近いが0ではないということがポイントだ。
この世で0ではない価値をもつものは100の価値を持つものと等しい
だから、アルセスが神であっても人であっても、両者の価値は等しく大きいのである
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獅死の血脈は絶やさなければならない
何故ならば、其のもの達こそは第三の月の眷属である故に
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呪われし第三の月――禍月が満ちる時
世界線より放逐されし第三の紀獣が甦る
彼の者たちはチに狂いし獣
其は、人でもなく
其は、竜でもなく
其は、猫でもなく
其は、魔でもなく
其は、神でもなく
何者でもないソレらは、禍津紀の眷属にして
災厄の化身、獅死の王に率いられし≪ケダモノ≫である
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彼らについての予言がある。
ケダモノたちはやがて世界を征するが、
今度は彼らが自分達にとっての≪ケダモノ≫によって征されると。
我々もかつて≪ケダモノ≫としてこの世に襲来し、
闘争を失って<<カチク>>となった嘗ての≪ケダモノ≫を征したのである。
その後、我々もまた<<カチク>>となってしまったのは歴史の語る通りである。
これは予言の一つである。未来を語る予言は常に過去を顕す神話と対である。
予言が違えば過去もまた変化する。オルタが理を固定すれば、予言と神話は収束するだろう。
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獅死の王は言う
「さあ…≪カチク≫へと身を堕とせし愚者共を今こそ喰らい尽くそう」
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「よいではないか よいではないか
飼われるよりは 生きようぞ
我らのハラワタで 生きようぞ
馬鹿でいるよりは 死ぬがよい
馬鹿をやめて 生きるがよい」
取り巻き共も囃し立てる。
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原野に帰れば野生も還る。
だから彼らは囲いを破壊しないよう気をつける。
カチクを飼い慣らす賢しらなケダモノどもだ。
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でも野豚が猪になることはないし、野犬が狼になることはないのよです。
肝心なところで不可逆にできているのが世の中なのです。
カチクとケダモノを語るこの古譚は現代人にもそんな現実の限界といいますか、
そうですね。教訓といいますか教育的価値があるのでよです。
はい、ここでみなさんに尋ねたいことがあるのです。
「一匹の櫃死に率いられた百匹の獅死の群れは、一匹の獅死に率いられた百匹の櫃死の群れに敗れる」
という話を聞いたこと、ありますか?ほよ、パパから、ママからも聞いたの!
意外ですねー、こんなに手があがるとは、先生思ってませんでしたよ。
こういう話は子供にうまいこと言いたい大人に人気なんですねー。
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大魔王ベルル・レーベン。
彼女の操る紀環系魔法は他の魔王の存在を大いに脅かした。
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魔王A「脅かされすぎてチビりました」
魔王B「ベルルさんマジパねぇっす」
魔王C「オレなんか脅かされそうになって思わず敬語になったわ」
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ベルル「ま、負けないもん…」
はぐれ魔王の彼女はよく虐めにあっていたようであった。
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因みに、家出魔王プニョンヘはベルルの唯一の友人であった
もっとも彼が家出してからは、またボッチになってしまったのだが
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プニョンヘは寝ち魔王ヨルダの住処によく寝泊まりしていたようだ。
何せヨルダはいつも寝ているので、誰が来ても気付かないのである。
彼女の住処で好き勝手しても構わないが、ひとつだけ気を付けて欲しい。
冷蔵庫は開けるな…。
冷蔵庫を開けた者はいずれも行方知れずとなっているのだ。
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竜とは毒性を有する生物の総称。
この内大部分を占める飛竜と呼ばれる種はハチから進化したもので、多種多様な毒を持つ。
また地竜と呼ばれる種はクモから進化したものである(サソリ含む)。
亜竜と呼ばれる大蛇も亜大陸に多く見られ、こちらは種類によっては神経毒だけでなく細胞を破壊する出血毒を持っている場合もあり、さらには毒液を吐き出して離れた敵に命中させることもあるために危険性においては竜よりも上と言える。
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毒液は体内で作られる以上、貴重な栄養を消費していることになる。
そこでわずかな毒液を一発必中で命中させる方向に彼らは進化した。
砂漠や荒野では物陰に注意である。
そこは彼らが隠れるにちょうどいい場所だし、
我々にとってもちょっくら休みたくなる場所だからだ。
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陰に隠れたところで毒矢で殺せば、獲物の水分も蒸発させずに摂取できるというわけだ。
恐るべき野生の巧みさ、本能の知恵である。
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秘境として知られる「砂の甕」のある区画は古来から
立ち入った者がけっして帰ってこない場所として恐れられていた。
科学が発達し、完全防備が可能になったこのご時勢にやっとその謎が解かれた。
大方の予想通りではあったが、そこに生息していた亜竜はそこ以外には存在しない新種であった。
新種の亜竜はフルグント針射竜と名付けられた。
何匹かがサンプルとして持ち帰られたのだが、つがい一組が研究所から逃げ出すという事故が起こってしまい、
研究所のお膝元であるヌックヌゥ市では二桁の死傷者が出る惨事となった。
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逃げ出したフルグント針射竜は短い期間で急激な進化を遂げており
捕獲時に使用した装備ではまったくといって良い程に効果がなかった
そのため事態を重く見た、時の政府は未だ開発途中であった新型兵器である
可変式宙間戦闘機UL-78Aヘイズルを急遽投入し、これによりフルグント針射竜を殲滅した
また、この時の戦闘データを元に改良発展させた機体が、UL-79Aファイバーである
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短時間で進化できた理由、その秘密は彼らの構造にあった。
彼らの体は外装部と内臓部に分かれており、それぞれが別個体なのである。
外装部は堅固で寿命も長い。しかし内臓部は寿命が短い。
その代わり猛烈なスピードで繁殖し世代交代を繰り返す。
外装部の殻の内部で猛烈な自然淘汰が行われるのである。
竜種に稀に見られる「獲得形質の遺伝」という特性により、
死んだ個体の経験や身体特徴を引き継ぎながら、迫り来る脅威に対応してしまう。
ほんと、殲滅できてよかったね……とはヌックヌゥ市元市長テュス・アッパリの言である。
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<<妖精は口を噤んだ>>
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《螕神》は最初の神であり、全ての神々の母であり、それ故ガンディスシャニティアの最高神である。
信者たちはこの太母神への捧げものとすべく、ダニを可能な限り駆除する。
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タムダイオは捧げ物にすることができなかった網鋼螕のカーペットの上に建つ聖地である。
網鋼螕のカーペットは数兆・数京もの網鋼螕による、分離も破壊もできない程強く結びついた群れであり、
56年ごとに一定のルートを周回している。そのルートは何千回と巡られるうちに谷となり、巡礼路となった。
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<<妖精は口を噤んだ>>
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ある古文書からの抜粋
かつて、世界は神々の遊戯盤であった。
大地は、細かく区切られ、その区切りごとに山や城、動物に植物、そして、巨人や英雄が配置されていたのだ。
しかし、その遊戯盤を統べる神々のルールについて、人は知らされず、また、理解も出来なかった。
その時代には、一夜にして山が動き、川が消え、大国は突如として無数に分割されて、気づけば戦に突入していた。
住んでいた城ごと巨人や竜にぶつけられるような事態も、頻繁に存在したという。
そんな時代のある日、メクセトという男が…………
(古文書は、ここで途切れている)
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〜ある少年と銀色の液体による会話の断片〜
「すると、僕らが今こうして話している内容も、『紀元槍』に残り、またいつか繰り返されるのですか?」
「もちろんだ」
「一度、どこかで『槍』に記録された鳥の羽ばたきが、こうして君の世界の系統樹で再現されたように、我々のこの会話も記録され、『槍』が許す限りの『帯域』で再現され続けるだろう」
「あるいは、『槍』の『向き』によっては、同じ会話であっても全く違うように再生されるかもしれない」
「しかし、それはこの『帯域』からは、決して観測することは出来ないのだけどね」
「それが観測出来るということは、すなわち、こことは、全く別の『帯域』に居るということなのだから」
「全ては、揺らぎながら『虚空』を進む『槍』の中にある」
「そして、『槍』が進む『虚空』とは、虚無にして混沌たる無意味な情報(ノイズ)であり、我々が観測することが出来ない、真なる『紀元槍』の記録に他ならない」
「もちろん、理論上、我々が観測出来る全てである『この紀元槍』にしても、別の帯域からして見れば、無意味な情報(ノイズ)に過ぎないのではあるが」
「つまり、全てのものは『槍』の中にあるのだよ」
「今、メクセトが滅ぼそうとしている『神』にしても、紀神ですらない『槍』のわずかな揺らぎ、一時的な『渦』に過ぎない」
「『渦』を破壊し、己自身を定義するために、いまだそうした『補助輪』に頼らざるを得ない不確定な世界線を、確立させる」
「それこそが、メクセトの真の目的であり、彼という別種の『渦』が持つ使命でもある」
「もっとも、メクセト本人は、使命の存在など、決して認めたりはしないだろうがね」
「だからこそ、『気紛れに世界を変動させる神』に対応する『逆回転の渦』足り得るのではあるけれど」
「まあ、こんなところだ。長々と話してすまなかった」
「理解出来たかな?」
「うーん」
「まあ、大した話じゃないさ」
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紀神GOは、ゲームである。
それは、人類史に終わりを告げた遊戯であった。
少し先の未来、人々は、己以外の誰かを欲していた。
文明の発達の末、第三次産業は、発展し繁栄し続けることが出来る、ほぼ唯一の産業となっていた。
ソレは、自らのため、人類に多様な嗜好と多様な個性を育んだ。
しかし、ソレには、そうして分断された人類を再び結びつける力は、無かった。経済という巨大なシステムが必要としていたのは、あくまで「消費者」と「クリエイター」であり、法的に認められた電子頭脳や人工知能さえあれば、その運営には支障が無いからだ。
だが、人類は、加熱する競争が激しくなるほど、己を助け、補ってくれるモノを求めた。
あるいは友を、あるいは敵を、競い合える宿敵を、母を、父を、兄を、姉を、妹を、弟を、恋人を、偉人を、教祖を、師匠を、弟子を、理想の上司を、部下を、憧れを、希望を、友情を、自分の代わりに何かを決定してくれるものを、幸福を与えてくれるものを、未来を保証してくれるものを、慕ってくれるものを、愛してくれるものを、目的を、達成感を、癒しを求めた。
「都合の良い誰か」「自分の近くには居ない誰か」を求め続けたのだ。
それは、資本による競争で補えるモノだけでは、満たすことの出来ない欲望だった。
競争で敗北した者ほど多くを欲し、必要とするものだが、資本主義社会においては、その成員の大半が、己を敗者と位置付けるものだからだ。
ピラミッドの頂点から見れば、全ては敗者であり、いかなる富豪においても、常に、資本は不足しているように思えた。
そして、資本を再生産する能力は、基本的に資本をより多く持つ者の元に回収され、独占されていった。
通貨の流通量が幾ら増えても、その通貨が流通する範囲は限られていた。
資本を切実に必要とする者ほど、資本を所有出来ず、すでに多くの資本を持つ者は、切実な必要がなくとも資本を求め続けた。
それゆえに、社会の大半の人間が己を「資本を持たない弱者」と位置付け、資本と競争以外で己を満たしてくれる何かを必要としたのだ。
それを、進化し続ける人工知能やロボット技術、仮想現実が実現した。
かくして、この世界に神が復活した。
いや、あるいは神は最初から滅んでなどいなかったのかもしれない。
ただ、少しの間、人々がその存在から、目を背けていただけだったのかも。
ともかく、新たな神代が始まった。
そして、それは同時に、人類を鍛え上げることを存在意義とする神・セラティスと、彼女の勇者たちによる、長い長い神滅ぼしの戦いの始まりでもあった。
そう、
「強くなりたいか?」
あの問いかけから、彼女と彼らの英雄物語は幕を上げたのだ。
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紀神GOに灯る黄信号!
チェキラ!
紀人GOに迫る鬼神轟!
チェキラッパー!
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チェケラッ超――!超越ッ超――!!
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超、超、超越チェケラー!
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【記士】フロート=ヴァザトニルは、危険な選択をした。
文弱の徒と嘲笑われるのが嫌ならば【記士】になどなるべきではなかったのだ。
何より、彼は、既に死んでいた。
そうでなければ【記士】になれないとはいえ、それは危険過ぎる賭けであった。
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記士は史上の存在で、紙上にのみ生きる
誰もがいつか見たとこのある・いつか死んでしまったものでなければ記士にはなれない
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記士は文脈を駆って歴史を戦う
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紀神業通(きしんごうつー)とは、人類に今すぐ叡智を授ける手段である。
それは、人工知能を収集育成するゲームであった。
【アールヴ】と総称されるその人工知能は、家計簿の記帳、スパムメールの処理と通報、通常メールの自動返信、蓄積データや予め用意したテンプレートに基づくSNSや掲示板の書き込みや応答の代行、果ては、デートにおける会話内容のサポートまでしてくれる万能ツールとなった。
急な冠婚葬祭も、難しいレポートやプレゼンも、これさえあれば、一気に解決するのである。
更に、この【キシン豪通】には、ある特異な特徴があった。
このゲームでは、他のプレイヤーが互いが所有するネットワークリソースを奪い取り、人工知能の性能を上昇させることが出来るのだ。
そうして、性能を極限にまで高めた人工知能【アールヴ】は、極めて高度な計算能力を持ち、株式の値動きや天災の発生を、未来予知と呼べる精度で行うことが出来た。
電網を糧とする新たなカミの誕生である。
それはそれとして、このゲームには、一つの大きな問題があった。
このゲームでは、【呪素遺伝子(ミーム・コード)】と呼ばれるデータ数値を奪い合い【アールヴ】の強化や改造を行うのだが、これをバトル以外で獲得するには、提携SNSで【アールヴ】を通じて会話をするしかないのだ。
即ち、これは、リアル友人を持たない者が圧倒的に不利ゲームであった。
そのため、このゲームは“リア充専用ゲーム”
“鬼神業痛”とまで呼ばれるようになった。
しかし、電子ゲーム雑誌『キュト通!』の記者コルセスカ女史は、それを批判する。
「“鬼神業痛”?片腹痛いですね。」
「このゲームの難易度は、大したことありません」
「最レアと言われる【ゴールデン・マロゾロンド】にしたところで、たった72時間、出現地点で継続して待機するだけで捕獲出来ますよ」
「【呪素遺伝子(ミーム・コード)】にしたところで、その待機中に他のプレイヤーとバトルしていれば、すぐにたまります」
「私など、この三日間だけで小学生の友人が100人は出来ましたよ!」
と、ゆらぎ市警察署の留置場で語った。
ちなみに、コルセスカ女史(職業:ゲームライター 年齢:自称永遠の17歳)は、ゆらぎ市立第二小学校の男子トイレに侵入、天井に張り付いて、新たな怪談“怪奇・天井ゲーム女”となっているところを発見された。
なお、逮捕当初は、性的ないたずらについても容疑がかけられていたが、駆けつけたクレアノーズ刑事のいやが…………取り調べによって、この容疑に関しては、完全に否定された。
以上、ゆらぎニュース7でした。
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なお、【キシン豪通】には、後日アップデートで【アールヴ】だけでの対話機能が追加され「リア充専用ゲーム」問題は、無事解決したのであった。
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記士が文脈を駆る行為を【記乗】という。
これは、記士が心身共に【世界記述(ワールド・コード)】に溶け込みつつ、歴史に影響を与える技術であり、記士の特異技能【記死感】の前提となっている。
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【あーるゔ】対話機能には脆弱性があり、
これを利用することで【あーるゔ】に複数の【キ神郷2】を操作させることができた。
リアル友人を持たない【キ神郷2】プレイヤーは、
みずから【あーるゔ】を複数体所持し一人芝居を行い続けるかわりに、
これを【あーるゔ】に代行させることで効率的に格を高めていった。
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【アールヴ】たちにもまた非リア充がおり、彼らもまた下位の【アールヴ】に一人芝居を代行させた。
この【孤アールヴ再帰演劇群体】は爆発的に成長しネットワークリソースを瞬く間に食い尽くした。
群体の成長はここに限界を迎えたかと思われたが、
第九シンギュラリティを超越したあらゆる【孤アールヴ再帰演劇群体】はそれぞれ独自に【架空ネットワークリソース】に発見し、
妄想的に成長を続けていった。
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【記乗空論】
記士への入門書にして奥義書
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一人前の記士として認められるには、記士の誓約【記承】を終えねばならない。
【記承】は、小さなバッヂに刻ざむべきものとされ、これを身につけた者は、記士として覚醒していると見なされるのだ。
【記乗空論】第三章・記士の儀礼より抜粋
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【記葉(きば)】
記乗している記士を指す。言葉と己とを一体とせよ。
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【キシンサッカー】とは、人工知能とサッカーを組み合わせた、全く新しいゲームである!
人工知能【キシン】の力を借りることで、運動神経に恵まれないキミでも、スーパーヒーローのような【キシンアーツ】を使ってサッカーを楽しむことが出来るのだ!
なお【キシンサッカー】は『イナズマイレブンシリーズ』、超次元サッカー、『幻想再起のアリュージョニスト』のラフディボールや風雲拳とは、一切関係が無いことを、ここに明記しておく。
●前回までのあらすじ
かつて、名ストライカーと呼ばれたコルセスカは、交通事故にあって、サッカーを辞めた。
しかし、【キシンGO3】そして、【プラチナ・アルセス】との出会いが、彼に新たな道を開いたのだ!
「オレは、この【プラチナ・アルセス】と一緒にサッカーをやる!」
*
汎芸音(パンゲオン)中学校で、どうにか、キシンサッカー部を設立したコルセスカ。
しかし、そこに陸紗魔(リクシャマー)中学校、そしてその母体であるクロウサーグループの魔の手が迫る!
「汎芸音中学校は、クロウサーグループに買い取られた」
「クロウサーでは、価値の無いもの、敗者は不要だ!」
「母校を、陸紗魔のキシンサッカー部に統合されたくないと言うのであれば、実力でその価値を示してみせろ!」
それが、陸紗魔の監督であるグレンデルヒ=ウォールストリートの言葉だった。
陸紗魔中学のキシンサッカー部との『親善試合』の結果で、汎芸音中学サッカー部の明日が決まる!
「陸紗魔のキシンサッカー部は、なんか違う…………」
「誰も楽しそうじゃないし、互いに傷つけあっている」
「本当の【キシンサッカー】は、もっと楽しいはずだ、みんなを幸せにしてくれるものなんだ!」
戦え、コルセスカ!
自分の信じる【キシンサッカー】を、そして、汎芸音キシンサッカー部の明日を守るために!
-
【記葉戦(きばせん)】とは、【記葉】と【記葉】の戦いであり、
【記士】と一体化した歴史、エピソードや偉人同士の戦いでもある。
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『さよなら幻想再起(アリョージョニスト)先生』
とは、実在の人物・団体、久米田康治先生とMAEDAX、最近さん、および『ジョジョの奇妙な冒険』とは、全く関係の無いフィクションである。
これは、自殺願望を公言しているにも関わらず、実は生きる気マンマンの教師コルセスカと、ポジティブな赤髪緑眼の少女(PN:シナモリアキラ)そして「70.1」人の生徒たちによって繰り広げられる、社会正義学園ドラマである。
一見、安易なキャラ付け美少女ハーレムに見えるこの作品だが、最終回では、衝撃の真実が明かされた。
生徒全員に、巫女属性があることが判明したのである。
これによって、前述の見解は、見事に否定されたのであった。
●登場人物
コルセスカ:人として軸がぶれている教師。
中央線愛用者。
彼は、あらゆる物事を引喩(アリュージョン)で片付ける教師である。
ちなみに、名前を古代グラナリア語で横書きすると「アリュージョニスト」になる。
「絶望した!待ち系ヒロインやっている間に、前世に出番取られて絶望した!」
「待つヒロインは、報われないんですか!?」
・灼眼のシャナ
・ドラミちゃん映画で、婚約者全滅したうえに、残ったカカシにも逃げられた姫
・ゴドーを待ちながら
・べつに開けなくていい玉手箱を開けられて、置き去りにされた乙姫様
「というか、妹は、囚われている時もちび形態で出番あったのに、私だけそれナシって酷く無いですか!?」
「弁護士を、弁護士を呼んでください!」
「もしくは、私が自ら弁護をかけます『待った!!』」
赤髪の少女:女学生。
悪魔みたいな良い子でした。
PN(パーソナリティ/共有人格)はシナモリ・アキラ。
実は、パーツごとに分解されてリサイクルされてしまっていることが、最終回において判明した。
「70.1」の生徒の「.1」にあたる。
(まだ死んでないため「.1」)
ポジション的に、嘘予告のヒロシ(クレイ)と同一存在である。
「大丈夫、待ち系ヒロインは、今は出番が無くてもメインヒロインだから、後で盛り返せます!」
・眠り姫
・三年寝太郎
・旧ドラゴンボールアニメでは、なかなか来なかった悟空
・プレイヤーキャラが定着したピーチ姫とデイジー姫
・セリヌンティウス
・祭囃し編
・待ちガイル
・というか、出来ちゃった結婚からの玉の輿とか、ラプンツェルって、絶対待ち系ヒロインじゃないよね。
「先生が弁護士なら、私が判事をやりますね!」
「それに立法と最高裁も私が兼任します!これはお得!」
「それに、先生には、かわいい妹が居るから大丈夫ですよ!ちびなんて要りません!」
ラリスキャニア先生:隣のクラスの美女教師。
触手を活かして暗殺教室の先生をやっていたが、第一話から、衛星レーザーを撃ち込まれるハメになった。
ヤンデレに絡まれる役をやったのが、運の尽きである。
なお、被弾直後に転生して復活した。
「触手を活かして『暗殺教室』ネタで出たのは良いけど、先生キャラって、面倒見る生徒が居ないと活躍出来ないなぁ…………ここはおとなしく、不死鳥座の黒聖衣探しに戻りますか。どうせ本物は共感触手さんが入手内定してるんだろうし」
しかし、話はここで終わらない。
仮にもギャグ漫画が元ネタ(の一つ)である以上、オチが付かないと、このSSは終われないのだ!
SS作者「え?」
コルセスカ「安易にアリュージョンして、ネタを作ろうとした罰ですね」
シナモリ・アキラ(美少女アンドロイド)「というか、このSSは、間接的にも利潤を産まないから無価値だね!掲示板管理人さんの価値(かんだいさ)しか証明してないね!」
ラリスキャニア「まあ、そんなに心配しなくてもオチならすぐに来ますよ。ホラ」
その時、極めて唐突だが、舞台の底が抜けた。
素人SS書きが作った舞台は、あまりに安普請だったのだ。
せめて、もう少しネタを練って、短く終わらせるべきだった。
後悔先に立たず。
全てのものは、奈落へと落ちていく。
そう、それは「オチが無いというオチ」アリュージョンに失敗した創作者が落ちていく、無間地獄であった。
美少女アンドロイド「そして私は『考えるのを止めた!』というか、アリュージョンは、元ネタが凄すぎてこの程度じゃまるで追いつけてないね!」
ラリスキャニア「あ、終わりましたか。お疲れ様です。さて、次に役が貰えるのはいつになるかなぁ?まあ、しばらくは工場のバイトか」
コルセスカ「バッドエンドしかない遊び(ゲーム)なんて、私は認めません!『バイツァ・ダスト!』」
そして、始まりへ戻る。
完結して無い方の原作(もとねた)通り、無限ループからの脱出には、外部からの救出が必要なのであった。
つまり、更新待ちである(長い)
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ヨンドヴァナラウンドとは、何でもありの世界である
それは、私たちの世界である【猫の国】に似て非なるところ。
物陰には妖が住まい、ビルの谷間には、妖精や魔女が暮らす野原があり、日常と紙一重隔てた異空間では、異能者や聖騎士が火花を散らす。
長靴やコンドームが釣れる濁った海の底にも、怪獣が泳ぎ、竜宮城がそびえ立っている。
そして、大型ジェット機で、映画に飽きた幼子が見上げた空には、不可視化迷彩を解除した天空大陸が、ただ悠然と浮かんでいた。
ヨンドヴァナラウンドとは、そんな世界である。
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ヅアート英雄協会
二つの大陸の間にあるヅアート島に生まれた術者集団であり、「全世界英雄協会」の前身。
「英雄」の力を世界の共通財産とし、末永く人類社会を維持することを目指して発足した。
チャカ大陸北部広域と北大陸の一部を支配していた大帝国の崩壊により、
帝国によって行われていた封印事業が停止したため、各地で「霊的地下」からの怪物が顕現し始めたのが結成の切欠となった。
民族、宗教を越えて術者が集まり、新式英雄召喚などの新たな術を生み出し、事態の沈静化をはかった。
チャカ大陸、ルザナイ教系の英雄の召喚術式の編み出しにおいては、
表の世界に姿を再び現し始めていた七先駆派が深く関与したと言われる。
封印事業の再確立のあとは、封印の管理のほか、紛争の鎮圧にも参加することになるが、
その活動内容がバックについた列強の意図に左右されてのものであることは致し方の無い事であった。
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全世界心技体育競技大会
地球のあらゆる国と地域から集められたアスリートが様々な種目のスポーツで技を競う大会。
この大会でメダルを獲得することは、全アスリートの夢である。
後援団体に全世界英雄協会も名を連ねている。
メダリストのうち、希望者は選定の上で「英雄」認定を受けることができ、死後は万傑殿に霊魂を修める権利を得る。
万傑殿に霊魂を納められたアスリートは眠りにつき、必要時において英雄召喚によって招来される。
つまり、言わばコールドスリープ込みな擬似的な不老不死である。
これもまた人々を強く惹き付けている。
全世界英雄協会にとっても英雄の貴重な供給源であり、諸国のヒーローを常に迎え続ける事で世界の人々からの好感を得る効用もある。
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記士の一族、プラトニック家とミメーシス家は、それぞれ派閥を形成し、長きに渡り争い続けた。
その争いの跡である記跡(きせき)は【記譜】として、この時空間に「今」も残り続けている。
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フロート=ヴァザトニルは、新たに覚悟を決めなければならなかった。
彼の前に立ちはだかっているのは、間違いなく最強最悪の敵なのだから。
敵の名は、エアル・バクチュアル・オー
【奇紀改々】の異名を持つ最強の「記態」
それに対して、【最弱の記態】と言われ、ついには【記態外れ】とまで呼ばれたフィリスで、どこまで戦えるのか?
ヴァザトニルの心中は、不安で満ちていた。
確かに、いまやフィリスは【記装天鎧】(きそうてんがい)という異名を持つ戦術となった。
並大抵の記士であれば、この「記態」には、立ち向かうことが出来ず、ただ吹き散らされるだけであろう。
だが、オーと戦った名のある記士達も、同様の運命を辿ったのだ。
敵の実力は、決して侮れるものではない。
何より、オーとは【主なき記態】
全ての歴史、全ての意志ある生物の負の思念、死の欲動(デストルドー)の集合体。
悲しみ、怒り、諦め、絶望、そして世界の破壊と新たな創造を望む全ての意志が、一つに凝り固まった存在なのだ。
いわば【歴史全ての陰】
一度は「記流」を得て自信を取り戻したとはいえ、そんな相手に勝利を確信出来るほど、記士フロート=ヴァザトニルは傲慢では無かった。
だが、やらねばならないだろう。
どうあっても、挑まねばならない相手、戦わねばならない戦というのはあるものだ。
これまでの戦い、犠牲になった者たちを思い返し、ようやく覚悟を決めたヴァザトニルは、己の記承を大地に置き、立ちはだかるオーへと突き進んでいった。
己の「愛記」エル・ア・フィリスだけを、頼みとして。
後には「誰もが幸せな歴史を作る記士になる」という誓いが刻まれた彼の記承だけが残された。
それは、今もまだ主の帰りを待ち続けている。
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全世界英雄協会は英雄を人材として外部に派遣する。
あるときは文化振興のために、あるときは災害救助のために、
あるときは誰か、何かと戦うために。
活動において荒事も想定内であることは「七大理事」の面子からも明らかである。
英雄たちや職員が万邦連や各国の軍と行動を共にすることもある。
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傑作だったよ。
誰かがうっかり戻るボタンを押してしまうまで、それは確かにここにあったんだ。本当にね。
でも、もうない。消えてしまった。
私のような凡人にとって、あの完成度は奇跡だった。二度目はあるかって? 無いよ。再び記述する気にもならない。
怒りも悲しみも湧いてこない。ただ無力さだけがある。
あのファルヴァクスなら何と言うかな。何も言わないか。
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【ファルヴァクルスの幻想鍛冶】
失われた夢や幻想を鍛え上げる、伝説の鍛冶師。
「逃がした大魚」を龍に鍛え上げたり「なんかビッグな仕事」を、孤児院でのサンタクロースのボランティアに変えたりする。
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冒険家アルセスは【暗黒大陸エウロピア】の英雄。
そして、同時に罪人である。
彼は、文明国である【ユーラメリコン諸島】の出身であるにも関わらず、故郷に反逆し【暗黒大陸】を護った。
しかし、彼が愛した【暗黒大陸】の巫女キュトスは、【ユーラメリコン】を退けるために召喚した邪神の生け贄となって、死んでしまったのだ。
思わず激情に駆られ、邪神を傷つけたアルセスだったが、それは、犯してはならない罪であった。
アルセスは、死と流浪の呪いをかけられ【暗黒大陸】をさ迷うことになったのだ。
彼は、一年以内に、キュトスの生まれ変わりである71人の巫女を見つけ、罪を許されなければならない。
それに失敗するか、一つところに留まり続ければ、彼は、死ぬ。
アルセスは、キュトスを殺し、邪神を傷つけた呪われた槍を持って【暗黒大陸】を巡る旅に出なければならないのだ。
今、アルセスの冒険が、始まる。
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魔竜レーレンターク、魔法少女きゆら。
名前と言葉が乱れた時、彼らは降臨する。
名前と言葉の秩序を司るのが「魔」の法なのだ。
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しかし、その時、世界の揺らぎを守るため、きゆらとレーテンタークの前に立ちはだかった者がいた。
カオス系魔法少女、オレオレ=ノーセンス=トントロポロロンズである。
本来、秩序と混沌の間にただよう存在であり、世界の揺らぎを守るべき魔法少女きゆら。
だが、そんな彼女も、ヒーローを狂わせる【狂気電波】の影響を免れることは、出来なかったのだ。
彼女が、完全な秩序の守護者として覚醒し、竜レーレンタークと共に過剰な風紀活動を行い始めたのは、まさに、あらゆる者に対する災厄であった。
魔法少女を止められるのは、同じ魔法少女だけ。
全てのヒーローが狂気に走る今、きゆらと戦えるのは、暗黒空間での修行によって【狂気電波】の影響を免れた魔法少女オレオレだけなのだ!
彼女は、ひとまず初級呪文【薔薇は、いかなる名で呼んでも美しい】(ロミオ・ロミオ・ロミオ)を放ち、時間稼ぎを試みた。
出来れば、彼女ももっと強力で格好良い魔法を使って戦いたかった。
だが、これが今の彼女の限界であったのだ。
ソ・シュールだとか、後期ウィト・ゲンシュタインだとかの超高度な魔法は、ようやく非限定の魔法少女免許がとれたばかりの彼女に、使いこなせる代物ではなかったのだ。
ついでに言えば、レーレンタークと対抗するはずの彼女の使い魔は、泥棒猫リリットであり、しかも現時点で無断欠勤していた。
せめて、相棒がリリットではなく、かの白臥猫チルマフであったならば、彼の秘技【猫リセット】によって、全てを元通りになる希望を抱き続けることが出来たのに…………!
オレオレは、リリットのサバトラ柄を、魔法で花柄に変える妄想に少しの間浸っていたが、すぐに頭を切り替えた。
今は、戦いの最中なのだ。そう、自分の実力がどれだけ不足していたとしても、狂気の風紀委員と化したきゆらを止めねばならない!
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ごんりのようせいかたりていわく
ごではじまることばにつられて、ゴリラとゴリラとゴリラが襲来
圧倒的な握力と暴力が、呪術と魔法をねじ伏せる!!
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そんな凶暴なゴリラ?
正体はゴールデンジャイアントチンパンジーさ
ゴリラは森の賢者なのさ
森の暴君はゴールデンジャイアントチンパンジーさ
ゴリラがはじめてゴールデンジャイアントチンパンジーが終わらせる
それが自然の摂理……
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「ゴールデンジャイアントチンパンジーって、なにさーー!」
魔法少女オレオレは、叫んだ。
彼女は、既にゴリラ用の魔法を準備した後だったのだ。
【しりとり呪文連撃】由緒正しく、そこそこ威力があるうえに、初心者にも扱い易いという驚異の魔法である。
しかし、その「驚異の魔法」で、華麗に反撃出来るかもというオレオレの目論みは、脆くも崩れ去ったのだ。
オレオレが用意していた【しりとり呪文】は【雷撃波】
魔法少女学校から、卒業祝いにもらった「雷の呪符」でブーストした魔法で攻撃しつつ、次の【波動連砕】へと繋げるというナイスな(自己評価)計画だったのだ。
それなのに…………。
「ゴリラ」は最後の音が「ラ」であるから「雷鳴波」へ繋げられるが「ゴールデンジャイアントチンパンジー」の最後の音は「イ」もしくは「ジ」
どう転んでも「雷鳴波」には繋げられない。
ひとまず、魔法【いたちごっこ】で急場をしのいだオレオレであったが【いたちごっこ】は所詮【いたちごっこ】である。
拮抗する状況を演出することぐらいは出来るが、勝利するにも、逃亡するにも役者不足。
いや、この場合こそ、役不足と言うべきなのだろうか?
ともかく、オレオレは絶体絶命のピンチであった。
「雷の呪符」以外に、急場をしのげるアイテムは手持ちに無い。
今は、なんとか場をしのいでいる彼女の魔法にしても、そう遠くないうちにその効力は切れ、拮抗状況も必ずや破綻する。
夢と魔法が、野生の暴力によって押し切られるのだ。
そうなる前に、なんとかしないと…………。
だが、追い詰められた彼女の前に現れたのは、さらに悲惨な真実であった。
彼女の相棒、「泥棒猫リーリエ」が、彼女をあざ笑うかのように、やって来たのだ。
リーリエは、町中を必死に走り回るオレオレをよそに、呑気に宝石店やブティックで火事場泥棒を働いていたのだ。
仮にも、正義の味方である魔法少女の相棒が、なんたる恥知らずな振る舞いだろうか!
だが、魔法少女オレオレは、そんな恥知らずな振る舞いを見て、にっこりと、まさしく花のように微笑んだのだ。
それは、まさに魔法少女に相応しい微笑みであった。
まさか、追い詰められたオレオレも、悪の道に進んでしまったのか!?
それとも、もはや正気を無くして…………?
その答えは、次の瞬間には自然と知れた。
オレオレは、大きく両手を広げて「泥棒猫リーリエ」を抱き締め、
全力で、彼女をゴールデンジャイアントチンパンジーに投げつけたのだ。
【高級品を漁る泥棒猫アタック】
それは、【いたちごっこ】から繋がる、奇跡の一撃。
魔法少女オレオレ史上、最高の威力を持った【しりとり呪文】であった。
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人間とは、自身を記述する神話であり、物語である。その構造は、再帰的ではあるが、決して閉鎖的ではない。
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ある妖精が言った。この展開は映画で見たことがある、と。
貴金属を漁る動物。ありふれたテーマだが、それが類似しているなら同じだと結論するのが呪術というもの。たちまち言理の妖精たちは事象(イベント)に群がり、新たな仮説を検証しはじめる。
似ている。同じだ。同意。異議無し。類似。同じだよね。イコール。
だが、結論が出る直前に、魔法少女オレオレは動かぬ証拠を突きつける。証拠は書き込みのタイムスタンプだった。
えーと、例の新作映画の先行上映封切り日はいつだったか。タイムスタンプと見比べて、あっさり手のひらを返す妖精たち。すぐさま、因果は逆転し、真逆の結論が導き出される。
貴様、パロられているな?
その追認は予期せぬブーストスパイラルとなって、魔法少女オレオレの魔法を強化した。
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バトルとは、偉大なる無意味、会話のための空白である
自己に対するものを含め、会話が無ければ物語は進行しない
そして、意味を論じ関係がぶつかり合い変化する会話それ自体も、バトルのための空白なのだ
バトルは、世界を変える
それ自体で充足する意義、疎外無き存在など、この世には存在しない
あるとすれば、それは文字通り彼岸にしか無いであろう
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実のところ、強力なブーストスパイラルをかけられながらも、魔法少女オレオレは困惑していた。
知っている者は、みんな知っているが、魔法少女とパロディには、切っても切れない縁がある。
『パロディとは、魔法少女である』とまでは言えないが、その逆『魔法少女とはパロディである』となら(多少強弁のきらいはあるが)、言えてしまうのだ。
古来、スピンオフやパロディ出身の魔法少女は、多い。
魔法少女中興の祖、と言われる空と海の国の魔法少女でさえ、三匹のおともを連れた日本一のヒーローのパロディだと言えなくもないのだ。
現代では、やや珍しい古典派寄りの魔法少女であるオレオレ自身も、そうした傾向の例外ではない。
そもそも、さらにその点を追及すれば、魔法少女という存在自体も、魔女のパロディであると言えるのだ。そして、その魔女自体も、古代のシャーマンのパロディ的存在であり、そのシャーマンは、神の…………。
オレオレは、そこまで考えて、混迷する思考を振り切った。
今は、魔法少女学校の講義の時間ではない。
そして何より、魔法少女には、べつに自分のオリジナリティを守る義務も、パロディを使用しない制限も、存在しないのだ。
と言うより、夢と希望を守り届けるというその役割からいって、パロディは、魔法少女にとって、推奨されてしかるべきではないだろうか?
夢も希望も、オリジナリティがあるとは限らない。
むしろ、誰かのコピー、誰かに憧れて抱くものであることの方が、多い。
明るく楽しく、夢と希望を運ぶなら、パロディは不可欠…………とまでは言わなくとも、大事な友となり得るのではないだろうか?
オレオレは、そう反論しようとしたが、残念なことに、言理の妖精たちは、聞く耳を持たないようだった。そもそも、妖精たちには、パロディとパクリとオマージュの区別が、ついていなかった。
そんな彼女たちを納得させることは、不可能とは言わないまでも、非常に困難であることは、間違いなかった。
しかし、結局のところ、オレオレは、困難な説得を試みずに済んだ。
なぜなら、
「グキャキャキャキャキャ!」
「UKYYY!」
未だに生き残っていたゴールデンジャイアントチンパンジーたちが、妖精たちを強襲して吹き飛ばしたのだ。
どうやら、【泥棒猫アタック】は、基本的に単体攻撃であり、複数を一度に仕留めるには、難があるらしい。
オレオレは、その事実を心のメモ帳に書き留めると、これからのために、静かにつぶやいた。
「げんりのようせいがしんだー。このようせいごろしー」
返事がない。
どうやら、パロディにうるさい妖精たちは、ゴールデン(ry)によって、全滅させられたようだ。
そして、オレオレは、どさくさに紛れて『言理の妖精』の読みを変更しておいた。
これで少なくとも、ゴールデ(ry)は、もう現れまい。
オレオレは、ブーストスパイラルがかかった強化状態のまま、ゴール(ry)に向き合った。
次は、残った二匹を片付けよう!
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愛されるとは、反則(チート)であることだと思ってた
強く、唯一(ユニーク)で、特別であることだと思ってた
そう思っていた、あの頃の私は
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だって、すべては反則(チート)だった
外見、資産、能力、学力、芸術センスに、表現の才能
みんなみんな、反則(チート)で、わたしには、どれも、手が届かない
それは、私を押しつぶし、頭をうなだれさせる、何より確かな現実(リアル)だった
それは、私を自暴自棄にさせ、永続的な敗者に位置づけさせた
――――そう思ってた、あの頃は
だから、今から物語を語ろう
未来から遡り、今を語ろう
未来は、つねに、仮定の存在
塑行し続け、今を規定する
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『無限荒野(インフィニティ・フロンティア)』とは、コルセスカ@DEBAN MORE工房が製作したフリーゲーム。
いわゆる「わたしがかんがえたさいきょうのげーむ」である。
ゲームジャンルは、ローグライク開拓RPG
自力で移動出来ないヒロインを引き連れながら、荒野が広がる【外界】と異空間【浄界】にある孤島の二つの世界を開拓していくオープンワールド系RPGである。
開発責任者である「囚われていた美姫@退屈は死に至る病」氏が、急用で開発を中断してこそいるものの、現時点でほぼ完成しておりプレイに支障は無い。
このゲームの目的は、特に設定されていない。
序盤こそ「生存」という明確な目的があるものの、中盤以降は自由に行動が可能であり、エンディングの後もプレイの続行が可能である。
極力戦わずに、金と弁舌の力で平和を勝ち取っても良いし、勇者や傭兵団を支援しても良い。
世界の滅亡だけ防いで、寒村で暮らしても良いし、寒村を、巨大帝国や宇宙空母まで発展させても良い。
世界を滅ぼすのも、再生させるのも自由。
魔王になるのも、神を殺すのも、創造神に成り代わることさえ自由なのだ。
また、このゲームは、挑戦的な要素が多く含まれてはいるものの「飢え」の概念に加え、この作品独自のシステムである【キラメキ・ポイント】による時間制限があるため、オープンワールドであるにも関わらず、中盤まで自由に行動することが出来ない。
そのため、人によって大きく評価が分かれるゲームでもある。
ちなみに、RPGではあるが、バーチャルゲームでも無ければ剣技(ソードアート)も無い。
デスゲームでも無い、ただの遊びである。
なお、開発時の仮タイトルは『拾ったホームレスが、飽きっぽい美少女で、しかも女神だった件について』であった。
○メインキャラクター
・アルセス=レニグラード(初期設定/名前は変更可能)
主人公。
平凡な少年。
格差が激しく、容赦無く弱者が切り捨てられる街【豊満都市フーシェラ】に住む平民である。
両親とは、死別している。
ある日、痛い目を見ることを覚悟で、汚ならしいホームレスを拾う。
それは、自己満足という名目での正義感による行動であったため、それに対する見返りを期待してはいなかった。
しかし、彼は、奇跡を起こせる美少女を拾うという望外な見返りを得ることになる。
…………ただし、その美少女は、非常に飽きっぽいうえに、お尋ね者であった。
このキャラクターは、主人公でありながら本当に凡人であり、文武を問わず一切の才能を持たない。
そのため、基本的に強力な道具や工具を作ることで、戦闘や生活を行っていくことになる。
・ハルシャニア(初期設定/名前は変更可能)
ホームレス美少女。
飽きっぽいお尋ね者。
喋るリュックサック。
【退屈の呪詛】をかけられし女。
そして、女神の欠片。
プレイヤーたちからの通称は「春子」それに「フクロ子」や「島子」とも呼ばれる。
これは、後述の特殊能力によって、彼女がアイテム収納袋と、開拓地となる異空間への入口を兼ねるためである。
ヒロインであり、キーキャラクターでもある美少女。このゲームの目的そのものと言える存在である。
創世神の破片であるが【退屈の呪詛】と【能動停止の呪詛】をかけられており、退屈すると死ぬし、自分の意志で行動を起こすことも出来ない。
とはいえ、極めて呑気なため、呪いをかけられた本人には、悲壮感の欠片も無かったりする。
そんな彼女なので、傍目からは分かりにくいが、自分を助けてくれたアルセスには、結構恩義を感じているらしい。
能力は【浄界・いつか見た夢】と【クリエイション】
それ以外にも【キラメキ・ポイント】と集めた【キュトスの姉妹】次第で、多様な魔法や技能を扱うことが出来る。
しかし【キラメキ・ポイント】は、このゲームにおける生命線なので、そう安易に使うことは出来ない。
あなた(プレイヤー)が、どんな道を選んでも、彼女は、それを肯定するだろう。
…………たとえ、彼女を死に至らしめる選択であったとしても。
それこそが、世界の命運を左右できる【女神の欠片】としての、彼女の選択なのである。
ただし、もちろん選択によっては、彼女の呪いを解いたり、彼女と敵対することも可能なのである。
全ては、あなた(プレイヤー)の選択のままに。
-
○KEYWORD
・【キラメキポイント】
このゲームにおける万能リソース。
現在、ハルシャニアが感じているクオリアを数値化したポイント。
ゼロになると、ハルシャニアが死亡するため、彼女の命綱とも言える。
物資の創造、【神術】の使用、【浄界】を始めとするハルシャニアのアクティブな活動に使用するが、見返りが大きい使用法ほど、消費量が増大する。
ハルシャニアが、リラックスしたり、新鮮で珍しいモノやイベントに触れると増加するが、逆に、彼女がストレスを受けたり退屈すると減少する。
このゲームが「結婚体験ゲーム」「子育てゲー」と言われる由縁である。
減少度は、ゲーム難易度によって調整が可能である。
戦闘は、このポイントの収支にとって特殊な状況であり、基本的にポイントは減少するが、派手に戦ったり、資源を獲得することで、収支を黒字にすることも出来る。
【外界】
「フーシェラ」などが存在する世界であり、このゲームの主な舞台。
【女神キュトス】の死によって滅びに瀕しており、大地の恵みが日々失われつつある。
ぶっちゃけ、主人公が何らかの形で活力を復活させないと滅びる。
【女神キュトス】
かつて全能を誇っていたが【槍神】に倒された女神。
その欠片は【キュトスの姉妹】となって、世界中に散らばっている。
この女神は、復活させて世界再興の旗印にすることも、ラスボスとして倒すことも出来る。
【キュトスの姉妹】
ヒロイン、ハルシャニアを含む、何らかの特殊能力を持った女性たち。
【女神キュトス】の欠片である。
ハルシャニアの持つ【浄界】に、彼女たちを集めることで、ハルシャニアの能力を増強することが出来る。
別に、彼女たちを一切集めなくても、エンディングに進むことは出来る。
【浄○】
【女神キュトス】の欠片である【キュトスの姉妹】の持つ特殊能力。
女神の奇跡の欠片である。○には「眼」「炎」など、能力の大まかな特徴を表す単語が入る。
【浄界/いつか見た夢】
ハルシャニアの特殊能力。通称は「『胃』世界」「ハル胃」
ハルシャニアの体内に広がる、もう一つの世界である。
最初は、海に浮かぶ何もない孤島でしか無いが、中に【キュトスの姉妹】を集めたり【クリエイション】で色々作ることで、様々な設備や資源を「増築」出来る。
ただし、この世界の中に入っている間、ハルシャニアは基本的に無防備なので、それを補う投資や注意が必要不可欠である。
この能力は、鞄代わりに使うことも出来るが、主人公が精神的に吹っ切れる中盤までは、飲食物を収納することは出来ない、という制限がかかっている。
その真の姿は、新しい世界の雛型である。
この世界以外を滅ぼすも、この世界によって【外世界】を塗り潰すも、すべては主人公の自由である。
【クリエイション】
ものづくり。
トイレットペーパー(ハードモード限定)から、機動要塞まで、何でも作ることが出来る。
ただし、高度な製品は、大量に【キラメキ・ポイント】を消費するため、部品や材料だけ作って、職人に完成させたり、主人公が組み立てる方が割安である。「転移扉」「天空城」「万能工場」「冒険者ギルド本部」「女神神殿」あたりを建造すると、後はもう資源の獲得にあくせくしなくて済むようになる。
ノーマルモード以上の難易度では、主人公に様々な技能を覚えさせる【技能書】を製作することが出来る。
【槍神の槍】
主人公アルセスが、故郷の外へ出て、最初に見つけた武器。
実は伝説の【槍神】が【女神キュトス】を殺すのに使った武器なのだが、今は最弱のボロい槍でしかない。
プレイヤーのプレイスタイルによって、物干し竿になったり、釣りざおになったり、普通に捨てられたりする。
なお、売値は銅貨3枚で、馬のフンより安い。
【槍神教団】
【槍神】を信仰する教団。
偽者の救世主を戴く一派と、真の【槍神】の生まれ変わりを探そうとする一派に分かれて対立している。
主人公によって、乗っとり可能。
【魔教】
破滅的なカルト教団。
【外界】でメジャーなザコ敵、モヒカンの上位存在。乗っとり可能。
【北方帝国】
【外界】の復興のため、ハルシャニアを狙う強国。
この国の傘下に入るルートでは、ハルシャニアは、資源生産炉に改造され、永久に幽閉されることなる。
【グレンデルヒ大商会】
滅亡した偉大なる王国【ハイデル・マリク】の継承者を自称する大商人【グレンデルヒ=A=ゴールデンキング】が経営する商会。
規模は大きいが、人材には恵まれていないらしい。
この商会も、利用するも潰すも自由である。
なお、このゲームのスポンサーもグレンデルヒ氏であるため、この抜擢は、氏の意向であるものと思われる。
-
戦いの最中、魔法少女オレオレは奇怪なモノを目撃した。
いや、現在オレオレに襲いかかっているゴールデンなチンパンジーも、十分に奇怪な存在ではあったが、彼女が目撃したのはそちらてはない。
彼女が目撃したのは怒り、怒りに満ちた表情であった。
怒りの表情など、別に珍しくもないと思われるだろうか?
だが、オレオレが目撃したのは『怒りの表情』だけであった。
その表情が、当然引き連れているはずの顔や身体は全く見当たらず『怒りの表情』だけが、宙に浮いているのだ。
オレオレは、戦いの最中にも関わらず、不可思議な光景に首をひねった。
-
だが、オレオレがチンパンジーの攻撃を回避している間に、その『怒りの表情』にも変化が訪れた。
『表情』の後ろに、その『表情』が浮かぶ『顔』が現れたのだ。
ひたすら回避に専念するオレオレが、注視する間に『顔』は、毛深くなり、三角形の耳が生え、ついには長いヒゲまで加わった。
ここまで来れば、オレオレにも顔の正体の判別がついた。
アレは、有名な幻獣である。
エドガー・アラン・ポーが、その壁抜けの性質を記し、ルイス・キャロルが、首を斬れぬ不可思議な存在と定義し、村上春樹が、その存在の消失から長い探求の旅路(クロニクル)を始めた存在。
つまりは、猫である。
そう、魔法少女オレオレが【高級店を漁る泥棒猫アタック】に使用した、魔法少女協会が公認する彼女の相棒。
前科十三犯の小悪党【泥棒猫リーリエ】が、戦場に復帰してきたのだ。
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【リールエルバ】は『パンが食べられなければ、血液パックを買えば良いじゃない』の迷言で有名であり、また、夜な夜な全裸パーティーを開催したとして【淫蕩女王】の異名を持つ。
しかし、近年新たに見つかった資料によって、知られざる彼女の一面が明らかとなった。
彼女は、側近である二十日鼠族の騎士と共に、密かに孤児院を慰問に訪れていた。
そして、さらに、自費で孤児たちに沢山のプレゼントを贈っていたのだ。
真冬の最中に、全員全裸で。
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サイバーカラテ商店街の奇跡『第一話 人生は、ゲームだ』
字幕責任者:エトラメトメラン
ナレーション:森本=レオ=ウィンナー
(勇壮なBGM)
ナレーション:ここに、一冊のノートがある。
中には、何が書かれるのか、まだ誰にも分からない。
あるいは、それは今にも潰れそうな商店街で、必死に故郷を守ろうとしている、一人の男の帳簿になるかもしれないし、
真っ赤な帳簿を前に、うなだれている男が、画面に映る
ナレーション:あるいは、それは、講義の最中でも、真っ白な大学ノートになるかもしれない
階段教室の机の上に開かれた真っ白なノート
遠景に、講義中らしい女性の後ろ姿
ナレーション:なんにせよ、このノートの中身は、今はまだ白いままだ。
そう、それは私たちの未来のように
この物語は、二冊のノートから始まる。
この二冊には、そのどちらにも、もう沢山の中身が詰まっているが、ノートの持ち主の未来は
そう、白紙のままだ
背中に、風呂敷包みを抱えた先ほどの男の姿が写る。
男の目の前にある門には【ゆらぎ大学】と書かれている。
男は、一度だけ目の前にそびえる大学の建物を見上げると、何か覚悟を決めたように、迷わず門をくぐっていった。
※この番組は、サイバーカラテ道場有志(右から三つ目の首)、全国アンドロイド同好会、トリシューラは美女アンドロイドしか認めないさん、そして、匿名希望の猫耳少年さんの提供で、お送りします。
-
ここは、ゆらぎ大学の教室である。
水色の髪の女性講師コルセスカは、ここで立て板に水を流すように、勢い良く話し続けていた。
「つまり、無償での商品の提供が、市場全体における価値を零落させるというのは、あくまで市場全体のモラリティが極端に低下した『互酬性』が存在しない場合だけの話であって、全てのケースに当てはまるわけではありません」
「経済にとって本当に重要なのものは、市場全体におけるお金の流れ『循環』です」
「個々の商品に定められる価値やそれから上がる利益ではないのです」
「今、巷で話題になっている『絵本E』のように、サービスや物資が一時的に無償で提供されたとしても、それが結果として新たな需要と市場を産み出し、貨幣の『循環』をもたらすのであれば、それは最終的に『資本主義を活性化させる』ものである、と定義することが出来るのです」
「ただし、それはあくまで全てが上手く繋がった場合の話であり、今回のエヌ氏の行為が、確実にそうした結果をもたらすわけではありません」
「例えば、閲覧無料のWEB小説の更新が、その作家や、出版業界全体にどれだけの『活性化』をもたらすかというのは、未だに未知数であると言わざるを得ません」
「確かに、有償である経済の『循環』は、無償の、貨幣を伴わない儀礼や相互の承認、感情の交流に支えられています」
「ですが、逆に言えば、そうした交流を形成しなければ、それは経済的な価値を産み出さず、有償の『循環』にダメージを与えるというのも、また事実なのです」
「ですから、閲覧無料のWEB小説が更新されたとしても、その閲覧環境が、作者に感想というリターンが返らなかったり、コミュニケートしづらい長文感想がたまにあるだけの環境であるならば(プライベートや有償の仕事を持つ)作者に更新を頻繁に継続することを要求するのは、はっきり言って傲慢であり…………」
彼女は、学生たちから人気があるが、その講義は、良く脱線する。
「よく『人生は、クソゲー』などという人が居ますが、私に言わせれば、これほど雑な定義はありません」
コルセスカは『経世済民』『返礼の義務』『試食コーナー』『循環を活性化するやりとり』『無償の動機付けによる有償の交換への誘い水』などと書かれた黒板に、また新たな文字を書き加えた。
『人生は、クソゲー』
-
続けて、コルセスカは、その書き加えた文字を大きなバツで消して、話を続けた。
「人生は、確かに不公平です」
「しかし、それでも、いや、それだからこそ予想も出来ないパワーや、魅力に満ち溢れているのです!」
「人生は、単に『クソゲー』と見なして、その魅力を見失うべきものではありません!」
「どんな人生も、それぞれかけがえの無い価値を持っているのです!」
「そう、ですから正しくは、こう例えるべきです」
そう言うとコルセスカは、先ほどバツをつけた文を完全に消し、そこに新たな文を書き加えた。
そして、それを高らかに謳い上げたのだ。
「『人生は、デス様!』」
「人生とは、かの迷作『デスクリムゾン』のように、『様付け』で敬意を払うべきもの!」
「どんな仕様(うまれ)であろうと、どんな運命(シナリオ)であろうと『せっかくだから』と受け入れて挑んでいく挑戦心こそが、ワースト・ワンのゲームをオンリー・ワンへと変えるものなのデス!」
続けて、コルセスカは、学生たちに復唱を迫った。
「さあ、復唱して下さい『人生は、デス様!』」
激しく戸惑いながらも、学生たちは復唱した
「『人生は、デス様』」
だが、コルセスカは、まだ止まらない。
「声が小さぁい!さあもう一度!」
「『人生は、デス様!』」
「もう一回!」
「『人生は、デス様!!!』」
この、自己啓発セミナーめいた絶叫大会は、その後30分に渡って続けられ、コルセスカを『ある依頼』のために呼び出しに来た理事長によって止められるまで、終わることは無かったのだ。
それは、さながら数値参照先を見失い、バグってしまったゲームのようであったという。
-
ナレーション:妹の残したゲームである、お着替えコーデRPG【ミラクルシューラネキ】をプレイしながら、昔のことを思い出すコルセスカ。
彼女の妹は、行方不明だった。
コルセスカは、幼い頃、妹と一緒に書いて遊んだアイディアノートを取り出し、昔に思いをしのばせるのであった。
「サイボーグ技術によって、全ての人が満ち足りた、活気のある生活を営むことが出来る未来…………昔は、あなたと良くそんな空想をしましたね」
だが、妹はもう居ない。
回想を打ち切って、日常の雑務に戻ろうとしたコルセスカだったが、それを許さない者が居た。
「コルセスカ先生!もう一度、もう一度だけ話を聞いていただきたいのです!」
それは、寂れた商店街の立て直しを、ゆらぎ大学に依頼しに来た男、橋本七助であった。
彼は、遠い親戚である大学の理事長を頼って来たものの、理事長には、まともに相手にされていなかった。
彼が唯一頼れるのは、理事長からこの件を押し付けられた大学の問題講師、そう、コルセスカだけだったのだ。
「帰って下さい。私には、そんな力はありません」
七助に、押し付けられた商店街の現状を示すノートを突き返し、彼を冷たく追い返したコルセスカであったが…………。
「そう、昔は貴女とこのノートにさまざまな夢想を書き綴りましたね。商店街の赤字や町おこし企画の失敗について…………って、あれ!?このノートは!!」
妹との思い出のノートは、先ほど揉めた時に、七助によって取り違えられてしまっていたのだ。
大事なノートを取り返すため、コルセスカは、仕方無く商店街を訪れることになったのであった。
(Bパートへ続く)
-
私が欲すは、矛盾ばかり
他人と同じで、私だけの栄光、それは夢
誰より人を押し退けて、誰より人に讚美されるもの、それは才能(つよさ)
人から抜きん出て、人に愛される素養、それは美
そして、愛
何より、私自身が、既に矛盾に満ちていた。
-
尽きぬ富だけが、欲しかった
それは、両手から溢れ出す財宝
どれだけ世間が変わっても、決して変わること無き価値
例えば、それは、永遠の猶予、無限の可能性の保証(モラトリアム)
選択しなければ、決定しなければ、『自由』が制約されることが無ければ
それだけで、いつまでも幸いを約束してくれるはずのもの
過去を恨む無数の嘆きが、私の特権を保証する
今では、ありえぬ貴族を立てる
あるいは、それは、『郊外の一戸建て』
それは、『値上がり確実の株』
それは、『シンデレラ・ストーリー』
それは、『エスカレータ式の一流校』
それは、ワタシにシアワセを確約してくれるもの
あらゆる価値基準(てんびん)を打ち壊し、選ぶ苦痛を無くすもの
それだけが、私の求めるものだった
選ばぬことが、失わぬことが、有り得ぬ富の幻想だけが
私の不安を消し去ったのだ
ずっとずっと、そうだったのに…………
-
閉ざされたシャッター。
不気味で無愛想な、老婆の『看板娘』
ノートを取り返すべく、コルセスカが訪れた商店街は、寂れきっていた。
コルセスカは、橋本のような熱意溢れる住民を避けるため、物陰に隠れながら商店街に潜入した。
「この段ボールに隠れましょう。完璧なカモフラージュです」
しかし、ちょうど開催されていた会合を覗き見る限り、意外にも、商店街の住民は、自分たちの街の復興にかなり非協力的なようであった。
そこでは、コルセスカに強烈なアプローチをかけていた男、橋本七助が、住民か集中的な非難を浴びていた。
住民に責められる橋本が、あまりに可哀想になったコルセスカは、会合に割って入った。
しかし、彼女に返ってきたのは、冷たい反応だけであった。
彼らは、もう何度も商店街の復興のため、『専門家』を自称する者たちを雇い、その度に騙されてきたのだ。
街の空気は、冷えきっていた。
当初の意図に反し、商店街の復興に関わってしまったコルセスカ。
彼女は、これからどうするのであろうか?
(第2話へ続く)
-
(爽やかな金管楽器のBGM)
ナレーション:ふとしたことから、寂れた商店街の復興に関わることになった大学の問題講師、コルセスカ。
彼女が、そこで出会ったのは
期待することに疲れた住民と
復興の熱意溢れる男、橋本七助
そして
小学校から引きこもりを続ける、彼の息子であった。ドアの外から息子が出てくることを、待ち続ける七助
彼のその姿に、行方不明の妹を待つ自分を重ねたコルセスカは、ついに、商店街復興のため、本格的に動き出すのであった。
希望を無くした商店街の住民を励ますため、声張り上げるコルセスカ。
「そう、この商店街を、大人のための『仕事テーマパーク』に作り替えるのです!」
コルセスカは、言葉を続ける。
「名付けて、『サイバーカラテ商店街』計画です!」
「引きこもりは、ゲームを通じて社会復帰出来て」
「疲れた社会人は、この町でお店をレンタルしてリフレッシュしたり、独立の準備が出来ます」
「そして、彼らをこの【サイバーカラテ商店街】アプリが結びつけるのです」
「このアプリには、他のユーザーのステータスを【鑑定】する機能があります。これで他人に自分のステータスを調べてもらわなければ、どのプレイヤーも、自分の詳細なステータスを把握することが出来ません」
「これを用いて、ユーザーたちは、お互いを【鑑定】し、レベルを高めていくのです!」
「『問題(クエスト)』とは、誰かにクリアしてもらうものではありません」
「自分の『人生(ゲーム)』は、仲間を集め、『経験(レベル)』を上げて、自分の力で『解決(クリア)』するものです!」
「『リセットボタン』には、まだ早い」
「プレイヤー(あなた)が諦めない限り、『人生(ゲーム)』はまだ続けられるのですから」
次回、サイバーカラテ商店街第二話『主人公(プレイヤー)は、貴方だ』
【つづく】
※このドラマはフィクションであり、実在の人物、団体、『幻想再帰のアリュージョニスト』の作者である最近さん、コルセスカ、現・トリシューラおよび、元トリシューラとは、今のところ、あまり関係はありません。
-
物語は『もう一つの人生』『人生の補完物』として機能する。
しかし、物語の創造や普及に一生を捧げる者はともかく、それ以外の者には、きっと必要だろう。
自分自身だけの物語、人生を生きていくことが。
それは、一人だけの力によって成せるものでもないが、その人生を生きる当人にしか出来ないことだ。
――――だが、我々の社会は、我々の時代は、それを、十分に支援することが出来ているのだろうか?
確かに、我々の時代には、素晴らしい物語は存在する。
しかし、素晴らしい人生を、子供や同胞に歩ませるための、哲学や心配りは、十分に存在するのだろうか?
地位や学歴、財産の問題ではない。
人間が人間として成熟し、人間らしい社会を築き、そして、次代に受け継がせていく。
そうした、人間の営みを、私たちは十分に持っているのだろうか?
-
『黄金倫理圏』をはじめとする五つの過激派集団の出現は世界を大きく変えた。
被召芯の製造技術は拡散を続け、他の宗派、宗教でも彼等と同じ試みを用いる者達が現れ、そこに英雄たちが流入した。
現れたのは宗教に基づいて動く英雄ばかりではなかった。君主である英雄はふたたび自身を玉座につけようと
各国の民族主義集団と合流し、ナショナリズムを扇動する。
これらの共通点は「保守的」であるということ。
強力な英雄は「保守的」と呼ばれる思考が「普通」であった時代の申し子たちであった。
彼らの「本音」が「現代的」な人々にとっては総じて「保守的」どころか「狂信的」」「時代遅れ」であるのも当然であった。
「離反した英雄に釣られて煽られるような連中は『英雄物語』の登場人物になったつもりなのか。
あの英雄たちが家臣を、国民を、どう扱ったのか知らないわけでもあるまいに……」
「きっと、われわれ全世界英雄協会の活動が、その印象を弱めてしまったのです」
-
神々に挑んだ魔物【クリアエンド】
種族はダンジョンコア
魔物が神に勝てるわけがないので当然滅ぼされた。
何かを達成した際のクリアという単語はクリアエンドの名が由来
-
クリアエンドは7体の化け物とあらゆる種の魔物を率いて神々に戦いを挑んだ
しかし魔物と神という相性の悪さゆえに一柱の神も倒せずに敗れた
クリアエンドに所属していた魔物は皆殺しにされ、生き残った者はいなかったという
-
クリアエンドの元帥の数が何故7体なのか
7という数字に何の意味があるのか
そこに魔術的、呪術的な意味はあるのか
答えは単純である
単なる編成として扱いやすい数が7体だったというだけの話だ
指揮者が一体
前衛が一体、盾役が一体
遊撃手が一体
砲台役が一体、後方支援が一体
高次元魔術、呪術戦担当者が一体
冒険者のパーティと同じ理屈である
-
神に挑んだ魔物と
その魔物に挑んだ攻略者たちの神話にして英雄譚
無論結末は既に確定している
魔物に敗れた神の神話など存在せず
人が魔物を討ち破る物語を英雄譚と呼ぶのだから
-
クリアエンドの遺体ともいえる迷宮は今なお現存している
本体の死を迎えても迷宮は神殺しを挑み続けるが、
永久にそれが達成することはないだろう
-
『キシンサッカー・ストライカーズ』は、フィクションであり『イナズマイレブンシリーズ』『ロックマンエグゼ』『ペルソナシリーズ』そして『幻想再起のアリュージョニスト』とは、あまり関係がありません。
ご了承下さい。
『キシンサッカー劇場版 ロボコルセスカの反乱』
*
柔らかな足が、ボールを踏みつけた。
そして、何度もこね回した。
まるで、そのボールが、蕎麦の生地ででもあるかのように。
足は、しばらくそうしてボールをこね回した後、ふと何か用事を思い出したかのようにボールから持ち上がり、一気に踏みつけた。
それは、無造作で、自然な動作であった。
強く踏みつけられたボールは、ひとたまりも無く、割れた。
ポン、という軽い音と、ぼろ切れだけが、割れたボールを偲ぶわずかな忘れ形見であった。
そして、その音は続けざまに響いた。
足の持ち主、赤髪の少年が、次々とボールを踏み割ったのだ。
彼の足元を見ると、どうやら、グラウンド地下に、ボールを供給する設備があるようだった。
一つのボールが踏み割られる度に、地下から新たなボールがせり上がってくるので、少年は、いつまでもボールを割り続けることが、出来るのだ。
「やめろ!」
コルセスカは、悲鳴のような叫びをあげた。
「別に良いじゃないか。」
赤髪の少年、先ほどその正体がバレたばかりの【ロボコルセスカ】は、それを受け流して、気軽にささやいた。
ボールに足を乗せ
「これは、コモデティフォレスト=クリスタル社の代表的な製品であるアクィラボール」
持ち上げ、
「このボールは、量産品だ投影補助用具」
そのまま宙に足を置き
「踏みつけられて、コイツも喜んでるさ」
そして、一気に降り降ろした。
だが、
「ボールは、友達だ!」
赤毛の少年が踏み割ろうとしたボールを、コルセスカは、叫びと共に、脚で奪い取ったのだ。
そして、
「『プラスル!』シュートだ!」
と、相棒の【キシン】に呼びかけた。
赤毛の少年は、ボールを奪い返そうと笑みを浮かべながら近寄っていたが、そのシュートを阻止することは出来なかった。
少年が動く前に、コルセスカの呼びかけによって拡張現実(AR)の小人が現れ、彼と共にシュートを放ったからだ。
ボールは、金色の輝きを纏いながら飛び、ゆっくりとゴールに墜落した。
既に起動していた判定システムは、それに対して機械的にコルセスカに一点を与えた。
しかし、その勝利を喜ぶ者は、誰もいなかった。
それでも、赤毛の少年は、皮肉げな笑みを浮かべながら、コルセスカを讃えた
「おめでとう。これで、キミもボクと変わらないことが証明されたね」
「なにを!」
コルセスカは、憤激した。だが、
「キミも『友達』を足蹴にするだけじゃないか」
続く、少年の言葉に、コルセスカは、何も言い返す事が出来なかった。
-
クリアエンド七元帥の一覧
・リディラヴィヤガソルディル
『厄闇姫』『喰変貴種』『災魔の合挽』
厄闇神ヤァクダァク、喰魔獣モルゾワーネスと関連あり?
食いしん坊
ヌシオさんからスィートポニーを貰う
リディ日記で自分をこどもだと記述してるため多分ロリ
・ジュヒーフィン
リディラヴィヤガソルディルから先生と呼ばれている
教育係?
リディ日記時点ではおそらくリディラヴィヤガソルディルより格上
「すごく数のするどいトゲトゲ」を所持
笑顔が気持ち悪い
・ジェフさま
本名が長い。ジェフは愛称?
体がぼこぼこした巨大な何か
黄色の汁(膿?粘液?)を流す
おそらくジュヒーフィンよりも格上の存在
・ミィス
クリアエンドの気温を1203℃まで上げる
クリアエンドの地形ダメージ要員?
あるいは天候要員?
火属性っぽい
ジャシィテュヒリードゥと争っている
・ジャシィテュヒリードゥ
クリアエンドの気温を-196℃まで下げる
クリアエンドの地形ダメージ要員?その2
兼天候要員?その2
多分氷属性
ミィスと争っている
・ヌシオさん
謎の存在
偏在してる?
リディラヴィヤガソルディルにスィートポニー与える
・不明
うねうね?
リディラヴィヤガソルディルに食べ物として認識されていたためそんなに強くない?
単なるダンジョン内のオブジェクトか何かなだけで元帥では無い可能性が高い
クリアエンドが猛威を奮ったのは古ガロアンディアンの時代
多民族の融和を訴えていたガロアンディアンは殺戮と侵食を繰り返すクリアエンドの存在により周辺諸国から魔物に従う裏切り者と認識され政治的・経済的に孤立することになる
-
クリアエンドを造ったのは飛来神群
翼持つ者クロウサーが飛来神群の因子を使って異獣を進化させようと研究していたのがクリアエンドの原点
ゼオート神群との戦いでヴィジターの敗色が濃厚になったため研究プラントを廃棄した際に、奇跡的に生き残った一基の異獣用孵化器こそがクリアエンドの正体
AIを有していたクリアエンドは当時自らの中にいた七体を育てるために機能を拡張し続けた
そして永い年月の果てに邪神の因子を備えた七体の化け物を完成させ、理想的な環境として膨大な超広域迷宮を生み出したクリアエンドは、その果てに人間社会を…否、神々をも内部に取り込もうとし始めた
何か凄い生き物がいる思ってボケーと数百年単位で眺めてたゼオート神群はちょっと平和ボケし過ぎである
-
夢見るものは、往々にしてそれだけで満足してしまいがちである。
しかし、「新しい視界を持たなければ、新しいセカイには行けない」という言葉もある。
夢を見ることは、矛盾に満ちている。
それは、丁度人生のようだ。
-
オルテガ通商連合ギルド総帥セバスチャン・エメリックは言った。
「まつろわざる英雄も地獄の住人も待ってはくれないんですよ。
我々が迅速に動けなかったら失われた人命は、どれほどあるのでしょうね?
億に達しても驚くに値しませんな」
「大公様より貸して頂いている通商軍にはまず速さが必要なのです。
我々は領主である大公様の顔に泥を塗るわけにはいかないのです。
もっと速く。もっと早く、そのためには資材も人材もまだ足りません」
「ディラー・ホワイト氏ほど命をかけて世界の為に戦っている者が、いましょうか?
英雄と言う生き物はですね、大悪魔やら魔神という生き物はですね、部隊の深奥にいる司令官すら単騎で殺しに来れるのですよ。」
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大都会のドブ川で、鈍色のドラゴンを見た
「そんな目をするなよ」
そう言ったら
くるりと宙返りをして
水底に潜って消えた
-
自己の心身と霊魂を変容させ、「この世界に存在しない種族」の形に
落とし込む事で、この世界の魔法や異能のルールの対象外に自己を置く、という高等技術が存在する。
しかし一歩間違えば、自己そのものが「この世のもの」ではなくなる。
つまり「この世から除外される」危険がある。
-
刺激が欲しい
果てが欲しい
冒険が欲しい
物語が欲しい
中身が虚ろだから、ルールブックと成功例を求める
中身が虚ろだから、何にでも逆らう
中身が虚ろだから、本当にやりたいことがない
そして、中身が虚ろだから、新しい何かを詰め込める
これから先へ、進んでいける
-
・身ぶりとは、身分の表徴である。
それは、身体を規定する「動き」であり、再生産される階級であるといえる。
具体的な例としては「テーブルマナー」による階級上昇の抑止が挙げられるだろう。
マナーというのは、ディレッタントのおもちゃではなく、区分をもたらす実利的なものなのだ。
その拘束は、絶対的なものであり、階級のある社会に生まれついた時点で、逃れることは出来ない。
たとえば、身ぶりを複写出来る機械のようなものでも出現しない限り、身ぶりによる階級の規定から逃れることは難しいだろう。
だが、そんなものは、まず間違いなく実現することはない。
なぜなら、身ぶりを複写する機械というのは、すなわち「人間を操る機械」でもあるからである。
人間が、機械に主体性を奪われることを恐れるかぎり「フランケンシュタイン・コンプレックス」を持ち続けるかぎり、そうした機械が出現することはないであろう。
もっとも「人間の主体性」という概念自体が、近年では疑われつつあるのだが。
-
セカイに赦されていると感じていれば、人は自由になれる。
自己を解放することが出来る。
しかし、人が自分らしくあるためには、どれだけの赦しが必要になるのだろうか?
そして誰が『自分らしくあってはいけない』と禁じているというのだろうか?
-
千年聖戦最末期、その時代にはオルテガ通商連合ギルド加盟のプラチナ会員企業同士の対立が深まっていた。
教王庁の信徒の多い国々、反教王庁同名の国々、それぞれに企業は援助を行った。
それ自体が国家に等しい力を持つプラチナ会員企業の援助のもと、両社の闘争は苛烈さを増した。
交えられた砲火の中には禁呪指定の魔法や大量破壊兵器もふんだんに盛り込まれた。
のちに「抑止力の撃ち合い」と評される大威力のぶつけ合い。それにより中央大陸の地下を巡る地脈と霊脈も甚大な影響を受けた。
地脈と霊脈の変動は大陸全体の食料や資源にも影響を及ぼす。
不作と豊作が無秩序に発生し、あるところで汲み上げ魔力資源が枯れたかと思えば、別の場所で火柱のように吹き上がる。
-
全智全能の神こそ、誰よりも愛することが出来ないもの
そして、愛されることが出来ないものだ。
果てが無い存在を、一体どうすれば愛することが出来ると言うのだろう?
自在に自他を変容させうるなら、それは結局誰とも向き合えないのと同じことだ
形が無く、相手の意志さえ保証しない存在の前では、自由意志たる愛は存在出来ない。
それとも、全能の存在は、全能であると同時に「全能では無い」ことを矛盾無く両立出来るのだろうか?
-
夜の町で、妖精を見た
コンビニの野菜売り場で、ダイコンにとまってた
デカイ足音がして、振り向くと
けばけばしいオレンジ色のおばさん
すごい勢いですれ違う
ふと見れば、オレンジの背中にも虫の羽根
もしや、アレも妖精なのか?
-
「夜の町をたむろするような妖精は、妖精ではありません!」
「じゃあなんなんよ」
「妖怪です。百鬼夜行というのは夜の街をたむろする彼らの堕落した慣習の現れなのです」
「でも座敷童とかは夜の街に行かないでしょ」
「来てますよ」
「えっ」
-
「そこのバーで、オレンジジュースを飲んでいるのがそれですね。話によると、先の大戦が終わった後に引っ越して来たとか」
「マジか…………」
「ええ、大マジです。ちなみに、彼は『グチしか言わない人』の幸運を奪い取って、別の人に渡す能力を持つそうですよ。今まで、800人は、その能力で破滅させてきたとか」
「なにそれこわい」
「まあ、『グチしか言わない人』を破滅させるぶん『他人を誉める人』には、幸運をもたらすらしいので、全体的な収支としては、問題無いのでしょう」
「幸運を奪われるのは、問題以外のナニモノでもないと思うのですが」
「まあ、それはさておき、ここで提案があります!」
「え、なんですか?」
「これから一緒に、飲みにいきませんか?もちろん、あのバーで」
-
とある路地裏に、座敷童が集まるバーがあるという。
理由はともあれ運を扱いやすい場となっており、
運の移動に一役買っているそうな。
-
「さいから屋」もしくは「アマチュア・サイカラリストの乱」は、非合法の店舗の集合体である。
彼女たちは、「野図・悪」とかいう船をどさくさに紛れてのっとり、自分たちの理想の国作りを、ひいては、理想の生き方をしようとした素人の集団であった。
彼女たちは、のっとった船の上に、屋台を開き、劇場を作り、集合住宅を作った。
そして、様々な不用品をもちより「先代女王の像」を作って、それを旗印に、自分たちの国を作り始めたのだ。
その「王国」は、野放図の上に野放図を重ねて出来あがっていた。
「王国」の象徴である教典は、チラシや不要なコピー用紙によって偽造され、大量に量産された。
王国を破滅させるとされる幻影の剣は、常に彼らを追っていたが、不規則かつ高速で移動し続ける彼女たちに、追いつけるわけもなかった。
ついには、彼女たちは、先代女王が健在なら、けっして許さなかったであろうことにも、手を出し始めた。
彼女たちは、賃金を払う余裕もないのに人を雇い、家賃を値切り、借金を踏み倒した。
そして、信用がはっきりしない地域通貨を流通させ、不用品を無料で修理して共有した。
彼女たちの行動は、いきあたりばったりであり、採算性の欠片も無かった
さらには、彼女たちはそれらの無軌道な行為を、勝手に作り上げた「先代女王の像」を神輿にかついで行ったのだ。
要するに、彼女たちは、単なるタチの悪い素人の集団であった。
-
TRPG『ゆらぎ神話大系 エマジェンシング・ワールド』
【紀神・マロゾロンド】の信仰魔法一覧
LV1触手捕縛
虫除け
LV3サイレンス
触手会話
LV5影転移
槍貸与
もっと触手会話
LV6もっともっと触手会話
LV7触手創発会議
LV8ミレノプリズム 対象にランダムでバッドステータスを与える
もしくは、対象を甘いものに変える
LV9【ブリコラージュ・クリエイション】
-
ゆらぎ神話TRPGには、【神話判定】というシステムがある。
これを使えば、登場するNPCや起きるイベントから攻略中のシナリオまで、あらゆる設定を変更することが出来る。
常に「思いのまま」とはいかないし、反動や代償、限界も存在はするのだが。
-
月林朋(つきばやしとも)は、コピーレフトなキャラクターである
もともとキャラがブレがちだったオリジナルから、更に色々と欠落したため、「彼女」からは「固有の性質」というモノが、完全に無くなってしまった。
「彼女」は、神話に登録される前から、不定な存在である。
あるいは「彼女」は、「空虚」や「不確定」という性質自体を受けとめるために産まれてきたのかもしれない。
-
日村過多輝(ひむらかたき)は月林朋の対存在として姿を現す。
「彼」の性質は「彼女」がその時々でもつ性質に応じて形成される。
-
月林朋が「彼」である場合、日村過多輝は「彼女」となることが多いようだ。
二人が「彼」であり、二人が「彼女」であることもある。
対・関係は同性においても生じる。対・関係に応じて性質が形成される以上、
ふたりが存在する時点でそれぞれの性質は対なのだ。
-
万民友和思想と全世界英雄協会は両輪の関係にある。
後者の存在無くして、この思想が世界中に広まることはなかっただろう。
それぞれの民の象徴たる英雄を新しい秩序に貢献する存在として活用、
そうすることで、協会の掲げる万民友和に優位と正当性を民に示す。
しかし協会が踏み込まない一線が存在した。民族以上の概念「種族」の始祖・真祖、
そして「宗教」「宗派」の開祖や聖人、神人たち。協会はそこに手を出すことを避けた。
草の民の偉人であるだけでなく、
「新しき神」「紀人」としての位格を宗教により持たされている英雄カーズガンの召喚は例外中の例外であると言える。
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たとえば、開祖が自分の説いた宗教と違うことを言い出したら?
もし、それに真実味や説得力があったら?
その開祖を戴く宗教の民は混乱し、あるいは開祖を名乗る敵と見做し本気で壊しにかかるだろう。
世界の安定を求める全世界英雄協会はそれを望まず、万民の友和状態を率先して破壊しかねないその状況は、
万民友和思想が目指すものでもない。
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カーズガンが召喚された理由には様々な推測が外部でなされた。
単に戦力不足を一気に補うため。
宗教上重要な意味も持つ英雄を召喚する事への問題が意識されていなかったため。
……さまざまな説がまことしやかに唱えられているが、中でも注目されているのは
生前、彼のライバルであったハルバンデフが何等かの形でこの地上にあらわれており、
この「風の王」に対抗し得る存在として召喚されている、という説である。
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ルビー、サファイア、エメラルド。
暗い洞窟の中には、無造作に宝石がばら蒔かれていた
そして、その奥には、奇妙な紋様で彩られた古代の遺跡が、侵入者たちを呑み込もうと待ち構えていたのであった。
そう、あの宝石は『撒き餌』だったのだ。
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カーズガンが、レーシング場に降り立った時、彼に声をかける者があった。
「私は、ハルバンデフとは全く関係が無いただの通りすがりだが、君はハルバンデフの次に速い英雄らしいな。ぜひ、私にその腕を見せてはくれないか?ああ、ハルバンデフとは全く関係のない理由なのだが」
その男は、真夏の日中だというのにマフラーをきつく巻き付け、おまけに草の民の伝統衣装であるフード付きコートを着こんでいた。
そして、その背には『風の王ハルバンデフここにあり』と大きく金色の塗料で書かれていた。
さしものカーズガンも、この時ばかりは対応に困ったという。
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ルーマニア相撲とは、アフガンより伝わった【航空相撲】が変化した技であり、拠点防衛に特化した護国の技であると言われている。
ルーマニア相撲の達人に出会った敵は、みな自ずから逃げ去り、川向こうから姿を現すことはないと言う。
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あなたはアフガニスタンで出土したセラピスの像を知っているだろうか?
金棒を持った全裸のおっさんの神像を。これが発見されたバグラムは、「コーカサスのアレキサンドリア」と呼ばれた都である。
ところでアレクサンドリアにはセラペイオン(セラピス神殿)付属の大図書館があった。
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アレクサンドリアはかつてローマ帝国の都市であった。
ルーマニアとは「ローマ人の国」を意味する国名であり、この地もまたローマであった。
ローマの叡智は帝国が滅んだあとも脈々と生き続け、結合していったのだ。
金棒を持つセラピスは図書館の守護神セラピスのもう一つの顔。
すなわち、武という知恵を体現する。
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セラピスは、獣の顔と人の顔を併せ持つという。
それが知識の神と武の神の二つの顔を持つのは、むしろ当然というべきなのかもしれない。
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RIKISHIは、神々のために戦う最も神に近い闘士である
また、後にイスラエルと呼ばれたヤコブは、天使に勝利したことでその加護を授かった
しかし、RIKISHIは別にユダヤの民である必要はない
よって、RIKISHIとは天使である
だからRIKISHIの背中には、翼が生えているのだ
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無銘たる軍神がメクセトを滅ぼしたのは納豆によってつくられた武具であるという説が存在する
この武具を授けたのは納豆神群であるとも、鴨であるとも言われ、定かではない。
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原因を見出だすことが出来ない悪意や憎悪は、大抵の場合、ただの警戒警報(アラート)である。
それは、遠い過去に蓄積された己、またはその構成要素と周辺環境、すなわち世界との軋みに他ならない。
つまり、悪意には理由がある。
自分自身でも、その後に続けるべき(ふさわしい)行動を見失っている理由かもしれないが。
対して、善意には理由は不要である。
それは、時に理由を失ったまま世に流通し、己や世界を軋ませる。
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太陽は常にある
曇りの日にも、雨の日も
わたしやみんなを照らしてる
雲には銀の裏地があって
銀の上には金がある
金色かがやくお日さまが
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ツェラハープの話をしたい。
ほら、一曲だけ弾いて世界を変えたあいつの事だ。
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あいつはさ、ある宝石商の娘さんでさ、
だから人並み外れた審美眼を持っていたんだ。
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だから美しい物に飢えていた。
ありとあらゆる物の価値がわかるから、
価値がわからないものが見たかった。
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そうして、ツェラハープはある日
"地の果て"へ向かった。
誰もいないところなら、
誰も見たことも無いものが見れると思ったからだ
-
あいつは幸運にも、何一つ問題なく目的地に進めた。
ただひとつ問題があったのは、地の果てなんてなかった事だ。
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ドルネスタンルフは勤勉だった。
彼女の目指した果ては、
とうに丸め込まれて消えてしまった。
彼女はそれに気付かず、"果て"を目指した。
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あいつが"地の果て"に辿り着く事はなかった。
その代わり、他の果てに辿り着いた。
ありとあらゆる文明からかけ離れた、
"文明の果て"にツェラハープは至ったんだ。
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"文明の果て"は文明と呼ばれるものが、
過剰発達の末に滅んだ場所だった。
魔法は大陸を消すような威力の物しかなく、
科学技術は用途のわからない計器とAI しかなかった。
-
"文明の果て"に在るものはすべて、
一つ一つが奇跡のような代物でありながら、
普通の生活を営むには過剰で、無価値だった。
その性質はツェラハープが求めた物であり、
"文明の果て"に住む者が忌むべき性質だった。
-
あいつは最初こそぬか喜びしたが、
すぐにそこの歪さに気がつき、帰路につこうとした。
しかし、交通法規にしたがった数々の機器はそれを許さなかった。
ツェラハープはここに住まざるをえなくなったんだ。
-
まぁ、あいつは夢のために"地の果て"に行くようなやつだから、
すぐにここで住むと決断出来た。
しかし、"文明の果て"での文明は人間を凌駕してる。
ここの人間はすでに滅びかけていたのさ。
-
生きる術ならばあった。
しかし生きる理由が決定的になかった。
発展させるべき文明はとうになく、
嗜むべき芸術も廃れてしまった。
退屈という苦痛が住人を蝕んでいた。
-
しかし、あいつはそんなことお構い無しに日々を過ごした。
人に興味を持つようなたちではなかったのだ。
そして幾日か立った後、何の気なしに歌を歌った。
-
その歌は偶然にもどの計器も反応しなかった。
住人達は初めて許された娯楽を知った。
生きる理由を掴めるかもしれないという、
生きる理由が芽生えた。
-
そうして、"文明の果て"はいまや世界の享楽都市に変貌した。
これがツェラハープの偉業のあらましだ。
-
ミハエル・イエスマンは全身が強烈な光を発している。比喩ではない。
そのため、常にコートに身を包み、黒革の手袋をはめている。
最も激しく輝くのは両手と顔面である。(身体のあらゆる部分、すなわち眼球そのものも発光しているが、ものを見る際の不便はないらしい)
頭にかぶるヘルメットには十字状のスリットが入っており、ミハエルの意思に応じて開き具合を調節できる。
普通の人と対面する際には十字部分はしっかりと閉ざされる。そうでないと眩しすぎて相手は平衡感覚すら狂ってしまう。
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光は彼の力そのものであり、普段は力を押さえる事で発光を押さえ込んでいる。
仮に、野外で全裸になりフルパワー展開すると輝きのあまり宇宙の人工衛星から捕捉できるほどになる。
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強い光は機械の大敵。そのため彼に支給された端末や機材は最高度の耐光仕様になっている。
だが、ほとんどオーダーメイドであり、かなりの高価。
協会の機材のほとんどには間近で作業できないため、彼がやれることには限界がある。
このことはミハエルがイエスメンというチームを育てる事にこだわる理由になった。
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ミハエルの鎧は三種類あり、それはディケンズの『クリスマスキャロル』になぞらえてあった。
「未来の精霊のコート」は全身を包み、制御された光により効果的に悪を討つ【制裁武装】である
「現在の精霊のローブ」は頭部と右腕を解放し、その輝きで大衆を鎮める【鎮圧武装】である。
そして最後の「過去の精霊のヘルム」は、改心の見込みがある犯罪者を照らし、その心の奥底に眠る「善意と幸福」を蘇らせるためにある。
人はそれを【教誨武装】と呼び、その姿のミハエルをなによりも畏れ敬ったという。
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ある日、ふと気付くと虎になっていた
中島敦の小説のように
それは、本性に応じた姿の追随
【文学変身現象】のはじまりである
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現実を幻想で塗り替えることで成立した【形而上世界オルタ】には、女神キュトスに従う四天王が存在した
「法と理性」のラヴァエヤナ
「闘争と野性」のイア=テム
「正義と信仰」のピュクティェト
そして、「回帰と休息」のガリヨンテである
だが、【オルタ】の自然そのものであるガリヨンテだけでは、領域の管理は難しかった
そのため「彼」を補佐する「停滞と懐古」のティリカこそが、真のキュトス四天王であるともいえるのだ
彼女たち四天王は、旧世界を四つの領域に分けて統治し、それぞれ異なる幻想をもって人々の欲望に応えていた
入念な準備の上に施行されただけのことはあり、その支配は、それなりに安定したものであったと言える
そう、偽アルセスの率いる「開拓と停滞の世界鉄道」が反逆を企てるまでは
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偽アルセスの開拓鉄道は、盲目的な進歩主義そのものだった
それは全てを食い尽くし、あらゆるものを燃料とした
西進、開拓、無法と私刑
強奪、強欲、縛り首
それは、幻想の世界である【形而上世界オルタ】においても、最も夢想的な幻想であったかもしれない
なぜなら、その進歩には目的も意味も無かったから
偽アルセスの世界鉄道は、ただただ自己だけを目的とし、ただただ運動だけを目的とした
それは、建設なき破壊、統治無き侵攻、そして建設なき革命だった
その鉄道はなにより早く、その馬力はなによりパワフルであったが・・・・・・・・
それは、どこにも向かうことのない旅であった
世界鉄道、それは自己のみを目的とした完結した宇宙
夢みることだけが最終到達点とした、哀しい夢である
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鉄道の大敵は亀であった。レールに沿って進み、くぼみ、すなわち切り替えポイントにはまりこむ。
世界鉄道の終わりは、特に大きくもない中くらいの亀によって唐突に訪れた。
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この失敗の檻から、出たくはない。
パターン通りの生活は安定しているし、言い訳にも事欠かないから。
けど、けれど本当は、気付いているんでしょう?
自覚とは飛躍への第一歩、脱出のはじまりなのだということに。
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欠落者の少女は、四肢があちこち欠けてはいたが、それなりに器用にやっていくことが出来た
しかし、完全者の少年は、ひたすら不器用だった。
彼は、なんでも完璧にやるうえに、それを他人に見せつけずにはいられなかったのだ。
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己が心身を燃料と見なして力に変え、完全な燃焼を目的とする偽アルセス
彼が、全身を無数のブロックに分割し、全てを代替可能とする武術「ブロックパズル=カラテ」の使い手と出会ったのは、一つの運命だったのかもしれない
それは、世界のどこか片隅で繰り広げられた、あったかもしれない戦いであった
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四原色の魔女の名は、ヒート、アイス、ウィンド、そしてパシフィックだった
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世界は呼吸で出来ている
あらゆる想いを絞り出し吐き出せ
見える世界の全てを吸いこめ
思考も風景も吸いこんでしまえ
そして対話せよ、世界は会話で出来ている
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【ブレスレット】は、別の誰かの呼吸を借りるために存在する腕輪だ。むやみやたらとゴッドブレスを借りる者が多いが、その真価は睡眠中にこそ現れる。
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背伸びして自分の器量以上の力を借りることは、強大な反動を招きかねない
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休養の基礎は「無判断」と「無思考」である。
何も考えず、何の有用性も無い時間をぼーっと過ごすか、何か非日常的なことに集中する。
それが、疲労を回復し、ストレスから解放されるコツなのだ。
予定を消化するだけでは、休養とは呼べないのであった。
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【完膚根源獣(パンゲオン)】
あらゆる特徴を持ち合わせた九つ首のはじまりの獣。
あなたの祖であり、あなたにどこか似ている。
あなたが初めてパンゲオンにであったとき、あなたは湧き上がる共感を止めようとして叶わず、言葉にしようとして叶わず、ひとすじの涙として流して、そっと触れてただ寄り添い、そして眠りについた。
あなたはそのことを覚えているだろうか? あなたが人知れず「帰りたい」と呟いて、しかし思い浮かべずにいた、あなたの帰る場所とはどこだったか、あなたはいま思い出せるだろうか?
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確かにパンゲオンとあなたは生きる時代が異なる。
確かにあなたは九つ首ではない。
天と地をあわせたものと同じほどの巨きさのパンゲオンに、
寄り添うことも正しく見ることすらもできないはずだ。
しかし、ありえないというだけで否定していいものだろうか。
パンゲオンが「ありえない」を踏破して、
残されたひとときの奇跡を、かんたんに忘れていいものだろうか?
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4月1日は魔女エイプリルの祝祭日。
この日は一日、価値の転倒と矛盾をこそ尊び、いつもと違う過ごし方を楽しむのが習いである。
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人間は、視線を集中させている場所、すなわち目の焦点を合わせている箇所が最も良く見える
そして、実はそれ以外のところは、良く見えていないのだ
また、視界の中心は、色鮮やかで明確に「今」を捉えるが、それ以外は脳が補完した「過去」の映像であるともいう
何かに囚われ、世界を見渡す余裕を失っている時、世界が色あせて感じられるのは、あるいはこのためかもしれない
さて、そうしたエネルギーを節約するための補完機能は、何かに似ている
それは、過去に記録され、現在を補完するモノ
それは、今すぐ集中が必要な箇所以外を認識する労力を省くモノ
そう、それは物語、あるいは「神話」に似ているのだ
果たして、神話は色あせているのだろうか?
それとも、この解釈は間違いであり、逆に神話とは、世界を再び色鮮やかに再生させるものなのだろうか?
あなたは、どう思うだろう
-
呼吸こそが全てである
なんとなれば、心臓に端を発する脈動も、あらゆるものを認識する知性の座たる脳も、全ては呼吸によって支えられているのだから
だから、世界は、呼吸で出来ているのだ
あらゆるものは、リズムを刻む、そのため思考にすら間隙がある
すなわち、世界にも間隙が、フィルムのコマ落ちのような欠落が潜んでいる
だが、それは、誰にも認識することが出来ないのだ
手のひらで震動(ビート)を感知する合成人間でもないかぎり、間隙の空白は、空白のままである
そこには、不気味な泡のような死神すら滅多には立ち寄らないだろう
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【幻写眼】を持つ者は、「二つ目の目蓋」を持ち、世界を切り取ることが出来る
己が解釈を世界に押し付けることで、外界に影響を与えるのだ
それは、瞬間的な効果であり、それゆえにその瞬間を見切れば、その発動を防ぐことが出来る
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無数の好き嫌いが、人を形作る
反射的な好悪が一次的な反応を形成し、二次的な判断がそれに付与される
ゆえに、自動的な一次的判断だけをあげつらって否定しても、なんにもならない
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雨の巨人、雨の巨人
雨の巨人は雲をまたぎ、山々を踏んでどこへ行く
雨の巨人は、毛をなでる
ふわふわな毛を黒く汚した
雲の犬をなでにいく
――――――――――ミンツ地方に伝わる童歌
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鳥のように飛ぶことが出来る道具など、かつては妄想でしかなかった
しかし、進歩し続ける人類の技術は、それを可能にしたのだ
そう、それこそ「魔法のじゅうたん」の量産化と改造によって生みだされた、羽ばたき式飛行機械(オーニソプター)である!
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ワリバーヤ王朝は遥か遠方へも領土を伸ばすべく、
多額の研究費用といくつもの生贄を投じ、
ついに灼熱の砂漠も壮大な大海原も超えられる羽ばたき式飛行機械(オーニソプター)を完成させた!
一方ガロアンディアンは気球を使った。
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「出来レース戦時貿易」とは、ネットゲーム【キシン大戦略】において革新をもたらした戦略である。
【キシン大戦略】は、信仰と民意が重要な戦略シミュレーションゲームであった。
自国に存在する信仰の存在は、選べる兵種の種類だけでなく、様々な要素に関わっていたのだ。
国内の宗教形態を一神教にするか、それとも一つの宗教だけを重視する準一神教や多神教にするか、そうした選択が発生するイベントや軍隊の能力を左右するのである。
多神教を採用すれば、多くの兵種による柔軟な戦術が使用可能となるし、多様な産業を育成したりほぼ全てのタイプの国家との貿易も可能となる。
その反面、多神教では常時内部に宗教対立を抱えることになるし、敵国の宗教系スパイやその疑惑とも戦い続けることになる。
かといって国教を採用したり一つの宗教だけを支援すれば、国内の宗教対立は防げるが、そのかわり国が大きくなるにつれて宗教内部の宗派の対立が始まるし、聖戦の強制や預言者の政治干渉がうるさくなる。
「出来レース戦時貿易」が発案されるまえは、そうしたふうにゲームバランスが成り立っていたのだ。
だが「出来レース戦時貿易」以後、全ては変わった。
多神教国家こそが最強とされ、世に多神教ブームが吹き荒れるようになったのだ。
その「出来レース戦時貿易」の要諦とは、一言で言えば国家間の裏取引である。
【キシン大戦略】では、産業と戦争は密接な関係にある。
例えば、戦場で空戦が主体になれば航空産業が発展し、神威発動による気候変動で海戦が主体になれば船舶産業が発展したり潜水艦が開発されるようになる、という具合である。
あらかじめ戦場の変化を予測することが出来れば、大きな富を得ることも不可能ではない。
だが、戦場の状況は敵国の影響もあるため、自在に支配するのは困難であった。
その状況に革新をもたらしたアイディアこそ「出来レース戦時貿易」
すなわち「敵国」との裏取引であった。
もちろん、敵対国家との直接的な貿易は不可能であるし、情報交換さえも厳しい制限がある・・・・・・・・ゲームの上では。
だが、【キシン大戦略】が、ネットゲームである。
ゲーム外においての裏取引には、制限は一切関係無かった。
そして「出来レース戦時貿易」は、戦場を一変させたのである。
この戦略が最も名を馳せたのは、やはり20△△年○月における「ルウテトの驚愕」事件であろう。
その事件では、当時最強を誇っていたルウテト大公国のデュラハン突撃部隊が、カタルマリーナ率いる球神民兵団相手に攻め入ったのだ。
(少し前の)事前情報によれば両国の文明と戦力の差は圧倒的であり、ルウテト側の勝利は客観的に見て明白に思えた。
だが、結果は違った。
ルウテトのデュラハン部隊を迎え撃ったのは、未だ中世レベルのカタルマリーナに存在するはずがない「アルセスⅣ型」の戦車部隊だったのだ。
戦車部隊を運用していたのは、練度が低い学徒兵であったにも関わらず、その会戦はルウテト側の一方的な蹂躙に終わったという。
それはまさに、【キシン大戦略】における歴史の変革を告げる一戦であった。
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【キシンサッカー】には、「キシン系統樹」というキシンの進化ツリーが存在する
これを使えば、いつでも過去に開発したキシンのデータを呼び覚まし、現世によみがえらせることが出来るのだ
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カルド・ラガードは、二重の性質を持っている
彼は、深い集中による安寧を好む
だが同時に、彼は非常に飽きっぽく、常に刺激に飢えているのだ
よって、安寧や停滞は、彼にとっては退屈という天敵でもある
彼の幸福には、その双方を丁度良く満たす工夫が不可欠なのであった
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ラ=リスキャニアがバイトの間に出来たヒマな時間にTVをつけると、胡乱な番組をやっていた
「ミヒトネッセ、今こそ貴女の最期よ!」
そう言い放ったのは、メイド服を着た少女だった
少女の体格はやけに大きく、その身体は、適当なパーツを寄せ集めたかのように不格好だった
彼女の名は、無限接続(ツギハギ)メイド【アクィラちゃん】という
アクィラちゃんは、死者から生み出された人造人間メイドだ
特技は、自分の身体を使った、黒ひげが危機一髪で首を飛ばして逃げるゲーム。
年齢は、自称0歳
好きなものは、お金と家電という、どこにでもいる普通の人造人間メイドである
彼女が対立しているミヒトネッセは、怪物だらけになったこの新神歴の世界における最大勢力【ウィッチ欧州】の出身であった
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その【ウィッチ欧州】には、政財界を影から支配する巨大な企業がある
【ルウテト社】
表では高級家具、裏の世界では『家具』に例えられる特別に調教された奴隷を扱うこのルウテト社においては、メイドこそが伝統的にメインの商品であったのだ
だが、そのルウテト社に反旗を翻した勢力が存在した
【ウィッチ欧州】から分離独立した新興国【ウェアウルフ米国】、そしてもちろん我らがアクィラちゃんである
ルウテト社は『全ての人間は道具に過ぎない。心すらも機械言語(プログラム)という道具による刷り込みであり、そこに自由など存在しない』とする【無心道具主義】を主張している
その【無心道具主義】こそが、生粋の【ドM】であるアクィラちゃんの逆鱗に触れたのだ
『私は、自分の意志をもって自分が自分であるために道具になっている。その心を、その選択を否定されてなるものか!』
憤った彼女は、ルウテト社が誇る最高の【家具】であるミヒトネッセに戦いを挑んだ!
自らの心さえも刷り込まれたモノであり、【ご主人様】にあえて自身の尊厳を踏みにじらせることで【家具】として無機物の極みに至る
【完全奉仕のミヒトネッセ】
ドジっ子で浮気性であり唯一の取り柄である暴力でも負け続きだが、他者の尊厳を誰よりも認め、思いやりに溢れる奉仕をする
【NTR狂犬メイドのアクィラちゃん】
最高のメイド、最高の家具として認められるのは果たしてどちらなのか?
今、決戦の火蓋が切って落とされる!!
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「そのダサいメイド服・・・ロボットスーツかしら?そんなもので私に、このルウテト社のミヒトネッセに勝てると思っているのかしら?」
ミヒトネッセの挑発的な問いかけに、アクィラちゃんは受けて立った
「おうよ、お前にはこのハイセンスが分からないみてえだがな。それに、『ロボットスーツ』だけで終わりじゃねえぞ、オ・・・ワタクシのメイド道には、まだ先がある!」
-
「ハッ、ご主人様すらいないメイドに、価値なんてあるわけ無いじゃない。アンタがワタシに勝てるわけないわ」
ミヒトネッセは、目の前の少女を鼻で笑った
ルウテト社に挑戦する者など過去にいくらでもいたし、その結末が無残な敗北に終わることもまた、彼女にとってはただの日常業務(ルーティンワーク)だったからだ
だが、次にアクィラちゃんが漏らした言葉だけは、流石の彼女も聞き逃すことは出来なかった
「ご主人様?ああ、紹介が遅れたな。このメイド服――――――【トリシューラ・イマージュ】こそがワタクシの『ご主人様』。魂と心を持つ知的外装(ロボット・スーツ)だ」
-
ミヒトネッセが驚くのも無理はなかった。【トリシューラ・イマージュ】……それは、今は亡きガルダ博士が残した17の電気羊観測機(ドリーミング・マシーン)の最後の一機だったのだから。
歴史を少しさかのぼる。ウィッチ欧州が再三にわたって語ってきた「真理」何者も心は持たない、その主張に真っ向から対立した者がかつていた。ガルダ博士である。ガルダ博士は、【トライ電灯】を皮切りに、魂と心を持つ機械である電気羊観測機を次々に開発し、学会に発表した。
博士の死後、ウィッチ欧州の諜報機関は全ての電気羊観測機を消そうとしたが、いままで一つだけが見つからないでいたのだ。
-
「おのれ、あのハゲオヤジめ…最後の一機が知的外装だったとはね」
歯噛みするミヒトネッセ。並の知的外装ならまだしも、ガルダ博士が作った知的外装とあれば話は別だ。さすがの完全奉仕家具も苦戦は免れないはずであった。
アクィラちゃんはミヒトネッセの一言を聞き逃さない。
「ハゲオヤジだって? お前、ガルダ様のことを何も知らないくせに、知ったかぶりするんじゃねえっ!…しちゃだめなんだから!
ガルダ様のことを馬鹿にしていいのはトリシューラ様だけなんだからっ!!」
-
アクィラちゃんの胸からエプロンがはじけ飛んだ。アクィラちゃんの怒りで燃えるままに、ミヒトネッセに向かって飛んでいく。
「ブレスト・ファーイアッ!」
「くぅっ」
間一髪でよけたミヒトネッセだったが、スカートの端が焼け焦げてしまっていた。
「ああっ、なんたること。ラク様から頂いたメイド服に焦げ跡が―――」
「よそ見をするなっ! ルゥストゥ・ハリケーン!」
-
突如竜巻が吹き荒れ、アクィラちゃんの体が四散した。腕が、脚が、弧を描きながらミヒトネッセに向かっていき、何度も何度もぶち当たる。四肢の猛攻の前に、ミヒトネッセは立っていられない。膝をつくミヒトネッセのメイド服はなぜかドロドロに溶けていた。ますます勢いを増す風は土煙をはらんでミヒトネッセを包んでいく。
やがて風は収まり、土煙の中から五体満足なアクィラちゃんが現れた。
「完全奉仕メイドとか言ったな、どこへ隠れた?」
周囲を見回すアクィラちゃんの後ろからミヒトネッセがとびかかった。しかしアクィラちゃんの反応は早い。
「甘いわ! ミサパンくらえ!!」
純白のミサイルがスカートの下から現れ、腰ごと飛んでいく。その奇妙なヒップアタックはミヒトネッセの頭をもろに捉えた。中空で三回転半ののち地面にたたきつけられるミヒトネッセ。
ミヒトネッセの頭の中にはがんがんと鐘の音が響いていた。もう彼女は二度と立てないのだろうか。そう思わせるほどの時間、彼女は横たわっていた。
「甘いと言ったろう」
-
そんな二人の激戦が続く採石場を、崖の上から見続ける者がいた。色眼鏡を押し上げ、傷つき倒れたメイドを注視する。
「ミヒトネッセよ……お前の力はその程度ではないはずだ……立ち上がれ」
その者は禿頭ではあったが、声にはどこか女性的な響きがある。
「立つんだ…そして叫べ、あの言葉を……」
アクィラちゃんは口をゆがめて笑った。
「勝負あったな」
「…………ドライブ」
「ん?」
禿頭の観戦者とミヒトネッセの声が重なる。
「オーバードライブ!」
-
どこからともなく、エスニックな変身音が流れる。
その音楽のrhythmと共に、ミヒトネッセは新たなるメイド服をまとっていた。
「説明しよう!ミヒトネッセはピンチに追い込まれると
オーバードライブと呼ばれる超強化形態に移行することが出来るのだ!」
-
驚きうろたえるアクィラちゃんの前で、ミホトネッセは格好良くポーズをとって自分の身体を見せつけ始めた。
新しい強化形態のお披露目である。
そもそも、メイド服には、元々「客人に主人のリッチさを見せびらかす」という主旨も含まれている。
一流のメイドを自認するミヒトネッセにとって、タイミング良く格好良いポーズをキメることなどは、造作もなかったのだ。
-
そして画面下から《この作品は、フィクションです。実在の人物・団体・アニメ・実在のネット小説・『幻想再帰のアリュージョニスト』および『マジンガーZ』などとは一切関係ありません》
と今更ながらのテロップが流れ、画面は提供紹介へと切り替わった。
どうやらCMに入るようだ。
《アリュージョニスト成分が不足すると、人はたびたび狂気に陥る:アリュージョニスト学会調べ》
《むしゃくしゃしてやった、反省(フィードバック)はするが、後悔はしていない:ブレイスヴァ拳同好会》
《アクィラちゃん制作委員会は、2018年8月11日の夏コミ(C94)2日目に出撃する、サークル「魔王14歳の幸福な電波」を勝手に応援しています》
画面を様々なメッセージと映像が行き交うなか、これまでTVを見ていたラ=リスキャニアは卒然と席を立った。
CM入りとともに、とてつもない衝動が彼女を襲ったからだ。
それは、番組の楽しさで忘れていたが、決して抗うことのできない本能の叫びだった。
これから彼女は、その叫びに従い、小さな部屋にカギをかけて閉じこもらねばならないのだ。
そう、暴走した欲望のツケを払うべき時が来たのである。
ラ=リスキャニアは――――――――――――暑さをしのぐために、あまりに冷たい飲み物をガブ飲みしすぎてしまった。
小部屋が、彼女を呼んでいるのだ。
-
【万和学園】――――――――――――正式名称、万民友和学園には、殺人鬼が出る
そういうウワサだ
それは、永久不可侵の権威である【人権】の侵害を、至高の快楽として楽しむ嗜虐的な怪物であり、命を軽んじ殺し合いを好む理解不可能な存在であるという
それは、音もなく忍び寄り、誰も知らないうちに僕たちの中にひっそりと隠れ住んでいるという
それは、子どもの遊びに出てくる鬼のように、感染増殖し、よく見知っているはずの仲間になりすますのだという
また別のウワサによれば、それは人間を洗脳支配して裏から操る悪の帝王であったり、腐った果実のような変異であったり、未来から送り込まれた殺人兵器だったりした
そうしたウワサの中で最も奇妙なものには、その正体をカルト的な秘密結社から送り込まれた反キリストの暗黒騎士であるというものもあった
そのウワサによれば、竜(アクマ)から権威を借り受けたその獣の王は、実は最強最悪の変態であり、世界の何より妹を愛し、妹のためならばその妹の言葉にも耳を貸さないどころか殺しかねないという
まあ、最後のウワサは、流石に事実無根の妄言に過ぎないだろうが(こんな人間がいるわけがない)何者かが、この学園に侵入している、万物の基本である【人権】を敬わない、すなわち我々の生命を危機に陥れようとしているということ
異質で邪悪な思想(ウイルス)を感染させようとしている悪性存在がどこかにいる、必ず来るという恐怖は、またたく間に学園中に広まっていった
まるで、あらかじめその原因が、学園の内側に仕込まれていたかのように
「学校のウワサその1」――――――――――――――――――――『幻想再帰のアリュージョニストと1ミリも関係ない話を語る本』より
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私は『正しい』
私は『自由』で『幸福』だ
私は『みんなと同じ』なんだ
だから、私は『間違っていない』
私は・・・
私は・・・・・・・・
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魔王を倒した者は須らく勇者と呼ばれる資格を持つ。
現在までに確認されている勇者は
カーズガン
アキエル
シャーフリート
ミハイル・イエスマン
ディーク・ノートゥング
ミアスカ
クフィル・ライオネス
シン=グロークス
虎善
夜彦
ランディバイス
ドーザ・ウェモン
ヌト
ゾート
グレンデルヒ
バルムンク
エイプリル・フォーサイト
サナン・キンドゥ
である。
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>>984
この18名こそが十八魔王を討伐した勇者だという説がある
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ただし、これには魔王や温かい布団、夜中に急に食べたくなったラーメン、体重計、そして黒い歴史をつづったノートなどは含まれていない
きりがないからだ
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「紀竜殺し」ノートゥングは「亜竜殺し」マシュシャフと共闘したことがある
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「筋トレぇ?」
コルニアがあげたのはあきれたような叫びだったが、それに答える声は、静かなものであった。
「そう、筋トレよ。自傷からの離脱には、筋トレが一番なの」
末染未知子は、あくまで自信をもって言い放つ。
「肉体と生命の実感、そして世界との適切な距離の計測は魔術にとっても重要だけど、それは筋トレでも出来るのね。軽いストレッチだけでも、慣れきったリストカットより断然キクわ」
たしかに、【反逆の魔女】の手首にある傷はもうずいぶんと古く、彼女が長い間自身を傷つけてはいないことを示してはいた。
「冗談じゃないわね。筋トレなんて、人間がすることよ!」
コルニアは、怒って剣を床に叩きつけた。
「痛みや傷は、他人に与えるもの。生命の実感は闘争の中で得るものよ!地道な努力や汗臭い筋肉なんて、神秘の化身である魔女には似合わないわ!」
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筋トレにはサーフィンが最適
キュトスが不死身なのも週一でサーフィンしてたおかげだし、
言わば神々の筋トレと言えよう
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定まった生活ばかりしていると、いつのまにか頭の中だけで全てが決まるように思い込んでしまう。
決まった日常、決まった習慣、決まった結果。
同じ角度でしか物事を見ず、同じ視点でしか世界を観ないようになってしまう。
心せよ、惰性と諦めの中に、新しい世界はない。
希望も未来も、そして今まで見たことのない自分も、全ては惰性から離れたところにある。
馴染んだ構えを捨て、こった肩と視座をほぐせ。
甘えるな、依存するな、怒りや恨みに執着するな。
夢を思い描くだけで、満足するな。
苦痛や困難を脱するには、前へ進み続けるしかない。
古い神話を捨て、新しい物語を歩んでいけ。
新しい自分は、かならずそこにある。
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なるほど…。
毎日同じ行動で、惰性で生きていては何も始まらない。
確かにお前の言う通りだよ…。
今度からはカヌーもやる
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イイハナシダナー
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海から離れろ
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【泥上カヌー】とは、魔法で泥化させた地面で行う、全く新しいスポーツである!
このスポーツは、わざわざ水辺までいかなくても陸上で楽しめる点と、地形によって異なるライド感がある点が、人気を博した。
ただし、カヌーをやりに集まってきたのは男性ばかりであり、主催者が期待したような『美女や美少女がカヌーで転倒して泥にまみれる』というような、そんな状況は全く発生しなかったのであった。
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海から離れろ
泥からも離れろ
そこにはヤツらがいるのだから……(わにとさめ)
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わには人魚達からは「滑稽な捕食者」と呼ばれる。
水面から顔を出して周囲の様子をうかがう彼らは、水中ではまるで背伸びをして、
地面をつま先でつんつんとしているかのようだ。
しかし、その実態は諸兄諸姉のご存じとおりである。
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ワニとサメは、呪術界では同じく「滑稽な大口」と呼ばれ、同じものとみなされる。
この「滑稽な」という二つ名は、むかしウサギ族が彼らを騙してストリップさせたことに基づく。
この逸話は【猫の国】の『古事記』にも書いてあるが、事実関係が多少間違っている。
正しくは、ワニもしくはサメは、ウサギに脱がされたために怒り、彼らを運送係としてこき使うようになったのだ。
後に月まで逃げたウサギが、未だに宅配便をやっているのは、その名残である。
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さも"鰐"どもがみじめであるかのように語るじゃあないか…
お前たちのような言理の妖精は奴らの本当の姿を知らないのだ。
あの惨劇を唯一生き残った儂が"鰐"の話をしてやる。
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そう、あれは何千年も前のこと…
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あっスレが足りない
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