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物語スレッド

50紀動戦記アルセス(7):2006/08/01(火) 00:21:24

見れば、ピュクティエトも大熱量を全身に纏わせながら出力を抑えつつ戦っていた。知らず、シャルマキヒュは笑っていた。これならば行ける。このまま行けば、こちらが確実に勝利する。あとはセラテリスが持ってくれるか、それだけが勝負だが―――。
「不味いぞシャルマキヒュ! セラテリスが!」
ピュクティエトの声に、彼女は愕然とした。
自分達を置いて離脱した筈のセラテリスが、ここまで来ていたのだ。数百キロ向こう、感知できるほどの位置で、残る二隻と激戦を繰り広げていた。
―――くそ、振り切れなかったのか。
アステロイドベルトに突入して障害物を利用する事で逃げようとしたのだが、破壊されたブースターのせいか、逃げ切る事ができなかったらしい。
一目で解るほどの劣勢だった。このままでは、数分と持たずにセラテリスは撃沈する。
シャルマキヒュの決断は、一瞬の時すら要さなかった。
「まずいな、このままでは」
「わかっている。・・・ピュクティエト、よく聞け。今からお前はセラテリスの援護に向かえ」
「馬鹿を言うな貴様っ! こやつらはどうする?!」
ピュクティエトは蝗の群れを回避しつつ、牽制用の中性子弾を射出する。
心なしか、その駆動に乱れが生じたようだった。
「決まっている。私が全て引き受ける」
「正気かっ!?」
その問いに、シャルマキヒュは答えなかった。代わりに、周囲に群がる敵を一拍子で断ち切り、ピュクティエトに接近する。
紅の紀体に迫る脅威を切り伏せ、その道を切り開いた。
「行け。行って、我等の艦を守ってきてくれ」
一瞬の沈黙。ピュクティエトは何かを躊躇った後に、
「貴様が死ぬと骨を拾うのが面倒だ。・・・・・・精々、私の手を煩わせるな」
それだけ言って、紅の鬼神はセラテリスへ向け、全力で機動した。
追撃しようとした蝗達を、銀色の閃光が尽く撃墜する。
「少し待て虫ども。 貴様等の相手はこの私だ」
槍を可変させ、二振りの剣と為す。その鋼の頭部に凄絶な笑みの気配を張り付かせて、白き軍神は宙空を駆け抜けた。
     トップダウン
「来い、でくのぼう・・・・・・!!
 この私が、ドッグファイトの遣り方を教えてやるっ!!」


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