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物語スレッド

214:2007/06/24(日) 10:05:33
木々はとろとろと濃く、ゆっくりと渦を巻いていた。
半分だけしか生えていない木のむき出しの断面や、
宙に浮き、その根で獲物を捕らえるため移動を続ける木、
おもに実と花から出来ており、ところどころに枝や幹を成らせる木、
それらすべてが集まり、一つの眠りを形作っていた。
虫や、植物、動物、空気、時間、星光、言葉、といったものがそこかしこで
眠りについている。その寝息までもが眠って、寝息を立てているのを聴きながら
歩いていると、自分の歩いてきた軌跡に沿って無数の過去の自分が
眠っているのに気づいた。そればかりか、現在の自分、未来の自分の眠り
までもが、あたりに充溢している。知らず私はこの森の一部と化していた。
いつからであったか、ハザーリャ? この森に入りこんだ時のことを覚えていない。
たしか以前はこの外で暮らしていたこともあったはずだが。


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