したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

とあるSSの禁書目録 PART11

1 ■■■■ :2011/10/08(土) 20:31:05 ID:G1GZclqY
ここは「とある魔術の禁書目録」のSSを書いたり読んだり原作の予想外の展開にテンパってみたりするスレッドです。

【全般的な注意事項】
1.このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
2.ネタバレ注意。ネタバレは本スレ同様公式発売日の0時から。
3.基本マターリ進行で。特に作品及び職人への不当な文句と思われる発言は厳禁。
4.レスする際はスレの流れを確認してからにしましょう。

【投稿時の注意】
1.まずは原作を読み込む。最低でも登場人物の口調や性格は把握しておきましょう。
2.オリジナル設定や妄想はほどほどに。ここは『とある魔術の禁書目録』の二次創作を投稿する場です。
3.書いた作品はテキストファイル等で保存。投稿ミスによる文章消去を防ぎましょう。
4.投稿前に深呼吸して保存したテキストを読み返す。誤字脱字はありませんか?分量は十分ですか?
5.投稿時には作品タイトルを、投稿後には終了宣言を。共有の場なので始めと終わりは明確にしましょう。
6.特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合,BL,鬼畜,死にネタ等)。
7.18禁(と思われるもの含む)はスレ違い。

【前スレ】(Part9)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1280227550/

※ 参 考 ※
禁書風味SSの書き方
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/pages/1682.html

【次スレについて】
次スレは原則として>>980の人にお願いします。
立てる前には宣言を、立てられない場合は代わりの番号指定をお願いします。

【まとめ】
とある魔術の禁書目録 Index SS自作スレまとめ
ttp://www21.atwiki.jp/index-ss/

448 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 02:47:55 ID:Yc5vs0/I
上条「エンデュミオンが崩壊する!?」
土御門『ああ、どうやら避けられん状況らしい。こっちでもできる限りのことは試してみるぜよ。だけど――(ツーッツーッ)』
上条「……二手に別れよう、インデックス。お前は魔術の起動を止めてくれ。俺はアリサの所へ行く」
インデックス「ねえとうま、絶対にアリサを助けようね! 約束したんだよ……あの歌ができたら二人で歌おうって!」
上条「分かった!」

上条がライブ会場へ着くと、シャットアウラの起こした爆発によってアリサがステージから落下していた。
すかさず駆け出した上条は、目一杯伸ばした両手でアリサを受け止める。
上条「間一髪か……」
アリサ「当麻くん……!」
上条の傷はまだ塞がっていなかったのか、傷口から血があふれ出す。
痛みを堪える上条に、シャットアウラが銃口を向ける。
アリサは立ち上がり、両手を広げて上条のことを庇う。
今度は、私が助ける番だとでも言うように――
それでも、シャットアウラが銃口をそらすことはない。
上条「やめろ……シャットアウラ!」
アウラ「こいつの存在がレディリーの計画を生み出した! こいつの歌が、こいつの起こす奇跡が人を惑わせる! ……だから殺す!」

「♪ララーラーラー……」
突然、上条の携帯電話からアリサの歌が流れ出した。アリサの陰で、上条が再生ボタンを押したのだ。
シャットアウラは、頭を押さえてよろめく。
アウラ「くっ……やめろ!」
上条はシャットアウラの手から拳銃をはたき落とす。
上条「ほんの僅かな可能性にかけて、なにかが手に入るって信じて……それでちょっとでも変えられるのが前に進むってことだろ! それが、お前の親父さんが目指したもんじゃないのか! それこそが、奇跡ってやつじゃないのかよ! お前のその惨めな幻想を、この右手でぶち殺す!」
そう言うと、上条はシャットアウラの顔面に拳を入れる。幻想を殺すための一撃を。
シャットアウラはその場に倒れこみ、反撃してくる様子もなかった。
上条「なあ、シャットアウラ……音楽ってのは、良いもんだぜ」

449 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 02:48:53 ID:Yc5vs0/I
北半球を破壊しかねないほどの大魔術を発動しようとするレディリーの元へ、インデックスが現れる。
インデックス「こんな無茶な術式は初めて見たよ。地球を壊しちゃう気? 魔力を生成する回路が乱れているどころじゃないよ」
レディリー「禁書目録ね……聞いたことあるわ。10万3000冊の魔道書を記憶させられた人間図書館……あなたなら分かるでしょう? 魔術によって呪われた者の気持ちが! ようやく抜け出せるの……この地獄から!」
インデックス「無理だよ。それをやってもあなたは死ねない。私には分かる」
レディリー「そんなの分からないじゃない! もう耐えられないの……こんな人生なんて!」
インデックス「……ねえ、あなた幻想殺し(イマジンブレイカー)って知ってる?」
レディリー「聞いたことないわ……あなたの使う魔術かしら?」
インデックス「違うよ。私に魔術は使えないし、その能力を持っているのはとうまだもん。それが異能の力なら、触れただけで打ち消せる能力――それが幻想殺しだよ」
レディリー「そんな能力、聞いたことないわ……それに、本当にそんな力があるなら、ここへ来て術式を破壊すればいいじゃない」
インデックス「とうまは今、アリサを助けに行ってるんだよ。でも、絶対に戻って来る。そしたら、あなたの呪いも消し去ることができるんだよ」
レディリー「そんなハッタリに応じると思って? もう遅いわ……これで終わりよ!」
上条「やめろ! レディリー!」

インデックス「とうま! アリサは!?」
上条「無事だ。絶対に助けるって言ったろ?」
インデックス「良かった……っとうま! その傷は大丈夫なの!?」
上条「気にするな……ただのかすり傷だ」
レディリー「あなた……あの子たちと仲良くやっていたみたいだけど、科学の人間がなんの用かしら?」
上条「……確かに俺は科学サイドの人間だ。でもな、超能力が使えない代わりに、少しばかり不幸(ラッキー)な能力を持っているんだ」
レディリー「それが幻想殺しだっていうの……?」
上条「インデックスから聞いたのか……そう、俺の右手には、それが異能の力なら、触れただけで打ち消せる能力がある」
レディリー「嘘よ……それならさっさと術式を破壊すればいいじゃない!」
上条「そうしたいところなんだけどな……大規模な術式を中途半端に破壊すると、別の魔術が発動しちまうかもしれない。インデックス、この魔術の仕組みとか分かるか?」
インデックス「今、折り重なった術式を解いて崩す方法を見つけるよ」

450 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 17:27:54 ID:Yc5vs0/I
レディリー「……千年は生きてきたけれど、あなたみたいなのは初めてだわ」
上条「千年……? どういうことだ?」
レディリー「あら、知らないでここに来たのかしら? 私は不老不死の呪いにかけられているの。今まで何度も死のうとしたし、何度も殺されそうになったわ。けれど死ねなかった。銃で撃たれても、爆発に巻き込まれても、真空に晒されても……」
上条「その呪いって、やっぱり魔術なのか?」
レディリー「ええ、そうよ。魔術によって呪われた者の気持ち……科学の住人であるあなたには分からないでしょうね」
上条「ああ、分からねえよ……てめえがそんなくだらない理由で、みんなが済む地球を破壊しようとしていることがな!」
レディリー「くだらないですって!? あなたになにが分かるっていうの!? 死にたくても死ねない、いつまでも生き続けなければならない私の気持ちが!」
上条「言っただろ。俺の右手には、それが異能の力ならなんでも破壊する能力がある。夏休みには、呪いを解いたことだってあるんだ」

レディリー「もう遅いわ……間もなく魔術は発動する。私もあなたたちも一緒に死ぬのよ!」
上条「俺には、お前の気持ちが分からない……どんなにつらかったか。どんなに苦しかったか。こんな馬鹿げた方法を取らなければならないお前の運命が。だからここで終わらせてやる。お前のその悲運な幻想を、この右手でぶち殺す!」
そう言うと、上条はレディリーの顔面に拳を入れる。幻想を殺すための一撃を。再び。
レディリー「ぐっ……顔面を殴った程度で私が死ぬとでも思ったのかしら? こんなものすぐに……えっ?」
レディリーは、傷ついた自分の顔面に手を当てる。いつもならすぐに回復するはずだが、一向にその気配がない。
レディリー「そんな……あなたの力……本物だというの……?」
上条「これで分かっただろ。できないことなんかないんだよ」
レディリー「そうか……私はもう苦しまなくていいのね……」
上条「ああ。お前はこれから普通の人間として生きていくんだ。怪我をすれば痛いし、年月が過ぎれば歳をとる。そしていつかは死ぬ……そんな、普通の人生を送れるんだ」

451 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 17:29:02 ID:Yc5vs0/I
『ゴゴゴゴゴ……』
突然、あたりに大きな地響きがした。地面などないはずのこの宇宙で。
レディリー「まさか……エンデュミオンをパージする気!?」
上条「なんだって!? インデックス! まだなのか?」
インデックス「もう少しだよ。四大元素の火、土、水、風にエーテルを加えた五大元素と、あちこちに描かれた五芒星が対応付けられている。その中心は……とうま! この建物のステージだよ!」
上条「よし、急いで向かうぞ!」
そう言うと、上条はボロボロの体にも関わらず、レディリーを背負って走りだした。
レディリー「あなた、どうして……?」
上条「お前も一緒に帰るんだ。こんなところで見殺しにできるかよ!」

上条たちがステージへ向かうと、少女の歌声が聞こえてきた。
上条「この歌は……」
そこでは、アリサとシャットアウラが手を取り合い、歌を歌っていた。
それは、まさに奇跡のような光景だった。
上条も、インデックスも、そしてレディリーも、その光景を静かに見守っていた。
『♪羽撃こう……』
歌を歌い終えると、シャットアウラは上条のほうを向いた。その表情にもはや敵意は感じられない。
シャットアウラ「……思い出したんだ。あの事故で、なぜ私が音楽を認識する機能を失ったのか。私はあのとき願った。大事なものを差し引いてでも、奇跡が欲しいと。そして……」
アリサ「私が生まれた」
シャットアウラ「私は歌を歌うことが好きだった。そして、いつも仕事に一生懸命だった父のことも……」
レディリー「……シャットアウラ、私を殺しなさい。それですべてが終わるわ」
シャットアウラ「……あいにく、死にもしない相手を痛みつけて喜ぶ趣味は持ち合わせていない」
レディリー「で、でも……」
上条「だってよ。お前は当分死ねないみたいだな」
そう言って、上条は微笑んだ。

452 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 17:32:40 ID:Yc5vs0/I
インデックス「とうま、これだよ! この支柱が、術式の核を制御するための役割を担ってる」
その柱は、まさにステージの中心にそびえ立っていた。先程までアリサが立っていた、その下に。
上条「それを破壊すればいいんだな?」
インデックス「うん!」
上条はその柱に手を伸ばし、そっと触れた。幻想を殺すことしかできない、その右手で。
なにかを破壊したような音がして、すべてが終わったことを告げる。
上条「さて……急がないと帰れなくなるぞ」
シャットアウラ「待て、エンデュミオンがパージされたから、リニアシャトルは動かないぞ」
上条「大丈夫だ。俺達が乗ってきたバリスティックスライダーがある。二人乗りだからちょっと狭いけど、そこは我慢してくれよ」

453 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 17:33:49 ID:Yc5vs0/I
なんとか地球へ帰還を果たした上条は、病院で土御門と話していた。
土御門「それで、上やんは女の子四人と密着状態で宇宙旅行を楽しんできたわけかにゃー」
上条「そんな楽しいもんじゃねえっつーの! 今回は本当に死ぬかと思ったんだからな!」
土御門「ああ、その件に関してはイギリス清教……いや、全人類を代表してお礼を言わせてもらうぜい。ありがとうな、上やん」
上条「お前が人類の代表ね……ところで、アリサはもう大丈夫なのか? また魔術師に狙われるようなことがあったら……」
土御門「その点は問題ないぜい。鳴護アリサに、もはや聖人としての力はない。仮に誰かに狙われるようなことがあっても、それは彼女の熱狂的なファンだろうさ」
上条「それはそれで心配だけど……とりあえず、もう魔術師に狙われることはないんだな」
土御門「ああ。それと、レディリー=タングルロードだが、彼女は必要悪の教会(ネセサリウス)が預かることになった。まったく、オルソラやら天草式やら……アニェーゼ部隊もそのうち必要悪の教会の傘下になったりしてにゃー」
上条「それはないだろ。あいつら俺達のことあまり良く思ってないだろうし」
土御門「……相変わらずだな、上やんは」
上条「どういう意味だ?」

「それでね、とうまってばいっつも一人で無茶して、大怪我して帰ってくるんだよ?」
「そうなんだ……でも、そういうところがかっこいいよね」
「えええ!? そ、それって……」
土御門「……さてと、邪魔者は退散するとしますか」
上条「っておい土御門! なに窓から出ようとしてるんだ! ここ三階だぞ!?」
実は一週間ほど前に上条も同じことをしたのだが、あれはなかなかにスリル満点だった。
『トントン』
上条が窓に気を取られていると、扉がノックされた。
上条「まあ、あいつも結構タフだし大丈夫か……どうぞー!」
扉が開くと、見慣れた修道服を着た少女と、上条が命を賭けて救った少女が立っていた。
少女たちは笑顔で上条の元へ駆け寄り、口を揃えて言った。
「とうま!」
「当麻くん!」

454 希亜 ◆NOAH//esco :2013/03/19(火) 17:37:37 ID:Yc5vs0/I
以上、「奇跡と不幸」でした。
その後、アリサは恩返しと称して上条に迫ったり、インデックスと歌を歌ったりしていると思います。
レディリーは不死の呪いを解かれたことで価値がないと判断され、アレイスターに捕獲されることなく人生を全うします。
救われぬ者に救いの手を――

455 ■■■■ :2013/03/19(火) 22:36:14 ID:IAfMZnw6
GJ

456 ■■■■ :2013/03/20(水) 01:36:23 ID:g.riuHZg
> その後、アリサは恩返しと称して上条に迫ったり
kwsk

457 ■■■■ :2013/03/20(水) 03:56:27 ID:/nXZNXms
禁書アニメ2期が放送されてた頃に書いてお蔵行きになっていたSSを投下しても良いだろうか?
今でも何でこんなのを書いたんだろうって思うほどカオスな内容で色々拙いところはある。

458 ■■■■ :2013/03/20(水) 09:16:37 ID:KDUJfI1A
>>457
賑やかしくなるのは歓迎

459 457 :2013/03/20(水) 21:14:22 ID:/nXZNXms
※キャラ崩壊あり

土御門「上やんをオークションにかけるにゃー」

460 457 :2013/03/20(水) 21:22:56 ID:/nXZNXms



ことの始まりは上条当麻の日常から生まれた。

上条当麻の日常とは、銀髪美少女シスターと同棲し、クラスでは影の薄い黒髪ロングJKと談笑し、デコ巨乳の委員長気質なJKにお仕置きされ、永遠の合法ロリな先生と2人きりの補習。下校時には待ち伏せしていた電撃系美少女と戯れ、家に帰ると銀髪美少女シスターがお出迎えする。そして、大事件に巻き込まれては美女・美少女を助けてフラグを立てていく毎日である。

そんな(傍から見れば幸運な)日常に上条当麻本人の感想は・・・

上条「不幸だ――――――――――――――――!!!!!」

土御門「どこがっ!」ボコッ!!
青髪ピアス「不幸やねん!!」バキッ!!

上条「そげぶ!」

三馬鹿デルタフォース同盟である土御門元春と青髪ピアス(本名不明)にツッコミ(という嫉妬の拳)を入れられ、クラス中の男子から睨まれるのが日課である。

土御門「毎日毎日、性懲りも無く見せつけてくれるにゃー」
青髪ピアス「なぁ・・・、上やん。わざとやろ?それ絶対わざとやろ?」
クラスメート達「上条ノ奴・・・イツカ殺ス・・・・・」
土御門「まぁ、俺としては義妹がいれば世は事も無し。でもそれとこれとは話が違うぜい」
青ピ「なぁ、上やん。そろそろ腹括って誰か一人決めようや。ハーレムエンドはエロゲーだから許されるんやで?」

上条「いやいや、上条さんだって出会いが欲しくてたまらないんですよ」

土御門「・・・・・・・」
青ピ「・・・・・・・」

土御門「こりゃ病気だにゃー」
青ピ「冥土返し先生でも諦めるわ」
土御門「なぁ、上やん。もっと周りに目を向けるんだにゃー」
上条「もっと周りに?」

教室中を見渡してみる。そこには上条を睨みつける男子諸君と吹寄の姿。

上条「ああ。やっぱり俺って、ふk(ボコッ!)あべしっ!!」

土御門・青ピ(やっぱり、力づくでも気付かせないといかねぇな(いかへんなぁ)。)

上条「え!?何で2人とも目が据わってるんでしょうか?・・・ってか、そのロープ何!?」
土御門「年貢の納め時だ」
青ピ「流石のボクも我慢できへんわ」

ロープを持ってにじり寄る2人。

上条「ふ、ふ、ふ、不幸だぁあああああああああああああああああ!!!!!」

461 457 :2013/03/20(水) 21:24:12 ID:/nXZNXms
数日後 学園都市 某所
上条は目が覚めると真っ暗闇の中にいた。椅子にロープで縛り付けられており、全く身動きが取れない。

上条(クソッ!このロープ硬過ぎる!)

???「お目覚めかにゃ〜?」

上条「その声は・・・土御門!?」

その瞬間、前方のライトが点き、サーカスのピエロのように土御門だけがライトアップされて現れた。

土御門「ご明答だにゃー」
青ピ「ちなみにボクもおるで〜」

そう言うと、青ピのところもライトアップされる。
2人ともタキシードスーツを着ており、いつも着崩した制服ぐらいしか見ていない上条には新鮮だった。

上条「これはどういうことだ!?」
土御門「上やんには自分がどれほど多くの女性に愛されているか知ってもらう一大イベントを企画したんだにゃー」

土御門が自身の後方に手を向けると、周りが一気にライトアップされた。
上条の目の前には、約100人分の豪華な座席が広がっており、自分がステージの上の椅子に縛り付けられているのが分かった。

上条「コンサート会場?」
青ピ「と言うよりは、オークション会場や」
上条「オークション!?」
土御門「学園都市の暗部が使っていた裏のオークション会場だぜい。色々とヤバめの商品を扱ったり、人身売買をしていた場所だにゃー。まぁ、今は使われていないけどな」
上条・青ピ(今、衝撃の事実をサラリと言ったな)

土御門「今日は上やんをオークションにかけるんだにゃー!」
上条「な、なんだって―――――――!!!」

販売者と購入者が交差する時、物語は始まる。





青ピ「お、そろそろお客さんが来る時間やでー」

そう言って、青ピは上条の口を塞ぐようにガムテープを張り、上から全体を覆い隠す大きな布をかぶせた。
会場の扉が開き、数多くの来客が会場内へとゾロゾロ入り込む。


正面ゲート

インデックス「あれっ!?とうまどこー?」
五和「かかかかか、上条さんが本当にここで買えるんでしょうか?」
神裂「べ、べべべべべべべ別に彼を買って、フヒヒなことをするつもりじゃありません!彼が変な女に変われるのを防ぐためです!そうです!これは恩返しです!」

上条(インデックス!?ってか、人身売買するようなお金はウチにありません!この穀潰し!!)
土御門「安心するにゃー。このオークションでお金は扱わないぜい」
上条(心の声読まれた!?)

美琴(会場ってここでいいのよね?・・・って違うのよ!私はあいつが欲しいわけじゃなくて・・・、そ、そう!あいつがどんな女に売りさばかれるのか見に来ただけよ!あ。でも・・・もし私が手に入れちゃったら・・・フヒヒヒヒヒ・・・ゲコ太抱き枕が当麻に変わるのねぇ///)
黒子「どうしたんですの?お姉様。」
美琴「いやいやいやいや。何でもないわよ。さあ!手に入れるわよ!ゲコ太の超激レア抱き枕!」
黒子(お姉様。バレバレですのよ。ここで売り捌かれるのがあの殿方だってことは・・・・。だって黒子にも招待状が来てるんですの)

“上条当麻オークション!!”
会場:学園都市第七学区 秘密のオークション会場 裏の地図参照
日時:○月×日 09:00より

黒子(今日の黒子はお姉様があの殿方を手に入れないように妨害するのが目的ですの)
美琴「どうしたの?黒子」
黒子「いえいえ。何でもないですの。お姉様」

吹寄「クラスメートとして、あいつが変なことをしないか監視しに来たのよ」
小萌「上条ちゃんは何をするか分からないですからね。それにどんな娘に引き取られるか見届けるのも教師の役目なのです」
姫神「2人とも誰に向かって。言っているの?」

アニェーゼ「あの幻想殺しが手に入る千載一遇のチャンス!彼を手に入れて・・・フヒヒヒヒヒヒ・・・・おっと、ヨダレが出ちまいやした」
アンジェレネ「シスタールチア。私はこんなことよりも学舎の園限定ケーキが食べたいのですが・・・・」
ルチア「黙りなさい。シスターアンジェレネ。シスターともあろう者が異教徒の地の嗜好品に想いを馳せるなど」
オルソラ「私達が手に入れれば、イギリス女子寮の男子禁制は軽々と破綻していくのでございましょう。フフフフフ」
シェリー「お前、絶対それを期待しているな。させねぇからな。絶対にさせねぇからな」

面白そうだから付いて来た人

462 457 :2013/03/20(水) 21:24:38 ID:/nXZNXms
ミサカ10032号(以下ミサカ)「ミサカは妹達の代表として出席しましたとミサカはこのSSを読んでいるであろうごく少数の方々に説明します」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

MNW(ミサカネットワーク)
本日のスレ:上条オークションで上条を競り落としたら何に使う?

1:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka10032
 おまいら、上条が自分のものになったらどうする?

2:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka14510
 そんなことよりもセロリたんが欲しい!!
 セロリたん!どこぉ!?

3:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka15732
 >>2
 やべぇ。セロリ症候群末期だわ。運営(打ち止め)に消されるぞ

4:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka19874
そんなことより、運営はどうしてる?

5:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka13432
 >>4
 てめぇ!“そんなことと”は何だ!?
 上条さんを手に入れるかどうかは妹達の死活問題だろうが!

6:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka17600
 こちらスネーク
 運営はセロリと第七学区のセブンスミストで買い物中
 セロリはいつも通りのロリコン&ツンデレ平常運転

7:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka14354
 スネークキタアアアアアア!!!(・∀・)

8:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka15696
 スネークさんマジパネぇっス!!

9:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka14510
 >>6
 第七学区のセブンスミストだね!
 セロリたん!今行くよぉぉぉぉぉぉぉ!!

10:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka18531
 >>9
 ご武運を祈る

11:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka15555
 >>9
 あいつ、無茶しやがって・・・・・

12:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka10032
 で、色々と話が脱線したけど、上条を手に入れたらおまいらどうする?

13:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka14000
 >>12
 恥ずかしくてそんなこと言える訳ないだろ///

14:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka14735
 >>12
 言わせんな。恥ずかしい///

15:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka20000
 >>12
 そんなの決まってんだろ!
 身体中をベロベロチュッチュするんだよ!
 いや、ベロベロチュッチュされるのもいいかも///

16:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka17894
 >>15
 通報しますた。

17:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka19090
 >>15
 言うなよ。恥ずかしい(//∀//)

18:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka17600
 こちらスネーク
 運営が鼻血出して倒れた。

 打ち止め「みんな何て淫らで爛れたことを妄想してるのーってミサカはミサカは少年漫画のベタなリアクションをとってみたりー!!」
 一方通行「ラストオォォォォォォォォダァァァァァァァ!!!」(泣)

 ・・・ってな感じ。何が起こった。

19:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka20000
  >>18
  な、なんだってー!

20:名無しに代わりましてミサカがお送りします。ID:misaka19626
  >>19
  お前のせいだろうが!!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ミサカ「あの人を手に入れた暁には・・・フヒヒヒヒヒ・・・とミサカは込み上げてくる自らの劣情に逆らえきれません」

463 457 :2013/03/20(水) 21:25:57 ID:/nXZNXms
リドヴィア「使徒十字作戦が失敗したのは幻想殺しを敵に回してしまったから。ならば、今回はその絶大な力を手に入れるチャンスです。絶対に私たちが手に入れるのですよ」
オリアナ「まさか、再び学園都市に来るとはね。あの子の熱い拳、お姉さんゾクゾクしちゃう」
リドヴィア「そのような卑猥な発言は控えなさい」


青ピ「なぁ、つっちー。皆、目が据わっててちょっと怖いねんけど」
土御門「でも、ここまで来たらやるしかないぜよ」
(フラグが立ってなさそうな奴がいるのがちょっと気になるが・・・・)

上条(俺は、俺はどうなってしまうんだー!!)


土御門「レディース アーンド ジェントルメーン!!」
青ピ「って、ジェントルメンはおらんやんか!!」ペシッ

一同「・・・・・・・・・・」

青ピ(渾身のギャグがすべってもうたー!!)
土御門(ピアスくん。ここはサクッと本題に移った方がいいにゃー)
青ピ(せ、せやな)
土御門「さて!本日の、注目の商品はこちら!!」
青ピ「せいやっ!」

青髪ピアスが布を剥ぎ取り、椅子に縛られ、ガムテープで口を塞がれた上条当麻の姿が露になる。それと同時に「キャアアアアアアアアアアア!!!」という上条症候群患者の歓喜の雄叫びが会場中に響き渡る。

土御門「はいはーい。皆さーん。静かにするんだにゃー。今から、当オークションのルールについて箇条書きで説明するにゃー」

1.当オークションでは金品はお取り扱いしておりません。
2.“上条当麻にどれだけ尽くすことが出来るか?”という度合いで落札者を決める。
3.尽くし度合いの上下関係は学園都市製のスーパーコンピュータが解析してランクを付ける。
4.あくまで個人で行えることであり、金品や組織を使ったものは除外とする。
5.落札者は“提示した尽くすことの内容”を実行しなければならない。

土御門「じゃあ、ルールを説明したところで、さっそく始めるにゃー。お手元のボタンを押してから、発言するようにお願いするぜよ。ピアスくん。最低ラインを決めて欲しいにゃー」
青ピ「ほんじゃ、“5分間手を繋ぐ”からスタートやでー!!」

青髪ピアスの「スタート!」という掛け声と共に皆が一斉にボタンを押し始める。
各自の座席には学園都市製の高性能マイクが設置されており、全員が一斉に喋ってもその人の言葉しか収音しないという機能が付いている。それをコンピュータが解析し、尽くし度をランク付けするのだ。

五和「10分ぐらい手を繋ぐなら・・・・」
神裂「な、なら、私は30分ぐらい繋いであげても・・・いいような・・・」
姫神「一時間ぐらいは余裕」
アニェーゼ「三時間ぐらいは!!」
ミサカ「一日中手を繋ぐのは余裕です、とミサカはトイレや食事中ぐらいは手を離さないといけないのでは?という問題点を無視して発言します」

青ピ「はーい!今、ミサカちゃんの『一日中手を繋ぐ』がトップやでー!!」
土御門「別に手を繋ぐ時間で競わなくてもいいですたい」


美琴「だったら、三日連続でデート///(キャー!言っちゃったー!(>∀<))」
黒子「おっ、お姉様!?」

神裂「あなたが入院する度に堕天使エロメイドでご奉仕してあげます!!」
五和「私は毎日、家に通ってご飯を作って上げます!」

上条(五和―!今、上条さんの中ではあなたがトップですよー!)

青ピ「神裂火織ちゃんの『入院する度に堕天使エロメイドでご奉仕』がトップに来たでー!!ってか、ボクがご奉仕して欲しい!!」

上条(神裂!ゴメン!それホントに止めて!)

土御門「上やん。ホント、うらやまs・・・おっと、俺には舞夏がいたにゃ」
青ピ「さあ!さあ!他にはおるやろ!?おるやろ!?」(怒)

インデックス「とうまと同棲するんだよ!」

青ピ「おーっと!インデックスちゃんの『同棲発言』がトップに躍り出たで!!」
上条(インデックスー!お前は既に一つ屋根の下じゃないかー!!)

五和「だったら、泊まり込みで毎日、朝御飯、弁当、晩御飯を作ります!ってか、お望みなら家事を全て担います!」

青ピ「五和ちゃんの『泊り込みで家事をする』がトップや!!」

464 457 :2013/03/20(水) 21:26:54 ID:/nXZNXms
リドヴィア「まだ、一度も発言していませんね」
オリアナ「こういうのはタイミングがあるのよ。・・・・っと、そろそろね」

ボタン<ポチッ!

オリアナ「ねぇ〜♡ 大人のホテルでお姉さんとイ・ケ・ナ・イ・コ・トしない?」

青ピ「出た―!!オリアナ・トムソンさんの『大人のホテルでイケナイコト』!!上やん。羨まし過ぎて、ホンマブッ殺していい?」

オルソラ「皆さん、なんて盛り上がっているのでございましょうか」
アンジェレネ「あのー、私はこんなことよりも学園都市の美味しいお菓子が食べたいのですが・・・」
アニェーゼ「キーッ!!イケナイコトとか!!シスターのアタシ達には無理じゃねぇですか!」

オルソラ「純潔を・・・、シスターであることを棄てる覚悟を持ってやれってことでございましょう?」
アンジェレネ「あのー、シスターアニューゼ。私は・・・・」
アニェーゼ「ぐぬぬぬぬ・・・・」
アンジェレネ「あのー、シスタールチア。私達だけでも・・・・」
ルチア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
アンジェレネ(お祈りで神様の世界にエスケープしてる。私だけでも抜けていいのでしょうか?)
オルソラ「なら、わたくしは毎晩、夜の営みのお相手を」
アンジェレネ(純潔とシスターであることをアッサリと棄てたー!?)

青ピ「はいはーい。現在、オルソラ・アクィナスさんの『毎晩、夜の営み』がトップやで!!」
土御門「こっから先は欲望への一方通行だにゃー!その理性をブチ殺す!!」

上条(か、上条さんは今、夢でも見ているんでしょうか・・・・・?)


オルソラ「まぁ〜。トップになりましたか〜」
シェリー「お前、あっさりとシスター棄てたな」

<青ピ「おおっと!他の女の子達も『毎晩、夜の営み』を尽くすと言い始めた!」

シェリー「こいつら、頭大丈夫なのか?」
オルソラ「まぁまぁ。同列になってしまったのでございましょうか?どうしましょう」
シェリー「くだらないな。だったらよぉ。『朝、昼、晩、あなたが望むなら四六時中ぶっ通しでイケナイコトをします』なんて言ってみろよ。まぁ、流石にそれは・・・・」

<青ピ「おーっと!シェリー・クロムウェルさんの『四六時中、ぶっ通しでイケナイコト』がトップやー!」
<土御門「とんでもないダークホースの登場ですたい」

オルソラ「あらあら。マイクが貴方の声を収音してたのでございましょうか?」
シェリー「あ・・・・・・、えっと・・・その・・・・これはノーカンで・・・・」

<小萌「四六時中、ぶっ通しは流石に先生も止めますー。」ヒソヒソ
<姫神「先生。それ以前に問題があると思うんだけど。もう付いていけない」ヒソヒソ
<オリアナ「四六時中ぶっ通しだなんて、お姉さんでもそこまで絶倫じゃないわよ」ヒソヒソ

シェリー「これは誤解だ!不幸だ!理不尽だ!!私は絶倫じゃないぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・」

465 457 :2013/03/20(水) 21:27:20 ID:/nXZNXms
黒子(今ですわね)

ボタン<ポチッ!

黒子「私は、上条当麻が望むなら、ありとあらゆる鬼畜・変態プレイを受け入れる・・・・」


土御門・青ピ(もう収集がつかない・・・・・・。どうしよう・・・・。)
上条(どうにかして、ここから逃げないと・・・・)コソコソ


黒子「・・・と、お姉様がおっしゃっていました」
美琴「何言ってんの!?黒子!?」

<うわー。マジでドン引きです ザワザワ
<まさか常盤台の超電磁砲が・・・・ ザワザワ
<けっこう、淫乱なんだね ザワザワ
<まぁ、お年頃だけど、さすがにそれは無いわ ザワザワ

美琴「どうしてくれんの!?これじゃあ、あいつを手に入れるどころか・・・・」
黒子(お姉様。申し訳ありませんが、こうすることでしかあの類人猿からお姉様を守ることしか出来ませんの。恨むならこの黒子を恨んで下さいまし。さすがにこんな変態的で類人猿にとってもマイナスなのがトップに来ることも・・・)

青ピ「あ、トップが御坂美琴の『鬼畜・変態プレイ』になったで・・・・」

黒子(ですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!?????????)

土御門「どうなってんだ!このコンピュータの判断基準は!?」
上条(2人の視線がコンピュータに向かっている今のうちに!)

そう見計らうと、上条は縄を解き、椅子から自力で脱出する。

土御門「あ!待て!上やん!」
上条「こんなところに長時間耐えられるほど、上条さんの精神は丈夫じゃないんですよ!」
青ピ「ボクが追いかけるから、つっちーは場を繋いでくれへんか?待て!上やん!」

そう告げて、青髪ピアスは上条の後を追いかけて、会場を跡にした。
上条の逃走ということで、会場は騒然となり、一部の人間は自暴自棄になったりしていた。

土御門「皆さま、どうぞご心配なくだにゃー。今はプロが上やんを追いかけているぜよ。しばらくしたら、戻ってくるぜよ」
(実際は暗部に仕事を依頼しているんだけどな)

466 457 :2013/03/20(水) 21:27:46 ID:/nXZNXms
その頃、上条当麻は見慣れない施設の中を必死に逃走していた。

青ピ「待てー!上やーん!」
上条「待てと言われて、待つ奴がいるかぁ!!」
青ピ「今日こそは上やんの嫁を決めて、第一級フラグ建築士の看板を降ろさせてもらうで!」

すると、上条は走る足を止めて、反転する。そして、青髪と向き合った。

青ピ「やっと決心が付いたんか?」
上条「違うだろ」
青ピ「え?」

上条「俺の嫁ってのはあんなやり方で決めるのかよ!俺の嫁ってのは相手に好かれよう、好かれようと必死に努力して手に入れるものだろ!?あの娘はどんな男がタイプなのか!?どの食べ物が好きなのか!?どのデートスポットを廻ったら上手くいくのか!?どんなプレゼントをしたらいいのか!?何度も成功したり、失敗したり、不安になったり、緊張したり、振られたら一日中泣き叫んで、上手くいったらバカみたいに喜んで!!そうやって手に入れてこそ、価値があるもんだろ!!それはエロゲー中毒のお前が一番理解しているんじゃないのか!?」

青ピ「か、上やん・・・・・」
上条「いいぜ。お前があんなやり方で嫁を決めようっていうなら、まずはそのふざけた幻想をブチ殺す!」
青ピ「あべしっ!!」ドサッ

通路で横たわる青髪ピアスを余所目に上条は出口があるだろうと思っている方向へと走っていった。

青髪(でも上やん。女の子にあそこまで醜態さらさせておいて、決めなかったらそれはそれで残酷なことやで・・・)


上条「はぁ・・・・はぁ・・・・。どうやら、ここが出口みたいだな」

上条がドアノブに手をかけ、扉を開いた。薄暗い通路に眩しい光が差し込む。

上条「あれ?ここって・・・・」

そこには上条の見慣れた広場が目の前に広がっていた。いつもお世話になり、第二のマイホームと化した病院の前にある広場だ。いつもの病室から見ている場所だから間違いない。
どうやら、広場の片隅にある公衆トイレの壁の隠し扉から繋がっていたらしい。

上条「とにかく、見慣れた場所で良かった。逃げながら道に迷うとか嫌だからな」

上条は律義に隠し扉を閉じ、公衆トイレから広場へと出た。
すると、目の前にある病院の出入り口から見たことのある、そして、出来れば二度と関わりたくない人間の姿があった。

上条「ア、一方通行!?」

一方「よゥ。三下ァ・・・・。ウチの打ち止め(ラストオーダー)をあんな風にした責任は取ってくれるンだよなァ?」

上条「え?あのー、全く身に覚えが無いのですが・・・・。」

一方「とぼけても無駄だァ!!あいつが鼻血噴き出しながらぶっ倒れて病院に運ンだら、『ミサカは・・・・上条・・・・って、ミサカはミサカは・・・・。』ってうなされてンだよ!!」

上条「いやいや、本当に身に覚えが無いんだって!大体、俺はロリコンじゃないし!」

<カチッ!
一方「うちの打ち止めをキズモノにして命があると思うなよォォォォォ!!」

上条「だから、上条さんは無実ですぅぅぅぅぅぅぅ!!」

一方「ギネス級に愉快な死体にしてやらァ!!!!」

ちなみに真相は「“ミサカは”あまりにも変態的な方向に行ったので、ミサカネットワークの“上条”スレを閉鎖したんだよって“ミサカはミサカは”辛くも現状報告してみる。」である。

467 457 :2013/03/20(水) 21:32:14 ID:/nXZNXms
とある路地裏

麦野「ったく!クズのくせに手こずらせんじゃねぇよ!この腐れ×××が!」
絹旗「今日の麦野は超不機嫌です。まぁ、八つ当たりの矛先が浜面に向かうから超関係無いですけど」
フレンダ「まぁ、結局は変態のバカ面が痛い目を見るって訳よ」
滝壺「大丈夫。理不尽に八つ当たりされるはまづらを私は応援してるから」

浜面「おーい!電話の女が新しい仕事持ちかけて来たんだけど・・・・」

麦野「ムカつくから死ね!」ビームッ!!
浜面「うぉっ!危ねっ!!殺す気か!?」
麦野「殺す気だ!」
浜面「せめて否定してください!!」
滝壷「大丈夫。理不尽に殺されてそうになるはまづらを私は応援してるから」
浜面「応援するなら助けてくれぇ!!(涙)」
麦野「で?どんな仕事?」
浜面「なんか無能力者の学生を一人捕まえるだけらしい。詳しいことはメールで送るってさ」

絹旗「そんなの超パシリじゃないですか。わざわざアイテムを使うまでも・・・・」

ピロリロリン♪

麦野「あ、メール来た。んー、なになに?・・・・・!?」
フレンダ「どうしたの?そんなに目を見開いた麦野は見たこと無いって訳よ」

フレンダは麦野からケータイを取り上げる。

フレンダ「ぶわっ!!なななななな、この金額はヤバいって訳よ!」
絹旗「フレンダは超大袈裟すぎるんでよ。たかが学生1人捕まえる仕事で・・・!?」

To:麦のん
From:電話の女

仕事内容
さっき舞い込んできた依頼だけど、
太っ腹だからそっちに廻しとくっつーの。
無能力者の学生、上条当麻の拘束。
殺さないで生け捕りが絶対条件。
怪我をさせたら報酬は2割引き。
(添付ファイルに彼の画像があるから。)

絹旗「よよよよ、4千万円!?たかが無能力者(レベル0)を捕まえるだけで!?2割引きでも3千2百万円!?」
麦野「でも、上手過ぎる話ね。何か裏があるんじゃないかしら?例えば、実は超能力者(レベル5)とか?」
フレンダ「添付ファイルがあるって訳よ。開いちゃえ」
麦野「これが、目標の学生か・・・。画質が悪いわね。シルエットぐらいしか分からない」
フレンダ「男でツンツンウニ頭ってことぐらいしか分からないって訳よ」
浜面「おいおい。俺にも見せてくれよ。・・・・・って、こいつ!?」
滝壷「はまづら・・・。知り合い?」
浜面「ああ。俺と同じ無能力者だよ。あいつの邪魔したせいで・・・・」
絹旗「超変態の浜面のアブノーマルな過去話はどうでもいいですから、さっさと特徴を話してください」
浜面「俺はアブノーマルじゃねぇ!!」
滝壷「そんなアブノーマルなはまづらを私は応援・・・・できないかもしれない」
浜面「滝壷さん!?・・・・・って、特徴って言われてもなぁ・・・。何て言っていいのやら」
絹旗「じゃあ、誰誰に似ているとか・・・・」
浜面「う〜ん。そうだなぁ・・・・」

468 457 :2013/03/20(水) 21:32:51 ID:/nXZNXms

上条「ちょっと通りまーす」

麦・フレ・絹・滝「「「「あっ、すいませーん。」」」」」

浜面「ああ。そうそう。丁度、あんな感じ・・・・って、居た――――――――!!!」
絹旗「えっ!?」
麦野「原子崩し!!」
上条「うぉぉい!!今度は後ろからビーム出てきた!!」そげぶ!
滝壷「今、むぎののビームを消してた。」
フレンダ「超電磁砲でも軌道を逸らすのにやっとだった麦野のビームを打ち消すなんて、本当に無能力者って訳?」
浜面「いやいや、確かにあいつに間違いないって。武装した十数人の武装集団(スキルアウト)に生身で立ち向かってたし、能力だって使わなかった」
絹旗「そんなことより超追いかけますよ!!」
浜面「俺、車まわしてくる!」

上条「ひぃぃぃ!一方通行がぶっ倒れて逃げきれたかと思ったら、見知らぬ小学生から車やらお掃除ロボやら投げつけられるなんて・・・・不幸だぁー!!」
絹旗「小学生じゃないです。超中学生です!!」
上条「“超”中学生って何!?超(スーパー)サイヤ人みたいなの!?」

キィィィィィ!!

上条「うぉ!今度は前から車が!?」
麦野「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」
フレンダ「いやいや。殺しちゃったら報酬が0な訳よ」

浜面(うわぁ〜。あいつ可哀想。今だけは同情してやる)

麦野「原子崩し!」
絹旗「窒素装甲!」
フレンダ「ぬいぐるみ爆弾!!」

浜面「いやいや、殺さないんじゃなかったのかよ!?」

上条「ふふふふふ、不幸だああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


その頃、オークション会場では・・・・

インデックス「だったら、とうまと[ピー]して[禁則事項]するんだよ!」
姫神「だったら。私は毎日。上条君の [検閲により削除]」
五和「だったら、性天使モロ出しメイドコスで毎日[あまりにも卑猥な発言の為、自主規制]」
美琴「私は当麻の×××を○○○して、☆☆☆☆する!!」
アニェーゼ「だったら、もういっそのこと[禁則事項]しちまいやっせ!!」
ミサカ「だったら、残りの9969体のミサカ(打ち止めと番外個体除く)と上条当麻で前代未聞の9970Pをします、とミサカは羞恥心そっちのけで発言します」
黒子「黒子は何も聞こえないですの。何も見えないですの。そう、これは夢ですの」

土御門「集団心理って、本当に怖いにゃあ」

469 457 :2013/03/20(水) 21:33:09 ID:/nXZNXms
リドヴィア「これは流石にピンチですね・・・・ん?ピンチ?」
オリアナ(やべ。変な火がついたかも・・・・)
リドヴィア「そうですわ!それは我が主が与えた試練!これを乗り越えてこそ意義のあるものですのね!だったらわたくしは[禁則事項]して[神様もドン引きするレベルの卑猥発言]ですわ!」

オリアナ(お姉さんは18歳。お姉さんは18歳。大人ぶってるけどまだまだピュアな18歳。歩く18禁なんて言われるけどまだ18歳)←本当です。

耳を塞ぎ、自己暗示しながら会場を出たオリアナ。その先には会場のカオスな空間に耐えきれなかった数多くのリタイア者がいた。

ルチア「ああ。神よ。ここ現世の試練に耐えられなかった私をお許しくださいませ」
アンジェレネ(シスターオルソラはあんなところにいて大丈夫なのでしょうか?)
小萌「」←放心状態
吹寄「」←気絶
オリアナ「お姉さんは18歳。お姉さんは18歳。お姉さんは18歳」
神裂「私は18歳。私は18歳。私は18歳。私は18歳」
オリ・神裂「「18歳?」」
オリ・神裂「「いやいや。18歳はないでしょう。絶対にサバ読んでるって」」
オリ・神裂「「本当に18歳?」」
オリ・神裂「「うん。本当に18歳」」
オリ・神裂「「じゅうはっさい!!」」

熱い抱擁を交わす2人の東西巨乳美女。
これが学園都市における“永遠の18歳教”の起源なのはまた別のお話。


麦野「ちょっとやり過ぎちゃったわね。」
浜面「いやいや。やり過ぎどころか九分殺しじゃねぇか!報酬90%カットだよ!これ絶対!」
絹旗「原子殺し一斉掃射、窒素装甲で巨大コンテナの雨、能力が効かないと分かったらぬいぐるみ爆弾100連発、死ななかったのが超奇跡ですね。」
フレ「まぁ、90%カットでも4百万円も報酬があるわけよ」
麦野「じゃあ、今回の報酬は麦:絹;フレ:滝:浜=3:3:3:1:0ってことで」
浜面「うぉい!俺、タダ働きかよ!!」
滝壷「大丈夫。お金を稼げない甲斐性無しのまづらを私は応援している」
浜面「滝壷さ〜ん(泣)。それもう暴言!!」
麦野「私はもう疲れたから帰るわ。浜面、後始末しときなさいよ」
絹旗「私も超以下同文です。滝壷さんも一緒に帰りましょ」
滝壷「うん。ばいばい。はまづら」
フレ「新製品のサバ缶が待っているって訳よ」
浜面「ああ。気を付けて帰れよ。・・・・・。後始末って、これ(上条)をか?」

prrrrrrrr

浜面「はいはい。こちらアイテム雑用兼運転手兼電話受付係兼八つ当たりの的兼ドリンクバーの往復係の浜面仕上です」
電話の女「それ、自分で言ってて悲しくない?まぁ、それは置いといて、例の仕事は片付いた?」
浜面「ああ。九分殺しだけど生け捕りしてきたよ」
電話の女「そう、じゃあ、対象を依頼主のところまで運んでくれない?そっちのカーナビにデータ送ったから」
浜面「あ。来た来た。そんじゃあ、行ってくるわ」

470 457 :2013/03/20(水) 21:33:30 ID:/nXZNXms
オークション会場
「当麻はまだかー!!」「さっさと当麻出せやー!!」「とーうーまー!とーうーまー!」と怒号が飛び交い、全員がステージ上に上がって土御門を取り囲んでいた。
美琴「超電磁砲(レールガン)ぶっ放すぞ!!ゴルァ!!」
ミサカ「約一万人の妹達で総攻撃(ミサカスクランブル)仕掛けるぞ!ゴルァ!!とミサカは生まれて初めて恐喝というものを実践してみます」
リドヴィア「ローマ正教総勢力でぶっ潰しますよ!」
アニューゼ「部隊総出で血祭りにあげちまいやしょう!!」
インデックス「あなたを十字架に張りつけて教会の像にするかも」
姫神「ケルト十字を外して。吸血鬼を呼び寄せて。哀れな犠牲者の1人にする」

土御門「もう少し!もう少しで上やんが来るからぁ!!」

まるで借金取りに取り立てられる低所得者の如く、土御門は涙目に観客に懇願していた。
しかし、そこに一つの希望が舞い降りた。

浜面「すいませーん。依頼主の土御門元春さんですか?」

ボロボロになった上条を背負い、状況を理解できてなかった浜面がステージ上に現れた。
上条の姿を見て、土御門は全身の血の気が引いて、真っ青になった。

土御門「そ、そうだが、な、何で上やんがこんなボロボロになってるんだにゃー」
浜面「すいません。ウチは何かと荒事専門なんで・・・。やっぱり、報酬は減額ですよねぇ」
土御門「あ、えーと。報酬は『アイテム』の口座に振り込んどくにゃー!!後は頼むぜよ!」

そう言い残して、全速力で土御門はその場から逃走。

浜面「後は頼むって・・・・あれ?皆さん、なんでこっちを睨んでるんですか?」

浜面に恐怖という文字がピッタリな視線が集まり、浜面の置かれた状況は絶望に等しかった。

一同「「「「当麻を傷つける奴は、全て敵!!!」」」」

浜面「こいつじゃないけど、今は言っていいんだよなぁ?」

レールガンが、御坂妹の機関銃が、竜王の棲息(ドラゴンブレス)が、ありとあらゆる世界滅亡級必殺技の矛先が向けられていた。

ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!

浜面「不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

471 457 :2013/03/20(水) 21:33:48 ID:/nXZNXms
いつもの病院

上条「俺・・・生きてる・・・。何か、分からないけど生きてて良かった〜!!今回は本当に死ぬかと思った!!」
浜面「ウゼェ!!死ね!!」
上条「あれ?何で浜面さんが同じ病室なんでせうか?」
浜面「同時に大量の入院患者が出たから、病室が足りないんだとさ」
上条「同時に大量の?・・・・はっ!まさか魔術師が!?」
浜面「いやいや違うから。どんだけ魔術師って奴に悪いイメージ持ってんだよ。ほら、窓の外見ろよ」
上条「ええ!!ここってこんな光景だった!?明らかに世紀末なんですけど!」
浜面「お前をあそこに連れて行ったら、何か解らない技で殺されかけたんだよ」
土御門「その事は俺から説明させてもらうぜい」
上条「土御門!?」
浜面「あっ!てめぇ!あの時はよくも!」
土御門「無茶して身体を動かさない方がいいですたい。せっかく、冥土返し(へヴンキャンセラー)が治療したお前の身体が“また”8つのパーツに分かれるぜい」
上条「え?“また”?」
浜面「え?何!?俺ってh/a/m/a/d/u/r/aの状態で搬送されたのか!?」
上条「ぶった切られた俺の右腕が後遺症も無くくっついた時には驚いたけど・・・・、あの医者、やっぱチートだな」
土御門「まぁ、そんなことは置いといて、俺から今回の結末を説明させてもらうぜい。まず、上やんがボロボロになって帰ってきたことで女子共が狂乱。色々となった挙句、あの様だにゃー」
浜面「いや、色々とかそういう問題じゃないだろ。」
上条「オークション会場が地下だったのに、地上まで完全に消し飛んでるじゃねえか」
土御門「話は最後まで聞くにゃー。その騒乱で判定用のコンピュータが壊れたせいで落札者も不明。その結果が気に入らなかった女子共は八つ当たりで周辺に攻撃したら、警備員(アンチスキル)に一斉検挙されたにゃー」
上条「うわー。あの面子を逮捕した警備員すげぇ」
土御門「でも入院患者のほとんどが警備員。あと、アイテムへの報酬だが、さすがにやり過ぎだから9割引きで400万円くらい口座に振り込んだんにゃー」
浜面「まぁ、報酬が振り分けられない俺には関係ない話だけどな」
上条「お前も案外不幸なんだな」
土御門「ちなみに俺がコツコツと貯めてきたポケットマネーで用意した4千万円のうち3600万円はお前らの治療費と今後の入院費でブッ飛んだけどにゃー」

上条・浜面「「ありがとうございます!土御門大明神様!!」」

土御門「はっはっは。誉めてももうお金は出ないぜい。しばらくは義妹に賄ってもらうにゃー」

472 457 :2013/03/20(水) 21:34:11 ID:/nXZNXms
後日談

退院してすぐに家に戻った上条を待っていたのは、

“おるそら達と一緒にしばらくシスターの修行の旅に出ます。捜さないで下さい。 インデックス”

“彼女には僕が付いている。君は安心して永遠に彼女の帰りを待つといい。 byステイル”

というインデックス直筆の書置きがテーブルの上に残されていただけだった。

上条(ステイルと一緒なら安心か。まぁ、上条さん的には食費が浮いて助かるんですけどね。)

そして、久々に学校に行けば姫神はずっと学校を休んでいるし、吹寄(オデコデラックスバージョン)の頭突きを喰らってしまい、小萌先生に嫌〜な雰囲気の職員室に呼び出されてしまった。

そして下校中

上条「上条さんだって被害者なんですー!!不幸だあああ――――――!!!」
美琴「やっと見つけたわよ。」
上条「ビリb・・・じゃなくて御坂・・・・。えーと、そのー・・・・・」
美琴「何?どしたの?」
上条「上条さんはピュアでノーマルで健全な男子高校生なんですー!!」
美琴「ちょsgjfdv、あれは黒子が勝手に言ったのよ!!」
上条「嘘つけ!!あれ以降も卑猥な言葉を連呼しまくってたって、土御門から聞いたぞ!!」
美琴「ああ!その事は言わないで!!やっと、留置所から出てきて、忘れられてたのにー!!」
上条「今のは右手じゃなかったら危なかったぞ!!」
美琴「忘れろ!忘れろ!脳細胞ごと焼き尽くして記憶を消してやる!!」
上条「それはもう経験済みなので勘弁してください!!」


青ピ「ああー。上やん。またラブコメってるやん。」
土御門「本当に羨ましいぜよ。けど、それで誰ともくっつかないのが上やんらしいにゃー。」
青ピ「けど、女の子にあそこまで醜態晒させておいて、誰も選ばないってのは残酷なことやで。」
土御門「まぁ、あれだにゃー。」
青ピ「ホンマ、あれですやん。」
土御門・青ピ「「“釣った魚に餌を与えないのが上条流”」」

上条を巡る女達の仁義なき戦いはこれからも続く。

彼が誰かの想いに気付くまで・・・・。

473 457 :2013/03/20(水) 21:34:31 ID:/nXZNXms
これで以上です。ありがとうございました。

474 ■■■■ :2013/03/28(木) 00:09:14 ID:EaY6dJOA
gj

475 ■■■■ :2013/03/28(木) 00:09:29 ID:EaY6dJOA
gj

476 ■■■■ :2013/03/28(木) 15:02:59 ID:OnS3g7uc
gj

477 ■■■■ :2013/04/16(火) 20:44:20 ID:g23ZverQ
牧田さんェ…もう禁竜の続き書かないの?あそこまで連載して、完結させずに投げ出しちゃうの?
アニレー二期も始まって最愛ちゃんも活躍するというのに

478 ■■■■ :2013/04/17(水) 14:51:21 ID:7pFlbgWg
GJ!!!

479 ■■■■ :2013/05/16(木) 18:26:28 ID:806hD30k
>>477
twitterにはたまにいるよ
受験終わりの新学期で忙しいみたい

480 ■■■■ :2013/05/18(土) 00:26:26 ID:MvAf00VM
>>479
おお、マジですか。はやく連載再会してほしいな

481 ■■■■ :2013/05/22(水) 19:15:34 ID:cvCxw0/M
>>480
一応書いてはいる、的なこと言ってた
忙しい学校なのかもしれない

482 牧田さん :2013/07/20(土) 15:19:41 ID:7czRrRTI

一年ぶりです牧田です。
とても久しぶりですが、『禁竜召式(パラディンノート)』の続きを投下したいと思います。
今回は14か15レスほど頂きます。

483 牧田さん :2013/07/20(土) 15:23:45 ID:7czRrRTI
・・・・・・と、思いましたがゴメンなさい
なぜか右クリックが反応しないのでペーストできないです・・・・・・

ネカフェかどこかへ出かけてそこで投下します。
今日中には何とか・・・・・・

484 牧田さん :2013/07/20(土) 15:29:10 ID:7czRrRTI
言い忘れていましたが、今回もオリジナルまみれですので、あしからず

485 ■■■■ :2013/07/20(土) 19:40:38 ID:yl4hLbYM
>>482-484
「……戻ったか」
「戻ったか」
「戻ったかッ!!」

「「「牧田さんッ!!!」」」

連載再開おめでとうございます。夏休み初日から朗報ですなぁ
禁書の夏、SSの夏

486 牧田さん :2013/07/20(土) 23:55:47 ID:ZCrQb.vY
時間が空いてしまいましたが、投下始めます

487 牧田さん :2013/07/20(土) 23:56:33 ID:ZCrQb.vY

十月一六日午前二時三五分。ハイドパーク中央広場。


月明かりが煌々と差し込む深夜の大広間には、一面を覆い隠すようにして、ルーンが魔法陣の役を果たすために“規則正しくバラまかれていた”。
しかしそれは一見、雑に捨てられているようにも見え、それらのルーンが『規則正しい』と気づく者は殆どいない。

アニェーゼ=サンクティスやそれが指揮する修道女部隊は、絶対にその足を止めぬよう、そして何があろうとその眼から『敵』の姿を外さぬように、凸凹の混じる広場をひたすらに駆け続ける。

「走れ!! 避けろ!! 油断するな目を凝らせ!!」

アニェーゼの怒号が広場へ響き渡る。霊装によって言霊化されたそれは、不自然なほど広範囲に走っていった。
もはや陣形という概念を一時的に捨て去り、部隊長の簡潔すぎる命令を選択した修道女達は、広場の外側から回り込むように大量に降り注ぐ『ロキの咆哮』の対処と、それを操る術者への攻撃も申し訳程度に視野に入れ、走り続ける。
回避、回避、思考、回避、思考、思考、攻撃、失敗、回避、援助、回避・・・・・・ひたすらにこの作業を繰り返し、彼女等の神経はかなり擦り減らされていた。
アニェーゼからは少し前に「命が無くなりそうなら広場から出ろ」との指示は受けていたのだが、『ロキの咆哮』により繰り出される真空刃は無言詠唱の後“一度クリスタルの真横に大きく展開され、外側からカーブを描いて”襲い掛かってくるため、数人の助けが無いとそもそもが外へなど安全に出られない。先程の林の中での奇襲のように煙幕の類は使われていないが、攻撃の量は桁違いだ。
つまり彼女達は、かなり広範囲とは言え、半ば真空刃の群れに閉じ込められたような状態に陥っているのだ。

(あー、全く。格好つけた割に、随分情けないことになっちまいましたねぇ)

「・・・・・・っ!! シスター・アニェーゼ!! このままでは本格的に八方塞りです!! ほんの一瞬だけでも隙をついて態勢を整えるべきでは!!」
車輪の爆破を利用し、不自然な動作で真空刃を避けるルチアの言葉に、素の身体能力で回避を続けるアニェーゼは『異常なほど』落ち着いた様子で返した。
「大声で指示しといて何ですが、別に慌てる必要はありませんよルチア。度合いは違えど消耗しているのは相手も同じでしょうし、それに幸い『ロキの咆哮』の命中精度はかなり悪い・・・というかそもそも、あれは数打ちゃ当たるで打ちまくってる節があります。先の戦闘でクリスタルが使ったような、・・・・・・っ!! と危ない」
アニェーゼは迫り来る刃を軽くかわし、体勢を立て直して言葉を紡ぐ。
「・・・・・・先程の戦闘でクリスタルが使っていた『ただの真空刃』と違い、攻撃力も命中力も低い。この『ロキの咆哮』は単なる時間稼ぎでしか無いのでしょう。実際、クリスタルは刃の弾幕を張り続けてはいるものの、それ以外は何もしようとはしてきませんから」
「確かにそうですが・・・・・・」
ルチアの自身無さげな声にも、アニェーゼは表情を変えない。

「それに、最初よりは楽でしょう? “さっき神裂さんが来てくれてから”、相手の目は殆どそっちにいっちゃってるんですし」
「アナタと神裂火織が異常なんですよ!! こっちは避けるだけで精一杯です!」
「だから、避けるだけなら余裕なんでしょう?  『今日はみんな調子良いみたい』ですし、まだ問題は無い・・・・・・と思います」
アニェーゼはちらりと右に首を動かし、戦闘開始直後に応援にやって来た『聖人』を視界に入れた。

アニェーゼにはよく分からないが、何かワイヤーのような物を使って地面を盛り上げて敵の刃を容易く受け流す圧倒的な存在が、そこにあった。
神裂火織。世界に二十人といない『聖人』が、ようやくアニェーゼ部隊と合流したのだ。

488 牧田さん :2013/07/20(土) 23:57:16 ID:ZCrQb.vY

=========================

[行間]


絹旗最愛は、広場へ着くまでは漠然とした疑問を持っていた。
それはアニェーゼ達への恩、などという取ってつけたような理由では説明しきれない彼女の気持ちに対してだ。

それはどうしようもなく熱く、何よりも胸躍る好奇心が彼方まで広がっていくような感覚だった。


(・・・・・・何故、こんなに超戦いたいと思うのでしょうか? こんなに超突き進みたいと思うのでしょうか?)


絹旗は、闘いたい。今はとにかく闘いたくて堪らない。その理由はもはや分からないが。
彼女は今、内側から湧き上がる意味不明の欲望に逆らうことが出来なくなってきている。

(分からない。分からない。私は何で歩を進めている? 超アニェーゼへの協力? 滝壷さんへのお土産の奪取? ・・・・・・違う。どれも違う。どれも、どんな理由も納得できない)

絹旗最愛は、密かにそんな事をずっと考えていた。

489 牧田さん :2013/07/20(土) 23:58:11 ID:ZCrQb.vY

そして、アニェーゼ部隊とクリスタル=アークライトとの相対の後、アニェーゼが『何かに駆り立てられたように』広場へと進入した時のこと。
当然、部隊の一員として参加している絹旗も同時に広場の中心の敵へと、走り出した。


そして、その瞬間、

(・・・・・・私は)

絹旗は走る。そして考える。

(私は 何をして い る)

絹旗は走る。眩暈がする。

(わた し は なにの ために ここ に ?)

走る。頭が痛い。

( ど   う   に   して   れが ?)

走る。呼吸が安定していない。

( なに   が  い  不  り  ? )

走り続ける。月明かりが溶岩のように蕩けていく。

(   わ     は   ?   い   れ    そ )

走り続けて、そして、

(      私ハ、  ? )

490 牧田さん :2013/07/20(土) 23:58:44 ID:ZCrQb.vY

そして捉えた、目線の先の一人の女の姿。
征服者のような佇まいのそれは、認識上では絹旗最愛の敵とされているクリスタルという人間だった。

(・・・・・・クリスタル=アークライト・・・・・・)

熱湯のに放り込まれたような感覚を背負い、濁った視界を通して脳が目の前の世界を把握しようと奮闘する。
そして今、絹旗が走っている理由を簡潔に誤魔化す手段が、彼女の脳内から半ば強制的に引きずり出された。



(そうだ、今、私は、あの女を、)


見えない鎧を、心身共に満遍なく張り巡らして、





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・超、ぶっころせば良いんでしたね?」



ぐんにゃりと歪んだ視界と思考の中で、
誰にも気づかれる事無く、


絹旗最愛は壊れた。

491 牧田さん :2013/07/20(土) 23:59:34 ID:ZCrQb.vY

==============================

そこでは、ガキィィン!! という、重い音が絶え間なく聞こえていた。
金属音と爆発音とが問答無用に響きあうその広場で、微かに鳴る斬撃を繰り返す神裂火織は冷や汗を拭う暇もなくその身体を稼動させ続けていた。
「アニェーゼ!! これでは埒があきませんよ!! 『なぜ一時撤退の指示を出さないんですか』!?」
神裂は蝗害のように降り注ぐ緑色の真空刃を凌ぎながら、通信霊装を介してアニェーゼへ叫んだ。
「ルチアの言う通り、ここは一度引き下がるべきです!! 広場の外へこの弾幕が及ばないというのなら、それに甘えて不都合は無いはず!!」
一人だけ、周りと比べて明らかに捌く攻撃の数が多すぎる彼女は、それでもそれらを若干の余裕を残して対処し続け、同時進攻でアニェーゼを睨みつける。
対するアニェーゼは『聖人』の言葉に臆することはなく、あくまで落ち着いて言葉を返した。無論、迫り来る真空刃を軽やかに避け続けながら。
「そうは言いましてもね、神裂さん。・・・・・・今現在、負傷でこの広場から離脱した修道女が何人いるかご存知ですか?」
「な、何を呑気に質問しているんです貴方は!!」
「うるさいですねいちいち・・・・・・現在の離脱者は、六人です」
神裂は霊装越しに聞こえたその数を聞き、少なからず驚いた。
「六人、ですか・・・・・・!? 失礼ながら、もう少し多いものかと・・・・・・」
「ええ、まあ、『貴方の存在』が敵の意識と攻撃を多めに持っていってくれてますし、今現在襲ってきている『一人平均三秒に一発程度』なら、うちの部隊でも充分避け続けられる量ですしね。実際、避けれてますし。当たるときは当たるでしょうけど」
「それでも充分に無茶な話でしょう・・・・・・!!」
ちなみに神裂が現在受け続けている真空刃は、他の修道女の約三倍、つまり一秒間に一発食らっていることになる。もっとも『ロキの咆哮』はそれ自体の命中精度が高くなく、そもそもクリスタルは修道女達を細かく狙って撃っている訳ではないので、妙に多く攻撃のやってくる数秒間もあれば、その逆のまたある。

「驚くのはそこじゃないですよ、神裂さん。貴方、クリスタルの足元に何か見えませんか?」
「足元?」
神裂はなおも迫り続ける刃を紙一重で綺麗にかわし、常人には有り得ない視力でもって二十mほど離れたクリスタルの足元を見た。
広場に適当(に見えるように)ばら撒かれたルーンのカードの密集率は、中心に近づくほど、つまりクリスタルに近づくほど増していき、彼女の足元はカードの山のような状態になっていた。そしてそのクリスタル近くのルーン上に、アニェーゼの言ったそれは見えた。
「あれは・・・・・・、アラビア数字の『5』?」
ぐしゃぐしゃに積まれるような形のルーンの上に、『5』という数が浮かび上がっていた。それはとても薄い光で、目を凝らさないと見えるはずがないほどだった。
「あれは一体・・・・・・?」
「よく、見ててください神裂さん」
そう言うと、アニェーゼは数m離れた『遠爆』第一班の金髪の修道女に、とある指示を出した。
『仲間の手を借り、お前だけ一時離脱せよ』という指示を。
金髪の少女は一瞬困惑したような表情を見せたが、すぐに周りのシスターに援護を依頼し、防御術式を何人かのシスターに施されながら弾幕に逆らうように広場の沿を目指して走り出した。
そして、彼女が広場の外周へと無傷で到達したころに、
「神裂さん、耳を澄まして」
アニェーゼがステップを刻んで攻撃を受け流しながら、静かに言った。神裂もそれに従い、耳の神経を尖らした。
すると、

カチッ、と。

大量の雑音が蔓延る空間では、とてもとても聞こえ辛い音が鳴った。

492 牧田さん :2013/07/21(日) 00:00:18 ID:r39TFej2

そしてそれと同時に、神裂は再びクリスタルの足元の数字を見て、そして異変に気づく。
「・・・・・・数字が・・・『4』になっている・・・・・・?」
「日本語で言うと、カウントダウン、ってやつですかね。私も気がついたのはついさっきなんですが、どうやら最初は『9』だったみたいですよ。広場から出た人数、それも『髪の毛が金色のシスター』の数だけが、そのままカウントされてるみたいです。現在離脱したシスター七人の内、黒髪と赤髪が一人ずついましたし、この二人の装飾物や霊装に金色黄色が混じっていたので、どうやら『髪の毛が金色』というのが重要らしいですね」
「髪の毛が金色? カウント? それは、つまり・・・・・・」
「・・・・・・『ロキの軌跡』の第三段階は、恐らくあのカウントダウンの先にあります」
心無しか、少し勢いの弱まった弾幕の中でアニェーゼは通信霊装に声を送り続ける。
「第二段階の『咆哮』とは、つまり『ロキの捕縛』。これは、酒の席で他の神々を侮辱したロキが、その息子ナリの腸で拘束され、洞穴にて蛇の毒液を垂らされ続けた説を元にしていると見て間違いないでしょう。そうなれば、それが解かれる時にやってくるのは何か、分かりますよね?」
北欧神話に於いて、ロキがその戒めから解き放たれるタイミングは、神話の終盤。つまり、
「『終末(ラグナロク)』、ですか」
「ええ、その通りです。元々が巨人族の一部だったロキはその後、アース神族を滅ぼすために巨人族を引き連れて出陣したと伝えられています。つまりクリスタルの扱う『ロキの軌跡』の第三段階は、恐らく巨人をモチーフにしたものなのでしょう。これだけ大量のルーンを“規則正しく配置している”ので、何が来るかは大体予想できちまうんですけどね」
バラバラに見えるように広げられたルーンの真意に、アニェーゼはすでに気づいていた。神裂はそれに対しては特に驚きもせず、尚も迫り来る刃を捌いていく。
「なるほど、『ロキの捕縛』ですか。確かにそれなら説明はつきますが・・・・・・、しかし、貴方が先程言った『金髪のシスターがカウントされている』というのは、そこにどのように絡んでくるのですか?」
離れた場所で別々に動きを続ける二人は、周りに注意を払いつつ会話を続ける。
「そもそも神裂さん。ロキ、つまり巨人とは、元々“どの属性を表すか”ご存知ですよね?」
「・・・・・・北欧神話での、それもロキの話だと言うなら、巨人は原初のユミルの説に従って『霧』。霧は水分と認識されがちですが、古来の捉え方では大気の流れの一種、つまりは『風』を表しますね。しかしそもそも“ロキは『嘘』の役が一番メジャーですし”、だからこの広場には、ロキの属性とは関係の無い緑色のルーンがばら撒かれているのでしょう? それだけで『嘘』が成立する上に、ルーンというのはそれ自体が結界になったり魔法陣になったり色々便利ですから」
「それがそもそも、おかしいんですよ」
「・・・・・・と、言うと?」
「“ロキは『嘘』を表す”。これは、魔術世界での最もポピュラーで扱いやすい認識のはずです。第一段階『ロキの虚言』の人を欺くという性質から見ても、クリスタルがこれを応用しているのは間違い無いでしょうが・・・・・・、肝心なのは第二段階、つまり今現在の『ロキの咆哮』です。咆哮、というのはロキが動きを封じられ、毒液を垂らされた際の痛みによる叫び声のことです。・・・・・・まあ要するに、それを表す為には“ロキは封じられていなければならない”んですよ」
「・・・・・・」
神裂は少しだけその言葉の意味を考えた。
そして、“少し考えただけで分かってしまった”。

493 牧田さん :2013/07/21(日) 00:01:11 ID:r39TFej2



神裂火織が理解できたことは、此方の認識に混ざる矛盾に関してだった。
『把握報網(MasterNet)』からの情報や、実際にこの目で見る限り、『ロキの軌跡』はルーン以外の魔力媒体を使用していないし、それらしい霊装も無い。
(つまり広場に置かれたルーンの中に、『ロキの咆哮(捕縛)』の性質を示すことの出来る、ロキを縛り付けていた『ナリの腸』、つまりは『嘘を打ち消す何か』があるはず。『嘘』を構築してそれを後から意図的に封じることが、ロキを生み出してそれを縛り付ける役へと直結するはずですし・・・・・・)
しかしクリスタルによって用意されたのは全て緑色、『土』のルーンである。これでは『嘘』を正当に表せてしまうため、『ナリの腸』が成立しない。
(しかしアニェーゼの話に寄ると、敵が言い放つ詠唱は決まっていて・・・・・・)

『C E V U U D D(五大の元素の第一 風よ 力を解き放ち 神に属する愚か者を狩り尽くせ)』

使用するルーンは『土』。詠唱では『風』。正しく巨人(ロキ)を表す風属性によって、“『嘘』は『真』に上書きされる”。
(この時、媒体よりも詠唱を優先しているとすれば、これで上書きされた『ナリの腸』の役は果たされるはず、ですね)
カチカチと高速で動く時計になった錯覚に囚われながら、神裂の脅威的すぎる考察は続く。

(もう一つ、私が此処へ到着した頃にルチアから伝達でもって、大抵の状況は知らされていた。その中にこんな事実がありましたね)

『アニェーゼ等が広場の外で居る時には、詠唱付きの真空刃で牽制。広場に進入した後には、詠唱無しの攻撃』

つまりアニェーゼ部隊が進入する以前には『ナリの腸』が成り立っていて、彼女達が戦闘へと乗り出してからは『ナリの腸』が成り立っていないことになる。
そしてそれを数秒かからずに考え終えた辺りから、神裂の頭にもう一つの選択肢が浮んだ。


つまり『金』髪のシスター。


金髪。それはそう称されるだけであって、実際に金色に光っている訳ではなく、その色は『黄色』である。
黄色は『風』の属性の色。『嘘』で構築された広場に、正しい属性を表す少女達が進入する。
この時、媒体よりも『アニェーゼ部隊の存在』を優先しているとすれば、“『嘘』は『真』に上書きされる”。髪の毛とは個人の存在の中で最も目立つ部分の一つであるため、それ自体を重視して『風』の役としていても不思議ではない、はずだ。
(・・・・・・今日は、妙に頭が回って助かりますね。もしそうなら、金髪と認識されるシスターが居ることで『ロキの咆哮』の発動条件は満たされる訳で・・・・・・)
逆に言えば、それらの『風』の役を持つ金髪の少女達がいなくなれば、ロキの捕縛が解かれるということになる。
(・・・・・・それが、クリスタルの足元のカウントダウン。具体的な数字が書かれている所を見ると、一定数のシスターが広場から出ていった時点で“ロキが解放された”と術式が認識するように設定されているのでしょう)
例えば『風』の役を背負わせる者をランダム、または意図的に『選択した』とすると、自発的に離脱したシスターがカウントされていく説明がつかない。特定の人物云々よりも『風』の役が出て行く、という事実が重要なのだろうと神裂は予想した。ちなみにこれは正解なのだが。


(そう考えると、第三段階はあと四人の黄色い髪の毛の離脱者が条件。霊装や装飾の『黄色』は、どうやら関係が無いようですし。・・・・・・しかしアニェーゼは、まさか、これに気がついて・・・・・・?)
神裂は疑問を感じながらも、アニェーゼへの通信を再開した。

494 牧田さん :2013/07/21(日) 00:02:05 ID:r39TFej2

「神裂さん、ですか。“何秒か”黙ってましたけど何か分かりましたか?」
「・・・・・・ええ。『金髪が風の役』ということまでは、大体」
「そんなに分かったんですか。まあ、実は私もでしてね。お互い冴えているみたいでラッキーです」
「それは・・・・・・、いいですから。それよりも、貴方はさっき『ロキの軌跡』に関して「大体予想はつく」と言いましたよね? その予想を教えてください」
アニェーゼは少し間を空けて、面倒そうな声を出す。
「・・・・・・ま、多分アレですね。あの、ほら、ステイルとかいう不良神父が使っている滅茶苦茶に物騒な術式あるじゃねえですか。多分それです」
「・・・・・・もしかして『魔女狩りの王(イノケンティウス)』のことですか?」
「あー、はい。多分そんな感じの」
神裂は呆れたように息を吐き、会話を続けた。
「特士召喚術、ですね。特定の数のルーンがある限り決して倒れない戦士を呼び出す術式。もしもその予想が正しいのならば、北欧神話の『巨人』か、はたまたロキそのものがそのまま召喚されるかもしれませんね」
その言葉に、アニェーゼは思い出したような声を送る。
「そうです。私はそこまで予想していて、尚且つ考えていたんですよ。今の状況ではみんな、・・・・・・いや正確には何人かのシスターを除いて、『ロキの咆哮』を充分に捌ききれています。反撃はままなりませんがね。ですがもし『ロキの軌跡』が第三段階へ移行した時に、今とは比にならない“絶望的な状況が始まる”としたら・・・・・・、と。そんな事を数分も考えこんでしまっているんですよ。本当に情けない話ですが」
「絶望的な、ですか・・・・・・。それで硬直していたのですね貴方は。・・・・・・・でも、ですよ。アニェーゼ」
「なんです?」
神裂は広場の淵へとチラリと目を向けた。薄暗い林の出口には微かに『広場にあるものとは違う色のルーン』のカードが見える。
「つまり貴方の心配というのは、第三段階の『ロキの軌跡』が、自分達では対応できないほどの強大なものではないか、ということですよね。そういうことなら大丈夫ですよ」
「・・・・・・大丈夫とは、何がです?」
「貴方の言う不良神父が、コソコソと準備を進めているということですよ」
それを聞いたアニェーゼはすぐさま広場の外側へ首を回した。するとそこには神裂の言った通り、アニェーゼの脳裏にトラウマ混じりに焼きつく『赤いルーン』が広場の外側を中心に規則正しく並べられている様子だった。
不良神父、ステイル=マグヌスが応援に来ていたということだ。
「ステイルは、特士召喚術である『魔女狩りの王(イノケンティウス)』を扱えます。貴方の予想が正しくとも間違っていようとも、法王級の魔術が味方にいるというのは心強いでしょう? それに私に言わせれば『ロキの咆哮』をいつまでも受けつづけている方が、むしろ身動きが取れなくて危険だと思いますよ」
「・・・・・・ですね。じゃ、いきなりで悪いですが『離脱命令』・・・・・・ってことで、金髪を何人か追い出しましょうか。そうすれば『ロキの軌跡』は第三段階へ移行して、“もしかすると今より状況は良くなるかも”しれませんし」
「・・・・・・そうですか。では、お願いします。ステイルも、じきに参加するでしょうから、慌てずに」
そう言うと、神裂は通信霊装を切った。“いつもの神裂なら片手間では捌ききれないはずの攻撃”を、いとも容易く退けながら。

495 牧田さん :2013/07/21(日) 00:02:42 ID:r39TFej2

本当は神裂はわざわざアニェーゼに丁寧な助言などせずに、彼女自身がシスター達に指示を出せば早かったのだが、そうしなかった。いや、できなかった。
アニェーゼ部隊のシスター達はアニェーゼの指示しか聞かず、アニェーゼ自身もシスター達はアニェーゼ=サンクティスの命令なら自殺以外何でも聞き入れるものだと信じているのだ。

(彼女達は相変わらず、怖いほどに一途で、従順。それは“いつも通り”。なのに、この言い表せない違和感は何でしょうか?)

神裂は、数人のシスターに離脱命令を出すアニェーゼを遠目で見ながら『妙に冴えた頭』で考えた。
(そもそも、アニェーゼは“なぜ『ロキの軌跡』の構造に気づく事が出来たのでしょうか?” ローマに正教にいたこともあり魔術経験が浅くないとは言え、あそこまで複雑に組まれた術式を状況と事象だけで見破るなど、常軌を逸しているとしか思えない)
しかも、と神裂は思わず呟く。
(金髪云々の術式構成に関して、クリスタル=アークライトが『元からそうしていた』とは考えにくい。具体的な人数を示して術式を動かしている辺り、“一番最初から金髪の人物が九人以上来る前提”でないと、そもそも『ロキの咆哮』が当たり前に発動できない。つまり、この『ロキの咆哮』に関する『風』の役の選び方は・・・・・・)
アドリブ、ということになる。アニェーゼ部隊が攻めてくると分かった時点で、その場で術式を改造して『金髪を風の役にする』設定を組み込んだのだ。天才の一族と謳われたアークライト家だが、どうやらそれは真実らしい。むしろ、噂以上だ。
(しかしそうなれば、ますますアニェーゼの『ロキの軌跡』への辿り付き方が化け物じみたものに思えてきますね・・・・・・。確かに古今東西様々な術式のパターンなどもローマ正教にいたころに学んでいたのだろうし、北欧神話に関してそれなりの知識があっても魔術師の一人として何ら珍しいことではない。それでも、禁書目録を保有するインデックスや対魔術に特化した『必要悪の教会(ネセサリウス)』でも無い限り、短時間であそこまで的確な分析は・・・・・・、)
そこで神裂は、気がついた。
(・・・・・・いや『必要悪の教会(ネセサリウス)』でも難しいかもしれない。何せ“情報が少なすぎる”。『ロキの咆哮』で常に攻撃に意識を取られ続けている中で、クリスタルの足元の数字と、敵の前説明だけでここまで糸を手繰り寄せるのは、至難の業のはず)
それならば、と神裂は思った。そして背筋が震えた。

(何故、私はそれを出来たのでしょうか・・・・・・?)

降り注ぐ真空刃を全て捌ききり、尚且つアニェーゼと同じように『ロキの軌跡』の構造理解へと辿り付いた『必要悪の教会(ネセサリウス)』の神裂火織は、それをとてつもなく疑問に思った。

496 牧田さん :2013/07/21(日) 00:03:44 ID:r39TFej2

(何かが、おかしい)
冴えすぎる頭。研ぎ澄まされすぎた感覚。今の神裂のコンディションは、『聖人』などいう枠を越えた“紛れも無い化け物のレベル”だった。何故かいつもより焦燥感が激しいせいで、中々この事態には気づけなかったのだが。
(あれだけの事を、この状況下で落ち着いて話せる自分が理解できない。あれだけの考察をしながら、敵の絶え間ない攻撃を完璧に弾いた自分を説明できない)

『ロキ』に関する知識については、アニェーゼと同じように元からクリスタルの術式に追いつけるだけのものはあっただろう。しかしそれらを数秒程で組み上げて、分からないところも予想だけで補って、しかもそれでしっかり矛盾が削れていくというのだから、さすがの神裂でも今の自分の能力の高さに気持ちが追いついていかないのだ。
(そしてそれは私だけじゃない。アニェーゼはもちろん他のシスター達だって、この量の攻撃を数分間も避け続けるだけの身体能力を持っていただろうか?)
神裂は知らぬうちに底上げされていた味方を見回した。皆、明らかに普段よりも動きが洗練されていて、『集団で力を発揮する』という部隊のキャッチコピーさえ疑わしくなってくる。

(何か、得体の知れない『方向』に引っ張られているような、そんな高揚感が湧き上がってくる。早く突き進んで行きたいと、頭が喚くように)
何かに身体を預けて引っ張ってもらえる時、人間はとてもリラックスして高い能力を引き出すことができる。“引っ張っていく側だった”神裂はそれをよく知っていた。だからこそ、少し時間がかかってもそれに気がつくことができた。
そして、神裂がそれを感じているということはつまり、
(何かが、いる。絶大な影響力を持つ『方向性』を生み出す何かが、この空間にのさばっている・・・・・・っ!?)
それに少しでも身を委ねるだけで、それに取り込まれるように個人のスタータスそのものが底上げされてしまう、絶大な『流れ』を生み出す者がこの場にいる。
(味方か、敵か、それとも・・・・・・?)


そしてその瞬間、またも神裂の説明できない勘が蠢きだした。
神裂は、何となく、本当に何となく、『方向性』の根源が“居るような気がする”所を見た。
チラリと見ただけのつもりだったが、今の神裂のとっての『何となく』とはつまり、真実に直結させることでもある。

(・・・・・・あれが、私やアニェーゼ達を化け物に変えた、『方向性』・・・・・・・・・・・・のような気がするだけですが、今の私がそう思うなら多分それが正解なのでしょう。しかし・・・・・・アレは・・・・・・?)

神裂の目線の先には、血走った目をした少女がいた。




絹旗最愛という超能力者である。

497 牧田さん :2013/07/21(日) 00:05:06 ID:r39TFej2

==============================

十月一六日午前二時三〇分。ハイドパーク内サーペンタイン湖辺。


「・・・・・・引き込まれるような、流されるような、うざったい感じがする。エーミル、本当にロクなことしないなぁ」
煌々と降り注ぐ月を見上げながら、一人の少女がのんびりと、散歩するように歩いていた。
横手に広がる池は真夜中の月を大きく映し出し、それ自体が大きな鏡のように煌いている。少女は何となくそれに惹かれ、後ろ手を組みながらゆっくりと池を覗き込んだ。
しかし、そこには誰もいない。覗き込んだ自分の目が、池に誰も映っていないことを認識できてしまっていた。
(・・・・・・映るわけないのに。馬鹿みたい)
自分の顔など、数年間見ていない。自分が綺麗なことぐらいは分かっているが、それでも自分の姿がこの目で確認できないのには不安がある。
(・・・・・・エーミルも、クリスタルも、みんな綺麗で、美しい。私は綺麗だけど、美しくない)
限りのある美こそが人の求める美しさであり、少女の美には儚さが欠けている。これから数百年間は顔が変わらない予定なのだから、当然だ。
刹那、少女は視界が濁った。涙が溜まっていたのだと分かり、慌てて拭う。
(悲しくない。寂しくない。・・・・・・はず、だけど)
言い表せない感情が、少女の心を薄黒く染めていく。

その時、湖を呆然と見つめていた少女は、不意に横からの足音を聞いた。
ゆっくりしているのか、テンポは遅い。足音は二人分聞こえる。

足音が止まった。音の主が口を開く。

「イラーリア=リビングデッド=ラウレンティスだな?」
「・・・・・・ええ、そうだけど。何か用? シェリー=クロムウェルさん」
イラーリアは目を向けずに答えた。対するシェリーは、頭を掻きながら言葉を続ける。
「月明かりを背負って湖を覗き込む、金色で儚げな少女、ね。・・・・・・アンタ、美しすぎるわ。芸術って以前に、本能的に痺れてくる」
「私は美しくも儚くもない。ただ綺麗なだけよ」
イラーリアはそこで初めて会話をしている方に顔を向けた。そしてシェリーの横のもう一人に笑顔を向けた。
「あら、ソフィアじゃない。こんなところで会うなんて、奇遇ね」
銀髪で片手に巨大な斧を携えたシスター、ソフィアだった。
「・・・・・・ああ、奇遇だな。ところでその気持ち悪い口調は何だ?」
「こっちが普通よ。そっちに居た頃は程よい馬鹿を演じる必要があっただけ」
「隠し切れてなかったがな」
「それは光栄ね」
そうしてイラーリアは手を解き、胡散臭いほど愛想の良い笑顔を露にしながら、もう一度質問をした。
「二人共、何か用?」

498 牧田さん :2013/07/21(日) 00:06:45 ID:r39TFej2
シェリーが何か言おうとしたが、その前にソフィアが前へ出た。
「お前、吸血鬼らしいな」
「半分ぐらいね」
「具体的には?」
「無限に等しい大量の魔力と水、鏡の類からの拒絶。不死身とまではいかないけれど、寿命は無い。治癒能力も、指一本くらいなら秒単位で再生するわ」
ソフィアが眉を顰めた。その手に持つ斧を強く握り締め、額に汗が浮かび上がる。
硬直しかけたソフィアに代わり、シェリーが質問を続けた。
「通信霊装ごしのカテリナから聞くところによると、アンタは敵で、吸血鬼。・・・・・・つい昨日まで同じ席で飯を食ってた事にはおぞましいの一言だけど、とりあえずさっきカテリナを殺さなかった理由を聞こうか」
「別に、理由があるわけじゃない。ただ『私の仕事はもう殆ど終わっているから』、あんまり余計なことをするつもりが無いだけ」
それよりも、とイラーリアは付け加えた。
「シェリーさんはともかく、ソフィアは何していたの? カテリナ達が心配していたわよ」
「・・・・・・単なる黒服狩りだよ。カテリナからの通信は、全部拒否してただけだ。それにどうせ向こうも大した心配なんてしてねぇ。大方『敵と間違えられて攻撃されたらたまんないから、のんびり捜そう』とか言いながら、公園内ブラついてただけだろ?」
「結構、分かっているのね。さすがにいつも同じ班なだけある」
「お前も、」
ソフィアは少し悲しそうな顔をした。

「お前も、今日たまたま違う班割なだけで、いつもは同じ班だっただろう?」

アニェーゼ=サンクティスの横暴についていけない者として、同じ境遇の仲間として、よくトランプをした仲だったはずだ。
イラーリアは目を細め、嬉しそうに口元を緩めた。
「・・・・・・私に騙されてご立腹?」
「怒ってはいない。騙されるほうが悪いんだからな。・・・・・・まあ、この話はもういい。そんなことよりも、だ」
そう言うとソフィアはポケットを探り、ワッペのような物を取り出して、イラーリアの前へ投げ捨てた。
それは十字に斜め線の入った、『対十字教黒魔術(アンチゴットブラックアート)』の象徴(シンボル)だった。
「それをつけてた男達は、一回倒しても蘇った。たまに蘇らない奴もいたが、俺の戦った奴の八割ぐらいは『蘇生術』を施されていた」
人体の強制回復術式、『蘇生術』。一度倒れても、もう一度だけは立ち上がらせることのできるゾンビ術式。ただし再生後は意思を失い、文字通りゾンビのような状態になってしまう。
ソフィアは先程シェリーから聞いたことをそのまま喋りながら、声を少し鋭くする。
「・・・・・・それ、黒服に施したのお前だろ?」
イラーリアは特に動じる様子もなく、淡々と受け答える。
「まあね。ちょっと噛んであげたってだけなんだけど。私の場合は他人を噛んでもその人が不死身になったりはしないから、ちょうどよく残機が増えるって訳。不完全な吸血鬼だしさ」
「噛んだだと?」
「そう。百何人も噛んで回るの大変だったけど、みんな愛想悪いわりには結構ノリノリで受け入れてくれたの」
イラーリアがそう言うと、シェリーが咳払いをして怪訝な表情で口を開いた。
「・・・・・・ちなみにだが、アンタは野郎共のどこを噛んだのよ?」
「? 首筋に甘噛みしたの。あんまり痛いのは可哀相だし、そこが一番効果があるから」
「首筋に、甘噛みだと?」
「だから、そこからが一番楽に効力発揮するんだって」
「(・・・・・・そりゃあ、男共もノリノリな訳だ)」
シェリーが何を言っているのか分からずキョトンとするイラーリアを見て、当のシェリーは呆れた顔をして溜息をついた。
「アンタ、黒服の部下達はどのくらい信用している?」
「そうね、あんまり。彼等は元々クリスタルに付き従いたくて集まってきた人が殆どだし、私の事もちょっと不思議な上司、くらいにしか思ってないはず」
「そうか。今後も、その姿勢は貫きべきね」
「どういうこと?」
「男はみんなムッツリスケベだって言ってんだよクソガキ」
実年齢的にはシェリーもイラーリアも大差無いのだが、人生経験的にイラーリアは少し純粋なようだった。

499 牧田さん :2013/07/21(日) 00:07:25 ID:r39TFej2
「・・・・・・よく分からないけど、何だかんだ言ってても私はまだ貴方達の目的を聞いていないわ」
話が逸れたと言わんばかりに、イラーリアは初めて不満そうな顔をした。
「ああ、そうだな。悪い。じゃあ単刀直入に言おう」
ソフィアはそう言うと、全く表情を変えずに右手に持つ『バルディッシュ』と呼ばれる巨大な斧をイラーリアへ突きつけた。
「お前がまだ動くようなら、俺達はお前の邪魔をする」
「・・・・・・へぇ」
イラーリアも表情は変わらない。しかし、明らかにソフィアを見る目が変わった。
「・・・・・・動く、ってほど大袈裟でもないけど。でも私としても『禁竜召式(パラディンノート)』が発動しないのも困るのよ。だから、『今の状態が続くようだと』私もクリスタルの援護に向かわなければならないかもしれない」
「今の状態が・・・・・? まさか、アニェーゼ部隊がクリスタル=アークライトを圧しているとでも?」
「まさか、『今は』そんな訳ないじゃない。ていうか、自分のいる部隊くらい信用してあげなさいよ」
「神裂火織と不良神父が予定通り合流してくれりゃあ、ちょっとはマシになるとは思うが・・・・・・。それよりも、それが無いってんなら何でお前がクリスタルに増援として向かう必要がある?」
「ハァ・・・・・・、ちょっと親切に答えてあげたらすぐ図に乗って質問重ねてくるのね。まあ、答えてあげるけど」
イラーリアは首を傾げるような仕草を見せた。

500 牧田さん :2013/07/21(日) 00:11:31 ID:r39TFej2
「多分、キヌハタかな? うちの魔術師に変な魔術かけられて、暴走寸前だと思う。もしかしたらもう手遅れかもしれないけど」
「・・・・・・なに・・・・・・っ!?」
ソフィアが驚愕の声を上げるが、イラーリアは構わず話を続けた。
「・・・・・・『あわてんぼうのサンタクロース』っていう術でね。貴方達は知らないかもしれないけれど、現代の日本で生まれた歌の名前のことよ。クリスマスなんかに子供達がよく歌っているらしいわ」
「に、日本の・・・・・・?」
「そう、日本の。別にその歌の歌詞だの起源だのに深い意味はない。ただそのフレーズが気に入ったってだけで、うちのエーミルとかいうキチガイ美女が“一つの魔術として完成させてしまったの”」
一九七〇年代に発表された、魔術的には何の価値もないただのクリスマスソング。しかしその歌は日本と全く関係の場所で、全く関係の無い人物に気に入られ、今は絹旗最愛に纏わりつく魔術として脅威を齎している。
「『あわてんぼうのサンタクロース』の効力は三つ。『理性を無視した問答無用の戦闘意欲の増幅』と『周囲への軽度の同症状』、そして『それに伴う周囲の身体、思考能力の上昇』。ちなみにこれらは時間が経つにつれて効力が増す・・・・・・ま、最後のに関しては、実際は増幅なんてレベルのものじゃないけどね。多分、アニェーゼ部隊は今ごろ研ぎ澄まされた化け物の集団になっているはずよ」
「化け物って・・・・・・、お、おい!! ならなんでわざわざそんな事をした!? こっちが強くなってそっちに何か得でもあんのかよ!?」
「知らないって。エーミルの独断だし、アイツが何考えてるかなんて分かる訳無いじゃない」
ソフィアが言葉に詰まっていると、シェリーがまたも口を挟んだ。
「つまり、思ったよりもアニェーゼ部隊が強くなりそうだからクリスタルへの応援が必要になる可能性があるって訳か」
「可能性というか、そうなるでしょうね。本来、私の役目は『禁竜召式(パラディンノート)』への魔力注入の時点で終了していたはずなのよ。それなのに何故かアニェーゼ部隊が対クリスタル掲げて出撃することになって・・・・・・。本当、運が無い」


「・・・・・・・・・・・・あー、まあ、何にせよ、だ。イラーリア」
愚痴をこぼすイラーリアに対し、落ちついたソフィアは再び巨斧を構えた。
「取り乱して悪かった。しかしお前のような化け物を、アニェーゼ達の戦場に放り込む訳にはいかないんだ。お前に動く気が少しでもあるっていうなら、ここで止めさせてもらう」
「横の銀髪に同じだ。化け物ならイギリス清教に沢山いるが、アンタは化け物すぎる。悪いけど本気で足止めに徹するわ」

ソフィアは『バルディッシュ』に薄い光を纏わせ、首を鳴らした。
シェリーは即座に魔法陣を地面に刻み、重々しい音と共にゴーレムを出現させた。
そして二人は静かに『覚悟』を口にする。

「・・・・・・『Pugno cupiditas156(戦欲に狩られし者)』」
「・・・・・・『Intimus115(我が身の全ては亡き共のために)』」

対するイラーリアは大して面白くもなさそうに、それでも笑っていた。
「現役『必要悪の教会(ネセサリウス)』に、アニェーゼ部隊最強のシスター、か。二人とも血の気が多いし、一筋縄じゃいかなそうだなぁ・・・・・・。しかも魔法名言っちゃってるってことは、こっちも応えなきゃ駄目か・・・・・・面倒臭いことするの好きなのかしら」

そしてイラーリアは両手にこの世の物とは思えない眩い光を生み出し、さきほどよりも口角を吊り上げてから同じように『覚悟』を言い放った。



「・・・・・・『Immortalitas666(死を殺す死屍)』。この名を脳を刻めるこの日を、死んだくらいで忘れないでよ?」

501 牧田さん :2013/07/21(日) 00:17:32 ID:r39TFej2
投下終了です。
いつになくカオスだったと思います。絹旗が戦う理由なんて最初から無かったという大きめの伏線回収
久々にソフィアさん出せて嬉しいです。お気に入りのシェリーさんとは意図的に二人で出しました、ハイ

誤字脱字のご指摘、感想お待ちしています。


蝗害は言いすぎたかなぁ・・・・・・

502 ■■■■ :2013/07/24(水) 00:56:34 ID:iVFeDlN6
いつものすっごい丁寧な人がくるまで待ってようかな、と思いましたが、
やっぱり感想言わせてもらいますー

まず見ていて引っかかった誤字脱字なんですが、
>>500の「ま、最後のに関しては、実際は増幅なんて」のとこ、直前の説明から見て増幅よりも上昇の方が自然かな、と思いました
>>501の「この名を脳を刻めるこの日を」のところ、脳を→脳に

感想ですが、
「あわてんぼうのサンタクロース」は、何というかこれを読んでて引っかかっていたところを一気に解消してくれましたね
絹旗が妙にやる気まんまんという伏線が回収され、その他シスター達も・・・
というかこの術が出てくること自体、神裂さんに説明させたかっただけなような・・・w
ですが辻褄がズレてはいないと思うので個人的には分かりやすくていいかと
そして『ロキの軌跡』ですが、思った以上に神話に沿っていて、禁書らしい魔術だと思います
『嘘』を作って封じるというのを繋げてきたのも中々練っていて面白かったです
ちょっとクリスタルさんが天才すぎる感じもしましたがw

言いたかったのは以上です。駄レス失礼しました

503 ■■■■ :2013/08/05(月) 22:27:02 ID:YiRPKdsg
過疎ェ・・・

504 ■■■■ :2013/09/08(日) 13:16:24 ID:QJqYi4Qg
乙ぅうううううううううううううううううううううううううううううう!!!!

505 ■■■■ :2013/10/07(月) 14:28:23 ID:mIKzhDDY
大丈夫なんかいな此処は…

506 ■■■■ :2013/10/22(火) 20:20:30 ID:LSy9GdrE
上琴以外のSSはこちらに投稿すればいいんですか?
超電磁砲風味なんですけども。

507 ■■■■ :2013/10/23(水) 23:29:07 ID:wMnESXT.
>>506
ここで大丈夫ですよ

508 ■■■■ :2013/11/09(土) 13:26:29 ID:0rxEVU/E
カモーン!!

509 ■■■■ :2014/02/12(水) 23:11:32 ID:0arb/KJw
アカンか…

510 ■■■■ :2014/04/01(火) 07:38:14 ID:4kQ5ZzP2
未だに過疎ってるのか…

511 ■■■■ :2014/05/27(火) 16:28:09 ID:Nql7.e2k
超久々に来たけど相変わらず過疎ってる・・・
垣根SSのおまけ書いてたけど捗らず、気づけば本編復活しちゃっておじゃんです

512 ■■■■ :2015/01/16(金) 21:30:02 ID:LtWe8aOY
ぐぬぬぬ………

513 ■■■■ :2015/03/24(火) 11:16:17 ID:SSs.hfp6
諦めて堪るか!!!

514 ■■■■ :2015/03/30(月) 00:13:22 ID:g0rhAeS6
ここで一方通行のss書いても大丈夫ですか?

515 ■■■■ :2015/03/30(月) 20:22:52 ID:e6s6K88Q
別にいいんじゃなかろうか。

516 ■■■■ :2015/08/12(水) 23:51:08 ID:hzcL2I8k
みこちゃんこと美琴さんはかわいすぎる

517 ■■■■ :2015/12/01(火) 19:31:22 ID:rYsii7/M
アルテミス

518 ■■■■ :2015/12/18(金) 23:58:36 ID:yiWFAxIU
みこちゃんこと美琴さんはかわいすぎる

519 ■■■■ :2015/12/18(金) 23:58:52 ID:yiWFAxIU
みこちゃんこと美琴さんはかわいすぎる

520 ■■■■ :2016/03/28(月) 00:03:21 ID:SFe2A6as
みこちゃんこと美琴さんはかわいすぎる

521 ■■■■ :2016/06/01(水) 02:41:14 ID:aDqS90ZY
もうそろそろ当麻くんと美琴さんもちょっと関係踏み込んでも良いよなあ。
イマブレもそうだが

522 ■■■■ :2016/07/17(日) 12:19:11 ID:H7wZ/eUU
もっと来い!!

523 ■■■■ :2016/10/17(月) 01:13:31 ID:LdzpF9GA
全ての始まりはSSだったなぁ

524 ■■■■ :2016/12/18(日) 12:59:11 ID:qjM.3jZU
ツンツン頭こと当麻くんと美琴かわいいなあ
イマブレや電撃もいいわ

525 ■■■■ :2017/01/06(金) 23:59:00 ID:cQYbL4ko
ツンツン頭こと当麻くんと美琴さんのやり取りいいなあ
イマブレや電撃のやり取り含めてな

526 ■■■■ :2018/04/07(土) 21:18:36 ID:hMdxvhys
懐古の客

527 ■■■■ :2018/05/10(木) 21:06:12 ID:kRzGo4o.
リメンバー・ミー

528 ■■■■ :2019/03/09(土) 14:05:35 ID:j/ju/Bn.


529 ■■■■ :2019/03/09(土) 14:06:58 ID:SLYNxWww
勝鬨を上げろ!!!

530 ■■■■ :2019/03/10(日) 17:41:25 ID:Bu0Oucn6
dsfdgfh

531 ■■■■ :2019/03/10(日) 17:41:56 ID:98BWNqv.
そんなに悔しかったの?

532 ■■■■ :2019/03/11(月) 18:08:00 ID:s4X9KBco
心の中が透けて見えるようだ

533 ■■■■ :2019/03/12(火) 18:19:24 ID:K1UV2Fnk
このまま勝ち逃げさせて貰おうか

534 ■■■■ :2019/05/08(水) 17:21:35 ID:sUhO/XRw
」4415

535 ■■■■ :2019/06/01(土) 19:07:29 ID:07bE7iiQ
56123513

536 ■■■■ :2019/06/11(火) 00:05:26 ID:PdBSxTNs
46315.123

537 ■■■■ :2019/07/06(土) 15:38:38 ID:y84Zq8e.
また勝ってしまった
公式は完全にこっち側だ

538 ■■■■ :2019/07/13(土) 01:31:15 ID:Cy7ITrYM
489612052

539 ■■■■ :2019/07/13(土) 01:31:56 ID:Cy7ITrYM
ツンツン頭こと当麻くんと美琴さんのやり取りいいなあ
イマブレや電撃のやり取り含めてな

540 ■■■■ :2019/07/16(火) 14:04:40 ID:mhVzFIyE
涼しいぜ

541 ■■■■ :2019/07/29(月) 16:19:33 ID:vmAcs5ts
ビリビリことみこっちゃんとツンツン当麻さんの公式カップルは最高

542 ■■■■ :2019/10/29(火) 20:27:22 ID:jx0o.m8A
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

543 ■■■■ :2020/03/23(月) 16:30:13 ID:DtZ7of56
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

544 ■■■■ :2020/03/31(火) 16:21:34 ID:6eVDlUeA
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

545 ■■■■ :2020/04/13(月) 18:29:16 ID:nRLDQ8Ic
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

546 ■■■■ :2020/04/29(水) 15:56:47 ID:c6750Z1Y
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル

547 ■■■■ :2020/07/13(月) 20:15:35 ID:yFG8asdM
ビリビリことみこっちゃんこと美琴さんとツンツンことイマブレこと上条さんは公式カップル


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

とある魔術の禁書目録 第8巻(初回限定版) [Blu-ray] / ジェネオン エンタテインメント



掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板