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とある2ちゃん初心者のてすと

150NGワード検索 ◆NwQ/2Pw0Fw:2011/10/08(土) 13:39:05 ID:olT0OV5c
 あー、まだ迷ってるのかー。どっちを選んでも魅力的だから、その選ばなかった選択肢がより魅力的に見えているんだろう。
 美琴を膝の上から隣に移動させ、上条は立ち上がる。さすがに、着替えの時までいる訳にはいかないので、このまま浴室だ。上条は既に着替えているので問題は無い。
 ポンポンと、美琴の頭を叩きそのまま手を乗せながら、上条は美琴へと話しかける。

「お前が大丈夫だったら、今日も泊ってくか?」
「……! うん!!」

 その声で美琴の顔から悩んでいた表情が欠片も無く吹っ飛ぶ。
 それに笑顔を返しながら、上条は浴室に引っ込む。
 それを確認してから美琴は立ち上がりパジャマを脱いで、何着か置いてある自分の服から今の気分に合う物を取り出して着替える。
 本当は制服じゃないといけないのだが、無視だ無視。と制服の存在を黙殺する。

 着替えながら、浴室のある方に顔を向ける。
 付き合ってもうしばらく経つのに、上条は今みたいに寝る時も浴室に引っ込む。
 自分は一緒に寝たいのだけれど、上条が美琴にはよくわからない事をいって、その勢いのまま浴室へ入ってしまう。顔を赤くしていたから恥ずかしいからなのだろうけど、それは自分も同じなのに。
 一緒に寝られない事は寂しいけれど、その行動が上条らしくて好ましくも思えるので、上条の部屋に泊る時は毎晩、中々に複雑な心境を味わっている。

「着替え終わったわよー」
「おー」

 浴室へと聞こえる様、美琴は少し声を張る。
 出てきた上条と入れ替わる様に、今度は美琴が中に入って髪型のチェックだ。その前に歯を磨いちゃえと、歯ブラシを手に取る。因みにおそろい。さらに言うならコップも。
 素早くしかししっかりと歯を磨いて、今度はきっちり髪型を整える。オレンジの白い花が付いたピンで髪を留めて完成だ。
 最後に少し鏡から離れて全身をチェックして終了。浴室から出ると、携帯を手に持った上条と目があった。

「準備、出来たわよ」
「お、じゃ行くか。っと、さっきインデックスからメール来たんだけど」
「インデックスから? なんて?」

 美琴の問いには答えず、上条はメール画面を見せる。
 そこには『ステイルと一緒に学園都市に来てるんだけど、一緒に遊べないかな』という内容のメールが。
 その内容を見ながら美琴はずいぶん成長したなぁ、と場違いだけれども思っていた。
 ひらがなでメールを打つのが精一杯だったインデックスが、今では漢字にカタカナ、そして絵文字まで使っていて。美琴は小さく感動していた。

「で、どうしますか?」
「決まってんでしょ。もちろん一緒によ!」
「へーい」

 上条は了解の旨と待ち合わせ場所と時間をメールに打ち、インデックスに返信する。
 携帯を閉じて顔を上げると、美琴の嬉しそうな顔があった。
 大好きな妹に久々に会えてうれしいのだ。かくいう上条も美琴と同じだ。
 待ち合わせは向こうの都合に合わせて今から1時間後。場所はそれほど遠くないが、待たせる訳にはいかないから、もう出発だ。
 美琴も同じ事を思っていたようで、上条が彼女へ視線を向けると同じタイミングで目があった。

「んでは、そろそろ行きますか、彼女さん?」
「しっかりとエスコートしなさいね、彼氏さん?」

 どちらからともなく手を取り、上条と美琴はそのまま部屋の外へと歩いて行った。


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