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2ch版「文学賞メッタ斬り!」物資集積スレ

1名無しのオプ:2005/04/08(金) 12:42:00
メッタ斬り企画の集積所です。
・文学賞の名称
・どういう賞なのか
・受賞作紹介
以上が揃っていれば、テンプレ・書式などはありません。
2chですし、ジャンルを愛するが故の苦言・悪口щ(゚Д゚щ)カモーン

19名無しのオプ:2005/04/09(土) 15:50:21
【本格ミステリ大賞】
本格ミステリの発展をめざし、作家・評論家等によって結成された本格ミステリ作家クラブが主催する。
小説部門と評論・研究部門に分かれており、それぞれ基本的に年一作ずつ表彰される。
芥川・直木賞を始めとして、賞の授受は選考委員が密室で決めるものがほとんどだが、
この賞は会員による投票形式で、投票の際は字数制限付きで「この作品を推す理由」が必須。
あくまで『本格ミステリ』にこだわって優劣をつけるので、各人とも熱いミステリ観を字数いっぱいまで
消費して語っているのがまたおもしろい。無効票も含めた全投票が光文社「ジャーロ」誌およびクラブのHPで
公開されるので、プロの面目にかけても適当なことは書けないと気合いが入るのかもしれない。
評論も含めて、マニアックな作品が受賞することもあるので初心者にはお薦めしづらいが、
ミステリの楽しさを味わいたい人はチェックされたし。

<受賞作>
・倉知淳「壺中の天国」(小説部門)
・笠井潔「オイディプス症候群」(小説部門)
・若島正「乱視読者の帰還」(評論・研究部門)

本格ミステリ作家クラブ 公式ホームページ
ttp://honkaku.com/index.html

20ライトノベル板の名無し:2005/04/09(土) 16:27:04
【角川学園小説大賞】
角川スニーカー大賞と並んで、角川スニーカー文庫を母体とする新人賞。選考委員を置かず、
角川アニメ・コミック事業部(当初はスニーカー文庫編集部)が選考を行う。現在は応募者の
年齢プロアマを問わなくなっているが、当初は三十歳までのアマチュア限定の賞で「ジャンルは
問わないが『学園』をキーワードにすること」となっていた。これは、先行するスニーカー大賞
の第一回受賞者(特に冲方丁)が「スニーカー文庫向きでなかった」ため、文庫で即戦力になる
若い新人を求めたためといわれている。
しかし結果的には、スニーカー大賞の方から、安井健太郎、吉田直、谷川流などの即戦力となる
人材が生まれ、学園小説大賞受賞者からは、第六回大賞「バイトでウィザード 流れよ光、と
魔女は言った」の椎野美由貴、第六回優秀賞「消閑の挑戦者〜Perfect King〜」の岩井恭平が
出ているが、それ以外の受賞者は大賞受賞者を含め、即戦力というには実績的にかなり厳しい。
その一方で「ネガティブハッピー・チェンソーエイヂ」で第五回特別賞を受賞した滝本竜彦が
スニーカー文庫外で単行本デビューして大ブレイク。賞の成立事情からすると、どうにも皮肉
な結果を出している。また、五つの新人賞を受賞して話題になった日日日(あきら)は、「ア
ンダカの怪造学」で第八回優秀賞を受賞している。

受賞作
「バイトでウィザード」椎野美由貴(第六回大賞)
読み手による毀誉褒貶が非常に激しい作品。2ちゃんねるライトノベル板では、ほぼ地雷(うっ
かり踏むと大ダメージを受ける作品)認定されているようだが、続編は快調なペースで発行され、
売れ行きも好調らしい。(理不尽キャラでも)妹萌えは強し? それともイラストに騙されてる?
「消閑の挑戦者〜Perfect King〜」岩井恭平(第六回優秀賞)
勝ち残りバトルゲームというライトノベルにはありがちの設定ながら、キャラクターのアクが
独特の味を出す。続編は一冊のみだが、次シリーズ「ムシウタ」がブレイク中。
「ネガティブハッピー・チェンソーエイヂ」滝本竜彦(第五回特別賞)
奇妙な味の奇妙な作品で、スニーカー文庫に入らなかったのもよくわかる。しかし、それこそ
奇妙なほど心の奥に響くものがある。作者は講談社等でも活躍し、最近はマスコミ等で「ひき
こもり世代の旗手」扱いされているらしい。なんだそりゃ?

21名無し文芸人@トーナメント中:2005/04/09(土) 19:39:13
【スーパーダッシュ小説新人賞】
集英社のライトノベル系新人賞。創設されていまだ第3回の、比較的新しい賞である。
審査員には高橋良輔、阿部和重、新井素子、堀井雄二(敬称略)らが並び、
豪華なんだか場違いなんだかよくわからない雰囲気を醸し出す。
そのせいか、第1回の「世界征服物語」は非常に前時代的なファンタジー物だった。
それに懲りたのか、第2回以降は方向性を転換し、以降、
「銀盤カレイドスコープ」の海原零や「よくわかる現代魔法」の桜坂洋などを輩出し、戦力を揃えつつある。
いま、最も伸び盛りのレーベル・新人賞の一つだと言えよう。

《受賞作》
「世界征服物語」神代明(第1回大賞)
異世界に召喚された少女の活躍を描くファンタジー。
どうにも雰囲気が古臭く、評価もイマイチだったが、作者は別シリーズで評価を上げつつある。
「銀盤カレイドスコープ」海原零(第2回大賞)
ラノベには珍しく、スポーツ(フィギュアスケート)を題材にした作品。
スケートシーンの描写の巧さが絶賛され、「地雷だらけのスーパーダッシュ」のイメージの変革に寄与した。
「電波的な彼女」片山憲太郎(第3回佳作)
一見するとファンタジーっぽかったり、ハーレム系のようだったりするけれど、実はグロめなサイコ・サスペンスという作品。
ミステリ的な楽しみ方はできないが、しっかりとした話作りには定評がある。将来を期待される新人。

22名無し文芸人@トーナメント中:2005/04/09(土) 20:02:12
【日本児童文学者協会 新人賞】
第一回は1968年という伝統ある賞(前身の「児童文学者協会児童文学新人賞」の第一回は1951年)。

2chとしては「絵本」「詩・ポエム」etc.に分類される作品の受賞も多い。
例えば、「少年詩」というジャンルで受賞した『しろかきの季節』『てつがくのライオン』や、
絵本『くろねこパコのびっくりシチュー』など。

デビュー作『空色勾玉』でこの賞を受賞し、「勾玉三部作」で読者を増やした荻原規子氏は
現在「ライトノベル」の分野で活躍している。


そんな中、児童書板の分野では『兎の眼』(1975年受賞),『グリックの冒険』(1971年)etc.が有名であろうか。

『兎の眼』は、 灰谷健次郎氏のデビュー作として余りに有名であり、未だに賞賛と批判とが戦わされている。
「最初に「子供」と「大人」とを、対等の人間として、共に血のかよった価値ある存在として描きだした」
という意味で、児童文学の世界で果たした役割は計り知れない。

『グリックの冒険』は、「ガンバの冒険シリーズ」の中で最初に発表されたもの
(実は、有名な『冒険者たち』は1972年の発表であり、そちらの方が続編に当たる)。
現在も多くの読者にとって記憶に新しい作品だが、受賞は『兎の眼』の4年前である。
「国産児童書初の本格ファンタジー大作」と紹介される事もあるが、それも強ち大袈裟ではないだろう。


こうして振り返ってみると、戦後児童書の歴史の中で節目となる作品に贈られている印象を受ける。

-----------------------------------------------------------------------------------------
24行。投票所は20行までなので、このまま投稿するなら分割が必要です。from児童書板

23名無しのオプ:2005/04/09(土) 20:18:55
【山本周五郎賞】
新潮文芸振興会主催で、「すぐれて物語性を有する新しい文芸作品」に対して授けられる。
受賞作はミステリ、時代小説、恋愛小説など幅広く、エンターテインメント作品で
純粋に楽しく読めるものが多い。
主催の関係上、新潮社刊のものが優遇されている感はあるが、工エエェ(´Д`)ェエエ工
という作品の受賞はあまり聞かない。個人的には、好きな作家に取ってほしいと思う賞である。
比較的ハズレは少ないこともあり、ジャンルを問わず小説好きならチェックをお薦めしたい。

<受賞作>
・稲見一良「ダック・コール」
・岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」
・京極夏彦「覗き小平次」

新潮社 山本周五郎賞のページ
ttp://www.shinchosha.co.jp/yamamotosho/

24名無しのオプ:2005/04/09(土) 20:54:25
鮎川哲也賞
ミステリーファン御用達の東京創元社主催の長編を対象にした新人賞
叢書企画「鮎川哲也と十三の謎」において
トリを務めるはずだった鮎川の作品が完成しなかった為に
新人の原稿を募集したことから始まった。
「本格の鬼」鮎川哲也の名を冠しているとおり作品の傾向は本格より。
初期には人材を多く輩出していたが、最近は不作気味。
受賞者よりも最終候補どまりだった人に売れている人が多い気がする。
<受賞作>
芦辺拓「殺人喜劇の13人」
加納朋子「ななつのこ」
北森鴻「狂乱廿四孝」

鮎川哲也賞
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/998826987/
東京創元社 鮎川哲也賞
ttp://www.tsogen.co.jp/ayukawasho/

25名無しのオプ:2005/04/10(日) 00:34:37
詩板物資投下時の注意事項
・詩板集積スレのものは投下しない
・その3最終行は>8→>7+>8をひとつにまとめて投下
・リーフレインさんの名前は消して 「名前はいらない」or文芸連盟@詩板協賛にする

26SF板より 星雲賞 1/2:2005/04/10(日) 00:53:45
【星雲賞】主催:日本SFファングループ連合会議

毎年夏開催のイベント、SF大会で発表される賞。第10回(1970年)の大会から毎回選出されている。
事前に候補作がノミネートされ、大会参加者が投票。結果は大会当日に発表、受賞者をその場で祝う。
筒井康隆8回、神林長平7回、小松左京6回など、SFファンの支持が厚いベテラン作家の受賞回数が多い。
受賞による販促効果は……まあSF読者には多少は。それよりもファンに支持されたという名誉が大事なのだ。

近年の受賞作:
神林長平「グッドラック 戦闘妖精・雪風」(2000年度日本長編部門)
正体不明の敵ジャムと人類との戦争。深井零と人工知能搭載の戦闘機・雪風の使命は「味方を犠牲にしても
敵の情報を持ち帰る」こと。前作「戦闘妖精・雪風」から零と雪風の関係性は変化してゆき、
人間・機械・ジャム間の相克へと発展する。日本の軍事SFの金字塔シリーズ。

野尻抱介「太陽の纂奪者」(2000年度日本短編部門)
2006年、何者かが水星の鉱物資源を使って太陽の周りに「リング」を建造し始めた。地球の日照量は激減、
リングを破壊する計画が進められる。しかしリングの建造者とのコンタクトに興味を抱く主人公は
破壊の方針に疑問を持つ…。本短編を導入とした長編版で、2003年度長編部門を再受賞した。

27星雲賞 2/2:2005/04/10(日) 00:55:20
パット・マーフィ「ノービットの冒険」(2002年海外長編部門)
小惑星に住むベイリーが、近所の宇宙空間でメッセージを偶然拾ったのをきっかけに冒険に出る。
トールキン「ホビットの冒険」の設定をそのまんま使ったスペースオペラ、ただしガンダルフやドワーフたちの
役どころが全員女性。原典を読んでなくてもそれなりに、読んでいればさらに楽しめます。

テッド・チャン「地獄とは神の不在なり」(2004年海外短編部門)
天使(比喩でなく本物の)が降臨するたびに天変地異が起こる世界。降臨で妻を失った男が、それでも
神を愛するのは何故か? 信仰って何なんだと考えさせられる。
「あなたの人生の物語」に収録。超高品質の短編集だが、寡作な作家なので次作が読めるのはいつなのか…。


本賞で表彰されるのは小説だけでなく、コミック部門、メディア部門、アート部門など
SF魂の感じられるものに幅広く光を当てている。話題になったところでは、メディア部門にゲームの
「ガンパレード・マーチ」、自由部門に宇宙開発を題材とした食玩「王立科学博物館」など。
まさにSFファンの祭典にふさわしい賞といえよう。

「カードキャプターさくr  (∩゚д゚)< アーアーきこえなーい
http://makimo.to/2ch/book_sf/998/998550549.html

28日本SF大賞 1/2:2005/04/10(日) 09:00:09
【日本SF大賞】主催:日本SF作家クラブ 後援:徳間書店

「最も優れたSFの業績を選んで顕彰し、SF界の発展に寄与すること」を目的として、1980年に創設。
その年度に発表された評価の高い数作から、選考委員の合議で決定する。
作家に与える賞の側面が強く、時機をはずすとその作家の代表作とは言い難い作品が
選ばれることもあるが、おおむねその年に最も強い印象を残した作品に落ち着く。

主な受賞作:
井上ひさし「吉里吉里人」(1981年)
東北の一寒村が日本からの独立を宣言した。全編コテコテの東北弁でつづる戦いの記録。
この前後数年の間に、筒井康隆「虚航船団」、大江健三郎「同時代ゲーム」など仮想国家を題材とした
作品が相次いで発表された。その流れを評価した結果として興味深い。

筒井康隆「朝のガスパール」(1992年)
ゲーム「まぼろしの遊撃隊」のキャラが現実世界に出現する。メタフィクションを得意とする作者が
パソコン通信を利用し、読者の反応を取り入れながら新聞連載で進行させた多重構造の物語。
インターネットが浸透した今なら実行しやすい企画だが、最終的に面白い小説にするのは至難のはず。

29日本SF大賞 2/2:2005/04/10(日) 09:01:08
神林長平「言壷」(1995年)
「私を産んだのは姉だった」という文章をコンピュータに入力すると、矛盾した文章であると勝手に
修正されてしまう。意地になって入力を成功させようとすると、言葉でなく世界のほうが変質していく…。
言語についての思考実験の結晶。80年代に「雪風」あたりで受賞しているべきだったが、ようやくこの年に。

冲方丁「マルドゥック・スクランブル」(2003年)
事故に偽装して殺されかけた少女バロットと、万能兵器のネズミ・ウフコック。二人の戦いは
復讐ではなく自らの存在を証明するためのものとなった…。出身(ライトノベルの新人賞)とか
若さ(受賞時26歳)に関係なく、真摯に書かれた小説が評価された。個人的にも嬉しかった受賞。


漫画、映像作品なども小説と同じ枠で審査され、過去には大友克洋「童夢」や
庵野秀明「新世紀エヴァンゲリオン」が受賞している。最新、2004年の大賞は
押井守「イノセンス」。国内でこれに評価を与えられるほとんど唯一の賞と思われるので
しょうがないかとも思うが、同じく非小説の幸村誠「プラネテス」が落ちたのは惜しい。

3068 </b><font color=#FF0000>(...DfWOs)</font><b>:2005/04/10(日) 14:14:12
【KAPPA-ONE登竜門】
2002年に創設。光文社・ノベルス編集部主催。対象は長編小説で応募期間は特になし、賞金もなし。
メフィスト賞(>>**)との違いは原稿用紙の枚数上限の有無とプロの受賞資格の有無という、
もろに2匹目のドジョウを狙ったような賞。
そのため創設が発表された時は否定的な見方が多かったが、
第1期の受賞作4作が地味に佳作ぞろいだったためにわかに注目を浴びる。
翌年発表された第2期はミステリー、SFアクション、伝奇小説と
メフィストとは一味違ったラインナップだけにさらに注目を浴びる。
しかしこの賞の名を不動のものにしたのは第3期の船越百恵「眼球蒐集家」だろう。
この小説、見事に某プロファイリングミステリー漫画をパクっていたのである。
しかもスレ住民がメールを送っても光文社側は黙殺、
またこのまま消えるかと思われていた船越も先月新刊を発売しスレ住民を呆れさせる。
KAPPA-ONEに明日はあるのか。

本格推理とカッパノベルスの哀れな仲間たち2
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1089470383/

3168 </b><font color=#FF0000>(...DfWOs)</font><b>:2005/04/10(日) 14:14:46
【KAPPA-ONE登竜門】続き
受賞作紹介
・石持浅海「アイルランドの薔薇」(第1期)
 アイルランドで起こった殺人事件。
 政治問題のために閉じ込められた状況で、日本人科学者フジが事件の謎を解く。
 現時点で受賞者の出世頭。
・東川篤哉「密室の鍵貸します」(第1期)
 転落死した死体は自分をふった相手、密室の中で一緒に居るのは先輩の死体。
 ピンチに立った戸村流平は知り合いの探偵と共に捜査を始める。
 やや上滑りの感が否めないジョーク以外は面白い。
・相原大輔「首切り坂」(第2期)
 明治四十四年初夏の東京で、語り継がれていた怪談そのままの事件が起こる。
 呪いなのか、そうでないのか。

追記。
今日現在受賞作は9作。そのうち船越の作品以外の8作はどれも佳作ぞろいなのでお勧めです。
ミステリーが読みたいなら1期の4作と上に挙げた相原大輔「首切り坂」がミステリーです。

32名無しのオプ:2005/04/10(日) 15:58:13
【江戸川乱歩賞】の一部
<受賞作紹介>
・岡嶋二人「焦茶色のパステル」(第28回・1982年)
 伝説のユニットのデビュー作。東北の牧場で、牧場長と競馬評論家が殺され、サラブレッドの
 母子も撃たれて死亡した。誰が、いったいなぜ? 殺された評論家の妻で一切競馬知識のない香苗が、
 友人の助けを得て謎を追う。主人公が素人だけあって、競馬の知識がなくても楽しめる一冊。
 サラブレッドを知る入門書にもなるかもw
 時代のせいか、著者の作品はタイトルが('A`) なものが多いが、これは秀逸。
・福井晴敏「Twelve Y.O.」(第44回・1998年)
 今年映画化ラッシュの著者、前年に最終選考で落選(「川の深さは」)したものの
 北方謙三選考委員に激賞され、翌年みごと受賞に輝いたのは有名な話。
 現在より文章も荒く読みづらい点はあるが、著者の原点とも言えるハードな作品である。
 何より「原稿用紙換算350枚程度」の応募規定により、現在の作品よりかなり短いのがありがたい。
・高野和明「13階段」(第47回・2001年)
 死刑囚舎房で七年間を過ごしてきた樹原は、自分の冤罪を証明するかもしれないあることに気づいた。
 偶然の喧嘩で傷害致死に問われ、刑期を終えたばかりの三上純一は、刑務官の南郷とともに
 樹原の無実を証明するために奔走する。
 刑務官、検察官など、死刑とその周囲の人々を描くスリリングな作品。
 反町隆史・山崎努で2003年映画化された。

33名無しのオプ:2005/04/10(日) 16:20:47
【日本推理作家協会賞】の一部(ミス板選対スレ285より転載)
<受賞作紹介>
・歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」
 ひょんなことから霊感商法事件に巻き込まれた「何でもやってやろう屋」探偵・成瀬将虎。
 恋愛あり、活劇ありの物語の行方は? そして炸裂する本格魂! 歌野晶午スペシャル・インタビューなども収録。
 (以上Amazonより引用)
 できるだけ先入観なしに読んで欲しいのでストーリー紹介はやっつけです。
 本格ミステリベスト 1位、このミステリーがすごい! 1位、週刊文春ベスト 2位に輝き
 本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。
 2003年の国内ミステリー最大の収穫。
・菅浩江 「永遠の森」
 衛星軌道上の小惑星にある博物館「アフロディーテ」
 そこに持ち込まれる美術品や鑑定依頼に
 直接接続者である学芸員田代孝弘が挑む。
 SF的な設定とミステリー的な構成、美しい描写を備えた連作短編集
 末尾を飾る「ラブ・ソング」の提出するイメージの美しさは自分には説明できません。
 個々の短編は独立して楽しめますが、掲載順に読むことを強く推奨
 日本推理作家協会賞 ・星雲賞を受賞
・都筑道夫 「推理作家の出来るまで」
 作者の都筑道夫について説明をすると
 EQMM(翻訳ミステリの総本山的雑誌です)の編集長を勤め
 SF、ミステリーの翻訳をし
 数多くの短編、長編、ショートショートを著し
 ミステリー評論(「黄色い部屋はなぜ改装されたか?」は基本書の一つです)を手掛ける等
 乱歩よりも幅広い分野で活躍した推理作家です。
 こういう人が書くと半自伝的エッセイも日本ミステリ史になってしまっています。
 日本推理作家協会賞を評論その他の部門で受賞

34名無しのオプ:2005/04/10(日) 19:25:47
【週刊文春ミステリーベスト10】
日本推理作家協会の全会員へのアンケートにより、
週刊文春が毎年発表している海外と国内のランキングだったが
(1位5点・2位4点 略 5位1点として計算)
2002年度より書店員にもアンケートをとるようになった。
上位に入る作品はだいたい妥当(面白みがないとも言える)だが、
悪い意味で「何で?」と思う作品もある。

週刊文春ミステリーベストテン
http://www.bunshun.co.jp/stockfile/best2004.htm
参考:杉江松恋は反省しる!日記12月24日
ttp://homepage3.nifty.com/sugiemckoy/diary/200412-2.html#20041224


【若桜木虔】
読みは「わかさぎけん」
文春ベストテンを変えたと噂される男。通称公魚(馬鹿詐欺とも)
HPで森博嗣のネタバレ付き批判を行ったことでミス板にスレがたつ。
<ベストテン入り作品>
文春01年度5位 新本陣殺人事件(矢島誠との共著)
文春04年度9位 修善寺・紅葉の誘拐ライン
「そんな作品知らないよ」「他のランキングや賞では見かけないよ」
と思った方へ。それは気のせいではありません。

【名村烈文学賞】若桜木虔30【二千円】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1109275004/
の306,308,309を読めば大体の人柄は分かるかも。

35名無しのオプ:2005/04/10(日) 21:55:06
【山本周五郎賞】の一部
・稲見一良「ダック・コール」(第4回・1991年)
 石に鳥の絵を描く男、朝日をカメラに収めようとセッティング中に幻の鳥の飛翔を見た
 青年の昂揚と躊躇、パチンコ名人の少年と中年男の密猟冒険、デコイと少年の友情など
 鳥に魅せられた男たちを描いた、ハードボイルドと幻想が交錯する不思議な短編集。
 ひっそりと、しかし熱く語られる男たちの物語。カコ(・∀・)イイ!!
・岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」(第13回・2000年)
 人の心は暗闇とおんなじじゃ。そこに何があるんか、誰にもようわからん。
 わからんもんは、きょうてえよ。ぼっけえ、きょうてえ……。
 岡山の遊郭で出会った醜い女郎が語りだした身の上話。
 「それ教えたら旦那さんほんまに寝られんようになる」と含ませながら、彼女は語る。
 母は間引き専門の産婆だったこと。幼い頃の自分は母の手伝いをしていたこと。そして…
 全編岡山弁で語られる妖しい物語。タイトルは岡山弁で「とても、こわい」を意味する。

3668 </b><font color=#FF0000>(...DfWOs)</font><b>:2005/04/10(日) 22:37:53
ここまでのまとめ
<<ミステリー>>
【推理作家協会賞】 >>2 同賞受賞作    >>33
【メフィスト賞】  >>4
【江戸川乱歩賞】  >>18 同賞受賞作    >>32
【本格ミステリ大賞】>>19
【山本周五郎賞】  >>23 同賞受賞作    >>35
【鮎川哲也賞】   >>24
【KAPPA-ONE登竜門】 >>30-31
【週刊文春ミステリーベスト10】>>34

<<SF>>
【日本ファンタジーノベル大賞】http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/5798/1109856704/223
【星雲賞】          >>26-27
【日本SF大賞】        >>28-29

<<創作文芸板>>
【文學界】【新潮】【群像】【すばる】【文藝賞】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/5798/1109929080/11-16

<<詩・ポエム>>
>>5-9 註>>25

<<ライトノベル>>
【富士見ファンタジア長編小説大賞】 >>10-11
【角川スニーカー大賞】       >>12+>>14
【電撃ゲーム小説大賞/電撃小説大賞】>>13
【エンターブレインえんため大賞】  >>15-17
【角川学園小説大賞】        >>20
【スーパーダッシュ小説新人賞】   >>21

<<児童書>>
【日本児童文学者協会 新人賞】>>22

37名無しのオプ:2005/04/10(日) 23:11:10
注意書き転載
※「文学賞メッタ斬り!」ttp://www.ne.jp/asahi/kaeru/bungei/metta/mettagiri.html
※とは関係ありません。

38名無しのオプ:2005/04/11(月) 12:28:59
三島由紀夫賞
新潮文芸振興会主催 賞金100万円
対象は長編・短編・評論となんでもあり
受賞作に特に傾向がないのが特徴。候補作を眺めても共通点を見出せない。
幅広く作品を選んでおり好感が持てる。
これから活躍しそうな作家を探すのに便利。
今回いしいしんじが獲れなかったのは個人的に残念。

<受賞作>
中原昌也「あらゆる場所に花束が……」(元暴力温泉芸者)
青山真治「ユリイカ EUREKA」(監督自身によるカンヌ受賞作のノべライズ)
舞城王太郎「阿修羅ガール」(メフィスト賞出身)
矢作俊彦 「ららら科學の子」(「気分はもう戦争」の中の人)

39名無しのオプ:2005/04/11(月) 14:32:19
【本格ミステリ大賞】の一部
<受賞作紹介>
・倉知淳「壺中の天国」(2001年第1回・小説部門)
 江口陽子は電波の卑劣技術を悪用してわたくしに。良からぬ電波を合てております。
 わたくしに直接電波を合てて。眠られない音の電波を聞かせます。この様な悪業が許されません。――――
 のんびりした地方都市で父と娘と暮らす主婦の知子が目にした、あまりにも意味不明な「電波」怪文書。
 市内で発生していた連続通り魔殺人事件の犯行声明のようだが…どことなくのんびりした「家庭諧謔探偵小説」。 
 作中のデンパ文書や、通り魔事件被害者視点の視点で描いた部分などはかなりおもしろい。
 しかし第1回受賞にこれが選ばれたことで、読者が賞の方向性を掴めず戸惑ったことは否定できない。
・笠井潔「オイディプス症候群」(2003年第3回・小説部門)
 「バイバイ、エンジェル」から続く矢吹駆シリーズで、現段階での最新長編。
 エーゲ海に浮かぶミノタウロス島の屋敷に集められた10人の男女。広大な密室と化した邸内で
 ギリシャ神話に見立てられた連続殺人が発生、カケルの戦いが始まる。
 「駆シリーズならもっとおもしろくなるはず」よって受賞にはイマイチ納得がいかないという
 ファンの声もあるが、その厚み(物理的にも内容も)とデロデロと広がる邸内見取り図は
 さすがの圧巻。ラストは駆萌え、ナディアタン(*´Д`)ハァハァの両者を悶えさせた。
・千街晶之「水面の星座 水底の宝石」(2004年第4回・評論・研究部門)
 若手ミステリ評論家の著者が、古今東西、映画からドラマまでメディアを問わずミステリを俎上にあげ、
 名探偵の光と影、物語の記述者について、「見立て殺人」考などのテーマで串刺しにして
 論じたのが本書である。おもしろい考察がたくさん、しかしネタバレの宝庫。
 評論にある程度のネタバレは致し方ないといったレベルを超えている。全部チェックしてから読むか、
 はたまた開き直って読むか、道は二つにひとつだ。

バランスから若島正の評論を入れたかったのに未読ヽ(`Д´)ノ

40名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/11(月) 19:29:05
【日本SF新人賞】主催:日本SF作家クラブ 後援:徳間書店

諸事情により(主に商業的な)長らくSF専門の新人賞が存在しなかったところ、1999年に開始された。
内容はややライトノベル寄り、しかし版型はハードカバー。何故に徳間デュアル文庫で出さないのか。
売り出し方の問題なのか、デビューした作家の知名度がいまいち低く、若い読者の獲得には至らない感じ。
ではSF業界はどこから若手作家を供給しているかというと……小川一水、冲方丁、秋山瑞人、
古橋秀之、桜坂洋らライトノベルレーベルで書いている作家たちに依頼するやり方が
うまくいきつつある。結果オーライ、なのか。

主な受賞作:
三雲岳斗「M.G.H.―楽園の鏡像」
宇宙ステーションの無重量空間で起きた「墜落死」の謎に挑む主人公+萌え従妹。
SF・ミステリ・ライトノベルの中間点に位置する、第1回受賞作。
同時期に「コールドゲヘナ」で電撃ゲーム小説大賞銀賞、「アース・リバース」でスニーカー大賞特別賞も受賞。

吉川良太郎「ペロー・ザ・キャット全仕事」
近未来のフランス、若者ペローは意識を猫の体に転送し、気ままな猫ライフを楽しんでいた。
しかしギャングに捕まり抗争に巻き込まれることに。自由を取り戻すことはできるのか?
大学院で仏文を専攻する作者が描く、おフランス+ノワール+ねこ大好きSF。

41名無しは無慈悲な夜の女王:2005/04/11(月) 21:39:52
【世界幻想文学大賞(World Fantasy Awards)】
年に1度開かれる世界的なファンタジーファンのイベント、World Fantasy Convention(世界幻想文学会議)で決定。
ファンタジーと言われてすぐ連想するような異世界ファンタジーだけでなく、SFやホラー、また各ジャンルの境界にある
小説などが幅広く受賞している。全てが邦訳されているわけではないが、翻訳小説が好きならチェックしておきたい。

主な受賞作:
バリー・ヒューガート「鳥姫伝」
中国のある村、子供たちが謎の病気に冒された。少年・十牛は老賢者・李高を頼り、幻の薬草を探す冒険に出る。
色仕掛けで後宮に潜る、霊を慰めるために命懸けの剣舞、廃墟での怪物との戦いなどを経て大団円へ。
いちおう時代設定は唐代らしいが、ほとんど考証をすっとばして過剰に突っ走るのが楽しい。

クリストファー・プリースト「奇術師」
19世紀末のイギリス、二人の奇術師が互いの「瞬間移動」のトリックをめぐって争いを続けていた。
その争いは現代に生きる子孫の出生の秘密にまで影響を与えているらしい。主人公は彼らの手記を紐解く…。
ファンタジーレーベルだがミステリのランキングでも上位に。奇術がテーマだけに気持ちよく騙されるのが正しい読み方?

ジェフリー・フォード「白い果実」
主人公は「観想学」の使い手。人の身体的特徴から能力や性格を見抜き、犯罪を防止するのが仕事。
盗まれた「白い果実」を探す命令を受けて旅立つが、捜査の中で能力を失ってしまう…。
寡作だが独特な幻想小説の書き手、山尾悠子が訳したことで話題になった。

42名無しのオプ:2005/04/12(火) 07:19:31
【メフィスト賞】<受賞作>
・浅暮三文「ダブ(エ)ストン街道」(第8回)
 『ケン、私また……迷っちゃったみたい。今……、ここ……、ダブエストンとか、ダブストンとか、
  ……って人もいるわ。』  夢遊病持ちの恋人タニヤを迎えに行きたいのだが、
 その「ダブエストン」だか「ダブストン」だかはいったいどこにあるのか。
 ひょっとしてここがダブストンですか?―――― 人の形をした霧や迷い続ける王様と従者の一行など、
 不思議な出会いが待つ、不思議な土地での不思議な旅の物語は、ミステリというよりファンタジー。
 受賞して出版され、知らぬうちに絶版になっていたが、著者が推理作家協会賞(>>レス#)を受賞したり
 なんやかやしてるうちに復刊ドットコムで要望が集まり、めでたく文庫化された作品。
 たとえ賞を受けても売れないものはすぐやめる、講談社の商魂が窺えるエピソードでもある。
・舞城王太郎「煙か土か食い物 Smoke, Soil or Sacrifices」
 サンディエゴの総合病院の敏腕外科医である奈津川四郎は、母親が暴漢に襲われたという知らせに。
 急遽、故郷の福井に帰還した。そして幕を開ける、壮絶な奈津川家の物語。
 「俺のこの美しいおふくろの後頭部を殴ってポリ袋に詰めて土に埋めた奴」を四郎は探し始める。
 圧倒的なスピード感と特異な文章は読む人を選ぶ。著者が「阿修羅ガール」で三島賞(http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/vote/1113102631/295
 を受賞した際、強硬に反対した宮本輝がこれを推した筒井康隆の首を絞めたという話はわりと有名かもしれない。
 …こういう作品があるから、「もうメフィスト賞イラネ(゚⊿゚)」と言えないのが悲しい性。講談社め。


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