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皇軍(明治〜WW2)がファンタジー世界に召喚されますたvol.26

276 303 ◆CFYEo93rhU :2019/12/15(日) 15:37:27 ID:k83QLRus0
改めて、着せられている服をめくって腹部を見ると、真っ白な包帯が巻かれていた。
その下がどうなっているかは見えないが……。
「凄いんですよ。閣下の開腹手術が終わって、包帯が巻かれた後も、その方が治りが良いからと
 毎日看護兵が来て包帯を取り換えてくれるんです。それは今朝方巻かれたものですから綺麗ですよね」
そりゃあ、血や膿などで汚れるから毎日取り換えた方が良いだろうというのは分かるが……。
実際にそれをやるとなると、どれだけ大量の包帯の在庫が必要になるのだろう。

テレーズの腹部は包帯が取れているが、銃創は綺麗に縫合されている。
「随分、丁寧な仕事するね……」
戦場における傷口の縫合とは、もっと大雑把なものだ。
兵士自身によるものと軍医によるもので差はあるが、軍医によるものでもここまで綺麗に縫う必要あるのだろうか?
焼きゴテで無理矢理傷口を塞ぐ方が簡単なので、高級将校や貴人相手でなければそちらの方が主流だというのに。

「その透明な液体は、鎮痛剤と、あと何と言ってましたっけ、抗生剤と言うものらしいです」
「それ程痛みを感じないのは、何かの鎮痛薬だろうとは思っていたが、抗生剤とは
 聞いた事が無い。私は医者じゃないから専門用語は分からないが、何かの薬なのか」
「殆どあらゆる病気の元となる瘴気を無効化するんだそうです」
「ほ?」
「手や足を撃たれたら、切るじゃないですか。あれは撃たれたところが腐って、そこから瘴気が出て、全身に回るのを防ぐ為ですよね」
「そうだね。そうしないと全身に瘴気が回って、傷口を塞いでも結局死んでしまう」
「そういう瘴気を消して全身に回るのを予防する薬だとか」
「ああそうか。私の撃たれたところの傷から瘴気が出るのを防いでる訳か」
「そういう事らしいです」
「ほぉ……」
道理で高熱にうなされていない訳だ。
でもそれじゃあ、ずるいだろう。
外科治療の巧みさもあって、皇国兵は即死か、余程酷い怪我か病気にならない限り復帰出来るじゃないか。
現役復帰は無理でも、治癒して娑婆に戻れれば、兵士としては無理でも人として生活出来る。

いや、皇国軍の兵器の火力を見れば、これくらい強力な医療が無いと将兵が死ぬ一方で戦争にならないのかも知れない。
しかし結果論ではあるが、皇国軍の野戦病院を実地体験出来た。これは価値ある情報になるだろう。
瀕死の自分をここまで治療したのだから、兵器だけでなく医療技術も相応に凄まじいという事だ。
それはそれとしても、皇国に大きな借りが出来てしまった。
個人的に命を救われた件もそうだが、敵国の反乱騒動を即座に鎮圧したとなれば、本当に大きな借りだ。

「何か口にしたいな」
「先生は、まだお腹に入れるのは駄目で、唇を湿らす程度と」
テレーズは飲み水の入った瓶から小皿に少し水を注ぎ、看護兵から説明を受けていたガーゼを浸して、フェリスの唇を拭う。
「こうしていると、子供の頃を思い出す」
「私もです」
天幕の中は、平和だった。


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