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皇軍(明治〜WW2)がファンタジー世界に召喚されますたvol.26

27303 ◆CFYEo93rhU:2017/02/12(日) 00:35:10 ID:54bd7AQo0
リンド王国の都市セルシーには、皇国海軍の水上戦闘機部隊が進出していた。

艦上機の零戦を基に水上機として開発された二式水上戦闘機。
水上機母艦や潜水母艦の上空直掩用と離島防衛用に150機程が生産されたのだが、
正直、これを本当に主戦力として使う場面が来ると思っていた関係者は少ない。
“本来の想定”では、皇国海軍は陸軍や海軍の基地航空隊と空母航空隊の傘の下で
活動する事を前提とし、水上戦闘機が必要になる程に逼迫した戦況は考え辛かったからだ。

皇国近海で、基地も空母も当てに出来ない状況って何? という事で、
水上戦闘機は技術的冒険とか、物の試しに造ってみた感も大きかった。

セルシー方面も、本音を言えば陸軍や海軍の陸上機を運用可能な飛行場を建設したい。
だが、そんな各地にポンポン飛行場を整備するような設営部隊も資材も時間も無い。
そうすると次に挙がる候補は当然空母艦隊だが、これも台所事情的に苦しい。
リンド王国海軍との戦いで、一航艦が全力出撃したというだけでヘトヘトなのだ。
一航艦は現在、戦隊や中隊ごとに搭載機を新式の彗星や天山に更新中であり、
その意味でも、今すぐ急なお呼びがかかっても遠征は無理であった。

勿論、これが対ソ連における“国運を賭けた全面戦争”となれば話は別だが、
そういう訳ではないから、出せるとしたら軽空母を中心とした艦隊になる。
だが1隻あたり30機として、4隻出してやっと120機程度では少し力不足ではないか?
軽空母は小型な分、飛行機運用のための燃料や弾薬もそう多く積めないので、長く留まって戦闘するには
それだけ支援のための補給艦を手配してやる必要があり、瞬間最大風速を買うとしても効率的ではないだろう。
さらに決して数の多くない軽空母には、陸海軍の飛行機輸送や航路防衛のための護衛空母としての役目もある。
この重要任務を疎かにしてまで、打撃力だけを期待するのは国家や軍全体の運営効率を下げる事になってしまう。

そうすると、水上機と飛行艇しか無いではないか……海軍は迷ったが、
まあ以前から大内洋には水上機母艦と飛行艇部隊は進出していたから、
それで良いなら支援部隊の少しの強化で極北洋への進出は可能だ。
数的にも質的にも、陸上機や空母機には及ばないが、当該方面で戦う陸軍にとって、
10機でも友軍飛行機の傘があるのと無いのとでは、戦闘の趨勢が変わってくる。
現状、友軍航空戦力はリンド王国空軍のみだったのだから、信頼感が違う。

だが、セルシーに水上機を進出させても、燃料や弾薬は容易に補給出来ない。
大内洋に展開する水上機母艦や補給潜水艦から、輸送飛行艇が極北洋へピストン輸送する事になる。

水上機母艦搭載分と、巡洋艦から分派された分を合わせて二式水戦が9機、
零式水偵が8機、九五式水偵が8機、九七式飛行艇が3機、九一式飛行艇が5機。
一応、数的には33機で、零式水偵と二種の飛行艇は爆撃能力も期待出来る。
二式水戦は勿論だが、九五式水偵も飛竜相手なら空戦も可能だろう。
つまり空戦用途には二式水戦と九五式水偵を。
偵察と爆撃用途には零式水偵と飛行艇を主に使う事になる。

頭数としては最低限揃い、支援部隊と共に燃料や弾薬も最低限揃った。
しかし、あくまで“最低限”だ。
毎日のように全力出撃など到底不可能。
爆弾も、250kg爆弾は50発程度しかなく、500kg爆弾はたったの10発しか存在しない。
30kg爆弾や60kg爆弾を含めた全体でも30t分くらいしか無い。爆弾が存在しないのと同じだ。
出し惜しみして10日くらいならこれでも行けるが、以降は爆撃任務が不可能になる。
毎日補給される爆弾は500kg分。多くて1t分が精々だから、持久戦になっては不利。

爆弾無しでは、地上を銃撃するくらいしか航空支援にならない。
やるなら3、4日で使い切る覚悟で全力出撃して、後は陸軍の奮闘に期待するか。


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