したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

皇軍(明治〜WW2)がファンタジー世界に召喚されますたvol.26

254 303 ◆CFYEo93rhU :2019/11/30(土) 11:01:29 ID:k83QLRus0
「騎兵が来るぞ!」
竜騎兵と軽騎兵がこちらの右翼側に展開し、速歩から駈歩で接近を開始する。

「盾隊出せ!」
義勇団は戦力を中央から左翼に集中させているので、非常に薄い右翼部隊を防御すべく、銃弾を防ぐ鉄板を張った木製の置き盾が並べられる。
馬が怖がるよう、長さ1シンクの棒を棘のように突き出した盾は不格好だが、私達に格好をつけている余裕などない。

歩兵隊員が一斉射撃を見舞わすが、遠い。
「射撃命令があるまで撃つなと言っただろうが!」
「叱責する暇があるなら防御陣に組み替えろ! 総員銃剣構え!」
私は中央で歩兵隊員を纏める団員を叱咤し、右翼の団員にも“死守命令”を出した。

私達の横隊が空撃ちしたのを見た敵騎兵隊だったが、何故か距離を保ってこちらの様子を窺っている。
「敵の砲兵だ!」
気付いた時には、右翼の至近距離で敵の騎馬砲兵隊が射撃態勢に入っていた。
右翼から陣形が滅茶苦茶に荒らされ、折角の盾隊も砲撃で粗方破壊されてしまった。

騎馬砲兵の活躍を見届けると、竜騎兵と軽騎兵が襲歩で押し寄せ、まず中央の大砲の周囲に居た歩兵を至近距離から射撃した。
そして抜刀、対騎兵防御の準備など出来ていない戦列を支えるのは精神力のみだろう。
私の為、仲間の為、自分の為、理由は何でもいいが、とにかくその精神力が頼みの綱だ。

義勇団の本陣が置かれた廃屋には、予備の1/4バルツ砲が2門あるが、これは奥の手。今、前に出す訳にはいかない。

中央が荒らされ、左右が完全に分断された私達の義勇団に向かって、緋色の歩兵横隊が前進を開始した。
1.5シウスの距離だったものが1シウスに迫り、3/4シウスに迫る。

「やるぞ、今だ。狙うは白馬の“魔女”だけだ。続け!」
乗馬している団員が臨時の騎馬隊となり、駈歩で敵の右翼を迂回するように本陣を離れた。
中央や左翼の歩兵隊員達は、既に銃を撃ち尽くし抜刀していた竜騎兵や軽騎兵を戻らせまいと銃剣で必死の抵抗をしてくれている。

私達の臨時騎馬隊が本陣から十分に離れると、隠し玉の1/4シウス砲から、散弾が放たれた。
至近距離からの散弾は何人かの味方も巻き込むが、この場には敵の方が圧倒的に多い。しかも多くが騎兵。一矢報いたろう。

私達の接近を見た敵軍の後方からは予備の軽騎兵と胸甲騎兵が向かって来た。
40騎は居るだろうか。こちらは10騎も居ないのに。

「白馬……奴が来る! 討ち取れ!」
白銀の鎧を煌めかせ、王旗を掲げた副官を従えた“魔女”が、胸甲騎兵と共に私達に接近してきたのだ。
千載一遇の好機に、私達は勢い付いた。

だが発砲音と共に硝煙を潜り抜け、白い肌を煤で汚した“魔女”によって、その気勢が削がれる。
半シウスの距離で馬を走らせながらの銃撃が連続で命中するなど、悪夢でしかない。

だが軽騎兵と胸甲騎兵は“魔女”の後方に従っているだけで、周囲を厳重に守っている訳ではない。
「足を止めるな! 突撃しろ!」
私は右手に剣を、左手に拳銃を持ち、“魔女”に向かって突撃する。
拳銃を撃つのは槍の間合いだ。
発砲音が鳴ると、私の横を走っていた古参の団員が胸を撃たれて落馬した。

硝煙が晴れると“魔女”が咥えた弾丸を銃口に吐き出し、込め矢で突き固めているのが見える。
早過ぎる。従者が換えの銃を持っていて、撃つごとに受け渡して装填している訳でもない。
そんな事を考えているとまた発砲音と共に団員が胸に穴を開けて馬から落ちた。

私が首魁だと分かっているだろうに、あえて生かしておくつもりなのだろうか。

“魔女”は鞍に装着されたポケットにマスケットをしまい、腰に下げた鞘から華麗な装飾の施された剣を抜いた。
相手は銃をしまい、こちらは装填済みの拳銃を持っている……。
罠かも知れない。しかしここまで来て止まる訳には行かない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら



掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板