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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

406ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2018/07/13(金) 18:40:04 ID:ATfagNLg0
ハーストリは、背中に抱いた貢ぎ物をソルスクェノに見せた。

「よろしい!中に入るぞ!」

空襲警報のサイレンを聞きながら、2人は待避所の中に入っていった。
内部には、既に避難してきた住民が溢れんばかりに入っており、2人は御者と共に、窮屈な中で爆撃が収まるのを待ち続けた。

どれほど待ったのかは判然としなかったが、唐突に大地が揺れ動き、次いで、轟音が響くと、ソルスクェノは自らの鼓動が急に
高まるのを感じた。
伝わって来る衝撃は大きく、待避所の内部が揺れ動くたびに、天井の埃が上から落ちてくる。

(これが、空襲という物か……なんて恐ろしい物じゃ)

ソルスクェノは心中で、恐怖を感じていた。
祖国イズリィホンでは、名のある武家の後継ぎとして多くの事を学び、その中でも武芸の類は小さい頃から習得に励んできた事も
あって、どのような状況においても冷静になれるとの自負があった。
だが、今……ソルスクェノは、異界の国が作った、戦略爆撃機の空襲から逃れ、どこかで炸裂する爆弾の振動や衝撃に体を小さく
して堪えるだけだ。
昨年12月のウェルバンル空襲も、彼は自らの目で見、計り知れない衝撃を受けたが、あの時は遠巻きに見ているだけであり、
危険範囲内にはいなかった。
しかし、今は違う。
今日体験する爆撃は、自分達も巻き添えを受けた物だった。
唐突に、一際大きな爆発音が響き、待避所内がこれまで以上に大きく揺れた。
中では悲鳴が起こり、赤子の鳴き声も響く。

(爆撃という物は、やたらに外れ弾が出るとも聞いている。という事は、わしが隠れているここに爆弾が落ちるという事も……)

ソルスクェノはそう思うと、背筋が凍り付いた。
実際、過去の爆撃では、防空壕や待避所に爆弾が直撃し、多数の民間人が死亡した事例も発生している。
彼は、爆弾炸裂に伴う揺れが続く中、ただひたすら、自分達が生き残る事を祈り続けた。


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