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『ヴィレッジ・ゲイト』

1:2005/12/07(水) 00:02:54
その廃村は、山中に人知れず残っていた。
元の名を知る者も少なく、地図からも消えた場所・・・・・・・・・・・・時の流れから隔絶した
奇妙な空間に、4人の若い男女が足を踏み入れる。
 
数日前━━━━━━━━━━━
とある廃屋のファンサイトで知り合った4人は、オフ会を計画した。
『ケイ』『雀宮 虹彦』『笹川 仁』『ワーズワース』が選んだ場所は、ほとんど人に
知られずに残る廃村。
元の名は分からなかったが、ネット上では『あかず村』と呼ばれていた。
4人は、レンタルした1台のワゴン車に乗って、村へと辿り着く・・・・・・・・・・・・・・。
そこは、未知の刺激に溢れた別世界だった。

493雀宮:2006/02/17(金) 00:06:25
>>492
「……? 何だ、この襖……さっき来た時こんなのあったか?
 単に見落としてたのかな……しかし僕たちの時代には……?」

襖を開き、中を見てみる。

494笹川 仁:2006/02/17(金) 00:13:44
>>492
(・・・・色が変わってるッ! クソ・・・・・いよいよ本格的にヤバイかも・・・・)

持ち上がらないなら>>490で示した行動を順次試したいです。
それも急いで!

495:2006/02/17(金) 00:21:45
>>493
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
襖を開くと、10畳の和室が広がっていた。
人影は無く、畳には血痕が飛び散っている・・・・・・・・・。
他に目を惹くものは、見当たらない。
>>494
男の口を弄っていた『笹川』は、何気無く室内を見回した。
 
『ドドドドドドドド・・・・・・』
 
いつの間にか、室内に別の『菊模様の襖』が1つある。
・・・・・・・・・『雀宮』は、室内に見当たらない。

496笹川 仁:2006/02/17(金) 00:26:38
>>495
「・・・駄目だな、あなり意味が無さそう・・・・・ん!?
雀宮さん!?何処ですか!?

・・・・あれ、襖だ。あんなのあったかな・・・・・・・?」

一人ぼっちは不安になるので、襖を開けてみます。
きっと雀宮さんはあの襖を開けたんだ・・・・・・・。

497雀宮:2006/02/17(金) 00:29:06
>>495
「……広いな。こんな部屋を見落としていたなんて……
 それに何だ、この血痕……? 他にも残酷なことが行われているというのか……」

壁にも何もかかっていないだろうか? 神棚とか……あと床の間等も無いのか?
血痕はどのくらいの量が飛び散っている?
それは部屋の入り口に続いているのか? それとも部屋の真ん中に忽然とある?
また飛び散り方によって、血飛沫の勢いを見たい。
また、天井も見上げる。

498:2006/02/17(金) 00:47:38
>>496
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
襖を開くと、5畳程の板張りの部屋があった。
向かいの壁に鉄の扉が1つあるだけで、他には何も無い。
『雀宮』は、見当たらない。
>>497
壁や床、天井には、特に何も無い。
血痕は、和室の中央付近に飛び散っており、1〜2畳分は広がっている。
飛沫というよりは、零れ落ちた様に思えた。

499笹川 仁:2006/02/17(金) 00:57:31
>>498
「・・・・・あれ?いないし・・・・・別の部屋だ・・・・」

(鉄扉が一個だけ・・・・・・ちょっと嫌な予感がするけど・・・・・)

何もないなら仕方ないので、扉に近付き開けようとしてみます。

500雀宮:2006/02/17(金) 01:07:58
>>498
「……結構な量があるが……」

部屋の中央まで歩いていく。
血痕に触れて、いつ頃ついたものか確かめてみよう……

「そういえば笹川さんは……」

開けっ放しの襖を振り返り、さっきまでいた部屋を見てみる。

501:2006/02/17(金) 01:18:06
>>499
立ち上がると、身体が重い。
『笹川』は、貧血にも似たダルさを感じながら、部屋に入って行った。
 
ドアノブ部分に鉄製の取っ手があり、引いたがビクともしない。
取っ手の上には、小さな『鍵穴』があった・・・・・・・・・・・。
>>500
血痕は、すでに乾いていた。
襖から『笹川』のいる部屋を覗くと、そこに『笹川』の姿は無い。

502笹川 仁:2006/02/17(金) 01:23:02
>>501
「・・・うう、身体が・・・・・」

(コレは辛い・・・・・おまけに嫌な予感が的中だ・・・・戻らなきゃ・・・・)

必死に襖に戻ります。

「雀宮さーん! 鍵の使い道が!」

503雀宮:2006/02/17(金) 01:28:59
>>501
「いない……!? まさかもう……!」

襖を通って部屋に戻り、辺りを見回す。

504:2006/02/17(金) 23:49:10
>>502
『ドシャアッ』
 
部屋を出ようとした『笹川』は、足を絡める様にして前のめりに倒れ込んだ。
畳に肌を擦ると、グズグズになった肉が剥がれる・・・・・・・・・。
『笹川』は、高熱で意識が朦朧とし始めた。
>>503
男の倒れた部屋に戻ると、いつの間にか室内に『菊模様の襖』がある。
襖は開いており、中で『笹川』が倒れていた。

505笹川 仁:2006/02/17(金) 23:57:38
>>504
「ああ・・・・ッ!」

倒れこんだ身体を起こそうとして嫌なモノを見てしまいました。

「・・・・ああ、もうこんなになっちゃった・・・・・・・・。
それに・・・・何かボーっとする・・・・な・・・・あ・・・」

フラフラと周囲を見回して雀宮を探します。

「・・・雀宮さん・・・・?
鍵の・・・・・扉・・・・・」

ブツブツと呼びかけます。

506雀宮:2006/02/18(土) 00:06:03
>>504
「さ、笹川さん……」

襖を抜け、笹川に駆け寄る。

「ひどい……肉が腐ったみたいになってる。
 こういうのって傷口を焼けば腐敗が止まったりしないんだろうか……?」

507:2006/02/18(土) 00:17:47
>>505-506
『雀宮』が駆け寄ると、『笹川』の身体は変色して溶けかけている様に見えた。
呻く様な声を発する『笹川』の後ろには、『鉄の扉』が1つある・・・・・・・・・・・・。
ドアノブ部分にある取っ手の上には、小さな鍵穴が確認出来た。

508笹川 仁:2006/02/18(土) 00:29:55
>>507
「・・・・・あ・・・鍵・・・・・あの・・・・扉・・・・お願い・・・しま・・す」

精一杯に伝えようとします。
もう僕の身体はもちそうに無い。
でも雀宮さんが生き残れるかもしれない道を発見出来た。
鍵の使い道もみつかったみたいだ。

「ため・・・てみて・・・いです・・・よ・・」

更にブツブツと伝えます。

509雀宮:2006/02/18(土) 00:56:01
>>507
「くそ、もう全身に……僕には助けられないのか……
 すみません、笹川さんッ!」

『鉄の扉』へと走り、笹川から受け取った鍵を鍵穴に差し込む。
鍵が回れば、扉を開ける。

(思えば僕らがこんな目に逢ってるのも、井戸の底の『鉄の扉』を
 開けてしまったからだな……この扉で全部終わってくれ……頼む)

510:2006/02/18(土) 02:18:09
>>508-509
『カチャリ』
 
鍵穴に差し込んだ鍵を回すと、小さな音が響いた。
取っ手を引くと、音も無く扉が開く。
 
『ドドドドドドドドドド』
 
扉の向こうには、鉄板張りの回廊が続いていた・・・・・・・・・・・。
鉄板は赤黒く錆びており、回廊は一直線に続いている。
数百メートル先には、扉らしきものが見えた。
━━━━━━━━━━『笹川』の目には、襖の向こうで倒れた男が映る。
意識が次第に薄れ行く中、男が微かに動いた様な気がした。
 
『笹川 仁』
    →『死亡』

511雀宮:2006/02/18(土) 22:45:34
>>510
「……長いな……明らかに辻褄が合わない長さだ。
 まさかここはただの『過去の世界』なんかじゃあ無いのでは……
 ……『幻覚』じゃあないだろうな? 全て……」

『笹川』の遺品から、携帯電話を抜き取っておく。
ついでに『行灯』も拾っておこう。

「何だか全部がグラグラしていて……正直、僕一人じゃあ不安だ。
 『遺志』だけでも同行していただきたい、笹川さん……」

そして回廊を駆け出し、奥の扉を目指す……途中で息が切れないよう、
所々でスピードを緩めて休憩しつつ。

512:2006/02/19(日) 00:01:53
>>511
『雀宮』の靴音が、回廊に響き渡る。
足を止めずに走り続ける内、回廊の先に『鉄の扉』が見えて来た・・・・・・・・・。
扉の前に辿り着いた頃には、『雀宮』の息も上がる。
 
『ペタペタペタ』
 
ふと、『音』が近付いて来るのに気付いた・・・・・・・・・・・・。
振り向くと、『雀宮』に向かって誰かが走って来るのが見える。
 
『ドドドドドドドドドドドド』
 
それは、和室に倒れていた裸の男だった。

513雀宮:2006/02/19(日) 00:17:40
>>512
「……フン、来たか……正直かなりのインパクトだが……
 もうビビッてばかりもいられないんだ、残念ながら……」

男はかなり衰弱していたように見えたが、体格はそのままなのか?
足取りはしっかりしている? スピードはどのぐらいだろうか。
彼我の距離はどのくらい開いている?

「人型の染みってのは、お前が剥がれた跡か? もしかして……」

息も切れ切れに突き当たりの鉄扉を開け、中に入り込む。
何事もなければ扉を閉めたい。

514:2006/02/19(日) 00:24:47
>>513
男の様子は、見た時から変わらない。
だが、その走りに衰弱した様子は無かった。
『雀宮』の気付いた時には、すでに男は100メートル程の距離まで近付いている。
 
『キィィ・・・・』
 
扉は、軋みながら開く。
その中は、石を積み上げた円形の小部屋になっていた・・・・・・・・・。
鉄製の梯子が目の前にあり、上へと続いている。
『雀宮』は、中に入って扉を閉めた。

515雀宮:2006/02/19(日) 00:31:55
>>514
「ここは……この部屋の形は……まさか『井戸』の底なのか!?」

服のどこかに『行灯』を引っ掛け……もし引っかからないなら置いていくが、
梯子を上り始める。出来る限り急いでだ。
梯子はどのぐらいの高さがある? 上の様子はどんな感じだろうか?

516:2006/02/19(日) 00:37:36
>>515
上を見上げると、光が差し込んで来るのが分かった・・・・・・・・・・。
『雀宮』は、行灯を置いて梯子を上る。
梯子は、数十メートル上まで延びているらしい。
2〜3メートル上った辺りで、下から扉の軋む音が響いた。

517雀宮:2006/02/19(日) 00:52:50
>>516
「クソ、もう来たのか……! でも僕が扉の前に着いてからここまで約20秒として……
 100mの距離を20秒弱……小学生ぐらいのスピードか?
 体力的には恐れるほどでは無いかも知れないが、
 捕まったらただじゃあ済まなそうな気配はある……!」

梯子を昇り続ける。光は太陽の光だろうか?
だとすれば昼の光か夕方の光かということは判別出来る?
もし可能ならば光の鋭さや温度から、季節なども推測したい。
それが自分の元いた世界の季節と符号するかどうかも……

518:2006/02/19(日) 00:59:29
>>517
梯子を上り続けると、上からの光が次第に強くなって行く。
下からは、近付いて来る男の気配が分かった・・・・・・・・・・・・・。
上の様子は、分からない。

519雀宮:2006/02/19(日) 01:33:49
>>518
近づいてくる男を見下ろす。どのくらいのスピードだろうか?

「このままじゃあ、上に着く前に引きずり下ろされるか……
 だったらその前に、いっそこっちから……!」

男が地上5m以上程度の高さまで昇って来ているなら、
梯子から手を離して、男の顔面目掛けて落下し、強烈な蹴りを加える。
体重に落下速度が加わり、小柄な男程度なら梯子から落とすことが出来るはず。
男を叩き落とせたら、自分は落下する前に即座に梯子に掴まり、また昇り始める。

520:2006/02/19(日) 23:31:04
>>519
視線を落とすと、男は『雀宮』から1メートル程の距離にまで近付いていた。
2人共、すでに『底』からは5メートル以上の高さにいる。
『雀宮』は、梯子から手を離した・・・・・・・・・・・。
 
『ドグシャアッ!!』
 
下にいた男を踏み付ける様に、『雀宮』の身体が落下する。
 
『ガシィイイ』
 
次の瞬間、男が『雀宮』の左足を掴んだ・・・・・・・・・・2人は、一気に落下して行く。

521雀宮:2006/02/20(月) 03:45:22
>>520
「なッ……ま、まずい……しかし『飛び降り自殺』ってのは確か、
 落下地点に他に人がいると、飛び降りた者は殆ど怪我をしないという……
 つまり落下の衝撃に対する防護として、人体は非常に有効……!」

男が足を掴む力は強いのだろうか。
所々で梯子を掴んでは離し、少しだけ勢いを和らげながら、
男を下にして落下……地面に叩き付ける。
さらに男が落ちた先には、先ほど置いた『行灯』がある。
ついでにその炎で男の身を焼きたい。

522:2006/02/20(月) 23:34:23
>>521
梯子を掴んだが、2人分の重さを支えられる訳も無く、弾かれる様に手を離す。
『雀宮』の足を掴んだ男は、落下しながら掴んだ足を引き寄せる・・・・・・・・・・・・。
 
『ドドドドドドドドドドドドド!!』
 
男と揉み合いになったまま、『雀宮』は落下して行く。
下に置いた行灯の灯りが、近付いて来た。

523雀宮:2006/02/21(火) 00:25:29
>>522
「落下中なのにこいつ……何て迷いの無さだッ!?
 どうやら僕も燃やす必要があるのか、『闘志』をッ……
 と言ってもこんな状況で何が出来るんだ、僕に一体ッ!?」

何としても男を下にして落ちなければ、大怪我は免れない。
しがみついて来る男の手首を、先ほど回収した『笹川』の携帯で
骨を砕くように何度も打ち付け、引き寄せさせないようにする。
重心は足下に持っていき、男をクッションにできるように常に体勢を整える。

524:2006/02/21(火) 00:45:28
>>523
『グシャア!』
 
振り下ろした携帯電話が、男の手に叩き付けられて砕け散る。
その直後、男の手が『雀宮』から離れた・・・・・・・・・・。
 
『ドシャアッ!!』
 
2人が落下すると、下敷きになった行灯が破れて炎が2人を包む。
『雀宮』は足から着地し、男は腰の辺りから落下したらしい。
炎は、『雀宮』の足から上へと広がって来る・・・・・・・・・・・男は、全身に火が回った。

525雀宮:2006/02/21(火) 00:49:22
>>524
「ぐッ……おおおおおおおッ」

着地した足は無事なのだろうか?
燃えている男から離れ、火が回っているであろうズボンを
転がるように地面に擦り付け、消火を試みる。
それが無理ならズボンを脱ぎ、地面の砂を掛ける。

「ハッ……ハッ……ざ、ざまあみろだ……そのまま燃え尽きろッ……」

526:2006/02/21(火) 01:20:31
>>525
『雀宮』は、その場に転がる様に倒れ込んだ。
足は、痺れて動かない・・・・・・・・・・・石畳の床にズボンを擦り付けると、徐々に炎は
消えて行った。
 
『ガバァアッ!』
 
男は、火だるまになったまま『雀宮』に向かって来る。

527雀宮:2006/02/21(火) 01:31:42
>>526
「な……全身燃えてるのにッ! 人間なのかこいつ!?
 こっちに来るんじゃあない!! うわああああッ」

掛け軸を持っていたはずだ……背中にでも挿していたか?
とにかく丸めたそれを振り回すなりして、男が力尽きるか、
足の痺れが取れるまで男を近づかせないようにする。

528:2006/02/21(火) 01:45:59
>>527
男が『雀宮』に覆い被さると、2人は炎に包まれた。
 
『ゴポ・・・・』
 
ふと、床に冷たい感触が広がる━━━━━━━━━━
次の瞬間、小部屋中に『水』が溢れた。
 
『ゴボゴボゴボォッ!』
 
一転して『水』に呑まれた2人は、水中に投げ出される。
身体が浮き上がる感覚と共に、『水かさ』の増えて行くのが分かった。
炎は掻き消され、2人は水流に引き離される。

529雀宮:2006/02/21(火) 01:57:42
>>528
「うっ……『水』だと!? 何だ、この……
 『枯れていた井戸が一気に湧き上がるような』感じはッ!」

『水かさ』は激しい勢いで増えているのだろうか?
ひとまず『水』に身を任せて上へと昇り、井戸(?)を脱出したい。

530:2006/02/21(火) 23:47:29
>>529
『水かさ』は、グングン上がって行く。
『雀宮』と男の身体は、上へ上へと浮き上がって行った・・・・・・・・・・・。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
━━━━━━━━━ふと、水中で『影』がユラめく。

531雀宮:2006/02/21(火) 23:56:01
>>530
「お次は何だ……!?」

男の体表は焼け爛れているのだろうか?
落下による骨折などで体が歪んでいたりしないか?

水中の『影』に目を凝らす……外まであとどれくらいある?

532:2006/02/22(水) 00:02:05
>>531
男を見ると、その身体に火傷の跡が見られる。
骨折した様子は、見られない。
 
『ドドドドドドド・・・・・・・!!』
 
『影』に目を凝らすと、10センチ程で円筒形をした魚らしきものが泳いでいる。

533雀宮:2006/02/22(水) 00:09:29
>>532
「何だ、こいつは……魚なんだろうか……どっから湧いて来たんだ?」

『影』は一つだけなのだろうか?
魚らしきものの動きに注意を払う。

「しかし、『どうしようもないピンチ』が覆されたのと時を同じくして
 現れた『魚』だ……どうもあの村にあった物と同じような、
 邪悪な感じは受けないが……」

534:2006/02/22(水) 00:19:38
>>533
ふと、別の影が水底から現れた。
魚の様なものは、ポツポツと水中に増え続ける・・・・・・・・・・。
その群れは、少しずつ水面に向かって来る様にも見えた。
 
『ゴパァッ』
 
・・・・・・・・・・・・不意に、男が『雀宮』の目の前に浮上して来る。
男は、『雀宮』に向かって襲い掛かった。

535雀宮:2006/02/22(水) 00:27:51
>>534
「こ……こいつこんなタイミングで……
 水中に浮かんでる体勢じゃあ、拳で殴ろうにも力が入らない……!」

一時的に壁面に左手をついて支えとし、
飛び掛ってくる男の顔面……眼球に向けて右手の親指を突き出す!

「こんな攻撃で足止めできる奴とも思わないが、
 何もしないでやられっ放しってわけにはいかない……!」

536:2006/02/22(水) 00:39:37
>>535
『ガシィ!』
 
『雀宮』の右手を、男の左手が掴んだ。
男は、そのまま『雀宮』の喉を右手で掴む・・・・・・・・・・・。
強い力で首を絞められ、『雀宮』の意識は薄れて行く。

537雀宮:2006/02/22(水) 00:46:20
>>536
(ググ……こ、こんな……こんなところで死んだら……
 笹川さん達に……申し訳が立たな、い……だろうが……!)

左手で男に喉輪をかまし、払いのけたい……

538:2006/02/22(水) 00:57:59
>>537
左手で男の首を掴んだが、握力の差は歴然だった。
男は、首を絞めたまま『雀宮』を水に沈めて行く・・・・・・・・・・。
━━━━━━━━ふと、水面が赤く染まっているのに気付いた。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
いつの間にか、2人の周りに円筒形の生物が集まり始めている。
数匹が男の腕に吸い付くと、男は手を離して生物を引き剥がしに掛かった。
もがく男の身体に、さらに数匹の生物がピタリと吸い付く・・・・・・・・・・・・。

539雀宮:2006/02/22(水) 01:38:15
>>538
(死ぬのか……? このまま…………何だ……赤いぞ……
 僕の視覚がイカれてるって訳でも無さそうだが……『血』か? これは……)

喉から手を離されたなら、男を蹴り飛ばして距離を開き、
自分は水面に浮上したい。そして男に起きている事を見守る。
男に吸い付いた生物は、どのような動きをしている?
吸い付いた部分で何が起きているのか解るだろうか。

「あの野郎、『恐れている』ぞ……迷いなしに僕に向かって来てたあいつが……
 あの魚みたいな奴が襲ってきてる事を恐れて、対応に躍起になっている……
 男の方も何だかわからんが、一体何なんだあれは……!?」

540:2006/02/23(木) 00:05:59
>>539
男を蹴ると同時に、蹴った足の太腿に激痛が走った。
肉を抉られる様な痛みに目を向けると、『円筒形の生物』が付着している。
男に付着した生物と同じく、吸い付いた反対側を左右に振りながら、肉を奥へと
掘り進もうとしていた・・・・・・・・・・・・・・。
水面は、2人の血で赤く染まる。
 
『ドッパァアアアアン!!』
 
━━━━━━━━━━━━突然、水が弾ける様に2人を飲み込んだ。
『雀宮』の身体が、吹っ飛ぶ・・・・・・・・・・・・・いつの間にか周囲は明るく、青空が
上に広がっているのが見えた。

541雀宮:2006/02/23(木) 00:12:00
>>540
「ぐあああッ!! …………こ……ここは……いったい……?
 この空、この時刻……僕が元いた時間とも……井戸の中の時間とも違うようだが……」

地面に投げ出されたということなのだろうか? 自分が出て来た所を見てみる。
太腿に先ほどの生物がまだ吸い付いていないか確認し、もし吸い付いているなら引き剥がす。
そして辺りを見回し、周囲の様子……更に男の様子を確認しつつ、立ち上がりたい。

542:2006/02/23(木) 00:31:39
>>541
『ドザァァッ!』
 
『雀宮』は、草の茂った地面に投げ出される。
身体を起こすと、2メートル程先に井戸が見えた・・・・・・・・・・。
その周囲に砕けた木の破片が散らばっており、その向こうに朽ち果てた屋敷がある。
男の姿は、見当たらない。
 
『ブヂュブヂュ・・・・』
 
太腿に付着していた生物は、グズグズに溶けながら縮んで消え去った。

543雀宮:2006/02/23(木) 00:39:10
>>542
「クソッ! 何なんだこの魚……僕を助けてくれでもしたのかと思ったら、
 結局僕にも襲い掛かってくるし……まあ知性を感じるような外見ではないけど……
 ……いや、そんなことよりここは……元の世界に帰って来たのか?」

丘から村を見下ろし、自分達が乗って来た車がないかどうか確認する。
そして井戸を覗き込み、中の様子を見る……男がどこかから飛び出して来ないかどうか、警戒しつつ。
井戸を覆っていた小屋は無いのだろうか?
砕けた木の破片が小屋の残骸であるように見える?

「『まだ誰も死んでいない時刻』……のような気もするが……」

544:2006/02/23(木) 00:55:17
>>543
林を抜け、村の見渡せる場所に出ると、遠くに1台のワゴン車が見えた。
村に人影は無く、民家は廃れている。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
井戸には、水が満ちていた。
男の姿は、見当たらない・・・・・・・・・・・・散らばった木片を確認すると、それらが
小屋の残骸である事が分かった。

545雀宮:2006/02/23(木) 01:04:24
>>544
「……これでもう、過去の村には行けないってことか……
 僕らがあそこに行ったことで、こちらで何かが変わっていたりはしないのだろうか……?」

念のため、しばらくワゴン車とそこからこちらに続く道を眺めていたい……
そして朽ち果てた屋敷へと足を向ける。

546:2006/02/23(木) 01:10:35
>>545
『雀宮』は、丘の上から下を眺めた後、しばらくして『屋敷』へ向かう。
人の気配は無く、『屋敷』は廃屋になっていた。

547雀宮:2006/02/23(木) 01:27:27
>>546
「……映画みたいに、変な時間に飛ばされていて……
 生きている四人と鉢合わせとか……そんなことはないだろうな」

警戒しつつ二階へと向かう。
『押入れの密室』には、一人では近寄らない方が無難だろう……
よってまず見に行くのは、『畳の男』の部屋だ。

「まだいる……なんてことはないだろうな、まさか……」

548:2006/02/23(木) 01:35:58
>>547
男のいた部屋に向かうと、そこには人形の『染み』があるだけだった。
部屋は密室で、襖やドアは見当たらない・・・・・・・・・・・。

549雀宮:2006/02/23(木) 01:42:11
>>548
「……何もない……来た時と同じだ。
 歴史は何も変わっちゃあいないってことなのか……?」

部屋を後にし、三階へと向かいたい。

550:2006/02/23(木) 02:01:46
>>549
『屋敷』に、三階への階段は無かった・・・・・・・・・。

551雀宮:2006/02/23(木) 02:06:21
>>550
「…………
 二人の死体は三階に……改築でもされたのか?」

階段があった形跡すら見当たらないのだろうか?
一階に戻る……我々が来た時、かなり派手に家捜ししたはずだ。
棚が開けっ放しになっているとか、家捜しの形跡があるかどうか調べる。

552:2006/02/23(木) 02:14:26
>>551
上り階段のあった場所は、下りの階段になっている。
一階に戻ると、最初に訪れた時の形跡が確認出来た。

553雀宮:2006/02/23(木) 16:33:24
>>552
「『一日経っている』……ということか。単純に……」

その二階の下りの階段というのは、上に昇るのに使ったのとは
また別の階段なのだろうか? ならばそこを降りてみる。

「何をやってるんだろうな……僕は………
 あんな怖い目にあったら、速攻で逃げ出すのが普通ってもんじゃあないのか?
 もう何も見つかりそうにないのにこんなウダウダと……
 だがこのまま帰っちゃあいけないっていうような気はするが……」

554:2006/02/23(木) 23:57:12
>>553
二階に上った『雀宮』は、別の階段で再び一階へと下りる。
その先には、勝手口らしき土間があった。
土間には竈が並び、炊事場である事が分かる。
その向かい側には、高い板張りの床を越えて広い和室が見えた・・・・・・・・・・・。

555雀宮:2006/02/24(金) 00:02:45
>>554
「ん……ここには来たことが無いな。炊事場か……」

広い和室に見覚えはないかどうか、内装などを遠目に見てみる。
炊事場の竈の中に何かが落ちていないかなど見て回る。
箪笥や棚のようなものがあれば、その中も調べたい。

556:2006/02/24(金) 00:34:19
>>555
和室に、見覚えは無かった。
炊事場や竈は古く、使われた形跡は残っていない。
土間の周囲を物色したが、めぼしいものは何も見つからなかった。

557雀宮:2006/02/24(金) 00:38:18
>>556
「何もない……か?」

和室へと踏み入る。
室内の壁や天井などに何があるか見回してみる。

558:2006/02/24(金) 00:47:48
>>557
和室は、土間から入って左側以外の二面が、襖で仕切られていた。
8畳程の広さで、壁や天井は薄汚れている。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
ふと、畳の上に1枚の写真が落ちていた・・・・・・・・・。
古い白黒の写真は、表面が微かに剥げている。

559雀宮:2006/02/24(金) 00:58:24
>>558
「写真……? こんな所に……不自然な」

写真を拾い、何が映っているのかよく見てみる。
写真を見つつ、正面の襖を開けてみる。警戒は怠らず、慎重に。

560:2006/02/24(金) 01:07:18
>>559
写真には、数人の男女が映っていた。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
畳の上に座り、こちらを見て笑みを浮かべた面々には、『ケイ』と『笹川』
『ワーズワース』の顔がある・・・・・・・・・・・。
写真を見ながら襖を開くと、その向こうには左右に板張りの廊下が延びていた。
左は行き止まりで、右は突き当たりを左折している。
廊下を挟んだ向かい側には、6畳の和室が広がっていた。

561雀宮:2006/02/24(金) 01:49:26
>>560
「な……何だ一体これはッ! 彼らは全員死んだ……
 『笹川』さんなんて僕の眼前でドロドロになって……
 あからさまにおかしいだろこんな写真ッ!!」

写真の中の三人はここに来た時と同じ服装をしているのだろうか?
『ワーズワース』はピアスをしているだろうか。
また、三人の他に映っている人々の顔に見覚えのある人間はいない?
村人達や『千代』、『畳の男』など……

「ク……クソが……落ち着けよ……冷静になれ……
 とりあえず、度の過ぎた『ドッキリ』とかじゃあ無いとして……
 井戸の奥の村は『過去の世界』……ワーズワースさんのピアスや携帯が
 この現代で朽ち果てていたことから、そう推察しているが……
 写真に僕は映っていない……『過去で死んだ人々』の写真……?
 まさに『心霊写真』ってことか……」

写真を見ながら考えを巡らせつつ、廊下の向かい側の和室に踏み入る……
室内には何があるだろうか。

562:2006/02/25(土) 00:56:34
>>561
写真に写った人々は、誰もが同じ様に質素な着物を羽織っていた。
『ワーズワース』の耳に、ピアスは無い。
3人以外に、見覚えのある顔は見当たらない・・・・・・・・・・・・・。
 
廊下の向こうの和室には、薄汚れた畳が敷かれているだけだった。

563雀宮:2006/02/25(土) 01:06:29
>>562
「ピアスをしてない……アクセサリーは『魂の形』じゃないから、
 『幽霊』はつけてないってことなんだろうか……
 それともピアスを取られた後の死体か? これは……」

耳朶にピアス穴は開いているのだろうか。

「何もないか……日本家屋ってやつは特に何の用途もない部屋が
 無造作に並べられてたりするからな……こういう時は面倒臭い」

写真の落ちていた部屋まで戻る。
開けていない方の襖を開き、中に踏み入ろう。

564:2006/02/25(土) 01:13:53
>>563
『雀宮』が襖を開けると、板張りの廊下が左右に延びている。
左手は行き止まりになっており、襖の向かい側の壁には、木の扉が1つあった。
右に延びた通路は、その先で左右に分岐している・・・・・・・・・・・・。
分岐路を右に曲がると、土間へと通じているらしい。

565雀宮:2006/02/25(土) 01:22:17
>>564
「分かれ道が多すぎる……一人で回るには時間がかかるな。
 全く、こういう時に孤独になってしまった事を実感するよ……泣けてきそうだ」

ひとまず警戒しつつ、木の扉を開いてみる。
何事もなさそうなら中に踏み入り、様子を調べる。

566:2006/02/25(土) 01:29:05
>>565
木の扉を開くと、和式の便器がポツンと1つあった。
1メートル四方の小さな小部屋で、他に扉や窓は見当たらない。
便器の底には、暗闇が広がっている・・・・・・・・・・・・。

567雀宮:2006/02/25(土) 08:10:29
>>566
「……何だ、便所か……拍子抜けして良いものやら……解らんな。
 しかし以前見た映画では、トイレにキーアイテムが隠されていることもあった……」

天井に照明は付いているのだろうか。

「窓もないでは光も差さない……昔の人は暗闇の中で用を足していたのか?」

和式の便器と一目見て解ったということは、割と最近の作りなのだろうか。
こんな屋敷にあるトイレが、水洗式ということもないと思うが……
もしも水洗式なのなら、タンクの蓋を外して中を見てみる。
もしタンクが存在しないか、中に何も入っていないなら、そのまま部屋を後にし、
廊下を右に延びた通路を左折したい。

568:2006/02/25(土) 23:24:44
>>567
天井を見上げると、笠付きの電球が1つ下がっていた。
電球は割れており、すでに照明の役割は果たせないらしい・・・・・・・・・。
便器は、『汲み取り式』だった。
 
『ミシッ』
 
『雀宮』がトイレを出ようとすると、廊下の軋む音が響く。

569雀宮:2006/02/26(日) 00:06:26
>>568
「う………」

トイレをすぐに出る。
音はどちらの方向から聞こえて来る?
その反対方向へと足音を立てないように向かう。
もしその方向が行き止まりならそっちに行くのは避け、
なるべく広い部屋を目指す。

「廊下が軋む理由……気温が変化して建材が伸縮したか……
 野山の動物でも入って来たのか……もしくは……
 ……クソ、この際孤独の方がまだ良かった……!」

570:2006/02/26(日) 00:22:58
>>569
床の軋む音は、土間に向かう廊下の方から聞こえた。
『雀宮』は、和室へと足音を忍ばせて移動する・・・・・・・・・・。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴ』
 
ふと、土間の方に気配を感じた。
見ると、30〜40代と思われる風貌の男が、廊下に立っている。
白っぽいジャケットを羽織った男は、7:3に分けた短い黒髪を掻いた。
 
「おい、君・・・・・・・誰だ?
ここは、私有地なんだがね。」

571雀宮:2006/02/26(日) 00:35:43
>>570
「………」

依然警戒は緩めない。
男は一人か? 他に人の気配や物音はしない?

「失礼……僕はちょっとした廃墟好きでしてね。ネットで評判を聞いて来ました……
 不法侵入は謝ります……ついでにお聞きしたいのですが、
 ここはどういう村なんです? この屋敷について何かご存知?」

(なんだコイツ……地主なのか?
 この静かな山なら、自動車の音ぐらい響いて来ても良さそうなものだが……
 まさか歩いて登山して来たってことも無かろうが……それとも初めからいた?)

572:2006/02/26(日) 00:49:11
>>571
男以外に、人影は見当たらない。
 
「そうか・・・・・・・・下の道にあった車は、君のか?
最近、君と同じ様な連中が多くて困る。
ここは、ただの廃村だよ・・・・・・・・・。
この屋敷も、地主のものだったというだけだ。」
 
男は、そう言いながら近付く。
その歩みに合わせて、床板が軋んだ。

573雀宮:2006/02/26(日) 00:57:07
>>572
男が一歩近づくごとに、摺り足で一歩下がって距離を一定に保つ。
背後は常に意識し、退路を確保する……

「あの車は、一緒に来た仲間のものですよ………
 貴方この山の持ち主さんですか? 今日は何しにいらしったんです?
 この村について嗅ぎ回っていた人間が、死んだか何かしたような形跡があるんですがね……
 ここ何年か……何十年かの間に、この辺で殺人事件とかありませんでした?」

先ほど拾った写真を取り出し、相手に見えるように手に持つ。

574:2006/02/26(日) 01:05:26
>>573
「私は、ただの管理人だよ。
ここら一帯の地主に雇われて、定期的に見回っている。
君の喜びそうな話題は、何も知らんよ・・・・・・・・・・。
何十年も廃村だったし、事件が起きたなんて聞いた事は無いがね。」
 
男の視線が、写真に向いた。
 
「その写真は・・・・・・・・・・君の物か?
拾った物を持ち帰れば、『窃盗罪』という事になるが。
君の物じゃあない様だな・・・・・・・・・・。
古い写真だ。」

575雀宮:2006/02/26(日) 01:16:41
>>574
(こいつ……本当にただの管理人なのか? 特に怪しい気配はなさそうだが……
 ちょっと疑心暗鬼になりすぎてるのかもな……まあ……疑うに越したことはないが)
「いいや、こいつは僕の物ですよ………
 僕の仲間が笑顔で映ってるんですからね……もう死んだ彼らが」

写真を懐に仕舞う。

「じゃあ、定期的に死体を片付けに回ってる人でもいるのかも知れませんね……
 表の井戸は何なんです? 僕らが来た時は周りが木の板で覆われて、小屋のようになっていて……
 鎖でグルグル巻きにされていましたが、今はなみなみと水が張っている様子だ」

576:2006/02/26(日) 01:28:24
>>575
「そうか・・・・・」
 
男は、しげしげと『雀宮』を見つめる。
『雀宮』が小屋の話を口走ると、それに反応して口を開いた。
 
「小屋を壊したのは、君か?
アレは、随分前から建っていたものだ・・・・・・・・・・弁償して貰うぞ。」

577雀宮:2006/02/26(日) 01:41:38
>>576
「鎖についてはダンマリですか……見た事はあるんですよね? あれは最近のものでしょう?
 小屋を僕が壊したってのは、当然の推測のようにも思えますが……
 それは不可能犯って奴ですよ。僕らは破壊能力を持った道具を持って来ていないし、
 ここにもそんなものは置いていない……僕には出来ないことです、だから弁償する義理もない」

男を見つめ返す……服のポケット等に何かを入れてるような盛り上がりはあるか?
どんなの体格をしている? 喧嘩になった時、対抗出来そうかどうか……
常に男の表情には注意を払う。

「法的な難癖をつけるのが貴方の仕事ですか? 村については何も知らされていない癖に……
 『矢』について知ってますか? 『体がドロドロに溶ける病気』は? 『御来人様』って何でしょう?
 『畳に貼り付いた男』の事もご存知ない? 『人を食う魚』のことは?
 申し訳ありません……どうもこのまま話していても、お互い得はなさそうだ。
 先に行ってて下さいよ。すぐ帰るって約束しますから……」

578:2006/02/26(日) 02:01:22
>>577
男は、中肉中背でポケットに何か入れている様子は無い。
 
「『鎖』は、前の管理人が巻いたんだったかな・・・・・・・・・・・。
私が雇われた頃には、すでにあったはずだ。
まあ、古い小屋だ・・・・・・・・・・解体しようと思えば、出来るだろう。
或いは、強風か何かで壊れたのかも知れんが。
とにかく、調べてみれば分かる事だよ・・・・・・・・・・・。」
 
男は、懐から黒い手帳を取り出すと、そこに差していたボールペンで何かを書く。
 
「どこで仕入れた知識かは知らないが、ここは君の思ってる様な場所じゃあない。
昔何かあったとか、その類の噂はデタラメさ・・・・・・・・・。
それに、ただの廃村だが、持ち主はいるんだ。
好き勝手に徘徊されてると迷惑なんでね、今すぐ出て行きたまえ。」

579雀宮:2006/02/26(日) 21:05:50
>>578
(『管理人が巻いた』だと? だったらそんな鍵、管理人が持ち帰ってるに
 決まってるだろうが……何でこの屋敷に置いてあったというんだ?
 やっぱり怪しいぞこいつ……或いは前管理人か地主か……とにかく関係者が臭い)
「ええ、もちろん出て行きますよ。出て行きますが……
 前の管理人さんってどうなったかご存知ないです? もしかして亡くなった?
 それと貴方はいつ頃この仕事に就かれたのかも……
 『鎖』は『新しい鎖』と『古い鎖』の二本があったようですが、
 『二代に渡って一本ずつ巻いた』ということでしょうかね……貴方で最低三代目?」

こちらの持っている手帳を男に見えないようにこっそり取り出し、
男が持っている手帳と同じものかどうか確認する。

(何を書いた、この男……もしかして僕の話に反応したのか?
 単に『不法侵入者有り』か? それとも『過去の村への侵入者有り』か?
 このまま別れて大丈夫なのか、本当に……)

580:2006/02/26(日) 23:10:47
>>579
男の持っているのは、パスポート程の大きさの黒い手帳だった。
『雀宮』の取り出した手帳に、よく似ている。
男は、ボールペンを戻して手帳をパタンと閉じると、突然キレた。
 
「ゴチャゴチャ質問してるんじゃあないッ!!
薄汚い不法侵入者が、誰に向かって質問してるんだァァア〜〜〜〜!?
さっさと失せろ、このガキがッ!!」

581雀宮:2006/02/27(月) 23:50:52
>>580
(……いい加減しつこいかなとは思ったが……気の短い男だな……
 しかしこっちは命懸けなんだ……『逆ギレ』ぐらいして良い気もするが……
 もし本当にこいつが何も知らなかった場合、話したって信じちゃあくれないだろうし、
 全てを知っている場合、必要以上に踏み込もうとする者を『始末』する
 準備ぐらいは出来ているのかも知れない……何しろこの『手帳』……
 もしかして『前管理人が使っていたもの』じゃあないのか……?
 更にその管理人は『始末されている』可能性がある……さて)
「ひぃ〜〜ッ、申し訳ありません! さっさと帰らせて頂きますッ!」

慌てて逃げ出す振りをして、男に衝突し、手帳を仕舞う前に手から叩き落す。

「あ、すいません」

手帳を拾って、男のポケットに入れる。
もちろん入れるのは自分の持っていた手帳の方……
男から叩き落とした手帳は、気づかれないように懐に忍ばせておく。
それが悟られる前に勝手口から飛び出し、丘を駆け降りる。

582:2006/02/28(火) 00:37:51
>>581
『雀宮』は、男の手帳を拾ったまま『屋敷』のある丘を駆け下りた。
村道には、『雀宮』の乗って来たワゴン車と反対側の道に、青い小型車が1台
停車している・・・・・・・・・・。
人影は、見当たらなかった。

583雀宮:2006/02/28(火) 01:04:25
>>582
「これに乗って来たんだな……音は聞こえなかったが。
 ……ワゴン車には確か、誰も鍵をかけていなかったように思うが……
 挿しっぱなしだな、多分」

青い小型車のナンバーを、念のため覚えておきたい。
また窓から中を覗き、怪しげなものが無いか確かめる。
ワゴン車の運転席に乗り込み、男からくすねた手帳を見る。

「奴は何をするか解らん……手帳をくすねたのがバレたら、
 どんな顔して追って来るか……逃げ出す準備は常にしておかないとな」

584:2006/02/28(火) 01:41:43
>>583
小型車のナンバーを確認した『雀宮』は、窓を覗く。
運転席や助手席には、何も見当たらない・・・・・・・・・・・・後部座席の窓には、
ブラックフィルムが貼られていた。
ワゴン車に戻ると、『雀宮』は手帳を開く。
 
『ワゴン車の持ち主と思われる男性。
年齢は、10代後半から20代前半。言動に不審な点あり。
写真を1枚所持しており、盗品の可能性大。
屋敷前の小屋を破壊した疑い。』
 
開いたページには、ボールペンが挟んであった。

585雀宮:2006/02/28(火) 01:52:03
>>584
「……特に怪しいところは無いな。ただの『管理メモ』ってところか……
 僕の思い過ごしだったか……車の窓にブラックフィルムが貼られているのが
 若干気にはなるが、特別不自然というほどのことでもないし……
 これは後でボンネットの上にでも置いておこう」

念のため、手帳の他のページもざっと見てみる。
丘から降りてくる人影がないか注意しておく。

586:2006/02/28(火) 02:06:35
>>585
他のページをめくると、同じ様にボールペンの走り書きがある。
箇条書きが目立ち、単語や数字だけを書いている事もあった。
 
『コン、コン』
 
『雀宮』が丘の方を見ると、不意に運転席の窓を叩く音が響く・・・・・・・・・・・。
見ると、手帳の持ち主の男が窓をノックしていた。

587雀宮:2006/02/28(火) 06:11:38
>>586
「〜〜〜〜〜〜ッ!!」

体を半分、助手席の方へずらす。
男はどんな表情をしている?

(野郎、いつの間に……丘の方には注意を払っていたはずだ……降りてくれば気付く……
 僕が手帳に目をやっていた十数秒かそこらの内にここまで来たっていうのか?
 いや、そうでなくちゃあ『ワープでもして来た』ってことになる……
 どっちにしろ得体が知れない……こんな所で二人きりってのも何だかまずい……
 ……しかしせめて手帳を返さないと、どこまで追ってくるかも解らん……)

運転席のドアに手を伸ばし、窓をほんの少しだけ開ける。
その隙間から、男からくすねた手帳を差し出す。

「ハハハ、御早いですね……瞬間移動でもなさった?
 すいません、何か慌てていて間違えちゃったみたいで……
 こっちでしたね、貴方の手帳は……じゃあ僕はこれで……」

言い終えたら、窓を閉める。

588:2006/02/28(火) 23:39:46
>>587
男は、無表情だった。
『雀宮』が窓を開けると、男は懐から黒い手帳を取り出す。
 
「『同じ種類』の手帳らしいね・・・・・・・・君の方は、かなり使い込んでる様だが。
間に合って良かった。」
 
男は、差し出された手帳を受け取りながら言った。

589雀宮:2006/03/01(水) 00:02:39
>>588
(……何か雰囲気がおかしいな……ブチ切れたかと思えばこの無表情……
 『事情が変わった』ってことはないだろうな?)

窓はまだ閉じないでおく。

「……こちらの不手際ですみませんが……
 『僕の手帳』も返してくれると……有難いのですがね」

意識は助手席に転がれるように向けておきながら、
足はいつでもアクセルを踏み込めるようにしておく。

(『間に合って良かった』か……文脈通りの意味だと思いたいがね……)

590:2006/03/01(水) 00:22:52
>>589
男は、取り出した手帳を窓から差し出す・・・・・・・・・。
そして、受け取った手帳を懐に入れた。
 
「じゃあ、もう勝手に村の中をウロつかないように。
気を付けて帰りたまえ。」
 
そう言うと、男は丘の方へと歩いて行く。

591雀宮:2006/03/01(水) 00:37:15
>>590
(……? 案外普通だったな)

渡された手帳の中身を確認する。
写真などは挟まったままだろうか。

「あ、管理人さん……あなた『インターネット』とかやります?
 結構噂になってますよ、ここ………
 それとも『ウェブサイトの管理人』とかもやってらしたりして……ハハ」

歩いていく男に後ろから声をかけ、男が反応しないかどうか見てみる。

(数奇な運命に直面すると、『何かに導かれた』って気分に
 ならずにはいられないんだよな……性ってやつで)

592:2006/03/01(水) 00:53:19
>>591
手帳を開くと、写真などは挟まったまま残っていた。
『雀宮』が声を掛けたが、男は振り返らないまま歩き去る・・・・・・・・・・・。


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