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ほんの少し本の話

1:2003/06/28(土) 06:49
読んだ本とその感想、思い出など。

63C1:2004/02/24(火) 02:36
リリー・フランキー『マムシのan・an』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838714912/250-6421835-1741806

男から見た女。
久々に会った人から、ひょんなことから借りてしまった。
酒とゲロな人生の真っ只中、「うん、うん、それってすごくわかる!あっでもこっちは違う…」
つーか、女なんて生き物は…




好きです!付き合ってください!!

64:2004/02/24(火) 12:44
>>63
なんか、前に君に借りた『キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか』という本と似た雰囲気をむんむん感じるな。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4990073002/qid=1077592246/sr=1-4/ref=sr_1_10_4/250-0963128-8401034

古本屋に売ってたら買って読んでみます。

65:2004/03/01(月) 15:35
今朝、電車に乗っていて度肝を抜かれた『週刊ポスト』の中吊り広告。
http://www.weeklypost.com/jp/040312jp/hung/naka_1.html

「聖女作家」ってすごい。誰が、どういう妄想で、こういうコピーをつけるんだろう。ギャルゲーにおける
マドンナの扱いだな。

66:2004/03/04(木) 15:46
猫が死んで一ヶ月ぐらいたったときから、ぼくはチェーホフの最晩年の小説から生涯の小説を逆にたどって
三分の二くらいまで読みつづけた。『中二階のある家』のラストの「孤独にさいなまれ淋しくてたまらぬと
き、ぼんやりと思い出に浸っていると、なぜかしら相手もやはり私のことを思い出し、私を待ちつづけ、や
がて私たちは再会するのではないかという思いが少しずつ募ってくる……」

(中略)

これはぼく自身が、近い将来に猫が死ぬなんてことがあるなんて考えてもいなかったころ、『残響』と『コ
ーリング』という小説を書きながら、離れた場所にいる二人の人間が同じ場所に居合わせているように考え
が響き合うことが本当にあると言えるのかどうか考えていた(…後略…)。

保坂和志 『<私>という演算』(中公文庫)

67:2004/03/06(土) 02:42
「薄笑いの首相」 大江氏、特派員協会で首相答弁を批判
http://www.asahi.com/culture/update/0305/007.html

68:2004/03/22(月) 02:56
>>39-40
http://book.asahi.com/topics/

頭が良くて、可愛くて、将来をきちんと見据えてて、この子、末恐ろしいな。
こんな娘が欲しい。

69C1:2004/03/24(水) 02:53
監修=荒俣宏 『知識人99人の死に方』(角川ソフィア文庫)

USK君というU人の家で拾った一冊。

知識人、というよりも有名人の簡単な紹介と、その死が適当につづられた本。
ほとんどの人物は、1.5ページで生まれて死ぬ。
代表的な作品や活動の履歴が少しと、死について語ったり書いたりしたものがもう少しと。
そして死。

病院を抜け出してまで仕事をしようとする者、痛いのはいやだとだだをこねる者、煙草を一服して死ぬ者、ひとりでこっそり倒れあとで発見される者…。
結局、みんな死んじゃいました。


安部公房
「生きることは、生き延びることではない。両者は全く違うことです。」

70:2004/03/24(水) 03:22
>>69
本屋行くと平積みにされてるね。
どうせ読むなら、古今東西の千人ぐらいの死に様が、山田風太郎のシニカルな視点で語られるこっちの
本家本元も読んでみたら。

『人間臨終図巻 1〜3』 山田風太郎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/419891477X/qid=1080065760/sr=1-8/ref=sr_1_10_8/250-1804856-2814649

71:2004/03/25(木) 14:49
『死の壁』 養老 孟司
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100614/ref=amb_right-1_74192_2/249-1392209-6885151

こんどは死か。商売上手だなあ。

72:2004/03/25(木) 15:46
『バカは死んでもバカなのだ 赤塚不二夫対談集』より野坂昭如の発言
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4620315338/ref=sr_aps_b_1/249-1392209-6885151

>野っ原で焼いたのも見た。人間の体というものはものすごい脂肪があるってよくわかった。ジュージュー、
>ジュージュー。僕が見たのは、爆弾でやられた死体を運んで行って、重ねておいて、重油ぶっかけて焼くん
>だから。そういうのを見ちゃうと、とてもじゃないけど、あの世もこの世もないですよ。東京でも下町へ行
>ったら今でもいっくらでも埋まっているんだよ。霊だらけだよ、下町歩いたら。それから、よく人相を見る
>とか、あなたの運命はとかと言う人がいるでしょう。じゃ広島の人は8月5日に全部死相が出ていたのかと。
>出ているわけないですよ。だからそんな、アホらしくて信用する気にならないじゃない。死んだらおしまい
>よ。

一度閉館して、いまは改称して再オープンしているようだけど、東中野の映画館、BOX東中野で五年くらい
前に『エデンへの道』という、東欧のどこかの国の解剖医の一日を追ったドキュメンタリー映画を観て、
「人間の体というものはものすごい脂肪がある」というのは僕も思った。黄色くて、つぶつぶブヨブヨして
いる。

それはともかく、すごい映画だった。机の横にこの映画の宣伝用の絵葉書を画鋲止めしている。

http://www.eiga-kawaraban.com/98/98072701.html

73C1:2004/03/25(木) 23:34
>>70

そうかもね。
人間臨終図鑑がいっぱい引用されてて、こっち読んだほうが、いいんじゃないの?とか思った。

74:2004/03/26(金) 02:53
>>69-70>>73
八王子駅のホーム、私鉄各社にならったのか、喫煙者への締め付けがますます厳しくなったせいで一番
高尾寄りに移動させられた灰皿のわきで、周りには誰もおらず、線路に降る雨とその向こうの闇でピカ
ピカ光っているパチンコ屋とラブホテルのネオンを眺めながら、生きていくだけならどうとでもなるん
だよな、どう生きるかなんだよな、というような、当たり前といえば当たり前のつぶやきのようなこと
を考えていた。

君が引用した安部公房の「生きることは、生き延びることではない。両者は全く違うことです」という
言葉が、脳裏のどこかにこびりついていたからかもしれない。

そして、昨日、満席とはほど遠い天王洲アートスフィアのガラガラに空いた三階席で一人観劇した、今
年が没後百年だというチェーホフの『三人姉妹』をもとに別役実が書き下ろした『千年の三人姉妹』と
いうお芝居で、スポットライトに照らされて天井から紙吹雪が美しく舞い落ちるなか、かつては平安貴
族でありながら落ちぶれに落ちぶれ、春を売りながら千年の間生き続けてきた三姉妹が心中にも失敗し、
舞台の真ん中でへたり込みながら、人生とは、生きるとはなんなのかと自答したあとで、それでも前向
きに「もう少し生きてみましょう。さあ、立ちましょう。立っていれば生きていると思われる」という
ラストの台詞を思い出していた。

立ち上がることとは違うかも知れないけれど、今日一日ずっと、僕は勉強がしたいんだな、「蓄積」し
ていきたいんだな、なんてことを思っていた。

75:2004/04/20(火) 12:46
一年以上前に買って、そのままほったらかしていた『江戸の春画―それはポルノだったのか』という本を昨
晩から読み始めているのだけれど、いやはや面白い。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896916549/ref=pd_rhf_p_2/249-5575418-6665112

↓春画画像をいくつか見られます。
http://www.gregkucera.com/shunga.htm

春画に出てくるちんちんって「魔羅」と呼ぶのがいかにもふさわしいですね。

76:2004/04/20(火) 23:37
でっかいなあ。

77supereditor:2004/04/21(水) 21:55
>75
そのサイト、某ブログで俺もみつけたばかりだった。
そしてパソコンの壁紙にしたのもちょうど昨日。
このタイミングっていったい?

78:2004/04/22(木) 12:40
>>77
お互い、熱心な「まらびと」ってことでしょう。

ちなみに、下の URL からも三十枚ぐらい一括してダウンロードできるから、日替わり壁紙コ
レクションにでもどう?。スパムがいっぱいきちゃうかもしれないけど…

http://srg.g-serve.net/omiyage/surugadoh/ura.html

ユーザー名: welcome
パスワード: rs3u8

それにしても、なるほどなあ。たしかに修行の妨げだよなあ。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=まら&kind=jn&mode=0

79:2004/04/22(木) 17:03
>>75-78
江戸時代には「まら競べ」というのが盛んに行われていたらしい。といっても、その大小を競うわけでは必ずしも
ないらしく、月岡雪鼎(つきおかせってい)という人の『女大楽宝開(おんなだいらくたからべき)』という書物
では次のように順位付けされているのだそうだ。

一麩(いちふ)、二雁(かり)、三ン反(そり)、四傘(かさ)、五赤銅(てつ)、六白(しろ)、七木(もく)、
八太(ぶと)、九長(なが)、十すぼ

これがどういう意味なのかについては、後年になって、北尾雪坑斎(きたおせっこうさい)という人がその著書
『百人一出拭紙箱(ひゃくにんいっししょくしばこ)』のなかで、次のように解説しているそうなので、長いけれ
ども抜粋してみる。僕はこれを喫煙所で読んでいて、思わず吹き出した。

まらにさのみ甲乙有るべしとも思はざるに、大に善悪(よしあし)あることなり。
一麩とは、麩を煮たる如く、総(すべて)の大小によらず一杯に増ゆるやうに、つびの広狭(ひろせま)にかかわ
らず、よく合ひて、しつくりとする故、是を最上とするなり。二雁は、かり高きまら也。開中に入りて、上下左右
を探る気味よし。疣(いぼ)まらも此一類(このいちるい)也。三反とは、上の方へ反りて、交合の具合よろしく、
開中を自由に廻(まわ)る也。四笠は、かり高の下品(げぼん)なり。かりくび大きすぎて、小開(こつび)には
難儀なる故、よからずとす。五鉄は、くろまらやかなまらとも言へり。その風味よし。六白は、見たるところは美
しけれども、味わひ良からず。七木は、木(き)まらとて、筒の如く固し。女の感情(かんせい)少なし。八太は、
いたって太く、廣開に合せてよし。常ていのぼぼには弾(は)ぢくるとて、女の方よからず。九長は、女をし殺す
べし。恐るべし恐るべし。十包、是すぼみとて、小児(こども)の指似(しじ)の如く、皮を被りたり。しかれど
も張形よりはましならん。

甲乙があるとは必ずしも思ってはいないけれども、敢えて言うならば、固すぎも柔らかすぎもせず、長すぎたり太
すぎたりもしない、麩のような、その相手に合わせて伸びたり縮んだり膨らんだりと自由自在なものが一番良いち
んちんなんだそうだ。魔法だね。

80山田ペス:2004/04/22(木) 19:05
>>79
同様に、女性に関して書いてある本を持っています。
同じようにランク付けがしてあった。
今、手元に無いのが、家に帰って調べてみます。
(そんな必要はないか…)

81:2004/04/22(木) 20:17
>>80
いや、これにも載ってるんですが、あまり下ネタばっか書いてても、ねえ…

82supereditor:2004/04/24(土) 22:07
>79
奥が深いなあ。確かに笑える。

>80
興味アリマス

83:2004/04/25(日) 18:17
>>82
興味ありますか。しからば。飲み屋での下ネタ暴露大会ででも開陳してみて。

一高、二まん、三蛤(はまぐり)、四蛸(たこ)、五雷(かみなり)、六洗濯、七巾着(きんちゃく)、
八廣(ひろ)、九下、十臭い

一高とは上付(うわつき)也。二饅とは、饅頭(まんじゅう)を合せたる如く、ふくらかにして、谷深
し。三蛤とは、是に続(つづく)なり。四蛸は、蛸の疣(いぼ)に指を当つれば、吸い付くやうなり。
又、海辺(かいへん)にたこつびといふもの有り。是も吸い付くものなり。五雷は、開中(かいちゅう)
鳴り響く也。六洗濯は、びちゃびちゃするつび也。七巾着は、口で締める奥の広き也。八広は、だはつ
く也。九下は、下付、十臭、えならぬ悪しきかざ有り。第三までを上とす。四より六まで、中なり。七
より十迄を下とす。

「まら」にくらべて「ぼぼ」のほうの解説は、どうして上付だといいのか、といった具体性に乏しく、
ずいぶんと淡白な印象だよね。

ちなみに僕のは、十すぼ、じゃない。えっへん。

84supereditor:2004/05/10(月) 02:36
なるほど。確かに。形状ではなく位置によるというのがイマイチ説得力がない。

先日とあるホテル型へルスに潜入。その娘のお尻の穴が出っ張っていた。
あれには少し萎えた。肛門学というのもあるのかしらん。

85:2004/05/10(月) 19:38
>>84
戦国から江戸時代にかけて、日本では、上は殿様やら僧侶から下は庶民に至るまで、男色が公然と認められ
ていた、いわば、同性愛天国のような社会だったようだから、お尻の穴の良し悪しについても一家言ある人
がいないとも限らないね。織田信長が森蘭丸に欲情してたとか、ちょっと想像つかないけど。

サドの小説を読むと、彼の関心は「玉門」よりも「菊門」にあったようで、酒池肉林、殺戮につぐ殺戮の阿
鼻叫喚の大乱交の宴はたいてい「菊門」で果てていたような気がする。その根底にはどうやら、真の快楽と
は非生産的な行為の極みによってもたらされる、といったような思想があるように思う。「玉門」は生殖と
いう生産性に結びつくから、「菊門」に比してまるで問題にならない、低劣なものとして書かれていたよう
な気がする。

86キシミ:2004/05/11(火) 04:18
私はサドを読んだことがないのですが、最近バタイユをよく読むのでサドにも
興味がわいてきています。
「菊門」は排泄物を出すところでもあるから、なおさら非生産的な門ですね。
フロイトによれば肛門期の乳児は排泄時に快感を感じていて、それが少しでも
大きな快感になるようにうんちをためているそうで、乳児にとってうんちは
「贈り物」、「黄金」なのだそうです。
大人になるにつれて性欲が性器に移っていくのは、生殖という生産行為が
人間の目的としてあるからなわけで、そう考えるとたしかに
「異性愛」、「性器愛」というのはなんだかビンボーくさい感じがしますね。
久しぶりなのに、おかしな書き込みで失礼しました。

87:2004/05/11(火) 17:33
>>86
いえいえ、どうぞお気兼ねなく。

ある古い友人が『悪徳の栄え』を読んで、「反吐が出そうになった」と言ってたから、僕のほうがおかしい
のかもしれないけど、サドは笑えて面白いです。読んでて、何度も吹き出したような記憶があります。

というのも、いちいち過剰なんです。勝手に意訳してみると、たとえば、「昨日は街に火を放って、八万人
のお馬鹿さんたちがその業火の下で焼け死んでいくのをおかずに饗宴に酔いしれたんだけど、最っ高に楽し
かったわ、ウフ。今日はどんな悪さをしてやろうかしら。ああ、もう、それを考えただけでゾクゾクしてき
たわ」、とかいった感じ。そんなの、もう、笑うしかないじゃない。

で、まあ、そんな感じで、グロテスクな表現は確かにふんだんにあって、そこだけに注目すれば気分も悪く
なるかもしれないけど、実のところそっちはたいして重要ではなく、言ってみれば刺身のツマで、登場人物
たちがそういう悪さばかりする自分たちを、バカボンのパパばりに「これでいいのだ!」と自己正当化して
捏ねくりまわす理屈のほうこそが刺身で、面白いです。おんなじような理屈が何度も何度も繰り返されるか
ら、飽きちゃうかもしれないけど。で、その理屈が結局のところなにをいってるかというと、要は、ニーチ
ェの「超人思想」とかサンテグジュペリの「大文字の人間」とかとほぼ同じなんじゃないかと思います。

バタイユというと、エロスの思想家であることと、生きながらに全身を百個の肉片へと切り刻まれる「百刻
みの刑」に処せられている清朝時代の中国人の写真(大学の図書館で見ました。身の毛のよだつような苦痛
を与えられると、人間の髪って逆立つんだな、とびっくりしました。あの写真、やりすぎだよねえ。どう考
えても、あれ、痛いだけで、エロスに関係あるようには思えないもん。あんな死に方したくない)に衝撃を
受けたエピソ−ドぐらいしか知らないけど、面白い?って、愚問か。本は面白いから読むんだもんね。大学
生のとき、『マダム・エドワルダ』ってのを読んだことがあるはずだけど、いまとなってはなんにも覚えて
ないです。みちに譲ってもらったやつを何冊か持ってるんですが、まったく手をつけてないし。近いうちに
読んでみようかな。

サドが出たついでにポルノ文学をもちだすと、マンディアルグの『城の中のイギリス人』ってのが面白いで
す。いや、面白い、というより正確には、興奮しました。

思いのほか長くなっちゃいましたが、最後に一言。人間としてビンボーくさいのはイヤだけど、こと恋に限
っては、ビンボーくさいほうがいいです。

88キシミ:2004/05/13(木) 01:33
>バカボンのパパばりに「これでいいのだ!」と自己正当化して
捏ねくりまわす理屈
バタイユの面白さも、そういうところにあると思います。バカボンのぱぱみたく明るくないけど。
単に暴力とエログロを解放しよう!と言うのではなく、
肉体を傷つけたり排泄物にまみえたりする行為を「暴力」として遠ざけ抑圧する
キリスト教思想をはじめとした西洋文明を攻撃しようとしていて、そこが面白いところです。
未見なのですが、バタイユはブルトンを攻撃するために「サドの使用価値」とかいうタイトルの
論文を書いているので、サドが好きだったのしょう。
『エロスの涙』の中国人の写真はこわくてみられないな。私R-12でも見る前に心配になる小心者だから。
この本が出版される30年以上前にかかっていた精神分析医にもらった写真なんだそうです。
自分の思想が、その写真の衝撃度と凄まじさに対抗できるまであたためておいたのかな。
ちなみに、聞く所によると私たちの母校がバタイユを図書館に置くようになったのは
結構最近のことだったらしいよ、アーメン。

89:2004/05/13(木) 16:25
エロス、エロスって言ってるけど、バタイユってモテたのかなあ。四十九にして再婚しているぐらいだから、
そこそこモテたのか。

http://club.pep.ne.jp/~faucon/Bataille/chronolo.htm

最近、正直者なので書いちゃいますが、糞尿まみれになってみたい、というようなスカトロジー願望、僕は
ゼロじゃないです。むしろ、ひとより強いかも。比べたことないから分からないけど。とはいえ、さすがに、
食べたり飲んだりしたいとは思いませんが。

テレビで、ローカルニュースとして時々紹介される、田んぼとかでどろどろになってはしゃぐような地方の
祭り(あれ、やってみたい)ってのは、ある種のスカトロジー願望の代償行為なんじゃないかと前々から思
ってるんですが、どうでしょう。ああいった祭りが実際にいくつかの地方で行われていて、みんな楽しそう
にしているからには、そういう願望を持っている人は少なくないんじゃないか、と。我田引水の自己弁護。

そんな願望が僕の中にどうして湧いてくるのかちょっとだけ考えてみたんですが、ほかの人はどうか知らな
いけど、そんな汚いことまでしたいと思うオレって、自由じゃん。そんな自由なオレが好き。素敵じゃん。
その自由を抑圧する宗教なり文明ってのは、ダメー。断じてダメー。だって、「自然」じゃないもん。それ
に、楽しくないし気持ちよくないもん。と、そんな小学生みたいなことをバタイユも思ったんじゃないでし
ょうか。

サドはよく「自然」という言葉を使って理屈を捏ねてます。コネコネ。

ところで、いま、フェルメール展やってると思うけど、あれは行くべき?

90:2004/05/13(木) 17:24
>>89
う。
よくよく考えてみるまでもなく、女性に向けて話す話題じゃないですね。
調子に乗ってました。すいません。

91キシミ:2004/05/14(金) 03:01
いいんです。楽しいです。

バタイユはけっこうモテたと思います。奥さんは二人ともすごい美人です。
前妻は元女優で、ルノワールの「ピクニック」に出てるらしく、バタイユと別れたあと
ラカンと再婚したそうだよ。えらいこっちゃ。

私の通っていた小学校には小さな池があって、年に1回水を総入れ替えするんですが、
低学年のときはその水なしドロドロ状態の池のなかに入って遊ぶという授業がありました。
あれはすごく気持ちがよかったし楽しかった。また入りたい。
そして私も吐瀉物とか痰が道に落ちてるいると、「うわっ」と思ってよけつつも
そこに引き寄せられるような不思議な感覚にとらわれるときがあります。
たしかに代償行為かも。

フェルメール、どうかなー。私は来週行くんだけど、行った人は「思ったより小さい」と言っていました。
変な感想だと思うけど、図版で知ってる作品は実物を見ても図版での印象との違いを確かめるだけで、
あまり見た気がしないのはたしかだよね。でもそれって少しつまらない。
実物が複製に上回って感動した作品て、本当はすごく少ないかもしれません。
プラドで見たベラスケスの《ラス・メニーナス》はすごかったけど。
図版の印象に勝るかどうかためしに行ってみたら?
オノ・ヨーコ展は行きましたか?行った人がいたら感想聞かせてください。

92:2004/05/14(金) 16:44
フェルメール、光の描き方なり遠近法なりの凄さというのはなんとなく分かるけど、図版で見る限り、
それほど好みの絵でもないから、実物を見ればそういった印象も変わるのかなと思ったけど、実物を
見てもやっぱり「こんなもんか」って思っちゃいそうです、確かに。

画家には、常人には思いもつかないような、その人独自の内的イメージなりカオスなりを描いてもら
いたいという勝手な期待があるんで、どんなにうまかろうが、目の前の光景をそのまま描かれても、
ああ、うまいねってぐらいしか思わなそう。日本では大人気みたいだけど、印象派の絵って、だから
全然好きじゃない。それと、一時期流行った、ラッセンとかヒロヤマガタとか。ダセー、としか思わ
ない。

とかなんとかいって、それなりに美術に興味はあるんだけど、恥ずかしながら、美術館に行ったこと
って片手で数えられるほどしかないです。どうも、敷居が高い気がして。貧乏臭いやつは来るなよな、
金もってこい、たんまりもってこーい、じゃんじゃんばりばりもってこい、っていうようなプレッシ
ャーを感じる。

一番見てみたいのは、ありきたりだけど、ゴッホだなあ。何年か前に NHK で松本人志のインタビュー
番組がやっていて、彼の強い希望でゴッホ美術館に行くんです。その映像で見たんだけど、その物凄
い厚塗りに松本人志びっくり、僕もびっくり。この片耳のないおっちゃん、食パンにピーナッツバタ
ー塗り過ぎだけど、すっごくおいしそうだねオカーチャン、って。そういうことって図版じゃ分から
ない。

ベラスケスの絵、ラス・メニーナスって題なのか。検索してみて、久し振りに見たんだけど、いやー、
ネットの画像ですら凄いと思ったから、確かに実物はもっとすごそう。プラドか。飛行機怖いからな
あ。

http://homepage1.nifty.com/hosizora/art/velaz/velaz01h.html

93山田ペス:2004/05/14(金) 19:49
先日、仕事サボってここに行ってきました。
目の前の風景をそのまま描く、日本の巨匠です。
が、好きなんだよねぇ。

ちなみに、デエトにも最適のスポットです。

http://www.setagayaartmuseum.or.jp/mukai/mindex.html

94:2004/05/15(土) 02:52
なるほど。
失われた風景を記録するメディアでもあるわけですね、絵画は。当たり前と言えば当たり前か。

話は脱線します。
この間、甲州街道を自転車で走ってて、江戸時代のころ、このへんは草深い原野だったのかな、なんて
空想に耽ってたんですが、そのころの人たちより僕らのほうが視野はきっと狭いだろう、と思いました。
たとえば、アフリカの人は目が凄くいい、というような意味で。遠くを見通す能力というか、そんな感
じの。というのも、自転車で走ってると、前後の視界は確保されているにしても、どこもかしこも建物
だらけで、左右の空間としての「広がり」を感じない(歩いててもそう感じておかしくないのに、自転
車だから気付いたというのには、スピードの違いがあると思うんですが。逆に、車だと速すぎる)。上
を見ても、ビルが覆いかぶさってくる。そうしてみると、僕らは前後百メートル、左右に至っては十五
メートルくらいの広がりしか感じられないせまっくるしいところで生きてるんだな、という感慨。

そんなことを思っていたところへ、沿道に堂々と、大人のおもちゃ屋がいかにも怪しげに薄暗い明かり
を灯してて、「なぜ、こんな、甲州街道沿いに…」とすっかり興味はそっちのほうにいっちゃいました。

映画『シービスケット』の冒頭に、大地を馬で駈けているのを上空からおって、次第にズームアウトし
ていくシーンがあるんですが、あれは凄いです。すっごい広いとこ走ってる。そのシーンを見るだけで
もスクリーンで見る醍醐味があり、かつ、あんなとこに行ってみたいなと思わされるのでございます。
アーメン。

95:2004/05/15(土) 15:00
>>88
『エロスの涙』、amazon で注文してみました。

96:2004/05/17(月) 17:54
冬の夜 中原中也

みなさん今夜は静かです
薬鑵(やくわん)の音がしてゐます
僕は女を想つてる
僕には女がないのです

それで苦労もないのです
えもいはれない弾力の
空気のやうな空想に
女を描いてみてゐるのです

えもいはれない弾力の
澄み亙(わた)つたる夜の沈黙(しじま)
薬鑵の音を聞きながら
女を夢みてゐるのです

かくて夜は更(ふ)け夜は深まつて
犬のみ覚めたる冬の夜は
影と煙草と僕と犬
えもいはれないカクテールです

   2

空気よりよいものはないのです
それも寒い夜の室内の空気よりもよいものはないのです
煙よりよいものはないのです
煙より 愉快なものもないのです
やがてはそれがお分りなのです
同感なさる時が 来るのです

空気よりよいものはないのです
寒い夜の痩せた年増女(としま)の手のやうな
その手の弾力のやうな やはらかい またかたい
かたいやうな その手の弾力のやうな
煙のやうな その女の情熱のやうな
炎(も)えるやうな 消えるやうな

冬の夜の室内の 空気よりよいものはないのです

97:2004/05/17(月) 17:56
サーカス 中原中也

幾時代かがありまして
  茶色い戦争ありました

幾時代かがありまして
  冬は疾風吹きました

幾時代かがありまして
  今夜此処(ここ)での一(ひ)と殷盛(さか)り
    今夜此処での一と殷盛り

サーカス小屋は高い梁(はり)
  そこに一つのブランコだ
見えるともないブランコだ

頭倒(さか)さに手を垂れて
  汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

それの近くの白い灯が
  安値(やす)いリボンと息を吐き

観客様はみな鰯
  咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

屋外(やぐわい)は真ッ闇(くら) 闇(くら)の闇(くら)
夜は刧々(こふこふ)と更けまする
落下傘奴(らくかがさめ)のノスタルヂアと
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

98:2004/05/17(月) 18:13
http://members.jcom.home.ne.jp/0937044701/shisyuu.html

99:2004/05/17(月) 20:04
【社会】漱石の「文学論」草稿発見−「猫」の原点探る資料
http://www.sanspo.com/sokuho/0517sokuho045.html

テレビ放映の日を忘れないようにメモ。

100:2004/05/18(火) 18:09
『いま私たちが考えるべきこと』 橋本治
http://www.shinchosha.co.jp/books/html/4-10-406107-7.html

すごく重要なことを指摘していると思う。漠然と思っていたことが的確に言い表されていて、蒙を啓かれた
思い。とりわけ、『つまり「自主性のない人」』と太字で強調されているところから下の数段落。近いうち
に買って読まなくちゃ。

101:2004/05/18(火) 20:18
絶望書店
http://home.interlink.or.jp/~5c33q4rw/index.htm

結構有名なんだそうだけど、初めて知りました。

102:2004/05/18(火) 23:01
>>101
アジテーション風の文体を用いた日記がなかなか面白いです。小谷野敦とのメールのやりとりとか。

103:2004/05/27(木) 11:18
最近、読んだ本。

・『ほんの豚ですが』 佐野洋子 中公文庫
・『もぞもぞしてよゴリラ』 佐野洋子 中公文庫
・『わたし いる』 佐野洋子 講談社文庫
・『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』 中原昌也 河出文庫
・『新興宗教オモイデ教』 大槻ケンジ 角川文庫

文字が少なくて読みやすい本しか読んでないわけです。

佐野洋子は言うまでもなく天才。どれを読んでもむちゃくちゃ面白いです。

中原昌也のは、一番最後に収められている「レインボー・ドックス ― 明日への挑戦状」という短編が傑作。
引き込まれました。
『あらゆる場所に花束が』という作品で三島賞を受賞した何年か前、読む気がしないなんて思っていたのに、
読んでみたら意外に普通に読めて、そこそこ面白かったです。ちょっと笑える。色眼鏡は駄目ですね。

高校の修学旅行で読んで以来、久し振りに読み返した『新興宗教オモイデ教』は「自分 BOX」という二章目
が傑作。ビビりました。「純文学」なんて目じゃない。挑発されます。

で、いまは、阿川佐和子の週刊文春での対談をまとめた『阿川佐和子のガハハのハ』なんて読んでます。
好きだなあ、阿川さん。

104:2004/05/31(月) 06:00
>>91
オノ・ヨーコ展に行ってきました。高二か高三の時に行って以来、二度目の東京都現代美術館。土曜、昼下
がりの木場公園は、大勢の人がキャッチボールやらバレーやら凧揚げやらバーベキューやらに興じていて、
とてもハッピーな場所でした。と、そんな話をペス氏にしたら、「周囲二キロの範囲の中で、コンちゃんが
きっと一番孤独な人間だったはず」なんて言われ、グサリ。思わずゲラゲラ笑った。うるさいよ。まったく、
ひどいことを言う。公園の片隅では、安っぽいピンク色の「萌え萌え」なセーラー服姿の三人の女の子と原
始人姿のおっさんを役者に、なんかの撮影をしていた。セーラームーン?あんな素人芝居、いったい誰が喜
んで見るんだろう。女の子の一人が原始人を詰ったあげく泣きだすシーンがあって、僕のちょっと前にいた
五歳ぐらいのガキンチョがそれを見て「アレ、嘘泣きだぜ」とクール。夢も希望もない。

前置きはこのくらいにして、オノ・ヨーコ展、総評を一言でいうと、意外と分かりやすくて面白かったです。
「コンセプチュアル」「概念アート」なんて聞くと、晦渋でコムズカしくて、作品の前で呻吟しなくちゃい
けないものなのかという先入観があったんだけど、二十回ぐらい「ブッ」と吹き出して笑いました。僕がお
かしいのかも知れないけど。けっして侮蔑の笑いでなく。ユーモアと無邪気さを感じる。面白い。もっと挑
発的で攻撃的でフェミニズムばりばりなのかと思ってた。その一方で、とってもスピリチュアル。僕が感じ
たのはその「ユーモア」と「無邪気さ」と「スピリチュアル」の三点かな。具体的に面白かった作品は、

・「空の自動販売機」
・「ポジション・ペインティング」
・「アメイズ」というアクリルの壁でできた迷路(やらなかったけど)
・「カット・ピース」というビデオ上映作品(見ていると、男の僕でもレイプされているような不快感が
 あった)
・壁に三メートルぐらいの直線が引かれていて「これは巨大な円の一部です」とかって書かれているもの
・観客が参加する絵のなかの二点(「埋葬のための」なんとかってやつともう一個あったんだけど忘れま
 した。朝日をキャンバスに映して切り取るとかってやつ。メモ取らなきゃダメね)
・白いハシゴに虫眼鏡と「YES」の作品(ジョン・レノンがこれを!と感激。昇れないのがちょっと残念)

そんな感じでしょうか。

105:2004/07/06(火) 01:58
一月前、親戚のおじさんに、父さん同席のもと、兄貴ともども合わせて四時間あまりの長い説教をくらった。
おじさんはいわゆる成功者で、そのうえ、そこそこ年をいったお寺の住職に「教え」を垂れることができる
ほど仏教にも非常に詳しく、その知識を背景に、文字通りの「説教」をしてくるのだった。兄貴はどうにか
頑張っていたけれども、そもそも二千何百年以上に渡ってあまたの賢者たちが積み重ねてきた仏教の叡智と
おじさん個人の七十余年の経験とが融合した話を前に、たかだか三十年弱甘やかされて生きてきた兄弟の反
論なんて敵うわけもない。僕は反論することもなく、ただ嵐が過ぎ去るのを待つばかりだったが、痛いとこ
ろばかりをついてくるにもかかわらず、おじさんの話に魅せられてもいた。

そのおじさんが、仏教について勉強しなければダメだ、と言うので、手始めとばかりに河合隼雄と中沢新一
の対談集『仏教が好き!』を読んでいる。前書きで河合隼雄は「仏教の本質について、これだけわかり易い
言葉で話されることは、まずないのではないかと思う」と書いているけれど、さにあらず。十分難しい。

その本の中に「釈尊と弟子のセックス問答集、パーリ語聖典『律蔵』抄訳」というおまけがついていて、こ
れが無茶苦茶面白い。『律蔵』というのは仏教の教典で、「律」という字からも知れるように、戒律につい
て書いてあるものなのだそうだ。

喫茶店でその問答集を読んでいて、隣に座っていたカップルが怪訝な目をして僕のほうを見るほど吹き出し
てしまったものを抜粋してみる。

「ある時、ひとりの出家修行者が、バッデヤの林にて昼寝をしていた。彼のペニスは風に揺られて勃起して
いた。一人の女性がそれを見つけ、勝手にペニスにまたがり性交して去った。他の修行者がペニスが濡れて
いるのを見て、釈尊に問うた。釈尊は答えた。
もろもろの出家修行者よ、五つの原因によってペニスは勃起する。欲望によって、大便意によって、小便意
によって、風によって、虫にかまれて。もろもろの出家修行者よ、この五つの原因によってペニスは勃起す
る。もろもろの出家修行者よ、かの修行者は欲望によりて勃起したのでもなければ、楽しみを覚えたわけで
もない。かの修行者は聖者だ。彼は罪を犯していない、と。」

出家修行者といえども、性の悩みというのは強大であったようだ。

うーん。こんなところばかり面白がってて、仏教の勉強になってるのかなあ…

106:2004/07/06(火) 02:05
ブッダは、虫にかまれて勃起したことがあるんだろうなあ…

107:2004/07/26(月) 23:51
土曜日に C1 君に薦められた本を早速買ってきて読んでいる。余談だが、C1 君は、酔っ払って自転車で
家に帰る途中にすっころび、二十七歳にもなって骨折したらしく、包帯でぐるぐる巻きの左手を三角巾
で吊って現れた。痛々しかった。いや、嘘。ゲラゲラ笑わせてもらった。

薦められたのは、建築家のレム・コールハースというおっさんを追ったノンフィクション。
『行動主義―レム・コールハースドキュメント』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887062338/qid=1090853449/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-7596858-1573040

このおっさん、世界中を飛び回ってとにかく無茶苦茶忙しくしているらしい。その超人的な行動力を支
える原動力はなんなのか、といったようなことを探る本だろうとは思うけれど、まだ五十ページぐらい
しか読んでないのでよく分からない。とにかく、「オレもなにかやらなくっちゃ」という気をムクムク
と掻き立ててくれる本らしい。

読みやすくてスラスラ読めるんだけど、たまに文章が変だ。たとえば、「〜、建築の実作もないコール
ハースの名を揺るがしがたいものにした」という一文。「揺るがしがたい」なんてリズムよくないし、
あんま言わないよ。「揺るぎないものにした」でいいじゃん。といった具合で、めくじら立てるってほ
どでもないけど、そういうのが時々すごく気になる文章。

108:2004/07/28(水) 02:42
まだ百ページちょっと。
面白いんだけど、やっぱり文章に不満。

http://www.sankei.co.jp/databox/pi/html/030703_4.html

http://www.kojinkaratani.com/criticalspace/old/special/asada/shicho04.html

109:2004/09/13(月) 05:46
村上春樹の新刊『アフターダーク』を買ってきた。
まだ全然読んでないんだけど、初めのほうをチラチラと読んでて、「店はどこをとっても、交換可能な匿名
的事物によって成立している」なんて一文に出くわして驚いた。

「交換可能な匿名的事物」なんてセンスのない言葉を村上春樹が使うとは。流行言葉をしたり顔で使う、自
意識だけは過剰なアホなライターみたいじゃないか。積ん読になるかもなあ。

110:2004/09/13(月) 20:16
http://cruel.org/cut/cut200402.html

>それはできあいの「問題」を上品に優柔不断化して安心させる仕掛け、ではなかったはずなのだ。

なるほどなあ。

111:2004/09/18(土) 06:29
>>109
とかなんとか言いつつ読んでる。さくさく読める。
四十ページ目あたりまで読んで、体言止めを除いて、地の文を「現在形」で書いてることに気付く。
ちょっとした仕掛けですね。

関西のほうの女子大の大学教授、内田樹のブログ
http://blog.tatsuru.com/archives/000407.php

>仕事はきちんとまじめにやりましょう。衣食住は生活の基本です。家族はたいせつに。ことばづかいはていねいに。
>というのが村上文学の「教訓」である。
>それだけだと、あまり文学にはならない。
>でも、それが「超越的に邪悪なもの」に対抗して人間が提示できる最後の「人間的なもの」であるというところに
>なると、物語はいきなり神話的なオーラを帯びるようになる。

なるほど。

112:2004/09/19(日) 00:54
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0071.html

113:2004/09/19(日) 04:18
「さくさく読める」なんて書きつつ、うつらうつら、途切れ途切れに、いま、読み終わった。
実に他愛のない話なんだけど、とても誠実な、カウンセリング小説、なんて言ったら軽すぎる言い方だけど、
それこそ>>111の内田樹が書いている「ディセントなふるまい」としての小説。いいと思う。

114:2004/09/21(火) 16:26
『スプートニクの恋人』 村上春樹

頭の片隅で常に女の子のことを考えながら、今朝の明け方に読み終わった。こんな結末ってあまりにあんま
りだよ、と途方に暮れながら。小説ではそれでいいかもしれないけど、現実に生きるぼくのところには「電
話なんて掛かってこないんだ」。

枕もとに本を置き、しばらく眼を閉じる。時計を見ると4:45だった。空が少しだけ明るくなっていた。

「恋愛小説」を読んで自分があれほど心をかき乱されるとは思ってもいなかった。

115:2004/09/23(木) 13:47
「ムラカミ力」を高めようと村上龍の『すべての男は消耗品である』という若かりし頃のエッセイ集を
買ってきて読んだ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404158602X/qid=1095912302/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-0764398-3975401

生物学的に男は哀しい存在であるという主張を、自身の成功体験とともに優生思想全開に語っているエ
ッセイで、「女は馬鹿なほうがいい」「ブスは論外」などといった具合に女の子をこきおろしている。
最初は「正直者だなあ。なるほど」なんて思って読んでいたのだけれど、だんだんとアホらしくなって
きた。最後にはうんざりした。「生物学的」なんて単語を持ち出して、一見すると科学的なことを言っ
ているようではあるんだけど、その実、オレが正しいと言っているから正しい、というレベルの主張で
しかなく、根拠がない。意味もなく挑発するためだけの文章。その挑発がまあ刺激的といえばそうなん
だけど。

何年か前、とある会社の二次面接の集団討論で、当時議論沸騰していた「少年犯罪」をテーマに六七人
で話した際、その中のひとりに「少年犯罪が増えているのは『父権制度』が崩壊したせいだ」と声高に
語っているひとがいた。なんだかよく分からない主張だった。事件のことを、主義主張やモラルといっ
たものを持ち出して大上段に構えて語るのではなく、個人個人がどう感じたのか、といった方向で話し
合うほうが建設的な議論になると思いますが、と提案してみたんだけど、いつの間にやら話は彼中心に
回ってしまい(えらくつまらない話し合いだった。あの場にいた全員落ちたと思う)、ああ、もう、ど
うでもいいや、あんまり頭の良くない人だなあ、と思ったのを覚えている。

この本のなかにも「父権」という言葉がキーワードのように頻出していて、あ、これは、あの「あんま
り頭の良くない人」の発想だ、とその時のことを思い出してからはシラケた。

これを読んでもモテないばかりか、真に受けたとしたら嫌われるだけだろうな。どうでもいい本。

あ、でも、「自立した男がカッコいい」という主張はその通りだと思う。

116:2004/09/23(木) 14:21
>>115
偏差値だけは高い高校とか大学に通うモテない男に受けそうな本。
「正直者だなあ。なるほど」なんて思ってしまったぼくもまた然り。

117:2004/09/24(金) 15:33
『数学の愛し方 NHK人間講座』 ピーター・フランクル
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4141891088/qid=1096007207/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-4885096-5273104

昼休みに本屋で買ってきた。喫煙所で読んでる。非常に読みやすい。
NHK の出版物は狙い目かもしれない。

http://www.nhk.or.jp/ningenkoza/200408/tue.html

118:2004/09/24(金) 16:06
メモ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140019964/qid=1096009514/sr=1-17/ref=sr_1_2_17/249-4885096-5273104

119:2004/09/27(月) 19:06
『茶のこころ世界へ NHK人間講座』千 玄室
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4141891096/qid=1096277677/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/250-1971482-5233051

こんどはお茶。このシリーズ、本当に読みやすい。
わずか百ページちょっとの小冊子のなかで、講師となった人の半生とその経験から自分で汲み上げてきた
人生観が凝縮されていて、どっか説教臭くなっちゃうのには眼をつぶれば、とてもタメになるシリーズ。

120:2004/09/28(火) 20:24
『ほんじょの虫干。』 本上まなみ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101028214/qid=1096370516/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-7168935-5205929

素晴らしいので読みましょう。こういう女性と恋がしたいです。

121:2004/09/29(水) 23:49
『父と暮せば』 井上ひさし
『桃仙人 小説 深沢七郎』 嵐山光三郎

面白かったです。

122義弟:2004/10/01(金) 00:33
読まざるを得ない本『質問力』齋藤孝

ビジネス書なんて読むやつの気が知れないと思っていましたが、気がつくとビジネス書コーナーに。
進んで読もうと思うのではなく、本にすがってヒントを探しているという感じでしょうか。
アー、こんな自分が大嫌い!

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126:2004/10/01(金) 01:18
>>122
似たような本がいっぱいあるねえ。
ttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=books-jp&field-keywords=莖ɱ�����/ref=xs_ap_l_xgl14/249-2599871-2106711

「質問力」なんてなんだか耳障りがいいような言葉を使ってるけど、要は、「相手に感心してもらえるような
質問ができるようになるためには、やっぱりお勉強しとかないとだめだゾ。プンプン」ってことだと思うけど。

あとはなんだろ。「ハキハキ元気よく喋ろう」とか「笑顔をたやさない」とか「話の語尾を濁さない」とか
「相手の目を見て話す」とか「結論を最初にもってきて簡潔に話す」とかなんたらかんたら。

127:2004/10/01(金) 01:20
>>123-126
だめだ。リンクがうまく貼れない。読み難くてごめんね。

128:2004/10/01(金) 14:02
その「読まざるを得ない本」のなかでも谷川俊太郎の事例が取り上げられているみたいだけど、こんなの読
んでみたら?役に立つかもよ。

http://www.1101.com/tanikawa/

糸井重里とのやりとりなんだけど、谷川さん、「うん、うん」とか「そうなの」とか「なるほど」とか、ま
ず頷いてるねえ。それがきっとその本の第3章にある「沿う技」ってことになるんだろうな。

自分を顧みると、ぼくはどっちかというと「ずらす技」で応じてるな。別の言い方をすると「はぐらかす」
になるんだろうけど。

でもなあ。
ぼくは自分のことを話すのが得意じゃないし好きじゃないから、人と話をするときにはかなり意図的に質問
する側にまわってるんだけど、鬱陶しがられてる気がしないでもないなあ。自分のことは話さないのに、こ
っちのことばっか根掘り葉掘り聞きやがって、って。質問ばかりする人って、往々にして煙たがれるんだよ
ねえ。それに、モテない。

129:2004/10/08(金) 02:43
帰りにブックオフで、大学院で法律を学ぶかたわらSMクラブで風俗嬢のアルバイトをする25歳の女性と
村上龍とのメールのやりとりをまとめた本を立ち読みしてて、激しく劣等感を覚えた。とはいえ、とても
買う気にはならなかったんだけど。均質的に世界を見てる。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140805161/qid=1097170338/sr=1-88/ref=sr_1_2_88/250-9536203-2753037

130:2004/10/12(火) 02:49
ちょっと聞いてみたいこと。
この掲示板を見ている人で、サルマン・ラシュディという人物を「どっかで聞いたことがあるようなない
ような…」という程度でもいいから、知ってるひとってどれくらいいる?

何者かというと、インド系イギリス人で、イスラム教国ではまず間違いなく発禁処分になっている(とい
うより、むしろ、出版を許されている国のほうが少ないかもしれない。日本では翻訳出版されているんだ
けど、ぼくは本屋で一度も見たことがない)『悪魔の詩』という本を書いたことで「イスラム教を侮辱し
た」としてイランのホメイニ政権によって懸賞金付き(1000万ドルくらいだったかなあ)の暗殺命令
を下されて命を付け狙われている亡命作家で、日本でも、たしか、その本の翻訳者が「何者か」に襲われ
て殺されているはず(と、ここまで、記憶だけを頼りに書いてみてからネットで調べてみたら、だいたい
合ってるな。どこで覚えたのか、よくもまあ、こんな役立たずのことを覚えてるもんだ。別に知識や記憶
力をひけらかしたいとかそういうことじゃないので、あしからず。んなもん、実生活上なんの役にも立た
ない)。

http://www.magicalweb.to/~msano/jinbutu/jinbutu2.htm

http://www.logico-philosophicus.net/profile/IgarashiHitoshi.htm

先日、一緒に九州へ行った友人と、東京に戻ってきてから乗ったモノレールと山手線の車内で本の話をし
ている際、そのひとの話題になった。ミラン・クンデラと大江健三郎が勧めていたので友人はその『悪魔
の詩』を買ってみたらしいが、十ページぐらいで挫折したらしい。

九州旅行を終えてそれぞれの自宅へと帰る電車内でサルマン・ラシュディの話題をして、「世界の最先端
の文学って(古典を知ってることを前提にしたものが多いから)ものすごく難しい」なんてな風に、「会
話として成立している」というのは、27歳の男二人(公務員とフリーター)の会話として普通にあり得
るのかあり得ないのかちょっと気になったもんで。たぶん、というか、まず間違いなく、あり得ないよな
あ。

最近、そうした世間との「ズレ」みたいなもの(この間もキシミさんと居酒屋で話してて、リオタールと
いうひとの名前が出てきたんだけど、そんなひと、普通知らないよねえ。ぼくも名前ぐらいは辛うじて聞
いたことがあったってぐらいでどんなことしてるひとかはよく知らないんだけど、それじゃあいったいぼ
くはなんのためにそんなことを覚えてるのか、というか、どういうひととのコミュニケーションを想定し
てそんなことを覚えているのか自分でもよく分からなくって…まあ、いいや。その居酒屋の卵焼きが滅法
うまかった。感動するよ、アレは)を矯正したくて仕方ないんで、この(↓)山形浩生の言ってることに
強く頷くわけです。山形浩生って誰かって?野村総研にサラリーマンとして勤めながら評論家をしている
オッサンです。

ttp://ruitomo.com/~hiroo/bbs/kohobu0074.html#kohobu20041012005516

131:2004/11/01(月) 22:56
http://book.asahi.com/review/index.php?info=d&amp;no=6899

面白そう。

132:2004/12/07(火) 15:30
憲法の勉強は一通り終わったのだけど、記憶したことを忘れないためと問題演習も兼ねてこんなのを買って
きて休み時間にも解いている。

http://www.tatsumi.co.jp/syuppan/new/2002/0929/ashibetu16.htm

司法試験用のものだけど、使う知識は公務員試験でも一緒なので。問題が多くて、クラクラする。

最近は、活字を読むといってもこんなのとか問題集とかテキストとかばっかり読んでいるせいで頭がこんが
らがり気味で、ゲージュツだとかブンカだとかムツカシイことは考えたくない気分でいっぱいです。

133:2005/01/13(木) 19:37
芥川賞に阿部和重さん 実力派の中堅作家
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050113-00000187-kyodo-ent

多分そうなるだろうな、とは思っていたけど、今回はほぼ出来レースだね。

134:2005/02/09(水) 12:13:13
読みたい本のメモ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822243427/qid%3D1107918607/249-7689057-5854715

135:2005/02/13(日) 16:10:55
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838715668/ref=amb_center-3_172820_3/250-7664050-2569867

インチキばかりがまかり通る世の中だ…

136:2005/03/03(木) 15:15:20
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103407123/qid=1109830377/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/250-1103764-8804235

137:2005/04/19(火) 00:33:02
『古典落語CDの名盤』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334033040/qid%3D1113836451/250-2457419-4947424

帰りの電車で知ってる噺を中心に斜め読み。結論としては、志ん生・円楽・圓生の昭和三大名人を中心に、
上方落語復興の祖である桂米朝、落語界最初の人間国宝小さん、志ん生の次男志ん朝、そして談志に小三
治、そのあたりのCDならまず間違いあるめえよ、と、まあ、わざわざこの本にあたらずともわかってらぁ
てやんでぇというラインナップが紹介されている。あとがきにも「とりあげたCDも目立つもの中心になっ
たことは否めない」とある。ちなみに、ぼくの贔屓は志ん朝です。

この本を知るきっかけとなったソースはここ。
http://d.hatena.ne.jp/chaff/20050417

サークルの後輩なんだかどうだか、どこの誰なのか素性はよく分からないけれど、どういうわけか読んで
います。この彼、文章はぶっきらぼうながら、なかなか頭がいいので信頼しております。ぼくに褒められ
ても仕方ないか…

138:2005/05/26(木) 00:16:46
電車内で見かけた読書するひとを観察・寸評した「今日の読者」と題するメールが C1 くんから送られて
くるようになった。一年ぐらい前から別の誰かに宛ててひっそりと「連載」していたものらしい。なかな
か面白いので紹介します。

『逆説の日本史? 天下泰平と家康の謎』

中年サラリーマン
緑がかった濃い色のダブルのスーツ
ネクタイは黄緑に汽車のリアル絵がいっぱい描かれてる派手なもの…

そんなネクタイをしてしまってもいっこうに恥じらうところもない中年男性は、何故に歴史再解釈が好きか…

すでに固定してしまったものを掘り返し、想像の中で陵辱する
それは昔は美しかった妻への愛に似ている、か?

139:2005/05/26(木) 00:17:48
『全部、無料でやる Linux自宅サーバー』

浅黒い中年サラリーマン
眼鏡に白髪までは普通だが、そんなものを電車で読み込むくらいだからやはり我が道を行
く性格がプンプン
それは耳にねじ込まれたくちゃくちゃになった耳栓が示している
頼むから、邪魔しないでくれ!

ところで何年使ったら耳栓ってそんなになるんだよ…
靴じゃないんだから…

140:2005/05/30(月) 22:57:53
新たに送られてきたC1くん連載『今日の読者』シリーズ。

『スタートレック4』

半分英語で半分日本語のやつ…

30代後半らしきサラリーマン
ぺったりと髪の毛が頭にへばりついてるスーツをきててもオタクくささがにじみ出てる
当たり前のようにリュックだ…

小心者のくせにパソコンのパーツ買うときには値切ったりするんだろうな…

ちょっと内股なが内向的だ…
きょうび女の方ががにまただけどね

141:2005/05/30(月) 22:59:50
『今日の読者』シリーズ その4

『割安株、儲けの方程式』

40代半ばだろうか、テンパ気味っていうかテンパの太ったサラリーマン

貧乏くさい居住区しかないこの沿線であの容姿、人は見かけで判断しちゃいけないとはいうものの、金持ちならあんな格好であんなもの読まんよなぁ
大方きったない都営住宅かなんかにお住まい続けて手にした金がちょっとでも増えたらいいな〜とか思ったんかなぁ
ドーナツ屋の前で、ドーナッツ☆ドーナッツ☆☆とか騒いでる子供レベルの願望だよな

本読んで金持ちになるならみんな読むっつーの!
金はサロンワークでのコミュニケーションでしか増えない時代に金を増やそうとして読むとしたら中谷なんたらの恋愛の方程式だろが!
バイタへの口説き文句でベラベラしゃべる成金おやじをヒーヒー言わせて儲け話のひとつくらいわけてもらったほがいいんでないの?10万を100万にちまちま増やしてるんだったらね

えっ株で10倍?
嘘つき!!

142:2005/05/30(月) 23:01:01
>>138-141
もちろん、本人の許可なく無断転載。勉強になります。はい。

143みち:2005/06/08(水) 00:45:36
教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798106577/qid=1118158903/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/250-0099020-8756217

最近一部で話題の一冊。
とりあえず買ってみたけど、1日で読み終わるわけがない。
興味がない人にはつまんないかもしれないけど、
好きな人はうーん。。。

144:2005/07/04(月) 19:08:25
「ニャロメのおもしろ性教室」
http://www.doutei.com/blog/archives/200409/13-1929.php

読んでみたいなあ。

145:2005/07/07(木) 03:00:12
『芸人 その世界』 永 六輔
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4006020902/qid=1120671281/sr=1-4/ref=sr_1_8_4/249-4485514-8805136

永六輔が、これまでに読んだり聞いたり実際に見たりしてきた芸人たちのエピソードを、長いもので十行程度、
短いもので一行とか二行で紹介している本。言ってみれば、芸人に関するトリビア本。たとえば、こんな風に。

「誰にあっても「やあ、しばらく」といったのは十五代目羽左衛門。
彼にとって初対面の人間はあり得ないというのである。
スターはこれぐらいの自信がほしい。」

「朝寝坊夢之助という前座の落語家。
家族に芸人になることを反対されて廃業した。
これが明治三十二年、後の永井荷風である。」

「五代目林家正蔵は百歳まで生きた。
百歳の時に手をひいてくれた女性のところに夜這いに行った。
年寄りに対する親切を、気があると誤解したのである。」

「酔っ払ったプロレスラーが『太陽の季節』でおなじみの障子破り大会をやった。
優勝者は障子の桟を折ったそうである。」

巻末に参考資料の一覧が載っているけど、その量たるや半端じゃない。エピソードの量も半端じゃない。ただし、
名前を聞いたこともないような芸人であるとか、ぼくに素養がないせいで、読んでいても分からないものが多い。
それなりに面白いけど、喰い足らないような気もする。それと、文庫なのに、高い。

146:2005/07/07(木) 15:40:35
>>145
同書から「なるほど」と思った言葉。

「ひとりでも多くの観客に喜んで見てほしい。この気持ちから映画づくりに専念したら、ほとんどが仁侠映
画だった」(東映・小沢茂弘)

http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_10/g2004101507.html

「昭和二十三年に来日したニューヨーク・ポストの特派員、D・ベリガンの日本のレポートの一行目にこう
書いている。
「日本の家族はある意味ではすべて与太者の集まりであり、親は与太者の頭である」
…(後略)…」

日本の家族の原型をたどっていくと、ヤクザに行き着く気がするので、鋭い指摘だと思う。

「大衆映画には新機軸の必要もなければ、近代化も必要ではない。それはむしろ旧態を固守すべきなのだ。
(中略)かつて大道芸人によって厚顔無恥に提示され、ペテンと知りつつ観衆に受け入れられていたあの共
通の強迫観念をどう取り戻すかについて考えなくてはならないだろう」(種村季弘)

http://www.asahi-net.or.jp/~jr4y-situ/tanemura/about.html

さすがは種村さん、慧眼。

147:2005/07/10(日) 04:31:55
『夜這いの民俗学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4750305677/qid=1120935714/sr=8-3/ref=sr_8_xs_ap_i3_xgl14/249-2523584-3685921

図書館で目についたので借りてみた。けっこう癖のある文章。
戦後しばらくまで農村では当たり前にあったという夜這いの話が主だけど、そうした性にまつわる因習を
研究対象から故意に遠ざけたと、日本の民俗学を作り上げた柳田国男やその流れを汲むアカデミズム一般
を批判する本でもある。そうした著者の立場は次の一文によく出ている。

「腰巻きを解くのは簡単なようだが、女の方が協力してくれないと、美しく開帳できるものではなく、肌
の美しい女が開帳したときの一瞬の香というものは、実に男冥利に尽きるものであった。自分で腰巻きを
解いて待つのは、主人と愛人に対してだけで、夜這いでも腰巻きを解いて待っていてくれるようになった
ら愛人で、いわば結婚しようという意思表示にもなった。こうした肉付けがあってこそ学問もおもしろく、
リアリティもでるのである」

確かに、自身の体験も踏まえて具体的に書いてくれたほうが、勉強するにしても、ただ興味本位で読むに
しても、面白いよなあ。こうした本を読んでる場合じゃないんだけど…

148:2005/07/16(土) 17:07:08
>>147
面白かったので、抜粋。

明治政府は、一方で富国強兵策として国民道徳向上を目的に一夫一婦制の確立、純潔思想の普及を強行し、
夜這い弾圧の法的基盤を整えていった。そして、他方では資本主義体制の普及と発達のため、農村、特に
貧農民を農村から離脱、都市に吸収して安価な労働力として提供し、農村では小作農として定着、地主の
封建的地代の収奪を強行させ、地主対小作の対抗を尖鋭化させた。こうして都市や振興の工業地帯の性的
欲求のために遊郭、三業地、淫売街などの創設、繁栄をはからざるをえない。そうした資本主義的性機能
の発達によって巨大な収益を期待した。

これに対して農村地帯で慣行されている夜這いその他の性民俗は、非登録、無償を原則としたから、国家
財政に対しては一文の寄与もしなかった。政府は国民道徳との背反を知りながら、この巨大な税収源を放
置できず、農村の隅々まで仲居、酌婦、芸妓を普及させ、料理屋、風俗旅館、酌婦宿などの機構を通じて
収奪を強行した。これらの営業税、遊興費と酒その他の飲酒の税収を合すると巨額の税収となり、国家財
政、とくに軍事費に寄与したことは間違いあるまい。

明治政府は、都市では遊郭、三業地、銘酒屋その他、カフェー、のみ屋など遊所の発達を保護、督励し、
はるかに広大な領域の農村にも芸妓屋、料理屋、性的旅館、簡易な一ぱい屋などの普及によって、その営
業税、酒、ビールその他の酒類の巨大な税収を企図したのであり、一夫一婦制だの、青年、処女たちの純
潔・教育など、ただの表面の飾りにすぎなかった。したがって広く、深く普及していた農村の性民俗、と
くに夜這い慣行に対して徹底的な弾圧を加えたのは当然であった。

政府としてはムラごとに若衆仲間、娘仲間を基盤に夜這いその他の性行為を記録させ、一回について十銭
ぐらい、男女双方から徴収したかっただろう。それでも巨額の収入になるだろう。いくら罰則を重くして
も脱税と、その方法をいろいろと案出したにちがいないが、ムラに続出した一パイ屋、酌婦屋などの営業
税や酒税による収入と、どちらが大きかったか。一ぺん計算してみたい。ともかく、そうした国家財政の
目的のために、ムラやマチの夜這い慣行その他の性民俗が弾圧されたことは間違いない。要するに夜這い
その他の性民俗は、それほど広く、深くムラやマチに普及していたのである。

149U:2005/07/18(月) 03:00:39

after dark、parcoの地下で何気なく手に取って、ついとそのまま、
90分ばかし費やして、終いまで読み切ってしまいました、立ちっぱなで。
何か良かったです、とても。

最近、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を読み返して、
究めてpassiveな「僕」や、作品世界が避けがたく閉じられてしまう構造に、
得も云われぬ「成熟して無さ」を感じてしまい、浅田某が「癒しの文学」
と揶揄したのも分かる気がして。

それまでの1人称小説では、常に「僕」の認識に立脚した、閉じられた
世界で物語が完結しており、他者の他者性が、蓋然的に訪れる外からの
暴力という形で象徴的にしか表現されてこなかったように思います。

それに対して、例えばafter darkでは、記憶=心を燃料にして主体的に
動くactiveな存在としての他者性を持った人物たちが語られることで(猥雑な
感じにはなったけれども)、作品にある種の力強さや健全さが加わった気が
しました、好みは凄く分かれると思うけれども。

ひょいひょい書けそうだけど、なかなか書けない小説だと思います。

150:2005/07/21(木) 01:13:28
『武術の新・人間学 - 温故知新の身体論』 甲野 善紀
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569578438/qid=1121875779/sr=1-11/ref=sr_1_2_11/250-9594146-6141857

読んでいる途中ですが、これは面白いです。お勧めします。

151:2005/07/21(木) 20:02:32
>>149
『アフター・ダーク』は、去年、発売されてすぐに読んだはずなんだけど、もはやほとんど覚えてないな。
昨今、村上春樹の小説を評して、言葉そのものは安っぽいけれど、言われてみればたしかにそんな気もし
てくる「カウンセリング小説」といった言葉がキーワードとして定着しつつあるように思いますが、まさ
にそうした小説として読んだような気がします。

あんまり突っ込んだレスが返せず、すいません。

152:2005/10/31(月) 03:23:13
福音館文庫
http://www.fukuinkan.co.jp/bunko/index.html

いま、この文庫群のなかの一つ『子どもを食べる大きな木の話』というのを読んでいるんだけど、児童
文学のほうがなんでもありで想像力が豊かな気がしてきました。ちらほらと買い進めて読んでいきたい。

153:2005/11/05(土) 04:39:20
>>152
福音館文庫に興味を持つきっかけとなった、レオポルド・ショヴォーという戦前のフランス人童話作
家の作品に最近ハマっています。電車のなかで読んでいて、思わず「ブッ!」と吹き出すほど、お話
が奇想天外でユーモラス。とにかく面白い。レオポルド・ショヴォーという名前は覚えておいたほう
がいいと思う。そのうち、大ブレイクすると思います。

で、なかでも『年をとったワニの話』という話が面白かったので検索してみたら、アニメーション作
家の山村浩二が映画化しているのだそうだ。こいつは見てみたい!

http://yamamuraanimation.blog13.fc2.com/

ちなみに、山村浩二というひとは、『頭山』という作品でアカデミー賞の短編アニメーション部門に
ノミネート経験のあるひとで、その作品はぼくも見たことあるけど、面白いのでおすすめです。落語
をもとにした作品で、ぶっ飛んでます!

154:2005/11/22(火) 19:25:02
下流社会 新たな階層集団の出現
http://book.asahi.com/bestseller/TKY200510260206.html

親の家のそばに住み、孫が生まれ、人間関係も固定化するなら、この狭い暮らしの空間は
「昔ながらの村」だ。そこに自足する若者は「新しい農民」ではないか。

155山田ペス:2006/01/15(日) 13:24:55
「地上最強への道 大山カラテもし戦わば」大山倍達

言わずと知れた「ゴッドハンド」が、
空手vsボクシング、柔道、世界の格闘技について語った一冊。
そればかりか、vs牛、熊、ライオン、ゴリラまで話は及ぶ。
中学生男子みたいな空想話になってくるのだが、
それでも真剣に論じているところが面白い。
検討の結果、人間はライオンやトラには勝てないだろう、と。
(ちなみに、牛には何度も勝利、熊との戦いは当局のストップがかかり中止、
 そしてメスゴリラには勝ったことがあるそうな)

156:2006/01/15(日) 13:37:04
チラッと立ち読みしましたが、買う気はしませんでした…

157:2006/01/22(日) 00:51:36
懐かしいなあ。
http://www.hit-press.jp/kunitachist/oldbook.html

大江健三郎の小説が20円の木箱のなかにあって、細かいのがなかったから千円札を出すと、煙草の
吸い過ぎで息をゼーゼーきらしながらおじさんは「いいよ、それ、やる」とタダでくれたっけ。

158:2006/02/03(金) 17:42:12
『県庁の星』

つまらん…。ストーリーを前に前に進めるためだけの、素人の文章だなあ。描写がない。

159:2006/02/09(木) 00:03:46
井上ひさし『箱根強羅ホテル』から抜粋。

「この地球上にいったい、いくつの国があるでしょうか。わが大ニッポンを除いて、いくつ国があり
ますか。
(中略)
六十三あります。そして、われらが祖国、第日本帝国は、昭和二十年五月現在、この六十三のうちの
四十九カ国を相手に、聖なる戦いを挑んでおります」

「いい靴はこころの友ですよ。うれしいときはよく弾んで、喜びを二倍にしてくれます。悲しいとき
はそれを和らげて、悲しみを半分にしてくれます」

「損したところと野糞をしたところには長くいるな」

160*:2006/02/11(土) 00:57:34
今年に入って読んだ本の一覧です。少しずつ感想を書いていこうと思います。
http://d.hatena.ne.jp/tralfamadore/

はてなダイアリーってこういうのをまとめるには非常に便利ですね。

161七詩<C1:2006/02/14(火) 17:35:34
普段本なんて一度読んだら二度と読み返したりしないのだが、
なんとなく気になって、実家に行ったついでに引っ張り出してきた本。

ダムタイプ『メモランダム 古橋悌二』

古橋悌二って人にまつわるインタビューやらテキストやらをまとめた本なのだが、
思考がぐるぐるとめぐる気がした。
引っ張り出されてくる芸術家の名前やらなにやらは半分くらいわからない芸術に疎い僕であっても、
その息遣いはぎゅんぎゅん伝わってくるのだ。
今回、5年ぶりくらい(?)に呼んでみたが、気になっていたわけがほんの少しわかった気がした。

そのうち、また読みたいとか思います。

ちなみに・・・ダムタイプのパフォーマンスは見たこともないです。
インスタレーションのひとつをICCで一回見た程度です・・・。

162七詩<C1:2006/02/14(火) 17:37:17
>161

ちなみに、リンク忘れたが、こんな本です↓
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4898150381/qid=1139905829/sr=8-5/ref=sr_8_xs_ap_i5_xgl14/503-0172650-6222365


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