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プチ住民(゚ε゚)キニシナイ!!

1プチ住民:2003/01/31(金) 19:21
愛好会スレのプチ住民の(゚ε゚)キニシナイ!!
おまいら、煽られちゃったり・放置されちゃったり、流れにのれずレスを外しても(゚ε゚)キニシナイ!!
そこにアキラたん(*´Д`*)ハァハァ(*´Д`*)ハァハァがあるなら(゚ε゚)キニシナイ!!
合言葉は(゚ε゚)キニシナイ!!

464盤上の月2(27) ◆RA.QypifAg:2012/06/10(日) 19:51:38

第2期北斗杯選手代表選抜―――東京予選。
昨年と同じくヒカル・和谷・越智・稲垣が勝ち、選抜戦本戦へと進む。

第2期北斗杯選手代表選抜―――本戦
今年はヒカル・和谷が勝ち抜いて、代表選手枠を獲得。
社は以前から不調が続き、今回も本調子を取り戻せなくてあえなく敗退。
和谷は昨年の悔恨をバネに成長が著しく、出場者達も目を見張った。
今年の日本代表は、塔矢アキラ・進藤ヒカル・和谷義高の3名に決定となる。
アキラは選抜本戦の当日は仕事が入っており、日本代表枠を知ったのは仕事後に出向いた棋院で週間碁
の記者・古瀬村に問い合わせてからだった。

ロビーで古瀬村に声をかけられたアキラは、北斗杯・日本代表決定のメンバーを聞いて「そうですか…」
と、一言のみ答える。
「やっぱり今年も進藤君が選ばれたね。でもそれって当然だけど。
社君は残念だったけど、和谷君の活躍も楽しみだよ」
「ええ、こういう場は数多く経験するほうがいいでしょうから、いろんな人が出場したほうが好ましい
と思います」
「今年こそ打倒韓国・中国だよ塔矢君! 期待しているよっ」
握りこぶしで熱く語る古瀬村に対してアキラは頷きながら、ヒカルの事を思い出す。
真正面からヒカルへと向き合う時期が来たことを、アキラは密かに待ち望んでいた。
アキラは家には帰らずに囲碁サロンへ行き、いつもの指定席へと座る。困難な事が起こったら逃げずに、
その事へと立ち向かうのがなによりも近道──碁を通してアキラはそのことを知っていた。
ただ今日は1人で家にいるよりも、人のいる所へ身を置きたかった。ここへ来れば晴美が笑顔でいつも
で迎えてくれ、他の客も声をかけてくれる。アキラにとって落ち着ける場は、幼い頃からこの碁会場だ
った。
晴美がコーヒーを持ってきてくれた直後、聞きなれた声の主が碁会場へ入って来た。
「こんにちは市河さん。ここにアキラ君が来ているかな?」
「緒方先生、こんにちは。アキラ君なら、ちょうど今来たところですよ」

465盤上の月2(28) ◆RA.QypifAg:2012/06/10(日) 19:52:37

晴美はカウンターへ戻り、緒方へ挨拶しながらアキラのほうへ顔を向ける。
「こんにちは緒方さん」
アキラは席を立ち、緒方に頭を下げて挨拶する。
「キミは家にいない時に大抵ここにいるのは、昔から変わらないなあ」
緒方はアキラの対面の席へ座る。
「………訊いたかい?  北斗杯のメンバーを」
「はい。緒方さん、もう耳に入ったのですか。いつも情報収集早いですね」
コーヒーを飲みながらアキラは、緒方の情報収集力の素早さに舌を巻く。
アキラと緒方の周りにいる客達は2人の会話を聞いてざわめくが、どことなく緊迫した感じがあるため
口を出せず静かに聞き耳を立てている。
「まあ、いろいろとネットワークを張り巡らせているからな。
……やはり進藤が出てきたな。予想通りではあるが楽しみなことだ。
昨年、北斗杯はすごく話題に上がっていたから皆注目しているのさ。
進藤が韓国の高永夏と、ほぼ同等の力があることを証明したのがこの大会だったからな」
「ええ、そしてこの大会に出た者は今後、日本・世界とも注目されていくでしょう。
あの社のように。とても意味のある日中韓Jr・団体棋戦です」
「確か今年は社じゃなくて……」
「和谷君です、和谷義高。進藤と仲が良いと聞いてます」
「あら、もう北斗杯のメンバーが決まったんですか。緒方先生はコーヒー、ブラックでしたよね」
晴美が緒方の分のコーヒーを盆に乗せて机へと運ぶ。
「どうも市河さん。北斗杯メンバーは今日決まったんですよ」
晴美が2人の間に入ったことから、北島が割り込む。
「北斗杯、今年も期待してますよ、若先生っ!」
北島が話し出した途端、碁会場の客達が一斉にアキラと緒方の席を取り囲み、アキラへ激励を飛ばし始
めた。
「ぜひ今年こそ韓国戦の大将をやってくださいよ」
「でも進藤もこの1年で成長したようだから、今年どうなるか見てみたいよな」
「何言ってるんだ! 若先生が大将やるところが見たいんじゃないか!」

466盤上の月2(29) ◆RA.QypifAg:2012/06/10(日) 19:53:54

碁会場内は一気に活気付き、その騒ぎを眺めてアキラは徐々に気分が高揚していくのを感じた。
皆が一心に応援して期待する北斗杯を、今年こそ白星を勝ち取りたい。
強い決意がアキラの中に固まっていく。
「あとアキラくん。もう一つキミに伝えたいことがあるんだ」
緒方はコーヒーを手にしながら、ちらりとアキラを見る。
「実は、今年の北斗杯の団長はオレなんだよ」
その場にいる者達は、一瞬言葉を失った。
十代の少年達のまとめ役を行う緒方というのが、想像出来ないからだ。
「………緒方さんが……ですか……?」
聞き間違えたかと思い、アキラは目を丸くしてもう1度そのことを緒方へ問う。
「ああそうだ、オレだよ。オレが申し出たんだ。
これから世界で活躍する輩を、この眼で見たいじゃないか。絶好の機会だ」
―――遠くない先にオレの前に現れる敵を、この眼で確かめたいのさ。
豊かな才能の開花していく様を、その場で見合わせる。自分で自覚は無いが、アキラに負けず劣らずに碁に
全てを手向ける緒方にとって、北斗杯は精神向上を鼓舞すべき格好の場であった。
緒方の心意はアキラには汲み取れないが、以前からヒカルに対して強いこだわりがあることを知っている。
―――進藤のライバルは他の誰でもない、このボクだっ!
アキラは眼力を強めて緒方へ見返すが、緒方の眼鏡は陽に反射して表情が読めない。
緒方はアキラの視線に気付き、コーヒーを飲みながら口元に不敵な笑みを浮かべた。


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